計器を備えた自転車部品、およびそのような部品に備えられる検出ユニット
【課題】ペダル漕ぎの際に運転者によって自転車の部品に加えられる応力を、簡単で、費用対効果に優れ、信頼性を有し、かつ設置が容易であるシステムによって測定することを目的とする。
【解決手段】計器を備えた自転車部品(1)が、当該部品(1)に加えられた応力を表わす少なくとも1つのパラメータの検出ユニット(100a)を有しており、部品(1)は、単一の部品、あるいはお互いに対して動くことのない複数の部品からなっている。前記部品(1)が、自転車の走行時に自転車のフレームに対して可動であり、検出ユニット(100a)が、部品(1)と一緒に単一の部品として自転車のフレームに対して運動する。
【解決手段】計器を備えた自転車部品(1)が、当該部品(1)に加えられた応力を表わす少なくとも1つのパラメータの検出ユニット(100a)を有しており、部品(1)は、単一の部品、あるいはお互いに対して動くことのない複数の部品からなっている。前記部品(1)が、自転車の走行時に自転車のフレームに対して可動であり、検出ユニット(100a)が、部品(1)と一緒に単一の部品として自転車のフレームに対して運動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器を備えた自転車部品に関する。とくには、本発明は、自身に加わる応力を検出するための計器を備えた自転車部品に関する。
【0002】
さらに、本発明は、上述の自転車部品に備えられるべく使用される検出ユニット、および上述の部品を備える自転車に関する。
【背景技術】
【0003】
とりわけプロ選手レベルでの自転車の運転においては、多数の理由により、自転車の部品に加わる応力を表わすパラメータを検出することが好ましい。
【0004】
例えば、上述のパラメータの検出によって、部品を設計するために有用な情報がもたらされる。実際、とくには競走用の自転車であるが、自転車および/または自転車部品の製造者にとって、自転車の総重量、したがって自転車の種々の部品の総重量を可能な限り小さくすると同時に、そのような部品の構造強度の特性を、向上させないまでも維持することが、常に求められている。これを行うためには、部品に加わる応力の程度を知る必要がある。例えば、ボトムブラケットアセンブリの軸、クランクアーム、または自転車の車輪の部品など、自転車の回転部品の場合には、上述の応力の程度を知るために、このような部品のねじり変形を測定することができる。
【0005】
また、ペダル漕ぎの際に運転者によって自転車部品に加えられる応力を表わすパラメータを検出することで、運転者の能力を評価し、おそらくは比較することも可能である。例えば、自転車の回転部品のねじり変形を測定することで、ペダル漕ぎの際に運転者が生み出す力を知り、したがって運転者の能力を評価することができるようになる。
【0006】
特許文献1が、軸に加えられたトルクを測定するためのセンサを開示している。そのようなセンサは、軸に塗布された磁気ひずみ材料の層と、磁気ひずみ材料の層において軸に巻き付けられた第1の電気巻線と、第1の巻線の内側で軸に巻き付けられた第2の電気巻線と、磁界を生成するように第1の電気巻線に電流信号を供給するように構成された信号生成器とを有している。軸にトルクが加えられると、磁気ひずみ材料の透磁率が変化して、軸の周囲の磁束に変化が生じる。第2の電気巻線におけるこのような変化ゆえに、引っ張り信号が生成されて測定され、加えられたトルクの大きさおよび方向を割り出すために使用される。
【0007】
本出願人は、上述のセンサが、自転車部品に設置するためにきわめて面倒な作業を必要とすることに気が付いた。例えば、ボトムブラケットアセンブリの場合には、ボトムブラケットアセンブリを収容するボックスを電気巻線の受け入れに合わせてとくに構成すること、および軸の表面を磁気ひずみ材料の層の塗布のために準備すること、の両者が必要である。したがって、多数の構成要素に手を加える必要があり、とくにはペダル漕ぎの際に自転車のフレームに対して固定されたままである構成要素(上述の例では、ボトムブラケットアセンブリを収容するボックス)、およびペダル漕ぎの際に自転車のフレームに対して動く構成要素(ボトムブラケットアセンブリの軸)の両方に、手を加える必要がある。センサが固定されている構成要素および可動の構成要素の両方に組み合わせられるので、センサにおいて生成された信号の気中伝送が必要である。結果として、このような信号の検出が、種々の構成要素間に存在しうる整列ずれまたは遮蔽によって損なわれる可能性がある。
【特許文献1】米国特許第6,701,793号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底にある基本的な課題は、ペダル漕ぎの際に運転者によって自転車の部品に加えられる応力を、簡単で、費用対効果に優れ、信頼性を有し、かつ設置が容易であるシステムによって測定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、その第1の態様において、計器を備えた自転車部品に関し、そのような部品は、当該部品に加えられる応力を表わす少なくとも1つのパラメータの検出ユニットを有しており、単一の部品、あるいはお互いに対して動くことのないより複数の部品からなっている。
【0010】
本明細書の全体および特許請求の範囲において、「部品」とは、例えばフレームそのもの(または、その一部)や座席ポストなど、自転車が走行しているときに自転車のフレームに対して固定されたままである任意の自転車の部品、または例えばボトムブラケットアセンブリの軸やクランクアームなど、自転車が走行しているときにフレームに対して運動する任意の部品のどちらも指す。さらに、本発明の部品は、(例えば、クランクアームのように)単一の部品として形成されても、あるいは(例えば、ボトムブラケットアセンブリのように)複数の部品にて形成されてもよい。本発明によれば、後者の場合には、検出ユニットが、それら部品のうちの1つまたは2つ以上に組み合わせられるが、そのような部品は、お互いに対して動くことがなく、すなわち単一の部品として運動する。
【0011】
好ましくは、本発明によれば、検出ユニットの全体が、自転車の部品の互いに動くことのない各部に組み合わせられる。したがって、計器を備えた部品の製造およびそのような部品の自転車への組み付けの工程において、部品のうちで自転車の走行時に自転車のフレームに対して固定されたままであるように意図されている各部、またはフレームに対して1つの部品片として運動する各部にのみ手を付けるだけであり、コストならびに製造および組み立ての時間の点で明らかに好都合である。さらには、固定される部材と可動である部材との間の相互作用が不要であるため、ペダル漕ぎの際に運転者によって当該部品に加えられる応力を表わすパラメータの検出が、きわめて簡単であり、信頼性に富み、効率的である。
【0012】
好ましくは、本発明の部品は、回転する部品である。とくには、回転軸を中心として回転できる本体を有している。この場合、上述の検出ユニットは、上述の本体と一緒に単一の部品として回転する。
【0013】
好ましくは、検出ユニットが、部品に加わる応力を表わす少なくとも1つの信号(好ましくは、電気信号)の少なくとも1つの生成器を有しており、より好ましくは、この信号を検出ユニットの外部に伝達する少なくとも1つの送信装置を有している。さらに、検出ユニットは、好ましくは、少なくとも1つのエネルギー供給源(好ましくは、電気エネルギー源)を有しており、さらにより好ましくは、信号生成器によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニットを有している。
【0014】
エネルギー供給源は、例えば、電池、圧電素子(とくには、結晶)、あるいは回転する部品の付近に配置された固定の磁石によって励起される誘導巻線であってよい。信号生成器を、1つ以上のひずみゲージ、または圧電素子(おそらくは、エネルギー供給源を構成する圧電素子と同じもの)で構成することができる。信号の送信装置は、無線送信器で構成でき、あるいは摺動接点部を備えるケーブルまたはソレノイドを有することができる。
【0015】
エネルギー供給源として電池が使用される場合には、信号生成器が、電池によって発せられる一定の電気信号に作用して、部品に加わる応力を表わす信号を生成する。他方で、圧電素子が使用される場合には、圧電素子が、まさにその性質によって、圧電素子に加わる応力の大きさに直接に比例する電気信号を自立して生成するため、圧電素子が、エネルギー供給源および信号生成器の両者として機能する。この場合、圧電素子は、ペダル漕ぎの際に運転者によって当該部品に加えられる応力によって圧縮されるように製作されている。
【0016】
本発明の部品の第1の実施の形態においては、部品が、複合材料から作られ、検出ユニットが、少なくとも部分的に複合材料に組み入れられる。好ましくは、この場合には、信号生成器は、炭素繊維から製作されるクランクアームの本体に組み入れられる圧電素子で構成される。
【0017】
本発明の部品の好ましい実施の形態においては、検出ユニットが、当該部品の少なくとも1つの空洞に少なくとも部分的に収容される。好ましくは、本発明の部品のうちの当該部品の空洞に収容される構成要素は、エネルギー供給源であり、より好ましくはさらに信号の送信装置である。
【0018】
本発明の部品の好ましい実施の形態においては、信号生成器も上述の空洞に収容され、したがって検出ユニットの全体が、本発明の部品の本体内側に位置する。
【0019】
しかしながら、上述の構成要素のうちのいくつかが当該部品の外表面に組み合わせられている本発明の部品の実施の形態も、さらに考えられる。とくには、信号生成器が当該部品の外表面に組み合わせられている実施の形態が、さらに考えられる。これは、ねじり応力によって生じる張力の検出が望まれる場合に、とくに好都合である。実際、そのような応力は、まさに部品の外表面においてより大きく、したがって信号検出器をまさにそのような表面に配置することで、検出の効率を高めることが可能である。
【0020】
好ましくは、検出されるパラメータは、当該部品の引っ張りの状態を表わす信号である。より好ましくは、この信号が、臨界張力への到達を知らせるため、あるいは部品の交換が必要である旨を知らせるために、基準信号と比較される。
【0021】
好ましくは、上述の検出ユニットによって検出されるパラメータは、ペダル漕ぎの際に運転者によって当該部品に加えられるトルクを表わす信号である。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、対象の部品が、ボトムブラケットアセンブリの軸、そのようなアセンブリのクランクアーム、ボトムブラケットアセンブリそのものの部品、またはより好ましくはボトムブラケットアセンブリにおいて使用されるねじ山付きの部材(ナットまたはねじなど)である。しかしながら、例えば車輪の部品(例えば、ハブまたはリム)、座席ポスト、ハンドル棒、または自転車のフレームなど、上述の部品以外の自転車部品を対象とする本発明の他の実施の形態も、提供することが可能である。
【0023】
対象の部品がボトムブラケットアセンブリである特定の場合においては、エネルギー供給源および送信装置の両者が、ボトムブラケットアセンブリの軸に組み合わせられる一方で、信号生成器が、クランクアームのそれぞれに組み合わせられる。好都合には、このような実施の形態は、最新のボトムブラケットアセンブリにおいては、運転者が左側のクランクアームに力を及ぼすときにのみ軸にねじりが加わり、右側のクランクアームは後輪に運動を伝達するためにチェーンが作用する前部スプロケットに直接的に結合しているので、とくに好都合である。したがって、このようなアセンブリにおいては、信号生成器が軸にのみ組み合わせられたならば、運転者によって加えられるトルクの部分的検出が得られると考えられる。他方で、クランクアームに信号生成器を配置することで、この部分的検出の問題を克服することができる。
【0024】
好ましくは、エネルギー供給源および送信装置は、電気コネクタによって一体に接続されるモジュール式の構成要素によって形成される。
【0025】
他方で、信号生成器および送信装置は、好ましくは、電気ケーブルを介して互いに接続される。ケーブルの使用は、一般に伝達すべき信号の大きさが小さく、コネクタを介して伝達されたならば分散してしまうと考えられるため、コネクタに比べて有利である。
【0026】
好ましくは、エネルギー供給源は、能動的なエネルギー源であり、すなわち固定の部材と可動の部材との間の相互作用にかかわらずにエネルギーを生成できる供給源である。例えば、電池または圧電結晶が能動的な供給源である。
【0027】
本発明の部品の好ましい実施の形態においては、エネルギー供給源が電池である。そのような電池は、好ましくは充電式であり、さらにより好ましくは、気密であって外部から絶縁されている領域に収容することができるよう、誘導によって充電が可能な形式である。
【0028】
好ましくは、信号生成器は、電池に接続された少なくとも1つのひずみゲージを含んでいる。より好ましくは、信号生成器が、直角な方向に従って配置される2つのひずみゲージ(互いに上下に配置され、あるいは軸において直径において正対する領域に配置される)、または各組のひずみゲージが直角な方向に従って配置される2組のひずみゲージ、あるいはひずみゲージブリッジを形成するように(とくには、ホイートストンブリッジなどのような差動の仕組みに従って)接続される4つのひずみゲージを含んでいる。
【0029】
本発明の部品の実施の形態においては、送信装置が、生成された電気信号(検出されたパラメータを表わしている)を外部に送信するための摺動接点部を有している。
【0030】
あるいは、送信装置は、例えば自転車のハンドル棒に組み合わせられたサイクルコンピュータなど、離れた場所に電磁気信号を送信する無線送信器を有している。この場合、好ましくはアンテナが、部品の壁によって遮られることがないように、外部に向かって開いた当該部品の少なくとも1つの空洞に収容される。
【0031】
あるいは、送信装置が、磁界を生成するように構成された1対のソレノイドを有している。
【0032】
好ましくは、検出ユニットは、送信装置のための第1のエネルギー供給装置をさらに有している。より好ましくは、そのような第1のエネルギー供給装置が、検出ユニットのためのエネルギー供給源と同じエネルギー供給源であるが、他の実施の形態では送信装置のための第1のエネルギー供給装置がさらなるエネルギー源である。
【0033】
好ましくは、検出ユニットは、信号生成器と送信装置との間に配置された信号増幅器をさらに有しており、おそらくはアナログ/デジタル変換器を前記送信装置の上流に作用可能に有している。この場合、好ましくは、検出ユニットが、そのような信号増幅器のための第2のエネルギー供給装置を有している。好ましくは、そのような第2のエネルギー供給装置が、検出ユニットのためのエネルギー供給源と同じエネルギー供給源であるが、他の実施の形態では信号増幅器のための第2のエネルギー供給装置がさらなるエネルギー源である。
【0034】
好ましくは、検出ユニットは、エネルギー供給源を動作させるためのスイッチを有している。好都合には、そのようなスイッチを使用することで、検出の実行を望まない場合にエネルギー供給源をオフにすることができ、エネルギー供給源のエネルギーの消費を最小限にすることができる。
【0035】
好ましくは、上述のスイッチが、運動センサを有しており、そのようなセンサが適用された自転車または部品の運動に従って、検出ユニットを好都合に動作させる。
【0036】
検出ユニットは、好ましくは動作表示器LEDをさらに有している。
【0037】
好ましくは、検出ユニットは、ボタン、近接スイッチ、リード式のスイッチ、などによって形成することができる較正または診断スイッチをさらに有している。
【0038】
好ましくは、検出ユニットは、当該部品の回転の速度を当該部品に加えられるトルクと同時に検出して、運転者によって生み出される力を計算できるよう、ケイデンスセンサをさらに備えている。
【0039】
本発明は、その第2の態様において、自転車部品に備えられる検出ユニットであって、上述の部品の少なくとも1つの空洞に挿入できるように構成されていることを特徴とする検出ユニットに関する。
【0040】
好ましくは、そのような検出ユニットは、本発明の部品の検出ユニットに関して上述した構造的および機能的特徴のすべてを、個々または組み合わせにて有しており、したがって上述の利点のすべてを有している。
【0041】
本発明は、その第3の態様において、上述した形式の計器付きの部品を備えている自転車に関する。
【0042】
好ましくは、そのような自転車は、本発明の部品に関して上述した構造的および機能的特徴のすべてを、個々または組み合わせにて有しており、したがって上述の利点のすべてを有している。
【0043】
本発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面を参照して行われる本発明のいくつかの好ましい実施の形態についての以下の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本明細書の全体を通じ、本発明は、ボトムブラケットアセンブリに関して述べられる。しかしながら、本発明が、例えばクランクアーム、軸、車輪の部品、フレーム、座席ポスト、ハンドル棒、または自転車の他の任意の部分など、任意の自転車部品に適用可能であることを、理解すべきである。
【0045】
以降で説明される種々の実施の形態に関して、「自転車のボトムブラケットアセンブリ」という表現は、2つのクランクアームを軸の両端に接続することによって得られるアセンブリを指して使用される。軸は、クランクアームとは別個の部品にて製作でき、あるいは2つのクランクアームの一方と一緒に1つの部品にて製作できる、また、軸を、1つの部品にて製作することができ、あるいは2つ以上の軸部材を一体に接続することによって得ることができる。
【0046】
この文脈において、クランクアームと軸(または、軸部材)とを一体に接続、あるいは、1部品にて製作してなるボトムブラケットアセンブリの構成部品を、「クランクアームアセンブリ」という表現で特定する。
【0047】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態による自転車のボトムブラケットアセンブリが、符号1で指し示されている。
【0048】
アセンブリ1は、2つのクランクアームアセンブリ5、6を含んでおり、2つのクランクアームアセンブリ5、6のそれぞれは、金属または複合材料から製作された中実または中空のクランクアーム17、18と、中空の軸部材21、22とを有している。クランクアーム17が、チェーンと係合するように意図された前部スプロケット(図示せず)が取り付けられる右側クランクアームを構成する一方で、クランクアーム18は、ボトムブラケットアセンブリ1の左側クランクアームを構成する。
【0049】
2つの軸部材21、22は、図1に示されているように端部‐端部の関係で一体に接続されたときに、ボトムブラケットアセンブリ1の軸23を形成する。このような軸23は、長手軸Xに沿って延びている。
【0050】
クランクアームアセンブリ5、6は、軸部材21、22の第1の自由端部29、30において一体に接続される。そのような端部29、30において、軸部材21、22は、クランクアームアセンブリ5、6の間の正確な中心合わせを可能にするそれぞれの前歯25、26(好ましくは、同一であって、Hirth型である)を有している。
【0051】
軸部材21、22の第2の自由端部27、28には、クランクアーム17、18との接続のためのねじ山が設けられている。しかしながら、軸部材21、22とクランクアーム17、18との間の接続を、例えば接着、溝付きの表面のしまりばめ、またはすきまばめ(through coupling)など、他のやり方に従って行うことも可能である。
【0052】
ボトムブラケットアセンブリ1は、自転車のフレームに適切に形成された実質的に筒状のハウジングボックス2に収容される。ハウジングボックス2において、クランクアームアセンブリ5、6、すなわち軸部材21および22によって形成される軸23が、軸部材21、22のそれぞれのクランクアーム17、18との接続のための端部27、28に装着されたベアリング13、14によって、長手軸Xを中心として回転可能に支持されている。ベアリング13、14は、軸部材21、22とハウジングボックス2の両端にねじ込まれたそれぞれのアダプタリング3、4との間に、作用可能に配置されている。ベアリング13、14は、それぞれアダプタリング13、14とそれぞれの軸部材21、22との間に配置され、ハウジングボックス2の外部に位置している。
【0053】
軸方向の両側においてアダプタリング3、4に組み合わせられた適切なガスケット3a、4aが、ベアリング3、4の外部環境からの密封絶縁を確実にしている。次いで、波状ばね4bが、ベアリング14のアウタリングとアダプタリング4との間に配置されている。
【0054】
軸部材21、22の端部29、30は、ナット33の挿入のために、軸部材21、22に対して(したがって、長手軸Xに対して)同軸な貫通孔31およびねじ孔32をそれぞれ有している。このようなナット33が、ペダル漕ぎの際に軸部材21、22の間の接続が維持されるように保証している。
【0055】
ナット33が、貫通孔31に挿入され、ナット33の半径方向のフランジ34が、軸部材21の内壁に当接しているワッシャ133に突き当たる一方で、ナット33のねじ棒部分35が、ねじ孔32にねじ込まれる。
【0056】
ナット33は、締め付け工具(とくには、六角スパナ)を受け入れるべく形成された内表面を有する孔が形成されている第1の部位33aを有している。さらに、ナット33は、実質的に円柱形の孔が形成されている第2の部位33bを有している。
【0057】
上述のボトムブラケットアセンブリのさらなる詳細は、本出願と同じ出願人の欧州特許出願第05026302号に記載されており、この出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0058】
本発明によれば、図1のボトムブラケットアセンブリ1が、ペダル漕ぎの際に運転者によって軸23に加えられるトルクの検出ユニット100aを有している。そのような検出ユニット100aは、充電式でもよい電池103と、1つ以上のひずみゲージ101をナット33に組み合わせてなる信号生成器と、ひずみゲージ101によって生成された信号の処理ユニット102と、そのような信号を外部に伝達する送信ユニット(とくには、アンテナ154を有している)とを備えている。
【0059】
好ましくは、ひずみゲージ101が、ひずみゲージブリッジを構成するように配置され、とくには例えばホイートストンブリッジなど、4つの抵抗を差動の構成で使用する公知の形式のブリッジを構成するように配置される。後で詳しく説明されるように、差動の構成における抵抗の特定の配置によって、ひずみゲージ101が組み合わせられているナット33のねじり変形のみに応じた信号、すなわちナット33の引っ張りまたは曲げに起因する軸方向の変形に左右されない信号をもたらすことができる。
【0060】
ひずみゲージ101に、電池103によって発せられた電気信号が供給され、ひずみゲージ101が、そのような信号に作用して、ナット33のねじり変形に応じた変化を信号にもたらし、電流または電圧の形態の変更後電気信号を生成する。ナット33の変形は、ペダル漕ぎの際に運転者によって加えられるトルクに比例するため、ひずみゲージ101によって変更された電気信号も、そのようなトルクに比例する。
【0061】
処理ユニット102への供給も、同じ電池103によって行われるが、代わりに、自身の専用の電池を含んでいてもよい。
【0062】
処理ユニット102は、ナット33の第2の部位33bの円柱形の孔に収容されている。あるいは、処理ユニット102を、電池103に隣接した位置でナット33の外部に配置してもよい。
【0063】
処理ユニット102が、ひずみゲージ101によって生成された電気信号を処理し、次いで外部に送信する。ここで、処理とは、例えば単純な増幅など、信号について実行される任意の操作を指す。
【0064】
アンテナ154が、ケーブルの形態で処理ユニット102から出て、軸部材21の空洞21aの外縁を終端としている。これによって、アンテナ154によって送信される信号が、軸部材21の壁によって遮蔽されることがない。
【0065】
図1に示した実施の形態においては、処理ユニット102によって処理された信号が、アンテナ154によって、無線通信によって外部に送信される。この場合、処理ユニット102が、アンテナ154に組み合わせられたRF送信器を有している。送信される信号は、アナログ式であってよく、あるいは好ましくはデジタル式であってよく、その場合には、RF送信器の上流にA/D変換器が設けられる。
【0066】
図1aが、図1のボトムブラケットアセンブリ1において使用される検出ユニット100aの実施の形態のブロック図を詳しく示している。とくには、電池103、電池103に直列に接続されたひずみゲージ101、ひずみゲージ101に直列に接続された処理ユニット102、および処理ユニット102から出ているアンテナ154が示されている。処理ユニット102は、とくには、ひずみゲージ101によって生成された信号の増幅器200、A/D変換器201、およびRF送信器202を有しており、これらはすべて、電池103によって給電されている。
【0067】
図1bが、図1のボトムブラケットアセンブリ1において使用することができる検出ユニット100aの別の実施の形態のブロック図を詳しく示している。図を分かり易くするため、図1bにおいては、エネルギー供給用の電池および電池に組み合わせられたエネルギー供給回路が、表示されていない。しかしながら、回路およびそのような電池は、存在しており、図1aに示した回路および電池と全く同一である。
【0068】
図1bの実施の形態は、軸23の回転速度に比例した信号を供給するケイデンスセンサ203と、プロセッサ204とをさらに有しており、プロセッサ204が、変換器201とRF送信器202との間に作用可能に配置され、ケイデンスセンサ203によって生成されたケイデンス信号、およびひずみゲージ101によって生成され、増幅器200によって適切に増幅され、A/D変換器201によってデジタル化されたトルク信号の両者を受け取る点で、図1aに示した実施の形態と相違している。プロセッサ204は、トルク信号を分析して、運転者によって加えられた力に比例する信号へと処理する。好ましくは、この力信号は、平均の力信号であり、所定の時間間隔においてのみ検出ユニット100aの外部に送信され、電池103の消費を抑えている。さらに、ケイデンスセンサ203が、軸23が回転している場合にのみ作動して、検出ユニット100aのスイッチとしても機能する。
【0069】
図1cが、図1のボトムブラケットアセンブリ1において使用することができる検出ユニット100aの別の実施の形態のブロック図を詳しく示している。図を分かり易くするため、図1cにおいては、エネルギー供給用の電池および電池に組み合わせられたエネルギー供給回路が、表示されていない。しかしながら、回路およびそのような電池は、存在しており、図1aに示した回路および電池と全く同一である。
【0070】
図1cの実施の形態は、処理ユニット102がプロセッサ205を有しており、プロセッサ205が、変換器201とRF送信器202との間に作用可能に配置され、ひずみゲージ101によって生成され、増幅器200によって適切に増幅され、A/D変換器201によってデジタル化されたトルク信号を連続的に受け取る点で、図1aに示した実施の形態と相違している。プロセッサ205は、ペダル漕ぎのケイデンスを計算し、したがって運転者の生み出す平均の力を計算するために、この信号を分析する。力信号は、所定の時間間隔においてのみアンテナ154を介して外部に送信される。
【0071】
検出ユニット100aは、特定の実施の形態にかかわらず、ユニットの動作状態(例えば、外部への信号の送信において動作中であるか否か)および/または電池103の充電状態を知らせるLED310(図1c)を備えることができる。
【0072】
また、電池103と検出ユニット100aの残りの部分との間に、スイッチ311(図1c)を設けることも可能である。そのようなスイッチは、手動であって、必要なときに運転者によって操作されても、あるいはすでに述べたように、自転車の走行時にのみ閉じられるようにケイデンスセンサ(または、より一般的には、運動センサ)に組み合わせられていてもよい。また、自動的な較正または診断の動作の開始を指令すべく操作されるスイッチ(図1cに示した機械式、近接式、リード式のスイッチ312、など)を使用することも考えられる。
【0073】
再び図1に示した実施の形態を参照すると、検出ユニット100aからの信号が、アンテナ154を介して、自転車に組み合わせられた他の指令/制御システムに無線によって送信される。例えば、検出ユニット100aからの信号を、軸23の回転速度の瞬時値に比例する信号と組み合わせて、ペダル漕ぎの際に運転者によって加えられる瞬時の力の値をもたらすために、自転車のハンドル棒に組み合わせられたサイクルコンピュータによって使用することができる。
【0074】
しかしながら、検出ユニット100aからの信号の自転車に設けられた他の指令/制御システムへの送信は、図1、1a、1b、および1cに関して図示および説明した無線による方法とは別のやり方に従って行うことが可能である。
【0075】
例えば、図2に示した実施の形態においては、検出ユニット100aからの信号の伝達が、摺動接点部を使用することによって行われている。とくには、軸部材21の外表面に、互いに電気的に絶縁され、処理ユニット102に電気的に接続されている2つ以上の環状の経路206が、(コンタクトリングの形態で)設けられている。アダプタリング3の付近に、対応する摺動接点部207が、例えばブラシの形態に製作されて配置されており、軸部材21が回転しているときに環状の経路206との電気的な接続を形成する。2本の絶縁線208がアダプタリング3を横切り、検出ユニット100aによって検出された信号を外部に伝達する。以上を除き、図2に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態と全く同一である。
【0076】
他方で、図3に示した実施の形態においては、検出ユニット100aからの信号の伝達が、ソレノイドを使用することによって行われている。とくには、軸部材21の外表面に、処理ユニット102に電気的に接続されたソレノイド209が巻き付けられている。ソレノイド209は、軸部材21と一緒に単一の部品として回転する。アダプタリング3には、対応する固定のソレノイド210が設けられている。2つのソレノイド209および210が、実質的に変圧器の一次および二次巻線を形成している。検出ユニット100aによって検出された信号が、ソレノイド209によって固定のソレノイド210に伝達され、アダプタリング3を横切る2本の絶縁線211によって外部に伝達される。この場合、変圧器を、検出ユニット100aによって検出された信号を外部に伝達するほかに、電源エネルギーを外部から検出ユニット100aに供給すべく反対の方向に使用することが考えられる。したがって、2本の線211には、トルク信号およびエネルギー供給信号の両者が存在しうる。この場合、検出ユニット100aに、外部からのエネルギーの少なくとも1つの貯蔵素子(例えば、コンデンサ)が設けられる。以上を除き、図3に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態と全く同一である。
【0077】
図1の実施の形態に戻ると、ひずみゲージ101、処理ユニット102、および電池103(すなわち、実質的に検出ユニット100aの全体)はすべて、すでに自転車に組み付けられている右側クランクアームアセンブリ5の軸部材21の空洞21aに挿入されるように形作られたケース100に収容される。検出ユニット100aの種々の構成要素の間の電源エネルギーおよび信号の伝達は、例えばケーブルによって行われる。
【0078】
検出ユニット100aは、ケース100によって覆われていない(したがって、外部に露出されている)少なくとも1つの取り合い面を有しており、この取り合い面に、ひずみゲージ101が、ナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面に接触できるように配置される。ナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面に接触するひずみゲージ101の表面は、ひずみゲージ101のそのような表面との結合を確実にする接着物質を有している。ひずみゲージ101は、ペダル漕ぎの際のナット33の変形に追従しなければならず、したがって、ひずみゲージ101とナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面との間の接着は、十分に強力でなければならない。
【0079】
あるいは、検出ユニット100aをナット33に、ナット33がボトムブラケットアセンブリ1の組み立てに使用される前に組み合わせることも可能である。この場合、ひずみゲージ101が、まずナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面に貼り付けられ、次いで処理ユニット102および電池103に接続される。この場合、組み立て工具(とくには、六角スパナ)の挿入のための領域が、ナット33に設けられる。
【0080】
検出ユニット100aに固定的に接続されたナット33を、ねじ孔32にねじ込むために右側(図1に関して)から挿入することができる。このようなねじ込みは、組み立て工具を、左側からナット33の第1の部位33aの溝付きの内表面に届かせることによって行われる。
【0081】
あるいは、ひずみゲージ101を、ナット33の内表面に直接に取り付ける代わりに、ナット33に接着される中間支持部材(例えば、ゴム製緩衝体)に取り付けることが可能である。この場合、ナット33の変形が、そのような中間支持部材によってひずみゲージ101に伝えられ、したがって中間支持部材は、ナット33の構成材料に対する物理的特性がナット33の変形に追従する材料から製作されなければならない(すなわち、剛であってはならない)。
【0082】
検出ユニット100aのボトムブラケットアセンブリ1に対する配置が、図1に示した実施の形態の鏡像状である別の実施の形態も、図示されていないが存在する。この実施の形態においては、ケース100を、左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22の空洞22aに挿入でき、ナット33が、実質的に円柱形の孔を有する部位33bを軸部材22の位置に有し、締め付け工具を受け入れるべく形作られた内表面を有する部位33aを、右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21の位置に有している。
【0083】
図4が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0084】
図4に示した実施の形態は、検出ユニット100aの配置が異なる点、および交換可能かつ充電可能な電池103を使用してもよい点において、図1に示した実施の形態と相違している。実際、電池103が、もはや処理ユニット102およびひずみゲージ101に固定的に組み合わせられておらず、ひずみゲージ101および処理ユニット102の両者に電源エネルギーを運ぶコネクタ106(例えば、雄のコネクタ)を介して、処理ユニット102およびひずみゲージ101に接続できることに注目すべきである。この目的のため、処理ユニット102が、電池103のコネクタ106と協働するように意図されたコネクタ104(例えば、雌のコネクタ)を有している。他方で、ひずみゲージ101と処理ユニット102との間の信号の交換は、ひずみゲージ101によってもたらされる信号の大きさの程度が低いため、信号がコネクタを介して伝達される場合に生じうる信号の分散の可能性を回避すべく、依然として好ましくはケーブルを介して行われる。
【0085】
電池103は、ケーシング105に収容されている。コネクタ104、106を酸化させかねない水分または塵埃の進入を避けるために、随意により、例えばOリングの形態のガスケット151を、ケーシング105と軸部材22の内表面との間に配置して使用してもよい。ガスケットの数(図4では2つ)および軸部材22に対する位置は、図4に示したものと異なってもよい。
【0086】
図4に示した電池など、コネクタを備える電池103を使用することは、枯渇後に電池を交換することができるため、好都合である。
【0087】
ボトムブラケットアセンブリ1に固有の構造的な特徴に関して、図1の実施の形態に関して述べた内容が図4にも当てはまるが、ナット33が、実質的に円柱形の孔を備える第1の部位33a(左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に位置する)と、締め付け工具を受け入れるべく形作られた内表面を有する孔を備える第2の部位33b(右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に位置する)とを有するという点が、唯一相違している。
【0088】
検出ユニット100aのボトムブラケットアセンブリ1に対する配置が、図4に示した実施の形態の鏡像状である別の実施の形態も、図示されていないが存在し、すなわち実質的に図1に示されているように、電池103を右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21の空洞21aに挿入でき、ナット33が、実質的に円柱形の孔を有する部位33bを軸部材21の位置に有し、締め付け工具を受け入れるべく形作られた内表面を有する部位33aを、左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22の位置に有している。
【0089】
図5が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号で示されている。
【0090】
図5に示した実施の形態は、カートリッジの形態であるさらなる電源装置(典型的には、電池)107が設けられ、このさらなる電源装置を左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に挿入できる点で、図1に示した実施の形態と相違している。さらなる電池107は、ナット33の内側を横切って電池103の雌のコネクタ105aにつながる雄のコネクタ105bを有している。
【0091】
このような解決手段は、自転車が長時間にわたって使用されるように意図されている場合に好都合である。実際、検出ユニット100aの自律性を増すことが可能である。
【0092】
電池103およびさらなる電池107の位置が逆にされ、電池103が左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に設けられ、さらなる電池107が右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に設けられる別の実施の形態も、図示はされていないが存在する。
【0093】
図6が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1、4、および5において示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0094】
図6に示した実施の形態は、カートリッジの形態であるさらなる電池107が設けられ、このさらなる電池を右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に挿入できる点で、図4に示した実施の形態と相違している。さらなる電池107は、ナット33の内側を横切って電池103の雌のコネクタ105aにつながる雄の電源コネクタ105bを有している。このような解決手段は、図5に示した解決手段と同じ利点を有している。
【0095】
実質的に図5に示されているように、電池103およびさらなる電池107の位置が逆にされ、電池103が右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に設けられ、さらなる電池107が左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に設けられる別の実施の形態も、図示はされていないが存在する。
【0096】
図7が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1において示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0097】
図7に示した実施の形態は、処理ユニット102がナット33の外部にあって、電池103に固定的に接続されている点で、図1に示した実施の形態と相違している。この場合にも、電池103および処理ユニット102は、右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21の空洞21aに挿入できるケース100に収容されている。
【0098】
他方で、ひずみゲージ101は、この場合には、軸部材21の壁がより薄くなっている領域において、軸部材21の外表面に位置している。あるいは、ひずみゲージ101を、同じ領域の軸部材21の内表面に組み合わせてもよい。
【0099】
検出ユニット100aの位置が、図7に示した実施の形態の鏡像状であり、すなわち検出ユニット100aの構成部品が左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に組み合わせられている別の実施の形態も、図示されていないが存在する。
【0100】
図8が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1のさらなる実施の形態を示している。このような図において、図1に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0101】
図8の実施の形態は、電池103、処理ユニット102、およびひずみゲージ101が、右側クランクアーム17の空洞17aに収容されている点で、図1の実施の形態と相違している。好ましくは、クランクアーム17の慣性から保護するため、およびより大きな引っ張り値を検出するために、上述の構成要素が、そのような空洞において、クランクアーム17の軸部材21との接続端に近い領域に収容される。この場合、クランクアーム17の曲げ変形が主として検出され、そこから、いずれにせよ、運転者によって加えられるトルクを計算することができる。クランクアーム17の空洞17aは、第1の組み立て段階においては開いており、その後に検出ユニット100aが空洞の中に導入された後にカバーによって閉じられるように製作することができる。
【0102】
検出ユニット100aが左側のクランクアーム18に収容される別の実施の形態も存在する。
【0103】
図9が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1のさらなる実施の形態を示している。このような図において、図1および8に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0104】
図9の実施の形態は、ここでは検出ユニット100aのより重たい構成要素、すなわち電池103およびおそらくは処理ユニット102が、クランクアーム17の慣性から保護するために軸部材21の空洞21aに収容される一方で、ひずみゲージ101が、右側クランクアーム17の曲げ変形を主として測定するために、右側クランクアーム17の空洞17aに収容され、あるいはおそらくは右側クランクアーム17の外表面に収容される点で、図8の実施の形態と相違している。
【0105】
好ましくは、図9に示されているように、ひずみゲージ101の位置は、ペダルよりも軸部材21により近い。
【0106】
上述のすべての実施の形態において、好ましくは誘導によって充電が可能な形式である充電式の電池103を使用することが可能である、この場合、充電を実行するために、充電用の器具を自転車に近づけるだけで十分であり、絶縁の問題を生じかねない外部のコネクタを設ける必要がない。誘導によって充電できる電池を使用する検出ユニット100aの実施の形態が、図10に示されている。このような実施の形態においては、充電器152が、電池103に形成された座153に挿入される。図示はされていない他の実施の形態においては、電池103との協働に適した光電池が使用される。
【0107】
また、上述のすべての実施の形態において、ひずみゲージ101を、軸部材21、22の一方に直接に付けることが可能である。軸部材へのひずみゲージ101の配置は、自転車の特定の動作に起因して生じる測定の課題を解決するために適したやり方で行われる。
【0108】
図11は、トルクが加えられたときに軸23の種々の領域において生じる張力tを、きわめて概略的なやり方で示している。どのようにして、軸23の薄肉の領域が、引っ張りの集中が大きい領域となるのかに、注意すべきである。このような領域が、ひずみゲージを配置するための好ましい領域である。
【0109】
しかしながら、軸において生じる引っ張り、したがってひずみゲージによって検出できる変形が、トルクのみに依存するのではなく、曲げおよび温度変化に起因する膨張ならびに/あるいは軸方向の力にも依存する点を、考慮しなければならない。とくには、軸の変形応力は一定でなく、クランクアームの角度位置に応じた最大値および最小値を有する。実際、公知のとおり、運転者がクランクアームに加える押しの力は、クランクアームがクランクアームを上にした垂直位置とクランクアームを前方にした水平位置との間の領域にあるときに、最大である。さらに、軸にトルクを伝達するクランクアームが、左側クランクアームだけであることも考慮しなければならない。なぜならば、右側クランクアームは、右側クランクアームに組み合わせられている前部スプロケット(そのような前部スプロケットへが、図8および9に符号500で示されている)に直接にトルクを伝達するからである。次いで、前部スプロケットが、チェーンを介して後輪にトルクを伝達する。また、両方のクランクアームが軸に曲げ応力を生じさせ、したがって実際には運転者によってトルクが加えられていない場合でも、ひずみゲージが変形を検出しうることも、考慮されなければならない。
【0110】
例えば、一体に接続されてホイートストンブリッジをなす図1a、1b、および1cに示した4つのひずみゲージの代わりに、ただ1つのひずみゲージが使用される場合を考える。そのようなひずみゲージは、好ましくは、クランクアーム17、18が水平方向に対して45°にあるときに軸の中立軸がクランクアーム17、18に対して位置する角度位置に相当する角度位置において、軸23に組み合わせられる。中立軸の位置は、図12bにおいてZで示されており、ひずみゲージを配置することができる角度位置の種々の例が、3つの異なる動作状態(それぞれ、運転者がペダルを押し下げ始める瞬間、押しが最大である段階、および運転者がペダルの押し下げを止める瞬間)におけるクランクアーム17、18の位置を概略的に表わしている図12a、12c、および12dに、符号Aによって示されている。図12aに示されているように、黒い丸によって示された理想的な角度に対して角度の許容範囲αをとることが可能であり、αは、好ましくは90°に等しい。
【0111】
次に、ひずみゲージの特定の形状を考えると、図13に示されているように、大きさβの角度間隔での軸23上への配置が好都合であり、βは、好ましくは40°〜50°の間であり、より好ましくは45°に等しい。実際、運転者が左側クランクアーム18を押し、軸23にトルクMが伝えられるとき、軸23は、矢印S1の方向の伸びおよび矢印S2の方向の縮みを受けて変形する。この理由により、検出される信号の大きさができる限り大きくなるよう、ひずみゲージ101をその変形の方向が矢印S1に沿うように向けて配置することが好都合である。
【0112】
図14aおよび14bが、軸23へのトルクを表わす信号であって、曲げ応力による影響が可能な限り少ない信号を検出するためのひずみゲージ101の別の配置を説明している。このような図において、どのように、いつクランクアーム、例えば右側クランクアーム17において曲げ変形Fが最大値となり、他方のクランクアーム(例えば、左側クランクアーム18)において、そのような変形がゼロになるのかに注目すべきである。次に、運転者が左側クランクアーム18を押すときにのみ軸23にトルクMが存在する点に鑑み、ただ1つのひずみゲージ101を右側のベアリング13(図14b)の位置に配置し、ケイデンスセンサ(あるいは、位置または運動センサ)が左側クランクアーム18が押しの位置(すなわち、図12aの大きさαの角度範囲内)および好ましくは最大の押しの位置にあることを示しているときにのみ信号の検出を行うことによって、軸23に加わるトルクのみに比例する信号を得ることが可能である。しかしながら、ひずみゲージ101を、0〜20mmの間のベアリング13からの軸方向の距離xに配置してもよい。あるいは、クランクアーム17、18の位置を割り出して、運転者が右側クランクアーム17を押しているときの右側ベアリング13の位置のひずみゲージ101の検出信号を、運転者が左側クランクアーム18を押しているときの左側ベアリング14の位置のひずみゲージ101の検出信号から引き去るためにケイデンス信号を利用することによって、図14aに概略的に示されているように、ひずみゲージをそれぞれのベアリングに配置することも可能である。
【0113】
次に、2つのひずみゲージが使用される場合を考える。図15aに示されているように、2つのひずみゲージ101を、それぞれの変形の方向が互いに直交するように向けつつ、任意の角度位置および任意の軸方向の位置にて軸23上に配置することができる。このやり方で、曲げおよび/または引っ張り応力によって引き起こされる可能性のある影響を、差動測定によって取り除くことが可能である。2つのひずみゲージを古典的な1/2ブリッジの仕組みに従って接続することで、第1のひずみゲージによって生成される信号と第2のひずみゲージによって生成される信号との間の差が、軸23に加わるトルクにのみ比例する。
【0114】
図示はされていない別の構成においては、図15aのように2つのひずみゲージが重ねられるのではなく、直径において反対側の領域で軸に組み合わせられる。
【0115】
しかしながら、とくに好ましい構成は、2組のひずみゲージ101が使用される図15bに示した構成であり、これらがホイートストンブリッジの仕組み(図1a〜1cに示したものと同じ)に従って接続される。この構成においては、好都合なことに、検出信号の大きさが、図15aの構成において検出される信号よりも大きい。
【0116】
本発明のボトムブラケットアセンブリ1の検出ユニット100aの別の実施の形態においては、ひずみゲージの代わりに、圧電素子、すなわち圧力が加えられたときに電位差を生成することができる素子が使用される。したがって、このような素子は、エネルギー源および信号生成器の両者として機能する。したがって、圧電素子が、運転者が左側クランクアームを押したときに圧縮されるように配置されたならば、得られる電位差は、運転者によってボトムブラケットアセンブリの軸に加えられるそのようなトルクに直接的に比例する信号である。
【0117】
圧電素子によって生成されるエネルギーの大きさは大きくないため、図1a〜1cの増幅器、A/D変換器、およびRF送信器などといった電子部品への供給のために、さらなる電池が使用されることが好ましい。
【0118】
図16は、圧電素子301を備える検出ユニット100aが使用されている本発明のボトムブラケットアセンブリ1の第1の実施の形態を示している。とくには、圧電素子301が、軸部材21、22の端部29、30に設けられた前歯(好ましくは、Hirth型である)の歯の相対する表面の間に配置されている。さらに詳細には、圧電素子301が、例えば歯の大きさを減らすことによって形成された適切な座301aに収容されている。圧電素子301によって検出された信号の処理ユニット102、およびこの場合には処理ユニット102にのみ供給を行う電池103も、見て取ることができる。
【0119】
処理ユニット102および電池103は、軸部材21の空洞21aに収容される。処理ユニット102は、図1a〜1cに示した形式であってよい。
【0120】
図17および18に示す検出ユニット100aの別の実施の形態においては、圧電素子301が、軸部材22およびクランクアーム18の前部結合歯の歯の相対する表面の間に収容される一方で、処理ユニット102および電池103は、軸部材22の空洞22aに収容されている。
【0121】
図16〜18の実施の形態においては、圧電素子301によって生成される信号が、圧電素子の外表面に加えられる圧力に直接的に比例し、すなわち左側クランクアーム18のペダルを押す運転者によって軸部材22に加えられるトルクに直接的に比例する。したがって、処理ユニット102からの信号は、運転者によってボトムブラケットアセンブリの軸(または、軸部材)に加えられるトルクに比例する。
【0122】
図19に示した検出ユニット100aのさらに別の実施の形態によれば、圧電素子301、電池203、および処理ユニット102が、この場合には溶融させた複合材料(例えば、炭素繊維)から好ましく製作されるクランクアームの本体に埋め込まれる。あるいは、上述の構成要素を、クランクアームの本体に製作される適切なポケット(図示せず)に挿入することができる。圧電素子の向きは、ペダル漕ぎの際にクランクアームの本体の当該領域に加わる圧縮によって、圧電素子の上面および下面に圧力が加わるような向きである。このような圧力も、ペダル漕ぎの際に運転者によって加えられるトルクに比例する値を有する。
【0123】
さらに、検出された変形信号を、過大な(例えば、所定のしきい値を超える)変形にさらされており、したがって消耗が始まっている可能性があるためにクランクアームの交換が必要である旨を知らせるための警告信号としても使用することができる。
【0124】
図20が、圧電素子が、ナット33の半径方向のフランジ34と軸部材21の内壁との間に配置されたワッシャ133で構成されている本発明のボトムブラケットアセンブリ1のさらなる実施の形態を示している。したがって、このようなワッシャ133を、圧電材料から製作することができる。軸部材21、22の端部29、30に設けられたHirth式の歯の特定の形状ゆえに、一方の軸部材から他方の軸部材へのトルクの伝達が、2つの軸部材を軸方向に分離させようとする力を生み、この理由で、ワッシャ133がナット33の半径方向のフランジ34に押し付けられる。
【0125】
ここまで、本発明を自転車の可動部品に関して説明してきた。実際には、本発明を、例えば自転車のフレーム、座席ポスト、またはハンドル棒など、固定の部品にも適用できることを、当業者であれば容易に理解できるであろう。この場合、検出ユニットが、部品の第1の引っ張り状態から第2の引っ張り状態への移行を検出し、生成される信号を、例えば臨界張力への到達に対する警告信号、または部品の交換が必要である旨を知らせる警告信号として使用することができる。
【0126】
例えば、図21が、自転車400を、検出ユニット100aを組み合わせることができる自転車の種々の構成部品の領域を強調表示して示している。図示のとおり、そのようなユニットを、例えば領域Bにおいてクランクアーム17に、例えば領域Cにおいてボトムブラケットアセンブリの軸23に、例えば領域Dにおいて自転車のフレーム401に、例えば領域Eにおいて座席ポスト402に、例えば領域Fにおいてハンドル棒403に、例えば領域Gにおいて車輪405のハブ404に、例えば領域Hにおいて車輪405のリム406に、などと組み合わせることが可能である。
【0127】
また、本発明を、常に電気的なエネルギー源(電池または圧電結晶)、および部品に加わる応力に応じて変化する電気信号の生成器(圧電結晶そのもの、またはひずみゲージ)に関して説明した。しかしながら、他の種類のエネルギー源および信号も使用可能である。例えば、磁界または電磁界の発生源ならびにそのような磁界または電磁界を変化させるものを、使用することが可能である。好ましくは、エネルギー供給の信号および表示信号は、同じ種類(例えば、電気信号)であるが、そのような信号が別々の種類である場合(例えば、電気信号と磁気信号)を排除するものではない。
【0128】
当業者であれば、上述の実施の形態の種々の特徴を組み合わせてさらなる実施の形態を得ることができること、およびそれらのすべてが、いかなる場合も、特許請求の範囲によって定められるとおりの本発明に包含されることを、理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の第1の実施の形態である自転車部品(この特定の場合には、ボトムブラケットアセンブリ)の概略の長手断面図である。
【図1a】図1の部品の検出ユニットの別の実施の形態のブロック図を示している。
【図1b】図1の部品の検出ユニットの別の実施の形態のブロック図を示している。
【図1c】図1の部品の検出ユニットの別の実施の形態のブロック図を示している。
【図2】本発明の第2の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態の自転車部品の一部分の概略の長手断面図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図11】トルクが加えられたボトムブラケットアセンブリの軸の引っ張りの状態を示す概略図である。
【図12】(a)は、押しを開始する状態における図11の軸に対するボトムブラケットアセンブリのクランクアームの位置を示す概略図である。(b)は、押しを開始する状態における図11の軸の引っ張りの状態を示す概略図である。(c)は、最大の押しの状態における図11の軸に対するクランクアームの位置を示す概略図である。(d)は、押しの終わりの状態における図11の軸に対するクランクアームの位置を示す概略図である。
【図13】図11の軸上のひずみゲージの好ましい位置を示す概略図である。
【図14a】クランクアームが第1の動作位置にある状態において、曲げおよびねじりの応力が加わるときの図11の軸の引っ張りの状態、およびひずみゲージの好ましい配置構成を示す概略図である。
【図14b】クランクアームが第2の動作位置にある状態において、曲げおよびねじりの応力が加わるときの図11の軸の引っ張りの状態、およびひずみゲージの好ましい配置構成を示す概略図である。
【図15a】図11の軸への2つのひずみゲージのさらなる配置構成を示す概略図である。
【図15b】図11の軸へのひずみゲージのとくに好ましい配置構成を示す概略図である。
【図16】本発明の部品のさらなる実施の形態の側面図である。
【図17】本発明の部品のさらなる実施の形態の分解斜視図である。
【図18】図17の拡大詳細を示す図である。
【図19】本発明の部品のさらなる実施の形態の分解斜視図である。
【図20】本発明の部品のさらなる実施の形態の概略の長手断面図である。
【図21】本発明の部品を組み入れた自転車の側面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器を備えた自転車部品に関する。とくには、本発明は、自身に加わる応力を検出するための計器を備えた自転車部品に関する。
【0002】
さらに、本発明は、上述の自転車部品に備えられるべく使用される検出ユニット、および上述の部品を備える自転車に関する。
【背景技術】
【0003】
とりわけプロ選手レベルでの自転車の運転においては、多数の理由により、自転車の部品に加わる応力を表わすパラメータを検出することが好ましい。
【0004】
例えば、上述のパラメータの検出によって、部品を設計するために有用な情報がもたらされる。実際、とくには競走用の自転車であるが、自転車および/または自転車部品の製造者にとって、自転車の総重量、したがって自転車の種々の部品の総重量を可能な限り小さくすると同時に、そのような部品の構造強度の特性を、向上させないまでも維持することが、常に求められている。これを行うためには、部品に加わる応力の程度を知る必要がある。例えば、ボトムブラケットアセンブリの軸、クランクアーム、または自転車の車輪の部品など、自転車の回転部品の場合には、上述の応力の程度を知るために、このような部品のねじり変形を測定することができる。
【0005】
また、ペダル漕ぎの際に運転者によって自転車部品に加えられる応力を表わすパラメータを検出することで、運転者の能力を評価し、おそらくは比較することも可能である。例えば、自転車の回転部品のねじり変形を測定することで、ペダル漕ぎの際に運転者が生み出す力を知り、したがって運転者の能力を評価することができるようになる。
【0006】
特許文献1が、軸に加えられたトルクを測定するためのセンサを開示している。そのようなセンサは、軸に塗布された磁気ひずみ材料の層と、磁気ひずみ材料の層において軸に巻き付けられた第1の電気巻線と、第1の巻線の内側で軸に巻き付けられた第2の電気巻線と、磁界を生成するように第1の電気巻線に電流信号を供給するように構成された信号生成器とを有している。軸にトルクが加えられると、磁気ひずみ材料の透磁率が変化して、軸の周囲の磁束に変化が生じる。第2の電気巻線におけるこのような変化ゆえに、引っ張り信号が生成されて測定され、加えられたトルクの大きさおよび方向を割り出すために使用される。
【0007】
本出願人は、上述のセンサが、自転車部品に設置するためにきわめて面倒な作業を必要とすることに気が付いた。例えば、ボトムブラケットアセンブリの場合には、ボトムブラケットアセンブリを収容するボックスを電気巻線の受け入れに合わせてとくに構成すること、および軸の表面を磁気ひずみ材料の層の塗布のために準備すること、の両者が必要である。したがって、多数の構成要素に手を加える必要があり、とくにはペダル漕ぎの際に自転車のフレームに対して固定されたままである構成要素(上述の例では、ボトムブラケットアセンブリを収容するボックス)、およびペダル漕ぎの際に自転車のフレームに対して動く構成要素(ボトムブラケットアセンブリの軸)の両方に、手を加える必要がある。センサが固定されている構成要素および可動の構成要素の両方に組み合わせられるので、センサにおいて生成された信号の気中伝送が必要である。結果として、このような信号の検出が、種々の構成要素間に存在しうる整列ずれまたは遮蔽によって損なわれる可能性がある。
【特許文献1】米国特許第6,701,793号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の根底にある基本的な課題は、ペダル漕ぎの際に運転者によって自転車の部品に加えられる応力を、簡単で、費用対効果に優れ、信頼性を有し、かつ設置が容易であるシステムによって測定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、その第1の態様において、計器を備えた自転車部品に関し、そのような部品は、当該部品に加えられる応力を表わす少なくとも1つのパラメータの検出ユニットを有しており、単一の部品、あるいはお互いに対して動くことのないより複数の部品からなっている。
【0010】
本明細書の全体および特許請求の範囲において、「部品」とは、例えばフレームそのもの(または、その一部)や座席ポストなど、自転車が走行しているときに自転車のフレームに対して固定されたままである任意の自転車の部品、または例えばボトムブラケットアセンブリの軸やクランクアームなど、自転車が走行しているときにフレームに対して運動する任意の部品のどちらも指す。さらに、本発明の部品は、(例えば、クランクアームのように)単一の部品として形成されても、あるいは(例えば、ボトムブラケットアセンブリのように)複数の部品にて形成されてもよい。本発明によれば、後者の場合には、検出ユニットが、それら部品のうちの1つまたは2つ以上に組み合わせられるが、そのような部品は、お互いに対して動くことがなく、すなわち単一の部品として運動する。
【0011】
好ましくは、本発明によれば、検出ユニットの全体が、自転車の部品の互いに動くことのない各部に組み合わせられる。したがって、計器を備えた部品の製造およびそのような部品の自転車への組み付けの工程において、部品のうちで自転車の走行時に自転車のフレームに対して固定されたままであるように意図されている各部、またはフレームに対して1つの部品片として運動する各部にのみ手を付けるだけであり、コストならびに製造および組み立ての時間の点で明らかに好都合である。さらには、固定される部材と可動である部材との間の相互作用が不要であるため、ペダル漕ぎの際に運転者によって当該部品に加えられる応力を表わすパラメータの検出が、きわめて簡単であり、信頼性に富み、効率的である。
【0012】
好ましくは、本発明の部品は、回転する部品である。とくには、回転軸を中心として回転できる本体を有している。この場合、上述の検出ユニットは、上述の本体と一緒に単一の部品として回転する。
【0013】
好ましくは、検出ユニットが、部品に加わる応力を表わす少なくとも1つの信号(好ましくは、電気信号)の少なくとも1つの生成器を有しており、より好ましくは、この信号を検出ユニットの外部に伝達する少なくとも1つの送信装置を有している。さらに、検出ユニットは、好ましくは、少なくとも1つのエネルギー供給源(好ましくは、電気エネルギー源)を有しており、さらにより好ましくは、信号生成器によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニットを有している。
【0014】
エネルギー供給源は、例えば、電池、圧電素子(とくには、結晶)、あるいは回転する部品の付近に配置された固定の磁石によって励起される誘導巻線であってよい。信号生成器を、1つ以上のひずみゲージ、または圧電素子(おそらくは、エネルギー供給源を構成する圧電素子と同じもの)で構成することができる。信号の送信装置は、無線送信器で構成でき、あるいは摺動接点部を備えるケーブルまたはソレノイドを有することができる。
【0015】
エネルギー供給源として電池が使用される場合には、信号生成器が、電池によって発せられる一定の電気信号に作用して、部品に加わる応力を表わす信号を生成する。他方で、圧電素子が使用される場合には、圧電素子が、まさにその性質によって、圧電素子に加わる応力の大きさに直接に比例する電気信号を自立して生成するため、圧電素子が、エネルギー供給源および信号生成器の両者として機能する。この場合、圧電素子は、ペダル漕ぎの際に運転者によって当該部品に加えられる応力によって圧縮されるように製作されている。
【0016】
本発明の部品の第1の実施の形態においては、部品が、複合材料から作られ、検出ユニットが、少なくとも部分的に複合材料に組み入れられる。好ましくは、この場合には、信号生成器は、炭素繊維から製作されるクランクアームの本体に組み入れられる圧電素子で構成される。
【0017】
本発明の部品の好ましい実施の形態においては、検出ユニットが、当該部品の少なくとも1つの空洞に少なくとも部分的に収容される。好ましくは、本発明の部品のうちの当該部品の空洞に収容される構成要素は、エネルギー供給源であり、より好ましくはさらに信号の送信装置である。
【0018】
本発明の部品の好ましい実施の形態においては、信号生成器も上述の空洞に収容され、したがって検出ユニットの全体が、本発明の部品の本体内側に位置する。
【0019】
しかしながら、上述の構成要素のうちのいくつかが当該部品の外表面に組み合わせられている本発明の部品の実施の形態も、さらに考えられる。とくには、信号生成器が当該部品の外表面に組み合わせられている実施の形態が、さらに考えられる。これは、ねじり応力によって生じる張力の検出が望まれる場合に、とくに好都合である。実際、そのような応力は、まさに部品の外表面においてより大きく、したがって信号検出器をまさにそのような表面に配置することで、検出の効率を高めることが可能である。
【0020】
好ましくは、検出されるパラメータは、当該部品の引っ張りの状態を表わす信号である。より好ましくは、この信号が、臨界張力への到達を知らせるため、あるいは部品の交換が必要である旨を知らせるために、基準信号と比較される。
【0021】
好ましくは、上述の検出ユニットによって検出されるパラメータは、ペダル漕ぎの際に運転者によって当該部品に加えられるトルクを表わす信号である。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、対象の部品が、ボトムブラケットアセンブリの軸、そのようなアセンブリのクランクアーム、ボトムブラケットアセンブリそのものの部品、またはより好ましくはボトムブラケットアセンブリにおいて使用されるねじ山付きの部材(ナットまたはねじなど)である。しかしながら、例えば車輪の部品(例えば、ハブまたはリム)、座席ポスト、ハンドル棒、または自転車のフレームなど、上述の部品以外の自転車部品を対象とする本発明の他の実施の形態も、提供することが可能である。
【0023】
対象の部品がボトムブラケットアセンブリである特定の場合においては、エネルギー供給源および送信装置の両者が、ボトムブラケットアセンブリの軸に組み合わせられる一方で、信号生成器が、クランクアームのそれぞれに組み合わせられる。好都合には、このような実施の形態は、最新のボトムブラケットアセンブリにおいては、運転者が左側のクランクアームに力を及ぼすときにのみ軸にねじりが加わり、右側のクランクアームは後輪に運動を伝達するためにチェーンが作用する前部スプロケットに直接的に結合しているので、とくに好都合である。したがって、このようなアセンブリにおいては、信号生成器が軸にのみ組み合わせられたならば、運転者によって加えられるトルクの部分的検出が得られると考えられる。他方で、クランクアームに信号生成器を配置することで、この部分的検出の問題を克服することができる。
【0024】
好ましくは、エネルギー供給源および送信装置は、電気コネクタによって一体に接続されるモジュール式の構成要素によって形成される。
【0025】
他方で、信号生成器および送信装置は、好ましくは、電気ケーブルを介して互いに接続される。ケーブルの使用は、一般に伝達すべき信号の大きさが小さく、コネクタを介して伝達されたならば分散してしまうと考えられるため、コネクタに比べて有利である。
【0026】
好ましくは、エネルギー供給源は、能動的なエネルギー源であり、すなわち固定の部材と可動の部材との間の相互作用にかかわらずにエネルギーを生成できる供給源である。例えば、電池または圧電結晶が能動的な供給源である。
【0027】
本発明の部品の好ましい実施の形態においては、エネルギー供給源が電池である。そのような電池は、好ましくは充電式であり、さらにより好ましくは、気密であって外部から絶縁されている領域に収容することができるよう、誘導によって充電が可能な形式である。
【0028】
好ましくは、信号生成器は、電池に接続された少なくとも1つのひずみゲージを含んでいる。より好ましくは、信号生成器が、直角な方向に従って配置される2つのひずみゲージ(互いに上下に配置され、あるいは軸において直径において正対する領域に配置される)、または各組のひずみゲージが直角な方向に従って配置される2組のひずみゲージ、あるいはひずみゲージブリッジを形成するように(とくには、ホイートストンブリッジなどのような差動の仕組みに従って)接続される4つのひずみゲージを含んでいる。
【0029】
本発明の部品の実施の形態においては、送信装置が、生成された電気信号(検出されたパラメータを表わしている)を外部に送信するための摺動接点部を有している。
【0030】
あるいは、送信装置は、例えば自転車のハンドル棒に組み合わせられたサイクルコンピュータなど、離れた場所に電磁気信号を送信する無線送信器を有している。この場合、好ましくはアンテナが、部品の壁によって遮られることがないように、外部に向かって開いた当該部品の少なくとも1つの空洞に収容される。
【0031】
あるいは、送信装置が、磁界を生成するように構成された1対のソレノイドを有している。
【0032】
好ましくは、検出ユニットは、送信装置のための第1のエネルギー供給装置をさらに有している。より好ましくは、そのような第1のエネルギー供給装置が、検出ユニットのためのエネルギー供給源と同じエネルギー供給源であるが、他の実施の形態では送信装置のための第1のエネルギー供給装置がさらなるエネルギー源である。
【0033】
好ましくは、検出ユニットは、信号生成器と送信装置との間に配置された信号増幅器をさらに有しており、おそらくはアナログ/デジタル変換器を前記送信装置の上流に作用可能に有している。この場合、好ましくは、検出ユニットが、そのような信号増幅器のための第2のエネルギー供給装置を有している。好ましくは、そのような第2のエネルギー供給装置が、検出ユニットのためのエネルギー供給源と同じエネルギー供給源であるが、他の実施の形態では信号増幅器のための第2のエネルギー供給装置がさらなるエネルギー源である。
【0034】
好ましくは、検出ユニットは、エネルギー供給源を動作させるためのスイッチを有している。好都合には、そのようなスイッチを使用することで、検出の実行を望まない場合にエネルギー供給源をオフにすることができ、エネルギー供給源のエネルギーの消費を最小限にすることができる。
【0035】
好ましくは、上述のスイッチが、運動センサを有しており、そのようなセンサが適用された自転車または部品の運動に従って、検出ユニットを好都合に動作させる。
【0036】
検出ユニットは、好ましくは動作表示器LEDをさらに有している。
【0037】
好ましくは、検出ユニットは、ボタン、近接スイッチ、リード式のスイッチ、などによって形成することができる較正または診断スイッチをさらに有している。
【0038】
好ましくは、検出ユニットは、当該部品の回転の速度を当該部品に加えられるトルクと同時に検出して、運転者によって生み出される力を計算できるよう、ケイデンスセンサをさらに備えている。
【0039】
本発明は、その第2の態様において、自転車部品に備えられる検出ユニットであって、上述の部品の少なくとも1つの空洞に挿入できるように構成されていることを特徴とする検出ユニットに関する。
【0040】
好ましくは、そのような検出ユニットは、本発明の部品の検出ユニットに関して上述した構造的および機能的特徴のすべてを、個々または組み合わせにて有しており、したがって上述の利点のすべてを有している。
【0041】
本発明は、その第3の態様において、上述した形式の計器付きの部品を備えている自転車に関する。
【0042】
好ましくは、そのような自転車は、本発明の部品に関して上述した構造的および機能的特徴のすべてを、個々または組み合わせにて有しており、したがって上述の利点のすべてを有している。
【0043】
本発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面を参照して行われる本発明のいくつかの好ましい実施の形態についての以下の詳細な説明から、さらに明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本明細書の全体を通じ、本発明は、ボトムブラケットアセンブリに関して述べられる。しかしながら、本発明が、例えばクランクアーム、軸、車輪の部品、フレーム、座席ポスト、ハンドル棒、または自転車の他の任意の部分など、任意の自転車部品に適用可能であることを、理解すべきである。
【0045】
以降で説明される種々の実施の形態に関して、「自転車のボトムブラケットアセンブリ」という表現は、2つのクランクアームを軸の両端に接続することによって得られるアセンブリを指して使用される。軸は、クランクアームとは別個の部品にて製作でき、あるいは2つのクランクアームの一方と一緒に1つの部品にて製作できる、また、軸を、1つの部品にて製作することができ、あるいは2つ以上の軸部材を一体に接続することによって得ることができる。
【0046】
この文脈において、クランクアームと軸(または、軸部材)とを一体に接続、あるいは、1部品にて製作してなるボトムブラケットアセンブリの構成部品を、「クランクアームアセンブリ」という表現で特定する。
【0047】
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態による自転車のボトムブラケットアセンブリが、符号1で指し示されている。
【0048】
アセンブリ1は、2つのクランクアームアセンブリ5、6を含んでおり、2つのクランクアームアセンブリ5、6のそれぞれは、金属または複合材料から製作された中実または中空のクランクアーム17、18と、中空の軸部材21、22とを有している。クランクアーム17が、チェーンと係合するように意図された前部スプロケット(図示せず)が取り付けられる右側クランクアームを構成する一方で、クランクアーム18は、ボトムブラケットアセンブリ1の左側クランクアームを構成する。
【0049】
2つの軸部材21、22は、図1に示されているように端部‐端部の関係で一体に接続されたときに、ボトムブラケットアセンブリ1の軸23を形成する。このような軸23は、長手軸Xに沿って延びている。
【0050】
クランクアームアセンブリ5、6は、軸部材21、22の第1の自由端部29、30において一体に接続される。そのような端部29、30において、軸部材21、22は、クランクアームアセンブリ5、6の間の正確な中心合わせを可能にするそれぞれの前歯25、26(好ましくは、同一であって、Hirth型である)を有している。
【0051】
軸部材21、22の第2の自由端部27、28には、クランクアーム17、18との接続のためのねじ山が設けられている。しかしながら、軸部材21、22とクランクアーム17、18との間の接続を、例えば接着、溝付きの表面のしまりばめ、またはすきまばめ(through coupling)など、他のやり方に従って行うことも可能である。
【0052】
ボトムブラケットアセンブリ1は、自転車のフレームに適切に形成された実質的に筒状のハウジングボックス2に収容される。ハウジングボックス2において、クランクアームアセンブリ5、6、すなわち軸部材21および22によって形成される軸23が、軸部材21、22のそれぞれのクランクアーム17、18との接続のための端部27、28に装着されたベアリング13、14によって、長手軸Xを中心として回転可能に支持されている。ベアリング13、14は、軸部材21、22とハウジングボックス2の両端にねじ込まれたそれぞれのアダプタリング3、4との間に、作用可能に配置されている。ベアリング13、14は、それぞれアダプタリング13、14とそれぞれの軸部材21、22との間に配置され、ハウジングボックス2の外部に位置している。
【0053】
軸方向の両側においてアダプタリング3、4に組み合わせられた適切なガスケット3a、4aが、ベアリング3、4の外部環境からの密封絶縁を確実にしている。次いで、波状ばね4bが、ベアリング14のアウタリングとアダプタリング4との間に配置されている。
【0054】
軸部材21、22の端部29、30は、ナット33の挿入のために、軸部材21、22に対して(したがって、長手軸Xに対して)同軸な貫通孔31およびねじ孔32をそれぞれ有している。このようなナット33が、ペダル漕ぎの際に軸部材21、22の間の接続が維持されるように保証している。
【0055】
ナット33が、貫通孔31に挿入され、ナット33の半径方向のフランジ34が、軸部材21の内壁に当接しているワッシャ133に突き当たる一方で、ナット33のねじ棒部分35が、ねじ孔32にねじ込まれる。
【0056】
ナット33は、締め付け工具(とくには、六角スパナ)を受け入れるべく形成された内表面を有する孔が形成されている第1の部位33aを有している。さらに、ナット33は、実質的に円柱形の孔が形成されている第2の部位33bを有している。
【0057】
上述のボトムブラケットアセンブリのさらなる詳細は、本出願と同じ出願人の欧州特許出願第05026302号に記載されており、この出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0058】
本発明によれば、図1のボトムブラケットアセンブリ1が、ペダル漕ぎの際に運転者によって軸23に加えられるトルクの検出ユニット100aを有している。そのような検出ユニット100aは、充電式でもよい電池103と、1つ以上のひずみゲージ101をナット33に組み合わせてなる信号生成器と、ひずみゲージ101によって生成された信号の処理ユニット102と、そのような信号を外部に伝達する送信ユニット(とくには、アンテナ154を有している)とを備えている。
【0059】
好ましくは、ひずみゲージ101が、ひずみゲージブリッジを構成するように配置され、とくには例えばホイートストンブリッジなど、4つの抵抗を差動の構成で使用する公知の形式のブリッジを構成するように配置される。後で詳しく説明されるように、差動の構成における抵抗の特定の配置によって、ひずみゲージ101が組み合わせられているナット33のねじり変形のみに応じた信号、すなわちナット33の引っ張りまたは曲げに起因する軸方向の変形に左右されない信号をもたらすことができる。
【0060】
ひずみゲージ101に、電池103によって発せられた電気信号が供給され、ひずみゲージ101が、そのような信号に作用して、ナット33のねじり変形に応じた変化を信号にもたらし、電流または電圧の形態の変更後電気信号を生成する。ナット33の変形は、ペダル漕ぎの際に運転者によって加えられるトルクに比例するため、ひずみゲージ101によって変更された電気信号も、そのようなトルクに比例する。
【0061】
処理ユニット102への供給も、同じ電池103によって行われるが、代わりに、自身の専用の電池を含んでいてもよい。
【0062】
処理ユニット102は、ナット33の第2の部位33bの円柱形の孔に収容されている。あるいは、処理ユニット102を、電池103に隣接した位置でナット33の外部に配置してもよい。
【0063】
処理ユニット102が、ひずみゲージ101によって生成された電気信号を処理し、次いで外部に送信する。ここで、処理とは、例えば単純な増幅など、信号について実行される任意の操作を指す。
【0064】
アンテナ154が、ケーブルの形態で処理ユニット102から出て、軸部材21の空洞21aの外縁を終端としている。これによって、アンテナ154によって送信される信号が、軸部材21の壁によって遮蔽されることがない。
【0065】
図1に示した実施の形態においては、処理ユニット102によって処理された信号が、アンテナ154によって、無線通信によって外部に送信される。この場合、処理ユニット102が、アンテナ154に組み合わせられたRF送信器を有している。送信される信号は、アナログ式であってよく、あるいは好ましくはデジタル式であってよく、その場合には、RF送信器の上流にA/D変換器が設けられる。
【0066】
図1aが、図1のボトムブラケットアセンブリ1において使用される検出ユニット100aの実施の形態のブロック図を詳しく示している。とくには、電池103、電池103に直列に接続されたひずみゲージ101、ひずみゲージ101に直列に接続された処理ユニット102、および処理ユニット102から出ているアンテナ154が示されている。処理ユニット102は、とくには、ひずみゲージ101によって生成された信号の増幅器200、A/D変換器201、およびRF送信器202を有しており、これらはすべて、電池103によって給電されている。
【0067】
図1bが、図1のボトムブラケットアセンブリ1において使用することができる検出ユニット100aの別の実施の形態のブロック図を詳しく示している。図を分かり易くするため、図1bにおいては、エネルギー供給用の電池および電池に組み合わせられたエネルギー供給回路が、表示されていない。しかしながら、回路およびそのような電池は、存在しており、図1aに示した回路および電池と全く同一である。
【0068】
図1bの実施の形態は、軸23の回転速度に比例した信号を供給するケイデンスセンサ203と、プロセッサ204とをさらに有しており、プロセッサ204が、変換器201とRF送信器202との間に作用可能に配置され、ケイデンスセンサ203によって生成されたケイデンス信号、およびひずみゲージ101によって生成され、増幅器200によって適切に増幅され、A/D変換器201によってデジタル化されたトルク信号の両者を受け取る点で、図1aに示した実施の形態と相違している。プロセッサ204は、トルク信号を分析して、運転者によって加えられた力に比例する信号へと処理する。好ましくは、この力信号は、平均の力信号であり、所定の時間間隔においてのみ検出ユニット100aの外部に送信され、電池103の消費を抑えている。さらに、ケイデンスセンサ203が、軸23が回転している場合にのみ作動して、検出ユニット100aのスイッチとしても機能する。
【0069】
図1cが、図1のボトムブラケットアセンブリ1において使用することができる検出ユニット100aの別の実施の形態のブロック図を詳しく示している。図を分かり易くするため、図1cにおいては、エネルギー供給用の電池および電池に組み合わせられたエネルギー供給回路が、表示されていない。しかしながら、回路およびそのような電池は、存在しており、図1aに示した回路および電池と全く同一である。
【0070】
図1cの実施の形態は、処理ユニット102がプロセッサ205を有しており、プロセッサ205が、変換器201とRF送信器202との間に作用可能に配置され、ひずみゲージ101によって生成され、増幅器200によって適切に増幅され、A/D変換器201によってデジタル化されたトルク信号を連続的に受け取る点で、図1aに示した実施の形態と相違している。プロセッサ205は、ペダル漕ぎのケイデンスを計算し、したがって運転者の生み出す平均の力を計算するために、この信号を分析する。力信号は、所定の時間間隔においてのみアンテナ154を介して外部に送信される。
【0071】
検出ユニット100aは、特定の実施の形態にかかわらず、ユニットの動作状態(例えば、外部への信号の送信において動作中であるか否か)および/または電池103の充電状態を知らせるLED310(図1c)を備えることができる。
【0072】
また、電池103と検出ユニット100aの残りの部分との間に、スイッチ311(図1c)を設けることも可能である。そのようなスイッチは、手動であって、必要なときに運転者によって操作されても、あるいはすでに述べたように、自転車の走行時にのみ閉じられるようにケイデンスセンサ(または、より一般的には、運動センサ)に組み合わせられていてもよい。また、自動的な較正または診断の動作の開始を指令すべく操作されるスイッチ(図1cに示した機械式、近接式、リード式のスイッチ312、など)を使用することも考えられる。
【0073】
再び図1に示した実施の形態を参照すると、検出ユニット100aからの信号が、アンテナ154を介して、自転車に組み合わせられた他の指令/制御システムに無線によって送信される。例えば、検出ユニット100aからの信号を、軸23の回転速度の瞬時値に比例する信号と組み合わせて、ペダル漕ぎの際に運転者によって加えられる瞬時の力の値をもたらすために、自転車のハンドル棒に組み合わせられたサイクルコンピュータによって使用することができる。
【0074】
しかしながら、検出ユニット100aからの信号の自転車に設けられた他の指令/制御システムへの送信は、図1、1a、1b、および1cに関して図示および説明した無線による方法とは別のやり方に従って行うことが可能である。
【0075】
例えば、図2に示した実施の形態においては、検出ユニット100aからの信号の伝達が、摺動接点部を使用することによって行われている。とくには、軸部材21の外表面に、互いに電気的に絶縁され、処理ユニット102に電気的に接続されている2つ以上の環状の経路206が、(コンタクトリングの形態で)設けられている。アダプタリング3の付近に、対応する摺動接点部207が、例えばブラシの形態に製作されて配置されており、軸部材21が回転しているときに環状の経路206との電気的な接続を形成する。2本の絶縁線208がアダプタリング3を横切り、検出ユニット100aによって検出された信号を外部に伝達する。以上を除き、図2に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態と全く同一である。
【0076】
他方で、図3に示した実施の形態においては、検出ユニット100aからの信号の伝達が、ソレノイドを使用することによって行われている。とくには、軸部材21の外表面に、処理ユニット102に電気的に接続されたソレノイド209が巻き付けられている。ソレノイド209は、軸部材21と一緒に単一の部品として回転する。アダプタリング3には、対応する固定のソレノイド210が設けられている。2つのソレノイド209および210が、実質的に変圧器の一次および二次巻線を形成している。検出ユニット100aによって検出された信号が、ソレノイド209によって固定のソレノイド210に伝達され、アダプタリング3を横切る2本の絶縁線211によって外部に伝達される。この場合、変圧器を、検出ユニット100aによって検出された信号を外部に伝達するほかに、電源エネルギーを外部から検出ユニット100aに供給すべく反対の方向に使用することが考えられる。したがって、2本の線211には、トルク信号およびエネルギー供給信号の両者が存在しうる。この場合、検出ユニット100aに、外部からのエネルギーの少なくとも1つの貯蔵素子(例えば、コンデンサ)が設けられる。以上を除き、図3に示した実施の形態は、図1に示した実施の形態と全く同一である。
【0077】
図1の実施の形態に戻ると、ひずみゲージ101、処理ユニット102、および電池103(すなわち、実質的に検出ユニット100aの全体)はすべて、すでに自転車に組み付けられている右側クランクアームアセンブリ5の軸部材21の空洞21aに挿入されるように形作られたケース100に収容される。検出ユニット100aの種々の構成要素の間の電源エネルギーおよび信号の伝達は、例えばケーブルによって行われる。
【0078】
検出ユニット100aは、ケース100によって覆われていない(したがって、外部に露出されている)少なくとも1つの取り合い面を有しており、この取り合い面に、ひずみゲージ101が、ナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面に接触できるように配置される。ナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面に接触するひずみゲージ101の表面は、ひずみゲージ101のそのような表面との結合を確実にする接着物質を有している。ひずみゲージ101は、ペダル漕ぎの際のナット33の変形に追従しなければならず、したがって、ひずみゲージ101とナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面との間の接着は、十分に強力でなければならない。
【0079】
あるいは、検出ユニット100aをナット33に、ナット33がボトムブラケットアセンブリ1の組み立てに使用される前に組み合わせることも可能である。この場合、ひずみゲージ101が、まずナット33の第2の部位33bの円柱形の孔の内表面に貼り付けられ、次いで処理ユニット102および電池103に接続される。この場合、組み立て工具(とくには、六角スパナ)の挿入のための領域が、ナット33に設けられる。
【0080】
検出ユニット100aに固定的に接続されたナット33を、ねじ孔32にねじ込むために右側(図1に関して)から挿入することができる。このようなねじ込みは、組み立て工具を、左側からナット33の第1の部位33aの溝付きの内表面に届かせることによって行われる。
【0081】
あるいは、ひずみゲージ101を、ナット33の内表面に直接に取り付ける代わりに、ナット33に接着される中間支持部材(例えば、ゴム製緩衝体)に取り付けることが可能である。この場合、ナット33の変形が、そのような中間支持部材によってひずみゲージ101に伝えられ、したがって中間支持部材は、ナット33の構成材料に対する物理的特性がナット33の変形に追従する材料から製作されなければならない(すなわち、剛であってはならない)。
【0082】
検出ユニット100aのボトムブラケットアセンブリ1に対する配置が、図1に示した実施の形態の鏡像状である別の実施の形態も、図示されていないが存在する。この実施の形態においては、ケース100を、左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22の空洞22aに挿入でき、ナット33が、実質的に円柱形の孔を有する部位33bを軸部材22の位置に有し、締め付け工具を受け入れるべく形作られた内表面を有する部位33aを、右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21の位置に有している。
【0083】
図4が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0084】
図4に示した実施の形態は、検出ユニット100aの配置が異なる点、および交換可能かつ充電可能な電池103を使用してもよい点において、図1に示した実施の形態と相違している。実際、電池103が、もはや処理ユニット102およびひずみゲージ101に固定的に組み合わせられておらず、ひずみゲージ101および処理ユニット102の両者に電源エネルギーを運ぶコネクタ106(例えば、雄のコネクタ)を介して、処理ユニット102およびひずみゲージ101に接続できることに注目すべきである。この目的のため、処理ユニット102が、電池103のコネクタ106と協働するように意図されたコネクタ104(例えば、雌のコネクタ)を有している。他方で、ひずみゲージ101と処理ユニット102との間の信号の交換は、ひずみゲージ101によってもたらされる信号の大きさの程度が低いため、信号がコネクタを介して伝達される場合に生じうる信号の分散の可能性を回避すべく、依然として好ましくはケーブルを介して行われる。
【0085】
電池103は、ケーシング105に収容されている。コネクタ104、106を酸化させかねない水分または塵埃の進入を避けるために、随意により、例えばOリングの形態のガスケット151を、ケーシング105と軸部材22の内表面との間に配置して使用してもよい。ガスケットの数(図4では2つ)および軸部材22に対する位置は、図4に示したものと異なってもよい。
【0086】
図4に示した電池など、コネクタを備える電池103を使用することは、枯渇後に電池を交換することができるため、好都合である。
【0087】
ボトムブラケットアセンブリ1に固有の構造的な特徴に関して、図1の実施の形態に関して述べた内容が図4にも当てはまるが、ナット33が、実質的に円柱形の孔を備える第1の部位33a(左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に位置する)と、締め付け工具を受け入れるべく形作られた内表面を有する孔を備える第2の部位33b(右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に位置する)とを有するという点が、唯一相違している。
【0088】
検出ユニット100aのボトムブラケットアセンブリ1に対する配置が、図4に示した実施の形態の鏡像状である別の実施の形態も、図示されていないが存在し、すなわち実質的に図1に示されているように、電池103を右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21の空洞21aに挿入でき、ナット33が、実質的に円柱形の孔を有する部位33bを軸部材21の位置に有し、締め付け工具を受け入れるべく形作られた内表面を有する部位33aを、左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22の位置に有している。
【0089】
図5が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号で示されている。
【0090】
図5に示した実施の形態は、カートリッジの形態であるさらなる電源装置(典型的には、電池)107が設けられ、このさらなる電源装置を左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に挿入できる点で、図1に示した実施の形態と相違している。さらなる電池107は、ナット33の内側を横切って電池103の雌のコネクタ105aにつながる雄のコネクタ105bを有している。
【0091】
このような解決手段は、自転車が長時間にわたって使用されるように意図されている場合に好都合である。実際、検出ユニット100aの自律性を増すことが可能である。
【0092】
電池103およびさらなる電池107の位置が逆にされ、電池103が左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に設けられ、さらなる電池107が右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に設けられる別の実施の形態も、図示はされていないが存在する。
【0093】
図6が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1、4、および5において示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0094】
図6に示した実施の形態は、カートリッジの形態であるさらなる電池107が設けられ、このさらなる電池を右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に挿入できる点で、図4に示した実施の形態と相違している。さらなる電池107は、ナット33の内側を横切って電池103の雌のコネクタ105aにつながる雄の電源コネクタ105bを有している。このような解決手段は、図5に示した解決手段と同じ利点を有している。
【0095】
実質的に図5に示されているように、電池103およびさらなる電池107の位置が逆にされ、電池103が右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21に設けられ、さらなる電池107が左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に設けられる別の実施の形態も、図示はされていないが存在する。
【0096】
図7が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1の別の実施の形態を示している。このような図において、図1において示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0097】
図7に示した実施の形態は、処理ユニット102がナット33の外部にあって、電池103に固定的に接続されている点で、図1に示した実施の形態と相違している。この場合にも、電池103および処理ユニット102は、右側クランクアーム17に組み合わせられた軸部材21の空洞21aに挿入できるケース100に収容されている。
【0098】
他方で、ひずみゲージ101は、この場合には、軸部材21の壁がより薄くなっている領域において、軸部材21の外表面に位置している。あるいは、ひずみゲージ101を、同じ領域の軸部材21の内表面に組み合わせてもよい。
【0099】
検出ユニット100aの位置が、図7に示した実施の形態の鏡像状であり、すなわち検出ユニット100aの構成部品が左側クランクアーム18に組み合わせられた軸部材22に組み合わせられている別の実施の形態も、図示されていないが存在する。
【0100】
図8が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1のさらなる実施の形態を示している。このような図において、図1に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0101】
図8の実施の形態は、電池103、処理ユニット102、およびひずみゲージ101が、右側クランクアーム17の空洞17aに収容されている点で、図1の実施の形態と相違している。好ましくは、クランクアーム17の慣性から保護するため、およびより大きな引っ張り値を検出するために、上述の構成要素が、そのような空洞において、クランクアーム17の軸部材21との接続端に近い領域に収容される。この場合、クランクアーム17の曲げ変形が主として検出され、そこから、いずれにせよ、運転者によって加えられるトルクを計算することができる。クランクアーム17の空洞17aは、第1の組み立て段階においては開いており、その後に検出ユニット100aが空洞の中に導入された後にカバーによって閉じられるように製作することができる。
【0102】
検出ユニット100aが左側のクランクアーム18に収容される別の実施の形態も存在する。
【0103】
図9が、本発明のボトムブラケットアセンブリ1のさらなる実施の形態を示している。このような図において、図1および8に示した構成要素に対応する構成要素は、同じ符号にて示されている。
【0104】
図9の実施の形態は、ここでは検出ユニット100aのより重たい構成要素、すなわち電池103およびおそらくは処理ユニット102が、クランクアーム17の慣性から保護するために軸部材21の空洞21aに収容される一方で、ひずみゲージ101が、右側クランクアーム17の曲げ変形を主として測定するために、右側クランクアーム17の空洞17aに収容され、あるいはおそらくは右側クランクアーム17の外表面に収容される点で、図8の実施の形態と相違している。
【0105】
好ましくは、図9に示されているように、ひずみゲージ101の位置は、ペダルよりも軸部材21により近い。
【0106】
上述のすべての実施の形態において、好ましくは誘導によって充電が可能な形式である充電式の電池103を使用することが可能である、この場合、充電を実行するために、充電用の器具を自転車に近づけるだけで十分であり、絶縁の問題を生じかねない外部のコネクタを設ける必要がない。誘導によって充電できる電池を使用する検出ユニット100aの実施の形態が、図10に示されている。このような実施の形態においては、充電器152が、電池103に形成された座153に挿入される。図示はされていない他の実施の形態においては、電池103との協働に適した光電池が使用される。
【0107】
また、上述のすべての実施の形態において、ひずみゲージ101を、軸部材21、22の一方に直接に付けることが可能である。軸部材へのひずみゲージ101の配置は、自転車の特定の動作に起因して生じる測定の課題を解決するために適したやり方で行われる。
【0108】
図11は、トルクが加えられたときに軸23の種々の領域において生じる張力tを、きわめて概略的なやり方で示している。どのようにして、軸23の薄肉の領域が、引っ張りの集中が大きい領域となるのかに、注意すべきである。このような領域が、ひずみゲージを配置するための好ましい領域である。
【0109】
しかしながら、軸において生じる引っ張り、したがってひずみゲージによって検出できる変形が、トルクのみに依存するのではなく、曲げおよび温度変化に起因する膨張ならびに/あるいは軸方向の力にも依存する点を、考慮しなければならない。とくには、軸の変形応力は一定でなく、クランクアームの角度位置に応じた最大値および最小値を有する。実際、公知のとおり、運転者がクランクアームに加える押しの力は、クランクアームがクランクアームを上にした垂直位置とクランクアームを前方にした水平位置との間の領域にあるときに、最大である。さらに、軸にトルクを伝達するクランクアームが、左側クランクアームだけであることも考慮しなければならない。なぜならば、右側クランクアームは、右側クランクアームに組み合わせられている前部スプロケット(そのような前部スプロケットへが、図8および9に符号500で示されている)に直接にトルクを伝達するからである。次いで、前部スプロケットが、チェーンを介して後輪にトルクを伝達する。また、両方のクランクアームが軸に曲げ応力を生じさせ、したがって実際には運転者によってトルクが加えられていない場合でも、ひずみゲージが変形を検出しうることも、考慮されなければならない。
【0110】
例えば、一体に接続されてホイートストンブリッジをなす図1a、1b、および1cに示した4つのひずみゲージの代わりに、ただ1つのひずみゲージが使用される場合を考える。そのようなひずみゲージは、好ましくは、クランクアーム17、18が水平方向に対して45°にあるときに軸の中立軸がクランクアーム17、18に対して位置する角度位置に相当する角度位置において、軸23に組み合わせられる。中立軸の位置は、図12bにおいてZで示されており、ひずみゲージを配置することができる角度位置の種々の例が、3つの異なる動作状態(それぞれ、運転者がペダルを押し下げ始める瞬間、押しが最大である段階、および運転者がペダルの押し下げを止める瞬間)におけるクランクアーム17、18の位置を概略的に表わしている図12a、12c、および12dに、符号Aによって示されている。図12aに示されているように、黒い丸によって示された理想的な角度に対して角度の許容範囲αをとることが可能であり、αは、好ましくは90°に等しい。
【0111】
次に、ひずみゲージの特定の形状を考えると、図13に示されているように、大きさβの角度間隔での軸23上への配置が好都合であり、βは、好ましくは40°〜50°の間であり、より好ましくは45°に等しい。実際、運転者が左側クランクアーム18を押し、軸23にトルクMが伝えられるとき、軸23は、矢印S1の方向の伸びおよび矢印S2の方向の縮みを受けて変形する。この理由により、検出される信号の大きさができる限り大きくなるよう、ひずみゲージ101をその変形の方向が矢印S1に沿うように向けて配置することが好都合である。
【0112】
図14aおよび14bが、軸23へのトルクを表わす信号であって、曲げ応力による影響が可能な限り少ない信号を検出するためのひずみゲージ101の別の配置を説明している。このような図において、どのように、いつクランクアーム、例えば右側クランクアーム17において曲げ変形Fが最大値となり、他方のクランクアーム(例えば、左側クランクアーム18)において、そのような変形がゼロになるのかに注目すべきである。次に、運転者が左側クランクアーム18を押すときにのみ軸23にトルクMが存在する点に鑑み、ただ1つのひずみゲージ101を右側のベアリング13(図14b)の位置に配置し、ケイデンスセンサ(あるいは、位置または運動センサ)が左側クランクアーム18が押しの位置(すなわち、図12aの大きさαの角度範囲内)および好ましくは最大の押しの位置にあることを示しているときにのみ信号の検出を行うことによって、軸23に加わるトルクのみに比例する信号を得ることが可能である。しかしながら、ひずみゲージ101を、0〜20mmの間のベアリング13からの軸方向の距離xに配置してもよい。あるいは、クランクアーム17、18の位置を割り出して、運転者が右側クランクアーム17を押しているときの右側ベアリング13の位置のひずみゲージ101の検出信号を、運転者が左側クランクアーム18を押しているときの左側ベアリング14の位置のひずみゲージ101の検出信号から引き去るためにケイデンス信号を利用することによって、図14aに概略的に示されているように、ひずみゲージをそれぞれのベアリングに配置することも可能である。
【0113】
次に、2つのひずみゲージが使用される場合を考える。図15aに示されているように、2つのひずみゲージ101を、それぞれの変形の方向が互いに直交するように向けつつ、任意の角度位置および任意の軸方向の位置にて軸23上に配置することができる。このやり方で、曲げおよび/または引っ張り応力によって引き起こされる可能性のある影響を、差動測定によって取り除くことが可能である。2つのひずみゲージを古典的な1/2ブリッジの仕組みに従って接続することで、第1のひずみゲージによって生成される信号と第2のひずみゲージによって生成される信号との間の差が、軸23に加わるトルクにのみ比例する。
【0114】
図示はされていない別の構成においては、図15aのように2つのひずみゲージが重ねられるのではなく、直径において反対側の領域で軸に組み合わせられる。
【0115】
しかしながら、とくに好ましい構成は、2組のひずみゲージ101が使用される図15bに示した構成であり、これらがホイートストンブリッジの仕組み(図1a〜1cに示したものと同じ)に従って接続される。この構成においては、好都合なことに、検出信号の大きさが、図15aの構成において検出される信号よりも大きい。
【0116】
本発明のボトムブラケットアセンブリ1の検出ユニット100aの別の実施の形態においては、ひずみゲージの代わりに、圧電素子、すなわち圧力が加えられたときに電位差を生成することができる素子が使用される。したがって、このような素子は、エネルギー源および信号生成器の両者として機能する。したがって、圧電素子が、運転者が左側クランクアームを押したときに圧縮されるように配置されたならば、得られる電位差は、運転者によってボトムブラケットアセンブリの軸に加えられるそのようなトルクに直接的に比例する信号である。
【0117】
圧電素子によって生成されるエネルギーの大きさは大きくないため、図1a〜1cの増幅器、A/D変換器、およびRF送信器などといった電子部品への供給のために、さらなる電池が使用されることが好ましい。
【0118】
図16は、圧電素子301を備える検出ユニット100aが使用されている本発明のボトムブラケットアセンブリ1の第1の実施の形態を示している。とくには、圧電素子301が、軸部材21、22の端部29、30に設けられた前歯(好ましくは、Hirth型である)の歯の相対する表面の間に配置されている。さらに詳細には、圧電素子301が、例えば歯の大きさを減らすことによって形成された適切な座301aに収容されている。圧電素子301によって検出された信号の処理ユニット102、およびこの場合には処理ユニット102にのみ供給を行う電池103も、見て取ることができる。
【0119】
処理ユニット102および電池103は、軸部材21の空洞21aに収容される。処理ユニット102は、図1a〜1cに示した形式であってよい。
【0120】
図17および18に示す検出ユニット100aの別の実施の形態においては、圧電素子301が、軸部材22およびクランクアーム18の前部結合歯の歯の相対する表面の間に収容される一方で、処理ユニット102および電池103は、軸部材22の空洞22aに収容されている。
【0121】
図16〜18の実施の形態においては、圧電素子301によって生成される信号が、圧電素子の外表面に加えられる圧力に直接的に比例し、すなわち左側クランクアーム18のペダルを押す運転者によって軸部材22に加えられるトルクに直接的に比例する。したがって、処理ユニット102からの信号は、運転者によってボトムブラケットアセンブリの軸(または、軸部材)に加えられるトルクに比例する。
【0122】
図19に示した検出ユニット100aのさらに別の実施の形態によれば、圧電素子301、電池203、および処理ユニット102が、この場合には溶融させた複合材料(例えば、炭素繊維)から好ましく製作されるクランクアームの本体に埋め込まれる。あるいは、上述の構成要素を、クランクアームの本体に製作される適切なポケット(図示せず)に挿入することができる。圧電素子の向きは、ペダル漕ぎの際にクランクアームの本体の当該領域に加わる圧縮によって、圧電素子の上面および下面に圧力が加わるような向きである。このような圧力も、ペダル漕ぎの際に運転者によって加えられるトルクに比例する値を有する。
【0123】
さらに、検出された変形信号を、過大な(例えば、所定のしきい値を超える)変形にさらされており、したがって消耗が始まっている可能性があるためにクランクアームの交換が必要である旨を知らせるための警告信号としても使用することができる。
【0124】
図20が、圧電素子が、ナット33の半径方向のフランジ34と軸部材21の内壁との間に配置されたワッシャ133で構成されている本発明のボトムブラケットアセンブリ1のさらなる実施の形態を示している。したがって、このようなワッシャ133を、圧電材料から製作することができる。軸部材21、22の端部29、30に設けられたHirth式の歯の特定の形状ゆえに、一方の軸部材から他方の軸部材へのトルクの伝達が、2つの軸部材を軸方向に分離させようとする力を生み、この理由で、ワッシャ133がナット33の半径方向のフランジ34に押し付けられる。
【0125】
ここまで、本発明を自転車の可動部品に関して説明してきた。実際には、本発明を、例えば自転車のフレーム、座席ポスト、またはハンドル棒など、固定の部品にも適用できることを、当業者であれば容易に理解できるであろう。この場合、検出ユニットが、部品の第1の引っ張り状態から第2の引っ張り状態への移行を検出し、生成される信号を、例えば臨界張力への到達に対する警告信号、または部品の交換が必要である旨を知らせる警告信号として使用することができる。
【0126】
例えば、図21が、自転車400を、検出ユニット100aを組み合わせることができる自転車の種々の構成部品の領域を強調表示して示している。図示のとおり、そのようなユニットを、例えば領域Bにおいてクランクアーム17に、例えば領域Cにおいてボトムブラケットアセンブリの軸23に、例えば領域Dにおいて自転車のフレーム401に、例えば領域Eにおいて座席ポスト402に、例えば領域Fにおいてハンドル棒403に、例えば領域Gにおいて車輪405のハブ404に、例えば領域Hにおいて車輪405のリム406に、などと組み合わせることが可能である。
【0127】
また、本発明を、常に電気的なエネルギー源(電池または圧電結晶)、および部品に加わる応力に応じて変化する電気信号の生成器(圧電結晶そのもの、またはひずみゲージ)に関して説明した。しかしながら、他の種類のエネルギー源および信号も使用可能である。例えば、磁界または電磁界の発生源ならびにそのような磁界または電磁界を変化させるものを、使用することが可能である。好ましくは、エネルギー供給の信号および表示信号は、同じ種類(例えば、電気信号)であるが、そのような信号が別々の種類である場合(例えば、電気信号と磁気信号)を排除するものではない。
【0128】
当業者であれば、上述の実施の形態の種々の特徴を組み合わせてさらなる実施の形態を得ることができること、およびそれらのすべてが、いかなる場合も、特許請求の範囲によって定められるとおりの本発明に包含されることを、理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の第1の実施の形態である自転車部品(この特定の場合には、ボトムブラケットアセンブリ)の概略の長手断面図である。
【図1a】図1の部品の検出ユニットの別の実施の形態のブロック図を示している。
【図1b】図1の部品の検出ユニットの別の実施の形態のブロック図を示している。
【図1c】図1の部品の検出ユニットの別の実施の形態のブロック図を示している。
【図2】本発明の第2の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態の自転車部品の一部分の概略の長手断面図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態の自転車部品の概略の長手断面図である。
【図11】トルクが加えられたボトムブラケットアセンブリの軸の引っ張りの状態を示す概略図である。
【図12】(a)は、押しを開始する状態における図11の軸に対するボトムブラケットアセンブリのクランクアームの位置を示す概略図である。(b)は、押しを開始する状態における図11の軸の引っ張りの状態を示す概略図である。(c)は、最大の押しの状態における図11の軸に対するクランクアームの位置を示す概略図である。(d)は、押しの終わりの状態における図11の軸に対するクランクアームの位置を示す概略図である。
【図13】図11の軸上のひずみゲージの好ましい位置を示す概略図である。
【図14a】クランクアームが第1の動作位置にある状態において、曲げおよびねじりの応力が加わるときの図11の軸の引っ張りの状態、およびひずみゲージの好ましい配置構成を示す概略図である。
【図14b】クランクアームが第2の動作位置にある状態において、曲げおよびねじりの応力が加わるときの図11の軸の引っ張りの状態、およびひずみゲージの好ましい配置構成を示す概略図である。
【図15a】図11の軸への2つのひずみゲージのさらなる配置構成を示す概略図である。
【図15b】図11の軸へのひずみゲージのとくに好ましい配置構成を示す概略図である。
【図16】本発明の部品のさらなる実施の形態の側面図である。
【図17】本発明の部品のさらなる実施の形態の分解斜視図である。
【図18】図17の拡大詳細を示す図である。
【図19】本発明の部品のさらなる実施の形態の分解斜視図である。
【図20】本発明の部品のさらなる実施の形態の概略の長手断面図である。
【図21】本発明の部品を組み入れた自転車の側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計器を備えた自転車部品(1)であって、
自身(1)に加えられた応力を表わす少なくとも1つのパラメータの検出ユニット(100a)を有しており、
単一の部品、あるいはお互いに対して動くことのない複数の部品からなっている部品(1)。
【請求項2】
請求項1において、自転車の走行時に自転車のフレームに対して可動であり、
前記検出ユニット(100a)が、自身(1)と一緒に1つの部品として自転車のフレームに対して可動である部品(1)。
【請求項3】
請求項2において、回転軸(X)を中心として回転できる本体を有しており、前記検出ユニット(100a)が、該本体と一緒に1つの部品として回転する部品(1)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす少なくとも1つの信号の少なくとも1つの生成器(101、301)を有している部品(1)。
【請求項5】
請求項4において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有している部品(1)。
【請求項6】
請求項4または5において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号を前記検出ユニット(100a)の外部に伝達する少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)を有している部品(1)。
【請求項7】
請求項4または6のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニット(102)をさらに有している部品(1)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項において、複合材料から作られており、前記検出ユニット(100a)が、少なくとも部分的に前記複合材料中に組み入れられている部品(1)。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、自身(1)の少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に少なくとも部分的に収容されている部品(1)。
【請求項10】
請求項9において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に収容されている部品(1)。
【請求項11】
請求項9または10において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記少なくとも1つの送信装置(202、154)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に収容されている部品(1)。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に収容されている部品(1)。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に完全に収容されている部品(1)。
【請求項14】
請求項9〜11のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)が、自身(1)の外表面に組み合わせられている部品(1)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項において、前記パラメータが、自身(1)の引っ張りの状態を表わす信号である部品(1)。
【請求項16】
請求項15において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニット(102)をさらに有し、
前記処理ユニット(102)が、自身(1)の引っ張りの状態を表わす前記信号を、基準信号と比較する部品(1)。
【請求項17】
請求項15または16において、自身(1)の引っ張りの状態を表わす前記信号が、ペダル漕ぎの際に運転者によって自身(1)に加えられるトルクを表わしている部品(1)。
【請求項18】
請求項1において、ボトムブラケットアセンブリの軸(21、22、23)、クランクアーム(17、18)、ボトムブラケットアセンブリ、ボトムブラケットアセンブリのねじ山付きの部材(33)、車輪(405)のハブ(404)、車輪(405)のリム(406)、自転車のフレーム、座席ポスト(402)、ハンドル棒(403)を含むグループから選択される任意の1つである部品(1)。
【請求項19】
請求項6〜17のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
ボトムブラケットアセンブリ(1)であって、
軸(23)および該軸(23)の自由端部(27、28)に組み合わせられた少なくとも1つのクランクアーム(17、18)を含んでおり、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202、154)が、前記軸(23)に組み合わせられ、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)が、前記少なくとも1つのクランクアーム(17、18)に組み合わせられている部品(1)。
【請求項20】
請求項6〜17のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
ボトムブラケットアセンブリ(1)であって、軸(23)および該軸(23)にねじ込まれる少なくとも1つのねじ山付きの部材(33)を含んでおり、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202、154)が、前記軸(23)に組み合わせられ、
前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)が、前記少なくとも1つのねじ山付きの部材(33)に組み合わせられている部品(1)。
【請求項21】
請求項20において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)が、前記少なくとも1つのねじ山付きの部材(33)に組み合わせられる中間支持部材に組み合わせられる部品(1)。
【請求項22】
請求項6〜18のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気コネクタ(104、105a、105b、106)を介して一体に接続されている部品(1)。
【請求項23】
請求項6〜21のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気ケーブルを介して一体に接続されている部品(1)。
【請求項24】
請求項5〜23のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの電池(103)を含んでいる部品(1)。
【請求項25】
請求項24において、前記少なくとも1つの電池(103)が、充電可能である部品(1)。
【請求項26】
請求項25において、前記少なくとも1つの電池(103)が、誘導によって充電可能である部品(1)。
【請求項27】
請求項5〜23のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの圧電素子(301)を含んでいる部品(1)。
【請求項28】
請求項24〜26のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、前記少なくとも1つの電池(103)に接続された少なくとも1つのひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項29】
請求項28において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、直角な方向に従って配置された2つのひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項30】
請求項29において、前記2つのひずみゲージ(101)が、互いに上下に配置されている部品(1)。
【請求項31】
請求項29において、前記2つのひずみゲージ(101)が、自身(1)の軸方向の反対の領域に配置されている部品(1)。
【請求項32】
請求項28〜31のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、2組のひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項33】
請求項28において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、ひずみゲージブリッジを形成するように接続された4つのひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項34】
請求項6〜33のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、摺動接点部(206、207)を含んでいる部品(1)。
【請求項35】
請求項6〜33のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、無線送信器(202)を含んでいる部品(1)。
【請求項36】
請求項35において、前記無線送信器(202)が、外部に向かって開いた自身(1)の少なくとも1つの空洞(21a)に収容されたアンテナ(154)を含んでいる部品(1)。
【請求項37】
請求項6〜33のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、1組のソレノイド(209、210)を含んでいる部品(1)。
【請求項38】
請求項6〜37のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)の第1のエネルギー供給装置を有している部品(1)。
【請求項39】
請求項38において、前記第1のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である部品(1)。
【請求項40】
請求項38において、前記第1のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である部品(1)。
【請求項41】
請求項6〜40のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)と前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)との間に配置された少なくとも1つの信号増幅器(200)を有している部品(1)。
【請求項42】
請求項41において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つの信号増幅器(200)の第2のエネルギー供給装置を有している部品(1)。
【請求項43】
請求項42において、前記第2のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である部品(1)。
【請求項44】
請求項42において、前記第2のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である部品(1)。
【請求項45】
請求項5〜44のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を動作させるためのスイッチを有している部品(1)。
【請求項46】
請求項45において、前記スイッチが、運動センサ(203)を有している部品(1)。
【請求項47】
請求項1〜46のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、動作表示器LEDを有している部品(1)。
【請求項48】
請求項1〜47のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、較正または診断スイッチを有している部品(1)。
【請求項49】
請求項1〜48のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、ケイデンスセンサ(203)を有している部品(1)。
【請求項50】
請求項27〜49のいずれか一項において、前記少なくとも1つの圧電素子(301)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器を構成している部品(1)。
【請求項51】
自転車部品(1)に備えられる検出ユニット(100a)であって、
前記部品(1)の少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に挿入できるように構成されていることを特徴とする検出ユニット(100a)。
【請求項52】
請求項51において、外側ハウジングケース(100)を有することを特徴とする検出ユニット(100a)。
【請求項53】
請求項51または52において、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に挿入できるねじ山付きの部材(33)に固定的に組み合わせることができる検出ユニット(100a)。
【請求項54】
請求項51〜53のいずれか一項において、前記部品(1)に加わる応力を表わす少なくとも1つの信号の少なくとも1つの生成器(101、301)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項55】
請求項54において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)をさらに有している検出ユニット(100a)。
【請求項56】
請求項54または55において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(102、301)によって生成された信号を自身(100a)の外部に伝達する少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項57】
請求項54〜56のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニット(102)をさらに有している検出ユニット(100a)。
【請求項58】
請求項56または58において、前記部品(1)に加わる応力を表わす少なくとも1つの信号の少なくとも1つの生成器(101、301)を有し、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気コネクタ(104、105a、105b、106)を介して一体に接続されている検出ユニット(100a)。
【請求項59】
請求項56〜58のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気ケーブルを介して一体に接続されている検出ユニット(100a)。
【請求項60】
請求項55〜59のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの電池(103)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項61】
請求項60において、前記少なくとも1つの電池(103)が、充電可能である検出ユニット(100a)。
【請求項62】
請求項61において、前記少なくとも1つの電池(103)が、誘導によって充電可能である検出ユニット(100a)。
【請求項63】
請求項55〜59のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの圧電素子(301)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項64】
請求項60〜63のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、前記少なくとも1つの電池(103)に接続された少なくとも1つのひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項65】
請求項64において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、2つのひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項66】
請求項65において、前記2つのひずみゲージ(101)が、互いに上下に配置されている検出ユニット(100a)。
【請求項67】
請求項64〜66のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、2組のひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項68】
請求項64において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、ひずみゲージブリッジを形成するように接続された4つのひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項69】
請求項54〜68のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、摺動接点部(206、207)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項70】
請求項54〜69のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、無線送信器(202)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項71】
請求項70において、前記無線送信器(202)が、アンテナ(154)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項72】
請求項54〜69のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、1組のソレノイド(209、210)を含んでいる部品(1)。
【請求項73】
請求項54〜72のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)の第1のエネルギー供給装置を有している検出ユニット(100a)。
【請求項74】
請求項73において、前記第1のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である検出ユニット(100a)。
【請求項75】
請求項73において、前記第1のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である検出ユニット(100a)。
【請求項76】
請求項54〜75のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)と前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)との間に配置された少なくとも1つの信号増幅器(200)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項77】
請求項76において、前記少なくとも1つの信号増幅器(200)の第2のエネルギー供給装置を有している検出ユニット(100a)。
【請求項78】
請求項77において、前記第2のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である検出ユニット(100a)。
【請求項79】
請求項77において、前記第2のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である検出ユニット(100a)。
【請求項80】
請求項55〜79のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を動作させるためのスイッチを有している検出ユニット(100a)。
【請求項81】
請求項80において、前記スイッチが、運動センサ(203)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項82】
請求項51〜81のいずれか一項において、動作表示器LEDを有している検出ユニット(100a)。
【請求項83】
請求項51〜81のいずれか一項において、較正または診断スイッチを有している検出ユニット(100a)。
【請求項84】
請求項51〜83のいずれか一項において、ケイデンスセンサ(203)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項85】
請求項63〜84のいずれか一項において、前記少なくとも1つの圧電素子(301)が、前記少なくとも1つの信号生成器を構成している検出ユニット(100a)。
【請求項86】
請求項1〜50のいずれか一項に記載の計器付き部品(1)を有している自転車(400)。
【請求項1】
計器を備えた自転車部品(1)であって、
自身(1)に加えられた応力を表わす少なくとも1つのパラメータの検出ユニット(100a)を有しており、
単一の部品、あるいはお互いに対して動くことのない複数の部品からなっている部品(1)。
【請求項2】
請求項1において、自転車の走行時に自転車のフレームに対して可動であり、
前記検出ユニット(100a)が、自身(1)と一緒に1つの部品として自転車のフレームに対して可動である部品(1)。
【請求項3】
請求項2において、回転軸(X)を中心として回転できる本体を有しており、前記検出ユニット(100a)が、該本体と一緒に1つの部品として回転する部品(1)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす少なくとも1つの信号の少なくとも1つの生成器(101、301)を有している部品(1)。
【請求項5】
請求項4において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有している部品(1)。
【請求項6】
請求項4または5において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号を前記検出ユニット(100a)の外部に伝達する少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)を有している部品(1)。
【請求項7】
請求項4または6のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニット(102)をさらに有している部品(1)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項において、複合材料から作られており、前記検出ユニット(100a)が、少なくとも部分的に前記複合材料中に組み入れられている部品(1)。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、自身(1)の少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に少なくとも部分的に収容されている部品(1)。
【請求項10】
請求項9において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に収容されている部品(1)。
【請求項11】
請求項9または10において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記少なくとも1つの送信装置(202、154)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に収容されている部品(1)。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に収容されている部品(1)。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に完全に収容されている部品(1)。
【請求項14】
請求項9〜11のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)が、自身(1)の外表面に組み合わせられている部品(1)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項において、前記パラメータが、自身(1)の引っ張りの状態を表わす信号である部品(1)。
【請求項16】
請求項15において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニット(102)をさらに有し、
前記処理ユニット(102)が、自身(1)の引っ張りの状態を表わす前記信号を、基準信号と比較する部品(1)。
【請求項17】
請求項15または16において、自身(1)の引っ張りの状態を表わす前記信号が、ペダル漕ぎの際に運転者によって自身(1)に加えられるトルクを表わしている部品(1)。
【請求項18】
請求項1において、ボトムブラケットアセンブリの軸(21、22、23)、クランクアーム(17、18)、ボトムブラケットアセンブリ、ボトムブラケットアセンブリのねじ山付きの部材(33)、車輪(405)のハブ(404)、車輪(405)のリム(406)、自転車のフレーム、座席ポスト(402)、ハンドル棒(403)を含むグループから選択される任意の1つである部品(1)。
【請求項19】
請求項6〜17のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
ボトムブラケットアセンブリ(1)であって、
軸(23)および該軸(23)の自由端部(27、28)に組み合わせられた少なくとも1つのクランクアーム(17、18)を含んでおり、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202、154)が、前記軸(23)に組み合わせられ、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)が、前記少なくとも1つのクランクアーム(17、18)に組み合わせられている部品(1)。
【請求項20】
請求項6〜17のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
ボトムブラケットアセンブリ(1)であって、軸(23)および該軸(23)にねじ込まれる少なくとも1つのねじ山付きの部材(33)を含んでおり、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202、154)が、前記軸(23)に組み合わせられ、
前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)が、前記少なくとも1つのねじ山付きの部材(33)に組み合わせられている部品(1)。
【請求項21】
請求項20において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)が、前記少なくとも1つのねじ山付きの部材(33)に組み合わせられる中間支持部材に組み合わせられる部品(1)。
【請求項22】
請求項6〜18のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を有し、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気コネクタ(104、105a、105b、106)を介して一体に接続されている部品(1)。
【請求項23】
請求項6〜21のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気ケーブルを介して一体に接続されている部品(1)。
【請求項24】
請求項5〜23のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの電池(103)を含んでいる部品(1)。
【請求項25】
請求項24において、前記少なくとも1つの電池(103)が、充電可能である部品(1)。
【請求項26】
請求項25において、前記少なくとも1つの電池(103)が、誘導によって充電可能である部品(1)。
【請求項27】
請求項5〜23のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの圧電素子(301)を含んでいる部品(1)。
【請求項28】
請求項24〜26のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、前記少なくとも1つの電池(103)に接続された少なくとも1つのひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項29】
請求項28において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、直角な方向に従って配置された2つのひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項30】
請求項29において、前記2つのひずみゲージ(101)が、互いに上下に配置されている部品(1)。
【請求項31】
請求項29において、前記2つのひずみゲージ(101)が、自身(1)の軸方向の反対の領域に配置されている部品(1)。
【請求項32】
請求項28〜31のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、2組のひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項33】
請求項28において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、ひずみゲージブリッジを形成するように接続された4つのひずみゲージ(101)を含んでいる部品(1)。
【請求項34】
請求項6〜33のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、摺動接点部(206、207)を含んでいる部品(1)。
【請求項35】
請求項6〜33のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、無線送信器(202)を含んでいる部品(1)。
【請求項36】
請求項35において、前記無線送信器(202)が、外部に向かって開いた自身(1)の少なくとも1つの空洞(21a)に収容されたアンテナ(154)を含んでいる部品(1)。
【請求項37】
請求項6〜33のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、1組のソレノイド(209、210)を含んでいる部品(1)。
【請求項38】
請求項6〜37のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)の第1のエネルギー供給装置を有している部品(1)。
【請求項39】
請求項38において、前記第1のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である部品(1)。
【請求項40】
請求項38において、前記第1のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である部品(1)。
【請求項41】
請求項6〜40のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)と前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)との間に配置された少なくとも1つの信号増幅器(200)を有している部品(1)。
【請求項42】
請求項41において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つの信号増幅器(200)の第2のエネルギー供給装置を有している部品(1)。
【請求項43】
請求項42において、前記第2のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である部品(1)。
【請求項44】
請求項42において、前記第2のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である部品(1)。
【請求項45】
請求項5〜44のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を動作させるためのスイッチを有している部品(1)。
【請求項46】
請求項45において、前記スイッチが、運動センサ(203)を有している部品(1)。
【請求項47】
請求項1〜46のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、動作表示器LEDを有している部品(1)。
【請求項48】
請求項1〜47のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、較正または診断スイッチを有している部品(1)。
【請求項49】
請求項1〜48のいずれか一項において、前記検出ユニット(100a)が、ケイデンスセンサ(203)を有している部品(1)。
【請求項50】
請求項27〜49のいずれか一項において、前記少なくとも1つの圧電素子(301)が、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器を構成している部品(1)。
【請求項51】
自転車部品(1)に備えられる検出ユニット(100a)であって、
前記部品(1)の少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に挿入できるように構成されていることを特徴とする検出ユニット(100a)。
【請求項52】
請求項51において、外側ハウジングケース(100)を有することを特徴とする検出ユニット(100a)。
【請求項53】
請求項51または52において、前記少なくとも1つの空洞(21a、22a、17a)に挿入できるねじ山付きの部材(33)に固定的に組み合わせることができる検出ユニット(100a)。
【請求項54】
請求項51〜53のいずれか一項において、前記部品(1)に加わる応力を表わす少なくとも1つの信号の少なくとも1つの生成器(101、301)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項55】
請求項54において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)に組み合わせられた少なくとも1つのエネルギー供給源(103)をさらに有している検出ユニット(100a)。
【請求項56】
請求項54または55において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(102、301)によって生成された信号を自身(100a)の外部に伝達する少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項57】
請求項54〜56のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101、301)によって生成された信号の少なくとも1つの処理ユニット(102)をさらに有している検出ユニット(100a)。
【請求項58】
請求項56または58において、前記部品(1)に加わる応力を表わす少なくとも1つの信号の少なくとも1つの生成器(101、301)を有し、
前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気コネクタ(104、105a、105b、106)を介して一体に接続されている検出ユニット(100a)。
【請求項59】
請求項56〜58のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)および前記少なくとも1つの送信装置(202)が、電気ケーブルを介して一体に接続されている検出ユニット(100a)。
【請求項60】
請求項55〜59のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの電池(103)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項61】
請求項60において、前記少なくとも1つの電池(103)が、充電可能である検出ユニット(100a)。
【請求項62】
請求項61において、前記少なくとも1つの電池(103)が、誘導によって充電可能である検出ユニット(100a)。
【請求項63】
請求項55〜59のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源が、少なくとも1つの圧電素子(301)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項64】
請求項60〜63のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、前記少なくとも1つの電池(103)に接続された少なくとも1つのひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項65】
請求項64において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、2つのひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項66】
請求項65において、前記2つのひずみゲージ(101)が、互いに上下に配置されている検出ユニット(100a)。
【請求項67】
請求項64〜66のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、2組のひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項68】
請求項64において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器が、ひずみゲージブリッジを形成するように接続された4つのひずみゲージ(101)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項69】
請求項54〜68のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、摺動接点部(206、207)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項70】
請求項54〜69のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、無線送信器(202)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項71】
請求項70において、前記無線送信器(202)が、アンテナ(154)を含んでいる検出ユニット(100a)。
【請求項72】
請求項54〜69のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置が、1組のソレノイド(209、210)を含んでいる部品(1)。
【請求項73】
請求項54〜72のいずれか一項において、前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)の第1のエネルギー供給装置を有している検出ユニット(100a)。
【請求項74】
請求項73において、前記第1のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である検出ユニット(100a)。
【請求項75】
請求項73において、前記第1のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である検出ユニット(100a)。
【請求項76】
請求項54〜75のいずれか一項において、前記応力を表わす信号の前記少なくとも1つの生成器(101)と前記少なくとも1つの送信装置(202、154、206、207、209、210)との間に配置された少なくとも1つの信号増幅器(200)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項77】
請求項76において、前記少なくとも1つの信号増幅器(200)の第2のエネルギー供給装置を有している検出ユニット(100a)。
【請求項78】
請求項77において、前記第2のエネルギー供給装置が、前記エネルギー供給源(103)である検出ユニット(100a)。
【請求項79】
請求項77において、前記第2のエネルギー供給装置が、さらなるエネルギー源(107)である検出ユニット(100a)。
【請求項80】
請求項55〜79のいずれか一項において、前記少なくとも1つのエネルギー供給源(103)を動作させるためのスイッチを有している検出ユニット(100a)。
【請求項81】
請求項80において、前記スイッチが、運動センサ(203)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項82】
請求項51〜81のいずれか一項において、動作表示器LEDを有している検出ユニット(100a)。
【請求項83】
請求項51〜81のいずれか一項において、較正または診断スイッチを有している検出ユニット(100a)。
【請求項84】
請求項51〜83のいずれか一項において、ケイデンスセンサ(203)を有している検出ユニット(100a)。
【請求項85】
請求項63〜84のいずれか一項において、前記少なくとも1つの圧電素子(301)が、前記少なくとも1つの信号生成器を構成している検出ユニット(100a)。
【請求項86】
請求項1〜50のいずれか一項に記載の計器付き部品(1)を有している自転車(400)。
【図1】
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−6991(P2009−6991A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−95426(P2008−95426)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(592072182)カンパニョーロ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (94)
【氏名又は名称原語表記】CAMPAGNOLO SOCIETA A RESPONSABILITA LIMITATA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95426(P2008−95426)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(592072182)カンパニョーロ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (94)
【氏名又は名称原語表記】CAMPAGNOLO SOCIETA A RESPONSABILITA LIMITATA
【Fターム(参考)】
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