説明

複合機

【課題】複合機を用いて、電子ペーパー装置との間で容易且つ適切にデータを交換できるようにする。
【解決手段】電子ペーパー装置51とデータの通信を行うとともに、所定の領域における電子ペーパー装置51の存在有無を検出する通信部35、45と、原稿搬送部34又は用紙搬送部44の所定の領域に電子ペーパー装置51が存在する場合に、電子ペーパー装置51との通信部35、45による通信を伴う処理のための所定のモードの実行を開始する機能部制御部14cとを有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成媒体に画像を形成できるととともに、画像読取媒体から画像を読み取ることができる複合機に関し、特に、電子ペーパー装置との間のデータをやり取りする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、原稿から画像を読み取ったり、画像を用紙に形成したりするために複合機が使用されている。
【0003】
近年では、紙のような使い易さがあり、省電力で自由に書き換えができる電子ペーパーを備えた電子ペーパー装置が注目されている。このような電子ペーパー装置は、紙と同じような場面で使用されることが想定されている。このため、紙を利用する複合機において、電子ペーパー装置とのデータのやり取りができるようにすることが要請される。
【0004】
例えば、特許文献1には、原稿の画像のデータを電子ペーパーに書き込むことのできる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−147982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、複合機においては、コピー機能や、スキャナー機能や、FAX機能等の複数の機能があり、いずれの機能を使用するかを、ユーザーは液晶ディスプレイ等を参照しつつ指定する必要がある。
【0007】
このような複合機に、電子ペーパー装置とのデータのやり取りを行なわせる機能が追加されると、複合機における機能の数が増加し、それに伴って、各機能を実行するための操作が複雑になってしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、複合機において、容易且つ適切に電子ペーパー装置との間のデータのやり取りを行うことのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的達成のため、本発明の第1の観点に係る複合機は、画像形成媒体に画像を形成する画像形成部と、画像読取媒体から画像を読み取る画像読取部とを有する複合機であって、電子ペーパー装置とデータの通信を行う通信手段と、所定の領域における前記電子ペーパー装置の存在有無を検出する検出手段と、所定の領域に電子ペーパー装置が存在する場合に、電子ペーパー装置との通信手段による通信を伴う処理のための所定のモードを開始するモード実行手段とを有する。係る複合機によると、所定の領域に電子ペーパーが存在することを検出した場合に、電子ペーパー装置との通信手段による通信を伴う処理のための所定のモードが開始される。このため、ユーザーが表示画面からモードを指定して開始させる煩雑な操作を行う必要がない。
【0010】
また、上記複合機において、画像形成部により画像を形成するための画像形成媒体を供給する画像形成媒体供給手段を更に有し、所定の領域は、画像形成媒体供給手段における画像形成媒体の載置位置及びその近傍の領域であり、所定のモードは、電子ペーパー装置に、表示させる画像のデータを書き込むための電子ペーパー装置書込モードであってもよい。係る複合機によると、画像形成媒体供給手段の画像形成媒体の載置位置又はその近傍の領域に電子ペーパー装置を位置させることにより、電子ペーパー装置にデータを書き込むための電子ペーパー装置書込モードを容易に開始させることができる。ここで、画像形成媒体の載置位置は、画像を印刷する際に画像形成媒体を載置させる位置であるので、印刷に対応する電子ペーパー装置への書き込みを行う際に、電子ペーパー装置を載置させるということは、ユーザーにとって感覚的に理解し易い。
【0011】
また、上記複合機の電子ペーパー装置書込モードにおいて、電子ペーパー装置にデータを書き込む際に、画像形成媒体供給手段による画像形成媒体の供給動作を停止させる画像形成媒体供給停止手段を更に有するようにしてもよい。係る複合機によると、電子ペーパー装置が画像形成媒体供給手段により供給されてしまうことを防止できる。
【0012】
また、上記複合機において、所定の領域に、複数の電子ペーパー装置が存在する場合に、モード実行手段は、複数の電子ペーパー装置に対して、データを書き込ませるようにしてもよい。係る複合機によると、複数の電子ペーパー装置に対してデータを書き込むことができる。
【0013】
また、上記複合機において、画像読取部により画像を読み取るための画像読取媒体を供給する画像読取媒体供給手段を更に有し、所定の領域は、画像読取媒体供給手段における画像読取媒体の載置位置及びその近傍の領域であり、所定のモードは、電子ペーパー装置から、当該電子ペーパー装置に表示される画像のデータを読み取るための電子ペーパー装置読取モードであってもよい。係る複合機によると、画像読取媒体供給手段の画像読取媒体の載置位置又はその近傍の領域に電子ペーパー装置を位置させることにより、電子ペーパー装置からデータを読み取るための電子ペーパー装置読取モードを容易に開始させることができる。ここで、画像読取媒体の載置位置は、画像を読み取る際に画像読取媒体を載置させる位置であるので、読み取りに対応する電子ペーパー装置からの読み取りを行う際に、電子ペーパー装置を載置させるということは、ユーザーにとって感覚的に理解し易い。
【0014】
また、上記複合機の電子ペーパー装置読取モードにおいて、電子ペーパー装置の画像のデータを自動で読み取って、各データに対応する画像を表示させる表示制御手段を更に有するようにしてもよい。係る複合機によると、電子ペーパー装置の画像を表示から確認することができる。
【0015】
また、上記複合機の電子ペーパー装置読取モードにおいて、電子ペーパー装置からデータを読み取る際に、画像読取媒体供給手段による供給動作を停止させる画像読取媒体供給停止手段を更に有するようにしてもよい。係る複合機によると、電子ペーパー装置が画像読取媒体供給手段により供給されてしまうことを防止できる。
【0016】
また、上記複合機において、所定の領域に、複数の電子ペーパー装置が存在する場合に、モード実行手段は、複数の電子ペーパー装置から、データを読取らせるようにしてもよい。係る複合機によると、複数の電子ペーパー装置からデータを読み取ることができる。
【0017】
また、上記複合機において、電子ペーパー装置の画像のデータに対して読み取りを制限する読取制御情報が対応付けられており、読取制御情報に基づいて前記データの読み取りを制御する読取制御手段を更に有するようにしてもよい。係る複合機によると、データの読み取りの制限を適切に行うことができる。
【0018】
また、上記複合機において、通信手段は、電子ペーパー装置と無線通信により、データの送受信を行うようにしてもよい。係る複合機によると、電子ペーパー装置を複合機に対して、直接接続する必要や、複合機に電子ペーパー装置との電気的な接点を備える必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るホームメニュー画面を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る各モードの画面を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電子ペーパー装置の構成図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るモード制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
まず、本発明の一実施形態に係る複合機について説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機の構成図である。
【0023】
複合機1は、制御ユニット10と、画像読取部の一例としてのスキャナー機能部11と、画像形成部の一例としてのプリンター機能部12と、FAX(ファクシミリ)機能部13とを有する。
【0024】
スキャナー機能部11は、通信I/F部31と、制御部32と、読取部33と、画像読取媒体供給手段の一例としての原稿搬送部34と、通信手段及び検出手段の一例としての通信部35とを有する。
【0025】
通信I/F部31は、制御ユニット10との通信を仲介する。読取部33は、紙、OHPシート等の原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。原稿搬送部34は、読取部33に読み取らせる原稿(画像読取媒体)を載置するための原稿給紙トレイを有し、原稿給紙トレイ上の原稿を読取部33に供給する。本実施形態では、原稿給紙トレイは、データを読み取らせる電子ペーパー装置51(図4参照)を載置するためにも用いられる。このように、読取対象となる電子ペーパー装置51を、原稿と同じ原稿給紙トレイに載置するようにすればよいので、ユーザーにとっては感覚的に理解し易い。通信部35は、原稿給紙トレイ又はその近傍に電子ペーパー装置が存在するか否かを検出し、その結果を制御ユニット10に通知する。また、通信部35は、原稿給紙トレイ又はその近傍の領域に存在する電子ペーパー装置51から電子ペーパー装置が表示させる1ページ以上の画像のデータを受信する。本実施形態では、通信部35は、原稿給紙トレイ又はその近傍の領域に存在する複数の電子ペーパー装置と無線(非接触)通信可能であり、複数の電子ペーパー装置のそれぞれから画像のデータを受信することができる。制御部32は、各部33〜35と制御ユニット10とのデータのやり取りや、各部33〜35の制御を行う。
【0026】
プリンター機能部12は、通信I/F部41と、制御部42と、印刷部43と、画像形成媒体供給手段の一例としての用紙搬送部44と、通信手段及び検出手段の一例としての通信部45とを有する。
【0027】
通信I/F部41は、制御ユニット10との通信を仲介する。印刷部43は、画像データを受信し、例えば、紙、OHPシート、厚紙、封筒等の用紙(画像形成媒体)に画像を形成する。用紙搬送部44は、印刷部43に印刷させる用紙を載置するための用紙給紙トレイを有し、用紙給紙トレイ上の用紙を印刷部43に供給する。本実施形態では、用紙給紙トレイは、データを書き込ませる電子ペーパー装置51を載置するためにも用いられる。このように、書込対象となる電子ペーパー装置51を、用紙と同じ用紙給紙トレイに載置するようにすればよいので、ユーザーにとっては感覚的に理解し易い。通信部45は、用紙給紙トレイ又はその近傍の領域に電子ペーパー装置51が存在するか否かを検出し、その結果を制御ユニット10に通知する。また、通信部45は、用紙給紙トレイ又はその近傍に存在する電子ペーパー装置51に表示させる1ページ以上の画像のデータを送信する。本実施形態では、通信部45は、用紙給紙トレイ又はその近傍の領域に存在する複数の電子ペーパー装置51と無線通信可能であり、複数の電子ペーパー装置に画像のデータを送信することができる。この場合、通信部45は、各電子ペーパー装置51に同じデータを取り込ませるように画像のデータを送信するようにしてもよく、また、複数の電子ペーパー装置51に対して、それぞれ異なる画像のデータ(例えば、1以上の所定ページ毎のデータ)を取り込ませるようにデータを送信するようにしてもよい。制御部42は、各部43〜45と制御ユニット10とのデータのやり取りや、各部43〜45の制御を行う。
【0028】
FAX機能部13は、公衆回線を介して、外部のFAX装置との間でFAXデータの送受信を行う。
【0029】
制御ユニット10は、スキャナー機能部11、プリンター機能部12及びFAX機能部13に対するユーザーからの各種指示を受け付けるとともに、ユーザーへの各種情報の出力を行う。また、制御ユニット10は、スキャナー機能部11、プリンター機能部12及びFAX機能部13の統括制御を行う。具体的には、制御ユニット10は、スキャナー機能部11に原稿又は電子ペーパー装置51から画像を読み取る読取処理を実行させる。また、制御ユニット10は、プリンター機能部12に用紙に画像を形成する又は電子ペーパー装置51に画像のデータを書き込む画像形成処理を実行させる。また、制御ユニット10は、スキャナー機能部11及びプリンター機能部12を制御することにより、原稿又は電子ペーパー装置51の内容を所定の用紙又は電子ペーパー装置51に形成する、いわゆる、コピー処理を実行させる。すなわち、制御ユニット10は、原稿又は電子ペーパー装置51の画像をスキャナー機能部11により読み取らせてデジタル画像データを取得させ、そのデジタル画像データを所定の画像データに変換してプリンター機能部12に送信して用紙に画像を形成させ又は電子ペーパー装置51に画像のデータを書き込ませる。また、制御ユニット10は、スキャナー機能部11及びFAX機能部13を制御することにより、原稿又は電子ペーパー装置51の内容をFAXデータとして外部のFAX装置に送信させ、また、FAX機能部13及びプリンター機能部12を制御することにより、外部のFAX装置からのFAXデータを受信して、FAXデータに対応する画像を出力させる。
【0030】
次に、制御ユニット10のより詳細な構成について説明する。
【0031】
制御ユニット10において、CPU(Central Processing Unit)14と、ROM(Read Only Memory)15と、RAM(Random Access Memory)16と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)17と、入力インターフェース部(入力I/F部)18と、表示処理部19と、通信インターフェース部(通信I/F部)20、21、22及び23とがバス24を介して接続されている。
【0032】
ROM15は、ブートプログラム等のプログラムを記憶する。RAM16は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU14による処理に使用しているデータを格納する作業領域として利用される。また、EEPROM17は、書き換え可能な不揮発性メモリーであり、複合機1の電源が入っていない場合でも記憶しておく必要がある各種情報を記憶する。
【0033】
入力I/F部18には、キー部25と、タッチパネル26とが接続されている。入力I/F18は、キー部25、タッチパネル26からの信号をデータとして、CPU14に出力する。キー部25は、スタートボタン、ストップボタン、テンキー等を有し、押下されたボタン、キーに応じた信号を入力I/F部18に出力する。タッチパネル26は、液晶表示装置(LCD)27上に重ねられて設けられており、ユーザーによって押下されたタッチパネル26上の位置に応じた信号を入力I/F部18に出力する。表示処理部19は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)を有し、CPU14の制御により、各種画像データを生成し、当該画像データに基づく画面をLCD27に表示出力する。
【0034】
通信I/F部20は、CPU14とスキャナー機能部11とのデータ交換の仲介を行う。通信I/F部21は、CPU14とプリンター機能部12とのデータ交換の仲介を行う。通信I/F部22は、CPU14とFAX機能部13とのデータ交換の仲介を行う。通信I/F部23は、図示しないネットワークと接続可能であり、ネットワークを介して他の装置とのデータ交換の仲介を行う。
【0035】
CPU14は、各部15〜23、11、12、13の動作を制御する。また、CPU14は、ROM15に格納されているプログラムをRAM16に読み出して実行することにより、受付処理部14aと、表示制御部14bと、モード実行手段、画像形成媒体供給停止手段、及び画像読取媒体供給制御手段の一例としての機能部制御部14cとを構成して各種処理を実行する。
【0036】
受付処理部14aは、キー部25、タッチパネル26に対するユーザーから各種指示を受ける。本実施形態では、受付処理部14aは、コピー処理、スキャン処理、FAX処理等のモード選択指示や、各種設定の選択指示や、各処理の開始指示等を受け付ける。
【0037】
表示制御部14bは、ホームメニュー画面61(図2参照)、電子ペーパー装置読取モード画面71(図3A参照)、電子ペーパー装置書込モード画面81(図3B参照)、電子ペーパー装置読取・書込モード画面91(図3C参照)等の画面を表示処理部19によりLCD27に表示させる。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態に係るホームメニュー画面を説明する図である。
【0039】
ホームメニュー画面61には、複合機1の複数の機能の中から実行させる機能を選択するための複数の機能選択ボタン62が表示される。機能選択ボタン62には、機能を示す画像(アイコン)62aと、機能の名称62bとが含まれている。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態に係る各モードの画面を説明する図である。図3Aは、電子ペーパー装置読取モード画面71を示し、図3Bは、電子ペーパー装置書込モード画面81を示し、図3Cは、電子ペーパー装置読取・書込モード画面91を示している。
【0041】
電子ペーパー装置読取モード画面71には、画像の読取元が電子ペーパー装置51であることを示す読取元表示領域72と、書込先として用紙を指定する用紙指定ボタン73と、書込先としてUSBメモリーを指定するUSBメモリー指定ボタン74と、書込先として所定のメールアドレスを指定するメール指定ボタン75とが表示される。電子ペーパー装置読取モード画面71においては、書込先として指定されている指定ボタンの文字が反転表示されるようになっている。図3Aに示す電子ペーパー装置読取モード画面71では、書込先として用紙が選択されていることを示している。この電子ペーパー装置読取モード画面71が表示されている際に、キー部25のスタートボタンが押下されると、設定されている内容に応じて、電子ペーパー装置51からデータが読取られ、指定された書込先に画像又はそのデータが書き込まれる。
【0042】
電子ペーパー装置書込モード画面81には、読取元として原稿を指定する原稿指定ボタン82と、読取元としてUSBメモリーを指定するUSBメモリー指定ボタン83と、画像の書込先が電子ペーパー装置51であることを示す書込先表示領域84とが表示される。電子ペーパー装置読取モード画面71においては、読取元として指定されている指定ボタンの文字が反転表示されるようになっている。図3Bに示す電子ペーパー装置書込モード画面81では、書込先として原稿が選択されていることを示している。この電子ペーパー装置書込モード画面81が表示されている際に、キー部25のスタートボタンが押下されると、設定されている内容に応じて、指定された読取元から画像又は画像データが読取られ、電子ペーパー装置51にそのデータが書き込まれる。
【0043】
電子ペーパー装置読取・書込モード画面91には、画像の読取元が電子ペーパー装置51であることを示す読取元表示領域92と、画像の書込先が電子ペーパー装置51であることを示す書込先表示領域93とが表示される。この電子ペーパー装置読取・書込モード画面91が表示されている際に、キー部25のスタートボタンが押下されると、原稿搬送部34の電子ペーパー装置51からデータが読取られ、用紙搬送部44の電子ペーパー装置51にそのデータが書き込まれる。
【0044】
機能部制御部14cは、スキャナー機能部11の通信部35からの所定の領域についての電子ペーパー装置51の存在有無及びプリンター機能部12の通信部45からの所定の領域についての電子ペーパー装置51の存在有無を受け取り、それらに基づいて、動作するモードを決定して開始し、モードに対応する画面を表示制御部14bに表示させる。
【0045】
本実施形態では、機能部制御部14cは、スキャナー機能部11の通信部35のみから電子ペーパー装置51が所定の領域に有るとの通知を受けた場合には、電子ペーパー装置読取モードを開始して、電子ペーパー装置読取モード画面71を表示制御部14bにより表示させる。また、機能部制御部14cは、プリンター機能部12の通信部35のみから電子ペーパー装置51が所定の領域に有るとの通知を受けた場合には、電子ペーパー装置書込モードを開始して、電子ペーパー装置書込モード画面81を表示制御部14bにより表示させる。また、機能部制御部14cは、スキャナー機能部11の通信部35及びプリンター機能部12の通信部45の両方から電子ペーパー装置51が所定の領域に有るとの通知を受けた場合には、電子ペーパー装置読取・書込モードを開始して、電子ペーパー装置読取・書込モード画面91を表示制御部14bにより表示させる。
【0046】
また、機能部制御部14cは、プリンター機能部12を制御して、画像データに基づいて、画像形成媒体に画像を形成させる。また、機能部制御部14cは、電子ペーパー装置書込モード、又は電子ペーパー装置読取・書込モードの場合には、プリンター機能部12を制御して、用紙搬送部44の用紙給紙トレイ又はその近傍の電子ペーパー装置51に、画像データを書き込ませる。なお、この際には、機能部制御部14cは、用紙搬送部44による用紙の供給動作を停止するように制御する。
【0047】
また、機能部制御部14cは、スキャナー機能部11を制御して、原稿の読み取りを実行させて、原稿の画像データを受け取って、RAM16に格納する。また、機能部制御部14cは、電子ペーパー装置読取モード、又は電子ペーパー装置読取・書込モードの場合には、スキャナー機能部11を制御して、原稿搬送部34の原稿給紙トレイ又はその近傍の電子ペーパー装置51から画像データを読み取らせる。なお、この際には、機能部制御部14cは、原稿搬送部34による原稿の供給動作を停止するように制御する。
【0048】
また、機能部制御部14cは、FAX機能部13を制御して、FAXデータの送受信を行う。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態に係る電子ペーパー装置の構成図である。
【0050】
電子ペーパー装置51は、電子ペーパー部52と、表示制御部53と、通信部54と、メモリー55とを有する。
【0051】
電子ペーパー部52は、画像を表示し、画像を電気的に変えることができるようになっている。画像を表示する方式としては、例えば、マイクロカプセル内に帯電した白黒の粒子を格納し、電圧をかけることにより粒子を異動させて表示するマイクロカプセル方式や、電子粉流体方式や、コレステリック液晶を用いて表示を行う液晶方式や、エレクトロウェッティング方式等がある。メモリー55は、電子ペーパー部52に表示させる画像のデータを記憶する。本実施形態では、メモリー55は、複数ページの画像のデータを記憶することができる。表示制御部53は、メモリー55に格納されている画像データに基づいて、電子ペーパー部52に画像を表示させたり、画像を切り替えたりする制御を行う。通信部54は、ある程度限られた距離(例えば、10cm程度)までの無線通信ができるようになっており、例えば、メモリー55に格納されている画像のデータを送信したり、メモリー55に格納させる画像のデータを受信したりする。
【0052】
次に、本実施形態に係る複合機1の動作を説明する。
【0053】
図5は、本発明の一実施形態に係るモード制御処理のフローチャートである。
【0054】
複合機1の電源を投入した際には、LCD27には、図2に示すホームメニュー画面61が表示され、その後、モード制御処理が実行されることとなる。
【0055】
モード制御処理においては、機能部制御部14cがプリンター機能部12の通信部45から用紙搬送部44(用紙トレイ又はその近傍の領域)に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けたか否かを判断し(ステップS1)、用紙搬送部44に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けていない場合(ステップS1:NO)には、更に、スキャナー機能部11の通信部35から原稿搬送部34(原稿トレイ又はその近傍の領域)に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けたか否かを判断する(ステップS2)。
【0056】
この結果、スキャナー機能部11の通信部35から原稿搬送部34に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けていない場合(ステップS2:NO)には、機能部制御部14cは、プリンター機能部12及びスキャナー機能部11には、電子ペーパー装置51がないことを意味しているので、ホームメニュー画面61の表示を変更させることなく、ステップS1に戻る。
【0057】
一方、スキャナー機能部11の通信部35から原稿搬送部34に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けている場合(ステップS2:YES)には、スキャナー機能部11のみに電子ペーパー装置51があることを意味しているので、電子ペーパー装置51からデータを読み取る電子ペーパー装置読取モードを開始し、表示制御部14bによりLCD27に電子ペーパー装置読取モード画面71を表示させ(ステップS3)、ステップS1に戻る。この電子ペーパー装置読取モード画面71が表示されている際に、キー部25のスタートボタンが押下されると、機能部制御部14cは、設定されている内容に応じて、スキャナー機能部11の通信部35により電子ペーパー装置51からデータを読取らせ、指定された書込先に画像又はそのデータを書き込ませる。
【0058】
また、プリンター機能部12の通信部45から用紙搬送部44に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けている場合(ステップS1:YES)には、機能部制御部14cは、更に、スキャナー機能部11の通信部35から原稿搬送部34に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けたか否かを判断する(ステップS4)。
【0059】
この結果、スキャナー機能部11の通信部35から原稿搬送部34に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けていない場合(ステップS4:NO)には、プリンター機能部12のみに電子ペーパー装置51があることを意味しているので、機能部制御部14cは、電子ペーパー装置51にデータを書き込む電子ペーパー装置書込モードを開始し、表示制御部14bによりLCD27に電子ペーパー装置書込モード画面81を表示させ(ステップS5)、ステップS1に戻る。この電子ペーパー装置書込モード画面81が表示されている際に、キー部25のスタートボタンが押下されると、機能部制御部14cは、設定されている内容に応じて、指定された読取元から画像データを読み取り、プリンター機能部12の通信部45により電子ペーパー装置51に読取ったデータを書き込ませる。
【0060】
一方、スキャナー機能部11の通信部35から原稿搬送部34に電子ペーパー装置51がある旨の通知を受け付けている場合(ステップS4:YES)には、スキャナー機能部11及びプリンター機能部12の両方に電子ペーパー装置51があることを意味しているので、電子ペーパー装置51からデータを読み取って、電子ペーパー装置51にデータを書き込む電子ペーパー装置読取・書込モードを開始し、表示制御部14bによりLCD27に電子ペーパー装置読取・書込モード画面91を表示させ(ステップS6)、ステップS1に戻る。この電子ペーパー装置読取・書込モード画面91が表示されている際に、キー部25のスタートボタンが押下されると、機能部制御部14cは、スキャナー機能部11の通信部35により電子ペーパー装置51からデータを読み取らせ、プリンター機能部12の通信部45により電子ペーパー装置51に読取ったデータを書き込ませる。
【0061】
上記したように、本実施形態に係る複合機1によると、電子ペーパー装置51を原稿トレイに載置することにより、電子ペーパー装置読取モードを開始させ、電子ペーパー装置51を用紙トレイに載置することにより、電子ペーパー装置書込モードを開始させ、また、電子ペーパー装置51を原稿トレイ及び用紙トレイのそれぞれに載置することにより、電子ペーパー装置読取・書込モードを開始させることができ、容易に所望のモードを開始させるようにすることができる。
【0062】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態において、電子ペーパー装置51において、画像のデータに対して読取不可であるか否かを示す属性情報を対応付けてメモリー55に格納するようにしておき、複合機1の機能部制御部14c(読取制御手段)が電子ペーパー装置51から属性情報を取得し、当該属性情報が読取不可である場合には、電子ペーパー装置51から画像のデータを読み取らないようにしてもよい。また、電子ペーパー装置51の画像のデータに、読取を行う際のパスワードを属性情報としてメモリー55に記憶させておき、複合機1の機能部制御部14cが電子ペーパー装置51から属性情報を取得し、ユーザーからパスワードの入力を受け付け、当該パスワードと電子ペーパー装置51から取得したパスワードを比較して、一致する場合に、電子ペーパー装置51から画像のデータを読み取るようにしてもよい。
【0064】
また、上記実施形態において、電子ペーパー装置51が原稿搬送部34の所定の領域にある場合に、機能部制御部14c(表示制御手段)が自動で通信部35により、電子ペーパー装置51に記憶された複数の画像のデータを読み込ませ、各画像のデータに対応するサムネイル画像をLCD27上にユーザーが選択可能に表示させ、選択された画像の画像データを印刷又は書き込ませる対象として決定して処理を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 複合機、10 制御ユニット、11 スキャナー機能部、12 プリンター機能部、13 FAX機能部、14 CPU、14a 受付処理部、14b 表示制御部、14c 機能部制御部、15 ROM、16 RAM、17 EEPROM、18 入力I/F部、19 表示処理部、20,21,22,23 通信I/F部、
24 バス、25 キー部、26 タッチパネル、27 LCD、31 通信I/F部、32 制御部、33 読取部、34 原稿搬送部、35 通信部、41 通信I/F部、42 制御部、43 印刷部、44 用紙搬送部、45 通信部、51 電子ペーパー装置、52 電子ペーパー部、53 表示制御部、54 通信部、55 メモリー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成媒体に画像を形成する画像形成部と、画像読取媒体から画像を読み取る画像読取部とを有する複合機であって、
電子ペーパー装置とデータの通信を行う通信手段と、
所定の領域における前記電子ペーパー装置の存在有無を検出する検出手段と、
前記所定の領域に前記電子ペーパー装置が存在する場合に、前記電子ペーパー装置との前記通信手段による通信を伴う処理のための所定のモードを開始するモード実行手段と
を有する複合機。
【請求項2】
前記画像形成部により画像を形成するための前記画像形成媒体を供給する画像形成媒体供給手段を更に有し、
前記所定の領域は、前記画像形成媒体供給手段における画像形成媒体の載置位置及びその近傍の領域であり、
前記所定のモードは、前記電子ペーパー装置に、表示させる画像のデータを書き込むための電子ペーパー装置書込モードである
請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
前記電子ペーパー装置書込モードにおいて、前記電子ペーパー装置にデータを書き込む際に、前記画像形成媒体供給手段による画像形成媒体の供給動作を停止させる画像形成媒体供給停止手段を
更に有する請求項2に記載の複合機。
【請求項4】
前記所定の領域に、複数の前記電子ペーパー装置が存在する場合に、
前記モード実行手段は、前記複数の電子ペーパー装置に対して、データを書き込ませる
請求項2又は請求項3のいずれか一項に記載の複合機。
【請求項5】
前記画像読取部により画像を読み取るための前記画像読取媒体を供給する画像読取媒体供給手段を更に有し、
前記所定の領域は、前記画像読取媒体供給手段における画像読取媒体の載置位置及びその近傍の領域であり、
前記所定のモードは、前記電子ペーパー装置から、当該電子ペーパー装置に表示される画像のデータを読み取るための電子ペーパー装置読取モードである
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の複合機。
【請求項6】
前記電子ペーパー装置読取モードにおいて、前記電子ペーパー装置の画像のデータを自動で読み取って、各データに対応する画像を表示させる表示制御手段を
更に有する請求項5に記載の複合機。
【請求項7】
前記電子ペーパー装置読取モードにおいて、前記電子ペーパー装置からデータを読み取る際に、前記画像読取媒体供給手段による供給動作を停止させる画像読取媒体供給停止手段を
更に有する請求項5又は請求項6に記載の複合機。
【請求項8】
前記所定の領域に、複数の前記電子ペーパー装置が存在する場合に、前記モード実行手段は、前記複数の電子ペーパー装置から、データを読取らせる
請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の複合機。
【請求項9】
前記電子ペーパー装置の画像のデータに対して読み取りを制限する読取制御情報が対応付けられており、
前記読取制御情報に基づいて前記データの読み取りを制御する読取制御手段を
更に有する請求項5乃至請求項8のいずれか一項に記載の複合機。
【請求項10】
前記通信手段は、前記電子ペーパー装置と無線通信により、データの送受信を行う
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の複合機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−166384(P2010−166384A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7705(P2009−7705)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】