説明

複合物スパッタリング用ターゲットの製造方法とその製造方法により製作されたターゲット

複合スパッタリングターゲットは、同一又は異なる材料の使用済みスパッタリングターゲットでできる又は、表面に窪みが形成された異なる材料からなるバックプレートの中に金属又は金属含有パウダーを加熱加圧することによって製造される。窪みは同じ幾何学を有するターゲットのエロージョンパターンに相当する。窪みは、例えば機械加工によって形成できる。バックプレートは、グラファイト金型内に装着され、アセンブリを形成するためにスパッタリング材料で覆われる。詰め込み具が加えられたアセンブリは、緻密にされたスパッタリング材料のスパッタリングゾーンを有する複合スパッタリングターゲットを形成するために、真空下で適正な加圧と加温による加熱加圧を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱加圧成型金属又は、金属バックプレート内に入れ込んだ金属含有粉によって製作された複合物スパッタリング用ターゲット部材に関する。より特には本発明は、スパッタリング処理に利用されるターゲットの領域に対する上記の材料を含むターゲートを用意するために必要とする貴金属を含有する材料のような比較的高価格な材料の量を減少させた加熱圧力複合物スパッタリング用ターゲット部材の製造方法に関する。本発明は、さらに上記方法によって、製造されたターゲットに関する。
【背景技術】
【0002】
おそらくは、多種の材料からなる薄膜は、DCマグネトロンスパッタリングとして知られている成膜処理によって基板上に堆積されている。体表的なスパッタリング装置は、所望基板の表面上に縮合される材料の蒸気を発生させるためにソースの表面から堆積される材料を移動させる高エネルギープラズマを発生する手段を備えている。
【0003】
このような装置において、基板上の堆積される材料のソースは、スパッタリングターゲットと称されている。スパッタリングターゲットは、堆積材料が単体又は混合の場合において、堆積材料は、スパッタリングターゲットタイルと称される物体内に形成され、スパッタリングターゲットバックプレートと称する異なる材料に接合されて、全体的には、スパッタリングターゲットと称されている。
【0004】
スパッタリングターゲットは、使用されるスパッタリング装置、堆積材料の物理的及び電気的特性、及び堆積材料の費用次第で選択される。スパッタリングプロセスにおいて、高エネルギープラズマは、スパッタリングターゲット材料の表面を連続的に浸食し、スパッタリングターゲットの表面における「エロージョン溝」として知られる窪みを形成する。
【0005】
このエロージョン溝は、薄膜業界においては、通常、特異な形状により「レーストラック」と言われている。結局、ターゲット材料の更なるスパッタリングを行うことで、エロージョン溝が十分な深さになると、ターゲットとしての実務能力がなくなり、スパッタリングターゲットは、「使用済み」と見なされる。
【0006】
代表的なスパッタリングプロセスにおいて、ターゲット材料の20−40%は、利用されている。そして、残りのターゲット材料は、溶解又は精製により再利用されるか又は廃棄処分されるかのいずれかとなる。
【0007】
慣例上、貴金属ターゲットは、スパッタリングターゲット材料の価格上からみて、十分に利用するため、再利用されている。再利用プロセスは、スパッタリングプロセスで実行するために必要な貴金属の総量を高めている。以前から、使用済みターゲットは、新たなターゲットの製造に利用しようとする際に、再溶解及び/又は、精製に制約を受けて、自由に利用できない。長きにわたり、利用できる使用済みターゲットの残り材料を与えられているが、これらは、再利用プロセスにおける著しい材料損失となっている。
【0008】
さらに、スパッタリングプロセス再利用で使用される大抵の材料は、コストダウンを実行できる。これは、Pt,Ru,Pd1,Os1,Tr1,Rh及び、Re等の貴金属又は、高価格な金属の組み合わせ、及び他の金属又は酸化金属物を含む比較的高価格な材料の事例だけに限定されるものではない。このような例では、コスト及び再利用プロセスから損失される材料の量は、スパッタリングターゲットに含まれる貴金属が製造に対して、有意義な改善を生むことを保障する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,397,050号明細書
【特許文献2】米国特許第5,963,778号明細書
【特許文献3】米国特許第7,175,802号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明に従えば、スパッタリングターゲット製造プロセスに含まれる貴金属に用いられる材料を含む貴金属の量を減少させる方法は、スパッタリングエロージョン溝が使い果される実際の領域に対して含まれる貴金属を制限することである。それは、スパッタリングターゲットのエロージョン溝の材料が含む貴金属の制限によって、40%より大きくすることにより、ターゲットを製造していた材料に含まれる貴金属の量を減少させることが考えられる。
【0011】
さらに、同様に、本願発明は、精製プロセスを終えた使用済みターゲットは必要ではなく、スパッタリングのために使用される貴金属の在庫の有意義な減少の結果となる(特に、生産能力において供給が不要である使用済みターゲットに拘束されて自由に使用できない材料が減少する)。
【0012】
従来技術は、粉末治金プロセスによって、有利に組み合わせて製造することができる複合スパッタリングターゲット部材であった。このようなプロセスは、一例として、特許文献1において、タングステン−チタニウム合金ターゲット及びチタニウム製バックプレートの構造の複合スパッタリングターゲット部材の製造方法が開示されている。このチタニウム製バックプレートは、金属缶に納められ、次に、タングステン−チタニウムパウダーがその金属缶の中のチタニウム製バックプレートの表面上に納められる。金属管は、熱間等静圧圧縮成形(HIP)で形成された複合スパッタリングターゲットであるパウダー材とバックプレートが入っている。
【0013】
しかしながら、HIPパウダーに関連するプロセスは、金属缶中に収容しているため、高額な缶詰部材や装置を使用、缶詰は勿論、製造コストとして掛かるHIP手法及び機材の結果、比較的高コストとなる。
加えて、高価格なターゲット材料は、ターゲットのスパッタリング領域が限定されない。このように、スパッタリングターゲットのこのタイプの形式で利用される高価格なターゲット材料の使用量はかなり減少させることができない。
【0014】
他の方法として、特許文献2には、粉末治金プロセスを用いた製造、及びターゲットのスパッタリング領域を高価格なスパッタリング材料の制限を試みる混合ターゲットが開示されている。しかしながら、先の発明のように、混合ターゲットを製造するために使用するプロセスは、このようなHIS手法であり、同様なコストと密接な関係を適用上について説明する。
【0015】
特許文献3によって、新たなスパッタリング材料がスパッタエロージョン溝を新たな材料で満たすことによって、使用済みスパッタリングターゲットを一新する方法が開示されている。このプロセスは、また、HIP手法を用いて達成している。この発明は、ターゲットのスパッタ領域に対する高価格なスパッタリング材料を制限できないが、リサイクルの使用済みターゲットの再利用ができる。しかしながら、所有する比較的にまだ高いコストに対して、主なスパッタリングプロセスにおいて使用されなかった高価格な材料の相当量が現存している。さらに、加圧成形した後、除去又は再利用が必要される高価格な材料のバウダー材を徹底的につけるように、使用済みターゲットを必要とするプロセスが開示されている。
【0016】
本願発明は、ターゲット部材のスパッタ領域が制限された貴金属を含むスパッタリング材料による複合スパッタリングターゲット部材を効率よく比較的に低コストの製造方法を提供する。これは、使用済みターゲートの十分に低コストな材料のバックプレート部材に対して、スパッタリングエロージョン溝又は、表面から機械加工により空洞を作成し、スパッタリング部材を含む貴金属を埋め込むことによって実現される。この本願発明のプロセスは、埋められた使用済みターゲットのエロージョン溝にとても好適している。この実施形態において、使用済みターゲットはバックプレートとして利用され、新たに貴金属材料を埋め込むために、その形状を形成するための付加的機構は必要ではない。
【0017】
さらに、本願発明の混合ターゲットは、単独使用される金属缶の代わりに不使用グラファイトダイスを利用する真空加熱加圧成型を用いて組み立て製造され、製造工程で用いられる材料粉に含まれる貴金属の量は非常に減少させている。その結果は、材料を含む貴金属で純粋に製造したターゲットよりも高価な材料が少なくとも50%以下を必要とする複合スパッタリングターゲットである。このプロセスは、スパッタリングターゲットで用いられる高価な材料の製造サイクルの再生利用部分の中に使用済みターゲット材料の除去側裏地材料からスパッタリングプロセスに貢献されることを必要とする貴金属の量を著しく減少する。この有利な点は、スパッタリングプロセスに貢献する貴金属の効率に、すばらしく且つ予期せぬ増大をもたらす結果となる。
【0018】
本発明に従えば、スパッタリングターゲット部材を製造することに必要とするスパッタリング材料を含む貴金属の量を減少させることにより、ターゲットのスパッタリングエリアに対するスパッタリングターゲット材料を含む高価な材料を制限するスパッタリングターゲット部材を製造する方法を提供する。さらに、スパッタリングプロセスに貢献する材料の効率が増大する。
【0019】
従って、スパッタリングプロセスに必要な資源投資と同様に上手くゆく、スパッタリングターゲット部材の所有者のコストが減少する。本発明の方法は、比較的安価な材料のバックプレートの提供に関する。それは、スパッタリング材料を含む貴金属、と共に、使用済みスパッタリングターゲットで認められるスパッタリングエロージョンパターンに相当する表面の窪み(バックプレートに機械加工される第1の実施形態で可能)で化学的及び機械的に混合可能である。
【0020】
グラファイト金型内に配置されるバックプレートは、幾何学的(大きさ及び形状等)に適応するように加工される。スパッタリング材料を含む貴金属のパウダーでバックプレートの窪みを満たす。その時、パウダー層の上面はグラファイトが詰め込まれる。バックプレート用パウダー組み立て部材を含む金型は、その時、バックプレートの窪みの中で固めて密度(又は濃度)を高めるように真空加熱加圧成型にセットされる。
【0021】
スパッタリングターゲット材料パウダーを含む貴金属を固めて密度を高める真空加熱加圧成型だけではなく、加熱加圧成型もまた、スパッタリング材料を含む貴金属及びバックプレートの間における親電気的及び熱伝導パスと同じように、強機械的アタッチメントを創作するスパッタリング材料を含む貴金属及びバックプレートの間の強金属結合を容易にする。加熱加圧成型後の機械的な最小量は、予めスパッタリングターゲット設計のためには、必要寸法を取得する必要があるかもしれない。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、スパッタリングターゲット部材を含む貴金属の製造方法は、以下の構成を持つ。
1)窪みを有する表面を含むバックプレートを提供する。
2)幾何学的バックプレートが収容されて準備するように、グラファイト金型セットの空洞の中にバックプレートが設置される。
3)予め設定した深さに対して、窪みに接して空洞内がスパッタリング材料で埋め込まれて、バックプレートの表面を完全にカバーすることにより金型アセンブリが形成される。
4)スパッタリング材料の上面に接触するように、金型アセンブリにグラファイト詰め込み具(a graphite ram)が設置される。
【0023】
5) 真空加熱加圧成型炉のチャンバ内に詰め込み具と金型アセンブリが配置され、スパッタリングターゲットを果たす形状を成すように、バックプレートの窪みの中にスパッタリング材料の密度を高め、強固するためには、真空内で十分な時間の期間を掛けて、十分な圧力の加圧及び十分な加熱温度が加えられる。引き続き、グラファイト詰め込み具に対する圧力を0まで落とし、加熱加圧成型炉のチャンバが周囲温度まで降温するように、冷却または放置する。そして、一旦加熱加圧成型炉が冷却したならば、周囲圧力になるように、真空圧力を昇圧または放置する。
【0024】
6)取り外し、合金スパッタリングターゲットを得るためにスパッタリングターゲットに随時、機械加工により前形成を行う。さらに、本発明の有利な実施形態において、バックプレートは、スパッタリングターゲット材料から異なる材料により構成され、及び、モリブデン、ニオブ、タンタルまたは他の高融点金属または合金の1つまたはより多くの材料により構成される。
【0025】
窪みは、少なくとも使用済みのスパッタリングターゲットのスパッタリングエロージョンパターンに該当する。さらに好ましくは、窪みは、使用済みターゲットのエロージョンパターンに該当する(即ち、再利用するために、使用量の範囲が大きくない段階のターゲット)。さらに、スパッタリング材料は、貴金属または貴金属の混合物からなるパウダー、または貴金属パウダーの混合物であり、及び、非貴金属パウダー、非貴金属の混合物のパウダーまたは金属酸化物のパウダーに好適する。加えて、本発明の好ましい特徴として、グラファイト金型は、特有なスパッタリングターゲット部材設計が創作されるために決定される幾何学である。
【0026】
適正なターゲット材料は、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptまたは、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptの混合物、またはRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir、PtとCo、Cr、Ni、Feのような遷移金属との混合物であり、または、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、PtとCo、Cr、Ni、Feのような遷移金属との混合物であり、及び、Ti[θ]2のような酸化物又はTiO2のような酸化物を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、 Ir、Ptとの混合物である。
【0027】
提供される好ましい実施形態において、純粋Ruパウダーは、スパッタリング材料として用いられ、純粋Moは、バックプレートのために用いられる。他の実施形態では、バックプレートは、純粋Nb金属で構成される。さらに他の実施形態として、バックプレートは、純粋Taにより構成される。
【0028】
本発明は、確かなスパッタリングターゲットの従来技術と比較して、スパッタリングターゲット部材のために必要とされるスパッタリング材料を少なくとも25%、好ましくは35%、最も好ましくは45%の節約するという結果が得られる。例えば、長方形幾何学のスパッタリングターゲットに含まれる貴金属は、材料に含む貴金属を単に用いるのに準備したスパッタリングターゲットに含まれる貴金属の必要とする貴金属材料が単に50%あれば、本発明に用いるのに準備できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、長方形または円形の幾何学のスパッタリングターゲットに含まれる貴金属の断面構成を代表する図である。
【図2】図2は、長方形幾何学のスパッタリングターゲットに含まれる貴金属を代表する上面図である。
【図3】図3は、円形幾何学のスパッタリングターゲットに含まれる貴金属を代表する上面図である。
【図4】図4は、長方形または円形の幾何学のいずれかのターゲットのスパッタリングエロージョンパターンに相当する窪みを含むバックプレートの断面構成を代表する図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態に係る長方形または円形の幾何学のいずれかのターゲットのスパッタリングターゲートに埋め込まれた貴金属の断面構成を代表する図である。
【図6】図6は、バックプレートの表面の窪みに中に集められたスパッタリング材料に対して熱加圧する従来の加熱加圧金型部材を代表する図である。
【図7】図7は、図6に示した加熱加圧処理後の加熱加圧金型部材を代表する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、スパッタリングプロセスに用いられる実質上唯一のスパッタリング材料をバックプレート内の窪みの中に提供したスパッタリングターゲット部材と、バックプレートとを合併させ、スパッタリングゾーンが構成される合金スパッタリングターゲットの製造方法に関する。
【0031】
第1の実施形態において、バックプレートは、スパッタリング材料として加えられる同様な材料の使用済みターゲットである。本実施形態において、使用済みターゲットは、スパッタリングプロセスの間に浸食された窪みを伴う表面を有している。この窪みは、元のターゲットの代わりになるように、プロセスに使用可能とするために、使用済みターゲットに付加材料をなじませるための適正な時間及び適温で真空下の単軸方向の加圧された新スパッタリング材料で満たされている。
【0032】
第2の実施形態において、バックプレートは、スパッタリング材料から独占的に作製されるターゲートのために、混合ターゲートの代わりに用いられることを可能に適合される科学的、温度的及び電気的特徴を与えるスパッタリング材料と接合される少ない高額材料のような異なる材料である。この実施形態において、バックプレートは、図1乃至3で説明している、長方形または円形の幾何学のスパッタリングターゲットに含まれる使用済み貴金属の外観を含んでいる。
【0033】
図1は、スパッタリングターゲット10に含まれる使用済みまたは使用された貴金属の断面構成を描写し、スパッタリングエロージョン溝12の深さと形状を示している。図1に代表されるように、このエロージョン溝12は、長方形または円形の幾何学のいずれかを有するスパッタリングターゲットに含まれる貴金属に形づけられたエロージョン溝を含んでいる。図2は、長方形幾何学のスパッタリングターゲット20に含まれる貴金属の上面図を示し、スパッタリングエロージョン溝22の形状を示している。図3は、円形幾何学のスパッタリングターゲット30に含まれる貴金属の上面図を示し、スパッタリングエロージョン溝32の形状を示している。
【0034】
これらの図の調査から、スパッタリングプロセスで実際に使用された材料が僅か25%の使用されたターゲットにあっては、貴金属スパッタリング材料の相当量が残されている。
本発明は、スパッタリングプロセスにおいて消費される領域に対してのみ、材料を含む貴金属を宛がうことによって、スパッタリングターゲットへ追加する貴金属の量を減少させる。
【0035】
本発明は、スパッタリングターゲット材料から異なる材料により構成され、及び、一実施形態としてバックプレートを用いることにより、Mo,Ta,Nbまたは他の高融点金属及びその合金のような比較的安価な金属であっても目的を成し遂げられる。その金属は、貴金属を含められる材料であり、機械的及び化学的に混合可能である。
【0036】
図4は、窪み42、この例では溝を伴う上面41を有するバックプレート40の断面構成を示している。窪みは、バックプレート上の使用された又は使用済みターゲットの消耗経路(wearpath)またはエロージョン溝である。別の実施形態においては、窪み42は、バックプレートの上面に機械加工により形成された溝である。図1に示した溝は、スパッタリングエロージョン溝の幾何学に近いまたは相当する。エロージョン溝の幾何学は、窪みの形状で決定され得る。
【0037】
なるべく、この情報は、ターゲットの製品寿命が最大限になるように構成されたターゲットが許容される間、使用される得ることが可能なようにスパッタリング材料の容量を少なくし、スパッタリングターゲット内容量のバランスに対して窪みの形状を最大限に利用する。
【0038】
図5は、バックプレート材料53から構成されるスパッタリングターゲットが含む貴金属の容量の最大及び、複合スパッタリングターゲットのスパッタリング領域に限定された大部分のスパッタリングゾーンを形成するスパッタリング材料51に含まれる貴金属である複合スパッタリングターゲット50の断面構成図を示す。貴金属の量における50%より以上の節約は、本発明による成し得るスパッタリングターゲットに含まれる貴金属を実現するために必須の材料に含まれる。
【0039】
本発明の製造方法の例は、図6及び図7に示されている。図6に示すように、高融点金属または合金バックプレート60は、溝表面上でグラファイト加熱加圧金型(以下、グラファイト金型と称する)64側に配置された機械加工された溝62を含む表面を有している。その時、スパッタリング材料66の予め定めた量がバックプレート60の上部の金型の中に入れられ、アセンブリ65は、バックプレートの表面上を平らに落ち着かせるために、予め定められた時間に渡り振動させられる。
【0040】
アセンブリ65を振動させた後、グラファイト金型の詰め込み具(以下、詰め込み具(ram)と称する)67は、スパッタリング材料の表面に当接するようにグラファイト金型の空洞の中に配置される。アセンブリ65は、水圧プレス機に入れられ、バックプレートの表面の上にパウダーを固めるために指定時間の間、予め定められた圧力が加圧される。圧縮した後、アセンブリは、真空加熱加圧(図示せず)の炉のチャンバ側に配置される。。
【0041】
その炉のチャンバを通じて水圧プレス機により加圧される詰め込み具は、グラファイト金型の上面に当接するまで下げられる。炉のチャンバは、その時、密閉され、50mTorrから200mTorrの間に真空引きされる。アセンブリは、炉のチャンバ内で800度から1000度の温度範囲で加熱され、その時の圧力は、接触する水圧プレス機を介して、詰め込み具に加えられる。加えられた最初の圧力は、5トンから20トンの間である。
【0042】
同様に、アセンブリは、1400度から1900度の範囲内で温度が昇温され、好ましくは1500度から1550度の間であり、詰め込み具への圧力は10トンから200トンの間の圧力がゆっくり加えられる。詰め込み具による圧力値は、製造されるスパッタリングターゲットに含まれる貴金属の幾何学とサイズに依存する。アセンブリ65は、温度と詰め込み具への圧力が15分から240分の間保持される、好ましくは、20分から60分の間である。
【0043】
この時間が経過した後、温度と詰め込み具への加圧は、共に、アセンブリ65が周囲の温度及び圧力に到達するまで低下し、真空度は、一旦、炉が周囲温度に冷却されると、周囲圧力まで上昇する。
図7は、加熱加圧が完了した後の図6に示したアセンブリ70の断面構成を示す図である。図面に示すように、スパッタリング材料74は、その材料の理論上の密度(又は濃度)の95%よりも大きい密度を有し、スパッタリングゾーンに形成されたバックプレート73の機械加工された溝の中に固定される。固定されたスパッタリング材料の予備形成物からなるスパッタリングターゲットに含まれる貴金属とバックプレートは、グラファイト金型75から取り出され、さらに、詰め込み具77が取り外される。予備形成物のスパッタリング材料は、CNC機械加工、ダイヤモンド研磨機または、放電加工機(EDM)を用いて最終寸法になるように加工する。
【0044】
幾つかの応用例において、材料を含む貴金属のカーボン含有量は極めて低いレベルを維持しなければならない。グラファイト金型の内側表面と、詰め込み具の底面は、材料に含む貴金属の中にグラファイト金型の部分からカーボンの拡散を防止するために、Moまたは他の高融点金属薄膜で裏打ちすることができる。
【0045】
本発明に用いられる他の有利な点は、スパッタリングターゲットが使用済みであるということである。使用済みターゲットは、高融点金属に代用される使用済みターゲットまたは、プロセスにおける機械加工された溝に含まれる合金バックプレートに前述したプロセスを用いて新たなスパッタリングターゲットを製造するという使い道がある。そうすることにより、このプロセスを用いたスパッタリング材料に含む貴金属の量は、さらに減少でき、且つ、高融点金属または、機械加工された溝を含む合金バックプレートのコストを差し引くことができる。使用済みの複合スパッタリングターゲットを再利用したプロセスは、繰り返し実施することができる。
【0046】
その上さらに、スパッタリングターゲットに含まれる貴金属の製造に対して、本発明に用いられる他の有利な点は、極めて低く維持しなければならない材料に含まれる貴金属における酸素の含有量を実現する。加熱加圧処理の間中、金型表面がMoまたは他の高融点金属により裏打ちされているときでさえ、グラファイト金型の内が極めて減圧された雰囲気を提供する真空下にグラファイト金型が露呈しているため、元々貴金属に含まれる酸素を取り出している。
【0047】
この減少状態は、開始時に材料に含まれる貴金属の酸素含有量から、前述した指定値を越えて一様に指定レベルを下回るように、貴金属の酸素含有量を減少させることが可能である。この減少は、材料を含む貴金属が密封された金属缶の中で封じ込め状態で処理される加熱型静水圧プレス成形(HIP’ing)のような他のプロセスには実現できるものではない。貴金属の金属源の中でとても自由度をもたらし、開始時の酸素容量の多い貴金属を採用するために提供する。
次に述べる例は、本発明の明確な実施形態を説明し、幾つかの方法を含む本発明の考えを制限するものではない。
【0048】
実施形態1
まず、直径2.03インチ(但し1インチは約2.54[cm]とする)で厚さ0.31インチの円形のRu複合スパッタリングターゲットを、前述した本発明を用いて、Moバックプレートに作製した。旋盤を用いて、直径2.03インチで厚さ0.25インチのMo片が、0.115インチの奥行き、上面直径が1.84インチ、底面直径が1.55(円錐台形状に形成)のMo片の直径で、中央に同心の空洞が空けられるように機械加工される。機械加工されたMo片は、グラファイト金型の中に配置され、Ruパウダー100gがMo片の空洞を満たし上面を覆うようにグラファイト金型空洞の中に注ぎ入れられる。詰め込み具は、グラファイト金型空洞の中に配置され、Ruパウダーの上面を低くしている。
【0049】
水圧プレス機の中に金型アセンブリ(グラファイト金型及び詰め込み具)が入れられ、Ruパウダーをプレ加圧として負荷数百ポンドで加圧する。その時、金型アセンブリは、真空加熱加圧機の中に配置され、200mTorrの真空度において、500psiで1525度で0.5時間のプロセスを行う。その後、加熱加圧処理されたRu/Mo混合片は、加熱加圧機から取り出されて、機械加工された表面に対して簡易な目視検査を行う。
【0050】
目視検査では、化学的適合性を互いに示唆すると共に明確な反応無しで、加熱加圧処理の期間中に共に接着されているRuとMoを確認する。さらに、どちらの材料においてもひび割れがないことで機械的適合が確認される。また、混合部分は切断し、その混合の断面部分を検査するために、EDM装置にセットする。目視検査及び顕微鏡検査は、重要とされる反応の発生が無いこと及び、ひびと裂け目が無いことが、2つの材料の間の化学的適合性及び機械的適合性の確認を提供する。
【0051】
混合のRu部分の密度をチェックするために、混合片の部分は、EDM装置にセットされ、Ru片は、混合部は、0.701インチ×0.537インチ×0.185インチの寸法に切り出されると共に、Moとは分離される。その密度は、片部の重さ及び物理的寸法を用いて決定される。このRu/Mo混合部から切り出されたRu片における密度は、Ruの理論上の密度の98.9%になることが見出された。
この複合スパッタリングターゲットの製造に用いられるRuの密度は、同じ幾何学の純Ruスパッタリングターゲットを製造するための202gを必要とされる密度の50%以下となる100gであった。
【0052】
実施形態2
直径2.03インチ、厚さ0.31インチの円形Ru複合スパッタリングターゲットは、開示された本発明に用いられるNbバックプレートで組み立てられている。旋盤を用いて、厚さ0.25インチ、直径2.03インチのNb片は、0.115インチの奥行き、上面直径が1.84インチ、底面直径が1.55(円錐台形状に形成)のMo片の直径で、中央に同心の空洞が空けられるように機械加工される。機械加工されたNb片は、グラファイト金型の中に配置され、Ruパウダー100gがNb片の空洞を満たし上面を覆うようにグラファイト金型空洞の中に注ぎ入れられる。詰め込み具は、グラファイト金型空洞の中に配置され、Ruパウダーの上面を低くしている。
【0053】
その金型アセンブリは、水圧プレスの中に続いて配置され、Ruパウダーをプレ加圧として負荷数百ポンドで加圧する。その時、金型アセンブリは、真空加熱加圧機の中に配置され、200mTorrの真空度において、500psiで1525度で0.5時間のプロセスを行う。その後、加熱加圧処理されたRu/Nb混合片は、加熱加圧機から取り出されて、機械加工された表面に対して簡易な目視検査を行う。
【0054】
目視検査では、化学的適合性を互いに示唆すると共に明確な反応無しで、加熱加圧処理の期間中に共に接着されているRuとNbを確認する。さらに、どちらの材料においてもひび割れがないことで機械的適合が確認される。また、混合部分は切断し、その混合の断面部分を検査するために、EDM装置にセットする。目視検査及び顕微鏡検査は、重要とされる反応の発生が無いこと及び、ひびと裂け目が無いことが、2つの材料の間の化学的適合性及び機械的適合性の確認を提供する。
【0055】
この複合スパッタリングターゲットの製造に用いられるRuの密度は、同じ幾何学の純Ruスパッタリングターゲットを製造するための202gを必要とされる密度の50%以下となる100gであった。
【0056】
実施形態3
直径2.03インチ、厚さ0.31インチの円形Ru複合スパッタリングターゲットは、開示された本発明に用いられるTaバックプレートで組み立てられている。旋盤を用いて、厚さ0.25インチ、直径2.03インチのTa片は、0.115インチの奥行き、上面直径が1.84インチ、底面直径が1.55(円錐台形状に形成)のTa片の直径で、中央に同心の空洞が空けられるように機械加工される。機械加工されたTa片は、グラファイト金型の中に配置され、Ruパウダー100gがTa片の空洞を満たし上面を覆うように金型空洞の中に注ぎ入れられる。詰め込み具は、グラファイト金型空洞の中に配置され、Ruパウダーの上面を低くしている。
【0057】
その金型アセンブリは、水圧プレス機の中に続いて配置され、Ruパウダーをプレ加圧として負荷数百ポンドで加圧する。その時、金型アセンブリは、真空加熱加圧機の中に配置され、200mTorrの真空度において、500psiで1525度で0.5時間のプロセスを行う。その後、加熱加圧処理されたRu/Ta混合片は、加熱加圧機から取り出されて、機械加工された表面に対して簡易な目視検査を行う。
【0058】
目視検査では、化学的適合性を互いに示唆すると共に明確な反応無しで、加熱加圧処理の期間中に共に接着されているRuとTaを確認する。さらに、どちらの材料においてもひび割れがないことで機械的適合が確認される。また、混合部分は切断し、その混合の断面部分を検査するために、EDM装置にセットする。目視検査及び顕微鏡検査は、重要とされる反応の発生が無いこと及び、ひびと裂け目が無いことが、2つの材料の間の化学的適合性及び機械的適合性の確認を提供する。
この複合スパッタリングターゲットの製造に用いられるRuの密度は、同じ幾何学の純Ruスパッタリングターゲットを製造するための202gを必要とされる密度の50%以下となる100gであった。
【0059】
実施形態4
直径2.03インチ、厚さ0.31インチの円形Ru複合スパッタリングターゲットは、開示された本発明に用いられるTiバックプレートで組み立てられている。旋盤を用いて、厚さ0.25インチ、直径2.03インチのTi片は、0.115インチの奥行き、上面直径が1.84インチ、底面直径が1.55(円錐台形状に形成)のTi片の直径で、中央に同心の空洞が空けられるように機械加工される。機械加工されたNb片は、グラファイト金型の中に配置され、Ruパウダー100gがTi片の空洞を満たし上面を覆うようにグラファイト金型空洞の中に注ぎ入れられる。詰め込み具は、グラファイト金型空洞の中に配置され、Ruパウダーの上面を低くしている。
【0060】
その金型アセンブリは、水圧プレス機の中に続いて配置され、Ruパウダーをプレ加圧として負荷数百ポンドで加圧する。その時、金型アセンブリは、真空加熱加圧機の中に配置され、200mTorrの真空度において、500psiで1525度で0.5時間のプロセスを行う。その後、加熱加圧処理されたRu/Ti混合片は、加熱加圧機から取り出されて、機械加工された表面に対して簡易な目視検査を行う。
【0061】
目視検査では、加熱加圧処理の期間中に共に接着されるRuとTaを確認する。しかしながら、これらは、化学的不適合の可能性を示唆する片の端部に沿ってTiの僅かなエロージョンと共に、2つの材料の間の反応の証拠があった。どちらの材料においてもひび割れがないことを記録され、機械的適合が確認される。混合部分は、混合の断面部分を検査するために切断し、EDM装置にセットする。目視検査及び顕微鏡検査は、RuとTi片の間のギャップに残される2つの材料の間に生じた重要な反応を明らかにする。さらに、混合のプロセスに用いた状態下で2つの材料の間で、化学的不適合が示唆される。
【0062】
Tiがバックプレートとして用いられたならば、TiバックプレートとRuパウダーロードとの間に差し込むことができるRu及びTiの両方が化学的及び機械的に混合可能であるMo,Nb,Taまたは、その他の金属のようにバリア材として用いることができる。バリア材は、ホイルの形状にでき、パウダー層又はコーティングは、スパッタリング法、フレームスプレー法または、プラズマスプレー法または、他のコーティング技術のような方法に適用される。
【0063】
実施形態5
リテニウム(Ru)/ニオブ(Nb)混合部分は、バックプレートの長さに沿った上面幅1.77インチ、底幅1.05インチ及び深さ0.233インチの溝を含む長さ7.07インチ、幅2.30インチ、厚さ0.400インチのNbバックプレートの中に、長さ7.07インチ、幅2.3インチ、厚さ0.5インチの加圧リテニウムバウダーを作製する。プレートは、溝を埋め、バックプレートを覆うように715gのリテニウムパウダーで満たして、グラファイト金型の中に戻される。
【0064】
詰め込み具は、上記実施形態1−4において用いた真空加熱加圧機より大きい真空加熱加圧機の中に入れられる前に、プレ加圧されリテニウムバウダーと共に接触されるようにグラファイト金型の中に配置される。真空加熱加圧機内の金型は、詰め込み具から1600度の加熱と26トンの圧力が掛けられる。金型とその内容物は、室温まで冷却される前に、4時間はこの状態が保持される。高い密度は、長時間の間、温度でその部分の保持により、上記実施形態1−4よりも本実施形態と次に続く実施形態に対して成し遂げることができる。
【0065】
混合部分の溝内のリテニウムの評価は、12.41g/ccのリテニウムの理論上の密度の99%であるリテニウムの相対的な密度を示唆する。その時、大まかなエロージョン溝は、最大深さ0.200インチまで、長さに沿って混合部分のリテニウム一部分の表面の中に機械加工される。その混合部分は、溝を埋め、混合部分を覆うように400gのリテニウムパウダーで満たして、グラファイト金型の中に戻される。
【0066】
金型の詰め込み具は、リテニウムバウダーと共に接触されるようにグラファイト金型の中に配置される。真空加熱加圧機の中に入れる前に金型がプレ加圧される。真空加熱加圧機内の金型は、金型詰め込み具から1600度の加熱と26トンの圧力が掛けられる。金型とその内容物は、室温まで冷却される前に、4時間はこの状態が保持される。混合部分の擬態のエロージョン溝内の加圧されたリテニウムの評価は、12.41g/ccのリテニウムの理論上の密度の99%であるリテニウムの相対的な密度を示唆する。これらの結果は、新しいリテニウム/ニオブ複合スパッタリングターゲットを製造するのに、使用済みのテニウム/ニオブ複合スパッタリングターゲットを再利用する可能性を示唆する。
【0067】
実施形態6
それぞれに各帯鋼の長さに沿って浸食された深さ約0.24インチの大まかな三角形状のターゲットエロージョン溝を伴う7.07×1.09×0.25(インチ)の計測寸法の2つの使用済みリテニウムターゲット片は、グラファイト加熱加圧金型内に配置される。
【0068】
リテニウムパウダー500gは、エロージョン溝を埋めて帯鋼片を完全に覆うように、グラファイト金型の中に注ぎ入れる。
【0069】
金型の詰め込み具は、リテニウムバウダーと共に接触されるようにグラファイト金型の中に配置される。真空加熱加圧機の中に入れる前に金型がプレ加圧される。真空加熱加圧機内の金型は、1600度に加熱され、金型の詰め込み具から20トンの圧力が掛けられる。
金型とその内容物は、室温まで冷却される前に、4時間はこの状態が保持される。加熱加圧された後、結果となる片密度に対する特徴があり、12.41g/ccのリテニウムX線密度に比例する密度で98%になることが見出されている。
【0070】
顕微鏡検査に関して、使用済みターゲットと新たな材料との境界面は、広い範囲に渡る化学的エッチング無しでは確実に認めることはできない。これらの結果は、新たなリテニウムで再充填することができる使用済みリテニウムスパッタリングターゲットと、スパッタリング作業に用いることを示している。
【0071】
特許法に従った範囲内で最良の態様及び好ましい実施形態を陳述し、本発明の範囲内は、さらに制限することを意図するものではない。但し、所属する請求項の範囲によって制限される。EPOは、EPOよりも他の権威から発生した情報及びデータの正確さのためにどのような債務であっても受諾しない。特に、EPOは、完全であることを保障するものではなく、最新のもの又は明確な目的に合致する。WO2009117043のクレームツリー、本テキストの翻訳文。
【符号の説明】
【0072】
10,20…スパッタリングターゲット、12,22,32…(スパッタリング)エロージョン溝、40,73…バックプレート、41…上面、42…窪み、50…複合スパッタリングターゲット、51…スパッタリング材料、53…バックプレート材料、60…合金バックプレート、60…溝、64,75…グラファイト加熱加圧金型(グラファイト金型)、65,70…アセンブリ、66,74…スパッタリング材料、67,77…詰め込み具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)幾何学及び窪みを含む表面を有するバックプレートを提供する工程と、
(b)前記バックプレートの幾何学に適応させるために設計されたグラファイト金型の中に前記バックプレートを配置する工程と、
(c)金型アセンブリから前記パックプレートの頂部上の前記グラファイト金型に対してスパッタリング材料を加える工程と、
(d)前記スパッタリング材料に詰め込み具が当接するように、前記金型アセンブリの中に前記詰め込み具を配置する工程と、
(e)水圧プレス機の中に前記金型アセンブリと前記グラファイト金型が配置され、予め定められた圧力値が前記グラファイト金型の中の前記詰め込み具に加圧される工程と、
(f)真空加熱加圧の炉チャンバの中に圧縮された前記金型アセンブリと前記グラファイト詰め込み具が配置され、真空加熱加圧の前記水圧が掛けられたグラファイト詰め込み具と共に前記グラファイト金型詰め込み具が当接する工程と、
(g)前記真空加熱加圧の炉チャンバを気密に密閉し、200mTorr〜50mTorrの範囲内の真空度まで真空排気する工程と、
(h)予め定めた温度まで、前記真空加熱加圧の炉チャンバとその収納部材に加熱する工程と、前記水圧プレス機の詰め込み具を介してグラファイト詰め込み具に圧力を加える工程と、
(i)前記詰め込み具に掛かる加圧を下げ、冷却し且つ、前記真空加熱加圧の炉チャンバの真空度を上昇させる工程と、
(j)前記真空加熱加圧の炉チャンバ内から前記グラファイト金型及び前記詰め込み具を取り出し工程と、
を具備することを特徴とする複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項2】
前記取り出し工程は、前記グラファイト金型からプレ形成された複合スパッタリングターゲットを取り外す工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項3】
プレ形成された前記複合スパッタリングターゲットの表面を機械加工する工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項4】
前記機械加工をする工程は、1つ又はそれ以上のダイヤモンド研磨及び放電加工を含むことを特徴とする請求項3に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項5】
前記バックプレートは、前記スパッタリング材料と機械的及び化学的に混合可能な高融点金属及びその合金である材料により構成されることを特徴とする請求項2に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項6】
前記バックプレートの材料は、Mo、Ta又はNbであることを特徴とする請求項5に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法
【請求項7】
前記ターゲット材料は、
Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptの純な単体または、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptの混合物、
またはRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptの混合物と遷移金属、
または、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptの混合物と遷移金属と酸化物、
または、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptの混合物と酸化物、で構成されることを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項8】
前記スパッタリング材料は、貴金属、貴金属合金、他の金属との混合物、合金との混合物または、酸化物と混合物により構成されることを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項9】
前記複合スパッタリングターゲット幾何学は、円形、矩形、三角形または楕円形状のいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項10】
前記複合スパッタリングターゲットは、マルチタイルスパッタリングターゲットデザインを必要とする一区分よりも多くで構成されることを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項11】
前記製造方法において、さらに、
前記バックプレートに窪みを形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項12】
前記窪みに対して最適な形状を予測するためにエロージョンパターンを用いて、前記複合スパッタリングターゲットの幾何学に相当する幾何学を有する使用されたスパッタリングターゲットのエロージョンパターンで計算して、前記バックプレートに機械加工によって、該バックプレートの表面に最適な形状に相当する前記窪みを形成することを特徴とする請求項11に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項13】
前記バックプレートは、使用されたスパッタリングターゲットのものであることを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項14】
前記バックプレートは、前記スパッタリング材料とは異なる材料により構成されることを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項15】
前記貴金属を含む材料と前記機械加工されたバックプレート部材との間に不利な反応を防止するために、前記スパッタリング材料と前記バックプレートとの間に加えられるバリア材料からなるバリア部材が用いられることを特徴とする請求項1に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項16】
前記バリア部材は、ホイル、パウダー又はコーティングを成すNb、Ta、Moのうちの1つにより構成されることを特徴とする請求項15に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項17】
(a)スパッタリング材料に化学的及び機械的に適合するバックプレート材料を選択する工程と、
(b)上面を含む幾何学を有するバックプレートを形成するために、使用済みスパッタリングターゲットのエロージョン溝に近似する前記バックプレート材料に溝を形成する工程と、
(c)前記バックプレートの幾何学に収容するために設計されたグラファイト金型の中に前記バックプレートを配置する工程と、
(d)グラファイト金型バックプレートを形成するために前記溝を満たし、且つ前記バックプレートの上面を覆うように前記バックプレートの上面上にスパッタリング材料のパウダーを予め定めた量を加える工程と、
(e)前記スパッタリング材料のパウダーの上面を形成する際に、前記バックプレートの上面を覆うスパッタリング材料パウダーを平坦に均すために前記グラファイト金型バックプレートを含むアセンブリを振動させる工程と、
(f)前記グラファイト金型バックプレートを含むアセンブリと前記グラファイト金型の組み立て部材を形成するために、前記スパッタリング材料のパウダーの上面と前記グラファイト金型が当接するために、前記グラファイト金型の中に上面及び底面を有するグラファイト金型の詰め込み具を配置する工程と、
(g)水圧プレス機の中に前記アセンブリを配置し、前記バックプレートの溝に中の前記スパッタリング材料のパウダーを密集させるために、予め定められた時間を加圧値で前記グラファイト金型の詰め込み具に圧力を掛ける工程と、
(h)真空加熱加圧の炉のチャンバの中に密集化された前記アセンブリを配置し、前記アセンブリは、前記グラファイト金型の詰め込み具の上面と当接するように、前記グラファイト金型の詰め込み具上に加熱加圧の水圧プレス機の詰め込み具を加工させる工程と、
(i)前記真空加熱加圧の炉のチャンバが略200mTorr〜略50mTorrの範囲の真空度になるように密閉し真空排気する工程と、
(j)固形体及び緻密な形状に変化して前記スパッタリング材料パウダーの高密度化のために適した予め定めた温度で前記真空加熱加圧の炉のチャンバ及び収容物を加熱する工程と、
(k)固形体及び緻密な形状に変化して前記スパッタリング材料パウダーの高密度化にために適した所定の圧力まで水圧プレス機を通じて前記グラファイト金型に対して加圧する工程と、
(I)スパッタリングターゲットの予備形成物を形成するために、固形体及び緻密な形状に変化して前記スパッタリング材料パウダーの高密度化にために適した所定時間の間、前記アセンブリへの加熱及び加圧を保持する工程と、
(m)前記水圧プレス機の詰め込み具に掛かる圧力を解除し、前記真空加熱加圧の炉のチャンバの真空度を開放して、冷却する工程と、
(n)前記真空加熱加圧の炉のチャンバから前記アセンブリを取り出し、前記グラファイト金型から複合物スパッタリングターゲットの予備形成物を取り出す工程と、
(o)前記複合物スパッタリングターゲットの予備形成物から複合物スパッタリングターゲットを取り出す最終工程と、
を具備することを特徴とする複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項18】
前記バックプレートが機械的及び化学的に合致しているスパッタリング材料による高融点金属またはその合金である材料により構成されることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項19】
前記バックプレート材料は、Mo、TaまたはNbであることを特徴とする請求項18に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項20】
前記スパッタリング材料は、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの純な単体または、Ru、 Rh、Pd、Re、Os、Ir及びPtの混合物または、遷移金属を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの混合物または、遷移金属及び酸化物を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの混合物または、Ti[θ]2を含む酸化物を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtにより構成されることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項21】
前記スパッタリング材料は、貴金属または、貴金属合金により構成されることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項22】
前記スパッタリング材料は、Ag或いはAuまたは、他の金属、合金或いは酸化金属を伴うAg或いはAuの合金で構成されることを特徴とする請求項21に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項23】
前記複合スパッタリングターゲットは、円形形状、矩形形状又は三角形状であることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項24】
前記複合スパッタリングターゲットは、マルチタイルスパッタリングターゲットデザインを必要とする一区分よりも多くで構成されることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項25】
前記複合スパッタリングターゲットを製造するために、前記バックプレートとして使用済み複合スパッタリングターゲットが用いられることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項26】
前記複合スパッタリングターゲットを製造するために前記バックプレートとして使用済み複合スパッタリングターゲットを複数回用いられることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項27】
前記バックプレート材料及び前記スパッタリング材料に化学的及び機械的に適合するバリア材料または他の材料は、前記スパッタリング材料を含む貴金属と機械加工された前記バックプレートとの間に介在されることを特徴とする請求項17に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項28】
前記使用されるホイルによって前記スパッタリング材料と前記バックプレートとの間介在されるバリア材料は、パウダー材料またはコーティング材料により構成されることを特徴とする請求項27に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項29】
(a)窪みを備える表面を含む幾何学を有するバックプレートを提供する工程と、
(b)前記バックプレートの幾何学に適応させるために設計されたグラファイト金型の中に前記バックプレートを配置する工程と、
(c)金型アセンブリから前記パックプレートの頂部上の前記グラファイト金型に対してスパッタリング材料を加える工程と、
(d)前記スパッタリング材料に詰め込み具が当接するように、前記金型アセンブリの中に前記詰め込み具を配置する工程と、
(e)水圧プレス機の中に前記金型アセンブリと前記グラファイト金型が配置され、小型化された金型アセンブリを形成するために、予め定められた圧力値が前記グラファイト金型の中の前記詰め込み具により加圧される工程と、
(f)真空加熱加圧の炉チャンバの中に圧縮された前記金型アセンブリと前記グラファイト詰め込み具が配置され、真空加熱加圧の前記水圧が掛けられたグラファイト詰め込み具と共に前記グラファイト金型詰め込み具が当接する工程と、
(g)前記真空加熱加圧の炉チャンバを気密に密閉し、200mTorr〜50mTorrの範囲内の真空度まで真空排気する工程と、
(h)予め定めた温度まで、前記真空加熱加圧の炉チャンバとその収納部材に加熱する工程と、前記水圧プレス機の詰め込み具を介してグラファイト詰め込み具に圧力を加える工程と、
(i)前記水圧プレス機の前記詰め込み具に掛かる圧力を下げて冷却し且つ、前記真空加熱加圧の炉チャンバの真空度を上昇させる工程と、
(j)前記真空加熱加圧の炉チャンバ内から前記小型化された金型アセンブリを取り出し工程と、
(k)スパッタリングプロセスで使用済み複合スパッタリングターゲットをバックプレートとして用いて形成された新たな複合スパッタリングターゲットを前記グラファイト詰め込み具から取り出す工程と、
により、スパッタリング材料の製造効率を上げてスパッタリングターゲットが製造されることを特徴とする複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項30】
前記複合スパッタリングターゲットの指定された物理的寸法を取得するために、前形成の前記複合スパッタリングターゲットの表面上に機械加工を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項31】
前記機械加工工程は、1つ以上のダイヤモンド研磨機及び、電気的機械加工を含むことを特徴とする請求項30に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項32】
前記バックプレートは、前記スパッタリング材料または、Mo、TaまたはNbである材料により構成されることを特徴とする請求項30に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項33】
前記スパッタリング材料は、Ru、Rh、Pd1、Re、Os、Ir或いはPtの純な単体または、Ru、Rh、Pd、Re1、Os、Ir或いはPtの混合物または、遷移金属を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os1、Ir或いはPtの混合物または、遷移金属を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの混合物または、TiO2を含む酸化物又は、酸化物を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtにより構成されることを特徴とする請求項30に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項34】
前記バックプレートは、Mo、TaまたはNbである材料により構成され、スパッタリングゾーンは、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの純な単体または、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの混合物または、遷移金属を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの混合物または、遷移金属を伴うRu、Rh、Pd、Re、Os、Ir或いはPtの混合物により構成され、
前記スパッタリングゾーンは、前記バックプレートに化学的、熱的及び電気的に固体化されたスパッタリング材料が緻密された領域であり、前記スパッタリングゲットは、スパッタリングプロセスにおいて使用されるために、適切な幾何学を有することを特徴とする複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項35】
前記スパッタリング材料を含む貴金属と前記機械加工されたバックプレートとの間の機械的反応を防止するために、前記スパッタリング材料と前記バックプレートとの間に、Nb、Ta又はMoからなるバリア材料を介在させることを特徴とする請求項34に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項36】
前記スパッタリングゾーンの形状は、前記複合スパッタリングターゲットの幾何学に相当する幾何学を有する使用されたスパッタリングターゲットのエロージョンパターンを計算することにより、形成されることを特徴とする請求項34に記載の複合スパッタリングターゲットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−517730(P2011−517730A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500765(P2011−500765)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/000646
【国際公開番号】WO2009/117043
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(510250869)エスシーアイ・エンジニアード・マテリアルズ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】