説明

複合部品、複合部品前駆体、及び接着剤

【課題】金属とプラスチックとを強固に結合した複合部品、その前駆体(複合部品前駆体)、及び複合部品の製造方法、及び金属とプラスチックとを強固に結合することができる接着剤を提供する。
【解決手段】成形金型内へ金属部材を装填してプラスチックを充填することにより得られ、プラスチックとの間に絡み合い構造を有すると同時に、前記金属部材4表面に結合しているエポキシネットワーク5とも絡み合い構造を有するウレタン樹脂を含む複合部品、及び第一網目構造と第二網目構造とが相互進入網目構造を形成している接着剤5。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部材とプラスチック部材が結合した複合部品、その前駆体及び製造方法に関する。また本発明は、第一網目構造と第二網目構造とが相互進入網目構造を形成している接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子用製品の分野、特に、各種携帯端末やラップトップパソコン等のモバイル製品の分野においては、製品の軽量化と意匠性が常に求められている。同時に、精密機器を内蔵することから、筐体の強度も維持する必要がある。そのため、これら製品は金属材料とプラスチック材料から構成されることが多く、したがって金属とプラスチックとを結合すること、あるいは金属とプラスチックを結合した複合部品が必要とされている。
【0003】
特許文献1には、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、及び熱開始剤を含有する熱活性接着剤が記載されている。この接着剤は、表面の前処理を施すことなしに金属又はプラスチックの表面を接合することを可能とするものであり、結合されるべき複数の部分に塗布した後、好ましくは電磁加熱技法により熱を適用すると熱硬化結合を生ずる。
【0004】
また特許文献2には、ウレタン/エポキシ/シリコン相互進入網目構造を形成する一液熱硬化組成物の製法、及びシート状のキャリアにかかる組成物を塗布した、油が付着した鋼材の表面に直接適用可能な金属補強材が記載されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、一般に用いられるコーティング組成物と、約2%〜約80%の修飾されたウレタン樹脂を含む、金属やプラスチックに用いるコーティング組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−125773号公報
【特許文献2】米国特許4766183号明細書
【特許文献3】米国特許5194503号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、金属とプラスチックとを強固に結合した複合部品、その前駆体(複合部品前駆体)、及び複合部品の製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、金属とプラスチックとを強固に結合することができる接着剤を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、成形金型内へ金属部材を装填してプラスチックを充填することにより得られ、プラスチックとの間に絡み合い構造を有すると同時に、前記金属部材表面に結合しているエポキシネットワークとも絡み合い構造を有するウレタン樹脂を含む複合部品(第一の態様)を提供するものである。
【0009】
また本発明は、ウレタン樹脂から構成される第一網目構造と、エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物から構成される第二網目構造とが相互進入網目構造を形成している接着剤を提供するものである。
【0010】
さらに本発明は、金属部材に前記接着剤を塗布した複合部材前駆体を提供するものである。
【0011】
さらにまた本発明は、前記接着剤が塗布された金属部材と、プラスチック部材とを含む複合部品(第二の態様)を提供するものである。
【0012】
本発明は、金属部材に、前記接着剤を塗布・乾燥して複合部品前駆体を製造する工程(工程1)、及び前記複合部品前駆体を成形金型内に装填し、溶融プラスチックを射出して複合部品を製造する工程(工程2)を含む複合部品の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、金属材料とプラスチック材料を強固に結合した複合部品、金属材料とプラスチック材料を強固に結合した複合部品を得るための複合部品前駆体、金属材料とプラスチック材料を強固に結合する接着剤、及び前記複合部品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)は、試験例1における剥離強度測定を示す図であり、図1(b)は、試験例2におけるせん断強度測定を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
複合部品(第一の態様)
本発明の複合部品(第一の態様)は、成形金型内へ基材を装填したのちプラスチックを充填して行う、いわゆるインサート成形により得られ、プラスチックとの間に絡み合い構造(entanglement)を有すると同時に、前記金属部材表面に結合しているエポキシネットワークとも絡み合い構造を有するウレタン樹脂を含む。
【0016】
インサート成形とは、プラスチック射出成形より派生した工法の一つで、成形金型内にインサート品(主に金属)を装填して溶融プラスチックを充填することにより、インサート品とプラスチックとが一体化した複合部品を作る技術である。
【0017】
ウレタン樹脂は、インサート成形時の熱によりプラスチックのポリマー鎖との間に絡み合い構造を形成し、プラスチックの冷却後に流動性が減少すると絡み合い構造が固定され、ウレタン樹脂とプラスチック部材とが強固に結合することができる。またウレタン樹脂は、金属部材表面に結合しているエポキシネットワークと絡み合うことにより、金属部材表面に強固に結合することができる。そのため、金属部材とプラスチック部材が、ウレタン樹脂とエポキシネットワークを介して強固に結合することができる。
【0018】
本明細書において、エポキシネットワークとは、エポキシ樹脂をその構成要素として含み、三次元構造を有するポリマーのネットワークをいう。
【0019】
金属部材としては、例えば、アルミ、鉄、銅等の金属、またステンレスやジュラルミン等の合金を用いることができる。
【0020】
プラスチック部材は、従来公知の熱可塑性樹脂を用いることができ特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、またはナイロンなどを用いることができる。
【0021】
接着剤
本発明は、ウレタン樹脂から構成される第一網目構造と、エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物から構成される第二網目構造とが相互進入網目構造(interpenetrating polymer network)を形成している接着剤に関する。
【0022】
第一網目構造は、ウレタン樹脂から構成される。ウレタン樹脂は、イソシアネート基とアルコール基が縮合してできる高分子化合物である。イソシアネート基を有する物質の具体的な例として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、水添MDI、水添TDI、水添XDI、イソホロンジイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオフォスフェート、ビュレットイソシアネート、またはアダクトイソシアネートなどが挙げられる。アルコール基を有する物質の例として、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、ポリエチレングリコールポリオール、またはポリプロピレングリコールポリオールなどが挙げられる。
【0023】
ウレタン樹脂の分子量は、特に限定されないが、例えば数万から数百万とすることができる。
【0024】
第二網目構造は、エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物から構成される三次元構造を有するエポキシネットワークである。エーテル骨格を有する脂肪族アミンと、エポキシ樹脂は、それぞれ等モルずつ含むことが好ましい。
【0025】
第二網目構造を構成する、エーテル骨格を有する脂肪族アミンは、エーテル結合(−O−)を炭化水素鎖の間に含むエーテル骨格(−O−(CH2)n−)mを有し、両端にアミノ基を有するジアミンであることが好ましい。かかるエーテル骨格おいて、n及びmは任意であるが、例えば、nは1〜5、mは1〜10とすることができる。
【0026】
このようなアミンとしては、従来公知のものを使用することができ限定されないが、例えば、カルボン酸とエーテル結合を有するアミンを反応させて得られるポリアミドアミン等を用いることができる。具体的には例えば、ハンツマン社製Aradure、エアープロダクト社製Ancamide、アデカ社製Adeka Grandamide、DIC社製Luckamideなどの製品名で販売されているアミン系硬化剤を挙げることができる。
【0027】
また、第二網目構造を構成するエポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、クレゾールノボラックエポキシ、フェノールノボラックエポキシ、水添ビスフェノールAエポキシ、水添ビスフェノールFエポキシ、または脂環式エポキシ等を挙げることができる。
【0028】
エポキシ樹脂の分子量は、約200から約3000程度とすることができる。
【0029】
エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂は、それぞれ末端のアミノ基とエポキシ基が反応して、アミン結合によりエポキシネットワークである第二網目構造を形成する。かかるエポキシネットワークにより、接着剤が金属等の無機材料に接着(結合)する。
【0030】
金属等の無機材料との接着力を向上させるため、例えばグリシドキシシラン(信越化学製シランカップリング剤KBM403)等を加えてもよい。
【0031】
本発明の接着剤においては、三次元の第二網目構造の隙間に第一網目構造が入り込んで相互進入網目構造を形成しており、第一網目構造と第二網目構造との間に共有結合は存在しない。そのため、第一網目構造と第二網目構造が複雑に入り組みながらも、フレキシブルな構造が維持され、溶融プラスチックが接触すると、第一網目構造の一部がプラスチック部材を構成するポリマーの中に拡散し、絡み合い構造を形成する。プラスチックが硬化した後は、絡み合った構造が保持され、接着剤とプラスチックとの間に高い接着力が発現する。このとき、金属表面に結合している三次元の第二網目構造により、二次元の第一網目構造がプラスチックの中に完全に拡散して金属の部材の表面に存在しなくなることを防いでいる。
【0032】
相互進入網目構造における第一網目構造を構成するウレタン樹脂の量は、例えば約85質量%〜約99質量%とすることができる。
【0033】
相互進入網目構造における第二網目構造を構成するエーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物の量は、例えば約15質量%〜約1質量%とすることができる。
【0034】
本発明の接着剤は、従来公知の方法を用いて製造することができる。例えば、メチルエチルケトン等通常用いられる溶剤にウレタン樹脂を溶解した溶液に、エポキシ樹脂とエーテル構造を含む脂肪族アミン化合物、及び所望によりシランカップリング剤などのカップリング剤を加えて混合した後、溶剤を乾燥することにより得られる。乾燥後の接着剤は、常温(25℃)では接着性を有しない。
【0035】
複合部品前駆体
本発明の複合部品前駆体は、金属部材に前記接着剤を塗布してなる。
【0036】
金属部材としては、例えば、アルミ、鉄、銅等の金属、またステンレスやジュラルミン等の合金を用いることができる。
【0037】
複合部品前駆体は、このような金属部材に、前記本発明の接着剤を塗布し、乾燥後の厚さが約5〜約200μmになるように形成する。かかる厚さとすることにより、金属部材とプラスチック部材の熱膨張率差による熱ストレスを緩和することができ、複合部品前駆体を含む複合部品に落下等による衝撃が加えられた場合に、金属部材とプラスチック部材との剥離が容易に起こらなくなる。
【0038】
接着剤の塗布は、従来公知の方法により行うことができとくに限定されない。具体的には例えば、スクリーン印刷、バーコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、パッド印刷、またはメタルマスク印刷などの方法を使用することができる。
【0039】
金属部材に塗布・乾燥した接着剤は、常温(25℃)では接着性を有しないため、複合部品前駆体の状態で、部品として次の工程に用いるのが容易であり、輸送する場合にもライナーなどで接着層を保護する必要が無い。
【0040】
複合部品前駆体においては、金属部材表面に接着剤の第二網目構造(エポキシネットワーク)が金属部材表面に結合しており、そして第一網目構造を構成するウレタン樹脂が第二網目構造と絡み合い構造を有している。
【0041】
複合部品(第二の態様)
本発明の複合部品(第二の態様)は、前記接着剤が塗布された金属部材と、プラスチック部材とを含む。
【0042】
かかる複合部品の接着剤においては、上述のようにウレタン樹脂から構成される第一網目構造が、プラスチック部材を構成するポリマー鎖との間に絡み合い構造を有すると同時に、エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物から構成される第二網目構造との間に絡み合い構造を有する。このような接着剤が金属部材に塗布されているため、第二網目構造は金属部材表面に結合している。よって、かかる複合部品においては、接着剤を介して金属部材とプラスチック部材とが強固に結合されている。
【0043】
金属部材としては、例えば、アルミ、鉄、銅等の金属、またステンレスやジュラルミン等の合金を用いることができる。
【0044】
プラスチック部材は、従来公知の熱可塑性樹脂を用いることができ特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、またはナイロンなどを用いることができる。
【0045】
複合部品は、金属部材に接着剤を塗布・乾燥して複合部品前駆体(接着剤を塗布した金属部材)を製造した後、この複合体前駆体の接着剤塗布面に、射出成形によりプラスチック部材を結合して製造することができる。
【0046】
例えば、複合部品前駆体を金型に設置し、当該前駆体の接着剤塗布面に溶融プラスチックを射出、保圧した後、冷却して金型から取り出して製造することができる。あるいは、複合体前駆体の接着剤塗布面にプラスチックフィルムを加熱しながら圧着して製造することができる。
【0047】
本明細書において、複合部品の第二の態様は、複合部品の第一の態様のうちの一態様を含む。すなわち第一の態様には、第二の態様以外の複合部品も含まれうるし、第二の態様には、第一の態様以外の複合部品も含まれうる。
【0048】
本発明の複合部品の製造方法は、金属部材に、上記本発明の接着剤を塗布・乾燥して複合部品前駆体を製造する工程(工程1)、及び得られた複合部品前駆体を成形金型内に装填し、溶融プラスチックを射出して複合部品を製造する工程(工程2)を含む。かかる製造方法により、複合部品を得ることができる。
【0049】
工程2においては、溶融プラスチックを射出することにより、接着剤の網目構造の隙間にプラスチックを導入し、プラスチック部材と接着剤の第一網目構造とが絡み合いを形成することができる。
【0050】
金属部材としては、例えば、アルミ、鉄、銅等の金属、またステンレスやジュラルミン等の合金を用いることができる。
【0051】
プラスチック部材は、従来公知の熱可塑性樹脂を用いることができ特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、またはナイロンなどを用いることができる。
【0052】
本発明のいずれの態様の複合部品も、電子用製品の分野における各種製品の筐体やその内部の構成部品として使用することができる。本発明の接着剤は、金属部材とプラスチック部材を結合するために使用することができる。また本発明の複合部品前駆体は、複合部品の製造に用いることができる。
【実施例】
【0053】
実施例で用いた試薬は次の通りである。
Desmocoll530−2:直鎖ハイドロキシポリウレタン(バイエルマテリアルサイエンス社製)
ZX1059:ビスフェノールAとビスフェノールFのエポキシ混合物(東都化学株式会社製)
Ancamide910:エーテル構造を含む脂肪族ジアミン化合物(エアプロダクト社製)
KBM−403:シランカップリング剤(信越化学社製)
MEK:メチルエチルケトン
室温にて、MEK1130質量部にDesmocoll530−2を200質量部加えて溶解した。得られた溶液に、ZX1059を10質量部、Ancamide910を10質量部、及びKBM−403を2質量部加えた。得られた溶液を、巾25mm、長さ100mm、厚さ1.5mmアルミ板にワイヤーバーコータを用いて塗布し、乾燥後の厚さが5〜10μmとなるようにした。続いて、100℃のオーブンで30分間乾燥して、接着剤付きのアルミ板を得た。MEKを乾燥した後の接着剤は、常温(25℃)では接着性が無かった。
試験例1(図1(a))
接着剤付きアルミ板の接着剤側を180℃に保ち、その上に巾10mm、長さ100mm、厚さ0.3mmのポリカーボネートシート(三菱瓦斯化学製ユーピロン)の10mmx40mmの面積部分を加圧融着した。加圧条件は10kg/cm、1秒であった。ポリカーボネートシートの融着されていない端を引っ張り試験機のロードセル側のチャックに挟み、アルミ板を引っ張り試験機のもう一つのチャックに挟み、二つのチャックを10mm/分で引き離した際のロードセルで計測された加重を測定したところ、3〜5kgf/cmの剥離強度が測定された。
試験例2(図1(b))
2枚の接着剤付きアルミ板の接着剤側を重なり部分の面積が巾25mm、長さ10mmとなるように対向させ、その間に巾25mm、長さ10mm、厚さ0.3mmのポリカーボネートシート(三菱瓦斯化学製ユーピロン)を挟み、180℃、10kg/cmで2秒間加圧加熱を行い、ポリカーボネートシートを溶融させてアルミ板同士を融着した。アルミ板の重なり合っていない方の端を引っ張り試験機のチャックに挟み、2枚のアルミ板を引っ張り速度5mm/分で引き離して破断させた。破断時の加重を計測し、せん断強度を求めたところ、200〜300kg/cmであった。
【符号の説明】
【0054】
1、4、6 アルミ板
2 ポリカーボネートシート
3 引っ張り試験機のチャック
5 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形金型内へ金属部材を装填してプラスチックを充填することにより得られ、プラスチックとの間に絡み合い構造を有すると同時に、前記金属部材表面に結合しているエポキシネットワークとも絡み合い構造を有するウレタン樹脂を含む複合部品。
【請求項2】
ウレタン樹脂から構成される第一網目構造と、エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物から構成される第二網目構造とが相互進入網目構造を形成している接着剤。
【請求項3】
前記ウレタン樹脂を85質量%〜99質量%含む請求項2に記載の接着剤。
【請求項4】
前記エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物を1質量%〜15質量%含む請求項2または3に記載の接着剤。
【請求項5】
前記エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物中に、エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂が、等モルずつ含まれる請求項2〜4のいずれか一項に記載の接着剤。
【請求項6】
前記エーテル骨格を有する脂肪族アミンが、カルボン酸とエーテル結合を有するアミンを反応させて得られるポリアミドアミンである請求項2〜5のいずれか一項に記載の接着剤。
【請求項7】
金属部材に、請求項2〜6のいずれか一項に記載の接着剤を塗布した複合部材前駆体。
【請求項8】
ウレタン樹脂から構成される第一網目構造と、エーテル骨格を有する脂肪族アミンとエポキシ樹脂との反応物から構成される第二網目構造とが相互進入網目構造を形成している接着剤が塗布された金属部材と、プラスチック部材とを含む複合部品。
【請求項9】
前記第二網目構造が前記プラスチック部材表面に結合しており、前記第一網目構造が、前記プラスチック部材との間に絡み合い構造を有すると同時に、前記第二網目構造との間にも絡み合い構造を有している請求項8に記載の複合部品。
【請求項10】
金型内に前記金属部材を装填し、プラスチックを充填して加工することにより得られる請求項8または9に記載の複合部品。
【請求項11】
下記工程1及び2を含む請求項1及び8〜10のいずれか一項に記載の複合部品の製造方法。
工程1:金属部材に、請求項2〜6のいずれか一項に記載の接着剤を塗布・乾燥して複合部品前駆体を製造する工程
工程2:前記複合部品前駆体を成形金型内に装填し、溶融プラスチックを射出して複合部品を製造する工程

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−207086(P2011−207086A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77600(P2010−77600)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】