説明

親局装置及び子局装置及び中継局装置

【課題】無線通信システムにおいて通信状態の悪化の原因を特定可能な構成を実現する。
【解決手段】親局装置1100の無線送信手段101が、子局装置との無線リンクの状態を計測するためのテストフレームを複数回子局装置に送信し、無線受信手段102が、子局装置が各テストフレーム受信時に計測したRSSI値と、子局装置がテストフレームを受信した回数と、子局装置の電池残量とを通知する計測結果収集応答を受信する。障害判定手段108が、計測結果収集応答で通知されたRSSI値、テストフレーム受信回数を用いて無線リンクの状態を判定し、電池残量を用いて子局装置の状態を判定する。これにより、通信状態の悪化の原因を特定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人監視を目的とする無線通信システムでは、目的の通信装置からの応答が無くなった場合、通信不能に陥った原因を知るためには、設置場所で通信装置の状態や設置状況を調査する必要があった。
この方法では復旧まで多大な時間と労力を要するため、通信不能となった原因を把握する方法が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1において、無線通信システム内の無線端末は、受信した無線信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)を測定する検波強度検出手段と、RSSIと予め定めたしきい値から余裕度を算出する通信状態判定手段と、余裕値が所定の範囲か判定する通信状態監視手段を備える。
そして、当該無線端末はRSSIを計測し、RSSIから算出した余裕度と所定の範囲を比較することで、通信環境が悪化したかの判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−244160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の手法は、通信状態の悪化が、通信リンク上の障害物などによるか、電波干渉によるか、通信端末の電池残量の低下によるか、通信端末そのものの不調によるかを区別できないという課題がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決することを主な目的としており、無線通信システムにおいて通信状態の悪化の原因を特定可能な構成を実現することを主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る親局装置は、
電池を電源とする子局装置と無線通信路を介して通信を行う親局装置であって、
前記無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記無線通信路を介して前記子局装置に送信するテストフレーム送信部と、
前記テストフレーム送信部によりテストフレームの送信が所定回行われた後に、前記子局装置に対して前記子局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記無線通信路を介して前記子局装置に送信する計測結果収集要求送信部と、
前記子局装置により各テストフレーム受信時に計測されたRSSI(Received Signal Strength Indicator)値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記子局装置により計測されたテストフレームの受信回数と、前記子局装置により計測された前記子局装置の電池残量とが示される子局計測結果を前記無線通信路を介して前記子局装置から受信する計測結果受信部と、
前記計測結果受信部により受信された計測結果を解析して、前記子局装置の状態及び前記無線通信路の状態を判定する状態判定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、子局装置で計測されたRSSI値、テストフレームの受信回数、電池残量を用いて子局装置の状態、無線通信路の状態を判定するため、通常状態の悪化の原因を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る親局装置の構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る子局装置の構成例を示す図。
【図3】実施の形態2に係る親局装置の構成例を示す図。
【図4】実施の形態3に係る親局装置の構成例を示す図。
【図5】実施の形態4に係る親局装置の構成例を示す図。
【図6】実施の形態4に係る子局装置の構成例を示す図。
【図7】実施の形態4に係る中継局装置の構成例を示す図。
【図8】実施の形態5に係る親局装置の構成例を示す図。
【図9】実施の形態5に係る子局装置の構成例を示す図。
【図10】実施の形態5に係る中継局装置の構成例を示す図。
【図11】実施の形態6に係る親局装置の構成例を示す図。
【図12】実施の形態6に係る子局装置の構成例を示す図。
【図13】実施の形態6に係る中継局装置の構成例を示す図。
【図14】実施の形態1に係る動作例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態1に係る動作例を示すフローチャート図。
【図16】実施の形態1に係る動作例を示すフローチャート図。
【図17】実施の形態2に係る動作例を示すフローチャート図。
【図18】実施の形態3に係る動作例を示すフローチャート図。
【図19】実施の形態3に係る動作例を示すフローチャート図。
【図20】実施の形態4に係る動作例を示すフローチャート図。
【図21】実施の形態4に係る動作例を示すフローチャート図。
【図22】実施の形態5に係る動作例を示すフローチャート図。
【図23】実施の形態5に係る動作例を示すフローチャート図。
【図24】実施の形態5に係る動作例を示すフローチャート図。
【図25】実施の形態5に係る動作例を示すフローチャート図。
【図26】実施の形態5に係る動作例を示すフローチャート図。
【図27】実施の形態6に係る動作例を示すフローチャート図。
【図28】実施の形態1に係るシステム構成例を示す図。
【図29】実施の形態2に係るシステム構成例を示す図。
【図30】実施の形態3に係るシステム構成例を示す図。
【図31】実施の形態4に係るシステム構成例を示す図。
【図32】実施の形態1に係るテストフレームフォーマットの例を示す図。
【図33】実施の形態1に係る計測結果収集要求フォーマットの例を示す図。
【図34】実施の形態1に係る計測結果収集応答フォーマットの例を示す図。
【図35】実施の形態4に係るマルチホップ計測結果収集要求フォーマットの例を示す図。
【図36】実施の形態4に係るマルチホップ計測結果収応答求フォーマットの例を示す図。
【図37】実施の形態4に係るマルチホップ計測要求フォーマットの例を示す図。
【図38】実施の形態1に係る障害管理情報テーブルの例を示す図。
【図39】実施の形態3に係る障害管理情報テーブルの例を示す図。
【図40】実施の形態4に係る障害管理情報テーブルの例を示す図。
【図41】実施の形態5に係る障害管理情報テーブルの例を示す図。
【図42】実施の形態5に係るノード障害管理情報の例を示す図。
【図43】実施の形態6に係る障害管理情報テーブルの例を示す図。
【図44】実施の形態6に係るノード障害管理情報の例を示す図。
【図45】実施の形態2に係るテストフレーム送信回数リストの例を示す図。
【図46】実施の形態1〜6に係る親局装置等のハードウェア構成例を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
本実施の形態及び以降の実施の形態に係る無線通信システムでは、全ての無線端末が通信環境の変化や端末の状態を計測する手段を持つ。
また、1つの管理端末が収集する手段を持つ。
さらに管理端末が収集した状態情報から障害要因を判別するための手段を持つ。
これにより、システム管理者は無線通信システムを常時監視でき、無線通信システム上に障害が発生したとき、現地調査をすることなく改善の処置を事前に推定することが可能となる。
【0011】
実施の形態1は、通信状態や無線端末の状態を周期的に監視し、障害発生時に障害要因を判別する方法について説明する。
【0012】
[実施の形態1のシステム構成]
図28は本実施の形態に係るシステム構成の一例を示す。
図28において、親局装置1100は商用電源で駆動し、無線ネットワークを制御する無線端末である。
子局装置1200は電池を電源として駆動し、センサなどにより無人監視を行う無線端末である。
親局装置1100は親局とも表記する。
同様に、子局装置1200は子局とも表記する。
無線リンクN10は、親局装置1100と子局装置1200が通信時に利用する無線通信路である。
以下では、任意の無線端末を指す場合にノードと呼ぶ。
【0013】
[実施の形態1の親局の構成]
図1は、本実施の形態に係る親局装置1100の構成を表す図である。
【0014】
無線送信手段101は、パケットを変調し、送信先ノードアドレス(本実施の形態では子局装置1200)に無線で送信する手段(例えば無線チップなどの回路)である。
【0015】
無線受信手段102は、子局装置1200から無線電波を受信し、パケットに復号する手段(例えば無線チップなどの回路)である。
【0016】
計時手段103は、時刻を計測し、周期的に時刻を通知する手段であり、例えばRTC(Real Time Clock)などの素子である。
【0017】
テストフレーム生成手段104は、テストフレームを識別する送信フレーム番号、1回の計測でテストフレームを送信する回数であるテストフレーム送信回数を保持し、リンク状態を計測するためのテストフレームを生成する手段(例えばプログラム)である。
テストフレームは、無線リンクN10の状態を計測するためのパケットであり、無線送信手段101から無線リンクN10を介して子局装置1200に送信される。
なお、テストフレーム生成手段104及び無線送信手段101が、テストフレーム送信部の例に相当する。
【0018】
計測結果収集送信手段105は、計測結果収集要求パケット(以下、計測結果収集要求とも表記する)を生成する手段(例えばプログラム)である。
つまり、計測結果収集送信手段105は、子局装置1200に対して子局装置1200が計測した計測結果を送信するよう要求するパケットを生成する。
計測結果収集要求パケットは、テストフレームの送信が所定回行われた後に、無線送信手段101から無線リンクN10を介して子局装置1200に送信される。
なお、計測結果収集送信手段105及び無線送信手段101が、計測結果収集要求送信部の例に相当する。
【0019】
計測結果記録手段106は、無線受信手段102が他のノード(本実施の形態では子局装置1200)から受信した計測結果収集応答パケット(以下、計測結果収集応答とも表記する)から計測結果を取り出し、後述する障害管理情報テーブルに記録する手段(例えばプログラム)である。
子局装置1200からの計測結果収集応答パケットには、計測結果として子局装置1200における電池状態(電池残量)、テストフレーム受信時の平均RSSI(Received Signal Strength Indicator)値、RSSI標準偏差、子局装置1200におけるテストフレーム受信成功回数が含まれる。
なお、これら電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数を併せて障害管理情報と呼ぶ。
なお、子局装置1200からの計測結果収集応答パケットを受信する無線受信手段102は、計測結果受信部の例に相当する。
なお、子局装置1200の計測結果を子局計測結果ともいう。
【0020】
障害管理情報テーブル保管手段107は、障害管理情報を格納する障害管理情報テーブルを保持し、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの記録素子である。
障害管理情報テーブルには、障害管理情報、つまり、電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数が書き込まれている。
障害管理情報テーブルの詳細は後述する。
【0021】
障害判別手段108は、電池切れを判定する電池状態しきい値、リンク状態の判定に用いるRSSIしきい値とパケットロス率しきい値、リンク状態に対するシステム要件であるリンク状態係数を保持し、障害管理情報から子局装置1200の状態及び無線リンクN10の状態を判定し、障害要因の判別を行う手段(例えばプログラム)である。
障害判別手段108は、状態判定部の例に相当する。
【0022】
[実施の形態1の子局の構成]
図2は、子局装置1200の構成例を表す図である。
図2において、図1の親局装置1100の構成要素と同一番号の構成要素は同一の機能を持つ。
なお、子局装置1200では、無線受信手段102が、親局装置1100から送信されたテストフレーム及び計測結果収集要求パケットを受信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームの受信ごとに、テストフレーム受信時のRSSI値を計測する。
子局装置1200においては、無線受信手段102はテストフレーム受信部及び計測結果収集要求受信部の例に相当する。
【0023】
電池状態計測手段201は、電池残量を計測する電圧計やバッテリ残量計測IC(Integrated Circuit)などの回路である。
電池状態計測手段201は、電池残量計測部の例に相当する。
【0024】
計測結果収集応答手段202は、子局装置1200で計測された子局計測結果(障害管理情報)を含む計測結果収集応答パケットを生成する手段(例えばプログラム)である。
計測結果収集応答パケットは、無線送信手段101から無線リンクN10を介して親局装置1100に送信される。
なお、計測結果収集応答手段202及び無線送信手段101は、計測結果送信部の例に相当する。
【0025】
リンク状態計測手段203は、テストフレームを受信した回数であるテストフレーム受信成功回数を保持し、テストフレームから送信元ノードアドレスを取り出し、無線受信手段102からRSSI値を取得し、計測結果収集応答パケットで通知する計測結果を作成し、記録する手段(例えばプログラム)である。
【0026】
計測管理情報記録手段204は、自局の計測結果を格納する、DRAMなどの記録素子である。
より具体的には、計測管理情報記録手段204は、平均RSSI値、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数、計測シーケンス番号を保持する。
計測管理情報記録手段204が保持している情報を計測管理情報という。
なお、計測管理情報記録手段204は、記憶部の例に相当する。
【0027】
[実施の形態1のデータ構造]
図38は、親局装置1100が障害要因の判別のために保持するデータを格納する障害管理情報テーブルT100を示す。
【0028】
障害管理情報テーブルT100は、障害管理情報テーブル保管手段107で保持されている。
障害管理情報テーブルT100は、計測する周期を識別する計測シーケンス番号、子局装置1200の電池状態(電池残量)、親局装置1100と子局装置1200間のリンク状態計測用の通信(テストフレームの通信)で計測されたRSSIの平均値である平均RSSI、RSSIの標準偏差であるRSSI標準偏差、子局装置1200がテストフレームを受信した回数であるテストフレーム受信成功回数からなる。
なお、1つの計測シーケンス番号に対して、複数回のテストフレームの送信が行われる。
【0029】
[実施の形態1のフレームフォーマット]
図32は、リンク状態の計測に用いるテストフレームのフレームフォーマットであるテストフレームフォーマットC100の一例を示す。
【0030】
テストフレームフォーマットC100は、ブロードキャストする際に使用する送信先ノードアドレスであるブロードキャストアドレス、テストフレームを送信したノードを表す送信元ノードアドレス、テストフレームを表すコマンドID、障害管理情報の計測を識別する計測シーケンス番号、1つのノードが同一の計測シーケンス番号においてテストフレームを送信する合計の回数であるテストフレーム送信回数、計測シーケンス番号の更新の際にリセットされ、テストフレームの送信ごとにインクリメントされる送信フレーム番号を持つ。
【0031】
図33は、親局装置1100が他のノードに計測結果の送信を要求する計測結果収集要求のフレームフォーマットである計測結果収集要求フォーマットC300の一例を示す。
【0032】
計測結果収集要求フォーマットC300は、送信先ノードアドレス、送信元ノードアドレス、計測結果収集要求であることを表すコマンドID、コマンドシーケンス番号、計測シーケンス番号を持つ。
【0033】
図34は、ノードが親局装置1100に計測結果を送るための計測結果収集応答のフレームフォーマットである計測結果収集応答フォーマットC400の一例を示す。
【0034】
計測結果収集応答フォーマットC400は、送信先ノードアドレス、送信元ノードアドレス、計測結果収集応答を表すコマンドID、計測結果収集要求の応答であることを表すコマンドシーケンス番号、計測シーケンス番号、送信元ノードで計測された電池残量、テストフレーム受信成功回数、RSSIなどの計測結果を持つ。
【0035】
[実施の形態1の動作]
図14は、本実施の形態に係る親局装置1100と子局装置1200の動作の一例を示す。
【0036】
親局装置1100の計時手段103が周期的にテストフレーム生成手段104にテストフレームの送信を開始させる。
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、親局装置1100のアドレスを送信元ノードアドレスとするテストフレームC100を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101はテストフレームC100を電波信号に変調し、無線リンクN10を介して子局装置1200に送信する(S101)。
【0037】
子局装置1200の無線受信手段102は、電波を受信してパケットに復調し、コマンドIDによりテストフレームC100と判別すると、リンク状態計測手段203にテストフレームC100を送信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームC100受信時のRSSI値を計測する。
リンク状態計測手段203は、無線受信手段102からRSSI値を取得し、テストフレームC100により得られたリンク状態(平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数)を後述の図15に示す方法で計測管理情報記録手段204に記録する(S102)。
【0038】
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、テストフレームを送信した回数が既定のテストフレーム送信回数未満か判定し(S103)、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満なら(Yes)、親局装置1100および子局装置1200はS101からS103の処理を繰り返す。
テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数以上なら(No)、親局装置1100はS104の処理を行う。
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105が通知を受信すると、計測結果収集要求C200を生成する。
計測結果収集送信手段105は計測結果収集要求C200を無線送信手段101に送信し、無線送信手段101により、無線リンクN10を介して子局装置1200に送信する(S104)。
【0039】
子局装置1200の無線受信手段102は電波信号を受信し、パケットに復調し、コマンドIDにより計測結果収集要求C200と判別したら、電池状態計測手段201に通知する。
電池状態計測手段201は子局装置1200に内蔵する電池電圧を計測し、計測管理情報記録手段204に電池電圧を電池状態として記録する(S105)。
子局装置1200の計測結果収集応答手段202は計測管理情報記録手段204から電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数を障害管理情報として含む計測結果収集応答C300を生成し、無線送信手段101により、無線リンクN10を介して親局装置1100に送信する(S106)。
【0040】
親局装置1100の無線受信手段102は電波信号を受信し、パケットに復調して、コマンドIDにより計測結果収集応答C300と判別したら、障害管理情報(電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数)を取り出し、計測結果記録手段106に送信する。
計測結果記録手段106は障害管理情報を障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT100に記録する(S107)。
そして、親局装置1100の障害判別手段108は後述する図16に示す手順にて障害要因判別を行う(S108)。
【0041】
図15は、子局装置1200がテストフレームC100を受信して、リンク状態を計測する動作の一例を示す。
図15のフローは、図14のS102の詳細を示している。
【0042】
リンク状態計測手段203が無線受信手段102からテストフレームC100とRSSI値を受信すると、計測管理情報記録手段204の計測管理情報を参照する(S701)。
【0043】
リンク状態計測手段203は、計測管理情報において保持している計測シーケンス番号とテストフレームC100の計測シーケンス番号を比較し(S702)、異なる場合(No)、リンク状態計測手段203は計測管理情報記録手段204に記録されている計測管理情報をクリアし、テストフレームC100により得た計測シーケンス番号を記録する。
また、リンク状態計測手段203はテストフレームC100のRSSI値(無線受信手段102から取得したRSSI値)を平均RSSIとし、RSSI標準偏差を0とし、テストフレーム受信成功回数を1とする(S703)。
計測管理情報において保持している計測シーケンス番号とテストフレームC100の計測シーケンス番号が同一の場合(Yes)、リンク状態計測手段203はテストフレーム受信成功回数をインクリメントする。
そして、リンク状態計測手段203は、計測したRSSIと、保持している平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数から、平均RSSIとRSSI標準偏差を更新する(S704)。
【0044】
図16は、子局装置1200を障害判別の対象のノードとする親局装置1100の障害判別処理の動作の一例を示す。
図16のフローは、図14のS108の詳細を示している。
【0045】
障害判別手段108は、障害管理情報テーブル保管手段107から障害管理情報テーブルT100を参照し、過去一定期間の電池状態の値を取り出す。
過去一定期間の電池状態の値の平均値と電池状態しきい値を比較し(S201)、過去一定期間の電池状態の値の平均値が電池状態しきい値を下回っていたら(Yes)、障害判別手段108は子局装置1200が電池切れと判定する。
過去一定期間の電池状態の値の平均値が電池状態しきい値を上回っていたら(No)、S202の処理を行う。
【0046】
障害判別手段108は、障害管理情報テーブル保管手段107から障害管理情報テーブルT100を参照し、過去一定期間の障害管理情報が記録されているか確認し(S202)、過去一定期間の障害管理情報が記録されていない場合(Yes)、障害判別手段108は対象のノードがノード故障もしくはノード孤立と判定する。
過去一定期間の障害管理情報が記録されている場合、障害判別手段108はS203の処理を行う。
【0047】
障害判別手段108は、障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT100を参照し、過去一定期間の平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数を取り出す。例えば、30分周期で、図14の動作を実施している場合、3時間で収集されたそれぞれ6個の平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数である。
障害判別手段108は、過去一定期間の平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数とテストフレーム送信回数から算出したパケットロス率の平均値を計算し、時間平均の平均RSSI、時間平均のRSSI標準偏差、時間平均のパケットロス率をそれぞれ算出する。
例えば、パケットロス率はテストフレーム受信成功回数をテストフレーム送信回数で除算することで算出する。
例えば、時間平均の平均RSSIは前記6個の平均RSSIを足して、6で割ることで算出する。例えば、時間平均のRSSI標準偏差は下式で算出する。
【0048】
【数1】

【0049】
ただし、σは時間平均のRSSI標準偏差、σi(i=1,…,6)は6個のRSSI標準偏差のぞれぞれの数値、θは平均RSSI、θi(i=1,…,6)は6個の平均RSSIのそれぞれの数値、Nは6個のテストフレーム受信成功回数の和、niは6個の平均RSSIのそれぞれの数値である。
また、障害判別手段108は、時間平均の平均RSSI、時間平均のRSSI標準偏差、リンク状態係数からRSSI評価値を算出する。RSSI評価値はRSSI値の変動を考慮した上で、電波伝搬環境の悪化や電波干渉の発生を評価するための指標である。
RSSI評価値は、例えば、時間平均RSSIから、時間平均RSSI標準偏差にリンク状態係数を掛けた数値を引くことで算出する。リンク状態係数はリンク状態が変化した場合に電波伝搬環境の悪化や電波干渉を検出する感度であり、大きいほど感度が高くなり、小さな変化でも障害として検出するようになる。
時間平均のパケットロス率がパケットロス率しきい値以上であり、かつ、RSSI評価値がRSSIしきい値より低いか判定し(S203)、Yesなら、障害判別手段108は電波伝搬環境の悪化と判定する。
つまり、無線リンク上に障害物等があるため電波伝搬環境が悪化していると判定する。
S203でNoなら、S204の処理を行う。
障害判別手段108は、前述の時間平均のパケットロス率がパケットロス率しきい値以上であり、かつ、RSSI評価値がRSSIしきい値以上か判定し(S204)、Yesなら電波干渉と判定する。
つまり、親局装置1100と子局装置1200との間の通信以外の電波により目的の通信が阻害されている状況と判定する。
S204でNoなら正常と判定する。
【0050】
[実施の形態1の効果]
以上のように、実施の形態1によれば、親局、子局の2ノードからなる無線通信システムにおいて、通信環境の変化によるRSSIの変動幅の変化を考慮してリンク状態を評価できる。
また、通信不能、もしくは、通信品質が低下したとき、親局が障害要因を解析できる。
【0051】
なお、上記では、子局装置1200は、テストフレーム受信の度に平均RSSI値、RSSI標準偏差を更新し、平均RSSI値、RSSI標準偏差を親局装置1100に通知することとしている。
これに代えて、子局装置1200は、各テストフレーム受信時のRSSI値を記憶し、親局装置1100には各テストフレーム受信時のRSSI値を通知し、親局装置1100が、各テストフレーム受信時のRSSI値から平均RSSI値、RSSI標準偏差を算出するようにしてもよい。
【0052】
また、上記では、障害管理情報テーブルT100にテストフレーム受信成功回数を格納し、障害判別手段108が、障害判別処理時(図16)に、障害管理情報テーブルT100のテストフレーム受信成功回数を用いてパケットロス率を算出することとしている。
これに代えて、計測結果収集応答の受信時に、障害判別手段108が計測結果収集応答に含まれているテストフレーム受信成功回数を用いてパケットロス率を算出し、算出したパケットロス率を障害管理情報テーブルT100に格納するようにしてもよい。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態1では、リンク状態の計測のため、親局からテストフレームを送信し、RSSIとパケットロス率を計測する方式について説明した。
しかし、この方式では、短期的な通信環境の変化の影響を除去し、信頼できる精度でリンク状態の計測を行うために、常にテストフレーム送信回数を多く設定するため、通信による消費電力が増加することになる。
実施の形態2では、リンク状態が良いときはテストフレーム送信回数を減らし、リンク状態が悪くなったらテストフレーム送信回数を増やす無線通信システムについて説明する。
【0054】
[構成の差分]
実施の形態2は、実施の形態1の親局装置1100にサンプル数制御手段109を追加することにより実現する。
図45は、サンプル数制御手段109が保持するテストフレーム送信回数リストT600の例である。
テストフレーム送信回数リストT600は、RSSI評価値とそれに対応するテストフレーム送信回数からなる。
【0055】
図3は、実施の形態2における親局装置1100の構成の一例である。
サンプル数制御手段109以外の構成要素は実施の形態1と共通のため、説明を省略する。
サンプル数制御手段109は、テストフレーム送信回数リストT600を保持し、無線リンクの状態に応じてテストフレームの送信回数を決定(変更)する手段(例えばプログラム)であり、送信回数決定部の例に相当する。
子局装置1200の構成は実施の形態1と同一のため、説明を省略する。
【0056】
[動作の差分]
図17は、実施の形態2における動作の一例である。
S101からS108は実施の形態1と共通のため説明を省略する。
親局装置1100のサンプル数制御手段109は、障害判別手段108からRSSI評価値を受け取る。
サンプル数制御手段109は、テストフレーム送信回数リストT600を参照し、RSSI評価値に対応するテストフレーム送信回数を選び、テストフレーム生成手段104の保持するテストフレーム送信回数を変更する(S109)。
【0057】
[実施の形態2の効果]
以上のように、実施の形態2によれば、通常はテストフレーム送信回数を少なくして消費電力を抑制しつつ、リンク状態が悪化したときはテストフレーム送信回数を増やし、リンク状態の計測精度を高めることができる。
【0058】
実施の形態3.
実施の形態2では、親局と子局からなる無線通信システムにおいて、リンク状態に応じてテストフレーム送信回数を変更する方式について説明した。
しかし、この方式では、複数のノードが使用する無線通信システムでは障害管理情報の収集・蓄積の管理ができない。
実施の形態3では、1つの親局と複数の子局からなる無線通信システムに対応する方式について説明する。
【0059】
[構成の差分]
図29は、実施の形態3におけるシステム構成の一例である。
親局装置1100は、商用電源で駆動する無線通信端末である。
子局装置2200、子局装置2300、子局装置2400は、電池を電源として駆動する無線通信端末である。
N20、N21、N22は、それぞれ親局装置1100と子局装置2200、親局装置1100と子局装置2300、親局装置1100と子局装置2400との通信に用いる無線リンクである。
【0060】
図39は、実施の形態3における親局装置1100の障害管理情報テーブル保管手段107が保持する障害管理情報テーブルT200である。
障害管理情報テーブルT200は、計測シーケンス番号とシステム内のノードに対応する障害管理情報のフィールドを有する。
障害管理情報のフィールドは対応するノードを識別するノードアドレス、電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数からなる。
【0061】
図4は、実施の形態3における親局装置1100の構成の一例である。
送信ノード管理手段110以外の構成要素は実施の形態1の親局装置1100と同一のため、説明を省略する。
送信ノード管理手段110は、親局装置1100と通信を行う子局のアドレスリストを保持する手段(例えばプログラム)である。
子局装置2200、子局装置2300、子局装置2400は実施の形態1の子局装置1200の構成と同一のため、説明を省略する。
【0062】
[動作の差分]
図18及び図19は、実施の形態3における子局装置2200、子局装置2300、子局装置2400が計測を行い、親局装置1100が障害管理情報を収集および障害の有無と要因の判別を行う動作の一例である。
【0063】
親局装置1100の計時手段103が、周期的にテストフレーム生成手段104にテストフレームの送信を開始させる。
テストフレーム生成手段104は、親局装置1100のアドレスを送信元ノードアドレスとするテストフレームC100を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、テストフレームC100を電波信号に変調し、子局装置2200、子局装置2300、子局装置2400にブロードキャストで送信する(S301)。
【0064】
子局装置2200の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットに復調し、コマンドIDによりテストフレームC100と判別すると、リンク状態計測手段203にテストフレームC100を送信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームC100受信時のRSSI値を計測する。
リンク状態計測手段203は、無線受信手段102からRSSI値を取得し、テストフレームC100により得られたリンク状態を実施の形態1のS701からS704(図15)の方法で計測管理情報記録手段204に記録する(S302)。
子局装置2300は、S302と同様の方法でリンク状態を計測管理情報記録手段204に記録する(S303)。
子局装置2400は、S302と同様の方法でリンク状態を計測管理情報記録手段204に記録する(S304)。
【0065】
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満か判定し(S305)、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満なら(Yes)、親局装置1100、子局装置2200、子局装置2300、子局装置2400はS301からS304の処理を繰り返す。
テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数以上なら(No)、親局装置1100はS306の処理を行う。
【0066】
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105が通知を受信すると、送信ノード管理手段110からアドレスリストを参照して、子局装置2200のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが子局装置2200のノードアドレスである計測結果収集要求C200を生成する。
計測結果収集送信手段105は、計測結果収集要求C200を無線送信手段101に送信し、無線送信手段101により、子局装置2200に送信する(S306)。
【0067】
子局装置2200の無線受信手段102は、電波信号を受信し、パケットに復調し、コマンドIDにより計測結果収集要求C200と判別したら、電池状態計測手段201に通知する。
電池状態計測手段201は、子局装置2200に内蔵する電池電圧を計測し、計測管理情報記録手段204に電池電圧を電池状態として記録する(S307)。
子局装置2200の計測結果収集応答手段202は、計測管理情報記録手段204から電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数を障害管理情報として含む計測結果収集応答C300を生成し、無線送信手段101により、親局装置1100に送信する(S308)。
【0068】
親局装置1100の無線受信手段102は、電波信号を受信し、パケットに復調して、コマンドIDにより計測結果収集応答C300と判別したら、送信元ノードアドレスと障害管理情報を取り出し、計測結果記録手段106に送信する。
計測結果記録手段106は、送信元ノードアドレスと障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT200のノードアドレスが等しいフィールドに障害管理情報を記録する(S309)。
【0069】
親局装置1100の計測結果記録手段106は、1つのノードの障害管理情報を記録したら、計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105は通知を受信すると、送信ノード管理手段110からアドレスリストを参照して、子局装置2300のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが子局装置2300のノードアドレスである計測結果収集要求C200を生成する。
計測結果収集送信手段105は、計測結果収集要求C200を無線送信手段101に送信し、無線送信手段101により、子局装置2300に送信する(S310)。
【0070】
子局装置2300は、S307と同様の方法で自局の電池残量を記録する(S311)。
また、子局装置2300は、S308と同様の方法で自局の障害管理情報を含む計測結果収集応答C300を親局装置1100に送信する(S312)。
【0071】
親局装置1100は、S309と同様の方法で子局装置2300の障害管理情報を障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT200の該当するフィールドに記録する(S313)。
【0072】
また、親局装置1100は、S310と同様の方法で子局装置2400に計測結果収集要求C200を送信する(S314)。
【0073】
子局装置2400は、S307と同様の方法で自局の電池残量を記録する(S315)。
また、子局装置2400は、S308と同様の方法で自局の障害管理情報を含む計測結果収集応答C300を親局装置1100に送信する(S316)。
【0074】
親局装置1100は、S309と同様の方法で子局装置2400の障害管理情報を障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT200の該当するフィールドに記録する(S317)。
【0075】
次に、親局装置1100が、システム内のノードの1つを選択し、S201からS204(図16)からなる障害要因判別を行う(S318)。
親局の障害判別手段108が障害管理情報テーブルT200の障害管理情報のフィールドを参照し、全てのノードを選択したか判別し(S319)、全てのノードを選択したら(Yes)、終了する。
全てのノードを選択していなかったら(No)、未選択のノードの障害管理情報を参照し、S318を実施する。
【0076】
[実施の形態3の効果]
以上のように、実施の形態3によれば、1つの親局と複数の子局からなる無線通信システムにおいて各子局の障害の検出と障害要因の判別を実施することができる。
【0077】
実施の形態4.
実施の形態3では、1つの親局と複数の子局からなる無線通信システムにおいて、障害検出および障害要因の判別を行う方式について説明した。
しかし、この方法では、親局と子局の通信を中継する中継局を有する無線通信システムでは、親局と子局の間の障害検出および障害要因の判別ができない。
実施の形態4では、中継局を有する無線通信システムに対応する方式について説明する。
【0078】
[構成の差分]
図30は、実施の形態4におけるシステム構成の一例である。
親局装置1100は、商用電源で駆動する無線通信端末である。
子局装置1200は、電池を電源として駆動する無線通信端末である。
中継局装置1300は、電池を電源として駆動する無線通信端末である。
なお、中継局装置1300は中継局とも表記する。
親局装置1100、子局装置1200は、実施の形態1で示したものと同様である。
N30は、親局装置1100と中継局装置1300が通信する際に使用する無線リンクである。
無線リンクN30は、親局無線通信路の例に相当する。
N31は、中継局装置1300と子局装置1200が通信する際に使用する無線リンクである。
無線リンクN31は、子局無線通信路の例に相当する。
以下では、任意の親局もしくは子局もしくは中継局を指すときにノードと呼ぶ。
【0079】
図35は、実施の形態4における計測結果収集要求C500の一例である。
本実施の形態では、計測結果収集要求C200に送信元ノードから送信先ノードまでのアドレスを格納する通信経路が追加される。
【0080】
図36は実施の形態4における計測結果収集応答C600の一例である。
本実施の形態では、計測結果収集応答C300に通信経路が追加される。
【0081】
図37は、親局装置1100が中継局装置1300にテストフレーム送信を要求する計測要求C700の一例を表す。
計測要求C400は、送信先ノードアドレス、送信元ノードアドレス、通信経路、計測要求を表すコマンドID、計測要求送信成功を確認するために送信する計測要求ごとにシーケンシャルに付加されるコマンドシーケンス番号、計測シーケンス番号、テストフレーム送信回数を持つ。
【0082】
図40は、実施の形態4における親局装置1100の障害管理情報テーブル保管手段107が保持する障害管理情報テーブルT300の一例である。
障害管理情報テーブルT300は、障害管理情報テーブルT200に加えて、リンク状態の情報として送信元ノードアドレスを持つ。
【0083】
図5は、実施の形態4における親局装置1100の構成の一例である。
計測要求送信手段111、通信経路管理手段112、リンク状態計測手段203以外の構成要素は実施の形態3と同一のため、説明を省略する。
計測要求送信手段111は、計測要求C700を生成する手段(例えばプログラム)である。
通信経路管理手段112は、通信時に中継するノードを管理する手段(例えばプログラム)である。
リンク状態計測手段203は、実施の形態1〜3の子局装置1200が備えるリンク状態計測手段203と同一である。
【0084】
図6は、実施の形態4における子局装置1200の構成の一例である。
ルーティング手段205以外の構成要素は実施の形態1〜3と同一のため、説明を省略する。
ルーティング手段205は受信したパケットから中継するノードの情報を制御・保持する手段(例えばプログラム)である。
【0085】
図7は、実施の形態4における中継局装置1300の構成の一例である。
テストフレーム生成手段104以外の構成要素は子局装置1200と同一のため、説明を省略する。
テストフレーム生成手段104は、親局装置1100が備えるテストフレーム生成手段104と同一である。
【0086】
本実施の形態に係る中継局装置1300は、実施の形態1の子局装置1200と同様に、親局装置1100との無線リンクN30の状態を計測するためのテストフレームを親局装置1100から複数回にわたって受信し、RSSI値を計測し、親局装置1100から計測結果収集要求パケットを受信した際に、電池残量を計測し、障害管理情報(電池残量、RSSI値、テストフレーム受信成功回数)を通知する計測結果収集応答パケットを親局装置1100に送信する。
また、中継局装置1300は、実施の形態1の親局装置1100と同様に、子局装置1200との無線リンクN31の状態を計測するためのテストフレームを複数回にわたって子局装置1200に送信し、計測結果収集要求パケットを送信し、子局装置1200から計測結果収集応答パケットを受信する。
更に、中継局装置1300は、子局装置1200から受信した計測結果収集応答パケットを親局装置1100に送信する。
【0087】
このように、中継局装置1300では、無線受信手段102は、親局装置1100からテストフレームと計測結果収集要求パケットを受信しており、テストフレーム受信部及び計測結果収集要求受信部の例に相当する。
計測管理情報記録手段204は、平均RSSI値、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数、計測シーケンス番号を保持しており、記憶部の例に相当する。
電池状態計測手段201は、電池残量計測部の例に相当する。
計測結果収集応答手段202及び無線送信手段101は、中継局装置1300で計測された中継局計測結果(障害管理情報)を含む計測結果収集応答パケットを生成し、送信しており、更に、子局装置1200から受信した計測結果収集応答パケットを送信しており、計測結果送信部の例に相当する。
【0088】
また、テストフレーム生成手段104及び無線送信手段101は、テストフレームを生成し、送信しており、テストフレーム送信部の例に相当する。
無線送信手段101は、計測結果収集要求パケットを送信しており、計測結果収集要求送信部の例に相当する。
また、無線受信手段102は、子局装置1200からの計測結果収集応答パケットを受信しており、更に、計測結果受信部の例に相当する。
【0089】
[動作の差分]
図20及び図21は実施の形態4における親局装置1100、子局装置1200、中継局装置1300が計測を行い、親局装置1100が障害管理情報を収集および障害の有無と要因の判別を行う動作の一例である。
【0090】
親局装置1100の計時手段103がテストフレーム生成手段104にテストフレームの送信を開始させる。
テストフレーム生成手段104は、親局装置1100のアドレスを送信元ノードアドレスとするテストフレームC100を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、テストフレームC100を電波信号に変調し、中継局装置1300にブロードキャストで送信する(S401)。
【0091】
中継局装置1300の無線受信手段102は、電波を受信してパケットに復調し、テストフレームC100と判別すると、リンク状態計測手段203にテストフレームC100を送信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームC100受信時のRSSI値を計測する。
リンク状態計測手段203は、無線受信手段102からRSSI値を取得し、RSSIを計測し、テストフレームC100により得られたリンク状態を実施の形態1のS701からS704(図15)の方法で計測管理情報記録手段204に記録する(S402)。
【0092】
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満か判定し(S404)、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満なら(Yes)、親局装置1100、中継局装置1300はS401、S402、S404の処理を繰り返す。
テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数以上なら(No)、親局装置1100はS405の処理を行う。
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、テストフレーム送信回数だけテストフレームを送信すると、計測要求送信手段111に通知する。
計測要求送信手段111は通知を受信すると、送信ノード管理手段110から中継局装置1300のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが中継局装置1300のノードアドレスである計測要求C700を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、計測要求C700の送信先ノードアドレスである中継局装置1300に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継なしの情報を取得し、計測要求C700の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、通信経路の次のノードアドレスである中継局装置1300に計測要求C700を送信する(S405)。
【0093】
中継局装置1300の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードと通信経路の次のノードアドレスが中継局装置1300なので、無線受信手段102は自局宛のパケットと判別する。
無線受信手段102は、パケットのコマンドIDから計測要求C700と判別すると、テストフレーム生成手段104にテストフレーム送信回数を設定し、通知する。
中継局装置1300のテストフレーム生成手段104は、テストフレームC100を生成し、テストフレームC100を無線送信手段101によりブロードキャストで送信する(S406)。
【0094】
親局装置1100の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットに復調し、コマンドIDによりテストフレームC100と判別すると、リンク状態計測手段203にテストフレームC100を送信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームC100受信時のRSSI値を計測する。
リンク状態計測手段203は、無線受信手段102からRSSI値を取得し、テストフレームC100により得られたリンク状態を実施の形態1のS701からS704(図15)の方法で障害管理情報テーブル保管手段107に記録する(S407)。
【0095】
子局装置1200の無線受信手段102は電波信号を受信してパケットに復調し、コマンドIDによりテストフレームC100と判別すると、リンク状態計測手段203にテストフレームC100を送信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームC100受信時のRSSI値を計測する。
リンク状態計測手段203は、無線受信手段102からRSSI値を取得し、テストフレームC100により得られたリンク状態を実施の形態1のS701からS704(図15)の方法で計測管理情報記録手段204に記録する(S408)。
【0096】
中継局装置1300のテストフレーム生成手段104は、テストフレームを送信した回数とテストフレーム送信回数を比較し(S409)、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満なら(Yes)、S406からS409までの処理を行う。
テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数以上なら(No)、テストフレームの送信を終了する。
【0097】
親局装置1100の計測要求送信手段111は、中継局装置1300のテストフレーム生成手段104がテストフレームの送信を終了するのを時間計測により検知して、計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105は通知を受信すると、送信ノード管理手段110からアドレスリストを参照して、中継局装置1300のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが中継局装置1300のノードアドレスである計測結果収集要求C500を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、計測結果収集要求C500の送信先ノードアドレスである中継局装置1300に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継なしの情報を取得し、計測要求C700の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、中継局装置1300に計測結果収集要求C500を送信する(S410)。
【0098】
中継局装置1300の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードと通信経路の次のノードアドレスが中継局装置1300なので、無線受信手段102は自局宛のパケットと判別する。
無線受信手段102は、ルーティング手段205に送信元ノードである親局装置1100への通信経路として、中継なしの情報を記録する。
無線受信手段102は、パケットのコマンドIDから計測結果収集要求C500と判別すると、計測結果収集応答手段202に通知する。
計測結果収集応答手段202は、電池状態計測手段201に通知する。
電池状態計測手段201は、中継局装置1300に内蔵する電池電圧を計測し、計測管理情報記録手段204に電池電圧を電池状態として記録する(S411)。
中継局装置1300の計測結果収集応答手段202は、計測管理情報記録手段204から電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数を障害管理情報として含む計測結果収集応答C600を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、ルーティング手段205を参照して、送信先ノードが親局装置1100に対応する通信経路として、中継なしの情報を取得し、計測結果収集応答C600の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、親局装置1100に計測結果収集応答C600を送信する(S412)。
【0099】
親局装置1100の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードと通信経路の次のノードアドレスが親局装置1100なので、無線受信手段102は自局宛のパケットと判別する。
無線受信手段102は、パケットのコマンドIDから計測結果収集応答C600と判別すると、計測結果記録手段106に送信する。
計測結果記録手段106は、送信元ノードアドレスと障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT300のノードアドレスが等しいフィールドに障害管理応報を記録する(S414)。
親局装置1100の計測結果記録手段106は、1つのノードの障害管理情報を記録したら、計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105は通知を受信すると、送信ノード管理手段110からアドレスリストを参照して、子局装置1200のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが子局装置1200のノードアドレスである計測結果収集要求C500を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、送信先ノードが子局装置1200に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継局装置1300を取得し、計測結果収集要求C500の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、通信経路の次のノードアドレスである中継局装置1300に計測結果収集要求C500を送信する(S414)。
【0100】
中継局装置1300の無線受信手段102は、電波を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードが中継局装置1300のノードアドレスではないので、無線受信手段102はルーティング手段205にパケットを送信する。
ルーティング手段205は無線送信手段101にパケットを送信する。
無線送信手段101は、子局装置1200にパケット(計測結果収集要求C500)を送信する。
【0101】
子局装置1200の無線受信手段102は、電波を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードが子局装置1200なので、自局宛のパケットと判断する。
無線受信手段102は、ルーティング手段205に送信元ノードである親局装置1100への通信経路として、中継局装置1300のノードアドレスを記録する。
無線受信手段102は、コマンドIDから計測結果収集要求C500と判別すると、計測結果収集要求C500を計測結果収集応答手段202に送信する。
計測結果収集応答手段202は、電池状態計測手段201に通知する。
電池状態計測手段201は電池電圧を計測し、計測管理情報記録手段204に電池電圧を電池状態として記録する(S415)。
子局装置1200の計測結果収集応答手段202は、計測管理情報記録手段204から電池状態、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数を障害管理情報として含む計測結果収集応答C600を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101はルーティング手段205を参照して、送信先ノードが親局装置1100に対応する通信経路として、中継局装置1300のノードアドレスを取得して、計測結果収集応答C600の通信経路に書き込む。
計測結果収集応答手段202は、無線送信手段101に計測結果収集応答C600を送信する。
無線送信手段101は、中継局装置1300に計測結果収集応答C600を送信する(S417)。
【0102】
中継局装置1300の無線受信手段102は電波を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードが中継局装置1300のノードアドレスではないので、無線受信手段102はルーティング手段205にパケットを送信する。
ルーティング手段205は、無線送信手段101にパケットを送信する。
無線送信手段101は、親局装置1100にパケット(計測結果収集応答C600)を送信する(S418)。
【0103】
親局装置1100の無線受信手段102は、電波を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードが親局装置1100のノードアドレスなので、自局宛のパケットと判別する。
無線受信手段102は、コマンドIDから計測結果収集応答C600と判別すると、計測結果収集応答C600を計測結果記録手段106に送信する。
計測結果記録手段106は、送信元ノードアドレスと障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT300のノードアドレスが等しいフィールドに障害管理情報を記録する(S419)。
親局がシステム内のノードの1つを選択し、S201からS204(図16)からなる障害要因判別を行う(S420)。
親局の障害判別手段108が障害管理情報テーブルT200の障害管理情報のフィールドを参照し、全てのノードを選択したか判別し(S421)、全てのノードを選択したら(Yes)、終了する。
全てのノードを選択していなかったら(No)、未選択のノードの障害管理情報を参照し、S420を実施する。
【0104】
[実施の形態4の効果]
以上のように、実施の形態4によれば、親局と子局との通信を中継する中継局を含む無線通信システムにおいて障害の検出と障害要因の判別を実施することができる。
【0105】
実施の形態5.
実施の形態4では、親局と子局との間に中継局を含む無線通信システムにおいて、障害検出および障害要因の判別を行う方式について説明した。
しかし、この方法では、障害が発生してから保守を実施するまでの間でも、親局が子局と通信経路を確保するための冗長な中継局を備える無線通信システムでは、冗長な中継局もしくは無線リンクにおける障害検出および障害要因の判別ができない。
実施の形態5では、冗長な中継局および無線リンクを有する無線通信システムにおいて障害検出および障害要因判別を行う方式について説明する。
【0106】
[構成の差分]
図31は実施の形態5におけるシステム構成図である。
親局装置1100は商用電源で駆動する無線端末である。
子局装置1200は電池を電源として駆動する無線端末である。
中継局装置1300は電池を電源として駆動し、親局装置1100と子局装置1200の通信を中継する無線端末である。
中継局装置1400は電池を電源として駆動し、親局装置1100と子局装置1200の通信経路で障害が発生したときに中継局装置1300の代わりとして使用する冗長な無線端末である。
なお、中継局装置1300は中継局1300とも表記し、中継局装置1400は中継局1400とも表記する。
親局装置1100、子局装置1200及び中継局装置1300は、実施の形態4で示したものと同様である。
中継局装置1300は第1の中継局装置の例に相当し、中継局装置1400は第2の中継局装置の例に相当する。
N40は、親局装置1100と中継局装置1300が通信する際に使用する無線リンクである。
無線リンクN40は、第1の中継局無線通信路の例に相当する。
N41は、中継局装置1300と子局装置1200が通信する際に使用する無線リンクである。
無線リンクN41は、第1の子局無線通信路の例に相当する。
N42は、親局装置1100と中継局装置1400が通信する際に使用する無線リンクである。
無線リンクN42は、第2の中継局無線通信路の例に相当する。
N43は、中継局装置1400と子局装置1200が通信する際に使用する無線リンクである。
無線リンクN43は、第2の子局無線通信路の例に相当する。
N45は、中継局装置1300と中継局装置1400が通信する際に使用する無線リンクである。
無線リンクN45は、中継局間無線通信路の例に相当する。
【0107】
図41は、実施の形態5における親局装置1100の障害管理情報テーブル保管手段107が保持する障害管理情報テーブルT400の一例である。
障害管理情報テーブルT400は、障害管理情報テーブルT300に加えて、ノードが使用する無線リンクの数に応じて複数のリンク状態の情報を保持する。
【0108】
図42は、実施の形態5における子局装置1200、中継局装置1300、中継局装置1400の計測管理情報記録手段204が保持するノード障害管理情報T500である。
ノード障害管理情報T500は計測シーケンス番号、電池状態、複数のリンク状態からなる。
リンク状態は送信元ノードアドレス、平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数からなる。
【0109】
図8は、実施の形態5における親局装置1100の構成の一例である。
通信経路変更手段115以外の構成要素は実施の形態4と同一のため、説明を省略する。
通信経路変更手段115は、障害判別結果に応じて通信経路を変更する手段(例えばプログラム)である。
換言すれば、通信経路変更手段115は、障害判別手段108の判定結果に基づき、中継局装置1300又は中継局装置1400を、現用の通信先として選択する。
通信経路変更手段115は、中継局選択部の例に相当する。
【0110】
図9は、実施の形態5における子局装置1200の構成の一例である。
ノード障害管理情報記録手段206以外の構成要素は実施の形態4と同一のため、説明を省略する。
ノード障害管理情報記録手段206は、ノード障害管理情報T500を保持するDRAMなどの記録素子である。
【0111】
図10は、実施の形態5における中継局装置1300及び中継局装置1400の構成の一例である。
実施の形態4の中継局装置1300の構成に加えて、ノード障害管理情報記録手段206が追加される。
【0112】
[動作の差分]
図26は、実施の形態5において、ノードがテストフレームC100を受信して、リンク状態を計測する動作の一例である。
図26のフローは、親局装置1100、子局装置1200、中継局装置1300、中継局装置1400の全てに適用される。
【0113】
リンク状態計測手段203がテストフレームC100を受信すると、ノード障害管理情報記録手段206からノード障害管理情報T500を参照する(S801)。
リンク状態計測手段203が保持している計測シーケンス番号とテストフレームC100の計測シーケンス番号を比較し(S802)、異なる場合(No)、リンク状態計測手段203は計測管理情報記録手段204に記録されているノード障害管理情報T500をクリアし、テストフレームC100により得た計測シーケンス番号を記録する。
また、リンク状態計測手段203はノード障害管理情報T500のリンク状態の1つのフィールドにおいて、テストフレームC100の送信元ノードアドレスをノードアドレス、テストフレームC100のRSSIを平均RSSIとし、RSSI標準偏差を0とし、テストフレーム受信成功回数を1とする(S803)。
保持している計測シーケンス番号とテストフレームC100の計測シーケンス番号が同一の場合(Yes)、リンク状態計測手段203はノード障害管理情報T500にテストフレームC100の送信元ノードアドレスに該当するリンク状態のフィールドがあるか確認する(S804)。
ノード障害管理情報T500に該当するリンク状態のフィールドがない場合(No)、リンク状態が記録されていないリンク状態のフィールドにおいて、テストフレームC100の送信元ノードアドレスをノードアドレス、テストフレームC100のRSSIを平均RSSIとし、RSSI標準偏差を0とし、テストフレーム受信成功回数を1とする(S805)。
ノード障害管理情報T500に該当するリンク状態のフィールドがある場合(Yes)、リンク状態計測手段203は該当するリンク状態のフィールドにおいて、テストフレーム受信成功回数をインクリメントする。
そして、計測したRSSIと、保持している平均RSSI、RSSI標準偏差、テストフレーム受信成功回数から、平均RSSIとRSSI標準偏差を更新する(S806)。
【0114】
図22、図23、図24及び図25は、実施の形態5における親局装置1100、子局装置1200、中継局装置1300、中継局装置1400が計測を行い、親局装置1100が障害管理情報を収集および障害の有無と要因の判別を行う動作の一例である。
【0115】
親局装置1100の計時手段103がテストフレーム生成手段104にテストフレームの送信を開始させる。
テストフレーム生成手段104は、親局装置1100のアドレスを送信元ノードアドレスとするテストフレームC100を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、テストフレームC100を電波信号に変調し、中継局装置1300、中継局装置1400にブロードキャストで送信する(S501)。
【0116】
中継局装置1300の無線受信手段102は電波信号を受信してパケットに復調し、テストフレームC100と判別すると、リンク状態計測手段203にテストフレームC100を送信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームC100受信時のRSSI値を計測する。
リンク状態計測手段203は、無線受信手段102からRSSI値を取得し、テストフレームC100により得られたリンク状態を図26のS801からS806の方法でノード障害管理情報記録手段206のノード障害管理情報T500に記録する(S502)。
【0117】
中継局装置1400はS502と同様の方法でリンク状態を記録する(S503)。
【0118】
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満か判定し(S504)、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満なら(Yes)、親局装置1100、中継局装置1300、中継局装置1400はS501、S502、S503の処理を繰り返す。
テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数以上なら(No)、親局装置1100はS505の処理を行う。
親局装置1100のテストフレーム生成手段104は、テストフレーム送信回数だけテストフレームを送信すると、計測要求送信手段111に通知する。
計測要求送信手段111は通知を受信すると、送信ノード管理手段110から中継局装置1300のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが中継局装置1300のノードアドレスである計測要求C700を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、計測要求C700の送信先ノードアドレスである中継局装置1300に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継なしの情報を取得し、計測要求C700の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、通信経路の次のノードアドレスである中継局装置1300に計測要求C700を送信する(S505)。
【0119】
中継局装置1300の無線受信手段102は電波信号を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードと通信経路の次のノードアドレスが中継局装置1300なので、無線受信手段102は自局宛のパケットと判別する。
無線受信手段102は、パケットのコマンドIDから計測要求C700と判別すると、テストフレーム生成手段104にテストフレーム送信回数を設定し、通知する。
中継局装置1300のテストフレーム生成手段104はテストフレームC100を生成し、テストフレームC100を無線送信手段101によりブロードキャストで送信する(S506)。
【0120】
親局装置1100の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットに復調し、コマンドIDによりテストフレームC100と判別すると、リンク状態計測手段203にテストフレームC100を送信する。
また、無線受信手段102は、テストフレームC100受信時のRSSI値を計測する。
リンク状態計測手段203は、無線受信手段102からRSSI値を取得し、テストフレームC100により得られたリンク状態を図26のS801からS806の方法で障害管理情報テーブル保管手段107に記録する(S507)。
【0121】
中継局装置1400はS502と同様の方法でリンク状態を記録する(S508)。
子局装置1200はS502と同様の方法でリンク状態を記録する(S509)。
【0122】
中継局装置1300のテストフレーム生成手段104は、テストフレームを送信した回数とテストフレーム送信回数を比較し(S510)、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満なら(Yes)、S506からS509までの処理を行う。
テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数以上なら(No)、テストフレームの送信を終了する。
【0123】
親局装置1100の計測要求送信手段111は、中継局装置1300のテストフレーム生成手段104がテストフレームの送信を終了するのを時間計測により検知して、中継局装置1400への計測要求C700の生成を開始する。
計測要求送信手段111は、送信ノード管理手段110から中継局装置1400のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが中継局装置1400のノードアドレスである計測要求C700を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、計測要求C700の送信先ノードアドレスである中継局装置1400に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継なしの情報を取得し、計測要求C700の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は通信経路の次のノードアドレスである中継局装置1400に計測要求C700を送信する(S511)。
【0124】
中継局装置1400は、S506と同様の方法でテストフレームC100をブロードキャストで送信する(S512)。
親局装置1100はS507と同様の方法でリンク状態を記録する(S513)。
中継局装置1300はS502と同様の方法でリンク状態を記録する(S514)。
子局装置1200はS502と同様の方法でリンク状態を記録する(S515)。
【0125】
中継局装置1400のテストフレーム生成手段104はテストフレームを送信した回数とテストフレーム送信回数を比較し(S516)、テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数未満なら(Yes)、S512からS515までの処理を行う。
テストフレームを送信した回数がテストフレーム送信回数以上なら(No)、テストフレームの送信を終了する。
【0126】
親局装置1100の計測要求送信手段111は、中継局装置1300のテストフレーム生成手段104がテストフレームの送信を終了するのを時間計測により検知して、計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105は通知を受信すると、送信ノード管理手段110からアドレスリストを参照して、中継局装置1300のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが中継局装置1300のノードアドレスである計測結果収集要求C500を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、計測結果収集要求C500の送信先ノードアドレスである中継局装置1300に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継なしの情報を取得し、計測要求C700の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、中継局装置1300に計測結果収集要求C500を送信する(S517)。
【0127】
中継局装置1300の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードと通信経路の次のノードアドレスが中継局装置1300なので、無線受信手段102は自局宛のパケットと判別する。
無線受信手段102はルーティング手段205に送信元ノードである親局装置1100への通信経路として、中継なしの情報を記録する。
無線受信手段102はパケットのコマンドIDから計測結果収集要求C500と判別すると、計測結果収集応答手段202に通知する。
計測結果収集応答手段202は、電池状態計測手段201に通知する。
電池状態計測手段201は中継局装置1300に内蔵する電池電圧を計測し、計測管理情報記録手段204に電池電圧を電池状態として記録する(S518)。
中継局装置1300の計測結果収集応答手段202は、計測管理情報記録手段204からノード障害管理情報T500のデータを障害管理情報として含む計測結果収集応答C600を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101はルーティング手段205を参照して、送信先ノードが親局装置1100に対応する通信経路として、中継なしの情報を取得し、計測結果収集応答C600の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、親局装置1100に計測結果収集応答C600を送信する(S519)。
【0128】
なお、中継局装置1300が送信する計測結果収集応答C600には、親局装置1100からのテストフレーム受信時の平均RSSI値、RSSI標準偏差、親局装置1100からのテストフレームの受信成功回数、中継局装置1400からのテストフレーム受信時の平均RSSI値、RSSI標準偏差、中継局装置1400からのテストフレームの受信成功回数、中継局装置1300の電池残量が含まれる。
【0129】
親局装置1100の無線受信手段102は電波を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードと通信経路の次のノードアドレスが親局装置1100なので、無線受信手段102は自局宛のパケットと判別する。
無線受信手段102はパケットのコマンドIDから計測結果収集応答C600と判別すると、計測結果記録手段106に送信する。
計測結果記録手段106は、送信元ノードアドレスと障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT400のノードアドレスが等しいフィールドに障害管理情報を記録する(S520)。
親局装置1100の計測結果記録手段106は1つのノードの障害管理情報を記録したら、計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105は通知を受信すると、送信ノード管理手段110からアドレスリストを参照して、中継局装置1400のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが中継局装置1400のノードアドレスである計測結果収集要求C500を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、送信先ノードが中継局装置1400に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継なしの情報を取得し、計測結果収集要求C500の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、中継局装置1400に計測結果収集要求C500を送信する(S521)。
【0130】
中継局装置1400はS518と同様の方法で電池残量を計測する(S522)。
中継局装置1400はS519と同様の方法で計測結果収集応答C600を親局装置1100に送信する(S523)。
【0131】
なお、中継局装置1400が送信する計測結果収集応答C600には、親局装置1100からのテストフレーム受信時の平均RSSI値、RSSI標準偏差、親局装置1100からのテストフレームの受信成功回数、中継局装置1300からのテストフレーム受信時の平均RSSI値、RSSI標準偏差、中継局装置1300からのテストフレームの受信成功回数、中継局装置1400の電池残量が含まれる。
【0132】
親局装置1100はS520と同様の方法で中継局装置1400の障害管理情報を障害管理情報テーブルT400に記録する(S524)。
親局装置1100の計測結果記録手段106は1つのノードの障害管理情報を記録したら、計測結果収集送信手段105に通知する。
計測結果収集送信手段105は通知を受信すると、送信ノード管理手段110からアドレスリストを参照して、子局装置1200のノードアドレスを取得し、送信先ノードアドレスが子局装置1200のノードアドレスである計測結果収集要求C500を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101は、送信先ノードが子局装置1200に対応する通信経路を通信経路管理手段112から参照し、中継局装置1300を取得し、計測結果収集要求C500の通信経路に書き込む。
無線送信手段101は、通信経路の次のノードアドレスである中継局装置1300に計測結果収集要求C500を送信する(S525)。
【0133】
中継局装置1300の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードが中継局装置1300のノードアドレスではないので、無線受信手段102はルーティング手段205にパケットを送信する。
ルーティング手段205は無線送信手段101にパケットを送信する。
無線送信手段101は、子局装置1200にパケット(計測結果収集要求C500)を送信する(S526)。
【0134】
子局装置1200の無線受信手段102は、電波信号を受信してパケットを復調し、送信先ノードと通信経路を確認する。
送信先ノードが子局装置1200なので、自局宛のパケットと判断する。
無線受信手段102は、ルーティング手段205に送信元ノードである親局装置1100への通信経路として、中継局装置1300のノードアドレスを記録する。
無線受信手段102はコマンドIDから計測結果収集要求C500と判別すると、計測結果収集要求C500を計測結果収集応答手段202に送信する。
計測結果収集応答手段202は、電池状態計測手段201に通知する。
電池状態計測手段201は電池電圧を計測し、計測管理情報記録手段204に電池電圧を電池状態として記録する(S527)。
子局装置1200の計測結果収集応答手段202は、計測管理情報記録手段204からノード障害管理情報T500のデータを障害管理情報として含む計測結果収集応答C600を生成し、無線送信手段101に送信する。
無線送信手段101はルーティング手段205を参照して、送信先ノードが親局装置1100に対応する通信経路として、中継局装置1300のノードアドレスを取得して、計測結果収集応答C600の通信経路に書き込む。
計測結果収集応答手段202は、無線送信手段101に計測結果収集応答C600を送信する。
無線送信手段101は、中継局装置1300に計測結果収集応答C600を送信する(S528)。
【0135】
なお、子局装置1200が送信する計測結果収集応答C600には、中継局装置1300からのテストフレーム受信時の平均RSSI値、RSSI標準偏差、中継局装置1300からのテストフレームの受信成功回数、中継局装置1400からのテストフレーム受信時の平均RSSI値、RSSI標準偏差、中継局装置1400からのテストフレームの受信成功回数、子局装置1200の電池残量が含まれる。
【0136】
中継局装置1300は、S526と同様の方法でパケットを中継して親局装置1100に送信する(S529)。
【0137】
親局装置1100は、S520と同様の方法で子局装置1200の障害管理情報を障害管理情報テーブルT400に記録する(S530)。
親局装置1100が、システム内のノードの1つを選択し、S201からS204(図16)からなる障害要因判別を行う(S531)。
親局装置1100の障害判別手段108が障害管理情報テーブルT400の障害管理情報のフィールドを参照し、全てのノードを選択したか判別し(S532)、全てのノードを選択したら(Yes)、終了する。
全てのノードを選択していなかったら(No)、未選択のノードの障害管理情報を参照し、S531を実施する。
【0138】
親局装置1100の障害判別手段108は全ノードの障害判別処理が完了したら、通信経路変更手段115に通知する。
通信経路変更手段115は、親局装置1100から中継局装置1300、親局装置1100から中継局装置1400、親局装置1100から子局装置1200の経路上のノードもしくは無線リンクで障害が発生していたら、障害が発生していないノードもしくは無線リンクを選んで、通信経路を更新する(S533)。
【0139】
[実施の形態5の効果]
以上のように、実施の形態5によれば、障害が発生したときに代替として用いるノードがあり、各ノードが複数の無線リンクを有する無線通信システムにおいて、全てのノードおよび無線リンクに対して障害の検出と障害要因の判別を実施することができる。
【0140】
実施の形態6.
実施の形態5では、冗長なノードおよび無線リンクを有する無線通信システムにおいて、全てのノードおよび無線リンクに対して障害検出および障害要因の判別を行う方式について説明した。
しかし、この方法では、一時的に発生した電波干渉や、例えば草木の揺れによる電波伝搬環境の悪化によるパケットロスの要因を判別することができない。
実施の形態6では、一時的な通信環境の悪化によるパケットロスを判別する行う方式について説明する。
【0141】
[構成の差分]
図43は、親局装置1100の障害管理情報テーブル保管手段107が保持する障害管理情報テーブルT700の構成の一例を示す。
障害管理情報テーブルT400に加えて、エラーの種類を表すエラー種別、エラーの内容を表すエラー情報からなるエラーログを複数有する。
【0142】
図44は、子局装置1200、中継局装置1300、中継局装置1400のノード障害管理情報記録手段206が保持するノード障害管理情報T800の一例を示す。
ノード障害管理情報T700に加えて複数のエラーログを有する。
【0143】
図11は、実施の形態6における親局装置1100の構成の一例である。エラーログ記録手段114以外は実施の形態5と同一のため、説明を省略する。
エラーログ記録手段114は、無線における送受信で発生した通信エラーの情報を記録する手段(例えばプログラム)である。
エラーログ記録手段114は、通信エラー情報記憶部の例に相当する。
【0144】
図12は、実施の形態6における子局装置1200の構成の一例である。
実施の形態5の子局装置1200の構成にエラーログ記録手段114が追加される。
【0145】
図13は、実施の形態6における中継局装置1300および中継局装置1400の構成の一例である。
実施の形態5の中継局装置1300および中継局装置1400の構成にエラーログ記録手段114が追加される。
【0146】
親局装置1100におけるエラーログ記録手段114の動作は以下のとおりである。
【0147】
無線送信手段101がパケット送信時に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)によりエラーとなった場合、パケット送信後にACK(Acknowledgement)を受信できなかった場合に送信したパケットの情報をエラーログ記録手段114に送信する。
また、無線受信手段102がパケット受信時に、RSSIしきい値より高い値でCRC(Cyclic Redundancy Check)不一致となるCRCエラーとなった場合も同様にエラーログ記録手段114にパケットの情報を送信する。
エラーログ記録手段114は、パケットからエラー種別とエラー情報を取得し、親局装置1100の障害管理情報テーブル保管手段107の障害管理情報テーブルT500にエラーログを記録する。
【0148】
子局装置1200、中継局装置1300、中継局装置1400におけるエラーログ記録手段114は同様の方法で、ノード障害管理情報記録手段206のノード障害管理情報T800にエラーログを記録する。
ノード障害管理情報T800に記録されたエラーログは、実施の形態5で示したように、計測結果収集応答C600に含まれて親局装置1100に通知される。
【0149】
[動作の差分]
図27は、実施の形態6における親局装置1100の障害判別手段108が実施する障害要因判別の一例である。
S601からS604は実施の形態5におけるS201からS204(図16)と同一のため説明を省略する。
【0150】
エラーログ(エラーログ記録手段114内のエラーログ又は計測結果収集応答C600に含まれているエラーログ)に記録がある場合(S605でYES)、エラーログが示すパケットの送受信時に一時的なエラーが発生したと判断する。
例えば、CSMA/CAエラーが記録されている場合は一時的に送信ノード周辺で通信が混信したと判断する。
また、例えば、CRCエラーが記録されている場合は一時的に受信ノード周辺で通信が混信したと判断する。
[実施の形態5の効果]
以上のように、実施の形態6によれば、一時的に発生した通信環境の悪化を把握することができる。
【0151】
以上の実施の形態1〜6では、
リンク状態を計測するためのテストフレームを送信するテストフレーム生成手段と、
子局の計測したデータを収集する計測結果収集要求手段と、
収集したデータから障害の検出および障害要因の判別を行う障害要因判別手段と、
を備える親局と、
電池残量を計測する電池状態計測手段と、
RSSIおよびテストフレームを受信した回数を計測するリンク状態計測手段と、
計測したデータを無線で通信する手段と、
を備える子局
からなる無線通信システムを説明した。
【0152】
また、実施の形態3では、
複数の子局を管理する送信ノード管理手段と、
ノードごとに記録したリンク状態およびノード状態のデータを分けて格納する障害管理情報テーブルと、
を備える親局と、
複数の子局
からなる無線通信システムを説明した。
【0153】
また、実施の形態4では、
パケットを送信してテストフレーム送信を要求する計測要求送信手段と、
中継するノードの順序を管理する通信経路管理手段と、
を備える親局と、
中継ノードを含む無線通信を制御するルーティング手段と、
テストフレーム生成手段と、
電池状態計測手段と、
リンク状態計測手段と、
計測したデータを無線で通信する手段と、
を備える中継局と、
子局
からなる無線通信システムを説明した。
【0154】
また、実施の形態5では、
ノードごとに複数の無線リンクのリンク状態の情報を分けて記録する障害管理情報テーブル保管手段と、
子局との通信性能が劣化したときに代替のノードや無線リンクに通信経路に変更する通信経路変更手段と、
を備える親局と、
複数の無線リンクのリンク状態の情報を分けて記録する障害管理情報記録手段を備える中継局および子局
を備える無線通信システムを説明した。
【0155】
また、実施の形態1〜6では、
全てのノードに対して、予め定めた期間の電池状態情報の平均値と電池状態しきい値を比較することで電池切れを判定する手段と、
全てのノードに対して、予め定めた期間だけデータが受信できないことでノード故障と判定する手段と、
全ての無線リンクに対して、予め定めた期間のパケットロス率がパケットロス率しきい値以上、かつ、予め定めた期間のRSSIから算出したRSSI評価値がRSSIしきい値未満であることでノード間が電波の伝搬性が悪化したことを示す電波伝搬環境の悪化と判定する手段と、
全ての無線リンクに対して、予め定めた期間のパケットロス率がパケットロス率しきい値以上、かつ、予め定めた期間のRSSIから算出したRSSI評価値がRSSIしきい値以上であることでノード間が目的の通信以外の電波により目的の通信が阻害される電波干渉と、
の障害要因を判別する障害判別手段を説明した。
【0156】
また、実施の形態1〜6では、
所定の期間内に計測したRSSIの平均値および標準偏差からRSSI評価値を算出し、RSSIしきい値と比較することにより、電波伝搬環境の悪化もしくは電波干渉の判定を行う障害判別手段を説明した。
【0157】
また、実施の形態2では、
親局の障害要因判別に応じて、親局および中継局がテストフレームを送信する回数を変更する無線通信システムを説明した。
【0158】
また、実施の形態6では、
無線による送信時もしくは受信時にパケットロスが発生したときに、パケットの情報およびエラーの情報からなるエラーログを記録する無線通信システムを説明した。
【0159】
また、実施の形態6では、エラーログによりパケットごとにパケットロスの要因を判別する障害判別手段を説明した。
【0160】
最後に、実施の形態1〜6に示した親局装置1100、子局装置1200、中継局装置1300及び中継局装置1400(以下、親局装置1100等という)のハードウェア構成例について説明する。
図46は、実施の形態1〜6に示す親局装置1100等のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図46の構成は、あくまでも親局装置1100等のハードウェア構成の一例を示すものであり、親局装置1100等のハードウェア構成は図46に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0161】
図46において、親局装置1100等は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、キーボードやマウスといった入力装置と接続されていてもよい。
また、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)等と接続していてもよい。
また、磁気ディスク装置920の代わりに、SSD(Solid State Drive)、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
【0162】
通信ボード915は、他ノードと無線通信が可能である。
【0163】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921を利用しながら実行する。
【0164】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0165】
上記プログラム群923には、実施の形態1〜6の説明において「〜手段」や「〜部」として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。
プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0166】
ファイル群924には、実施の形態1〜6の説明において、「〜の判断」、「〜の判定」、「〜の計測」、「〜の計算」、「〜の算出」、「〜の比較」、「〜の更新」、「〜の設定」、「〜の登録」、「〜の選択」、「〜の入力」、「〜の出力」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。
ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出される。
【0167】
また、実施の形態1〜6で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示す。
データや信号値は、RAM914のメモリ、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他の記録媒体に記録される。
また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0168】
また、実施の形態1〜6の説明において「〜手段」、「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。
すなわち、実施の形態1〜6で説明したフローチャートに示すステップ、手順、処理により、親局装置1100等の処理をデータ処理方法として捉えることができる。
また、「〜手段」、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。
或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。
プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。
すなわち、プログラムは、実施の形態1〜6の「〜手段」、「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1〜6の「〜手段」、「〜部」」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【符号の説明】
【0169】
101 無線送信手段、102 無線受信手段、103 計時手段、104 テストフレーム生成手段、105 計測結果収集送信手段、106 計測結果記録手段、107 障害管理情報テーブル保管手段、108 障害判別手段、109 サンプル数制御手段、110 送信ノード管理手段、111 計測要求送信手段、112 通信経路管理手段、114 エラーログ記録手段、115 通信経路変更手段、201 電池状態計測手段、202 計測結果収集応答手段、203 リンク状態計測手段、204 計測管理情報記録手段、205 ルーティング手段、206 ノード障害管理情報記録手段、1100 親局装置、1200 子局装置、1300 中継局装置、1400 中継局装置、2200 子局装置、2300 子局装置、2400 子局装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を電源とする子局装置と無線通信路を介して通信を行う親局装置であって、
前記無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記無線通信路を介して前記子局装置に送信するテストフレーム送信部と、
前記テストフレーム送信部によりテストフレームの送信が所定回行われた後に、前記子局装置に対して前記子局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記無線通信路を介して前記子局装置に送信する計測結果収集要求送信部と、
前記子局装置により各テストフレーム受信時に計測されたRSSI(Received Signal Strength Indicator)値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記子局装置により計測されたテストフレームの受信回数と、前記子局装置により計測された前記子局装置の電池残量とが示される子局計測結果を前記無線通信路を介して前記子局装置から受信する計測結果受信部と、
前記計測結果受信部により受信された計測結果を解析して、前記子局装置の状態及び前記無線通信路の状態を判定する状態判定部とを有することを特徴とする親局装置。
【請求項2】
前記状態判定部は、
前記子局計測結果に示されるRSSI値及び算出値の少なくともいずれかと、前記子局装置のテストフレームの受信回数と、前記テストフレーム送信部によるテストフレームの送信回数とに基づき、パケットロス率とRSSI評価値とを算出し、
算出したパケットロス率とRSSI評価値とを用いて、前記無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
【請求項3】
前記状態判定部は、
算出したパケットロス率がしきい値以上であり、算出したRSSI評価値がしきい値未満である場合に、前記無線通信路における電波伝搬環境が悪化したと判定し、
算出したパケットロス率がしきい値以上であり、算出したRSSI評価値がしきい値以上である場合に、前記無線通信路において電波干渉が発生していると判定することを特徴とする請求項2に記載の親局装置。
【請求項4】
前記状態判定部は、
前記子局計測結果に示される前記子局装置の電池残量がしきい値未満である場合に、前記子局装置の電池が不足していると判定することを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
【請求項5】
前記親局装置は、更に、
前記無線通信路の状態に応じて前記テストフレーム送信部によるテストフレームの送信回数を決定する送信回数決定部を有し、
前記計測結果収集要求送信部は、
前記送信回数決定部により決定された送信回数分、前記テストフレーム送信部によりテストフレームの送信が行われた後に、前記計測結果収集要求を前記無線通信路を介して前記子局装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
【請求項6】
前記送信回数決定部は、
前記無線通信路の状態が悪化した場合に、前記テストフレーム送信部によるテストフレームの送信回数を増加させ、
前記無線通信路の状態が改善した場合に、前記テストフレーム送信部によるテストフレームの送信回数を減少させることを特徴とする請求項5に記載の親局装置。
【請求項7】
前記親局装置は、更に、
前記子局装置との通信で検出された通信エラーが示される通信エラー情報を記憶する通信エラー情報記憶部を有し、
前記状態判定部は、
前記計測結果受信部により受信された計測結果と前記通信エラー情報記憶部に記憶されている通信エラー情報を解析して、前記子局装置の状態及び前記無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
【請求項8】
前記計測結果受信部は、
前記親局装置との通信で前記子局装置において検出された通信エラーが示される子局計測結果を受信することを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
【請求項9】
前記親局装置は、
電池を電源とする複数の子局装置と複数の無線通信路を介して通信を行い、
前記テストフレーム送信部は、
前記複数の子局装置にテストフレームを送信し、
前記計測結果収集要求送信部は、
子局装置ごとに、テストフレームの送信が所定回行われた後に、計測結果収集要求を送信し、
前記計測結果受信部は、
子局装置ごとに、子局計測結果を受信し、
前記状態判定部は、
子局装置ごとに、子局計測結果を解析して、子局装置の状態及び当該子局装置との無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の親局装置。
【請求項10】
電池を電源とする中継局装置と無線通信路を介して通信を行う親局装置であって、
前記無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記無線通信路を介して前記中継局装置に送信するテストフレーム送信部と、
前記テストフレーム送信部によりテストフレームの送信が所定回行われた後に、前記中継局装置に対して前記中継局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記無線通信路を介して前記中継局装置に送信する計測結果収集要求送信部と、
前記中継局装置により各テストフレーム受信時に計測されたRSSI(Received Signal Strength Indicator)値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記中継局装置により計測されたテストフレームの受信回数と、前記中継局装置により計測された前記中継局装置の電池残量とが示される中継局計測結果を前記無線通信路を介して前記中継局装置から受信する計測結果受信部と、
前記計測結果受信部により受信された中継局計測結果を解析して、前記中継局装置の状態及び前記無線通信路の状態を判定する状態判定部とを有することを特徴とする親局装置。
【請求項11】
前記親局装置は、
前記中継局装置と無線通信路を介して通信を行う、電池を電源とする子局装置を管理しており、
前記計測結果受信部は、
前記中継局装置と前記子局装置の間の無線通信路である子局無線通信路の状態を計測するためのテストフレームが前記中継局装置から前記子局無線通信路を介して前記子局装置に所定回送信された後に、
前記子局装置により各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記子局装置により計測されたテストフレームの受信回数と、前記子局装置により計測された前記子局装置の電池残量とが示される子局計測結果を前記無線通信路を介して前記中継局装置から受信し、
前記状態判定部は、
前記計測結果受信部により受信された子局計測結果を解析して、前記子局装置の状態及び前記子局無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項10に記載の親局装置。
【請求項12】
前記状態判定部は、
前記中継局計測結果に示されるRSSI値及び算出値の少なくともいずれかと、前記中継局装置のテストフレームの受信回数と、前記テストフレーム送信部によるテストフレームの送信回数とに基づき、パケットロス率とRSSI評価値とを算出し、
算出したパケットロス率とRSSI評価値とを用いて、前記無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項10に記載の親局装置。
【請求項13】
前記状態判定部は、
算出したパケットロス率がしきい値以上であり、算出したRSSI評価値がしきい値未満である場合に、前記無線通信路における電波伝搬環境が悪化したと判定し、
算出したパケットロス率がしきい値以上であり、算出したRSSI評価値がしきい値以上である場合に、前記無線通信路において電波干渉が発生していると判定することを特徴とする請求項12に記載の親局装置。
【請求項14】
前記状態判定部は、
前記中継局計測結果に示される前記中継局装置の電池残量がしきい値未満である場合に、前記中継局装置の電池が不足していると判定することを特徴とする請求項10に記載の親局装置。
【請求項15】
前記親局装置は、更に、
前記中継局装置との通信で検出された通信エラーが示される通信エラー情報を記憶する通信エラー情報記憶部を有し、
前記状態判定部は、
前記計測結果受信部により受信された計測結果と前記通信エラー情報記憶部に記憶されている通信エラー情報を解析して、前記中継局装置の状態及び前記無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項10に記載の親局装置。
【請求項16】
前記計測結果受信部は、
前記親局装置との通信で前記中継局装置において検出された通信エラーが示される中継局計測結果を受信することを特徴とする請求項10に記載の親局装置。
【請求項17】
前記親局装置は、
電池を電源とする第1の中継局装置と第1の中継局無線通信路を介して通信を行い、
電池を電源とする第2の中継局装置と第2の中継局無線通信路を介して通信を行い、
前記テストフレーム送信部は、
前記第1の中継局無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記第1の中継局無線通信路を介して前記第1の中継局装置に送信し、
前記第2の中継局無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記第2の中継局無線通信路を介して前記第2の中継局装置に送信し、
前記計測結果収集要求送信部は、
前記テストフレーム送信部により前記第1の中継局装置へのテストフレームの送信が所定回行われた後に、前記第1の中継局装置に対して前記第1の中継局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記第1の中継局無線通信路を介して前記第1の中継局装置に送信し、
前記テストフレーム送信部により前記第2の中継局装置へのテストフレームの送信が所定回行われた後に、前記第2の中継局装置に対して前記第2の中継局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記第2の中継局無線通信路を介して前記第2の中継局装置に送信し、
前記計測結果受信部は、
前記第1の中継局装置により各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記第1の中継局装置により計測されたテストフレームの受信回数と、前記第1の中継局装置により計測された前記第1の中継局装置の電池残量とが示される第1の中継局計測結果を前記第1の中継局無線通信路を介して前記第1の中継局装置から受信し、
前記第2の中継局装置により各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記第2の中継局装置により計測されたテストフレームの受信回数と、前記第2の中継局装置により計測された前記第2の中継局装置の電池残量とが示される第2の中継局計測結果を前記第2の中継局無線通信路を介して前記第2の中継局装置から受信し、
前記状態判定部は、
前記計測結果受信部により受信された前記第1の中継局計測結果を解析して、前記第1の中継局装置の状態及び前記第1の中継局無線通信路の状態を判定し、
前記計測結果受信部により受信された前記第2の中継局計測結果を解析して、前記第2の中継局装置の状態及び前記第2の中継局無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項10に記載の親局装置。
【請求項18】
前記親局装置は、
前記第1の中継局装置と第1の子局無線通信路を介して通信を行い、前記第2の中継局装置と第2の子局無線通信路を介して通信を行う、電池を電源とする子局装置を管理しており、
前記第1の中継局装置は、
前記第1の子局無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記第1の子局無線通信路を介して前記子局装置に送信し、
前記第2の中継局装置は、
前記第2の子局無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記第2の子局無線通信路を介して前記子局装置に送信し、
前記計測結果受信部は、
前記子局装置により前記第1の中継局装置からの各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記子局装置により計測された前記第1の中継局装置からのテストフレームの受信回数と、前記子局装置により前記第2の中継局装置からの各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記子局装置により計測された前記第2の中継局装置からのテストフレームの受信回数と、前記子局装置により計測された前記子局装置の電池残量とが示される子局計測結果を前記第1の中継局無線通信路を介して前記第1の中継局装置から受信し、
前記状態判定部は、
前記計測結果受信部により受信された子局計測結果を解析して、前記子局装置の状態、前記第1の子局無線通信路の状態及び前記第2の子局無線通信路の状態を判定することを特徴とする請求項17に記載の親局装置。
【請求項19】
前記第1の中継局装置と前記第2の中継局装置とが中継局間無線通信路を介して通信可能であり、
前記計測結果受信部は、
前記テストフレーム送信部により前記第1の中継局装置へのテストフレームの送信が所定回行われ、更に、前記中継局間無線通信路の状態を計測するためのテストフレームが前記第2の中継局装置から前記中継局間無線通信路を介して前記第1の中継局装置に所定回送信された後に、
前記第1の中継局装置により前記親局装置からの各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記第1の中継局装置により計測された前記親局装置からのテストフレームの受信回数と、前記第1の中継局装置により前記第2の中継局装置からの各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記第1の中継局装置により計測された前記第2の中継局装置からのテストフレームの受信回数と、前記第1の中継局装置により計測された前記第1の中継局装置の電池残量とが示される第1の中継局計測結果を前記第1の中継局無線通信路を介して前記第1の中継局装置から受信し、
前記テストフレーム送信部により前記第2の中継局装置へのテストフレームの送信が所定回行われ、更に、前記中継局間無線通信路の状態を計測するためのテストフレームが前記第1の中継局装置から前記中継局間無線通信路を介して前記第2の中継局装置に所定回送信された後に、
前記第2の中継局装置により前記親局装置からの各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記第2の中継局装置により計測された前記親局装置からのテストフレームの受信回数と、前記第2の中継局装置により前記第1の中継局装置からの各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記第2の中継局装置により計測された前記第1の中継局装置からのテストフレームの受信回数と、前記第2の中継局装置により計測された前記第2の中継局装置の電池残量とが示される第2の中継局計測結果を前記第2の中継局無線通信路を介して前記第2の中継局装置から受信し、
前記状態判定部は、
前記計測結果受信部により受信された前記第1の中継局計測結果を解析して、前記第1の中継局装置の状態及び前記第1の中継局無線通信路の状態を判定し、
前記計測結果受信部により受信された前記第2の中継局計測結果を解析して、前記第2の中継局装置の状態及び前記第2の中継局無線通信路の状態を判定し、
前記第1の中継局計測結果及び前記第2の中継局計測結果の少なくともいずれかを解析して、前記中継局間無線通信路の状態を解析することを特徴とする請求項17又は18に記載の親局装置。
【請求項20】
前記親局装置は、更に、
前記状態判定部の判定結果に基づき、前記第1の中継局装置及び前記第2の中継局装置のいずれかを現用の通信先として選択する中継局選択部を有することを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載の親局装置。
【請求項21】
無線通信路を介して親局装置と通信を行う、電池を電源とする子局装置であって、
前記無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記無線通信路を介して前記親局装置から受信するとともに、テストフレーム受信時のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を計測するテストフレーム受信部と、
前記テストフレーム受信部によるテストフレームの受信回数と、前記テストフレーム受信部により計測された各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかを記憶する記憶部と、
前記子局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記無線通信路を介して前記親局装置から受信する計測結果収集要求受信部と、
前記計測結果収集要求受信部により計測結果収集要求が受信された際に、電池残量を計測する電池残量計測部と、
前記記憶部に記憶されているテストフレームの受信回数と、各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記電池残量計測部により計測された電池残量とが示される計測結果を前記無線通信路を介して前記親局装置に送信する計測結果送信部とを有することを特徴とする子局装置。
【請求項22】
無線通信路を介して中継局装置と通信を行う、電池を電源とする子局装置であって、
前記無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記無線通信路を介して前記中継局装置から受信するとともに、テストフレーム受信時のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を計測するテストフレーム受信部と、
前記テストフレーム受信部によるテストフレームの受信回数と、前記テストフレーム受信部により計測された各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかを記憶する記憶部と、
前記子局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記無線通信路を介して前記中継局装置から受信する計測結果収集要求受信部と、
前記計測結果収集要求受信部により計測結果収集要求が受信された際に、電池残量を計測する電池残量計測部と、
前記記憶部に記憶されているテストフレームの受信回数と、各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記電池残量計測部により計測された電池残量とが示される計測結果を前記無線通信路を介して前記中継局装置に送信する計測結果送信部とを有することを特徴とする子局装置。
【請求項23】
前記子局装置は、
複数の無線通信路を介して複数の中継局装置と通信を行い、
前記テストフレーム受信部は、
各中継局装置からテストフレームを受信するとともに、テストフレーム受信時のRSSI値を計測し、
前記記憶部は、
中継局装置ごとに、テストフレームの受信回数と、各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかを記憶し、
前記計測結果収集要求受信部は、
いずれかの中継局装置から計測結果収集要求を受信し、
前記電池残量計測部は、
前記計測結果収集要求受信部により計測結果収集要求が受信された際に、電池残量を計測し、
前記計測結果送信部は、
前記記憶部に記憶されている中継局装置ごとのテストフレームの受信回数と、中継局装置ごとの各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記電池残量計測部により計測された電池残量とが示される計測結果を、前記計測結果収集要求の送信元の中継局装置に送信することを特徴とする請求項22に記載の子局装置。
【請求項24】
前記子局装置は、更に、
前記テストフレーム受信部により計測された各テストフレーム受信時のRSSI値に基づき、RSSI値の平均値と、各テストフレーム受信時のRSSI値の標準偏差を算出するRSSI計算部を有し、
前記記憶部は、
前記RSSI計算部により算出されたRSSI値の平均値と、各テストフレーム受信時のRSSI値の標準偏差とを記憶することを特徴とする請求項21又は22に記載の子局装置。
【請求項25】
親局無線通信路を介して親局装置と通信を行う、電池を電源とする中継局装置であって、
前記親局無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記親局無線通信路を介して前記親局装置から受信するとともに、テストフレーム受信時のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を計測するテストフレーム受信部と、
前記テストフレーム受信部によるテストフレームの受信回数と、前記テストフレーム受信部により計測された各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかを記憶する記憶部と、
前記中継局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記親局無線通信路を介して前記親局装置から受信する計測結果収集要求受信部と、
前記計測結果収集要求受信部により計測結果収集要求が受信された際に、電池残量を計測する電池残量計測部と、
前記記憶部に記憶されているテストフレームの受信回数と、各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記電池残量計測部により計測された電池残量とが示される計測結果を前記親局無線通信路を介して前記親局装置に送信する計測結果送信部とを有することを特徴とする中継局装置。
【請求項26】
前記中継局装置は、
子局無線通信路を介して子局装置と通信を行い、
前記中継局装置は、更に、
前記子局無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記子局無線通信路を介して前記子局装置に送信するテストフレーム送信部と、
前記テストフレーム送信部によりテストフレームの送信が所定回行われた後に、前記子局装置に対して前記子局装置が計測した計測結果を送信するよう要求する計測結果収集要求を前記子局無線通信路を介して前記子局装置に送信する計測結果収集要求送信部と、
前記子局装置により各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値及び各テストフレーム受信時に計測されたRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記子局装置により計測されたテストフレームの受信回数と、前記子局装置により計測された前記子局装置の電池残量とが示される計測結果を前記子局無線通信路を介して前記子局装置から受信する計測結果受信部とを有し、
前記計測結果送信部は、
前記計測結果受信部により受信された前記子局装置の計測結果を前記親局無線通信路を介して前記親局装置に送信することを特徴とする請求項25に記載の中継局装置。
【請求項27】
前記中継局装置は、
中継局間無線通信路を介して他の中継局装置と通信を行い、
前記テストフレーム受信部は、
前記中継局間無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記中継局間無線通信路を介して前記他の中継局装置から受信するとともに、テストフレーム受信時のRSSI値を計測し、
前記記憶部は、
前記テストフレーム受信部による前記他の中継局装置からのテストフレームの受信回数と、前記テストフレーム受信部により計測された前記他の中継局装置からの各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかを記憶し、
前記計測結果送信部は、
前記記憶部に記憶されている前記親局装置からのテストフレームの受信回数と、前記親局装置からの各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記他の中継局装置からのテストフレームの受信回数と、前記他の中継局装置からの各テストフレーム受信時のRSSI値及び各テストフレーム受信時のRSSI値から算出された算出値の少なくともいずれかと、前記電池残量計測部により計測された電池残量とが示される計測結果を前記親局無線通信路を介して前記親局装置に送信することを特徴とする請求項25に記載の中継局装置。
【請求項28】
前記中継局装置は、更に、
前記中継局間無線通信路の状態を計測するためのテストフレームを前記中継局間無線通信路を介して前記他の中継局装置に送信するテストフレーム送信部を有することを特徴とする請求項27に記載の中継局装置。
【請求項29】
前記中継局装置は、更に、
前記テストフレーム受信部により計測された各テストフレーム受信時のRSSI値に基づき、RSSI値の平均値と、各テストフレーム受信時のRSSI値の標準偏差を算出するRSSI計算部を有し、
前記記憶部は、
前記RSSI計算部により算出されたRSSI値の平均値と、各テストフレーム受信時のRSSI値の標準偏差とを記憶することを特徴とする請求項25又は27に記載の中継局装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate


【公開番号】特開2013−12890(P2013−12890A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144086(P2011−144086)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】