説明

複数のアンテナを使用するシステムにおける送信モードを検出するための方法

基地局(10)によって使用される送信モードの受信および復号化の選択をユーザ端末(14)において行うための、ユーザ端末(14)、通信ネットワーク(10、14)、コンピュータ読み取り可能な媒体、および、方法。ユーザ端末(14)は複数のアンテナ(12)を有する基地局(10)から通信された情報を複数のチャネルを介して受信する。複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む。本方法は、プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して、基地局(10)からの初期のデータをユーザ端末(14)において受信するステップと、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが基地局(10)によって使用されたかを、受信した初期のデータから検出するステップと、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、検出した第1の送信モードまたは第2の送信モードを使用して少なくとも1つの制御チャネルを復号化するステップとを含む。ここに、第1の送信モードは、第1の数のアンテナが基地局(10)によって使用される送信モードであり、第2の送信モードは、第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが基地局(10)によってユーザ端末(14)と通信するために使用される送信モードである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信システム、デバイス、ソフトウェア、および方法に関する。より詳細に、基地局の送信モードを選択するためのメカニズムおよび技術に関する。
【背景技術】
【0002】
過去何年かの間に、音声、ビデオ、およびデータのサービスの提供に対する無線アクセス技術への関心は増大してきている。セルラ通信においては、種々の通信技術が使用されている。移動通信に対して最も広く利用されている無線アクセス技術はディジタルセルラである。増大する関心は3G(第3世代)システムの中で示されている。3Gシステム、そして、UTRA(ユニバーサル地上無線アクセス)標準によって導入された、さらに広帯域の無線通信によって、ウェブサーフィンのようなアプリケーションが、何百万というユーザにとって容易にアクセスできるようになった。
【0003】
ネットワーク製造業者によって新しいネットワーク設計が展開されている現在でも、エンドユーザデバイスに対してより大きなデータスループットを提供する将来システムが、議論され開発され続けている。例えば、3GPPのLTE(ロング・ターム・エボリューション)標準化プロジェクトと呼ばれるプロジェクトは、来るべき近い将来における無線通信に対する技術的基盤を提供することを目的としている。
【0004】
システムの伝送レートを増加させ、無線チャネルに起こるフェーディングに対して更なるダイバーシティを提供するために、現代の無線通信システムは、マルチアンテナ(しばしばMIMOシステムと呼ばれる)を使用するトランシーバを備えている。図1に示すように、マルチアンテナは、受信機側、送信機側、および/または、両方の側に配置させることができる。さらに具体的に、図1は、4つのアンテナ12を有する基地局10と2つのアンテナ12を有するユーザ端末14を示す。図1に示すアンテナの数は、典型的なものであって、以下で議論する典型的な実施形態において基地局またはユーザ端末で使用されるアンテナの実際の数を限定することは意図していない。
【0005】
「基地局」という用語は、以下では一般的な用語として使用される。周知のように、WCDMA(広帯域符号分割多元接続)アーキテクチャでは、NodeBは基地局に対応する。換言すれば、基地局は、NodeBの1つの可能な実施形態である。しかしながら、NodeBは従来の基地局よりも広範である。一般に、NodeBは論理ノードのことを言う。WCDMAにおけるNodeBは、図2における例に示すように、1つまたは複数のセルの中における送信と受信とを扱っている。図2は、2つのNodeB 10と1つのユーザ端末14とを示す。ユーザ端末14は、専用チャネル16を使用してNodeB 10と通信を行う。この2つのNodeBは、対応する無線ネットワーク制御装置(RNC)18に通信線で接続されている。1つのRNC18は、2つ以上のNodeB 10を制御することができる。RNC18は、コアネットワーク20に接続されている。LTEアーキテクチャに対しては、単一のノードが存在し、それがeNodeBである。1つの可能なLTEアーキテクチャは図3に示され、ここでは、eNodeB 22は、物理レイヤPHY24、媒体アクセス制御MAC26、無線リンク制御RLC28、および、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコルPDCP30を含むことができる。
【0006】
従来の「基地局」という用語は、WCDMAアーキテクチャのNodeBまたはLTEアーキテクチャのeNodeBよりも狭義であるが、以下の実施形態においては、「基地局」という用語は、NodeB、eNodeB、または他のネットワークに特化された他のノードを定義するものとして使用する。従って、本明細書において定義されて使用される「基地局」という用語は、ネットワークにおける従来の基地局ユニットに限定されるものではない。
【0007】
LTEは、いくつかのアンテナ、例えば、1つ、2つ、または4つのアンテナを支持するように設計されている。受信機側でダウンリンクコヒーレント復調を実行するために、ユーザ端末はダウンリンクチャネルの推定を行う必要がある。LTEシステムの中で使用される直交周波数分割多重(OFDM)伝送の場合に、チャネル推定を可能とする1つの様式は、OFDM時間−周波数グリッドの中に既知の参照シンボルを挿入することである。これは例として図4に示されている。図4に示すように、ダウンリンク参照シンボル40は、それぞれのスロットの所定のOFDMシンボルの中に挿入され、周波数領域では、例えば、6つのサブキャリア(副搬送波)の間隔である(図4ではダウンリンク参照シンボルのスケールは合っていない)。
【0008】
全ての時間−周波数グリッドにわたってチャネルを推定するために、ユーザ端末は複数の参照シンボルにわたって、内挿/平均化を実行することができる。従って、あるリソースブロック(例として図5に示されている)に対してチャネルの推定を行う場合には、ユーザ端末は、そのリソースブロックの中の参照シンボルを使用するばかりでなく、周波数領域において隣接するリソースブロックとともに、以前に受信したスロット/フレームの参照シンボルも使用することができる。しかしながら、ユーザ端末が、周波数領域および/または時間領域において、複数のリソースブロックにわたって平均化できる範囲は、チャネル特性に依存する。チャネルの周波数選択性が高い場合には、周波数領域における平均化に対する可能性は限定される。同様に、例えば、ユーザ端末の移動速度が速い等でチャネル変動が速い場合には、時間領域における平均化の可能性、すなわち、以前に受信したスロット/サブフレームにおける参照シンボルを使用できる可能性は限定される。
【0009】
一般に、送信ユニットのそれぞれの送信アンテナに対応するダウンリンクチャネルを推定するために、それぞれのアンテナから送信される1つのダウンリンク参照信号が存在する。送信アンテナが2つの場合には、第2のアンテナの参照シンボルは、第1のアンテナの参照シンボルと周波数多重される。これは例として図6aに示されている。送信アンテナが4つの場合には、第3のアンテナおよび第4のアンテナに対する参照シンボルは、それぞれのスロットにおける第2のOFDMシンボルの中で周波数多重される。これは図6bに示されている。第3のアンテナおよび第4のアンテナに対する参照シンボルは、それぞれのスロットにおける1つのOFDMシンボルの中でだけ送信することができる。種々の異なるアンテナからの参照シンボル間の干渉を回避するために、あるアンテナに対する参照シンボルを搬送するリソース要素は、他のアンテナに関する情報は搬送しないようにする。
【0010】
送信アンテナが4つの場合には、第3のアンテナおよび第4のアンテナの時間領域における参照シンボル密度は、第1のアンテナおよび第2のアンテナとのそれと比較して、低減される。この構成は、送信アンテナが4つの場合に参照信号のオーバーヘッドを限定するために使用される。同時に、この構成は、非常に高速なチャネル変動を追尾する能力に対して負の影響を与える。4つのアンテナの空間多重は、主としてユーザ端末が低いモビリティである場合のシナリオに対して適用されるので、この構成は、LTEシステムにおいては保持される。送信アンテナが4つの場合に第1のアンテナと第2のアンテナとに対して、より高い参照シンボル密度を維持する理由は、LTEシステムでは、これらの参照信号は、最初のセル探索の一部として使用されるであろうと仮定しているからである。最初のセル探索の間は、ユーザ端末はセルの中に配置されている送信アンテナの数について、全ての情報はまだ捕捉していない。従って、第1のアンテナおよび第2のアンテナの参照信号の構成は、アンテナの数に拘わらず同一である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Dahlman、他、「3G Evolution HSPA and LTE for Mobile Broadband」、121ページ、Elsevier(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ユーザ端末が、基地局に接続して基地局とデータの交換を行うために、最初に必要とする参照信号と他の情報は、プライマリー・ブロードキャストチャネル(BCH)を介して取得することができる。実際は、ユーザ端末があるセルに接続するためには、いくつかのチャネルが必要である。ユーザ端末は、同期チャネル(SCH)を使用することにより同期情報を取得した後に、プライマリー・ブロードキャストチャネルを復号化して、セカンダリー・ブロードキャストチャネルおよび/またはL1/L2制御チャネルを含む、他のチャネルを復号化するのに必要な、少なくとも最小のシステム情報を得ることができる。1つの典型的な実施形態では、同期チャネルとプライマリー・ブロードキャストチャネルの両方は、基地局から正規の時間間隔で送信することができる。プライマリー・ブロードキャストチャネルは、それぞれのフレームに対して割り当てられた所定の数のビットを有し、それぞれのビットは、システムに関する事前に設定された情報を通信するのに使用することができる。しかしながら、基地局によって使用されるアンテナの数に関する情報を含むように、プライマリー・ブロードキャストチャネルのビットを割り当てることは、高価になりかつ困難である。この情報の必要性は以下で議論される。
【0013】
低速度シナリオから高速度シナリオまでに適応可能とするためには、ユーザ端末は、それぞれ、2つのアンテナと4つのアンテナの場合に対して、少なくとも2つの異なる送信ダイバーシティモードをサポートする必要がある。これらのモードを復号化するためには、正確なチャネル推定が必要である。上記で議論したように、このような推定を算出するために、共通の参照シンボルがトレーニングデータとして使用される。参照シンボルは基地局の全ての送信アンテナに分配されており、これにより全てのアンテナについてチャネルの推定が可能になる。上記で議論したように、シグナリングオーバーヘッドを低く抑えるために、第3の送信アンテナと第4の送信アンテナでは参照シンボル密度が、より低くされる。この事実によって、高速度シナリオの場合にはユーザ端末の動作性能が低下する。従って、高速度シナリオに対して使用される現状の技術は、基地局においてただ2つのアンテナのみを利用する送信モードを使用する。これは、残りの2つのアンテナの送信能力を無駄にしてしまうものである。
【0014】
従って、上記で説明した問題と欠点とを回避する、方法、デバイス、システム、およびソフトウェアが提供されることが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1つの典型的な実施形態に従えば、基地局によって使用される送信モードの、受信および復号化をユーザ端末において選択するための方法が存在する。ユーザ端末は、複数のアンテナを有する基地局と複数のチャネルを介して通信を行う。そして、複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む。本方法は、基地局からの初期のデータ(initiating data)を、プライマリー・ブロードキャストチャネルを介してユーザ端末が受信するステップと、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが基地局によって使用されたかを、受信した初期のデータから検出するステップと、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、検出した第1の送信モードまたは第2の送信モードを使用して少なくとも1つの制御チャネルを復号化するステップとを含む。ここに、第1の送信モードは、第1の数のアンテナが基地局によって使用される送信モードであり、第2の送信モードは、第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが基地局によってユーザ端末と通信するために使用される送信モードである。
【0016】
別の典型的な実施形態に従えば、通信ユーザ端末は、複数のチャネルを介して基地局からユーザ端末に送信されるデータの送信モードの受信を選択する。複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む。ユーザ端末は、プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して基地局からの初期のデータを受信するよう構成された少なくとも1つのアンテナと、その少なくとも1つのアンテナに接続され、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが基地局によって使用されているかを、受信した初期のデータから検出するよう構成されたプロセッサとを含む。第1の送信モードは、第1の数のアンテナが基地局によって使用される送信モードであり、第2の送信モードは、第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが基地局によってユーザ端末と通信するために使用される送信モードである。プロセッサはまた、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、検出された第1の送信モードまたは第2の送信モードを使用して、少なくとも1つの制御チャネルを復号化するよう構成される。
【0017】
さらに別の典型的な実施形態に従えば、通信ネットワークは基地局を含む。この基地局は、1つ以上のアンテナを有し、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む複数のチャネルを介して、第1の送信モードまたは第2の送信モードを使用して、初期のデータを送信するよう構成される。第1の送信モードは、第1の数のアンテナが基地局によって使用される送信モードであり、第2の送信モードは、第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが基地局によって初期のデータを送信するために使用される送信モードである。通信ネットワークは、ユーザ端末をさらに含み、このユーザ端末は、プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して初期のデータを受信し、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが基地局によって使用されているかを、受信した初期のデータから検出し、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、検出した第1の送信モードまたは第2の送信モードを使用して少なくとも1つの制御チャネルを復号化するよう構成される。
【0018】
別の典型的な実施形態に従えば、複数のチャネルを介してユーザ端末と情報の通信を行うために基地局によって使用される、送信モードの送信および符号化を基地局において選択するための方法が存在する。基地局は複数のアンテナを有し、複数のチャネルはプライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む。本方法は、基地局において、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して第1の送信モードまたは第2の送信モードを選択するステップと、基地局において、少なくとも1つの制御チャネルに対して送信モードを決定するステップと、基地局において、選択した送信モードに基づいて信号を符号化するステップと、符号化した信号を、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを介して、基地局からユーザ端末に送信するステップとを含む。ここに、第1の送信モードは、第1の数のアンテナが基地局によって使用される送信モードであり、第2の送信モードは、第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが基地局によってユーザ端末と通信するために使用される送信モードである。また、決定するステップは、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、選択された第1の送信モードまたは第2の送信モードに基づいて実行される。
【0019】
別の典型的な実施形態に従えば、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ実行可能な命令を記憶する。ここに、命令は、ユーザ端末のプロセッサによって実行される場合には、基地局によって使用された送信モードを選択するようユーザ端末を起動する。ユーザ端末は、複数のアンテナ有する基地局と複数のチャネルを介して通信を行う。複数のチャネルはプライマリー・ブロードキャストチャネルおよび1つ以上の制御チャネルを含む。コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶された命令は、プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して基地局からの初期のデータをユーザ端末において受信することと、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが基地局によって使用されたかを、受信した初期のデータから検出することと、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、検出した第1の送信モードまたは第2の送信モードを使用して少なくとも1つの制御チャネルを復号化することとを、プロセッサに命令する。ここに、第1の送信モードは、第1の数のアンテナが基地局によって使用される送信モードであり、第2の送信モードは、第1の数は異なる、第2の数のアンテナが基地局によってユーザ端末と通信するために使用される送信モードである。
【0020】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、また本明細書の一部を構成するものであり、1つ以上の実施形態を示しており、本明細書の記述とともに、これらの実施形態を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】それぞれ複数のアンテナを有する、基地局とユーザ端末とを含む送信構成を示す図である。
【図2】NodeBを含むWCDMAアーキテクチャを示す図である。
【図3】eNodeBを含むLTEアーキテクチャを示す図である。
【図4】OFDM時間−周波数グリッドの中に含まれる参照シンボルを示す図である。
【図5】リソースブロックを示す図である。
【図6A】、
【図6B】それぞれ、2つのアンテナおよび4つのアンテナに対する参照シンボルの分布を示す図である。
【図7】ユーザ端末の一般的構成を示す図である。
【図8】基地局とユーザ端末との間で使用される通信チャネルの、典型的な例を示す図である。
【図9】典型的な実施形態に従った、ユーザ端末における第1の送信モードおよび第2の送信モードの受信および復号化を選択するための方法を実行するステップを示す、典型的なフローチャートである。
【図10】典型的な実施形態に従った、基地局における送信モードの送信および符号化を選択するための方法を実行するステップを示す、典型的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
典型的な実施形態の以下の記述では添付の図面を参照する。異なる図面における同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を識別する。以下の詳細な記述は本発明を限定するものではない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって画定される。以下の実施形態では、簡単にするために、上記で説明したLTEシステムの用語と構成に関して議論されている。しかしながら、以下で議論する実施形態は、LTEシステムに限定されるものではなく、他の現行の通信システムにも適用可能である。
【0023】
本明細書を通して、「1つの実施形態」、または「実施形態」という言及は、実施形態に関連して記述される、ある特定の特徴、構成、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。従って、本明細書を通して随所に現れる「1つの実施形態において」、または「実施形態において」という文言は、必ずしも全てが同一の実施形態を参照しているものではない。さらに、特定の特徴、構成、または特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な様式で組み合わせることができる。
【0024】
図7は、典型的な実施形態に従った、ユーザ端末14の一般的な構成を示す。ユーザ端末14は、プロセッサ72に接続された1つ以上のアンテナ70を含む。プロセッサ72は、アンテナ70を介して受信した信号を解析して処理するよう構成される。プロセッサ72は、バス76を介してメモリ74に接続される。当業者は、図7から、それぞれ示された要素は、電気回路、ソフトウェア命令、またはこれら2つの可能性の組み合わせとして実現することができると理解するであろう。ユーザ端末14はまた、1つの送信モードから別の送信モードヘ切り替えを行う切り替えユニット78を含む。その他のユニット、および/または、要素は、例えば、ユーザがプロセッサ72に命令を入力することができるようにする入力/出力ユニット80、または、ユーザ端末14が別の通信システムからデータを受信することができるようにする通信ポート82である。符号化、復号化、変調、復調、暗号化、スクランブリング、プリコーディング、等の種々の操作を実行するための更なるユニット(図示せず)は、オプションとして、電気素子ばかりでなく、ソフトウェア、またはこれら2つの可能性の組み合わせによって実現することができる。これは当業者には理解されるであろう。
【0025】
次に、データ交換を開始するため、また、データ交換を行うための送信モードを選択するために、基地局とユーザ端末との間で行うシグナリングについて説明する。同期チャネルは、ユーザ端末に対して、同期情報に加えて、プライマリー・ブロードキャストチャネルの上のデータの送信が1つのアンテナポート(またはアンテナ)または複数のアンテナポート(またはアンテナ)のどちらによっているかに関する情報を提供することができる。LTE仕様によれば、アンテナポートは、アンテナポートに特化した参照信号の存在によって規定される。従って、同一の参照信号が複数の物理アンテナから送信されてしまうと、これらのアンテナはユーザ端末から見て分離することができず、アンテナは単一のアンテナポートとして一緒に見えてしまう可能性がある。しかしながら、もし、それぞれのアンテナが、残りのアンテナが使用していない参照信号を使用するとすれば、物理アンテナとアンテナポートとの間には一対一のマッピングが存在する。典型的な実施形態の記述を簡単にするために、以下では「アンテナ」という用語を使用する。
【0026】
ユーザ端末が、基地局から(例えば、同期チャネル)の信号を受信し、基地局によってプライマリー・ブロードキャストチャネルを通してデータの通信を行うために複数のアンテナポートが使用されていることを検出した場合に、プライマリーBCHを復号化する以前には、2つのアンテナポートと4つのアンテナポートとの判別をすることができない。従って、ユーザ端末は、アンテナポートの正確な数を知ることができない。いくつかの実施形態では、ユーザ端末は単一のアンテナポートと複数のアンテナポートとの区別さえすることができない。従って、基地局が、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対してトランスペアレントでないマルチアンテナ送信方式を使用する場合には、ユーザ端末は、通信チャネルに対する送信方式のブラインド検出を行わなければならない。1つの実施形態において、基地局によって使用される送信ダイバーシティモードが、送信アンテナの数に直接対応する場合には、ブラインド復号化によって基地局におけるアンテナポートの数に関する情報も得ることができ、他の制御チャネルに対しても同じ数が使用される。しかしながら、全ての典型的な実施形態においてこの様なことはなく、従って、ダイバーシティモードと送信アンテナの数との間のこの単純なマッピングは、個々の場合には失敗をしてしまう。
【0027】
上記で説明したように、例えば、アンテナポート3およびアンテナポート4の、より低い参照信号密度ゆえに、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、および、4つのアンテナポートが存在しうる場合における他のコントロールチャネルに対しても、2台の送信機(2Tx)を用いた送信ダイバーシティを使用する理由(例えば、ユーザ端末のモビリティが高い等)はあるであろう。従って、この実施形態に対しては、送信モードの数(2つ)はアンテナポートの数(4つ)に対応してはいない。すなわち、制御チャネルは、システムに配置されているアンテナポートの数と、必ずしも同じ数のアンテナで送信されるわけではない。従って、データチャネルに対して使用されるアンテナの数は、制御チャネルに対して使用されるアンテナの数と比較して異なることがある。しかしながら、このシナリオでは、ユーザ端末に対して実際のアンテナポートの数をシグナリング(信号により伝達)する必要がある。このシグナリングは、プライマリー・ブロードキャストチャネルの上で実行することができる。これにより、残りのチャネル(制御チャネル)を復号化することが可能となり、これらのチャネルに対するブラインド検出を回避することができる。これは複雑で、かつ、信頼性が低い可能性さえある。しかしながら、シグナリングオーバーヘッドの観点からすると、この種の情報に対して、メッセージフィールドをプライマリー・ブロードキャストチャネルの上に割り当てることは、経費がかかることである。従って、LTEにおけるプライマリー・ブロードキャストチャネルはこのようなフィールドを含んではいない。
【0028】
LTE仕様は、プライマリー・ブロードキャストチャネル以外に、セカンダリー・ブロードキャストチャネルを参照する。セカンダリー・ブロードキャストチャネルもまた、システム情報を含む。このチャネルはペイロードに依存して大きさを変えることができる。そして、このチャネルの上の情報は、プライマリー・ブロードキャストチャネルよりも低いレートで送信することができる。従って、1つの典型的な実施形態においては、セカンダリー・ブロードキャストチャネルのこの付加された柔軟性によって、プライマリー・ブロードキャストチャネルにおける場合と比較して、セカンダリー・ブロードキャスト信号の中に更なる情報ビットを導入できる可能性が与えられる。プライマリー・ブロードキャストチャネルにおいては、それぞれのビットは既に使用されている。ビット数が固定であるため、プライマリー・ブロードキャストチャネルが、例えばカバレッジに関して最悪の場合を扱うよう設計される必要がある。従って、セカンダリー・ブロードキャストチャネルを使用して、例えば、基地局で使用されるアンテナポートの数をユーザ端末にシグナリングすることにより、プライマリー・ブロードキャストチャネルによって生ずるシグナリングオーバーヘッドを最小に維持することができる。
【0029】
典型的な実施形態に従えば、アンテナポートの数のシグナリングは、プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して実行するのではなく、プライマリー・ブロードキャストチャネルを復号化した後に、制御チャネルの内の1つ/いくつかが復号化されるまで延期される。従って、この典型的な実施形態に従えば、プライマリー・ブロードキャストチャネルの上でアンテナポートの数をシグナリングすることは回避される。しかしそれでも、共通制御チャネルおよびL1/L2制御チャネルに対して、2台送信機による送信モードまたは4台送信機(4Tx)による送信モードを使用することができる。典型的な実施形態に従えば、プライマリー・ブロードキャストチャネルを復号化した後にアンテナポートの数が未知であったとしても、共通制御チャネルおよびL1/L2制御チャネルは、これらのチャネルに対して使用される送信ダイバーシティモードのブラインド検出を行う必要なく、復号化可能である。このことは、プライマリー・ブロードキャストチャネルを復号化した後に復号化された制御チャネル(LTEでは、例えば、セカンダリー・ブロードキャストチャネルおよび物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH))を送信するために使用されるアンテナポートの数が、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して使用されるアンテナポートの数を既知の関数に代入して決定可能であることを保証することによって達成される。例えば、基地局は第1の送信モードを使用してプライマリー・ブロードキャストチャネルを送信し、第2の送信モードを使用して制御チャネルを送信するか、またはその反対か、または、基地局はプライマリー・ブロードキャストチャネルおよび制御チャネルの両方に対して同じ送信モードを使用するか、それらを決定することができる。従って、プライマリー・ブロードキャストチャネルの送信モードのブラインド検出を行うことにより、制御チャネルに対する送信モードが明らかになる。
【0030】
プライマリー・ブロードキャストチャネルを復号化した後に復号化されるチャネル(例えば、1つの実施形態においてはセカンダリー・ブロードキャストチャネル)の上で送信アンテナの数をシグナリングするために、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して使用されている送信モードのブラインド検出が行われる。プライマリー・ブロードキャストチャネルに対する送信モードのブラインド検出の例は、種々の異なる送信モードを仮定して受信信号を復号化しようと試みるステップを含む。それぞれの仮定した送信モードに対して、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対する巡回冗長検査(CRC)が実行される。そして、所定の範囲の中にあることが検出されると、その仮定した送信モードが検出された送信モードと見なされる。プライマリー・ブロードキャストチャネルの送信モードのブラインド検出を行った後に、ユーザ端末は、プライマリー・ブロードキャストチャネルのその送信モードを使用して、その後に復号化される共通制御チャネルおよびL1/L2制御チャネルに対してどちらの送信モードを仮定するかの判定を行う。これにより、これらの制御チャネルの復号化が容易になる。プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して使用されるアンテナの数がまた、いくつのアンテナがその後に復号化される制御チャネルを送信するために使用されるのかを決定するので、このメカニズムは有効に働く。
【0031】
1つの典型的な実施形態に従って、基地局の送信モードを決定するための処理を、図8を参照して議論する。この実施形態においては、共通制御チャネルおよびL1/L2制御チャネルは、2台送信機による送信ダイバーシティか4台送信機による送信ダイバーシティかのいずれかを使用することができると仮定する。最初に、ステップ80において、ユーザ端末は、同期チャネルを介して、少なくともプライマリー・ブロードキャストチャネルに対して1つまたは複数のアンテナポートが使用されるという情報が与えられる。あるいは、同期チャネルはアンテナの数に関する情報を何も与えない場合があり、本実施形態は、単純な変形を加えて、この場合も包含することができる。上記で議論したように、同期チャネルは、2つ以上のアンテナポートが基地局によって使用された場合には、アンテナポートの正確な数に関する情報をユーザ端末に提供しない。ステップ82において、ユーザ端末はプライマリー・ブロードキャストチャネルを受信し、2つの送信ダイバーシティ方式の内のどちらが使用されているかのブラインド検出を行う。ユーザ端末は、2つの仮定(すなわち、2つのアンテナポートと4つのアンテナポート)の下にプライマリー・ブロードキャストチャネルを復号化し、どちらの仮定が最良のCRCを与えるかの判定を行うことにより、ブラインド検出を実行することができる。巡回冗長検査は、送信誤りを扱う1つの手法であり、これは、非特許文献1に開示されており、参照により全ての内容を本明細書に組み入れる。
【0032】
ステップ84において、4台送信機による送信ダイバーシティが検出された場合には、ユーザ端末は、基地局には4つのアンテナポートが存在することを知る。また、ユーザ端末は、同じ送信ダイバーシティ方式がL1/L2制御チャネルおよび/またはセカンダリー・ブロードキャストチャネルに対して使用されるということも知る。その後に、ユーザ端末はこれらのチャネルの復号化を開始することができる。これらのチャネルが復号化されると、ステップ86において、基地局は、アンテナポートの正確な数を、プライマリー・ブロードキャストチャネルの上で送信するのではなく、これらのチャネルの上で送信することができる。従って、明らかな形でシグナリングされたアンテナポートの数は、他のチャネル(全てまたはそれらのサブセット)に対しても適用可能になる。他のチャネルとは、例えば、LTEにおけるPDSCH等の物理共有データチャネル(physical shared data channel)である。ユーザ端末は、基地局によって使用されるアンテナポートの正確な数を知って、ステップ88において、物理共有データチャネルの上でデータの受信を開始することができる。物理共有データチャネルは、論理データチャネルの上のユーザに特化したデータを運ぶ。しかし、それらは、また、セカンダリー・ブロードキャストチャネルに対応した情報を送信するのに使用することもできる。
【0033】
ステップ84において2台送信機による送信ダイバーシティが検出された場合には、ユーザ端末は、基地局において2つのアンテナポートまたは4つのアンテナポートのどちらが存在するかを知らない。しかしながら、この実施形態においては、ユーザ端末は、L1/L2制御チャネルおよび/またはセカンダリー・ブロードキャストチャネルもまた2台送信機による送信ダイバーシティを使用することを知っている。これは、システムは、L1/L2制御チャネルおよびセカンダリー・ブロードキャストチャネルはプライマリー・ブロードキャストチャネルと同じ数の送信アンテナを使用するよう設計されているからである。従って、ステップ86においてユーザ端末は、セルの中に設けられるアンテナポートの正確な数を知ることなく、L1/L2制御チャネルおよび/またはセカンダリー・ブロードキャストチャネルを復号化することができる。従って、ステップ86において、アンテナポートの数は、これらの制御チャネルの内の1つ(例えば、セカンダリー・ブロードキャストチャネル)の上でシグナリングを行うことができる。そして、ステップ88において、ユーザ端末は、共有データチャネルを介してデータの受信を開始することができる。従ってここでは、これらのデータチャネルは、セカンダリー・ブロードキャストチャネルの上でシグナリングされた数の送信アンテナを使用する。
【0034】
図9は、典型的な実施形態に従って、第1の送信モードおよび第2の送信モードの受信および復号化をユーザ端末において選択するための本方法のステップを示す。ユーザ端末は、複数のチャネルを介して、複数のアンテナを有する基地局から通信された情報を受信する。複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む。本方法に従えば、ステップ90において、ユーザ端末は、プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して基地局からデータを受信する。ステップ92において、ユーザ端末は、基地局が第1の送信モードまたは第2の送信モードのどちらを使用しているかを、受信したデータから検出する。第1の送信モードは、第1の数のアンテナを基地局が使用していることを指示し、第2の送信モードは、少なくとも1つの制御チャネルを通してユーザ端末と通信するために、第1の数とは異なる、第2の数のアンテナを基地局が使用していることを指示する。ステップ94において、ユーザ端末は、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、判定された送信モードを使用して、少なくとも1つの制御チャネルの復号化をサポートする。
【0035】
別の典型的な実施形態に従った方法として、図10は、複数のチャネルを介してユーザ端末と情報の通信を行うために、基地局が使用する送信モードの送信および符号化を基地局において選択する方法を示す。基地局は複数のアンテナを有する。複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む。本方法に従えば、ステップ100において、基地局はプライマリー・ブロードキャストチャネルに対して第1の送信モードまたは第2の送信モードを選択する。第1の送信モードは、第1の数のアンテナを基地局が使用していることを示している。第2の送信モードは、ユーザ端末と通信するために、第1の数とは異なる、第2の数のアンテナを基地局が使用していることを示している。ステップ110において、基地局は、少なくとも1つの制御チャネルに対する送信モードを決定する。ここに、決定は、プライマリー・ブロードキャストチャネルの、選択された第1の送信モードまたは第2の送信モードに基づいて実行される。ステップ120において、基地局は、選択した送信モードに基づいて信号を符号化する。そして、ステップ130において、基地局は、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを介して、符号化した信号をユーザ端末に送信する。
【0036】
以上のように、これまでに議論した典型的な実施形態の1つの利点は、プライマリー・ブロードキャストチャネルの上でのアンテナポートの数のシグナリングを回避することである。これによって、第1のアンテナポートおよび第2のアンテナポートに基づいて迅速な処理を行うことができ、それでも、共通制御チャネルおよびL1/L2制御チャネルに対しては送信ダイバーシティモード(基地局において利用可能な全ての数のアンテナポートを使用する)を適用できる。これは高速シナリオの場合に有利である可能性がある。高速シナリオにおいて、4台送信機による送信ダイバーシティモードを使用する場合には、第3のアンテナポートおよび第4のアンテナポートに対する参照信号密度を低減することは、制御チャネルのリンク品質に負の影響を及ぼすことになるであろう。プライマリー・ブロードキャストチャネルに引き続く制御チャネルに対して使用する送信アンテナの数を、プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して使用する送信アンテナの数によって決定し、セカンダリーBCHまたは他の制御チャネル上で送信アンテナの数を明確な形でシグナリングにより信号伝達することにより、共有データチャネルおよび制御チャネルに対しては異なった数のアンテナを使用することが可能になる。セカンダリー・ブロードキャストチャネルの上でアンテナポートの数の新しい数値を送信することにより、システムにおけるアンテナポートの数を動的に切り替えることもできるようになる。この場合、いつ切り替えを行うかという規則と組み合わせることも可能であろう。上記で説明した典型的な実施形態は、この利点を提供することができる。一方で、プライマリー・ブロードキャストチャネルの上でアンテナポートの数をシグナリングする必要性は回避することができる。プライマリー・ブロードキャストチャネルに更なる情報を挿入することは困難な課題なのである。
【0037】
ここに開示した典型的な実施形態は、基地局がユーザ端末と通信を行う場合に、基地局によって使用される送信モードを選択するための、システム、方法、および、コンピュータプログラム製品をユーザ端末に提供するものである。本記述は本発明を限定することを意図するものではない、と理解されるべきである。反対に、これらの典型的な実施形態は、代替案、変更、および、均等物を包含すると意図され、それらのものは添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の趣旨と範囲のなかに包含される。さらに、典型的な実施形態の詳細なる記述においては、本発明の包括的な理解を提供するために、多くの個々の詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、このような個々の詳細を用いずとも、種々の実施形態を実行することができると理解するであろう。
【0038】
また、当業者には理解されるであろうように、典型的な実施形態は、無線通信デバイス、通信ネットワークにおいて、方法としてまたはコンピュータプログラムの中で具現化することができる。従って、典型的な実施形態は、完全にハードウェアの実施形態またはハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた実施形態の形を取ることができる。さらに、典型的な実施形態は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品の形を取ることができる。この記憶媒体は、その媒体の中に組み込まれたコンピュータ読み取り可能な命令を有する。ハードディスク、CD−ROM、DVD、光学記憶デバイス、または、フロッピー(登録商標)ディスクまたは磁気テープ等の磁気記憶デバイスを含む、任意の適切なコンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体の限定的でない他の例は、フラッシュ型のメモリまたは他の既知のメモリを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局(10)によって使用される送信モードをユーザ端末(14)において選択するための方法であって、前記ユーザ端末(14)は、複数のアンテナ(12)を有する前記基地局(10)から通信された情報を複数のチャネルを介して受信し、前記複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含み、
前記方法は、
前記基地局(10)からの初期のデータを、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して前記ユーザ端末(14)において受信する受信ステップと、
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが前記基地局(10)によって使用されているかを、前記受信した初期のデータから検出する検出ステップであって、前記第1の送信モードは、第1の数のアンテナが前記基地局(10)によって使用される送信モードであり、前記第2の送信モードは、前記第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが前記基地局(10)によって前記ユーザ端末(14)と通信するために使用される送信モードである、検出ステップと、
前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうち前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについて検出された送信モードを使用して前記少なくとも1つの制御チャネルを復号化する復号化ステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに基づいて前記第1の送信モードまたは第2の送信モードが検出された後に、前記少なくとも1つの制御チャネルのみを介して、送信に使用される前記アンテナの数を受信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出ステップは、前記ブロードキャストチャネルに対する前記第1の送信モードまたは第2の送信モードを、前記基地局における前記アンテナの数を通知されることなく、前記ユーザ端末において検出するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のアンテナは、1つ、2つ、または4つのアンテナであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のチャネルは、セカンダリー・ブロードキャストチャネルおよびL1/L2制御チャネルをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルは、前記ユーザ端末と通信を行うために前記基地局によって使用される、前記アンテナの数を送信するために利用可能なメッセージフィールドを有していないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの制御チャネルを介して前記アンテナの数が前記ユーザ端末に送信された後でさらに所定の時間が経過した後に、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび前記少なくとも1つの制御チャネルを復号化する場合に、前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうちの一方から前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうちの他方に切り替えるステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ端末は、前記少なくとも1つの制御チャネルに対する送信モードとして、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについての前記送信モードと事前に設定された関係を有した送信モードを使用するよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユーザ端末(14)であって、前記ユーザ端末(14)は、複数のチャネルを介して基地局(10)から前記ユーザ端末(14)に送信されるデータの送信モードを選択し、前記複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含み、
前記ユーザ端末(14)は、
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して、前記基地局(10)から初期のデータを受信するよう構成された少なくとも1つのアンテナ(70)と、
プロセッサ(72)であって、前記少なくとも1つのアンテナ(70)に接続され、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが前記基地局(10)によって使用されているかを前記受信した初期のデータから検出し、前記第1の送信モードは、第1の数のアンテナが前記基地局(10)によって使用される送信モードであり、前記第2の送信モードは、前記第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが前記基地局(10)によって前記ユーザ端末(14)と通信するために使用される送信モードであり、第1の送信モードおよび第2の送信モードのうち前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについて前記検出した送信モードを使用して前記少なくとも1つの制御チャネルを復号化するよう構成されたプロセッサ(72)と
を備えることを特徴とするユーザ端末(14)。
【請求項10】
前記基地局によって使用される前記アンテナの数は、前記プロセッサによって、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに基づいて、前記第1の送信モードまたは第2の送信モードが検出された後に、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルとは異なるチャネルを介して、前記ユーザ端末の前記少なくとも1つのアンテナによって受信されることを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記基地局における前記アンテナの数を通知されることなく、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに対する前記第1の送信モードまたは第2の送信モードを検出するようさらに構成されていることを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項12】
前記基地局における前記アンテナの数は1つ、2つ、または、4つであることを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項13】
前記少なくとも1つのアンテナは、セカンダリー・ブロードキャストチャネルおよびL1/L2制御チャネルを受信するよう構成されていることを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項14】
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルは、前記ユーザ端末と通信を行うために前記基地局によって使用される、前記アンテナの数を送信するために利用可能なメッセージフィールドを有していないことを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項15】
前記少なくとも1つの制御チャネルを介して前記基地局における前記アンテナの数が前記ユーザ端末に送信された後でさらに所定の時間が経過した後に、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび前記少なくとも1つの制御チャネルを復号化する場合に、前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうちの一方から前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうちの他方に切り替えるよう構成された切り替えユニットをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの制御チャネルに対する送信モードとして、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについての前記送信モードと事前に設定された関係を有した送信モードを使用するようさらに構成されることを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項17】
通信ネットワーク(10、14)であって、
1つ以上のアンテナ(12)を有し、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含む複数のチャネルを介して、第1の送信モードまたは第2の送信モードを使用して初期のデータを送信するよう構成された基地局(10)であって、前記第1の送信モードは、第1の数のアンテナが前記基地局(10)によって使用される送信モードであり、前記第2の送信モードは、前記第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが前記基地局(10)によって前記初期のデータを送信するために使用される送信モードである、基地局と、
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して前記初期のデータを受信し、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが前記基地局(10)によって使用されているかを、前記受信した初期のデータから検出し、前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうち前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについて前記検出した送信モードを使用して前記少なくとも1つの制御チャネルを復号化するよう構成されているユーザ端末(14)と
を備えることを特徴とする通信ネットワーク。
【請求項18】
複数のチャネルを介してユーザ端末(14)と情報の通信を行うために、基地局(10)において、前記基地局(10)が使用する送信モードを選択するための方法であって、前記基地局(10)は複数のアンテナ(12)を有し、前記複数のチャネルはプライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含み、
前記方法は、
前記基地局(10)において前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに対し第1の送信モードまたは第2の送信モードを選択するステップであって、前記第1の送信モードは、第1の数のアンテナが前記基地局(10)によって使用される送信モードであり、前記第2の送信モードは、前記第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが前記基地局(10)によって前記ユーザ端末(14)と通信するために使用される送信モードである、ステップと、
前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうち前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについて前記選択された送信モードに基づいて、前記少なくとも1つの制御チャネルに対する送信モードを前記基地局(10)において決定するステップと、
前記選択された送信モードに基づいて、前記基地局(10)において信号を符号化するステップと、
前記符号化した信号を前記ユーザ端末(14)に、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび前記少なくとも1つの制御チャネルを介して、前記基地局から送信するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記基地局が使用する前記アンテナの数は、前記第1の送信モードまたは第2の送信モードを前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに基づいて前記ユーザ端末によって検出した後に、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルとは異なるチャネルを介して前記ユーザ端末に送信することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基地局における前記アンテナの数は、1つ、2つ、または4つであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
セカンダリー・ブロードキャストチャネルおよびL1/L2制御チャネルを前記基地局から送信するステップをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルは、前記ユーザ端末と通信を行うために前記基地局によって使用される、前記アンテナの数を送信するために利用可能なメッセージフィールドを有していないことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの制御チャネルを介して前記基地局における前記アンテナの数が前記ユーザ端末に送信された後でさらに所定の時間が経過した後に、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび前記少なくとも1つの制御チャネルを符号化する場合に、前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうちの一方から前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうちの他方に切り替えるステップをさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記決定するステップは、前記少なくとも1つの制御チャネルに対して送信モードを適用するステップをさらに備え、前記適用される送信モードは、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについて前記選択された送信モードと所定の関係を有した送信モードであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項25】
コンピュータ実行可能な命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記命令は、ユーザ端末(14)のプロセッサ(72)によって実行されるときに、基地局(10)によって使用される送信モードを選択するよう、前記ユーザ端末(14)を機能させ、前記ユーザ端末(14)は、複数のチャネルを介して、複数のアンテナ(12)を有する前記基地局(10)と通信し、前記複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含み、
前記命令は、
前記基地局(10)からの初期のデータを、前記プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して前記ユーザ端末(14)において受信するステップと、
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが前記基地局(10)によって使用されているかを、前記受信した初期のデータから検出するステップであって、前記第1の送信モードは、第1の数のアンテナが前記基地局(10)によって使用される送信モードであり、前記第2の送信モードは、前記第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが前記基地局(10)によって前記ユーザ端末(14)と通信するために使用される送信モードである、ステップと、
前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうち前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについて前記検出した送信モードを使用して前記少なくとも1つの制御チャネルを復号化するステップと
を備えることを特徴とする媒体。
【請求項26】
通信ユーザ端末(14)であって、前記ユーザ端末(14)は、複数のチャネルを介して基地局(10)から前記ユーザ端末(14)に送信されるデータの送信モードを選択し、前記複数のチャネルは、プライマリー・ブロードキャストチャネルおよび少なくとも1つの制御チャネルを含み、
前記ユーザ端末(14)は、
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルを介して前記基地局(10)からの初期のデータを受信する手段(70)と、
前記プライマリー・ブロードキャストチャネルに対して、第1の送信モードおよび第2の送信モードのどちらが前記基地局(10)によって使用されたかを、前記受信した初期のデータから検出する手段(72)であって、前記第1の送信モードは、第1の数のアンテナが前記基地局(10)によって使用される送信モードであり、前記第2の送信モードは、前記第1の数とは異なる、第2の数のアンテナが前記基地局(10)によって前記ユーザ端末(14)と通信するために使用される送信モードであり、前記第1の送信モードおよび第2の送信モードのうち前記プライマリー・ブロードキャストチャネルについて前記検出した送信モードを使用して前記少なくとも1つの制御チャネルを復号化する手段と
を備えることを特徴とするユーザ端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−526512(P2010−526512A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507362(P2010−507362)
【出願日】平成20年5月5日(2008.5.5)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050507
【国際公開番号】WO2008/136750
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】