複合部材
車両用の背もたれ(22)等の複合部材(20)は支持部(24)と少なくとも1つの強化複合層(26)とを有している。支持部(24)は、熱可塑性材料を含み、強化複合層(26)は、複数の繊維(28)を含浸したポリマ材料を含む。強化複合層(26)のポリマ材料は、支持部(24)の熱可塑性材料と一体化されている。複合部材(20)を形成する方法は、複合層(26)を型(66)内に配置し、熱可塑性材料を溶融状態に加熱し、溶融状態における熱可塑性材料を複合層(20)と接触して配置することを含む。方法はさらに、支持部(24)と強化複合層(26)とを一体化するために熱可塑性材料とポリマ材料との間の相互作用を促進することを含む。熱可塑性材料は、強化複合層(26)を支持しており、強化複合層(26)は、荷重を受けた時の故障を防止するために熱可塑性材料を強化している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、支持部及び強化複合層を有する複合部材、及び複合部材を形成する方法に関する。
【0002】
2.関連技術の説明
複合部材は、1つのユニットを形成するように結合された少なくとも2つの多様な材料から形成されている。複合部材は、車両用の背もたれ及び構造的なビームを含む様々な設定において使用される。車両用の背もたれは、シートアセンブリに組み付けられ、シートアセンブリは、車両の占有者を支持するために自動車等の車両に配置される。
【0003】
背もたれは、乗員によって加えられる荷重等の、背もたれに通常加えられる反復する荷重を支持するための十分な剛性を有することによって構造的な要求を満たさなければならない。背もたれは、車両において移動する貨物及び衝突時の占有者荷重によって生ぜしめられる衝撃等の、衝撃時のき裂又は破壊に耐えるように十分な衝撃強さをも有さなければならない。例えば、貨物は、貨物が固定されておらず、車両が事故に巻き込まれた場合、車両において移動することがある。
【0004】
このように、背もたれは概して鋼等の材料から形成されている。鋼は、上記懸念を満足させるように十分な剛性及び十分な衝撃強さを提供することによって構造的な要求を満たす。しかしながら、鋼製の背もたれは、複数の個々の部材から成り、これらの部材の組立ては、このような構造を比較的高価にする。さらに、鋼は比較的重い材料である。概して車両において、鋼のような重い材料は回避され、可能である場合には、より軽い材料が好まれる。背もたれに関しては、重い材料をより軽い材料と交換することは、車両の燃料経済性を高める。さらに、より軽い材料は、背もたれの組立てプロセス及び車両の組立てプロセスにおいて取り扱いやすい。
【0005】
技術分野において、背もたれをプラスチック等の比較的軽い材料から形成することが知られている。プラスチックは、プラスチックが鋼よりも軽いだけでなく、背もたれ構成要素が、プラスチックから形成されたフレーム部に一体化されることができることからも、このような用途において有利である。このような背もたれ構成要素は、射出成形プロセスの間にフレーム部に一体的に形成されたヘッドレストガイドを含む。また、プラスチックは、一回の射出成形プロセスにおいて背もたれを製造することができるという利点を有する。
【0006】
しかしながら、このような用途におけるプラスチックの使用は、鋼と比較してプラスチックの比較的低い剛性及び低い衝撃強さにより、制限されている。プラスチックから形成された背もたれは、十分な剛性及び衝撃強さを達成するために、鋼から形成されたものよりも厚くなければならない。その結果、プラスチックから形成された背もたれは、車両におけるパッケージングの制約を満たすには厚すぎる。
【0007】
技術分野において、背もたれの剛性及び衝撃強さを高めるために背もたれを複合材料から形成することが知られている。このような背もたれの例は、プラスチック支持部と、支持部を強化するための、支持部に取り付けられた金属強化部とを含む。支持部のプラスチックと強化部の金属との間の十分な相互作用を得ることは困難である。さらに、金属強化部をより軽い材料と交換することによって、重量をさらに減じることができる。さらに、このような背もたれは、プラスチックと金属とから形成されているので、リサイクルが容易ではない。
【0008】
したがって、背もたれの厚さを著しく増大することなく、十分な剛性及び衝撃強さをも有しながらプラスチックによって提供されるような特徴の比較的軽い重量及び一体可能性を有する、背もたれ等の複合部材を製造することが望ましい。また、容易にリサイクル可能な複合部材を製造することも望ましい。さらに、複合部材の材料の間の相互作用をも改良しながら複合部材の剛性及び衝撃強さを高める方法を提供することも望ましい。
【0009】
発明及び利点の概要
本発明は複合部材である。複合部材は、熱可塑性材料を含む支持部を含み、結合端部を提供する。少なくとも1つの強化保護層が支持部の結合端部に突き当たっている。少なくとも1つの強化複合層は、ポリマ材料と、ポリマ材料に含浸された複数の繊維とを有する。ポリマ材料は、支持部の結合端部と一体化された少なくとも1つの強化複合層の結合部を提供する。
【0010】
本発明は、熱可塑性材料を含む支持部と、ポリマ材料とポリマ材料に含浸された複数の繊維とを含む少なくとも1つの複合強化層を含む強化複合層とを有する、複合部材を形成する方法をも含む。この方法は、複合層を型内に配置することを含む。方法は、さらに、熱可塑性材料を溶融状態に加熱し、溶融状態の熱可塑性材料を強化複合層と接触して配置することを含む。方法は、さらに、支持部と強化複合層を一体化するために、支持部の熱可塑性材料と、複合層のポリマ材料との間の相互作用を促進することを含む。
【0011】
したがって、支持部の結合端部を形成する熱可塑性材料は、強化複合層の結合部を形成するポリマ材料と一体化されている。熱可塑性材料と強化複合層との組み合わせは、強化複合層を支持する熱可塑性材料と、熱可塑性材料を強化する強化複合層との、有利な組み合わせを生じる。特に、支持部の熱可塑性材料自体は、荷重を受けた場合に破壊を受けやすく、強化複合層自体は、荷重を受けた場合に破壊を受けやすい。熱可塑性材料と強化複合層値が互いに一体化されている場合、荷重を受けた場合に破壊を回避するために、熱可塑性材料は強化複合層を支持し、強化複合層は熱可塑性材料を強化する。
【0012】
さらに、強化複合層は従来技術と比較して比較的軽いので、複合部材の重量を減じる。さらに、支持部の熱可塑性材料と強化複合層のポリマ材料とは、支持部と強化複合層とを1つのユニットに組み合わせるために互いに容易に一体化される。さらに、複合部材を形成するために使用される材料のタイプにより、複合部材は容易にリサイクル可能である。なぜならば、熱可塑性材料と強化複合層とは、一緒にリサイクル可能であるので、一緒にリサイクル可能ではない多様な材料を分離する必要がないからである。
【0013】
本発明のその他の利点が、添付の図面に関連して考慮された場合に以下の詳細な説明を参照することによってさらによく理解されるので、容易に認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】支持部及び強化複合層を有する、背もたれの形式の複合部材の斜視図である。
【図2】クロスメンバを有する背もたれの別の実施形態の斜視図である。
【図3】クロスメンバと、クロスメンバと一体化されたクロスメンバ複合層とを有する背もたれの別の実施形態の斜視図である。
【図4】強化複合層の斜視図である。
【図5A】強化複合層の1つの実施形態の分解図である。
【図5B】強化複合層の別の実施形態の分解図である。
【図5C】強化複合層の別の実施形態の分解図である。
【図6】予備成形型の斜視図である。
【図7】型に配置された強化複合層を備えた型の概略図である。
【図8A】図1の線8−8に沿った、リブ及び強化複合層の断面図である。
【図8B】リブの別の実施形態の断面図である。
【図8C】リブの別の実施形態の断面図である。
【0015】
発明の詳細な説明
図面において複数の図面を通じて対応する部材を同じ符号が示しており、図面を参照すると、複合部材は概して20で示されている。複合部材20は様々な用途のためのあらゆるタイプの複合部材20であってよいことが認められるべきである。例えば、複合部材20は、背もたれ22又は構造的なビーム(図示せず)であってよい。図示された実施形態において、複合部材20は、自動車等の車両用の背もたれ22である。背もたれ22は、着席した乗員又は貨物を支持するための概して水平に延びた座面を有するシートアセンブリ(図示せず)に組み付けられている。背もたれ22は、例えば、バス、航空機、船舶を含むあらゆるタイプの車両において使用されてよいことが認められるべきである。要求されていないが、背もたれ22は、通常、支持部24及び強化複合層26を包囲する発泡体と、発泡体を被覆するカバーとを有する。
【0016】
図1〜3及び8A〜Cに示されているように、複合部材20は、支持部24と、少なくとも1つの強化複合層26とを有している。付加的に以下に説明されるように、複合部材20は、2つ以上の強化複合層26を有することもできる。支持部24は熱可塑性材料を有しており、強化複合層26は、支持部24の熱可塑性材料と一体化されている。すなわち、以下に説明するように、支持部24と強化複合層26とは、1つのユニットを形成するように互いに取り付けられている。強化複合層26は、支持部24に対して薄い。それぞれの強化複合層26の厚さは、約0.1〜0.5mmであることができる。
【0017】
図5A〜Cに最もよく示されているように、強化複合層26は、ポリマ材料と、ポリマ材料に含浸された複数の繊維28とを有している。強化複合層26は、熱可塑性材料と様々な形式で一体化されることができる。例えば、強化複合層26は、予備成形され、その後に熱可塑性材料と一体化される連続繊維強化マットの形式であることができる。このような連続繊維強化マットの例は、CFRTという商品名の、カナダ、オンタリオ州バーリントンにあるBaycomp Canadaによって市販されているものである。択一的に、例えば、複数の繊維28とポリマ材料とは、熱可塑性材料と同時に一体化される。
【0018】
図8A〜Cに最もよく示されているように、支持部24は結合端部32を有しており、強化複合層26は支持部24の結合端部32に突き当たっている。特に、ポリマ材料は、強化複合層26の結合部34を形成しており、結合部34は支持部24の結合端部32と一体化されている。強化複合層26のポリマ材料は、強化複合層26と支持部24とを互いに取り付けるために支持部24の熱可塑性材料と一体化されている。
【0019】
互いに取り付けられた支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26との組み合わせは、有利な組み合わせを生じる。特に、支持部24の熱可塑性材料自体は、荷重を受けた場合に割れることがある。強化複合層26は、荷重を受けた場合に折れる及び/又は割れることがある。熱可塑性材料と強化複合層26とが互いに一体化されている場合、強化複合層26の折れ及び/又は割れを回避するために、すなわちねじり剛性を提供するために、熱可塑性材料が強化複合層26を支持し、荷重を受けた時に熱可塑性材料の割れを回避するために強化複合層26が熱可塑性材料を強化する。すなわち、強化複合層26は、複合部材20に、増大した剛性及び衝撃強さを提供する。
【0020】
好適には、熱可塑性材料が様々な構成及び形状に成形されることができるように、熱可塑性材料は射出成形されることができるタイプである。当業者に知られているように、プラスチック射出成形は、熱可塑性材料が溶融状態になるように熱可塑性材料を加熱し、熱可塑性材料を型66、特に射出成形用金型36内に噴射することによって行われる。例えば、射出成形用金型36は概して図7に示されている。次いで、熱可塑性材料を固化するために熱可塑性材料が冷却され、その後、熱可塑性材料は射出成形用金型36から取り出される。熱可塑性材料は好適には、射出成形から生じる最終形状製品を製造するタイプのものである。当業者に知られているように、最終形状製品は、射出成形用金型36から取り外された時に仕上げられている射出成形製品として定義される。すなわち、複合部材20は仕上げられており、射出成形用金型36からの取出し後の二次的な仕上げ作業を必要としない。
【0021】
例えば、支持部24の熱可塑性材料は、第1のナイロンを含む。特に、例えば、ナイロンは、繊維強化ナイロンであり、このような繊維強化ナイロンの例は、商品名Ultramid (R) TG7S PA6 である、ニュージャージー州フローハムパークにおけるBASF Corporationから市販されているガラス繊維強化ナイロンである。支持部24は、本発明の性質から逸脱することなく、強化された又は強化されていない、あらゆるタイプの適切な熱可塑性材料から形成されていることができる。
【0022】
強化複合層26のポリマ材料は、通常、支持部24の熱可塑性材料とは異なる第2の熱可塑性材料を含む。1つの実施形態において、第2の熱可塑性材料は、支持部24の第1のナイロンとは異なる第2のナイロンである。択一的に、支持部24の第1のナイロンと、強化複合層26の第2のナイロンとは同じタイプの材料である。本発明の性質から逸脱することなくポリマは熱硬化性材料であってもよいことが認められるべきである。
【0023】
図8A及び図8Bに最もよく示されているように、支持部24の結合端部32は、強化複合層26の結合部34に融着されている。このような構成において、好適には強化複合層26の第2の熱可塑性材料は、支持部24の熱可塑性材料よりも低い融解温度を有している。特に、支持部24の熱可塑性材料は、第1の融解温度を有しており、強化複合層26の第2の熱可塑性材料は、第2の融解温度を有しており、第1の融解温度は第2の融解温度よりも高い。例えば、第1の融解温度は293.3〜315.6℃(560〜600゜F)であり、第2の融解温度は、204.4〜293.3℃(400〜560゜F)である。
【0024】
結合端部32が結合部34に融着されている構成において、結合端部32と結合部34との一体化は、好適には、比較的長い中断されない境界面に沿って延びている。この中断されない境界面は、結合端部32と結合部34との間の一体化の強度を増大する。
【0025】
結合端部32が結合部34に融着されている構成において、好適には、支持部24の熱可塑性材料と、強化複合層26の第2の熱可塑性材料とは、熱可塑性材料と第2の熱可塑性材料とが溶融して互いに一体化するように、相溶性である。
【0026】
1つの構成において、複合部材20は、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26との間に配置されたポリウレタン層を有している。このような構成において、ポリウレタンは、支持部24の熱可塑性材料及び強化複合層26のポリマ材料と融着するようにポリウレタン層が伝導性であるような特性を有するように選択されている。このような構成は、熱可塑性材料及びポリマ材料が選択されることができる材料の範囲を増大する。なぜならば、このような構成において、熱可塑性材料及びポリマ材料は、互いに融着可能である必要はなく、ポリウレタン層に融着可能であることが要求されるからである。
【0027】
図8Cに最もよく示されているように、融着の代わりに又は融着に加えて、支持部24の結合端部32は強化複合層26の結合部34と機械的に結合されている。特に、強化複合層26の結合部34は穴38を形成しており、支持部24の結合端部32は、さらに、穴38を貫通して強化複合層26に係合するプラグ40として形成されている。
【0028】
図5A〜Cに最もよく示されているように、好適には、複数の繊維28はさらに、不連続な繊維、すなわち短い繊維とは逆の複数の連続繊維30として定義されている。連続繊維は細長く、強化複合層26における応力がポリマ材料から連続繊維30へ伝達され、連続繊維30がポリマ材料を強化する。すなわち、応力は連続繊維30へ引き渡され、強化複合層26が荷重を受けた場合にポリマ材料は連続繊維30の周囲において変形することがない。連続繊維30は、ポリマ材料で含浸及び均一に被覆されている。例えば、連続繊維30はそれぞれ、概して同じ方向に延びており、強化複合層26の長さに沿って延びている。強化複合層26が連続繊維30を含む構成において、強化複合層26自体は、連続繊維30に沿って延びた軸線を中心としてフレキシブルであり、荷重を受けた時に座屈を生じる。支持部24は、荷重を受けた時に軸線を中心とする曲げを回避しかつ座屈を回避するために強化複合層26を支持する。択一的に、複数の繊維28が不連続である、すなわち短繊維であることが認められるべきである。複数の繊維28が不連続である構成において、ポリマ材料は繊維28の周囲において変形し、応力はほとんどポリマ材料から繊維28へ引き渡されない。
【0029】
連続であるか、不連続であるか又はその他であるかにかかわらず、複数の繊維28はそれぞれ好適には概して同じ方向に延びている。択一的に、複数の繊維は、種々異なる方向に延びているか、又は織られている、すなわち互いに交錯されていることができる。強化複合層26の複数の繊維28は好適にはガラス繊維である。択一的に、複数の繊維28は炭素繊維である。しかしながら、繊維28は、当業者に知られたあらゆるタイプのものであってよい。
【0030】
図5A〜Cに最もよく示されているように、好適には複合部材20は複数の強化複合層42を含んでいる。このような構成において、好適には複数の強化複合層42のそれぞれは、互いに一体的に積層されており、1つの積層体48を形成している。複合部材20の剛性及び衝撃強さはそれぞれの強化複合層42の付加により増大されている。1つの積層体48を形成する複数の強化複合層42の厚さの合計は、約1〜2mmであることができる。
【0031】
複数の強化複合層42は、連続繊維又は不連続線委を有する強化複合層26のあらゆる組み合わせを含むことができる。例えば、複数の強化複合層42は、連続繊維30を有する複数の強化複合層42、織られた繊維を有する複数の強化複合層42、又は連続繊維30を有する少なくとも複合層26と織られた繊維を有する少なくとも1つの強化複合層26との組み合わせを含むことができる。
【0032】
複合部材20が複数の強化複合層42を含んでいる構成において、各強化複合層26の繊維28の材料は、他のそれぞれの強化複合層26の繊維28と同じ又は異なることができる。例えば、それぞれの強化複合層26の繊維28はガラス繊維であることができ、それぞれの強化複合層26の繊維28は炭素繊維であることができるか、又は複数の強化複合層42は、ガラス繊維を有する1つ又は2つ以上の強化複合層と炭素繊維を有する1つ又は2つ以上の強化複合層26との組み合わせを含むことができる。
【0033】
図5A〜Cに最もよく示されているように、複合層26のそれぞれが連続繊維30を有している構成において、好適には少なくとも第1の強化複合層44が、連続繊維30が第1の方向Dに延びているように向き付けられており、少なくとも第2の強化複合層46が、連続繊維30が第1の方向Dに対して角度を成して延びているように向き付けられている。すなわち、複数の強化複合層42は、少なくとも1つの強化複合層26の繊維28が他の強化複合層26の繊維28に対して角度を成して延びているように配置されることができる。択一的に、複数の強化複合層42は、それぞれの強化複合層42の連続繊維30が他の強化複合層26の繊維28に対して平行に延びているように配置されることができる。
【0034】
複数の強化複合層42の複数の構成が図5A〜Cに示されている。特に、図5Aは、それぞれが連続繊維30を有する6つの強化複合層26を有する、複数の強化複合層42の構成の分解図を示している。図5Aに示された構成を下から順に見ていくと、1つの強化複合層26は第1の方向Dに延びた繊維28を有しており、次の強化複合層26は、第1の方向Dに対して概して90゜に延びた繊維28を有しており、次の2つの強化複合層26はそれぞれ、概して第1の方向Dに沿って延びた繊維28を有しており、次の強化複合層26は、第1の方向Dに対して概して90゜に延びた繊維28を有しており、次の強化複合層は、第1の方向Dに沿って延びた繊維28を有している。
【0035】
図5Bは、それぞれが連続繊維30を有する6つの強化複合層26を有する、複数の強化複合層42の別の構成の分解図を示している。図5Bに示された構成を下から順に見ていくと、2つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに延びた繊維28を有しており、次の2つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに対して概して90゜で延びた繊維28を有しており、次の2つの強化複合層26がそれぞれ、概して第1の方向Dに延びた繊維28を有している。
【0036】
図5Cは、それぞれが連続繊維30を有する7つの強化複合層26を有する、複数の強化複合層42の別の構成の分解図を示している。図5Cに示された構成を下から順に見ていくと、3つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに延びた繊維28を有しており、次の強化複合層26が、第1の方向Dに対して90゜で延びた繊維28を有しており、次の3つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに延びた繊維28を有している。
【0037】
図1〜3及び図8A〜Cに示されているように、支持部24はリブ25を形成しており、リブ25は結合端部32を提供している。強化複合層26は、キャビティ50を形成しており、リブ25はキャビティ50に配置されている。特に、強化複合層26は、基部52及び1対の側部54を備えたコの字型である。1対の側部54のそれぞれは、互いに間隔を置いて配置されており、基部52から延びており、これらの側部の間にキャビティ50を形成している。図8A〜Cに最もよく示されているように、強化複合層26はU字形である。リブ25は、1対の側部54と基部52との間に延びており、1対の側部54及び基部52と一体化されている。
【0038】
図8Bに示されているように、支持部24は、強化複合層26に突き当てられた熱質量を有している。熱質量は、支持部24と強化複合層26との境界面に配置されており、図8Bに示されているように、リブ25は、強化複合層26に突き当てられた熱質量56を有している。以下で説明するように、支持部24が強化複合層26に融着されている構成において、熱質量56は、ポリマ材料の強化複合層26を溶融させるために強化複合層26を加熱する。
【0039】
図1〜3に示されている背もたれ22に関して、背もたれ22は、支持部24から間隔を置いて配置された第2の支持部58と、この第2の支持部58と一体化された別の強化複合層59とを有している。第2の支持部58は、支持部24と同じタイプの熱可塑性材料を含み、別の強化複合層59は、強化複合層26と同じタイプの材料を含む。通常、第2の支持部58及び別の強化複合層59は、支持部24及び強化複合層26の鏡像である。
【0040】
背もたれ22は、通常、背もたれ22の強度及び剛性を高めるために、支持部24と第2の支持部58との間に延びた少なくとも1つのクロスメンバ60を有している。クロスメンバ60は、熱可塑性材料から成り、支持部24及び第2の支持部58と一体的である。特に、図1〜3に示されているように、背もたれ22は、互いに間隔を置いて配置されかつ概して平行に延びた1対の脚62を備えた概してU字形である。クロスメンバ60は、1対の脚62の間に延びており、これらの脚に連結されている。1対の脚62の一方は、支持部24と強化複合層26とによって形成されており、1対の脚62の他方は、第2の支持部58と別の強化複合層59とによって形成されている。強化複合層26及び別の複合層59は、それぞれ、支持部24及び第2の支持部58を強化するために、それぞれ1対の脚62の1つに沿って延びている。特に、強化複合層26及び第2の強化複合層28は、荷重を受けた時に座屈又は割れを生じないように、支持部24及び第2の支持部58を強化している。強化複合層26は、背もたれ22の衝撃剛性を高めるために、背もたれ22の決定的な領域に配置されることができる。
【0041】
熱可塑性材料は、支持部24、第2の支持部58及び/又はクロスメンバ60と一体の、すなわち一片を成した背もたれ構成要素を形成している。特に、図1〜3に示されているように、クロスメンバ60はヘッドレストガイド64を形成している。クロスメンバ60は、ヘッドレストガイド64にヘッドレスト(図示せず)を収容する。支持部24と、第2の支持部58と、クロスメンバ60とは、バックパネル、サイドボルスター、トリムアタッチメント、フォームサポート、バックサポート、アームレストマウント、ランバーサポート、エアバッグマウント及び/又はハウジング、バックサスペンションマウント、及びこれらのあらゆる組み合わせ等の、しかしこれらに限定されない、当業者に知られるあらゆる背もたれ構成要素を形成することができることが認められるべきである。バックパネル及びサイドボルスター等の背もたれ構成要素は、クラスA表面、すなわち車両の占有者に曝される表面を有することができる。例えば、支持部がプラスチック射出成形によって形成されるシナリオにおいて、背もたれ構成要素は、プラスチック射出成形によって支持部と一緒に形成される。
【0042】
1つの構成において、クロスメンバ複合層61は、クロスメンバ60を強化するためにクロスメンバ60と一体化されている。クロスメンバ複合層61は通常、強化複合層26に関してここで説明されたものと同じ材料を含み、通常、強化複合層26に関してここで説明されたような形式で形成されている。クロスメンバ複合層61も、通常、支持部24及び強化複合層26の一体化に関してここで説明されたような形式で、クロスメンバ60と一体化されている。背もたれ22はあらゆる数の強化複合層26を有することができ、各強化複合層26は背もたれ22に沿ったあらゆる箇所に配置されることができることが認められるべきである。
【0043】
本発明はさらに、複合部材20を形成する方法を含む。複合部材20は型66を用いて形成される。特に、方法は、強化複合層26を型66内に配置するステップと、熱可塑性材料を溶融状態に加熱するステップと、溶融状態の熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置するステップとを有する。方法はさらに、支持部24と強化複合層26とを一体化するために、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料との間の相互作用を促進することを含む。
【0044】
通常、熱可塑性材料を加熱し、熱可塑性材料を型66内に配置するステップは、射出成形用金型36を使用する射出成形として定義される。このような構成において、熱可塑性材料を型66内に配置するステップは、熱可塑性材料を射出成形用金型36内に圧力下で噴射することを含む。
【0045】
図7に示されているように、射出成形用金型36は、主キャビティ68と主コア70とを有する。主キャビティ68及び主コア70は、射出成形用金型36内にプラスチックを噴射するための閉鎖位置と、射出成形用金型36から複合部材20を取り出すための開放位置との間で、相対的に移動可能である。特に、図7に示されているように、複合部材20のための射出成形用金型36は、主キャビティ68と、主コア70と、第1の側部コア72と、第2の側部コア74とを有する。このような構成において、好適には主キャビティ68は定置のままであり、主コア70と、第1の側部コア72と、第2の側部コア74とが、開放位置と閉鎖位置との間を移動可能である。主コア70と、第1の側部コア72と、第2の側部コア74との移動を示すために、図7には矢印Aが示されている。
【0046】
本発明の方法は、射出成形用金型36を開放位置に移動させるステップと、強化複合層26を射出成形用金型36に配置するステップと、射出成形用金型36を閉鎖位置に移動させるステップとを有する。方法はさらに、支持部24が熱可塑性材料によって形成されかつ強化複合層26と一体化されるように、熱可塑性材料を射出成形用金型36内に噴射するステップを有する。特に、強化複合層26は接触面79を提供し、熱可塑性材料は、接触面79に沿って強化複合層26と接触させられる。
【0047】
支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料との間の相互作用を促進するステップは、熱可塑性材料及び強化複合層26を1つのユニットに組み合わせる。すなわち、溶融状態における熱可塑性材料が、強化複合層と接触させられる場合、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料とが互いに相互作用し、冷却時に、支持部24と強化複合層26とが、互いに一体化する、すなわち一片となる。
【0048】
相互作用を促進するステップは、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料とを融着することであると定義される。特に、方法は、冷却時に複合材料と熱可塑性材料とを融着するために、溶融状態における熱可塑性材料と接触するように強化複合層26のポリマ材料の少なくとも一部を溶融させることを含む。融着は、ポリマ材料が加熱された柔らかくなった状態又は溶融状態にある時に溶融状態における熱可塑性材料が強化複合層26のポリマと相互作用する場合に生じる。冷却時に熱可塑性材料とポリマ材料とが互いに結合されるように、熱可塑性材料とポリマ材料とは互いに相互作用する。特に、熱は溶融状態における熱可塑性材料からポリマ材料へ伝導される。熱はポリマ材料を軟化若しくは溶融させ、軟化又は溶融されたポリマ材料は、溶融状態における熱可塑性材料と相互作用する。
【0049】
熱可塑性材料の第1の融解温度がポリマ材料の第2の融解温度よりも高い構成において、ポリマ材料を溶融させるステップは、さらに、第2の融解温度が接触中に実現されるように、第1の融解温度における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置することと定義される。第1の融解温度における熱可塑性材料が強化複合層26と接触させられると、熱が熱可塑性材料からポリマ材料へ伝導され、ポリマ材料の温度が第1の融解温度まで高められ、これによりポリマ材料を溶融させる。
【0050】
ポリマ材料を溶融させるステップは、さらに、熱を熱質量56からポリマ材料へ伝達するために溶融状態における熱可塑性材料の熱質量56を複合材料と接触して配置することと定義される。熱質量56は図8Bに最もよく示されている。強化複合層26のポリマ材料を溶融させるために熱質量56は強化複合層26と熱可塑性材料との境界面において強化複合層26を加熱する。熱可塑性材料とのより大きな接触面積を提供しかつリブ25のみよりもさらに熱エネルギを保持するために、熱質量56はリブ25よりも厚い。
【0051】
熱可塑性材料からの熱伝導に加え、強化複合層26のポリマ材料の溶融は様々な形式で促進されることができる。例えば、ポリマ材料を溶融させるステップはさらに、強化複合層26を伝導により加熱するために型66を加熱することと定義される。ポリマ材料を第2の融解温度に上昇させるために溶融状態の熱可塑性材料からより小さい熱エネルギが要求されるように、強化複合層26が加熱される。
【0052】
択一的に、又は付加的に、方法は、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置する前に強化複合層26を加熱することを含むことができる。例えば、方法は、強化複合層26を型66内に配置する前に強化複合層26を加熱することを含むことができる。択一的に又は付加的に、方法は、強化複合層26が型66に配置されている時に強化複合層26を加熱するステップを含むことができる。
【0053】
例えば、方法は、熱可塑性材料と強化複合層26との境界面の近傍において型66を絶縁するステップを含む。特に、型66内への熱可塑性材料の導入がさらにプラスチック射出成形であると定義されている構成において、プラスチック射出成形のプロセスは射出成形用金型36を加熱し、射出成形用金型36を絶縁するステップは射出成形用金型36における熱を保持する。射出成形用金型36の熱は強化複合層26のポリマ材料を軟化させ、熱可塑性材料が射出成形用金型36内に噴射された時に熱可塑性材料とポリマ材料との間の融着を促進する。
【0054】
方法は、熱可塑性材料と強化複合層26との境界面の近傍において型66を加熱するステップを含むことができる。例えば、型66は、加熱された油を運搬する加熱された送油管を有することができる。型66を加熱するために熱が油から型66に伝達される。送油管によって型66に伝導された熱はポリマ材料を軟化させ、熱可塑性材料がポリマ材料と接触させられた時に熱可塑性材料とポリマ材料との間の融着を促進する。
【0055】
方法は、強化複合層26を加熱するために強化複合層26に加熱された空気を吹き付けるステップを有することができる。例えば、型66は、エアポケットを有することができ、強化複合層26が型66に配置されている時に、加熱された空気がエアポケットから強化複合層26に吹き付けられる。境界面への熱可塑性材料の導入の前に、加熱された空気は、熱可塑性材料と強化複合層26との境界面において強化複合層26に吹き付けるように方向付けられることができる。加熱された空気は、強化複合層26のポリマ材料を軟化させ、熱可塑性材料が強化複合層26と接触させられた時に熱可塑性材料と強化複合層26との間の融着を促進する。
【0056】
方法は、強化複合層26の表面張力を緩和するために強化複合層26をプラズマ処理又は火炎処理するステップを有することができる。プラズマ処理又は火炎処理は、境界面への熱可塑性材料の導入の前に熱可塑性材料と強化複合層26との境界面において強化複合層26に提供される。強化複合層26のプラズマ処理又は火炎処理は、表面張力を減じ、これは、熱可塑性材料と強化複合層26との間の融着を促進する。
【0057】
方法は、強化複合層26を加熱するために強化複合層26をプラズマ処理挿入体と接触させるステップを有することができる。プラズマ処理挿入体は、境界面への熱可塑性材料の導入の前に熱可塑性材料と強化複合層26との境界面において強化複合層26と接触させられる。プラズマ処理挿入体は、境界面への熱可塑性材料の導入の前に強化複合層26から取り出されることができる。プラズマ処理挿入体は強化複合層26を軟化させ、熱可塑性材料が強化複合層26と接触させられた時に熱可塑性材料と強化複合層26との間の融着を促進する。
【0058】
択一的に、相互作用を促進するステップは、支持部24と強化複合層26とを機械的に結合することと定義される。特に、ステップはさらに、熱可塑性材料の冷却時に穴38を通って強化複合層26を貫通しかつ強化複合層26に係合するプラグ40を形成するために、溶融状態における熱可塑性材料を穴38に導入することと定義される。冷却時、熱可塑性材料は強化複合層26と機械的に結合される。
【0059】
択一的に、又は融着及び機械的な結合に加えて、相互作用を促進するステップはさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置する前に接触面79を犠牲にすることと定義される。すなわち、接触面79は、接触面において強化複合層26の溶融を促進するために粗くされる。
【0060】
相互作用を促進するステップはさらに、相互作用を促進するステップはさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置する前に、強化複合層26に定着剤を提供することと定義される。例えば、定着剤は、噴霧、はけ塗り及び/又は浸漬によって強化複合層26に提供される。定着剤は支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料との間の融着を促進する。このような定着剤の例は、商標名Z-6011 Silaneの、ミシガン州ミッドランドにあるDow Corningから市販されているような、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランである。このような定着剤の別の例は、商標名Grilbond IL-6の、サウスカロライナ州サムターにあるEMS-Primidから市販されているもののような、メチレンジフェニルビスヘキサヒドロアゼピンカルボキサミドである。
【0061】
方法は、通常、型66内に強化複合層26を配置する前に強化複合層26を所定の形状に予備成形するステップをも有する。予備成形するステップはさらに熱成形として定義される。択一的に、予備成形するステップは圧縮成形として定義される。複数の強化複合層42を有する構成において、複数の強化複合層42は、圧縮熱成形又は圧縮成形によって1つの積層体48として組み合わせられる。型66は、強化複合層26が型66に配置される場合に曲げられる又は変形されるように構成されることも認められるべきである。このような構成において、強化複合層26は、熱可塑性材料が強化複合層26と一体化された後にこのような曲げ又は変形を維持する。
【0062】
強化複合層26は、通常、予備成形型76を使用することによって予備成形される。予備成形型76は、所定の形状に対応する予備成形キャビティ80を有する雌予備成形型半部78と、成形キャビティ80に対応する雄予備成形型半部82とを有している。強化複合層26が熱成形によって予備成形される構成において、強化複合層26は、加熱され、予備成形キャビティ80に配置され、これにより、雄予備成形型半部82が強化複合層26に力を加え、予備成形キャビティ80における強化複合層26を永久に変形させる。強化複合層26が圧縮成形によって予備成形される構成において、強化複合層26は予備成形キャビティ80に配置され、雄予備成形型半部82が強化複合層26に力を加え、予備成形キャビティ80における強化複合層26を永久に変形させる。
【0063】
所定の形状は、強化複合層26が複合部材20に提供する構造的強化に基づいて決定される。熱可塑性材料が射出成形される構成において、所定の形状は、主キャビティ68の形状又は主コア70の形状に対応する。強化複合層26は通常、強化複合層26が射出成形用金型36に配置された場合に主キャビティ68又は主コア70と同一平面に位置決めされる。このような構成において、強化複合層26が部分的に複合部材20の外側を形成するように熱可塑性材料が強化複合層26の1つの側部54に接触する。特に、背もたれ22の場合、強化複合層26は脚62のうちの一方の形状に対応するように成形されている。強化複合層26は、プラスチックが強化複合層26を包囲するように射出成形用金型36に位置決めされることもできる。
【0064】
方法はさらに、複数の複合層42を1つの積層体48に組み合わせるステップを有する。複数の複合層42を組み合わせるステップは、第1の方向Dに延びた連続繊維30を備えた複数の強化複合層の少なくとも1つを位置決めし、第1の方向Dに対して角度を成して延びた連続繊維30を備えた複数の強化複合層42のうちの少なくとも別の強化複合層を位置決めすることを含む。
【0065】
発明は、例示的な形式で説明されており、使用された用語は制限ではなく説明の言葉の性質にあると意図されていることが理解されるべきである。明らかに、本発明の多くの変更は、上記説明を考慮して可能であり、特別に説明されたものとは異なって実施されることができる。
【符号の説明】
【0066】
20 複合部材、 22 背もたれ、 24 支持部、 25 リブ、 26 強化複合層、 28 繊維、 30 連続繊維、 32 結合端部、 34 結合部、 36 射出成形用金型、 38 穴、 40 プラグ、 42 強化複合層、 44 第1の強化複合層、 48 積層体、 50 キャビティ、 52 基部、 54 側部、 56 熱質量、 58 第2の支持部、 59 強化複合層、 60 クロスメンバ、 62 脚、 64 ヘッドレストガイド、 66 型、 68 主キャビティ、 70 主コア、 72,74 側部コア、 79 接触面、 80 成型キャビティ、 82 雄予備成形型半部
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、支持部及び強化複合層を有する複合部材、及び複合部材を形成する方法に関する。
【0002】
2.関連技術の説明
複合部材は、1つのユニットを形成するように結合された少なくとも2つの多様な材料から形成されている。複合部材は、車両用の背もたれ及び構造的なビームを含む様々な設定において使用される。車両用の背もたれは、シートアセンブリに組み付けられ、シートアセンブリは、車両の占有者を支持するために自動車等の車両に配置される。
【0003】
背もたれは、乗員によって加えられる荷重等の、背もたれに通常加えられる反復する荷重を支持するための十分な剛性を有することによって構造的な要求を満たさなければならない。背もたれは、車両において移動する貨物及び衝突時の占有者荷重によって生ぜしめられる衝撃等の、衝撃時のき裂又は破壊に耐えるように十分な衝撃強さをも有さなければならない。例えば、貨物は、貨物が固定されておらず、車両が事故に巻き込まれた場合、車両において移動することがある。
【0004】
このように、背もたれは概して鋼等の材料から形成されている。鋼は、上記懸念を満足させるように十分な剛性及び十分な衝撃強さを提供することによって構造的な要求を満たす。しかしながら、鋼製の背もたれは、複数の個々の部材から成り、これらの部材の組立ては、このような構造を比較的高価にする。さらに、鋼は比較的重い材料である。概して車両において、鋼のような重い材料は回避され、可能である場合には、より軽い材料が好まれる。背もたれに関しては、重い材料をより軽い材料と交換することは、車両の燃料経済性を高める。さらに、より軽い材料は、背もたれの組立てプロセス及び車両の組立てプロセスにおいて取り扱いやすい。
【0005】
技術分野において、背もたれをプラスチック等の比較的軽い材料から形成することが知られている。プラスチックは、プラスチックが鋼よりも軽いだけでなく、背もたれ構成要素が、プラスチックから形成されたフレーム部に一体化されることができることからも、このような用途において有利である。このような背もたれ構成要素は、射出成形プロセスの間にフレーム部に一体的に形成されたヘッドレストガイドを含む。また、プラスチックは、一回の射出成形プロセスにおいて背もたれを製造することができるという利点を有する。
【0006】
しかしながら、このような用途におけるプラスチックの使用は、鋼と比較してプラスチックの比較的低い剛性及び低い衝撃強さにより、制限されている。プラスチックから形成された背もたれは、十分な剛性及び衝撃強さを達成するために、鋼から形成されたものよりも厚くなければならない。その結果、プラスチックから形成された背もたれは、車両におけるパッケージングの制約を満たすには厚すぎる。
【0007】
技術分野において、背もたれの剛性及び衝撃強さを高めるために背もたれを複合材料から形成することが知られている。このような背もたれの例は、プラスチック支持部と、支持部を強化するための、支持部に取り付けられた金属強化部とを含む。支持部のプラスチックと強化部の金属との間の十分な相互作用を得ることは困難である。さらに、金属強化部をより軽い材料と交換することによって、重量をさらに減じることができる。さらに、このような背もたれは、プラスチックと金属とから形成されているので、リサイクルが容易ではない。
【0008】
したがって、背もたれの厚さを著しく増大することなく、十分な剛性及び衝撃強さをも有しながらプラスチックによって提供されるような特徴の比較的軽い重量及び一体可能性を有する、背もたれ等の複合部材を製造することが望ましい。また、容易にリサイクル可能な複合部材を製造することも望ましい。さらに、複合部材の材料の間の相互作用をも改良しながら複合部材の剛性及び衝撃強さを高める方法を提供することも望ましい。
【0009】
発明及び利点の概要
本発明は複合部材である。複合部材は、熱可塑性材料を含む支持部を含み、結合端部を提供する。少なくとも1つの強化保護層が支持部の結合端部に突き当たっている。少なくとも1つの強化複合層は、ポリマ材料と、ポリマ材料に含浸された複数の繊維とを有する。ポリマ材料は、支持部の結合端部と一体化された少なくとも1つの強化複合層の結合部を提供する。
【0010】
本発明は、熱可塑性材料を含む支持部と、ポリマ材料とポリマ材料に含浸された複数の繊維とを含む少なくとも1つの複合強化層を含む強化複合層とを有する、複合部材を形成する方法をも含む。この方法は、複合層を型内に配置することを含む。方法は、さらに、熱可塑性材料を溶融状態に加熱し、溶融状態の熱可塑性材料を強化複合層と接触して配置することを含む。方法は、さらに、支持部と強化複合層を一体化するために、支持部の熱可塑性材料と、複合層のポリマ材料との間の相互作用を促進することを含む。
【0011】
したがって、支持部の結合端部を形成する熱可塑性材料は、強化複合層の結合部を形成するポリマ材料と一体化されている。熱可塑性材料と強化複合層との組み合わせは、強化複合層を支持する熱可塑性材料と、熱可塑性材料を強化する強化複合層との、有利な組み合わせを生じる。特に、支持部の熱可塑性材料自体は、荷重を受けた場合に破壊を受けやすく、強化複合層自体は、荷重を受けた場合に破壊を受けやすい。熱可塑性材料と強化複合層値が互いに一体化されている場合、荷重を受けた場合に破壊を回避するために、熱可塑性材料は強化複合層を支持し、強化複合層は熱可塑性材料を強化する。
【0012】
さらに、強化複合層は従来技術と比較して比較的軽いので、複合部材の重量を減じる。さらに、支持部の熱可塑性材料と強化複合層のポリマ材料とは、支持部と強化複合層とを1つのユニットに組み合わせるために互いに容易に一体化される。さらに、複合部材を形成するために使用される材料のタイプにより、複合部材は容易にリサイクル可能である。なぜならば、熱可塑性材料と強化複合層とは、一緒にリサイクル可能であるので、一緒にリサイクル可能ではない多様な材料を分離する必要がないからである。
【0013】
本発明のその他の利点が、添付の図面に関連して考慮された場合に以下の詳細な説明を参照することによってさらによく理解されるので、容易に認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】支持部及び強化複合層を有する、背もたれの形式の複合部材の斜視図である。
【図2】クロスメンバを有する背もたれの別の実施形態の斜視図である。
【図3】クロスメンバと、クロスメンバと一体化されたクロスメンバ複合層とを有する背もたれの別の実施形態の斜視図である。
【図4】強化複合層の斜視図である。
【図5A】強化複合層の1つの実施形態の分解図である。
【図5B】強化複合層の別の実施形態の分解図である。
【図5C】強化複合層の別の実施形態の分解図である。
【図6】予備成形型の斜視図である。
【図7】型に配置された強化複合層を備えた型の概略図である。
【図8A】図1の線8−8に沿った、リブ及び強化複合層の断面図である。
【図8B】リブの別の実施形態の断面図である。
【図8C】リブの別の実施形態の断面図である。
【0015】
発明の詳細な説明
図面において複数の図面を通じて対応する部材を同じ符号が示しており、図面を参照すると、複合部材は概して20で示されている。複合部材20は様々な用途のためのあらゆるタイプの複合部材20であってよいことが認められるべきである。例えば、複合部材20は、背もたれ22又は構造的なビーム(図示せず)であってよい。図示された実施形態において、複合部材20は、自動車等の車両用の背もたれ22である。背もたれ22は、着席した乗員又は貨物を支持するための概して水平に延びた座面を有するシートアセンブリ(図示せず)に組み付けられている。背もたれ22は、例えば、バス、航空機、船舶を含むあらゆるタイプの車両において使用されてよいことが認められるべきである。要求されていないが、背もたれ22は、通常、支持部24及び強化複合層26を包囲する発泡体と、発泡体を被覆するカバーとを有する。
【0016】
図1〜3及び8A〜Cに示されているように、複合部材20は、支持部24と、少なくとも1つの強化複合層26とを有している。付加的に以下に説明されるように、複合部材20は、2つ以上の強化複合層26を有することもできる。支持部24は熱可塑性材料を有しており、強化複合層26は、支持部24の熱可塑性材料と一体化されている。すなわち、以下に説明するように、支持部24と強化複合層26とは、1つのユニットを形成するように互いに取り付けられている。強化複合層26は、支持部24に対して薄い。それぞれの強化複合層26の厚さは、約0.1〜0.5mmであることができる。
【0017】
図5A〜Cに最もよく示されているように、強化複合層26は、ポリマ材料と、ポリマ材料に含浸された複数の繊維28とを有している。強化複合層26は、熱可塑性材料と様々な形式で一体化されることができる。例えば、強化複合層26は、予備成形され、その後に熱可塑性材料と一体化される連続繊維強化マットの形式であることができる。このような連続繊維強化マットの例は、CFRTという商品名の、カナダ、オンタリオ州バーリントンにあるBaycomp Canadaによって市販されているものである。択一的に、例えば、複数の繊維28とポリマ材料とは、熱可塑性材料と同時に一体化される。
【0018】
図8A〜Cに最もよく示されているように、支持部24は結合端部32を有しており、強化複合層26は支持部24の結合端部32に突き当たっている。特に、ポリマ材料は、強化複合層26の結合部34を形成しており、結合部34は支持部24の結合端部32と一体化されている。強化複合層26のポリマ材料は、強化複合層26と支持部24とを互いに取り付けるために支持部24の熱可塑性材料と一体化されている。
【0019】
互いに取り付けられた支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26との組み合わせは、有利な組み合わせを生じる。特に、支持部24の熱可塑性材料自体は、荷重を受けた場合に割れることがある。強化複合層26は、荷重を受けた場合に折れる及び/又は割れることがある。熱可塑性材料と強化複合層26とが互いに一体化されている場合、強化複合層26の折れ及び/又は割れを回避するために、すなわちねじり剛性を提供するために、熱可塑性材料が強化複合層26を支持し、荷重を受けた時に熱可塑性材料の割れを回避するために強化複合層26が熱可塑性材料を強化する。すなわち、強化複合層26は、複合部材20に、増大した剛性及び衝撃強さを提供する。
【0020】
好適には、熱可塑性材料が様々な構成及び形状に成形されることができるように、熱可塑性材料は射出成形されることができるタイプである。当業者に知られているように、プラスチック射出成形は、熱可塑性材料が溶融状態になるように熱可塑性材料を加熱し、熱可塑性材料を型66、特に射出成形用金型36内に噴射することによって行われる。例えば、射出成形用金型36は概して図7に示されている。次いで、熱可塑性材料を固化するために熱可塑性材料が冷却され、その後、熱可塑性材料は射出成形用金型36から取り出される。熱可塑性材料は好適には、射出成形から生じる最終形状製品を製造するタイプのものである。当業者に知られているように、最終形状製品は、射出成形用金型36から取り外された時に仕上げられている射出成形製品として定義される。すなわち、複合部材20は仕上げられており、射出成形用金型36からの取出し後の二次的な仕上げ作業を必要としない。
【0021】
例えば、支持部24の熱可塑性材料は、第1のナイロンを含む。特に、例えば、ナイロンは、繊維強化ナイロンであり、このような繊維強化ナイロンの例は、商品名Ultramid (R) TG7S PA6 である、ニュージャージー州フローハムパークにおけるBASF Corporationから市販されているガラス繊維強化ナイロンである。支持部24は、本発明の性質から逸脱することなく、強化された又は強化されていない、あらゆるタイプの適切な熱可塑性材料から形成されていることができる。
【0022】
強化複合層26のポリマ材料は、通常、支持部24の熱可塑性材料とは異なる第2の熱可塑性材料を含む。1つの実施形態において、第2の熱可塑性材料は、支持部24の第1のナイロンとは異なる第2のナイロンである。択一的に、支持部24の第1のナイロンと、強化複合層26の第2のナイロンとは同じタイプの材料である。本発明の性質から逸脱することなくポリマは熱硬化性材料であってもよいことが認められるべきである。
【0023】
図8A及び図8Bに最もよく示されているように、支持部24の結合端部32は、強化複合層26の結合部34に融着されている。このような構成において、好適には強化複合層26の第2の熱可塑性材料は、支持部24の熱可塑性材料よりも低い融解温度を有している。特に、支持部24の熱可塑性材料は、第1の融解温度を有しており、強化複合層26の第2の熱可塑性材料は、第2の融解温度を有しており、第1の融解温度は第2の融解温度よりも高い。例えば、第1の融解温度は293.3〜315.6℃(560〜600゜F)であり、第2の融解温度は、204.4〜293.3℃(400〜560゜F)である。
【0024】
結合端部32が結合部34に融着されている構成において、結合端部32と結合部34との一体化は、好適には、比較的長い中断されない境界面に沿って延びている。この中断されない境界面は、結合端部32と結合部34との間の一体化の強度を増大する。
【0025】
結合端部32が結合部34に融着されている構成において、好適には、支持部24の熱可塑性材料と、強化複合層26の第2の熱可塑性材料とは、熱可塑性材料と第2の熱可塑性材料とが溶融して互いに一体化するように、相溶性である。
【0026】
1つの構成において、複合部材20は、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26との間に配置されたポリウレタン層を有している。このような構成において、ポリウレタンは、支持部24の熱可塑性材料及び強化複合層26のポリマ材料と融着するようにポリウレタン層が伝導性であるような特性を有するように選択されている。このような構成は、熱可塑性材料及びポリマ材料が選択されることができる材料の範囲を増大する。なぜならば、このような構成において、熱可塑性材料及びポリマ材料は、互いに融着可能である必要はなく、ポリウレタン層に融着可能であることが要求されるからである。
【0027】
図8Cに最もよく示されているように、融着の代わりに又は融着に加えて、支持部24の結合端部32は強化複合層26の結合部34と機械的に結合されている。特に、強化複合層26の結合部34は穴38を形成しており、支持部24の結合端部32は、さらに、穴38を貫通して強化複合層26に係合するプラグ40として形成されている。
【0028】
図5A〜Cに最もよく示されているように、好適には、複数の繊維28はさらに、不連続な繊維、すなわち短い繊維とは逆の複数の連続繊維30として定義されている。連続繊維は細長く、強化複合層26における応力がポリマ材料から連続繊維30へ伝達され、連続繊維30がポリマ材料を強化する。すなわち、応力は連続繊維30へ引き渡され、強化複合層26が荷重を受けた場合にポリマ材料は連続繊維30の周囲において変形することがない。連続繊維30は、ポリマ材料で含浸及び均一に被覆されている。例えば、連続繊維30はそれぞれ、概して同じ方向に延びており、強化複合層26の長さに沿って延びている。強化複合層26が連続繊維30を含む構成において、強化複合層26自体は、連続繊維30に沿って延びた軸線を中心としてフレキシブルであり、荷重を受けた時に座屈を生じる。支持部24は、荷重を受けた時に軸線を中心とする曲げを回避しかつ座屈を回避するために強化複合層26を支持する。択一的に、複数の繊維28が不連続である、すなわち短繊維であることが認められるべきである。複数の繊維28が不連続である構成において、ポリマ材料は繊維28の周囲において変形し、応力はほとんどポリマ材料から繊維28へ引き渡されない。
【0029】
連続であるか、不連続であるか又はその他であるかにかかわらず、複数の繊維28はそれぞれ好適には概して同じ方向に延びている。択一的に、複数の繊維は、種々異なる方向に延びているか、又は織られている、すなわち互いに交錯されていることができる。強化複合層26の複数の繊維28は好適にはガラス繊維である。択一的に、複数の繊維28は炭素繊維である。しかしながら、繊維28は、当業者に知られたあらゆるタイプのものであってよい。
【0030】
図5A〜Cに最もよく示されているように、好適には複合部材20は複数の強化複合層42を含んでいる。このような構成において、好適には複数の強化複合層42のそれぞれは、互いに一体的に積層されており、1つの積層体48を形成している。複合部材20の剛性及び衝撃強さはそれぞれの強化複合層42の付加により増大されている。1つの積層体48を形成する複数の強化複合層42の厚さの合計は、約1〜2mmであることができる。
【0031】
複数の強化複合層42は、連続繊維又は不連続線委を有する強化複合層26のあらゆる組み合わせを含むことができる。例えば、複数の強化複合層42は、連続繊維30を有する複数の強化複合層42、織られた繊維を有する複数の強化複合層42、又は連続繊維30を有する少なくとも複合層26と織られた繊維を有する少なくとも1つの強化複合層26との組み合わせを含むことができる。
【0032】
複合部材20が複数の強化複合層42を含んでいる構成において、各強化複合層26の繊維28の材料は、他のそれぞれの強化複合層26の繊維28と同じ又は異なることができる。例えば、それぞれの強化複合層26の繊維28はガラス繊維であることができ、それぞれの強化複合層26の繊維28は炭素繊維であることができるか、又は複数の強化複合層42は、ガラス繊維を有する1つ又は2つ以上の強化複合層と炭素繊維を有する1つ又は2つ以上の強化複合層26との組み合わせを含むことができる。
【0033】
図5A〜Cに最もよく示されているように、複合層26のそれぞれが連続繊維30を有している構成において、好適には少なくとも第1の強化複合層44が、連続繊維30が第1の方向Dに延びているように向き付けられており、少なくとも第2の強化複合層46が、連続繊維30が第1の方向Dに対して角度を成して延びているように向き付けられている。すなわち、複数の強化複合層42は、少なくとも1つの強化複合層26の繊維28が他の強化複合層26の繊維28に対して角度を成して延びているように配置されることができる。択一的に、複数の強化複合層42は、それぞれの強化複合層42の連続繊維30が他の強化複合層26の繊維28に対して平行に延びているように配置されることができる。
【0034】
複数の強化複合層42の複数の構成が図5A〜Cに示されている。特に、図5Aは、それぞれが連続繊維30を有する6つの強化複合層26を有する、複数の強化複合層42の構成の分解図を示している。図5Aに示された構成を下から順に見ていくと、1つの強化複合層26は第1の方向Dに延びた繊維28を有しており、次の強化複合層26は、第1の方向Dに対して概して90゜に延びた繊維28を有しており、次の2つの強化複合層26はそれぞれ、概して第1の方向Dに沿って延びた繊維28を有しており、次の強化複合層26は、第1の方向Dに対して概して90゜に延びた繊維28を有しており、次の強化複合層は、第1の方向Dに沿って延びた繊維28を有している。
【0035】
図5Bは、それぞれが連続繊維30を有する6つの強化複合層26を有する、複数の強化複合層42の別の構成の分解図を示している。図5Bに示された構成を下から順に見ていくと、2つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに延びた繊維28を有しており、次の2つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに対して概して90゜で延びた繊維28を有しており、次の2つの強化複合層26がそれぞれ、概して第1の方向Dに延びた繊維28を有している。
【0036】
図5Cは、それぞれが連続繊維30を有する7つの強化複合層26を有する、複数の強化複合層42の別の構成の分解図を示している。図5Cに示された構成を下から順に見ていくと、3つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに延びた繊維28を有しており、次の強化複合層26が、第1の方向Dに対して90゜で延びた繊維28を有しており、次の3つの強化複合層26がそれぞれ、第1の方向Dに延びた繊維28を有している。
【0037】
図1〜3及び図8A〜Cに示されているように、支持部24はリブ25を形成しており、リブ25は結合端部32を提供している。強化複合層26は、キャビティ50を形成しており、リブ25はキャビティ50に配置されている。特に、強化複合層26は、基部52及び1対の側部54を備えたコの字型である。1対の側部54のそれぞれは、互いに間隔を置いて配置されており、基部52から延びており、これらの側部の間にキャビティ50を形成している。図8A〜Cに最もよく示されているように、強化複合層26はU字形である。リブ25は、1対の側部54と基部52との間に延びており、1対の側部54及び基部52と一体化されている。
【0038】
図8Bに示されているように、支持部24は、強化複合層26に突き当てられた熱質量を有している。熱質量は、支持部24と強化複合層26との境界面に配置されており、図8Bに示されているように、リブ25は、強化複合層26に突き当てられた熱質量56を有している。以下で説明するように、支持部24が強化複合層26に融着されている構成において、熱質量56は、ポリマ材料の強化複合層26を溶融させるために強化複合層26を加熱する。
【0039】
図1〜3に示されている背もたれ22に関して、背もたれ22は、支持部24から間隔を置いて配置された第2の支持部58と、この第2の支持部58と一体化された別の強化複合層59とを有している。第2の支持部58は、支持部24と同じタイプの熱可塑性材料を含み、別の強化複合層59は、強化複合層26と同じタイプの材料を含む。通常、第2の支持部58及び別の強化複合層59は、支持部24及び強化複合層26の鏡像である。
【0040】
背もたれ22は、通常、背もたれ22の強度及び剛性を高めるために、支持部24と第2の支持部58との間に延びた少なくとも1つのクロスメンバ60を有している。クロスメンバ60は、熱可塑性材料から成り、支持部24及び第2の支持部58と一体的である。特に、図1〜3に示されているように、背もたれ22は、互いに間隔を置いて配置されかつ概して平行に延びた1対の脚62を備えた概してU字形である。クロスメンバ60は、1対の脚62の間に延びており、これらの脚に連結されている。1対の脚62の一方は、支持部24と強化複合層26とによって形成されており、1対の脚62の他方は、第2の支持部58と別の強化複合層59とによって形成されている。強化複合層26及び別の複合層59は、それぞれ、支持部24及び第2の支持部58を強化するために、それぞれ1対の脚62の1つに沿って延びている。特に、強化複合層26及び第2の強化複合層28は、荷重を受けた時に座屈又は割れを生じないように、支持部24及び第2の支持部58を強化している。強化複合層26は、背もたれ22の衝撃剛性を高めるために、背もたれ22の決定的な領域に配置されることができる。
【0041】
熱可塑性材料は、支持部24、第2の支持部58及び/又はクロスメンバ60と一体の、すなわち一片を成した背もたれ構成要素を形成している。特に、図1〜3に示されているように、クロスメンバ60はヘッドレストガイド64を形成している。クロスメンバ60は、ヘッドレストガイド64にヘッドレスト(図示せず)を収容する。支持部24と、第2の支持部58と、クロスメンバ60とは、バックパネル、サイドボルスター、トリムアタッチメント、フォームサポート、バックサポート、アームレストマウント、ランバーサポート、エアバッグマウント及び/又はハウジング、バックサスペンションマウント、及びこれらのあらゆる組み合わせ等の、しかしこれらに限定されない、当業者に知られるあらゆる背もたれ構成要素を形成することができることが認められるべきである。バックパネル及びサイドボルスター等の背もたれ構成要素は、クラスA表面、すなわち車両の占有者に曝される表面を有することができる。例えば、支持部がプラスチック射出成形によって形成されるシナリオにおいて、背もたれ構成要素は、プラスチック射出成形によって支持部と一緒に形成される。
【0042】
1つの構成において、クロスメンバ複合層61は、クロスメンバ60を強化するためにクロスメンバ60と一体化されている。クロスメンバ複合層61は通常、強化複合層26に関してここで説明されたものと同じ材料を含み、通常、強化複合層26に関してここで説明されたような形式で形成されている。クロスメンバ複合層61も、通常、支持部24及び強化複合層26の一体化に関してここで説明されたような形式で、クロスメンバ60と一体化されている。背もたれ22はあらゆる数の強化複合層26を有することができ、各強化複合層26は背もたれ22に沿ったあらゆる箇所に配置されることができることが認められるべきである。
【0043】
本発明はさらに、複合部材20を形成する方法を含む。複合部材20は型66を用いて形成される。特に、方法は、強化複合層26を型66内に配置するステップと、熱可塑性材料を溶融状態に加熱するステップと、溶融状態の熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置するステップとを有する。方法はさらに、支持部24と強化複合層26とを一体化するために、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料との間の相互作用を促進することを含む。
【0044】
通常、熱可塑性材料を加熱し、熱可塑性材料を型66内に配置するステップは、射出成形用金型36を使用する射出成形として定義される。このような構成において、熱可塑性材料を型66内に配置するステップは、熱可塑性材料を射出成形用金型36内に圧力下で噴射することを含む。
【0045】
図7に示されているように、射出成形用金型36は、主キャビティ68と主コア70とを有する。主キャビティ68及び主コア70は、射出成形用金型36内にプラスチックを噴射するための閉鎖位置と、射出成形用金型36から複合部材20を取り出すための開放位置との間で、相対的に移動可能である。特に、図7に示されているように、複合部材20のための射出成形用金型36は、主キャビティ68と、主コア70と、第1の側部コア72と、第2の側部コア74とを有する。このような構成において、好適には主キャビティ68は定置のままであり、主コア70と、第1の側部コア72と、第2の側部コア74とが、開放位置と閉鎖位置との間を移動可能である。主コア70と、第1の側部コア72と、第2の側部コア74との移動を示すために、図7には矢印Aが示されている。
【0046】
本発明の方法は、射出成形用金型36を開放位置に移動させるステップと、強化複合層26を射出成形用金型36に配置するステップと、射出成形用金型36を閉鎖位置に移動させるステップとを有する。方法はさらに、支持部24が熱可塑性材料によって形成されかつ強化複合層26と一体化されるように、熱可塑性材料を射出成形用金型36内に噴射するステップを有する。特に、強化複合層26は接触面79を提供し、熱可塑性材料は、接触面79に沿って強化複合層26と接触させられる。
【0047】
支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料との間の相互作用を促進するステップは、熱可塑性材料及び強化複合層26を1つのユニットに組み合わせる。すなわち、溶融状態における熱可塑性材料が、強化複合層と接触させられる場合、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料とが互いに相互作用し、冷却時に、支持部24と強化複合層26とが、互いに一体化する、すなわち一片となる。
【0048】
相互作用を促進するステップは、支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料とを融着することであると定義される。特に、方法は、冷却時に複合材料と熱可塑性材料とを融着するために、溶融状態における熱可塑性材料と接触するように強化複合層26のポリマ材料の少なくとも一部を溶融させることを含む。融着は、ポリマ材料が加熱された柔らかくなった状態又は溶融状態にある時に溶融状態における熱可塑性材料が強化複合層26のポリマと相互作用する場合に生じる。冷却時に熱可塑性材料とポリマ材料とが互いに結合されるように、熱可塑性材料とポリマ材料とは互いに相互作用する。特に、熱は溶融状態における熱可塑性材料からポリマ材料へ伝導される。熱はポリマ材料を軟化若しくは溶融させ、軟化又は溶融されたポリマ材料は、溶融状態における熱可塑性材料と相互作用する。
【0049】
熱可塑性材料の第1の融解温度がポリマ材料の第2の融解温度よりも高い構成において、ポリマ材料を溶融させるステップは、さらに、第2の融解温度が接触中に実現されるように、第1の融解温度における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置することと定義される。第1の融解温度における熱可塑性材料が強化複合層26と接触させられると、熱が熱可塑性材料からポリマ材料へ伝導され、ポリマ材料の温度が第1の融解温度まで高められ、これによりポリマ材料を溶融させる。
【0050】
ポリマ材料を溶融させるステップは、さらに、熱を熱質量56からポリマ材料へ伝達するために溶融状態における熱可塑性材料の熱質量56を複合材料と接触して配置することと定義される。熱質量56は図8Bに最もよく示されている。強化複合層26のポリマ材料を溶融させるために熱質量56は強化複合層26と熱可塑性材料との境界面において強化複合層26を加熱する。熱可塑性材料とのより大きな接触面積を提供しかつリブ25のみよりもさらに熱エネルギを保持するために、熱質量56はリブ25よりも厚い。
【0051】
熱可塑性材料からの熱伝導に加え、強化複合層26のポリマ材料の溶融は様々な形式で促進されることができる。例えば、ポリマ材料を溶融させるステップはさらに、強化複合層26を伝導により加熱するために型66を加熱することと定義される。ポリマ材料を第2の融解温度に上昇させるために溶融状態の熱可塑性材料からより小さい熱エネルギが要求されるように、強化複合層26が加熱される。
【0052】
択一的に、又は付加的に、方法は、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置する前に強化複合層26を加熱することを含むことができる。例えば、方法は、強化複合層26を型66内に配置する前に強化複合層26を加熱することを含むことができる。択一的に又は付加的に、方法は、強化複合層26が型66に配置されている時に強化複合層26を加熱するステップを含むことができる。
【0053】
例えば、方法は、熱可塑性材料と強化複合層26との境界面の近傍において型66を絶縁するステップを含む。特に、型66内への熱可塑性材料の導入がさらにプラスチック射出成形であると定義されている構成において、プラスチック射出成形のプロセスは射出成形用金型36を加熱し、射出成形用金型36を絶縁するステップは射出成形用金型36における熱を保持する。射出成形用金型36の熱は強化複合層26のポリマ材料を軟化させ、熱可塑性材料が射出成形用金型36内に噴射された時に熱可塑性材料とポリマ材料との間の融着を促進する。
【0054】
方法は、熱可塑性材料と強化複合層26との境界面の近傍において型66を加熱するステップを含むことができる。例えば、型66は、加熱された油を運搬する加熱された送油管を有することができる。型66を加熱するために熱が油から型66に伝達される。送油管によって型66に伝導された熱はポリマ材料を軟化させ、熱可塑性材料がポリマ材料と接触させられた時に熱可塑性材料とポリマ材料との間の融着を促進する。
【0055】
方法は、強化複合層26を加熱するために強化複合層26に加熱された空気を吹き付けるステップを有することができる。例えば、型66は、エアポケットを有することができ、強化複合層26が型66に配置されている時に、加熱された空気がエアポケットから強化複合層26に吹き付けられる。境界面への熱可塑性材料の導入の前に、加熱された空気は、熱可塑性材料と強化複合層26との境界面において強化複合層26に吹き付けるように方向付けられることができる。加熱された空気は、強化複合層26のポリマ材料を軟化させ、熱可塑性材料が強化複合層26と接触させられた時に熱可塑性材料と強化複合層26との間の融着を促進する。
【0056】
方法は、強化複合層26の表面張力を緩和するために強化複合層26をプラズマ処理又は火炎処理するステップを有することができる。プラズマ処理又は火炎処理は、境界面への熱可塑性材料の導入の前に熱可塑性材料と強化複合層26との境界面において強化複合層26に提供される。強化複合層26のプラズマ処理又は火炎処理は、表面張力を減じ、これは、熱可塑性材料と強化複合層26との間の融着を促進する。
【0057】
方法は、強化複合層26を加熱するために強化複合層26をプラズマ処理挿入体と接触させるステップを有することができる。プラズマ処理挿入体は、境界面への熱可塑性材料の導入の前に熱可塑性材料と強化複合層26との境界面において強化複合層26と接触させられる。プラズマ処理挿入体は、境界面への熱可塑性材料の導入の前に強化複合層26から取り出されることができる。プラズマ処理挿入体は強化複合層26を軟化させ、熱可塑性材料が強化複合層26と接触させられた時に熱可塑性材料と強化複合層26との間の融着を促進する。
【0058】
択一的に、相互作用を促進するステップは、支持部24と強化複合層26とを機械的に結合することと定義される。特に、ステップはさらに、熱可塑性材料の冷却時に穴38を通って強化複合層26を貫通しかつ強化複合層26に係合するプラグ40を形成するために、溶融状態における熱可塑性材料を穴38に導入することと定義される。冷却時、熱可塑性材料は強化複合層26と機械的に結合される。
【0059】
択一的に、又は融着及び機械的な結合に加えて、相互作用を促進するステップはさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置する前に接触面79を犠牲にすることと定義される。すなわち、接触面79は、接触面において強化複合層26の溶融を促進するために粗くされる。
【0060】
相互作用を促進するステップはさらに、相互作用を促進するステップはさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層26と接触して配置する前に、強化複合層26に定着剤を提供することと定義される。例えば、定着剤は、噴霧、はけ塗り及び/又は浸漬によって強化複合層26に提供される。定着剤は支持部24の熱可塑性材料と強化複合層26のポリマ材料との間の融着を促進する。このような定着剤の例は、商標名Z-6011 Silaneの、ミシガン州ミッドランドにあるDow Corningから市販されているような、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランである。このような定着剤の別の例は、商標名Grilbond IL-6の、サウスカロライナ州サムターにあるEMS-Primidから市販されているもののような、メチレンジフェニルビスヘキサヒドロアゼピンカルボキサミドである。
【0061】
方法は、通常、型66内に強化複合層26を配置する前に強化複合層26を所定の形状に予備成形するステップをも有する。予備成形するステップはさらに熱成形として定義される。択一的に、予備成形するステップは圧縮成形として定義される。複数の強化複合層42を有する構成において、複数の強化複合層42は、圧縮熱成形又は圧縮成形によって1つの積層体48として組み合わせられる。型66は、強化複合層26が型66に配置される場合に曲げられる又は変形されるように構成されることも認められるべきである。このような構成において、強化複合層26は、熱可塑性材料が強化複合層26と一体化された後にこのような曲げ又は変形を維持する。
【0062】
強化複合層26は、通常、予備成形型76を使用することによって予備成形される。予備成形型76は、所定の形状に対応する予備成形キャビティ80を有する雌予備成形型半部78と、成形キャビティ80に対応する雄予備成形型半部82とを有している。強化複合層26が熱成形によって予備成形される構成において、強化複合層26は、加熱され、予備成形キャビティ80に配置され、これにより、雄予備成形型半部82が強化複合層26に力を加え、予備成形キャビティ80における強化複合層26を永久に変形させる。強化複合層26が圧縮成形によって予備成形される構成において、強化複合層26は予備成形キャビティ80に配置され、雄予備成形型半部82が強化複合層26に力を加え、予備成形キャビティ80における強化複合層26を永久に変形させる。
【0063】
所定の形状は、強化複合層26が複合部材20に提供する構造的強化に基づいて決定される。熱可塑性材料が射出成形される構成において、所定の形状は、主キャビティ68の形状又は主コア70の形状に対応する。強化複合層26は通常、強化複合層26が射出成形用金型36に配置された場合に主キャビティ68又は主コア70と同一平面に位置決めされる。このような構成において、強化複合層26が部分的に複合部材20の外側を形成するように熱可塑性材料が強化複合層26の1つの側部54に接触する。特に、背もたれ22の場合、強化複合層26は脚62のうちの一方の形状に対応するように成形されている。強化複合層26は、プラスチックが強化複合層26を包囲するように射出成形用金型36に位置決めされることもできる。
【0064】
方法はさらに、複数の複合層42を1つの積層体48に組み合わせるステップを有する。複数の複合層42を組み合わせるステップは、第1の方向Dに延びた連続繊維30を備えた複数の強化複合層の少なくとも1つを位置決めし、第1の方向Dに対して角度を成して延びた連続繊維30を備えた複数の強化複合層42のうちの少なくとも別の強化複合層を位置決めすることを含む。
【0065】
発明は、例示的な形式で説明されており、使用された用語は制限ではなく説明の言葉の性質にあると意図されていることが理解されるべきである。明らかに、本発明の多くの変更は、上記説明を考慮して可能であり、特別に説明されたものとは異なって実施されることができる。
【符号の説明】
【0066】
20 複合部材、 22 背もたれ、 24 支持部、 25 リブ、 26 強化複合層、 28 繊維、 30 連続繊維、 32 結合端部、 34 結合部、 36 射出成形用金型、 38 穴、 40 プラグ、 42 強化複合層、 44 第1の強化複合層、 48 積層体、 50 キャビティ、 52 基部、 54 側部、 56 熱質量、 58 第2の支持部、 59 強化複合層、 60 クロスメンバ、 62 脚、 64 ヘッドレストガイド、 66 型、 68 主キャビティ、 70 主コア、 72,74 側部コア、 79 接触面、 80 成型キャビティ、 82 雄予備成形型半部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合部材(20)において、
熱可塑性材料を含みかつ結合端部を提供する支持部(24)が設けられており、
該支持部(24)の前記結合端部(32)に突き当たっておりかつポリマ材料と該ポリマ材料に含浸された複数の繊維(28)とを含む少なくとも1つの強化複合層(26)が設けられており、前記ポリマ材料が、前記支持部(24)の前記結合端部(32)と一体化された前記少なくとも1つの強化複合層(26)の結合部(34)を提供していることを特徴とする、複合部材(20)。
【請求項2】
前記繊維(28)が連続繊維(30)である、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が、複数の強化複合層(42)を含み、第1の強化複合層(44)が、第1の方向(D)に延びた前記連続繊維(30)を有し、第2の強化複合層(46)が、前記第1の方向(D)に対して角度を成して延びた前記連続繊維(30)を有する、請求項2記載の複合部材(20)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が、複数の強化複合層(42)を含み、第1の強化複合層(44)が、前記繊維(28)が第1の方向(D)に延びるように向けられており、第2の強化複合層(46)が、前記繊維(28)が前記第1の方向(D)に対して角度を成して延びるように向けられている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記ポリマ材料が、前記支持部(24)の前記熱可塑性材料とは異なる第2の熱可塑性材料を含む、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項6】
前記熱可塑性材料が第1のナイロンを含み、前記第2の熱可塑性材料が、前記第1のナイロンとは異なる第2のナイロンを含む、請求項5記載の複合部材(20)。
【請求項7】
前記支持部(24)の前記結合端部(32)が、前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記結合部(34)を前記支持部(24)の前記結合端部(32)と一体化するために、前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記結合部(34)に融着されている、請求項5記載の複合部材(20)。
【請求項8】
前記支持部(24)の前記熱可塑性材料が第1の融解温度を有しており、前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記第2の熱可塑性材料が第2の融解温度を有しており、前記第1の融解温度が前記第2の融解温度よりも高い、請求項5記載の複合部材(20)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が複数の強化複合層(42)を含み、該複数の強化複合層の各層が互いに一体的に積層されており、1つの積層体(48)を形成している、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記結合部(34)が穴(38)を形成しており、前記支持部(24)の前記結合端部(32)がさらに、前記穴(38)を通って前記少なくとも1つの強化複合層(26)を貫通しておりかつ該強化複合層に係合したプラグ(40)として形成されている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)がキャビティ(50)を形成しており、前記支持部(24)が、前記キャビティ(50)に配置されたリブ(25)を形成している、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が、基部(52)と、互いに間隔を置いて配置されておりかつ前記基部(52)から延びた1対の側部(54)とを備えたコの字型であり、1対の側部の間に前記キャビティ(50)が形成されている、請求項11記載の複合部材(20)。
【請求項13】
前記リブ(25)が、前記1対の側部(54)及び前記基部(52)との間に延びておりかつ前記1対の側部及び前記基部と一体化されている、請求項12記載の複合部材(20)。
【請求項14】
さらに、前記支持部(24)から間隔を置いて配置された第2の支持部(58)が設けられており、前記第2の支持部(58)を備えた別の強化複合層(59)が、前記熱可塑性材料を含み、前記別の強化複合層(59)が前記第2の支持部(58)と一体化されている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項15】
前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)との間に延びたクロスメンバ(60)が設けられている、請求項14記載の複合部材(20)。
【請求項16】
前記クロスメンバ(60)が、前記熱可塑性材料を含み、前記支持部(24)及び前記第2の支持部と一体的である、請求項15記載の複合部材(20)。
【請求項17】
前記複合部材(20)がさらに、車両用の背もたれ(22)として形成されている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項18】
熱可塑性材料を含む支持部(24)と、ポリマ材料と該ポリマ材料に含浸された複数の繊維(28)とを含む強化複合層(26)とを有する複合部材(20)を形成する方法において、
強化複合層(26)を型(66)内に配置し、
熱可塑性材料を溶融状態に加熱し、
溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置し、
支持部(24)と強化複合層(26)とを一体化させるために支持部(24)の熱可塑性材料と強化複合層(26)のポリマ材料との間の相互作用を促進することを特徴とする、複合部材を形成する方法。
【請求項19】
相互作用を促進するステップがさらに、溶融状態における熱可塑性材料と接触した強化複合層(26)のポリマ材料の一部を溶融させることとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
支持部(24)の熱可塑性材料が、第1の融解温度を有しており、強化複合層(26)のポリマ材料が、第1の融解温度よりも低い第2の融解温度を有しており、ポリマ材料を溶融させるステップがさらに、接触中に第2の融解温度が実現されるように第1の融解温度における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置することとして定義される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ポリマ材料を溶融させるステップがさらに、強化複合層(26)を伝導により加熱するために型(66)を加熱することとして定義される、請求項19記載の方法。
【請求項22】
支持部(24)が、該支持部(24)に沿って延びた熱可塑性材料を含む熱質量を形成しており、ポリマ材料を溶融するステップがさらに、熱を熱質量からポリマ材料へ伝導するために溶融状態における熱質量を強化複合層(26)と接触して配置することとして定義される、請求項19記載の方法。
【請求項23】
複合層(26)が穴(38)を形成しており、相互作用を促進するステップがさらに、熱可塑性材料の冷却時に、穴(38)を通って強化複合層(26)を貫通しかつ該強化複合層に係合するプラグ(40)を形成するために、溶融状態における熱可塑性材料を穴(38)を通って導入することとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項24】
強化複合層(26)が、溶融状態における熱可塑性材料に接触するための接触面(79)を提供し、相互作用を促進するステップがさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置する前に接触面(79)を犠牲にすることとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項25】
相互作用を促進するステップがさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置する前に強化複合層(26)に定着剤を塗布することとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項26】
強化複合層(26)を型(66)内に配置する前に強化複合層(26)を所定の形状に予備成形するステップを含む、請求項18記載の方法。
【請求項27】
型(66)がさらに、射出成形用金型(36)として定義され、熱可塑性材料を型(66)内に配置するステップが、熱可塑性材料を圧力下で射出成形用金型(36)内に噴射することを含む、請求項18記載の方法。
【請求項28】
強化複合層(26)がさらに、複数の強化複合層(42)として定義され、さらに、複数の強化複合層(42)を1つの一体的な積層体(48)に組み合わせることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項29】
強化複合層(26)の繊維(28)がさらに、連続繊維(30)として定義され、複数の強化複合層(42)を組み合わせるステップが、第1の方向(D)に延びた連続繊維(30)を備えた複数の強化複合層(42)のうちの少なくとも1つを位置決めし、第1の方向(D)に対して角度を成して延びた連続繊維(30)を備えた複数の強化複合層(42)のうちの少なくとも別の強化複合層を位置決めすることを含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
複合部材(20)が車両用の背もたれ(22)である、請求項18記載の方法。
【請求項31】
車両用の背もたれ(22)において、
支持部(24)と、該支持部(24)から間隔を置いて配置された第2の支持部(38)とが設けられており、前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)とのそれぞれが、熱可塑性材料を含みかつ結合端部(32)を提供しており、
前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)との間に延びたクロスメンバ(60)が設けられており、
前記支持部(24)の前記結合端部(32)に突き合わされた強化複合層(26)と、前記第2の支持部(58)の前記結合端部に突き合わされた別の強化複合層(59)とが設けられており、
前記強化複合層(26)と前記別の強化複合層(59)とのそれぞれが、ポリマ材料と、該ポリマ材料に含浸された複数の繊維(28)とを含み、前記強化複合層(26)と前記別の強化複合層(26)とのそれぞれの前記ポリマ材料が、前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)との前記結合端部(32)にそれぞれ一体化された結合部(34)を提供していることを特徴とする、車両用の背もたれ(22)。
【請求項1】
複合部材(20)において、
熱可塑性材料を含みかつ結合端部を提供する支持部(24)が設けられており、
該支持部(24)の前記結合端部(32)に突き当たっておりかつポリマ材料と該ポリマ材料に含浸された複数の繊維(28)とを含む少なくとも1つの強化複合層(26)が設けられており、前記ポリマ材料が、前記支持部(24)の前記結合端部(32)と一体化された前記少なくとも1つの強化複合層(26)の結合部(34)を提供していることを特徴とする、複合部材(20)。
【請求項2】
前記繊維(28)が連続繊維(30)である、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が、複数の強化複合層(42)を含み、第1の強化複合層(44)が、第1の方向(D)に延びた前記連続繊維(30)を有し、第2の強化複合層(46)が、前記第1の方向(D)に対して角度を成して延びた前記連続繊維(30)を有する、請求項2記載の複合部材(20)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が、複数の強化複合層(42)を含み、第1の強化複合層(44)が、前記繊維(28)が第1の方向(D)に延びるように向けられており、第2の強化複合層(46)が、前記繊維(28)が前記第1の方向(D)に対して角度を成して延びるように向けられている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記ポリマ材料が、前記支持部(24)の前記熱可塑性材料とは異なる第2の熱可塑性材料を含む、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項6】
前記熱可塑性材料が第1のナイロンを含み、前記第2の熱可塑性材料が、前記第1のナイロンとは異なる第2のナイロンを含む、請求項5記載の複合部材(20)。
【請求項7】
前記支持部(24)の前記結合端部(32)が、前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記結合部(34)を前記支持部(24)の前記結合端部(32)と一体化するために、前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記結合部(34)に融着されている、請求項5記載の複合部材(20)。
【請求項8】
前記支持部(24)の前記熱可塑性材料が第1の融解温度を有しており、前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記第2の熱可塑性材料が第2の融解温度を有しており、前記第1の融解温度が前記第2の融解温度よりも高い、請求項5記載の複合部材(20)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が複数の強化複合層(42)を含み、該複数の強化複合層の各層が互いに一体的に積層されており、1つの積層体(48)を形成している、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)の前記結合部(34)が穴(38)を形成しており、前記支持部(24)の前記結合端部(32)がさらに、前記穴(38)を通って前記少なくとも1つの強化複合層(26)を貫通しておりかつ該強化複合層に係合したプラグ(40)として形成されている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)がキャビティ(50)を形成しており、前記支持部(24)が、前記キャビティ(50)に配置されたリブ(25)を形成している、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの強化複合層(26)が、基部(52)と、互いに間隔を置いて配置されておりかつ前記基部(52)から延びた1対の側部(54)とを備えたコの字型であり、1対の側部の間に前記キャビティ(50)が形成されている、請求項11記載の複合部材(20)。
【請求項13】
前記リブ(25)が、前記1対の側部(54)及び前記基部(52)との間に延びておりかつ前記1対の側部及び前記基部と一体化されている、請求項12記載の複合部材(20)。
【請求項14】
さらに、前記支持部(24)から間隔を置いて配置された第2の支持部(58)が設けられており、前記第2の支持部(58)を備えた別の強化複合層(59)が、前記熱可塑性材料を含み、前記別の強化複合層(59)が前記第2の支持部(58)と一体化されている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項15】
前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)との間に延びたクロスメンバ(60)が設けられている、請求項14記載の複合部材(20)。
【請求項16】
前記クロスメンバ(60)が、前記熱可塑性材料を含み、前記支持部(24)及び前記第2の支持部と一体的である、請求項15記載の複合部材(20)。
【請求項17】
前記複合部材(20)がさらに、車両用の背もたれ(22)として形成されている、請求項1記載の複合部材(20)。
【請求項18】
熱可塑性材料を含む支持部(24)と、ポリマ材料と該ポリマ材料に含浸された複数の繊維(28)とを含む強化複合層(26)とを有する複合部材(20)を形成する方法において、
強化複合層(26)を型(66)内に配置し、
熱可塑性材料を溶融状態に加熱し、
溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置し、
支持部(24)と強化複合層(26)とを一体化させるために支持部(24)の熱可塑性材料と強化複合層(26)のポリマ材料との間の相互作用を促進することを特徴とする、複合部材を形成する方法。
【請求項19】
相互作用を促進するステップがさらに、溶融状態における熱可塑性材料と接触した強化複合層(26)のポリマ材料の一部を溶融させることとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
支持部(24)の熱可塑性材料が、第1の融解温度を有しており、強化複合層(26)のポリマ材料が、第1の融解温度よりも低い第2の融解温度を有しており、ポリマ材料を溶融させるステップがさらに、接触中に第2の融解温度が実現されるように第1の融解温度における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置することとして定義される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ポリマ材料を溶融させるステップがさらに、強化複合層(26)を伝導により加熱するために型(66)を加熱することとして定義される、請求項19記載の方法。
【請求項22】
支持部(24)が、該支持部(24)に沿って延びた熱可塑性材料を含む熱質量を形成しており、ポリマ材料を溶融するステップがさらに、熱を熱質量からポリマ材料へ伝導するために溶融状態における熱質量を強化複合層(26)と接触して配置することとして定義される、請求項19記載の方法。
【請求項23】
複合層(26)が穴(38)を形成しており、相互作用を促進するステップがさらに、熱可塑性材料の冷却時に、穴(38)を通って強化複合層(26)を貫通しかつ該強化複合層に係合するプラグ(40)を形成するために、溶融状態における熱可塑性材料を穴(38)を通って導入することとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項24】
強化複合層(26)が、溶融状態における熱可塑性材料に接触するための接触面(79)を提供し、相互作用を促進するステップがさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置する前に接触面(79)を犠牲にすることとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項25】
相互作用を促進するステップがさらに、溶融状態における熱可塑性材料を強化複合層(26)と接触して配置する前に強化複合層(26)に定着剤を塗布することとして定義される、請求項18記載の方法。
【請求項26】
強化複合層(26)を型(66)内に配置する前に強化複合層(26)を所定の形状に予備成形するステップを含む、請求項18記載の方法。
【請求項27】
型(66)がさらに、射出成形用金型(36)として定義され、熱可塑性材料を型(66)内に配置するステップが、熱可塑性材料を圧力下で射出成形用金型(36)内に噴射することを含む、請求項18記載の方法。
【請求項28】
強化複合層(26)がさらに、複数の強化複合層(42)として定義され、さらに、複数の強化複合層(42)を1つの一体的な積層体(48)に組み合わせることを含む、請求項18記載の方法。
【請求項29】
強化複合層(26)の繊維(28)がさらに、連続繊維(30)として定義され、複数の強化複合層(42)を組み合わせるステップが、第1の方向(D)に延びた連続繊維(30)を備えた複数の強化複合層(42)のうちの少なくとも1つを位置決めし、第1の方向(D)に対して角度を成して延びた連続繊維(30)を備えた複数の強化複合層(42)のうちの少なくとも別の強化複合層を位置決めすることを含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
複合部材(20)が車両用の背もたれ(22)である、請求項18記載の方法。
【請求項31】
車両用の背もたれ(22)において、
支持部(24)と、該支持部(24)から間隔を置いて配置された第2の支持部(38)とが設けられており、前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)とのそれぞれが、熱可塑性材料を含みかつ結合端部(32)を提供しており、
前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)との間に延びたクロスメンバ(60)が設けられており、
前記支持部(24)の前記結合端部(32)に突き合わされた強化複合層(26)と、前記第2の支持部(58)の前記結合端部に突き合わされた別の強化複合層(59)とが設けられており、
前記強化複合層(26)と前記別の強化複合層(59)とのそれぞれが、ポリマ材料と、該ポリマ材料に含浸された複数の繊維(28)とを含み、前記強化複合層(26)と前記別の強化複合層(26)とのそれぞれの前記ポリマ材料が、前記支持部(24)と前記第2の支持部(58)との前記結合端部(32)にそれぞれ一体化された結合部(34)を提供していることを特徴とする、車両用の背もたれ(22)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【公表番号】特表2010−500198(P2010−500198A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524174(P2009−524174)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058246
【国際公開番号】WO2008/019981
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058246
【国際公開番号】WO2008/019981
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]