説明

複合ろ過設備の運転方法

【課題】浸漬型膜分離装置とメディアろ過装置とを併用して、同時に膜透過水とメディアろ過水とを得る複合型ろ過設備において、浸漬型膜分離装置とメディアろ過装置の双方にとって至適濃度となるように、浸漬型膜分離装置の被処理水(河川水、湖沼水等の原水)にのみ凝集剤を添加する運転方法を提供すること。
【解決手段】本発明の運転方法は、河川水、湖沼水等の原水を浸漬型膜分離装置によって膜分離して膜透過水を得、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過装置によってろ過してろ過水を得、前記透過水及び前記ろ過水の両方を処理水として供給する複合ろ過設備において、
浸漬型膜分離装置に供給する濁度4度以上15度以下の原水に対して0.4mg/L以上1.2mg/L以下の濃度範囲となるように凝集剤を添加し、メディアろ過装置に供給する前記濃縮水には凝集剤を添加しないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、河川水、湖沼水等を原水(被処理水)として、膜分離処理及びメディアろ過によって、飲料水等として使用する処理水を製造する複合ろ過設備の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
河川水、湖沼水等を原水(被処理水)とする浄水場における水処理方法として、原水に凝集剤を添加した後、凝集ろ過装置に通水して凝集ろ過によって原水を除濁する方法が知られている。また、別の処理方法として、砂、アンスラサイト(無煙炭を破砕し粒状にしたもの)、粒状活性炭等の粒状ろ材をろ過層とするメディアろ過池(メディアろ過装置)が知られている。
【0003】
また、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)等を用いて原水をろ過処理する膜ろ過装置もよく使用される。膜ろ過装置はメディアろ過池等、他の水処理装置と比較してコンパクトであり、設置スペースが小さく、懸濁物質以外に病原性微生物等も除去可能である。使用する膜を選択することによって様々な水質の原水にも対応でき、設置のための工事期間も短い。
【0004】
しかし、膜ろ過装置は、孔経の小さな膜をろ過媒体としているため、定期的に薬液洗浄しなければ膜モジュールが目詰まりしやすい。また、定期的に膜モジュールを交換する必要もあるため、ランニングコストが高いという欠点がある。
【0005】
一方、メディアろ過池等のメディアろ過装置は、ろ過速度が一定(処理水量が一定)であるため、処理水量の変動に対してはメディアろ過装置の運転/停止を繰り返さざるを得ず、処理効率が低下しやすい。また、処理水量を増加しなければならない場合に、ろ過処理が追いつかないという問題もある。
【0006】
このため、2種類以上の処理装置を組み合わせた複合ろ過装置が提案されている。例えば、特許文献1には、メディアろ過槽に浸漬型膜分離装置を組み込み、メディアろ過池と浸漬型膜分離装置の双方によって同時にろ過処理することが可能な複合ろ過装置が開示されている。
【0007】
また、設定添加量で凝集剤を添加した原水を、凝集ろ過装置に通水して凝集ろ過した後、凝集ろ過装置の処理水を膜ろ過装置によって膜分離する水処理装置が、特許文献2に開示されている。
【0008】
なお、鉄系凝集剤を添加して原水中の懸濁物質及び溶解性有機物を凝集させ、凝集物をセラミック膜分離装置のみによって除去する水処理方法が、特許文献3に開示されている。
【特許文献1】特開2005−279408号公報
【特許文献2】特開平10−15307号公報
【特許文献3】特開2002−59173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2に開示されている水処理装置では、原水に対する凝集剤の添加量は、凝集ろ過装置の通水時の差圧上昇速度により決定している。しかし、凝集ろ過装置単独使用時の至適凝集剤添加量が、そのまま膜分離装置の至適凝集剤添加量となるとは限らないため、膜分離装置の被処理水としては過剰量の凝集剤が使用されることもある。その様な場合には、過剰な凝集剤によって膜分離装置の膜モジュールが目詰まりしやすくなるという問題が引き起こされる。また、凝集剤を無駄に消費することとなり、処理コストも上昇する。
【0010】
なお、特許文献1には、複合ろ過装置においてどのような凝集剤添加量とすべきかについては、何ら開示されていない。
【0011】
浸漬型膜分離装置によって膜分離して膜透過水を得、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過装置によってろ過してろ過水を得、前記透過水及び前記ろ過水の両方を飲料水とするろ過設備であれば、処理水量が増加しても浸漬型膜分離装置の透過水量を増加させることによって、処理能力を維持することができる。また、浸漬型膜分離装置の濃縮水(原水から透過水を取り除いた残りの水)をメディアろ過装置によってろ過処理及び生物処理することができるため、原水を無駄にすることがない。
【0012】
本発明は、浸漬型膜分離装置とメディアろ過装置とを併用して、同時に膜分離水とメディアろ過水とを得る複合型ろ過設備において、浸漬型膜分離装置とメディアろ過装置の双方にとって至適濃度となるように、浸漬型膜分離装置の被処理水(河川水、湖沼水等の原水)にのみ凝集剤を添加する運転方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等は、河川水、湖沼水等の原水(被処理水)を浸漬型膜分離装置によって膜分離して膜透過水を得、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過装置によってろ過してろ過水を得、前記透過水及び前記ろ過水の両方を処理水として供給する複合ろ過設備において、浸漬型膜分離装置及びメディアろ過装置の双方にとって至適となる凝集剤濃度を種々検討した結果、原水が一定範囲の低濁度であれば、浸漬型膜分離装置に供給する原水に凝集剤を特定濃度範囲となるように添加すれば、1箇所の凝集剤濃度の調整によって、膜モジュールの目詰まりを防止しつつ、メディアろ過の処理効率も高く維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
具体的に、本発明は、
被処理水を浸漬型膜分離装置によって膜分離して膜透過水を得、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過装置によってろ過してろ過水を得、前記透過水及び前記ろ過水の両方を処理水として供給する複合ろ過設備において、
浸漬型膜分離装置に供給する濁度4度以上15度以下の原水に対して0.4mg/L以上1.2mg/L以下の濃度範囲となるように凝集剤を添加し、メディアろ過装置に供給する前記濃縮水には凝集剤を添加しないことを特徴とする、複合ろ過設備の運転方法に関する(請求項1)。
【0015】
河川水、湖沼水等の原水(被処理水)を浸漬型膜分離装置とメディアろ過装置とを直列に配置し、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過装置の被処理水とする場合、前段の浸漬型膜分離装置では、原水(被処理水)に添加する凝集剤濃度は、浸漬型膜分離装置の分離膜として使用されるMF膜又はUF膜の目詰まりを防止する観点から、なるべく低濃度とすることが理想である。しかし、後段のメディアろ過装置では、処理水中への濁質漏洩を防止する観点から、被処理水中の凝集剤濃度は、低濃度であることは好ましくない。
【0016】
このように、浸漬型膜分離装置によって膜分離して膜透過水を得、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過装置によってろ過してろ過水を得、前記透過水及び前記ろ過水の両方を飲料水等として供給する複合ろ過設備においては、2種類のろ過装置において至適な凝集剤濃度が異なる。しかし、本発明の運転方法では、原水の濁度が4度以上15度以下という低濁度で安定している場合、前段の浸漬型膜分離装置に被処理水として供給する原水中の凝集剤濃度を0.4mg/L以上1.2mg/L以下の濃度範囲とすることにより、後段のメディアろ過装置に被処理水として供給される浸漬型膜分離装置の濃縮水には、改めて凝集剤を添加する必要がない。また、濃縮水中の凝集剤濃度を調整する必要もない。
【0017】
前記浸漬型膜分離装置の分離膜は、MF膜又はUF膜であることが好ましい(請求項2)。
【0018】
また、前記浸漬型膜分離装置の分離膜は、中空糸膜であることが好ましい(請求項3)。平膜よりも目詰まりしにくいためである。
【0019】
前記メディアろ過装置の濾過メディアは、中空状円柱、粒状又は球状であり、中空状円柱の場合には平均内径1mm以上10mm以下、粒状又は球状の場合には平均直径0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましい(請求項4)。
【発明の効果】
【0020】
本発明の複合ろ過設備の運転方法によれば、河川水、湖沼水等の原水(被処理水)が一定範囲内であれば、凝集剤の使用量を低減しつつ、浸漬型膜分離装置及びメディアろ過装置の双方に最適なろ過状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参酌しながら説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されない。
【0022】
本発明の運転方法を実施するのに適した複合ろ過設備の一例を、図1に示す。図1に示すこの複合ろ過設備は、ろ過装置として浸漬型膜分離装置11及びメディアろ過塔22(メディアろ過装置)を備えており、これらに外部装置が接続されている。
【0023】
浸漬型膜分離装置11は膜分離槽10内に設置されており、被処理水(例えば、淡水の原水)の水面下に浸漬されている。膜分離槽10には原水タンク1及び混和槽5が接続されており、凝集剤を添加した後の原水が供給される。
【0024】
次に、この複合ろ過設備における水処理方法について説明する。河川水、湖沼水等の淡水は、まず原水タンク1に貯水される。原水2は、ポンプ3によって経路4を経て混和槽5に給水されるが、このとき経路4に濁度計を設置し、原水2の濁度を測定する。濁度が4以上15以下の範囲内である場合には、混和槽5に0.4mg/L以上1.2mg/L以下の濃度範囲となるように凝集剤を添加する。そして、ミキサー6によって撹拌する。
【0025】
凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウム等のアルミ系凝集剤の他、塩化第二鉄や硫酸第二鉄等の鉄系凝集剤、ポリアクリルアミド等の有機高分子系凝集剤のいずれも使用可能であり、種類は特に限定されない。凝集剤は、水溶液として凝集剤タンク(図示せず)に貯蔵しておき、適宜必要量を混和槽5へと供給することが好ましい。
【0026】
凝集剤添加後の原水7は、ポンプ8によって経路9を経て膜分離槽10へと給水される。膜分離槽10には浸漬型膜分離装置11が設置されており、浸漬型膜分離装置11の本体は、膜分離槽10内の被処理水の水面下に位置している。
【0027】
浸漬型膜分離装置11は、MF膜又はUF膜モジュールによって、膜分離槽内11内の被処理水を膜分離し、透過水はポンプ13によって経路12を経て透過水タンク14に透過水15として貯水される。
【0028】
膜分離槽10では、浸漬型膜分離装置11が懸濁物質を膜分離し、透過水を外部へと移動させるため、浸漬型膜分離装置11外部の被処理水中の懸濁物質濃度が上昇する。懸濁物質濃度が上昇した原水16は、経路17を経て濃縮水タンク18へと貯水される。
【0029】
メディアろ過装置22に給水される濃縮水19は、懸濁物質濃度が原水2よりも高くなっているが、凝集剤濃度も高くなっているため、濃縮水タンク18内の濃縮水19には凝集剤を添加する必要はなく、凝集剤を節約することが可能である。すなわち、混和槽5において原水中の凝集剤濃度を調整しておけば、濃縮水19中の凝集剤濃度はメディアろ過装置にとって至適濃度となる。
【0030】
濃縮水19は、ポンプ20によって経路21を経てメディアろ過装置22(メディアろ過塔)へと給水される。
【0031】
メディアろ過装置にはろ過媒体として砂、アンスラサイト、粒状活性炭、球状セラミック、中空ポリプロピレン等が充填されており、ろ過媒体は1種類でもよく、2種類以上であってもよい。各ろ過媒体の種類及び使用量は適宜調整することができる。なお、図1のメディアろ過装置22では、第一ろ過媒体23a、第二ろ過媒体23b、第三ろ過媒体23cの3種類のろ過媒体が充填されている。
【0032】
メディアろ過装置22によって、濃縮水19中の懸濁物質が除去される。懸濁物質が除去されたろ過水は、経路25を経てろ過水タンク26に貯水される。透過水タンク14内に貯水されている透過水15と、ろ過水タンク26に貯水されているろ過水27とは、混合して塩素消毒等の消毒を行った後、飲料水として利用することが可能である。
【0033】
なお、膜分離槽10の下部には浸漬型膜分離装置11の膜面をエアスクラビング洗浄するための散気装置32を設置するとともに、膜分離槽10の外に散気装置32に気体(空気等)を供給するブロア28を設置し、MF膜の運転時(膜分離時)にエア経路29から空気を吹き込み、スクラビングを行うことが好ましい。
【0034】
また、メディアろ過装置22のろ過媒体(23a〜23c)は、ろ過水タンク26内のろ過水27を、逆洗ポンプ30によって逆洗経路31からメディアろ過装置22へと給水することにより、定期的に逆洗浄することが好ましく、このときにメディアろ過装置22の外に設置したブロア24から、メディアろ過装置22の下部に設置した散気装置33を介して送り込む空気によってスクラビングを行うことが好ましい。
【0035】
[実施例]
浸漬型膜分離装置(MF膜使用)及びメディアろ過塔(メディアろ過装置)を備えるろ過設備を用いて、原水(濁度:最低4.0度、最高15.0度、平均6.5度)に添加する凝集剤(物質名:硫酸アルミニウム)の注入量を変化させた。そして、浸漬型膜分離装置のMF膜の膜間差圧と、浸漬型膜分離装置の透過水及びメディアろ過塔のろ過水の混合処理水の濁度変化を測定した。
【0036】
MF膜の種類等は表1、原水流量等は表2に示す通りである。また、メディアろ過塔の寸法等は表3に示す通りであり、ろ過原水流量等は表4に示す通りである。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
まず、浸漬型膜分離装置において、原水中に対する硫酸アルミニウムの注入量(添加濃度)を変化させ、補正膜差圧上昇速度の変化を調べた。ここでいう補正膜差圧上昇速度とは、ある水温におけるMF膜の前後の差圧上昇速度を、水温25℃における差圧上昇速度に補正した数値をいう。
【0042】
また、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過塔に給水してろ過処理を行い、浸漬型膜分離装置の透過水と、メディアろ過塔のろ過水とを混合した処理水(図2下図の縦軸では、混合処理水と表示している。以下、混合処理水と呼ぶ)の濁度を測定した。その結果を、図2に示す。なお、横軸に表示されている凝集剤注入量とは、浸漬型膜分離装置に給水する原水中の凝集剤濃度を表している。
【0043】
浸漬型膜分離装置においては、凝集剤である硫酸アルミニウムの注入量0.4mg/L付近で補正膜差圧上昇速度が極小値となった。硫酸アルミニウムの注入量が0.55mg/L以上となると補正膜差圧上昇速度が増大したが、1.2 mg/Lを超えると急激に補正膜差圧上昇速度が増大し、短時間でMF膜の目詰まりが起きると予想された。
【0044】
一方、メディアろ過塔においては、被処理水(浸漬型膜分離装置の濃縮水)中の硫酸アルミニウム濃度が高いほど除濁効果が上昇するため、原水に対する凝集剤注入率が0.4mg/L以上となれば、注入率が高いほど混合処理水の濁度は低下した。しかし、注入率1.2mg/Lを超えると、濁度は余り低下せず、使用凝集剤量と比較した濁度現象効果が小さくなった。
【0045】
このため、浸漬型膜分離装置に給水する原水にのみ硫酸アルミニウムを添加し、メディアろ過塔に給水する濃縮水には硫酸アルミニウムを添加しない場合、原水に対する硫酸アルミニウムの注入量は、0.4mg/L以上1.2mg/L以下であることが好ましいと判断された。
【0046】
また、飲料水として利用する混合、混合処理水の濁度は0.5未満であることが理想であるが、図2下図には混合処理水の濁度が0.5未満となるのは、注入率0.55mg/L以上であることが示されている。従って、原水に対する硫酸アルミニウムの注入率は、0.55mg/L以上1.2mg/L以下であることがより好ましいと判断された。
【0047】
なお、上記実施の形態では、浸漬型膜分離装置11は、メディアろ過装置22とは異なる膜分離槽10内に設置した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、浸漬型膜分離装置11をメディアろ過装置22内にろ過媒体よりも先に被処理水のろ過を行うように設置(例えば、下降流のメディアろ過装置であれば、ろ過媒体よりも上部に浸漬型膜分離装置11を設置)することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の複合ろ過設備の運転方法は、膜分離処理及びメディアろ過を備える複合ろ過設備の運転方法として、飲料水製造等の水処理及び公衆衛生分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の運転方法を実施するのに適した複合ろ過設備の一例を表す概念図である。
【図2】上図は原水に対する凝集剤注入量と補正膜差圧上昇速度との関係を示すグラフであり、下図は原水に対する凝集剤注入量と混合処理水の濁度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0050】
1:原水タンク
2:原水(河川水、湖沼水等)
3:原水ポンプ
4:経路
5:混和槽
6:攪拌機
7:凝集剤添加後の原水
8:ポンプ
9:経路
10:膜分離槽
11:浸漬型膜分離装置
12:経路
13:ポンプ
14:透過水タンク
15:透過水
16:懸濁物質濃度が上昇した原水
17:経路
18:濃縮水タンク
19:濃縮水
20:ポンプ
21:経路
22:メディアろ過塔(メディアろ過装置)
23a:第一ろ過媒体
23b:第二ろ過媒体
23c:第三ろ過媒体
24:ブロア
25:経路
26:ろ過水タンク
27:ろ過水
28:ブロア
29:エア経路
30:逆洗ポンプ
31:逆洗経路
32,33:散気装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水を浸漬型膜分離装置によって膜分離して膜透過水を得、浸漬型膜分離装置の濃縮水をメディアろ過装置によってろ過してろ過水を得、前記透過水及び前記ろ過水の両方を処理水として供給する複合ろ過設備において、
浸漬型膜分離装置に供給する濁度4度以上15度以下の原水に対して0.4mg/L以上1.2mg/L以下の濃度範囲となるように凝集剤を添加し、メディアろ過装置に供給する前記濃縮水には凝集剤を添加しないことを特徴とする、複合ろ過設備の運転方法。
【請求項2】
前記浸漬型膜分離装置の分離膜が精密ろ過膜又は限外ろ過膜である請求項1に記載の複合ろ過設備の運転方法。
【請求項3】
前記浸漬型膜分離装置の分離膜が中空糸膜である請求項2に記載の複合ろ過設備の運転方法。
【請求項4】
前記メディアろ過装置の濾過メディアが中空状円柱、粒状又は球状であり、中空状円柱の場合には平均内径1mm以上10mm以下、粒状又は球状の場合には平均直径0.5mm以上1.5mm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合ろ過設備の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−474(P2010−474A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162951(P2008−162951)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】