説明

記録再生装置

【課題】 受信番組のCM部をスキップさせずに再生し、且つ本編部を中断することなく再生する記録再生装置を実現する。
【解決手段】 記録媒体に分割して記録される本編部の記録開始位置及びCM部の記録開始位置を検出する記録位置検出手段14と、CM部を選択して再生させた後に、複数に分割された本編部のみを連続して再生させる再生順を制御するための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段16と、再生制御情報に制御され、記録媒体に記録した番組のうちCM部をスキップさせずに再生する再生手段121とを備えて記録再生装置を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数に分割された本編部と本編部との間にCMが挿入されて受信される番組を記録媒体に記録した後に、前記記録媒体から分割されて受信された本編部を連続的に再生する記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近になり、ランダムアクセス可能な記録媒体に受信される番組を記録した後に、記録番組のうち選択される番組部分をアクセスしながら再生するハ−ドディスク記録再生装置、やDVD(Digital versatile Disc)記録再生装置が市場導入されるようになってきた。
一方、番組の本編部に挿入されるCM(commercial message)は、CMスポンサーが高額な料金を支払って放送される番組部分であり、使用者による視聴が期待されている。一方、使用者は本編部が中断されて受信されるCMをスキップした視聴を希望している。CMが使用者により視聴されると共に、中断されない本編部を再生可能な記録再生装置ができることは好ましい。
【0003】
特許文献1には、CMの広告としての効果を低下させずに、CMデータを選択的に再生できるようにしたCMデータ再生装置が開示されている。その装置は通信衛星を介して受信されるディジタル放送データに付随されるデータ付属情報に従って、ディジタル放送データのうち番組データとCMデータとを分離して記録した後に、受信される番組データにCMデータを挿入して再生する様にしたCMデータ再生装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−165335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているCMデータ再生装置では、PSI(Program Specific Information)による識別符号が付されたパケット化データとして放送される番組の本編部、及びCM部を個別に記録媒体に記録した後、付加情報により識別される本編部の記録位置にCM部を挿入して再生するようにしている。通常の放送番組は、CM部をスキップした本編部のみの録画が容易になされないように、パケット化された番組データに識別子を付したり、本編部とCM部とを識別するためのPSI情報を送信しないようにしている。即ち、CM部が本編部と共に受信され、本編部に挿入されて視聴されることが前提とされて番組信号の送信がなされる。現在の商業放送システムにおける、本編部とCM部とを識別するための識別情報を有しない番組を受信し、使用者の操作に応じて本編部のみを再生可能とする記録再生装置を実現することはできなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、本編部にCM部が挿入されて受信される受信番組のCM部を再生させると共に、本編部はCM挿入などで中断されることなく、連続して再生することを可能とする記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明における第1の発明は、放送局から送信される複数の本編部及び複数のCM部と、前記複数の本編部と前記複数のCM部との識別情報が送信される場合には前記識別情報とからなる番組を記録媒体に記録する記録手段と、前記記録された番組を再生する再生手段と、前記記録媒体に前記識別情報が記録されている場合には前記識別情報を基に前記複数の本編部と前記複数のCM部との記録開始位置を検出する一方、前記識別情報が記録されていない場合には前記再生手段で再生された前記番組の音声信号に複数存在する無音部同士の時間間隔を検出し、検出された時間間隔が所定の時間間隔の整数倍である場合には前記所定の時間間隔の整数倍の時間間隔を有する番組部分をCM部として前記記録開始位置を検出する記録位置検出手段と、前記記録された番組における複数の本編部と複数のCM部のうち、前記記録位置検出手段で検出されたCM部の各記録開始位置情報に基づき前記複数のCM部の全てを連続的に再生させ、その後に前記本編部の各記録開始位置情報に基づいて前記複数の本編部を連続的に再生させるようにするための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段と、を備えたことを特徴とする記録再生装置を提供する。
第2の発明は、放送局から送信される複数の本編部及び複数のCM部と、前記複数の本編部と前記複数のCM部との識別情報が送信される場合には前記識別情報とからなる番組を記録媒体に記録する記録手段と、前記記録された番組を再生する再生手段と、前記記録媒体に前記識別情報が記録されている場合には前記識別情報を基に前記複数の本編部と前記複数のCM部との記録開始位置を検出する一方、前記識別情報が記録されていない場合には前記再生手段で再生された前記番組の音声信号に複数存在する無音部同士の時間間隔を検出し、検出された時間間隔が所定の時間間隔の整数倍である場合には前記所定の時間間隔の整数倍の時間間隔を有する番組部分をCM部として前記記録開始位置を検出する記録位置検出手段と、前記CM部に含まれる複数のCM要素の中で、映像のレベル変化又は音声のレベル変化が同一なものが含まれる場合に、同一CM要素であるとして検出するCM内容検出手段と、前記記録された番組における複数のCM部のうち、前記CM内容検出手段により検出された前記同一CM要素が複数存在する場合に、前記CM内容検出手段により検出された前記同一CM要素のうち検出された数未満の数を再生し、それ以外の同一CM要素を再生しないようにして前記記録位置検出手段で検出されたCM部の各記録開始位置情報に基づき前記複数のCM部の全てを連続的に再生させ、その後に前記本編部の各記録開始位置情報に基づいて前記複数の本編部を連続的に再生させるようにするための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段と、を備えたことを特徴とする記録再生装置を提供する。
第3の発明は、第1又は第2の発明に記載の記録再生装置であって、前記再生制御情報は、前記記録手段で記録された前記複数のCM部の再生を最初に行わせる場合には、早送り或いはスキップさせることなく連続的に行わせ、前記再生を2回目以降に行わせる場合には、前記複数のCM部の全てを早送り或いはスキップを可能として連続的に行わせる情報であることを特徴とする記録再生装置提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、放送局から送信される複数の本編部及び複数のCM部と、複数の本編部と複数のCM部との識別情報が送信される場合には識別情報とからなる番組を記録媒体に記録する記録手段と、記録された番組を再生する再生手段と、記録媒体に識別情報が記録されている場合には識別情報を基に複数の本編部と複数のCM部との記録開始位置を検出する一方、識別情報が記録されていない場合には再生手段で再生された番組の音声信号に複数存在する無音部同士の時間間隔を検出し、検出された時間間隔が所定の時間間隔の整数倍である場合には所定の時間間隔の整数倍の時間間隔を有する番組部分をCM部として記録開始位置を検出する記録位置検出手段と、記録された番組における複数の本編部と複数のCM部のうち、記録位置検出手段で検出されたCM部の各記録開始位置情報に基づき複数のCM部の全てを連続的に再生させ、その後に本編部の各記録開始位置情報に基づいて複数の本編部を連続的に再生させるようにするための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段とを備えた格別な構成があるので、本編部にCM部が挿入されて受信される受信番組のCM部をスキップせずに再生させると共に、本編部はCM挿入などで中断されることなく、連続して再生することを可能とする記録再生装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明の実施例に係る記録再生装置について図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本発明の実施に係る記録再生装置の構成例を示すブロック図である。図2は、本発明の実施に係る記録再生装置の細部の構成例を示すブロック図(その1)である。図3は、本発明の実施に係る記録再生装置の細部の構成例を示すブロック図(その2)である。図4は、本発明の実施に係る記録再生装置の動作例を説明するための図である。図5は、本発明の実施に係る記録再生装置の細部の応用構成例を示すブロック図(その1)である。図6は、本発明の実施に係る記録再生装置の応用動作例を説明するための図である。図7は、本発明の実施に係る記録再生装置の細部の応用構成例を示すブロック図(その2)である。図8は、本発明の実施に係る記録再生装置の細部の応用構成例を示すブロック図(その3)である。
【0009】
その記録再生装置は本編部にCM部が挿入されて受信される受信番組のCM部をスキップせずに再生させると共に、本編部はCM挿入などで中断されることなく、連続して再生することを可能とする装置を実現するという目的を、放送局から送信される複数の本編部及び複数のCM部と、複数の本編部と複数のCM部との識別情報が送信される場合には識別情報とからなる番組を記録媒体に記録する記録手段と、記録された番組を再生する再生手段と、記録媒体に識別情報が記録されている場合には識別情報を基に複数の本編部と複数のCM部との記録開始位置を検出する一方、識別情報が記録されていない場合には再生手段で再生された番組の音声信号に複数存在する無音部同士の時間間隔を検出し、検出された時間間隔が所定の時間間隔の整数倍である場合には所定の時間間隔の整数倍の時間間隔を有する番組部分をCM部として記録開始位置を検出する記録位置検出手段と、記録された番組における複数の本編部と複数のCM部のうち、記録位置検出手段で検出されたCM部の各記録開始位置情報に基づき複数のCM部の全てを連続的に再生させ、その後に本編部の各記録開始位置情報に基づいて複数の本編部を連続的に再生させるようにするための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段とを備えるようにして実現した。
【0010】
記録再生装置の構成について述べる。
図1に示す記録再生装置1は、アンテナで受信される信号を復調するチューナ11、データ記録部12、符号化信号を復号化するデコーダ13、番組信号が本編部であるかCM部であるかを検出する番組情報検出部14、検出された番組情報の頭部に付すチャプタを生成するチャプタ生成部15、記録信号の再生順を制御するデータを生成する再生制御データ生成部16、及び記録再生装置の動作制御を行う制御部19より構成される。データ記録部12は符号化された番組の本編部及びCM部のデータを記録する番組データ記録再生器121、及び再生制御データを記録する制御データ記録器122より構成される。
図2に示す記録再生装置1の要部である再生制御データ生成部16は、シーン情報生成器161、CMシーン検出器162、及び再生順データ生成器163より構成される。
図3に示す記録再生装置1の要部である制御部19は、再生順データ取得器191、特殊再生領域管理器192、操作命令検出器194、特殊再生命令検出器195、特殊再生位置管理器196、標準再生命令検出器197、及び再生命令発行器198より構成される。
図5に示す記録再生装置1の応用例の要部である再生制御データ生成部16aは、図2に示した再生制御データ生成部16に比しCMID(commercial message Identification)生成器164及びCMID比較器165が多く備えられいる。
図7に応用例として示す記録再生装置1aは、図1に示した記録再生装置1に比し、制御部19の代わりに制御部19a、データ記録部12の代わりにデータ記録部12a、そして番組データ記録再生器121の代わりに番組データ記録再生器121aが備えられている。
図8に示す記録再生装置1の応用例の要部である制御部19aは、図3に示した制御部19に比し、再生位置検出器193が多く配置される一方、特殊再生領域管理器192の代わりに特殊再生領域管理器192aが備えられている。
【0011】
記録再生装置の動作について述べる。
まず、アンテナで受電される放送信号はチューナ11で復調され、受信信号が得られる。放送信号がディジタル信号の場合、受信信号は例えばMPEG(moving picture experts group)のシステム規格で標準化されているTS(Transport Stream)信号である。データ記録部12の番組データ記録再生器121はTS信号を記録する。TS信号は動画パケット、音声パケット、及び補助情報パケットより構成されており、それらのパケット信号を図示しない記録媒体に記録する。番組情報検出部14は補助情報パケットに含まれるPSI(Program Specific Information)を検出する。PSIに、動画パケット及び音声パケットで受信される番組信号が本編部であるか又はCM(commercial message)部であるかの情報が含まれる場合は、記録中の信号を本編部又はCM部として検出する。
チャプタ生成部15はCM部として検出された番組信号の最初の部分を識別するためのチャプタ信号を生成する。再生制御データ生成部16は、チャプタ生成部15で生成されたチャプタ信号を基にしてCM部の信号を最初に再生させ、その後に本編部の信号を再生させるための再生制御データ(以降、再生制御データをプレイリストと称することがある。)を生成する。データ記録部12の制御データ記録器122は生成されたプレイリストを記録する。
【0012】
使用者により例えばリ図示しないリモコンキーが操作され、番組データ記録再生器121で記録した番組の再生命令が発行された場合に、制御部19は制御データ記録器122に記録される再生操作に係る番組のプレイリストを取得する。次に、制御部19は番組の本編部に挿入されたCM部のみを再生する。全てのCM部が再生された後に番組の本編部を続けて再生する。即ち、その番組中に放送された全てのCMが再生された後に中断されることのない本編部が再生される。再生して得られたMPEG−2ビデオなどの圧縮符号化された番組信号はデコーダ13により復号化される。復号化して得られた動画信号及び音声信号は図示しないモニタTVに供給され、表示発音される。使用者によりCM部、及びCM挿入などで中断されて受信された本編部が、中断されることなく表示され、視聴される。
ここで、制御部19はCM部再生期間中の特殊再生制御を禁止する機能を有している。仮に、CM再生中に早送り再生やスキップ再生などのボタン操作がなされた場合であっても、CM部は標準速度で再生される。本編部における特殊再生はボタン操作に従ってなされる。
【0013】
ここで、放送がディジタル放送の場合であっても、受信される番組に本編部であるか又はCM部であるかを識別する識別情報が含まれない場合は、番組情報検出部14は受信して記録された信号が本編部であるか又はCM部であるかを検出する必要がある。放送信号がアナログの場合も同様であり、例えば特定の走査線期間に番組が本編部であるか又はCM部であるかを識別する情報が多重されない場合に、番組情報検出部14は受信信号が本編部であるかCM部であるかを検出する必要がある。番組識別情報が送信されない場合のCM部識別法として、例えば動画信号に付随される音声信号を用いて識別する方法がある。番組情報検出部14は記録された音声モードがモノラル音声であるか、多重音声であるか、又はステレオ音声であるかを識別する。音声モードが例えば15秒の整数倍で変更されるステレオ音声モードとして受信される場合には、そのステレオ音声モードの部分をCM部であるとして検出する。また、本編部がステレオ音声モードで受信される場合には15秒の整数倍ごとに例えば数百m秒存在する無音部が繰り返して検出される部分をCM部であるとして検出する。さらには、動画信号に付随されて送信される文字データや図形データを用い、そのデータ形式の本編部とCM部とでの異なりを検出することにより、本編部とCM部との判定を行う方法もある。
【0014】
また、番組データ記録再生器121に記録される動画、音声信号は例えばMPEG方式などで符号化された信号を用いるとして述べた。アナログ放送受信の場合は、受信して得られる映像信号及び音声信号をディジタル信号に変換した後に符号化し、符号化して得られる符号化信号を図示しない記録媒体に記録する。媒体へのディジタル記録は一般的な技術が用いられる。
【0015】
次に、詳細に説明する。
図2を参照して再生制御データ生成部16についてさらに述べる。
シーン情報生成器161には、番組情報検出部14で検出され、チャプタ生成部15でチャプタフラグを付すことが示された、分割された本編部の頭部及びCM部の頭部に付されるチャプタフラグの時刻情報が入力される。シーン情報生成器161はチャプタフラグの時刻情報を基に、そのチャプタから開始される番組部分は分割された本編部であるか、又はCM部であるかを認識する。再生順データ生成器163は、CMシーン検出器162で検出されたCMを最初に全て再生し、その後に分割された本編部を順に再生するためのプレイリストを生成する。プレイリストは制御データ記録器122に供給され、そこに記録される。
【0016】
図3を参照し制御部19について述べる。
まず、再生順データ取得器191は、制御データ記録器122に記録されるプレイリストを取得する。特殊再生領域管理器192は、番組データ記録再生器121に記録される番組を再生する際の領域管理を行う。即ち、再生順データ取得器191で取得されたプレイリストを参照し、再生する際に早送りやスキップなどの特殊再生を禁止する領域管理情報を生成し、保持する。
【0017】
操作命令検出器194は、使用者により図示しない操作ボタンが操作された際の操作情報を取得する。標準再生命令検出器197は、ボタン操作が再生、スロー、及び一時停止などの通常再生に係る操作である場合に、その検出された操作情報を再生命令発行器198に伝送する。再生命令発行器198は番組データ記録再生器121に対して記録された番組の再生に係る命令を発行する。
【0018】
特殊再生命令検出器195は、操作命令検出器194で検出された操作が特殊再生命令である場合に、その命令を検出する。特殊再生位置管理器196は、特殊再生領域管理器192の情報を参照し、特殊再生がなされる領域が本編部の領域であるか又はCM部の領域であるかを検出し、再生領域がCM部である場合には早送りやスキップなどの特殊再生の制御命令を標準再生命令に替えて出力する。再生命令発行器198は標準再生命令を番組データ記録再生器121に対して発行する。操作により本編部の特殊再生はなされるが、CM部は標準速度による再生がなされる。
【0019】
図4を参照し分割された本編部の間に挿入されたCM部を最初に再生するための番組部分の並べ替えについて述べる。
同図(A)は、受信される番組の本編部は本編部1、本編部2、本編部3、本編部4として分割されており、本編部1の手前にCM1が受信され、本編部1と本編部2との間でCM2が受信され、同様にしてCM3、CM4が受信されることを示している。チャプタ生成部15では、CM1、CM2、CM3、及びCM4の最初の部分にチャプタ再生をするためのチャプタが付されている。同図(B)は再生制御データ生成部16で作成されたプレイリストにより規定される再生順を示している。最初にCM1〜CM4を再生し、その後に本編1〜本編4を再生するプレイリストである。ここで、チャプタは各CM1〜CM4の最初に付されている。特殊再生位置管理器196は、記録された番組の初回の再生の場合はCM1の最初からのみ再生させるようにさせ、CM2〜CM4から開始される頭だし再生を禁止させるように動作させる。
≪再生制御データ生成部の応用例≫
【0020】
図5、図6を参照し、再生制御データ生成部の応用例について述べる。
同一内容のCMが2回程度まで続けて受信されることは従来の放送受信でなされている。一般的に、2回程度の繰り返し再生はそれほどの違和感を持って視聴されない。しかし、3回を越えて同一CMが視聴される場合は、好ましくない印象を与えると考えられる。番組本編部中に分割されて配置されるCM部をまとめて再生する場合は同一内容のCMが複数回連続して再生されることもある。同一内容CMの連続再生回数は、CMを提供するスポンサーにより決定させる仕組みを持たせ、CM提示により生じる効果が縮減されないようにする必要がある。
【0021】
シーン情報生成器161及びCMシーン検出器162に、受信されるCMに同一内容又は酷似する内容のものが含まれる場合はCMが繰り返して受信されるとして検出する機能を備える。シーン情報生成器161は、例えばCM部映像信号の輝度レベルの変化情報を得る。CM特定用の情報は、映像信号に含まれる被写体の輪郭抽出、付随される音声信号のレベル変化、乃至は音声信号のスペクトラム変化などの推移情報をシーン情報として取得する。CMシーン検出器162は、受信されるCMごとにシーン情報を比較し、似通ったパターンのシーン情報が存在するか否かを検出する。同一又は酷似するシーン情報が検出される場合は、同一内容のCMであるとして検出する。
【0022】
図5に示す再生制御データ生成部は、同一内容のCMが複数回受信される場合に、2回目以降に受信される同一内容のCM再生を省くものである。シーン情報生成器161は図2に示したシーン情報生成器161と同一であり、受信されるCMごとにシーン情報を生成する。CMID生成器164は、異なるシーン情報を有するCMごとに識別符号であるCMIDを付与する。同一、又は酷似するシーン情報に対しては同一のCMIDを付す。CMID比較器165は同一のCMIDを有するCMが検出された場合には一方のみのCMを再生させるための比較信号を再生順データ生成器163に出力する。
【0023】
図6(A)において、CM1の期間にCMa、CMb、及びCMcの各CMが受信され、CM2の期間にCMa、CMd、及びCMeの各CMが受信されることを示している。CMID生成器164は、CMa〜CMeにID1〜ID5の識別符号を付す。CM2の最初に受信されるCMaは、CM1の最初に受信されるCMaと同一のID1が付される。
図6(B)は再生順データ生成器163により生成されるプレイリストである。CM1の期間にはCMa〜CMcが再生され、CM2の期間にはCMd及びCMeが再生される。CMごとにCMIDを付すことにより同一CMは1回のみ再生を行うようにしたプレイリストを容易に作成出来る。なお、同一CMに対する再生回数の設定は、CMスポンサーの意向を再生回数制御信号として送信するようにし、受信側では再生回数を調整しても良いとされる制御信号が受信された場合にのみ、重複するCMの再生回数を低減させても良い。
≪再生制御データ生成部の応用例≫
【0024】
図7、図8を参照し、制御部の応用例について述べる。
図7において、番組データ記録再生器121aは図示しない記録媒体の再生位置情報を制御部19aに供給する結線がなされている。即ち、記録媒体には図4(A)に示したように受信されるCM部及び本編部が順に記録される。記録媒体の再生は、図4(B)に示すようにCM部のみがアクセスされて再生された後に本編部のみをアクセスしながら再生する。制御部19aには、アクセスして再生される再生位置情報が供給される。
【0025】
図8に示す制御部19aの再生位置検出器193は、再生位置情報を再生履歴情報として生成する。再生履歴情報は図6に示したCMa〜CMeのそれぞれごとに生成される。特殊再生領域管理器192aは、再生履歴情報の生成されたCMに対しては早送りやスキップなどの特殊再生の制限は行わないようにする。再生操作により再生履歴情報の生成されたCMは再生機能が制限されることなく再生される。
【0026】
以上のように、本実施例で示した記録再生装置によれば、記録媒体に記録される本編部分、次の本編部分、及び挿入されたCMの記録開始位置を検出する記録位置検出手段(14)と、記録位置検出手段で検出された記録開始位置を基に、挿入されたCMの全てを再生した後に、本編部分及び次の本編部分を続けて再生させるための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段(16)と、再生制御データ生成手段で生成された再生制御情報に制御され、CMの高速度再生命令又はCMのスキップ再生命令を無効として記録媒体に記録された番組信号を再生する再生手段(19、121)とを備えるので、本編部にCM部が挿入されて受信される受信番組のCM部をスキップせずに再生させると共に、本編部はCM挿入などで中断されることなく、連続して再生させることを可能とした記録再生装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施に係る記録再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施に係る記録再生装置の細部の構成例を示すブロック図(その1)である。
【図3】本発明の実施に係る記録再生装置の細部の構成例を示すブロック図(その2)である。
【図4】本発明の実施に係る記録再生装置の動作例を説明するための図である。
【図5】本発明の実施に係る記録再生装置の細部の応用構成例を示すブロック図(その1)である。
【図6】本発明の実施に係る記録再生装置の応用動作例を説明するための図である。
【図7】本発明の実施に係る記録再生装置の細部の応用構成例を示すブロック図(その2)である。
【図8】本発明の実施に係る記録再生装置の細部の応用構成例を示すブロック図(その3)である。
【符号の説明】
【0028】
1、1a 記録再生装置
11 チューナ
12、12a データ記録部
13 デコーダ
14 番組情報検出部
15 チャプタ生成部
16、16a 再生制御データ生成部
19、19a 制御部
121、121a 番組データ記録再生器
122 制御データ記録器
161 シーン情報生成器
162 CMシーン検出器
163 再生順データ生成器
164 CMID生成器
165 CMID比較器
191 再生順データ取得器
192、192a 特殊再生領域管理器
193 再生位置検出器
194 操作命令検出器
195 特殊再生命令検出器
196 特殊再生位置管理器
197 標準再生命令検出器
198 再生命令発行器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局から送信される複数の本編部及び複数のCM部と、前記複数の本編部と前記複数のCM部との識別情報が送信される場合には前記識別情報とからなる番組を記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録された番組を再生する再生手段と、
前記記録媒体に前記識別情報が記録されている場合には前記識別情報を基に前記複数の本編部と前記複数のCM部との記録開始位置を検出する一方、前記識別情報が記録されていない場合には前記再生手段で再生された前記番組の音声信号に複数存在する無音部同士の時間間隔を検出し、検出された時間間隔が所定の時間間隔の整数倍である場合には前記所定の時間間隔の整数倍の時間間隔を有する番組部分をCM部として前記記録開始位置を検出する記録位置検出手段と、
前記記録された番組における複数の本編部と複数のCM部のうち、前記記録位置検出手段で検出されたCM部の各記録開始位置情報に基づき前記複数のCM部の全てを連続的に再生させ、その後に前記本編部の各記録開始位置情報に基づいて前記複数の本編部を連続的に再生させるようにするための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
放送局から送信される複数の本編部及び複数のCM部と、前記複数の本編部と前記複数のCM部との識別情報が送信される場合には前記識別情報とからなる番組を記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録された番組を再生する再生手段と、
前記記録媒体に前記識別情報が記録されている場合には前記識別情報を基に前記複数の本編部と前記複数のCM部との記録開始位置を検出する一方、前記識別情報が記録されていない場合には前記再生手段で再生された前記番組の音声信号に複数存在する無音部同士の時間間隔を検出し、検出された時間間隔が所定の時間間隔の整数倍である場合には前記所定の時間間隔の整数倍の時間間隔を有する番組部分をCM部として前記記録開始位置を検出する記録位置検出手段と、
前記CM部に含まれる複数のCM要素の中で、映像のレベル変化又は音声のレベル変化が同一なものが含まれる場合に、同一CM要素であるとして検出するCM内容検出手段と、
前記記録された番組における複数のCM部のうち、前記CM内容検出手段により検出された前記同一CM要素が複数存在する場合に、前記CM内容検出手段により検出された前記同一CM要素のうち検出された数未満の数を再生し、それ以外の同一CM要素を再生しないようにして前記記録位置検出手段で検出されたCM部の各記録開始位置情報に基づき前記複数のCM部の全てを連続的に再生させ、その後に前記本編部の各記録開始位置情報に基づいて前記複数の本編部を連続的に再生させるようにするための再生制御情報を生成する再生制御データ生成手段と、
を備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の記録再生装置であって、
前記再生制御情報は、前記記録手段で記録された前記複数のCM部の再生を最初に行わせる場合には、早送り或いはスキップさせることなく連続的に行わせ、前記再生を2回目以降に行わせる場合には、前記複数のCM部の全てを早送り或いはスキップを可能として連続的に行わせる情報であることを特徴とする記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−182399(P2008−182399A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13510(P2007−13510)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】