説明

視覚障害者誘導システム

【課題】 視覚障害者を安全かつ確実に目的地へと誘導する。
【解決手段】 視覚障害者誘導システムを、視覚障害者の誘導経路に沿って配設された導体からなる誘導線10に、誘導音声に応じた音声電流を出力する送信機20と、音声電流により誘導線10の周囲に発生した磁界を検知し、磁界を音声に変換して出力する携帯可能な受信機を内蔵した歩行誘導杖30と、を含んで構成する。そして、視覚障害者は、歩行誘導杖30の先端で路面を探りつつ歩行することで、誘導音声を聞きながら誘導経路に沿って進むことができる。このとき、磁界は局所的に発生するので、電波のように混信するおそれがなく、また、雨や雪などの天候状態により影響を受けることもない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視覚障害者を安全かつ確実に目的地へと誘導する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
視覚障害者が単独で歩行するときには、視覚以外の感覚を用い、例えば、路面に敷設された点字ブロックを歩行誘導杖で探りながら、進行方向を決定しなければならない。また、交差点などのように道路を横断する箇所には、視覚障害者の横断を支援すべく、特開2001−229485号公報(特許文献1)に記載されているように、音声で交通信号機の作動状態(青又は赤)を報知する音響式交通信号機が設置されている。
【特許文献1】特開2001−229485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、小さな交差点に設置された音響式交通信号機においては、複数の音声が略同じ大きさで聞こえるため、どちらの交通信号機が青であるか認識することが困難であった。一方、大きな交差点では、自分が横断しようとしている交通信号機の状態が認識可能であるが、横断歩道には点字ブロックが敷設されていないため、真っ直ぐ横断することが困難であった。このため、視覚障害者は、単独で安全に道路を横断することが困難であり、周囲の人の助けを必要としていた。
【0004】
また、点字ブロックが敷設された歩道においては、視覚障害者は、これに沿って単独で歩行することが可能であるが、今どのあたりを歩行しているのか不明であることが多かった。このような不具合を解消すべく、平成17年4月2日付けの夕刊讀賣新聞に登載されたように、集積回路に無線アンテナを接続したICタグを市街地のいたるところに設置し、ICタグと無線通信を行なう携帯端末により視覚障害者の道案内をする取り組みがなされている。しかし、無線通信においては、地下街では電波が壁や天井に反射して遠くまで飛んでいきICタグが正しく認識されなかったり、水たまりなどで無線通信障害が発生するおそれがあった。さらに、近接した場所では無線の混信が生じてしまうため、視覚障害者に対して異なる道案内を提供することができず、役所や病院などの屋内での誘導が困難であった。
【0005】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、視覚障害者の誘導経路に沿って音声電流を流し、音声電流により生じた磁界を検知して音声に変換することで、近接した場所であっても混信せず、視覚障害者を安全かつ確実に目的地に誘導可能な視覚障害者誘導システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、請求項1記載の発明では、視覚障害者の誘導経路に沿って配設された導体からなる誘導線に、誘導音声に応じた音声電流を出力する送信機と、前記音声電流により誘導線の周囲に発生した磁界を検知し、該磁界を音声に変換して出力する携帯可能な受信機と、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、前記送信機は、外部入力に応じて、複数の音声電流を選択可能に出力することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明では、前記受信機は、前記磁界の磁束変化に応じた電流を発生させる電流発生器と、該電流発生器により発生した電流を増幅する増幅器と、該増幅器により増幅された電流を音声に変換して出力するイヤホンと、を含んで構成されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明では、前記電流発生器は、閉回路を貫く磁束の変化により誘電起電力を発生するコイルからなることを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の発明では、前記受信機には、該受信機を作動させるための電力を供給する充電池と、該充電池を充電するための充電器が接続される充電端子と、が備えられたことを特徴とする。
請求項6記載の発明では、前記受信機には、前記充電池を充電すべく、太陽光を受けて発電するソーラパネルが備えられたことを特徴とする。
【0009】
請求項7記載の発明では、前記受信機には、出力される音声の音量を調整する音量調整器が備えられたことを特徴とする。
請求項8記載の発明では、前記受信機は、視覚障害者が携帯する歩行誘導杖に内蔵されることを特徴とする。
請求項9記載の発明では、前記受信機は、視覚障害者の身体又は衣類に着脱可能に装着されることを特徴とする。
【0010】
請求項10記載の発明では、前記誘導線は、前記誘導経路に埋設されることを特徴とする。
請求項11記載の発明では、前記誘導線は、前記誘導経路の表面に貼り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、視覚障害者の誘導経路に沿って配設された誘導線の周囲には、音声電流に応じて変化する局所的な磁界が発生する。そして、この磁界が受信機で検知されると、磁界が音声に変換されて出力される。このため、視覚障害者は、受信機で磁界を探りながら歩行することで、誘導音声を聞きながら誘導経路に沿って進むことができる。従って、誘導経路に適合した音声電流を適宜出力することで、視覚障害者を安全かつ確実に目的地に誘導することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、外部入力に応じて複数の音声電流が選択可能に出力されるので、例えば、交通信号機の作動状態に応じて「信号が赤です」又は「信号が青です」という音声電流を適宜切り換えることができる。
請求項3記載の発明によれば、受信器は、磁界の磁束変化に応じた電流を発生させる電流発生器と、電流発生器により発生した電流を増幅する増幅器と、増幅器により増幅された電流を音声に変換して出力するイヤホンと、を含んで構成される。このため、受信機は、一般的な電気素子から構成されることとなり、その信頼性を高めつつ、小型化,軽量化,低価格化などを図ることができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、コイルの閉回路を貫く磁束が変化すると、その磁束変化を抑制するように誘電起電力が発生する。この誘電起電力は、誘導線を流れる音声電流に応じて変化するため、その音声電流と同等な電流を再現することができる。
請求項5記載の発明によれば、受信機は充電池により作動するため、そのランニングコストを抑制することができる。
【0014】
請求項6記載の発明によれば、視覚障害者が屋外を歩行すると、ソーラパネルにより充電池の充電が行われる。このため、受信機の使用可能時間が長くなり、例えば、外出先で受信機が使用できなくなるという事態を極力抑制することができる。
請求項7記載の発明によれば、出力される音声の音量を調整可能であるため、周囲の騒音などに応じた音量で誘導音声を聞くことができる。
【0015】
請求項8記載の発明によれば、受信機は歩行誘導杖に内蔵されるため、視覚障害者は、歩行誘導杖により道路の状態などを探りながら、誘導音声を聞くことができる。
請求項9記載の発明によれば、視覚障害者が盲導犬により誘導されているときであっても、誘導音声を聞くことができる。
請求項10記載の発明によれば、誘導線は誘導経路に埋設されるため、他の歩行者の妨げとならず、また、長年の使用により誘導線が断線するなどの障害を極力抑制することができる。
【0016】
請求項11記載の発明によれば、屋内などのように、誘導線の埋設が困難である場所においても、視覚障害者を誘導することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、本発明に係る視覚障害者誘導システムの基本構成を示す。
視覚障害者誘導システムは、視覚障害者の誘導経路に沿って配設された導体からなる誘導線10に、所定の誘導音声に応じた音声電流を出力する送信機20と、音声電流により誘導線10の周囲に発生した磁界を検知し、この磁界を音声に変換して出力する携帯可能な受信機を内蔵した歩行誘導杖30と、を含んで構成される。
【0018】
ここで、アスファルトなどの路面に誘導線10を配設するときには、図2(A)に示すように、路面40に幅4〜5mm,深さ10mm程度の溝42を形成し、その底部に誘導線10を収納した後、溝42をアスファルトやピッチなどの材料44で埋め戻すようにすればよい。このようにすれば、誘導線10は誘導経路に埋設されることとなり、他の歩行者の妨げとならず、また、長年に使用により誘導線10が断線するなどの障害を極力抑制することができる。一方、屋内などの床面に誘導線10を配設するときには、同図(B)に示すように、床面46に平面状の誘導線10を直接貼り付けるようにすればよい。
【0019】
なお、音声電流が逆方向に流れる2つの誘導線10については、意図的に誘導音声が聞こえないようにする場合を除き、磁界が相互に打ち消されないようにすべく、少なくとも所定距離(例えば、20cm)離間させる必要がある。また、誘導音声の音量を大きくし、注意を喚起するときには、誘導線10を重複して配設すればよい。
送信機20は、図3に示すように、所定の誘導音声を入力するためのマイクロフォン20Aと、音声電流に応じた音声データを記憶する音声メモリ20Bと、音声電流を所定出力まで増幅して誘導線10に出力する増幅器20Cと、を含んで構成される。即ち、マイクロフォン20Aから入力された誘導音声は、その機能により音声信号に変換され、音声データとして音声メモリ20Bに記憶される。音声メモリ20Bに記憶された音声データは、増幅器20Cにより所定出力まで増幅された後、音声電流として誘導線10に出力される。そして、誘導線10に音声電流が出力されると、その周囲には音声電流に応じて変化する局所的な磁界が発生する。
【0020】
なお、送信機20においては、外部入力に応じて、複数の音声電流を選択可能に出力するように構成することが望ましい。このようにすれば、1つの送信機20を用いて、例えば、交通信号機の作動状態に応じて「信号が赤です」又は「信号が青です」という音声電流を適宜切り換えることができる。
受信機を内蔵した歩行誘導杖30は、グラスファイバ,アルミニウムなどの軽量部材からなる杖部32と、視覚障害者が把持する把持部34と、を含んで構成される。杖部32の先端には、図4に示すように、磁界の磁束変化に応じた電流を発生させる電流発生器として、閉回路を貫く磁束の変化により誘電起電力、即ち、誘導線10を流れる音声電流を再現した電流を発生させるコイル30Aが内蔵される。一方、把持部34には、同図に示すように、コイル30Aにより発生した電流を所定出力まで増幅する増幅器30Bと、増幅器30Bへ電力を供給する充電池30Cと、増幅器30Bにおける増幅率を増減するボリュームなどの音量調整器30Dと、が夫々内蔵される。また、把持部34の基端には、増幅器30Bにより増幅された電流を音声に変換するイヤホン36が着脱可能に接続される出力端子30Eと、充電池30Cを充電するための充電器(図示せず)が着脱可能に接続される充電端子30Fと、が夫々取り付けられる。
【0021】
次に、かかる構成からなる視覚障害者誘導システムの作用について説明する。
視覚障害者誘導システムの運用開始準備として、送信機20のマイクロフォン20Aから誘導音声、例えば、「歩道を歩行中です」のような誘導音声を入力する。マイクロフォン20Aから入力された誘導音声は、その機能により音声信号に変換され、音声データとして音声メモリ20Bに記憶される。
【0022】
視覚障害者誘導システムの運用が開始されると、音声メモリ20Bに記憶された音声データが適宜読み出され、増幅器20Cにより所定出力まで増幅された後、音声電流として誘導線10に出力される。すると、誘導線10の周囲には、音声電流に応じて変化する局所的な磁界が発生する。この磁界は、誘電線10の断面積が1.25mm2,送信機20の出力が0.5Vのときには、誘導線10を中心とした15〜20cm程度の半径となる。なお、誘導線10の断面積が1.25mm2であれば、音声電流を1〜2km程度流すことが可能であり、また、送信機20の出力が0.5V程度であれば、その周囲の人体,動物などに影響を及ぼすおそれがない。
【0023】
そして、視覚障害者が歩行するときには、イヤホン36から誘導音声が聞こえるように、歩行誘導杖30の先端部で路面を探る。歩行誘導杖30の先端部が磁界内に入ると、杖部32の先端に内蔵されたコイル30Aの閉回路を磁束が貫く。音声電流は、時々刻々と周波数が変化するので、その周囲に発生する磁束も変化する。すると、コイル30Aを貫く磁束が変化し、その変化を抑制するように誘電起電力が発生する。誘電起電力は、誘導線10を流れる音声電流に応じて変化するものであるため、コイル30Aから音声電流を再現した電流が出力されることとなる。従って、これを増幅器30Bによって所定出力まで増幅した後、イヤホン36で音声に変換することとで、誘導音声を聞くことができるようになる。
【0024】
このように、視覚障害者は、歩行誘導杖30で誘導音声が聞こえる範囲を探りながら歩行することで、誘導線10が配設された誘導経路に沿って独力で進むことができる。このとき、音声電流による磁界は局所的に発生するので、電波のように混信することもなく、近接した場所で異なる道案内を提供することができる。また、磁界は、電波のように雨や雪などの気象状況によって影響を受けることもなく、視覚障害者を安定して誘導することができる。
【0025】
さらに、歩行誘導杖30に内蔵された受信機は、充電池30Cにより作動するため、そのランニングコストを抑制することができると共に、補聴器などのように出力が小さくて済むため、充電池30Cを満充電すると、100時間以上連続して使用することができる。なお、充電池30Cに代えて、至るところで入手可能な乾電池を用いるようにしてもよい。この場合には、長期間に亘る旅行などでも、電池交換が容易であることから、電池の残量を気にせずその旅行を楽しむことができる。
【0026】
その他、視覚障害者誘導システムは、極めて簡単な機構から構成されるため、小型かつ安価であり、役所,病院,駅,バス停などの公共施設に限らず、個人宅においても設置することができる。このとき、誘導音声は、マイクロフォン20Aから入力されるため、誘導経路に適合した誘導音声を極めて簡単に入力することができる。
ここで、視覚障害者誘導システムの適用例について、図5を参照しつつ説明する。
【0027】
歩道には、視覚障害者をその延設方向に沿って誘導する誘導線10が配設され、送信機20から「ピッピッ」という連続した音声電流が出力されている。駅の構内には、視覚障害者を改札口及びキップ売場へと誘導する誘導線10が夫々配設され、送信機20から「改札口です」及び「キップ売場です」という連続した音声電流が出力されている。また、役所の屋内には、視覚障害者を受付へと誘導する誘導線10が配設され、送信機20から「受付です」という連続した音声電流が出力されている。さらに、歩道と駅,役所及び自宅との間には、歩道を歩行している視覚障害者を駅入口,役所入口及び自宅玄関へと誘導する誘導線10が夫々配設され、送信機20から「駅入口です」,「役所入口です」及び「自宅です」という連続した音声電流が出力されている。
【0028】
一方、交差点には、視覚障害者を横断歩道に沿って誘導する誘導線10が配設され、交通信号機の作動状態に応じて、送信機20から「信号が赤です」又は「信号が青です」という連続した音声電流が選択可能に出力されている。
さらに、道路に設置された役所前バス停と歩道との間には、バスから降りた視覚障害者を歩道へと誘導し、又は、歩道を歩行している視覚障害者を役所前バス停に誘導する誘導線10が配設され、送信機20から「役所前バス停です」という連続した音声電流が出力されている。
【0029】
そして、バスから降りた視覚障害者が役所に立ち寄ってから、自宅に帰宅することを想定すると、次のようになる。即ち、バスから降りた視覚障害者は、歩行誘導杖30で路面を探りながら「役所前バス停です」という誘導音声が聞こえる方向に進むと、歩道に到達した時点で「ピッピッ」という誘導音声が重畳して聞こえる。この誘導音声が聞こえたならば、歩行誘導杖30でその周辺を探り、「ピッピッ」という誘導音声のみが聞こえる方向へと進む。歩道から役所への分岐点に到達すると、「役所入口です」という誘導音声が重畳して聞こえる。この誘導音声が聞こえたならば、歩行誘導杖30でその周辺を探り、「役所入口です」という誘導音声のみが聞こえる方向へと進むと、役所入口へと誘導される。受付への分岐点に到達すると、「受付です」という誘導音声が重畳して聞こえるので、歩行誘導杖30でその周辺を探り、「受付です」という誘導音声のみが聞こえる方向へと進むと、受付へと誘導される。
【0030】
役所での用事が済んだならば、同様にして歩道まで戻り、「ピッピッ」という誘導音声を頼りに、「自宅です」という誘導音声が重畳して聞こえる地点まで歩道を歩行する。この誘導音声が聞こえたならば、歩行誘導杖30でその周辺を探り、「自宅です」という誘導音声のみが聞こえる方向に進むと、自宅へと誘導される。
また、交差点を横断するときには、交通信号機の作動状態に応じて変化する誘導音声、即ち、「信号が赤です」又は「信号が青です」という誘導音声に従えばよい。このとき、「信号が青です」という音声は、横断歩道に沿って局所的な範囲で聞こえるので、視覚障害者は横断歩道を真っ直ぐ渡ることが可能となり、安全に歩行することができる。
【0031】
なお、送信機20においては、マイクロフォン20A及び音声メモリ20Bに代えて、任意の音声を人工的に合成可能な音声合成ICを用いるようにしてもよい。このようにすれば、視覚障害者が聞き取りやすい音声を容易に生成することができる。
一方、受信機を内蔵した歩行誘導杖30においては、充電池30Cを充電すべく、太陽光を受けて発電するソーラパネルを備えるようにしてもよい。このようにすれば、視覚障害者が屋外を歩行すると、ソーラパネルにより充電池30Cの充電が行われるため、受信機の使用可能時間が長くなり、例えば、外出先で受信機が使用できなくなるという事態を極力抑制することができる。また、音量調整器30Dにより増幅器30Bの増幅率を増減調整することで、周囲の騒音などに応じた音量で誘導音声を聞くことができる。
【0032】
さらに、視覚障害者が盲導犬を伴って歩行するときなどには、歩行誘導杖30を使用しないことに鑑み、受信機を腰などに取り付け、視覚障害者の身体又は衣服に取り付けたコイル30Aで、音声電流による磁界を検知するようにしてもよい。このときには、受信機及びコイル30Aは、例えば、クリップ,ベルクロなどの面ファスナによりワンタッチで着脱可能とすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る視覚障害者誘導システムの基本構成図
【図2】誘導線の配設方法を示し、(A)はアスファルトなどの路面への施工説明図、(B)は屋内などの床面への施工説明図
【図3】送信機の詳細説明図
【図4】受信機(歩行誘導杖)の詳細説明図
【図5】視覚障害者誘導システムの適用例の説明図
【符号の説明】
【0034】
10 誘導線
20 送信機
30 歩行誘導杖
30A コイル
30B 増幅器
30C 充電池
30D 音量調整器
30F 充電端子
36 イヤホン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚障害者の誘導経路に沿って配設された導体からなる誘導線に、誘導音声に応じた音声電流を出力する送信機と、
前記音声電流により誘導線の周囲に発生した磁界を検知し、該磁界を音声に変換して出力する携帯可能な受信機と、
を含んで構成されたことを特徴とする視覚障害者誘導システム。
【請求項2】
前記送信機は、外部入力に応じて、複数の音声電流を選択可能に出力することを特徴とする請求項1記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項3】
前記受信機は、前記磁界の磁束変化に応じた電流を発生させる電流発生器と、該電流発生器により発生した電流を増幅する増幅器と、該増幅器により増幅された電流を音声に変換して出力するイヤホンと、を含んで構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項4】
前記電流発生器は、閉回路を貫く磁束の変化により誘電起電力を発生するコイルからなることを特徴とする請求項3記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項5】
前記受信機には、該受信機を作動させるための電力を供給する充電池と、該充電池を充電するための充電器が接続される充電端子と、が備えられたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項6】
前記受信機には、前記充電池を充電すべく、太陽光を受けて発電するソーラパネルが備えられたことを特徴とする請求項5記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項7】
前記受信機には、出力される音声の音量を調整する音量調整器が備えられたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項8】
前記受信機は、視覚障害者が携帯する歩行誘導杖に内蔵されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項9】
前記受信機は、視覚障害者の身体又は衣類に着脱可能に装着されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項10】
前記誘導線は、前記誘導経路に埋設されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の視覚障害者誘導システム。
【請求項11】
前記誘導線は、前記誘導経路の表面に貼り付けられることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の視覚障害者誘導システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−314384(P2006−314384A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137295(P2005−137295)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(396002518)昌栄電機株式会社 (1)
【Fターム(参考)】