説明

製袋包装機

【課題】 バナー素材を包材に、常に安定して良好に付着させる。
【解決手段】 本発明は、筒状に曲成された包材を横方向に熱溶着することにより袋の上縁部および下縁部が形成され、かつ該上縁部と下縁部との間にわたってテープ状のバナーが付着された袋を作製しながら被包装物を包装する製袋包装機であって、ロールWRから包材Wを繰り出して包装部20へ搬送する包材搬送手段と、ロールの支持部12と包装部20との間の包材搬送経路途上に配置されて包材のテンションを調整する第1および第2の包材用ダンサローラ14、18と、包材にバナー素材Sを付着するバナー素材付着手段16とを有し、前記バナー素材付着手段16は、前記第1および第2の包材用ダンサローラ14、18の間の包材Wにバナー素材Sを付着するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋を作製しながら被包装物をその中に充填する製袋包装機、より詳しくは、包装袋の外面にテープ状のバナーを付着させる製袋包装機に関し、包装機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装袋を作製しながらスナック菓子等の被包装物を充填して包装する製袋包装機が知られている。この製袋包装機では、シート状の包材(フィルム)をフォーマのセーラ部材を通過させて筒状に曲成した後、同じくフォーマのチューブ部材の周囲において重なり合った縦の縁部同士を縦シール装置で熱溶着する。次に、筒状包材を横シール装置で横方向に熱溶着し、被包装物が充填された先行する袋の上縁部をシールするとともに、後続する袋の下縁部とを形成する。そして、横シールした部分を中央部で切断して先行する袋を切り離すとともに、後続する袋に被包装物を充填する。この後続する袋は、次の横シールにより上縁部がシールされたのち切り離される。
【0003】
この種の袋詰め商品では、袋の外面に販売広告や景品券などを印刷したバナーと称されるテープ状の別部材が取り付けられることがある。図7に示すように、このバナーAは、通常、上端部A′と下端部A″とが横シールで形成された袋Bの上縁部B′と下縁部B″とに付着される。
【0004】
このようなバナーを袋に付着させる製袋包装機として、例えば特許文献1に記載のものがある。これは前記フォーマにより筒状に曲成された包材に沿ってテープ状のバナー素材を供給し、これを横シール装置により、袋の上縁部と下縁部とを形成しつつバナー素材を該上縁部と下縁部それぞれに溶着し、袋の下縁部にバナーの下端部が溶着されるとともに上縁部にバナーの上端部が溶着されたバナー付き袋を作製する。
【0005】
【特許文献1】特開2002−80008公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、袋の上縁部と下縁部とに加えて、これら以外の部分においてもバナーを袋に付着させる場合があり、この場合、バナー素材をフォーマより上流側で包材(フォーマにより筒状にされる前の包材)に付着することになる。その場合、フォーマの上流側では、上述の特許文献1に記載されているように、通常、ダンサローラにより包材が緊張状態に保持されるが、フォーマ側での包材の送り速度や包材のロールの回転速度等の関係で、フォーマ上流側における包材のテンションは必ずしも一定しない。そのため、包材へのバナー素材の付着状態が安定せず、結果として、袋に付着されたバナーにしわが発生したり、バナーによって袋が引っ張られて該袋が歪むなどの問題の発生が考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、包材のテンションを調整して上述の問題の発生を抑制し、バナーが両端部に加えて該両端部以外の部分においても袋に良好に付着されたバナー付き袋を作製する製袋包装機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、筒状に曲成された包材を横方向に熱溶着することにより袋の上縁部および下縁部が形成され、かつ該上縁部と下縁部との間にわたってテープ状のバナーが付着された袋を作製しながら被包装物を包装する製袋包装機であって、
ロールから包材を繰り出して包装部へ搬送する包材搬送手段と、
前記ロールの支持部と包装部との間の包材搬送経路途上に配置されて包材のテンションを調整する第1および第2の包材用ダンサローラと、
包材にバナー素材を付着するバナー素材付着手段とを有し、
前記バナー素材付着手段は、前記第1および第2の包材用ダンサローラの間の包材にバナー素材を付着するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着手段は、該手段によって包材に付着されるバナー素材のテンションを調整するバナー素材用ダンサローラを有することを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着手段は、
ロール状に巻回されたバナー素材の支持部、バナー素材のテンションを調整するバナー素材用ダンサローラ、およびバナー素材を包材に溶着するバナー素材溶着手段を有し、
これらを囲むように包材搬送経路が設けられていることを特徴とする。
【0011】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材溶着手段は、包材のバナー素材溶着面が下向きとなる包材搬送経路の下方に配置され、包材にバナー素材を下から押し当てつつ熱溶着することを特徴とする。
【0012】
加えて、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着手段は、製袋包装機本体に対して着脱可能なバナー素材付着ユニットとして構成されていることを特徴とする。
【0013】
加えてまた、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着ユニットは、製袋包装機本体の上部に該本体の全長の範囲内にほぼ収まるように着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、バナー素材は、前記第1および第2の包材用ダンサローラによりテンションがほぼ一定に調整された該2つのローラ間の包材に付着されるから、常に良好かつ安定した状態で付着されることになり、その結果、バナーのしわの発生や袋の歪みなどが抑制されたバナー付き袋が作製される。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、第1および第2の包材用ダンサローラ間のテンションがほぼ一定に調整された包材に、バナー素材用ダンサローラによりテンションが調整されたバナー素材が付着される。その結果、バナー素材と包材が、さらに良好に安定して付着される。
【0016】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、バナー素材付着手段は、ロール状に巻回されたバナー素材の支持部、バナー素材用ダンサローラ、およびバナー素材溶着手段を有し、これらを囲むように包材搬送経路が設けられている。バナー素材に比べて包材は幅が広いため、周囲から包材搬送経路の内側へ浮遊物等が進入することを防ぐことができる。例えば、バナー素材溶着手段近傍に浮遊物等が侵入することを防止することができ、包材とバナー素材との溶着部分に浮遊物等を噛み込むことが防止される。
【0017】
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、バナー素材溶着手段は、バナー素材溶着面が下向きの搬送中の包材にバナー素材を下から押し当てつつ熱溶着する。これは、熱は上方に伝達され易い特性を考慮したものであり、その結果、熱を効率よく包材とバナー素材の溶着に利用することができる。
【0018】
加えて、請求項5に記載の発明によれば、バナー素材付着手段は、製袋包装機に対して着脱可能なバナー素材付着ユニットとして構成される。これにより、製袋包装機は、バナー素材付着ユニットを取り外せば、バナーが付着されない袋も作製することができる。
【0019】
加えてまた、請求項6に記載の発明によれば、バナー素材付着ユニットは、製袋包装機本体の上部に該本体の全長の範囲内にほぼ収まるように取り付けられるので、該ユニットの取り付けにより、製袋包装機の全長が長くなることがなく、全体をコンパクトに構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機が示されている。
【0021】
図1に符号10で示す製袋包装機は、図7に示すようなバナー付き袋をシート状の包材とテープ状のバナー素材から作製するものである。図中において、包材およびバナー素材は、符号WとSで示されるとともに一点鎖線に示されている(WSは、包材Wにバナー素材Sが付着された状態を示す。)。
【0022】
製袋包装機10は、包材Wの搬送経路順に、ロール状に巻回された包材Wを支持する包材ロール支持部12と、包材ロールから繰り出された包材Wのテンションを調整するダンサローラ(請求の範囲に記載の第1の包材用ダンサローラに対応。)14と、包材Wの表面にバナー素材Sを付着させるためのバナー素材付着ユニット16と、バナー素材Sが付着された包材Wのテンションを調整するダンサローラ(請求の範囲に記載の第2の包材用ダンサローラに対応。)18と、製袋しつつ非包装物を袋に充填する包装部20とから構成される。なお、ここで言う「表面」とは、袋の外面になる面を言う。一方、裏面は袋の内面になる面を言う。
【0023】
包材ロール支持部12は、軸12aに包材ロールWRを回転自在に支持するように構成されている。
【0024】
2つのダンサローラ14、18は、自重によって包材Wのテンションを調整するもので、長穴14a、18a内でそれぞれ鉛直方向に移動可能に支持されている。
【0025】
バナー素材付着ユニット16は、ダンサーローラ14、18によりテンションがほぼ一定に調整された、これらのダンサローラ14、18間の包材Wの部分にバナー素材Sを付着するように構成されている。このバナー素材付着ユニット16の詳細については後述する。
【0026】
包装部20は、バナー素材S付きの包材Wを製袋しつつ被包装物を充填するためのものであって、包材Wを筒状に曲成するためのフォーマ22と、筒状の包材Wを縦シールする縦シール装置24と、筒状の包材Wを搬送する一対のプルダウンベルト機構26aおよび26bと、筒状の包材Wを横シールする横シール装置28とから構成される。
【0027】
フォーマ22は、バナー素材S付きの包材Wを曲成するセーラ30と、セーラ30により曲成された包材Wが巻回されることにより該包材Wを筒状に形成し、かつ筒状の包材Wに被包装物を充填するためのチューブ32とから構成される。
【0028】
セーラ30は、チューブ32に向かって搬送されるバナー素材S付きの包材Wを案内しつつ該チューブ32に巻回するために曲成させる形状のガイド部材であって、具体的には、図中矢印F方向から見た図2に示すように、直線形状の後縁部(包材Wの搬送方向上流側の縁部)30aからチューブ32の周囲に展開する曲線形状の前縁部(下流側の縁部)30bに向かって包材Wを案内するガイド面30cを備える。
【0029】
チューブ32は、鉛直方向に延びた管形状であって、被包装物が投入される上部開口32aと、投入された被包装物を袋(バナー素材S付きの包材Wを製袋してなるバナー付き袋)に充填するための下部開口32bとを備える。また、チューブ32の外周面には、縦シール装置24と協働して縦シールするための平坦面32cと、ブルダウンベルト機構26aおよび26bと協働して筒状の包材Wを搬送するための2つの平坦面32dとを備える。
【0030】
縦シール装置24は、チューブ32に巻回されることにより重なった包材Wの幅方向縁部を縦シールするためのものであり、筒状のバナー素材S付き包材Wを作製するためのものである。具体的には、縦シール装置24のシールバー24aとチューブ32の平坦面32cとの間に重なった搬送中の包材Wの幅方向縁部を挟持しつつ熱溶着するように構成されている。
【0031】
プルダウンベルト機構26a、26bは、チューブ32に巻回されたバナー素材S付きの包材Wを鉛直下方向に搬送するためのものであり、請求の範囲に記載の包材搬送手段に該当する。具体的には、チューブ32の平坦面32dとの間に包材Wを挟持しつつ搬送する。これにより、包材Wは、包材ロールWR支持部12から包装部20に搬送される。
【0032】
横シール装置28は、筒状のバナー素材S付きの包材Wを横方向にシールする装置であって、横方向に挟持しつつ熱溶着するシールジョー28a、28bとを有する。
【0033】
具体的には、シールジョー28a、28bは、直前にシールジョーがシールした袋の下縁部ととなるシール部を備える筒状のバナー素材S付きの包材Wに被包装物がチューブ32を介して充填された後、該被包装物が包装された袋を形成するために該袋の上縁部を熱溶着により筒状の包材Wに形成しつつ、次の袋の下縁部を形成するように構成されている。なお、シールジョー28a、28bには、筒状の包材Wを挟持して熱溶着するときに横方向に分断する、すなわち袋の上縁部と下縁部を形成する刃(図示せず)が内蔵されている。
【0034】
次に、本発明の特徴部分であるバナー素材付着ユニット16の詳細を説明する。
【0035】
図3は、図1に示すバナー素材付着ユニット16およびその周辺を拡大した図であり、図4は、バナー付着ユニット16の部分的斜視図である。
【0036】
バナー素材付着ユニット16は、ロール状に巻回されたバナー素材Sを支持する支持部52と、バナー素材Sのテンションを調整するダンサローラ54a、54bと、バナー素材Sを包材Wに熱溶着するバナー素材溶着機構56と、これらを囲むように包材Wを案内するための4つのガイドローラ58a〜58dとを有する。
【0037】
バナーロールSRの支持部52は、バナーロールSRを回転自在に支持するように構成されている。また、支持部52は、ベースプレート60上に設けられている。
【0038】
ダンサローラ54aおよび54bは、自重によってバナー素材Sのテンションを調整するもので、鉛直方向に移動可能に支持されている。具体的には、2つのダンサローラ54aおよび54bは、ベースプレート60上に設けられて鉛直方向に延びるレール62上を移動する可動ベース64に支持されている。すなわち、2つのダンサローラ54aおよび54bは同時に鉛直方向に移動する。また、レール62の上方には、ガイドローラ66が設けられており、このガイドローラ66はベースプレート60に支持されている。
【0039】
バナーロール支持部52からのバナー素材Sは、まずダンサローラ54aに巻き掛けられ、次にガイドローラ66に巻き掛けられ、最後にダンサローラ54bに巻き掛けられて、4つのガイドローラ58a〜58dに案内されている包材Wの表面に重ねられる。このダンサローラ54aおよび54bにより、バナー素材Sのテンションは所定の大きさに調整される。
【0040】
バナー素材溶着機構56は、表面が下向きの包材Wの下に重ねられているバナー素材Sを該包材Wに上向きに押し当てつつ熱溶着するように構成されている。具体的には、バナー素材溶着機構56は、バナー素材Sを包材Wに押し当てつつ熱溶着するシールバー56aと、シールバー56aの鉛直方向の移動をガイドするガイドロッド56bと、シールバー56aをバナー素材Sに向かって所定の押圧力で押圧するシリンダ56cと、これらを支持してベースプレート60上に設けられたベース56dと、シールバー56aと協働して搬送中の包材Wとバナー素材Sとを挟持しつつ熱溶着するシールプレート56eとから構成される。なお、シールプレート56eは、図4に示すように、バナー素材付着ユニット16の本体68上に設けられている。
【0041】
4つのガイドローラ58a〜58dは、包材ロール支持部12からの包材Wをバナー素材溶着ユニット16内において案内するためのもので、その経路が他のバナー素材溶着ユニット16の構成要素を囲むようにバナー素材付着ユニット16の本体の内壁面68に支持されている。包材ロール支持部12からの包材Wとバナー素材ロール支持部52からのバナー素材Sは、ガイドローラ58bによって重ねられる。
【0042】
このように、4つのガイドローラ58a〜58dにより包材Wが他のバナー素材溶着ユニット16の構成要素を囲む理由は、バナー素材Sに比べて包材Wは幅が広いため、周囲から包材Wの搬送経路の内側の他のバナー素材溶着ユニット16の構成要素が配置されている領域に浮遊物等が進入することを防ぐためである。例えば、バナー素材溶着機構56近傍に浮遊物等が侵入することを防止することができ、包材Wとバナー素材Sとの溶着部分に浮遊物等を噛み込むことを防止することができる。
【0043】
また、ガイドローラ58bと58cは、該ローラ間の包材Wやバナー素材Sが水平になるように、すなわちバナー素材溶着機構56が表面が下向きの包材Wの下に重ねられているバナー素材Sを該包材Wに押し当てつつ熱溶着するできるように設けられている。
【0044】
このように、バナー素材溶着機構56が、表面が下向きの包材Wの下に重ねられているバナー素材Sを該包材Wに押し当てつつ熱溶着する理由は、熱は上方に伝達され易い特性を考慮したためであり、その結果、熱を効率よく包材Wとバナー素材Sの溶着に利用するためである。
【0045】
ベースプレート60は、図4に示すように、スペーサ70を介してバナー素材付着ユニット16の本体68の縦面68aから離れて配置されている。具体的には、縦面68aにおねじが形成されたロッド72が設けられており、そのロッド72が円筒形状のスペーサ70に挿入され、さらにロッド72がベースプレート60に形成された貫通穴(図示せず)に挿入され、その状態でナット74をロッド72に取り付けることにより、ベースプレート60は、スペーサ70の反内壁面側端とナット74に挟持されて保持されている。このように構成することにより、スペーサ70を長さが異なるスペーサと交換するだけで、包材Wに対するバナー素材Sの横方向位置を変更することができる。
【0046】
以上のようにバナー素材付着ユニット16を説明してきたが、このように、バナー素材Sを包材Wに付着させるために必要な要素をバナー素材付着ユニット16として一体的に構成する理由は、製袋包装機10にバナー付き袋以外の袋、すなわちバナーが付着されない袋を作製させるためである。すなわち、図5のようにバナー素材付着ユニット16を取り外して、包材Wを2つのダンサローラ14または18のいずれかに架ければ、包材Wのみのバナーなしの袋を作製することができる。
【0047】
また、バナー素材付着ユニット16は、図1に示すように、製袋包装機10本体の上部に該本体の全長(矢印L方向の長さ)の範囲内にほぼ収まるように取り付けられるように構成されている。これにより、バナー素材付着ユニット16の取り付けにより、製袋包装機10の全長が長くなることがなくなり、全体がコンパクトに構成される。
【0048】
本実施の形態の製袋包装機10によれば、バナー素材付着ユニット16によって搬送中の包材Wの表面にバナー素材Sが付着される。このとき、2つのダンサローラ14、18によりテンションがほぼ一定に調整された該ローラ間の包材Wにバナー素材Sが付着される。これにより、常に良好かつ安定した状態で包材Wとバナー素材Sとが付着される。
【0049】
補足すると、仮にダンサローラ14が存在しない場合、バナー素材Sを溶着させる包材Wの部分のテンションは、支持部12にロール状に巻回されている包材Wの量によって変化する。また、仮にダンサローラ18が存在しない場合、包装部20における包装の動作の状況によって、バナー素材Sを溶着させる包材Wの部分のテンションは変化する。したがって、包材Wに、常に安定して良好にバナー素材Sを付着させるためには、上述するように、バナー素材Sを付着させる包材Wの部分の前後にダンサローラ14.18を配置する必要がある。
【0050】
またこのとき、包材Wに付着されるバナー素材Sのテンションも、ダンサローラ54aおよび54bにより調整されているので、さらに良好に安定して包材Wとバナー素材Sとが付着される。
【0051】
バナー素材付着ユニット16によりバナー素材Sが付着された包材Wは、包装部20に搬送され、そこで、フォーマ22と縦シール装置24により筒状にされる。次に、横シール装置28により横シールされて袋の下縁部が形成された後、被包装物をチューブ32により充填され、最後に横シール装置28により袋の上縁部が形成される。これにより、図7に示すようなバナー付袋、すなわちバナーのしわの発生や袋の歪みなどが抑制されたバナー付き袋が作製される。
【0052】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0053】
例えば、包材に対するバナー素材の横方向位置を変更するための構成は、上述の実施形態の、例えばベースプレート60やスペーサ70などでなくてもよい。
【0054】
例えば、図6に示すように、ベースプレート160に2つの小判形状の貫通穴178が形成されている。一方、バナー素材付着ユニットの本体の内壁面168には、一方の貫通穴178に嵌入されてベースプレート160を支持しつつの該プレート160の回転を止めるためのロッド180と、他方の貫通穴178に挿入されるシャフト182とが設けられており、シャフト182がカム形状断面を備えるカム184の貫通穴に挿入されている。カム184の断面形状は、最長寸法の長さが貫通穴180の最短寸法L1よりやや大きく且つ最大寸法L2より小さく設定されており、最小寸法が最短寸法L1より小さく設定されている。したがって、カム184を適切に回転させることにより、ベースプレート160を内壁面168から任意の距離をあけて固定することができる。
【0055】
また、上述の実施形態の場合、バナー素材を包材に付着する手段は、重なり合う包材とバナー素材とに押し当たりつつ熱溶着するシールバー、すなわち搬送中のバナー素材に対して不動のシールバーを備える溶着機構であったが、これに限定されない。例えば、加熱されつつ回転される無端状の金属ベルト、いわゆるヒータベルトによって包材とバナー素材とを搬送しつつ熱溶着してもよい。
【0056】
さらに、包材へのバナー素材の付着は、熱溶着に限らず、例えば糊剤が塗布されたバナー素材を包材に押圧して付着させてもよい。
【0057】
さらにまた、上述の実施形態の場合、バナー素材用のダンサローラによってバナー素材のテンションも調整されていたが、テンションを調整せずとも良好にバナー素材を包材に付着できる場合は、バナー素材用のテンションローラを除いてもよい。
【0058】
最後に、上述の実施形態の製袋包装機によって作製されたバナー付き袋は、バナーの上端部から下端部全体にわたって連続して袋に付着されたものであるが、本発明は、これに限定されない。上述の実施形態の場合、図3に示すように、シリンダ56cによってシールバー56aが所定の押圧力で押圧し続けて包材Wとバナー素材Sとを熱溶着している。これに代わって、シリンダ56cが周期的にシールバー56cを進退させることにより、包材Wとバナー素材Sとを断続的に付着させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように本発明によれば、包材のテンションが調整されるので、バナー素材を包材に常に良好に安定して付着させることができる。したがって、バナー付き袋を製袋する製袋包装機の分野において好適に利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態に係る製袋包装機を示す図である。
【図2】図1の矢印F方向から見た包装部を示している。
【図3】図1にバナー素材付着ユニットの拡大図である。
【図4】バナー素材付着ユニットの部分的斜視図である。
【図5】バナー素材付着ユニットが取り外された製袋包装機の一部を示す図である。
【図6】包材に対するバナー素材の横方向位置を変更するための機構を説明するための図である。
【図7】バナー付き袋の図である。
【符号の説明】
【0061】
12 包材ロール支持部
14 第1の包材用ダンサローラ
16 バナー素材付着手段(バナー素材付着ユニット)
18 第2の包材用ダンサローラ
20 包装部
W 包材
WR 包材ロール
S バナー素材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に曲成された包材を横方向に熱溶着することにより袋の上縁部および下縁部が形成され、かつ該上縁部と下縁部との間にわたってテープ状のバナーが付着された袋を作製しながら被包装物を包装する製袋包装機であって、
ロールから包材を繰り出して包装部へ搬送する包材搬送手段と、
前記ロールの支持部と包装部との間の包材搬送経路途上に配置されて包材のテンションを調整する第1および第2の包材用ダンサローラと、
包材にバナー素材を付着するバナー素材付着手段とを有し、
前記バナー素材付着手段は、前記第1および第2の包材用ダンサローラの間の包材にバナー素材を付着するように構成されていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着手段は、該手段によって包材に付着されるバナー素材のテンションを調整するバナー素材用ダンサローラを有することを特徴とする製袋包装機。
【請求項3】
請求項1に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着手段は、
ロール状に巻回されたバナー素材の支持部、バナー素材のテンションを調整するバナー素材用ダンサローラ、およびバナー素材を包材に溶着するバナー素材溶着手段を有し、
これらを囲むように包材搬送経路が設けられていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項4】
請求項3に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材溶着手段は、包材のバナー素材溶着面が下向きとなる包材搬送経路の下方に配置され、包材にバナー素材を下から押し当てつつ熱溶着することを特徴とする製袋包装機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着手段は、製袋包装機本体に対して着脱可能なバナー素材付着ユニットとして構成されていることを特徴とする製袋包装機。
【請求項6】
請求項5に記載の製袋包装機において、
前記バナー素材付着ユニットは、製袋包装機本体の上部に該本体の全長の範囲内にほぼ収まるように着脱可能に取り付けられていることを特徴とする製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−46139(P2009−46139A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213387(P2007−213387)
【出願日】平成19年8月20日(2007.8.20)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】