説明

複数の食製品の半重ね方法及び装置

【課題】扁平状な食製品を半重ねする方法及び装置を提供する。
【解決手段】食製品5を搬送する搬送コンベア7の搬送方向に長い一対の製品受け部材23を開閉自在に備えた製品受け装置19における前記一対の製品受け部材23を、前記搬送コンベア7における搬送方向の上流側へ相対的に移動し一対の製品受け部材23を閉動作して、当該一対の製品受け部材23の長手方向の受け入れ位置に、食製品5を受け入れて保持する。次に、前記一対の製品受け部材23の長手方向の前記受け入れ位置よりも上流側の所定位置に対応する下方位置に、前記次の食製品5が達したときに、前記一対の製品受け部材23を開動作して、保持していた食製品5を前記次の食製品5に重ねる。そして、前記次の食製品5が前記受け入れ位置に対応したときに、前記一対の製品受け部材23を閉動作して重ねた状態の食製品5を受け入れて保持することを、複数回繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送コンベアによって連続的に搬送される扁平状の複数の食製品を半重ね状に重ねる方法及び装置に係り、さらに詳細には、前記搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在に備え、この一対の製品受け部材に保持される複数の食製品を順次半重ねにする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リング状、円盤状、矩形状、楕円形状など、種々の形状の扁平状な複数の食製品をパックなどの容器に詰める場合や、トレーなどの容器に盛り付けるとき、複数の食製品を半重ね状態に重ねることがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4497479公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の発明は、棒状に形成された食製品を複数に切断分離することによって、扁平状の食製品を複数製造し、この複数の扁平状の食製品をトレーに盛り付けるに際して、複数の食製品を半重ね状態にするものである。
【0005】
したがって、特許文献1に記載の発明は、搬送コンベアによって1個毎連続的に搬送されて来る扁平状の食製品を半重ねすることには適用することができないものである。
【0006】
また、搬送コンベアによって順次搬送される偏平状の食製品を、例えば容器へ1個毎に移送して半重ねすることも可能である。しかし、この場合は、能率が悪く、搬送コンベアの搬送速度が速くなると、対応困難になることがある。
【0007】
すなわち、搬送コンベアによって連続的に搬送される扁平状な食製品の複数を自動的に半重ねする方法及び装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、扁平状の複数の食製品を半重ねする方法であって、
(a)前記食製品を搬送する搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在に備えた製品受け装置における前記一対の製品受け部材を、前記搬送コンベアにおける搬送方向の上流側へ相対的に移動すると共に開動作して、食製品を受ける高さ位置に下降する工程、
(b)下降した前記一対の製品受け部材を閉動作して、当該一対の製品受け部材の長手方向の受け入れ位置に、食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(c)前記搬送コンベアによって搬送される次の食製品に対して前記一対の製品受け部材を相対的に上流側へ移動する工程、
(d)前記一対の製品受け部材の長手方向の前記受け入れ位置よりも上流側の所定位置に対応する下方位置に、前記次の食製品が達したときに、前記一対の製品受け部材を開動作して、保持していた食製品を前記次の食製品に重ねる工程、
(e)前記一対の製品受け部材に保持していた食製品を前記次の食製品に重ねた後、前記一対の製品受け部材を開状態に保持して相対的に上流側へ移動し、前記次の食製品が前記受け入れ位置に対応したときに、前記一対の製品受け部材を閉動作して重ねた状態の食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(f)前記一対の製品受け部材に、予め設定した複数の食製品を受けるまで、前記(c)工程〜(e)工程を複数回繰り返す工程、
の各工程を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
また、前記複数の食製品の半重ね方法において、前記一対の製品受け部材によって複数の食製品を半重ね状態に保持した状態にあるとき、当該一対の製品受け部材の下方位置へ容器を位置決めして一対の製品受け部材を開動作して容器に移載する工程、又は、前記一対の製品受け部材によって複数の食製品を半重ね状態に保持した状態にあるとき、前記搬送コンベアに隣接して配置された容器の上方位置へ前記一対の製品受け部材を移動位置決めし開動作して容器に移載する工程、を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
また、扁平状の複数の食製品を半重ねする半重ね装置であって、扁平状の複数の食製品を搬送する搬送コンベアと、当該搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在、かつ当該一対の製品受け部材を、前記搬送コンベアの搬送方向へ相対的に移動自在及び上下動自在に備えた製品受け装置と、前記搬送コンベアによって搬送される複数の食製品の搬送位置を検出するための撮像手段と、当該撮像手段によって検出した食製品の搬送位置を下にして複数の食製品を半重ねすべく前記製品受け装置における前記一対の製品受け部材の搬送方向への相対的な移動及び一対の製品受け部材の開閉動作を制御するための制御装置と、を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記複数の食製品の半重ね装置において、前記搬送コンベアの搬送速度を検出するための搬送速度検出手段を備えると共に、前記制御装置は、前記一対の製品受け部材の基準位置に対しての、前記一対の製品受け部材が食製品を受ける受け入れ位置を記憶したメモリと、前記撮像手段の撮像領域内の食製品の移動位置を、前記搬送速度検出手段によって検出した搬送速度を下にして演算する第1の演算手段と、当該第1の演算手段によって演算した食製品の移動位置と前記メモリに記憶した受け入れ位置とに基づいて、前記食製品を前記一対の製品受け部材の前記受け入れ位置に受けるべく、前記一対の製品受け部材の、前記搬送コンベアの搬送方向への相対的な移動位置を演算する移動位置演算手段と、当該移動位置演算手段の演算結果に基づいて、前記一対の製品受け部材の移動位置を制御するための軸制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0012】
また、前記複数の食製品の半重ね装置において、前記制御装置は、前記一対の製品受け部材の基準位置に対しての、前記一対の製品受け部材が食製品を受ける受け入れ位置を記憶したメモリと、前記撮像手段が撮像した最下流側の食製品の移動位置と前記メモリに記憶した受け入れ位置とに基づいて、前記最下流側の食製品を前記一対の製品受け部材の前記受け入れ位置に受けるべく、前記一対の製品受け部材の、前記搬送コンベアの搬送方向への相対的な移動位置を演算する移動位置演算手段と、当該演算手段の演算結果に基づいて、前記一対の製品受け部材の移動位置を制御するための軸制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
また、扁平状の複数の食製品を半重ねする方法であって、
(a)前記食製品を搬送する搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在に備えた製品受け装置における前記一対の製品受け部材を、前記搬送コンベアにおける搬送方向の上流側へ相対的に移動すると共に開動作して、食製品を受ける高さ位置に下降する工程、
(b)下降した前記一対の製品受け部材を閉動作して、当該一対の製品受け部材の長手方向で下流側の受け入れ位置に、食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(c)前記搬送コンベアによって搬送される次の食製品に対して前記一対の製品受け部材を相対的に上流側へ移動する工程、
(d)前記一対の製品受け部材の長手方向の前記受け入れ位置よりも上流側の所定位置に対応する下方位置に、前記次の食製品が相対的に達したときに、前記一対の製品受け部材を開動作して、保持していた食製品を前記次の食製品に重ねる工程、
(e)前記一対の製品受け部材に保持していた食製品を前記次の食製品に重ねた後、前記一対の製品受け部材を閉動作して重ねた状態の食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(f)前記一対の製品受け部材に、予め設定した複数の食製品を受けるまで、前記(c)工程〜(e)工程を複数回繰り返す工程、
の各工程を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、搬送コンベアによって1個毎連続的に搬送される扁平状の複数の食製品を、半重ね状態に重ねることができる。また、搬送コンベアによって搬送される食製品の間隔が短く、かつ搬送速度が比較的速い場合であっても、複数の食製品を半重ねして一括搬送するので、容易に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る食製品の半重ね装置の全体的構成を概念的、概略的に示した平面説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る食製品の半重ね装置の全体的構成を概念的、概略的に示した正面説明図である。
【図3】一対の製品受け部材の構成を示す構成説明図である。
【図4】食製品の半重ね装置の動作を制御する主要部分の機能を説明する機能ブロック図である。
【図5】食製品を半重ねする動作を示す動作説明図である。
【図6】食製品を半重ねする動作を示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照するに、本発明の実施形態に係る食製品の半重ね装置1は、例えば包あん機などのごとき食製品製造装置3によって製造された食製品5を下流側(図1において左方向:X軸方向)へ搬送する搬送コンベア7を備えている。なお、包あん機などのごとき食製品製造装置3は、既によく知られた構成であるから、前記食製品製造装置3の構成、作用についての詳細な説明は省略する。
【0017】
前記搬送コンベア7の上流側(図1において右側)には、前記食品製造装置3から搬送されて来た食製品5を扁平状に形成する食製品扁平化装置9が備えられている。この食製品扁平化装置9は、前記搬送コンベア7のコンベアフレーム7Fに上下動可能に支持された支持アーム11を備えている。そして、この支持アーム11の先端側には、前記食製品5を扁平状に押圧する押圧ローラ13が回転自在に備えられていると共に、当該押圧ローラ13を回転するための小型のモータ15が装着してある。
【0018】
上記構成により、搬送コンベア7に対する押圧ローラ13の高さ位置を適宜高さに調節すると共に、モータ15を駆動して押圧ローラ13を、搬送コンベア7の搬送速度とほぼ等しい周速で回転することにより、前記食製品製造装置3から搬送されて来た食製品5を押圧ローラ13によって押圧して扁平状に形成することができるものである。
【0019】
前記食製品扁平化装置9の下流側(図1において左側)で前記搬送コンベア7の上方位置には、搬送コンベア7によって搬送される複数の食製品5の搬送位置を検出するための撮像手段17が備えられている。この撮像手段17は、CCDカメラからなるイメージセンサ、エリアセンサなどからなるものであって、予め設定された範囲内の複数の食製品5の搬送位置を同時に検出する機能を有するものである。すなわち、前記撮像手段17によって撮像した撮像データを画像処理手段75(図4参照)によって画像処理することにより、同時に撮像した複数の食製品5の、予め設定した基準位置からの搬送位置を検出することができるものである。
【0020】
ところで、搬送コンベア7によって搬送される複数の食製品5の搬送位置を検出するには、次のごとき構成を採用することによっても検出可能である。すなわち、前記搬送コンベア7の搬送速度を検出するためのロータリーエンコーダ等のごとき搬送速度検出手段65(図4参照)を備えると共に、搬送コンベア7によって搬送される食製品5を検出するための光学センサ(図示省略)を、例えば基準位置に備える。そして、前記光学センサによって各食製品5の通過を検出する毎に計時し、各食製品5の計時時間と前記搬送速度検出手段によって検出した搬送速度を積算することにより、前記基準位置に対する各食製品5の搬送位置を検出することができるものである。
【0021】
なお、前記搬送コンベア7の搬送速度を検出する方法としては、前述したごときロータリーエンコーダに代えて、次のごとき構成とすることも可能である。すなわち、前記撮像手段17に撮像を予め設定した所定時間毎に繰り返し、前回の撮像時の食製品5の搬送位置と今回の撮像時の食製品5の搬送位置との位置差を求め、この求めた位置差を撮像を繰り返した前記所定時間とを積算することによって、搬送速度を求めることができるものである。このような構成も搬送速度検出手段を構成するものである。
【0022】
前記撮像手段17の下流側には、前記搬送コンベア7によって搬送される扁平状な食製品5を半重ね状態に重ねる製品受け装置19が配置してある。この製品受け装置19は、本実施形態においては一般的な産業用ロボットからなるものであって、そのロボットハンド21には、前記搬送コンベア7の搬送方向(図1、2において左右方向:X軸方向)に長い一対の製品受け部材23(図3参照)をX軸方向に対して直交するY軸方向に開閉自在に備えている。
【0023】
より詳細には、前記ロボットハンド21の先端部には、前記一対の製品受け部材23を同期して互いにY軸方向に接近離反する作動(開閉作動)を行うためのロッドレスシリンダ等のごとき適宜の開閉作動用アクチュエータ25を内装したアクチュエータケーシング27を備えている。そして、このアクチュエータケーシング27に備えたY軸方向に長いガイド部材29には、前記製品受け部材23を下面に一体的に固定した一対のスライダ31が互いに接近離反する方向へ移動自在に案内支持されている。
【0024】
前記一対の製品受け部材23の下部には、前記搬送コンベア7によって搬送される扁平状の前記食製品5を受け入れて保持するために、下端縁が互いに接近するように傾斜した傾斜保持部33(図3(B)参照)が備えられている。したがって、前記一対の製品受け部材23を互いに離反した状態(開いた状態)に保持して下降し、かつ一対の製品受け部材23の下端縁が搬送コンベア7に接触した状態又は僅かに離れた状態に保持する。
【0025】
そして、開いた状態の一対の製品受け部材23の間に前記食製品5が相対的に進入したときに、前記一対の製品受け部材23を閉動作することにより、一対の製品受け部材23の間に食製品5を受け入れて保持することができるものである。その後、前記一対の製品受け部材23を上方向へ移動することにより、食製品5を搬送コンベア7から上方向へ持上げることができるものである。
【0026】
このように、一対の製品受け部材23の間に食製品5を受け入れ保持して上昇した後、一対の製品受け部材23を搬送コンベア7の搬送方向へ相対的に移動し、保持した状態の食製品5と次の食製品5とが半重ね状態になる位置へ相対的に移動したときに、一対の製品受け部材23を下降すると共に開作動して、保持していた食製品5を次の食製品5上に重ねることにより、複数の食製品5を半重ね状態に重ねることができるものである。
【0027】
より詳細には、食製品5を保持した製品受け部材23は、次の食製品5との干渉を回避する高さ位置に上昇し、次の食製品5に半重ねするために予め設定してある高さ位置に下降すると、製品受け部材23の開作動が行われる。そして、上述のように重ねた状態にあるときに、複数の食製品5を保持すべく、一対の製品受け部材23を閉動作することにより、複数の食製品5を重ねた状態のまま一対の製品受け部材23内に受け入れて保持することができるものである。
【0028】
したがって、一対の製品受け部材23を搬送方向へ相対的に移動して、次の食製品5に半重ね状態になる位置に相対的に移動したときに、下降すると共に開動作して半重ねすることと、半重ね状態のまま一対の製品受け部材23内に受け入れて保持することを所望回繰り返すことにより、所望数(複数)の食製品5を半重ね状態に重ねることができるものである。上述のように、一対の製品受け部材23内に、所望数(複数)の食製品5を半重ね状態に保持した状態において、前記搬送コンベア7に隣接して配置されたパックやトレーなどのごとき適宜の容器35上へ前記一対の製品受け部材23を移動し位置決めする。そして、一対の製品受け部材23を下降すると共に開作動することにより、複数の食製品5を半重ねした状態のまま前記容器35へ移載することができるものである。
【0029】
既に理解されるように、前記一対の製品受け部材23は、搬送コンベア7の搬送方向(X軸方向)へ相対的に移動自在かつ上下動自在であり、また前記容器35の上方位置へ相対的に移動自在(Y軸方向へ移動自在)な構成であればよいものである。したがって、前記製品受け装置19の構成としては、産業用ロボットに限ることなく、搬送コンベア7の上方位置にX軸方向、Y軸方向へ移動自在なX−Yテーブルを備え、このX−Yテーブルに一対の製品受け部材23を上下動自在に備えた構成とすることも可能である。
【0030】
また、上昇した状態にある一対の製品受け部材23の下方位置へ容器35を搬出入位置決め自在な例えばロボットなどの容器搬出入手段(図示省略)を備えた構成とした場合には、前記一対の製品受け部材23がY軸方向へ移動する構成を省略することができる。すなわち、この場合には、一対の製品受け部材23は、搬送コンベア7の搬送方向へ相対的に移動自在かつ上下動自在であればよいことになる。
【0031】
ところで、本実施形態においては、前記搬送コンベア7と平行に設けた移送コンベア37によって前記容器35を間欠的に移送する構成であり、この移送コンベア37の上流側には、移送コンベア37に対して容器35を間欠的に載置供給するための容器供給手段39が備えられている。なお、前記容器供給手段39は、周知の構成であってもよいものであるから、容器供給手段39の詳細な説明は省略する。
【0032】
前記食製品の半重ね装置1は、当該半重ね装置1の動作を制御するための制御装置41を備えている。この制御装置41は、コンピュータなどからなるものであって、図4に示すように、CPU43、入力手段45、出力手段47、ROM49、RAM51を備えている。そして、制御装置41には、機能要素として第1メモリ53を備えている。この第1メモリ53は、前記一対の製品受け部材23の基準位置55に対しての、前記一対の製品受け部材23が食製品5を受け入れる所定位置(受け入れ位置)57の位置(基準位置55からの寸法Aの位置)が格納(記憶)してある。
【0033】
すなわち、本実施形態においては、前記基準位置55は、前記製品受け部材23の長手方向の中央位置であって、前記ロボットハンド21の軸心に一致した位置に設定してある。そして、前記受け入れ位置(所定位置)57は、前記基準位置55から前記搬送コンベア7の搬送方向に見ての上流側へ寸法Aだけ離れた位置に設定してある。換言すれば、一対の製品受け部材23における前記受け入れ位置57に食製品5が相対的に移動したときに、一対の製品受け部材23が閉作動して食製品5を保持すべく構成してある。
【0034】
また、前記制御装置41には、第2メモリ(半掛けピッチメモリ)59が備えられている。この第2メモリ59は、図3に示すように、前記一対の製品受け部材23における前記所定位置(受け入れ位置)57に保持した食製品5を、次の食製品5に半重ね状態に重ねるときのピッチ寸法Bだけ離れた半重ね位置58を格納(記憶)してある。
【0035】
なお、上記ピッチ寸法Bは、所望の寸法とすることができるが、本実施例においては、理解を容易にするために、前記搬送コンベア7によって搬送される食製品5の搬送方向(X軸方向)寸法の約1/2の寸法でもって例示してあるが、必ずしもこの寸法に限るものではない。
【0036】
したがって、搬送コンベア7によって搬送される複数の食製品5を前記撮像手段17によって撮像し、画像処理によって求めた食製品5の搬送方向の寸法の平均値を二等分した値又は前記寸法Aに加算した値を前記第2メモリ59に格納することが望ましい。なお、入力手段45から所望のピッチ寸法Bを、第2メモリ59に予め格納(記憶)させることも可能である。すなわち、第2メモリ59には、ピッチ寸法Bの値、又は予め演算した(C=A+B)値、すなわち基準位置55に対する半重ね位置58の位置を格納してもよいものである。
【0037】
さらに、前記制御装置41には第3メモリ(個数メモリ)61が備えられている。この第3メモリ61は、前記一対の製品受け部材23によって保持する食製品5の個数を記憶(格納)してある。
【0038】
また、前記制御装置41には演算手段63が備えられている。この演算手段63は1例として、前記一対の製品受け部材23の前記基準位置55から、半重ね状態に重ねるときの次の食製品5までの寸法C(C=A+B)を演算するなど、各種の演算を行うものである。なお、演算手段63による演算結果は、前記第2メモリ59に格納することが望ましいものである。
【0039】
また、前記制御装置41には、前記搬送コンベア7の搬送速度を検出するための例えばロータリエンコーダ等のごとき適宜の搬送速度検出手段65が接続してあると共に、当該搬送速度検出手段65によって検出した搬送速度を元にして、前記撮像手段17の撮像領域内の予め設定した基準位置からの食製品5の移動位置を演算する第1移動位置演算手段67が備えられている。この第1の移動位置演算手段67は、前記撮像手段17によって食製品5を撮像して検出した位置と撮像領域内の予め設定した基準位置17Aとの搬送方向の位置差を演算すると共に、前記食製品5を検出したときからの経過時間と前記搬送速度検出手段65によって検出した搬送速度によって、食製品5を検出したときの位置からの移動位置を演算し、この演算結果と前記位置差とに基づいて、前記基準位置17Aからの食製品5の移動位置を演算する機能を有するものである。
【0040】
また、前記第1の移動速度演算手段67は、予め設定した設定位置で食製品5の通過を検出したときは、経過時間と搬送速度に基づいて、上記設定位置からの食製品5の移動位置を演算する機能を有するものである。
【0041】
また、前記制御装置41には、前記一対の製品受け部材23の搬送方向への移動位置を演算する第2の移動位置演算手段69を備えている。この第2の移動位置演算手段69は、前記撮像手段17によって撮像した食製品5を、前記一対の製品受け部材23における前記受け入れ位置57において食製品5を保持する場合及び保持している食製品5を半重ね位置58において次の食製品5に半重ねする場合の搬送コンベア7上の搬送方向の相対的な位置を演算する機能を有するものである。
【0042】
さらに、前記制御装置41には、比較演算手段71が備えられている。この比較演算手段71は、前記第3メモリ61に格納した個数と、前記一対の製品受け部材23が食製品5を保持する回数を比較するものである。そして、前記個数と回数が一致すると、軸制御手段73の制御の下に、一対の製品受け部材23に半重ね状態に保持されている複数の食製品5を前記容器35へ移載する動作が行われるものである。
【0043】
また、前記制御装置41には、前記撮像手段17によって撮像した画像データを画像処理する画像処理手段75が接続してあると共に、前記撮像手段17に対して撮像信号を出力するタイミング信号出力手段77が備えられている。このタイミング信号出力手段77は、所定時間毎に、又は前記搬送速度検出手段65により検出した搬送速度に時間のパラメータを積算して得られる食製品5の所定搬送距離毎に撮像信号を出力する機能を有するものである。
【0044】
そして、前記タイミング信号出力手段77から撮像手段17へ撮像信号が出力されると、搬送コンベア7上の予め設定された範囲内の複数の食製品5の撮像が行われる。上記撮像手段17によって撮像した画像データ(撮像データ)を前記画像処理手段75によって画像処理することにより、予め設定した搬送コンベア7上の基準位置に対する複数の食製品5の搬送位置を検出することができるものである。
【0045】
以上のごとき構成において、食製品製造装置3によってほぼ一定間隔の時間毎に製造された食製品5を搬送コンベア7によって搬送するとき、食製品5は、食製品扁平化装置9において、押圧ローラ13によって押圧されて扁平化される。そして、搬送コンベア7によってほぼ一定の間隔を保持して連続的に搬送される食製品5が撮像手段17の撮像領域内に至ると、複数の食製品5が同時に撮像される。
【0046】
そして、複数の食製品5における先頭の食製品5が、製品受け装置19における一対の製品受け部材23の動作範囲(動作領域)の基準位置(一対の製品受け部材23を搬送コンベア7の搬送方向:X軸方向に移動するときの、予め設定されている基準位置すなわちX軸方向の基準位置、この基準位置は、搬送コンベア7上の基準位置と一致してある)に近接すると、一対の製品受け部材23によって食製品5の保持動作(受け入れ動作)が開始される。なお、先頭の食製品5が前記基準位置に近接したか否かは、前記撮像手段17によって撮像を繰り返すことによって容易に検出することができるものである。
【0047】
前記撮像手段17によって撮像された先頭の食製品5Aが、予め設定された許容範囲内において前記基準位置に近接したことが検出されると、この検出位置(食製品5Aの中心位置)に、前記一対の製品受け部材23の受け入れ位置57が位置決めされて、食製品5の受け入れ(保持)が行われる(図5(A)参照)。なお、搬送コンベア7は食製品5を連続的に搬送しているので、前記搬送速度検出手段65によって検出される搬送速度と同期して搬送方向へ移動しつつ食製品5の受け入れ(保持)が行われるものである。このように、搬送コンベア7の搬送速度に同期して製品受け部材23を移動しつつ食製品5の受け入れ(保持)を行うことにより、能率向上を図ることができるものである。
【0048】
前述のごとく、一対の製品受け部材23によって食製品5Aを保持して上昇する。そして、前記タイミング信号出力手段77から撮像手段17へ所定時間毎に撮像信号が出力される。なお、場合によっては、前記一対の製品受け部材23が上昇する毎に、タイミング信号出力手段77から撮像信号を出力することも可能である。
【0049】
前述のごとく、一対の製品受け部材23によって食製品5Aを保持して上昇し、次の食製品5Bの移動位置を検出すると、先頭の食製品5Aを次の食製品5Bにピッチ寸法Bでもって半重ねするために、前記一対の製品受け部材23の基準位置55から次の食製品5Bまでの距離が寸法C(C=A+B)となるように、すなわち半重ね位置58の位置が次の食製品5Bの位置と一致するように一対の製品受け部材23が移動される。そして、一対の製品受け部材23が開作動されて、次の食製品5B上に食製品5Aが半重ね状に重ねられる(図5(B)参照)。
【0050】
上述のように、食製品5B上に食製品5Aが半重ね状に重ねられると、一対の製品受け部材23における受け入れ位置57が次の食製品5Bの中心と一致するように相対的に移動される。そして、半重ね状態の食製品5A,5Bが一対の製品受け部材23に保持されるものである(図5(C)参照)。その後、継続の食製品5C,5D,5Eの場合にも同様の動作が繰り返されて、順次半重ね状態に重ねられる(図5(D)〜(I)参照)。
【0051】
そして、予め設定した個数の食製品5A〜5Eが前記一対の製品受け部材23に受け入れられると、一対の製品受け部材23が容器35の上方位置へ相対的に移動され、一対の製品受け部材23から容器35に複数の食製品5A〜5Eが移載される(図5(J)参照)。
【0052】
以上のごとき説明より理解されるように、複数の食製品5は半重ね状態に保持して順次半重ねするものであるから、扁平状な食製品5の形状や厚さ等に拘りなく整然と半重ねすることができるものである。
【0053】
なお、本発明は、前述したごとき実施形態に限ることなく、適宜の変更を行うことにより、その他の形態でもって実施可能である。
【0054】
すなわち、前記説明においては、搬送コンベア7の搬送方向(X軸方向)の基準位置に対する食製品5の搬送位置を、撮像手段17によって検出し、製品受け装置19における製品受け部材23を、搬送方向の上流側へ次第に移動しつつ食製品5を半重ねする場合について説明した。しかし、前記製品受け部材23を定位置でもって上下動し、この定位置に対して順次搬送されて来る食製品5の位置を検出する。そして、一対の製品受け部材23によって食製品5を保持して持上げることと、次の食製品5上に半重ね状態に半重ねすることを繰り返すことも可能である。
【0055】
また、搬送コンベア7の搬送方向への食製品5の搬送位置を検出する構成としては、予め設定された基準位置において、例えば光学センサによって食製品5の通過時間を検出し、この通過時間と搬送コンベア7の搬送速度に基づいて、食製品5の大きさ及び食製品5の中心位置の通過時刻を検出することができる。そして、上記通過時刻からの経過時間と前記搬送速度に基づいて、食製品5の搬送位置を検出することができるものである。
【0056】
したがって、搬送コンベア7の搬送速度を検出すると共に、予め設定した基準位置を食製品5が通過したときからの経過時間に基づいて食製品5の搬送位置を求めること、換言すれば、前記基準位置を食製品5が通過してから、予め設定されている所定位置及び当該所定位置からピッチ寸法Bだけ上流側へ離れた位置に至るまでの時間を知ることができる。よって、定位置において上下動する一対の製品受け部材23において、上記所定位置において、食製品5を保持して持上げること、及びこの所定位置からピッチ寸法Bだけ離れた位置において、次の食製品5に保持していた食製品5を半重ね状態に重ねる動作を繰り返し行うことができるものである。
【0057】
なお、この場合、食製品5が前記受け入れ位置57、半重ね位置58に対応する位置に位置する毎に搬送コンベア7を停止することも可能である。また、前述のごとく製品受け入れ部材23を、搬送コンベア7に同期して移動する構成とすることも可能である。
【0058】
ところで、前記説明においては、複数の食製品5を半重ね状態に重ねる場合について説明した。しかし、食製品5を複数重ねた状態の複数組みを、前記一対の製品受け部材23によって保持することも可能である。
【0059】
すなわち、一対の製品受け部材23における受け入れ位置57に対して1個目の食製品5が相対的に移動位置したときに、一対の製品受け部材23によって上記1個目の食製品5を保持して持上げる。そして、2個目の食製品5が前記受け入れ位置57へ相対的に移動したときに、保持していた1個目の食製品5を2個目の食製品5に重ねる。この重ねられた状態の1個目、2個目の食製品5が相対的に下流側へ移動されて、前記受け入れ位置57に次の食製品5を保持できる状態になったときに、重ねられた状態の1個目と2個目の食製品5を一対の製品受け部材23によって保持し持上げる。
【0060】
次に、3個目の食製品5が前記受け入れ位置57に対応する位置に相対的に位置したときに、3個目の食製品5を、前記1個目、2個目の食製品5に隣接した状態に保持する。そして、4個目の食製品5が前記受け入れ位置57に対応したときに、3個目の食製品5を4個目の食製品5上に重ねる。その後、重ねた状態の1個目と2個目の食製品5及び3個目と4個目の食製品5が相対的に下流側へ移動されて、受け入れ位置57に次の食製品5を保持できる状態になったときに、重ねた状態の1個目と2個目の食製品5及び3個目と4個目の食製品5を一対の製品受け部材23によって保持して持上げる。
【0061】
既に理解されるように、前述の動作を繰り返すことにより、食製品5を複数重ねた状態の複数組みを、一対の製品受け部材23によって保持することができるものである。
【0062】
また、前記一対の製品受け部材23に複数の食製品5を受け入れる作用として、次のようにすることも可能である。すなわち、搬送コンベア7によって搬送される食製品5のピッチP1をより小さなピッチP2として、重ねることなく受け入れることも可能である。
【0063】
また、上記実施例においては、前記一対の製品受け部材23の基準位置55に対しての、前記一対の製品受け部材23が食製品5を受け入れる受け入れ位置57を所定位置(前記基準位置55から上流側へ寸法Aの位置)として第1メモリ53の格納(記憶)しておいたが、図6に示す食製品5を半重ねする動作では、前記受け入れ位置57が前記食製品5を受け入れるごとに、上流側へ次第に移動する態様にて前記一対の製品受け部材23に所望数(ここでは5個)の食製品5を半重ね状態に重ねる工程を示している。
【0064】
図6(A)は、先頭の食製品5Aを、一対の製品受け部材23の下流側に受け入れた後、前記先頭の食製品5Aを次の食製品5Bに半重ねすべく相対的に位置合わせした状態を示している。前記制御装置41の第1メモリ53には、前記先頭の食製品5Aの下流側の受け入れ位置57Aの値として前記基準位置55から下流側へ寸法A1離れた位置に設定してある。また、前記第2メモリ59には、ピッチ寸法B1、又は、前記寸法A1及びピッチ寸法B1の2つの値から前記制御装置41の演算手段63で演算された値(C1=A1−B1)が格納される。
【0065】
そして、前記次の食品5Bは、前記先頭の食製品5Aを受け入れ位置57Aから上流側にピッチ寸法B1だけ離れた半重ね位置58Aに位置合わせされる。そして、受け部材23が下降すると共に開動作して半重ねし、さらに、前記受け部材23は前記保持位置まで下降する。そして、図6(B)に示すように、前記受け部材23が閉動作して半重ね状態の前記食製品5A及び前記食製品5Bが保持され、前記受け部材23が上昇位置まで上昇して、前記食製品5Bが3つ目の食製品5Cに対し半重ね状態になる位置へ相対的に移動される。このとき、前記第1メモリ53の値、寸法A1がA2(A2=B2+C2,つまり、C1と同値)に書き換えられ、前記食製品5Bの半重ね位置58Aが前記食製品5Bの受け入れ位置57Bとなる。
【0066】
また、前記第2メモリ59には、ピッチ寸法B2、又は、前記寸法A2及びピッチ寸法B2の2つの値から前記制御装置41の演算手段63で演算された値(C2=A2−B2)が格納される。そして、前記食製品5Cは、前記先頭の食製品5B受け入れ位置57Bから上流側にピッチ寸法B2だけ離れた半重ね位置58Bに相対的に位置合わせされることとなる。
【0067】
同様に、前記製品受け部材23による食製品5の受け入れと次の食製品5に対する半重ね位置合わせの動作を繰り返すことにより、図6(C)に示すように、4つ目の食製品5Dの受け入れ位置57Dと5つ目の食製品5Eの半重ね位置5Eの半重ね位置58Dが設定される。つまり、N(整数)個目の食製品5Nの受け入れ位置57Nは、前記基準位置55に対し寸法AN(AN=A1−(B1+B2+‥‥+BN))離れた位置に設定される。なお、図6においては右方向が一方向となる。
【0068】
また、食製品5Nに対し半重ね状態となるよう位置合わせされる次の製品5(N+1)の半重ね製品58Nは、前記受け入れ位置57Nに対し、寸法BN、又は、前記制御装置41の演算手段63で演算された値(CN=AN−BN)により設定される。なお、前記ピッチ寸法B1,B2,‥‥BNは、前記食製品5の搬送方向寸法の約1/2の寸法を値として設定する場合を含めるため変動値としたが、所用の寸法Bとして入力することもできる。
【0069】
すなわち、上述の方法を要約すると、上述の半重ね方法は、扁平状の複数の食製品を半重ねする方法であって、
(a)前記食製品を搬送する搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在に備えた製品受け装置における前記一対の製品受け部材を、前記搬送コンベアにおける搬送方向の上流側へ相対的に移動すると共に開動作して、食製品を受ける高さ位置に下降する工程、
(b)下降した前記一対の製品受け部材を閉動作して、当該一対の製品受け部材の長手方向の受け入れ位置に、食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(c)前記搬送コンベアによって搬送される次の食製品に対して前記一対の製品受け部材を相対的に上流側へ移動する工程、
(d)前記一対の製品受け部材の長手方向の前記受け入れ位置よりも上流側の所定位置に対応する下方位置に、前記次の食製品が達したときに、前記一対の製品受け部材を開動作して、保持していた食製品を前記次の食製品に重ねる工程、
(e)前記一対の製品受け部材に保持していた食製品を前記次の食製品に重ねた後、前記一対の製品受け部材を開状態に保持して相対的に上流側へ移動し、前記次の食製品が前記受け入れ位置に対応したときに、前記一対の製品受け部材を閉動作して重ねた状態の食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(f)前記一対の製品受け部材に、予め設定した複数の食製品を受けるまで、前記(c)工程〜(e)工程を複数回繰り返す工程、
の各工程を備えているものである。
【符号の説明】
【0070】
1 食製品の半重ね装置
3 食製品製造装置
5 食製品
7 搬送コンベア
9 食製品扁平化装置
13 押圧ローラ
17 撮像手段
19 製品受け装置
23 製品受け部材
33 傾斜保持部
35 容器
39 容器供給手段
41 制御装置
53 第1メモリ(所定位置メモリ)
55 基準位置
57 所定位置(受け入れ位置)
59 第2メモリ(半掛けピッチメモリ)
61 第3メモリ(個数メモリ)
63 演算手段
65 搬送速度検出手段
67 第1移動位置演算手段
69 第2の移動位置演算手段
71 比較演算手段
73 軸制御手段
75 画像処理手段
77 タイミング信号出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平状の複数の食製品を半重ねする方法であって、
(a)前記食製品を搬送する搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在に備えた製品受け装置における前記一対の製品受け部材を、前記搬送コンベアにおける搬送方向の上流側へ相対的に移動すると共に開動作して、食製品を受ける高さ位置に下降する工程、
(b)下降した前記一対の製品受け部材を閉動作して、当該一対の製品受け部材の長手方向の受け入れ位置に、食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(c)前記搬送コンベアによって搬送される次の食製品に対して前記一対の製品受け部材を相対的に上流側へ移動する工程、
(d)前記一対の製品受け部材の長手方向の前記受け入れ位置よりも上流側の所定位置に対応する下方位置に、前記次の食製品が達したときに、前記一対の製品受け部材を開動作して、保持していた食製品を前記次の食製品に重ねる工程、
(e)前記一対の製品受け部材に保持していた食製品を前記次の食製品に重ねた後、前記一対の製品受け部材を開状態に保持して相対的に上流側へ移動し、前記次の食製品が前記受け入れ位置に対応したときに、前記一対の製品受け部材を閉動作して重ねた状態の食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(f)前記一対の製品受け部材に、予め設定した複数の食製品を受けるまで、前記(c)工程〜(e)工程を複数回繰り返す工程、
の各工程を備えていることを特徴とする複数の食製品の半重ね方法。
【請求項2】
請求項1に記載の複数の食製品の半重ね方法において、前記一対の製品受け部材によって複数の食製品を半重ね状態に保持した状態にあるとき、当該一対の製品受け部材の下方位置へ容器を位置決めして一対の製品受け部材を開動作して容器に移載する工程、又は、前記一対の製品受け部材によって複数の食製品を半重ね状態に保持した状態にあるとき、前記搬送コンベアに隣接して配置された容器の上方位置へ前記一対の製品受け部材を移動位置決めし開動作して容器に移載する工程、を備えていることを特徴とする複数の食製品の半重ね方法。
【請求項3】
扁平状の複数の食製品を半重ねする半重ね装置であって、扁平状の複数の食製品を搬送する搬送コンベアと、当該搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在、かつ当該一対の製品受け部材を、前記搬送コンベアの搬送方向へ相対的に移動自在及び上下動自在に備えた製品受け装置と、前記搬送コンベアによって搬送される複数の食製品の搬送位置を検出するための撮像手段と、当該撮像手段によって検出した食製品の搬送位置を元にして複数の食製品を半重ねすべく前記製品受け装置における前記一対の製品受け部材の搬送方向への相対的な移動及び一対の製品受け部材の開閉動作を制御するための制御装置と、を備えていることを特徴とする複数の食製品の半重ね装置。
【請求項4】
請求項3に記載の複数の食製品の半重ね装置において、前記搬送コンベアの搬送速度を検出するための搬送速度検出手段を備えると共に、前記制御装置は、前記一対の製品受け部材の基準位置に対しての、前記一対の製品受け部材が食製品を受ける受け入れ位置を記憶したメモリと、前記撮像手段の撮像領域内の食製品の移動位置を、前記搬送速度検出手段によって検出した搬送速度を元にして演算する第1の演算手段と、当該第1の演算手段によって演算した食製品の移動位置と前記メモリに記憶した受け入れ位置とに基づいて、前記食製品を前記一対の製品受け部材の前記受け入れ位置に受けるべく、前記一対の製品受け部材の、前記搬送コンベアの搬送方向への相対的な移動位置を演算する移動位置演算手段と、当該移動位置演算手段の演算結果に基づいて、前記一対の製品受け部材の移動位置を制御するための軸制御手段と、を備えていることを特徴とする複数の食製品の半重ね装置。
【請求項5】
請求項3に記載の複数の食製品の半重ね装置において、前記制御装置は、前記一対の製品受け部材の基準位置に対しての、前記一対の製品受け部材が食製品を受ける受け入れ位置を記憶したメモリと、前記撮像手段が撮像した最下流側の食製品の移動位置と前記メモリに記憶した受け入れ位置とに基づいて、前記最下流側の食製品を前記一対の製品受け部材の前記受け入れ位置に受けるべく、前記一対の製品受け部材の、前記搬送コンベアの搬送方向への相対的な移動位置を演算する移動位置演算手段と、当該演算手段の演算結果に基づいて、前記一対の製品受け部材の移動位置を制御するための軸制御手段と、を備えていることを特徴とする複数の食製品の半重ね装置。
【請求項6】
扁平状の複数の食製品を半重ねする方法であって、
(a)前記食製品を搬送する搬送コンベアの搬送方向に長い一対の製品受け部材を開閉自在に備えた製品受け装置における前記一対の製品受け部材を、前記搬送コンベアにおける搬送方向の上流側へ相対的に移動すると共に開動作して、食製品を受ける高さ位置に下降する工程、
(b)下降した前記一対の製品受け部材を閉動作して、当該一対の製品受け部材の長手方向で下流側の受け入れ位置に、食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(c)前記搬送コンベアによって搬送される次の食製品に対して前記一対の製品受け部材を相対的に上流側へ移動する工程、
(d)前記一対の製品受け部材の長手方向の前記受け入れ位置よりも上流側の所定位置に対応する下方位置に、前記次の食製品が相対的に達したときに、前記一対の製品受け部材を開動作して、保持していた食製品を前記次の食製品に重ねる工程、
(e)前記一対の製品受け部材に保持していた食製品を前記次の食製品に重ねた後、前記一対の製品受け部材を閉動作して重ねた状態の食製品を受け入れて保持すると共に上昇する工程、
(f)前記一対の製品受け部材に、予め設定した複数の食製品を受けるまで、前記(c)工程〜(e)工程を複数回繰り返す工程、
の各工程を備えていることを特徴とする複数の食製品の半重ね方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−56581(P2012−56581A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198786(P2010−198786)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】