説明

複数のパイプの連結構造体

【課題】溶接による局部的な強度低下がなく、様々な形状に形成可能であり、安価に製作可能な複数のパイプの連結構造体を提供する。
【解決手段】連結構造体101は、少なくとも第1パイプ10と第2パイプ20とが連結具30を介して連結されたものである。連結具30は、第1パイプ10及び第2パイプ20がそれぞれ挿通されるとともに、連結具30をその厚さ方向に且つ互いに非連通状態に貫通した第1挿通孔及び第2挿通孔を有している。第1パイプ10が第1挿通孔内に連結具30の厚さ方向に貫通して挿通され且つ第2パイプ20が第2挿通孔内に連結具30の厚さ方向に貫通して挿通された状態で、第1パイプ10と第2パイプ20とがそれぞれエキスパンド加工され、これにより第1パイプ10と第2パイプ20とが連結具30に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2個のパイプが連結具を介して互いに連結された複数のパイプの連結構造体、及び、少なくとも2個のパイプを連結具を介して互いに連結する複数のパイプの連結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両のステアリングサポートビーム(ステアリングハンガビーム、インパネリインフォースメントを含む。)等の各種フレームは、車両部品の配置スペースや車内空間を確保するため、屈曲した形状などの様々な形状に形成されている。このようなフレームをパイプを曲げ加工することにより製作する場合、曲げ加工の曲率半径に制限を受けたり、曲げ加工のために製造コストが高くついたり、あるいは十分な寸法精度が得られないという難点があった。
【0003】
また従来、車両のフレームとして、例えば、2個のパイプが互いに連結された連結構造体により構成されたステアリングサポートビームが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この連結構造体では、2個のパイプは、溶接により互いに接合連結されていたり、ボルト止めにより互いに連結されている。
【0004】
なお、パイプをエキスパンド加工する方法として、特開2002−224743号公報、特開平4−8818号公報、特開平11−36859号公報、特開平7−223030号公報などに開示されているように、エキスパンド加工用ダイを用いた方法が知られている(特許文献4〜7参照)。
【特許文献1】特開平7−315249号公報(段落0013及び0019、図1及び2)
【特許文献2】特開2001−63628号公報(段落0031〜0033、図7)
【特許文献3】特開2001−253368号公報(段落0006、図1)
【特許文献4】特開2002−224743号公報
【特許文献5】特開平8−8818号公報(第2頁、第8図)
【特許文献6】特開平11−36859号公報
【特許文献7】特開平7−223030号公報(段落0004〜0007、図5−7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、上記の連結構造体には次の欠点があった。
【0006】
2個のパイプを溶接により互いに接合連結する場合には、溶接時の溶接熱やブローホールの発生により局部的な強度低下を招く虞があるという欠点があった。
【0007】
2個のパイプをボルト止めにより互いに連結する場合には、パイプにボルト孔の加工等の機械加工を施す必要があり、その結果、製造コストが高くなるという欠点があった。
【0008】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、溶接による局部的な強度低下がなく、様々な形状に形成可能であり、安価に製作可能な複数のパイプの連結構造体、及び、複数のパイプの連結方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の手段を提供する。
【0010】
なお本発明では、複数個のパイプの中からどのパイプを「第1パイプ」とし、どのパイプを「第2パイプ」とするのかについては任意に決定されるものである。
【0011】
[1] 少なくとも第1パイプと第2パイプとが連結具を介して連結された複数のパイプの連結構造体であって、
連結具は、第1パイプ及び第2パイプがそれぞれ挿通されるとともに、連結具をその厚さ方向に且つ互いに非連通状態に貫通した第1挿通孔及び第2挿通孔を有しており、
第1パイプが第1挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通して挿通され且つ第2パイプが第2挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通して挿通された状態で、第1パイプと第2パイプとがそれぞれエキスパンド加工されて、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されていることを特徴とする複数のパイプの連結構造体。
【0012】
[2] 第1パイプの軸線と第2パイプの軸線とが互いにオフセットした状態に、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されている前項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【0013】
[3] 第1パイプの軸線に対して相対的に第2パイプの軸線が角度をなした状態に、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されている前項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【0014】
[4] 連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1挿通孔の向きに対して相対的に第2挿通孔の向きが前記角度をなした状態に、第1連結部に対して相対的に第2連結部が屈曲している前項3記載の複数のパイプの連結構造体。
【0015】
[5] 連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材が配置されるとともに、第1連結部と第2連結部とが角度保持部材に固定されている前項4記載の複数のパイプの連結構造体。
【0016】
[6] 連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結するダクト部材が配置されるとともに、第1連結部と第2連結部とがダクト部材に固定されている前項4記載の複数のパイプの連結構造体。
【0017】
[7] ダクト部材は、連結具の第1連結部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能している前項6記載の複数のパイプの連結構造体。
【0018】
[8] 第1パイプの軸線に対して相対的に第2パイプの軸線が捻れの位置にある状態に、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されている前項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【0019】
[9] 連結部は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部が捻れている前項8記載の複数のパイプの連結構造体。
【0020】
[10] 連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部が屈曲するとともに、中間板部に対して相対的に第2連結部が中間板部の屈曲方向とは反対方向に屈曲しており、
連結具の第1連結部と中間板部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する第1角度保持部材が配置されるとともに、第1連結部と中間板部とが第1角度保持部材に固定されており、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する第2角度保持部材が配置されるとともに、中間板部と第2連結部とが第2角度保持部材に固定されている前項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【0021】
[11] 連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えるとともに、中間板部に開孔が設けられており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部が屈曲するとともに、中間板部に対して相対的に第2連結部が中間板部の屈曲方向とは反対方向に屈曲しており、
連結具の第1連結部と中間部材との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と中間部材の開孔とを連通状態に連結する第1ダクト部材が配置されるとともに、第1連結部と中間板部とが第1ダクト部材に固定されており、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間部材の開孔と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結する第2ダクト部材が配置されるとともに、中間板部と第2連結部とが第2ダクト部材に固定されている前項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【0022】
[12] 第1ダクト部材は、連結具の第1連結部と中間板部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能している前項11記載の複数のパイプの連結構造体。
【0023】
[13] 第2ダクト部材は、連結具の中間板部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能している前項11又は12記載の複数のパイプの連結構造体。
【0024】
[14] 連結具は、押出加工により形成されたものである前項1〜13のいずれかに記載の複数のパイプの連結構造体。
【0025】
[15] 第1パイプ及び第2パイプのうち少なくとも一方のパイプは、断面多角形状であり、
連結具の第1挿通孔及び第2挿通孔のうち前記一方のパイプに対応する挿通孔の断面形状は、前記一方のパイプの断面形状に対応した形状である前項1〜14のいずれかに記載の複数のパイプの連結構造体。
【0026】
[16] 少なくとも第1パイプと第2パイプとを連結具を介して連結する複数のパイプの連結方法であって、
連結具は、第1パイプ及び第2パイプがそれぞれ挿通されるとともに、連結具をその厚さ方向に且つ互いに非連通状態に貫通した第1挿通孔及び第2挿通孔を有しており、
第1パイプを第1挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通させて挿通した状態で、第1パイプをエキスパンド加工することにより、第1パイプを連結具に固定する工程と、
第2パイプを第2挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通させて挿通した状態で、第2パイプをエキスパンド加工することにより、第2パイプを連結具に固定する工程と、
を含んでいることを特徴とする複数のパイプの連結方法。
【0027】
[17] 連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部を曲げる曲げ加工工程を含んでいる前項16記載の複数のパイプの連結方法。
【0028】
[18] 連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と第2連結部とを角度保持部材に固定する工程と、
を含んでいる前項17記載の複数のパイプの連結方法。
【0029】
[19] 連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結するダクト部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と第2連結部とをダクト部材に固定する工程と、
を含んでいる前項17記載の複数のパイプの連結方法。
【0030】
[20] ダクト部材は、連結具の第1連結部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能するものである前項19記載の複数のパイプの連結方法。
【0031】
[21] 連結部は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部を捻る捻り加工工程を含んでいる前項16記載の複数のパイプの連結方法。
【0032】
[22] 連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部を曲げる曲げ加工工程と、
連結具の中間板部に対して相対的に第2連結部を中間板部の曲がり方向とは反対方向に曲げる曲げ加工工程と、
連結具の第1連結部と中間板部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する第1角度保持部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と中間板部とを第1角度保持部材に固定する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する第2角度保持部材を配置する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部とを第2角度保持部材に固定する工程と、
を含んでいる前項16記載の複数のパイプの連結方法。
【0033】
[23] 連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えるとともに、中間板部に開孔が設けられており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部を曲げる曲げ加工工程と、
連結具の中間板部に対して相対的に第2連結部を中間板部の屈曲方向とは反対方向に曲げる曲げ加工工程と、
連結具の第1連結部と中間板部との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と中間板部の開孔とを連通状態に連結する第1ダクト部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と中間板部とを第1ダクト部材に固定する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間板部の開孔と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結する第2ダクト部材を配置する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部とを第2ダクト部材に固定する工程と、を含んでいる前項16記載の複数のパイプの連結方法。
【0034】
[24] 第1ダクト部材は、連結具の第1連結部と中間板部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能するものである前項22記載の複数のパイプの連結方法。
【0035】
[25] 第2ダクト部材は、連結具の中間板部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能するものである前項23又は24記載の複数のパイプの連結方法。
【0036】
[26] 連結具は、押出加工により形成されたものである前項16〜25のいずれかに記載の複数のパイプの連結方法。
【0037】
[27] 第1パイプ及び第2パイプのうち少なくとも一方のパイプは、断面多角形状であり、
連結具の第1挿通孔及び第2挿通孔のうち、前記一方のパイプに対応する挿通孔の断面形状は、前記一方のパイプの断面形状に対応した形状である前項16〜26のいずれかに記載の複数のパイプの連結方法。
【0038】
[28] 第1パイプと第2パイプとをそれぞれ、エキスパンド加工用ダイを用いたエキスパンド加工方法によりエキスパンド加工する前項16〜27のいずれかに記載の複数のパイプの連結方法。
【発明の効果】
【0039】
本発明は以下の効果を奏する。
【0040】
[1]の発明では、第1パイプと第1パイプとがそれぞれエキスパンド加工されて、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されているので、溶接による局部的な強度低下は生じない。そのため、高い連結強度の複数のパイプの連結構造体を提供できる。
【0041】
さらに、連結具の所定部位について曲げ加工や捻り加工等の所定の塑性加工を施すことにより、連結構造体を様々な形状に容易に形成できる。
【0042】
さらに、複数のパイプを連結するためにパイプにボルト孔の加工等の機械加工を必ずしも施すことを要しないので、連結構造体を安価に製作できる。
【0043】
[2]の発明では、第1パイプの軸線と第2パイプの軸線とが互いにオフセットした状態の連結構造体を提供できる。
【0044】
[3]の発明では、第1パイプの軸線に対して相対的に第2パイプの軸線が角度をなした状態の連結構造体を提供できる。
【0045】
[4]の発明では、連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部を曲げる曲げ加工を行うことにより、上記[3]の発明に係る連結構造体が製作される。そのため、この連結構造体を容易に且つ安価に製作できる。
【0046】
[5]の発明では、連結具の第1連結部と第2連結部との間の角度を角度保持部材により強固に保持でき、これにより、第1パイプの軸線と第2パイプの軸線との間の角度を強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体を提供できる。
【0047】
[6]の発明では、第1パイプの軸線に対して相対的に第2パイプの軸線が角度をなした状態であり、且つ、第1パイプの端面開口と第2パイプの端面開口とがダクト部材を介して互いに連通した状態の連結構造体を提供できる。
【0048】
[7]の発明では、ダクト部材が角度保持部材としても機能しているので、連結具の第1連結部と第2連結部との間の角度をダクト部材により強固に保持でき、これにより、第1パイプの軸線と第2パイプの軸線との間の角度を強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体を提供できる。
【0049】
[8]の発明では、第1パイプの軸線に対して相対的に第2パイプの軸線が捻れの位置にある状態の連結構造体を提供できる。
【0050】
[9]の発明では、連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部を捻る捻り加工を行うことにより、上記[8]の発明に係る連結構造体が製作される。そのため、この連結構造体を容易に且つ安価に製作できる。
【0051】
[10]の発明では、より複雑な形状の連結構造体を提供できる。さらに、第1角度保持部材と第2角度保持部材によって、第1パイプの軸線と第2パイプの軸線とを互いに平行な状態に強固に保持できるか、あるいは第1パイプの軸線と第2パイプの軸線との間の角度を強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体を提供できる。
【0052】
[11]の発明では、より複雑な形状の連結構造体を提供できる。さらに、第1ダクト部材と第2ダクト部材と連結具の連結板部の開孔とによって、第1パイプの端面開口と第2パイプの端面開口とを互いに連通させることができる。
【0053】
[12]の発明では、第1ダクトが角度保持部材としても機能しているので、連結具の第1連結部と連結板部との間の角度を第1ダクト部材により強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体を提供できる。
【0054】
[13]の発明では、第2ダクトが角度保持部材としても機能しているので、連結具の連結板部と第2連結部との間の角度を第2ダクト部材により強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体を提供できる。
【0055】
[14]の発明では、連結具が押出加工により形成されたものであるから、連結具を容易に且つコスト的に有利に製造できる。
【0056】
[15]の発明では、第1パイプ及び第2パイプのうち少なくとも一方のパイプは、断面多角形状あり、連結具の第1挿通孔及び第2挿通孔のうち、前記少なくとも一方のパイプに対応する挿通孔の断面形状は、前記少なくとも一方のパイプの断面形状に対応した形状である。したがって、断面多角形状のパイプが連結具の対応する挿通孔内に挿通された状態において、連結具のパイプに対する捻り強度が向上する。したがって、もし仮に連結具にパイプの周方向の荷重が加わった場合であっても、連結具がパイプの周方向にずれ動き難くなる。
【0057】
[16]の発明では、上記[1]の発明に係る複数のパイプの連結構造体を確実に製作できる。
【0058】
[17]〜[20]の発明では、それぞれ、上記[4]〜[7]の発明に係る複数のパイプの連結構造体を確実に製作できる。
【0059】
[21]〜[25]の発明では、それぞれ、上記[9]〜[13]の発明に係る複数のパイプの連結構造体を確実に製作できる。
【0060】
[26]の発明では、上記[14]の発明と同様の効果を奏する。
【0061】
[27]の発明では、上記[15]の発明と同様の効果を奏する。
【0062】
[28]の発明では、断面形状が円形状のパイプはもとより多角形状のパイプであってもパイプを確実にエキスパンド加工できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
次に、本発明の幾つかの好ましい実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0064】
図1〜図7は、本発明の第1実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を説明する図である。
【0065】
図1において、(101)は、第1実施形態の複数のパイプの連結構造体である。この連結構造体(101)は、2個のパイプ(1A)(1B)と1個の連結具(30)とを備えたものである。説明の便宜上、2個のパイプ(1A)(1B)のうちいずれか一方のパイプ(1A)を「第1パイプ(10)」、他方のパイプ(1B)を「第2パイプ(20)」という。
【0066】
この連結構造体(101)は、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)を介して互いに連結されたものである。
【0067】
この連結構造体(101)は、例えば、車両(例:自動車、鉄道車両)のステアリングサポートビーム(ステアリングハンガビーム、インパネリインフォースメントを含む。)等の各種フレームに用いられるものである。ただし本発明では、連結構造体(101)は車両のフレームに用いられるものであることに限定されるものではない。
【0068】
図3に示すように、第1パイプ(10)は真直な棒状のものであり、その断面形状は円形状であり、即ち第1パイプ(10)は丸パイプ材からなる。第1パイプ(10)の内部には断面円形状の中空部(2)が形成されている。
【0069】
第2パイプ(20)は真直な棒状ものであり、その断面形状は多角形状であり、即ち第2パイプ(20)は角パイプ材からなる。詳述すると、第2パイプ(20)の断面形状は四角形状であり、即ち第2パイプ(20)は四角パイプ材からなる。第2パイプ(20)の内部には断面四角形状の中空部(2)が形成されている。第2パイプ(20)の外径は、第1パイプ(10)の外径よりも小さく設定されている。
【0070】
図3に示すように、第2パイプ(20)は角パイプ材からなることから、第2パイプ(20)は、その周方向に並んだ複数個(本実施形態では4個)の平坦壁部(20a)(20a)(20a)(20a)と、互いに隣り合う2個の平坦壁部(20a)(20a)の間に配置された角部(20b)とを有している。各角部(20b)の断面形状は、所定の曲率半径の円弧状である。
【0071】
また、図2に示すように、第1パイプ(10)及び第2パイプ(20)の端面にはいずれも開口(3)が設けられている。
【0072】
第1パイプ(10)及び第2パイプ(20)はともに、弾性変形及び塑性変形可能な材料からなり、例えば金属製であり、詳述すると、アルミニウム又はアルミニウム合金製である。ただし本発明では、各パイプ(10)(20)はアルミニウム又はアルミニウム合金製であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼又は銅製であっても良いし、プラスチック製であっても良い。また、第1パイプ(10)の材料と第2パイプ(20)の材料とは互いに同種であっても良いし、異種であっても良い。
【0073】
第1パイプ(10)及び第2パイプ(20)はいずれも押出材からなるものである。ただし本発明では、各パイプ(10)(20)は押出材からなるものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば溶接管からなるものであっても良いし、その他の方法により製造されたものであっても良い。
【0074】
連結具(30)は、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)とを連結するものである。詳述すると、本第1実施形態では、連結具(30)は、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とを連結するものである。
【0075】
図3に示すように、この連結具(30)は、所定の厚さの板状のものである。この連結具(30)は、第1パイプ(10)の端部が挿通される第1挿通孔(31a)を有する環状(詳述すると円環状)の第1連結部(31)と、第2パイプ(20)の端部が挿通される第2挿通孔(32a)を有する環状(詳述すると四角環状)の第2連結部(32)とを備えたものであり、そして、第1連結部(31)と第2連結部(32)とが該両連結部(31)(32)の間に配置された中間連結部(30a)を介して一体形成されたものである。第1挿通孔(31a)と第2挿通孔(32a)は、連結具(30)をその厚さ方向に且つ互いに非連通状態に貫通して連結具(30)に設けられている。すなわち、この連結具(30)では、第1挿通孔(31a)と第2挿通孔(32a)は、挿通孔の径方向にずれた位置に配設されている。
【0076】
連結具(30)の第1挿通孔(31a)の断面形状は、第1パイプ(10)の断面形状に対応した形状であり、即ち円形状である。第2挿通孔(32a)の断面形状は、第2パイプ(20)の断面形状に対応した形状であり、即ち四角形状である。したがって、第2挿通孔(32a)の各角部の断面形状は、第2パイプ(20)の各角部(20b)の断面形状に対応して円弧状である。また、連結具(30)の第1挿通孔(31a)の向きと第2挿通孔(32a)の向きとは互いに平行である。
【0077】
連結具(30)は、少なくとも弾性変形可能な材料からなり、例えば金属製であり、詳述すると、アルミニウム又はアルミニウム合金製である。ただし本発明では、連結具(30)はアルミニウム又はアルミニウム合金製であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼、銅製であっても良いし、プラスチック製であっても良い。
【0078】
図7に示すように、この連結具(30)は押出加工により形成されたものである。すなわち、(35)は、連結具(30)を製造するための押出素材である。この押出素材(35)の断面形状は連結具(30)の断面形状と同じ形状である。そして、この連結具(30)は、押出素材(35)をその押出方向に所定の厚さでスライス状に切断することにより、製造されたものである。図7において、(36)は、押出素材(35)を切断する切断予定線である。
【0079】
ただし本発明では、連結具(30)は押出加工により形成されたものであることに限定されるものではなく、その他に、鍛造、ダイカスト、射出成形、プレス成形などにより形成されたものであっても良い。
【0080】
第1パイプ(10)及び第2パイプ(20)の長さは、例えば50〜2000mmの範囲内に設定されている。第1パイプ(10)の外径は、例えば20〜100mmの範囲内に設定されている。第2パイプ(20)の断面における各辺の長さは、例えば20〜100mmの範囲内に設定されている。第2パイプ(20)の各角部(20b)の曲率半径は、例えば5〜45mmの範囲内に設定されている。第1パイプ(10)及び第2パイプ(20)の肉厚は、例えば0.5〜5mmの範囲内に設定されている。
【0081】
連結具(30)の厚さは、例えば5〜50mmの範囲内に設定されている。連結具(30)の第1挿通孔(31a)の直径は、第1パイプ(10)の直径よりも例えば0.1〜1mm大きく設定されている。また、第2挿通孔(32a)の断面における各辺の長さは、第2パイプ(20)の断面における各辺の長さよりも例えば0.1〜1mm大きく設定されている。第2挿通孔(32a)の各角部の曲率半径は、例えば5.1〜47mmの範囲内に設定されている。
【0082】
だたし本発明では、第1パイプ(10)、第2パイプ(20)及び連結具(30)の各寸法は上記の範囲内であることに限定されるものではなく、連結構造体(101)の使用目的や用途に応じて様々に設定されるものである。
【0083】
第1実施形態の連結構造体(101)の構成を以下に説明する。
【0084】
図1及び図2に示すように、この連結構造体(101)では、第1パイプ(10)の一端部が連結具(30)の第1挿通孔(31a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通されるとともに、第2パイプ(20)の一端部が連結具(30)の第2挿通孔(32a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通されている。この状態において、第1パイプ(10)の本体部(即ち、第1パイプ(10)の一端部を除く部分)は、連結具(30)に対してその厚さ方向の片側(図1において右側)に配置されるとともに、第2パイプ(20)の本体部(即ち、第2パイプ(20)の一端部を除く部分)は、連結具(30)に対してその厚さ方向の他方の片側(図1において左側)に配置されている。
【0085】
さらに、この状態で、第1パイプ(10)の端部がエキスパンド加工されることにより、第1パイプ(10)の端部が連結具(30)の第1連結部(31)に固定されるとともに、第2パイプ(20)の端部がエキスパンド加工されることにより、第2パイプ(20)の端部が連結具(30)の第2連結部(32)に固定されている。
【0086】
この連結構造体(101)では、第1パイプ(10)の軸線(P1)と第2パイプ(20)の軸線(P2)とが互いに平行にオフセットした状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)に固定されている。したがって、第1パイプ(10)の軸線(P1)と第2パイプ(20)の軸線(P1)とが互いにオフセットした状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)を介して互いに連結されている。
【0087】
図2に示すように、この連結構造体(101)では、第1パイプ(10)の端部の第1挿通孔(31a)内への挿通部分(4a)とその軸方向両側近傍部分(4b)(4b)とからなるエキスパンド加工対象部(4)がエキスパンド加工されている。これにより、第1パイプ(10)の端部の挿通部分(4a)の軸方向両側近傍部分(4b)(4b)に、2個の外側膨出状の膨出部(5)(5)が第1パイプ(10)の周方向の全周に亘って形成されており、これにより第1パイプ(10)の第1挿通孔(31a)内からの抜出の阻止が図られている。さらに、エキスパンド加工時に連結具(30)の第1連結部(31)に蓄積された弾性復元力(スプリングバック力)によって、第1連結部(31)が第1パイプ(10)の端部に圧接固定されている。
【0088】
さらに、この連結構造体(101)では、第2パイプ(20)の端部の第2挿通孔(32a)内への挿通部分(4a)とその軸方向両側近傍部分(4b)(4b)とからなるエキスパンド加工対象部(4)がエキスパンド加工されている。これにより、第2パイプ(20)の端部の挿通部分(4a)の軸方向両側近傍部分(4b)(4b)に、2個の外側膨出状の膨出部(5)(5)が第2パイプ(20)の周方向の全周に亘って形成されており、これにより第2パイプ(20)の第2挿通孔(32a)内からの抜出の阻止が図られている。さらに、エキスパンド加工時に連結具(30)の第2連結部(32)に蓄積された弾性復元力(スプリングバック力)によって、第2連結部(32)が第2パイプ(20)の端部に圧接固定されている。
【0089】
次に、本発明の第1実施形態の複数のパイプの連結方法について、上記連結構造体(101)を製作する場合を例に挙げて、以下に説明する。
【0090】
図3及び図4に示すように、連結具(30)の第1挿通孔(31a)内に第1パイプ(10)の端部を遊挿状態に挿通する。また、連結具(30)の第2挿通孔(32a)内に第2パイプ(20)の端部を遊挿状態に挿通する。
【0091】
次いで、この状態で、第1パイプ(10)の端部(詳述すると、第1パイプ(10)のエキスパンド加工対象部(4))をエキスパンド加工(拡管加工)し、これにより、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1連結部(31)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程]。
【0092】
また、第2パイプ(20)の端部(詳述すると、第2パイプ(20)のエキスパンド加工対象部(4))をエキスパンド加工(拡管加工)し、これにより、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第2パイプ(20)の固定工程]。
【0093】
なお本発明では、第1パイプ(10)の端部についてのエキスパンド加工(即ち、第1パイプ(10)の固定工程)と、第2パイプ(20)の端部についてのエキスパンド加工(即ち、第2パイプ(20)の固定工程)とは、同時に行っても良いし、いずれか一方の加工を先に行い、その後、残った方の加工を行っても良い。
【0094】
ここで、各パイプ(10)(20)の端部(即ち、各パイプ(10)(20)のエキスパンド加工対象部(4)(4))をエキスパンド加工する方法について以下に説明する。
【0095】
本第1実施形態では、各パイプ(10)(20)の端部についてのエキスパンド加工は、例えば、エキスパンド加工用ダイ(41A)(41B)を用いたエキスパンド加工方法により行われる。
【0096】
まず、第2パイプ(20)の端部をエキスパンド加工する方法について以下に説明する。
【0097】
図4及び図5に示すように、第2パイプ(20)の端部をエキスパンド加工する第2エキスパンド加工装置(40B)は、エキスパンド加工用第2ダイ(41B)と、マンドレル(48)とを備えている。
【0098】
第2ダイ(41B)は、第2パイプ(20)の中空部(2)内に配置されるものであって、第2パイプ(20)を外側へ押して膨出させるものである。この第2ダイ(41B)は工具鋼又は超硬合金製であり、第2ダイ(41B)の断面形状は、第2パイプ(20)の中空部(2)の断面形状に対応した形状であり、即ち四角形状である。第2ダイ(41B)の中心部には楔孔部(44)が設けられている。さらに、第2ダイ(41B)は、楔孔部(44)を中心に周方向に複数個のダイセグメント(42)(42)(42)(42)に均等に分割されている。本実施形態では、第2ダイ(41B)の分割数は4個であり、また第2ダイ(41B)の分割位置は、第2パイプ(20)の各平坦壁部(20a)の幅方向中間部に対応する位置である(図5参照)。この第2ダイ(41B)の各ダイセグメント(42)は、エキスパンド加工時に、第2ダイ(41B)が第2パイプ(20)の中空部(2)内に配置された状態で第2パイプ(20)の各角部(20b)に向かって第2パイプ(20)の半径方向外向きに移動されるものである。
【0099】
また、図4に示すように、第2ダイ(41B)の外周面には2個の断面円弧状の押圧凸部(43)(43)が第2ダイ(41B)の周方向の全周に亘って形成されている。両押圧凸部(43)(43)は、第2パイプ(20)の端部における、連結具(30)の第2挿通孔(32a)内への挿通部分(4a)の軸方向両側近傍部分(4b)(4b)を外側に局部的に膨出させるためのものである。
【0100】
マンドレル(48)は工具鋼又は超硬合金製であり、マンドレル(48)の先端部に第2ダイ(41B)の楔孔部(44)に対応する楔部(49)が設けられている。このマンドレル(48)は、その楔部(49)を第2ダイ(41B)の楔孔部(44)内に差し込むことにより、各ダイセグメント(42)を第2パイプ(20)の各角部(20b)に向かって第2パイプ(20)の半径方向外向きに移動させるものである。マンドレル(48)の基端部には、マンドレル(48)をその軸方向に移動させる駆動装置(図示せず)が接続されている。この駆動装置として、例えば、油圧シリンダ等の流体圧シリンダが用いられる。
【0101】
上記の第2エキスパンド加工装置(40B)を用い、第2パイプ(20)の端部をエキスパンド加工する場合には、図4及び図5に示すように、まず、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2挿通孔(32a)内に挿通した状態で、第2パイプ(20)の中空部(2)内における連結具(30)の第2連結部(32)に対応する位置に、第2ダイ(41B)を配置する。
【0102】
次いで、マンドレル(48)の楔部(49)を第2ダイ(41B)の楔孔部(44)内に差し込む。これにより、第2ダイ(41B)の各ダイセグメント(42)を第2パイプ(20)の各角部(20b)に向かって第2パイプ(20)の半径方向外向きに移動させ、これにより、第2パイプ(20)の端部の挿通部分(4a)とその軸方向両側近傍部分(4b)(4b)とからなるエキスパンド加工対象部(4)をエキスパンド加工(即ち拡管加工)する。
【0103】
このエキスパンド加工によって、図6に示すように、第2パイプ(20)の端部、即ちエキスパンド加工対象部(4)が外側に局部的に膨出するように第2ダイ(41B)の各ダイセグメント(42)によって押されて塑性変形される。さらに、このように第2パイプ(20)のエキスパンド加工対象部(4)が外側に膨出することに伴い、連結具(30)の第2連結部(32)が外側へ押され、これにより、該第2連結部(32)が外側に膨出するように弾性変形される。このように第2連結部(32)が弾性変形されることに伴い、該第2連結部(32)に弾性復元力が蓄積される。さらに、このエキスパンド加工によって、第2パイプ(20)の端部の挿通部分(4a)の軸方向両側近傍部分(4b)(4b)が第2ダイ(41B)の2個の押圧凸部(43)(43)によって外側に局部的に膨出され、これにより、第2パイプ(20)の端部に2個の膨出部(5)(5)が形成される。
【0104】
次いで、マンドレル(48)の楔部(49)を第2ダイ(41B)の楔孔部(44)内から抜出する。すると、連結具(30)の第2連結部(32)に蓄積されていた弾性復元力(スプリングバック力)により、第2連結部(32)が第2パイプ(20)の端部の外周面に第2パイプ(20)に対して外嵌状態に圧接固定される。これにより、第2パイプ(20)の端部が連結具(30)の第2連結部(32)に固定される。
【0105】
次に、第1パイプ(10)の端部をエキスパンド加工する方法について以下に説明する。
【0106】
第1パイプ(10)の端部をエキスパンド加工する第1エキスパンド加工装置(40A)は、エキスパンド加工用第1ダイ(41A)と、マンドレル(48)とを備えている。
【0107】
第1ダイ(41A)は、その断面形状が第1パイプ(10)の断面形状に対応した形状であり、即ち円形状である。本実施形態では、第1ダイ(41A)の分割数は6個である。この第1ダイ(41A)の各ダイセグメント(42)は、エキスパンド加工時に、第1ダイ(41A)が第1パイプ(10)の中空部(2)内に配置された状態で第1パイプ(10)の半径方向外向きに移動されるものである。
【0108】
この第1エキスパンド加工装置(40A)の他の構成は、上記第2エキスパンド加工装置(40B)と同じである。また、この第1エキスパンド加工装置(40A)を用いた第1パイプ(10)の端部のエキスパンド加工方法は、上記の第2エキスパンド加工装置(40B)を用いた第2パイプ(20)の端部のエキスパンド加工方法と同じである。
【0109】
ここで、上記第1実施形態では、各パイプ(10)(20)をエキスパンド加工する方法として、エキスパンド加工用ダイ(41A)(41B)を用いたエキスパンド加工方法が採用されている。しかるに、本発明では、このエキスパンド加工方法は、エキスパンド加工用ダイ(41A)(41B)を用いたエキスパンド加工方法であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、液体(例:水、油)を圧力媒体として用いたエキスパンド加工方法(即ち、液圧拡管加工方法)であっても良いし、ゴムを圧力媒体として用いたエキスパンド加工方法(即ち、ゴム拡管加工方法)であっても良い。両者の加工方法は、いずれも公知の方法である。しかるに、両者の加工方法によれば、パイプの断面形状が円形状ではなく第2パイプ(20)の断面形状のように多角形状である場合、そのようなパイプを周方向に均一に加工するのが困難である。したがって、本発明では、エキスパンド加工方法として、上記実施形態のようにエキスパンド加工用ダイ(41A)(41B)を用いたエキスパンド加工方法を採用することが特に望ましい。
【0110】
而して、上記第1実施形態の複数のパイプの連結構造体(101)には次の利点がある。
【0111】
第1パイプ(10)と第2パイプ(20)とがそれぞれエキスパンド加工されて、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)とが連結具(30)に固定されているので、溶接による局部的な強度低下は生じない。そのため、高い連結強度の複数のパイプの連結構造体(101)を提供できる。また、連結具(30)として、厚さが大きな連結具を用いることにより、より高い連結強度の連結構造体(101)を提供できる。
【0112】
さらに、例えば連結具(30)の所定部位について曲げ加工や捻り加工等の塑性加工を施すことにより、連結構造体(101)を様々な形状に容易に形成できる。
【0113】
さらに、複数のパイプ(10)(20)を連結するためにパイプ(10)(20)にボルト孔の加工等の機械加工を必ずしも施すことを要しないので、連結構造体(101)を安価に製作できる。
【0114】
また、本第1実施形態では、第1パイプ(10)の軸線(P1)と第2パイプ(20)の軸線(P2)とが互いに平行にオフセットした状態の連結構造体(101)を提供できる。
【0115】
さらに、連結具(30)が押出加工により形成されたものであるから、連結具(30)を容易に且つコスト的に有利に製造できる。
【0116】
さらに、第2パイプ(20)は断面多角形状あり、連結具(30)の第2挿通孔(32a)の断面形状は、第2パイプ(20)の断面形状に対応した形状である。したがって、断面多角形状のパイプ(20)が連結具(30)の第2挿通孔(32a)内に挿通された状態において、連結具(30)の第2パイプ(20)に対する捻り強度が向上する。したがって、もし仮に連結具(30)に第2パイプ(20)の周方向の荷重が加わった場合であっても、連結具(30)が第2パイプ(20)の周方向にずれ動き難くなる。
【0117】
さらに、上記第1実施形態では、各パイプ(10)(20)をエキスパンド加工する方法として、液圧拡管加工方法やゴム拡管加工方法ではなく、エキスパンド加工用ダイ(41A)(41B)を用いたエキスパンド加工方法が採用されている。したがって、断面形状が円形状のパイプ(10)はもとより多角形状のパイプ(20)であっても、当該パイプ(20)を確実にエキスパンド加工できる。
【0118】
而して、本発明に係る複数のパイプの連結構造体は、2個のパイプが1個の連結具を介して互いに連結されたものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、3個以上のパイプが1個又は複数の連結具を介して連結されたものであっても良い。その場合の幾つかの例を以下に示す。
【0119】
図8に示した本発明の第2実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(102)は、3個のパイプ(1A)(1B)(1C)と、2個の連結具(30)(30)とを備えたものである。
【0120】
この連結構造体(102)は、第1パイプ(10)としての右側パイプ(1A)の一端部と第2パイプ(20)としての中間パイプ(1B)の一端部とが一方の連結具(30)を介して互いに連結されるとともに、第2パイプ(20)としての中間パイプ(1B)の他端部と第1パイプ(10)としての左側パイプ(1C)の一端部とが他方の連結具(30)を介して互いに連結されたものである。なお、各パイプ(1A)(1B)(1C)を対応する連結具(30)に固定する方法は、上記第1実施形態と同じである。
【0121】
この連結構造体(102)では、右側パイプ(1A)の軸線(P1)と中間パイプ(1B)の軸線(P2)とは互いに平行にオフセットした状態に配置されており、また、中間パイプ(1B)の軸線(P2)と左側パイプ(1C)の軸線(P1)とは互いに平行にオフセットした状態に配置されている。さらに、右側パイプ(1A)の軸線(P1)と左側パイプ(1C)の軸線(P1)とが同一直線上に並んだ状態に配置されている。
【0122】
図9に示した本発明の第3実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(103)は、3個のパイプ(1A)(1B)(1C)と、2個の連結具(30)(30)とを備えたものである。
【0123】
この連結構造体(103)は、第1パイプ(10)としての右側パイプ(1A)の一端部と第2パイプ(20)としての中間パイプ(1B)の一端部とが一方の連結具(30)を介して互いに連結されるとともに、第2パイプ(20)としての中間パイプ(1B)の他端部と第1パイプ(10)としての左側パイプ(1C)の一端部とが他方の連結具(30)を介して互いに連結されたものである。なお、各パイプ(1A)(1B)(1C)を対応する連結具(30)に固定する方法は、上記第1実施形態と同じである。
【0124】
この連結構造体(103)では、右側パイプ(1A)の軸線(P1)と中間パイプ(1B)の軸線(P2)とは互いに平行にオフセットした状態に配置されており、また、中間パイプ(1B)の軸線(P2)と左側パイプ(1C)の軸線(P1)とは互いに平行にオフセットした状態に配置されている。さらに、右側パイプ(1A)の軸線(P1)と左側パイプ(1C)の軸線(P1)とが互いに平行にオフセットした状態に配置されている。
【0125】
図10に示した本発明の第4実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(104)は、3個のパイプ(1A)(1B)(1C)と、4個の連結具(30)(30)(30)(30)とを備えたものである。
【0126】
この連結構造体(104)では、第1パイプ(10)としての右側パイプ(1A)の一端部と第2パイプ(20)としての中間パイプ(1B)の一端部とが2個1組の連結具(30)(30)を介して互いに連結されるとともに、第2パイプ(20)としての中間パイプ(1B)の他端部と第1パイプ(10)としての左側パイプ(1C)の一端部とが2個1組の連結具(30)(30)を介して互いに連結されている。2個1組の連結具(30)(30)は互いに少し離間して配置されている。なお、各パイプ(1A)(1B)(1C)を対応する連結具(30)に固定する方法は、上記第1実施形態と同じである。この連結構造体(104)の他の構成は、第2実施形態の連結構造体(102)と同じである。
【0127】
この第4実施形態の連結構造体(104)では、互いに隣接する2個のパイプ(1A)(1B)が2個1組の連結具(30)(30)を介して互いに連結されているので、連結強度を更に向上させることができる。
【0128】
図11に示した本発明の第5実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(105)は、3個の断面四角形状のパイプ(1A)(1B)(1C)と、2個の連結具(30)(30)とを備えている。2個の連結具(30)(30)は互いに同一構成である。
【0129】
図12に示すように、連結具(30)は3個の挿通孔(31a)(32a)(32a)を有している。これらの挿通孔(31a)(32a)(32a)は、連結具(30)をその厚さ方向に且つ互いに非連通状態に貫通して連結具(30)に設けられている。さらに、これらの挿通孔(31a)(31b)(31b)は、連結具(30)の長さ方向に互いに離間して配設されている。また、各パイプ(1A)(1B)(1C)の断面形状は、各パイプ(1A)(1B)(1C)の断面形状に対応して四角形状である。
【0130】
この連結構造体(105)では、3個のパイプのうち、第1パイプ(10)としての右側パイプ(1A)の端部が一方の連結具(30)の対応する1個の第1挿通孔(31a)内に挿通され、この状態で、右側パイプ(1A)の端部がエキスパンド加工されて、右側パイプ(1A)の端部が連結具(30)に固定されている。
【0131】
第2パイプ(20)としての残りの2個の左側パイプ(1B)(1C)の一端部がそれぞれ連結具(30)の残りの2個の第2挿通孔(32a)(32a)内に挿通され、この状態で、各左側パイプ(1B)(1C)の一端部がエキスパンド加工されて、両左側パイプ(1B)(1C)が連結具(30)に固定されている。さらに、両左側パイプ(1B)(1C)の他端部が他方の連結具(30)の2個の挿通孔内に挿通され、この状態で、各左側パイプ(1B)(1C)の他端部がエキスパンド加工されて、両左側パイプ(1B)(1C)が他方の連結具(30)に固定されている。
【0132】
この連結構造体(105)では、右側パイプ(1A)の軸線(P1)と各左側パイプ(1B)(1C)の軸線(P2)(P2)とは互いに平行にオフセットした状態に配置されている。
【0133】
なお本発明では、この連結構造体(105)において、2個の左側パイプ(1B)(1C)のうち一方のパイプ(1B)を「第1パイプ(10)」と捉え、他方のパイプ(1C)を「第2パイプ(20)」と捉えても良い。このように捉えた場合には、第1パイプ(10)の軸線(P2)と第2パイプ(20)の軸線(P2)とは互いに平行に配置されている。すなわち、第1パイプ(20)の軸線(P2)と第2パイプ(20)の軸線(P2)とが互いに平行な状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)に固定されている。
【0134】
而して、本発明では、連結具(30)は上記第1〜第5実施形態に示したものであることに限定されるものではなく、連結しようとするパイプの個数や断面形状などに応じて様々に設定変更可能である。連結具(30)について幾つかの変形した例を以下に示す。
【0135】
図13に示した本発明の第6実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(106)では、連結具(30)は、断面円形状の第1パイプ(10)と、断面円形状の第2パイプ(20)とを連結するものである。第1パイプ(10)の直径と第2パイプ(20)の直径は同一である。この連結具(30)は、第1パイプ(10)を挿通する第1挿通孔(31a)を有する第1連結部(31)と、第2パイプ(20)を挿通する第2挿通孔(32a)を有する第2連結部(32)とを備えている。
【0136】
図14に示した本発明の第7実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(107)では、連結具(30)は、断面四角形状の第1パイプ(10)と、断面四角形状の第2パイプ(20)とを連結するものである。第1パイプ(10)と第2パイプ(20)とは同形同寸である。この連結具(30)は、第1パイプ(10)を挿通する第1挿通孔(31a)を有する第1連結部(31)と、第2パイプ(20)を挿通する第2挿通孔(32a)を有する第2連結部(32)とを備えている。
【0137】
図15に示した本発明の第8実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(108)では、連結具(30)は、断面円形状の2個の第1パイプ(10)(10)と、断面円形状の1個の第2パイプ(20)とを連結するものである。2個の第1パイプ(10)(10)の直径は互いに相異している。第2パイプ(20)の直径は、2個の第1パイプ(10)(10)のうち直径が大きい方のパイプ(10)の直径と同寸である。この連結具(30)は、2個の第1パイプ(10)(10)を挿通する2個の第1挿通孔(31a)(31a)を有する2個の第1連結部(31)(31)と、1個の第2パイプ(20)を挿通する1個の第2挿通孔(32a)を有する1個の第2連結部(32)とを備えている。
【0138】
図16に示した本発明の第9実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(109)では、連結具(30)は、断面円形状の第1パイプ(10)と、断面四角形状の3個の第2パイプ(20)(20)(20)とを連結するものである。3個の第2パイプ(20)(20)(20)は同形同寸である。この連結具(30)は、第1パイプ(10)を挿通する第1挿通孔(31a)を有する第1連結部(31)と、3個の第2パイプ(20)(20)(20)を挿通する3個の第2挿通孔(32a)(32a)(32a)を有する3個の第2連結部(32)(32)(32)とを備えている。
【0139】
而して、本発明に係る複数のパイプの連結構造体は、上記の幾つかの実施形態に示したものであることに限定されるものではなく、その使用目的や用途に応じて様々に設定変更可能である。連結構造体について幾つかの変形した例を以下に示す。
【0140】
図17に示した本発明の第10実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(110)は、断面四角形状の第1パイプ(10)と、断面四角形状の第2パイプ(20)と、連結具(30)とを備えている。図18に示すように、連結具(30)は、第1パイプ(10)が挿通される第1挿通孔(31a)を有する第1連結部(31)と、第2パイプ(20)が挿通される第2挿通孔(32a)を有する第2連結部(32)とを備えている。
【0141】
この連結構造体(110)の構成について、その製造方法としての、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法に基づいて、以下に説明する。
【0142】
まず、図18に示すように、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1挿通孔(31a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通する。また、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2挿通孔(32a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通する。この状態において、第1パイプ(10)の本体部は、連結具(30)に対してその厚さ方向の片側に配置されており、第2パイプ(20)の本体部は、連結具(30)に対してその厚さ方向における第1パイプ(10)の本体部が配置されている側に配置されている。
【0143】
次いで、この状態で、第1パイプ(10)の端部をエキスパンド加工することにより、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1連結部(31)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程]。また、第2パイプ(20)の端部をエキスパンド加工することにより、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第2パイプ(20)の固定工程]。
【0144】
次いで、図17に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に第2連結部(32)を曲げる曲げ加工を行う[第2連結部(32)の曲げ加工工程]。なお、この曲げ加工は、例えばプレス曲げ加工により行われる。本実施形態では、連結具(30)の第2連結部(32)は第1連結部(31)に対して例えば90°曲げられている。ただし本発明では、連結具(30)の第2連結部(32)の第1連結部(31)に対する曲がり角度は90°であることに限定されるものではなく、連結構造体(110)の使用目的や用途に応じて様々に変更可能なものであり、例えば20〜70°の範囲内であっても良いし、その他の角度であっても良い。また、本発明では、第2連結部(32)の曲げ加工工程は、第1パイプ(10)の固定工程又は/及び第2パイプ(20)の固定工程の前に行っても良い。
【0145】
したがって、この連結構造体(110)では、第1パイプ(10)の軸線(P1)(その延長線を含む)と第2パイプ(20)の軸線(P2)(その延長線を含む)とが所定の角度(例:90°)をなした状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)に固定されている。すなわち、この連結構造体(110)では、連結具(30)の第1挿通孔(31a)の向きに対して相対的に第2挿通孔(32a)の向きが所定の角度(例:90°)をなした状態に、連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に第2連結部(32)が屈曲している。
【0146】
このように、本発明では、連結構造体の使用目的や用途に応じて、連結具(30)の所定部位(即ち第2連結部(32))を所定の角度曲げる曲げ加工を行うことにより、連結構造体をその使用目的や用途に応じた形状に確実に且つ容易に形成することができる。
【0147】
図19に示した本発明の第11実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(111)は、断面四角形状の第1パイプ(10)と、断面四角形状の第2パイプ(20)と、連結具(30)とを備えている。連結具(30)は、第1パイプ(10)が挿通される第1挿通孔(31a)を有する第1連結部(31)と、第2パイプ(20)が挿通される第2挿通孔(32a)を有する第2連結部(32)とを備えている。
【0148】
この連結構造体(111)の構成について、その製造方法としての、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法に基づいて、以下に説明する。
【0149】
まず、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1挿通孔(31a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通する。また、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2挿通孔(32a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通する。この状態において、第1パイプ(10)の本体部は、連結具(30)に対してその厚さ方向の片側に配置されており、第2パイプ(20)の本体部は、連結具(30)に対してその厚さ方向の他方の片側に配置されている。
【0150】
次いで、この状態で、第1パイプ(10)の端部をエキスパンド加工することにより、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1連結部(31)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程]。また、第2パイプ(20)の端部をエキスパンド加工することにより、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第2パイプ(20)の固定工程]。
【0151】
次いで、連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に第2連結部(32)を捻る捻り加工を行う[第2連結部(32)の捻り加工工程]。なお、この捻り加工は、公知の捻り加工装置により行われる。本実施形態では、連結具(30)の第2連結部(32)は第1連結部(31)に対して例えば30°捻られている。ただし本発明では、連結具(30)の第2連結部(32)の第1連結部(31)に対する捻り角度は30°であることに限定されるものではなく、連結構造体(111)の使用目的や用途に応じて様々に変更可能なものであり、例えば10〜90°の範囲内であっても良いし、その他の捻り角度であっても良い。
【0152】
したがって、この連結構造体(111)では、第1パイプ(10)の軸線(その延長線を含む)に対して相対的に第2パイプ(20)の軸線(その延長線を含む)が捻れの位置にある状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)に固定されている。
【0153】
このように、本発明では、連結構造体の使用目的や用途に応じて、連結具(30)の所定部位(即ち第2連結部(32))を捻る捻り加工を行うことにより、連結構造体(111)をその使用目的や用途に応じた形状に確実に且つ容易に形成することができる。
【0154】
図20に示した本発明の第12実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(112)は、上記第11実施形態の連結構造体(111)における連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に第2連結部(32)を曲げる曲げ加工を更に行ったものである。
【0155】
図21に示した本発明の第13実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(113)は、4個の断面円形状のパイプ(1A)(1B)(1C)(1D)と、4個の連結具(30)(30)(30)(30)と、4個の角度保持部材(50)(50)(50)(50)とを備えている。そして、この連結構造体(113)は、4個の断面円形状のパイプ(1A)(1B)(1C)(1D)が平面視ロ字状に配置されるとともに、互いに隣接する2個のパイプの端部同士が連結具(30)を介して互いに連結されたものである。ここで、説明の便宜上、互いに隣接する2個のパイプのうち一方のパイプを「第1パイプ(10)」とし、他方のパイプを「第2パイプ(20)」とする。
【0156】
この連結構造体(113)は、車両のフレームとして、例えばサブフレームに用いられるものである。ただし本発明では、連結構造体(113)はサブフレームに用いられるものであることに限定されるものではない。
【0157】
図23に示すように、連結具(30)は、上記第1実施形態の連結構造体(101)の連結具の厚さよりも薄い板状のものである。この連結具(30)は、第1パイプ(10)が挿通される第1挿通孔(31a)を有するフランジ状の第1連結部(31)と、第2パイプ(20)が挿通される第2連結孔(32a)を有するフランジ状の第2連結部(32)とを備えている。第1連結部(31)の第1挿通孔(31a)の周縁部には、短円筒状の第1座部(31b)が第1連結部(31)の厚さ方向の片側に突出して一体形成されている。またこれと同じく、第2連結部(32)の第2挿通孔(32a)の周縁部には、短円筒状の第2座部(32b)が第2連結部(32)の厚さ方向の片側に突出して一体形成されている。なお、各座部(31b)(32b)は、プレス曲げ加工により各挿通孔(31a)(32a)の周縁部から屈曲して形成されたものである。
【0158】
この連結構造体(113)の構成について、その製造方法としての、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法に基づいて、以下に説明する。
【0159】
まず、図23及び図24に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に第2連結部(32)を曲げる曲げ加工を行う[第2連結部(32)の曲げ加工工程]。なお、この曲げ加工は、例えばプレス曲げ加工により行われる。本実施形態では、連結具(30)の第2連結部(32)は第1連結部(31)に対して例えば90°曲げられている。ただし本発明では、連結具(30)の第2連結部(32)の第1連結部(31)に対する曲がり角度は90°であることに限定されるものではなく、連結構造体(113)の使用目的や用途に応じて様々に変更可能なものであり、例えば20〜70°の範囲内であっても良いし、その他の角度であっても良い。
【0160】
したがって、連結具(30)の第1挿通孔(31a)の向きに対して相対的に第2挿通孔(32a)の向きが所定の角度(例:90°)をなした状態に、連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に第2連結部(32)が屈曲している。
【0161】
次いで、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1挿通孔(31a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通する。これにより、連結具(30)の第1座部(31b)が第1パイプ(10)の外周面に対して重合状態に配置される。また、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2挿通孔(32a)内に連結具(30)の厚さ方向に貫通して挿通する。これにより、連結具(30)の第2座部(32b)が第2パイプ(20)の外周面に対して重合状態に配置される。
【0162】
次いで、この状態で、第1パイプ(10)の端部をエキスパンド加工することにより、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1連結部(31)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程]。また、第2パイプ(20)の端部をエキスパンド加工することにより、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第2パイプ(20)の固定工程]。その結果、図25に示すように、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)を介して互いに連結される。さらに、第1パイプ(10)の軸線(P1)に対して相対的に第2パイプ(20)の軸線(P2)が所定の角度(例:90°)をなした状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)に固定されている。
【0163】
次いで、図25に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)との間の屈曲部の内側に、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)とを間の角度を保持する角度保持部材(50)を配置する[角度保持部材(50)の配置工程]。
【0164】
この角度保持部材(50)は、少なくとも連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)とを連結する方向に対して剛性を有するものである。本実施形態では、この角度保持部材(50)は、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)とを連結する方向だけではなく、その他の方向に対しても剛性を有している。この角度保持部材(50)は、例えば金属製であり、詳述するとアルミニウム又はアルミニウム合金製である。ただし本発明では、角度保持部材(50)はアルミニウム又はアルミニウム製であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼、銅等の金属製であっても良いし、プラスチック製であっても良い。また、この角度保持部材(50)は、鋳造、ダイカスト、鍛造、射出成型等により製造される。
【0165】
この角度保持部材(50)は、図25及び図26に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)及び第2連結部(32)にそれぞれ連結される第1継手部(51)及び第2継手部(52)を有している。(53)は、角度保持部材(50)の第1継手部(51)と第2継手部(52)とを互いに連結して両部位(51)(52)を補強した補強リブ部である。
【0166】
次いで、図22及び図25に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)を角度保持部材(50)の第1継手部(51)に固定手段としてのボルト止めにより固定するとともに、連結具(30)の第2連結部(32)を角度保持部材(50)の第2継手部(52)に固定手段としてのボルト止めにより固定する[連結具(30)の角度保持部材(50)への固定工程]。これにより、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)との間の角度がこの角度保持部材(50)により強固に保持される。さらに、第1パイプ(10)の端面開口(3)及び第2パイプ(20)の端面開口(3)は、それぞれ角度保持部材(50)の第1継手部(51)及び第2継手部(52)により閉塞される。なお、図25において、(70)及び(71)は、このボルト止めに用いられたボルト及びナットであり、(72)はボルト挿通孔である。ただし本発明では、固定手段はボルト止めであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、リベット止めであっても良いし、他の機械的締結手段であっても良い。
【0167】
この連結構造体(113)における他のパイプについても、上述した第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法と同じ方法で互いに連結される。
【0168】
本第13施形態では、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)との間の角度を角度保持部材(50)により強固に保持できる。これにより、第1パイプ(10)の軸線(P1)と第2パイプ(20)の軸線(P2)との間の角度を強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体(113)を提供できる。
【0169】
図27に示した本発明の第14実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(114)は、断面円形状の第1パイプ(10)と、断面円形状の第2パイプ(20)と、連結具(30)と、ダクト部材(60)とを備えている。この連結具(30)は、上記第13実施形態の連結構造体(113)の連結具と略同じ構成である。
【0170】
この連結構造体(114)は、例えば、気体や液体等の流体を搬送するために用いられ、あるいは電源供給ケーブルや通信ケーブル等のケーブル類を収納挿通するために用いられるものである。
【0171】
この連結構造体(114)の構成について、その製造方法としての、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法に基づいて、以下に説明する。
【0172】
まず、図28に示すように、上記第13実施形態の連結構造体(114)と同様の手順によって、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1連結部(31)に固定するとともに、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程及び第2パイプ(20)の固定工程]。この状態では、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とは連結具(30)を介して互いに連結されている。また、第1パイプ(10)の軸線に対して相対的に第2パイプ(20)の軸線が所定の角度(例:90°)をなした状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)に固定されている。
【0173】
次いで、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)との間の屈曲部の内側にダクト部材(60)を配置する[ダクト部材(60)の配置工程]。このダクト部材(60)は、第1パイプ(10)の端面開口(3)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とを連通状態に連結するためのものである。
【0174】
このダクト部材(60)は、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)とを連結する方向に対して剛性を有している。これにより、このダクト部材(60)は、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)との間の角度を保持する角度保持部材(50)としても機能している。
【0175】
このダクト部材(60)は、例えば金属製であり、詳述するとアルミニウム又はアルミニウム合金製である。だたし本発明では、ダクト部材(60)はアルミニウム又はアルミニウム合金製であることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鉄、鋼、銅等の金属製であっても良いし、プラスチック製であっても良い。また、このダクト部材(60)は、板材をブレス曲げ加工することにより形成されたものである。ただし本発明では、ダクト部材(60)はプレス曲げ加工により形成されたものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、鋳造、ダイカスト、鍛造等により製造されたものであっても良い。
【0176】
このダクト部材(60)は、図28及び図29に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)及び第2連結部(32)にぞれぞれ連結される第1継手部(61)及び第2継手部(62)を有している。
【0177】
次いで、図27及び図28に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)をダクト部材(60)の第1継手部(61)に固定手段としてのボルト止めにより固定するとともに、連結具(30)の第2連結部(32)をダクト部材(60)の第2継手部(62)に固定手段としてのボルト止めにより固定する[連結具(30)のダクト部材(60)への固定工程]。これにより、第1パイプ(10)の端面開口(3)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とがダクト部材(60)を介して互いに連通状態に連結されるとともに。更に、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)との間の角度がこのダクト部材(60)により強固に保持される。なお、図28において、(70)及び(71)は、このボルト止めに用いられたボルト及びナットであり、(72)はボルト挿通孔である。ただし本発明では、固定手段はボルト止めであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、リベット止めであっても良いし、他の機械的締結手段であっても良い。
【0178】
本第14実施形態では、第1パイプ(10)の端面開口(3)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とをダクト部材(60)を介して互いに連通状態に連結できる。したがって、気体や液体等の流体を搬送できる連結構造体(114)を提供でき、あるいは電源供給ケーブルや通信ケーブル等のケーブル類を収納挿通できる連結構造体(114)を提供できる。さらに、連結具(30)の第1連結部(31)と第2連結部(32)との間の角度をダクト部材(60)により強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体(114)を提供できる。
【0179】
なお本発明では、パイプの中空部内を流通する流体の漏出を防止するシール部材(図示せず)を、第1パイプ(10)と連結具(30)の第1連結部(31)との間とか、第2パイプ(20)と連結具(30)の第2連結部(32)との間とか、ダクト部材(60)と連結具(30)との間とかに介在配置させても良い。
【0180】
図30に示した本発明の第15実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(115)は、3個の断面円形状のパイプ(1A)(1B)(1C)と、2個の連結具(30)(30)と、4個のダクト部材(60A)(60B)(60A)(60B)を備えたものである。
【0181】
この連結構造体(115)は、図8に示した第2実施形態の連結構造体(108)と同様に、右側パイプ(1A)の一端部と中間パイプ(1B)の一端部とが一方の連結具(30)を介して互いに連結されるとともに、中間パイプ(1B)の他端部と左側パイプ(1C)の一端部とが他方の連結具(30)を介して互いに連結されたものである。
【0182】
この連結構造体(118)は、例えば、流体を搬送するために用いられ、あるいはケーブル類を収納挿通するために用いられるものである。
【0183】
この連結構造体(115)では、右側パイプ(1A)の軸線と中間パイプ(1B)の軸線とは互いに平行にオフセットした状態に配置されており、また、中間パイプ(1B)の軸線と左側パイプ(1C)の軸線とは互いに平行にオフセットした状態に配置されている。さらに、右側パイプ(1A)の軸線と左側パイプ(1C)の軸線とが同一直線上に並んだ状態に配置されている。ここで説明の便宜上、右側パイプ(1A)を「第1パイプ(10)」とし、中間パイプ(1B)を「第2パイプ(20)」とする。
【0184】
図32に示すように、連結具(30)は、上記第1実施形態の連結構造体(101)の連結具の厚さよりも薄い板状のものである。この連結具(30)は、第1パイプ(10)が挿通される第1挿通孔(31a)を有するフランジ状の第1連結部(31)と、第2パイプ(20)が挿通される第2挿通孔(32a)を有するフランジ状の第2連結部(32)と、第1連結部(31)と第2連結部(32)との間に配置されるとともに第1連結部(31)と第2連結部(32)とを連結した中間板部(33)と、を備えている。中間板部(33)の中央部には断面円形状の開孔(33a)が穿設されている。さらに、第1連結部(31)の第1挿通孔(31a)の周縁部には短円筒状の第1座部(31b)が連結具(30)の第1連結部(31)の厚さ方向の片側に突出して一体形成されている。またこれと同じく、第2連結部(32)の第2挿通孔(32a)の周縁部には短円筒状の第2座部(32b)が連結具(30)の第2連結部(32)の厚さ方向の片側に突出して一体形成されている。なお、各座部(31b)(32b)は、プレス曲げ加工により各挿通孔(31a)(32a)の周縁部から屈曲して形成されたものである。
【0185】
この連結構造体(115)の構成について、その製造方法としての、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法に基づいて、以下に説明する。
【0186】
まず、連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に中間板部(33)を所定の方向に曲げる曲げ加工を行う[中間板部(33)の曲げ加工工程]。また、連結具(30)の中間板部(33)に対して相対的に第2連結部(32)を中間板部(33)の第1連結部(31)に対する曲がり方向とは反対方向に曲げる曲げ加工を行う[第2連結部(32)の曲げ加工工程]。なお、この曲げ加工は、例えばブレス曲げ加工により行われる。本実施形態では、連結具(30)の中間板部(33)は第1連結部(31)に対して例えば90°曲げられており、連結具(30)の第2連結部(32)は中間板部(33)に対して例えば90°曲げられている。ただし本発明では、連結具(30)の中間板部(33)の第1連結部(32)に対する曲がり角度、及び、第2連結部(32)の中間板部(33)に対する曲がり角度はそれぞれ90°であることに限定されるものではなく、連結構造体(115)の使用目的や用途に応じて様々に変更可能なものであり、例えば20〜70°の範囲内であっても良いし、その他の角度であっても良い。また、本発明では、中間板部(33)の曲げ加工工程と第2連結部(32)の曲げ加工工程とは、同時に行っても良いし、いずれか一方の加工を先に行い、その後、残った方の加工を行っても良い。
【0187】
したがって、連結具(30)の第1挿通孔(31a)の向きと第2挿通孔(32a)の向きとが互いに平行にオフセットした状態に、連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に中間板部(33)が屈曲するとともに該中間部材(33)に対して相対的に第2連結部(32)が屈曲している。すなわち、連結具(30)全体の側面形状が略Z状になるように、連結具(30)の第1連結部(31)と中間部材(33)と第2連結部(32)とが屈曲している。
【0188】
次いで、図32に示すように、上記第13実施形態の連結構造体(113)と同様の手順によって、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1連結部(31)に固定するとともに、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程及び第2パイプ(20)の固定工程]。この状態では、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とは連結具(30)を介して互いに連結されている。また、第1パイプ(10)の軸線と第2パイプ(20)の軸線とは互いに平行にオフセットした状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)に固定されている。
【0189】
次いで、連結具(30)の第1連結部(31)と中間板部(33)との間の屈曲部の内側に、第1ダクト部材(60A)を配置する[第1ダクト部材(60A)の配置工程]。この第1ダクト部材(60A)は、第1パイプ(10)の端面開口(3)と中間板部(33)の開孔(33a)とを連通状態に連結するためのものである。また、連結具(30)の中間板部(33)と第2連結部(32)との間の屈曲部の内側に、第2ダクト部材(60B)を配置する[第2ダクト部材(60B)の配置工程]。この第2ダクト部材(60B)は、中間板部(33)の開孔(33a)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とを連通状態に連結するためのものである。
【0190】
第1ダクト部材(60A)は、連結具(30)の第1連結部(31)と中間板部(33)とを連結する方向に対して剛性を有している。これにより、この第1ダクト部材(60A)は、連結具(30)の第1連結部(31)と中間板部(33)との間の角度を保持する角度保持部材(50)としても機能している。この第1ダクト部材(60A)の他の構成は、上記第14実施形態の連結構造体(114)のダクト部材(60)と同じである。
【0191】
第2ダクト部材(60B)は、連結具(30)の中間板部(33)と第2連結部(32)とを連結する方向に対して剛性を有している。これにより、この第2ダクト部材(60B)は、連結具(30)の中間板部(33)と第2連結部(32)との間の角度を保持する角度保持部材(50)としても機能している。この第2ダクト部材(60B)の他の構成は、上記第14実施形態の連結構造体(114)のダクト部材(60)と同じである。
【0192】
次いで、図31及び図32に示すように、連結具(30)の第1連結部(31)を第1ダクト部材(60A)の第1継手部(61)に固定手段としてのボルト止めにより固定するとともに、連結具(30)の中間板部(33)を第1ダクト部材(60A)の第2継手部(62)に固定手段としてのボルト止めにより固定する[連結具(30)の第1ダクト部材(60A)への固定工程]。これにより、第1パイプ(10)の端面開口(3)と中間板部(33)の開孔(33a)とが第1ダクト部材(60A)を介して互いに連通状態に連結されるとともに、更に、連結具(30)の第1連結部(31)と中間板部(33)との間の角度がこの第1ダクト部材(60A)により強固に保持される。
【0193】
また、連結具(30)の中間板部(33)を第2ダクト部材(60B)の第1継手部(61)に固定手段としてのボルト止めにより固定するとともに、連結具(30)の第2連結部(32)を第2ダクト部材(60B)の第2継手部(62)に固定手段としてのボルト止めにより固定する[連結具(30)の第2ダクト部材(60B)への固定工程]。これにより、中間板部(33)の開孔(33a)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とが第2ダクト部材(60B)を介して互いに連通状態に連結されるとともに、更に、連結具(30)の中間板部(33)と第2連結部(32)との間の角度がこの第2ダクト部材(60B)により強固に保持される。
【0194】
なお、図32において、(70)及び(71)は、このボルト止めに用いられたボルト及びナットであり、(72)はボルト挿通孔である。ただし本発明では、固定手段はボルト止めであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、リベット止めであっても良いし、他の機械的締結手段であっても良い。
【0195】
この連結構造体(115)における中間パイプ(1B)と左側パイプ(1C)とは、上述した連結方法と同じ方法により連結される。
【0196】
本第15実施形態では、第1パイプ(10)の端面開口(3)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とを、第1ダクト部材(60A)、開孔(33a)及び第2ダクト(60B)を介して互いに連通状態に連結できる。したがって、流体を搬送できる連結構造体(113)を提供でき、あるいはケーブル類を収納挿通できる連結構造体(113)を提供できる。さらに、連結具(30)の第1連結部(31)と中間板部(33)との間の角度を第1ダクト部材(60A)により強固に保持できるし、更に、連結具(30)の中間板部(33)と第2連結部(32)との間の角度を第2ダクト部材(60B)により強固に保持できる。したがって、極めて頑丈な連結構造体(113)を提供できる。
【0197】
図33に示した本発明の第16実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(116)は、断面円形状の第1パイプ(10)と、断面円形状の第2パイプ(20)と、連結具(30)と、ダクト部材(60)とを備えている。第1パイプ(10)の直径と第2パイプ(20)の直径とは同じである。
【0198】
この連結構造体(116)は、例えば、流体を搬送するために用いられ、あるいはケーブル類を収納挿通するために用いられるものである。
【0199】
この連結構造体(116)では、第1パイプ(10)の軸線と第2パイプ(20)の軸線とが互いに平行な状態に、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)を介して互いに連結されている。
【0200】
図34に示すように、連結具(30)は、上記第1実施形態の連結構造体(101)の連結具の厚さよりも薄い板状のものである。この連結具(30)は、第1パイプ(10)が挿通される第1挿通孔(31a)を有する第1連結部(31)と、第2パイプ(20)が挿通される第2挿通孔(32a)を有する第2連結部(32)とを備えている。さらに、第1連結部(31)の第1挿通孔(31a)の周縁部には、短円筒状の第1座部(31b)が連結具(30)の第1連結部(31)の厚さ方向の片側に突出して一体形成されている。またこれと同じく、第2連結部(32)の第2挿通孔(32a)の周縁部には、短円筒状の第2座部(32b)が連結具(30)の第2連結部(32)の厚さ方向の片側に突出して一体形成されている。なお、各座部(31b)(32b)は、プレス曲げ加工により各挿通孔(31a)(32a)の周縁部から屈曲して形成されたものである。
【0201】
さらに、この連結具(30)では、第1連結部(31)に対して第2連結部(32)は曲がっておらず、すなわち、第1連結部(31)と第2連結部(32)とは同一平面内に配置されている。したがって、第1挿通孔(31a)の向きと第2挿通孔(32a)の向きとは互いに平行に配置されている。
【0202】
この連結構造体(116)の構成について、その製造方法としての、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法に基づいて、以下に説明する。
【0203】
まず、図34に示すように、上記第13実施形態の連結構造体(113)と同様の手順によって、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1連結部(31)に固定するとともに、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程及び第2パイプ(20)の固定工程]。
【0204】
次いで、第1パイプ(10)の端面開口(3)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とを連通状態に連結するダクト部材(60)を、第1パイプ(10)の端面開口(3)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とを覆う態様に連結具(30)に固定手段としてのボルト止めにより固定する。これにより、連結構造体(116)が製作される。なお、図34において、(70)及び(71)は、このボルト止めに用いられたボルト及びナットであり、(72)はボルト挿通孔である。ただし本発明では、固定手段はボルト止めであることに限定されるものではなく、その他に、例えば、リベット止めであっても良いし、他の機械的締結手段であっても良い。
【0205】
本第16実施形態では、第1パイプ(10)の端面開口(3)と第2パイプ(20)の端面開口(3)とをダクト部材(60)を介して互いに連通状態に連結できる。したがって、流体を搬送できる連結構造体(113)を提供でき、あるいはケーブル類を収納挿通できる連結構造体(113)を提供できる。
【0206】
図35に示した本発明の第17実施形態に係る複数のパイプの連結構造体(117)は、断面円形状の大径の第1パイプ(10)と、断面円形状の小径の第2パイプ(20)と、連結具(30)とを備えている。
【0207】
この連結構造体(117)の構成について、その製造方法としての、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)との連結方法に基づいて、以下に説明する。
【0208】
連結具(30)は、第1パイプ(10)の端部が挿通される第1挿通孔を有する第1連結部(31)と、第2パイプ(20)の端部が挿通される第2挿通孔を有する第2連結部(32)とを有している。
【0209】
この連結具(30)の第1連結部(31)に対して相対的に第2連結部(32)を、連結具(30)全体の側面形状がU字状になるように曲げる[第2連結部(32)の曲げ加工工程]。
【0210】
次いで、第1パイプ(10)の端部を連結具(30)の第1挿通孔内に挿通した状態で、第1パイプ(10)の端部をエキスパンド加工する。これにより、第1パイプ(10)の端部が連結具(30)の第1連結部(31)に固定する[第1パイプ(10)の固定工程]。また、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2挿通孔内に挿通した状態で、第2パイプ(20)の端部をエキスパンド加工する。これにより、第2パイプ(20)の端部を連結具(30)の第2連結部(32)に固定する[第2パイプ(20)の固定工程]。本実施形態では、第1パイプ(10)の固定工程と第2パイプ(20)の固定工程とを同時に行っても良いし、いずれか一方の固定工程を先に行い、その後、残った方の固定工程を行っても良い。これにより、連結構造体(117)が製造される。
【0211】
この連結構造体(117)では、第1パイプ(10)の軸線(P1)と第2パイプ(20)の軸線(P2)とが同一直線上に並んだ状態で、第1パイプ(10)の端部と第2パイプ(20)の端部とが連結具(30)を介して互いに連結されている。
【0212】
以上で、本発明の幾つかの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に示したものであることに限定されるものではなく、様々に変更可能である。
【0213】
例えば、本発明では、連結構造体は車両のフレームに用いられるものであることに限定されるものではなく、その他に、例えば建築材に用いられるものであっても良いし、その他の用途に用いられるものであっても良い。
【0214】
また、上記第13〜17実施形態では、第1パイプ(10)と第2パイプ(20)はいずれも断面円形状のものであるが、本発明では、その他に、例えば、第1パイプ(10)及び第2パイプ(20)のうちいずれか一方のパイプが断面四角形状のものであっても良いし、両方のパイプが断面四角形状のものであっても良い。
【0215】
また本発明では、各パイプの断面形状は、円形状であっても良いし、楕円形状であっても良いし、三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状であっても良い。また、パイプは、その中空部を複数個に仕切る長さ方向に延びた仕切り壁部がパイプに一体形成されたものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0216】
本発明は、例えば、車両(例:自動車、鉄道車両)の各種フレームに用いられるか、流体(例:気体、液体)を搬送するために用いられるか、ケーブル類(例:電源供給ケーブル、通信ケーブル)を収納挿通するために用いられるか、あるいは、その他の用途に用いられる複数のパイプの連結構造体、該連結構造体を製造するための複数のパイプの連結方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【図2】図2は、同連結構造体の拡大断面図である。
【図3】図3は、同連結構造体において、第1パイプと第2パイプとを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、同連結構造体において、第1パイプと第2パイプとをそれぞれエキスパンド加工する前の状態を示す拡大断面図である。
【図5】図5は、図4中のX−X線拡大断面図である。
【図6】図6は、同連結構造体において、第1パイプと第2パイプとをそれぞれエキスパンド加工した後の状態を示す拡大断面図である。
【図7】図7は、同連結構造体の連結具を、該連結具製造用押出素材と合わせて示す斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【図10】図10は、本発明の第4実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【図11】図11は、本発明の第5実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【図12】図12は、同連結構造体において、3個のパイプを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図13】図13は、本発明の第6実施形態に係る複数のパイプの連結構造体において、2個のパイプを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図14】図14は、本発明の第7実施形態に係る複数のパイプの連結構造体において、2個のパイプを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図15】図15は、本発明の第8実施形態に係る複数のパイプの連結構造体において、3個のパイプを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図16】図16は、本発明の第9実施形態に係る複数のパイプの連結構造体において、4個のパイプを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図17】図17は、本発明の第10実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【図18】図18は、同連結構造体において、2個のパイプを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図19】図19は、本発明の第11実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す斜視図である。
【図20】図20は、本発明の第12実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す斜視図である。
【図21】図20は、本発明の第13実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【図22】図22は、同連結構造体の要部の斜視図である。
【図23】図23は、同連結構造体の連結具の第2連結部を曲げ加工する前の状態を示す斜視図である。
【図24】図24は、同連結構造体において、2個のパイプを連結する前の状態を示す斜視図である。
【図25】図25は、同連結構造体において、2個のパイプを連結した後の状態を示す斜視図である。
【図26】図26は、角度保持部材の斜視図である。
【図27】図27は、本発明の第14実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す斜視図である。
【図28】図28は、同連結構造体からダクト部材を分離して示す斜視図である。
【図29】図29は、ダクト部材の斜視図である。
【図30】図30は、本発明の第15実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す斜視図である。
【図31】図31は、図30中のY部分の拡大図である。
【図32】図32は、同連結構造体から第1ダクトと第2ダクトを分離して示す斜視図である。
【図33】図33は、本発明の第16実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す斜視図である。
【図34】図34は、同連結構造体からダクト部材を分離して示す斜視図である。
【図35】図35は、本発明の第17実施形態に係る複数のパイプの連結構造体を示す平面図である。
【符号の説明】
【0218】
1A〜1D…パイプ
2…中空部
3…パイプの端面開孔
4…エキスパンド加工対象部
4a…挿通部分
4b…挿通部分の近傍部分
5…膨出部
10…第1パイプ
P1…第1パイプの軸線
20…第2パイプ
P2…第2パイプの軸線
30…連結具
31…第1連結部
31a…第1挿通孔
32…第2連結部
32a…第2挿通孔
33…中間板部
33a…開孔
35…押出素材
40A、40B…エキスパンド加工装置
41A、41B…エキスパンド加工用ダイ
42…ダイセグメント
48…マンドレル
50…角度保持部材
60、60A、60B…ダクト部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1パイプと第2パイプとが連結具を介して連結された複数のパイプの連結構造体であって、
連結具は、第1パイプ及び第2パイプがそれぞれ挿通されるとともに、連結具をその厚さ方向に且つ互いに非連通状態に貫通した第1挿通孔及び第2挿通孔を有しており、
第1パイプが第1挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通して挿通され且つ第2パイプが第2挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通して挿通された状態で、第1パイプと第2パイプとがそれぞれエキスパンド加工されて、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されていることを特徴とする複数のパイプの連結構造体。
【請求項2】
第1パイプの軸線と第2パイプの軸線とが互いにオフセットした状態に、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されている請求項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項3】
第1パイプの軸線に対して相対的に第2パイプの軸線が角度をなした状態に、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されている請求項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項4】
連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1挿通孔の向きに対して相対的に第2挿通孔の向きが前記角度をなした状態に、第1連結部に対して相対的に第2連結部が屈曲している請求項3記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項5】
連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材が配置されるとともに、第1連結部と第2連結部とが角度保持部材に固定されている請求項4記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項6】
連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結するダクト部材が配置されるとともに、第1連結部と第2連結部とがダクト部材に固定されている請求項4記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項7】
ダクト部材は、連結具の第1連結部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能している請求項6記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項8】
第1パイプの軸線に対して相対的に第2パイプの軸線が捻れの位置にある状態に、第1パイプと第2パイプとが連結具に固定されている請求項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項9】
連結部は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部が捻れている請求項8記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項10】
連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部が屈曲するとともに、中間板部に対して相対的に第2連結部が中間板部の屈曲方向とは反対方向に屈曲しており、
連結具の第1連結部と中間板部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する第1角度保持部材が配置されるとともに、第1連結部と中間板部とが第1角度保持部材に固定されており、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する第2角度保持部材が配置されるとともに、中間板部と第2連結部とが第2角度保持部材に固定されている請求項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項11】
連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えるとともに、中間板部に開孔が設けられており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部が屈曲するとともに、中間板部に対して相対的に第2連結部が中間板部の屈曲方向とは反対方向に屈曲しており、
連結具の第1連結部と中間部材との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と中間部材の開孔とを連通状態に連結する第1ダクト部材が配置されるとともに、第1連結部と中間板部とが第1ダクト部材に固定されており、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間部材の開孔と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結する第2ダクト部材が配置されるとともに、中間板部と第2連結部とが第2ダクト部材に固定されている請求項1記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項12】
第1ダクト部材は、連結具の第1連結部と中間板部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能している請求項11記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項13】
第2ダクト部材は、連結具の中間板部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能している請求項11又は12記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項14】
連結具は、押出加工により形成されたものである請求項1〜13のいずれかに記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項15】
第1パイプ及び第2パイプのうち少なくとも一方のパイプは、断面多角形状であり、
連結具の第1挿通孔及び第2挿通孔のうち前記一方のパイプに対応する挿通孔の断面形状は、前記一方のパイプの断面形状に対応した形状である請求項1〜14のいずれかに記載の複数のパイプの連結構造体。
【請求項16】
少なくとも第1パイプと第2パイプとを連結具を介して連結する複数のパイプの連結方法であって、
連結具は、第1パイプ及び第2パイプがそれぞれ挿通されるとともに、連結具をその厚さ方向に且つ互いに非連通状態に貫通した第1挿通孔及び第2挿通孔を有しており、
第1パイプを第1挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通させて挿通した状態で、第1パイプをエキスパンド加工することにより、第1パイプを連結具に固定する工程と、
第2パイプを第2挿通孔内に連結具の厚さ方向に貫通させて挿通した状態で、第2パイプをエキスパンド加工することにより、第2パイプを連結具に固定する工程と、
を含んでいることを特徴とする複数のパイプの連結方法。
【請求項17】
連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部を曲げる曲げ加工工程を含んでいる請求項16記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項18】
連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と第2連結部とを角度保持部材に固定する工程と、
を含んでいる請求項17記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項19】
連結具の第1連結部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結するダクト部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と第2連結部とをダクト部材に固定する工程と、
を含んでいる請求項17記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項20】
ダクト部材は、連結具の第1連結部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能するものである請求項19記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項21】
連結部は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に第2連結部を捻る捻り加工工程を含んでいる請求項16記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項22】
連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部を曲げる曲げ加工工程と、
連結具の中間板部に対して相対的に第2連結部を中間板部の曲がり方向とは反対方向に曲げる曲げ加工工程と、
連結具の第1連結部と中間板部との間の屈曲部の内側に、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する第1角度保持部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と中間板部とを第1角度保持部材に固定する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する第2角度保持部材を配置する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部とを第2角度保持部材に固定する工程と、
を含んでいる請求項16記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項23】
連結具は、第1挿通孔を有する第1連結部と、第2挿通孔を有する第2連結部と、第1連結部と第2連結部との間に配置されるとともに第1連結部と第2連結部とを連結した中間板部と、を備えるとともに、中間板部に開孔が設けられており、
連結具の第1連結部に対して相対的に中間板部を曲げる曲げ加工工程と、
連結具の中間板部に対して相対的に第2連結部を中間板部の屈曲方向とは反対方向に曲げる曲げ加工工程と、
連結具の第1連結部と中間板部との間の屈曲部の内側に、第1パイプの端面開口と中間板部の開孔とを連通状態に連結する第1ダクト部材を配置する工程と、
連結具の第1連結部と中間板部とを第1ダクト部材に固定する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部との間の屈曲部の内側に、中間板部の開孔と第2パイプの端面開口とを連通状態に連結する第2ダクト部材を配置する工程と、
連結具の中間板部と第2連結部とを第2ダクト部材に固定する工程と、を含んでいる請求項16記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項24】
第1ダクト部材は、連結具の第1連結部と中間板部とを連結する方向に対して剛性を有して、第1連結部と中間板部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能するものである請求項22記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項25】
第2ダクト部材は、連結具の中間板部と第2連結部とを連結する方向に対して剛性を有して、中間板部と第2連結部との間の角度を保持する角度保持部材としても機能するものである請求項23又は24記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項26】
連結具は、押出加工により形成されたものである請求項16〜25のいずれかに記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項27】
第1パイプ及び第2パイプのうち少なくとも一方のパイプは、断面多角形状であり、
連結具の第1挿通孔及び第2挿通孔のうち、前記一方のパイプに対応する挿通孔の断面形状は、前記一方のパイプの断面形状に対応した形状である請求項16〜26のいずれかに記載の複数のパイプの連結方法。
【請求項28】
第1パイプと第2パイプとをそれぞれ、エキスパンド加工用ダイを用いたエキスパンド加工方法によりエキスパンド加工する請求項16〜27のいずれかに記載の複数のパイプの連結方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2008−51237(P2008−51237A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−228762(P2006−228762)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】