説明

複素環式置換ピペラジンを用いる、CXCR3媒介性疾患の処置方法

本出願は、処置を必要とする患者において慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、サルコイドーシス、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、強直性脊椎炎(alkylosing spondylitis)、線維性疾患、肺線維症、円形脱毛症、強皮症、扁平苔癬エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、ベーチェット病、ウェゲナー病、アトピー性皮膚炎および移植片対宿主病(GVHD)からなる群から選択される、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患を処置する方法であって、式1に示す一般構造を持つ少なくとも1種の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを治療有効量で患者に投与することを含む、方法を開示する。式中の様々な部分は本明細書に定義する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、本明細書に開示するような式1のアンタゴニストなどCXCR3アンタゴニストを用いて、CXCR3媒介性疾患を処置する方法に関する。そうした疾患として、たとえば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、サルコイドーシス、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、強直性脊椎炎、線維性疾患、肺線維症、円形脱毛症、強皮症、扁平苔癬エリテマトーデス(lichen planus erythematosus)、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、ベーチェット病、ウェゲナー病、アトピー性皮膚炎および移植片対宿主病(GVHD)が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ケモカインはサイトカインファミリーを構成し、炎症の際に産生され、白血球の動員を制御する(Baggiolini,M.et al.,Adv.Immunol.,55:97−179(1994);Springer,T.A.,Annual Rev.Physio.,57:827−872(1995);and Schall,T.J.and K.B.Bacon,Curr.Opin.Immunol,6:865−873(1994))。ケモカインは、好中球、単球、マクロファージ、好酸球、好塩基球、マスト細胞、さらにT細胞およびB細胞のようなリンパ球といった白血球などの血液の有形成分(赤血球以外)の走化性を選択的に誘導することができる。応答性細胞内では、白血球の活性化に伴い走化性の刺激以外にも、細胞形態の変化、細胞内遊離カルシウムイオン([Ca2+)濃度の一時的な上昇、顆粒のエキソサイトーシス、インテグリンのアップレギュレーション、生理活性脂質(たとえば、ロイコトリエン類)の形成および呼吸性バーストなど、他の変化もケモカインにより選択的に誘導される場合がある。したがって、ケモカインは初期炎症反応の引き金となり、炎症性メディエーターの放出、感染部位または炎症部位への走化性および血管外遊走を引き起こす。
【0003】
各ケモカインは一次構造に関連があり、ジスルフィド結合を形成する保存された4つのシステインを共有している。このファミリーは、この保存されたシステインモチーフに基づき、最初の2つの保存されたシステインが、介在する残基で分断されているC−X−Cケモカイン(α−ケモカイン)(たとえば、IL−8、IP−10、Mig、I−TAC、PF4、ENA−78、GCP−2、GROα、GROβ、GROδ、NAP−2、NAP−4)および最初の2つの保存されたシステインが隣接する残基であるC−Cケモカイン(β−ケモカイン)(たとえば、MIP−1α、MIP−1β、RANTES、MCP−1、MCP−2、MCP−3、I−309)などの群に明確に分類することができる(Baggiolini,M.and Dahinden,C.A.,Immunology Today,15:127−133(1994))。ほとんどのCXC−ケモカインは、好中性白血球を誘引する。たとえば、CXC−ケモカイン、インターロイキン−8(IL−8)、GROアルファ(GROα)および好中球活性化ペプチド2(NAP:neutrophil−activating peptide−2)は、好中球の強力な化学誘引物質であり、活性化因子である。Mig(γインターフェロンにより誘導されるモノカイン)およびIP−10(インターフェロンγ誘導性の10kDaタンパク質)と呼ばれるCXC−ケモカインは、特に活性化末梢血リンパ球の走化性を誘導する作用がある。
【0004】
CC−ケモカインは通常、選択性が乏しく、単球、好酸球、好塩基球、Tリンパ球およびナチュラルキラー細胞など、白血球の様々な細胞の種類を誘引することができる。ヒト単球走化性タンパク質1〜3(MCP−1、MCP−2およびMCP−3)、RANTES(Regulated on Activation, Normal T Expressed and Secreted:活性化により制御され正常T細胞で発現および分泌される因子)およびマクロファージ炎症性タンパク質1αおよび1β(MIP−1αおよびMIP−1β)などのCC−ケモカインについては、単球またはリンパ球の化学誘引物質および活性化因子として特徴付けられているが、好中球の化学誘引物質ではないようである。
【0005】
CXC−ケモカインIP−10およびMigに結合するケモカイン受容体は、クローニングされ、特徴付けが行われており(Loetscher,M.et al.,J.Exp.Med.,184:963−969(1996))、CXCR3と呼ばれてきた。CXCR3は、7回膜貫通ドメインを持つGタンパク質共役型受容体であり、発現が活性化T細胞、特にヒトTh1細胞に限定されることが明らかになっている。ケモカイン受容体は、適切なリガンドが結合すると、関連するGタンパク質を介して細胞内シグナルを伝達し、細胞内のカルシウム濃度を急上昇させる。
【0006】
CXCR3受容体は、IP−10およびMigに応答してCa2+(カルシウムイオン)の動員および走化性に関与する。CXCR3発現細胞は、CXC−ケモカインのIL−8、GROα、NAP−2、GCP−2(顆粒球走化性タンパク質−2)、ENA78(上皮由来好中球活性化ペプチド78)、PF4(血小板第4因子)またはCC−ケモカインのMCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、MIP−lα、MIP−1β、RANTES、I309、エオタキシンまたはリンホタクチンに対しては顕著な応答を示さない。また、、CXCR3に対する第3のリガンドである、I−TAC(インターフェロン誘導性T細胞α化学誘引物質)は、この受容体に高親和性で結合して機能応答を媒介することが明らかになっている(Cole,K.E.et al.,J.Exp.Med.,187:2009−2021(1998))。
【0007】
ヒトCXCR3の発現が活性化Tリンパ球に限定されること、およびCXCR3にリガンド選択性があることは、特記される。このヒト受容体は、IL−2活性化Tリンパ球で高発現するが、休止Tリンパ球、単球または顆粒球では検出されなかった(Qin,S.et al.,J.Clin.Invest.,101:746−754(1998))。受容体分布に関するさらなる研究によれば、CD20(B)細胞およびCD56(NK)細胞も一定の割合でCXCR3を発現するものの、この受容体を発現するのは大部分が、以前に活性化されたことを示す表現型であるCD95、CD45ROおよびCD45RAlowである細胞を含む、CD3細胞であることが示唆されている。Tリンパ球を誘引すると報告されてきたケモカインの他の受容体(たとえば、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MIP−1α、MIP−1β、RANTES)は、好中球、好酸球および好塩基球などの顆粒球のほか単球にも発現するため、活性化Tリンパ球に選択的に発現することは注目される。こうした結果から、CXCR3受容体は、エフェクターT細胞の選択的動員に関与していると考えられる。
【0008】
CXCR3は、IP−10、MigおよびI−TACと呼ばれる珍しいCXC−ケモカインを認識する。こうしたIP−10、MigおよびI−TACはCXCサブファミリーには属するものの、IL−8および好中球の強力な化学誘引物質である他のCXC−ケモカインと異なり、その主要な標的は、リンパ球、特に、活性化または刺激されたTリンパ球およびナチュラルキラー(NK:natural killer)細胞などのエフェクター細胞である(Taub,D.D.et al.,J Exp.Med.,177:18090−1814(1993);Taub,D.D.et al.,J.Immunol.,155:3877−3888(1995);Cole,K.E.et al.,J.Exp.Med.,187:2009−2021(1998))。(NK細胞は、抗原認識のための特異的なT細胞受容体が欠如している大型顆粒リンパ球であるが、腫瘍細胞およびウイルス感染細胞などの細胞に対して細胞溶解活性を有する)。IP−10、MigおよびI−TACは、好中球の走化性を効率的に誘導するCXC−ケモカインに必須の結合エピトープであるELRモチーフが常に欠如している(Clark−Lewis,I.et al.,J.Biol.Chem.266:23128−23134(1991);Hebert,C.A.et al.,J.Biol.Chem.,266:18989−18994(1991);and Clark−Lewis,1.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:3574−3577(1993))。さらに、組換えヒトMigおよび組換えヒトIP−10は共に、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)においてカルシウム流出を誘導することが報告されている(Liao,F.et al.,J Exp.Med,182:1301−1314(1995))。IP−10は、インビトロで単球の走化性を誘導することが報告されているが(Taub,D.D.et al.,J.Exp.Med.,177:1809−1814(1993)、関与する受容体は同定されていない)、ヒトMigおよびI−TACは高度に選択的であり、そうした作用を示さない(Liao,F.et al.,J.Exp.Med.,182:1301−1314(1995);Cole,K.E.et al.,J.Exp.Med.,187:2009−2021(1998))。IP−10の発現は、乾癬、固定薬疹、皮膚遅延型過敏反応および類結核型ハンセン病などの炎症状態の様々な組織ならびに腫瘍で誘導され、動物モデルの試験では、たとえば、実験的糸球体腎炎および実験的アレルギー性脳脊髄炎で誘導されている。IP−10に関しては、インビボではT細胞依存性の強力な抗腫瘍作用があり、血管新生の阻害剤となることが報告されており、インビトロでは、NK細胞の走化性および脱顆粒を誘導することができる。このことから、(たとえば、腫瘍細胞の破壊において)NK細胞の動員および脱顆粒のメディエーターとしての役割が示唆される(Luster,A.D.and P.Leder,J.Exp.Med.,178:1057−1065(1993);Luster,A.D.et al.,J Exp.Med.182:219−231(1995);Angiolillo,A.L.et al.,J.Exp.Med.,182:155−162(1995);Taub,D.D.et al.,J.Immunol.,155:3877−3888(1995))。また、IP−10、MigおよびI−TACは発現パターンも他のCXCケモカインと異なる。他のCXCケモカインの発現はそれぞれインターフェロンγ(IFNδ)により誘導されるのに対し、IL−8の発現は、IFNδにより下方制御される(Luster,A.D.et al.,Nature,315:672−676(1985);Farber,J.M.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:5238−5242(1990);Farber,J.M.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,192(1):223−230(1993),Liao,F.et al.,J.Exp.Med.,182:1301−1314(1995);Seitz,M.et al.,J.Clin.Invest,87:463−469(1991);Galy,A.H.M.and H.Spits,J.Immunol.,147:3823−3830(1991);Cole,K.E.et al.,J.Exp.Med.,187:2009−2021(1998))。
【0009】
ケモカインは、リンパ球動員のメディエーターとして長年探求されてきたことが知られている。一部のCC−ケモカインがリンパ球走化性を誘導することが明らかになった(Loetscher,P.et al.,FASEB J.,8:1055−1060(1994))が、そうしたCC−ケモカインは、顆粒球および単球にも作用する(Uguccioni,M.et al.,Eur.J.Immunol.,25:64−68(1995);Baggiolini,M.and C.A.Dahinden,Immunol.Today,15:127−133(1994))。IP−10、MigおよびI−TACでは、状況が異なり、活性化Tリンパ球およびNK細胞などのリンパ球に対するその作用は選択的である。さらに、IP−10、MigおよびI−TACは、他の多くのケモカインを認識せず、かつ選択的発現パターンを示す受容体CXCR3に結合する。
【0010】
以上のような知見から、たとえば、遅延型過敏症の病変部、ウイルス感染部位およびある種の腫瘍など、炎症性病変部の特徴的な浸潤の形成は、CXCR3により媒介され、CXCR3の発現により制御されるプロセスであると結論するのが妥当である。活性化に伴い、CXCR3受容体を持つリンパ球、特にTリンパ球は、インターフェロンγによって局所的に誘導される得るIP−10、Migおよび/またはI−TACにより炎症性病変部、感染部位および/または腫瘍に動員されることがある。このように、CXCR3は、リンパ球、特に、活性化または刺激されたTリンパ球などのエフェクター細胞の選択的な動員に関わっている。したがって、移植片拒絶反応、炎症、関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎など)および乾癬など、多くの病状には、活性化T細胞およびエフェクターT細胞が関係していると考えられてきた。よって、CXCR3は、新規な治療剤の開発の有望な標的である。
【0011】
下記式を持つ、フィブリノーゲン依存性の血小板凝集の阻害剤としてピペリジン酢酸誘導体を開示する特許文献1(出願人:Glaxo Group Limited、1993年5月27日公開)を参照されたい。
【0012】
【化1】

この系列の例示的化合物として下記がある。
【0013】
【化2】

下記式を持つ、血小板凝集阻害剤としてピペラジンを開示する特許文献2(出願人:J.Uriach & CIA.S.A.、1999年4月29日公開)も参照されたい。
【0014】
【化3】

移植片拒絶反応を処置する方法を開示する特許文献3(出願人:Hancock,et al.2002年2月14日公開)も参照されたい。
【0015】
ケモカイン、たとえば、尿中のCXCR3およびCCLケモカインの検出により、臓器移植拒絶反応を診断および予測する方法を開示する特許文献4(出願人:Renovar,Inc.、2003年11月27日公開)も参照されたい。
【0016】
CXCR3リガンドをスクリーニングする方法、および生物学的サンプルにおけるCXCR3リガンド発現量を検出して2型糖尿病を診断する方法を開示する特許文献5(出願人:Sumitomo Pharmaceuticals Co.Ltd.、2003年10月9日公開)も参照されたい。
【0017】
下記式を持つ、CXCR3アンタゴニストとしてのイミダゾリジン化合物およびその使用を開示する特許文献6(出願人:Millennium Pharmaceuticals,Inc. 2002年10月31日公開)も参照されたい。
【0018】
【化4】

この系列の例示的化合物として下記がある。
【0019】
【化5】

下記式を持つ、CXCR3アンタゴニストとしてのイミダゾリウム化合物およびその使用を開示する特許文献7(出願人:Smithkline Beecham Corporation、2003年12月11日公開)も参照されたい。
【0020】
【化6】

この系列の例示的化合物として下記がある。
【0021】
【化7】

下記式を持つ、CXCR3活性のある化合物を開示する特許文献8(出願人:Medina et al、2003年3月20日公開)および関連する特許文献9((出願人:Medina et al、2004年9月21日公開)も参照されたい。
【0022】
【化8】

この系列の例示的化合物として下記がある。
【0023】
【化9】

下記式を持つ、ケモカイン受容体修飾物質として有用な化合物を開示する特許文献10(出願人:MacCoss et al.、2000年9月6日発行)も参照されたい。
【0024】
【化10】

下記式を持つ、「炎症性疾患を処置するケモカイン受容体阻害剤」として有用な化合物を開示する特許文献11(出願人:CELLTECH R& D limited、2003年8月28日公開)も参照されたい。
【0025】
【化11】

下記式を持つピリジン誘導体、その調製プロセスおよび自己免疫疾患の調節におけるその使用を開示する特許文献12、特許文献13、特許文献14(出願人:AstraZeneca R & D 2004年2月19日公開)も参照されたい。式中、Rは、フェニル、または1個または複数個の窒素原子を持つ5または6員の芳香環である。
【0026】
【化12】

CXCR3の活性を調節できる化合物が求められている。たとえば、炎症状態(乾癬および炎症性腸疾患)、自己免疫疾患(多発性硬化症、関節リウマチ)および移植片拒絶反応(たとえば、同種移植片拒絶および異種移植片拒絶(zenograft rejection))のほか、感染症、癌および腫瘍、固定薬疹、皮膚遅延型過敏反応、I型糖尿病、ウイルス性髄膜炎および類結核型ハンセン病などのCXCR3に関連する疾患および症候を対象とした新しい処置および療法が必要である。
【0027】
CXCR3に関連する疾患および症候の1つまたは複数の症状を処置、予防、あるいは軽減する方法が求められている。本明細書に記載する化合物を用いてCXCR3活性を調節する方法も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】国際公開第93/10091号パンフレット
【特許文献2】国際公開第99/20606号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0018776号明細書
【特許文献4】国際公開第03/098185号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/082335号パンフレット
【特許文献6】国際公開第02/085861号パンフレット
【特許文献7】国際公開第03/101970号パンフレット
【特許文献8】米国特許出願公開第2003/0055054号明細書
【特許文献9】米国特許第6,794,379号明細書
【特許文献10】米国特許第6,124,319号明細書
【特許文献11】国際公開第03/070242号パンフレット
【特許文献12】国際公開第04/074287号パンフレット
【特許文献13】国際公開第04/074273号パンフレット
【特許文献14】国際公開第04/74278号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0029】
その多くの実施形態において、本発明は、処置を必要とする患者において慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、サルコイドーシス、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、強直性脊椎炎、線維性疾患、肺線維症、円形脱毛症、強皮症、扁平苔癬エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、ベーチェット病、ウェゲナー病、アトピー性皮膚炎および移植片対宿主病(GVHD)からなる群から選択される、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患を処置する方法であって、式1に示す一般構造を持つ少なくとも1種の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを治療有効量で患者に投与することを含む、方法を提供する。
【0030】
【化13−1】

式中:
Gは、5員のヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環の一部として少なくとも1つの−C=N−部分を含む前記ヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環を表し、前記ヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環は任意に、環上にN、N(→O)、O、S、S(O)およびS(O)からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、この部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に選択され、さらに前記ヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環は、(i)非置換であっても、あるいは(ii)任意に独立して1個または複数個の環炭素原子上で1つまたは複数のR置換基で置換されているか、または1個または複数個の環窒素原子上で1つまたは複数のR置換基で置換されていてもよく、前記RおよびR置換基は同一でも異なっていてもよく;
およびR部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルキルアリール、アラルキル、−CN、CF、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−N=CH−(R31)、−C(=O)N(R30、−N(R30、−OR30、−SO(R31)、−N(R30)C(=O)N(R30および−N(R30)C(=O)R31からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(=O)−アリール−ハロゲン、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−(CHC(=O)NHR31、CHC(=O)OR31、−(CHSO31、−(CHNSO31または−(CHSONHR31からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシ、アミジニル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、
【0031】
【化13−2】

からなる群から選択され;
10部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールアルキル、−COH、ヒドロキシアルキル、−C(=O)N(R30、−(CHOH、−(CHOR31、−OR30、ハロゲン、=Oおよび−C(=O)R31からなる群から選択され;
11部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、アルキルアリール、アリールアルキル、カルボキサミド、COH、−(CHOH、−(CHOR31、−OR30、ハロゲン、=Oおよび−C(=O)R31からなる群から選択され;
12部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、−CN、−C(=O)N(R30、−(CHOH、−(CHOR31および−S(O)R31からなる群から選択され;
環Dは、5〜9員のシクロアルキル環、シクロアルケニル環、アリール環、ヘテロアリール環、ヘテロシクレニル環またはヘテロシクリル環であり、O、SまたはNから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を持ち、環Dは、非置換であるか、または任意に、独立に選択された1〜5個のR20部分で置換されており;
20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオカルボキシ、アルキルヘテロアリール、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、アミジニル、アラルキル、アラルケニル、アラルコキシ、アラルコキシカルボニル、アラルキルチオ、アリール、アロイル、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ホルミル、グアニジニル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサマート、ニトロ、トリフルオロメトキシ、
【0032】
【化13−3】

からなる群から選択され;あるいは2個のR20部分は一緒に結合して、5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、ヘテロシクレニル環またはヘテロアリール環を形成し、前記5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、ヘテロシクレニル環またはヘテロアリール環は環Dに縮合し、この縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオカルボキシ、アルキルヘテロアリール、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、アミジニル、アラルキル、アラルケニル、アラルコキシ、アラルコキシカルボニル、アラルキルチオ、アリール、アロイル、アリールオキシ、カルボキサミド、シアノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ホルミル、グアニジニル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサマート、ニトロ、トリフルオロメトキシ、
【0033】
【化13−4】

からなる群から選択され;
Yは、共有結合、−(CR1313−、−CHR13C(=O)−、−(CHR13O−、−(CHR13N(R30)−、−C(=O)−、−C(=O)−(CHR13)−、−C(=O)−(CHR13−、−C(=NR30)−、−C(=N−OR30)−、−CH(C(=O)NHR30)−、CH−ヘテロアリール−、−C(R1313C(R13)=C(R13)−、−(CHR13C(=O)−および−(CHR13N(H)C(=O)−からなる群から選択され;あるいはYは、シクロアルキル、ヘテロシクレニルまたはヘテロシクリルであり、このシクロアルキル、ヘテロシクレニルまたはヘテロシクリルは、環Dと縮合しており;
13部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリル、スピロアルキル、
【0034】
【化13−5】

からなる群から選択され;
30部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルキルアリール、アリール、アラルキル、シクロアルキル、−シクロアルキルアルキル、CN、−(CHOH、−(CHOアルキル、−(CHOアルキルアリール、−(CHOアリール、−(CHOアラルキル、−(CHOシクロアルキル、−(CHNH、−(CHNHアルキル、−(CHN(アルキル)、−(CHNHアルキルアリール、−(CHNHアリール、−(CHNHアラルキル、−(CHNHシクロアルキル、−(CHC(=O)O−アルキル、−(CHC(=O)NHアルキル、−(CHC(=O)N(アルキル)、−(CHC(=O)NHアルキルアリール、−(CHC(=O)NHアリール、−(CHC(=O)NHアラルキル、−(CHC(=O)NHシクロアルキル、−(CHSOアルキル、−(CHSOアルキルアリール、−(CHSOアリール、−(CHSOアラルキル、−(CHSOシクロアルキル、−(CHNSOアルキル、−(CHNSOアルキルアリール、−(CHNSOアリール、−(CHNSOアラルキル、−(CHNSOシクロアルキル、−(CHSONHアルキル、−(CHSONHアルキルアリール、−(CHSONHアリール、−(CHSONHアラルキル、−(CHSONHシクロアルキル、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
31部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にアルキル、アルキルアリール、アリール、アラルキル、シクロアルキル、−(CHOH、−(CHOアルキル、−(CHOアルキルアリール、−(CHOアリール、−(CHOアラルキル、−(CHOシクロアルキル、−(CHNH、−(CHNHアルキル、−(CHN(アルキル)、−(CHNHアルキルアリール、−(CHNHアリール、−(CHNHアラルキル、−(CHNHシクロアルキル、−(CHC(=O)NHアルキル、−(CHC(=O)N(アルキル)、−(CHC(=O)NHアルキルアリール、−(CHC(=O)NHアリール、−(CHC(=O)NHアラルキル、−(CHC(=O)NHシクロアルキル、−(CHSOアルキル、−(CHSOアルキルアリール、−(CHSOアリール、−(CHSOアラルキル、−(CHSOシクロアルキル、−(CHNSOアルキル、−(CHNSOアルキルアリール、−(CHNSOアリール、−(CHNSOアラルキル、−(CHNSOシクロアルキル、−(CHSONHアルキル、−(CHSONHアルキルアリール、−(CHSONHアリール、−(CHSONHアラルキル、−(CHSONHシクロアルキル、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
mは0〜4であり;
nは0〜4であり;
qは各々同一でも異なっていてもよく、各々が1〜5から独立に選択され;および
rは1〜4であり;
ただし、隣接する2個の二重結合はどの環にも存在せず、窒素が2個のアルキル基で置換されている場合、前記2個のアルキル基は任意に互いに結合して環を形成していてもよい。
【0035】
式1の化合物、その調製方法およびその使用については、2006年8月24日に公開された国際公開第2006/088837号および2006年12月7日に公開された米国特許出願公開第2006/0276479号に開示されている。
【0036】
本発明はさらに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、サルコイドーシス、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、強直性脊椎炎、線維性疾患、肺線維症、円形脱毛症、強皮症、扁平苔癬エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、ベーチェット病、ウェゲナー病、アトピー性皮膚炎および移植片対宿主病(GVHD)からなる群から選択される、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患の処置を必要とする患者において、上記疾患を処置する方法も提供し、この方法は、治療有効量の下記式の化合物
【0037】
【化14】

またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を上記患者に投与することを含む。一実施形態では、薬学的に許容される塩は、この化合物のメシラート塩である。
【0038】
下記式の化合物、その調製方法および使用も、2006年8月24日に公開された国際公開第2006/088837号および2006年12月7日に公開された米国特許出願公開第2006/0276479号に開示され、開示されている。
【0039】
【化15】

本発明のさらなる特徴は、上記のようなCXCR3が関与する疾患を処置する方法であって、それを必要としている患者に、活性成分として少なくとも1種の式1の化合物を含有する医薬組成物を、少なくとも1種の薬学的に許容されるキャリアまたは賦形剤と併用投与することを含む方法を提供する。
【0040】
本発明のさらなる特徴は、上記のようなCXCR3が関与する疾患を処置する方法であって、(a)少なくとも1種の式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを同時または連続的に(b)疾患修飾性抗リウマチ剤;非ステロイド系抗炎症剤;COX−2選択的阻害剤;COX−1阻害剤;免疫抑制薬;ステロイド;PDE−IV阻害剤、抗TNF−α化合物、TNF−α−コンバターゼ阻害剤、サイトカイン阻害剤、MMP阻害剤、コルチコステロイド、糖質コルチコイド、ケモカイン阻害剤、CB2選択的阻害剤、p38阻害剤、生物学的応答調節剤;抗炎症薬および治療剤からなる群から選択される少なくとも1種の薬物と共に有効量でそうした処置を必要とする患者に投与することを含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書に使用する用語は通常の意味を持ち、その用語の意味は、それが記載されるごと独立している。しかしながら、他に記載がある場合を除き、本明細書および特許請求の範囲においては、以下の定義を適用する。同一の構造の説明には、化学名、一般名および化学構造を同義で使用できる。この定義は、他に記載がない限り、用語を単独で使用するか、他の用語と組み合わせて使用するかに関わらず、適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」だけでなく、「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」などの「アルキル」部分にも適用される。
【0042】
上記で使用したように、本明細書では、以下の用語は他に記載がない限り、以下の意味を持つものと理解すべきである。
【0043】
「アシル」とは、H−C(=O)−基、アルキル−C(=O)−基、アルケニル−C(=O)−基、アルキニル−C(=O)−基、シクロアルキル−C(=O)−基、シクロアルケニル−C(=O)−基またはシクロアルキニル−C(=O)−基を意味し、種々の基は以前に記載されている通りである。親部分との結合は、カルボニル炭素原子を介した結合である。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。好適なアシル基の非限定的な例として、ホルミル、アセチル、プロパノイル、2−メチルプロパノイル、ブタノイルおよびシクロヘキサノイルが挙げられる。
【0044】
「アルケニル」とは、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む、直鎖でも分枝でもよい、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子、一層好ましくは鎖中に約2〜約6個の炭素原子を持つ。分枝とは、直鎖アルケニル鎖に、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基が結合していることを意味する。「低級アルケニル」とは、直鎖でも分枝でもよい鎖中の炭素原子が約2〜約6個であることを意味する。アルケニル基は、同一でも異なっていてもよい1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、この置換基は各々独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シアノ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、アミノスルホニル、ハロ、カルボキシル、カルボキシアルキル(非限定的な例としてエステルがある)、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、カルボニル(非限定的な例としてケトンがある)、−C(=O)ヘテロシクリル、ホルミル(非限定的な例としてアルデヒドがある)、カルボキサミド(すなわち、アミド、−C(=O)NH)、−C(=O)N(アルキル)、−C(=O)NH(アルキル)、−C(=O)N(シクロアルキル)、−C(=O)NH(シクロアルキル)、−NHC(=O)アルキル、尿素(たとえば、−NH(C=O)NH、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(ヘテロアリール)、−NH(C=O)NH(ヘテロシクリル))、グアニジニル、−NHC(=NCN)NH、−NHC(=NCN)N(アルキル)、カルバモイル(すなわち、−CONH)、NHC(=O)Oアルキル、−CON(アルキル)、−NHC(=O))NH−S(O)アルキル、−NHC(=O)N(アルキル)−S(O)アルキル、−NH−S(O)アルキル、−NH−S(O)ヘテロアリール、−N(アルキル)−S(O)アルキル、−NH−S(O)アリール、−N(アルキル)−S(O)アリール、−NH−S(O)NH、−NH−S(O)NHアルキル、−NH−S(O)N(アルキル)、アルキルチオカルボキシ、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−OS(O)アルキル、−OS(O)アリール、スルホニル尿素(非限定的な例としてNHC(=S)NHアルキルがある)からなる群から選択される。好適なアルケニル基の非限定的な例として、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブタ−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
【0045】
「アルキル」とは、鎖中に約1〜約20個の炭素原子を含む、直鎖でも分枝でも、あるいはその組み合わせでもよい脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含む。一層好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む。分枝とは、直鎖アルキル鎖に、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基が結合していることを意味する。「低級アルキル」とは、直鎖でも分枝でもよい鎖中の炭素原子が約1〜約6個である基を意味する。アルキル基は、同一でも異なっていてもよい1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、この置換基は各々独立にアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シアノ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アミノ、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(シクロアルキル)、−NH(アリール)、−N(アリール)、−NH(ヘテロアリール)、−N(ヘテロアリール)、−NH(ヘテロシクリル)、N(ヘテロシクリル)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシアルキル(非限定的な例(単数または複数としてエステルがある)、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、カルボニル(非限定的な例としてケトンがある)、−C(=O)ヘテロシクリル、ホルミル、カルボキサミド(すなわち、アミド、−C(=O)NH、−C(=O)N(アルキル)、−C(=O)NH(アルキル)、−C(=O)N(シクロアルキル)、−C(=O)NH(シクロアルキル))、−NHC(=O)アルキル、アミジニル、ヒドラジジル、ヒドロキサマート、−NHC(=O)H、−NHC(=O)アルキル、尿素(たとえば、−NH(C=O)NH、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(ヘテロアリール)、−NH(C=O)NH(ヘテロシクリル))、グアニジニル、−NHC(=NCN)NH、−NHC(=NCN)N(アルキル)、カルバモイル(すなわち、−CONH)、−NHC(=O)Oアルキル、−CON(アルキル)、−NHC(=O)NH−S(O)アルキル、−NHC(=O)N(アルキル)−S(O)アルキル、−NH−S(O)アルキル、−NH−S(O)ヘテロアリール、−N(アルキル)−S(O)アルキル、−NH−S(O)アリール、−N(アルキル)−S(O)アリール、−NH−S(O)NH、−NH−S(O)NHアルキル、−NH−S(O)N(アルキル)、チオ、アルキルチオ、アルキルチオカルボキシ、−S(O)アルキル、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−OS(O)アルキル、−OS(O)アリール、スルホニル尿素(非限定的な例として−NHC(=S)NHアルキル)およびOSi(アルキル)からなる群から選択される。好適なアルキル基の非限定的な例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ノニル、デシル、フルオロメチル、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。
【0046】
「アルキルヘテロアリール」とは、アルキル−ヘテロアリール−基を意味し、アルキルは前述の通りであり、親部分との結合はヘテロアリール基を介した結合である。
【0047】
「アルキルアミノ」とは、窒素上の1個または複数個の水素原子が上記で定義したアルキル基で置換されている−NH基または−NH+基を意味する。親との結合は、窒素を介した結合である。
【0048】
「アルキルアリール」とは、アルキルおよびアリールが本明細書に記載した通りであるアルキル−アリール−基を意味する。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む。好適なアルキルアリール基の非限定的な例として、o−トリル、p−トリルおよびキシリルが挙げられる。親部分との結合は、アリールを介した結合である。
【0049】
「アルキルチオ」とは、アルキル基が本明細書に記載した通りであるアルキル−S−基を意味する。好適なアルキルチオ基の非限定的な例として、メチルチオ、エチルチオ、i−プロピルチオおよびヘプチルチオが挙げられる。親部分との結合は、硫黄を介した結合である。
【0050】
「アルキルチオカルボキシ」とは、アルキル−S−C(=O)O−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルである基である。親部分との結合は、カルボキシを介した結合である。
【0051】
「アルキルスルホニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルである基である。親部分との結合は、スルホニルを介した結合である。
【0052】
「アルキルスルフィニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルである基である。親部分との結合は、スルフィニルを介した結合である。
【0053】
「アルキニル」とは、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む、直鎖でも分枝でもよい、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子、一層好ましくは鎖中に約2〜約4個の炭素原子を持つ。分枝とは、直鎖アルキニル鎖に、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基が結合していることを意味する。「低級アルキニル」とは、直鎖でも分枝でもよい鎖中の炭素原子が約2〜約6個であることを意味する。好適なアルキニル基の非限定的な例として、エチニル、プロピニル、2−ブチニル、3−メチルブチニル、n−ペンチニルおよびデシニルが挙げられる。アルキニル基は、同一でも異なっていてもよい1つまたは複数の置換基で置換されていてもよく、置換基は各々独立にアルキル、アルコキシル、アリール、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シアノ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(シクロアルキル)、−NH(アリール)、−N(アリール)、−NH(ヘテロアリール)、−N(ヘテロアリール)、−NH(ヘテロシクリル)、N(ヘテロシクリル)、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、カルボニル(非限定的な例としてケトンがある)、−C(=O)ヘテロシクリル、カルボキサミド(すなわち、アミド、−C(=O)NH)、−C(=O)N(アルキル)、−C(=O)NH(アルキル)、−C(=O)N(シクロアルキル)、−C(=O)NH(シクロアルキル)、アルキルC(=O)NH−、−NHC(=O)アルキル、尿素(たとえば、−NH(C=O)NH)、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(ヘテロアリール)、−NH(C=O)NH(ヘテロシクリル)、−S(O)アルキルおよび−S(O)アリールからなる群から選択される。
【0054】
「アルコキシ」とは、アルキル基が前述の通りであるアルキル−O−基を意味する。好適なアルコキシ基の非限定的な例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、ヘプトキシおよびメチルヒドロキシが挙げられる。親部分との結合は、エーテル酸素を介した結合である。
【0055】
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−C(=O)−基を意味する。好適なアルコキシカルボニル基の非限定的な例として、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分との結合は、カルボニルを介した結合である。
【0056】
「アミノアルキル」とは、アルキルが前に定義した通りであるアミン−アルキル−基を意味する。好ましいアミノアルキルは、低級アルキルを含む。好適なアミノアルキル基の非限定的な例として、アミノメチルおよび2−ジメトリルアミノ−2−エチルが挙げられる。親部分との結合は、アルキルを介した結合である。
【0057】
「アミジニル」とは、−C(=NR)NHR基を意味する。R基は、H、アルキル、アルキルアリール、ヘテロアリール、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、エステル、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHC(=O)NHアルキルおよび−NHアルキルと定義する。親部分との結合は、炭素を介した結合である。
【0058】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリールおよびアルキルが前に記載した通りであるアリール−アルキル−基を意味する。好ましいアラルキルは、アリール基に結合した低級アルキル基を含む。好適なアラルキル基の非限定的な例として、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。親部分との結合は、アルキルを介した結合である。
【0059】
「アラルケニル」とは、アリールおよびアルケニルが前に記載した通りであるアリール−アルケニル−基を意味する。好ましいアラルケニルは、低級アルケニル基を含む。好適なアラルケニル基の非限定的な例として、2−フェネテニルおよび2−ナフチルエテニルが挙げられる。親部分との結合は、アルケニルを介した結合である。
【0060】
「アラルキルチオ」とは、アラルキル基が前述の通りであるアラルキル−S−基を意味する。好適なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分との結合は、硫黄を介した結合である。
【0061】
「アラルコキシ」とは、アラルキル基が上記の通りであるアラルキル−O−基を意味する。親部分との結合は、酸素基を介した結合である。
【0062】
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル−O−C(=O)−基を意味する。好適なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分との結合は、カルボニルを介した結合である。
【0063】
「アロイル」とは、アリール基が前述の通りであるアリール−C(=O)−基を意味する。親部分との結合は、カルボニルを介した結合である。好適な基の非限定的な例として、ベンゾイル、1−ナフトイルおよび2−ナフトイルが挙げられる。
【0064】
「アリール」(「Ar」と略されることもある)とは、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む、単環式または多環式芳香族環系を意味する。アリール基は任意に、1つまたは複数の「環系置換基」で置換されていてもよい。環系置換基は同一でも異なっていてもよいが、本明細書に定義する通りである。好適なアリール基の非限定的な例として、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0065】
「アリールオキシ」とは、アリール基が前述の通りであるアリール−O−基を意味する。好適なアリールオキシ基の非限定的な例として、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分との結合は、エーテル酸素を介した結合である。
【0066】
「アリールスルホニル」とは、アリール−S(O)−基を意味する。親部分との結合は、スルホニルを介した結合である。
【0067】
「アリールスルフィニル」とは、アリール−S(O)−基を意味する。親部分との結合は、スルフィニルを介した結合である。
【0068】
「アリールチオ」とは、アリール基が前述の通りであるアリール−S−基を意味する。好適なアリールチオ基の非限定的な例として、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分との結合は、硫黄を介した結合である。
【0069】
「カルボキシアルキル」とは、アルキル−C(=O)O−基を意味する。親部分との結合は、カルボキシを介した結合である。
【0070】
カルバマートおよび尿素置換基とは、酸素および窒素がそれぞれアミドに隣接している基をいう。代表的なカルバマートおよび尿素置換基として、以下が挙げられる。
【0071】
【化16】

「シクロアルキル」とは、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む単環式または多環式非芳香族環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは任意に、1つまたは複数の「環系置換基」で置換されていてもよい。環系置換基は同一でも異なっていてもよいが、上記で定義した通りである。好適な単環式シクロアルキルの非限定的な例として、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。好適な多環式シクロヘキシルの非限定的な例として、1−デカリン、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0072】
「シクロアルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む単環式または多環式非芳香族環系を意味する。好ましいシクロアルケニル環は、約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルケニルは任意に、1つまたは複数の「環系置換基」で置換されていてもよい。環系置換基は同一でも異なっていてもよいが、本明細書に定義した通りである。好適な単環式シクロアルケニルの非限定的な例として、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルなどが挙げられる。好適な多環式シクロアルケニルの非限定的な例としてノルボルニレニルがある。「シクロアルケニル」という語はさらに、シクロブテンジオン、シクロペンテノン、シクロペンテンジオンなどの部分も意味する。
【0073】
「ハロゲン」(またはハロ)とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。好ましいのは、フッ素、塩素および臭素である。
【0074】
「ハロアルキル」とは、上記で定義したアルキル上の1つまたは複数の水素原子が上述のハロ基で置換されている、アルキルを意味する。非限定的な例として、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロプロピルなどが挙げられる。
【0075】
「ヘテロアリール」とは、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、環原子の1個または複数個が炭素以外の元素、たとえば、窒素、酸素または硫黄のいずれか1つまたは2種以上の組み合わせである、単環式または多環式芳香族環系を意味する。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は任意に、1つまたは複数の「環系置換基」で置換されていてもよい。環系置換基は、同一でも異なっていてもよいが、本明細書に定義した通りである。ヘテロアリールの語幹名の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子または硫黄原子は任意に対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化され得る、。好適なヘテロアリールの非限定的な例として、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。
【0076】
「ヘテロシクレニル」とは、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、環系中の原子の1個または複数個が炭素以外の元素、たとえば、窒素原子、酸素原子または硫黄原子のいずれか1つまたは2種以上の組み合わせであり、かつ少なくとも1つの炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有する、単環式または多環式非芳香族環系を意味する。環系中には隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクレニル環は、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクレニルの語幹名の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ環原子として存在することを意味する。ヘテロシクレニルは任意に、1つまたは複数の環系置換基で置換されていてもよい。「環系置換基」は、上記で定義した通りである。ヘテロシクレニルの窒素原子または硫黄原子は任意に酸化されて、そのN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドになっていてもよい。好適なヘテロシクレニル基の非限定的な例として、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、1,2−ジヒドロピリジニル、1,4−ジヒドロピリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどが挙げられる。ヘテロシクレニルはさらに、同一の炭素原子上の置換可能な2個の水素が=Oで置換されている環も含む(すなわち、ヘテロシクレニルは、環中にカルボニル基を持つ環を含む)。そうしたヘテロシクレニル環の例として、下記ピロリジノンがある。
【0077】
【化17】

「ヘテロシクリル」とは、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含み、環系中の原子の1つまたは複数が炭素以外の元素、たとえば、窒素、酸素または硫黄のいずれか1つまたは2種以上の組み合わせである、飽和の単環式または多環式非芳香族環系を意味する。環系中には隣接する酸素原子および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルの語幹名の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環中の任意の−NHは、たとえば、−N(Boc)基、−N(CBz)基、−N(Tos)基などとして保護されていてもよく、そうした保護も本発明の一部と考えられる。ヘテロシクリルは任意に、1つまたは複数の「環系置換基」で置換されていてもよい。環系置換基は、同一でも異なっていてもよいが、本明細書に定義した通りである。ヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は任意に対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドへと酸化され得る。好適な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例として、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが挙げられる。ヘテロシクリルさらに、同一の炭素原子上の置換可能な2個の水素が=Oで置換されている環も含む(すなわち、ヘテロシクリルは、環中にカルボニル基を持つ環を含む)。そうしたヘテロシクリル環の例として下記ピロリドンがある。
【0078】
【化18】

「ヘテロアラルキル」とは、ヘテロアリールおよびアルキルが前に記載した通りであるヘテロアリール−アルキル−基を意味する。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含む。好適なアラルキル基の非限定的な例として、ピリジルメチル、2−(フラン−3−イル)エチルおよびキノリン−(3−イル)メチルが挙げられる。親部分との結合は、アルキルを介した結合である。
【0079】
「ヘテロアラルケニル」とは、ヘテロアリールおよびアルケニルが前に記載した通りであるヘテロアリール−アルケニル−基を意味する。好ましいヘテロアラルケニルは、低級アルケニル基を含む。好適なヘテロアラルケニル基の非限定的な例として、2−(ピリド−3−イル)エテニルおよび2−(キノリン−3−イル)エテニルが挙げられる。親部分との結合は、アルケニルを介した結合である。
【0080】
「ヒドロキシアルキル」とは、アルキルが前に定義した通りであるHO−アルキル−基を意味する。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含む。好適なヒドロキシアルキル基の非限定的な例として、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。親部分との結合は、アルキルを介した結合である。
【0081】
「ヒドロキサマート」とは、アルキル−C(=O)NH−O−基を意味する。親部分との結合は、酸素基を介した結合である。
【0082】
「環系置換基」とは、たとえば、環系上の置換可能な水素と置換されている、芳香または非芳香環系に結合した置換基を意味する。環系置換基は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アロイル、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルコキシ、アラルコキシカルボニル、アミノ、−NH(アルキル)、−N(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(シクロアルキル)、−NH(アリール)、−N(アリール)、−NH(ヘテロアリール)、−N(ヘテロアリール)、−NH(ヘテロシクリル)、N(ヘテロシクリル)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシル、カルボキシアルキル(非限定的な例としてエステルがある)、シアノ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、カルボニル(非限定的な例としてケトンがある)、−C(=O)ヘテロシクリル、ホルミル(非限定的な例としてアルデヒドがある)、カルボキサミド(すなわち、アミド、−C(=O)NH)、−C(=O)N(アルキル)、−C(=O)NH(アルキル)、−C(=O)N(シクロアルキル)、−C(=O)NH(シクロアルキル)、アルキルC(=O)NH−、−アミジノ、ヒドラジド、ヒドロキサマート、−NHC(=O)H、−NHC(=O)アルキル、尿素(たとえば、−NH(C=O)NH)、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(アルキル)、−NH(C=O)NH(ヘテロアリール)、−NH(C=O)NH(ヘテロシクリル)、グアニジニル、−NHC(=NCN)NH、−NHC(=NCN)N(アルキル)、カルバモイル(すなわち、−CONH)、−NHC(=O)Oアルキル、−CON(アルキル)、−NHC(=O)NH−S(O)アルキル、−NHC(=O)N(アルキル)−S(O)アルキル、−NH−S(O)アルキル、−NH−S(O)ヘテロアリール、−N(アルキル)−S(O)アルキル、−NH−S(O)アリール、−N(アルキル)−S(O)アリール、−NH−S(O)NH、−NH−S(O)NHアルキル、−NH−S(O)N(アルキル)、チオ、アルキルチオカルボキシ、−S(O)アルキル、−S(O)アリール、−OS(O)アルキル、−OS(O)アリール、スルホニル尿素(非限定的な例として−NHC(=S)NHアルキルがある)およびOSi(アルキル)からなる群から選択される。
【0083】
「スピロアルキル」とは、アルキル基の2個の炭素原子が親分子基の1個の炭素原子に結合することで、3〜11個の原子の炭素環式環または複素環式環を形成しているアルキレン基を意味する。代表的な構造は、以下のような例を含む。
【0084】
【化19】

本発明のスピロアルキル基は任意に、1つまたは複数の環系置換基で置換されていてもよい。「環系置換基」は、本明細書に定義されている通りである。
【0085】
さらに、「環系置換基」は、1または2個のヘテロ原子を含んでいてもよい3〜7個の環原子の環状環であって、アリール環、ヘテロアリール環、ヘテロシクリル環上の2個の環水素原子が同時に置換されることで、前記アリール環、ヘテロアリール環またはヘテロシクリル環に結合している環状環も意味する。非限定的な例として、下記などがある。
【0086】
【化20】

「任意に置換されている」という語は、置換可能な位置において特定の基、ラジカルまたは部分で任意に置換されていることを意味する。
【0087】
化合物における部分(非限定的な例として置換基、基または環)の数に関する「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」という語句は、他に定義しない限り、その部分の数が化学的に許容される数と同数であってもよいことを意味し、そうした部分の最大数の判定に関しては、十分に当業者の知識の範囲内にある。置換基数は、好ましくは1〜3、あるいは一層好ましくは1〜2であり、少なくとも1つはパラ位である。
【0088】
本明細書で使用する場合、「組成物」という語は、特定の成分を特定の量で含む生成物、および特定の成分を特定の量で組み合わせて直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図している。
【0089】
結合としての直線
【0090】
【化21】

は通常、考えられる異性体の混合物またはその考えられる異性体のいずれかを示し、非限定的な例として、(R)および(S)立体化学がある。たとえば、
【0091】
【化22】

破線
【0092】
【化23】

は、任意の結合を表す。
【0093】
たとえば、以下のように環系の中に引かれている線は、表記の線(結合)が置換の可能な環原子のいずれかに結合していてもよいことを示し、非限定的な例として、炭素環原子、窒素環原子および硫黄環原子が挙げられる。
【0094】
【化24】

当該技術分野において周知のように、結合の末端の部分が記載されていない特定の原子から引かれる結合は、その結合を介してその原子にメチル基結合が結合していることを表す。たとえば:
【0095】
【化25】

また、本明細書の本文、スキーム、例、構造式および任意の表において原子価が不飽和な任意のヘテロ原子については、原子価を飽和するために水素原子を有することが想定される点にも注意すべきである。
【0096】
また、本明細書では、本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も意図している。「プロドラッグ」という語は、本明細書で使用する場合、被検体に投与されると、代謝プロセスまたは化学プロセスにより化学的に変換されて式1の化合物またはその塩および/または溶媒和物となる薬剤前駆である化合物を示す。プロドラッグの考察については、どちらもその参照によって本明細書に援用するT.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)Volume 14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche,ed.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに記載されている。
【0097】
本出願では、たとえば、式1の化合物に可逆的に変換され得るグルクロニドおよびサルフェートのような「代謝コンジュゲート」を意図している。
【0098】
「有効量」または「治療有効量」とは、CXCR3を拮抗し、したがって好適な患者において所望の治療効果を発揮するのに効果的な本発明の化合物または組成物の量をいうものとする。
【0099】
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0100】
「患者」は、ヒトと動物の両方を含む。
【0101】
「溶媒和物」とは、本発明の化合物と1つまたは複数の溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合には、様々な強さのイオン結合および共有結合(水素結合を含む)が含まれる。溶媒和物については、たとえば、結晶性固体の結晶格子に1つまたは複数の溶媒分子が取り込まれると、単離できる場合がある。「溶媒和物」は、液相溶媒和物および単離可能な溶媒和物を共に包含する。好適な溶媒和物の非限定的な例として、エタノラート、メタノラートなどが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。一般に、溶媒和形態は非溶媒和形態と等価であり、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0102】
式1の化合物はまた、本発明の範囲内である塩を形成する。本明細書で式1の化合物に関して述べる場合、他に記載がない限り、その塩を含むものと解釈される。本明細書で使用する場合、「塩」という語は、無機および/または有機酸により形成される酸性塩と、無機および/または有機塩基により形成される塩基性塩とを示す。さらに、式1の化合物が、以下に限定されるものではないが、ピリジンまたはイミダゾールなどの塩基性部分と、以下に限定されるものではないが、カルボン酸などの酸性部分とを含む場合、両性イオン(「分子内塩」)を形成することがあり、これも、本明細書で使用するような「塩」という語に含まれる。薬学的に許容される(非限定的な例として、無毒性、生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式1の化合物の塩は、たとえば、塩が沈殿するような媒体中または水性媒体中で式1の化合物を一定量(例えば、等量)の酸または塩基と反応させ、次に凍結乾燥させることにより形成することができる。通常、塩基性(または酸性)医薬化合物から薬学的に有用な塩を形成するのに好適と考えられる酸(および塩基)に関しては、たとえば、S.Berge et al,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Anderson et al,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;in The Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.on their website);and P.Heinrich Stahl,Camille G.Wermuth(Eds.),Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,(2002)Int’l.Union of Pure and Applied Chemistry,pp.330−331により論じられている。こうした開示内容については、その参照によって本明細書に援用する。
【0103】
例示的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩(本明細書で述べたものなど)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシラートとも呼ばれる)ウンデカン酸塩などがある。
【0104】
例示的な塩基性塩として、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、アルミニウム塩、亜鉛塩、ベンザチン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンにより形成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド、t−ブチルアミン、ピペラジン、フェニルシクロヘキシルアミン、コリン、トロメタミンなどの有機塩基(たとえば、有機アミン)との塩、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)との塩などが挙げられる。塩基性窒素含有基については、低級アルキルハロゲン化物(非限定的な例として、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチルがある)、硫酸ジアルキル(非限定的な例として、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミルがある)、長鎖ハロゲン化物(非限定的な例として、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル、ヨウ化ステアリル)、ハロゲン化アラルキル(非限定的な例として、臭化ベンジルおよび臭化フェネチルがある)および他の薬で四級化してもよい。
【0105】
こうした酸性塩および塩基性塩についてはすべて、本発明の範囲内の薬学的に許容される塩であることを意図しており、本発明において、酸性塩および塩基性塩はすべて、その化合物の遊離型と同等と見なす。
【0106】
本化合物の薬学的に許容されるエステルは、以下の群:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステルであって、エステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分が直鎖または分枝鎖アルキル(たとえば、アセチル、n−プロピル、t−ブチルまたはn−ブチル)、アルコキシアルキル(たとえば、メトキシメチル)、アラルキル(たとえば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(たとえば、フェノキシメチル)、アリール(たとえば、任意にハロゲン、C1〜4アルキルもしくはC1〜4アルコキシまたはアミノなどで置換されているフェニル)から選択されるカルボン酸エステル;(2)アルキルスルホニルまたはアラルキルスルホニル(たとえば、メタンスルホニル)などのスルホン酸エステル;(3)アミノ酸エステル(たとえば、L−バリルまたはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステルおよび(5)一リン酸エステル、二リン酸エステルまたは三リン酸エステルを含む。リン酸エステルは、たとえば、C1〜20アルコールもしくはその反応性誘導体または2,3−ジ(C6〜24)アシルグリセロールでさらにエステル化されていてもよい。
【0107】
式1の化合物およびその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、互変異性体(たとえば、アミドまたはイミノエーテル)として存在してもよい。本明細書では、そうした互変異性体をすべて本発明の一部として意図している。
【0108】
本化合物(本化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグのほか、プロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルの化合物を含む)のすべての立体異性体(たとえば、幾何異性体、光学異性体など)、たとえば、様々な置換基上の不斉炭素が原因で存在し得るエナンチオマー形態(不斉炭素がなくても存在することがある)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオ異性体のような立体異性体などは、本発明の範囲内であることを意図している。本発明の化合物の個々の立体異性体は、たとえば、実質的に他の異性体を含まなくてもよいし、あるいは、たとえば、ラセミ化合物として、または他のすべての立体異性体もしくは他の特定の立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心の立体配置は、IUPACの1974年勧告により定義されるS配置でもR配置でもよい。「塩」、「溶媒和物」「プロドラッグ」および同種の語を使用する場合、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに同様に適用されることを意図している。
【0109】
また、本明細書および本明細書に添付の特許請求の範囲において、原子価が不飽和な任意の式、化合物、部分または化学図表については、文脈で結合を示す場合を除き、原子価を飽和するために水素原子を有することが想定される点に注意する必要がある。
【0110】
一実施形態では、本発明は、上記のようなCXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患を、上記に様々な定義を示した少なくとも1種の式1の化合物またはその薬学的に許容される誘導体を用いて処置することを開示する。
【0111】
本発明の別の実施形態は、式1中のGがジヒドロイミダゾール環、イミダゾール環、ジヒドロオキサゾール環、オキサゾール環、ジヒドロオキサジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環またはテトラゾール環を表す、方法に関する。
【0112】
本発明の別の実施形態は、式1中の環Gが、下記
【0113】
【化26】

からなる群から選択される方法に関し、式中、
【0114】
【化27−1】

は、単結合または二重結合である。
【0115】
本発明の別の実施形態は、式1のRが、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択される方法に関する。
【0116】
本発明の別の実施形態は、式1中のRが、H、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−F、−Cl、OCH、OCFおよびCFからなる群から選択される方法に関する。
【0117】
本発明の別の実施形態は、式1中のRが、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択される方法に関する。
【0118】
本発明の別の実施形態は、式1中のRが、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキルおよび−NR30C(=O)アルキルからなる群から選択される方法に関する。
【0119】
本発明の別の実施形態は、式1中のRが、H、−NH、−NHC(=O)CH、−NHC(=O)N(CH、−CH、−CNおよび−Fからなる群から選択される方法に関する。
【0120】
本発明の別の実施形態は、式1中のRが、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、シクロアルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−(CHC(=O)NHR31、−(CHSO31、−(CHNSO31、−(CHSONHR31および−C(=O)−アリール−ハロゲンからなる群から選択される方法に関する。
【0121】
本発明の別の実施形態は、式1中のR部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択される方法に関する。
【0122】
本発明の別の実施形態は、式1中のR部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、−OH、シクロプロピル、−CF、−CH、−CHOH、−CHCHOH、−C(CHOH、−CHCHOCH、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−CHNH、−CHCHNH、−CHCHNHSOCH、−CHCHSOCH、−C(=O)NH、−C(=O)N(H)CHCHOH、−CHN(H)C(=O)CF、−C(=O)N(H)−シクロプロピル、−C(=O)N(H)CHCF、−NH、−NHCH、−N(CH、−N(H)CHCH、−N(H)−シクロプロピル−CH、−N(H)CH(CH、−N(H)CHCHCH、−N(H)CHC(=O)OCH、−N(H)CHC(=O)OCHCH、−N(H)CHC(=O)NH−シクロプロピル、−N(H)CHCHOH、−N(H)CHCHNH、−N(H)CHCHNHSOCH、−N(H)CHCHSOCH、−N(H)C(=O)N(H)CHCH、−N(H)CHC(=O)NH、−OCH、−N(CHCH)S(=O)−フェニル−アルキル、−N(H)S(=O)−アルキル、=Sおよび=Oからなる群から選択される方法に関する。
【0123】
本発明の別の実施形態は、式1中のR部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、−OH、−CF、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−CHCHOH、−CHCHNH、−NH、−NHCH、−N(H)CHCH、−N(H)CH(CH、−N(H)CHCHCH、−N(H)−シクロプロピル−CH、−N(H)CHC(=O)OCH、−N(H)CHC(=O)OCHCH、−N(H)CHC(=O)NHCH、−N(H)CHC(=O)NH−シクロプロピル、−N(H)CHCHOH、−N(CHCH)S(=O)−フェニル−アルキルおよび−N(H)S(=O)−アルキルからなる群から選択される方法に関する。
【0124】
本発明の別の実施形態は、式1中のR10が、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される方法に関する。
【0125】
本発明の別の実施形態は、式1中のR10が、−CH、−CHCHおよび−CHCHCHからなる群から選択され、mは0〜2である方法に関する。
【0126】
本発明の別の実施形態は、式1中のR11が、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される方法に関する。
【0127】
本発明の別の実施形態は、式1中のR11がHまたは−CHである方法に関する。
【0128】
本発明の別の実施形態は、式1中のR12が、H、CN、−C(=O)N(R30およびアルキルからなる群から選択される方法に関する。
【0129】
本発明の別の実施形態は、式1中のR12が、H、−CH、CNおよび−CHCHからなる群から選択される方法に関する。
【0130】
本発明の別の実施形態は、式1中の環Dの環原子が独立にC、N、OおよびSであり、0〜4個のR20部分で置換されている方法に関する。
【0131】
本発明の別の実施形態は、式1中の環Dの環原子が独立にCまたはNであり、0〜4個のR20部分で置換されている方法に関する。
【0132】
本発明の別の実施形態は、式1中の環Dが、5〜6員のアリール環、ヘテロアリール環、ヘテロシクレニル環またはヘテロシクリル環であり、0〜4個のR20部分で置換されている方法に関する。
【0133】
本発明の別の実施形態は、式1中のR20部分が同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルヘテロアリール、アルキルスルフィニル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、アミジニル、アラルキル、アラルコキシ、アリール、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、
【0134】
【化27−2】

からなる群から選択される方法に関する。
【0135】
本発明の別の実施形態は、式1中のR20部分が同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アミノ、ハロゲン、
【0136】
【化27−3】

からなる群から選択される方法に関する。
【0137】
本発明の別の実施形態は、式1中の2個のR20部分が一緒に結合して5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、前記5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、その縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されている方法に関する。
【0138】
本発明の別の実施形態は、式1中のR20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、−CN、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−CF、−CHOH、−CH−S(=O)CH、−C(=O)H、−COH、−COCH、−NH、−N(H)CH、−N(H)S(=O)CH、−OCF、−OH、F、Cl、Br、−C(=NOH)NH、−OCHCHS(O)CH、−C(=O)NHおよび下記からなる群から選択される方法に関する。
【0139】
【化28】

本発明の別の実施形態は、式1中のR21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される方法に関する。
【0140】
本発明の別の実施形態は、式1中のYが、−(CHR13−、−(CR1313−、−C(=O)−、−CHR13C(=O)−および−(CHR13C(=O)からなる群から選択される方法に関する。
【0141】
本発明の別の実施形態は、式1中のYが、−(CHR13−、−(CR1313−、−C(=O)−および−CHR13C(=O)−からなる群から選択される方法に関する。
【0142】
本発明の別の実施形態は、式1中のYが、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択される方法に関する。
【0143】
本発明の別の実施形態は、式1中のmが0〜2である方法に関する。
【0144】
本発明の別の実施形態は、式1中のnが0〜2である方法に関する。
【0145】
本発明の別の実施形態は、式1中のqが1または2である方法に関する。
【0146】
本発明の別の実施形態は、式1中のrが1または2である方法に関する。
【0147】
本発明の別の実施形態は、式1中の環Gが、下記からなる群から選択される方法に関する。
【0148】
【化29】

【0149】
【化30】

は、単結合または二重結合であり;
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択され;
は、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択され;
10は、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択され;
11は、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択され;
12は、H、CN、−C(=O)N(R30およびアルキルからなる群から選択され;
環Dは、5〜6員のアリール環、ヘテロアリール環、ヘテロシクレニル環またはヘテロシクリル環であり、0〜4個のR20部分で置換されており;
20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロゲン、
【0150】
【化31】

および−OSO(R31)からなる群から選択され;あるいは、2個のR20部分は結合して5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、前記5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、その縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択され;
Yは、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択され;
mは0〜2であり;
nは0〜2であり;
qは1または2であり;および
rは1または2である。
【0151】
本発明の別の実施形態は、式1の化合物が、下記の構造式2〜11で表される方法に関する。
【0152】
【化32】

【0153】
【化33】

【0154】
【化34】

式中:
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、シクロアルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−(CHC(=O)NHR31、−(CHSO31、−(CHNSO31、−(CHSONHR31および−C(=O)−アリール−ハロゲンからなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CΗOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択され;
LはCまたはNであり;
式4の
【0155】
【化35】

は、単結合または二重結合であり;
式9のXは、N、OまたはSであり;
pは0〜4であり;および
m、n、q、R10、R11、R12、R20およびYは、請求項1に定義する通りである。
【0156】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のRが、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択される方法に関する。
【0157】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のRが、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択される方法に関する。
【0158】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のR部分が、同一または異なっており、各々が独立に、H、−OH、シクロプロピル、−CF、−CH、−CHOH、−CHCHOH、−C(CHOH、−CHCHOCH、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−CHNH、−CHCHNH、−CHCHNHSOCH、−CHCHSOCH、−C(=O)NH、−C(=O)N(H)CHCHOH、−CHN(H)C(=O)CF、−C(=O)N(H)−シクロプロピル、−C(=O)N(H)CHCF、−NH、−NHCH、−N(CH、−N(H)CHCH、−N(H)−シクロプロピル−CH、−N(H)CH(CH、−N(H)CHCHCH、−N(H)CHC(=O)OCH、−N(H)CHC(=O)OCHCH、−N(H)CHC(=O)NH−シクロプロピル、−N(H)CHCHOH、−N(H)CHCHNH、−N(H)CHCHNHSOCH、−N(H)CHCHSOCH、−N(H)C(=O)N(H)CHCH、−N(H)CHC(=O)NH、−OCH、−N(CHCH)S(=O)−フェニル−アルキル、−N(H)S(=O)−アルキル、=Sおよび=Oからなる群から選択される方法に関する。
【0159】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のR10が、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される方法に関する。
【0160】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のR11が、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される方法に関する。
【0161】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のR12が、H、−CH、CNまたは−CHCHからなる群から選択される方法に関する。
【0162】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のR20部分が同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロゲン、
【0163】
【化36】

および−OSO(R31)からなる群から選択され;あるいは、2個のR20部分は結合して5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、前記5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、その縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;および
21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される、方法に関する。
【0164】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のR20部分が同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、−CN、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−CF、−CHOH、−CH−S(=O)CH、−C(=O)H、−COH、−COCH、−NH、−N(H)CH、−N(H)S(=O)CH、−OCF、−OH、F、Cl、Br、−C(=NOH)NH、−OCHCHS(O)CH、−C(=O)NH
【0165】
【化37】

からなる群から選択され、あるいは、2個のR20部分は結合して5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、前記5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、その縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される、方法に関する。
【0166】
本発明の別の実施形態は、上記に示した式2〜11中のLが炭素である方法に関する。
【0167】
本発明の別の実施形態は、上記に示した式2〜11中のLが窒素である方法に関する。
【0168】
本発明の別の実施形態は、上記に示した式2〜11中のYが、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択される方法に関する。
【0169】
本発明の別の実施形態は、式2〜11中のRが、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択され;
は、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択され;
10は、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択され;
20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロゲン、
【0170】
【化38】

および−OSO(R31)からなる群から選択され;あるいは、2個のR20部分は結合して5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、前記5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、その縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択され;
Yは、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択され;
mは0〜2であり;
nは0〜2であり;
qは1または2であり;および
rは1または2である、方法に関する。
【0171】
本発明の別の実施形態は、化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルが、下記からなる群から選択される方法に関する。いくつかの化合物については、ヒトIC50値(nM単位)を記載してある(構造の下の括弧内)。
【0172】
【化39】

【0173】
【化40】

【0174】
【化41】

【0175】
【化42】

【0176】
【化43】

本発明の別の実施形態は、化合物が以下の表1に示す化合物(またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステル)のリストから選択される方法に関する。この表1の化合物に関しては、IC50の評価を一緒に示す。IC50値は、約25ナノモル濃度(nM)未満のIC50値を「A」、約25〜約100nMの範囲のIC50値を「B」、および約100nMを超えるIC50値を「C」と評価した。たとえば、化合物番号1のIC50値は、0.2nMである。
【0177】
【表1−1】

【0178】
【表1−2】

【0179】
【表1−3】

【0180】
【表1−4】

【0181】
【表1−5】

【0182】
【表1−6】

【0183】
【表1−7】

【0184】
【表1−8】

【0185】
【表1−9】

【0186】
【表1−10】

【0187】
【表1−11】

【0188】
【表1−12】

【0189】
【表1−13】

【0190】
【表1−14】

【0191】
【表1−15】

【0192】
【表1−16】

【0193】
【表1−17】

【0194】
【表1−18】

【0195】
【表1−19】

【0196】
【表1−20】

【0197】
【表1−21】

【0198】
【表1−22】

【0199】
【表1−23】

【0200】
【表1−24】

【0201】
【表1−25】

【0202】
【表1−26】

【0203】
【表1−27】

【0204】
【表1−28】

【0205】
【表1−29】

【0206】
【表1−30】

【0207】
【表1−31】

【0208】
【表1−32】

【0209】
【表1−33】

【0210】
【表1−34】

【0211】
【表1−35】

【0212】
【表1−36】

【0213】
【表1−37】

【0214】
【表1−38】

【0215】
【表1−39】

本発明の別の実施形態は、式1に記載の化合物が精製された形である方法に関する。
【0216】
本発明の別の実施形態は、医薬組成物が、少なくとも1種の薬学的に許容されるキャリアと組み合わせて少なくとも1種の式1の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを含む、方法に関する。
【0217】
本発明の別の実施形態は、医薬組成物が、式1の化合物以外に、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患を処置する少なくとも1種の他の薬、薬剤、薬物、抗体および/または阻害剤をさらに含む、方法に関する。
【0218】
併用療法剤の投与を必要とする患者に併用療法剤を投与する場合、併用した治療薬、またはその治療薬を含む医薬組成物は、たとえば、連続的に、同時に、一緒に、共になど、任意の順序で投与され得る。そうした併用療法剤における様々な有効成分の量は、相異なる量(相異なる投薬量)でも、同じ量(同じ投薬量)でもよい。したがって、非限定的な例示として、式1の化合物およびもう1つの治療薬は、単一投薬ユニット(たとえば、カプセル剤、錠剤など)中に一定量(投薬量)で存在していても構わない。2種類の活性化合物を一定量で含むそうした単一投薬ユニットの市販例として、VYTORIN(登録商標)(Merck Schering−Plough Pharmaceuticals,Kenilworth,New Jerseyから市販されている)が挙げられる。
【0219】
なお別の実施形態では、本発明は、式1の本発明の複素環式置換ピペラジン化合物を活性成分として含む医薬組成物の調製方法を開示する。本発明の医薬組成物および方法では、一般に、目的の投与形態、すなわち、経口錠剤、(固体充填、半固体充填または液体充填のいずれかの)カプセル剤、構成のための散剤、経口ゲル、エリキシル剤、分散性顆粒、シロップ、懸濁剤などに関して適切に選択した適切なキャリア材料と活性成分とを混合して、従来の医療慣行に従って投与する。たとえば、錠剤またはカプセル剤形態の経口投与の場合、薬剤の活性成分を、ラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)など、薬学的に許容される経口用の任意の無毒、不活性キャリアと組み合わせてもよい。さらに、望ましい場合あるいは必要な場合、この混合物に、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を加えてもよい。散剤および錠剤は、本発明の組成物の約5〜約95パーセントを構成し得る。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖、トウモロコシ甘味料、アカシアなどの天然または合成ガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびワックスが挙げられる。上記の剤形に使用できる滑沢剤には、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、グアーガムなどがある。また、必要に応じて、甘味剤、着香剤および防腐剤を含ませてもよい。上記の用語のいくつか、すなわち、崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤などについては、以下で詳細に検討する。
【0220】
さらに、本発明の組成物に関しては、治療効果、すなわち、抗炎症活性などを最適化するため、徐放形態で製剤化して1つまたは複数の任意の要素または活性成分の放出速度を制御してもよい。徐放に好適な剤形として、崩壊速度の異なる層を含む層状錠剤、または活性要素を含浸させ錠剤の形にした放出制御ポリマーマトリックス、またはそのように含浸させるか、カプセル化した多孔性ポリマーマトリックスを含むカプセル剤が挙げられる。
【0221】
液体形態の製剤としては、液剤、懸濁剤およびエマルジョンがある。たとえば、非経口注射用の水または水−プロピレングリコール液剤が挙げられる。あるいは、経口用の液剤、懸濁剤およびエマルジョンには、甘味料および不透明化剤を加えてもよい。液体形態の製剤としては、鼻腔内投与用の液剤を挙げることもできる。
【0222】
吸入に好適なエアロゾル製剤としては、液体および粉状の固体が挙げられ、不活性な圧縮ガス、たとえば窒素などの薬学的に許容されるキャリアと組み合わせてもよい。
【0223】
坐剤を調製する場合は、最初にカカオバターのような脂肪酸グリセリドの混合物など低融点ワックスを融解させ、撹拌または類似の混合により活性成分をその中に均一に分散させる。次いで、この均一な溶融混合物を都合のよい大きさの型に注ぎ、放冷して凝固させる。
【0224】
また、固体形態の製剤としては、経口投与あるいは非経口投与に際し、使用の直前に液体形態の製剤に変換することを意図しているものもある。その液体形態には、液剤、懸濁剤およびエマルジョンがある。
【0225】
さらに、本発明の化合物は、経皮送達が可能なものであってもよい。経皮用組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/またはエマルジョンの形態としてもよく、このような場合に当該技術分野において標準的であるマトリックス型またはリザバー型の経皮パッチに含ませもよい。
【0226】
好ましくは、本発明の化合物は経口投与される。
【0227】
好ましくは、本医薬品は単位剤形にする。そうした形態では、たとえば、所望の目的を達成する有効量など適量の活性要素を含む好適な大きさの単位用量に医薬品を細分する。
【0228】
単位用量の製剤における本発明の活性組成物の量は通常、個々の用途に応じて約1.0ミリグラム〜約1,000ミリグラム、好ましくは約1.0〜約950ミリグラム、一層好ましくは約1.0〜約500ミリグラム、一般には約1〜約250ミリグラムに変更または調整してもよい。実際に使用する投薬量については、患者の年齢、性別、体重および処置対象の状態の重症度によって変更することができる。そうした技法は、当業者によく知られている。
【0229】
通常、本活性成分を含むヒト経口剤形は、1日に1回投与しても、2回投与してもよい。投与の量および頻度は、担当臨床医の判断に従って調節される。経口投与の一般に推奨される1日の投薬レジメンは、単回投与または分割投与で1日に約1.0ミリグラム〜約1,000ミリグラムまでの幅があってもよい。
【0230】
以下に、いくつかの有用な用語について説明する。
【0231】
カプセル剤とは、活性成分を含む組成物を保持または含有できるように、メチルセルロース、ポリビニルアルコールまたは変性ゼラチンもしくはデンプンで作製された特殊な容器または囲いをいう。硬質の外殻カプセルは一般に、ゲル強度が比較的高い骨ゼラチンと豚皮膚ゼラチンとのブレンドから作られる。カプセル自体に、色素、不透明化剤、可塑剤および防腐剤を少量含ませてもよい。
【0232】
錠剤とは、活性成分と好適な希釈剤とを含む、圧縮または成形した固形剤形をいう。錠剤は、混合物、あるいは湿式造粒、乾式造粒または締固めにより得られた造粒物を圧縮して調製することができる。
【0233】
経口ゲルとは、親水性半固体マトリクッス中に活性成分が分散または可溶化しているものをいう。
【0234】
構成のための散剤とは、活性成分および好適な希釈剤を含み、水またはジュースに懸濁できる粉末ブレンドをいう。
【0235】
希釈剤とは、主に組成物または剤形の大部分を構成する物質をいう。好適な希釈剤として、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールなどの糖;コムギ、トウモロコシ、米およびジャガイモ由来のデンプン;および微結晶性セルロースなどのセルロースが挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、組成物全体の約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75%、一層好ましくは約30〜約60重量%、なお一層好ましくは約12〜約60%の範囲であってもよい。
【0236】
崩壊剤とは、組成物が壊れ(崩壊し)、薬物が放出されるのを助けるため加える材料をいう。好適な崩壊剤として、デンプン;カルボキシメチルデンプンナトリウムなどの「冷水可溶性」改変デンプン;ローカストビーン、カラヤ、ガウア、トラガントおよび寒天などの天然または合成ガム;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体;微結晶性セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムなどの架橋微結晶性セルロース;アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムなどのアルギナート;ベントナイトなどの粘土;および発泡性混合物が挙げられる。組成物における崩壊剤の量は、組成物の約2〜約15重量%、一層好ましくは約4〜約10重量%の範囲であってもよい。
【0237】
結合剤とは、製剤において粉末を結合または「接着」させ、顆粒を形成して粘着させることで、「接着剤」として働く物質をいう。結合剤を加えると、希釈剤またはバルク剤にすでにある粘着強度が高まる。好適な結合剤として、スクロースなどの糖;コムギ、トウモロコシ、米およびジャガイモ由来のデンプン;アカシア、ゼラチンおよびトラガントなどの天然ゴム;アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸アンモニウムカルシウムなどの海藻から得られた物質;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体材料;ポリビニルピロリドン;およびケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの無機物が挙げられる。組成物における結合剤の量は、組成物の約2〜約20重量%、一層好ましくは約3〜約10重量%、なお一層好ましくは約3〜約6重量%の範囲であってもよい。
【0238】
滑沢剤とは、剤形に加えて摩擦または摩耗を減らすことで圧縮後の錠剤、顆粒剤などを鋳型または型(die)から取り出せるようにする物質をいう。好適な滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウムなどのステアリン酸金属塩;ステアリン酸;高融点ワックス;および塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd’l−ロイシンなどの水溶性滑沢剤が挙げられる。滑沢剤は、顆粒剤の表面上に、そしてこの表面と打錠機の部分との間に存在する必要があるため、ほとんどの場合、圧縮前の最終ステップで加える。組成物における滑沢剤の量は、組成物の約0.2〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2%、一層好ましくは約0.3〜約1.5重量%の範囲であってもよい。
【0239】
流動促進剤とは、造粒物の固化を防止し、流動特性を向上させ、流れを円滑かつ一様にする材料である。好適な流動促進剤として、二酸化ケイ素およびタルクが挙げられる。組成物における流動促進剤の量は、組成物全体の約0.1%〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であってもよい。
【0240】
着色剤とは、組成物または剤形に色を与える賦形剤である。そうした賦形剤として、食品グレードの色素、および粘土または酸化アルミニウムなどの好適な吸着剤に吸着させた食品グレードの色素を挙げることができる。着色剤の量は、組成物の約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1%の幅があってもよい。
【0241】
バイオアベイラビリティーとは、標準または対照に比べて、薬剤の活性成分または治療用部分が投与剤形から体循環に吸収される速度および程度をいう。錠剤を調製する従来の方法については、公知である。そうした方法として、直接圧縮および圧縮により生成された造粒物の圧縮などの乾式法、または湿式法もしくは他の特殊な手順が挙げられる。たとえば、カプセル剤、坐剤などなど、投与用の他の形態を製造する従来の方法も公知である。
【0242】
本開示に対して材料および方法共に多くの修正、変形および変更を実施できることが当業者には明らかであろう。そうした修正、変形および変更については、本発明の精神および範囲内にあることを意図している。
【0243】
前述の通り、本発明は、本化合物の互変異性体、エナンチオマーおよび他の立体異性体も含む。したがって、当業者が知っているように、ある種のイミダゾール化合物は、互変異性体として存在してもよい。そうした変形形態については、本発明の範囲内にあることを意図している。本発明のある種の化合物は、多様な結晶形態で存在しても、非結晶形態で存在してもよい。本発明のあらゆる物理的形状が意図される。
【0244】
本発明では、原子同位体を不自然な比率で含む本発明の化合物(すなわち「放射能標識化合物」)を、その使用が治療的、診断的、あるいは研究用試薬としてであるかを問わず、意図している。
【0245】
本発明の別の実施形態は、処置を必要とする患者においてCXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患の疾患を処置するための、上記に開示した医薬組成物の使用であって、治療有効量の少なくとも1種の式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを患者に投与することを含む、使用を開示する。
【0246】
別の実施形態では、本方法は、薬学的に許容されるキャリアと組み合わせて、(a)治療有効量の少なくとも1種の式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを(b)CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患を処置するための少なくとも1種の他の薬、薬剤、薬物、抗体および/または阻害剤と同時または連続的に、患者に投与することに関する。
【0247】
別の実施形態では、少なくとも1種の式1の化合物は、CXCR3受容体に結合する。
【0248】
本方法は、(a)治療有効量での少なくとも1種の式1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを、(b)疾患修飾性抗リウマチ剤;非ステロイド系抗炎症剤;COX−2選択的阻害剤;COX−1阻害剤;免疫抑制薬(シクロスポリンおよびメトトレキサートなど);ステロイド(グルコルチコイドのようなコルチコステロイドなど);PDE−IV阻害剤、抗TNF−α化合物、TNF−α−コンバターゼ(TACE)阻害剤、MMP阻害剤、サイトカイン阻害剤、糖質コルチコイド、CCR2、CCR5およびCXCR2などの他のケモカイン阻害剤、CB2選択的阻害剤、p38阻害剤、生物学的応答調節剤;抗炎症薬および治療剤からなる群から選択される少なくとも1種の薬物と同時または連続的に投与することをさらに含んでもよい。
【0249】
本発明の別の実施形態は、(b)の少なくとも1種の薬物がケモカイン阻害剤である方法に関する。
【0250】
本発明の別の実施形態は、(b)の少なくとも1種の薬物が、CXCR2受容体アンタゴニストまたはアゴニストであるケモカイン阻害剤である方法に関する。
【0251】
本発明の別の実施形態は、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、線維性疾患、全身性紅斑性狼瘡(SLE)および移植片対宿主病(GVHD)からなる群から選択される方法に関する。
【0252】
本発明の別の実施形態は、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息からなる群から選択される方法に関する。
【0253】
本発明の別の実施形態は、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患が全身性紅斑性狼瘡(SLE)である方法に関する。
【0254】
本発明の別の実施形態は、前記CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息からなる群から選択される方法であって、その処置方法は、式1の化合物と同時または連続的に、β−アゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニスト、PDE4阻害剤およびコルチコステロイドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0255】
本発明の別の実施形態は、前記CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患が全身性紅斑性狼瘡(SLE)であって、その処置方法は、式1の化合物と同時または連続的に、免疫抑制薬およびコルチコステロイドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を投与することを含む、方法に関する。
【0256】
別の実施形態では、式1の化合物は、疼痛、急性炎症、慢性炎症、関節リウマチ、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、COPD、成人の呼吸器疾患、関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、毒素性ショック症候群、卒中、虚血再灌流障害、腎再灌流障害、糸球体腎炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、軽度認知機能障害、鬱病、不安症、移植片対宿主反応、同種移植片拒絶、急性呼吸窮迫症候群、遅延型過敏症反応、アテローム性動脈硬化症、脳虚血、変形性関節症、多発性硬化症、血管新生、骨粗鬆症、歯肉炎、呼吸器ウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、HIV、カポジ肉腫関連ウイルス、髄膜炎、嚢胞性線維症、早期陣痛、咳、掻痒症、多臓器機能不全、乾癬性関節炎、疱疹、脳炎、外傷性脳障害、CNS腫瘍、間質性肺臓炎、過敏症、結晶誘発性関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、急性アルコール性肝炎、壊死性腸炎、慢性副鼻腔炎、眼炎症、角膜新血管形成、多発性筋炎、ざ瘡、食道炎、舌炎、気流閉塞、気道過敏症、気管支拡張症、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、慢性気管支炎、呼吸困難、気腫、高炭酸ガス血症、過膨脹、低酸素血症、過酸素症誘導性の炎症、低酸素症、肺線維症、肺高血圧症、連続携行式腹膜透析に起因する腹膜炎、顆粒球エーリキア症、サルコイドーシス、末梢気道疾患、換気と血流のミスマッチ、喘鳴、感冒、痛風、アルコール性肝疾患、ループス、歯周炎、癌、移植に伴う再灌流傷害、早期移植拒絶反応、気道過敏、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性鼻炎、円形脱毛症、自己免疫性難聴、自己免疫性溶血性症候群、自己免疫性肝炎、自己免疫性ニューロパチー、自己免疫性卵巣機能不全、自己免疫性精巣炎、自己免疫性血小板減少症、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、硬変、皮膚筋炎、糖尿病、薬物誘発性自己免疫、子宮内膜症、線維性疾患、胃炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー疾患、橋本甲状腺炎、肝炎関連の自己免疫、HIV関連の自己免疫症候群および血液障害、下垂体炎(hypophytis)、間質性膀胱炎、若年性関節炎、ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans’ cell histiocytitis)、扁平苔癬、金属媒介性自己免疫、心筋炎、筋炎、ニューロパチー、腎炎症候群、視神経炎、膵炎、感染後自己免疫、原発性胆汁性硬変、反応性関節炎、強直性脊椎炎、ライター症候群、再灌流傷害、強膜炎、強皮症、自己免疫疾患の二次性の血液学的徴候、シリコーンインプラント関連の自己免疫疾患、シェーグレン症候群、全身性紅斑性狼瘡、横断性脊髄炎、尿細管間質性腎炎、ぶどう膜炎および白斑(vitiglio)からなる群から選択される疾患を処置するために使用され得る。
【0257】
本発明について上記の特定の実施形態と共に記載してきたが、その多くの代替、修正および変形が当業者には明らかであろう。そうした代替、修正および変形については、すべて本発明の精神および範囲に包含されることを意図している。
【0258】
本出願に言及した文書/参考文献(たとえば、特許公報、登録特許または科学学術論文)はいずれも、内容全体を参照によって援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、サルコイドーシス、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、強直性脊椎炎、線維性疾患、肺線維症、円形脱毛症、強皮症、扁平苔癬エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、ベーチェット病、ウェゲナー病、アトピー性皮膚炎および移植片対宿主病(GVHD)からなる群から選択されるCXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患の処置を必要とする患者において、該疾患を処置する方法であって、下記式1に示す一般構造を持つ治療有効量の少なくとも1種の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルを該患者に投与することを含み:
【化44−1】

式中:
Gは、5員のヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環を表し、該ヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環は、該ヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環の一部として少なくとも1つの−C=N−部分を含み、該ヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環は任意に、該環上にN、N(→O)、O、S、S(O)およびS(O)からなる群から選択される1つまたは複数の部分をさらに含み、該部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に選択され、さらに該ヘテロアリール環またはヘテロシクレニル環は、(i)非置換であっても、あるいは(ii)任意に独立して1個または複数個の環炭素原子上で1つまたは複数のR置換基で置換されているか、または1個または複数個の環窒素原子上で1つまたは複数のR置換基で置換されていてもよく、該RおよびR置換基は同一でも異なっていてもよく;
およびR部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルキルアリール、アラルキル、−CN、CF、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−N=CH−(R31)、−C(=O)N(R30、−N(R30、−OR30、−SO(R31)、−N(R30)C(=O)N(R30および−N(R30)C(=O)R31からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−C(=O)−アリール−ハロゲン、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−(CHC(=O)NHR31、CHC(=O)OR31、−(CHSO31、−(CHNSO31または−(CHSONHR31からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシ、アミジニル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、
【化44−2】

からなる群から選択され;
10部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールアルキル、−COH、ヒドロキシアルキル、−C(=O)N(R30、−(CHOH、−(CHOR31、−OR30、ハロゲン、=Oおよび−C(=O)R31からなる群から選択され;
11部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、アルキルアリール、アリールアルキル、カルボキサミド、COH、−(CHOH、−(CHOR31、−OR30、ハロゲン、=Oおよび−C(=O)R31からなる群から選択され;
12部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、−CN、−C(=O)N(R30、−(CHOH、−(CHOR31および−S(O)R31からなる群から選択され;
環Dは、5〜9員のシクロアルキル環、シクロアルケニル環、アリール環、ヘテロアリール環、ヘテロシクレニル環またはヘテロシクリル環であり、O、SまたはNから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を持ち、環Dは、非置換であるか、または任意に、独立に選択された1〜5個のR20部分で置換されており;
20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオカルボキシ、アルキルヘテロアリール、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、アミジニル、アラルキル、アラルケニル、アラルコキシ、アラルコキシカルボニル、アラルキルチオ、アリール、アロイル、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ホルミル、グアニジニル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサマート、ニトロ、トリフルオロメトキシ、
【化44−3】

からなる群から選択され;あるいは2個のR20部分は一緒に結合して、5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、ヘテロシクレニル環またはヘテロアリール環を形成し、該5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクリル環、ヘテロシクレニル環またはヘテロアリール環は環Dに縮合し、該縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
該R21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオカルボキシ、アルキルヘテロアリール、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、アミジニル、アラルキル、アラルケニル、アラルコキシ、アラルコキシカルボニル、アラルキルチオ、アリール、アロイル、アリールオキシ、カルボキサミド、シアノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ホルミル、グアニジニル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキサマート、ニトロ、トリフルオロメトキシ、
【化44−4】

からなる群から選択され;
Yは、共有結合、−(CR1313−、−CHR13C(=O)−、−(CHR13O−、−(CHR13N(R30)−、−C(=O)−、−C(=O)−(CHR13)−、−C(=O)−(CHR13−、−C(=NR30)−、−C(=N−OR30)−、−CH(C(=O)NHR30)−、CH−ヘテロアリール−、−C(R1313C(R13)=C(R13)−、−(CHR13C(=O)−および−(CHR13N(H)C(=O)−からなる群から選択され;あるいはYは、シクロアルキル、ヘテロシクレニルまたはヘテロシクリルであり、該シクロアルキル、ヘテロシクレニルまたはヘテロシクリルは、環Dと縮合しており;
該R13部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリル、スピロアルキル、
【化44−5】

からなる群から選択され;
30部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルキルアリール、アリール、アラルキル、シクロアルキル、−シクロアルキルアルキル、CN、−(CHOH、−(CHOアルキル、−(CHOアルキルアリール、−(CHOアリール、−(CHOアラルキル、−(CHOシクロアルキル、−(CHNH、−(CHNHアルキル、−(CHN(アルキル)、−(CHNHアルキルアリール、−(CHNHアリール、−(CHNHアラルキル、−(CHNHシクロアルキル、−(CHC(=O)O−アルキル、−(CHC(=O)NHアルキル、−(CHC(=O)N(アルキル)、−(CHC(=O)NHアルキルアリール、−(CHC(=O)NHアリール、−(CHC(=O)NHアラルキル、−(CHC(=O)NHシクロアルキル、−(CHSOアルキル、−(CHSOアルキルアリール、−(CHSOアリール、−(CHSOアラルキル、−(CHSOシクロアルキル、−(CHNSOアルキル、−(CHNSOアルキルアリール、−(CHNSOアリール、−(CHNSOアラルキル、−(CHNSOシクロアルキル、−(CHSONHアルキル、−(CHSONHアルキルアリール、−(CHSONHアリール、−(CHSONHアラルキル、−(CHSONHシクロアルキル、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
該R31部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にアルキル、アルキルアリール、アリール、アラルキル、シクロアルキル、−(CHOH、−(CHOアルキル、−(CHOアルキルアリール、−(CHOアリール、−(CHOアラルキル、−(CHOシクロアルキル、−(CHNH、−(CHNHアルキル、−(CHN(アルキル)、−(CHNHアルキルアリール、−(CHNHアリール、−(CHNHアラルキル、−(CHNHシクロアルキル、−(CHC(=O)NHアルキル、−(CHC(=O)N(アルキル)、−(CHC(=O)NHアルキルアリール、−(CHC(=O)NHアリール、−(CHC(=O)NHアラルキル、−(CHC(=O)NHシクロアルキル、−(CHSOアルキル、−(CHSOアルキルアリール、−(CHSOアリール、−(CHSOアラルキル、−(CHSOシクロアルキル、−(CHNSOアルキル、−(CHNSOアルキルアリール、−(CHNSOアリール、−(CHNSOアラルキル、−(CHNSOシクロアルキル、−(CHSONHアルキル、−(CHSONHアルキルアリール、−(CHSONHアリール、−(CHSONHアラルキル、−(CHSONHシクロアルキル、ヘテロシクレニル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
mは0〜4であり;
nは0〜4であり;
qは各々同一でも異なっていてもよく、各々が1〜5から独立に選択され;および
rは1〜4であり;
ただし、隣接する2個の二重結合はどの環にも存在せず、窒素が2個のアルキル基で置換されている場合、該2個のアルキル基は任意に互いに結合して環を形成することができる、方法。
【請求項2】
Gは、ジヒドロイミダゾール環、イミダゾール環、ジヒドロオキサゾール環、オキサゾール環、ジヒドロオキサジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環またはテトラゾール環を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
環Gは、下記からなる群から選択され:
【化45】

式中、
【化46−1】

は、単結合または二重結合である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
は、H、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−F、−Cl、OCH、OCFおよびCFからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
は、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
は、H、−NH、−NHC(=O)CH、−NHC(=O)N(CH、−CH、−CNおよび−Fからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
は、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、シクロアルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−(CHC(=O)NHR31、−(CHSO31、−(CHNSO31、−(CHSONHR31および−C(=O)−アリール−ハロゲンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記R部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記R部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、−OH、シクロプロピル、−CF、−CH、−CHOH、−CHCHOH、−C(CHOH、−CHCHOCH、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−CHNH、−CHCHNH、−CHCHNHSOCH、−CHCHSOCH、−C(=O)NH、−C(=O)N(H)CHCHOH、−CHN(H)C(=O)CF、−C(=O)N(H)−シクロプロピル、−C(=O)N(H)CHCF、−NH、−NHCH、−N(CH、−N(H)CHCH、−N(H)−シクロプロピル−CH、−N(H)CH(CH、−N(H)CHCHCH、−N(H)CHC(=O)OCH、−N(H)CHC(=O)OCHCH、−N(H)CHC(=O)NH−シクロプロピル、−N(H)CHCHOH、−N(H)CHCHNH、−N(H)CHCHNHSOCH、−N(H)CHCHSOCH、−N(H)C(=O)N(H)CHCH、−N(H)CHC(=O)NH、−OCH、−N(CHCH)S(=O)−フェニル−アルキル、−N(H)S(=O)−アルキル、=Sおよび=Oからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記R部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、−OH、−CF、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−CHCHOH、−CHCHNH、−NH、−NHCH、−N(H)CHCH、−N(H)CH(CH、−N(H)CHCHCH、−N(H)−シクロプロピル−CH、−N(H)CHC(=O)OCH、−N(H)CHC(=O)OCHCH、−N(H)CHC(=O)NHCH、−N(H)CHC(=O)NH−シクロプロピル、−N(H)CHCHOH、−N(CHCH)S(=O)−フェニル−アルキルおよび−N(H)S(=O)−アルキルからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
10は、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
10は、H、−CH、−CHCHおよび−CHCHCHからなる群から選択され、mは0〜2である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
11は、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
11はHまたは−CHである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
12は、H、CN、−C(=O)N(R30およびアルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
12は、H、−CH、CNおよび−CHCHからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
環Dの前記環原子は独立にC、N、OおよびSであり、0〜4個のR20部分で置換されている、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
環Dは、5〜6員のアリール環、ヘテロアリール環、ヘテロシクレニル環またはヘテロシクリル環であり、0〜4個のR20部分で置換されている、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記R20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルヘテロアリール、アルキルスルフィニル、アルコキシカルボニル、アミノアルキル、アミジニル、アラルキル、アラルコキシ、アリール、アリールオキシ、シアノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキル、トリフルロメチル(trifluromethyl)、トリフルオロメトキシ、
【化46−2】

からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記R20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロゲン、
【化46−3】

からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
2個のR20部分は一緒に結合して、5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、該5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、該縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されている、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記R20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、−CN、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−CF、−CHOH、−CH−S(=O)CH、−C(=O)H、−COH、−COCH、−NH、−N(H)CH、−N(H)S(=O)CH、−OCF、−OH、F、Cl、Br、−C(=NOH)NH、−OCHCHS(O)CH、−C(=O)NH
【化47】

からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記R21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
Yは、−(CHR13−、−(CR1313−、−C(=O)−、−CHR13C(=O)−および−(CHR13C(=O)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
Yは、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
mは0〜2である、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
nは0〜2である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
qは1または2である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
rは1または2である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
環Gは、下記からなる群から選択され:
【化48】

【化49】

は単結合または二重結合であり;
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択され;
は、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択され;
10は、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択され;
11は、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択され;
12は、H、CN、−C(=O)N(R30およびアルキルからなる群から選択され;
環Dは、5〜6員のアリール環、ヘテロアリール環、ヘテロシクレニル環またはヘテロシクリル環であり、0〜4個のR20部分で置換されており;
該R20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロゲン、
【化50】

および−OSO(R31)からなる群から選択され;あるいは、2個のR20部分は一緒に結合して、5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、該5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、該縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
該R21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択され;
Yは、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択され;
mは0〜2であり;
nは0〜2であり;
qは1または2であり;および
rは1または2である
請求項1に記載の方法。
【請求項32】
式1は下記構造式2〜11で表され:
【化51】

【化52】

【化53】

式中:
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立に、H、アルキル、アルケニル、アリールアルキル、シクロアルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−(CHC(=O)NHR31、−(CHSO31、−(CHNSO31、−(CHSONHR31および−C(=O)−アリール−ハロゲンからなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択され;
LはCまたはNであり;
式4の
【化54】

は、単結合または二重結合であり;
式9のXは、N、OまたはSであり;
pは0〜4であり;および
m、n、q、R10、R11、R12、R20およびYは、請求項1に定義する通りである
請求項1に記載の方法。
【請求項33】
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
は、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
部分は同一または異なっており、各々が独立にH、−OH、シクロプロピル、−CF、−CH、−CHOH、−CHCHOH、−C(CHOH、−CHCHOCH、−C(=O)OCH、−C(=O)OCHCH、−CHNH、−CHCHNH、−CHCHNHSOCH、−CHCHSOCH、−C(=O)NH、−C(=O)N(H)CHCHOH、−CHN(H)C(=O)CF、−C(=O)N(H)−シクロプロピル、−C(=O)N(H)CHCF、−NH、−NHCH、−N(CH、−N(H)CHCH、−N(H)−シクロプロピル−CH、−N(H)CH(CH、−N(H)CHCHCH、−N(H)CHC(=O)OCH、−N(H)CHC(=O)OCHCH、−N(H)CHC(=O)NH−シクロプロピル、−N(H)CHCHOH、−N(H)CHCHNH、−N(H)CHCHNHSOCH、−N(H)CHCHSOCH、−N(H)C(=O)N(H)CHCH、−N(H)CHC(=O)NH、−OCH、−N(CHCH)S(=O)−フェニル−アルキル、−N(H)S(=O)−アルキル、=Sおよび=Oからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
10は、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
11は、H、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
12は、H、−CH、CNまたは−CHCHからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロゲン、
【化55】

および−OSO(R31)からなる群から選択され;あるいは、2個のR20部分は一緒に結合して、5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、該5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、該縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
該R21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される
請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記R20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、−CN、−CH、−CHCH、−CH(CH、シクロプロピル、−CF、−CHOH、−CH−S(=O)CH、−C(=O)H、−COH、−COCH、−NH、−N(H)CH、−N(H)S(=O)CH、−OCF、−OH、F、Cl、Br、−C(=NOH)NH、−OCHCHS(O)CH、−C(=O)NH
【化56】

からなる群から選択され、あるいは、2個のR20部分は一緒に結合して5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、該5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、該縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
該R21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される
請求項39に記載の方法。
【請求項41】
Lは炭素である、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
Lは窒素である、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
Yは、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
は、H、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロゲン、−N(R30、−OR30および−CFからなる群から選択され;
は、H、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、−CN、−N(R30、−OR30、−N=CH−アルキル、−NR30C(=O)アルキルおよび−NR30C(=O)N(R30からなる群から選択され;
部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、−C(=O)N(H)R30、−C(=O)OR30、−C(=O)アルキル、−(CHOH、−(CHOR31、−(CHNH、−(CHNHR31、−N(H)R30、−N(H)S(O)R31、−N(H)C(=O)NH(R30)、−OR30、−SO(R31)および−SON(H)R30からなる群から選択され;
10は、H、アルキル、アラルキル、ヒドロキシアルキルおよびカルボニルからなる群から選択され;
20部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、シクロアルキル、アミノ、ハロゲン、
【化57】

および−OSO(R31)からなる群から選択され;あるいは、2個のR20部分は一緒に結合して5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環またはヘテロアリール環を形成し、該5または6員のアリール環、シクロアルキル環、ヘテロシクレニル環、ヘテロシクリル環およびヘテロアリール環は環Dに縮合し、該縮合環は任意に0〜4個のR21部分で置換されており;
該R21部分は同一でも異なっていてもよく、各々が独立にH、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アルキニル、アルコキシ、アルキルアミノ、シアノ、シクロアルキル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ニトロおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択され;
Yは、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHO−、−CH(CHOH)−、−CH(CHOCH−フェニル)−、−C(=O)−、−C(=O)CH−および−CH(C=O)O−アルキル−からなる群から選択され;
mは0〜2であり;
nは0〜2であり;
qは1または2であり;および
rは1または2である
請求項32に記載の方法。
【請求項45】
式Iの前記化合物は、下記:
【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

【化80】

【化81】

【化82】

【化83】

【化84】

【化85】

【化86】

【化87】

【化88】

【化89】

【化90】

【化91】

【化92】

【化93】

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
【化94】

【化95】

【化96】

【化97】

【化98】

またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物またはエステルからなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、線維性疾患、全身性紅斑性狼瘡(SLE)および移植片対宿主病(GVHD)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および喘息からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患は全身性紅斑性狼瘡(SLE)である、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、サルコイドーシス、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、強直性脊椎炎、線維性疾患、肺線維症、円形脱毛症、強皮症、扁平苔癬エリテマトーデス、円板状エリテマトーデス、皮膚筋炎、ベーチェット病、ウェゲナー病、アトピー性皮膚炎および移植片対宿主病(GVHD)からなる群から選択される、CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患の処置を必要とする患者において、該疾患を処置する方法であって、治療有効量の下記式の化合物
【化99】

またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を該患者に投与することを含む、方法。
【請求項51】
前記塩はメシラート塩である、請求項51に記載の方法。
【請求項52】
CXCR3ケモカイン受容体媒介性疾患を処置するため、少なくとも1種の他の薬、薬剤、薬物、抗体および/または阻害剤を薬学的に許容されるキャリアと組み合わせて同時または連続的に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項53】
前記化合物はCXCR3受容体に結合する、請求項1に記載の方法。
【請求項54】
疾患修飾性抗リウマチ剤;非ステロイド系抗炎症剤;COX−2選択的阻害剤;COX−1阻害剤;免疫抑制薬;ステロイド;PDE−IV阻害剤、抗TNF−α化合物、TNF−α−コンバターゼ阻害剤、サイトカイン阻害剤、MMP阻害剤、糖質コルチコイド、コルチコステロイド、ケモカイン阻害剤、CB2選択的阻害剤、p38阻害剤、生物学的応答調節剤;抗炎症薬および治療剤からなる群から選択される少なくとも1種の薬物を同時または連続的に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項55】
前記少なくとも1種の薬物はケモカイン阻害剤である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ケモカイン阻害剤は、CXCR2受容体アゴニストまたはアンタゴニストである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
β−アゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニスト、PDE4阻害剤およびコルチコステロイドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を同時または連続的に投与することをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
免疫抑制薬およびコルチコステロイドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を同時または連続的に投与することをさらに含む、請求項49に記載の方法。

【公表番号】特表2010−535711(P2010−535711A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519225(P2010−519225)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/009149
【国際公開番号】WO2009/020534
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【出願人】(509289984)ファーマコピア, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】