説明

装飾体

【課題】 締め付けによる被覆では基材との接合力が不足しており、剥がれや基材に対する回転(位置ずれ)などが発生してしまっていた。また、特許文献2に記載されている、筒状基体と該基体表面を覆う合わせ目の無い筒状布体とを接着層を介して一体化する方法は、基体側に接着層を設けなければならないこと、布を接着する際、治具から一度外す必要があるという工程の煩雑さが問題となる。
【解決手段】 少なくとも2種類以上の繊維を用いて、表面と裏面に露出する比率が異なるように構成される布体において、表面に露出する比率が高い繊維として天然繊維および/又は非熱融着性の合成繊維および/又は熱収縮繊維を用い、かつ裏面に露出する比率が高い繊維として熱融着繊維を用いた布体を基体に被覆して一体化した装飾体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基体と布体とを一体化した装飾体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱収縮による締め付けと熱融着による繊維同士の固定化が同時に出来るという布体が知られている(特許文献1)。筒状基体と、該基体表面を覆う合わせ目の無い筒状布体とを接着層を介して一体化する方法が知られている(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特許第3754511号
【特許文献2】特開平5−147397
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている布体は、糸同士の融着や収縮により布体としての効果は優れているものの、布体の締め付けだけで基材への被覆をしている。よって、締め付けによる被覆では基材との接合力が不足しており、剥がれや基材に対する回転(位置ずれ)などが発生してしまっていた。また、特許文献2に記載されている、筒状基体と該基体表面を覆う合わせ目の無い筒状布体とを接着層を介して一体化する方法は、基体側に接着層を設けなければならないこと、布を接着する際、治具から一度外す必要があるという工程の煩雑さが問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、少なくとも2種類以上の繊維を用いて、表面と裏面に露出する比率が異なるように構成される布体において、表面に露出する比率が高い繊維として天然繊維および/又は非熱融着性の合成繊維および/又は熱収縮繊維を用い、かつ裏面に露出する比率が高い繊維として熱融着繊維を用いた布体を基体に被覆して一体化したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、少なくとも2種類以上の繊維を用いて、表面と裏面に露出する比率が異なるように構成される布体において、表面に露出する比率が高い繊維として天然繊維および/又は非熱融着性の合成繊維および/又は熱収縮繊維を用い、かつ裏面に露出する比率が高い繊維として熱融着繊維を用いた布体を基体に被覆して一体化しているため、布体で発生する基材への接着強度を向上させると共に、布側に熱融着繊維を用いることにより、接着剤の塗布工程を省くことで生産性に優れた装飾体を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
基材は、金属や樹脂、木材、石材など平面・曲面を形成できるものでればよく、特に限定されない。また、この材質は1種または2種以上の混合物であってもよい。金属の例としては、金、銀、白金等の貴金属、ステンレス、真鍮等の合金、アルミニウム、マグネシウム等の軽金属やチタン等が挙げられるが、真鍮、ステンレス、アルミニウムが加工性、材料単価の点から好ましい。樹脂の例としてはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレン樹脂(PS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタラート樹脂(PET)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が挙げられる。基材の成形は、プレス、切削加工、鍛造、鋳造、射出、押出成形等の方法を用いて行えば良く、特に限定されるものではない。基材の色は、布の発色を良くするため反射率の高い白系の色が好ましく、金属の場合は、塗装層を設け着色しておくことが望ましい。塗膜層は、原則として一般の塗装法、印刷法により形成されれば良く、特に限定されるものではない。また、意匠性向上の目的で下層からの反射率を高めるために、樹脂や金属軸上にめっきを施しても良い。原則として、めっき皮膜は、一般のめっき手法により形成されれば良く、特に限定されるものではない。
【0008】
布体は、少なくとも2種類以上の繊維を用いて、表面と裏面に露出する比率が異なるように構成されるものとする。すなわち、布体は、表面には天然繊維又は/および非熱融着性の合成繊維又は/および熱収縮繊維が、裏面には熱融着繊維が多く出るように構成されるものとする。熱融着繊維は天然繊維・合成繊維・熱収縮繊維と併用してもかまわない。ここで用いる繊維は、天然繊維は綿、麻、毛、絹、合成繊維は熱融着性を有さないポリエステル、ナイロン、アクリルなどが挙げられる。毛羽立ちなどを考慮すると天然繊維より合成繊維の方が好ましいが、特に限定されるものではない。また、熱収縮繊維、熱融着繊維は、それぞれ熱を加えることで収縮、接着する機能があれば材質、物性等は特に限定はされないが、熱収縮繊維は乾熱収縮率(SHD)が20%以上のもの、また基材の材質が樹脂の場合も考慮して熱融着繊維の融点はなるべく低い方が好ましい。ちなみに、乾熱収縮率(SHD)が20%未満の繊維にあっては、基材との接着不良と言う問題が発生してしまい、又、熱融着繊維の融点が90℃以上の繊維にあっては、樹脂への接着が困難と言う問題がありあまり好ましくない。布体の構成方法としては、織物、編物、組物が挙げられるが、布体を形成できれば良く特に限定されない。織り方の例としては、平織り・綾織り・朱子織り・袋織りなどが挙げられる。編み方の例として、経編み、緯編み、丸編みなどが挙げられる。組物の例としては、平打組物、丸打組物が挙げられる。平面状の布体と筒状基体を接着する場合は、合わせ目が出来、この合わせ目において編んだ柄が合わない、合わせ目がほつれる等の装飾性が低下するという問題点があるため、軸体・塗布具容器の装飾として用いる場合は、筒状形態の布が好ましい。
【0009】
汚れ防止および布の発色向上の目的で布上からコーティング層を形成しても良い。材質は、アクリル系、メラミン系、ウレタン系、フッ素系、シリコン系などが挙げられる。防汚性、耐久性の観点からフッ素樹脂系が好ましいが、特に限定されるものではない。また、意匠性を向上させるためコーティング層を着色してもかまわない。コーティング層の着色は、市販の顔料・染料を接着剤に混ぜることにより行うことが出来る。
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の実施例により、具体的に説明する。
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株))を用いた。筒状の布は、図1に示すように熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸束を2本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら綾織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0011】
(実施例2)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図1に示すように熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸束を2本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら綾織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0012】
(実施例3)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図2に示すように熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸束を3本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら綾織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0013】
(実施例4)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0014】
(実施例5)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維とポリエステルの糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0015】
(実施例6)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と熱収縮繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0016】
(実施例7)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と木綿糸を使用し、木綿糸の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0017】
(実施例8)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と木綿糸を使用し、木綿糸の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と木綿糸の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0018】
(実施例9)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維と木綿糸を使用し、木綿糸の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と熱収縮繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0019】
(実施例10)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維とポリエステル、木綿糸を使用し、ポリエステルと木綿糸の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0020】
(実施例11)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維とポリエステル、木綿糸を使用し、ポリエステルと木綿糸の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維とポリエステルの糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0021】
(実施例12)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維とポリエステル、木綿糸を使用し、ポリエステルと木綿糸の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と木綿糸の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0022】
(実施例13)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維、ポリエステル、木綿糸を使用し、ポリエステルと木綿糸の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と熱収縮繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0023】
(実施例14)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維、ポリエステルを使用し、ポリエステルと熱収縮繊維の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0024】
(実施例15)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維、ポリエステルを使用し、ポリエステルと熱収縮繊維の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維とポリエステルの糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0025】
(実施例16)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維、ポリエステルを使用し、ポリエステルと熱収縮繊維の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と熱収縮繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0026】
(実施例17)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維、木綿糸を使用し、木綿糸と熱収縮繊維の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0027】
(実施例18)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維、木綿糸を使用し、木綿糸と熱収縮繊維の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と木綿糸の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0028】
(実施例19)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、図3に示すように熱融着繊維と熱収縮繊維、木綿糸を使用し、木綿糸と熱収縮繊維の糸束を4本浮かせて1本沈ませるように組み、熱融着繊維と熱収縮繊維の糸束がなるべく基体側へ露出するように(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0029】
(実施例20)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面はポリエステル、裏面は熱融着繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0030】
(実施例21)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面は木綿糸、裏面は熱融着繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0031】
(実施例22)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面はポリエステルと木綿糸、裏面は熱融着繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0032】
(実施例23)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面はポリエステルと熱収縮繊維、裏面は熱融着繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0033】
(実施例24)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面は木綿糸と熱収縮繊維、裏面は熱融着繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0034】
(実施例25)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面はポリエステル、裏面は熱融着繊維と熱収縮繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0035】
(実施例26)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面は木綿糸、裏面は熱融着繊維と熱収縮繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0036】
(実施例27)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面はポリエステルと木綿糸、裏面は熱融着繊維と熱収縮繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0037】
(実施例28)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面はポリエステルと熱収縮繊維、裏面は熱融着繊維と熱収縮繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0038】
(実施例29)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。シンナーにて50%に調整した白塗料(ハイメラアル、武蔵塗料(株)製)をスプレーにて基体表面に塗布し、150℃、20分乾燥した。天然繊維は木綿糸、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株)製)、熱収縮繊維はポリエステル系(東洋紡績製)を用いた。筒状の布は、丸編み(両面編み)により、表面は木綿糸と熱収縮繊維、裏面は熱融着繊維と熱収縮繊維によって構成されるよう上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
布上からクロスカットした後、粘着テープを用いて剥離試験を行ったところ、素材からの剥離発生はなく良好な結果が得られた(表1)。
【0039】
(比較例1)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株))を用いた。筒状の布は、熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸を1本浮かせて1本沈ませるように組み(織物で言うなら平織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
基体と布体は接着はしたが、その強度は実施例1と比較して強度不足であった(表1)。
【0040】
(比較例2)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株))を用いた。筒状の布は、熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸を1本浮かせて2本沈ませるように組み(織物で言うなら綾織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
基体と布体は接着はしたが、その強度は実施例2と比較して強度不足であり、テープにより剥離してしまった(表1)。
【0041】
(比較例3)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株))を用いた。筒状の布は、熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸を1本浮かせて3本沈ませるように組み(織物で言うなら綾織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
基体と布体は接着はしたが、その強度は実施例3と比較して強度不足であり、テープにより剥離してしまった(表1)。
【0042】
(比較例4)
基体として、プレス加工により得られた直径8.5mm、長さ66.8mm、厚さ0.3mmの円筒状真鍮軸を用い、その表面を電解脱脂により、洗浄した。合成繊維はポリエステル、熱融着繊維は、糸径56デシテックスの熱融着繊維ジョイナーHタイプ(フジボウ(株))を用いた。筒状の布は、熱融着繊維とポリエステルを使用し、ポリエステルの糸を1本浮かせて4本沈ませるように組み(織物で言うなら朱子織の要領)、丸打組物を上記基体とほぼ同径に作製した。作製した筒状布体の中に上記基体を挿入し、これを160℃の焼付乾燥炉内に5分間放置し、基体表面に布体を被着した。
基体と布体は接着はしたが、その強度は実施例1と比較して強度不足であり、テープにより剥離してしまった(表1)。
【0043】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、基体と布体とを一体化した装飾体に関するものである。その装飾体の例としては、シャープペンシルやボールペンなどの筆記具、化粧品、飲料などの容器類、台所用品など多岐にわたるものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】丸打組物の組織図と断面図1(綾織の要領) (区別し易くするために各繊維に対して符号を付した)
【図2】図1の断面図
【図3】丸打組物の組織図と断面図2(綾織の要領) (区別し易くするために各繊維に対して符号を付した)
【図4】図3の断面図
【図5】丸打組物の組織図と断面図3(朱子織の要領) (区別し易くするために各繊維に対して符号を付した)
【図6】図5の断面図
【符号の説明】
【0046】
A 表面に出る比率の多い繊維
B 裏面に出る比率の多い繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種類以上の繊維を用いて、表面と裏面に露出する比率が異なるように構成される布体において、表面に露出する比率が高い繊維として天然繊維および/又は非熱融着性の合成繊維および/又は熱収縮繊維を用い、かつ裏面に露出する比率が高い繊維として熱融着繊維を用いた布体を基体に被覆して一体化した装飾体。
【請求項2】
裏面に露出する比率が高い繊維として熱融着繊維および熱収縮繊維を用いた請求項1記載の装飾体。
【請求項3】
裏面が全て熱融着繊維で構成された布体である請求項1記載の装飾体。
【請求項4】
裏面がすべて熱融着繊維と熱収縮繊維で構成された布体である請求項2に記載の装飾体。
【請求項5】
基体が筒状である請求項1〜請求項5の何れかに記載の装飾体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−114382(P2008−114382A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297016(P2006−297016)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】