説明

記念写真のレーザによる内部画像形成方法及びそれにより製作される立体画像体

【課題】 遊園地や記念公園等の現地において撮影した写真や現地においてキャラクタ等と一緒に撮影した写真や既撮影の写真を一体的形状で透明又は半透明の物体の内部に内部画像して永久保存体とする記念写真のレーザによる内部画像形成方法及びこの方法によって製作される2.5Dの立体画像体を提供する。
【解決手段】 3Dカメラによって撮影した写真をパソコンに入力し予めパソコン内に形成されているソフトによりその写真を2.5D画像に修正し、この画像を現地に設置してある内部マーキング用レーザ機で加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記念写真をレーザにより物体の内部に2.5D又は3Dの画像として短時間に形成する記念写真のレーザによる内部画像形成方法及びこの方法を用いて製作される立体画像体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ディズニーランド等の遊園地においては記念のため家族や友人や恋人同志等が記念撮影することが多い。また、ミッキーマウス等のキャラクタと共に記念撮影をすることも多い。この場合、平面的な記念写真として保管することも勿論よいが、出来るならば長時間保持できる立体画像体として記念写真を保存することが出来れば極めて有難い。
一方、レーザ加工機の発展によりガラス材やプラスチック材の内部に2.5Dや3Dの立体画像をレーザによって形成する技術が普及しており、種々の形態の立体画像体が市販されている。このレーザ加工方法に関する公知文献も数多く存在するが、例えば「特許文献1」や「特許文献2」が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−119004号(図1)
【特許文献2】特開2008−20676号(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
「特許文献1」の「特開2005−119004号」の「内部描画像を有する軟固質体及びその製造方法」は物体特に軟固質体の内部にレーザにより内部画像を形成するものであり、レーザの照射時間を工夫して行うものである。また、「特許文献2」の「特開2008−20676号」の「レーザマーキング方法」はレーザにより物体に付加された内部マーキングをバーコードリーダやパソコンを用いて貫通し、安全性を確保することを主目的とするものである。
【0005】
前記の「引用文献1」及び「引用文献2」はいずれもレーザにより物体内に内部描画をする技術を開示しているものであるが、後に説明する本発明のように物体内に2.5Dや3Dの記念写真を撮影後数時間で形成する製造方法に関するものでなく、また、本発明に類似する従来技術は存在しない。
【0006】
遊園地や公園等を訪問した場合、その記念として記念写真を撮影することは必ずといってよい程行われる。特に、ディズニーランドのような遊園地では色々のキャラクタが遊歩しており、これ等のキャラクタを入れた撮影が最も希望されている。この場合、もしこの記念写真が持ち運び自由な立体画像体として形成され、その記念写真が内部画像されて長時間保存でき、かつ原則としてその日の内に手に入ることが出来るならば極めて好ましいものとなる。また、その時に一緒にいなかった人の画像も全く一緒に居るような形態で内部画像として取り入れることが出来るならば更に好ましいものとなる。
【0007】
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、キャラクタ等を入れた写真等を短時間にレーザ加工により物体内に内部画像として形成する形成方法及びその方法によって製作された立体画像体を提供することを目的とする。更にその場に居なかった人も含めての一体的な立体画像が形成でき、その日の内に取得できる画像形成方法や立体画像体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、3Dカメラで撮影した記念写真又は通常のカメラにより撮影した記念写真(以下、記念写真と言う)をパソコンに入力されているソフトを用いて2.5Dの立体画像に修正し、修正済みの前記記念写真を基にして内部マーキング用レーザ機により2.5D又は3Dの画像を物体内にレーザ加工により描画して立体画像体を作ることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記物体が、透明又は半透明の物体からなることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、パソコンでの修正には現地で実際に撮影した写真の他に既撮影の写真が含まれ、両者が一体的に合体修正されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記立体画像体の形成時間が、現地における前記記念写真の撮影時間から数時間以内であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の2.5Dの立体画像体の発明は、前記請求項1乃至3により製作されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1の記念写真のレーザによる内部画像形成方法によれば、3Dカメラ等で撮影したキャラクタ等を含む記念写真が2.5D画像として物体内に形成されるため永久保存可能な所望の画像形成することができる。
【0014】
また、請求項2の記念写真のレーザによる内部画像形成方法によれば、ガラス体やプラスチック体のような透明又は半透明のものの内部に画像が形成されガラス体としてはクリスタルガラスもあり、芸術的の価値もある。また、プラスチック体の場合は軽量化のメリットがある。
【0015】
また、請求項3の記念写真のレーザによる内部画像形成方法によれば、撮影現場にいなかった人等も同じ内部画像として取り入れることが出来、一体的に違和感なく描画でき存在価値の一層の向上が図られる。
【0016】
また、請求項4の記念写真のレーザによる内部画像形成方法によれば、撮影した日に原則とし立体画像体を入手できるため帰路において持ち返ることが可能となりおみやげ品ともなり便利である。
【0017】
また、請求項5は本発明の以上の方法によって形成された2.5Dの立体画像体に関するものであり、その方法により形成された物体に対しても権利取得を考慮しているものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の記念写真のレーザによる内部画像形成方法の現地の3Dカメラによる撮影の場合の製造工程を示すフローチャート。
【図2】本発明の記念写真のレーザによる内部画像形成方法の現地の自身の場合の製造工程を示すフローチャート。
【図3】本発明の記念写真のレーザによる内部画像形成方法の現地撮影と既撮影の写真を合体する場合の製造工程を示すフローチャート。
【図4】本発明の記念写真のレーザによる内部画像形成方法により形成された立体画像体の一例を示す模式的斜視図。
【図5】本発明の立体画像が描画される物体の外観形状の数例を示す模式的斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の記念写真のレーザによる内部画像形成方法及びその方法により形成される立体画像体の実施の形態を図面を参照して詳述する。
【実施例1】
【0020】
この実施例は本発明の基本的の製造工程を説明するものでその工程を図1に示す。即ち、この実施例は現地において3Dカメラにより撮影された家族や恋人同志の写真やこれに現地のキャラクタを含んで撮影した写真をベースにして本発明の立体画像体を製作するためのフローチャートを示すものである。
【0021】
まず、撮影申し込みが行われる(ステップ100)。これにより、特殊の3Dカメラによる撮影が行われる(ステップ101)。次に、この写真を現地に設置されているパソコンに入力し、パソコン内に予め形成されているソフトを用いて2.5D画像を形成する(ステップ102)。
次に、この画像を基にして現地に設置している内部マーキング用レーザ機により2.5D画像を物体内に描画形成する(ステップ103)。以上により商品が完成する(ステップ104)。この商品は申し込み時間によるが、その日の内に申し込み者等に手渡しされる(ステップ105)。但し、申し込み時間によっては後送される場合もあるが原則として当日手渡とし、おみやげ品として持ち帰ることも可能となる。
【実施例2】
【0022】
前記実施例1は現地において撮影された写真を基にして立体画像体を形成する場合について説明したが、図2に示すこの実施例は申し込み者がそれ自体が自分のカメラで撮影した写真を基にして本発明の立体画像体を製作する工程を示すフローチャートである。まず、自分自身により現地までの撮影を行う(ステップ201)。以下、ステップ202乃至205は実施例1におけるステップ102乃至105と同一であり、重複説明を省略する。
【実施例3】
【0023】
この実施例は現場における3Dカメラによる撮影や自分自身による撮影による写真の他に既撮影の写真を同時に合体して一体化した立体画像を形成する場合の製造工程を示すフローチャートである。即ち、本来ならば現地に一緒に来て撮影したいと思っていても何等かの都合で出来ない場合もある。また、現地において撮影した写真の中に自分も入れてもらいたいと思う場合もある。この場合、違和感なく一体的に合体した立体画像体の製作が望まれる。この実施例はそのフローチャートを図3に示すものであり、本発明はこの実施例3の実施も可能としている。
まず、申し込みが行われる(ステップ300)。ステップ301では現地における3Dカメラによる写真や現地における自分自身での撮影写真の他に合体を希望とする既撮影の写真が提出される。以下、ステップ302乃至305は実施例1のステップ102乃至105や実施例2のステップ202乃至205と同一であり、重複説明を省略する。
【実施例4】
【0024】
図4は以上の実施例1乃至3により製作された立体画像体1の内容を示す模式的斜視図である。この立体画像体は内部画像を描画するための物体2と所望の内部画像3と撮影場所や年月日を内部に描画したマーキング部4等とからなる。この場合内部画像3は申し込み者3Aとキャラクタ3Bと現地にいない人3C等とからなるが、勿論この内容に限定するものでなく、希望する景色や物体等を入れることもできる。
【実施例5】
【0025】
図5は立体画像体1の物体2の数例を示すものである。この物体2の材質はガラスやプラスチックが立体であるが、勿論、これ等に限定するものでない。この物体2は図5(a)乃至(d)に示すように色々の外観形状のものからなる。図5(a)は直方体、図5(b)は特殊の形態のもの、図5(a)はハート形のもの、図5(d)は三角錘状のもの等からなるが、勿論、これ等の形状に限定するものではない。
【0026】
本発明は、以上の内容のものからなるが、本発明はその内容に限定されるものではなく、同一技術的範疇のものが適用されることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、申し込み者の希望するすべての画像を物体内に永久保存可能な形で形成するものであり、内部画像においては全く自由であり、その利用範囲は極めて広い。また、内部画像を色彩的に表現するための例えばLED等の照明を追加することも内部を色彩表示する特殊の加工についても適用可能であり、その利用範囲は極めて広い。
【符号の説明】
【0028】
1 立体画像体
2 物体
3 内部画像
3A 内部画像(自分自身)
3B 内部画像(キャラクタ)
3C 内部画像(既撮影写真からのもの)
4 マーキング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dカメラで撮影した記念写真又は通常のカメラにより撮影した記念写真(以下、記念写真と言う)をパソコンに入力されているソフトを用いて2.5Dの立体画像に修正し、修正済みの前記記念写真を基にして内部マーキング用レーザ機により2.5Dの画像を物体内にレーザ加工により描画して2.5Dの立体画像体を作ることを特徴とする記念写真のレーザによる内部画像形成方法。
【請求項2】
前記物体が、透明又は半透明の物体からなることを特徴とする請求項1に記載の記念写真のレーザによる内部画像形成方法。
【請求項3】
パソコンでの修正には現地で実際に撮影した写真の他に既撮影の写真が含まれ、両者が一体的に合体修正されることを特徴とする請求項1又は2に記載の記念写真のレーザによる内部画像形成方法。
【請求項4】
前記立体画像体の形成時間が、現地における前記記念写真の撮影時間から数時間以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記念写真のレーザによる内部画像形成方法。
【請求項5】
前記請求項1乃至3により製作されることを特徴とする2.5Dの立体画像体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−11233(P2011−11233A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157669(P2009−157669)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(593190098)有限会社ピー・エム・シーサービス (8)
【出願人】(500222320)
【出願人】(509188193)株式会社マルチ・リンクス (1)
【出願人】(301080921)
【Fターム(参考)】