説明

触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法

【課題】触媒化学気相堆積法(Cat−CVD=Catalytie Chemical Vapor Deposition法)において、触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置を提供する。
【解決手段】触媒体を固定する部分等、触媒体が他の物質と接触することで熱がその物質に伝導し、触媒体の温度が他の部分より低下する部分が、その温度低下が原因となって他の部分とは異なる変性をすることを防止するため、触媒体の温度低下部分のみをその変性が起きにくい化合物または混合物とする。上記の触媒体を固定する部分が、固定電極部分でその固定部分がキャップ22で覆われ、そのキャップ内を触媒体とは反応しないガス26を充満させる構造にした装置。上記の装置における原料ガスがシリコン系である場合はシリサイド化を防止するために、触媒体をシリコン以外の他の元素を含む化合物または混合物とした装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
低温薄膜堆積技術として公知である触媒化学気相堆積法(Cat-CVD法)を実現する装置の機構に関する発明である。この薄膜堆積技術は、半導体集積回路、液晶ディスプレイ、太陽電池等の半導体産業分野、あるいは食品包装フィルム、プラスティック・コンテナー等の有機産業分野、布地の撥水加工等の繊維産業分野、機械部品の表面保護膜形成等による機械、自動車産業分野等、およそ製品のいずれかに薄膜を使用している広い範囲の産業分野に関連する発明である。
【背景技術】
【0002】
薄膜を300℃以下、基板が有機フィルムの場合には80℃以下の低温で形成する方法としては、放電により発生するプラズマ中電子との物理的衝突により原料ガス分子を分解する、プラズマ化学気相堆積法(PECVD=Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition 法)が知られ、工業的にも広く使われている。しかし、この方法は、基板にプラズマ中の荷電粒子が衝突することによる損傷が生じたり、原料ガス分子と加速電子との3次元空間での点と点の衝突現象を用いてガス分子を分解しているため、その分解効率は低く、ガスの利用効率が低いと言う欠点もあった。それらを解決する手段として、加熱した触媒体と原料ガスとの接触分解反応を利用してガス分子を分解する、Cat-CVD法が発明された。この方法では、原料ガス分子と触媒体表面との反応、すなわち点と面の接触反応を用いているのでガス分解の効率が高く、ガスの利用効率がPECVD法の5倍から10倍にも高められると言う長所がある。さらに、ガス分子の分解にプラズマを用いていないので、下地基板を傷めないで膜堆積ができるとの長所があり、このため、この方法は表面が脆弱な化合物半導体デバイスの表面コート膜の形成法として注目されていて、すでに小型の量産機が販売されている。
【0003】
このCat-CVD法では、その原理から容易に想像できるように、触媒体表面は絶えず原料ガス等の堆積室内に存在するガスに曝されていて、そのガス分子との表面反応の進行による触媒体表面の変性の恐れがある。(図1)a)、b)、c) はタングステン(W)線を触媒体、シラン(SiH4)ガスを原料ガスとしてシリコン薄膜を形成する場合の、触媒体W表面での反応の様子を、Wの温度ごとに模式的に示したものである。まず、a) 図に示すW触媒体14が室温の場合、SiH4分子11はSiH312とH原子13に解離してから吸着される。SiH4分子は元々安定な分子であるから、これがW表面と化学結合を作って吸着するためには、一度分解される必要があるからである。W表面の温度が上昇し、b) 図に示す600℃前後以上となると、W表面でSiH3はさらに分解され、SiH2 15と2H13に解離して吸着されるようになる。これがいわゆる熱化学気相堆積(熱CVD)を起こす温度領域であり、旧来からSiH4ガスを用いてシリコン膜を熱CVD法により堆積する時の堆積前駆体がSiH2であると言われていたことに相当する温度領域である。次にc) 図に示すように、W表面温度が1000℃以上となると、もはやSiH2の形でもW表面に留まることが出来なくなり、結局SiH4はSi16と4H14に解離して吸着するようになる。ただし、W表面温度が1000℃程度では、W上に形成されたシリコン(Si)原子との結合は切れず、WSi2、すなわちタングステン・シリサイドが形成される。このタングステン・シリサイドが形成されるのを防ぐために、Cat-CVD法においては、触媒体温度をさらに上げて、Si原子のW表面からの熱脱離を促進する。そのため、Cat-CVD法によりSiH4ガスを原料としてシリコン膜を形成する場合には、触媒体温度はSi原子の熱脱離がシリサイド化を防止するのに十分に高い温度である1700℃以上に設定する。すなわち、Cat-CVD法において加熱した触媒体を用いるのは、原料ガス分子を熱分解するためではなく、このシリサイド化等、触媒体表面変性を抑えるためである。原料ガスは解離吸着の過程で、たとえ室温であっても、すでに分解されているのである。
【0004】
ところが、触媒体が高温に加熱されていたとしても、それはどこかで室温に近い温度の物体で保持しなければならない。触媒体としては、多くの場合、加熱の簡単な金属線を用い、それに直に通電加熱して昇温するのが一般的であるが、その固定電極部では熱が触媒体線から固定支持部に伝導してしまい、どうしても触媒体温度が下がってしまう。そのため、触媒体表面からSi原子を十分に熱脱離させられなくなり、その部分がシリサイド化してしまう。そこで、(図2)にその構造を示すように、触媒体線21の電極固定部23をキャップ22で覆い、そのキャップ内には触媒体を変性させるようなガス28が侵入しないように、他の触媒体材料と反応しないガス26で充満させておくとのアイデアが生まれた。
【特許文献1】登録番号3780364
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の手法は、市販のCat-CVD装置に使用されて、触媒体の使用寿命の延長に効果を出しているが、それでも、キャップの開口部からの触媒体と反応する原料ガスの侵入を完全に抑えることは難しく、また、このキャップの入り口部分29は、キャップ内から吹き出る不活性ガスのために冷やされて、触媒体固定部ではなく、条件によっては、このキャップの開口部付近で触媒体が変性する問題も生じている。例えば、触媒体がWで、原料ガスがSiH4等のシリコン含有ガスである場合、触媒体の温度低下部分は上述のようにシリサイド化し易く、その部分が機械的に劣化して断線し易くなる等の問題も生じる。すなわち、公知の触媒体固定部をキャップで覆うとの手法は、一定の効果を得たものの、Cat-CVD装置を何ヶ月も連続運転することが求められる本格量産時には、この触媒体使用寿命の延長は、まだなお解決しなければならない課題として残っていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、触媒体の端の固定部分等、触媒体の温度が他所とは異なる部分に限定して、局所的に触媒体が変性しにくくなるような化合物または混合物をその触媒体の表面に形成することを手段として、触媒体の変性を抑制し、触媒体使用寿命を延長することを発明した。勿論、触媒体全体を変性しにくい化合物または混合物とすることも考えられるが、それでは、触媒体そのものの作用がその化合物化あるいは混合物化により変化することが危惧される。すなわち、触媒体の中で温度が低下する部分で、その部分が堆積される膜の性質に影響を与えないほど局所的な部分のみを、変性を抑制する化合物化あるいは混合物化することが、本発明の骨子である。
【0007】
ここでは、最初に、請求項1に記載された、触媒体の固定部分で触媒体温度が低下している部分のみの触媒体の表面を化合物化あるいは混合物化することを模式的に示して、本発明を説明する。(図3)は、そのことを模式的に示した図であるが、ここでは、触媒体線31の端の固定部34と触媒体線の途中を保持する部分35近傍37においてのみ、触媒体表面を化合物化あるいは混合物化する場合を示している。触媒体の端の固定部は、触媒体を通電加熱するための電極部でもある。用いる触媒体の温度にもよるが、例えば触媒体中央部で約1700℃のW触媒体線を用いてシランガスを分解する場合、触媒体の変性を防ぐために触媒体表面を化合物化あるいは混合物化する領域37は、触媒体の固定部から約 4 cm 程度である。
【0008】
触媒体表面のみに化合物あるいは混合物を形成するのは、加熱時の触媒体の引っ張り強度等触媒体が本来持っている物理的性質は変えないようにと考えたからであるが、触媒体の化合物化あるいは混合物化が触媒体の強度を落とす等の弊害を生まなければ、触媒体を化合物化あるいは混合物化する領域を触媒体表面に限定する必要はない。また一方、触媒体全体ではなく、あくまで触媒体の固定部分等、触媒体の温度低下が危惧される部分のみに化合物化あるいは混合物化を施すのは、膜堆積に寄与し、特に温度低下の弊害を心配しないで良い領域には、本来の触媒体としての性能が発揮できるようにすることを考えたからである。
【0009】
ここで次に、請求項2に記載された、触媒体線の固定部をキャップで覆い、そのキャップの中は触媒体と反応しないガスで充満させて触媒体の電極固定部の変性を少しでも抑えようとしている構造に、本発明を適用する場合で、本発明の中身を説明する。触媒体固定部をキャップで覆うので、図2と基本的には同じ構造になるが、本発明では、このキャップの開口部付近まで、触媒体表面を化合物あるいは混合物を形成して、原料ガス等による触媒体の変性を防ぐ。このことを模式的に示したのが図4である。キャップ43内の触媒体線の固定部分44は勿論のこと、それに加えてキャップ開口部から4 cm 離れた領域42まで、触媒体表面には化合物または混合物が形成されている。触媒体表面のみに化合物あるいは混合物を形成するのは、上述と同様、加熱時の触媒体の引っ張り強度等触媒体が本来持っている物理的性質を変えないようにと考えたからであるが、触媒体の化合物化あるいは混合物化が触媒体の強度を落とす等の弊害を生まなければ、触媒体を化合物化あるいは混合物化する領域を表面に限定する必要はない。また一方、触媒体全体ではなく、あくまで触媒体の固定部分、あるいはキャップ開口部近傍等、触媒体の温度低下が危惧される部分のみに化合物化あるいは混合物化を施すのは、同じく先述と同様、膜堆積に寄与し、特に温度低下の弊害を心配しないで良い領域には、本来の触媒体としての性能が発揮できるようにすることを考えたからである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、Cat-CVD装置内での触媒体使用寿命が飛躍的に延長されるとの効用が生まれる。例えば、W触媒体線を用いて、SiH4ガス等を原料としてシリコン膜を形成する場合、図2に示すキャップ構造を用いただけでは、触媒体の端の温度低下部分は連続使用3週間後には変性を始めるが、本発明のように触媒体表面にシリコン以外の元素からなる化合物または混合物を形成すると、その寿命は5倍に延びる。すなわち、本発明の採用により3ヶ月間の連続運転に耐えられるCat-CVD装置が実現するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態を以下の実施例により説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施の例は、すでに上述の図4に模式的に概念を示した構造と同じ触媒体線の固定機構を用いたものであるが、図5に新たに、具体的に物質名を明示して示しなおす。また、図6は、本実施例を示す写真である。キャップとその開口部からその開口部に触れないように引き出された触媒体線の写真を示す。本実施例では、触媒体としてW線を用い、原料ガスとしてSiH4ガスを用いている。この場合、図1を用いた先の説明でも明らかなように、触媒体の固定部で温度が低下する部分はシリサイド化し、使用中にシリサイド層が太って,遂には強度不足のため断線する恐れがある。勿論、図に示すように、キャップに覆われた部分にはこの場合窒素ガスをSiH4ガスと同流量流してSiH4ガスのキャップ内への侵入を防いでいるが、それでも、キャップ開口部付近から徐々にシリサイド化が進行して、約500時間の連続使用後には断線する。
【0013】
触媒体のキャップ近傍、キャップ開口部から4 cm の所まで、W触媒体の表面が炭化され、炭化タングステンとなっている。これにより、W表面のシリサイド化は著しく抑制される。この炭化層は、メタンガス中で触媒体を加熱することで作られるが、その炭化領域を限定するため、触媒体固定電極部と炭化をさせたい部分との間のみを通電加熱して炭化している。限られた範囲のみを炭化させるため、W触媒体の炭化させたい領域の端に、(図7)に示すように、クリップを取り付け、そこと触媒体端との間にのみ電流を流して局所的に加熱し、その加熱された部分のみを炭化させる。この炭化層の厚さは、W触媒体の強度を維持するため、図8に走査型電子顕微鏡断面写真を示すように、表面わずか10 μmの厚さとしている。ちなみに、本実施例では太さ0.5 mmのW線を用いている。また、図9は、このW線表面をX線回折で観測し、炭化タングステン WC、およびWそのものに特徴的な回折ピークから表面に何が出来ているのかを確認した図面を示している。表面が炭化していることが確認される。
【0014】
ところで、W線の長さ方向に測った全体の電気抵抗は、シリサイド化が進行すると低下する。W線表面に形成されるタングステン・シリサイドWSi2の電気抵抗率はW自身の抵抗率より室温で比較すると約5倍大きいので、W線全体の抵抗は増大しそうに思われるが、実際は、わずかに低下していく。これは、シリサイド化の進行とともに全体の断面積が拡大し、シリサイド化した部分の抵抗率の増大の効果を打ち消すからである。また、シリサイド層とW線の抵抗率の差は、1700℃以上の高温化では、それほど大きくもないこともその傾向を強めている。そこで、W表層を図8に示すように10 μmだけわずかに炭化する。0.5 mmの太さのW線にとってこの10 μmの厚さの炭化層は、それだけでは、大きな全体の抵抗変化を生まない。
図10は、W線を1650℃でシランガス中に曝した際の、W線全体の抵抗の経時変化を表したものである。実際のCat-CVD装置では、シリサイド化を避けるため、W触媒体温度は1750℃前後、時として1800℃程度を用いるので、この図の時間スケールで観察した場合に抵抗が大きく変化することはないが、ここでは、触媒体温度を下げて、現象を加速して観察している。図は、シランガス投入後、W触媒体の抵抗が低下することを示している。この図には、同じW線の表面10 μm厚を炭化してから同様な実験を行った場合を示している。まず、この程度の薄い炭化層の場合は、全体の抵抗値は炭化していないW線のそれと同じである。次に、これを上記と同じ条件でシリサイド化を図ってみる。炭化してもシリサイド化による触媒体線の電気抵抗の低下が防げた訳ではないが、その進行速度、すなわち電気抵抗の時間変化率が、大幅に減少し、表面を炭化しない場合に比べ、シリサイド化により同じ抵抗になる時間は、図中の曲線を外挿して、約5−10倍も延びていることが確認される。すなわち、この実施例は、W触媒体の温度低下部分を炭化等の化合物化することで、W触媒体の寿命を約5倍以上は延ばせることを示している。すなわち、図2に示す触媒体固定電極部の構造を採用することで、SiH4ガスを用いたシリコン膜堆積時の連続運転が約3週間可能となっていたCat-CVD装置を、約3ヶ月の連続運転ができる装置とすることが、本発明により可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】W表面におけるSiH4の反応。a)室温 b)600℃ c) 1000℃以上。
【図2】触媒体保持に用いるキャップ構造。
【図3】触媒体固定部の模式図。
【図4】触媒体表面に化合物あるいは混合物を形成した場合の触媒体固定部の模式図。
【図5】表面にWC層を形成した場合の触媒体固定部の模式図。
【図6】表面にWC層を形成した場合の触媒体固定部の写真。 a)全体図 b)拡大図。
【図7】WC層形成時のW触媒体固定部の模式図。
【図8】表面にWC層が形成されたW触媒体の断面SEM像。
【図9】表面にWC層が形成されたW触媒体のX線回折パターン。
【図10】W線触媒体の抵抗の経時変化。
【符号の説明】
【0016】
11 SiH4分子
12 SiH3分子
13 H原子
14 W原子
15 SiH2分子
16 Si原子
21 触媒体線
22 金属キャップ
23 触媒体線固定金属治具
24 絶縁材料
25 支持金属基板
26 触媒体材料と反応しないガス
27 触媒体固定部支持棒
28 触媒体材料と反応するガス
29 金属キャップの入り口部分
31 触媒体線
32 触媒体固定用治具
33 触媒体固定用治具
34 触媒体端固定部
35 触媒体固定部
36 触媒体線(通電加熱されない部分)
37 触媒体固定部近傍
41 触媒体線
42 触媒体線の表面に化合物または混合物が形成された部分
43 金属キャップ
44 触媒体線固定用金属治具
45 絶縁材料
46 支持金属基板
47 触媒体材料と反応しないガス
48 触媒体固定部支持棒
51 W触媒体線
52 表面にWC層が形成されたW触媒体線
53 金属キャップ
54 W触媒体線固定用金属治具
55 絶縁材料
56 支持金属基板
57 N2ガス
58 触媒体固定部支持棒
61 絶縁材料
62 W触媒体固定用ネジ
63 支持金属基板
64 触媒体固定部支持棒
65 金属キャップ
66 W触媒体線
71 W触媒体線
72 表面にWC層が形成されたW触媒体線
73 CH4ガス
74 交流電源
75 クリップ
76 金属キャップ
77 W触媒体線固定用金属治具
78 絶縁材料
79 支持金属基板
101 1650℃のW触媒体線の抵抗の経時変化
102 表面にWCが形成された1650℃のW触媒体線の抵抗の経時変化
103 1800℃のW触媒体線の抵抗の経時変化

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスを加熱した触媒体との接触分解反応により分解し、その分解種またはその分解種が新たに生成する種を基板に輸送して薄膜を堆積する触媒化学気相堆積法(Cat-CVD = Catalytic Chemical Vapor Deposition 法)において、触媒体を固定する部分等、触媒体が他の物質と接触することで熱がその物質に伝導し、触媒体の温度が他の部分より低下する部分が、その温度低下が原因となって他の部分とは異なる変性をすることを防止するため、触媒体の温度低下部分のみをその変性が起きにくい化合物または混合物とすることを特徴とする触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置。
【請求項2】
請求項1に記載された触媒体を固定する部分が、温度の下がる固定電極部分で、その固定部分がキャップで覆われ、そのキャップ内を触媒体とは反応しないガスを充満させることで、触媒体を変性させやすい原料ガスが触媒体の固定部分へと侵入することを防ぐ構造となっていることを特徴とする触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置。
【請求項3】
請求項1及び2に記載された触媒体がタングステン、モリブデン、タンタル、ニクロム、インコネル、ステンレス、イリジウム、レニウム等の金属であることを特徴とする触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置。
【請求項4】
請求項1及び2に記載された原料ガスがシラン等のシリコンを含有するガスであり、触媒体の変性が触媒体金属のシリサイド化であり、そのシリサイド化を防止するために、触媒体の固定部分等の触媒体温度が低下してシリサイド化反応が起こり易い部分を、当該触媒体をシリコン以外の他の元素を含む化合物または混合物とすることで防止することを特徴とする触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置。
【請求項5】
請求項1,2及び4に記載された触媒体の変性を防止する化合物が、炭化タングステン等、金属炭化物であることを特徴とする触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置。
【請求項6】
請求項1,2及び4に記載された触媒体の変性を防止する化合物または混合物が、タンタル・タングステン等、金属化合物または金属混合物であることを特徴とする触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置。
【請求項7】
請求項1,2及び4に記載された触媒体の変性を防ぐ化合物あるいは混合物が、金属触媒体内に金属酸化物を混合する混合物あるいは金属酸化物であることを特徴とする触媒化学気相堆積法における触媒体の変性防止法及びそれを用いた触媒化学気相堆積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−235426(P2009−235426A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172709(P2006−172709)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年3月22日 社団法人応用物理学会発行の「2006年(平成18年)春季 第53回応用物理学関係連合講演会予稿集 第2分冊」に発表
【出願人】(304024430)国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 (169)
【Fターム(参考)】