説明

装着用発電モジュール

【課題】長期間連続して装着できる装着用発電モジュールを提供する。
【解決手段】フレキシブル基板8の上面に設けられるとともに可撓性を有する太陽電池6と、フレキシブル基板8の上面に装着された電子部品11と、電子部品11が埋設されるとともに剛性を有した樹脂部10とを備え、装着部材によって装着対象へ装着される装着用モジュールにおいて、樹脂部10はフレキシブル基板8のほぼ中央部に形成されるとともに、フレキシブル基板8より小さくしたものである。これにより、太陽電池6部分の柔軟性を損なうことがなく、また装着時の違和感や行動への妨げを少なくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着対象へ装着されて使用される装着用発電モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、従来の装着用発電モジュールについて図面を用いて説明する。従来の装着用発電モジュールでは、両面のフレキシブル基板の一方の面上に、アンテナや太陽電池が形成される。一方フレキシブル基板の他方の面上には直接センサや複数の電子部品が搭載されて、信号処理回路が形成される。そしてこのように構成された装着用発電モジュールの全体が樹脂によってコーティングされる。この樹脂によるコーティングでは、フレキシブル基板に搭載された電子部品や太陽電池全てが完全に覆われるようにして設けられている。
【0003】
このように構成された装着用発電モジュールは装着対象へと装着され、センサで検出した信号を信号処理回路で送信信号へと変換し、アンテナを介して外部の監視装置へと送信する。そしてこのとき信号処理回路は、太陽電池から供給される電源電圧によって駆動される。そしてこのような装着用発電モジュールは例えば、人体などに装着されて、長期にわたって継続的に生体情報などを検知する。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−36988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来の装着用発電モジュールでは、汎用の実装機などによって電子部品を装着し易くするためには、フレキシブル基板の厚みを大きくする方が望ましい。また、樹脂はフレキシブル基板の上下に対し、電子部品や太陽電池を完全に埋設できる厚みで形成されるので、装着用発電モジュール全体の厚みが厚くなる。このように、人体へ装着するような場合に装着用発電モジュールの厚みが厚いと、装着時における装着者の違和感が大きくなり、長期間の継続使用に支障が生じる。
【0007】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、長期にわたり継続して装着使用することができる装着用発電モジュールを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために第1の可撓性基材と、この第1の可撓性基材の上面に設けられるとともに可撓性を有する発電手段と、前記可撓性基材の上面と下面のうちの少なくともいずれか一方に装着された電子部品と、前記電子部品が樹脂によって埋設されるとともに剛性を有した樹脂部とを備え、装着部材によって装着対象へ装着される装着用モジュールにおいて、前記樹脂部は前記可撓性基材のほぼ中央部に形成されるとともに、前記可撓性基材より小さくしたものである。これにより所期の目的を達成することができる。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明によれば、第1の可撓性基材と、この第1の可撓性基材の上面に設けられるとともに可撓性を有する発電手段と、前記可撓性基材の上面と下面のうちの少なくともいずれか一方に装着された電子部品と、前記電子部品が樹脂によって埋設されるとともに剛性を有した樹脂部とを備え、装着部材によって装着対象へ装着される装着用モジュールにおいて、前記樹脂部は前記可撓性基材のほぼ中央部に形成されるとともに、前記可撓性基材より小さくした装着用発電モジュールである。
【0010】
これにより剛性を有する部分は樹脂部のみであり、その領域は基材の中央部でありかつ可撓性基材より小さく、発電手段は可撓性基材で形成されているので、柔軟性を損なうことがない。また、剛性を有した部分が小さいので、人体へ装着するような場合には、装着時の違和感や行動への妨げを少なくすることができる。従って、長期にわたり継続して装着使用することができるものである。さらに、このような装着用発電モジュールを粘着剤などによって人体へ装着する場合、基材の柔軟性が高く、人体から剥がれにくいので、強い粘着力の粘着剤を用いる必要がない。したがって、弱い粘着力の粘着剤を使用することや、粘着剤の塗布面積を小さくすることもできるので、カブレなども発生しにくくなる。
【0011】
なお、発電手段は可撓性を有した基材上に形成されるので、装着対象の形状や、動きなどによらず、装着対象に対して装着用発電モジュールをしっかりと装着することができる。
【0012】
また、電子部品は樹脂に覆われることとなるので、電子部品で構成する回路への塵などの侵入をしにくくできる。特に、人体へ装着される場合、汗などが電子部品へ付着することを防ぐことが可能となり、長期間安定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)本実施の形態における装着用発電モジュールの断面図、(b)同、発電モジュールの上面図
【図2】同、発電モジュールの回路ブロック図
【図3】(a)同、太陽電池の周縁部近傍の拡大断面図、(b)同、太陽電池の接続部近傍の拡大断面図
【図4】(a)同、第2の例における発電モジュールの断面図、(b)同、第2の例における発電モジュールの上面図
【図5】同、第3の例における発電モジュールの上面図
【図6】同、第4の例における発電モジュールの下面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態における装着用発電モジュール(以降モジュール1という)について図面を用いて説明する。図1(a)は、本実施の形態におけるモジュールの断面図であり、図1(b)は、同上面図である。本実施の形態におけるモジュール1(装着用発電モジュールの一例として用いた)は、人体(測定対象の一例として用いた)に装着されて、発電手段で発電された電気を用いてセンサ5a(図2に示す)で規定の情報を検知し、その検知情報を親機(図示なし)へ送信するものである。そのためにモジュール1には、センサ5aで検知した情報を送信するモジュール本体部と、このモジュール本体部を測定対象へ装着するための装着部材とを有した構成となっている。なお、本実施の形態におけるセンサ装置では、装着部材として、モジュール1の測定対象と面する側(図1における上面側)に粘着剤(図示せず)が塗布されている。なお、本実施の形態では、モジュール1の上面に粘着剤が設けられているが、これはモジュール1より大きなサイズであり、下面側に粘着剤が塗布された樹脂シートを用いても良い。そしてこの場合、樹脂シートはモジュール1を覆うようにして測定対象へ貼り付けられる。
【0015】
ここで、本実施の形態のセンサ装置における測定対象は人体であり、人体に貼り付けてさまざまな人体情報を検知するものである。そこで、人体や衣服などへ直接貼り付ける場合には、粘着剤の表面にあらかじめ設けられた剥離紙を剥がし、この粘着剤によってモジュール1を直接貼り付ける。また、例えば皮膚が弱く粘着剤によるカブレなどがあるように、人体や衣服へ直接貼り付けられないような場合、剥離紙は剥がさず(あるいはあらかじめ粘着剤のないセンサ装置を準備し)、センサ装置に帯状(あるいは紐状など)の装着具を装着し、この装着具によってセンサ装置を装着する。
【0016】
図2は、本実施の形態におけるモジュール1の回路ブロック図である。図2において、図1と同じものには、同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。では図2を用いて、本実施の形態におけるモジュール1の回路について詳細に説明する。モジュール1には、信号処理部5と、この信号処理部5へ電源電圧を供給する太陽電池6(発電手段の一例として用いた)と、信号処理部5の出力(あるいは入出力、または入力)に接続されたアンテナ7とを有している。ここで信号処理部5には、人体の人体情報を検知するセンサ5aと、このセンサで検出された情報を送信信号へと変換する信号処理回路5bと、これらのセンサ5aや信号処理回路5bを駆動制御するための駆動回路5cとを有している。
【0017】
本実施の形態におけるセンサ5aは人体の体温を測定する温度センサとしているが、これに限られるものではなく、脈拍や動作など他の生体情報を検知するセンサなどであっても良い。また、本実施の形態では人体に装着して、人体情報を検知しているが、これに限らず人体以外を測定対象としても良い。この場合、それぞれの測定対象に応じ、種々の情報を検知するためのセンサが適宜設けられる。
【0018】
次に、図1、図2を用いて、本実施の形態におけるモジュール1の構成を具体的に説明する。フレキシブル基板8(可撓性を有した基材の一例として用いた)は、薄いベースフィルムの両面に導体層が形成された両面基板であり、その上面側には可撓性を有する太陽電池6が形成されている。本実施の形態では、フレキシブル基板8の上面側の中央部に信号処理部5が形成され、その両側に太陽電池6が形成される構成としている。このように信号処理部5や太陽電池6がフレキシブル基板8の片面側に形成されるので、片面のフレキシブル基板8を用いることができ、低価格なモジュール1を得ることができる。
【0019】
本実施の形態では信号処理部5はフレキシブル基板8の上面側に設けられているが、下面側に形成しても構わない。なお本実施の形態におけるフレキシブル基板8には、たとえば50μm程度の厚みのポリイミド樹脂製のベースフィルムが用いられ、導体層の厚みはそれぞれ約20μm程度としている。
【0020】
図3(a)は、本実施の形態における太陽電池の周縁部近傍の拡大断面図であり、図3(b)は同、太陽電池6の接続部近傍の断面図である。図1、図3を用いて、太陽電池6について詳細に説明する。本実施の形態における太陽電池6は、色素増感型の太陽電池である。この太陽電池6は、フレキシブル基板8の上面側の導体膜で形成された電極6aと、この電極6aの上方に隙間6dを設けて対向するように形成された透明電極6bと、フレキシブル基板8と透明電極6bとの間に設けられた絶縁性のスペーサ6cと、電極6aと透明電極6bとスペーサ6cとで囲まれた隙間6dに充填された電解液とから形成されている。なお、本実施の形態では電解液を用いたが、これは電子のプラス極からマイナス極への移動を仲介するものであれば、他のものでもかまわない。
【0021】
ここで透明電極6bは、PET製などの可撓性を有した樹脂フィルム6e上に、スパッタリングや蒸着などの方法によって、透明な導電膜{ITO(酸化インジウム・スズ)、酸化亜鉛、あるいは酸化スズなど}が形成されたものである。本実施の形態における樹脂フィルム6eの厚みは50μmとしている。そして以上のように、太陽電池6は可撓性を有した薄いフレキシブル基板8と、可撓性を有した薄い樹脂フィルム6eとによって形成されるので、太陽電池6自身可撓性を有し、その柔軟性は非常に高くなる。本実施の形態においてフレキシブル基板8には片面基板を用い、電極6aは銅箔によって形成したが、両面や多層基板を用いても構わない。
【0022】
フレキシブル基板8の上面には、信号処理部5と接続された接続パターン9aが形成される。一方樹脂フィルム6eには、接続パターン9aに対向する位置に接続部9bが形成され、この接続部9bの下面側にも透明電極6bが形成されている。ここで連結部9cは、接続部9bにおける透明電極6bと接続パターン9aとの間を電気的に接続するものであり、導電性接着剤などの導電部材によって形成されている。本実施の形態では、樹脂フィルム6eに凹の字型の孔を形成することにより、孔へ出っ張った箇所を形成し、この突出した箇所を接続部9bとして用いている。
【0023】
ここでスペーサ6cは熱硬化性の樹脂であり、電解液が充填される箇所に孔が形成されている。また、連結部9cが形成される箇所にも孔が形成され、この孔内に導電性樹脂などが充填されることによって、接続部9bの透明電極6bと接続パターン9aとが接続されることとなる。なお本実施の形態において外周部におけるスペーサ6cの幅は、フレキシブル基板8の外周に沿って約5mmの幅で形成される。また本実施の形態では、色素増感型の太陽電池6を構成したが、これは他の方式の太陽電池や燃料電池などでも構わない。
【0024】
信号処理部5は、センサ5aを含む複数個の電子部品11がフレキシブル基板8の上面中央部に装着されて形成されている。つまり、樹脂フィルム6eの中央部に設けられた凹字型の孔に対応する位置に装着されている。そしてフレキシブル基板8の上面中央部の凹字型の孔に対応する位置には、電子部品11が埋設された樹脂部10が形成される。このとき、剛性を有した樹脂部10の大きさは、可撓性を有したフレキシブル基板8より小さくしておく。本実施の形態において樹脂部は、熱硬化性の樹脂により形成されている。
【0025】
以上の構成により、剛性を有する部分は樹脂部10のみであり、その領域はフレキシブル基板8の中央部となり、かつフレキシブル基板8の大きさより小さい。さらに、太陽電池6は可撓性を有するフレキシブル基板8や樹脂フィルム6eによって形成されているので、柔軟性を損なうことがない。また、剛性を有した部分が小さいので、人体へ装着するような場合には、装着時の違和感や行動への妨げを少なくすることができる。従って、長期にわたり継続して装着使用することができるものである。さらに、このようなモジュール1を粘着剤などによって人体へ装着する場合、基材の柔軟性が高く、人体から剥がれにくいので、強い粘着力の粘着剤を用いる必要がない。したがって、弱い粘着力の粘着剤の使用することや、粘着剤の塗布面積を小さくすることもできるので、カブレなども発生しにくくなる。
【0026】
なお、太陽電池6は可撓性を有したフレキシブル基板8上に形成されているので、装着対象の形状や、動きなどによらず、装着対象に対してモジュール1をしっかりと装着することができる。
【0027】
また、樹脂部10において電子部品11は周囲を樹脂で完全に覆われることとなるので、電子部品11で構成する回路への塵などの侵入をしにくくできる。特に、人体へ装着される場合、汗などが電子部品11へ付着することを防ぐことが可能となり、長期間安定して使用することができる。
【0028】
ここで、人体の動作などへの妨げにならないようにするためには、フレキシブル基板8や樹脂フィルム6eの厚みは薄い方が望ましい。ところが、これらの厚みを薄くすると、人体の動作などに伴い連結部9cに曲げ応力(あるいは繰り返し応力など)がかかり易くなる。これにより、連結部9cにクラックなどの破損が生じ、透明電極6bと接続パターン9aとの間の電気的接続が損なわれる可能性がある。そこで、本実施の形態では、接続部9bの先端を樹脂部10内へ潜り込ませ、連結部9cが樹脂部10内に形成されるようにする。これにより連結部9cが剛性を有することとなるので、人体の動作などによっても連結部9cへの応力がかかりにくくでき、透明電極6bと接続パターン9aとの間の接続信頼性を高くできる。したがって、フレキシブル基板8や樹脂フィルム6eの厚みを薄くできるので、長期間の装着に際しても違和感の小さなモジュール1を実現できることとなる。
【0029】
なお、樹脂部10は樹脂フィルム6eに設けられた凹字型の孔より小さくしている。これにより樹脂部10の周囲では、フレキシブル基板8のみが形成されることとなり、柔軟性が高い。したがって剛性を有した樹脂部10が形成されていても、装着時の違和感をさらに小さくできる。
【0030】
本実施の形態では、粘着剤が樹脂フィルムやフレキシブル基板8の下面側に塗布され、樹脂部10が人体へ接触するようにして装着される。これにより、樹脂部10の突起が肌へ直接当接することを防ぐことができるので、さらに装着感を良好にすることができる。また、センサ5aを人体に近接させるか、あるいは密着させることが必要な場合、センサ5aを含む電子部品11をフレキシブル基板8の下面中央部に装着し、樹脂部10はこれらの電子部品11を覆うようにフレキシブル基板8の下面側に形成される。これにより、センサ5aを人体へ近接あるいは密着させることができ、精度よく温度などの人体情報を検知することができる。なお、この場合、フレキシブル基板8の上全面に太陽電池を形成することもできるので、大きな発電量を得ることができるとともに、小型のモジュール1を実現できる。ただし、この場合にはフレキシブル基板8の上面側にも樹脂部10を形成し、接続部9bを覆うようにすると良い。
【0031】
次にこのようなモジュール1の製造方法について説明する。最初に複数枚のフレキシブル基板8が連結された親基板を準備する。なお、それぞれのフレキシブル基板8の上面には、電極6aや接続パターン9aなどが形成されている。このように形成された親基板の上面に未硬化のスペーサ6cを塗布する。なお、このスペーサ6cの中央部には隙間6dを形成するための孔が設けられ、接続パターン9aと接続部9bとに対応した位置に形成されている。
【0032】
未硬化のスペーサ6cを積層した後で、樹脂フィルム6eが積層された状態で隙間6dとなるスペーサ6cの孔内に電解質を注入する。さらに連結部9cを形成するための孔内には、ペースト状の導電性部材が充填される。この導電性部材としては、導電性ペーストや導電性樹脂などが用いられるが、いずれにしても後の加熱によって硬化・接続可能な材料を用いる。
【0033】
電解質とペースト状の導電性部材を充填した後に、スペーサ6cの上から樹脂フィルム6eが積層される。この樹脂フィルム6eの積層の後で、スペーサ6cや導電性部材が硬化する温度にまで加熱して、未硬化のスペーサ6cや導電性部材を硬化させる。これにより、フレキシブル基板8と樹脂フィルム6eとが接着され、電解液はスペーサ6cによって隙間6d内に封印され、太陽電池6が完成する。また、同時に導電性部材が硬化して連結部9cが形成されることにより、接続部9b下面の透明電極6bと接続パターン9aとの間が電気的に接続される。
【0034】
この後で電子部品11が、はんだなどによってフレキシブル基板8の上面に実装される。なお、電子部品11には半導体なども含み、このような半導体についてはフレキシブル基板8上へフリップチップ実装される。このときこれら電子部品11は、フレキシブル基板8の中央部に固まって配置する。つまりスペーサ6cの中央部に設けられた凹字型の孔に対応する位置に実装される。このようにして所定の位置に電子部品11を実装した後に、圧縮成形などの方法によってこれら電子部品11と連結部9cおよび接続部9bの先端とが、樹脂によって埋設される。このようにして樹脂部10を形成した後に、フレキシブル基板8同士を連結する部位を切断する。そしてこのフレキシブル基板8の下面と樹脂フィルム6eの上面とのうちのいずれか一方に粘着剤が塗布され、さらにこの粘着剤が粘着性を失わないように粘着剤の上に剥離紙を貼り付けて完成する。
【0035】
図4(a)は本実施の形態における第2の例のモジュールの断面図であり、図4(b)は、同上面図である。図4(a)、図4(b)において、図1から図3と同じものには同じ番号を用いており、その説明は簡略化している。この例において、樹脂部10は、樹脂フィルム6eに形成された凹字型の孔全体を覆うように設けられている。このようにすることで、人体の動作などで凹字型の孔の周縁部においてスペーサ6cとフレキシブル基板8との界面での剥離などを生じにくくできる。したがって、電解液の漏れなどが生じにくくなり、長期間発電を維持できるので、長期間使用できるモジュール1を得ることができる。また、スペーサ6cの幅12を短くしても電解液の漏れなどが生じにくくなるので、小型のモジュール1を実現することもできる。
【0036】
図5は本実施の形態における第3の例のモジュールの上面図である。この例においては、樹脂部10の周囲全体に太陽電池6が形成されている。このような場合、樹脂部10が肌に接触する方向で装着すると良い。これは、貼り付けた状態において、フレキシブル基板8が樹脂部10上方を完全に覆うようになり、樹脂部10への水の浸入を防ぐことができる。したがってモジュール1を装着した状態で入浴することもできるので、装着者の入浴などによる状態の変化を検知することも可能となる。
【0037】
図6は本実施の形態における第4の例のモジュールの下面図である。この例においては、フレキシブル基板8の下面に補強板13が接着されている。これにより、電子部品11にベアチップ(あるいはチップサイズパッケージ)などのような半導体をフェイスダウンでフリップチップ実装することができる。これにより樹脂部10の厚みの薄いモジュール1を実現できるので、違和感が少なく長期間装着できるモジュール1を実現できる。なお、補強板の幅14はフレキシブル基板8の幅15より大きくしている。このとき、複数のフレキシブル基板8を補強板で連結した状態で電子部品11を実装する。そして電子部品11を実装した後に、連結された補強板が分離されて、各々のモジュール1へと分離される。このとき、複数のフレキシブル基板8を補強板で連結した状態で電子部品11を実装するので、汎用の実装機で容易に電子部品11の実装が可能となるので、非常に生産性が良好である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明にかかる装着用発電モジュールは、長期にわたり継続して装着使用することができるという効果を有し、人体などに貼り付けて人体情報を検知するセンサモジュール等に用いると有用である。
【符号の説明】
【0039】
6 太陽電池
8 フレキシブル基板
10 樹脂部
11 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可撓性基材と、この第1の可撓性基材の上面に設けられるとともに可撓性を有する発電手段と、前記可撓性基材の上面に装着された電子部品と、前記電子部品が埋設されるとともに剛性を有した樹脂部とを備え、装着部材によって装着対象へ装着される装着用モジュールにおいて、前記樹脂部は前記可撓性基材のほぼ中央部に形成されるとともに、前記可撓性基材より小さくした装着用発電モジュール。
【請求項2】
発電手段は色素増感型の太陽電池とし、前記太陽電池は第1の可撓性基材の上面に形成された第1の電極と、この第1の電極の上方に対向して設けられた第2の可撓性基材と、この第2の可撓性基材の下面に設けられた第2の電極とを有し、前記第1の可撓性基材の上面に設けられるとともに、電子部品と接続された接続パターンと、この接続パターンと対向する位置に設けられた接続部とを設け、この接続部の下面には前記第2の電極が延在して形成され、この接続部において前記第2の電極と前記接続パターンとの間が接続部材によって電気的に接続される連結部を設け、前記連結部は樹脂部内に設けられた請求項1に記載の装着用発電モジュール。
【請求項3】
樹脂部が上方を向く方向で装着対象へ装着される請求項2に記載の装着用発電モジュール。
【請求項4】
樹脂部が下方を向く方向で装着対象へ装着される請求項2に記載の装着用発電モジュール。
【請求項5】
樹脂部の下面と側面とが交わる角には面取りもしくは丸みが設けられた請求項4に記載の装着用発電モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−113700(P2011−113700A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267118(P2009−267118)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】