記録媒体の製造装置とそれを用いた記録媒体の製造方法
【課題】本発明は、記録媒体の製造装置とそれを用いた記録媒体の製造方法に関するもので、生産性を向上することを目的とするものである。
【解決手段】光源14からホログラムディスク19の他面側に供給される記録光を、少なくとも0次記録光14cと、+1次記録光14dと、−1次記録光14eに回折する回折格子17と、この回折格子17で回折された+1次記録光14dの位相を調整する位相調整素子25と、この+1次記録光14dを、0次記録光14cのホログラムディスク19の照射部に偏光する偏光光学素子26と、回折格子17で回折された−1次記録光14eの位相を調整する位相調整素子28と、この位相調整素子28によって位相調整された−1次記録光14eを、前記0次記録光14cの照射部に偏光する偏光光学素子29と、前記0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eが通過するビーム形状成型光学素子23と、を備えた。
【解決手段】光源14からホログラムディスク19の他面側に供給される記録光を、少なくとも0次記録光14cと、+1次記録光14dと、−1次記録光14eに回折する回折格子17と、この回折格子17で回折された+1次記録光14dの位相を調整する位相調整素子25と、この+1次記録光14dを、0次記録光14cのホログラムディスク19の照射部に偏光する偏光光学素子26と、回折格子17で回折された−1次記録光14eの位相を調整する位相調整素子28と、この位相調整素子28によって位相調整された−1次記録光14eを、前記0次記録光14cの照射部に偏光する偏光光学素子29と、前記0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eが通過するビーム形状成型光学素子23と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚さ方向に、複数のホログラム層を多層状態で設けた記録媒体の製造装置とそれを用いた記録媒体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、記録容量を大きくするために、下記特許文献1に示すごとく、多層記録された記録媒体が提案されている。
【0003】
すなわち、下記特許文献1に示すものでは、図12(c)のごとく、円板状の記録媒体1内の厚さ方向に、複数のホログラム層2を多層状態で設けているので、記録容量は極めて大きくなる。
【0004】
この特許文献1に示した従来例の特徴点は、記録媒体1内に、マイクロホログラム3が渦巻状に配置されたホログラム層2を、複数層設けているので、この記録媒体1への記録時でも、再生時でも、記録媒体1の片側から、そのマイクロホログラム3に向けて光を照射すれば良いという点である。
【0005】
すなわち、記録時には、記録媒体1の片側から、その記録部分のマイクロホログラム3に光を照射し、光学的な変質を起こさせ、マイクロホログラム3を消失させる部分と、光を照射せず、マイクロホログラム3を残存させる部分とを形成することで、デジタル的な記録を行うことができる。
【0006】
また、再生時にも、記録媒体1の片側から、マイクロホログラム3の消失部分と、マイクロホログラム3の残存部分に光を照射し、そこからの反射光を読み取れば、デジタル的な再生を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7388695号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来例においては、下記の手順により記録媒体1を製造している。
【0009】
先ず、図9に示す様に、マスターディスク4の一外面側から(例えば上面から)、このマスターディスク4に向けて参照光5を入射させるとともに、このマスターディスク4の他外面側から(例えば下面から)、このマスターディスク4に向けて記録光6を入射させ、マスターディスク4内にマイクロホログラム7を形成し、これによりマスターディスク4を完成させる。
【0010】
次に、図10に示す様に、マスターディスク4に共役マスターディスク8を重合させ、その状態で図11(a)のごとく、共役マスターディスク8側から平行光9を入射させる。
【0011】
すると、図11(b)のごとく、マスターディスク4内のマイクロホログラム7からの反射光10が発生し、この反射光10と前記平行光9が共役マスターディスク8内で干渉することで、この共役マスターディスク8内にホログラム11が形成される。つまり、これにて共役マスターディスク8が完成する。
【0012】
その後、図12(a)に示す様に、共役マスターディスク8に、まだブランクディスク状態の記録媒体1を重合させ、記録媒体1側から平行光12を入射させる。
【0013】
すると、図12(b)に示す様に、ホログラム11からの反射光13が発生し、この反射光13と前記平行光12がブランクディスク状態の記録媒体1内で干渉することで、この記録媒体1内にマイクロホログラム3が形成される。つまり、記録媒体1が完成する。
【0014】
以上の説明で明らかな様に、従来の記録媒体1の製造方法は、マスターディスク4と共役マスターディスク8を事前に形成しなければならないので、非常に手間のかかるもので、生産性が低いものであった。
【0015】
そこで、本発明は、記録媒体の生産性を向上することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そして、この目的を達成するために本発明の記録媒体の製造装置は、ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくとも、プラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0017】
以上の様に本発明は、ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくとも、プラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた構成としたものであるので、記録媒体の生産性を向上することができるものとなる。
【0018】
すなわち、本発明によれば、従来用いられていたマスターディスクと共役マスターディスクを事前に形成する必要が無く、記録媒体内に直接、複数層のホログラム層を形成することができるので、極めて生産性の高いものになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる記録媒体の製造装置を示す構成図
【図2】同要部の構成図
【図3】同要部の構成図
【図4】同要部の構成図
【図5】同動作状態を示す図
【図6】同動作状態を示す図
【図7】同動作状態を示す図
【図8】同動作状態を示す図
【図9】従来例を示す図
【図10】同従来例を示す図
【図11】同従来例を示す図
【図12】同従来例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施形態を示し、波長が407nmの長コヒーレント光を発する光源14からの光はハーフミラー15で二分され、一方は参照光14aとしてミラー16へと進み、他方は記録光14bとして回折格子17へと進む。
【0022】
前記ミラー16の上方には、支持体として透明回転テーブル18が配置され、この透明回転テーブル18上にホログラムディスク19が支持され、さらにホログラムディスク19上には透明ガラス基板20が配置されている。
【0023】
そしてこの状態で、回転軸21の上端には蓋22が装着され、これにより透明回転テーブル18により、ホログラムディスク19は回転自在に支持された状態となっている。
【0024】
そして、この状態において参照光14aは、透明回転テーブル18を通過し、ホログラムディスク19へと進行する。
【0025】
また、回折格子17に進んだ記録光14bは、回折格子17により0次記録光14cと、プラス(以下+と表現する)1次記録光14dと、マイナス(以下−と表現する)1次記録光14eとに回折される。
【0026】
その後、これらの0次記録光14cは、ビーム形状成型光学素子23、透明ガラス基板20を介してホログラムディスク19の上面側に供給される。
【0027】
また、+1次記録光14dは偏光光学素子24、位相調整素子25、偏光光学素子26、ビーム形状成型光学素子23、透明ガラス基板20を介してホログラムディスク19の上面側に供給される。
【0028】
さらに、−1次記録光14eは偏光光学素子27、位相調整素子28、偏光光学素子29、ビーム形状成型光学素子23、透明ガラス基板20を介してホログラムディスク19の上面側に供給される。
【0029】
ここで、ビーム形状成型光学素子23は図2〜図4に示すようにシリンドリカルレンズにより形成し、このビーム形状成型光学素子23には、ホログラムディスク19の径方向に所定間隔で開口部を設けている。
【0030】
また、偏光光学素子24は、+1次記録光14dを位相調整素子25に向けて偏光するためのものであり、偏光光学素子26は+1次記録光14dをビーム形状成型光学素子23の0次記録光14c通過方向に偏光するためのものである。
【0031】
さらに、偏光光学素子27は、−1次記録光14eを位相調整素子28に向けて偏光するためのものであり、偏光光学素子29は−1次記録光14eをビーム形状成型光学素子23の0次記録光14c通過方向に偏光するためのものである。
【0032】
つまり、これらの構成により、ホログラムディスク19内においては、0次記録光14cと+1次記録光14dと−1次記録光14eを同一線上に照射するようにしているのである。
【0033】
上述したようにビーム形状成型光学素子23には、ホログラムディスク19の径方向に所定間隔で開口部を設けているので、図4に示すように、ホログラムディスク19の上方から、0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eからなる記録光14bが前記ビーム形状成型光学素子23の開口部を通過して進行し、またこのホログラムディスク19の下方からは上述のごとく参照光14aが進行してきている。このとき、ホログラムディスク19内では、0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eが干渉して、回折格子でよく知られているタルボ効果と同じ現象が生じて、光強度が強めあう部分が規則的に現れる。この状態で、反対側から参照光14aが進行してきているので、タルボ効果で光強度が強め合っている部分で、記録光14bと参照光14aの干渉が強く生じて、この部分にホログラムが形成される。
【0034】
このため、図7(a)に示すごとく、0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eからなる記録光14bと、参照光14aが干渉し、このホログラムディスク19内にホログラム30が形成されることになる。
【0035】
なお、図7においては、ホログラム30は一層だけ記載しているが、タルボ効果により、ホログラムディスク19内の厚み方向に、タルボ効果に特有のタルボ距離T/2毎にホログラム30が複数層同時に形成されるようになっている。
【0036】
再び図1に戻って説明を続けると、位相調整素子25は、+1次記録光14dの位相を調整するためのもので、また位相調整素子28は、−1次記録光14eの位相を調整するためのもので、位相調整素子25、28の調整方向は逆の状態としている。
【0037】
例えば、位相調整素子25は、+1次記録光14dを、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28は、−1次記録光14eを0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させるものである。
【0038】
この結果、位相調整素子25、28の位相変化が0の状態を図8(a)とすると、+1次記録光14dを、その位相を1/4・λに進める方向に変化させ、−1次記録光14eを0から1/4・λに遅らせる方向に変化させた場合、図8(b)のごとく、ホログラム30をp/4だけ移動させることが出来る。
【0039】
なお、図8(a)の14Cは0次光波面、14Dは+1次光波面、14Eは−1次光波面、pはホログラム30間の距離である。
【0040】
本実施形態において、ビーム形状成型光学素子23の長さは60mm、ホログラムディスク19の直径は120mm、ビーム形状成型光学素子23とホログラムディスク19間は20mmとしている。
【0041】
さて、以上のような構成において本実施形態においては、ホログラムディスク19を4回転させることにより、図5(d)のごとく渦巻状のホログラム30を形成する。
【0042】
そのために、ホログラムディスク19の一回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0043】
すると、図5(a)のごとく、始端と、終端が連結されないホログラムディスク19が、例えば四円(実際はこれよりも極めて多く形成されるが、図面の煩雑化を避けるために四円としている)形成される。
【0044】
このように始端と、終端が連結されない理由は、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させているので、径が徐々に大きくなるからである。
【0045】
続いて、前記ホログラムディスク19の二回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を1/4・λから2/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを1/4・λから2/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0046】
すると、このホログラムディスク19の二回転目では、図5(b)、図7(b)のごとく、一回転目の終点から外方に、二回転目のホログラム30が形成され、形成されるホログラム30の径は徐々に大きくなる。
【0047】
なお、図6は二回転目に入った状態を示しており、ホログラム30の小さな丸30aは一回転目の始点を示している。
【0048】
続いて、前記ホログラムディスク19の三回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を2/4・λから3/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを2/4・λから3/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0049】
すると、このホログラムディスク19の三回転目では、図5(c)、図7(c)のごとく、二回転目の終点から外方に、三回転目のホログラム30が形成され、形成されるホログラム30の径は徐々に大きくなる。
【0050】
続いて、前記ホログラムディスク19の四回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を3/4・λから4/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを3/4・λから4/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0051】
すると、このホログラムディスク19の四回転目では、図5(d)、図7(d)のごとく、三回転目の終点から外方に、四回転目のホログラム30が形成され、形成されるホログラム30の径は徐々に大きくなる。
【0052】
そしてこの四回転の結果、図5(d)のごとく渦巻状のホログラム30が形成される。
【0053】
なお、図5(d)、図7(d)では渦巻状のホログラム30を一層しか記載していないが、上述のごとくタルボ効果により、ホログラムディスク19の厚み方向に所定間隔で、複数のホログラム30が多層状態で同時に形成されている。
【0054】
以上のごとく本実施形態では、ホログラムディスク19をわずか四回転させるだけで、渦巻状のホログラム30を、多層状態で形成することが出来、極めて生産性の高いものになる。
【0055】
そしてこのようにして形成されたホログラム30はプリフォーマットされたものであり、記録時には記録光をホログラムディスク19の一面から照射することにより、ホログラム30を断続的に消失させ、これによりデジタル的な記録を行う。
【0056】
また、再生時には、ホログラムディスク19の一面から再生光を照射し、非消失のホログラム30からの反射情報で、再生を行う。
【0057】
なお、本実施の形態では、+1次記録光14dの位相と−1次記録光14eの位相を、ホログラムディスク19の一回転あたり1/4・λずつ変化させたが、もちろん位相の変化量は、1/4・λ以外に設定することも可能である。例えば、+1次記録光14dの位相と−1次記録光14eの位相を、ホログラムディスク19の一回転あたり1/m・λずつ(mは整数)変化させた場合は、ホログラムディスク19の一回転あたりに、形成されるホログラムはp/mだけ外方に移動するので、m回転で渦巻状のホログラム30が形成される。
【0058】
また、+1次記録光14dの位相と−1次記録光14eの位相を徐々に変化させるのではなく、ホログラムディスク19の一回転ごとに、1/m・λずつ(mは整数)不連続に変化させることも可能であり、この場合は、ホログラム19がm回転すると、ピッチp/mの同心円のホログラムが形成される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上の様に本発明は、ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくともプラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた構成としたものであるので、記録媒体の生産性を向上することができるものとなる。
【0060】
すなわち、本発明によれば、従来用いられていたマスターディスクと共役マスターディスクを事前に形成する必要が無く、記録媒体内に直接、複数層のホログラム層を形成することができるので、極めて生産性の高いものになるのである。
【0061】
したがって、大容量の記録媒体の製造に広く活用される。
【符号の説明】
【0062】
14 光源
14a 参照光
14b 記録光
14c 0次記録光
14d +1次記録光
14e −1次記録光
15 ハーフミラー
16 ミラー
17 回折格子
18 透明回転テーブル
19 ホログラムディスク
20 透明ガラス基板
21 回転軸
22 蓋
23 ビーム形状成型光学素子
24,27,26,29 偏光光学素子
25,28 位相調整素子
30 ホログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚さ方向に、複数のホログラム層を多層状態で設けた記録媒体の製造装置とそれを用いた記録媒体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、記録容量を大きくするために、下記特許文献1に示すごとく、多層記録された記録媒体が提案されている。
【0003】
すなわち、下記特許文献1に示すものでは、図12(c)のごとく、円板状の記録媒体1内の厚さ方向に、複数のホログラム層2を多層状態で設けているので、記録容量は極めて大きくなる。
【0004】
この特許文献1に示した従来例の特徴点は、記録媒体1内に、マイクロホログラム3が渦巻状に配置されたホログラム層2を、複数層設けているので、この記録媒体1への記録時でも、再生時でも、記録媒体1の片側から、そのマイクロホログラム3に向けて光を照射すれば良いという点である。
【0005】
すなわち、記録時には、記録媒体1の片側から、その記録部分のマイクロホログラム3に光を照射し、光学的な変質を起こさせ、マイクロホログラム3を消失させる部分と、光を照射せず、マイクロホログラム3を残存させる部分とを形成することで、デジタル的な記録を行うことができる。
【0006】
また、再生時にも、記録媒体1の片側から、マイクロホログラム3の消失部分と、マイクロホログラム3の残存部分に光を照射し、そこからの反射光を読み取れば、デジタル的な再生を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7388695号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来例においては、下記の手順により記録媒体1を製造している。
【0009】
先ず、図9に示す様に、マスターディスク4の一外面側から(例えば上面から)、このマスターディスク4に向けて参照光5を入射させるとともに、このマスターディスク4の他外面側から(例えば下面から)、このマスターディスク4に向けて記録光6を入射させ、マスターディスク4内にマイクロホログラム7を形成し、これによりマスターディスク4を完成させる。
【0010】
次に、図10に示す様に、マスターディスク4に共役マスターディスク8を重合させ、その状態で図11(a)のごとく、共役マスターディスク8側から平行光9を入射させる。
【0011】
すると、図11(b)のごとく、マスターディスク4内のマイクロホログラム7からの反射光10が発生し、この反射光10と前記平行光9が共役マスターディスク8内で干渉することで、この共役マスターディスク8内にホログラム11が形成される。つまり、これにて共役マスターディスク8が完成する。
【0012】
その後、図12(a)に示す様に、共役マスターディスク8に、まだブランクディスク状態の記録媒体1を重合させ、記録媒体1側から平行光12を入射させる。
【0013】
すると、図12(b)に示す様に、ホログラム11からの反射光13が発生し、この反射光13と前記平行光12がブランクディスク状態の記録媒体1内で干渉することで、この記録媒体1内にマイクロホログラム3が形成される。つまり、記録媒体1が完成する。
【0014】
以上の説明で明らかな様に、従来の記録媒体1の製造方法は、マスターディスク4と共役マスターディスク8を事前に形成しなければならないので、非常に手間のかかるもので、生産性が低いものであった。
【0015】
そこで、本発明は、記録媒体の生産性を向上することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そして、この目的を達成するために本発明の記録媒体の製造装置は、ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくとも、プラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0017】
以上の様に本発明は、ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくとも、プラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた構成としたものであるので、記録媒体の生産性を向上することができるものとなる。
【0018】
すなわち、本発明によれば、従来用いられていたマスターディスクと共役マスターディスクを事前に形成する必要が無く、記録媒体内に直接、複数層のホログラム層を形成することができるので、極めて生産性の高いものになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる記録媒体の製造装置を示す構成図
【図2】同要部の構成図
【図3】同要部の構成図
【図4】同要部の構成図
【図5】同動作状態を示す図
【図6】同動作状態を示す図
【図7】同動作状態を示す図
【図8】同動作状態を示す図
【図9】従来例を示す図
【図10】同従来例を示す図
【図11】同従来例を示す図
【図12】同従来例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施形態を示し、波長が407nmの長コヒーレント光を発する光源14からの光はハーフミラー15で二分され、一方は参照光14aとしてミラー16へと進み、他方は記録光14bとして回折格子17へと進む。
【0022】
前記ミラー16の上方には、支持体として透明回転テーブル18が配置され、この透明回転テーブル18上にホログラムディスク19が支持され、さらにホログラムディスク19上には透明ガラス基板20が配置されている。
【0023】
そしてこの状態で、回転軸21の上端には蓋22が装着され、これにより透明回転テーブル18により、ホログラムディスク19は回転自在に支持された状態となっている。
【0024】
そして、この状態において参照光14aは、透明回転テーブル18を通過し、ホログラムディスク19へと進行する。
【0025】
また、回折格子17に進んだ記録光14bは、回折格子17により0次記録光14cと、プラス(以下+と表現する)1次記録光14dと、マイナス(以下−と表現する)1次記録光14eとに回折される。
【0026】
その後、これらの0次記録光14cは、ビーム形状成型光学素子23、透明ガラス基板20を介してホログラムディスク19の上面側に供給される。
【0027】
また、+1次記録光14dは偏光光学素子24、位相調整素子25、偏光光学素子26、ビーム形状成型光学素子23、透明ガラス基板20を介してホログラムディスク19の上面側に供給される。
【0028】
さらに、−1次記録光14eは偏光光学素子27、位相調整素子28、偏光光学素子29、ビーム形状成型光学素子23、透明ガラス基板20を介してホログラムディスク19の上面側に供給される。
【0029】
ここで、ビーム形状成型光学素子23は図2〜図4に示すようにシリンドリカルレンズにより形成し、このビーム形状成型光学素子23には、ホログラムディスク19の径方向に所定間隔で開口部を設けている。
【0030】
また、偏光光学素子24は、+1次記録光14dを位相調整素子25に向けて偏光するためのものであり、偏光光学素子26は+1次記録光14dをビーム形状成型光学素子23の0次記録光14c通過方向に偏光するためのものである。
【0031】
さらに、偏光光学素子27は、−1次記録光14eを位相調整素子28に向けて偏光するためのものであり、偏光光学素子29は−1次記録光14eをビーム形状成型光学素子23の0次記録光14c通過方向に偏光するためのものである。
【0032】
つまり、これらの構成により、ホログラムディスク19内においては、0次記録光14cと+1次記録光14dと−1次記録光14eを同一線上に照射するようにしているのである。
【0033】
上述したようにビーム形状成型光学素子23には、ホログラムディスク19の径方向に所定間隔で開口部を設けているので、図4に示すように、ホログラムディスク19の上方から、0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eからなる記録光14bが前記ビーム形状成型光学素子23の開口部を通過して進行し、またこのホログラムディスク19の下方からは上述のごとく参照光14aが進行してきている。このとき、ホログラムディスク19内では、0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eが干渉して、回折格子でよく知られているタルボ効果と同じ現象が生じて、光強度が強めあう部分が規則的に現れる。この状態で、反対側から参照光14aが進行してきているので、タルボ効果で光強度が強め合っている部分で、記録光14bと参照光14aの干渉が強く生じて、この部分にホログラムが形成される。
【0034】
このため、図7(a)に示すごとく、0次記録光14c、+1次記録光14d、−1次記録光14eからなる記録光14bと、参照光14aが干渉し、このホログラムディスク19内にホログラム30が形成されることになる。
【0035】
なお、図7においては、ホログラム30は一層だけ記載しているが、タルボ効果により、ホログラムディスク19内の厚み方向に、タルボ効果に特有のタルボ距離T/2毎にホログラム30が複数層同時に形成されるようになっている。
【0036】
再び図1に戻って説明を続けると、位相調整素子25は、+1次記録光14dの位相を調整するためのもので、また位相調整素子28は、−1次記録光14eの位相を調整するためのもので、位相調整素子25、28の調整方向は逆の状態としている。
【0037】
例えば、位相調整素子25は、+1次記録光14dを、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28は、−1次記録光14eを0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させるものである。
【0038】
この結果、位相調整素子25、28の位相変化が0の状態を図8(a)とすると、+1次記録光14dを、その位相を1/4・λに進める方向に変化させ、−1次記録光14eを0から1/4・λに遅らせる方向に変化させた場合、図8(b)のごとく、ホログラム30をp/4だけ移動させることが出来る。
【0039】
なお、図8(a)の14Cは0次光波面、14Dは+1次光波面、14Eは−1次光波面、pはホログラム30間の距離である。
【0040】
本実施形態において、ビーム形状成型光学素子23の長さは60mm、ホログラムディスク19の直径は120mm、ビーム形状成型光学素子23とホログラムディスク19間は20mmとしている。
【0041】
さて、以上のような構成において本実施形態においては、ホログラムディスク19を4回転させることにより、図5(d)のごとく渦巻状のホログラム30を形成する。
【0042】
そのために、ホログラムディスク19の一回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0043】
すると、図5(a)のごとく、始端と、終端が連結されないホログラムディスク19が、例えば四円(実際はこれよりも極めて多く形成されるが、図面の煩雑化を避けるために四円としている)形成される。
【0044】
このように始端と、終端が連結されない理由は、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させているので、径が徐々に大きくなるからである。
【0045】
続いて、前記ホログラムディスク19の二回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を1/4・λから2/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを1/4・λから2/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0046】
すると、このホログラムディスク19の二回転目では、図5(b)、図7(b)のごとく、一回転目の終点から外方に、二回転目のホログラム30が形成され、形成されるホログラム30の径は徐々に大きくなる。
【0047】
なお、図6は二回転目に入った状態を示しており、ホログラム30の小さな丸30aは一回転目の始点を示している。
【0048】
続いて、前記ホログラムディスク19の三回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を2/4・λから3/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを2/4・λから3/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0049】
すると、このホログラムディスク19の三回転目では、図5(c)、図7(c)のごとく、二回転目の終点から外方に、三回転目のホログラム30が形成され、形成されるホログラム30の径は徐々に大きくなる。
【0050】
続いて、前記ホログラムディスク19の四回転目では、位相調整素子25により、+1次記録光14dを、その位相を3/4・λから4/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、位相調整素子28により、−1次記録光14eを3/4・λから4/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる。
【0051】
すると、このホログラムディスク19の四回転目では、図5(d)、図7(d)のごとく、三回転目の終点から外方に、四回転目のホログラム30が形成され、形成されるホログラム30の径は徐々に大きくなる。
【0052】
そしてこの四回転の結果、図5(d)のごとく渦巻状のホログラム30が形成される。
【0053】
なお、図5(d)、図7(d)では渦巻状のホログラム30を一層しか記載していないが、上述のごとくタルボ効果により、ホログラムディスク19の厚み方向に所定間隔で、複数のホログラム30が多層状態で同時に形成されている。
【0054】
以上のごとく本実施形態では、ホログラムディスク19をわずか四回転させるだけで、渦巻状のホログラム30を、多層状態で形成することが出来、極めて生産性の高いものになる。
【0055】
そしてこのようにして形成されたホログラム30はプリフォーマットされたものであり、記録時には記録光をホログラムディスク19の一面から照射することにより、ホログラム30を断続的に消失させ、これによりデジタル的な記録を行う。
【0056】
また、再生時には、ホログラムディスク19の一面から再生光を照射し、非消失のホログラム30からの反射情報で、再生を行う。
【0057】
なお、本実施の形態では、+1次記録光14dの位相と−1次記録光14eの位相を、ホログラムディスク19の一回転あたり1/4・λずつ変化させたが、もちろん位相の変化量は、1/4・λ以外に設定することも可能である。例えば、+1次記録光14dの位相と−1次記録光14eの位相を、ホログラムディスク19の一回転あたり1/m・λずつ(mは整数)変化させた場合は、ホログラムディスク19の一回転あたりに、形成されるホログラムはp/mだけ外方に移動するので、m回転で渦巻状のホログラム30が形成される。
【0058】
また、+1次記録光14dの位相と−1次記録光14eの位相を徐々に変化させるのではなく、ホログラムディスク19の一回転ごとに、1/m・λずつ(mは整数)不連続に変化させることも可能であり、この場合は、ホログラム19がm回転すると、ピッチp/mの同心円のホログラムが形成される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上の様に本発明は、ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくともプラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた構成としたものであるので、記録媒体の生産性を向上することができるものとなる。
【0060】
すなわち、本発明によれば、従来用いられていたマスターディスクと共役マスターディスクを事前に形成する必要が無く、記録媒体内に直接、複数層のホログラム層を形成することができるので、極めて生産性の高いものになるのである。
【0061】
したがって、大容量の記録媒体の製造に広く活用される。
【符号の説明】
【0062】
14 光源
14a 参照光
14b 記録光
14c 0次記録光
14d +1次記録光
14e −1次記録光
15 ハーフミラー
16 ミラー
17 回折格子
18 透明回転テーブル
19 ホログラムディスク
20 透明ガラス基板
21 回転軸
22 蓋
23 ビーム形状成型光学素子
24,27,26,29 偏光光学素子
25,28 位相調整素子
30 ホログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくともプラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた記録媒体の製造装置。
【請求項2】
ビーム形状成型光学素子はシリンドリカルレンズにより形成し、このシリンドリカルレンズには、ホログラムディスクの径方向に所定間隔で開口部を設けた請求項1に記載の記録媒体の製造装置。
【請求項3】
請求項1、または2に記載の記録媒体の製造装置を用いた記録媒体の製造方法であって、ビーム形状成型光学素子を、支持体に支持されたホログラムディスクの他面側に所定間隔をおいて対向配置し、次にホログラムディスクを支持した支持体を回転駆動するとともに、第一、第二の位相調整素子により、+1次記録光と−1次記録光の位相を反対方向に徐々に変化させる記録媒体の製造方法。
【請求項4】
第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる請求項3に記載の記録媒体の製造方法。
【請求項5】
ホログラムディスクの一回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させ、前記ホログラムディスクの二回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を1/4・λから2/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を1/4・λから2/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させ、ホログラムディスクの三回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を2/4・λから3/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を2/4・λから3/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させ、前記ホログラムディスクの四回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を3/4・λから4/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を3/4・λから4/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる請求項4に記載の記録媒体の製造方法。
【請求項1】
ホログラムディスクを回転自在に支持する支持体と、この支持体に支持されるホログラムディスクの一面側に参照光、他面側に記録光を供給する光源と、この光源から前記ホログラムディスクの他面側に供給される記録光を、0次記録光と、少なくともプラス(以下+と表現する)1次記録光と、マイナス(以下−と表現する)1次記録光に回折する回折格子と、この回折格子で回折された+1次記録光の位相を調整する第一の位相調整素子と、この第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第一の偏光光学素子と、前記回折格子で回折された−1次記録光の位相を調整する第二の位相調整素子と、この第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光を、前記0次記録光のホログラムディスクの照射部に偏光して導く第二の偏光光学素子と、前記第一、第二の偏光光学素子とホログラムディスク間に介在するとともに、前記0次記録光、前記第一の位相調整素子によって位相調整された+1次記録光、前記第二の位相調整素子によって位相調整された−1次記録光が通過するビーム形状成型光学素子と、を備えた記録媒体の製造装置。
【請求項2】
ビーム形状成型光学素子はシリンドリカルレンズにより形成し、このシリンドリカルレンズには、ホログラムディスクの径方向に所定間隔で開口部を設けた請求項1に記載の記録媒体の製造装置。
【請求項3】
請求項1、または2に記載の記録媒体の製造装置を用いた記録媒体の製造方法であって、ビーム形状成型光学素子を、支持体に支持されたホログラムディスクの他面側に所定間隔をおいて対向配置し、次にホログラムディスクを支持した支持体を回転駆動するとともに、第一、第二の位相調整素子により、+1次記録光と−1次記録光の位相を反対方向に徐々に変化させる記録媒体の製造方法。
【請求項4】
第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる請求項3に記載の記録媒体の製造方法。
【請求項5】
ホログラムディスクの一回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を0から1/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を0から1/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させ、前記ホログラムディスクの二回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を1/4・λから2/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を1/4・λから2/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させ、ホログラムディスクの三回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を2/4・λから3/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を2/4・λから3/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させ、前記ホログラムディスクの四回転で、第一の位相調整素子により、+1次記録光を、その位相を3/4・λから4/4・λに、徐々に進める方向に変化させ、第二の位相調整素子により、−1次記録光を3/4・λから4/4・λに、その位相を徐々に遅らせる方向に変化させる請求項4に記載の記録媒体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−165282(P2011−165282A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28479(P2010−28479)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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