説明

製造実績データ管理システム

【課題】何らかの原因で製品不良が発生し、その原因を特定する際に原料に関する製造者、原料ロット等の特定や製造に関する作業者、製造装置、製品ロット等の特定を迅速に行うことが可能な製造実績データ管理システムを実現する。
【解決手段】原料不良が発生した場合に、製造管理コンピュータ2に格納された実績データに基づいてこの不良原料を含む全製品を特定する。不良原料の特定を行い、次に、その不良原料の購入先及び原料ロットNoの特定を行なう。続いて、製造管理コンピュータ2に格納された実績データを検索して不良原料LOTNoを含む品種を検索し、不良原料LOTNoを含む製造LOTNoを検索し、特定する。特定された製造LOTNoの製品コード、製品名を検索し特定し、不良原料を含む全製品を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動による原料の小分け秤量を行う製造システムに関し、特に多品種を扱う製造システムにおける製造実績データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品、化粧品、塗料などを扱う多品種製造システムでは多種類の原料を配合して製品を製造している。このような多品種製造システムにおいては、まず、製造開始前に使用する原料を準備し、原料ごとに小分け秤量を行い、原料の使用場所へ配膳する。
【0003】
そして、小分けを行った原料は製造開始後、製造する品種の製造手順に従って製造装置に投入し配合する。
【0004】
つまり、小分け秤量作業では、原料コード等の所定の事項が印刷された配合指図書を用いて作業者が原料倉庫より必要な原料を準備する。そして、準備した原料を示す配合指図書を用いて小分け秤量作業を実施する。
【0005】
原料の小分け秤量作業は、作業者が小分け指図書の指図値及び許容値を確認し秤量器に容器または小分け袋を乗せて秤量器の測定値を目視で確認しながら作業を行う。そして、小分け秤量を完了後容器または小分け袋に製造ロット番号、小分け数量、配膳先等の必要情報を手書きで書き込み、また配合指図書に作業者名、秤量実績値などの作業内容を手書きで書き込んでいた。
【0006】
上述した多品種製造システムにおける投入管理システムとしては、特許文献1に開示されている技術がある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−120193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、作業内容の管理を作業者の手書きで行う場合、作業量が増えると人為的ミスを起こし易く、これを有効に防止することが困難であった。
【0009】
また、製造に使用する原料や装置に問題があり、製品不良が発生した場合、その原因究明のため過去の原料購入記録や製造記録を調査し、またその間の製造を停止するなど影響が広範囲に及ぶことになる。
【0010】
しかしながら、従来の技術においては、製品不良等が発生した場合、その原因が、製造装置にあるのか、原料にあるのかの迅速な検索が困難であり、それ以降の製品等の不良発生防止対策も長時間を要することになってしまっていた。
【0011】
本発明の目的は、人為的な誤りを防止し正確な小分け秤量・配合作業を実現し、かつ、何らかの原因で製品不良が発生し、その原因を特定する際に原料に関する製造者、原料ロット等の特定や製造に関する作業者、製造装置、製品ロット等の特定を迅速に行うことが可能な製造実績データ管理システム及び方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の原料を配合して製品を製造した製造実績を管理する製造実績データ管理において、原料の入庫情報及び在庫情報を作成し、製造品種毎の原料単位に原料の小分け・秤量を行うための配合情報を、上記在庫情報に基づき作成し、配合作業指示書を発行する。そして、作成された配合情報を基に秤量すべき原料の品種、ロット番号情報を表示するとともに、秤量された原料の品種、ロット番号情報を表示し、格納手段に格納し、秤量された原料の品種、ロット番号情報に基づいて、製品を製造する製造手段に投入し、投入した製造手段名、原料品種、原料ロット番号、製品品種、製造ロット番号を格納手段に格納する。
【0013】
原料不良、製品不良又は製造手段不良が発生したとき、格納手段に格納された、投入製造手段名、原料品種、原料ロット番号、製品品種、製造ロット番号情報に基づいて、不良原料又は不良製造手段を特定し、特定した不良原料又は不良製造手段により製造された製品を特定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、製品不良発生時に迅速な原因究明や影響範囲の確認を図ることができ回収コストの低減を図ることができる。
【0015】
また、原料の受入から製造手段(配合タンク)への原料投入までを製造計画情報、マスタ情報に基づいて一貫して行うことができる。すなわち、原料受入時の受入データと製造開始時の配合データを用いて照合をとりながらデータを管理することができる。
【0016】
したがって、秤量ミス、投入ミスなどによる従来の作業者の人為的ミスによる誤りを防止することができ、製品の品質向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の製造実績データ管理システムが適用される小分け秤量情報表示装置の概略構成図である。
【0019】
図1において、入出庫管理コンピュータ1には、バーコードラベルプリンタ11が接続されている。
【0020】
図5は、入出庫管理コンピュータ1による原料の受け入れ手順を示すフローチャートである。この図5に示すように、入出庫管理コンピュータ1は、上位システムの発注情報より当日の原材料受入情報を受信して取得し、その原材料受入データから受入バーコードラベル情報を作成し、図4に示すような、受入バーコードラベル23dを、バーコードラベルプリンタ11により発行する。
【0021】
この受入バーコードラベル23dには、受入原料の原料名、原料コード、原料ロット番号、容量、個数などの受入原料情報23eと、これらの情報を示すバーコード23fが記載されている。そして、原料を入荷(原料受け入れ)し、上記発行した上記受入バーコードラベルを、入荷した原料に対して、個装単位に貼り付け、いったん原料倉庫に入庫する。
【0022】
次に、図1において、入出庫管理コンピュータ1は、通信ライン6を介して製造管理コンピュータ2と接続され、製造管理コンピュータ2は、バーコードラベルプリンタ23と接続される。さらに、製造管理コンピュータ2は、通信ライン7を介して秤量管理コンピュータ4と、投入管理コンピュータ5と接続される。
【0023】
また、秤量管理コンピュータ4にはバーコードリーダ41、秤量器42が接続されている。
【0024】
また、投入管理コンピュータ5は、バーコードリーダ51、PLC/DSC52が接続され、このPLC/DSC52には配合装置53が接続されている。
【0025】
製造管理コンピュータ2には製品の製造予定や製造数量などの製造計画情報や製品ごとの製品コードや原料コード、原料の配合指図値、許容値、製造ロットサイズ等のマスタ情報、製品ごとの攪拌時間・温度管理・配合装置への投入タイミングなどのレシピ情報、小分け秤量・投入実績などの製造実績情報が格納されている。
【0026】
製造管理コンピュータ2では製造開始時に当日の製造予定や製造数量などの情報と原料の配合指図値、製造ロットサイズ等のマスタデータから当日製品ごとに使用する原料の種類と数量を計算し、製品ごとの配合情報を作成する。
【0027】
また、プリンタ22では製品ごとに計算された配合情報に従い、図2に示すような配合作業指示書を発行する。
【0028】
また、製造管理コンピュータ2は、配合情報の作成と同時に小分け秤量情報・小分けバーコードラベル情報を作成する。バーコードラベルプリンタ23では小分けバーコードラベル情報に従い、図3に示すような小分けバーコードラベル23aを発行する。
【0029】
この小分けバーコードラベル23aには、製造ロット番号、製造する製品名、小分け秤量を行う原料名、秤量重量などの小分け情報23bと、この小分け情報を示すバーコード23cが記載されている。
【0030】
秤量管理コンピュータ4は、製造計画情報や製品ごとの小分け秤量作業に必要な小分け秤量情報などの配合情報や指図値、許容値情報などのマスタ情報を製造管理コンピュータ2から取得する。
【0031】
バーコードリーダ41は、図3に示した小分けバーコードラベル23a、または図4に示した予め原料に貼ってある受入バーコードラベル23dを読み取り、秤量管理コンピュータ4に送信する。
【0032】
そして、秤量器42は、原料の秤量を行い、秤量管理コンピュータ4に秤量結果を送信する。
【0033】
次に、本発明の一実施形態である製造管理システムにおける小分け秤量作業の動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0034】
ステップ100〜104において、製造管理コンピュータ2は、製造計画情報より製造開始時に作成された製品ごとの配合情報から原料小分け秤量作業を行うために図2に示す配合指図書と図3示す小分けバーコードラベル23aを発行する。この小分けバーコードラベル23aには製造LOTNo(ロット番号)、製品名、原料名、重量(秤量値)を作業者が確認するための情報23bとバーコードリーダ41で読み取るための情報23cが印刷されている。
【0035】
作業者は、発行された小分けバーコードラベル23aを小分け容器に貼り付け、一度入庫した原料を原料倉庫より出庫する。
【0036】
この際、原料倉庫より出庫する原料を入出庫管理コンピュータ1に登録し、出庫処理を行う。
【0037】
原料が入っている風袋、容器には予め原料受入で発行された図4に示す受入バーコードラベル23dが貼り付けられており、この受入バーコードラベル23dには原料コード、原料名、原料LOTNo、容量、個数が作業者確認用の情報23dとバーコードリーダ41で読み取るための情報23eが印刷されている。
【0038】
次に、図6のステップ105〜106において、図7に示すように、秤量管理コンピュータ4では原料小分け秤量作業開始後、作業者が小分け容器に貼り付けた小分けバーコードラベル23aをバーコードリーダ41で読み出し、読み出した製造LOTNo、製品コード、原料コード、重量データが秤量管理コンピュータ4に転送され、データ収集部に格納される。
【0039】
そして、作業者は出庫した原料に貼り付けた受入バーコードラベル23dをバーコードリーダ41で読み出し、読み出した原料コード、原料名、重量データが秤量管理コンピュータ4に転送され、データ収集部に格納される。
【0040】
また、秤量管理コンピュータ4ではバーコードリーダ41が読み出した小分けバーコードラベル23aの製品コード、原料コードより製造管理コンピュータ2から品種・原料ごとの指図値、許容値を読出し、秤量管理コンピュータ4に転送され、データ収集部に格納される。
【0041】
次に、図9に示す原料確認画面の製造ロットNo表示欄4a、製品コード表示欄4b、原料コード表示欄4c、原料名表示欄4d、原料LOTNo表示欄4eにそれぞれ図7に示す秤量管理コンピュータ4のデータ収集部4aに格納された各データを表示する。
【0042】
この時、秤量管理コンピュータ4は読み出した小分けバーコードラベル23aの原料コードと受入バーコードラベル23dの原料コードの比較を行い、原料コードが一致しない場合には音で警告音を鳴らすとともにガイダンス表示欄4fに警告ガイダンスを表示する。図10に原料不一致時の警告ガイダンス表示例を示す。
【0043】
図6のステップ106で原料が一致した場合には、ステップ107に進み、秤量開始ボタン4gを押し秤量作業を開始する。
【0044】
秤量開始ボタン4gを押すと図11に示す秤量操作画面を表示する。
【0045】
次に、図6のステップ107〜112において、図11に示す秤量操作画面では、製造管理コンピュータ2から取得し、データ収集部に格納された指図値を表示欄4hに表示し、原料名表示欄4kにはデータ収集部に格納された原料名を表示する。
【0046】
作業者は秤量器に小分け容器を乗せ、原料が入っている風袋、容器から原料を小分け容器に取り分けていく。
【0047】
この時、秤量管理コンピュータ4は、秤量器から受信した秤量実績値を秤量値表示欄4iには数値表示及び秤量値表示欄4jにはバーグラフ表示でリアルタイムに表示する。
【0048】
秤量管理コンピュータ4は、製造管理コンピュータ2からの取得した指図値、許容値と秤量器から送信された秤量実績値の比較を行い秤量値表示欄4i及び秤量値表示欄4jに許容値以下、許容値範囲内、許容値以上の3つのパターンで表示色を変えて秤量実績値を表示し、作業者に小分け秤量情報を分かりやすく提供する。
【0049】
また、秤量値表示欄4jではバーグラフ表示で秤量実績値を表示することにより作業者が秤量作業の進捗を直感的に把握できるという効果も期待できる。
【0050】
1つの小分け秤量作業完了確認は秤量完了ボタン4mを押して完了するがこの時秤量実績値が許容値以下もしくは許容値以上であった場合、ガイダンス表示欄4lに警告ガイダンスを表示し、再度小分け秤量作業の確認を促すことで誤りの無い小分け秤量作業を行うことができる。
【0051】
1つの小分け秤量作業が完了すると原料コード、製造ロットNo、重量(秤量値)、原料ロットNo、容量、個数などの秤量実績データは製造管理コンピュータに転送され原料の小分け秤量実績データとして格納される。また、同様のデータは入出庫管理コンピュータ1にも転送され出庫データとして格納される。
【0052】
また、小分け秤量作業で余った原料は入出庫管理コンピュータ1に再入庫の登録を行い、原料倉庫に入庫し、次回以降に使用する原料とする。
【0053】
小分け秤量作業が完了すると配合作業準備のため配合作業指示書に従い、小分け秤量済みの原料を配合装置53に配膳する。
【0054】
そして、製造管理コンピュータ2は製造開始時に作成した製品ごとの配合情報とレシピ情報と小分け秤量実績情報を投入管理コンピュータ5に転送する。
【0055】
次に、製造管理システムにおける小分け秤量作業の動作について、図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0056】
図8のステップ200、201において、先ず、製造管理コンピュータ2は、製造開始時に製造する製品の配合情報とレシピ情報とを投入管理コンピュータ5に転送する。投入管理コンピュータ5では配合装置への投入タイミングになると図12に示す投入画面に投入する原料の情報を表示し原料の投入を作業者に指示する。投入画面には配合情報に従い原料を投入する配合タンク名5a、製造ロットNo5b、製品名5c、投入する原料の原料コード5d、原料名5e、指図値(投入数量)・投入指示5hが表示される。
【0057】
図8のステップ202、203において、作業者は、予め配合タンクごとに貼られた配合タンク名バーコードラベルと小分け秤量済み原料に貼られた小分けバーコードラベル23a(図3)をバーコードリーダ51で読み出し、バーコードリーダ51は投入管理コンピュータ5に転送する。投入管理コンピュータ5では、配合情報とバーコードリーダ51から転送された配合タンク名バーコードラベル・小分けバーコードラベルの情報を比較し、投入可否の判定を行う。
【0058】
投入する配合タンクや製造ロットNO、原料が不一致の場合は警告を表示する。
原料不一致時の警告ガイダンス表示例を図13に示す。
【0059】
不一致時は警告ガイダンス5kを表示するとともに投入可否判定5lがNGとなり、作業者に警告を表示する。
【0060】
図8のステップ204〜207において、作業者は投入画面の投入可否判定を確認し、OKであれば配合装置に小分け秤量済み原料を投入し、投入画面に担当者ID5fを入力し、投入確認を行う。
【0061】
投入管理コンピュータ5では、配合作業が完了するまで前述の投入作業を繰り返す。投入管理コンピュータ5は投入可否判定でOKとなった配合タンク名、製造ロットNo、製品名、原料コード、原料名、指図値(投入数量)、実績値などの投入実績データを製造管理コンピュータ2に転送する。
【0062】
製造管理コンピュータ2は、前述の秤量実績データと投入実績データを製造ロットNo、原料コードなどの項目をキー項目として実績データの管理を行う。これにより製品不良が発生した場合などでもその製品の製造ロットからどの原料をどの配合タンクを使用して誰がいつ製造したかを検索することができる。また、購入した原料に不良があった場合でもどの製品のどの製造ロットに含まれているかを検索することができる。
【0063】
図14は、製造管理コンピュータ2における実績データ管理の一例を示す図である。
【0064】
図14において、製造管理コンピュータ2は、実績データについて、製造品種毎にテーブルが用意されている。そして、各品種テーブル毎に、製品コード、製品名、製造LOTNoが格納されるとともに、配合原料毎に、原料コード、原料名、原料LOTNo、購入先、秤量指図値、秤量実績、秤量作業が、秤量管理コンピュータ4から入力され格納されている。また、各品種テーブル毎に、配合タンク名、投入指図値、投入実績、投入作業データが、投入管理コンピュータ5から入力され、格納されている。
【0065】
図15は、原料不良が発生した場合に、製造管理コンピュータ2に格納された実績データに基づいて、この不良原料を含む全製品を特定するための検索フローチャートである。この検索動作は、この例においては、製造管理コンピュータ2が実行するものである。
【0066】
図15のステップ300において、不良原料の特定を行い、次に、ステップ301で、その不良原料の購入先及び原料ロットNOの特定を行なう。
【0067】
続いて、ステップ302において、製造管理コンピュータ2に格納された実績データを検索して、不良原料LOTNoを含む品種を検索し、ステップ303、304で不良原料LOTNoを含む製造LOTNoを検索し、特定する。
【0068】
次に、ステップ305、306において、特定された製造LOTNoの製品コード、製品名を検索し、特定する。そして、不良原料を含む全製品を特定する。
【0069】
この特定された全製品は、プリンタ22により印刷することも、適切な表示手段により表示することも可能である。
【0070】
図16は、製品不良時が発生した場合に、製造管理コンピュータ2に格納された実績データに基づいて、この製品不良の原因である原料を含む全製品を特定するための検索フローチャートである。この検索動作は、この例においては、製造管理コンピュータ2が実行するものである。
【0071】
図16のステップ400において、不良製品の特定を行い、次に、ステップ401で、その不良製品の製造LOTNoを検索し、特定を行なう。
【0072】
続いて、ステップ402、403において、不良製品の製造LOTNoから使用した原料LOTNoを検索し、特定する。
【0073】
次に、ステップ404、405において、不良製品の使用原料を使用した製品の製造LOTNoを検索し特定して、製品コード、製品名を検索し、特定する。そして、ステップ406において、不良原料を含む全製品を特定する。
【0074】
この特定された全製品は、プリンタ22により印刷することも、適切な表示手段により表示することも可能である。
【0075】
図17は、製造装置の不良が発生した場合に、製造管理コンピュータ2に格納された実績データに基づいて、この不良が発生した製造装置により製造された全製品を特定するための検索フローチャートである。この検索動作は、この例においては、製造管理コンピュータ2が実行するものである。
【0076】
図17のステップ500において、不良製品の特定を行い、次に、ステップ501で、その不良製品の製造LOTNoを検索し、特定を行なう。
【0077】
続いて、ステップ502、503において、不良製品の製造LOTNoから使用した製造装置(タンク)を検索し、検索した製造装置を使用した製造LOTNo、製品コード、製品名を検索し、特定する。
【0078】
そして、ステップ504において、不良装置で製造した全製品を特定する。
【0079】
この特定された全製品は、プリンタ22により印刷することも、適切な表示手段により表示することも可能である。
【0080】
以上のように、本発明によれば、原料の受入から配合タンクへの原料投入までを製造計画情報、マスタ情報に基づいて一貫して行い、製品実績データとして、品種別に、製品コード、製品名、原料LOTNo、配合タンク名(使用製造装置)等を格納し、原料不良、製品不良、製造装置不良発生時に、迅速な原因究明や、その不良原因による全不良製品の特定を自動的に迅速に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の製造実績データ管理システムが適用される小分け秤量情報表示装置の概略構成図である。
【図2】配合作業指図書の一例を示す図である。
【図3】製造計画に従い発行された小分けバーコードラベルの一例を示す図である。
【図4】原料に予め貼り付けられている受入バーコードラベルの一例を示す図である。
【図5】入出庫管理コンピュータ1による原料の受け入れ手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態である製造管理システムにおける小分け秤量作業の動作フローチャートである。
【図7】原料の小分け・秤量手順を示すフローチャートである。
【図8】原料の投入手順を示すフローチャートである。
【図9】秤量管理コンピュータにおける小分け秤量時のフローチャートである。
【図10】秤量管理コンピュータに表示された小分け秤量情報表示の一例を示す図である。
【図11】秤量管理コンピュータに表示された小分け秤量情報表示の一例を示す図である。
【図12】秤量管理コンピュータに表示された小分け秤量情報表示の一例を示す図である。
【図13】投入管理コンピュータに表示された原料投入情報表示の一例を示す図である。
【図14】製造管理コンピュータ2における実績データ管理の一例を示す図である。
【図15】原料不良が発生した場合に、不良原料を含む全製品を特定するための検索フローチャートである。
【図16】製品不良時が発生した場合に、この製品不良の原因である原料を含む全製品を特定するための検索フローチャートである。
【図17】製造装置の不良が発生した場合に、不良が発生した製造装置により製造された全製品を特定するための検索フローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 入出庫管理コンピュータ
2 製造管理コンピュータ
3 在庫管理端末
4 秤量管理コンピュータ
5 投入管理コンピュータ
11、23 バーコードラベルプリンタ
22 プリンタ
41、51 バーコードリーダ
42 秤量器
52 PLC/DCS
53 配合装置
23a 小分けバーコードラベル
23d 受入バーコードラベル
41a バーコードラベル読取データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の原料を配合して製品を製造した製造実績を管理する製造実績データ管理システムにおいて、
原料の入庫情報及び在庫情報を作成する入出庫管理手段と、
製造品種毎の原料単位に原料の小分け・秤量を行うための配合情報を上記入出庫管理手段が作成した上記在庫情報に基づき作成し、配合作業指示書を発行する製造管理手段と、
上記製造管理手段により作成された配合情報を基に秤量すべき原料の品種、ロット番号情報を表示するとともに、秤量された原料の品種、ロット番号情報を表示し、上記製造管理手段に格納する秤量管理手段と、
上記秤量管理手段により表示される秤量された原料の品種、ロット番号情報に基づいて、製品を製造する製造手段に投入し、投入した製造手段名、原料品種、原料ロット番号、製品品種、製造ロット番号を上記製造管理手段に格納する投入管理手段と、
を備え、原料不良、製品不良又は製造手段不良が発生したとき、上記製造管理手段は、格納された、投入製造手段名、原料品種、原料ロット番号、製品品種、製造ロット番号情報に基づいて、不良原料又は不良製造手段を特定し、特定した不良原料又は不良製造手段により製造された製品を特定することを特徴とする製造実績データ管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の製造実績データ管理システムにおいて、原料の入庫情報に従い入庫に必要な情報を表示する受入ラベルを発行する受入バーコードラベルプリンタと、原料の小分け・秤量を行うための情報を表示する小分けバーコードラベルを発行する小分けバーコードラベルプリンタと、を備え、上記受入ラベルに表示された情報に基づいて入出庫管理を行い、上記小分けバーコードラベルに表示された情報に基づいて、配合作業を指示することを特徴とする製造実績データ管理システム。
【請求項3】
複数の原料を配合して製品を製造した製造実績を管理する製造実績データ管理方法において、
原料の入庫情報及び在庫情報を作成する工程と、
製造品種毎の原料単位に原料の小分け・秤量を行うための配合情報を上記在庫情報に基づき作成し、配合作業指示書を発行する工程と、
上記配合情報を基に秤量すべき原料の品種、ロット番号情報を表示するとともに、秤量された原料の品種、ロット番号情報を表示し、格納手段に格納する工程と、
秤量された原料の品種、ロット番号情報に基づいて、製品を製造する製造手段に投入し、投入した製造手段名、原料品種、原料ロット番号、製品品種、製造ロット番号を上記格納手段に格納する工程と、
を備え、原料不良、製品不良又は製造手段不良が発生したとき、格納手段に格納された、投入製造手段名、原料品種、原料ロット番号、製品品種、製造ロット番号情報に基づいて、不良原料又は不良製造手段を特定し、特定した不良原料又は不良製造手段により製造された製品を特定することを特徴とする製造実績データ管理方法。
【請求項4】
請求項3記載の製造実績データ管理方法において、原料の入庫情報に従い入庫に必要な情報を表示する受入バーコードラベルを発行する工程と、原料の小分け・秤量を行うための情報を表示する小分けバーコードラベルを発行する工程とを備え、上記受入ラベルに表示された情報に基づいて入出庫管理を行い、上記小分けバーコードラベルに表示された情報に基づいて、配合作業を指示することを特徴とする製造実績データ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−11658(P2007−11658A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191202(P2005−191202)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】