説明

装置内警報抑止機能を有する基幹伝送装置と方法

【課題】警報抑止のための情報を伝達する経路を制御し、ある主信号パッケージに障害が発生した場合に、他の主信号パッケージへ障害の影響が波及し、二次警報が発生することを防ぐ装置、及び方法を提供する。
【解決手段】複数の主信号パッケージ10と、複数の主信号パッケージ10にそれぞれ装置内バス40を介して接続される監視制御パッケージ20と、を備え、ある主信号パッケージに障害が発生すると、前記主信号パッケージは、警報抑止のためのマスク要求情報を生成し監視制御パッケージ20に前記装置内バス40を介して伝達し、監視制御パッケージ20は、マスク要求情報を受け、主信号の経路情報から、マスク先の主信号パッケージを判断し、監視制御パッケージに対する警報の通知を抑止するためのマスク制御情報を、マスク先の主信号パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、マスク先の主信号パッケージでは、前記マスク制御情報を受けると、監視制御パッケージに対する警報のマスク処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基幹伝送システムに関し、装置内警報抑止機能を有する基幹伝送装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WDM(Wavelength Division Multiplexer)のような基幹伝送装置においては、主信号経路の変更機能が備わっていず、ある主信号パッケージにおいて一次障害の発生により一次警報(主要因警報)が発生した場合に、二次警報(主要因以外の警報)の発生の抑止対象の主信号パッケージは、固定的に決められている。一次警報が発生した主信号パッケージの下流に位置する主信号パッケージは、一意に定まることから、経路に応じた、二次障害の抑止制御は、不要であった。
【0003】
近時、基幹ネットワークに対する経路設計の柔軟性に対する要求に応えるためにROADM(Re configurable Optical Add Drop Multiplexer)装置が開発されている。ROADM装置等においては、光波長を主信号として扱いつつ、光波長を電気変換することなく、経路変更する機能を求められており、経路変更を光スイッチなどの手段により実現している。ROADM装置等においては、主信号の経路自体は可変となるが、その警報抑止のための電気インターフェースやオーバーヘッド情報を持たないことから、警報抑止のための情報伝達を行うことができない。
【0004】
なお、装置内で検知される上位レイヤ信号終端部の障害に対して下位レイヤ信号終端部で発生する警報出力をマスクする機能を供えた装置として、例えば特許文献1には、検出された障害情報と、警報マスク制御情報記憶部からの情報を基に、下位レイヤの警報マスク信号を生成する警報マスク信号生成部と、自レイヤで検出した障害に対する警報出力を警報マスク信号検出部にて検出された警報マスク信号と警報マスク制御情報記憶部からの情報を基にマスクする、しないの処理を実行するレイヤ警報出力部と、警報マスク制御情報を保持する警報マスク制御情報記憶部を備えた複数個のレイヤ信号終端部を備え、あらかじめ設定する警報マスク制御情報の変更にて警報出力マスク機能に関する様々な装置ユーザの要求に柔軟に対応することができるようにした多重レイヤ信号終端装置の構成が開示されている。この構成は、主信号以外の専用の通信経路を用いて警報マスクを行っている。
【0005】
また、警報のマスク制御として、特許文献2には、監視対象装置内で発生する各種アラームを収集し、必要に応じてアラームをマスクする処理を行うアラーム収集装置として、上位の監視装置からマスク制御情報を受信し、また、上位の監視装置にアラーム情報を送信する通信部と、上位の監視装置からのマスク制御情報を解析して生成したマスク指示情報をマスク部に与えるマスク制御解析部と、マスク指示情報に従って、監視対象装置内で収集されたアラームをマスクするマスク部とを備えたアラーム収集装置が開示されている。特許文献2においては、上位の監視装置と監視対象装置内のアラーム収集装置間でのアラームの通知のマスク制御の構成が開示されているだけである。以上の通り、特許文献1、2には、後述される本発明とは全く相違した構成が開示されているだけである。
【0006】
【特許文献2】特開平9−116598号公報
【特許文献3】特開平8−298533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、ROADM装置等においては、主信号の経路自体は可変となるが、その警報抑止のための電気インターフェースやオーバーヘッド情報を持たないことから、警報抑止のための情報伝達を行うことができない。
【0008】
本発明は、かかる課題の認識に基づき創案されたものであって、警報抑止のための情報を伝達する経路を制御し、ある主信号パッケージに障害が発生した場合に、他の主信号パッケージへ障害の影響が波及し、二次警報が発生することを防ぐ装置、及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願で開示される発明は、上記課題を解決するための手段として、概略以下の構成を備える。
【0010】
本発明は、主信号を伝送する複数のパッケージで装置が構成される基幹伝送装置において、経路情報を保有する監視制御パッケージを介在し警報抑止のための情報を伝達する経路を制御するものであり、ある主信号パッケージに、一次警報が発生した際に、装置内バスを利用して、監視制御パッケージが警報を収集し、影響を受ける他の主信号パッケージに対して抑止信号を伝達することにより、二次警報を抑止する。
【0011】
本発明の1つの側面(アスペクト)に係る装置は、複数の主信号パッケージと、前記複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージと、を備え、ある主信号パッケージに障害が発生すると、前記主信号パッケージは、マスク要求情報を生成し、前記監視制御パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、前記監視制御パッケージは、前記主信号パッケージからの前記マスク要求情報を受け、経路情報からマスク先の主信号パッケージを判断し、前記監視制御パッケージに対して警報通知をマスクするためのマスク制御情報を、マスク先の主信号パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、前記マスク先の主信号パッケージでは、マスク制御情報を受けると、警報のマスク処理を行う。
【0012】
本発明の1つの側面に係る方法は、複数の主信号パッケージと、前記複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージと、を備えた基幹伝送装置の警報制御方法であって、
前記監視制御パッケージは、前記装置内バスを用いて、前記主信号パッケージで発生した障害に関する警報を収集し、
前記障害の影響を受ける他の主信号パッケージに対して、前記装置内バスを用いて、警報の通知をマスクする制御信号を伝達する、
上記各工程を含む。
【0013】
本発明の別の側面によれば、複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージ装置であって、障害が発生した主信号パッケージから、前記主信号パッケージで生成された、警報抑止のためのマスク要求情報を前記装置内バスを介して受け取る手段と、主信号の経路情報から、マスク先の主信号パッケージを判断し、前記監視制御パッケージに対する警報の通知を抑止するためのマスク制御情報を生成する手段と、前記マスク制御情報をマスク先の主信号パッケージに前記装置内バスを介して伝達する手段と、を備えている、ことを特徴とする監視制御パッケージ装置が提供される。
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、装置内バスを介して接続される監視制御パッケージに接続される主信号パッケージであって、障害が発生すると、警報抑止のためのマスク要求情報を生成し、前記装置内バスを介して監視制御パッケージ装置に伝達する手段を備えている、ことを特徴とする主信号パッケージ装置が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の側面によれば、装置内バスを介して接続される監視制御パッケージに接続される主信号パッケージであって、前記監視制御パッケージは、障害が発生した主信号パッケージから、警報抑止のためのマスク要求情報を受け取り、主信号の経路情報から、マスク先の主信号パッケージを判断して、警報の通知を抑止するためのマスク制御情報を、前記マスク先の主信号パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、前記マスク先の主信号パッケージは、マスク制御情報を受け取り、警報通知をマスクする手段を備えている、ことを特徴とする主信号パッケージ装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、主信号を伝送する複数のパッケージで装置が構成される基幹伝送装置において、ある主信号パッケージに障害が発生した場合に、他の主信号パッケージへ障害の影響が波及した結果、主要因警報(一次警報)の他に主要因以外の警報(二次警報)が発生することを防ぐ機能を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
上記した本発明についてさらに詳細に説述すべく添付図面を参照して説明する。
【0018】
本発明に係る基幹伝送装置においては、主信号を伝送する複数のパッケージを監視する監視制御パッケージ(20)が配設されており、監視制御パッケージ(20)と各主信号パッケージ(10)とは設定、警報、性能の各情報を伝達するための装置内の通信バス(装置内バス)(40)によって接続されている。ある主信号パッケージに、一次警報が発生した際に、装置内バス(40)を利用し、監視制御パッケージ(20)が警報を収集し、影響を受ける他の主信号パッケージに対して抑止信号を伝達することにより、二次警報を抑止する。
【0019】
WDM(Wavelength Division Multiplexer)やROADM(Re configurable Optical Add Drop Multiplexer)装置においては、主信号として光波長を伝送し、各主信号パッケージ間に電気インターフェースが存在しない装置構成をとりうる。このような場合においても、監視制御パッケージ(20)と主信号パッケージ(10)との間の装置内バス(40)を利用することで、主信号パッケージ間に、警報抑止伝送の為の専用バスを設けることなく二次警報を抑止することが可能となる。
【0020】
ROADM装置においては波長の経路(Add、Drop、Through、Drop and Continue)を選択する機能を有する。
【0021】
経路の変更により、装置内の主信号パッケージの接続状態も変化し、二次警報の発生箇所も変化する。
【0022】
本発明においては、監視制御パッケージ(20)が接続状態の変化を認識し、二次警報抑止を行うべきパッケージに対して抑止制御を行うことで、適切な警報抑止を行うことを可能としている。以下、具体例に即して説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の一実施例の構成を示す図である。図1を参照すると、装置全体を監視・制御する監視制御パッケージ20と、複数の主信号パッケージ10、10、10と、ユーザ端末/上位監視システム50と、経路制御部30とを備え、監視制御パッケージ20と主信号パッケージ10、10、10は、装置内バス40、40、40により接続される。
【0024】
監視制御パッケージ20は、装置外部インターフェース21と、装置管理・制御部22と、装置内バス通信部23とを備えている。装置外部インターフェース21は、ユーザ端末/上位監視システム50と接続し、ユーザ(管理者)からの操作を受ける。
【0025】
装置管理・制御部22は、ユーザからの指示に従い、装置を監視・制御する機能を有する。
【0026】
装置内バス通信部23は、主信号パッケージ10との装置内バス40を介しての通信を行う。
【0027】
装置内バス通信部23が装置バス40を介して、主信号パッケージ10から伝達されたマスク要求情報を受け取ると、装置管理・制御部22は、マスク要求情報を記憶保持する(手段25)。そして、装置管理・制御部22は、経路管理部24において、主信号の経路情報から、マスク制御対象となる主信号パッケージ10がどれであるかを判断し、マスク制御情報を生成する手段(25)を有する。装置管理・制御部22で作成されたマスク制御情報は、装置内バス通信部23を用いて、マスク制御対象となる主信号パッケージ10に伝達される。
【0028】
主信号パッケージ10は、主信号を処理・監視し、その障害を検出するとともに、装置内バス通信部11を備え、監視制御パッケージ20と通信を行う。
【0029】
主信号パッケージ(A)10において、主信号に障害が発生した場合、警報を作成して監視制御パッケージ20に通知する警報通知手段12と、装置内バス通信部11から監視制御パッケージ20に通知するとともに、二次障害の通知を抑止するためのマスク要求情報を生成し、監視制御パッケージ20に通知するマスク要求情報生成手段13と、を有する。
【0030】
主信号パッケージ(B、C)10、10は、監視制御パッケージ20から装置内バス40、40を介して伝達されたマスク制御情報を受けると、自パッケージで検出している障害を警報通知手段12が監視制御パッケージ20に通知することを抑止するように制御する警報マスク処理手段14を有する。
【0031】
経路制御部30においては、ユーザ端末/上位監視システム50から経路制御の操作が実行された場合、監視制御パッケージ20を介して装置内バス40より経路制御のための制御信号を受信し、その結果、主信号の経路を切り替える機能を有する。
【0032】
図1を参照して、本実施例の動作を説明する。主信号パッケージ10に障害が発生した場合の一次警報通知および、二次警報通知の抑止機能について説明する。
【0033】
主信号パッケージ(A)10において、主信号に障害aが発生した場合、主信号パッケージ(A)10内の警報検出機能により警報を検出し、監視制御パッケージ20に通知する。このとき、警報通知を行うとともに、障害aの影響を受ける他の主信号パッケージにおける警報通知を抑止するための情報としてマスク要求情報を生成し、装置内バス40を介して監視制御パッケージ20に通知する。
【0034】
監視制御パッケージ20では、経路管理部24において、主信号の経路情報を管理することにより、主信号パッケージ(A)10と主信号パッケージ(B)10が、現在接続関係にあることを認識している。主信号の経路は、ユーザ端末/上位監視システム50からの操作により変更可能であり、主信号パッケージ(A)10と主信号パッケージ(C)10との接続に変更することも可能である。この例では、主信号パッケージ(A)10と主信号パッケージ(B)10が接続関係にあるものとして説明する。すなわち、主信号パッケージ(A)10から通知されたマスク要求情報は、経路接続関係から、主信号パッケージ(B)10に伝達されるべきものである。主信号パッケージ(A)10に障害が発生した場合、下流に位置する主信号パッケージ(B)10に影響が波及する可能性があり、二次障害を通知する可能性がある。障害要因の特定を容易にするためには、一次要因に限定して警報を通知する必要があり、二次要因の警報を抑止する必要がある。
【0035】
監視制御パッケージ20では、経路管理部24での経路管理情報にしたがって、主信号パッケージ(A)10と主信号パッケージ(B)10が接続関係にあることから、主信号パッケージ(A)10から受信したマスク要求情報から、主信号パッケージ(B)10に伝達すべき情報としてマスク制御情報を生成する。監視制御パッケージ20は、生成したマスク制御情報を、装置内バス40を介して主信号パッケージ(B)10に伝達する。
【0036】
主信号パッケージ(B)10では、二次障害としての障害bを検出しているが、監視制御パッケージ20から伝達されたマスク制御情報を受信したことにより、警報マスク処理手段14にて警報通知を抑止し、その結果、監視制御パッケージ20に警報を通知することを行わない。以上の動作により、装置内で主信号経路の選択が可能な基幹伝送装置においても適切な警報抑止を実現することが可能である。
【0037】
本実施例は下記記載の作用効果を奏する。
【0038】
二次要因で発生する障害通知を抑止することができ、ユーザに通知される警報は、一次要因にのみ限定される。この結果、障害探索が容易となり、障害復旧までの時間が短縮される。
【0039】
装置内に専用の警報抑止用の専用バスを設けることを要しなくしている。このため、装置のハードウェア構成を簡易化し、コスト低減に貢献する。
【0040】
汎用的な機能実装であることから、装置の機能拡張への対応を容易化している。すなわち、主信号系パッケージが必ず持つ装置内バスを用いることから、今後、新たに追加する主信号系パッケージにおいても、特殊な機能実装の必要が無く、障害通知の抑止手段を提供することができる。
【0041】
次に、本発明の他の実施例について説明する。図2は、本発明の第2の実施例の構成を示す図である。図2には、図1の経路制御部30を備えていない。これ以外の構成は、図1に示した前記実施例の構成と同様である。本実施例において、経路制御は、光パッチコードの接続を工事担当者が行う。この場合、装置管理・制御部22の経路管理部24において、経路情報を把握するためにユーザ端末/上位監視システム50から、経路情報を設定する。
【0042】
本実施例では、経路情報は、主信号の経路制御には用いられず、警報抑止の経路を装置管理・制御部22で認識するために用いられる。本実施例においても、前記実施例と同様に、二次警報の通知抑止を実現することが可能である。
【0043】
図3は、前記した実施例の動作の一例を説明するシーケンス図である。図3を参照して、本実施例の動作を説明する。
【0044】
主信号パッケージAに障害aが発生すると、マスク要求情報を生成し(S1)、監視制御パッケージに対して、マスク要求情報を装置内バスを介して伝達する(S2)。なお、障害aの発生により、主信号パッケージAの下流の主信号パッケージBへの主信号が断たれる。
【0045】
監視制御パッケージでは、主信号パッケージAから受信したマスク要求情報を記憶部に格納し(S3)、マスク制御情報を生成し(S4)、経路情報からマスク先が主信号パッケージBであると判断し(S5)、マスク制御情報を主信号パッケージBに装置内バスを介して伝達する(S6)。
【0046】
主信号パッケージBでは、マスク制御情報を記憶部に格納し(S7)、障害bのマスク処理を行う(S8)。
【0047】
なお、警報抑止のためのマスク要求情報、マスク制御情報を伝達する経路として汎用の装置内バスを用いる構成の前記実施例においては、汎用バスであることによる、処理速度の遅れを考慮した遅延処理として、例えば下記記載の処理が行われる。
【0048】
主信号パッケージ(A)10で発生した障害aによるマスク要求情報は、汎用の装置内バス40を用いて監視制御パッケージ20に伝達される(図3のS2)。本実施例では、監視制御パッケージ20は、例えば500msecの定期的な収集により、主信号パッケージからのマスク要求情報を取得する。
【0049】
監視制御パッケージ20の装置管理・制御部22における処理(例えば数十msec)の後、マスク制御情報を汎用の装置内バス40を用いて、主信号パッケージ(B)10に伝達する(図3のS6)。マスク制御情報の伝達遅延により、主信号パッケージ(B)10での障害bが誤警報として発生することを防ぐため、監視制御パッケージ20では、主信号パッケージからの警報通知に対して検出保護を設ける。例えば2.5sec継続して警報が発生している場合に警報として確定しユーザ端末/上位監視システム50に報告する。これにより、伝達遅延により誤警報の発生を回避している。
【0050】
また主信号パッケージ(B)10においては、マスク制御情報が伝達されるまでの間、障害bの発生によるパッケージ前面の警報表示LED(Light Emitting Diode)を点灯させない。警報表示LEDの点灯に例えば2.5secの遅延を設けることで、マスク制御情報の伝達遅延による警報表示LEDを誤点灯を抑止している。
【0051】
以上、本発明を上記実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例の構成にのみ制限されるものでなく、本発明の範囲内で当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の他の実施例の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施例の動作の一例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0053】
10 主信号パッケージ
11 装置内バス通信部
12 警報通知手段
13 マスク要求情報生成手段
14 警報マスク処理手段
20 監視制御パッケージ
21 装置外部インタフェース
22 装置管理・制御部
23 装置内バス通信部
24 経路管理部
25 マスク制御情報を生成する手段(マスク要求情報保持手段)
30 経路制御部
40 装置内バス
50 ユーザ端末/上位監視システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の主信号パッケージと、
前記複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージと、
を備え、
前記監視制御パッケージは、
前記装置内バスを用いて、前記主信号パッケージで発生した障害に関する警報を収集し、前記障害の影響を受ける他の主信号パッケージに対して、前記装置内バスを用いて、警報を抑止する制御信号を伝達する手段を備えている、
ことを特徴とする基幹伝送装置。
【請求項2】
複数の主信号パッケージと、
前記複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージと、
を備え、
ある主信号パッケージに障害が発生すると、前記主信号パッケージは、警報抑止のためのマスク要求情報を生成し、前記監視制御パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、
前記監視制御パッケージは、
前記主信号パッケージからの前記マスク要求情報を受け、主信号の経路情報から、マスク先の主信号パッケージを判断し、前記監視制御パッケージに対する警報の通知を抑止するためのマスク制御情報を、前記マスク先の主信号パッケージに対して、前記装置内バスを介して伝達する、制御を行う手段を備え、
前記マスク先の主信号パッケージでは、前記マスク制御情報を受けると、前記監視制御パッケージに対する警報のマスク処理を行う、
ことを特徴とする基幹伝送装置。
【請求項3】
前記監視制御パッケージは、定期的な収集により、前記主信号パッケージからのマスク要求情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2記載の基幹伝送装置。
【請求項4】
前記マスク先の主信号パッケージにおいて、警報通知に対して検出保護が設定されている、
ことを特徴とする請求項2記載の基幹伝送装置。
【請求項5】
前記マスク先の主信号パッケージにおいて障害発生時、警報表示を、検出保護期間、抑止する、
ことを特徴とする請求項4記載の基幹伝送装置。
【請求項6】
前記監視制御パッケージは、
ユーザ端末/上位監視システムと接続するインタフェースと、
前記ユーザ端末/上位監視システム側から設定される主信号の経路情報を記憶管理する経路管理部と、マスク要求情報を記憶し主信号の経路情報からマスク制御情報を生成する手段と、を備えた装置管理制御部と、
前記装置内バスを介して前記主信号パッケージと通信を行う装置内バス通信部と、
を備えている、
ことを特徴とする請求項2記載の基幹伝送装置。
【請求項7】
前記監視制御パッケージに、装置内バスを介して接続され、主信号の経路の切替を制御する経路制御部を備えている、
ことを特徴とする請求項2記載の基幹伝送装置。
【請求項8】
複数の主信号パッケージと、
前記複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージと、
を備えた基幹伝送装置の警報制御方法であって、
前記監視制御パッケージは、前記装置内バスを用いて、前記主信号パッケージで発生した障害に関する警報を収集し、
前記障害の影響を受ける他の主信号パッケージに対して、前記装置内バスを用いて、警報の通知をマスクする制御信号を伝達する、
上記各工程を含む、
ことを特徴とする警報制御方法。
【請求項9】
複数の主信号パッケージと、
前記複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージと、
を備えた基幹伝送装置の警報制御方法であって、
ある主信号パッケージに障害が発生すると、前記主信号パッケージは、マスク要求情報を生成し、前記監視制御パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、
前記監視制御パッケージは、前記主信号パッケージからの前記マスク要求情報を受け、経路情報からマスク先の主信号パッケージを判断し、前記監視制御パッケージに対して警報通知をマスクするためのマスク制御情報を、マスク先の主信号パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、
前記マスク先の主信号パッケージでは、マスク制御情報を受けると、警報のマスク処理を行う、
上記各工程を含む、
ことを特徴とする警報制御方法。
【請求項10】
複数の主信号パッケージにそれぞれ装置内バスを介して接続される監視制御パッケージ装置であって、
障害が発生した主信号パッケージから、前記主信号パッケージで生成された、警報抑止のためのマスク要求情報を前記装置内バスを介して受け取る手段と、
主信号の経路情報から、マスク先の主信号パッケージを判断し、前記監視制御パッケージに対する警報の通知を抑止するためのマスク制御情報を生成する手段と、
前記マスク制御情報をマスク先の主信号パッケージに前記装置内バスを介して伝達する手段と、
を備えている、
ことを特徴とする監視制御パッケージ装置。
【請求項11】
ユーザ端末/上位監視システムと接続するインタフェースと、
前記ユーザ端末/上位監視システム側から設定される主信号の経路情報を記憶管理する経路管理部と、マスク要求情報を記憶し、主信号の経路情報からマスク制御情報を生成する手段と、を備えた装置管理制御部と、
前記装置内バスを介して前記主信号パッケージと通信を行う装置内バス通信部と、
を備えている、
ことを特徴とする請求項10記載の監視制御パッケージ装置。
【請求項12】
装置内バスを介して接続される監視制御パッケージに接続される主信号パッケージであって、
障害が発生すると、警報抑止のためのマスク要求情報を生成し、前記装置内バスを介して監視制御パッケージ装置に伝達する手段を備えている、
ことを特徴とする主信号パッケージ装置。
【請求項13】
装置内バスを介して接続される監視制御パッケージに接続される主信号パッケージであって、
前記監視制御パッケージは、障害が発生した主信号パッケージから、警報抑止のためのマスク要求情報を受け取り、主信号の経路情報から、マスク先の主信号パッケージを判断して、警報の通知を抑止するためのマスク制御情報を、前記マスク先の主信号パッケージに前記装置内バスを介して伝達し、
前記マスク先の主信号パッケージは、マスク制御情報を受け取り、警報通知をマスクする手段を備えている、
ことを特徴とする主信号パッケージ装置。
【請求項14】
前記マスク先の主信号パッケージにおいて、警報通知に対して検出保護が設定されている、
ことを特徴とする請求項13記載の主信号パッケージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−236527(P2008−236527A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74942(P2007−74942)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】