複数視野を有する超広帯域小型光学系
複数の物体結像視野を持つ、全てが反射式設計の小型光学系が本書において開示される。また、本光学系の視野方向はどれも同一であり、さらに本光学系は、レーザ測距用および照準用部品を追加するためのいくつかの異なる構造を有し得る。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2009年6月19日に出願された「複数視野を有する超広帯域小型光学系」と題する米国仮特許出願第61/218,577号の利益を主張する、2009年8月31日に出願された「複数視野を有する超広帯域小型光学系」と題する米国特許出願第12/550962号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、複数の物体結像視野を持つ、全てが反射式の小型光学系に関する。また、本光学系の視野方向はどれも同一であり、さらに本光学系は、レーザ測距用および照準用部品を追加するためのいくつかの異なる構造を有し得る。
【背景技術】
【0003】
画像検出器の進歩により、光学設計の領域は新たに広がっている。近年開発されたものに、以前は別々の画像検出器を用いた場合にのみ利用することができた機能(日中/夜間/全天候での結像)を一体化したものがある。例えば、現在では単一の画像検出器で、0.9μmから5μmまで、あるいは3μmから12μmまで画像化することができる。以前は、このような波長の帯域は2つのより小さな別々の波長帯(短波長赤外(SWIR)および中波長赤外(MWIR)、または、MWIRおよび長波長赤外(LWIR))に分割され、2つの別個の画像検出器を使用する必要があった。この小さくなった波長範囲では、個別の各波長帯に対して典型的には屈折光学系が好適である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像検出器の帯域幅が増加し、これにより光学系の帯域幅が増加しても、この増加したスペクトル範囲に亘って伝送可能な入手し得る屈折性光学材料は限られている。さらに、現存の材料では色補正を実現するのは困難である。例えば、SWIRからMWIRに変わるとき、クラウンをフリントに交換し、またフリントをクラウンに交換する。このため、新しい画像検出器で使用し得る全波長帯に対する小型軽量の屈折光学系の設計は難題となっている。さらに、複数の結像視野、携帯型操作、および100%のコールドシールドといった追加の特徴が、増加したスペクトル帯域幅での要件に対して全ての仕様を満たすような屈折光学系の設計を、より一層困難にしている。すなわち、従来の屈折光学系に関連した欠点に対処する光学系が必要とされている。こういった要望および他の要望を、本発明の光学系および方法は満足させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、狭視野モードまたは広視野モードのいずれかで動作して物体を結像するよう適合された光学系(全てが反射式の望遠鏡)を提供する。この光学系は、(a)第1(大)入口開口部;(b)第2(小)入口開口部;(c)反射式ビーム拡大器;(d)反射式結像器;(e)可動式視野変更ミラー;および(f)画像検出器を含む。狭視野モードでは、(i)可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し;(ii)反射式結像器が、第1入口開口部を通過した第1光ビームを受信し;さらに(iii)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第1光ビームを受信する。広視野モードでは、(i)反射式ビーム拡大器が、第2入口開口部を通過した第2光ビームを受信し;(ii)可動式視野変更折返しミラーが、光ビーム路内に位置し、かつ反射式ビーム拡大器を通過した第2光ビームを受けかつ反射し;(iii)反射式結像器が、可動式視野変更折返しミラーから反射された第2光ビームを受信し;さらに(iv)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第2光ビームを受信する。所望であれば、この光学系は、レーザ測距用および照準用部品を追加するための、いくつかの異なる構造を有してもよい。
【0006】
別の態様において、本発明は物体を結像する方法を提供する。この方法は、(a) 第1(大)入口開口部、第2(小)入口開口部、反射式ビーム拡大器、反射式結像器、可動式視野変更ミラー、および画像検出器、を含む光学系(全てが反射式の望遠鏡)を提供するステップ;(b)光学系を狭視野モードで動作させて物体を結像するステップであって、(i)可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し;(ii)反射式結像器が、第1入口開口部を通過した第1光ビームを受信し;さらに(iii)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第1光ビームを受信するステップ;および(c)光学系を広視野モードで動作させて物体を結像するステップであって、(i)反射式ビーム拡大器が、第2入口開口部を通過した第2光ビームを受信し;(ii)可動式視野変更折返しミラーが、光ビーム路内に位置し、かつ反射式ビーム拡大器を通過した第2光ビームを受けかつ反射し;(iii)反射式結像器が、可動式視野変更折返しミラーから反射された第2光ビームを受信し;さらに(iv)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第2光ビームを受信するステップを含む。所望であれば、この光学系は、レーザ測距用および照準用部品を追加するための、いくつかの異なる構造を有してもよい。
【0007】
本発明のさらなる態様は、一部は以下の詳細な説明、図面、および任意の請求項の中に明記され、さらに一部は詳細な説明から導かれるであろうし、あるいは本発明を実施することにより理解できるであろう。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、単に例示的かつ説明的なものであり、開示される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0008】
以下の詳細な説明を添付の図面とともに参照すると、本発明のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明の第1の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図1B】本発明の第1の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図1C】本発明の第1の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図2A】本発明の第2の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図2B】本発明の第2の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図2C】本発明の第2の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図3】本発明の第3の実施形態による光学系を示す図
【図4】本発明の別の実施形態による、図1に示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【図5A】本発明のさらなる実施形態による、図2A〜2Cに示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【図5B】本発明のさらなる実施形態による、図2A〜2Cに示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【図6】本発明のさらに別の実施形態による、図2A〜2Cに示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A〜1Cを参照すると、本発明の第1の実施形態による光学系100(反射望遠鏡100)が図示されている。図1Aにおいて、光学系100は、第1(大)入口開口部102、第2(小)入口開口部104、反射式ビーム拡大器106(アフォーカル強化3ミラーアナスチグマート106など)、反射式結像器108(集光3ミラーアナスチグマート108など)、可動式視野変更ミラー110、および画像検出器112を含む。所望であれば、光学系100を電気光学的ジンバルアセンブリ114内にパッケージしてもよい。
【0011】
光学系100は、狭視野(NFOV)モード(例えば、1°〜4°)または広視野(WFOV)モード(例えば、4°〜20°)のいずれかで動作して、物体(図示なし)を結像するよう適合されている。例えば、可動式視野変更ミラー110がビーム路外に位置しているとき(点線参照)、集光3ミラーアナスチグマート108が大入口開口部102を通して狭視野の物体を画像検出器112上に結像する(図1B参照)。可動式視野変更ミラー110がアフォーカル3ミラーアナスチグマート106と集光3ミラーアナスチグマート108の間の位置へと動くと、小入口開口部104を通して広視野の物体が同じ画像検出器112上に結像される(図1C参照)。狭視野および広視野の間の視野の比率は、アフォーカル3ミラーアナスチグマート106のアフォーカル倍率による。アフォーカル3ミラーアナスチグマート106の特別な小型折返し構造により、両視野は物体に向かって同じ方向を「見る」ことができる。
【0012】
図1BにはNFOVモードに構成された光学系100が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー110はビーム路外に位置し、狭視野の物体が画像検出器112上に結像される。この構成において、図示の光学系100は、物体(図示なし)からの入射ビーム150a(光ビーム150a)を第1(大)入口開口部102から受信している。ビーム150aは1次ミラー108a(例えば、1次非球面凹ミラー108a)で反射され、このミラー108aによりビーム150aは収束されてビーム150bとなる。ビーム150bは2次ミラー108b(例えば、2次非球面凸ミラー108b)に入射し、このミラー108bから、中間像152を形成する収束ビーム150cが反射され、その後この収束ビーム150cが発散して3次ミラー108c(例えば、3次非球面ミラー108c)に入射する。3次ミラー108cは発散ビーム150cを受けて収束ビーム150dを反射し、この収束ビーム150dが、接近可能な(accessible)射出瞳154を形成する。射出瞳154から、ビーム150dは収束して画像検出器112に入射する。画像検出器112はビーム150dを分析し、物体の狭視野像を提供する。図1Bでは、明瞭にするため、広視野の物体に係る入射ビーム160a(光ビーム160a)は図示しなかった(次に論じる)。
【0013】
図1CにはWFOVモードに構成された光学系100が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー110はアフォーカル3ミラーアナスチグマート106と集光3ミラーアナスチグマート108の間に位置し、広視野の物体が画像検出器112上に結像される。この構成において、図示の光学系100は、物体(図示なし)からの入射ビーム160a(光ビーム160a)を第2(小)入口開口部104から受信している。ビーム160aは3次ミラー106a(例えば、3次非球面ミラー106a)に入射し、このミラー106aから、中間像162を形成する収束ビーム160bが反射され、その後この収束ビーム160bが発散して折返しミラー106bに入射する(広視野を得るよう、非球面折返しミラー106bとしてもよい)。中間像162は、折返しミラー106bのどちらかの側に位置し得る。折返しミラー106bは、2次ミラー106c(例えば、2次非球面ミラー106c)に入射する発散ビーム160cを反射し、2次ミラー106cからは発散ビーム160dが反射される。ビーム160dは1次ミラー106d(例えば、1次非球面ミラー106d)に入射し、ミラー106dは可動式視野変更ミラー110に向けてコリメートビーム160eを反射する。可動式視野変更ミラー110からはビーム160fが反射され、ビーム160fが1次ミラー108aに入射する。1次ミラー108aはビーム160fを反射して、収束ビーム160gを形成する。ビーム160gは2次ミラー108bに入射し、このミラー108bから、中間像164を形成する収束ビーム160hが反射され、その後この収束ビーム160hが発散して3次ミラー108cに入射する。3次ミラー108cは発散ビーム160hを受けて収束ビーム160iを反射し、この収束ビーム160iが、接近可能な射出瞳166を形成する。射出瞳166から、ビーム160iは収束して画像検出器112に入射する。画像検出器112はビーム160iを分析し、物体の広視野像を提供する。図1Cでは、明瞭にするため、狭視野の物体に係る入射ビーム150a(光ビーム150a)は図示しなかった。
【0014】
例示的な光学系100に対する設計データ(prescription data)を、以下に表1〜6と関連付けて提供する。表1〜3は、倍率4倍、入射瞳直径12.5mm、および視野4°×4°の、例示的なアフォーカル3ミラーアナスチグマート106に関する表面設計データを表したものである。
【表1】
【0015】
表1において、要素番号1〜4は夫々、3次ミラー106a、折返しミラー106b、2次ミラー106c、および1次ミラー106dに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系100における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離(thickness)は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式および表2により画成される。
【数1】
【表2】
【0016】
表3には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのBENDは、当該表面の傾斜と等しい分だけ、反射に続いて座標系を傾斜させることを意味する。
【表3】
【0017】
表4〜6は、有効焦点距離(EFL)200mm、F/4、および視野1°×1°の、例示的な集光3ミラーアナスチグマート108に関する表面設計データを表したものである。表4では全ての寸法の単位をmmとする。
【表4】
【0018】
表4において、要素番号1〜3は夫々、1次ミラー108a、2次ミラー108b、および3次ミラー108cに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系100における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式および表5により画成される。
【数2】
【表5】
【0019】
表6には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのRETUは、偏心前の座標系に戻すことを意味する。
【表6】
【0020】
図2A〜2Cを参照すると、本発明の第2の実施形態による光学系200(反射望遠鏡200)が図示されている。図2Aにおいて、光学系200は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(アフォーカル強化3ミラーアナスチグマート206など)、反射式結像器208(集光強化3ミラーアナスチグマート208など)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。所望であれば、光学系200を電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージしてもよい。
【0021】
光学系200は、狭視野(NFOV)モード(例えば、1°〜4°)または広視野(WFOV)モード(例えば、4°〜20°)のいずれかで動作して、物体(図示なし)を結像するよう適合されている。例えば、可動式視野変更ミラー210がビーム路外に位置しているとき(点線参照)、集光3ミラーアナスチグマート208が大入口開口部202を通して狭視野の物体を画像検出器212上に結像する(図2B参照)。可動式視野変更ミラー210がアフォーカル3ミラーアナスチグマート206と集光3ミラーアナスチグマート208の間の位置へと動くと、小入口開口部204を通して広視野の物体が同じ画像検出器212上に結像される(図2C参照)。狭視野および広視野の間の視野の比率は、アフォーカル3ミラーアナスチグマート206のアフォーカル倍率による。アフォーカル3ミラーアナスチグマート206の特別な小型折返し構造により、両視野は物体に向かって同じ方向を「見る」ことができる。
【0022】
図2BにはNFOVモードとなるように構成された光学系200が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はビーム路外に位置し、狭視野の物体が画像検出器212上に結像される。この構成において、図示の光学系200は、物体(図示なし)からの入射ビーム250a(光ビーム250a)を第1(大)入口開口部202から受信している。ビーム250aは1次ミラー208a(例えば、1次非球面凹ミラー208a)で反射され、このミラー208aによりビーム250aは収束されてビーム250bとなる。ビーム250bは2次ミラー208b(例えば、2次非球面凸ミラー208b)に入射し、このミラー208bから、中間像252を形成する収束ビーム250cが反射され、その後この収束ビーム250cが発散して折返しミラー208cに入射する(広視野を得るよう、非球面折返しミラー208cとしてもよい)。折返しミラー208cは、発散ビーム250cを受けて収束ビーム250dを3次ミラー208d(例えば、3次非球面ミラー208d)に向けて反射し、3次ミラー208dが、接近可能な射出瞳254を形成する収束ビーム250eを反射する。射出瞳254から、ビーム250eは収束して画像検出器212に入射する。画像検出器212はビーム250eを分析し、物体の狭視野像を提供する。図2Bでは、明瞭にするため、広視野の物体に係る入射ビーム260a(光ビーム260a)は図示しなかった(次に論じる)。
【0023】
図2CにはWFOVモードとなるように構成された光学系200が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はアフォーカル3ミラーアナスチグマート206と集光3ミラーアナスチグマート208の間に位置し、広視野の物体が画像検出器212上に結像される。この構成において、図示の光学系200は、物体(図示なし)からの入射ビーム260a(光ビーム260a)を第2(小)入口開口部204から受信している。ビーム260aは3次ミラー206a(例えば、3次非球面ミラー206a)に入射し、このミラー206aから、中間像262を形成する収束ビーム260bが反射され、その後この収束ビーム260bが発散して折返しミラー206bに入射する。折返しミラー206bは、2次ミラー206c(例えば、2次非球面ミラー206c)に入射する発散ビーム260cを反射し、2次ミラー206cからは発散ビーム260dが反射される。ビーム260dは1次ミラー206d(例えば、1次非球面ミラー206d)に入射し、ミラー206dは可動式視野変更ミラー210に向けてコリメートビーム260eを反射する。可動式視野変更ミラー210からはビーム260fが反射され、ビーム260fが1次ミラー208aに入射する。1次ミラー208aはビーム260fを反射して、収束ビーム260gを形成する。ビーム260gは2次ミラー208bに入射し、このミラー208bから、中間像264を形成する収束ビーム260hが反射され、その後この収束ビーム260hが発散して折返しミラー208cに入射する。折返しミラー208cは、発散ビーム260hを受けて発散ビーム260iを3次ミラー208dに向けて反射し、3次ミラー208dから、接近可能な射出瞳266を形成する収束ビーム260jが反射される。射出瞳266から、ビーム260jは収束して画像検出器212に入射する。画像検出器212はビーム260jを分析し、物体の広視野像を提供する。図2Cでは、明瞭にするため、狭視野の物体に係る入射ビーム250a(光ビーム250a)は図示しなかった。
【0024】
例示的な光学系200に対する設計データを、以下に表7〜12と関連付けて提供する。表7〜9は、倍率4倍、入射瞳直径12.5mm、および視野8°×8°の、例示的なアフォーカル3ミラーアナスチグマート206に関する表面設計データを表したものである。表7では全ての寸法の単位をmmとする。
【表7】
【0025】
表7において、要素番号1〜4は夫々、3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206dに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系200における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式および表8により画成される。
【数3】
【表8】
【0026】
表9には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのBENDは、当該表面の傾斜と等しい分だけ、反射に続いて座標系を傾斜させることを意味する。
【表9】
【0027】
表10〜12は、有効焦点距離(EFL)200mm、F/4、および視野2°×2°の、例示的な集光強化3ミラーアナスチグマート208に関する表面設計データを表したものである。表10では全ての寸法の単位をmmとする。
【表10】
【0028】
表10において、要素番号1〜4は夫々、1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208dに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系200における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式により画成される。
【数4】
【0029】
ここで、ベースとなる曲率(CURV)および非球面定数K、A、B、C、およびDは表11で与えられる。
【表11】
【0030】
表12には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのBENDは、当該表面の傾斜と等しい分だけ、反射に続いて座標系を傾斜させることを意味する。末尾コードのRETUは、偏心前の座標系に戻すことを意味する。
【表12】
【0031】
図3を参照すると、本発明の第3の実施形態による光学系200’を説明した図が示されている。光学系200と同様に、光学系200’は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206d)、反射式結像器208(1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208d)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。光学系200’は電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージされる。ただし、光学系200’には、3次ミラー208dからの光ビーム250eまたは260jを受ける、追加の折返しミラー302が(反射式結像器208内に)さらに組み込まれている。追加の折返しミラー302は光ビーム250eまたは260jを反射し、これが接近可能な射出瞳268を形成し、さらに光ビーム250eまたは260jが収束した後、このビームを画像検出器212が受信する。
【0032】
図4を参照すると、本発明の別の実施形態による、レーザ400(測距照準器400)を組み込んだ光学系100’を説明した図が示されている。光学系100と同様に、光学系100’は、第1(大)入口開口部102、第2(小)入口開口部104、反射式ビーム拡大器106(3次ミラー106a、折返しミラー106b、2次ミラー106c、および1次ミラー106d)、反射式結像器108(1次ミラー108a、2次ミラー108b、および3次ミラー108c)、可動式視野変更ミラー110、および画像検出器112を含む。光学系100’は電気光学的ジンバルアセンブリ114内にパッケージされる。ただし、光学系100’にはレーザビーム402を放射するレーザ400がさらに組み込まれており、このレーザビーム402は可動式視野変更折返しミラー110に反射され、物体(ターゲットなど)に向かって第1入口開口部102を通過する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム402の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第1入口開口部102から受信されて可動式視野変更折返しミラー110へと導かれ、さらにこのミラー110から反射されてレーザ400内の検出器404に向かう。すなわち、物体(ターゲットなど)から反射されたレーザビーム402’は、放射されたレーザビーム402の経路に逆行する経路を事実上辿ることになる。一用途においては、レーザ400を使用し、レーザビーム402および402’がレーザ400から物体(ターゲットなど)へと向かってさらにレーザ400まで戻ってくる往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡100’から放射されるレーザビーム402を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。以上のように、可動式視野変更ミラー110が反射式ビーム拡大器106と反射式結像器108の間の位置へと移動している広視野モードで光学系100’が動作している時にのみ、レーザ400を使用してもよい。所望であれば、図2A〜2Cおよび3に関連して上述した光学系200および200’において、レーザ400を使用し、かつ同じ位置に設置してもよい。
【0033】
図5Aおよび5Bを参照すると、本発明のさらに別の実施形態による、レーザ500(測距照準器500)を組み込んだ光学系200”を説明した図が示されている。光学系200と同様に、光学系200”は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206d)、反射式結像器208(1次ミラー208a、2次ミラー208b、ノッチビームスプリッタ208c’(折返しミラー208cの代わりに使用される)、および3次ミラー208d)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。光学系200”は電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージされる。ただし、光学系200”にはレーザ500がさらに組み込まれており、また折返しミラー208cの代わりにノッチビームスプリッタ208c’が使用されている。ノッチビームスプリッタ208c’は、反射光ビーム250dおよび260i(図2Bおよび2C参照)に対しては折返しミラー208cと同様に機能するが、さらに次に論じるように、レーザ500がレーザビーム502および502’をビームスプリッタ208c’に通して放射したり、また受けたりすることを可能にする。図5Aおよび5Bでは、明瞭にするため、光ビーム250a、250b…250e、および光ビーム260a、260b…260jを図示していない。
【0034】
図5AにはNFOVモードとなるように構成された光学系200”が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はビーム路外に位置し、狭視野の物体が画像検出器212上に結像される(光学系200に関連する前述の論考を参照されたい)。これに加えてレーザ500がレーザビーム502を放射し、このレーザビーム502は、ノッチビームスプリッタ208c’を通過して2次ミラー208bに反射され、次いで1次ミラー208aに反射された後、物体(ターゲットなど)に向かって第1入口開口部202を通過する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム502の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第1入口開口部202から受信されて1次ミラー208aおよび2次ミラー208bで反射された後、ノッチビームスプリッタ208c’を通過してレーザ500内の検出器504に受信される。すなわち、物体(ターゲットなど)から反射されたレーザビーム502’は、放射されたレーザビーム502の経路に逆行する経路を事実上辿ることになる。一用途においては、レーザ500を使用し、レーザビーム502および502’がレーザ500から物体(ターゲットなど)へと向かってさらにレーザ500まで戻ってくる往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡200”から放射されるレーザビーム502を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。所望であれば、図3に関連して上述した光学系200’において、レーザ500およびノッチビームスプリッタ208c’を使用し、かつこれらを同じ位置に設置してもよい。
【0035】
図5BにはWFOVモードとなるように構成された光学系200”が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はアフォーカル3ミラーアナスチグマート206と集光3ミラーアナスチグマート208の間に位置し、広視野の物体が画像検出器212上に結像される(光学系200に関連する前述の論考を参照されたい)。これに加えてレーザ500がレーザビーム502を放射し、このレーザビーム502は、ノッチビームスプリッタ208c’を通過して2次ミラー208b、1次ミラー208a、可動式視野変更ミラー210、1次ミラー206d、2次ミラー206c、折返しミラー206bに反射され、次いで3次ミラー206aに反射された後、物体(ターゲットなど)に向かって第2入口開口部204を通過する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム502の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第2入口開口部204に戻って受信されて3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、1次ミラー206d、可動式視野変更ミラー210、1次ミラー208a、2次ミラー208bへと導かれた後、ノッチビームスプリッタ208c’を通過してレーザ500内の検出器504に受信される。すなわち、物体(ターゲットなど)から反射されたレーザビーム502’は、放射されたレーザビーム502の経路に逆行する経路を事実上辿ることになる。一用途においては、レーザ500を使用し、レーザビーム502および502’がレーザ500から物体(ターゲットなど)へと向かってさらにレーザ500まで戻ってくる往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡200”から放射されるレーザビーム502を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。
【0036】
図6を参照すると、本発明のさらに別の実施形態による、レーザ600(測距照準器600)を組み込んだ光学系200'''を説明した図が示されている。光学系200と同様に、光学系200'''は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206d)、反射式結像器208(1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208d)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。光学系200'''は電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージされる。ただし、光学系200'''にはレーザ600がさらに組み込まれており、このレーザ600がレーザビーム602を物体(ターゲットなど)に向かって出力開口部604から放射する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム602の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第1入口開口部202および第2入口開口部204から受信された後、画像検出器212に受信される。
【0037】
特に、光学系200'''がNFOVモードの場合には、物体(ターゲットなど)から反射され第1入口開口部202を通って受信されたレーザビーム602’が、1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208dに反射された後、画像検出器212に受信される。光学系200'''がWFOVモードの場合には、物体(ターゲットなど)から反射され第2入口開口部204を通って受信されたレーザビーム602’が、3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、1次ミラー206d、可動式視野変更ミラー210、1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208dに反射された後、画像検出器212に受信される。一用途においては、レーザ600を使用し、レーザビーム602および602’がレーザ600から物体(ターゲットなど)へと向かってさらに画像検出器212まで戻る往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡200'''から放射されるレーザビーム602を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。
【0038】
前述したことから、本発明は、小型の全て反射式の光学系であって、同一の視野方向を有する複数の結像視野を有し、かつ、いくつかの異なる構造のレーザ測距および照準用部品を組み込むことが可能な、光学系100、200、および200’に関するものであることは容易に明らかであろう。上述したように、本発明は、反射式ビーム拡大器106および206(折返し式アフォーカルTMA(three mirror anastigmat;3ミラーアナスチグマート)を含む)を、反射式結像器108および208(折返し式または非折返し式集光TMAを含む)と組み合わせて、広帯域複数視野光学系100、200、および200’を提供する。光学系100、200、および200’は全て反射によるものであるため、任意の波長帯域に亘って色収差なく結像させることができる。光学系100、200、および200’の折返し構造は、「小型」および「軽量」が特徴または要件として望ましいような用途に役立つ。
【0039】
主構造として、アフォーカルTMA106および206は、広視野動作モードにおいて反射式ビーム拡大器として使用される3ミラー系(1次、2次、および3次)である。狭視野結像モードおよび広視野結像モードの間の視野の比率は、アフォーカルTMA106および206のアフォーカル倍率による。アフォーカルTMA106および206に折返しミラー106bおよび206bを追加することにより、光学系100、200、および200’は折り返され、よりいっそう小型の構造となり、さらに両視野が同じ方向を「見る」ことができる。倍率を増加させ、および/または結像性能を向上させるため、追加の折返しミラー106bおよび206bを、倍率を有しおよび/または非球面化されたものとしてもよい。
【0040】
主構造として、集光TMA108および208もまた3ミラー系(1次、2次、および3次)であり、かつ、100%のコールド絞り効率で、接近可能な外部瞳154、166、254、および266を有する。集光TMA208に1以上の折返しミラー208cおよび208eを追加することにより、光学系200および200’を折り返して、コールド絞りおよび像面により接近し易いさらに小型の構造とすることができる。視野を増加させ、および/または結像性能を向上させるため、折返しミラー208cおよび208eを、倍率を有するもの、および/または非球面化されたものとしてもよい。2つのTMA106、108、206、および208間の切替え用可動式折返しミラー110および210により、NFOVモードの動作とWFOVモードの動作間の選択が可能になる。切替え用可動式折返しミラー110および210は、例えば圧電機構を含む、種々の機構のいずれかを用いて動かすことができる。
【0041】
可動式視野変更折返しミラー110の裏側を利用し、測距器400または他の類似の装置が狭視野窓102から外部を見ることができるという特徴がさらに含まれる(図4参照)。さらに、共通開口部をレーザ測距器/照準器の操作において最大限に生かすため、集光TMA208内の折返しミラー208cを、レーザ波長を透過するとともに全ての他の動作波長を反射する、ノッチ分光ビームスプリッタ208c’に置き換えてもよい(図5A〜5B参照)。あるいは、全ての操作上の結像機能と同時にレーザ測距器および/または照準器を収容するため、レーザ600用の伝送開口部604を別に設けてもよい(図6参照)。
【0042】
反射式ビーム拡大器106および206の他の選択肢として、2つの共焦点放物面を有する、より倍率範囲の低いメルセンヌ式設計や、より倍率の高い折返し式アフォーカルのシュワルツシルト(提案したアフォーカルTMAに類似の、放物面コリメータと折返しミラー構造を備えた2ミラーシュワルツシルト)が挙げられる。アフォーカルTMA106および206は、複数の結像経路に異なる波長帯の検出器を設けたビームレデューサとして機能する典型的な用途と比較すると、本発明では異なる向きで使用されていることに留意されたい。
【0043】
反射式結像器108および208の他の選択肢として、狭視野での操作に対してはカセグレン、グレゴリアン、シュミットなどの標準的な2ミラー系が挙げられ、あるいは、100%のコールド絞り効率のために接近可能な瞳面が必要でない場合には、中間像を含まない反射式トリプレット(reflective triplet;RT)を使用してより広視野を得ることができる。
【0044】
以下、本発明に関連する例示的な利点および例示的な特徴をいくつか示す。
【0045】
・結像経路に屈折要素が存在しない(このため、色補正を要することなく帯域幅が広がる)。
【0046】
・小型折返し構造。
【0047】
・軽量。
【0048】
・100%のコールドシールド効率のための外部瞳。
【0049】
・複数視野での操作。
【0050】
・小型パッケージ構造内における長焦点距離。
【0051】
・同一の検出器で、操作上の場面とレーザ測距器/照準器を同時に観察できる能力。
【0052】
・レーザ測距器/照準器の能力を組み込むことによる多用途性。
【0053】
・最小限の可動部品による、視野間の照準誤差の削減。
【0054】
・全視野(およびレーザ)が同一の視野方向を有する。
【0055】
・全て反射式の設計であるため、全天候および日中/夜間条件での操作が同時に可能となる。
【0056】
・屈折要素および通常の入射要素が排除されるため、光の断面が最小となり、かつレーザ対策性能が向上する。
【0057】
・屈折要素に必要とされる複雑な複数層の誘電性コーティングに代わり、シンプルな反射コーティングとなる。
【0058】
・高伝送。
【0059】
本発明の複数の実施形態について、添付の図面に示し、かつ前述の詳細な説明の中で説明してきたが、本発明は開示された実施形態に限られるものではなく、以下の請求項により明記および画成される本発明の精神から逸脱することなく、多くの再構成、改変および置換えが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0060】
100、200、200’ 光学系
102、202 第1(大)入口開口部
104、204 第2(小)入口開口部
106、206 反射式ビーム拡大器
108、208 反射式結像器
110、210 可動式視野変更ミラー
112、212 画像検出器
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、2009年6月19日に出願された「複数視野を有する超広帯域小型光学系」と題する米国仮特許出願第61/218,577号の利益を主張する、2009年8月31日に出願された「複数視野を有する超広帯域小型光学系」と題する米国特許出願第12/550962号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、複数の物体結像視野を持つ、全てが反射式の小型光学系に関する。また、本光学系の視野方向はどれも同一であり、さらに本光学系は、レーザ測距用および照準用部品を追加するためのいくつかの異なる構造を有し得る。
【背景技術】
【0003】
画像検出器の進歩により、光学設計の領域は新たに広がっている。近年開発されたものに、以前は別々の画像検出器を用いた場合にのみ利用することができた機能(日中/夜間/全天候での結像)を一体化したものがある。例えば、現在では単一の画像検出器で、0.9μmから5μmまで、あるいは3μmから12μmまで画像化することができる。以前は、このような波長の帯域は2つのより小さな別々の波長帯(短波長赤外(SWIR)および中波長赤外(MWIR)、または、MWIRおよび長波長赤外(LWIR))に分割され、2つの別個の画像検出器を使用する必要があった。この小さくなった波長範囲では、個別の各波長帯に対して典型的には屈折光学系が好適である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像検出器の帯域幅が増加し、これにより光学系の帯域幅が増加しても、この増加したスペクトル範囲に亘って伝送可能な入手し得る屈折性光学材料は限られている。さらに、現存の材料では色補正を実現するのは困難である。例えば、SWIRからMWIRに変わるとき、クラウンをフリントに交換し、またフリントをクラウンに交換する。このため、新しい画像検出器で使用し得る全波長帯に対する小型軽量の屈折光学系の設計は難題となっている。さらに、複数の結像視野、携帯型操作、および100%のコールドシールドといった追加の特徴が、増加したスペクトル帯域幅での要件に対して全ての仕様を満たすような屈折光学系の設計を、より一層困難にしている。すなわち、従来の屈折光学系に関連した欠点に対処する光学系が必要とされている。こういった要望および他の要望を、本発明の光学系および方法は満足させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、狭視野モードまたは広視野モードのいずれかで動作して物体を結像するよう適合された光学系(全てが反射式の望遠鏡)を提供する。この光学系は、(a)第1(大)入口開口部;(b)第2(小)入口開口部;(c)反射式ビーム拡大器;(d)反射式結像器;(e)可動式視野変更ミラー;および(f)画像検出器を含む。狭視野モードでは、(i)可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し;(ii)反射式結像器が、第1入口開口部を通過した第1光ビームを受信し;さらに(iii)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第1光ビームを受信する。広視野モードでは、(i)反射式ビーム拡大器が、第2入口開口部を通過した第2光ビームを受信し;(ii)可動式視野変更折返しミラーが、光ビーム路内に位置し、かつ反射式ビーム拡大器を通過した第2光ビームを受けかつ反射し;(iii)反射式結像器が、可動式視野変更折返しミラーから反射された第2光ビームを受信し;さらに(iv)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第2光ビームを受信する。所望であれば、この光学系は、レーザ測距用および照準用部品を追加するための、いくつかの異なる構造を有してもよい。
【0006】
別の態様において、本発明は物体を結像する方法を提供する。この方法は、(a) 第1(大)入口開口部、第2(小)入口開口部、反射式ビーム拡大器、反射式結像器、可動式視野変更ミラー、および画像検出器、を含む光学系(全てが反射式の望遠鏡)を提供するステップ;(b)光学系を狭視野モードで動作させて物体を結像するステップであって、(i)可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し;(ii)反射式結像器が、第1入口開口部を通過した第1光ビームを受信し;さらに(iii)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第1光ビームを受信するステップ;および(c)光学系を広視野モードで動作させて物体を結像するステップであって、(i)反射式ビーム拡大器が、第2入口開口部を通過した第2光ビームを受信し;(ii)可動式視野変更折返しミラーが、光ビーム路内に位置し、かつ反射式ビーム拡大器を通過した第2光ビームを受けかつ反射し;(iii)反射式結像器が、可動式視野変更折返しミラーから反射された第2光ビームを受信し;さらに(iv)画像検出器が、反射式結像器を通過しかつ物体を結像した、第2光ビームを受信するステップを含む。所望であれば、この光学系は、レーザ測距用および照準用部品を追加するための、いくつかの異なる構造を有してもよい。
【0007】
本発明のさらなる態様は、一部は以下の詳細な説明、図面、および任意の請求項の中に明記され、さらに一部は詳細な説明から導かれるであろうし、あるいは本発明を実施することにより理解できるであろう。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、単に例示的かつ説明的なものであり、開示される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0008】
以下の詳細な説明を添付の図面とともに参照すると、本発明のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明の第1の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図1B】本発明の第1の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図1C】本発明の第1の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図2A】本発明の第2の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図2B】本発明の第2の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図2C】本発明の第2の実施形態による光学系の基本的な構成要素を示す図
【図3】本発明の第3の実施形態による光学系を示す図
【図4】本発明の別の実施形態による、図1に示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【図5A】本発明のさらなる実施形態による、図2A〜2Cに示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【図5B】本発明のさらなる実施形態による、図2A〜2Cに示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【図6】本発明のさらに別の実施形態による、図2A〜2Cに示した光学系にさらにレーザ(測距照準器)を組み込んだものを示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A〜1Cを参照すると、本発明の第1の実施形態による光学系100(反射望遠鏡100)が図示されている。図1Aにおいて、光学系100は、第1(大)入口開口部102、第2(小)入口開口部104、反射式ビーム拡大器106(アフォーカル強化3ミラーアナスチグマート106など)、反射式結像器108(集光3ミラーアナスチグマート108など)、可動式視野変更ミラー110、および画像検出器112を含む。所望であれば、光学系100を電気光学的ジンバルアセンブリ114内にパッケージしてもよい。
【0011】
光学系100は、狭視野(NFOV)モード(例えば、1°〜4°)または広視野(WFOV)モード(例えば、4°〜20°)のいずれかで動作して、物体(図示なし)を結像するよう適合されている。例えば、可動式視野変更ミラー110がビーム路外に位置しているとき(点線参照)、集光3ミラーアナスチグマート108が大入口開口部102を通して狭視野の物体を画像検出器112上に結像する(図1B参照)。可動式視野変更ミラー110がアフォーカル3ミラーアナスチグマート106と集光3ミラーアナスチグマート108の間の位置へと動くと、小入口開口部104を通して広視野の物体が同じ画像検出器112上に結像される(図1C参照)。狭視野および広視野の間の視野の比率は、アフォーカル3ミラーアナスチグマート106のアフォーカル倍率による。アフォーカル3ミラーアナスチグマート106の特別な小型折返し構造により、両視野は物体に向かって同じ方向を「見る」ことができる。
【0012】
図1BにはNFOVモードに構成された光学系100が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー110はビーム路外に位置し、狭視野の物体が画像検出器112上に結像される。この構成において、図示の光学系100は、物体(図示なし)からの入射ビーム150a(光ビーム150a)を第1(大)入口開口部102から受信している。ビーム150aは1次ミラー108a(例えば、1次非球面凹ミラー108a)で反射され、このミラー108aによりビーム150aは収束されてビーム150bとなる。ビーム150bは2次ミラー108b(例えば、2次非球面凸ミラー108b)に入射し、このミラー108bから、中間像152を形成する収束ビーム150cが反射され、その後この収束ビーム150cが発散して3次ミラー108c(例えば、3次非球面ミラー108c)に入射する。3次ミラー108cは発散ビーム150cを受けて収束ビーム150dを反射し、この収束ビーム150dが、接近可能な(accessible)射出瞳154を形成する。射出瞳154から、ビーム150dは収束して画像検出器112に入射する。画像検出器112はビーム150dを分析し、物体の狭視野像を提供する。図1Bでは、明瞭にするため、広視野の物体に係る入射ビーム160a(光ビーム160a)は図示しなかった(次に論じる)。
【0013】
図1CにはWFOVモードに構成された光学系100が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー110はアフォーカル3ミラーアナスチグマート106と集光3ミラーアナスチグマート108の間に位置し、広視野の物体が画像検出器112上に結像される。この構成において、図示の光学系100は、物体(図示なし)からの入射ビーム160a(光ビーム160a)を第2(小)入口開口部104から受信している。ビーム160aは3次ミラー106a(例えば、3次非球面ミラー106a)に入射し、このミラー106aから、中間像162を形成する収束ビーム160bが反射され、その後この収束ビーム160bが発散して折返しミラー106bに入射する(広視野を得るよう、非球面折返しミラー106bとしてもよい)。中間像162は、折返しミラー106bのどちらかの側に位置し得る。折返しミラー106bは、2次ミラー106c(例えば、2次非球面ミラー106c)に入射する発散ビーム160cを反射し、2次ミラー106cからは発散ビーム160dが反射される。ビーム160dは1次ミラー106d(例えば、1次非球面ミラー106d)に入射し、ミラー106dは可動式視野変更ミラー110に向けてコリメートビーム160eを反射する。可動式視野変更ミラー110からはビーム160fが反射され、ビーム160fが1次ミラー108aに入射する。1次ミラー108aはビーム160fを反射して、収束ビーム160gを形成する。ビーム160gは2次ミラー108bに入射し、このミラー108bから、中間像164を形成する収束ビーム160hが反射され、その後この収束ビーム160hが発散して3次ミラー108cに入射する。3次ミラー108cは発散ビーム160hを受けて収束ビーム160iを反射し、この収束ビーム160iが、接近可能な射出瞳166を形成する。射出瞳166から、ビーム160iは収束して画像検出器112に入射する。画像検出器112はビーム160iを分析し、物体の広視野像を提供する。図1Cでは、明瞭にするため、狭視野の物体に係る入射ビーム150a(光ビーム150a)は図示しなかった。
【0014】
例示的な光学系100に対する設計データ(prescription data)を、以下に表1〜6と関連付けて提供する。表1〜3は、倍率4倍、入射瞳直径12.5mm、および視野4°×4°の、例示的なアフォーカル3ミラーアナスチグマート106に関する表面設計データを表したものである。
【表1】
【0015】
表1において、要素番号1〜4は夫々、3次ミラー106a、折返しミラー106b、2次ミラー106c、および1次ミラー106dに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系100における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離(thickness)は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式および表2により画成される。
【数1】
【表2】
【0016】
表3には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのBENDは、当該表面の傾斜と等しい分だけ、反射に続いて座標系を傾斜させることを意味する。
【表3】
【0017】
表4〜6は、有効焦点距離(EFL)200mm、F/4、および視野1°×1°の、例示的な集光3ミラーアナスチグマート108に関する表面設計データを表したものである。表4では全ての寸法の単位をmmとする。
【表4】
【0018】
表4において、要素番号1〜3は夫々、1次ミラー108a、2次ミラー108b、および3次ミラー108cに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系100における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式および表5により画成される。
【数2】
【表5】
【0019】
表6には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのRETUは、偏心前の座標系に戻すことを意味する。
【表6】
【0020】
図2A〜2Cを参照すると、本発明の第2の実施形態による光学系200(反射望遠鏡200)が図示されている。図2Aにおいて、光学系200は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(アフォーカル強化3ミラーアナスチグマート206など)、反射式結像器208(集光強化3ミラーアナスチグマート208など)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。所望であれば、光学系200を電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージしてもよい。
【0021】
光学系200は、狭視野(NFOV)モード(例えば、1°〜4°)または広視野(WFOV)モード(例えば、4°〜20°)のいずれかで動作して、物体(図示なし)を結像するよう適合されている。例えば、可動式視野変更ミラー210がビーム路外に位置しているとき(点線参照)、集光3ミラーアナスチグマート208が大入口開口部202を通して狭視野の物体を画像検出器212上に結像する(図2B参照)。可動式視野変更ミラー210がアフォーカル3ミラーアナスチグマート206と集光3ミラーアナスチグマート208の間の位置へと動くと、小入口開口部204を通して広視野の物体が同じ画像検出器212上に結像される(図2C参照)。狭視野および広視野の間の視野の比率は、アフォーカル3ミラーアナスチグマート206のアフォーカル倍率による。アフォーカル3ミラーアナスチグマート206の特別な小型折返し構造により、両視野は物体に向かって同じ方向を「見る」ことができる。
【0022】
図2BにはNFOVモードとなるように構成された光学系200が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はビーム路外に位置し、狭視野の物体が画像検出器212上に結像される。この構成において、図示の光学系200は、物体(図示なし)からの入射ビーム250a(光ビーム250a)を第1(大)入口開口部202から受信している。ビーム250aは1次ミラー208a(例えば、1次非球面凹ミラー208a)で反射され、このミラー208aによりビーム250aは収束されてビーム250bとなる。ビーム250bは2次ミラー208b(例えば、2次非球面凸ミラー208b)に入射し、このミラー208bから、中間像252を形成する収束ビーム250cが反射され、その後この収束ビーム250cが発散して折返しミラー208cに入射する(広視野を得るよう、非球面折返しミラー208cとしてもよい)。折返しミラー208cは、発散ビーム250cを受けて収束ビーム250dを3次ミラー208d(例えば、3次非球面ミラー208d)に向けて反射し、3次ミラー208dが、接近可能な射出瞳254を形成する収束ビーム250eを反射する。射出瞳254から、ビーム250eは収束して画像検出器212に入射する。画像検出器212はビーム250eを分析し、物体の狭視野像を提供する。図2Bでは、明瞭にするため、広視野の物体に係る入射ビーム260a(光ビーム260a)は図示しなかった(次に論じる)。
【0023】
図2CにはWFOVモードとなるように構成された光学系200が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はアフォーカル3ミラーアナスチグマート206と集光3ミラーアナスチグマート208の間に位置し、広視野の物体が画像検出器212上に結像される。この構成において、図示の光学系200は、物体(図示なし)からの入射ビーム260a(光ビーム260a)を第2(小)入口開口部204から受信している。ビーム260aは3次ミラー206a(例えば、3次非球面ミラー206a)に入射し、このミラー206aから、中間像262を形成する収束ビーム260bが反射され、その後この収束ビーム260bが発散して折返しミラー206bに入射する。折返しミラー206bは、2次ミラー206c(例えば、2次非球面ミラー206c)に入射する発散ビーム260cを反射し、2次ミラー206cからは発散ビーム260dが反射される。ビーム260dは1次ミラー206d(例えば、1次非球面ミラー206d)に入射し、ミラー206dは可動式視野変更ミラー210に向けてコリメートビーム260eを反射する。可動式視野変更ミラー210からはビーム260fが反射され、ビーム260fが1次ミラー208aに入射する。1次ミラー208aはビーム260fを反射して、収束ビーム260gを形成する。ビーム260gは2次ミラー208bに入射し、このミラー208bから、中間像264を形成する収束ビーム260hが反射され、その後この収束ビーム260hが発散して折返しミラー208cに入射する。折返しミラー208cは、発散ビーム260hを受けて発散ビーム260iを3次ミラー208dに向けて反射し、3次ミラー208dから、接近可能な射出瞳266を形成する収束ビーム260jが反射される。射出瞳266から、ビーム260jは収束して画像検出器212に入射する。画像検出器212はビーム260jを分析し、物体の広視野像を提供する。図2Cでは、明瞭にするため、狭視野の物体に係る入射ビーム250a(光ビーム250a)は図示しなかった。
【0024】
例示的な光学系200に対する設計データを、以下に表7〜12と関連付けて提供する。表7〜9は、倍率4倍、入射瞳直径12.5mm、および視野8°×8°の、例示的なアフォーカル3ミラーアナスチグマート206に関する表面設計データを表したものである。表7では全ての寸法の単位をmmとする。
【表7】
【0025】
表7において、要素番号1〜4は夫々、3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206dに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系200における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式および表8により画成される。
【数3】
【表8】
【0026】
表9には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのBENDは、当該表面の傾斜と等しい分だけ、反射に続いて座標系を傾斜させることを意味する。
【表9】
【0027】
表10〜12は、有効焦点距離(EFL)200mm、F/4、および視野2°×2°の、例示的な集光強化3ミラーアナスチグマート208に関する表面設計データを表したものである。表10では全ての寸法の単位をmmとする。
【表10】
【0028】
表10において、要素番号1〜4は夫々、1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208dに相当する。「偏心」(D(j))は、光学系200における表面を画成するために使用される、新たな座標系(変位および/または回転による)を画成するものである。距離は、次の表面までの軸上の距離を示す。A(i)は非球面ミラーiを示し、以下の等式により画成される。
【数4】
【0029】
ここで、ベースとなる曲率(CURV)および非球面定数K、A、B、C、およびDは表11で与えられる。
【表11】
【0030】
表12には偏心系データを示し、ここで傾斜構造は、標準的なデカルト座標系での名称に従った、角度アルファ、ベータ、およびガンマ(度)で画成される。末尾コードのBENDは、当該表面の傾斜と等しい分だけ、反射に続いて座標系を傾斜させることを意味する。末尾コードのRETUは、偏心前の座標系に戻すことを意味する。
【表12】
【0031】
図3を参照すると、本発明の第3の実施形態による光学系200’を説明した図が示されている。光学系200と同様に、光学系200’は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206d)、反射式結像器208(1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208d)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。光学系200’は電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージされる。ただし、光学系200’には、3次ミラー208dからの光ビーム250eまたは260jを受ける、追加の折返しミラー302が(反射式結像器208内に)さらに組み込まれている。追加の折返しミラー302は光ビーム250eまたは260jを反射し、これが接近可能な射出瞳268を形成し、さらに光ビーム250eまたは260jが収束した後、このビームを画像検出器212が受信する。
【0032】
図4を参照すると、本発明の別の実施形態による、レーザ400(測距照準器400)を組み込んだ光学系100’を説明した図が示されている。光学系100と同様に、光学系100’は、第1(大)入口開口部102、第2(小)入口開口部104、反射式ビーム拡大器106(3次ミラー106a、折返しミラー106b、2次ミラー106c、および1次ミラー106d)、反射式結像器108(1次ミラー108a、2次ミラー108b、および3次ミラー108c)、可動式視野変更ミラー110、および画像検出器112を含む。光学系100’は電気光学的ジンバルアセンブリ114内にパッケージされる。ただし、光学系100’にはレーザビーム402を放射するレーザ400がさらに組み込まれており、このレーザビーム402は可動式視野変更折返しミラー110に反射され、物体(ターゲットなど)に向かって第1入口開口部102を通過する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム402の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第1入口開口部102から受信されて可動式視野変更折返しミラー110へと導かれ、さらにこのミラー110から反射されてレーザ400内の検出器404に向かう。すなわち、物体(ターゲットなど)から反射されたレーザビーム402’は、放射されたレーザビーム402の経路に逆行する経路を事実上辿ることになる。一用途においては、レーザ400を使用し、レーザビーム402および402’がレーザ400から物体(ターゲットなど)へと向かってさらにレーザ400まで戻ってくる往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡100’から放射されるレーザビーム402を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。以上のように、可動式視野変更ミラー110が反射式ビーム拡大器106と反射式結像器108の間の位置へと移動している広視野モードで光学系100’が動作している時にのみ、レーザ400を使用してもよい。所望であれば、図2A〜2Cおよび3に関連して上述した光学系200および200’において、レーザ400を使用し、かつ同じ位置に設置してもよい。
【0033】
図5Aおよび5Bを参照すると、本発明のさらに別の実施形態による、レーザ500(測距照準器500)を組み込んだ光学系200”を説明した図が示されている。光学系200と同様に、光学系200”は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206d)、反射式結像器208(1次ミラー208a、2次ミラー208b、ノッチビームスプリッタ208c’(折返しミラー208cの代わりに使用される)、および3次ミラー208d)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。光学系200”は電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージされる。ただし、光学系200”にはレーザ500がさらに組み込まれており、また折返しミラー208cの代わりにノッチビームスプリッタ208c’が使用されている。ノッチビームスプリッタ208c’は、反射光ビーム250dおよび260i(図2Bおよび2C参照)に対しては折返しミラー208cと同様に機能するが、さらに次に論じるように、レーザ500がレーザビーム502および502’をビームスプリッタ208c’に通して放射したり、また受けたりすることを可能にする。図5Aおよび5Bでは、明瞭にするため、光ビーム250a、250b…250e、および光ビーム260a、260b…260jを図示していない。
【0034】
図5AにはNFOVモードとなるように構成された光学系200”が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はビーム路外に位置し、狭視野の物体が画像検出器212上に結像される(光学系200に関連する前述の論考を参照されたい)。これに加えてレーザ500がレーザビーム502を放射し、このレーザビーム502は、ノッチビームスプリッタ208c’を通過して2次ミラー208bに反射され、次いで1次ミラー208aに反射された後、物体(ターゲットなど)に向かって第1入口開口部202を通過する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム502の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第1入口開口部202から受信されて1次ミラー208aおよび2次ミラー208bで反射された後、ノッチビームスプリッタ208c’を通過してレーザ500内の検出器504に受信される。すなわち、物体(ターゲットなど)から反射されたレーザビーム502’は、放射されたレーザビーム502の経路に逆行する経路を事実上辿ることになる。一用途においては、レーザ500を使用し、レーザビーム502および502’がレーザ500から物体(ターゲットなど)へと向かってさらにレーザ500まで戻ってくる往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡200”から放射されるレーザビーム502を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。所望であれば、図3に関連して上述した光学系200’において、レーザ500およびノッチビームスプリッタ208c’を使用し、かつこれらを同じ位置に設置してもよい。
【0035】
図5BにはWFOVモードとなるように構成された光学系200”が示されており、このとき、可動式視野変更ミラー210はアフォーカル3ミラーアナスチグマート206と集光3ミラーアナスチグマート208の間に位置し、広視野の物体が画像検出器212上に結像される(光学系200に関連する前述の論考を参照されたい)。これに加えてレーザ500がレーザビーム502を放射し、このレーザビーム502は、ノッチビームスプリッタ208c’を通過して2次ミラー208b、1次ミラー208a、可動式視野変更ミラー210、1次ミラー206d、2次ミラー206c、折返しミラー206bに反射され、次いで3次ミラー206aに反射された後、物体(ターゲットなど)に向かって第2入口開口部204を通過する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム502の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第2入口開口部204に戻って受信されて3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、1次ミラー206d、可動式視野変更ミラー210、1次ミラー208a、2次ミラー208bへと導かれた後、ノッチビームスプリッタ208c’を通過してレーザ500内の検出器504に受信される。すなわち、物体(ターゲットなど)から反射されたレーザビーム502’は、放射されたレーザビーム502の経路に逆行する経路を事実上辿ることになる。一用途においては、レーザ500を使用し、レーザビーム502および502’がレーザ500から物体(ターゲットなど)へと向かってさらにレーザ500まで戻ってくる往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡200”から放射されるレーザビーム502を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。
【0036】
図6を参照すると、本発明のさらに別の実施形態による、レーザ600(測距照準器600)を組み込んだ光学系200'''を説明した図が示されている。光学系200と同様に、光学系200'''は、第1(大)入口開口部202、第2(小)入口開口部204、反射式ビーム拡大器206(3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、および1次ミラー206d)、反射式結像器208(1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208d)、可動式視野変更ミラー210、および画像検出器212を含む。光学系200'''は電気光学的ジンバルアセンブリ214内にパッケージされる。ただし、光学系200'''にはレーザ600がさらに組み込まれており、このレーザ600がレーザビーム602を物体(ターゲットなど)に向かって出力開口部604から放射する。その後、物体(ターゲットなど)に向けられたレーザビーム602の一部は物体(ターゲットなど)に反射され、続いて第1入口開口部202および第2入口開口部204から受信された後、画像検出器212に受信される。
【0037】
特に、光学系200'''がNFOVモードの場合には、物体(ターゲットなど)から反射され第1入口開口部202を通って受信されたレーザビーム602’が、1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208dに反射された後、画像検出器212に受信される。光学系200'''がWFOVモードの場合には、物体(ターゲットなど)から反射され第2入口開口部204を通って受信されたレーザビーム602’が、3次ミラー206a、折返しミラー206b、2次ミラー206c、1次ミラー206d、可動式視野変更ミラー210、1次ミラー208a、2次ミラー208b、折返しミラー208c、および3次ミラー208dに反射された後、画像検出器212に受信される。一用途においては、レーザ600を使用し、レーザビーム602および602’がレーザ600から物体(ターゲットなど)へと向かってさらに画像検出器212まで戻る往復の移動に要する時間を測定することで、物体(ターゲットなど)の距離を測定することができる。別の用途においては、反射望遠鏡200'''から放射されるレーザビーム602を、物体(ターゲットなど)を指定し強調するために使用することができ、こうすることでアセット(例えば、レーザ誘導兵器)が、強調された物体(ターゲットなど)を認識することができる。
【0038】
前述したことから、本発明は、小型の全て反射式の光学系であって、同一の視野方向を有する複数の結像視野を有し、かつ、いくつかの異なる構造のレーザ測距および照準用部品を組み込むことが可能な、光学系100、200、および200’に関するものであることは容易に明らかであろう。上述したように、本発明は、反射式ビーム拡大器106および206(折返し式アフォーカルTMA(three mirror anastigmat;3ミラーアナスチグマート)を含む)を、反射式結像器108および208(折返し式または非折返し式集光TMAを含む)と組み合わせて、広帯域複数視野光学系100、200、および200’を提供する。光学系100、200、および200’は全て反射によるものであるため、任意の波長帯域に亘って色収差なく結像させることができる。光学系100、200、および200’の折返し構造は、「小型」および「軽量」が特徴または要件として望ましいような用途に役立つ。
【0039】
主構造として、アフォーカルTMA106および206は、広視野動作モードにおいて反射式ビーム拡大器として使用される3ミラー系(1次、2次、および3次)である。狭視野結像モードおよび広視野結像モードの間の視野の比率は、アフォーカルTMA106および206のアフォーカル倍率による。アフォーカルTMA106および206に折返しミラー106bおよび206bを追加することにより、光学系100、200、および200’は折り返され、よりいっそう小型の構造となり、さらに両視野が同じ方向を「見る」ことができる。倍率を増加させ、および/または結像性能を向上させるため、追加の折返しミラー106bおよび206bを、倍率を有しおよび/または非球面化されたものとしてもよい。
【0040】
主構造として、集光TMA108および208もまた3ミラー系(1次、2次、および3次)であり、かつ、100%のコールド絞り効率で、接近可能な外部瞳154、166、254、および266を有する。集光TMA208に1以上の折返しミラー208cおよび208eを追加することにより、光学系200および200’を折り返して、コールド絞りおよび像面により接近し易いさらに小型の構造とすることができる。視野を増加させ、および/または結像性能を向上させるため、折返しミラー208cおよび208eを、倍率を有するもの、および/または非球面化されたものとしてもよい。2つのTMA106、108、206、および208間の切替え用可動式折返しミラー110および210により、NFOVモードの動作とWFOVモードの動作間の選択が可能になる。切替え用可動式折返しミラー110および210は、例えば圧電機構を含む、種々の機構のいずれかを用いて動かすことができる。
【0041】
可動式視野変更折返しミラー110の裏側を利用し、測距器400または他の類似の装置が狭視野窓102から外部を見ることができるという特徴がさらに含まれる(図4参照)。さらに、共通開口部をレーザ測距器/照準器の操作において最大限に生かすため、集光TMA208内の折返しミラー208cを、レーザ波長を透過するとともに全ての他の動作波長を反射する、ノッチ分光ビームスプリッタ208c’に置き換えてもよい(図5A〜5B参照)。あるいは、全ての操作上の結像機能と同時にレーザ測距器および/または照準器を収容するため、レーザ600用の伝送開口部604を別に設けてもよい(図6参照)。
【0042】
反射式ビーム拡大器106および206の他の選択肢として、2つの共焦点放物面を有する、より倍率範囲の低いメルセンヌ式設計や、より倍率の高い折返し式アフォーカルのシュワルツシルト(提案したアフォーカルTMAに類似の、放物面コリメータと折返しミラー構造を備えた2ミラーシュワルツシルト)が挙げられる。アフォーカルTMA106および206は、複数の結像経路に異なる波長帯の検出器を設けたビームレデューサとして機能する典型的な用途と比較すると、本発明では異なる向きで使用されていることに留意されたい。
【0043】
反射式結像器108および208の他の選択肢として、狭視野での操作に対してはカセグレン、グレゴリアン、シュミットなどの標準的な2ミラー系が挙げられ、あるいは、100%のコールド絞り効率のために接近可能な瞳面が必要でない場合には、中間像を含まない反射式トリプレット(reflective triplet;RT)を使用してより広視野を得ることができる。
【0044】
以下、本発明に関連する例示的な利点および例示的な特徴をいくつか示す。
【0045】
・結像経路に屈折要素が存在しない(このため、色補正を要することなく帯域幅が広がる)。
【0046】
・小型折返し構造。
【0047】
・軽量。
【0048】
・100%のコールドシールド効率のための外部瞳。
【0049】
・複数視野での操作。
【0050】
・小型パッケージ構造内における長焦点距離。
【0051】
・同一の検出器で、操作上の場面とレーザ測距器/照準器を同時に観察できる能力。
【0052】
・レーザ測距器/照準器の能力を組み込むことによる多用途性。
【0053】
・最小限の可動部品による、視野間の照準誤差の削減。
【0054】
・全視野(およびレーザ)が同一の視野方向を有する。
【0055】
・全て反射式の設計であるため、全天候および日中/夜間条件での操作が同時に可能となる。
【0056】
・屈折要素および通常の入射要素が排除されるため、光の断面が最小となり、かつレーザ対策性能が向上する。
【0057】
・屈折要素に必要とされる複雑な複数層の誘電性コーティングに代わり、シンプルな反射コーティングとなる。
【0058】
・高伝送。
【0059】
本発明の複数の実施形態について、添付の図面に示し、かつ前述の詳細な説明の中で説明してきたが、本発明は開示された実施形態に限られるものではなく、以下の請求項により明記および画成される本発明の精神から逸脱することなく、多くの再構成、改変および置換えが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0060】
100、200、200’ 光学系
102、202 第1(大)入口開口部
104、204 第2(小)入口開口部
106、206 反射式ビーム拡大器
108、208 反射式結像器
110、210 可動式視野変更ミラー
112、212 画像検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
狭視野モードまたは広視野モードのいずれかで動作して物体を結像するよう適合された光学系(100、200、200’)であって、該光学系が、
第1入口開口部(102、202)、
第2入口開口部(104、204)、
反射式ビーム拡大器(106、206)、
反射式結像器(108、208)、
可動式視野変更ミラー(110、210)、および、
画像検出器(112、212)、
を備え、
前記狭視野モードでは、
前記可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し、
前記反射式結像器が、前記第1入口開口部を通過した第1光ビーム(150a、250a)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第1光ビーム(150d、250e)を受信し、さらに、
前記広視野モードでは、
前記反射式ビーム拡大器が、前記第2入口開口部を通過した第2光ビーム(160a、260a)を受信し、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器を通過した前記第2光ビーム(160e、260e)を受けかつ反射し、
前記反射式結像器が、前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(160f、260f)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第2光ビーム(160i、260j)を受信するものであることを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記反射式ビーム拡大器(106)が、アフォーカル3ミラーアナスチグマートおよび折返しミラーを含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項3】
前記反射式結像器(208)が、集光3ミラーアナスチグマートを含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項4】
前記反射式結像器(208)が、集光3ミラーアナスチグマートと少なくとも1つの折返しミラー(302)とを含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項5】
前記反射式結像器が、ノッチ分光ビームスプリッタ(208’)をさらに含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項6】
前記反射式結像器が、前記画像検出器に対して100%のコールドシールド効率を可能にする、接近可能な射出瞳(154、166、254、266、268)を含むことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項7】
前記狭視野モードにおいては、
前記反射式結像器が、
前記第1入口開口部を通過した前記第1光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー(108a)、
前記1次ミラーから反射された前記第1光ビーム(150b)を受けかつ反射する、2次ミラー(108b)、および、
前記2次ミラーから反射された前記第1光ビーム(150c)を受けかつ反射する、3次ミラー(108c)、
を含み、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第1光ビームを受信するものであり、そして、
前記広視野モードにおいては、
前記反射式ビーム拡大器が、
前記第2入口開口部を通過した前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー(106a)、
前記3次ミラーから反射された前記第2光ビーム(160b)を受けかつ反射する、固定折返しミラー(106b)、
前記固定折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(160c)を受けかつ反射する、2次ミラー(106c)、および、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビーム(160d)を受けかつ反射する、1次ミラー(106d)、
を含み、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器内の前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射するものであり、
前記反射式結像器が、
前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー、
前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、2次ミラー、および、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー、
を含み、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第2光ビームを受信するものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項8】
前記狭視野モードにおいては、
前記反射式結像器が、
前記第1入口開口部を通過した前記第1光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー(208a)、
前記1次ミラーから反射された前記第1光ビーム(250b)を受けかつ反射する、2次ミラー(208b)、
前記2次ミラーから反射された前記第1光ビーム(250c)を受けかつ反射する、第1固定折返しミラー(208c)またはノッチ分光ビームスプリッタ、および、
前記第1固定折返しミラーまたは前記ノッチ分光ビームスプリッタから反射された前記第1光ビーム(250d)を受けかつ反射する、3次ミラー(208d)、
を含み、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第1光ビームを受信するものであり、
前記広視野モードにおいては、
前記反射式ビーム拡大器が、
前記第2入口開口部を通過した前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー(206a)、
前記3次ミラーから反射された前記第2光ビーム(260b)を受けかつ反射する、固定折返しミラー(206b)、
前記固定折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(260b)を受けかつ反射する、2次ミラー(206c)、および、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビーム(260d)を受けかつ反射する、1次ミラー(206d)、
を含み、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器内の前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射するものであり、
前記反射式結像器が、
前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー、
前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、2次ミラー、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、第1固定折返しミラーまたはノッチ分光ビームスプリッタ、および、
前記第1固定折返しミラーまたは前記ノッチ分光ビームスプリッタから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー、
を含み、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第2光ビームを受信するものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項9】
前記反射式結像器が、前記3次ミラーから反射された前記第1光ビームまたは前記第2光ビームを受けかつ反射する、第2固定折返しミラー(302)をさらに含み、かつ、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーに替えて、前記第2固定折返しミラーから、前記第1光ビームまたは前記第2光ビームを受信することを特徴とする請求項8記載の光学系。
【請求項10】
物体を結像する方法であって、
第1入口開口部(102、202)、
第2入口開口部(104、204)、
反射式ビーム拡大器(106、206)、
反射式結像器(108、208)、
可動式視野変更ミラー(110、210)、および、
画像検出器(112、212)、
を含む光学系(100、200、200’)を提供するステップ、
前記光学系を狭視野モードで動作させて前記物体を結像するステップであって、
前記可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し、
前記反射式結像器が、前記第1入口開口部を通過した第1光ビーム(150a、250a)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第1光ビーム(150d、250e)を受信するステップ、および、
前記光学系を広視野モードで動作させて前記物体を結像するステップであって、
前記反射式ビーム拡大器が、前記第2入口開口部を通過した第2光ビーム(160a、260a)を受信し、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器を通過した前記第2光ビーム(160e、260e)を受けかつ反射し、
前記反射式結像器が、前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(160f、260f)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第2光ビーム(160i、260j)を受信するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
狭視野モードまたは広視野モードのいずれかで動作して物体を結像するよう適合された光学系(100、200、200’)であって、該光学系が、
第1入口開口部(102、202)、
第2入口開口部(104、204)、
反射式ビーム拡大器(106、206)、
反射式結像器(108、208)、
可動式視野変更ミラー(110、210)、および、
画像検出器(112、212)、
を備え、
前記狭視野モードでは、
前記可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し、
前記反射式結像器が、前記第1入口開口部を通過した第1光ビーム(150a、250a)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第1光ビーム(150d、250e)を受信し、さらに、
前記広視野モードでは、
前記反射式ビーム拡大器が、前記第2入口開口部を通過した第2光ビーム(160a、260a)を受信し、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器を通過した前記第2光ビーム(160e、260e)を受けかつ反射し、
前記反射式結像器が、前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(160f、260f)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第2光ビーム(160i、260j)を受信するものであることを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記反射式ビーム拡大器(106)が、アフォーカル3ミラーアナスチグマートおよび折返しミラーを含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項3】
前記反射式結像器(208)が、集光3ミラーアナスチグマートを含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項4】
前記反射式結像器(208)が、集光3ミラーアナスチグマートと少なくとも1つの折返しミラー(302)とを含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項5】
前記反射式結像器が、ノッチ分光ビームスプリッタ(208’)をさらに含むものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項6】
前記反射式結像器が、前記画像検出器に対して100%のコールドシールド効率を可能にする、接近可能な射出瞳(154、166、254、266、268)を含むことを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項7】
前記狭視野モードにおいては、
前記反射式結像器が、
前記第1入口開口部を通過した前記第1光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー(108a)、
前記1次ミラーから反射された前記第1光ビーム(150b)を受けかつ反射する、2次ミラー(108b)、および、
前記2次ミラーから反射された前記第1光ビーム(150c)を受けかつ反射する、3次ミラー(108c)、
を含み、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第1光ビームを受信するものであり、そして、
前記広視野モードにおいては、
前記反射式ビーム拡大器が、
前記第2入口開口部を通過した前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー(106a)、
前記3次ミラーから反射された前記第2光ビーム(160b)を受けかつ反射する、固定折返しミラー(106b)、
前記固定折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(160c)を受けかつ反射する、2次ミラー(106c)、および、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビーム(160d)を受けかつ反射する、1次ミラー(106d)、
を含み、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器内の前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射するものであり、
前記反射式結像器が、
前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー、
前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、2次ミラー、および、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー、
を含み、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第2光ビームを受信するものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項8】
前記狭視野モードにおいては、
前記反射式結像器が、
前記第1入口開口部を通過した前記第1光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー(208a)、
前記1次ミラーから反射された前記第1光ビーム(250b)を受けかつ反射する、2次ミラー(208b)、
前記2次ミラーから反射された前記第1光ビーム(250c)を受けかつ反射する、第1固定折返しミラー(208c)またはノッチ分光ビームスプリッタ、および、
前記第1固定折返しミラーまたは前記ノッチ分光ビームスプリッタから反射された前記第1光ビーム(250d)を受けかつ反射する、3次ミラー(208d)、
を含み、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第1光ビームを受信するものであり、
前記広視野モードにおいては、
前記反射式ビーム拡大器が、
前記第2入口開口部を通過した前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー(206a)、
前記3次ミラーから反射された前記第2光ビーム(260b)を受けかつ反射する、固定折返しミラー(206b)、
前記固定折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(260b)を受けかつ反射する、2次ミラー(206c)、および、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビーム(260d)を受けかつ反射する、1次ミラー(206d)、
を含み、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器内の前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射するものであり、
前記反射式結像器が、
前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、1次ミラー、
前記1次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、2次ミラー、
前記2次ミラーから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、第1固定折返しミラーまたはノッチ分光ビームスプリッタ、および、
前記第1固定折返しミラーまたは前記ノッチ分光ビームスプリッタから反射された前記第2光ビームを受けかつ反射する、3次ミラー、
を含み、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーから反射された前記第2光ビームを受信するものであることを特徴とする請求項1記載の光学系。
【請求項9】
前記反射式結像器が、前記3次ミラーから反射された前記第1光ビームまたは前記第2光ビームを受けかつ反射する、第2固定折返しミラー(302)をさらに含み、かつ、
前記画像検出器が、前記反射式結像器内の前記3次ミラーに替えて、前記第2固定折返しミラーから、前記第1光ビームまたは前記第2光ビームを受信することを特徴とする請求項8記載の光学系。
【請求項10】
物体を結像する方法であって、
第1入口開口部(102、202)、
第2入口開口部(104、204)、
反射式ビーム拡大器(106、206)、
反射式結像器(108、208)、
可動式視野変更ミラー(110、210)、および、
画像検出器(112、212)、
を含む光学系(100、200、200’)を提供するステップ、
前記光学系を狭視野モードで動作させて前記物体を結像するステップであって、
前記可動式視野変更折返しミラーが光ビーム路外に位置し、
前記反射式結像器が、前記第1入口開口部を通過した第1光ビーム(150a、250a)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第1光ビーム(150d、250e)を受信するステップ、および、
前記光学系を広視野モードで動作させて前記物体を結像するステップであって、
前記反射式ビーム拡大器が、前記第2入口開口部を通過した第2光ビーム(160a、260a)を受信し、
前記可動式視野変更折返しミラーが、前記光ビーム路内に位置し、かつ前記反射式ビーム拡大器を通過した前記第2光ビーム(160e、260e)を受けかつ反射し、
前記反射式結像器が、前記可動式視野変更折返しミラーから反射された前記第2光ビーム(160f、260f)を受信し、さらに、
前記画像検出器が、前記反射式結像器を通過しかつ前記物体を結像した、前記第2光ビーム(160i、260j)を受信するステップ、
を含むことを特徴とする方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【公表番号】特表2012−530940(P2012−530940A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516324(P2012−516324)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/039115
【国際公開番号】WO2010/148272
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/039115
【国際公開番号】WO2010/148272
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】
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