複合パネルを使用した床暖房装置
【課題】施工性に優れた床暖房装置を提供する。
【解決手段】所定の形状の板材aとその裏面に複数のリブ部材bと断熱材cを設けた複合パネルを、建造物の大引の上に敷設して床構造を形成する方法において、大引6に支持された状態で、この大引6の上面から前記板材aの表面までの高さを基準高さとするリブ部材bを持つ基準複合パネルPと、基準高さより板材aが所定の段差分低く大引6の上に支持されるリブ部材bを持つ補助複合パネルとからなり、建造物の大引6の上に補助複合パネルP1を敷設した床暖房区画と、基準複合パネルPを敷設した非床暖房区画とを形成し、補助複合パネルP1上に段差分の厚さの床暖房部材10を積層して形成される床暖房部材10の表面と、基準複合パネルPの表面とを平坦に合わせ、これらの複合パネルの上に床材18などを敷設して床構造を完成することを特徴とする床構造の仕上げ工法。
【解決手段】所定の形状の板材aとその裏面に複数のリブ部材bと断熱材cを設けた複合パネルを、建造物の大引の上に敷設して床構造を形成する方法において、大引6に支持された状態で、この大引6の上面から前記板材aの表面までの高さを基準高さとするリブ部材bを持つ基準複合パネルPと、基準高さより板材aが所定の段差分低く大引6の上に支持されるリブ部材bを持つ補助複合パネルとからなり、建造物の大引6の上に補助複合パネルP1を敷設した床暖房区画と、基準複合パネルPを敷設した非床暖房区画とを形成し、補助複合パネルP1上に段差分の厚さの床暖房部材10を積層して形成される床暖房部材10の表面と、基準複合パネルPの表面とを平坦に合わせ、これらの複合パネルの上に床材18などを敷設して床構造を完成することを特徴とする床構造の仕上げ工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合パネルを床構造として敷いた家屋における床暖房装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの日本家屋の床構造の一例を説明すると、図10、11、12(これらの図は複合パネルを使用した基礎構造を示しているが、説明の都合上これを利用する。)に示すように地盤1上に枠状に囲んで形成されたコンクリート基礎2により土台3を支持すると共に、束石4で支持された束5で大引6(あるいは中間梁材)を支持して基礎部を構成している。そしてこの大引6の上に根太(不図示)を打ちつけ、この根太に直交してベニヤ板からなる下地材(不図示)を張り、更にその下地材の上にフローリング材を固定している。
【0003】
しかし、この根太と下地材を使用する従来の床構造は、工事現場において専門の技術を持つ大工による複数の手作業を必要としており、その結果、建設期間が長くならざるを得ず、それに応じて建設コストが高くなり、住宅の建設と販売上から制約される問題となっていた。
【0004】
もし、床構造の一部を工場で効率的に生産でき、これを工事現場に運搬して大引(床基礎あるいは中間梁)の上に敷き、簡単に固定できれば、かなりの家屋の建設工程を短縮することができ、更に住宅の建設コスト低減に役立たせることができる。
【0005】
(複合パネルの開発)
そこで考えられたのが「複合パネル:P」である。
【0006】
この複合パネルPを使用した床構造は、2本の大引6(あるいは中間梁)の間の距離、つまり、2本の大引6の中心間距離Lを例えば1mとすると、この中心間距離に合わせて縦・横の幅(1×1m)の複合パネルPを製造する。そしてこれを図10〜12に示したように大引6(床基礎材)の上に置いて釘やネジなどで固定すれば、従来の床構造を組立てる煩雑な工程、即ち、大工作業を大幅に簡略化することが可能となる。
【0007】
図13の斜視図は、複合パネルPの内部構造を示しており、例えば縦・横が1m、厚さ12mmの板材aを準備し、その裏面に所定間隔で複数本のリブ部材b(この場合は4本)を配置して固定する。この複合パネルPの場合、最も右側に位置するリブ部材b1について半分の幅だけ板材aの端部を載せて固定し、残りの半分dを露出させて隣接する板材aの端部を載せる支持面としている(図15)。
【0008】
そして板材aの幅を4等分した位置に後の3本のリブ部材b(例えば、幅が2”×高さが4”の規格品を使用と良い)を固定する。
【0009】
図14において、中央に配置されている複合パネルPの板材aの左側の端部の下面にはリブ部材bを設けず、この複合、パネルPの左側に配置される複合パネルPの右端に設けてあるリブ部材b1に載せてこれに固定している。つまり、所定の複合パネルPの左側に配置される複合パネルPの最も右側のリブ部材b1の露出している面の上に隣接する複合パネルPの板材aの左端を載せ、この板材aの端部を複合パネルPの右側のリブ部材b1の上に載せてクギやネジクギで固定することで隣接する複合パネルPを次々と連結することができるのである。そして2本のリブ部材bの間に断熱材cを配置して断熱性と吸音性のある複合パネルPを構成している。
【0010】
なお、この例では表面板aの裏面にリブ部材bが平行して敷板のように固定されているのみであるが、必要に応じてリブ部材bを四角形に枠組し、その中に別のリブ部材bを格子状に、あるいはその他の形状に配置することも可能である。この複合パネルPの形状や寸法を限定することなく、用途に応じて幅を狭くし、長さを幅より所定の倍率で長くした長方形のものとすることも可能である。
【0011】
(複合パネルPの特徴)
前記複合パネルPは、寸法や形状や使用する材料を規格化し、これを木材加工場において一貫生産することが可能であり、生産した複合パネルPをストックしておき、必要に応じて建設現場まで運搬し、これを大引などの床基礎の上に、あたかも敷石を敷いていくように次々と配置して固定できるのであれば、専門的な技術者でなくても簡単に家屋の床構造を工事することが可能である。この一連の作業によって家屋の建設期間を短縮させ、これにより建設コストをかなり低減することが可能である。
【0012】
また、この複合パネルPの材料の選定、リブ部材の高さや幅などの選定により、複合パネルPの強度を上げ、床構造を強固なものとすることができる。また、室内に配置されるピアノやタンスなどの大型の家具や重量のある家電製品などの重量に合わせて複合パネルPの表面板の材質や寸法を変えたり、リブ部材bの間隔を調節して複合パネルPの強度を簡単に変更することができる。その結果、従来の家屋の床構造とは全く異なって自由な設計ができる上に、家具などの床上の重量に合わせた最適な強度のものとすることが可能である。
【0013】
(床暖房装置の問題)
一方、エアコンのように室内の空気を汚染することなく、効率的に暖房する方法として最近は床暖房が、新築家屋やマンションで多く使用されるようになった(特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平3−50177号公報
【特許文献2】特開平4−81701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に記載された発明は、大引の上の根太の間に金属板製のチャンネル(溝型鋼)を支持させ、このチャンネルの中に断熱材、通電発熱線、蓄熱材を配置したものであり、この装置は特殊なチャンネルを準備したり、根太を特別に配置するなど、その床構造の建造がかなり複雑であると共に床暖房装置の製作コストがかなり高くなる欠点があった。
【0015】
また、特許文献2に記載された発明は、コンクリート床に温水パイプあるいはケーブルヒーターを配置したものであり、パネル構造の床には適用が困難でものである。
【0016】
この床暖房装置には、温水式と電熱加熱式の装置とがあるが、現在は電気料金などの比較から温水式の装置の方が多く使用されている。しかし、温水式の装置は断熱材に蛇行して溝を形成し、その溝の中に細径のパイプを押込んで配置し、これに室外に設けたボイラよりポンプを介して温水を高圧で供給するものである。従って、ボイラより温水を室内に供給し、これが室内を蛇行して流れる間に放熱して低温となった状態でボイラに還流するものであるから、室内における放熱を考慮すると、入り口側の温度が80〜60℃とかなり高温のものを必要とすることから、床構造を構成している木材より化学物質が排出する可能性が高い。また、パイプの劣化や汚染物の詰まりの発生等が原因してこのパイプとボイラの寿命が8年程度と短いことも欠点である。
【0017】
電気式暖房装置には、a)発熱コードを使用したもの、b)金属箔などの発熱体を使用したもの、c)熱可塑性樹脂を導電化したものなど各種のものが提案、実施されてきたが、c)の面状発熱対はPTC効果(温度上昇と共に電気抵抗が増加して電流を自動的に制御する特性を持っている。)がある。
【0018】
(複合パネルと床暖房装置)
しかし、従来のように太引(あるいは中間梁)の上に根太やベニヤ板などを次々と重ねていく床構造は、熟練した大工の手作業に時間がかかり、コスト的にも不利である。これに反して前記のように複合パネルPを敷いていく床構造は、複合パネルを工場生産できる上に、現場における作業性が優れていると共にコスト的にも有利である。従って、この構造に床暖房装置を設置を併合することができるれば、かなり有利である。
【0019】
電気式床暖房装置のうち、本出願人が提案している面状発熱体(熱可塑性樹脂に導電材料微粉末を添加してシート状に成形したもの、商品面:プラヒート)が前記PTC特性を持ち、しかも、使用期間が30年以上経過した現在においても十分にその機能を発揮しており、高い耐久性と大きな信頼性により多くの使用実績がある。
【0020】
本発明者等の実験によると、日本家屋の8畳の間で、通常の構造の床(複合パネルは使用しない)の上に、前記面状発熱体とシート状の蓄熱材(潜熱型蓄熱材)を配置した床暖房装置(部屋面積:13.0m2 、床暖房面積:7.4m2 、定格電気容量1.314kwh/夜間の消費電力:7.35kwh)を設置した装置を稼働させた場合、夜間電力(夜間電力料:6.36円/kwh、昼間電力料:17.09円/kwh)を利用して前記蓄熱材に熱エネルギーを蓄えると共に床構造にも熱エネルギーを蓄える床暖房装置の電気料金を測定した。
【0021】
イ)前記蓄熱式床暖房装置を使用し、夜間電力を併用した場合の電気料金は83円/1日、1ケ月当り2490円であった。ロ)これに対してガス温水暖房の電気料金は150円/日、1ケ月当り4500円であった。従って、前記蓄熱型の電気式床暖房装置と温水式床暖房装置のランニングコストを比較すると、電気式暖房装置の方がガス式床暖房装置に比較して遙かに有利であることが分かる。
【0022】
本発明の実施形態の多くは、複合パネルを基本構成とし、これに潜熱型蓄熱材入りの床暖房部材の使用を前提としている。そして熱源として電気加熱式の面状発熱体を効果的に使用する施工方法を提供することを第1の目的とする。
【0023】
また、本発明の複合パネルを基本構成とし、これに潜熱型の蓄熱材入りの床暖房部材の併用を前提とし、熱源として温水を使用することによって、温水の流通時間を短縮して暖房コストを低下させ、更にシックハウス症候群や床板の歪みなどの不具合を防止することを第2の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記目的を達成するための本発明に係る床構造の仕上げ工法は次のように構成されている。
【0025】
1)所定の形状の板材と、その裏面に複数のリブ部材と、そのリブ部材の間に断熱材を設けた複合パネルを建造物の大引の上に敷設して床構造を形成する方法において、
前記複合パネルは、大引(あるいは中間梁)に支持された状態で、この大引の上面から前記板材の表面までの高さを「基準高さ」とするリブ部材を持つ基準複合パネルと、この基準高さより、前記板材が所定の段差分低く大引の上に支持されるリブ部材を持つ補助複合パネルとを準備する工程と、
大引の上に補助複合パネルを敷設した床暖房区画と、基準複合パネルを敷設した非床暖房区画とを形成する工程と、
前記補助複合パネル上に、前記段差分の厚さを持つ「床暖房部材」を積層し、この床暖房部材の表面と、前記基準複合パネルの表面とを全体的に平坦とし、これらの複合パネルの上に床材などを敷設して床構造を完成する工程とからなることを特徴としている。
【0026】
2)補助複合パネルを形成するリブ部材の大引に支持される部分(下面)を、床暖房部材の厚さ分だけ切欠ぎ、前記基準複合パネルと補助複合パネルとの板材との間に積極的に段差を形成したことを特徴としている。
【0027】
3)前記床暖房部材は、支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて設けられた小根太(仕切り板)と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層される蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなることを特徴としている。
【0028】
4)前記蓄熱材シートは、合成樹脂製の袋内に潜熱型の蓄熱材が充填されて偏平に形成され、しかも、この蓄熱材が小範囲に区分されており、この区分された蓄熱材の一部が漏出した場合でも他への区分の蓄熱材が漏出しないように構成されていることを特徴としている。
【0029】
5)前記床暖房部材を構成する熱源は、通電により発熱する面状発熱体、あるいは加熱流体を流すためのパイプ、もしくはケーブルヒーターの何れかであることを特徴としている。
【0030】
6)前記熱源を構成する面状発熱体は、PTC特性を持つ面状ヒーターであることを特徴としている。
【0031】
7)前記床暖房部材は、硬質発泡樹脂からなる板材を使用した支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて配置された小根太(仕切り部材)と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層される蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなり、前記熱源が加熱流体である場合は、前記加熱流体を流すパイプが前記支持板に埋設されていることを特徴としている。
【0032】
8)本発明に係る床構造の仕上げ工法は、工場において一定の形状を有する板材と、その板材の下面に所定間隔で配置された複数本のリブ部材と、このリブ部材の間に断熱材を設けて構成された「基準複合パネル」と前記リブ部材の下面を加工して前記板材の高さを調整した「補助複合パネル」とを製造する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の建築現場に搬入する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の基礎である大引の上に種類別に区分して敷設する工程と、
前記補助複合パネルの上面に、前記床暖房部材を敷き、配線などの必要な作業を行ない、更に前記基準複合パネルと床暖房部材の上に床板を敷設することを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
前記本発明によれば、複合パネルの特徴である規格性、生産性、更にコスト低減性を活かした床構造とすることを前提としている。
【0034】
そしてこの規格化された複合パネルと、面状発熱体と、潜熱型蓄熱材入り蓄熱材シートと、均熱板を内蔵した板状の床暖房部材とを準備し、前記複合パネル上に床暖房部材を積層して床暖房装置を構成することにより、穏やかで、均一な加熱と、蓄熱材の持つ熱エネルギーの保存性・放出性を十分に発揮できる床暖房装置を得ることができる。従って、床暖房装置に優れた複合パネルの特性を更に活かすことができるのである。
【0035】
即ち、複合パネルと板状の床暖房部材は共に規格化することができ、従って、工場で効率的に生産できる上に品質が一定である。
【0036】
そして家屋の建築現場で特殊技能を持たない作業者でも効率的に敷設することができることから、床暖房装置の製造及び施工に関係するコストを大幅に低減するとこができる。
【0037】
その上、面状発熱体を使用した床暖房装置を構成することによって、暖房に必要とする電気料金は、温水式床暖房装置におけるガスとポンプ駆動用の電気料金の合計金額に比較すると、30〜50%も低下させることができ、極めて経済性に富んだ暖房をすることができるのである。
【0038】
本発明は熱源として面状発熱ヒーターが最適であるが、熱源として温水式加熱装置やケーブル・ヒーターを使用した装置であっても、蓄熱材シートを併用し、更に夜間電力を利用して蓄熱することによって、複合パネルの特性を活かし、優れた床暖房装置を仕上げることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0040】
図1と図2は、本発明の実施に使用する複合パネルに組込むための床暖房部材10の一例を示すもので、この床暖房部材10の縦・横の寸法X・Yは、図13における複合パネルPの縦・横の長さ(L)に相当するものである。そして下部には支持板11(耐水ベニヤ板)が配置され、この支持板11上の所定の位置に複数枚の小根太(仕切り板)12が固定されている。
【0041】
この床暖房部材10の実施の形態における支持板11の厚さt1は6mm、小根太12の厚さt2は9mmで、全体の厚さは15mmである。この厚さは通常のベニヤ板などからなる床材と同様な厚さであり、従って、この床暖房部材10を他の形式(例えば、温水加熱式、ケーブルヒーター式)の床暖房装置にも利用できる特徴がある。
【0042】
前記小根太12は、上方に積層される床板(フローリング)の固定部材であり、蓄熱シートなどの部材の仕切り板である。また、2本の小根太12の間には、図2に示すように面状発熱体13(本出願人で製造販売しているPTC効果を持つ熱可塑性樹脂とグラフアイトの混合体を使用した商品名:プラヒートを使用している。)と蓄熱材シート14が積層され、更にその上に薄いアルミ板または鉄板(約0.5〜0.6mm)などの金属板からなる均熱板15が重ねられている。なお、この均熱板15は熱を床暖房部材10に全面的に伝導すると共に、アース板を兼ねており、床暖房装置を電気的、機械的に保護する保護板でもある。
【0043】
前記蓄熱材シート14内に充填する蓄熱材としては、特許第3390238号に記載された潜熱型蓄熱材が適当である。この蓄熱材は硫酸ナトリウム10水塩(ぼう硝、Na2 SO4 ・10H2 O)と、核発生剤としてのホウ酸ナトリウム10水塩(Na2 B4 O7 ・10H2 O(商品名:ボラックス)とが用いられる。
【0044】
また、硫酸ナトリウム10水塩と共に、融点が高く(63℃)、結晶構造が硫酸ナトリウム10水塩と近似した化合物であるホウ酸ナトリウム10水塩を使用することも可能である。このホウ酸ナトリウム10水塩は蓄熱材冷却時の結晶化の核となり、硫酸ナトリウム10水塩の微細結晶を促進し、過冷却現象を抑制する作用を有している。
【0045】
従って、主として夜間電力を利用して夜間に面状発熱体13を発熱させ、その熱量を蓄熱材14に与え、この潜熱型蓄熱材が潜熱相当の熱量を吸収して溶融状態となって大量の熱量を蓄えさせておく。また、この潜熱型蓄熱材への蓄熱と平行して床構造も十分に加熱しておくことができ、両者の合計熱量はかなりの量となる。そして昼間に通電を絶って放熱行程で潜熱を放出して固体化させ、所定の温度以下になった場合に追加的に面状発熱体13に通電して前記蓄熱材を溶融させて室温を制御すると良い。
【0046】
図3は、部屋16内に面状発熱組立体10を積層しない基準複合パネルP(非発熱部)と、この基準複合パネルPで囲まれた部分の、床暖房部材10を積層した補助複合パネルP1(発熱部)を配置した様子を示している。
【0047】
この基準複合パネルPは、図13に示したような構造を基本構造とする複合パネルPが使用され、また、補助複合パネルP1には、基準複合パネルPの上面に、図1及び図2に示す床暖房部材10を重ねた構造のものが使用される。
【0048】
図4は、図3における矢印A−Aの断面図であり、基準複合パネルPと補助複合パネルP1接合部分の側断面図を示している。基準複合パネルPと補助複合パネルP1の裏面に配置するリブ部材bは幅が2”で高さが4”(2バイ×4)の既成品を使用することができる。
【0049】
一方、左側の補助複合パネルP1は、基準複合パネルPの上に、図1及び図2に示した床暖房部材10を積層し、図2の小根太12の部分で基準複合パネルPの上に木ネジで固定したものである。この床暖房部材10は、支持体11と小根太12との厚さ(t1+t2)を有しており、この厚さ分だけ基準複合パネルPと補助複合パネルP1との間に差を付けているのである。
【0050】
従って、図3、図4、図16及び図17において、発熱しない区域である基準複合パネルPと、発熱する区域である補助複合パネルP1上面を、床板18の下面に合わせて平坦にする必要がある。
【0051】
そこで本発明においては、補助複合パネルP1を形成しているリブ部材bの両端の下面の支持面(下側の面)の一部に切欠部17を形成し、基準複合パネルPの上面と、補助複合パネルP1の上に床暖房部材10を重ねた床暖房部材10の上面との高さを一致させて平坦な面にしている。従って、図4に示す切除部17の高さhは、前記床暖房部材10の厚さ(t1+t2)(図2)に相当する。
【0052】
前記基準複合パネルPと補助複合パネルP1の上面には床板(フローリング)18が設けられて暖房床19が完成する(図4、16)。
【0053】
図6は、基準複合パネルPと床暖房部材10の積層板前の補助複合パネルP1の「段差」のある状態の斜視図で、2枚の基準複合パネルPにより2面がL型の段差で囲まれた1枚の補助複合パネルP1が示されており、補助複合パネルP1の小根太bの両端に切欠部17を設けた様子が示されている。
【0054】
図7は、両端に切欠部17を設けたリブ部材bを持つ補助複合パネルP1上に床暖房部材10を重ねてクギか木ネジで固定して支持面の全体を平坦化し、その上に床板18を重ねる様子を示しおり、この床構造は図4、5、16、17に示す通りである。
【0055】
図1及び図2に示す床暖房部材10の一例を説明すると、縦・横の寸法は1m、支持板11の厚さは9mm、小根太12の厚さは6mmであり、この小根太12の厚さの中に図2に示すように厚さが約3mmの面状発熱体13と厚さが約5.5mmのシート状蓄熱材14などを収容する。また、面状発熱体13の幅は約200mmで1平行メートル当たりの発熱容量は200〜230Wのものが一般に使用される。
【0056】
本発明は、前記のように基準複合パネルPを基礎的な床構造として使用するこによって床の基礎となる部分を工場生産することによって製造コストを下げ、更に取付けを簡便化することによって現場での施工性を著しく改善するものである。
【0057】
本発明の基本的な技術的思想は、基準複合パネルPを少し変形し、これの上に床暖房部材10を重ねたものを床構造とするものであるが、この床暖房部材10の内部構造として、厚さが5.5mm程度(5〜6mm程度)のシート状蓄熱材14を積層しており、これによって夜間電力を有効に利用して熱エネルギーとして床構造に蓄え、これを昼間に床暖房用熱エネルギーとして使用することから、床暖房に使用する電力料金を著しく低下させることが可能である。
【0058】
図8は、熱源として温水パイプ13aを蛇行して設け、シート状蓄熱材14とを組合わせた複合パネルを使用した床暖房装置の断面を示している。また、図9は熱源としてケーブルヒーター13bを設け、シート状蓄熱材14とを組合わせた板状の床暖房装置の断面をそれぞれ示している。
【0059】
面状発熱体13としては、例えば、特許第1232549号(特公昭55−31598号公報に記載された熱可塑性樹脂とカーボン微粉末との混合体を溶融して押出成形したものを使用するのが良い。
【0060】
また、蓄熱材としては、床暖房温度の範囲において溶融点と凝固点を持つ材料のものが好ましく、例えば、硫酸ナトリウム10水塩(ぼう硝:Na2 SO4 ・10H2 O)と核発生剤としてのホウ酸ナトリウム10水塩(Na2 B4 O7 ・10H2 O)からなる潜熱型蓄熱材を使用することができる。
【0061】
シート状蓄熱材とは、長い偏平な合成樹脂シートからなる袋を形成し、これの内部に蓄熱材を所定量充填しては幅方向にシールして区切り、これを繰り返して恰も竹の子状に小袋を連結したものを使用する。これは、万一、一つる袋が破損しても、他の袋に影響を及ぼさないための配慮である。
【0062】
図16及び図17は、本発明の床暖房装置の施工方法を説明しており、大引(中間梁)の上に基準複合パネルPと補助複合パネルP1とを敷いて固定するだけで簡単に床構造の工事が完了することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】床暖房部材の斜視図である。
【図2】同床暖房部材の断面図である。
【図3】補助複合パネルと基準複合パネルとを配置した部屋の平面図である。
【図4】基準複合パネルと補助複合パネルと大引との関係を示す側面図である。
【図5】図3におけるB−B線断面図である。
【図6】補助複合パネルと基準複合パネルとの組合せ部分の斜視図である。
【図7】基準複合パネルと補助複合パネルと床板の組立て状態を示す斜視図である。
【図8】熱源に温水を使用した床暖房装置の断面図である。
【図9】熱源にケーブルヒーターを使用した床暖房装置の断面図である。
【図10】複合パネルを使用する土台部分の平面図である。
【図11】図10の正断面図である。
【図12】基準複合パネルを使用した床構造の斜視図である。
【図13】基準複合パネルの内部構造を示す斜視図である。
【図14】基準複合パネルを使用した床を示す斜視図である。
【図15】基準複合パネルの板部の連結部分の断面図である。
【図16】(A)基準複合パネルと補助複合パネルを使用した床暖房装置を施工中のの斜視図でる。(B)図16(A)におけるZ部の拡大図である。
【図17】基準複合パネルと補助複合パネルの段差部の断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 地盤 2 コンクリート基礎 3 土台 4 束石
5 束 6 大引
10 床暖房部材 11 支持板 12 小根太
13 面状発熱体 14 シート状蓄熱材 15 均熱板
16 部屋 17 切欠部 18 床板(フローリング)
a 表面板 b リブ部材 P 基準複合パネル
P1 補助複合パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合パネルを床構造として敷いた家屋における床暖房装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの日本家屋の床構造の一例を説明すると、図10、11、12(これらの図は複合パネルを使用した基礎構造を示しているが、説明の都合上これを利用する。)に示すように地盤1上に枠状に囲んで形成されたコンクリート基礎2により土台3を支持すると共に、束石4で支持された束5で大引6(あるいは中間梁材)を支持して基礎部を構成している。そしてこの大引6の上に根太(不図示)を打ちつけ、この根太に直交してベニヤ板からなる下地材(不図示)を張り、更にその下地材の上にフローリング材を固定している。
【0003】
しかし、この根太と下地材を使用する従来の床構造は、工事現場において専門の技術を持つ大工による複数の手作業を必要としており、その結果、建設期間が長くならざるを得ず、それに応じて建設コストが高くなり、住宅の建設と販売上から制約される問題となっていた。
【0004】
もし、床構造の一部を工場で効率的に生産でき、これを工事現場に運搬して大引(床基礎あるいは中間梁)の上に敷き、簡単に固定できれば、かなりの家屋の建設工程を短縮することができ、更に住宅の建設コスト低減に役立たせることができる。
【0005】
(複合パネルの開発)
そこで考えられたのが「複合パネル:P」である。
【0006】
この複合パネルPを使用した床構造は、2本の大引6(あるいは中間梁)の間の距離、つまり、2本の大引6の中心間距離Lを例えば1mとすると、この中心間距離に合わせて縦・横の幅(1×1m)の複合パネルPを製造する。そしてこれを図10〜12に示したように大引6(床基礎材)の上に置いて釘やネジなどで固定すれば、従来の床構造を組立てる煩雑な工程、即ち、大工作業を大幅に簡略化することが可能となる。
【0007】
図13の斜視図は、複合パネルPの内部構造を示しており、例えば縦・横が1m、厚さ12mmの板材aを準備し、その裏面に所定間隔で複数本のリブ部材b(この場合は4本)を配置して固定する。この複合パネルPの場合、最も右側に位置するリブ部材b1について半分の幅だけ板材aの端部を載せて固定し、残りの半分dを露出させて隣接する板材aの端部を載せる支持面としている(図15)。
【0008】
そして板材aの幅を4等分した位置に後の3本のリブ部材b(例えば、幅が2”×高さが4”の規格品を使用と良い)を固定する。
【0009】
図14において、中央に配置されている複合パネルPの板材aの左側の端部の下面にはリブ部材bを設けず、この複合、パネルPの左側に配置される複合パネルPの右端に設けてあるリブ部材b1に載せてこれに固定している。つまり、所定の複合パネルPの左側に配置される複合パネルPの最も右側のリブ部材b1の露出している面の上に隣接する複合パネルPの板材aの左端を載せ、この板材aの端部を複合パネルPの右側のリブ部材b1の上に載せてクギやネジクギで固定することで隣接する複合パネルPを次々と連結することができるのである。そして2本のリブ部材bの間に断熱材cを配置して断熱性と吸音性のある複合パネルPを構成している。
【0010】
なお、この例では表面板aの裏面にリブ部材bが平行して敷板のように固定されているのみであるが、必要に応じてリブ部材bを四角形に枠組し、その中に別のリブ部材bを格子状に、あるいはその他の形状に配置することも可能である。この複合パネルPの形状や寸法を限定することなく、用途に応じて幅を狭くし、長さを幅より所定の倍率で長くした長方形のものとすることも可能である。
【0011】
(複合パネルPの特徴)
前記複合パネルPは、寸法や形状や使用する材料を規格化し、これを木材加工場において一貫生産することが可能であり、生産した複合パネルPをストックしておき、必要に応じて建設現場まで運搬し、これを大引などの床基礎の上に、あたかも敷石を敷いていくように次々と配置して固定できるのであれば、専門的な技術者でなくても簡単に家屋の床構造を工事することが可能である。この一連の作業によって家屋の建設期間を短縮させ、これにより建設コストをかなり低減することが可能である。
【0012】
また、この複合パネルPの材料の選定、リブ部材の高さや幅などの選定により、複合パネルPの強度を上げ、床構造を強固なものとすることができる。また、室内に配置されるピアノやタンスなどの大型の家具や重量のある家電製品などの重量に合わせて複合パネルPの表面板の材質や寸法を変えたり、リブ部材bの間隔を調節して複合パネルPの強度を簡単に変更することができる。その結果、従来の家屋の床構造とは全く異なって自由な設計ができる上に、家具などの床上の重量に合わせた最適な強度のものとすることが可能である。
【0013】
(床暖房装置の問題)
一方、エアコンのように室内の空気を汚染することなく、効率的に暖房する方法として最近は床暖房が、新築家屋やマンションで多く使用されるようになった(特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平3−50177号公報
【特許文献2】特開平4−81701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1に記載された発明は、大引の上の根太の間に金属板製のチャンネル(溝型鋼)を支持させ、このチャンネルの中に断熱材、通電発熱線、蓄熱材を配置したものであり、この装置は特殊なチャンネルを準備したり、根太を特別に配置するなど、その床構造の建造がかなり複雑であると共に床暖房装置の製作コストがかなり高くなる欠点があった。
【0015】
また、特許文献2に記載された発明は、コンクリート床に温水パイプあるいはケーブルヒーターを配置したものであり、パネル構造の床には適用が困難でものである。
【0016】
この床暖房装置には、温水式と電熱加熱式の装置とがあるが、現在は電気料金などの比較から温水式の装置の方が多く使用されている。しかし、温水式の装置は断熱材に蛇行して溝を形成し、その溝の中に細径のパイプを押込んで配置し、これに室外に設けたボイラよりポンプを介して温水を高圧で供給するものである。従って、ボイラより温水を室内に供給し、これが室内を蛇行して流れる間に放熱して低温となった状態でボイラに還流するものであるから、室内における放熱を考慮すると、入り口側の温度が80〜60℃とかなり高温のものを必要とすることから、床構造を構成している木材より化学物質が排出する可能性が高い。また、パイプの劣化や汚染物の詰まりの発生等が原因してこのパイプとボイラの寿命が8年程度と短いことも欠点である。
【0017】
電気式暖房装置には、a)発熱コードを使用したもの、b)金属箔などの発熱体を使用したもの、c)熱可塑性樹脂を導電化したものなど各種のものが提案、実施されてきたが、c)の面状発熱対はPTC効果(温度上昇と共に電気抵抗が増加して電流を自動的に制御する特性を持っている。)がある。
【0018】
(複合パネルと床暖房装置)
しかし、従来のように太引(あるいは中間梁)の上に根太やベニヤ板などを次々と重ねていく床構造は、熟練した大工の手作業に時間がかかり、コスト的にも不利である。これに反して前記のように複合パネルPを敷いていく床構造は、複合パネルを工場生産できる上に、現場における作業性が優れていると共にコスト的にも有利である。従って、この構造に床暖房装置を設置を併合することができるれば、かなり有利である。
【0019】
電気式床暖房装置のうち、本出願人が提案している面状発熱体(熱可塑性樹脂に導電材料微粉末を添加してシート状に成形したもの、商品面:プラヒート)が前記PTC特性を持ち、しかも、使用期間が30年以上経過した現在においても十分にその機能を発揮しており、高い耐久性と大きな信頼性により多くの使用実績がある。
【0020】
本発明者等の実験によると、日本家屋の8畳の間で、通常の構造の床(複合パネルは使用しない)の上に、前記面状発熱体とシート状の蓄熱材(潜熱型蓄熱材)を配置した床暖房装置(部屋面積:13.0m2 、床暖房面積:7.4m2 、定格電気容量1.314kwh/夜間の消費電力:7.35kwh)を設置した装置を稼働させた場合、夜間電力(夜間電力料:6.36円/kwh、昼間電力料:17.09円/kwh)を利用して前記蓄熱材に熱エネルギーを蓄えると共に床構造にも熱エネルギーを蓄える床暖房装置の電気料金を測定した。
【0021】
イ)前記蓄熱式床暖房装置を使用し、夜間電力を併用した場合の電気料金は83円/1日、1ケ月当り2490円であった。ロ)これに対してガス温水暖房の電気料金は150円/日、1ケ月当り4500円であった。従って、前記蓄熱型の電気式床暖房装置と温水式床暖房装置のランニングコストを比較すると、電気式暖房装置の方がガス式床暖房装置に比較して遙かに有利であることが分かる。
【0022】
本発明の実施形態の多くは、複合パネルを基本構成とし、これに潜熱型蓄熱材入りの床暖房部材の使用を前提としている。そして熱源として電気加熱式の面状発熱体を効果的に使用する施工方法を提供することを第1の目的とする。
【0023】
また、本発明の複合パネルを基本構成とし、これに潜熱型の蓄熱材入りの床暖房部材の併用を前提とし、熱源として温水を使用することによって、温水の流通時間を短縮して暖房コストを低下させ、更にシックハウス症候群や床板の歪みなどの不具合を防止することを第2の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記目的を達成するための本発明に係る床構造の仕上げ工法は次のように構成されている。
【0025】
1)所定の形状の板材と、その裏面に複数のリブ部材と、そのリブ部材の間に断熱材を設けた複合パネルを建造物の大引の上に敷設して床構造を形成する方法において、
前記複合パネルは、大引(あるいは中間梁)に支持された状態で、この大引の上面から前記板材の表面までの高さを「基準高さ」とするリブ部材を持つ基準複合パネルと、この基準高さより、前記板材が所定の段差分低く大引の上に支持されるリブ部材を持つ補助複合パネルとを準備する工程と、
大引の上に補助複合パネルを敷設した床暖房区画と、基準複合パネルを敷設した非床暖房区画とを形成する工程と、
前記補助複合パネル上に、前記段差分の厚さを持つ「床暖房部材」を積層し、この床暖房部材の表面と、前記基準複合パネルの表面とを全体的に平坦とし、これらの複合パネルの上に床材などを敷設して床構造を完成する工程とからなることを特徴としている。
【0026】
2)補助複合パネルを形成するリブ部材の大引に支持される部分(下面)を、床暖房部材の厚さ分だけ切欠ぎ、前記基準複合パネルと補助複合パネルとの板材との間に積極的に段差を形成したことを特徴としている。
【0027】
3)前記床暖房部材は、支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて設けられた小根太(仕切り板)と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層される蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなることを特徴としている。
【0028】
4)前記蓄熱材シートは、合成樹脂製の袋内に潜熱型の蓄熱材が充填されて偏平に形成され、しかも、この蓄熱材が小範囲に区分されており、この区分された蓄熱材の一部が漏出した場合でも他への区分の蓄熱材が漏出しないように構成されていることを特徴としている。
【0029】
5)前記床暖房部材を構成する熱源は、通電により発熱する面状発熱体、あるいは加熱流体を流すためのパイプ、もしくはケーブルヒーターの何れかであることを特徴としている。
【0030】
6)前記熱源を構成する面状発熱体は、PTC特性を持つ面状ヒーターであることを特徴としている。
【0031】
7)前記床暖房部材は、硬質発泡樹脂からなる板材を使用した支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて配置された小根太(仕切り部材)と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層される蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなり、前記熱源が加熱流体である場合は、前記加熱流体を流すパイプが前記支持板に埋設されていることを特徴としている。
【0032】
8)本発明に係る床構造の仕上げ工法は、工場において一定の形状を有する板材と、その板材の下面に所定間隔で配置された複数本のリブ部材と、このリブ部材の間に断熱材を設けて構成された「基準複合パネル」と前記リブ部材の下面を加工して前記板材の高さを調整した「補助複合パネル」とを製造する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の建築現場に搬入する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の基礎である大引の上に種類別に区分して敷設する工程と、
前記補助複合パネルの上面に、前記床暖房部材を敷き、配線などの必要な作業を行ない、更に前記基準複合パネルと床暖房部材の上に床板を敷設することを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
前記本発明によれば、複合パネルの特徴である規格性、生産性、更にコスト低減性を活かした床構造とすることを前提としている。
【0034】
そしてこの規格化された複合パネルと、面状発熱体と、潜熱型蓄熱材入り蓄熱材シートと、均熱板を内蔵した板状の床暖房部材とを準備し、前記複合パネル上に床暖房部材を積層して床暖房装置を構成することにより、穏やかで、均一な加熱と、蓄熱材の持つ熱エネルギーの保存性・放出性を十分に発揮できる床暖房装置を得ることができる。従って、床暖房装置に優れた複合パネルの特性を更に活かすことができるのである。
【0035】
即ち、複合パネルと板状の床暖房部材は共に規格化することができ、従って、工場で効率的に生産できる上に品質が一定である。
【0036】
そして家屋の建築現場で特殊技能を持たない作業者でも効率的に敷設することができることから、床暖房装置の製造及び施工に関係するコストを大幅に低減するとこができる。
【0037】
その上、面状発熱体を使用した床暖房装置を構成することによって、暖房に必要とする電気料金は、温水式床暖房装置におけるガスとポンプ駆動用の電気料金の合計金額に比較すると、30〜50%も低下させることができ、極めて経済性に富んだ暖房をすることができるのである。
【0038】
本発明は熱源として面状発熱ヒーターが最適であるが、熱源として温水式加熱装置やケーブル・ヒーターを使用した装置であっても、蓄熱材シートを併用し、更に夜間電力を利用して蓄熱することによって、複合パネルの特性を活かし、優れた床暖房装置を仕上げることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0040】
図1と図2は、本発明の実施に使用する複合パネルに組込むための床暖房部材10の一例を示すもので、この床暖房部材10の縦・横の寸法X・Yは、図13における複合パネルPの縦・横の長さ(L)に相当するものである。そして下部には支持板11(耐水ベニヤ板)が配置され、この支持板11上の所定の位置に複数枚の小根太(仕切り板)12が固定されている。
【0041】
この床暖房部材10の実施の形態における支持板11の厚さt1は6mm、小根太12の厚さt2は9mmで、全体の厚さは15mmである。この厚さは通常のベニヤ板などからなる床材と同様な厚さであり、従って、この床暖房部材10を他の形式(例えば、温水加熱式、ケーブルヒーター式)の床暖房装置にも利用できる特徴がある。
【0042】
前記小根太12は、上方に積層される床板(フローリング)の固定部材であり、蓄熱シートなどの部材の仕切り板である。また、2本の小根太12の間には、図2に示すように面状発熱体13(本出願人で製造販売しているPTC効果を持つ熱可塑性樹脂とグラフアイトの混合体を使用した商品名:プラヒートを使用している。)と蓄熱材シート14が積層され、更にその上に薄いアルミ板または鉄板(約0.5〜0.6mm)などの金属板からなる均熱板15が重ねられている。なお、この均熱板15は熱を床暖房部材10に全面的に伝導すると共に、アース板を兼ねており、床暖房装置を電気的、機械的に保護する保護板でもある。
【0043】
前記蓄熱材シート14内に充填する蓄熱材としては、特許第3390238号に記載された潜熱型蓄熱材が適当である。この蓄熱材は硫酸ナトリウム10水塩(ぼう硝、Na2 SO4 ・10H2 O)と、核発生剤としてのホウ酸ナトリウム10水塩(Na2 B4 O7 ・10H2 O(商品名:ボラックス)とが用いられる。
【0044】
また、硫酸ナトリウム10水塩と共に、融点が高く(63℃)、結晶構造が硫酸ナトリウム10水塩と近似した化合物であるホウ酸ナトリウム10水塩を使用することも可能である。このホウ酸ナトリウム10水塩は蓄熱材冷却時の結晶化の核となり、硫酸ナトリウム10水塩の微細結晶を促進し、過冷却現象を抑制する作用を有している。
【0045】
従って、主として夜間電力を利用して夜間に面状発熱体13を発熱させ、その熱量を蓄熱材14に与え、この潜熱型蓄熱材が潜熱相当の熱量を吸収して溶融状態となって大量の熱量を蓄えさせておく。また、この潜熱型蓄熱材への蓄熱と平行して床構造も十分に加熱しておくことができ、両者の合計熱量はかなりの量となる。そして昼間に通電を絶って放熱行程で潜熱を放出して固体化させ、所定の温度以下になった場合に追加的に面状発熱体13に通電して前記蓄熱材を溶融させて室温を制御すると良い。
【0046】
図3は、部屋16内に面状発熱組立体10を積層しない基準複合パネルP(非発熱部)と、この基準複合パネルPで囲まれた部分の、床暖房部材10を積層した補助複合パネルP1(発熱部)を配置した様子を示している。
【0047】
この基準複合パネルPは、図13に示したような構造を基本構造とする複合パネルPが使用され、また、補助複合パネルP1には、基準複合パネルPの上面に、図1及び図2に示す床暖房部材10を重ねた構造のものが使用される。
【0048】
図4は、図3における矢印A−Aの断面図であり、基準複合パネルPと補助複合パネルP1接合部分の側断面図を示している。基準複合パネルPと補助複合パネルP1の裏面に配置するリブ部材bは幅が2”で高さが4”(2バイ×4)の既成品を使用することができる。
【0049】
一方、左側の補助複合パネルP1は、基準複合パネルPの上に、図1及び図2に示した床暖房部材10を積層し、図2の小根太12の部分で基準複合パネルPの上に木ネジで固定したものである。この床暖房部材10は、支持体11と小根太12との厚さ(t1+t2)を有しており、この厚さ分だけ基準複合パネルPと補助複合パネルP1との間に差を付けているのである。
【0050】
従って、図3、図4、図16及び図17において、発熱しない区域である基準複合パネルPと、発熱する区域である補助複合パネルP1上面を、床板18の下面に合わせて平坦にする必要がある。
【0051】
そこで本発明においては、補助複合パネルP1を形成しているリブ部材bの両端の下面の支持面(下側の面)の一部に切欠部17を形成し、基準複合パネルPの上面と、補助複合パネルP1の上に床暖房部材10を重ねた床暖房部材10の上面との高さを一致させて平坦な面にしている。従って、図4に示す切除部17の高さhは、前記床暖房部材10の厚さ(t1+t2)(図2)に相当する。
【0052】
前記基準複合パネルPと補助複合パネルP1の上面には床板(フローリング)18が設けられて暖房床19が完成する(図4、16)。
【0053】
図6は、基準複合パネルPと床暖房部材10の積層板前の補助複合パネルP1の「段差」のある状態の斜視図で、2枚の基準複合パネルPにより2面がL型の段差で囲まれた1枚の補助複合パネルP1が示されており、補助複合パネルP1の小根太bの両端に切欠部17を設けた様子が示されている。
【0054】
図7は、両端に切欠部17を設けたリブ部材bを持つ補助複合パネルP1上に床暖房部材10を重ねてクギか木ネジで固定して支持面の全体を平坦化し、その上に床板18を重ねる様子を示しおり、この床構造は図4、5、16、17に示す通りである。
【0055】
図1及び図2に示す床暖房部材10の一例を説明すると、縦・横の寸法は1m、支持板11の厚さは9mm、小根太12の厚さは6mmであり、この小根太12の厚さの中に図2に示すように厚さが約3mmの面状発熱体13と厚さが約5.5mmのシート状蓄熱材14などを収容する。また、面状発熱体13の幅は約200mmで1平行メートル当たりの発熱容量は200〜230Wのものが一般に使用される。
【0056】
本発明は、前記のように基準複合パネルPを基礎的な床構造として使用するこによって床の基礎となる部分を工場生産することによって製造コストを下げ、更に取付けを簡便化することによって現場での施工性を著しく改善するものである。
【0057】
本発明の基本的な技術的思想は、基準複合パネルPを少し変形し、これの上に床暖房部材10を重ねたものを床構造とするものであるが、この床暖房部材10の内部構造として、厚さが5.5mm程度(5〜6mm程度)のシート状蓄熱材14を積層しており、これによって夜間電力を有効に利用して熱エネルギーとして床構造に蓄え、これを昼間に床暖房用熱エネルギーとして使用することから、床暖房に使用する電力料金を著しく低下させることが可能である。
【0058】
図8は、熱源として温水パイプ13aを蛇行して設け、シート状蓄熱材14とを組合わせた複合パネルを使用した床暖房装置の断面を示している。また、図9は熱源としてケーブルヒーター13bを設け、シート状蓄熱材14とを組合わせた板状の床暖房装置の断面をそれぞれ示している。
【0059】
面状発熱体13としては、例えば、特許第1232549号(特公昭55−31598号公報に記載された熱可塑性樹脂とカーボン微粉末との混合体を溶融して押出成形したものを使用するのが良い。
【0060】
また、蓄熱材としては、床暖房温度の範囲において溶融点と凝固点を持つ材料のものが好ましく、例えば、硫酸ナトリウム10水塩(ぼう硝:Na2 SO4 ・10H2 O)と核発生剤としてのホウ酸ナトリウム10水塩(Na2 B4 O7 ・10H2 O)からなる潜熱型蓄熱材を使用することができる。
【0061】
シート状蓄熱材とは、長い偏平な合成樹脂シートからなる袋を形成し、これの内部に蓄熱材を所定量充填しては幅方向にシールして区切り、これを繰り返して恰も竹の子状に小袋を連結したものを使用する。これは、万一、一つる袋が破損しても、他の袋に影響を及ぼさないための配慮である。
【0062】
図16及び図17は、本発明の床暖房装置の施工方法を説明しており、大引(中間梁)の上に基準複合パネルPと補助複合パネルP1とを敷いて固定するだけで簡単に床構造の工事が完了することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】床暖房部材の斜視図である。
【図2】同床暖房部材の断面図である。
【図3】補助複合パネルと基準複合パネルとを配置した部屋の平面図である。
【図4】基準複合パネルと補助複合パネルと大引との関係を示す側面図である。
【図5】図3におけるB−B線断面図である。
【図6】補助複合パネルと基準複合パネルとの組合せ部分の斜視図である。
【図7】基準複合パネルと補助複合パネルと床板の組立て状態を示す斜視図である。
【図8】熱源に温水を使用した床暖房装置の断面図である。
【図9】熱源にケーブルヒーターを使用した床暖房装置の断面図である。
【図10】複合パネルを使用する土台部分の平面図である。
【図11】図10の正断面図である。
【図12】基準複合パネルを使用した床構造の斜視図である。
【図13】基準複合パネルの内部構造を示す斜視図である。
【図14】基準複合パネルを使用した床を示す斜視図である。
【図15】基準複合パネルの板部の連結部分の断面図である。
【図16】(A)基準複合パネルと補助複合パネルを使用した床暖房装置を施工中のの斜視図でる。(B)図16(A)におけるZ部の拡大図である。
【図17】基準複合パネルと補助複合パネルの段差部の断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 地盤 2 コンクリート基礎 3 土台 4 束石
5 束 6 大引
10 床暖房部材 11 支持板 12 小根太
13 面状発熱体 14 シート状蓄熱材 15 均熱板
16 部屋 17 切欠部 18 床板(フローリング)
a 表面板 b リブ部材 P 基準複合パネル
P1 補助複合パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の形状の板材とその裏面に複数のリブ部材とそのリブ部材の間に断熱材を設けた複合パネルを、建造物の大引の上に敷設して床構造を形成する方法において、
前記複合パネルは、大引に支持された状態でこの大引の上面から前記板材の表面までの高さを基準高さとするリブ部材を持つ基準複合パネルと、
前記基準高さより、前記板材が所定の段差分低く大引の上に支持されるリブ部材を持つ補助複合パネルとからなり、
前記建造物の大引の上に前記補助複合パネルを敷設した床暖房区画と、
前記基準複合パネルを敷設した非床暖房区画とを形成し、
前記補助複合パネル上に前記段差分の厚さの床暖房部材を積層して形成される床暖房部材の表面と、前記基準複合パネルの表面とを平坦に合わせ、これらの複合パネルの上に床材などを敷設して床構造を完成することを特徴とする床構造の仕上げ工法。
【請求項2】
前記補助複合パネルを形成するリブ部材の前記大引に支持される部分を、前記床暖房部材の厚さ分だけ切欠いで前記基準複合パネルと補助複合パネルとの板材との間に段差を形成したことを特徴とする請求項1記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項3】
前記床暖房部材は、支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて設けられた小根太と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層される蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなることを特徴とする請求項1記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項4】
前記蓄熱材シートは、合成樹脂製の袋内に潜熱型の蓄熱材が充填されて偏平であり、しかも、この蓄熱材が小範囲に区分されて蓄熱材が漏出したとしても、その小範囲しか漏出しないものであることを特徴とする請求項3記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項5】
前記床暖房部材を構成する熱源は、通電により発熱する面状発熱体,加熱流体を流すためのパイプ,あるいはケーブルヒーターの何れかであることを特徴とする請求項1記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項6】
前記熱源を構成する面状発熱体は、PTC特性を持つものであることを特徴とする請求項5記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項7】
前記床暖房部材は、硬質発泡樹脂からなる板材を使用した支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて配置された小根太と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層された蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなり、前記熱源が加熱流体である場合は、前記加熱流体を流すパイプが前記支持板に埋設されていることを特徴とする請求項5記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項8】
工場において、一定の形状を有する板材と、その板材の下面に所定間隔で複数本のリブ部材を配置すると共に、このリブ部材の間に断熱材を設けた基準複合パネルと前記リブ部材の下面を加工して前記板材の高さを調整した補助複合パネルとを製造する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の建築現場に搬入する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の基礎である大引の上に、種類別に区分して敷設する工程と、
前記補助複合パネルの上面に、前記床暖房部材を敷き、配線などの必要な作業を行ない、更に前記基準複合パネルと床暖房部材の上に床板を敷設することを特徴とする床構造の仕上げ工法。
【請求項1】
所定の形状の板材とその裏面に複数のリブ部材とそのリブ部材の間に断熱材を設けた複合パネルを、建造物の大引の上に敷設して床構造を形成する方法において、
前記複合パネルは、大引に支持された状態でこの大引の上面から前記板材の表面までの高さを基準高さとするリブ部材を持つ基準複合パネルと、
前記基準高さより、前記板材が所定の段差分低く大引の上に支持されるリブ部材を持つ補助複合パネルとからなり、
前記建造物の大引の上に前記補助複合パネルを敷設した床暖房区画と、
前記基準複合パネルを敷設した非床暖房区画とを形成し、
前記補助複合パネル上に前記段差分の厚さの床暖房部材を積層して形成される床暖房部材の表面と、前記基準複合パネルの表面とを平坦に合わせ、これらの複合パネルの上に床材などを敷設して床構造を完成することを特徴とする床構造の仕上げ工法。
【請求項2】
前記補助複合パネルを形成するリブ部材の前記大引に支持される部分を、前記床暖房部材の厚さ分だけ切欠いで前記基準複合パネルと補助複合パネルとの板材との間に段差を形成したことを特徴とする請求項1記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項3】
前記床暖房部材は、支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて設けられた小根太と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層される蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなることを特徴とする請求項1記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項4】
前記蓄熱材シートは、合成樹脂製の袋内に潜熱型の蓄熱材が充填されて偏平であり、しかも、この蓄熱材が小範囲に区分されて蓄熱材が漏出したとしても、その小範囲しか漏出しないものであることを特徴とする請求項3記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項5】
前記床暖房部材を構成する熱源は、通電により発熱する面状発熱体,加熱流体を流すためのパイプ,あるいはケーブルヒーターの何れかであることを特徴とする請求項1記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項6】
前記熱源を構成する面状発熱体は、PTC特性を持つものであることを特徴とする請求項5記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項7】
前記床暖房部材は、硬質発泡樹脂からなる板材を使用した支持板と、この支持板上に所定間隔をおいて配置された小根太と、この小根太の間に配置された熱源と、この熱源の上に積層された蓄熱材シートと、この蓄熱材シートを覆って小根太間に延びる均熱板とからなり、前記熱源が加熱流体である場合は、前記加熱流体を流すパイプが前記支持板に埋設されていることを特徴とする請求項5記載の床構造の仕上げ工法。
【請求項8】
工場において、一定の形状を有する板材と、その板材の下面に所定間隔で複数本のリブ部材を配置すると共に、このリブ部材の間に断熱材を設けた基準複合パネルと前記リブ部材の下面を加工して前記板材の高さを調整した補助複合パネルとを製造する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の建築現場に搬入する工程と、
前記基準複合パネルと補助複合パネルを建造物の基礎である大引の上に、種類別に区分して敷設する工程と、
前記補助複合パネルの上面に、前記床暖房部材を敷き、配線などの必要な作業を行ない、更に前記基準複合パネルと床暖房部材の上に床板を敷設することを特徴とする床構造の仕上げ工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図14】
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【図17】
【公開番号】特開2006−299505(P2006−299505A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117324(P2005−117324)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000114064)ミサト株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000114064)ミサト株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
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