説明

複合機、利用制限管理サーバ、利用制限管理システム、プログラム及び記録媒体

【課題】複合機における利用制限の管理を実現する技術を提供する。
【解決手段】コピー機能を利用した際に要した料金、印刷機能を利用した際に要した料金、ファクシミリ機能を利用した際に要した料金を夫々個別に計算する料金計算手段22と、複数のユーザを識別するためのID情報と該当のユーザ毎に設定された利用料金合計の限度額及び残りの利用可能な金額を示す残度数を含む利用制限情報を記憶する記憶手段23と、利用制限情報を入力すると共に利用制限情報を表示する操作表示手段24と、前記各手段を制御する制御手段21とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機、利用制限管理サーバ、利用制限管理システム、プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置と利用制限管理サーバとが接続された利用制限管理システムが広く知られている。
上記に関連する技術として例えば、特許文献1に示されるように、ユーザ毎に利用限度額を設けることにより、過度の使用を制限することができるファクシミリ装置が知られている。また、特許文献2に示されるように、印刷に要する費用を計算し、費用と予算とを勘案してユーザに対する印刷を予算の範囲内で許すようにする管理を実行できる印刷装置が知られている。
【特許文献1】特開平11−98291号公報
【特許文献2】特開2001−92616公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで画像形成装置として、コピー機能、印刷機能、ファクシミリ機能を併せ持つ複合機が知られている。従来技術では、複合機に対して、機能ごとに合計した利用金額によって利用を制限し、その管理を行うシステムが提案されていない。さらに、従来技術では複数台の画像形成装置を対象とした利用の合計によって制限を掛ける技術についても十分に考慮されていない。
本発明の目的は、複合機における利用制限の管理を実現する技術と、その管理対象の範囲を複数台に広げることができる技術をユーザに提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、コピー機能を利用した際に要した料金、印刷機能を利用した際に要した料金、及びファクシミリ機能を利用した際に要した料金を夫々個別に計算する料金計算手段と、複数のユーザを識別するためのID情報と該当のユーザ毎に設定された利用料金合計の限度額及び残りの利用可能な金額を示す残度数を含む利用制限情報を記憶する記憶手段と、前記利用制限情報を入力すると共に前記利用制限情報を表示する操作表示手段と、を備えた複合機を特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の複合機において、前記利用制限情報を利用制限管理サーバからネットワークを経由して取得する取得手段と、前記利用制限情報を利用制限管理サーバにネットワークを経由して送信する送信手段と、を備えた複合機を特徴とする。
【0005】
請求項3記載の発明は、ネットワークを経由して複合機と接続する接続手段と、ネットワークを経由して外部機器から利用制限情報を取得する取得手段と、利用制限情報を入力すると共に前記利用制限情報を表示する操作表示手段と、ネットワークを経由して前記外部機器へ利用制限情報を送信する送信手段と、を備えた利用制限管理サーバを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の利用制限管理サーバにおいて、前記利用制限情報を記憶する記憶手段を備えた利用制限管理サーバを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の複合機と請求項3記載の利用制限管理サーバとがネットワーク接続された利用制限管理システムを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項3または請求項4記載の利用制限管理サーバを動作させるためのコンピュータ読み取り可能な利用制限管理プログラムを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の利用制限管理プログラムが格納された記録媒体を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の複合機によれば、コピー機能を利用した際に要した料金、印刷機能を利用した際に要した料金、ファクシミリ機能を利用した際に要した料金を夫々個別に計算する料金計算手段と、複数のユーザを識別するためのID情報と該当のユーザ毎に設定された利用料金合計の限度額及び残りの利用可能な金額を示す残度数を含む利用制限情報を記憶する記憶手段と、利用制限情報を入力すると共に利用制限情報を表示する操作表示手段とを備えたので、利用制限を管理することができる。
また、本発明の利用制限管理サーバは、ネットワークを経由して複合機と接続する接続手段と、ネットワークを経由して複合機から利用制限情報を取得する取得手段と、利用制限情報を入力すると共に利用制限情報を表示する操作表示手段と、ネットワークを経由して複合機へ利用制限情報を送信する送信手段とを備えたので、複数台の複合機を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る利用制限管理システムの構成図である。本利用制限管理システム1は、複数の複合機11(11−1、11−2)と、利用制限管理プログラムを有する利用制限管理サーバ12とから構成される。
図2は図1における複合機の機能ブロック図である。
本複合機11は、制御手段21を中心に、コピー機能を利用した際に要した料金、印刷機能を利用した際に要した料金、ファクシミリ機能を利用した際に要した料金を夫々個別に計算料金計算手段22と、複数のユーザを識別するためのID情報と該当のユーザ毎に設定された利用料金合計の限度額及び残りの利用可能な金額を示す残度数を含む利用制限情報を記憶する記憶手段23と、利用制限情報を入力すると共に利用制限情報を表示する操作表示手段24とを備える。
さらに、本複合機11は、利用制限情報を利用制限管理サーバ12からネットワークを経由して取得する取得手段25と、利用制限情報を利用制限管理サーバ12にネットワークを経由して送信する送信手段26とを備える。
【0008】
図3は図1における利用制限管理サーバの機能ブロック図である。
本利用制限管理サーバ12は、制御手段31を中心に、ネットワークを経由して複合機11と接続する接続手段32と、ネットワークを経由して複合機11から利用制限情報を取得する取得手段33と、利用制限情報を入力すると共に利用制限情報を表示する操作表示手段34と、ネットワークを経由して複合機11へ利用制限情報を送信する送信手段35と、利用制限情報を記憶する記憶手段36とを備える。
図4は図2の複合機における第1の制御例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1において複数のユーザを識別するためのID情報を入力する。次にステップS2において、該当IDのユーザの残度数があるか否か判定する。残度数があればステップS3へ進む。残度数がない場合はステップS8へ進む。
ステップS3においては残度数を表示する。続くステップS4においては機器を操作する。ステップS5において機器の操作が終了したと判断したときはステップS6において利用料金を計算した後、ステップS7においてユーザの残度数を更新して終了する。一方、ステップS8においては、使用不可のアラートを表示して終了する。
【0009】
図5は図3の利用制限管理サーバにおける第1の制御例を示すフローチャートである。
この場合は、先ずステップS1においては、複合機11から利用制限情報を取得し、続くステップS2においては取得した利用制限情報を表示する。次にステップS3においては、利用制限情報を変更し、続くステップS4において複合機11へ変更した利用制限情報を送信する。
図6は図2の複合機における第2の制御例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1において複数のユーザを識別するためのID情報を入力し、続くステップS2においては利用制限管理サーバ12から利用制限情報を取得する。次に、ステップS3において、該当IDのユーザの残度数があるか否かの判定を行い、残度数があればステップS4へ進む。残度数がない場合はステップS9へ進む。
ステップS4においては、残度数を表示する。ステップS5においては機器を操作する。続くステップS6において機器の操作を終了したと判断したときは、ステップS7において利用料金を計算し、次のステップS8においてユーザのID情報と利用料金を利用制限管理サーバ12へ送信して終了する。一方、ステップS9においては使用不可のアラートを表示して終了する。
【0010】
図7は図3の利用制限管理サーバにおける第2の制御例を示すフローチャートである。
この場合、先ずステップS1において利用制限情報の変更モードで動作するか否かの判定を行い、変更モードならばステップS2へ進み、変更モードでなければステップS5へ進む。ステップS2においては記憶されている利用制限データを取得し、続くステップS3において取得した利用制限データを表示する。そしてステップS4において利用制限データを変更してステップS1へ戻る。
一方、ステップS5においては、複合機11からの通信要求を受信したか否かの判定を行い、通信要求を受信した場合はステップS6へ進み、通信要求を受信しなかった場合はステップS1へ戻る。
ステップS6においては、利用制限取得要求を受信したか否かの判定を行い、利用制限取得要求を受信した場合はステップS7へ進み、利用制限取得要求を受信しなかった場合はステップS8へ進む。
ステップS7においては、複合機11へ記憶されている利用制限情報を送信し、ステップS1へ戻る。一方、ステップS8においては、ユーザIDと利用料金情報を受信したか否かの判定を行い、ユーザIDと利用料金情報を受信した場合はステップS9へ進む。ユーザIDと利用料金情報を受信しなかった場合はステップS1へ戻る。ステップS9においては記憶されている利用制限情報を更新し、ステップS1へ戻る。
【0011】
図8は図2の複合機における第3の制御例を示すフローチャートである。
この場合、ステップS1において複数のユーザを識別するためのID情報を入力し、次のステップS2において利用制限管理サーバ12に接続可能か否かの判定を行う。接続可能であればステップS3へ進み、接続不可であればステップS4へ進む。
ステップS3においては利用制限管理サーバ12から利用制限情報を取得し、機器上の利用制限情報を更新してステップS5へ進む。一方、ステップS4においては利用制限管理サーバ12から利用制限情報は取得せず、機器上の利用制限情報を利用する。
ステップS5においては、該当IDのユーザの残度数があるか否かの判定を行い、残度数があればステップS6へ進み、残度数がない場合はステップS13へ進む。ステップS6においては残度数を表示し、続くステップS7において機器を操作する。そして、ステップS8において機器の操作を終了したと判断したときは、ステップS9においては利用料金を計算する。そして、続くステップS10において利用制限管理サーバ12に接続可能か否かの判定を行い、接続可能であればステップS11へ進み、接続不可であればステップS12へ進む。
ステップS11においては、ユーザのID情報と利用料金を利用制限管理サーバ12へ送信して終了する。一方、ステップS12においてはユーザのID情報と利用料金を利用制限管理サーバ12へ後で送信して終了する。
なお、ステップS13においては使用不可のアラートを表示して終了する。
【0012】
図9は図3の利用制限管理サーバにおける第3の制御例を示すフローチャートである。
この場合、先ずステップS1においては、利用制限情報の適用期間の残期間があるか否かの判定を行い、残期間がなければステップS2へ進み、残期間があればステップS3へ進む。ステップS2において利用料金0の初期状態へ戻す。一方、ステップS3においては、利用制限情報の変更モードで動作するか否かの判定を行う。そして、変更モードならばステップS4へ進み、変更モードでなければステップS7へ進む。
ステップS4においては、記憶されている利用制限データを取得し、続くステップS5においては、取得した利用制限データを表示する。ステップS6においては利用制限データを変更してステップS1へ戻る。
ステップS7においては、複合機11からの通信要求を受信したか否かの判定を行い、通信要求を受信した場合はステップS8へ進む。通信要求を受信しなかった場合はステップS1へ戻る。
ステップS8においては、利用制限取得要求を受信したか否かの判定を行い、利用制限取得要求を受信した場合はステップS9へ進み、利用制限取得要求を受信しなかった場合はステップS10へ進む。
ステップS9においては、複合機11へ記憶されている利用制限情報を送信し、ステップS1へ戻る。
ステップS10においては、ユーザIDと利用料金情報を受信したか否かの判定を行い、ユーザIDと利用料金情報を受信した場合はステップS11へ進み、ユーザIDと利用料金情報を受信しなかった場合はステップS1へ戻る。
ステップS11においては、記憶されている利用制限情報を更新し、ステップS1へ戻る。
【0013】
図10は本発明の第2の実施形態に係る利用制限管理システムの構成図である。本利用制限管理システム1は、複数の複合機11(11−1、11−2)と、Webブラウザを有するパソコン14とから構成される。この場合、複合機11は利用制限管理プログラム14を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る利用制限管理システムの構成図である。
【図2】図1における複合機の機能ブロック図である。
【図3】図1における利用制限管理サーバの機能ブロック図である。
【図4】図2の複合機における第1の制御例を示すフローチャートである。
【図5】図3の利用制限管理サーバにおける第1の制御例を示すフローチャートである。
【図6】図2の複合機における第2の制御例を示すフローチャートである。
【図7】図3の利用制限管理サーバにおける第2の制御例を示すフローチャートである。
【図8】図2の複合機における第3の制御例を示すフローチャートである。
【図9】図3の利用制限管理サーバにおける第3の制御例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る利用制限管理システムの構成図である。
【符号の説明】
【0015】
11 複合機、21 制御手段、22 料金計算手段、23 記憶手段、24 操作表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コピー機能を利用した際に要した料金、印刷機能を利用した際に要した料金、及びファクシミリ機能を利用した際に要した料金を夫々個別に計算する料金計算手段と、複数のユーザを識別するためのID情報と該当のユーザ毎に設定された利用料金合計の限度額及び残りの利用可能な金額を示す残度数を含む利用制限情報を記憶する記憶手段と、前記利用制限情報を入力すると共に前記利用制限情報を表示する操作表示手段と、を備えたことを特徴とする複合機。
【請求項2】
請求項1記載の複合機において、前記利用制限情報を利用制限管理サーバからネットワークを経由して取得する取得手段と、前記利用制限情報を利用制限管理サーバにネットワークを経由して送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする複合機。
【請求項3】
ネットワークを経由して複合機と接続する接続手段と、ネットワークを経由して外部機器から利用制限情報を取得する取得手段と、利用制限情報を入力すると共に前記利用制限情報を表示する操作表示手段と、ネットワークを経由して前記外部機器へ利用制限情報を送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする利用制限管理サーバ。
【請求項4】
請求項3記載の利用制限管理サーバにおいて、前記利用制限情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする利用制限管理サーバ。
【請求項5】
請求項1記載の複合機と請求項3記載の利用制限管理サーバとがネットワーク接続されたことを特徴とする利用制限管理システム。
【請求項6】
請求項3または請求項4記載の利用制限管理サーバを動作させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【請求項7】
請求項6記載のプログラムが格納された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−318294(P2007−318294A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143970(P2006−143970)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】