複合型吸音器及び熱交換出口案内翼
【課題】吸音及び熱交換にも使用できるターボ機械の出口案内翼アセンブリを提供する。
【解決手段】出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジン10の内壁23と外壁48の間に配置される1つ以上の出口案内翼21と、1つ以上の出口案内翼21の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層とを含む。
【解決手段】出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジン10の内壁23と外壁48の間に配置される1つ以上の出口案内翼21と、1つ以上の出口案内翼21の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してターボ機械に関し、より詳細には、ターボ機械で用いる改良型出口案内翼の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
明らかなように、従来のガスタービンエンジンは一般にファンアセンブリを含んでいる。ファンアセンブリから出る空気流は、空気流の一部分が昇圧圧縮機に入る一方、空気流の残余部分がバイパスされるように分割される。このバイパス空気は、出口案内翼(OGV)の段を流れて相互作用する。これらのOGVは概して、環状内壁と外壁の間に配置され、その内壁及び外壁は、エンジンケーシングに機械的に結合されたOGV支持構造内に取り付けられる。出口案内翼は一般に、前縁と、比較的厚い中間部分と、薄い後縁とを含む断面のような翼形を有する。従って、OGVを介してエンジンからの熱を放散することが望ましい。更に、明らかなように、OGVから生じる騒音のレベルは一般的に高い。従って、OGVから生じる騒音レベルを低下させることもまた望ましい。
【0003】
航空機ガスタービンエンジン製造業者は、騒音を効果的に低減する新しい方法を開発している。現在、ジェットエンジン上のナセルは、ライナー又は音響パネルを利用して、ターボファンの動翼及び静翼又はその他のターボ機械要素によって生じる音を吸収する。これらのパネルは、一般的にナセル壁上に位置付けられる。更に、油、水、及びその他の冷却剤からの熱を除去するために、同様の位置にヒートシンクを設置することが望ましい。残念なことに、これらのヒートシンクは、更なる吸音用の音響パネル又はその他の材料を収容するために、本来使用することのできる空間を占有する。
【0004】
更にまた、ある種の現在利用可能な技術は一般に、ターボ機械の冷却及び騒音低減要求に対処するために、別個の熱交換器及び吸音器を使用する。更に、熱伝達を促進するために、出口案内翼(OGV)において冷却剤管を動作させるといった様々な技術が開発されている。残念なことに、OGVの滑らかな壁は効率的な熱伝達面ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,105,127B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、吸音だけでなく熱交換にも使用することのできるOGVを開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡潔には、本発明の一実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを提供する。出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層とを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを提供する。出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼を含む。出口案内翼アセンブリは、第1出口案内翼の第2面と第2出口案内翼の第1面の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層を更に含む。
【0009】
本発明の更に別の実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを提供する。出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、複数のフィンを有する表面冷却層とを含み、複数のフィンは、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成され、金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる。
【0010】
本発明の更に別の実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを形成する方法を提供する。方法は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体又はそれらの組み合わせからなる1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に表面冷却層を配置するステップを含む。
【0011】
本発明の更に別の実施形態に従って、エンジンを提供する。エンジンは、コアエンジンと、出口案内翼アセンブリとを含み、出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、第1出口案内翼の第2面と第2出口案内翼の第1面の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層とを含む。
【0012】
本発明の更に別の実施形態に従って、エンジンを提供する。エンジンは、コアエンジンと、出口案内翼アセンブリとを含み、出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置される表面冷却層とを含み、1つ以上の出口案内翼は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に従った、エンジンの概略図である。
【図2】本発明の実施形態に従った、例示的な出口案内翼の軸方向断面図である。
【図3】本発明の実施形態に従った、別の例示的な出口案内翼の軸方向断面図である。
【図4】本発明の実施形態に従った、更に別の例示的な出口案内翼の軸方向断面図である。
【図5】本発明の実施形態に従った、例示的な表面冷却層の一部分の図である。
【図6】本発明の実施形態に従った、別の例示的な表面冷却層の一部分の図である。
【図7】本発明の実施形態に従った、例示的な出口案内翼の斜視図であり、フィンを有する例示的な表面冷却層を示す。
【図8】本発明の実施形態に従った、例示的なフィンの上面図である。
【図9】本発明の実施形態に従った、表面冷却層で用いる別の例示的なフィンの図である。
【図10】本発明の実施形態に従った、表面冷却層で用いる別の例示的なフィンの上面図である。
【図11】本発明の実施形態に従った、エンジンの一部分の斜視図である。
【図12】図1のエンジンにおける例示的なファンブレード一式、出口案内翼一式及び例示的なフィン一式の二次元断面の概略半径図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の上記及びその他の特徴、態様及び利点は、図面を通して同様の符号が同様の部品を表す添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことによって明確に理解されよう。
【0015】
本発明の実施形態は出口案内翼(OGV)に関し、より詳細には、航空機エンジン等のエンジンで用いる出口案内翼(OGV)の設計に関する。例示的なOGVは、吸音だけでなく効率的な冷却を提供することに関して利用することもできる。本明細書で用いられるように、OGVは、例えばターボジェット、ターボファン、ターボ推進エンジン、航空機エンジン、ガスタービン、蒸気タービン、風力タービン、及び水力タービンだがこれらに限らない、各種のターボ機械用途に適用される。
【0016】
図1は、本発明に従った、例示的な航空機エンジンアセンブリ10の概略図である。参照符号12は、中心線軸12を表す。例示的実施形態において、エンジンアセンブリ10は、ファンアセンブリ13と、昇圧圧縮機14と、コアガスタービンエンジン16と、ファンアセンブリ13及び昇圧圧縮機14に連結される低圧タービン26とを含む。ファンアセンブリ13は、ファンロータディスク15から実質的に半径方向外方に延在する複数のロータファンブレード11と、ファンブレード11の下流に配置される複数の出口案内翼21とを含む。コアガスタービンエンジン16は、高圧圧縮機22と、燃焼器24と、高圧タービン18とを含む。昇圧圧縮機14は、第1駆動軸42に連結された圧縮機ロータディスク20から実質的に半径方向外方に延在する複数の動翼40を含む。圧縮機22と高圧タービン18は、第2駆動軸29によって連結される。エンジンアセンブリ10は、吸気側28と、コアエンジン排気側30と、ファン排気側31とを更に含む。
【0017】
動作中、ファンアセンブリ13は、吸気側28を通ってエンジン10に入る空気を圧縮する。ファンアセンブリ13から出る空気流は、空気流の一部分35が昇圧圧縮機14に案内され、空気流の残余部分36が昇圧圧縮機14及びコアタービンエンジン16をバイパスし、ファン排気側31を通ってエンジン10から出るように分割される。このバイパス空気36は出口案内翼21を流れて相互作用し、ステータ表面上だけでなく、音響波として放射する周囲空気流において非定常圧力を形成する。複数の動翼40は、コアガスタービンエンジン16に向かう圧縮空気流35を圧縮して供給する。更にまた、空気流35は高圧圧縮機22によって更に圧縮されて、燃焼器24に供給される。更に、燃焼器24からの圧縮空気流35は回転タービン18及び26を駆動し、排気側30を通ってエンジン10から出る。
【0018】
前述のように、ある種の現在利用可能な商業エンジンでは、熱放散及び騒音低減要求に対処するために、別個の熱交換器及び吸音器を使用する。更にまた、高熱負荷は、特定の熱交換器の最適以下の性能を招く可能性がある。更に、その他の特定の熱交換器を使用することにより、吸音器に利用できる表面積の大幅な減少を引き起こす可能性がある。本発明の例示的実施形態に従って、熱交換器だけでなく吸音器として機能するように構成された出口案内翼が提供される。より詳細には、例示的な出口案内翼21は、例えば、航空機エンジン10等のターボ機械の熱交換要求及び吸音要求に同時に対処するように構成することができる。
【0019】
更に、エンジン10は一般に、出口案内翼アセンブリ(図1には図示せず)を含む。このOGVアセンブリは、OGV21等の円周方向に離間配置された主に半径方向に延在する複数の出口案内翼を含む。更に、OGV21は、中心線軸12の周囲に同軸的に配置される内壁23と外壁48の間のバイパス空気の流路36の半径方向全体に延在する。OGV21は、外壁48及び内壁23に固定的に連結される。一実施形態では、1つ以上のOGV21は、エンジン10の内壁23と外壁48の間に配置される。
【0020】
一実施形態において、OGVアセンブリにおける1つ以上のOGVに対して、熱交換器だけでなく吸音器として機能するように構成された例示的な層を提供する。この層は、表面冷却層と呼ばれる。一実施形態では、表面冷却層は1つ以上のOGVの表面上に配置される。別の実施形態では、表面冷却層は、1つ以上のOGVの第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置される。更に、別の実施形態では、表面冷却層はOGV21の先端ケーシング面の上又はそれに隣接して配置される。この表面冷却層は、参照符号44で表す。或いは、例示的な表面冷却層は、OGV21のハブケーシング面の上又はそれに隣接して配置しても良い。この表面冷却層は、参照符号46で表す。一実施形態において、外壁48はエンジン10の先端ケーシング面である。更に、内壁23はエンジン10のハブケーシング面である。より詳細には、例示的な表面冷却層44、46は、OGV21等の複数のOGVの間の内壁23及び外壁48に配置される。本実施形態に従って、熱交換器だけでなく吸音器として機能することのできる例示的な表面冷却層の配置について、図11を参照してより詳細に説明する。
【0021】
次に図2において、例示的な出口案内翼50の軸方向断面を図示する。図2に図示のように、出口案内翼50は一般に、前縁58と、比較的厚い中間部分と、薄い後縁60とを含む断面52のような翼形を有する。更にまた、図2に図示のように、OGV50は、第1面54及び第2面56を含む。第1面54は概して負圧面と呼ばれるのに対して、第2面56は正圧面と呼ばれる。第1面と負圧面という用語は、置き換えて用いることができることに注意されたい。更に、第2面と正圧面という用語も置き換えて用いることができる。ここで図示する実施形態では、負圧面54及び正圧面56は、前縁58と後縁60の間に軸方向に延在するものとして示される。
【0022】
エンジン作動中、圧縮機が流入空気流を圧縮することによって、空気が加熱されることに注意されたい。コアから来る高温空気が冷却剤液を加熱し、この冷却剤液が循環してエンジンの各部を冷却する。更に、冷却剤液は、エンジンの各部、例えば軸受によって加熱する。従って、OGVを介してエンジンからの熱を放散することが望ましい。更に、OGVとその周辺の騒音レベルを低下させることも望ましい。
【0023】
従って、表面冷却器及び吸音器として機能するように構成された表面冷却器62を提供する。一実施形態では、表面冷却器62は表面冷却層を含む。より詳細には、例示的な表面冷却層62は、例えば、航空機エンジン等のターボ機械におけるOGVアセンブリの熱交換要求及び吸音要求に同時に対処するように構成される。以下、用語「表面冷却層」は、OGVにおける熱放散及び吸音を促進するように構成された表面冷却層62を意味する際に用いられる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、例示的な表面冷却層62は金属発泡体を含む。代替的実施形態では、表面冷却層は炭素発泡体を含む。例示的な表面冷却層62は、その他の特定の実施形態では、高い熱伝導率を有する発泡体を含むことに注意されたい。更に、一実施形態において、例示的な表面冷却層62は、より詳しく後述するように、本発明の実施形態に従って、熱交換を促進するだけでなく吸音を行うために、第1面54又は第2面56或いは両方の少なくとも一部分の上に配置される。更に、表面冷却層62は、例えば金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせだがこれらに限らない材料を含む。例示的な表面冷却層62は、その他の特定の実施形態では、高い熱伝導率を有する発泡体を含むことに注意されたい。一例として、発泡体は、約150W/mK〜約390W/mKの範囲の熱伝導率を有する炭素発泡体を含む。明らかなように、金属発泡体は固体金属からなる気泡構造であり、大きな体積分率はガス充填孔を含んでいる。孔は封止しても良く(独立気泡発泡体)、相互接続ネットワークを形成しても良い(連続気泡発泡体)。一般的に、これらの金属発泡体は非常に高い気孔率を有する。言い換えれば、一般的に体積の75〜95%が空隙部からなる。金属発泡体の熱伝導率は、材料、発泡体の気孔率、形態及びねじれだけでなく、発泡体における様々な気泡を相互接続するウェブの完全性の細かい詳細にも応じて、大きく異なり得る。
【0025】
更にまた、本発明の実施形態によれば、騒音低減を行うことに加えて熱伝達を増加させるために、金属発泡体を使用する。具体的には、金属発泡体は、熱伝導が強化されると共に、対流の表面積は大きいが比較的低い質量も有しているという良い組み合わせを提供するので、熱伝達/冷却を増加させるために使用される。更に、多孔性金属発泡体は、エンジン10の各部によって生じた騒音を吸収するように構成される。言い換えれば、出口案内翼50上に配置された表面冷却層62の金属発泡体は、エンジン10における騒音を吸収することによって、エンジン10における騒音の低減を促進するように構成される。従って、金属発泡体は、1つの低質量パッケージにおいて熱交換及び音響減衰を促進するための手段を提供するように構成することができる。
【0026】
図2を引き続き参照すると、参照符号66を概してX方向を表すのに対して、Y方向を参照符号68で表す。更に、参照符号70はZ方向を表す。空気流は、主にX方向66であることに注意されたい。更に、図2において図示した実施形態では、第1面54及び第2面56上に配置された表面冷却層62は、表面冷却層62がOGV50の境界内に位置するように配置されることに注意されたい。或いは、表面冷却層62は、表面冷却層62が空気流に突出するように、第1面54と第2面56の間に配置しても良い。
【0027】
前述のように、循環してエンジンを冷却する冷却剤流体は、コアエンジン内の高温空気によって加熱される。更に、冷却剤流体はエンジンの各部によって加熱することもできる。この加熱された冷却剤流体は、OGV50等のOGVに案内される。冷却剤流体からの熱が複数の管(図示せず)の壁から伝達されて、OGV50の第1面54又は第2面56上に配置された表面冷却層62を介して空気流に放散することによって、冷却剤流体を冷却することができる。
【0028】
次に図3において、図1のエンジン10で用いるOGV72の例示的実施形態を図示する。また、OGV72は断面74のような翼形を有する。更に、OGV72は第1面78及び第2面80を含む。図示のように、表面冷却層76は、第1面78、第2面80又は両方の少なくとも一部分の上に配置される。前述のように、表面冷却層76は、金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせを含む。図3において図示した実施形態では、表面冷却層76は、層76が熱伝達を強化するために、空気流に突出するようにして配置される。
【0029】
更に、図3で図示するように、少なくとも1つ、一般的には複数の管64が例示的なOGV72内に配置される。一実施形態では、複数の管64がOGV72内に埋め込まれる。複数の管64は、エンジンの各部によって加熱される流体の冷却を補助するように構成される。明らかなように、油等の流体は、軸受等のエンジンの部品によって加熱される。この加熱された流体(油)は、管64を介してOGV72を通って案内される。流体からの熱は、管64の壁から伝達され、OGV72の第1面78及び/又は第2面80上に配置された表面冷却層76を介して空気流に放散される。この冷却された流体は、その後エンジン10の部品に戻る。一実施形態では、管の寸法は直径約0.020インチ〜約0.6インチである。複数の管64は、例えばアルミニウムだがこれに限らない材料で形成される。また、一実施形態では、流体は油又は水である。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態に従った、例示的な出口案内翼82の別の実施形態を図示する。図4において図示した実施形態では、出口案内翼82全体が、例えば金属発泡体84、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせだがこれらに限らない材料から形成される。代替的実施形態において、出口案内翼82は、固体金属、複合材料などを含む。更に、複数の管64が出口案内翼82内に配置され、そこで管64が例示的なOGV82を通って流体を案内するように構成されることによって、エンジン10の各部によって加熱される流体の冷却を可能にする。
【0031】
次に図5において、出口案内翼上に配置された例示的な表面冷却層92の断面図90を図示する。前述のように、表面冷却層92は、OGVの第1面、第2面、又は第1面及び第2面の両方の上に配置される。本発明の例示的実施形態によれば、表面冷却層92は、金属発泡体96、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせを含む。層は、複数のフィン94に機械加工又は成形される。これらのフィン94は、一実施形態では、空気流36(図1参照)等の空気流と平行に配向される。或いは、図5で図示したフィン94は、空気流と実質的に平行に配向されることに注意されたい。
【0032】
主空気流に突出する発泡体フィン94を設けることで、熱伝達の面積が増大し、それにより熱伝達を増加させることができる。更に、フィン94は、吸音の強化を効果的に補助するようにして配置される。複数の発泡体フィン94を形成することに加えて、金属発泡体96を、熱伝達を効果的に増加させると共に吸音を強化するように構成されたピン及び/又はその他の構造に機械加工及び/又は成形しても良い。
【0033】
更にまた、図6は、本発明の実施形態に従って、図1の出口案内翼21等の出口案内翼上に配置された表面冷却層98の軸方向断面を図示する。図示のように、表面冷却層98は、OGVの第1面又は第2面に対して約5度の角度〜約90度の角度で傾斜する複数のフィン102を含む。本実施形態において、複数のフィン102は、第1面100に対して約70度の角度で傾斜する。或いは、複数のフィンは、OGVの第2面に対して約70度の角度で傾斜しても良い。前述のように、例示的な表面冷却層98は、第1面100又は第2面、或いは両方の上に配置される。表面冷却層98は、吸音を効果的に強化するために複数のフィン102の間に配置された金属発泡体101、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせを含む。本発明の更なる実施形態によれば、金属発泡体の気孔率は変化する。より詳細には、金属発泡体の気孔率は、様々な音響波長の吸収を促進するために、様々な長さスケールの間で意図的に変化させることができる。
【0034】
図7は、表面冷却層110上に配置された複数のフィン108を有する例示的な出口案内翼106の斜視図104を図示する。フィン108の分解図112を図示する。前述のように、フィン108は、吸音の強化を行うことに加えて熱伝達の強化を促進するように構成される。参照符号114は空気流方向を表す。本発明の更なる実施形態によれば、フィンの熱伝達性能は更に強化することができ、図8〜10を参照してより詳細に説明する。
【0035】
次に図8において、本発明の実施形態に従った、例示的なフィン124の上面図120を図示する。フィン124は、金属発泡体から形成される。更に、固体導電材料即ち固体金属ブレード126が効果的な熱伝導路を形成するためにフィン124内に配置されることによって、例示的な出口案内翼の第1面又は第2面からフィン124の表面への熱伝達を促進することができる。一実施形態では、固体金属ブレード126はフィン124の中央に配置される。また、別の実施形態では、固体金属ブレード126は、例えば熱分解黒鉛だがこれに限らない材料を含む。更に、参照符号122は空気流の方向を表す。本実施例では、空気流122がフィン124に平行であることに注意されたい。
【0036】
別の実施形態において、図8の固体金属ブレード126は、図9に示すように空気流と実質的に垂直である方向に配置される。より詳細には、図9は別の例示的なフィン132の上面図128を図示しており、固体金属ブレード134が空気流130と実質的に垂直であるようにフィン132内に配置された固体金属ブレード134を含んでいる。固体金属ブレード134の垂直配向は、フィン132の炭素発泡体又は金属発泡体の周囲に空気流130を送ることによって、熱伝達の強化を促進する。
【0037】
その他の特定の実施形態では、図7のフィン108等のフィンは、空気流と平行な固体ブレードと、空気流と実質的に垂直である別の固体ブレードとを含む。
【0038】
図10は、フィンの更に別の実施形態を図示する。例示的なフィン140の上面図136を図10に示す。この実施形態において、複数の固体金属ブレード142は、ブレード142が空気流138と垂直になるように、例示的なフィン140内に配置される。複数のブレード142を含むことにより、フィン140は複数のセクターに分割される。空気流138は、熱伝達だけでなくフィンの空力性能を最適化するために、図示のように金属発泡体の周囲に送られる。
【0039】
本発明の実施形態によれば、表面冷却層は、図1で図示するように、それぞれ外壁48と内壁23の間に配置される。図11は、複数のOGV21を有するエンジン10(図1参照)の一部分の斜視図144を図示する。例示的な表面冷却層148は、外壁146の上又はOGV21の間に配置されるものとして示される。より詳細には、表面冷却層148は複数のフィン150を含む。一実施形態では、フィン150は、OGV21の形状と実質的に同様である形状を有する。更にまた、複数のフィン150を有する表面冷却層148は、内壁145上に配置される。一実施形態では、表面冷却層148は、第1OGVの第2面149と第2OGVの第1面147の間に配置される。特定の実施形態では、表面冷却層148は、エンジン10(図1参照)の内壁145又は外壁146に、或いは内壁145又は外壁146の両方に配置しても良い。
【0040】
図12は、図1のターボ機械システム10における例示的なファンブレード154一式、出口案内翼156一式、及び直列OGV表面冷却フィン158の二次元断面の半径図152を示す概略図である。前述のように、出口案内翼156は、複数のフィン(図12には図示せず)を含む。更に、複数のフィン158を有する表面冷却層148(図11参照)は、図11の複数のフィン150等の直列OGV表面冷却フィンとして製造することができる。複数のフィンは、ドミナント音の音響消去によってターボ機械の干渉騒音を最小化するように配置される。複数のフィン158は、直列又は多要素OGVとして配置される。更にまた、表面冷却層から広がる複数のフィン158は、内壁、外壁、又は両方の上に配置される。一実施形態では、複数のフィンは、エンジンの内壁、外壁、又は内壁及び外壁の両方から突出する二次、三次などの部分スパンOGVとして製造しても良い。フィン158の音響散乱は、出口案内翼156の音響に破壊的に干渉する可能性がある。図示のように、フィン158から発生する音響波162及びOGV156から発生する音響波160は、同心円によって概略的に表される。各OGV156からの音響波160が各フィン158からの音響波162に破壊的に干渉することによって、大幅な又は所望の騒音低減が得られる。
【0041】
上記の例示的な出口案内翼の様々な実施形態は、熱伝達の増加と吸音の向上を提供する。更に、例示的な出口案内翼は、ターボ機械の質量を低下させるために使用される。更に、本発明の実施形態は熱伝達及び吸音の向上を同時に提供するので、エンジン長さ又は直径のどちらかを減少させることで今後のエンジンの大幅な重量削減が可能になり、良好な燃料消費が促進される。
【0042】
本明細書では本発明の特定の特徴のみを図示及び説明してきたが、当業者は多くの修正及び変更を想到するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神内にある全てのそのような修正及び変更を含むように意図されていること理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は概してターボ機械に関し、より詳細には、ターボ機械で用いる改良型出口案内翼の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
明らかなように、従来のガスタービンエンジンは一般にファンアセンブリを含んでいる。ファンアセンブリから出る空気流は、空気流の一部分が昇圧圧縮機に入る一方、空気流の残余部分がバイパスされるように分割される。このバイパス空気は、出口案内翼(OGV)の段を流れて相互作用する。これらのOGVは概して、環状内壁と外壁の間に配置され、その内壁及び外壁は、エンジンケーシングに機械的に結合されたOGV支持構造内に取り付けられる。出口案内翼は一般に、前縁と、比較的厚い中間部分と、薄い後縁とを含む断面のような翼形を有する。従って、OGVを介してエンジンからの熱を放散することが望ましい。更に、明らかなように、OGVから生じる騒音のレベルは一般的に高い。従って、OGVから生じる騒音レベルを低下させることもまた望ましい。
【0003】
航空機ガスタービンエンジン製造業者は、騒音を効果的に低減する新しい方法を開発している。現在、ジェットエンジン上のナセルは、ライナー又は音響パネルを利用して、ターボファンの動翼及び静翼又はその他のターボ機械要素によって生じる音を吸収する。これらのパネルは、一般的にナセル壁上に位置付けられる。更に、油、水、及びその他の冷却剤からの熱を除去するために、同様の位置にヒートシンクを設置することが望ましい。残念なことに、これらのヒートシンクは、更なる吸音用の音響パネル又はその他の材料を収容するために、本来使用することのできる空間を占有する。
【0004】
更にまた、ある種の現在利用可能な技術は一般に、ターボ機械の冷却及び騒音低減要求に対処するために、別個の熱交換器及び吸音器を使用する。更に、熱伝達を促進するために、出口案内翼(OGV)において冷却剤管を動作させるといった様々な技術が開発されている。残念なことに、OGVの滑らかな壁は効率的な熱伝達面ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,105,127B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、吸音だけでなく熱交換にも使用することのできるOGVを開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
簡潔には、本発明の一実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを提供する。出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層とを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを提供する。出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼を含む。出口案内翼アセンブリは、第1出口案内翼の第2面と第2出口案内翼の第1面の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層を更に含む。
【0009】
本発明の更に別の実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを提供する。出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、複数のフィンを有する表面冷却層とを含み、複数のフィンは、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成され、金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる。
【0010】
本発明の更に別の実施形態に従って、出口案内翼アセンブリを形成する方法を提供する。方法は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体又はそれらの組み合わせからなる1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に表面冷却層を配置するステップを含む。
【0011】
本発明の更に別の実施形態に従って、エンジンを提供する。エンジンは、コアエンジンと、出口案内翼アセンブリとを含み、出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、第1出口案内翼の第2面と第2出口案内翼の第1面の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層とを含む。
【0012】
本発明の更に別の実施形態に従って、エンジンを提供する。エンジンは、コアエンジンと、出口案内翼アセンブリとを含み、出口案内翼アセンブリは、各々が第1面及び第2面からなり、エンジンの内壁と外壁の間に配置される1つ以上の出口案内翼と、1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置される表面冷却層とを含み、1つ以上の出口案内翼は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に従った、エンジンの概略図である。
【図2】本発明の実施形態に従った、例示的な出口案内翼の軸方向断面図である。
【図3】本発明の実施形態に従った、別の例示的な出口案内翼の軸方向断面図である。
【図4】本発明の実施形態に従った、更に別の例示的な出口案内翼の軸方向断面図である。
【図5】本発明の実施形態に従った、例示的な表面冷却層の一部分の図である。
【図6】本発明の実施形態に従った、別の例示的な表面冷却層の一部分の図である。
【図7】本発明の実施形態に従った、例示的な出口案内翼の斜視図であり、フィンを有する例示的な表面冷却層を示す。
【図8】本発明の実施形態に従った、例示的なフィンの上面図である。
【図9】本発明の実施形態に従った、表面冷却層で用いる別の例示的なフィンの図である。
【図10】本発明の実施形態に従った、表面冷却層で用いる別の例示的なフィンの上面図である。
【図11】本発明の実施形態に従った、エンジンの一部分の斜視図である。
【図12】図1のエンジンにおける例示的なファンブレード一式、出口案内翼一式及び例示的なフィン一式の二次元断面の概略半径図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の上記及びその他の特徴、態様及び利点は、図面を通して同様の符号が同様の部品を表す添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読むことによって明確に理解されよう。
【0015】
本発明の実施形態は出口案内翼(OGV)に関し、より詳細には、航空機エンジン等のエンジンで用いる出口案内翼(OGV)の設計に関する。例示的なOGVは、吸音だけでなく効率的な冷却を提供することに関して利用することもできる。本明細書で用いられるように、OGVは、例えばターボジェット、ターボファン、ターボ推進エンジン、航空機エンジン、ガスタービン、蒸気タービン、風力タービン、及び水力タービンだがこれらに限らない、各種のターボ機械用途に適用される。
【0016】
図1は、本発明に従った、例示的な航空機エンジンアセンブリ10の概略図である。参照符号12は、中心線軸12を表す。例示的実施形態において、エンジンアセンブリ10は、ファンアセンブリ13と、昇圧圧縮機14と、コアガスタービンエンジン16と、ファンアセンブリ13及び昇圧圧縮機14に連結される低圧タービン26とを含む。ファンアセンブリ13は、ファンロータディスク15から実質的に半径方向外方に延在する複数のロータファンブレード11と、ファンブレード11の下流に配置される複数の出口案内翼21とを含む。コアガスタービンエンジン16は、高圧圧縮機22と、燃焼器24と、高圧タービン18とを含む。昇圧圧縮機14は、第1駆動軸42に連結された圧縮機ロータディスク20から実質的に半径方向外方に延在する複数の動翼40を含む。圧縮機22と高圧タービン18は、第2駆動軸29によって連結される。エンジンアセンブリ10は、吸気側28と、コアエンジン排気側30と、ファン排気側31とを更に含む。
【0017】
動作中、ファンアセンブリ13は、吸気側28を通ってエンジン10に入る空気を圧縮する。ファンアセンブリ13から出る空気流は、空気流の一部分35が昇圧圧縮機14に案内され、空気流の残余部分36が昇圧圧縮機14及びコアタービンエンジン16をバイパスし、ファン排気側31を通ってエンジン10から出るように分割される。このバイパス空気36は出口案内翼21を流れて相互作用し、ステータ表面上だけでなく、音響波として放射する周囲空気流において非定常圧力を形成する。複数の動翼40は、コアガスタービンエンジン16に向かう圧縮空気流35を圧縮して供給する。更にまた、空気流35は高圧圧縮機22によって更に圧縮されて、燃焼器24に供給される。更に、燃焼器24からの圧縮空気流35は回転タービン18及び26を駆動し、排気側30を通ってエンジン10から出る。
【0018】
前述のように、ある種の現在利用可能な商業エンジンでは、熱放散及び騒音低減要求に対処するために、別個の熱交換器及び吸音器を使用する。更にまた、高熱負荷は、特定の熱交換器の最適以下の性能を招く可能性がある。更に、その他の特定の熱交換器を使用することにより、吸音器に利用できる表面積の大幅な減少を引き起こす可能性がある。本発明の例示的実施形態に従って、熱交換器だけでなく吸音器として機能するように構成された出口案内翼が提供される。より詳細には、例示的な出口案内翼21は、例えば、航空機エンジン10等のターボ機械の熱交換要求及び吸音要求に同時に対処するように構成することができる。
【0019】
更に、エンジン10は一般に、出口案内翼アセンブリ(図1には図示せず)を含む。このOGVアセンブリは、OGV21等の円周方向に離間配置された主に半径方向に延在する複数の出口案内翼を含む。更に、OGV21は、中心線軸12の周囲に同軸的に配置される内壁23と外壁48の間のバイパス空気の流路36の半径方向全体に延在する。OGV21は、外壁48及び内壁23に固定的に連結される。一実施形態では、1つ以上のOGV21は、エンジン10の内壁23と外壁48の間に配置される。
【0020】
一実施形態において、OGVアセンブリにおける1つ以上のOGVに対して、熱交換器だけでなく吸音器として機能するように構成された例示的な層を提供する。この層は、表面冷却層と呼ばれる。一実施形態では、表面冷却層は1つ以上のOGVの表面上に配置される。別の実施形態では、表面冷却層は、1つ以上のOGVの第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に配置される。更に、別の実施形態では、表面冷却層はOGV21の先端ケーシング面の上又はそれに隣接して配置される。この表面冷却層は、参照符号44で表す。或いは、例示的な表面冷却層は、OGV21のハブケーシング面の上又はそれに隣接して配置しても良い。この表面冷却層は、参照符号46で表す。一実施形態において、外壁48はエンジン10の先端ケーシング面である。更に、内壁23はエンジン10のハブケーシング面である。より詳細には、例示的な表面冷却層44、46は、OGV21等の複数のOGVの間の内壁23及び外壁48に配置される。本実施形態に従って、熱交換器だけでなく吸音器として機能することのできる例示的な表面冷却層の配置について、図11を参照してより詳細に説明する。
【0021】
次に図2において、例示的な出口案内翼50の軸方向断面を図示する。図2に図示のように、出口案内翼50は一般に、前縁58と、比較的厚い中間部分と、薄い後縁60とを含む断面52のような翼形を有する。更にまた、図2に図示のように、OGV50は、第1面54及び第2面56を含む。第1面54は概して負圧面と呼ばれるのに対して、第2面56は正圧面と呼ばれる。第1面と負圧面という用語は、置き換えて用いることができることに注意されたい。更に、第2面と正圧面という用語も置き換えて用いることができる。ここで図示する実施形態では、負圧面54及び正圧面56は、前縁58と後縁60の間に軸方向に延在するものとして示される。
【0022】
エンジン作動中、圧縮機が流入空気流を圧縮することによって、空気が加熱されることに注意されたい。コアから来る高温空気が冷却剤液を加熱し、この冷却剤液が循環してエンジンの各部を冷却する。更に、冷却剤液は、エンジンの各部、例えば軸受によって加熱する。従って、OGVを介してエンジンからの熱を放散することが望ましい。更に、OGVとその周辺の騒音レベルを低下させることも望ましい。
【0023】
従って、表面冷却器及び吸音器として機能するように構成された表面冷却器62を提供する。一実施形態では、表面冷却器62は表面冷却層を含む。より詳細には、例示的な表面冷却層62は、例えば、航空機エンジン等のターボ機械におけるOGVアセンブリの熱交換要求及び吸音要求に同時に対処するように構成される。以下、用語「表面冷却層」は、OGVにおける熱放散及び吸音を促進するように構成された表面冷却層62を意味する際に用いられる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、例示的な表面冷却層62は金属発泡体を含む。代替的実施形態では、表面冷却層は炭素発泡体を含む。例示的な表面冷却層62は、その他の特定の実施形態では、高い熱伝導率を有する発泡体を含むことに注意されたい。更に、一実施形態において、例示的な表面冷却層62は、より詳しく後述するように、本発明の実施形態に従って、熱交換を促進するだけでなく吸音を行うために、第1面54又は第2面56或いは両方の少なくとも一部分の上に配置される。更に、表面冷却層62は、例えば金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせだがこれらに限らない材料を含む。例示的な表面冷却層62は、その他の特定の実施形態では、高い熱伝導率を有する発泡体を含むことに注意されたい。一例として、発泡体は、約150W/mK〜約390W/mKの範囲の熱伝導率を有する炭素発泡体を含む。明らかなように、金属発泡体は固体金属からなる気泡構造であり、大きな体積分率はガス充填孔を含んでいる。孔は封止しても良く(独立気泡発泡体)、相互接続ネットワークを形成しても良い(連続気泡発泡体)。一般的に、これらの金属発泡体は非常に高い気孔率を有する。言い換えれば、一般的に体積の75〜95%が空隙部からなる。金属発泡体の熱伝導率は、材料、発泡体の気孔率、形態及びねじれだけでなく、発泡体における様々な気泡を相互接続するウェブの完全性の細かい詳細にも応じて、大きく異なり得る。
【0025】
更にまた、本発明の実施形態によれば、騒音低減を行うことに加えて熱伝達を増加させるために、金属発泡体を使用する。具体的には、金属発泡体は、熱伝導が強化されると共に、対流の表面積は大きいが比較的低い質量も有しているという良い組み合わせを提供するので、熱伝達/冷却を増加させるために使用される。更に、多孔性金属発泡体は、エンジン10の各部によって生じた騒音を吸収するように構成される。言い換えれば、出口案内翼50上に配置された表面冷却層62の金属発泡体は、エンジン10における騒音を吸収することによって、エンジン10における騒音の低減を促進するように構成される。従って、金属発泡体は、1つの低質量パッケージにおいて熱交換及び音響減衰を促進するための手段を提供するように構成することができる。
【0026】
図2を引き続き参照すると、参照符号66を概してX方向を表すのに対して、Y方向を参照符号68で表す。更に、参照符号70はZ方向を表す。空気流は、主にX方向66であることに注意されたい。更に、図2において図示した実施形態では、第1面54及び第2面56上に配置された表面冷却層62は、表面冷却層62がOGV50の境界内に位置するように配置されることに注意されたい。或いは、表面冷却層62は、表面冷却層62が空気流に突出するように、第1面54と第2面56の間に配置しても良い。
【0027】
前述のように、循環してエンジンを冷却する冷却剤流体は、コアエンジン内の高温空気によって加熱される。更に、冷却剤流体はエンジンの各部によって加熱することもできる。この加熱された冷却剤流体は、OGV50等のOGVに案内される。冷却剤流体からの熱が複数の管(図示せず)の壁から伝達されて、OGV50の第1面54又は第2面56上に配置された表面冷却層62を介して空気流に放散することによって、冷却剤流体を冷却することができる。
【0028】
次に図3において、図1のエンジン10で用いるOGV72の例示的実施形態を図示する。また、OGV72は断面74のような翼形を有する。更に、OGV72は第1面78及び第2面80を含む。図示のように、表面冷却層76は、第1面78、第2面80又は両方の少なくとも一部分の上に配置される。前述のように、表面冷却層76は、金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせを含む。図3において図示した実施形態では、表面冷却層76は、層76が熱伝達を強化するために、空気流に突出するようにして配置される。
【0029】
更に、図3で図示するように、少なくとも1つ、一般的には複数の管64が例示的なOGV72内に配置される。一実施形態では、複数の管64がOGV72内に埋め込まれる。複数の管64は、エンジンの各部によって加熱される流体の冷却を補助するように構成される。明らかなように、油等の流体は、軸受等のエンジンの部品によって加熱される。この加熱された流体(油)は、管64を介してOGV72を通って案内される。流体からの熱は、管64の壁から伝達され、OGV72の第1面78及び/又は第2面80上に配置された表面冷却層76を介して空気流に放散される。この冷却された流体は、その後エンジン10の部品に戻る。一実施形態では、管の寸法は直径約0.020インチ〜約0.6インチである。複数の管64は、例えばアルミニウムだがこれに限らない材料で形成される。また、一実施形態では、流体は油又は水である。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態に従った、例示的な出口案内翼82の別の実施形態を図示する。図4において図示した実施形態では、出口案内翼82全体が、例えば金属発泡体84、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせだがこれらに限らない材料から形成される。代替的実施形態において、出口案内翼82は、固体金属、複合材料などを含む。更に、複数の管64が出口案内翼82内に配置され、そこで管64が例示的なOGV82を通って流体を案内するように構成されることによって、エンジン10の各部によって加熱される流体の冷却を可能にする。
【0031】
次に図5において、出口案内翼上に配置された例示的な表面冷却層92の断面図90を図示する。前述のように、表面冷却層92は、OGVの第1面、第2面、又は第1面及び第2面の両方の上に配置される。本発明の例示的実施形態によれば、表面冷却層92は、金属発泡体96、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせを含む。層は、複数のフィン94に機械加工又は成形される。これらのフィン94は、一実施形態では、空気流36(図1参照)等の空気流と平行に配向される。或いは、図5で図示したフィン94は、空気流と実質的に平行に配向されることに注意されたい。
【0032】
主空気流に突出する発泡体フィン94を設けることで、熱伝達の面積が増大し、それにより熱伝達を増加させることができる。更に、フィン94は、吸音の強化を効果的に補助するようにして配置される。複数の発泡体フィン94を形成することに加えて、金属発泡体96を、熱伝達を効果的に増加させると共に吸音を強化するように構成されたピン及び/又はその他の構造に機械加工及び/又は成形しても良い。
【0033】
更にまた、図6は、本発明の実施形態に従って、図1の出口案内翼21等の出口案内翼上に配置された表面冷却層98の軸方向断面を図示する。図示のように、表面冷却層98は、OGVの第1面又は第2面に対して約5度の角度〜約90度の角度で傾斜する複数のフィン102を含む。本実施形態において、複数のフィン102は、第1面100に対して約70度の角度で傾斜する。或いは、複数のフィンは、OGVの第2面に対して約70度の角度で傾斜しても良い。前述のように、例示的な表面冷却層98は、第1面100又は第2面、或いは両方の上に配置される。表面冷却層98は、吸音を効果的に強化するために複数のフィン102の間に配置された金属発泡体101、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせを含む。本発明の更なる実施形態によれば、金属発泡体の気孔率は変化する。より詳細には、金属発泡体の気孔率は、様々な音響波長の吸収を促進するために、様々な長さスケールの間で意図的に変化させることができる。
【0034】
図7は、表面冷却層110上に配置された複数のフィン108を有する例示的な出口案内翼106の斜視図104を図示する。フィン108の分解図112を図示する。前述のように、フィン108は、吸音の強化を行うことに加えて熱伝達の強化を促進するように構成される。参照符号114は空気流方向を表す。本発明の更なる実施形態によれば、フィンの熱伝達性能は更に強化することができ、図8〜10を参照してより詳細に説明する。
【0035】
次に図8において、本発明の実施形態に従った、例示的なフィン124の上面図120を図示する。フィン124は、金属発泡体から形成される。更に、固体導電材料即ち固体金属ブレード126が効果的な熱伝導路を形成するためにフィン124内に配置されることによって、例示的な出口案内翼の第1面又は第2面からフィン124の表面への熱伝達を促進することができる。一実施形態では、固体金属ブレード126はフィン124の中央に配置される。また、別の実施形態では、固体金属ブレード126は、例えば熱分解黒鉛だがこれに限らない材料を含む。更に、参照符号122は空気流の方向を表す。本実施例では、空気流122がフィン124に平行であることに注意されたい。
【0036】
別の実施形態において、図8の固体金属ブレード126は、図9に示すように空気流と実質的に垂直である方向に配置される。より詳細には、図9は別の例示的なフィン132の上面図128を図示しており、固体金属ブレード134が空気流130と実質的に垂直であるようにフィン132内に配置された固体金属ブレード134を含んでいる。固体金属ブレード134の垂直配向は、フィン132の炭素発泡体又は金属発泡体の周囲に空気流130を送ることによって、熱伝達の強化を促進する。
【0037】
その他の特定の実施形態では、図7のフィン108等のフィンは、空気流と平行な固体ブレードと、空気流と実質的に垂直である別の固体ブレードとを含む。
【0038】
図10は、フィンの更に別の実施形態を図示する。例示的なフィン140の上面図136を図10に示す。この実施形態において、複数の固体金属ブレード142は、ブレード142が空気流138と垂直になるように、例示的なフィン140内に配置される。複数のブレード142を含むことにより、フィン140は複数のセクターに分割される。空気流138は、熱伝達だけでなくフィンの空力性能を最適化するために、図示のように金属発泡体の周囲に送られる。
【0039】
本発明の実施形態によれば、表面冷却層は、図1で図示するように、それぞれ外壁48と内壁23の間に配置される。図11は、複数のOGV21を有するエンジン10(図1参照)の一部分の斜視図144を図示する。例示的な表面冷却層148は、外壁146の上又はOGV21の間に配置されるものとして示される。より詳細には、表面冷却層148は複数のフィン150を含む。一実施形態では、フィン150は、OGV21の形状と実質的に同様である形状を有する。更にまた、複数のフィン150を有する表面冷却層148は、内壁145上に配置される。一実施形態では、表面冷却層148は、第1OGVの第2面149と第2OGVの第1面147の間に配置される。特定の実施形態では、表面冷却層148は、エンジン10(図1参照)の内壁145又は外壁146に、或いは内壁145又は外壁146の両方に配置しても良い。
【0040】
図12は、図1のターボ機械システム10における例示的なファンブレード154一式、出口案内翼156一式、及び直列OGV表面冷却フィン158の二次元断面の半径図152を示す概略図である。前述のように、出口案内翼156は、複数のフィン(図12には図示せず)を含む。更に、複数のフィン158を有する表面冷却層148(図11参照)は、図11の複数のフィン150等の直列OGV表面冷却フィンとして製造することができる。複数のフィンは、ドミナント音の音響消去によってターボ機械の干渉騒音を最小化するように配置される。複数のフィン158は、直列又は多要素OGVとして配置される。更にまた、表面冷却層から広がる複数のフィン158は、内壁、外壁、又は両方の上に配置される。一実施形態では、複数のフィンは、エンジンの内壁、外壁、又は内壁及び外壁の両方から突出する二次、三次などの部分スパンOGVとして製造しても良い。フィン158の音響散乱は、出口案内翼156の音響に破壊的に干渉する可能性がある。図示のように、フィン158から発生する音響波162及びOGV156から発生する音響波160は、同心円によって概略的に表される。各OGV156からの音響波160が各フィン158からの音響波162に破壊的に干渉することによって、大幅な又は所望の騒音低減が得られる。
【0041】
上記の例示的な出口案内翼の様々な実施形態は、熱伝達の増加と吸音の向上を提供する。更に、例示的な出口案内翼は、ターボ機械の質量を低下させるために使用される。更に、本発明の実施形態は熱伝達及び吸音の向上を同時に提供するので、エンジン長さ又は直径のどちらかを減少させることで今後のエンジンの大幅な重量削減が可能になり、良好な燃料消費が促進される。
【0042】
本明細書では本発明の特定の特徴のみを図示及び説明してきたが、当業者は多くの修正及び変更を想到するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神内にある全てのそのような修正及び変更を含むように意図されていること理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
前記1つ以上の出口案内翼(21)の前記第1面(54)、前記第2面(56)、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層(62)とを含む、出口案内翼アセンブリ。
【請求項2】
前記1つ以上の出口案内翼(21)は、金属発泡体、炭素発泡体又はそれらの組み合わせからなる、請求項1に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項3】
前記1つ以上の出口案内翼(21)は、冷却される流体を運ぶように構成された複数の管(64)を更に含む、請求項1または2に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項4】
前記表面冷却層(62)は複数のフィン(108)を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のフィン(108)は、前記金属発泡体内に配置され、前記フィン(108)の長さにわたって熱伝達を増加させるように構成された少なくとも1つの固体ブレード(126)を更に含む、請求項4に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項6】
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
第1出口案内翼の第2面(56)と第2出口案内翼の第1面(54)の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層(62)とを含む、出口案内翼アセンブリ。
【請求項7】
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
前記1つ以上の出口案内翼(21)の前記第1面(54)、前記第2面(56)、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、複数のフィン(108)を有する表面冷却層(62)とを含み、前記複数のフィン(108)は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成され、金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる、出口案内翼アセンブリ。
【請求項8】
熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体又はそれらの組み合わせからなる1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に表面冷却層を配置するステップを含む、出口案内翼アセンブリを形成する方法。
【請求項9】
エンジン(10)であって、
コアエンジンと、
出口案内翼アセンブリとを含み、前記出口案内翼アセンブリは、
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、前記エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
第1出口案内翼の前記第2面(56)と第2出口案内翼の前記第1面(54)の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層(62)とからなる、前記エンジン(10)。
【請求項10】
エンジン(10)であって、
コアエンジンと、
出口案内翼アセンブリとを含み、前記出口案内翼アセンブリは、
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、前記エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
前記1つ以上の出口案内翼(21)の前記第1面(54)、前記第2面(56)、又は両方の少なくとも一部分の上に配置される表面冷却層(62)とを含み、前記1つ以上の出口案内翼(21)は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる、前記エンジン(10)。
【請求項1】
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
前記1つ以上の出口案内翼(21)の前記第1面(54)、前記第2面(56)、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層(62)とを含む、出口案内翼アセンブリ。
【請求項2】
前記1つ以上の出口案内翼(21)は、金属発泡体、炭素発泡体又はそれらの組み合わせからなる、請求項1に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項3】
前記1つ以上の出口案内翼(21)は、冷却される流体を運ぶように構成された複数の管(64)を更に含む、請求項1または2に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項4】
前記表面冷却層(62)は複数のフィン(108)を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のフィン(108)は、前記金属発泡体内に配置され、前記フィン(108)の長さにわたって熱伝達を増加させるように構成された少なくとも1つの固体ブレード(126)を更に含む、請求項4に記載の出口案内翼アセンブリ。
【請求項6】
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
第1出口案内翼の第2面(56)と第2出口案内翼の第1面(54)の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層(62)とを含む、出口案内翼アセンブリ。
【請求項7】
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
前記1つ以上の出口案内翼(21)の前記第1面(54)、前記第2面(56)、又は両方の少なくとも一部分の上に配置され、複数のフィン(108)を有する表面冷却層(62)とを含み、前記複数のフィン(108)は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成され、金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる、出口案内翼アセンブリ。
【請求項8】
熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体又はそれらの組み合わせからなる1つ以上の出口案内翼の第1面、第2面、又は両方の少なくとも一部分の上に表面冷却層を配置するステップを含む、出口案内翼アセンブリを形成する方法。
【請求項9】
エンジン(10)であって、
コアエンジンと、
出口案内翼アセンブリとを含み、前記出口案内翼アセンブリは、
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、前記エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
第1出口案内翼の前記第2面(56)と第2出口案内翼の前記第1面(54)の間に配置され、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる表面冷却層(62)とからなる、前記エンジン(10)。
【請求項10】
エンジン(10)であって、
コアエンジンと、
出口案内翼アセンブリとを含み、前記出口案内翼アセンブリは、
各々が第1面(54)及び第2面(56)からなり、前記エンジン(10)の内壁(23)と外壁(48)の間に配置される1つ以上の出口案内翼(21)と、
前記1つ以上の出口案内翼(21)の前記第1面(54)、前記第2面(56)、又は両方の少なくとも一部分の上に配置される表面冷却層(62)とを含み、前記1つ以上の出口案内翼(21)は、熱伝達を増加させると共に吸音を強化するように構成される金属発泡体、炭素発泡体、又はそれらの組み合わせからなる、前記エンジン(10)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−242756(P2010−242756A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76539(P2010−76539)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】
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