説明

複数の動作モードにおいて患者パラメータを監視および処理する携帯型システム

【課題】携帯型監視ユニットとして収容され、複数の動作モードにおいて患者から取得した信号パラメータを監視および処理するシステムを提供する。
【解決手段】データ取得処理部は、複数の異なる患者付属センサーから患者パラメータデータを受信し、そのデータを処理して、処理済患者パラメータデータを供給する。画像再生部は、処理済患者パラメータデータを表示する。通信インターフェースは、前記表示用の画像再生部に前記処理済患者パラメータデータを送ると同時に、前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングしている第1モードでは前記ドッキングステーションに、第2モードでは無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送る。電源装置は、前記第1モードにおいて、前記携帯型監視ユニットのバッテリーを充電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、医療機器に関する。より詳細には、本発明は多くの異なる動作モードで用いられる監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の生理機能監視装置は、一般に、病院の中や外など、その装置を使用して患者の治療を行う特定の現場向けに設計されている。普通、外傷患者の場合、その患者の監視は事故現場から始まる。救急車には、移動する地上車や航空機において使用可能なように頑丈に設計された移送支援モニターが積まれている。
【0003】
この例を続けると、患者は病院に移送されると、まず事故や病気の重篤性を判断するために救急診療部に受け入れられる。このとき、通常は患者を救急車のモニターから外して、緊急治療室(ER)のモニターに再接続する必要がある。病院の緊急治療室区域用のモニターは、多くの場合、セントラルステーションや情報ネットワークに無線接続されており、モニターと患者が移動可能となっている。このようにして、ER内の必要な場所に、モニターを配置、監視、制御することができる。
【0004】
もし患者が危篤状態にあれば、患者は手術室(OR)または集中治療室(ICU)に移される。この場合、患者はERのモニターから外され、ORまたはICUのモニターに再接続される。ORやICUで用いられるモニターは、通常、据置き型で壁に固定されている。大量のデータへのアクセスを容易にするために、より大きく解像度の高いディスプレイを備える場合もある。また、ORまたはICUのモニターは、患者の健康状態がより詳細にわかるように、より多くのパラメータ機能を追加される場合もある。
【0005】
患者を監視する上での問題は、患者がORから回復区域、さらにICU区域へと移されるときも続く。患者は、ICU区域からより重篤度の低い「ステップダウン」部に移される。このとき、患者の身体は、またもやORのモニターから外され、移送モニターに再接続され、ICUやステップダウンモニターに再接続される。
【0006】
より健康な患者に対しては、患者がベッドを離れてトイレに行ったり、治療室内で移動したりできるように半携帯型または携帯型の着用可能な(遠隔測定)機器を取り付けることが望ましいこともある。完全に歩行可能な患者の場合は、病院内の特定の区域において歩行する運動を許されることもある。このような用途のモニターは、歩行中または運動中に患者が容易に持ち運ぶことができるよう、小型で軽量であることが求められる。患者の生理的状態がさらに回復すると、患者はもはや継続的に監視される必要がなくなる。しかしながら、バイタルサインのスポットチェックは定期的に行われ、患者はやがて退院前の最終の完全な診察を受ける。
【0007】
現行の患者監視装置は、患者の大きさの違いにより、様々な大きさにつくることもできる。例えば、新生児の患者には小さなモニターが、幼児の患者にはこれよりも大きなモニターが、成人の患者に対しては通常の大きさのモニターが必要とされる。また、かかるモニターは、様々な患者の区分ごとに様々な監視パラメータを含んでいる。例えば、幼児の心拍数は成人の心拍数よりも高く、警報パラメータを適切に設定する必要がある。
【0008】
このように、病院では、複数の治療現場、用途、患者区分をカバーするために、2つから4つあるいはそれ以上の種類の監視装置を備えることがある。これらの複数種類の監視装置は、必ずしも同じ業者によって製造されたものとは限らないため、同一の通信プロトコルや方法を用いることは考えられず、たいていは異なる制御、インターフェース、および/または付属品を有している。したがって、複数のモニターを備えることは、看護スタッフに余分な仕事を要求することになる。モニターが変わるたびに、患者の体に取り付けられたセンサーをつなげたりはずしたりしなければならない。また、付属品はときどき使われるだけなのだが、あるモニターの付属品を患者から取り外して別のモニターの対応する付属品を取り付けることはわずらわしい。さらに、看護スタッフはさまざまな制御やインターフェースを有する複数の監視装置を操作できるよう訓練を受けなければならない。
【0009】
もう1つの問題として、従来のシステムは複数の機器間の互換性がないことがある。すなわち、異なる機器同士の通信は簡単でないか、または全くできない。したがって、ある種類の監視装置から別の監視装置にデータを転送することは、難しいかまたは不可能となる。そのため、患者の履歴データは、患者が病院内の様々な区域を進む際に失われてしまう。さらに、患者がどの監視装置にもつながっていないこともあるため、その患者の完全な生理的データを保存することは不可能である。
【0010】
既存の監視装置の中には、データ収集が中断されないように、移送用モニターの特徴と固定モニターの特徴とを組み合わせようとしたものもある。具体的には、かかる装置は大型のディスプレイと携帯性を組み合わせようとしたのである。かかる構成においては、妥協が求められるのが普通である。もしディスプレイを高解像度で使用できるよう十分大型化すれば、そのユニットは移動するのに大きすぎるとともに重すぎることになる。もしディスプレイが携帯性のために軽量でコンパクトなサイズに設計されれば、そのモニターは適切な画面サイズと解像度を有しないために、データへのアクセスが難しくなる、または不可能となる。また、既存のモニターの中には、局部的なディスプレイがないため、患者の状態についての迅速な診断を遅らせ、購入や維持にコストがかるものもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明者らは、患者が初期の緊急移送から歩行可能な通院患者にまで回復するまでの間の、様々な現場や段階を通る際に、患者をあるモニターからはずして別のモニターにつなげる必要性を低減あるいは排除することのできるモニターの需要を認識した。すなわち、患者や患者の環境の必要に応じて自動的に動作を適応させることのできるモニター、看護士が患者から患者へと必要に応じて持ち運びできるコンパクトで携帯型のモニターの需要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の原理によれば、携帯型監視ユニットとして収容されたシステムは、複数の動作モードにおいて患者から取得した信号パラメータを監視および処理する。データ取得処理部は、複数の異なる患者付属センサーから患者パラメータデータを受信し、そのデータを処理して、処理済患者パラメータデータを用意する。画像再生部は、処理済患者パラメータデータを表示する。通信インターフェースは、前記表示用の画像再生部に前記処理済患者パラメータデータを送ると同時に、前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングしている第1モードでは前記ドッキングステーションに、第2モードでは無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントのいずれかに、前記処理済患者パラメータデータを送る。電源装置は、前記第1モードにおいて、前記携帯型監視ユニットのバッテリーを充電する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図面、特に図1aを参照すると、患者の生理的パラメータの監視および処理システムは、携帯型監視ユニット10を備える。監視ユニット10は、データ取得処理部20と、画像再生部30と、通信インターフェース40と、バッテリー52を備える電源装置50と、を含む。通信インターフェース40は、携帯型監視ユニット10が複数の動作モードで動作することを可能にする。通信インターフェース40は、外部電源への接続に利用できる端末41,42を備えるものとして示されている。端末は2つしか図示されていないが、当然のことながら2つ以上の端末を携帯型監視ユニット10から利用することもできる。電源装置50は携帯型監視ユニット10の他の要素に接続されているが、この接続は図面が不必要に複雑にならないよう、図示されていない。
【0014】
センサー21がデータ取得処理部20に接続されていることが図示されている。センサー21は必ずしも、携帯型監視ユニット10の一部である、または携帯型監視ユニット10に搭載されている、とは限らない。しかしながら、センサー21は患者に取り付けて利用することができ、生理的機能に対応する信号を患者からデータ処理部20へ送信することができる。かかる生理的データは、(a)心電図(ECG)データ、(b)血液パラメータのデータ、(c)換気パラメータのデータ、(d)輸液ポンプに関するデータ、(e)観血式血圧または非観血式血圧データ、(f)脈拍数データ、(g)体温データ、(h)呼吸データを含んでよい。例えば、センサー21は、患者の胸部に取り付けられ、配線用ハーネスを介して携帯型監視ユニット10のデータ取得処理部20に接続された心電図電極であってもよい。
【0015】
端末41、42は、外部システムと通信する。通信インターフェース40は、以下でさらに詳細に説明するように、端末41、42のうち1つ以上の端末につながれたこれらの外部システムに患者の生理的パラメータを表わすデータを送信する。
【0016】
監視ユニット10は、小型で軽量の監視装置であって、センサー21につながれた人物の必須の生理的パラメータを測定する。監視ユニット10は、図1aに示すように、屋外移送、緊急治療室、およびステップダウン/遠隔測定などの移動区域において単独使用のための有線および無線の性能を有する。以下に示すとおり、監視ユニット10は、より詳細な監視のためのインテリジェントフロントエンドとして、病院内の臨床ワークステーションとシームレスに適合させることもできる。
【0017】
図1bにおいて、図1aに示す携帯型監視ユニット10を形成する外部筐体の3次元図を示す。監視ユニット10は、センサー21(図1bには図示せず)につながる複数の端子を含む。例えば、端子11は心拍数測定に用いることができる。図1bに示す実施の形態においては、標準的な12誘導心電図を出力する10個の端子への接続に用いられる10個の端子11がある。これらの端子は、心電図電極ケーブルハーネスから標準コネクタを受け付けられるように製造されてもよい。端子12は血圧を測定する非観血式センサーに接続するために用いられてもよく、端子13は血中酸素濃度(SpO)を測定するのに用いられるセンサーに接続するために用いられてもよい。端子14は患者の様々な身体の部位の体温を測定するセンサーに接続するために用いられてもよい。端子16、17は、必要であれば、外部機器を同期させるために、外部機器に接続するために用いられてもよい。
【0018】
監視ユニット10の背面(図1bには図示せず)、ドッキングステーションへのコネクタがある。接続は、図1aを参照してすでに述べたように、患者の生理的パラメータのデータを外部システムに通信するために用いられる端末41、42を含む。電源装置50のバッテリー52も、監視ユニット10の背面に接続されており、監視ユニット10がドッキングステーションに接続されたときに充電できるようになっている。以下に、監視ユニット10がドッキングステーションに置かれたときの動作を詳しく説明する。
【0019】
画像再生部30は、監視ユニット10の筐体の上面の可視位置に備え付けられる。図1aにおいて、患者の生理的パラメータの処理済みのデータは、通信インターフェース40によりデータ取得処理部20から画像再生部30に送られる。画像再生部30は、受信した患者の生理的パラメータのデータを表わす画像を生成する。例えば、心電図データは、周知の1以上の誘導用のリアルタイム心電図グラフの形で表示することができる。SpOデータは、数値パーセントとしてテキスト形式で表示してもよい。その他の患者の生理的パラメータのデータを表わす画像を、適切な形式で画像再生部30に表示してもよい。例示した実施の形態においては、画像再生部30は液晶ディスプレイ(LCD)であり、ほとんどの屋外および病院内移送ならびにその他の医療用途にサイズと解像度が最適化されている。LCD表示部30は、バックミラーのような回転取付部を含んでもよく、これにより、監視ユニット10のLCD表示部30は、所望の角度から見ることができる。
【0020】
図2において、監視ユニット10はドッキングステーション60に挿入された状態で図示されている。ドッキングステーション60は、監視ユニット10のコネクタに対応するコネクタを有している。監視ユニット10がドッキングステーション60に挿入されると、監視ユニット10とドッキングステーション60の対応するコネクタが、周知の方法で信号が通ることができるように組み合わされる。次に、ドッキングステーション60は、連結部61を介してネットワーク100に接続される。連結部61は、1つ以上の導線を有するケーブル、または無線リンクであってもよい。ネットワーク100は、ほかの電子機器、別のコンピュータ、ローカルエリアネットワーク(LAN)、またはインターネットを含む広域ネットワーク(WAN)への接続を含んでもよい。
【0021】
監視ユニット10が歩行可能な患者により装備された場合には、ドッキングステーション60は、ホルスターに似せて、患者にひもで固定したり患者を移送する移動ベッドからぶら下げたりすることができるように構成してもよい。この動作モードにおいて、連結部61は無線リンクとして実施される。ベッド、治療室または手術台など、患者が固定位置にいる場合には、ドッキングステーション60は、監視ユニット10を装備した患者の近くの固定位置に設置されてよい。この動作モードにおいて、ドッキングステーション60は、有線の連結部61を介して病院のネットワーク100に接続することができる。また、この動作モードでは、病院の建物の電源本線から電源装置50のバッテリー52(図1)に電源投入を行ってもよく、バッテリーを充電することができる。いずれの動作モードにおいても、連結部61は、患者の身体に取り付けたセンサー21(図1a)から受信した生理的パラメータ信号を表わすデータを、監視ユニット10からネットワーク100にドッキングステーション60を介して送信可能にする。
【0022】
例えば患者が固定位置を離れたときには、監視ユニット10は固定のドッキングステーション60から取り外され、ホルスター60に固定して取り付けることができる。患者が固定位置に到着したときには、監視ユニット10はホルスター60からはずされ、固定のドッキングステーション60に取り付けることができる。そのため、ネットワーク100は、患者の移動の際も常に患者の生理的パラメータのデータを得ることができ、センサーの物理的な取り外しと取り付けや、心電図センサーに関しては標準のケーブルやセンサーのセットに接続されたコネクタの物理的な取り外しと取り付けにより、センサーのセットを物理的に取り外したり取り付けたりする必要がない。
【0023】
ネットワーク100は、臨床医が患者の生理的パラメータを表わす画像を高い精度で読めるように、監視ユニット10の小型で低解像度の画像再生部30(図1)で利用可能なものよりも高解像度で大型のディスプレイ装置を備えてもよい。監視ユニット10は、ネットワーク100上に、より解像度の高いディスプレイ装置が存在するかどうかを感知したり、その判断を行うためにネットワーク100に問い合わせたりすることができる。また、解像度の高いディスプレイ装置が、自身がネットワーク100上に存在することを監視ユニット10に知らせることもできる。いずれの場合でも、監視ユニット10は、生理的パラメータのデータをより解像度の高いディスプレイ装置に送信するように、自動的に動作モードを変更する。監視装置10は、生理的パラメータのデータをより解像度の高いディスプレイ装置にネットワーク100を介して、マニュアルで送信するよう調整してもよい。いずれの場合も、監視ユニット10は、センサー21からの信号を収集し、これらの信号を処理して患者の生理的パラメータの処理済みのデータを生成するデータ処理フロントエンドとして動作する。患者の生理的パラメータの処理済みのデータは、ネットワーク100を介して大型の高解像度ディスプレイ装置に送られる。大型の高解像度ディスプレイ装置は受信した患者の生理的パラメータのデータを表わす画像を表示する。
【0024】
おそらくは1つ以上の大型の高解像度ディスプレイ装置を備える中央監視ステーションにいる人物が、1人以上の患者の生理的パラメータを監視することができる有線および/または無線通信ネットワークを有する病院もある。かかる中央監視ステーションもネットワーク100に接続されてよい。監視ユニット10からの患者の生理的パラメータのデータは、ネットワーク100を介して中央監視ステーションに送られて、表示され監視されてもよい。生理的パラメータのデータの完全な履歴を格納する中央履歴データ保管庫があってもよい。中央履歴データ保管庫も、ネットワーク100に接続され、監視ユニット10から受信した生理的パラメータのデータを格納する。
【0025】
図3に示すように、監視ユニット10は、無線アクセスポイント81と通信するアンテナ80により表わされる無線ネットワーク送受信部を含んでいる。無線ネットワーク送受信部80は、端末41、42と類似の方法で通信インターフェース40(図1)に接続される。通信インターフェース40は、データ取得処理部20からの患者の生理的パラメータのデータを送受信部80に供給する。アンテナ81により表わされる無線アクセスポイントまたはほかの無線送受信部は、ネットワーク100に接続されている。送受信部80、81はブルートゥース802.15無線送受信機であってよい。このブルートゥース技術は、例えば、Haartsenによる「ブルートゥース アドホック無線接続用のユニバーサル無線インターフェース(Bluetooth,the Universal Radio Interface for Adhoc,Wireless Connectivity)」Ericsson Review第3号110〜117ページ(1998年)で説明されている。監視ユニット10は、WLAN802.11b、802.11a、802.11g、ブルートゥース802.15、およびGSM/GPRSなど、ほかの無線技術を用いたネットワークまたはローカル通信が可能な送受信部を含んでもよい。
【0026】
このような動作モードが利用可能であるため、監視ユニット10は、ドッキングステーション60にドッキングさせた状態(図2)でもそうでなくても(図3)、患者に接続されたまま最初に患者の体に取り付けられたセンサー21(図1)を介して、ネットワーク100と通信することができる。すなわち、場所を移動するときに、センサー21を患者から取り外したりつけたりする必要がなく、またセンサーに付属のケーブルコネクタ(例えば、心電図ケーブルコネクタ)を監視ユニット10に取り付けたりはずしたりする必要もない。通信インターフェース40(図1)は、ネットワーク100への有線接続が利用できないときにはそのことを自動的に検出し、かわりに自動的に無線送受信部80を有効にして、無線送受信部80を介して患者の生理的パラメータのデータをネットワーク100に供給する。
【0027】
図3では、監視ユニット10は着用可能な遠隔測定モードで動作することができる。この動作モードにおいては、電力を節約するために、ほとんどの場合画像再生部30(図1)の電源は落とされている。具体的には、プログラムされた指示に応じて、所定の時間が経つと電力節約のため画像再生部30の電源が切れる。これにより、バッテリーの寿命を数時間から数日延ばすことができる。看護士は、回診の間、患者のベッド脇で患者の状態をチェックしたりセンサーや電極の位置を直したりするために、断続的にディスプレイを使用することができる。このような構成は、看護スタッフが患者の生理的パラメータを見るために離れたセントラルステーションに行ったり、遠隔測定送信器からのデータを見るために補助的な受信機器を持ち運んだりすることが必要とされる現行の遠隔測定システムに比べて有利である。
【0028】
このような大型の高解像度ディスプレイ装置の中には、受信した生理的パラメータのデータを分析するための機能をさらに備えたものもある。こうした装置は臨床ワークステーションと呼ばれる。かかるワークステーション65を図4に示す。図4において、監視ユニット10は、臨床ワークステーション65のコンピュータ62にインターフェース接続69を介して接続されているドッキングステーション60にドッキングされている。コンピュータ62は、臨床ワークステーション65のより大型の解像度の高いディスプレイ63と、ネットワーク100と、に接続されている。
【0029】
監視ユニット10が、ドッキングステーション60(図2)または無線接続(図3)を介して直接ネットワーク100に接続されている場合、監視ユニット10は、任意の適切な方法によってネットワーク接続を感知する。例えば、監視ユニット10はネットワークアドレスを問い合わせることができる。もし受信されれば、監視ユニット10はネットワーク100に接続されていると判断し、自動的にネットワーク100への直接接続用の動作モードに入る。
【0030】
監視ユニット10が、臨床ワークステーション65のコンピュータ62に接続されたドッキングステーション60に物理的にドッキングされると、監視ユニット10は、任意の適切な方法によってワークステーション接続を感知する。例えば、監視ユニット10はネットワークアドレスを問い合わせることができる。しかしながら、この場合、コンピュータ62は、監視ユニット10がネットワーク100ではなく臨床ワークステーション65に接続されていることを示す信号を返す。具体的には、臨床ワークステーション65への接続を示すためにとっておいた特定のネットワークアドレスを返してもよいし、監視ユニット10がネットワーク100に接続されていないことを示すのに適した任意の信号を返してもよい。これに応じて、監視ユニット10は、臨床ワークステーション65に接続していると判断し、自動的に臨床ワークステーション65への接続用の動作モードに変更する。
【0031】
この動作モードにおいて監視ユニット10は、より大型のポイントオブケア(point of care)システムの構成部分の1つであるインテリジェントフロントエンドモジュールとして動作する。監視ユニット10は、患者の生理的パラメータを表わす信号をセンサー21(図1)から受信し、これらの信号を処理して、処理済みの生理的パラメータのデータを臨床ワークステーション65へ通信する。臨床ワークステーション65は、コンピュータ62により制御され単一の完結した高性能患者モニターを構成する大型ディスプレイ画面63と、拡張アプリケーションと、を有している。このポイントオブケアシステムはネットワーク100に接続されており、中央監視ステーションまたは患者履歴保管庫にデータを供給することができる。臨床ワークステーションのデータ処理フロントエンドとして監視ユニット10を用いることで、臨床医は生理的パラメータを高い解像度でより大きく表示し、任意の追加機能を利用することができ、センサー21(図1)のセットを患者から取り外したり取り付けたりする必要やセンサーケーブルコネクタをはずしたりつなげたりする必要がない。
【0032】
コンピュータ62は、また、拡張ポッド73、74のそれぞれに接続することができる。この拡張ポッド73、74は容易に追加したり取り除いたりすることができ、以下に述べるように、臨床ワークステーション65に機能を増設することができる。拡張ポッド73、74は、PCMCIA、コンパクトフラッシュ(登録商標)、もしくはほかの挿入可能な筐体などの周知の小型で挿入可能な筐体に製造されてもよいし、またはUSBやファイヤラインなどの周知の通信プロトコルを用いて有線もしくは無線接続を介して取り付け可能であってもよい。いずれの場合においても、コンピュータ62は、拡張ポッドを挿入または接続することができる対応した端子を有する。
【0033】
監視ユニット10は、図4において拡張ポッド71、72として図示される拡張ポッドを含むこともできる。監視ユニット10の場合、接続可能な拡張ポッド(例えば、USBやファイヤライン)も使用可能ではあるが、小型であるため、挿入可能パッケージ(例えば、PCMCIAまたはコンパクトフラッシュ(登録商標))として実施された拡張ポッドを用いるのがより実用的である。監視ユニット10は、拡張ポッドを挿入または接続することができる端子を含んでもよい。監視ユニット10の拡張ポッド71、72は、上述の臨床ワークステーション65のコンピュータ62と同じ目的に用いられてもよい。
【0034】
図5において、監視ユニット10が(図3のように)無線送受信部90に接続される、別の実施の形態を示す。無線送受信部90は無線送受信部または無線アクセスポイント91にデータを送信する。無線送受信部91は、次に、より大型で高解像度のディスプレイ63に接続されたコンピュータ92に接続される。監視ユニット10と、コンピュータ92と、は、いずれも図4に示す構成のように、拡張ポッド71、72、73、74それぞれに接続することができる。そして、コンピュータ92は、ネットワーク100に接続される。図5において、監視ユニット10は臨床ワークステーション95に無線接続される。患者の生理的パラメータの処理済みのデータを臨床ワークステーション95に無線で配信する以外は、図5に示す実施の形態の動作は図4に図示した動作と同じである。
【0035】
図4および図5について上述したように、監視ユニット10は、局部的な臨床ワークステーションのコンピュータのフロントエンドとして用い、高性能モニターを構成してもよい。有線および無線の、監視ユニット10とディスプレイ63の間の局部的なポイントオブケア接続は、特別な短縮待機時間プロトコル(LLP)要件を有効に採用しており、フロントエンド取得部(監視ユニット10)のセンサー21(図1)からの信号取得と、ワークステーション65の大画面63上にこの信号が現す画像の表示までの間の遅延と、を確実に相当程度短縮する。短縮待機時間プロトコルにより、大画面63上の情報は、例えばカテーテルが体内に位置し、心拍の合間にカテーテルを動かすときに外科医が目と手を協調させるような、時間依存の用途に用いることが可能になる。
【0036】
短縮待機時間無線接続(図5)によって、監視装置は短距離での可動性を有することができる。これは、例えば、手術室において患者をORへ運んでから患者の手術の準備を行う場合に望ましい。この期間、(フロントエンド動作モードにある)監視ユニット10からの生理的パラメータのデータは、患者の配置が完了し監視ユニット10が固定ドッキングステーション60(図4)に装着されるまで大画面63に表示するために、固定コンピュータ92に無線送信されてもよい。
【0037】
無線接続は、高性能な臨床ワークステーションコンピュータは必要とはされないが監視ユニット10の画面よりは大型の画面が望ましい状況において、携帯型タブレットコンピュータと局部的に通信するために用いることもできる。かかる構成は、処理部62(または、無線携帯型タブレットコンピュータの処理部92)が、臨床ワークステーションを制御するために動作するようプログラムされる代わりに、汎用プロセッサとして動作するようプログラムされていること以外は、図4および図5に図示されるものと同一である。タブレットコンピュータと、監視ユニット10と、の組み合わせは、中間または高レベルの移送などの用途に有用である。固定コンピュータまたはタブレットコンピュータは、別のフロントエンド機器から追加情報を同時に取得してもよい。監視ユニット10は、資産管理、患者位置、および盗難抑止のための、局部的な位置決めの無線をさらに含んでもよい。
【0038】
有線ネットワーク接続が用いられる場合、非公開の高速で決定性のポイントからポイントへのネットワークとして、イーサネット(登録商標)などの標準規格を用いてもよい。1つのネットワークに10数個のピアを有する旧来の監視ネットワークにおいて用いることもできる。このネットワーク接続用の無線を用いた解決方法においては、データ転送レートを最適化し、電力消費を最小化するために、複数の無線を用いることができる。
【0039】
患者の知覚があるレベルに達すると、監視ユニット10に内蔵された非侵襲的センサー21(図1)は、患者の監視には適切とはいえなくなる。この場合、図4および図5に示す外部ポッド71、72を監視ユニット10に接続して、その機能を拡張してもよい。拡張ポッド71、72は、さらに生理的パラメータを収集するための、場合により他のより侵襲的なセンサーまたは他の医療機器に接続してもよい。例えば、集中治療の場合には、現場測定において高度に正確な情報が要求される。かかるセンサーは、普通、低侵襲的または侵襲的に分類される。血液かん流を測定する低侵襲的センサーの例として、血管、脳、歯肉、および口腔または鼻粘膜など、関心の対象である位置に挿入される針状プローブがある。侵襲的センサーの例として、関心の対象である領域に外科的に埋め込まれるものがある(中には長期移植用のものもある)。いずれの場合も、センサーは血液かん流のレベルを表わす信号を生成し、監視ユニット10に血液かん流を表わすデータを送る拡張ポッド71、72に接続される。
【0040】
正確な圧力測定が望まれる領域に埋め込むことができる無線生理的センサーもある。かかるセンサーは、内部血圧、頭蓋内圧、胃内圧、子宮内圧、カテーテル法による尿流動態測定、およびその他の遠隔圧力読取を表わす信号を生成する。かかるセンサーは、身体上の関心の対象である領域に外科的に埋め込まれてもよい。作動中、センサーは当該領域の圧力を表わす無線信号を送信する。対応する拡張ポッド71、72がこの信号を受信し、感知した圧力を表わすデータを監視ユニット10に供給する。
【0041】
そのほか、血管中の血流を測定するなど、脈管を流れる液体流量を測定する侵襲的センサーがある。さらに、同時に組織や器官の活力を表わすパラメータをリアルタイムで供給するセンサーもある。全て、現場で動作して対応する拡張ポッド71、72に情報を送るものであり、拡張ポッドはその後感知した生理的パラメータ表わすデータを監視ユニット10に供給する。
【0042】
監視ユニット10は、ホルスターまたはドッキングステーション60にドッキングされている場合、およびバッテリー駆動で移送されている場合などの無線動作時において、これらの追加ポッドに対応するように設計されている。他の拡張ポッド73、74は、患者の移送中は必要とされないそのほかの生理的データへのアクセスを提供する。これらの拡張ポッド73、74は、監視ユニット10と平行して、別のフロントエンドとして、臨床ワークステーションのコンピュータ62(または92)への接続によって、インターフェース接続されてもよい。この構成も図4および図5において示されている。拡張ポッド71、72、73、74がそれぞれ収集した患者のその他の生理的データを表わすデータは、臨床ワークステーション65(または95)のコンピュータ62(または92)によって、臨床医が要求した際に適切な形式で大型ディスプレイ63に表示される。
【0043】
上述の監視ユニット10は、小型で持ち運びが簡単である。このため、携帯型のバイタルサインのスポットチェック用モニターとして用いることができる。この種類の機器は、複数の患者からデータを収集するのに用いられ、回診中の看護士などの医療従事者が容易に持ち運びすることができる。今日では、普通、看護士は回診の際にキャスター付の台にモニターを載せて運ぶ。これに対して、本発明にかかる監視ユニット10は小型かつ軽量であり、ポケットに入れたり肩やウェストから吊り下げたりして運ぶことができる。また、無線リンクが監視ユニット10に内蔵されているため(図3)、収集されたバイタルサインを中央監視ステーションや臨床情報システムに中継することができる。これにより、患者の個々のバイタルサインの一覧表を、電子カルテ(electronic patient record(EPR))やその他の履歴データ保管庫に送信し格納するために、自動的に作成することもできる。
【0044】
図6は、例示の実施の形態のブロック図であり、1つ以上の標準的な「コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)」スロット25などのインターフェースポートを備えた監視ユニット10を示している。上述では、拡張ポッド71、72が生理的センサーとインターフェース接続されるとして説明されたが、広範囲にわたる現行のおよび今後開発されることになる格納および入出力モジュールから拡張ポッド71、72を選択してもよい。図6に示すように、好ましいモジュールとしては、メモリCFカード111、および/またはカードFAXモデムCFカード112、標準イーサネット(登録商標)CFカード113、無線イーサネット(登録商標)FHSSCFカード114、無線ブルートゥースCFカード116、および/または無線イーサネット(登録商標)802.11bおよび/または802.11gCFカード117などの、広域ネットワーク(WAN)もしくはローカルエリアネットワーク(LAN)にアクセス可能なカード、から選択してもよい。コンパクトフラッシュ(登録商標)スロット25を備える監視ユニット10の使用に利用可能となるカード119には、例えば802.11g、デュアルブルートゥースWLAN、携帯電話、および/またはバーコードスキャナCFカードがある。本発明の監視ユニット10は、かかる拡張ポッドのいずれと動作してもよく、これらの拡張ポッドが提供する機能を監視ユニット10に一体化することができる。
【0045】
上述のように、監視ユニット10は小型化され、無線で動作する。サイズが小さいことから、新生児、幼児、成人などの区分の患者に用いることができる。監視ユニット10は、ソフトウェアモードやアルゴリズムを使用し、異なる区分に対する操作にあわせて各種の生理的制限や制約を与えられてもよい。
【0046】
このような監視ユニット10は、特定の患者が病院内に滞在する全期間(LOS)中ずっとその患者に割り当て、継続的に使用することに適している。このように1人の患者に割り当てられた場合には、監視ユニット10は患者からセンサーをはずしたりつけ直したり、あるいはセンサーのケーブルコネクタをはずしたりつなげたりする必要がなく、(a)緊急治療室、(b)集中治療室、(c)手術前、手術中、手術後の環境、(d)患者パラメータデータの無線遠隔操作を用いた歩行可能な患者の監視、(e)病棟の監視、(f)病院外、のうちいずれかの治療状況における患者の監視に対応することができる。監視ユニット10は、無線位置探知システムと通信することもでき、これにより病院内における患者の位置を継続的に追跡することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1aは本発明の原則を取り入れたシステムにおいて用いられる携帯型監視ユニットを示すブロック図であり、図1bは、図1aの携帯型監視ユニットを形成する外部筐体の立体図である。
【図2】通信ネットワークに接続可能なドッキングステーションに配置された携帯型監視ユニットを示すブロック図である。
【図3】ネットワークとの通信のための無線受信機に接続された図1aの携帯型監視ユニットを示すブロック図である。
【図4】携帯型監視ユニットが臨床ワークステーションの有線のフロントエンドとして機能するブロック図である。
【図5】臨床ワークステーションの無線のフロントエンドとして動作する、図1aの携帯型監視ユニットを示すブロック図である。
【図6】各種のコンパクトフラッシュ(登録商標)拡張ポッドを使用するための標準の「コンパクトフラッシュ(登録商標)」スロットが設けられた、図1aの携帯型監視ユニットのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型監視ユニットとして収容され、複数の動作モードにおいて患者から取得した信号パラメータを監視および処理するシステムであって、
複数の異なる患者付属センサーから患者パラメータデータを受信し処理して、処理済患者パラメータデータを用意するデータ取得処理部と、
処理済患者パラメータデータを表示する画像再生部と、
第1モードでは表示を行う前記画像再生部に、第2モードでは前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングするとき当該ドッキングステーションに、第3モードでは無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送る通信インターフェースと、
前記第2モードにおいて前記携帯型監視ユニットのバッテリーを充電する電源装置と、を備えるシステム。
【請求項2】
前記通信インターフェースは、前記複数の患者付属センサーを物理的に取り外すことなく、前記第1モードでは表示を行う前記画像再生部に、前記第2モードでは前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングするとき当該ドッキングステーションに、前記第3モードでは無線通信を介して前記通信ネットワークに連結する前記ネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送る請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の患者付属センサーはケーブルを介してデータ取得処理部に接続され、前記通信インターフェースは、データ取得処理部から前記ケーブルを物理的に分離することなく、前記第1モードでは表示を行う前記画像再生部に、前記第2モードでは前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングするとき当該ドッキングステーションに、前記第3モードでは無線通信を介して前記通信ネットワークに連結する前記ネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送る請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記ケーブルはコネクタを介して前記データ取得処理部に接続され、前記通信インターフェースは、データ取得処理部から前記コネクタを物理的に分離することなく、前記第1モードでは表示を行う前記画像再生部に、前記第2モードでは前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングするとき当該ドッキングステーションに、前記第3モードでは無線通信を介して前記通信ネットワークに連結する前記ネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送る請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記携帯型監視ユニットは、前記第2モードにおいて、コネクタを分離することなく前記ドッキングステーションから取り外し可能である請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記携帯型監視ユニットは、前記第2モードにおいて、ケーブルを分離することなく前記ドッキングステーションから取り外し可能である請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記携帯型監視ユニットは、前記第3モードにおいて、(a)患者に装備され、該患者が移動する間、患者パラメータの監視に対応する、(b)医療従事者に携帯され、異なる位置にいる複数の患者のパラメータをチェックする、の少なくとも一方に対応する請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記第1および第3モードにおいて、表示用の前記画像再生部と、前記通信ネットワークに接続された前記ネットワークアクセスポイントと、に、前記処理済患者パラメータデータを並行して送るよう操作される請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記画像再生部は、所定時間が経過すると電力節約のためにあらかじめプログラムされた指示に応じて電源が切れる請求項6記載のシステム。
【請求項10】
第4モードにおいて、前記通信インターフェースは、(a)前記画像再生部よりも画像解像度の高い第2再生部に表示するよう前記処理済患者パラメータデータを調整する処理部と、(b)携帯タブレット型の再生部に表示するよう前記処理済患者パラメータデータを調整する処理部と、の少なくとも一方に、前記処理済患者パラメータデータを送る請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記通信インターフェースは、第4モードにおいて、(i)無線、または(ii)有線通信の少なくともいずれか一方によって前記処理済患者パラメータデータを送る請求項8記載のシステム。
【請求項12】
前記処理済患者パラメータデータは、(a)心電図(ECG)データ、(b)血液パラメータデータ、(c)換気パラメータデータ、(d)輸液ポンプに関するデータ、(e)観血式血圧または非観血式血圧データ、(f)脈拍数データ、(g)体温データ、(h)呼吸データ、の少なくとも1つを含む生理的データを含む請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記第1、第2、第3モードは、(a)緊急治療室、(b)集中治療室、(c)手術前、手術中、手術後の環境、(d)患者パラメータデータの無線遠隔測定を用いた歩行可能な患者の監視、(e)病棟の監視、(f)病院外のうち、少なくとも2つ以上を含む複数の治療状況における患者の監視に対応する請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
WAN(広域エリアネットワーク)またはLAN(ローカルエリアネットワーク)へのアクセスに対応する(a)メモリ、および(b)カードの少なくともいずれか1つを含むコンパクトフラッシュ(登録商標)機器を受け付けるインターフェースポートを備える請求項1記載のシステム。
【請求項15】
前記通信インターフェースは、無線送受信対応のブルートゥース802.15を内蔵する請求項1記載のシステム。
【請求項16】
前記通信インターフェースは、(a)WLAN802.11b規格対応の通信、(b)802.11a規格対応の通信、(c)802.11g規格対応の通信、(d)ブルートゥース802.15規格対応の通信、(e)GSM/GPRS規格対応の通信、のうち少なくとも1つを含む無線技術を用いたネットワークまたはローカル通信に対応する、請求項1記載のシステム。
【請求項17】
前記通信インターフェースは、通信リンクのサーチ動作中、動作可能な通信リンクを検出すると、(a)局所的なポイントオブケア装置、(b)通信ネットワーク、(c)中央監視ステーション、のうち少なくとも1つと連続した通信を維持するために、有線動作と、無線動作と、を自動的に切り替える請求項1記載のシステム。
【請求項18】
前記携帯型監視ユニットは、1人の特定の患者に、該患者が病院内の複数の医療区域にいる期間中割り当てられている請求項1記載のシステム。
【請求項19】
前記通信インターフェースは、無線位置探知システムと通信し、患者の位置追跡に対応する請求項1記載のシステム。
【請求項20】
前記携帯型監視ユニットは、1人の特定の患者に必要に応じて割り当てることができ、該患者のバイタルサインのスポットチェックを可能とする請求項1記載のシステム。
【請求項21】
携帯型監視ユニットとして収容され、複数の動作モードにおいて患者から取得した信号パラメータを監視および処理するシステムであって、
複数の異なる患者付属センサーから患者パラメータデータを受信し処理して、処理済患者パラメータデータを用意するデータ取得処理部と、
第1モードでは、前記携帯型監視ユニットが第1ドッキングステーションにドッキングするとき当該第1ドッキングステーションに、第2モードでは、無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記第1モードでは、前記携帯型監視ユニットが第2ドッキングステーションにドッキングするとき当該第2ドッキングステーションに、前記複数の患者付属センサーを物理的に取り外すことなく、前記処理済患者パラメータデータを送る通信インターフェースと、を備えるシステム。
【請求項22】
前記複数の患者付属センサーはケーブルを介してデータ取得処理部に接続され、前記通信インターフェースは、データ取得処理部から前記ケーブルを物理的に分離することなく、第1モードでは、前記携帯型監視ユニットが第1ドッキングステーションにドッキングするとき当該第1ドッキングステーションに、第2モードでは、無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記第1モードでは、前記携帯型監視ユニットが第2ドッキングステーションにドッキングするとき当該第2ドッキングステーションに、前記処理済患者パラメータデータを送る請求項19記載のシステム。
【請求項23】
前記ケーブルはコネクタを介して前記データ取得処理部に接続され、前記通信インターフェースは、データ取得処理部から前記ケーブルを物理的に分離することなく、第1モードでは、前記携帯型監視ユニットが第1ドッキングステーションにドッキングするとき当該第1ドッキングステーションに、第2モードでは、無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記第1モードでは、前記携帯型監視ユニットが第2ドッキングステーションにドッキングするとき当該第2ドッキングステーションに、前記処理済患者パラメータデータを送る請求項20記載のシステム。
【請求項24】
携帯型監視ユニットとして収容され、複数の動作モードにおいて患者から取得した信号パラメータを監視および処理するシステムであって、
複数の異なる患者付属センサーから患者パラメータデータを受信し処理して、処理済患者パラメータデータを用意するデータ取得処理部と、
処理済患者パラメータデータを表示する画像再生部と、
第1モードでは表示を行う前記画像再生部に、第2モードでは前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングするとき前記携帯型監視ユニットが前記第2モードにおいてコネクタを分離することなく取り外し可能である前記ドッキングステーションに、第3モードでは無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送る通信インターフェースと、
前記第2モードにおいて前記携帯型監視ユニットのバッテリーを充電する電源装置と、を備えるシステム。
【請求項25】
携帯型監視ユニットとして収容され、複数の動作モードにおいて患者から取得した信号パラメータを監視および処理するシステムであって、
複数の患者付属センサーから患者パラメータデータを受信し処理して、処理済患者パラメータデータを用意するデータ取得処理部と、
処理済患者パラメータデータを表示する画像再生部と、
表示用の前記画像再生部に前記処理済患者パラメータデータを送るのと並行して、第1モードでは前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングするとき当該ドッキングステーションに、第2モードでは無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送る通信インターフェースと、
前記第1モードにおいて前記携帯型監視ユニットのバッテリーを充電する電源装置と、を備えるシステム。
【請求項26】
第3モードにおいて、前記通信インターフェースは、(a)前記画像再生部よりも画像解像度の高いディスプレイ装置に表示するよう前記処理済患者パラメータデータを調整する処理部と、(b)携帯タブレット型の再生部に表示するよう前記処理済患者パラメータデータを調整する処理部と、の少なくとも一方に前記処理済患者パラメータデータを送る請求項22記載のシステム。
【請求項27】
携帯型監視ユニットとして収容され、複数の動作モードにおいて患者から取得した信号パラメータを監視および処理する方法であって、
複数の異なる患者付属センサーから患者パラメータデータを受信し処理して、処理済患者パラメータデータを用意するステップと、
第1モードでは表示を行う前記画像再生部に、第2モードでは前記携帯型監視ユニットがドッキングステーションにドッキングするとき当該ドッキングステーションに、第3モードでは無線通信を介して通信ネットワークに連結するネットワークアクセスポイントに、前記処理済患者パラメータデータを送るステップと、
前記処理済患者パラメータデータの表示を開始するステップと、
前記第2モードにおいて前記携帯型監視ユニットのバッテリーを充電するステップと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−521048(P2007−521048A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511729(P2005−511729)
【出願日】平成15年12月5日(2003.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/038518
【国際公開番号】WO2005/055822
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(303063621)ドレーガー メディカル システムズ インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】Draeger Medical Systems Inc.
【住所又は居所原語表記】16 Electronics Avenue Danvers Massachusetts 01923 U.S.A
【Fターム(参考)】