説明

複数のマイクロ導管を形成するための方法および装置

例えば経皮ドラッグデリバリに使用することができる、ヒトの皮膚組織の最外層である角質層を貫通する経路を設けるために、角質層に複数のマイクロ導管すなわち小孔を作る装置が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本出願は、2007年5月3日出願の同時係属中の米国特許出願第11/743,818号の優先権を主張するものであり、その開示は、参照により本明細書に援用されている。
【0002】
例えば経皮ドラッグデリバリに使用することができる、皮膚組織の最外層である角質層を貫通する経路を設けるために、角質層に複数のマイクロ導管すなわち小孔を作る装置が開示される。
【背景技術】
【0003】
全般的に使用されている用語「経皮ドラッグデリバリ」は、薬学的に活性な分子による、皮膚の頑丈な外防壁である角質層の通過を指す。表皮の薄い(約20μmの)外層である角質層は、多層脂質関門および頑丈な蛋白質ベースの構造をどちらも含む死細胞である。
【0004】
角質層の直下にある表皮もまた、脂質関門として機能する。表皮の直下にある真皮は、多種の溶質に対して浸透性がある。皮膚への局所適用による薬物の投与において、脂溶性薬物分子は、皮膚の多層脂質二重層の膜内に溶け込み、それを通過し、脂質二重層内で、薬物分子の溶解度に基づき濃度勾配に従って拡散する。経皮ドラッグデリバリは、皮膚の直下の組織に、または血液循環による体内での全身配達のための毛細管に、目標設定されてよい。
【0005】
用語「経皮ドラッグデリバリ」は、通常、皮下注射、輸注ポンプのための長期間の針の穿刺、および皮膚の角質層を貫通する他の針、を除外する。したがって、経皮ドラッグデリバリは、一般に、低侵襲性と見做される。しかし、角質層を通過する治療用分子の輸送の低率は、依然として周知の臨床的問題のままである。
【0006】
限られた数の親油性薬物の経皮デリバリのみが市販されている。既存の方法には、例えば、緩慢で制御が困難な傾向がある受動的な経皮ドラッグデリバリ法である着用式「パッチ」の使用が含まれる。
【0007】
他の方法には、粒子が角質層を通過して表皮または真皮内に進入するように、直径20μmから70μmまでの薬物粒子またはより小さいDNA被覆金粒子を超音速まで加速する「遺伝子銃」の使用が含まれる。遺伝子銃に使用されるような直径20μmから70μmまでの単一粒子は、超音速で角質層に向かって発射された場合、角質層、表皮、および真皮の組織を貫通して破り、引き裂き、ある深さで停止し、存続する。該深さは、粒子の初期速度および質量により決定される。組織は人により様々な程度まで弾性があるので、上記組織を貫通する得られた経路は、1μmから約30μmまでの範囲内であり得る。半止水式の類似物は、直径750μmの一般的なピンでゴムシートに穴を開けることである。ゴムシートから引き抜かれると、得られた開口部のサイズは、1μm未満であるか、または恐らく全く開いていない。これは、ピンが貫通するように押し進められるにつれて、ピンがゴムシートを裂き、ゴムシートの弾性(脇に寄る能力)に因り、それを脇に押しやったためである。該類似物の場合と同様に、皮膚の弾性に因り、粒子が皮膚を通して押し進められると、組織は一時的に脇に押しやられるだけであるため、遺伝子銃の使用では皮膚にマイクロ導管が形成されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006−0041241(A1)号明細書
【特許文献2】米国特許第6,706,032号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Dermatologic Surgery、Vol. 32、No. 6、823〜833頁(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在研究されている経皮ドラッグデリバリ法の例には、角質層に空洞現象を生じさせる超音波の使用(ソノフォレシス)、表皮へのアクセスを実現する角質層の小領域のレーザアブレーション、角質層に開口部を作る顕微針の使用、既存の水液経路を通って輸送が生じると考えられる低電圧イオントフォレシスを含む電気的方法の使用、および皮膚のエレクトロポレーションを引き起こす高電圧パルスの使用、が含まれる。これらの方法の各々に関連する欠点がある。例えば、分子の輸送速度は、分子サイズが大きくなると急速に低下する傾向があることが多い。他の欠点には、疼痛および不快症状、皮膚のかぶれ、必要な設備の高コストおよび大サイズ、ならびに針が折れて皮膚内に埋め込まれたまま残留する可能性、が含まれる。
【0011】
また、ワクチンを送達するための皮下注射および皮内注射などの確立された技術を使用する際に遭遇する周知の問題は、表皮および真皮の抗原提示細胞に対する、またはケラチン生成細胞に対する、免疫材料の不正確な配置である。
【0012】
生体の皮膚の表面で生体電位測定および他の電気的測定を行う現在使用されている方法に伴う既存の問題は、動きまたは皮膚に関連する他の電位により測定が劣化することが多いということである。皮膚の角質層のマイクロ切断または剥離などの技術は、そのような電気的測定の質を大幅に向上させることができる。しかし、皮膚の機械的変化は、変化の程度の制御が困難であるため、非常に望ましくない。機械的変化は、疼痛および不快症状を引き起こす可能性があり、感染に繋がる可能性がある。したがって、皮膚の表面で生体電位測定を実施する改善された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、例えば、組織への治療薬の送達の改善された方法、治療薬の経皮デリバリの改善された方法、皮膚組織を下支えする組織へ治療薬を送達する改善された方法、マイクロ導管内にある間の検体の測定を含む、抽出液内の検体を検出するために間質液または血液の試料を得る改善された方法、および生体電位測定を実施する改善された方法を提供することにより、これらの必要を満たす。
【0014】
例えば経皮ドラッグデリバリに使用することができる、ヒトの皮膚組織の最外層である角質層および/または表皮を貫通する経路を設けるために、角質層および/または表皮に複数のマイクロ導管すなわち小孔を作る装置が開示される。
【0015】
したがって、本発明の一実施形態は、研削アセンブリと、研削デバイスを停止させ引き戻す制御モジュールにより研削の深さを制御するために、研削アセンブリに機械的に連結されている制御モジュールと、を含む、研削により1つまたは複数のマイクロ導管を形成するための装置に関する。
【0016】
一実施形態では、研削アセンブリはまた、インピーダンス検出研削ユニットと、研削アセンブリに電気的に接続されているセンサと、を含む。
【0017】
複数のマイクロ導管を形成する装置は、複数の孔を有するマスクと、複数のマイクロ導管を形成するための研削ディスクと、を含むことが好ましい。マスクは恒久的(例えば、金属)であり得るか、または交換可能(例えば、プラスチック)であり得る。いくつかの実施形態では、研削ディスクは恒久的な研削材を含む。他の実施形態では、研削ディスクは交換可能な研削材を含む。さらに他の実施形態は、研削粒子で被覆されたプラスチック糸の微細格子を含む。他の実施形態では、研削材は導電性材料で作製されている。
【0018】
複数のマイクロ導管を形成する装置は、インピーダンス検出研削ユニットが、研削されている表面に垂直な方向に移動することを可能にする台を含むことが好ましい。別の実施形態では、インピーダンス検出が、間質液、血液、または表皮組織に接触している金属マスクにより実施される。特に好適な実施形態では、インピーダンス検出研削ユニットは、コンピュータ制御されている。
【0019】
本発明の別の実施形態は、ある素材に複数のマイクロ導管を形成する方法に関する。該方法は、複数の開口部を有するマスクを通り抜ける素材を研削するステップと、研削されている素材の電気インピーダンスを監視するステップと、素材の電気インピーダンスの変化が検出された時に素材を研削するステップを停止させるステップと、を含む。別の実施形態では、マスクの孔の直径および/またはマスクの厚さが研削の深さを制限するように作用する。いくつかの好適な実施形態では、研削されている素材は、ヒトの皮膚の角質層および/または表面表皮層である。他の好適な実施形態では、研削されている素材は、動物の皮膚の外層である。複数のマイクロ導管が形成されると、例えば経皮ドラッグデリバリにおける改善として、他の物質、例えば薬物が該マイクロ導管を通して容易に輸送される。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態は、1つまたは複数の薬物を患者の皮膚を通して経皮的に送達する方法であって、
(1)研削デバイスを備えた研削アセンブリと、研削デバイスを停止させ引き戻すことにより研削の深さを制御するために、研削アセンブリに機械的に連結されている制御モジュールと、を含む研削装置を使用して、患者の皮膚の外層を貫通する複数のマイクロ導管を形成するステップと、
(2)経皮デリバリのために、上記1つまたは複数の薬物をマイクロ導管に投与するステップと、
を含む、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】特許文献1から複写されたPATH FORMERデバイスの図である。この先行技術のデバイスは、本明細書に詳述されている通り、本発明において修正される。
【図2】PATH FORMERデバイスに施された修正を示す図である。ドリル部が除去され、研削ディスクのためのマンドレルに交換されている。ディスクは、複数孔の皮膚マスクと併用される場合、角質層を貫通する複数のマイクロ導管の形成を可能にする。
【図3】PATH FORMERデバイスの動作端部に施された修正のクローズアップ図である。
【図4】PATH FORMERデバイスの修正型により形成された複数のマイクロ導管の図である。
【図5】PATH FORMERデバイスの修正型により形成された複数のマイクロ導管のクローズアップ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前述の通り、本発明は、例えば経皮ドラッグデリバリに使用することができる、皮膚組織の最外層である角質層を貫通する経路を設けるために、角質層に複数のマイクロ導管すなわち小孔を作る装置に関する。
【0023】
好適な実施形態では、本発明は、その開示が参照により本明細書に援用されている特許文献1に記載されている、PATH FORMER(商標)マイクロ導管ドリルの修正型に関する。
【0024】
PATH FORMERは、マイクロ導管を作るために角質層を上手く切除するが、経皮パッチドラッグデリバリは、理想的には、皮膚を横断する最大限の薬物流を得るために、小領域内に複数の孔を必要とする。
【0025】
このことをPATH FORMERで達成する一手法は、中心間位置出し器としての機能を果たすと考えられる、孔を有する薄いステンレス鋼テンプレートの使用を含む。該テンプレートはまた、ECG電極に接触して(または、適切に準備された場合、テンプレートはそのままECG電極としての機能を果たすことができる)、抵抗トリガ設定による深さ決定のための電気路をもたらすように作動することができる。
【0026】
このように、操作者は、PATH FORMERのノズルを各テンプレート開口部に配置し、マイクロ導管を作ると考えられる。この作業が連続的に継続し、その際、所望の各マイクロ導管の形成には数秒が必要である。例えば、10個から100個のマイクロ導管を形成するには、約1分から5分が必要である可能性がある。代替案では、操作者は、それをフリーハンドで行うことができると考えられるが、得られたマイクロ導管の配置野はあまり順序良く配置されていない。
【0027】
PATH FORMERのさらに別の修正は、各々がカッタを駆動する遊星歯車を周囲に備えた太陽歯車の付加を含む。これは、歯車およびシャフトのサイズが制限されているため、好ましくは、7または9個のカッタに限定されており、各々が0.125インチの各センタ上にマイクロ導管を形成する。本実施形態では、最も近接した孔の各センタが約0.125インチであると考えられる。さらに、PATH FORMERの深さ検出特徴は、各カッタ上では使用可能でないと考えられるが、代わりに、代表のパイロットカッタ上に設けられていると考えられる。
【0028】
PATH FORMER装置の別の修正は、現時点で好適な改良であり、それは、ヒトの皮膚(表皮および真皮)が、顕微鏡レベルでウォータベッドまたは風船に非常によく似た働きをするという認識に基づいている。皮膚、特に下に脂肪組織を有する領域を圧迫すると、皮膚はどこか他の所で突出する。皮膚を環状リングで圧迫すると、リングはある程度沈み、リングの領域の内側および外側で皮膚を突出させる。
【0029】
この現象を考慮して、本発明の好適な実施形態は、略同じ寸法で互いに近接している孔(直径0.020インチから0.050インチまで)を有する、ドラムヘッドのようにPATH FORMER装置の保持脚部に取り付けることができるステンレス鋼の薄い(0.0005インチから0.005インチまでの)板を含む。この場合、PATH FORMER装置のモータは、適切なサンドペーパまたは研削スポンジを担持している平らなディスクを回転させる。動作中、PATH FORMERの脚部が、軟組織で下支えされている身体部位の皮膚に押し付けられる。十分な力が掛けられた場合、皮膚はドラムヘッドの孔を通って突出する。脚部が沈み込むにつれて、皮膚は孔を通って上方へ突出し、サンドペーパディスクまたは研削スポンジが降下し、皮膚の最上層(角質層)を研削して、ドラムヘッドの各孔の所に複数のマイクロ導管を同時に形成する。
【0030】
本発明の本実施形態の要所は、ステンレス(または他の材料)のドラムヘッドの孔を通り抜けて突出する皮膚は、テンプレートの内(上)面の上方に極僅かしか突出せず、それにより、研削行程の深さが限定され、神経網の高さの上方に保たれるということである。研削材は、一般的に、治療目的および美容効果(皮膚擦傷法およびマイクロ皮膚擦傷法)の両方のために、0.0005インチから0.001インチまでの厚さの角質層の選択された領域を除去するために、皮膚科医により使用される。皮膚組織を除去するのに適した研削材は周知であり、例えば微細、中程度、粗い等の、種々の研削レベルを含む。行程を迅速化するために角質層をより非弾性に、より研削可能にするように、アルコールまたは他の乾燥化学薬品で事前に処理することができると考えられる。
【0031】
突出が略球形であると仮定すると、それは、直径約0.0003インチから0.0005インチまでの皮膚の円が、テンプレートの上面の上方に延出するということを意味する。0.040インチから0.070インチまでの孔の範囲内で、突出は増大すると考えられる。これらの寸法およびセンタは、0.250インチ四方に3×3列、または0.350インチ四方に4×4列のマイクロ導管の形成を可能にすると考えられる。厚さ0.001インチのステンレス鋼テンプレートの0.046インチの各センタ上の直径0.038インチの孔での突出効果により、皮膚が0.0002インチから0.0004インチまでテンプレート表面の上方に突出することが可能になることが、実験により示された。
【0032】
本明細書で使用されている用語「マイクロ導管」は、組織に進入またはそれを貫通する小さい開口部、導管、または孔を指し、液体流により、かつ電気泳動により、材料の輸送を可能にする。一実施形態では、マイクロ導管はまた、拡散により、または対流により、材料が移動することを可能にする。
【0033】
ある実施形態によるマイクロ導管の平均サイズは、直径約1mm以下である。一実施形態では、マイクロ導管は、約10μmと約200μmの間の範囲内の直径を有する。別の実施形態では、マイクロ導管は、約2μmと約1mmの間の範囲内の直径を有する。本発明のある実施形態では、マイクロ導管は、通常、注射器注射に使用される針より小さいが、検体分子、治療用分子、およびイオンの担体の直径、または検体分子、治療用分子、およびイオン自体の直径より遥かに大きい特徴的なサイズまたは直径を有する。本明細書で使用されている用語「直径」は、マイクロ導管の略円筒形の部分の少なくとも1つの断面のおおよその直径または特徴的な線寸法を指す。
【0034】
前述の通り、本発明は、特許文献1に十分に記載されているPATH FORMERデバイスの改良型に関する。PATH FORMERデバイスの使用に関する報告書が、非特許文献1に発表された。
【0035】
図1はPATH FORMERデバイスを示す。そこに示されている通り、インピーダンス検出ドリル10は、穿孔アセンブリ15と、インピーダンス検出ドリル10による穿孔の深さを制御するために、穿孔アセンブリ15に機械的に連結されている制御モジュール20と、穿孔されている素材のインピーダンスの変化を検出するために、穿孔アセンブリ15と制御モジュール20とに電気的に接続されているセンサ25と、を含む。
【0036】
好適な実施形態では、穿孔アセンブリ15は、第1のハウジング30と、第1のハウジング30内に取り付けるように構成されている第2のハウジング35と、第2のハウジング35内に滑動可能に構成されている第3のハウジング05と、第2のハウジング35に取り付けられている、電気的に絶縁されたノズル40と、第3のハウジング05から電気的に絶縁されており、第3のハウジング05内に取り付けられているドリルモータ45と、穿孔に使用されるビット70を受容するドリルカラー50と、を含む。
【0037】
第1のハウジング30および第2のハウジング35および第3のハウジング05は、金属で作製されており、第3のハウジングが、ドリルモータ45を含んでいると同時に、第2のハウジング内で滑動可能であるような大きさに作製されていることが好ましい。ドリルモータ45は、穿孔されている素材にマイクロ導管を形成するのに適した動力を備えた直流モータであることが好ましく、適切な直流モータには、Ringwood N.J.のRMB Miniature Bearing社製マイクロモータ、およびGarland TXのB.G. Micro社製MOT 1009またはMOT 1025が含まれるが、それらに限定されない。
【0038】
ノズル40は、通常、穿孔アセンブリが使用されている組織または有機物質への電気ショックの危険を最小限にするために、非導電性材料で作製されている。また、非導電性ノズルは、ドリル/エンドミル「検出電極」と抵抗検出回路100との間のいかなる可能性のある電気インピーダンス並列経路も排除する。図1に示されているノズル40は、プラスチックで作製されており、通常は3または4個の脚部55を含む。これらは、穿孔アセンブリ15全体を穿孔されている素材(ここでは爪60)の外面に堅固に配置するように働く。他の実施形態では、ノズル40は、他の素材または表面上での使用に適合されていてもよい。そのようなものの例は、図2に見ることができ、ノズル40aはテフロン(登録商標)で作製されており、皮膚65上での使用に適合されている。
【0039】
図1に示されているノズル40は、第2のハウジング35に取り付けられている。第2のハウジング35は、第1のハウジング30により調節可能にクランプされている。アンクランプされた場合、ノズル40を、ドリルビット70に対して垂直に配置しクランプすることができる。第1のハウジング30は、機械的アセンブリ全体を目標領域の上方に保持する保持アーム300に取り付けられている。
【0040】
図1を再度参照すると、チャックとも呼ばれるカラー50は、ビット70をドリルモータ45に取り付けるのに適したサイズおよび材料であることが好ましい。好適な実施形態では、カラー50は、ドリルモータ45を通って穿孔されている素材に接触しているドリルビット70までの電気インピーダンス検出を可能にする、導電性材料で作製されている。適切なカラー材料の例には、ステンレス鋼、真鍮、および鉄鋼が含まれるが、それらに限定されない。
【0041】
好適な実施形態では、制御モジュール20は、ハウジング75と、垂直駆動モータ80と、支持アーム85とを含む。ハウジング75は、金属で作製されており、穿孔アセンブリ15の第1のハウジング30に取り付けられていることが好ましい。垂直駆動モータ80は、ハウジング75内に装着されている。好適な実施形態では、垂直駆動モータ80は直流モータである。適切な垂直駆動モータには、Ringwood N.J.のRMB Miniature Bearing社製マイクロモータ、およびGarland TXのB.G. Micro社製MOT 1009またはMOT 1025が含まれるが、それらに限定されない。
【0042】
支持アーム85は、穿孔アセンブリの第3のハウジング05に連結されており、垂直駆動モータ80に取り付けられているねじ軌道90上に装着されている。この構成では、垂直駆動モータ80が回転すると、支持アーム85はねじ90に沿って移動し、それにより、穿孔アセンブリの第3のハウジング05、ならびにドリルモータ45および取り付けられているドリルビット70を上昇または下降させる。図1に示されている実施形態は、支持アーム85上のキャプティブナット95を使用して、ねじ軌道90に沿った垂直動作を達成する。
【0043】
好適な実施形態では、センサ25は、穿孔されている素材のインピーダンス値の変化を検出するために、穿孔アセンブリ15のドリルモータ45および制御モジュール20に電気的に接続されている。好適な実施形態では、センサ25は、抵抗検出回路100と、極性スイッチ105とを含む。図1に示されている通り、抵抗検出回路100は、電気インピーダンスが測定されている素材に接触して配置されている第1の電極110を有する。カラー50を介してモータ45と電気的に接続されているドリルビット70が、電気インピーダンスの変化が測定されている素材と接触している第2の電極のように作動するように、第2の接続115が、抵抗検出回路100からドリルモータ45まで成されている。センサ25の極性スイッチ105は、制御モジュール20の垂直駆動モータ80に電気的に接続されている。測定されているインピーダンスに変化が検出された場合、制御モジュール20に信号が送信され、垂直駆動モータ80の方向を反転させる。
【0044】
センサ25の好適な実施形態では、測定されている電気インピーダンスの特性は、電気抵抗である。この測定およびドリル制御回路(25および185)は、特許文献1に十分に説明されている。
【0045】
図1を再度参照すると、好適な実施形態では、インピーダンス検出ドリルは、通常、穿孔されている素材の近傍のスタンド300上に取り付けられている。穿孔アセンブリ15、制御モジュール20、およびセンサ25は、第1の電源305と第2の電源185とに連結されている。第1の電源305は、ドリルモータに電力を供給する可変直流電源である。第2の電源185は、垂直駆動モータに電力を供給する可変直流電源またはパルス直流電源のいずれかである。適切な電源には、Melville、N.Y.のLambada Co.社製LP521FMおよびSan Diego、CAのHewlett Packard Co.社製721Aが含まれるが、それらに限定されない。第1の電極110は、マイクロ導管が形成される素材と接触して配置されている。マイクロ導管の穿孔は、足踏みペダルなどのスイッチ175により制御される。穿孔を制御する適切なスイッチの例は、Woodstock、ConnのLinemaster Switch Co.社製T−51−Sである。ユーザは、制御スイッチ175(ここでは足踏みペダル)を起動することにより、穿孔を開始する。第1の電極110と第2の電極70(ドリルビット)との間で測定されている電気インピーダンスの変化が、センサ25により検出された場合、センサ25は、ドリルの垂直方向を反転させる信号を送信し、素材からドリルビットを除去することにより穿孔を効果的に停止させる。
【0046】
図2および3は、図1に示されているデバイスに施される好適な修正を示す。図2の参照点Bに示されている通り、ドリルビット70およびノズル40は、カッタチャックから除去されている。それらは、研削ディスクのためのマンドレルおよび薄い複数孔マスクのためのマスクホルダに交換されている。
【0047】
図2および3の参照点CおよびDに示されている通り、薄い複数孔マスクは、皮膚組織の表面に押し込まれると、マスクの孔の各々を通して皮膚を突出させ、それにより、研削ディスク上の研削材は、複数のマイクロ導管を残して、それを除去することができる。マイクロ導管のサイズおよび深さは、複数孔マスクの孔のサイズおよび数により決定される。マスクに、好ましくは少なくとも3個の孔、より好ましくは少なくとも9個の孔、最も好ましくは少なくとも16個の孔があることが好ましい。図4および5に示されている通り、16個の孔を有するマスクが首尾よく採用されている。
【0048】
PATH FORMERを修正するために使用されている構成要素は、任意の適切な材料、例えば金属またはプラスチック、から作製することができる。好適な金属は、アルミニウムおよびステンレス鋼である。複数孔マスクに特に好適な金属は、ステンレス鋼である。同様に、研削ディスクに使用されている研削材は、恒久的(例えば、ダイヤモンド粒子)または交換可能(例えば、研削パッド)であり得る。試験段階で使用された一研削材は、市販のScotch−Briteパッドからの材料であった。
【0049】
経皮デリバリ
複数のマイクロ導管が形成されると、そのようなマイクロ導管は、イオンおよび分子の輸送にとって皮膚の主な障壁である角質層を通る分子およびイオンの輸送のための、大きな水液経路を提供する。好適な実施形態によると、マイクロ導管のサイズは、蛋白質および核酸などの高分子より遥かに大きいため、大した立体障害もなく輸送が生じる。このため、角質層超マイクロ導管または角膜超マイクロ導管は、基本的にいかなるサイズの分子の経皮的輸送も実現することができる。
【0050】
したがって、さらに別の実施形態では、複数のマイクロ導管を形成する行程の後に、1つまたは複数のマイクロ導管を通して1つまたは複数の治療用分子またはイオンを輸送し、例えば皮膚を含む組織へのドラッグデリバリを達成する追加のステップが続き得る。
【0051】
そのような一実施形態では、治療薬(例えば、インシュリンなどの薬物およびDNAなどの遺伝物質)の経皮デリバリは、本発明のある実施形態によるマイクロ導管を形成し、次いで、治療薬をマイクロ導管内に方向付け、それにより、治療薬を皮膚を通して組織へ送達することにより達成される。別の実施形態では、検体の経皮的抽出は、本発明によるマイクロ導管を形成し、次に検体を組織からマイクロ導管を通して除去することによって達成される。一実施形態では、検体は標本抽出により除去される。例えば、検体血液は、血液がマイクロ導管から採取シートまたはプレート上に流出することを可能にすることにより除去される。別の実施形態では、間質液などの検体は、例えばピペットを使用して、マイクロ導管全体に亘る圧力を低減することにより除去される。
【0052】
リドカインおよび他の麻酔薬、ヘパリン、エリスロポエチン、成長ホルモン、ステロイド、種々のペプチドなどの薬物、ならびに巨大DNA断片、RNA、小さいアンチセンスオリゴヌクレオチドなどの遺伝物質、ならびに一般にワクチンおよびアジュバントを含む免疫材料を含む、薬物および遺伝物質の多数の他の例が周知である。
【0053】
ある実施形態によるマイクロ導管を通した治療薬の経皮デリバリは、無傷の角質層が分子およびイオンの輸送の治療上有意な率を妨げることが多いことを含む複数の理由で、重要である。ある実施形態によるマイクロ導管は、角質層を通る分子およびイオンの立体障害のない移動を可能にする。ある実施形態によるマイクロ導管を通る分子およびイオンの移動は、拡散、電気泳動、または静水圧差、ならびに超音波生成圧力差および浸透圧差を含む時変圧力差によって動かされる対流により発生し得る。これは、電気泳動および電気浸透のどちらも含み得るイオントフォレシスを含む。一実施形態では、マイクロ導管に直流電圧が印加され、イオントフォレシスを生じる。特定の実施形態では、マイクロ導管に印可される直流電圧はパルス状である。
【0054】
さらに別の実施形態によると、様々な程度の制御による1つまたは複数のマイクロ導管を通る分子およびイオンの移動は、供給される分子およびイオンの種々の量または濃度を使用することにより達成され得る。ある実施形態によると、分子およびイオンの拡散は、分子およびイオンの供給濃度を制御すること、使用される(通常は生理的食塩水に基づく)溶液を制御すること、および温度を確定または測定すること、次いで供給溶液が1つまたは複数のマイクロ導管に接触している時間を制御すること、により制御することができる。本発明の一実施形態は、マイクロ導管を通した生体適合性非毒性液体などの適切な医薬担体中の治療薬の拡散を利用して、経皮ドラッグデリバリを達成する。別の実施形態では、治療薬の持続放出を達成するために、治療薬は、溶液中ではなく、ヒドロゲル、ポリマー、または分子マトリクス中で供給される。
【0055】
本発明はまた、免疫材料が、樹状細胞およびケラチン生成細胞などの他の細胞付近の組織内に効果的に導入されることが可能であり、次いで、さらなるステップとして、皮膚内部の樹状細胞、ケラチン生成細胞、および任意の他の標的細胞内に送達されるような、送達の方法および装置に関する。
【0056】
ある実施形態によると、1つまたは複数のマイクロ導管を形成する行程の後に、免疫材料を組織内に輸送する追加のステップが続く。免疫材料が皮膚内部の樹状細胞に送達される皮膚の免疫処置は、特に重要である。このように、角質層を完全に貫通する経皮マイクロ導管の形成の後に、表皮内への免疫材料の輸送が続き得る。
【0057】
本行程は、皮膚の免疫処置のための、DNAなどの核酸の皮膚内への輸送または送達を含む。ある実施形態によると、マイクロ導管が内部に向かって形成されている皮膚表面に核酸を含有する溶液が塗布され、拡散、電気泳動、または対流が使用されて、1つまたは複数のマイクロ導管を通して皮膚組織内に核酸分子を輸送する。
【0058】
また、遺伝子治療の目的で、1つまたは複数の核酸分子を、マイクロ導管を通して皮膚組織内に輸送することができる。
【0059】
本発明のある実施形態では、マイクロ導管のサイズに因り、液体対流が、各マイクロ導管を通して分子を自然に移動させるように作用する。マイクロ導管内部に分子マトリクスが形成されなかった場合、対流は重要である。一実施形態では、1つまたは複数のマイクロ導管を通る対流のための推進力を供給することにより、水溶性分子が送達される。ある実施形態によると、流動を推進するために圧力差または圧力勾配が利用される。例えば、マイクロ導管の末端(入り口または開口部)で、組織内の圧力に対してさらに高い圧力を掛けることにより、圧力差を形成することができる。マイクロ導管の表面開口部が、送達される分子の薬物含有溶液を有する容器に隣接している場合、容器内の圧力を増大させることによりマイクロ導管に沿って圧力差が生じ、結果として流動が生じる。このことは、注射器の筒部(容器)内の溶液に圧力を掛けることと類似している、すなわち筒部の圧力を増大させることにより、流動を(マイクロ導管に類似した)針を通して組織内に進入させる。このように、1つまたは複数のマイクロ導管を通る、対流による経皮ドラッグデリバリが所望される場合、ある実施形態によると、1つまたは複数の角質層超マイクロ導管の部位に皮膚に当接して保持されている薬物容器内の圧力を上昇させることにより、流動が確立され得る。例えば、特定の実施形態では、開口部内に方向付けられた薬物または治療薬は、カラム、例えばピペットまたは毛細管内にあり、カラムは、マイクロ導管周囲の組織に対して密閉されている。次に、例えば、カラムまたはピペットの一端に取り付けられているゴムバルブを締め付けることにより、マイクロ導管に圧力が直接掛けられ、それにより、カラムまたはピペット内に含まれている治療薬がマイクロ導管内に押し込まれる。治療薬は、マイクロ導管を取り巻く組織によって吸収される。別の実施形態によると、マイクロ導管を通る対流はまた、浸透圧差、ならびに超音波および電気浸透などの時変圧力差を使用することにより、確立され得る。
【0060】
さらに別の実施形態によると、同様に圧力を使用して、容器または供給源からの変形可能な薬物含有ヒドロゲルを、マイクロ導管内に押し込むことができる。ヒドロゲルは、ある実施形態によるマイクロ導管内に挿入されると、マイクロ導管が表皮を越えて貫通している場合、表皮内への、またはより深い組織内への、薬物の制御された持続放出を実現することができる。一般に、表皮内に放出された分子は、毛細血管に進入するために移動する。小サイズの他種の持続放出実体もまた、マイクロ導管を通して導入することができる。
【0061】
(実施例)
いかにして角質層を貫通する複数のマイクロ導管を同時に作るかの検討において、角質層の少なくとも一部を研削するという着想が検討された。ガス流中の小さい鋭利な顕微鏡的な酸化アルミニウム粒子を使用して組織片を切削し、ガス流により取り除くMicroscission System(参照により本明細書に援用されている特許文献2参照)とは異なり、本概念は、研削剤、例えば硬い鋭利な粒子が接着されているサンドペーパ、の使用から生じている。水和していてより柔らかいか極めて柔らかいので、上で移動する研削粒子の下であちこち動く他の組織とは反対に、角質層は相当乾燥しており、多少硬く薄いので、上方でサンドペーパを滑動させることにより角質層が研削される。実際に、角質層を除去するサンドペーパまたは同様の研削材は、皮膚化学および経皮吸収研究における1つの標準的な技術である。
【0062】
Microscission SystemおよびMesoscission Systemを用いた過去の研究から表皮および真皮のウォータベッドまたは枕様の性質に基づいて、しっかりと圧迫された場合に角質層、表皮、および真皮の組織がその孔を通って突出することを可能にするのに十分に大きい孔を有する、薄い剛性プレートの着想が展開された。皮膚と反対側の剛性プレートの面を越えて延出する皮膚の突出を生じさせるための孔の直径を決定することが狙いであった。この「ガウス曲線」様の突出が(複数の)孔を貫通して押圧されている間に、その上方をサンドペーパが通過した場合、かつ角質層が十分に乾燥していた場合、サンドペーパ上の研削材は関連する硬い角質層を除去して、角質層を貫通する略円形であろう開口部を作った。この開口部の深さは、開口路が確実に表皮内に進入するように、角質層の公称厚さ(0.0005インチから0.001インチまで)より若干大きくなければならないと考えられる。これの類似物は、切削ヘッドに孔を有する電気かみそりであると考えられる。該孔を通って髭の毛が突出することができ、上方を通過する鋭利な刃によって切断される。
【0063】
PATH FORMERの複数マイクロ導管カッタ(MMC)への修正
ドリルで穿孔されており、対象の前腕および手の甲に押し付けられる、種々の孔を有する薄い(0.001インチから0.002インチまでの厚さの)ステンレス鋼シム材料を用いた予備実験後、金属が押し付けられている皮膚が金属を通り抜けて上方へ突出することを可能にするには、少なくとも直径0.040インチの孔が必要であることが結論付けられた。
【0064】
また、この遮蔽体がどのくらい剛性でなければならないかという問題が、試験された。ここで、遮蔽体接触面の直径は、約0.375インチから0.50インチであることが分かった。これは、遮蔽体接触面が大きい程、より大きく向きが逸れ、皮膚内へ沈み込みにくくなるからであり、ある時点で、接触されている皮膚はもはや伸展しなくなり、そのためもはや遮蔽体の開口部を通って十分に突出しなくなる。最後に、遮蔽体が十分に堅固であれば、詰込み密度をより良好にし、皮膚突出の最大限の高さを可能にするために、孔間に残留している素材を最小限にすることができる。
【0065】
これらの変数が検討された後、PATH FORMERのためにある付属装置が作製された。皮膚に押し付けられた時にステンレス鋼(0.001インチ)があまりに逸れ過ぎたため、遮蔽体は0.002インチの厚さとされることになっていた。該遮蔽体は、0.070インチの各センタ上に直径0.050インチの9個の各開口部を有し、0.020インチの孔間金属幅が生じることになっていた。この正方配列の対角線は0.250インチである。これは、研削材(例えば、サンドペーパ)交換のために容易に除去されなければならないので、保持「ノーズ」は、長さ0.260インチと長さ0.550インチ、外径0.345インチ、内径0.255インチに作製され、遮蔽体が両面粘着テープにより取り付けられたか、または適切な接着剤により取り付けられた。これは、長さ0.306インチ、外径0.50インチのカラーと一体化していた。
【0066】
脚部は、その他端が遮蔽体部分のカラーに嵌入している状態で、PATH FORMERの脚部用の孔に嵌入する管状アダプタ部分に交換された。なお、該遮蔽体部分のカラーは、遮蔽体のカラーをアダプタ部分に保持する係止ねじを有していた。
【0067】
研削材(サンドペーパ)ホルダは、その他端に直径0.230インチの平らな終端部分を有する、直径0.125インチのカッタチャック内に嵌まるシャフトで構成されていた。研削(サンドペーパ)ディスクは、両面粘着テープでこれに取り付けられていた。別の実施形態では、研削スポンジが粘着テープで取り付けられていた。第3の実施形態では、より薄いスポンジ様材料が、マンドレルに粘着テープ留めされており、サンドペーパディスクは、スポンジ様材料に粘着テープ留めされていた。この装置は、若干堅いサンドペーパが傾き、遮蔽体とサンドペーパとの間のずれおよび平行の欠如に適合することを可能にした。
【0068】
PATH FORMERは、止めねじ用の脚部/アダプタを保持する端部プレートを穿孔し穴を開け、往復台と延いては研削ディスクの最大限の前方運動を調整することを可能にし、ディスクが皮膚に押し付けられた遮蔽体に接近し、皮膚に接触する約0.0005インチから0.001インチ手前で停止することを可能にし、ディスクが、遮蔽体の背面にぶつかることなく貫通孔を突出する皮膚の半球体に接触することを可能にすることにより、さらに修正された。
【0069】
サンドペーパから遮蔽体までの最良の間隔を得るためのいくつかの調整の後、発明者は、いくつかのマイクロ導管を同時に開けることができた。マイクロ導管を形成する行程中には、極僅かな不快感があっただけであった。マイクロ導管からの活動性の出血は認められなかった。図4および5参照。
【符号の説明】
【0070】
05 第3のハウジング
10 インピーダンス検出ドリル
15 穿孔アセンブリ
20 制御モジュール
25 センサ
30 第1のハウジング
35 第2のハウジング
40、40a ノズル
45 ドリルモータ
50 ドリルカラー
55 脚部
60 爪
65 皮膚
70 ドリルビット
75 ハウジング
80 垂直駆動モータ
85 支持アーム
90 ねじ軌道
95 キャプティブナット
100 抵抗検出回路
105 極性スイッチ
110 第1の電極
115 第2の接続
175 制御スイッチ
185 第2の電源
300 保持アーム/スタンド
305 第1の電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式研削デバイスを具備する研削アセンブリと、前記研削デバイスを停止させ引き戻すことにより研削の深さを制御するために、前記研削アセンブリに機械的に連結されている制御モジュールと、を含む、研削による1つまたは複数のマイクロ導管を形成するための装置。
【請求項2】
前記研削アセンブリが、複数の孔を有するマスクと、複数のマイクロ導管を形成するための研削ディスクと、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記研削アセンブリが、研削されている素材の電気インピーダンスの変化を検出するセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記研削アセンブリがまた、インピーダンス検出研削ユニットと、前記研削アセンブリに電気的に接続されているセンサと、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記研削アセンブリがまた、インピーダンス検出研削ユニットと、前記マスクに電気的に接続されているセンサと、を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記研削デバイスが恒久的な研削材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記研削デバイスが交換可能な研削材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記研削ディスクが恒久的な研削材を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記研削ディスクが交換可能な研削材を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記研削材が導電性である、請求項6または7に記載の装置。
【請求項11】
前記研削デバイスが、研削されている表面に垂直な方向に移動することを可能にする台をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記研削材が導電性である、請求項8または9に記載の装置。
【請求項13】
前記研削ディスクが、研削されている表面に垂直な方向に移動することを可能にする台をさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項14】
前記薄マスクが、抵抗検出回路に電気的に接続することによりインピーダンスセンサとしての機能を果たすことを可能にする、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記インピーダンス検出研削ユニットがコンピュータ制御されている、請求項4に記載の装置。
【請求項16】
前記インピーダンス検出薄マスクがコンピュータ制御されている、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記マスクの厚さが前記マイクロ導管の深さを決定する、請求項2に記載の装置。
【請求項18】
前記マスクの前記孔の直径が前記マイクロ導管の深さを決定する、請求項2に記載の装置。
【請求項19】
素材に1つまたは複数のマイクロ導管を形成する方法であって、1つまたは複数の開口部を有するマスクを通って突出している前記素材を研削するステップと、前記素材を前記研削するステップを停止させるステップと、を含む、方法。
【請求項20】
素材に複数のマイクロ導管を形成する方法であって、複数の開口部を有するマスクを介して回転式研削デバイスを適用することにより、前記素材を研削するステップと、研削されている前記素材の電気インピーダンスを監視するステップと、前記素材の前記電気インピーダンスの変化が検出された場合に、前記素材を前記研削するステップを停止させるステップと、を含む、方法。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−525887(P2010−525887A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506588(P2010−506588)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/061953
【国際公開番号】WO2008/137442
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509303626)パス・サイエンティフィック・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】