説明

複数の屈曲のあるカテーテル

【課題】カテーテルを提供する。
【解決手段】カテーテルは、少なくとも外側親指コントロールと内側第2親指コントロールとを備えるコントロールハンドルを有する。より長い牽引ワイヤは、遠位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する。より短い牽引ワイヤは、近位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する。より短い牽引ワイヤについては、より短い圧縮コイルが、中間屈曲可能部分の近位端又はその近くに遠位端を有している。より長い牽引ワイヤについては、より長い圧縮コイルが、より短い牽引ワイヤの遠位端又はその近くに遠位端を有している。内側及び外側親指コントロールには、一方の親指コントロールを他方に対して回転させることにより解放可能な係合部材が含まれる。係合が外れているとき、親指コントロールはそれぞれ、互いに対して長手方向に動くことができる。係合しているとき、親指コントロールは、コントロールハンドルに対して単一のユニットとして、長手方向に動くよう共に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカテーテルに関連し、特に屈曲可能領域の複合曲線を提供するよう適合されたカテーテルに関連する。
【背景技術】
【0002】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングすることに用いられ、更に異常な電気的活動の部位を除去することに用いられている。心房細動は、一般的な持続性心不整脈であり、脳卒中の主な原因である。この症状は、リエントリーウェーブレットが異常心房組織基質内で伝播することにより、永続化される。ウェーブレットを遮断するために、外科的すなわちカテーテル媒介の心房切開を含めた、さまざまな方法が開発されている。症状の処置に先立って、最初にウェーブレットの位置を決定しなければならない。そのような決定を行うためのさまざまな技法が提案されており、これには心臓内の活動を測定するよう適合されたカテーテルを使用することが含まれる。
【0003】
使用中、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入され、心室に誘導される。カテーテルは心室内で、カテーテルの遠位部位の屈曲を含む動きによって操作され、これにより先端電極が、マッピング及び/又はアブレーションのために、心室内の心臓壁の標的位置に配置される。カテーテルの正確な位置及び向きを制御する能力は非常に重要であり、カテーテルがどれほど有用であるかを大きく決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、屈曲の曲率において、特にカテーテルの長さ方向に沿った異なる部分において、より多くの変化をもたらすことができるカテーテルに対する需要が存在する。また、コントロールハンドルの操作によって、カテーテルの残部を伴って予備屈曲の曲率を増大させる、予備屈曲を提供することができるようなカテーテルに対する需要も存在する。そのようなカテーテルは、単一の動きによって複数の屈曲を制御することが可能なコントロールハンドルを提供すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、不均一な曲線形状を達成するため、屈曲可能部分の異なる位置に遠位端が固定された2本以上の牽引ワイヤを有するカテーテルを目的とする。この構造は、例えば不整脈の診断及び治療のための電気生理学(EP)に使用されるもののような、カテーテルの屈曲可能部分の異なる部位による複合曲線を可能とする。カテーテル本体、屈曲可能部分、及び、異なる長さを有する2本の牽引ワイヤを備えるEPカテーテルの場合、牽引ワイヤの遠位端は、屈曲可能部分の異なる位置に固定され、より短い牽引ワイヤを取り巻く圧縮コイルは、カテーテル本体と屈曲可能部分との間の継ぎ目を末端とし、またより長い牽引ワイヤを取り巻く圧縮コイルは、より短い牽引ワイヤの遠位端を末端としている。コントロールハンドルを介してより短い牽引ワイヤを操作することによって、より短い牽引ワイヤが中を通って延在する屈曲可能部分の近位部分が屈曲する。コントロールハンドルを介してより長い牽引ワイヤを操作することによって、より長い牽引ワイヤが中を通って延在する屈曲可能部分の遠位部分が屈曲する。より長い牽引ワイヤとより短い牽引ワイヤの両方を操作することによって、屈曲可能部分全体の屈曲が達成される。牽引ワイヤの遠位固定位置を変えることによって、曲率又は屈曲の度合いを変えることができ、これにより、屈曲の近位部分と遠位部分との屈曲曲率を同じ半径にすることができ、あるいは、一方の部分を他方よりも小さな半径にすることができる。
【0006】
複数の牽引ワイヤの制御は、共通の、入れ子になった複数の親指コントロールを備えるコントロールハンドルを介して達成される。牽引ワイヤはコントロールハンドル内へと延在し、牽引ワイヤのそれぞれが、コントロールハンドル内に取り付けられている対応する滑車に回り込んでおり、それぞれの牽引ワイヤの近位端は対応する親指コントロール内に固定されており、これによって、コントロールハンドルに対して親指コントロールを遠位方向に動かすことによって親指コントロールを作動させるユーザーは、その親指コントロールに固定されている対応する牽引ワイヤを引っ張ることになる。コントロールハンドルは、各親指コントロールが独立に操作され、これによってそれぞれの牽引ワイヤが中を通って延在する屈曲可能部分の対応する部分に対し、正確な制御を可能にするよう構成されている。例えば相互ロック式の歯状突起などの、解放式係合部材が、各親指コントロールに提供されており、これによって親指コントロール(複数可)の解放式連結が、隣接する親指コントロール(複数可)に提供され、これによりすべての牽引ワイヤが1つの親指コントロールの動きによって操作可能となる。このように、屈曲可能部分の各部位の同時屈曲は、1つの親指コントロールの単一の動きで達成される。更に、任意の1つ以上の部分に予備屈曲を行い、次にユニットとして複数の部位を同時に屈曲させることが可能である。
【0007】
一実施形態において、本発明のカテーテルは、細長いカテーテル本体と、少なくとも遠位屈曲可能部位及び近位屈曲可能部位を有する屈曲可能中間部分と、細長い本体の近位にあるコントロールハンドルとを含み、このコントロールハンドルは、少なくとも外側親指コントロール及び内側第2親指コントロールを含む。より長い牽引ワイヤは、内側親指コントロールに固定された近位端、及び遠位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する。より短い牽引ワイヤは、外側親指コントロールに固定された近位端、及び近位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する。より短い圧縮コイルは、より短い牽引ワイヤを取り巻いて、中間屈曲可能部分の近位端又はその近くに遠位端を有している。より長い圧縮コイルは、より長い牽引ワイヤを取り巻いて、より短い牽引ワイヤの遠位端又はその近くに遠位端を有している。内側及び外側親指コントロールは、解放式係合部材を含み、これにより親指コントロールは、一方の親指コントロールを他方に対して回転させることにより、係合が外れた位置と係合位置との間で動くことができる。係合が外れているとき、親指コントロールはそれぞれ、互いに対して長手方向に動くことができる。係合しているとき、親指コントロールは、コントロールハンドルに対して単一のユニットとして、長手方向に動くように共に連結される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、添付図面と合わせて考慮するとき、以下の詳細な説明を参照することにより、より十分に理解されるであろう。選択した構造及び特徴は、残りの構造及び特徴のよりよい理解を提供するために、特定の図面に示されていないことが理解される。
【図1】本発明のカテーテルの一実施形態の平面図。
【図2】直径に沿った、カテーテル本体と中間部分との連結部の一実施形態の側断面図。
【図2A】線A−Aに沿った、図2の中間部分の縦断面図。
【図2B】別の一実施形態における中間部分の縦断面図。
【図3】直径に沿った、遠位部分の一実施形態の側断面図。
【図4】係合した配置時の、親指コントロールを伴うコントロールハンドルの一実施形態の側断面図。
【図4A】係合した配置時の、親指コントロール示す、線A−Aに沿った、図4のコントロールハンドルの縦断面図。
【図4B】係合が外れた配置時の、図4Aの親指コントロールを示す。
【図4C】線C−Cに沿った、図4のコントロールハンドルの縦断面図。
【図4D】線D−Dに沿った、図4のコントロールハンドルの縦断面図。
【図5】係合が外れた配置時の、親指コントロールを伴うコントロールハンドルの一実施形態の側断面図。
【図6】別の係合した配置時の、親指コントロールを伴うコントロールハンドルの一実施形態の側断面図。
【図7A】親指コントロールの選択的な係合と操作に由来する、さまざまな屈曲を示す。
【図7B】親指コントロールの選択的な係合と操作に由来する、さまざまな屈曲を示す。
【図7C】親指コントロールの選択的な係合と操作に由来する、さまざまな屈曲を示す。
【図7D】親指コントロールの選択的な係合と操作に由来する、さまざまな屈曲を示す。
【図7E】親指コントロールの選択的な係合と操作に由来する、さまざまな屈曲を示す。
【図7F】親指コントロールの選択的な係合と操作に由来する、さまざまな屈曲を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を参照し、本発明は、カテーテル本体12、中間屈曲可能部分14、及び遠位端部分15(先端電極17を含む)を備える、カテーテル10を目的とする。カテーテル本体12の近位端には、ユーザーが操作する複数の親指コントロール(例えば、19a及び19b)を備えるコントロールハンドル16があり、これによって、中間部分14のさまざまな独立屈曲及び組み合わせ屈曲が達成される。本発明の機能に従って、この親指コントロールは、中間部分の選択された部位の独立な屈曲を提供するような独立操作のために係合を外すことができ、あるいは、中間部分の異なる選択された組み合わせ屈曲を提供するような共同操作のために、異なる構成において解放可能に係合させることができる。
【0010】
図2を参照し、カテーテル本体12は、単一、中央又は軸的ルーメン18を備える。カテーテル本体12は、可撓性である、すなわち、曲げることが可能であるが、その長さに沿って実質的に非圧縮性である。カテーテル本体12は、いかなる好適な構造であっても、かついかなる好適な材料から作製されてもよい。好適な構造は、ポリウレタン又はナイロン製の外壁22を含む。外壁22は、コントロールハンドル16が回転されるとき、カテーテル10の先端部分が対応する方向に回転されるように、ステンレス鋼等の埋め込まれた編みメッシュを含み、カテーテル本体12のねじり剛性を上昇させる。単一ルーメンカテーテル本体12は、単一ルーメン18本体が、カテーテル10を回転しているときに、より良好な先端制御を可能にすることができるため、多ルーメン本体よりも好ましい場合がある。単一ルーメン18は、これを通過する構成要素がカテーテル本体内で自由に浮くことを許容する。このような構成要素が複数ルーメン内に制限される場合、これらはハンドル16が回転されるときにエネルギーを蓄積でき、その結果、カテーテル本体12は、例えば、ハンドルを放すと、又は曲線状に曲げると、逆回転して反転する傾向を有し、これらはいずれも、望ましくない性能特性である。
【0011】
カテーテル本体12の外径は重要ではないが、好ましくは、約0.267cm(8フレンチ)以下である。同様に外壁22の厚さも重要ではない。外壁22の内側表面は、任意の好適な材料、例えば、ポリイミドから作製することが可能な補強管20で覆われる。補強管20は、カテーテル本体12の近位端において、外壁22に対して適所に保持される。第1の糊接合部(図示なし)は、速乾性の糊、例えばSuper Glue(登録商標)(RTM)により、補強管20の遠位端と外壁22の遠位端との間に作られる。その後、第2の糊接合部26が、より遅乾性ではあるがより強力な糊、例えばポリウレタンを使用して、補強管20の近位端と外壁22の近位端との間に形成される。
【0012】
編み込まれた外壁22に沿った補強管は、改善されたねじれ安定性を提供し、一方で、それと同時にカテーテルの壁厚を最小化し、それにより、単一ルーメンの直径を最大化する。補強管20の外径は、外壁22の内径とほぼ同一であるか又はわずかにそれよりも小さい。ポリイミド管は、非常に薄い壁にすることができ、同時に依然として非常に良好な剛性を提供し得るので、好適である。このことは、強度及び剛性を犠牲にすることなく、中央ルーメン18の直径を最大化する。ポリイミド材料は、屈曲したときにねじれる傾向があるため、通常は補強管に使用されない。しかしながら、ポリウレタン、ナイロン、又は他の同様の材料、特にステンレス鋼編みメッシュを有する材料の外壁22と組み合わせて、ポリイミド補強管20の屈曲したときにねじれる傾向は、カテーテルが使用される用途に対して、本質的に解消されることが分かっている。
【0013】
一実施形態では、外壁22は、約0.234cm(0.092インチ)の外径及び約0.160cm(0.063インチ)の内径を有し、ポリイミド補強管20は、約0.1562cm(0.0615インチ)の外径及び0.132cm(0.052インチ)の内径を有する。
【0014】
図2及び2Aに示されるように、中間部分14は、複数の軸外ルーメン、例えば、第1ルーメン30、第2のーメン31、第3ルーメン32、及び第4のルーメン33を有する管19のより短い部分を含む。管19は、好ましくは、カテーテル本体12よりも可撓性の、好適な非毒性材料で作製される。管19に好適な材料は、編み込みポリウレタン、すなわち、編み込まれたステンレス鋼のメッシュなどが埋め込まれたポリウレタンである。カテーテル本体12の外径のように、中間部分14の外径は、好ましくは、約0.267cm(8フレンチ)以下である。ルーメンの大きさは、重要ではない。一実施形態では、中間部分は、約0.233cm(7フレンチ、0.092インチ)の外径を有し、ルーメンは、一般的に、約0.0559cm(0.022インチ)の直径を有し、ほぼ同一の大きさであるか、又は選択したルーメンは、約0.0914cm(0.036インチ)のわずかに大きな直径を有することが可能である。
【0015】
カテーテル本体12を中間部分14に取り付ける手段の1つが、図2に示されている。中間部分14の近位端は、ポリイミド補強管20の外表面を受容する内部カウンターボア24を備える。中間部分14及びカテーテル本体12は、糊29等で付着させる。
【0016】
図3に示されたように、先端部分15は、先端電極17を含み、これは単一のルーメンコネクタ管22によって中間部分14の管19に接続されてもよい。このコネクタ管は、管22から延びるさまざまな構成要素に、先端電極17内に係留する必要に応じて、それら自体の向きを変えるための遷移スペースを提供する。その目的のために、先端電極の遠心面には、止まり穴が提供されている。開示される実施形態では、止まり穴61が、先端電極リードワイヤ40の遠位端を受容するために提供され、止まり穴63が、熱電対ワイヤ43及び44の遠位端を受容するために提供される。潅注管35の遠位端を受容するために、潅注流路66もまた、先端電極内に形成される。この流路66は、横断方向分岐67及び流体ポート69と連通して、管35を通って供給される流体が、先端電極の外側へと通過することを可能にする。電磁式位置センサの遠位端を受容するために、止まり穴70も提供される。電磁センサ72は電磁センサケーブル74に接続され、これは先端部分14の第4ルーメン34を通り、カテーテル本体12を通って、コントロールハンドル16内へと延在する。電磁センサケーブル74は、プラスチックシース内に入れられた多数のワイヤを含む。コントロールハンドル16内で、センサケーブル74のワイヤは回路基板64に接続されている。この回路基板64は、電磁センサから受け取った信号を増幅し、それをコンピュータが認識可能な形式でコンピュータに伝送する。また、カテーテルは単回使用専用に設計されているため、この回路基板は、カテーテル使用後に回路基板をシャットダウンするEPROMチップを含む。これによりカテーテル、又は少なくとも電磁センサが2回使用されることを防止する。本発明に関連した使用に好適な電磁センサは、例えば、「Miniaturized Position Sensor」と題された米国特許第5,391,199号及び同第6,201,387号に記載されており、これらの開示は本明細書に参照により組み込まれる。好ましい電磁マッピングセンサ72は、Biosense Webster,Inc.により製造され、商品名NOGAとして市販されている。
【0017】
図2及び2Aに示すように、カテーテル本体12の単一ルーメン18を通ってさまざまな構成要素が延在しており、これらは例えば、先端電極のためのリードワイヤ40、熱電対ワイヤ43及び44、センサケーブル74、潅注管35、並びに複数の牽引部材42、並びにその他任意のワイヤ又はケーブルである。潅注管35は、中間屈曲部分の管19の第1ルーメン30へと遠位方向へ通過する。先端電極リードワイヤ40、熱電対ワイヤ43、44、及びセンサケーブル74は、管の第4ルーメン33へと遠位方向へ通過する。第1及びより短い牽引部材42A並びに第2及びより長い牽引部材42Bは、第2ルーメン31へと遠位方向へ通過する。特に、カテーテル本体12に対する牽引ワイヤ(複数可)の長手方向の動きにより、ユーザーは、コントロールハンドルの親指コントロール19a、19bを介して、中間部分の選択された部位(複数可)を屈曲させることができる。
【0018】
図2及び3に示すように、屈曲牽引部材42の遠位端は、T型アンカー51によって、中間屈曲部分の管19の外壁に固定されている。本発明の機能に従って、第1及びより短い牽引部材42Aの遠位端の遠位アンカー位置(T型アンカー51Aの位置によって示される)は、第2及びより長い牽引部材の遠位端の遠位アンカー位置(T型アンカー51Bの位置によって示される)よりも近位である。一実施形態において、このより短い牽引部材のアンカー位置は、管19の長さの中点か又はその近くであり、より長い牽引部材の遠位端のアンカー位置は、管19の遠位端近くである。中間部分14では、それぞれの牽引部材42は、プラスチック(例えば、テフロン(登録商標)(RTM))のシース(図示なし)を通って延在し、これにより、中間部分14が屈曲するとき、牽引部材42が中間部分14の管19の壁に切り込むことを防止する。
【0019】
図2Aに示すように、それぞれの牽引部材は、その周囲の関係において、それぞれの圧縮コイル56を有する。圧縮コイル56A、56Bは、任意の好適な金属、例えばステンレス鋼で作製される。圧縮コイル56は、それ自体にきつく巻き付けられ、可撓性、すなわち屈曲を提供するが、圧縮に抵抗する。圧縮コイル56の内径は、好ましくは、牽引ワイヤ42の直径よりもわずかに大きいものである。例えば、牽引部材42が約0.0178cm(0.007インチ)の直径を有するとき、圧縮コイル56は、好ましくは、約0.0203cm(0.008インチ)の内径を有する。牽引部材42上のTeflon(登録商標)(RTM)コーティングは、牽引部材42が圧縮コイル内部を自由に摺動することを可能にする。圧縮コイルの外側表面は柔軟な非導電性シースで覆うことができ、これにより、圧縮コイルと、リードワイヤ及びケーブルなどのその他の構成要素とが接触することを防ぐことができる。非導電性シースは、ポリイミド管で作製することができる。本発明の機能に従って、より短い牽引部材42Aのための圧縮コイル56Aは、カテーテル本体12の近位端から、中間部分14の近位端まで延在し、より長い牽引部材56Bのための圧縮コイル56Bは、カテーテル本体12の近位端から、より短い牽引部材42Aの遠位アンカー位置又はその近くまで延在する。圧縮コイル56は、その近位端が、糊接合部50(図示なし)によってカテーテル本体12内の補強管20の近位端に固定され、その遠位端が、糊接合部51及び52(図2)によってそれぞれの遠位アンカー位置近くに固定されている。図示されている実施形態において、牽引ワイヤ42A、42B及びそれぞれの圧縮コイル56A、56Bは、中間部分14において、近位部位14A及び遠位部位14Bを画定する。ここにおいて部位14A、14Bは独立に屈曲させることができ、かつ同時に屈曲させることもできる。
【0020】
カテーテル本体12に対する、牽引ワイヤ42の長手方向の動きは(これは結果として、中間部分14の選択された部分を屈曲させる)、コントロールハンドル16の適切な操作によって達成される。図4に示すように、コントロールハンドル16の遠位端は、牽引ワイヤ42を操作するための、入れ子になった又は積層された複数の親指コントロール19を備えるピストン54を含む。ここにおいて複数の親指コントロールは、複数の牽引ワイヤに対応している。図示されている実施形態において、コントロールハンドルは、外側かつ近位側の第1親指コントロール19Aと、内側かつ遠位側の第2親指コントロール19Bとを有し、この遠位側親指コントロール19Bは、近位側親指コントロール19A内に同心的に入れ子になっている。各親指コントロールは、細長い近位部位(例えば、柄80)、及び幅広い遠位部位(例えば、円錐状又はフレアー状アクチュエータ81)を有する。親指コントロールはピストンの長手方向軸に沿って同軸状に延在し、ここにおいて、近位側親指コントロール19Aの柄80Aは、遠位側親指コントロール19Bの柄80Bの周囲を覆う関係にある。各アクチュエータ81は、ユーザーインタフェース表面を提供し、これによりユーザーは、ピストン54に対して、又は互いに対して、ユーザーの親指で頸部を押すか若しくは引くことにより、長手方向に各親指コントロールを動かすことができる。
【0021】
近位側親指コントロールが遠位方向に滑り出てピストンから外れることを防ぐために、ストッパー83が所定の位置で、ピストン54の外壁から内側に向かって延在している。このストッパーは、柄80Aの外側表面に沿って長手方向に延在する、直径方向の相対する位置にあるスロット85内に受容される。ストッパー83の幅に緊密に一致する幅(コントロールハンドルの長手方向軸を横切る寸法)を有するスロット85は、ピストン54に対して、その長手方向軸を中心とする柄80Aの回転の動きも最小限に抑える。したがって、近位側親指コントロール19Aは、ピストン54に対して最大距離の長手方向の動きだけが許容され、この最大距離は、ストッパー83と内側表面アバットメント95との間の距離によって決定され、通常はこの距離に等しい。柄80Aの近位端に固定されているのは、牽引ワイヤの近位端であり、このワイヤは内側表面アバットメント95の近位に配置される滑車87Aを回り込んでいる。よって、親指コントロール19Aがユーザーによって、ピストン54に対して遠位方向に動かされると、柄80Aに固定された牽引ワイヤ42Aは遠位方向に引っ張られ、牽引ワイヤの回りにある圧縮コイル56Aの遠位側が、牽引ワイヤに沿って屈曲することが達成される。
【0022】
遠位側親指コントロール19Bが遠位方向に滑り出て、近位側親指コントロール19Aから外れることを防ぐために、近位側親指コントロール19Aの柄80Aは、その外側表面に沿って長手方向に延在する、直径方向の相対する位置にあるスロット100を伴って形成される。このスロット100は、遠位側親指コントロール19Bの柄80Bの外側表面上に形成された、長手方向に細長く隆起した形状又はガイド102の幅の、少なくとも約2倍の幅を有する。スロット100の長さは、近位側親指コントロール19Aに対する遠位側親指コントロール19Bの長手方向の動きの最大距離を制限する。したがって、遠位側親指コントロール19Bは、2つの位置の間で、近位側親指コントロール19Aに対する所定の量の回転の動きを伴った、長手方向の動きが許容される。この回転の動きの重要性については、更に以下で詳しく説明される。柄80Bの近位端に固定されているのは、牽引ワイヤ42Bの近位端であり、このワイヤは内側表面アバットメント95の近位に配置される滑車87Bを回り込んでいる。よって、親指コントロール19Bがユーザーによって、ピストン54に対して遠位方向に動かされると、柄80Bに固定された牽引ワイヤ42Bは遠位方向に引っ張られ、牽引ワイヤの回りにある圧縮コイル56Bの遠位側が、牽引ワイヤに沿って屈曲することが達成される。
【0023】
独立した動きと、選択的に係合した長手方向の動きとの間の親指コントロールの操作を可能にするためには、解放可能なロック部材(例えば、長手方向の一連の歯状突起110A、110B)がそれぞれの柄の界面上に提供される。開示されている実施形態において、柄80Aの内側表面はより多くの数の歯状突起を有し、柄80Bの外側表面はより少ない数の歯状突起を有し、長手方向チャネル111は、近位側親指コントロール19Aの柄80Aの内側表面にある一連の歯状突起110Aに直接隣接し、かつこの一連の歯状突起に対して平行に延在して形成されている。チャネルの幅は、少なくとも歯状突起の幅と同じ幅であり、これにより遠位側親指コントロール19Bの柄80Bの歯状突起が、近位側親指コントロール19Aの柄80Aの歯状突起との係合(例えば、長手方向の整列)を超えて回転することができ、これにより、親指コントロールを互いに独立に長手方向に動かし、調節することが可能になる。図示されている実施形態において、内側親指コントロールを時計方向に回転させると、内側及び外側親指コントロールのそれぞれの歯状突起が外れ(図4B)、反時計方向に回転させると、親指コントロールが係合し、これによって、単一の装置として動かすことが可能になる(図4A)。後者に関して、異なる選択的な構成における歯状突起の係合は、異なる屈曲、又は、屈曲可能な中間部分の屈曲組み合わせを有利に提供する。
【0024】
本発明の機能に従って、親指コントロール(複数可)を回転させて互いの係合を外すことによって、それぞれの牽引ワイヤを、ニュートラルの未屈曲の形状(図7A)から、各親指コントロールの操作によって独立に制御される(図5)。このように、カテーテルの中間屈曲可能部分14の曲線形状に対して、正確な制御が可能になる。図7Bは、より長い牽引ワイヤを操作する親指コントロール19Bの独立な長手方向の遠位への動きにより、中間部分の遠位部位14Bが独立に屈曲している状態を示す。図7Cは、より短い牽引ワイヤを操作する親指コントロール19Aの独立な長手方向の遠位への動きにより、中間部分の近位部位14Aが独立に屈曲している状態を示す。互いを係合させるために親指コントロールを回転させることにより、それぞれの牽引ワイヤは、任意の親指コントロールの操作によって、同時に屈曲させることができる(図4)。このように、中間の屈曲可能部分は、従来のカテーテルに比べ、より均一な曲線形状をもたせることが可能になる(図7D)。図5に示すように一方の牽引ワイヤを屈曲させ、次に親指コントロール(複数可)を回転して係合させることにより、あらかじめ張力をかけた親指コントロールで、任意の1つの親指コントロールを操作することによって、すべての牽引ワイヤを同時に屈曲させることができる(図6)。このように、独立した曲線形状の同時屈曲が達成される。図7Eは、遠位部位の予備屈曲(点線)と、続いて連結した親指コントロールを介して達成された、遠位部位と近位部位の両方の屈曲(実線)を示す。図7Fは、近位部位の予備屈曲(点線)と、続いて連結した親指コントロールを介して達成された、遠位部位と近位部位の両方の屈曲(実線)を示す。これら、及びその他の組み合わせ屈曲は、牽引ワイヤの選択的な遠位側固定位置、親指コントロールの選択的な係合及び操作によって達成することができる。この点に関して、開示されている実施形態のカテーテルは、内側親指コントロールが反時計方向に回転して外側親指コントロールとロックしているとき、互いに対する親指コントロールの長手方向位置に関して、親指コントロールの選択的な係合を行うことによって予備屈曲させることが可能であることが理解される。予備屈曲は次に、連結した親指コントロールの操作によって、より増大させ、又はより緊密にすることができる。しかしながら、親指コントロールの操作は、望むように又は適切なように任意の順序で行うことができ、すなわち、カテーテル全体の屈曲は、さまざまな部分の屈曲及び/又はさまざまな部分の予備屈曲の前又は後で行うことが可能であることが理解される。
【0025】
視覚的及び/又は触覚的なしるし又はマーカーを、親指コントロール19のアクチュエータ81に提供することにより、整合及び/又は不整合示し、故に、親指コントロール間の解放式ロック部材の係合又は係合外れを示すことができる。内側親指コントロール19Bの柄80Bは、通路114を有する中空であり、これにより、例えば牽引ワイヤ、リードワイヤ、潅注管、熱電対ワイヤ、及びセンサケーブルなどの構成要素を、カテーテル本体から、コントロールハンドルの近位端に向かって通すことが可能である。これらの構成要素は、内側親指コントロール19Bの遠位端で、シュリンクスリーブ28を用いて、コントロールハンドル内を通過する。
【0026】
図4のコントロールハンドルの実施形態には、近位側ピストン59が含まれている。潅注管35、リードワイヤ40、及び電磁センサケーブル74、熱電対ワイヤが、この近位側ピストン内へと延在している。電磁センサケーブル74は、回路基板64に接続されている。ワイヤ73により、回路基板64が、コンピュータ及び画像モニタ(図示なし)に接続される。コントロールハンドル内にはガイド管が提供され、これにより必要に応じて、これら構成要素の長手方向の動きが可能になる。
【0027】
図2に図示されている実施形態は、単一ルーメン内を通って延在する牽引ワイヤ42A及び42Bの両方を提供する。よって、近位部位14A及び遠位部位14Bの屈曲は、同じ全体的方向に向かい、同一平面上にあるよう意図される。別の方法としては、例えば図2Bに示すように、牽引ワイヤは、近位部位14A及び遠位部位14Bの屈曲のために、オフセットした平面内で、隣接するルーメン内を通って延在することができ、ここにおいてオフセットの程度は、対応するルーメンのオフセット程度に依存する。図2Bに図示されている実施形態では、オフセット程度は約90度である。
【0028】
本発明は、2つの親指コントロール及び2つの牽引ワイヤに限定されるものではない。コントロールハンドルは、適切なように又は望むように、入れ子になった、より多くの数の親指コントロールを容易に収めることができるため、任意の数の親指コントロールとそれに同じ数の牽引ワイヤとが本発明の範囲内となることが理解される。
【0029】
前述の説明は、本発明の現状で好ましい実施形態を参照して提示されてきた。当業者は、記載した構造の代替及び変更が、本発明の原理、趣旨及び範囲を大きく逸脱することなく実施できることを理解するであろう。一実施形態に開示される特徴又は構造は、必要に応じて又は適切に、任意の他の実施形態の他の特徴の代わりに、あるいはそれに加えて組み込むことができる。当業者によって理解されるように、図面は必ずしも縮尺通りではない。したがって、上述の記載は、記述され以下の添付図に説明された厳密な構造のみに関係付けられるものとして読解されるべきではなく、むしろ、以下の最も完全で公正な範囲を有するとされる「特許請求の範囲」と一致し、かつそれらを補助するものとして読解されるべきである。
【0030】
〔実施の態様〕
(1) 細長いカテーテル本体と、
少なくとも第1部位及び第2部位を有する屈曲可能中間部分と、
前記細長い本体の近位にあるコントロールハンドルであって、少なくとも第1及び第2親指コントロールを含み、前記第1親指コントロールが前記第1部位を通って延在する第1牽引ワイヤに接続され、前記第2親指コントロールが前記第2部位を通って延在する第2牽引ワイヤに接続されている、コントロールハンドルと、を含むカテーテルであって、
前記第1及び第2親指コントロールは、係合が外れた形態と係合した形態との間で動くことができる解放式係合部材を含み、前記係合が外れた形態では、互いに対して前記親指コントロールの独立した長手方向の動きが可能であり、前記係合した形態では、前記コントロールハンドルに対して長手方向に動くよう前記親指コントロールが連結される、カテーテル。
(2) 前記第1及び第2親指コントロールが、入れ子構成になっている、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 各親指コントロールが柄部分及び頸部分を有し、一方の柄部分が他方の柄部分に対し、外側周囲を覆う関係にある、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記解放式係合部材が、前記第1及び第2親指コントロールの界面上に形成された歯状突起を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 解放式係合部材の第1セットが、前記第1親指コントロールの前記柄部分の内側表面上に形成され、解放式係合部材の第2セットが、前記第2親指コントロールの前記柄部分の外側表面上に形成されている、実施態様3に記載のカテーテル。
(6) 前記解放式係合部材の第1セット及び第2セットが、他方の親指コントロールに対する一方の親指コントロールの回転を介して係合する、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) 前記コントロールハンドルが、ピストン及び少なくとも1つのストッパーを含み、前記ストッパーは、前記ピストンに対して前記第1親指コントロールの長手方向の動きをガイドし、前記ピストンに対して前記第1親指コントロールの回転の動きを最小限に抑える、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記第1及び第2親指コントロールが、互いに対して長手方向に動くように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記第1及び第2親指コントロールが、2つの位置の間で互いに対して回転移動するように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) より長い牽引ワイヤ及びより短い牽引ワイヤを更に含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0031】
(11) 前記より長い牽引ワイヤが第1遠位固定位置を有し、前記より短い牽引ワイヤが第2遠位固定位置を有し、一方の遠位固定位置が、他方の遠位固定位置よりも、前記コントロールハンドルからより遠位にある、実施態様10に記載のカテーテル。
(12) 前記より短い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより短い圧縮コイルであって、前記中間屈曲可能部分の近位端又はその近くに遠位端を有する、より短い圧縮コイルと、
前記より長い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより長い圧縮コイルであって、前記より短い牽引ワイヤの遠位端又はその近くに遠位端を有する、より長い圧縮コイルと、を更に含む、実施態様11に記載のカテーテル。
(13) 細長いカテーテル本体と、
少なくとも遠位屈曲可能部位及び近位屈曲可能部位を有する屈曲可能中間部分と、
少なくとも外側親指コントロール及び内側第2親指コントロールを含む、前記細長い本体の近位にあるコントロールハンドルと、
前記内側親指コントロールに固定された近位端、及び遠位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する、より長い牽引ワイヤと、
前記外側親指コントロールに固定された近位端、及び前記近位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する、より短い牽引ワイヤと、
前記より短い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより短い圧縮コイルであって、前記中間屈曲可能部分の近位端又はその近くに遠位端を有する、より短い圧縮コイルと、
前記より長い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより長い圧縮コイルであって、前記より短い牽引ワイヤの遠位端又はその近くに遠位端を有する、より長い圧縮コイルと、を含むカテーテルであって、
前記内側及び外側親指コントロールは、係合が外れた形態と係合した形態との間で動くことができる解放式係合部材を含み、前記係合が外れた形態では、互いに対して前記親指コントロールの独立した長手方向の動きが可能であり、前記係合した形態では、前記コントロールハンドルに対して長手方向に動くよう前記親指コントロールが連結される、カテーテル。
(14) 各親指コントロールが柄部分及び頸部分を有し、一方の柄部分が他方の柄部分に対し、外側周囲を覆う関係にある、実施態様13に記載のカテーテル。
(15) 前記解放式係合部材が、前記内側及び外側親指コントロールの界面上に形成された歯状突起を含む、実施態様13に記載のカテーテル。
(16) 解放式係合部材の第1セットが、前記外側親指コントロールの前記柄部分の内側表面上に形成され、解放式係合部材の第2セットが、前記内側親指コントロールの前記柄部分の外側表面上に形成されている、実施態様13に記載のカテーテル。
(17) 前記解放式係合部材の第1セット及び第2セットが、他方の親指コントロールに対する一方の親指コントロールの回転を介して係合する、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) 前記コントロールハンドルが、ピストン及び少なくとも1つのストッパーを含み、前記ストッパーは、前記ピストンに対して前記外側親指コントロールの長手方向の動きをガイドし、前記ピストンに対して前記外側親指コントロールの回転の動きを最小限に抑える、実施態様13に記載のカテーテル。
(19) 前記内側及び前記外側親指コントロールの間の界面に少なくとも1つのガイドが提供されて、互いに対して前記親指コントロールの長手方向の動きをガイドする、実施態様13に記載のカテーテル。
(20) 前記内側及び前記外側親指コントロールの間の別の界面に、前記1つのガイドを受容する少なくとも1つのスロットが提供されて、互いに対して前記親指コントロールの回転の動きを提供する、実施態様19に記載のカテーテル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いカテーテル本体と、
少なくとも第1部位及び第2部位を有する屈曲可能中間部分と、
前記細長い本体の近位にあるコントロールハンドルであって、少なくとも第1及び第2親指コントロールを含み、前記第1親指コントロールが前記第1部位を通って延在する第1牽引ワイヤに接続され、前記第2親指コントロールが前記第2部位を通って延在する第2牽引ワイヤに接続されている、コントロールハンドルと、を含むカテーテルであって、
前記第1及び第2親指コントロールは、係合が外れた形態と係合した形態との間で動くことができる解放式係合部材を含み、前記係合が外れた形態では、互いに対して前記親指コントロールの独立した長手方向の動きが可能であり、前記係合した形態では、前記コントロールハンドルに対して長手方向に動くよう前記親指コントロールが連結される、カテーテル。
【請求項2】
前記第1及び第2親指コントロールが、入れ子構成になっている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
各親指コントロールが柄部分及び頸部分を有し、一方の柄部分が他方の柄部分に対し、外側周囲を覆う関係にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記解放式係合部材が、前記第1及び第2親指コントロールの界面上に形成された歯状突起を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
解放式係合部材の第1セットが、前記第1親指コントロールの前記柄部分の内側表面上に形成され、解放式係合部材の第2セットが、前記第2親指コントロールの前記柄部分の外側表面上に形成されている、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記解放式係合部材の第1セット及び第2セットが、他方の親指コントロールに対する一方の親指コントロールの回転を介して係合する、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記コントロールハンドルが、ピストン及び少なくとも1つのストッパーを含み、前記ストッパーは、前記ピストンに対して前記第1親指コントロールの長手方向の動きをガイドし、前記ピストンに対して前記第1親指コントロールの回転の動きを最小限に抑える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記第1及び第2親指コントロールが、互いに対して長手方向に動くように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記第1及び第2親指コントロールが、2つの位置の間で互いに対して回転移動するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
より長い牽引ワイヤ及びより短い牽引ワイヤを更に含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記より長い牽引ワイヤが第1遠位固定位置を有し、前記より短い牽引ワイヤが第2遠位固定位置を有し、一方の遠位固定位置が、他方の遠位固定位置よりも、前記コントロールハンドルからより遠位にある、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記より短い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより短い圧縮コイルであって、前記中間屈曲可能部分の近位端又はその近くに遠位端を有する、より短い圧縮コイルと、
前記より長い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより長い圧縮コイルであって、前記より短い牽引ワイヤの遠位端又はその近くに遠位端を有する、より長い圧縮コイルと、を更に含む、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
細長いカテーテル本体と、
少なくとも遠位屈曲可能部位及び近位屈曲可能部位を有する屈曲可能中間部分と、
少なくとも外側親指コントロール及び内側第2親指コントロールを含む、前記細長い本体の近位にあるコントロールハンドルと、
前記内側親指コントロールに固定された近位端、及び遠位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する、より長い牽引ワイヤと、
前記外側親指コントロールに固定された近位端、及び前記近位屈曲可能部位の遠位端又はその近くに固定された遠位端を有する、より短い牽引ワイヤと、
前記より短い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより短い圧縮コイルであって、前記中間屈曲可能部分の近位端又はその近くに遠位端を有する、より短い圧縮コイルと、
前記より長い牽引ワイヤを取り巻く位置関係にあるより長い圧縮コイルであって、前記より短い牽引ワイヤの遠位端又はその近くに遠位端を有する、より長い圧縮コイルと、を含むカテーテルであって、
前記内側及び外側親指コントロールは、係合が外れた形態と係合した形態との間で動くことができる解放式係合部材を含み、前記係合が外れた形態では、互いに対して前記親指コントロールの独立した長手方向の動きが可能であり、前記係合した形態では、前記コントロールハンドルに対して長手方向に動くよう前記親指コントロールが連結される、カテーテル。
【請求項14】
各親指コントロールが柄部分及び頸部分を有し、一方の柄部分が他方の柄部分に対し、外側周囲を覆う関係にある、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記解放式係合部材が、前記内側及び外側親指コントロールの界面上に形成された歯状突起を含む、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項16】
解放式係合部材の第1セットが、前記外側親指コントロールの前記柄部分の内側表面上に形成され、解放式係合部材の第2セットが、前記内側親指コントロールの前記柄部分の外側表面上に形成されている、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記解放式係合部材の第1セット及び第2セットが、他方の親指コントロールに対する一方の親指コントロールの回転を介して係合する、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記コントロールハンドルが、ピストン及び少なくとも1つのストッパーを含み、前記ストッパーは、前記ピストンに対して前記外側親指コントロールの長手方向の動きをガイドし、前記ピストンに対して前記外側親指コントロールの回転の動きを最小限に抑える、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記内側及び前記外側親指コントロールの間の界面に少なくとも1つのガイドが提供されて、互いに対して前記親指コントロールの長手方向の動きをガイドする、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記内側及び前記外側親指コントロールの間の別の界面に、前記1つのガイドを受容する少なくとも1つのスロットが提供されて、互いに対して前記親指コントロールの回転の動きを提供する、請求項19に記載のカテーテル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図7F】
image rotate


【公開番号】特開2012−166031(P2012−166031A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−30303(P2012−30303)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(508080229)バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド (79)
【Fターム(参考)】