説明

記録媒体管理システムおよび記録媒体管理方法

【課題】盗難された記録媒体を迅速に特定して盗難された記録媒体の使用を防止すること。
【解決手段】台間装置では、記憶部が、直前に返却した記録媒体の識別子を記憶し、問合せ受付部が、直前に返却した記録媒体の問い合わせを受け付け、問い合わせを受け付けた場合に、識別子通知部が、識別子を管理装置へ通知するように構成する。また、管理装置では、取扱停止指示送信部が、台間装置から通知された識別子に対応する記録媒体に関する処理を停止するように、自装置が管理するすべての台間装置およびすべての記録媒体取扱装置に対して指示するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録媒体の有価価値に基づいて遊技媒体を貸し出す台間装置と、台間装置以外の記録媒体取扱装置と、台間装置および記録媒体取扱装置を管理する管理装置とで記録媒体を管理する記録媒体管理システムおよび記録媒体管理方法に関し、特に、盗難された記録媒体を迅速に特定することができるとともに、盗難された記録媒体の使用を防止することができる記録媒体管理システムおよび記録媒体管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技機と並設され、パチンコ玉やメダルといった遊技媒体を貸し出す貸出処理機(以下、「台間装置」と記載する)が知られている。
【0003】
かかる台間装置は、紙幣を受け入れて遊技媒体を貸し出すとともに、IC(Integrated Circuit)カードのような記録媒体を受け入れて遊技媒体を貸し出す。ここで、記録媒体としては、予め所定の有価価値を記憶したプリペイドカード、遊技店の会員に対して配布され貯玉データ等を記憶することが可能な会員カード、一般の遊技者が使用可能な一般カード(ビジターカード)などがある。
【0004】
また、近年では、遊技機において遊技者が獲得した遊技媒体の数量を各台間装置が計数する、いわゆる各台計数方式も導入されてきており、上記した記録媒体には、遊技者が獲得した遊技媒体の数量をあらわす計数データ(持玉データ)も記録されるようになってきた。なお、各台計数方式を用いた遊技店システムについては、たとえば、特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−118323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した各台計数方式を導入すると、記録媒体に価値付けられる価値が高価となるため、記録媒体の盗難が多発するという問題がある。たとえば、プリペイドカードに価値付けられる最高額は1万円であったが、計数データ(持玉データ)も記憶することとすると、10万円以上の価値をもつ記録媒体も存在することになり、盗難の危険性が高いといえる。
【0007】
そして、記録媒体(カード)を盗難した人は、遊技店内でカードの精算や景品交換を行って現金を得ようとするので、カードの盗難が発生した場合には、迅速な対処をとる必要がある。しかし、盗難カードの特定には、一般的に時間を要するので、その間に、精算や景品交換による被害を受けてしまう。
【0008】
これらのことから、盗難された記録媒体を迅速に特定することができるとともに、盗難された記録媒体の使用を防止することができる記録媒体管理システムあるいは記録媒体管理方法をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、盗難された記録媒体を迅速に特定することができるとともに、盗難された記録媒体の使用を防止することができる記録媒体管理システムおよび記録媒体管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体を貸し出す台間装置と、前記台間装置以外の記録媒体取扱装置と、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置を管理する管理装置とで前記記録媒体を管理する記録媒体管理システムであって、前記台間装置は、直前に返却した記録媒体の識別子を記憶する識別子記憶手段と、前記直前に返却した記録媒体の問い合わせを受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記問い合わせを受け付けた場合に、前記識別子を前記管理装置へ通知する識別子通知手段とを備え、前記管理装置は、前記台間装置から通知された前記識別子に対応する記録媒体についての処理を停止するように、自装置が管理するすべての前記台間装置およびすべての前記記録媒体取扱装置に対して指示する取扱停止指示手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置は、前記管理装置の前記取扱停止指示手段から指示された前記識別子を有する記録媒体を受け付けた場合に、当該記録媒体の返却を行わないように制限する返却制限手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置は、前記管理装置の前記取扱停止指示手段から指示された前記識別子を有する記録媒体を取り扱っている場合に、当該記録媒体についての処理を禁止する処理禁止手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置は、前記返却制限手段が前記記録媒体の返却制限を行った旨を報知する報知手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置の前記報知手段は、自装置を識別する自装置識別子を前記管理装置へ通知することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記台間装置の前記受付手段は、係員が携帯する携帯端末装置からの所定の指示を前記問い合わせとして受け付けることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記台間装置の前記受付手段は、前記記録媒体取扱装置または前記管理装置からの所定の指示を前記問い合わせとして受け付けることを特徴とする。
【0017】
また、請求項8に係る発明は、上記の発明において、前記台間装置の前記受付手段は、操作部を介して入力された所定のコードを前記問い合わせとして受け付けることを特徴とする。
【0018】
また、請求項9に係る発明は、記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体を貸し出す台間装置と、前記台間装置以外の記録媒体取扱装置と、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置を管理する管理装置とで前記記録媒体を管理する記録媒体管理方法であって、直前に返却した記録媒体の識別子を前記台間装置が記憶する識別子記憶工程と、前記直前に返却した記録媒体の問い合わせを前記台間装置が受け付ける受付工程と、前記受付工程が前記問い合わせを受け付けた場合に、前記識別子を前記台間装置が前記管理装置へ通知する識別子通知工程と、前記台間装置から通知された前記識別子に対応する記録媒体についての処理を停止するように、自装置が管理するすべての前記台間装置およびすべての前記記録媒体取扱装置に対して前記管理装置が指示する取扱停止指示工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、台間装置は、直前に返却した記録媒体の識別子を記憶し、直前に返却した記録媒体の問い合わせを受け付け、問い合わせを受け付けた場合に、識別子を管理装置へ通知し、管理装置は、台間装置から通知された識別子に対応する記録媒体についての処理を停止するように、自装置が管理するすべての台間装置およびすべての記録媒体取扱装置に対して指示することとしたので、盗難された記録媒体を迅速に特定することができるとともに、盗難された記録媒体の使用を防止することができるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項2の発明によれば、台間装置および記録媒体取扱装置は、管理装置から指示された識別子を有する記録媒体を受け付けた場合に、この記録媒体の返却を行わないように制限することとしたので、盗難された記録媒体の使用を防止することができるとともに、盗難された記録媒体を回収することができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項3の発明によれば、台間装置および記録媒体取扱装置は、管理装置から指示された識別子を有する記録媒体を取り扱っている場合に、この記録媒体についての処理を禁止することとしたので、盗難された記録媒体の使用を防止することができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項4の発明によれば、台間装置および記録媒体取扱装置は、記録媒体の返却制限を行った旨を報知することとしたので、盗難された記憶媒体を迅速に回収することができるとともに、盗難された記憶媒体を使用した人物を特定しやすいという効果を奏する。
【0023】
また、請求項5の発明によれば、台間装置および記録媒体取扱装置は、自装置を識別する自装置識別子を管理装置へ通知することとしたので、盗難された記憶媒体を回収した装置を管理装置側で把握することができるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項6の発明によれば、台間装置は、係員が携帯する携帯端末装置からの所定の指示を問い合わせとして受け付けることとしたので、台間装置側で盗難カードの特定を迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項7の発明によれば、台間装置は、記録媒体取扱装置または管理装置からの所定の指示を問い合わせとして受け付けることとしたので、台間装置以外の装置から盗難カードの特定を迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項8の発明によれば、台間装置は、操作部を介して入力された所定のコードを問い合わせとして受け付けることとしたので、台間装置側で盗難カードの特定を簡易かつ迅速に行うことができるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項9の発明によれば、直前に返却した記録媒体の識別子を台間装置が記憶し、直前に返却した記録媒体の問い合わせを台間装置が受け付け、問い合わせを受け付けた場合に、識別子を台間装置が管理装置へ通知し、台間装置から通知された識別子に対応する記録媒体についての処理を停止するように、自装置が管理するすべての台間装置およびすべての記録媒体取扱装置に対して管理装置が指示することとしたので、盗難された記録媒体を迅速に特定することができるとともに、盗難された記録媒体の使用を防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る記録媒体管理手法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る記録媒体管理手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る記録媒体管理手法を適用した記録媒体管理システムについての実施例を図2〜図7を用いて説明することとする。
【0029】
図1は、本発明に係る記録媒体管理手法の概要を示す図である。なお、同図では、記録媒体のことを「カード」と記載している。また、同図に示す管理装置は、カード盗難が発生した台間装置およびその他の台間装置、精算機100や景品交換機200といった記録媒体取扱装置とLAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で接続されており、これらの装置を管理する。
【0030】
ここで、台間装置は、各台計数機能を有しているものであっても有していないものであってもよい。たとえば、各台計数機能を有した台間装置の場合、遊技者の操作によって残度数および計数値(各台計数機能で計数された計数値)を記録した記録媒体(カード)を遊技者へ返却する。そして、カードを返却された遊技者は、カードを精算機100へ挿入することで、残度数に応じた貨幣を受け取る。また、遊技者は、景品交換コーナーへカードを持参し、景品交換機200のカード読み取り装置へカードをかざすことで、計数値に応じた景品を受け取ることになる。
【0031】
同図に示すように、特定の台間装置でカード盗難が発生すると(同図の(0)参照)、カードが盗難された旨を通知された係員は、自身が携帯するリモコン(携帯端末装置)の「仮停止ボタン」を押下するなどして、カード盗難が発生した台間装置に対して最終返却カードの仮停止指示を行う(同図の(1)参照)。ここで、最終返却カードとは、台間装置が、直近に返却したカードのことを指す。
【0032】
リモコン経由で仮停止指示を受けた台間装置は、最終返却カードから読み取っておいたカード識別子を最終返却識別子として管理装置へ送信する(同図の(2)参照)。そして、管理装置は、すべての台間装置、すべての精算機100およびすべての景品交換機200に対して該当カード(最終返却識別子と一致する識別子のカード)の取扱停止指示を送信する(同図の(3)参照)。
【0033】
そして、台間装置、精算機100および景品交換機200は、管理装置から指示された識別子を有するカードの取扱いを停止する。具体的には、管理装置から指示された識別子を有するカードを受け付けるとカードを自装置内で保持して返却を行わず、報知処理等を実行する。そして、該当カードに関する処理をすべて禁止する。具体的には、カードに対する計数値の記録処理、カードを用いた玉貸し処理、カードに関連付けられた計数値に基づく計数玉の払い出し処理、カードの返却処理といった、該当カードに関するすべての処理を禁止する(処理禁止機能)。
【0034】
このように、本発明に係る記録媒体管理手法では、台間装置が、最終返却カードのカード識別子を記憶しておき、係員のリモコンから最終返却カードの仮停止指示を受けると、最終返却識別子を管理装置へ通知することとした。そして、管理装置は、配下の記録媒体取扱装置(台間装置、精算機100および景品交換機200)に対して最終返却識別子を有するカードの取扱停止を指示することとした。
【0035】
したがって、本発明に係る記録媒体管理手法によれば、盗難されたカードを迅速に特定することができるとともに、特定した盗難カードの取扱いを迅速に停止することができる。なお、同図では、係員が携帯するリモコンからの問い合わせに応じて台間装置が最終返却識別子を管理装置へ通知する場合について示したが、最終返却識別子の問い合わせは、管理装置や、他の記録媒体取扱装置(たとえば、景品交換機200)から行うことも可能である。
【0036】
また、本発明に係る記録媒体管理手法は、記録媒体を一意に識別する識別子が記憶されているカードであれば、会員カード、プリペイドカード、一般カード(ビジターカード)の種別を問わず適用対象とすることができる。そして、本発明に係る記録媒体管理手法は、記録媒体に価値付けられる有価価値が高額となりやすい各台計数方式における記録媒体の盗難防止に特に有用である。
【0037】
以下では、図1を用いて説明した記録媒体管理手法を適用した記録媒体管理システムについての実施例を説明する。
【実施例】
【0038】
図2は、本実施例に係る記録媒体管理システム1の構成を示すブロック図である。なお、同図には、代表的な記録媒体取扱装置である台間装置10のみを示しているが、図1に示した精算機100および景品交換機200も、同図に示す台間装置10と同様の処理禁止機能を有するものとする。
【0039】
ここで、台間装置10の概要構成を説明するために、図3を用いて台間装置10の外観について説明しておく。図3は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技機51を破線で示している。また、図3に示した台間装置10は、各台計数機能を備えたものである。
【0040】
図3に示すように、台間装置10は、盗難カードの返却制限を行った場合などに点灯する状態表示部41と、遊技媒体の貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部42と、係員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部43と、ディスプレイおよびテンキーなどの操作キーで構成される表示/操作部44と、持ち玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた持ち玉払出部45と、計数値が記録されたカードを発行するカード発行部46と、持ち玉(獲得玉)を計数する計数部47と、持ち玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部48とを備えている。
【0041】
また、玉貯留部48の前面には、持ち玉(獲得玉)の計数結果などを表示する計数表示部49と、持ち玉を用いた遊技を指示するための持ち玉払出ボタン50とを備えている。台間装置10は、同図の52に示す遊技機51の下皿から持ち玉(獲得玉)を玉貯留部48へ誘導し、計数部47で持ち玉(獲得玉)の数量を計数する。
【0042】
そして、遊技者が、持ち玉払出ボタン50を押下した場合には、持ち玉(獲得玉)を持ち玉払出部45経由で遊技機51へ投出する。なお、持ち玉払出部45は、紙幣挿入部42へ紙幣が挿入され、遊技機51の貸し出しボタンが押下された場合の払い出しも併せて行う。
【0043】
図2の説明に戻り、台間装置10の構成について説明する。台間装置10は、リモコン受光部11(図3の43に対応)と、状態表示部12(図3の41に対応)と、カード保持部13と、カードR/W14と、通信I/F15と、制御部16と、記憶部17とを備えている。
【0044】
そして、制御部16は、問合わせ受付部16aと、識別子通知部16bと、取扱停止指示受付部16cと、処理禁止部16dとをさらに備えており、記憶部17は、最終返却識別子17aと、制限識別子17bとを記憶する。なお、図2では、図3で説明した各構成要素の中から台間装置10の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
【0045】
リモコン受光部11は、係員が携帯するリモコンが発する赤外線などの光を受光し、リモコンからの仮停止指示(すなわち、最終返却カードの識別子の問い合わせ)を、制御部16の問合せ受付部16aへ渡す処理を行う。また、状態表示部12は、LED(Light Emitting Diode)などの発光デバイスで構成され、カード保持部13から盗難カードの処理禁止制限を行った旨を通知された場合に、所定の色で発光するなどして係員に対する報知を行う。
【0046】
カード保持部13は、台間装置10に挿入されたカードを保持する。なお、このカード保持部13は、処理禁止部16dから指示を受けた場合に、挿入されたカードを返却せず、状態表示部12へ返却制限を行った旨を通知する。
【0047】
カードR/W14は、計数部(図3の47参照)によって計数された持ち玉(獲得玉)の計数値を、カード保持部13に保持されたカードへ書き込む処理を行うとともに、カード保持部13がカードを返却する際には、返却したカードのカード識別子を、最終返却識別子17aとして記憶部17へ記憶させる処理を行う。なお、このカードR/W14は、カード保持部13に保持されたカードからカード識別子を読み取り、読み取った識別子を処理禁止部16dへ通知する処理を併せて行う。
【0048】
通信I/F(インターフェース)15は、LANカードなどの通信デバイスで構成され、LANなどのネットワーク経由で、台間装置10/管理装置20間のデータ送受信を行う。
【0049】
制御部16は、リモコン受光部11経由で仮停止指示(最終返却カードの識別子の問い合わせ)を受け取った場合に、最終返却識別子17aを管理装置20へ送信する処理を行う処理部である。また、この制御部16は、管理装置20から取扱停止指示を受信した場合には、カードに対する計数値の記録処理、カードを用いた玉貸し処理、カードに関連付けられた計数値に基づく計数玉の払い出し処理、カードの返却処理といった、該当するカードについての処理を禁止する処理部でもある。
【0050】
問合せ受付部16aは、リモコン受光部11経由で仮停止指示(最終返却カードの識別子の問い合わせ)を受け付けた旨を識別子通知部16bへ出力する処理を行う処理部である。なお、図2では、リモコン受光部11経由で、最終返却カードの識別子の問い合わせを受け付ける場合について示したが、図3に示した表示/操作部44経由で係員によって入力された所定のコードを、最終返却カードの識別子の問い合わせとして受け付けることとしてもよい。また、この問合せ受付部16aが、管理装置20から通信I/F15経由で最終返却カードの識別子の問い合わせを受け付けることとしてもよい。
【0051】
識別子通知部16bは、問合せ受付部16aから、最終返却カードの識別子の問い合わせを受け付けた旨を通知された場合に、記憶部17から最終返却識別子17aを読み出し、読み出した最終返却識別子17aを通信1/F15経由で管理装置20へ通知する処理を行う処理部である。
【0052】
取扱停止指示受付部16cは、管理装置20から通信I/F15経由で取扱停止指示を受け取った場合に、この取扱停止指示に含まれるカード識別子を、制限識別子17bとして記憶部17へ記憶させる処理を行う処理部である。
【0053】
処理禁止部16dは、カードR/W14経由で受け取ったカード識別子と、記憶部17の制限識別子17bとを対比し、両者が一致した場合に、該当するカードに関する処理の禁止を指示する処理を行う処理部である。具体的には、この処理禁止部16dは、カードや管理装置20に対して計数値の記録を行うことの禁止、遊技機51に対する玉貸し処理の禁止、カードに対して計数値が価値付けられている場合における計数値を用いた計数玉払い出しの禁止、カード保持部13に対するカード返却の禁止、といった該当するカードについての処理の禁止を指示する。
【0054】
記憶部17は、メモリやハードディスク装置といった記憶デバイスで構成される記憶部であり、最終返却識別子17aおよび制限識別子17bを記憶する。最終返却識別子17aは、カード保持部13が直近に返却したカードのカード識別子であり、カード返却のたびにカードR/W14によって更新される。
【0055】
制限識別子17bは、管理装置20からの取扱停止指示に係るカード識別子であり、取扱停止指示受付部16cによって記憶部17へ登録される。なお、この制限識別子17bには、複数のカード識別子を含めることとしてもよい。
【0056】
次に、管理装置20の構成について説明する。管理装置20は、通信I/F21と、制御部22と、を備えている。なお、同図では、管理装置20の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
【0057】
通信I/F21は、LANカードなどの通信デバイスで構成され、ネットワーク経由で、管理装置20/台間装置10間のデータ送受信を行う。制御部22は、カード盗難が発生した台間装置10から最終返却識別子17aを受け取る処理を行うとともに、受け取った最終返却識別子17aのカードの取扱いを停止するように、すべての台間装置10、すべての精算機100およびすべての景品交換機200に対して指示する処理を行う処理部である。
【0058】
識別子受信部22aは、通信I/F21経由でカード盗難が発生した台間装置10から最終返却識別子17aを受信し、受信した最終返却識別子17aを取扱停止指示送信部22bへ通知する処理を行う処理部である。また、取扱停止指示送信部22bは、識別子受信部22aから受け取った最終返却識別子17aを含んだ取扱停止指示を、台間装置10、精算機100および景品交換機200といった記憶媒体取扱装置へ通信I/F21経由で送信する処理を行う処理部である。
【0059】
なお、図2では、盗難カードを返却制限する装置の例として台間装置10を示したが、精算機100あるいは景品交換機200が返却制限を行う場合には、台間装置10の処理禁止機能に対応する構成要素を備えることとすればよい。
【0060】
具体的には、精算機100あるいは景品交換機200が、状態表示部12、カード保持部13、カードR/W14、通信I/F15、取扱停止指示受付部16c、処理禁止部16dおよび記憶部17を備えることとし、記憶部17に制限識別子17bを記憶することとすればよい。なお、精算機100であれば、精算処理の禁止処理などを、景品交換機200であれば、景品交換や貯玉の禁止処理などを、それぞれ行う。
【0061】
次に、記録媒体管理システム1を構成する各装置が実行する処理手順について図4を用いて説明する。図4は、記録媒体管理システム1を構成する各装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、同図では、管理装置20から取扱停止指示を受ける記録媒体取扱装置の例として台間装置10を示しているが、他の記録媒体取扱装置、たとえば、精算機100あるいは景品交換機200も同様の処理を行うものとする。
【0062】
同図に示すように、カードの盗難が発生した台間装置10では、係員が携帯するリモコンからの仮停止指示をリモコン受光部11経由で問合せ受付部16aが受信する(ステップS101)。そして、識別子通知部16bが、記憶部17に記憶されている最終返却識別子17aを含んだ仮停止に係る情報を管理装置20へ送信する(ステップS102)。
【0063】
管理装置20では、盗難が発生した台間装置10から最終返却識別子17aを識別子受信部22aが受信し(ステップS103)、取扱停止指示送信部22bが、ステップS103で受信した最終返却識別子17aを含んだ取扱停止指示を各記録媒体取扱装置へ送信する(ステップS104)。
【0064】
そして、すべての台間装置10では、取扱停止指示受付部16cが、かかる取扱停止指示を受信し(ステップS105)、取扱停止指示に含まれるカード識別子を制限識別子17bとして記憶部17へ登録する(ステップS106)。
【0065】
つづいて、処理禁止部16dは、制限識別子17bと一致するカードを受け付けたか否かを判定し(ステップS107)、制限識別子17bと一致するカードを受け付けた場合には(ステップS107,Yes)、該当するカードに関する処理を行わないようにカード保持部13へ指示する(ステップS108)。具体的には、該当するカードに対する計数値の記録処理、カードを用いた玉貸し処理、カードに関連付けられた計数値に基づく計数玉の払い出し処理、カード返却の禁止といった、該当するカードについての処理の禁止を指示する。
【0066】
そして、自装置識別子を管理装置20へ通知するとともに(ステップS109)、状態表示部12を所定の色で点灯させるなどの報知処理を行い(ステップS110)、処理を終了する。また、管理装置20では、カードの返却制限を行った台間装置10の自装置識別子を受信して(ステップS111)処理を終了する。
【0067】
ところで、図4では、台間装置10が、リモコン経由で仮停止指示(最終返却識別子17aの問い合わせ)を受ける場合について示したが、図3に示した表示/操作部44経由で仮停止指示(最終返却識別子17aの問い合わせ)を受けることとしてもよい。
【0068】
図5は、表示/操作部44経由で最終返却識別子17aの問い合わせを行う場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、図4に示したステップS105〜ステップS111の手順については、同様の手順であるので記載を省略している。ここで、図4に示したステップS105〜ステップS111の手順は、図5に示したS204につづいて実行されることになる。
【0069】
図5に示すように、カード盗難が発生した台間装置10では、係員が、表示/操作部44の操作部から専用コードを入力する(ステップS201)。ここで、専用コードとは、遊技者は知らない係員専用のコードであり、最終返却識別子17aを問い合わせる旨の番号などのコードである。
【0070】
つづいて、識別子通知部16bが、記憶部17に記憶されている最終返却識別子17aを管理装置20へ送信し(ステップS202)、処理を終了する。管理装置20では、盗難が発生した台間装置10から最終返却識別子17aを識別子受信部22aが受信し(ステップS203)、取扱停止指示送信部22bが、ステップS203で受信した最終返却識別子17aを含んだ取扱停止指示を各記録媒体取扱装置へ送信し(ステップS204)、処理を終了する。
【0071】
ところで、図4および図5では、カード盗難が発生した台間装置10で、係員が最終返却識別子17aの問い合わせを行う場合について示したが、台間装置10以外の装置、たとえば、管理装置20から、カード盗難が発生した台間装置10へ問い合わせを行うこととしてもよい。そこで、以下では、管理装置20が、台間装置10へ最終返却識別子17aの問い合わせを行う場合について、図6および図7を用いて説明する。
【0072】
図6は、管理装置20経由で最終返却識別子17aの問い合わせを行う場合の概要を示す図である。なお、同図に示す台間装置10aで、カード盗難が発生したものとする(同図の(0)参照)。また、同図に示す台間装置10bは、すべての台間装置10(カード盗難が発生した台間装置10aを含む)のことを示すものとする。
【0073】
管理装置20では、図示しない入力装置経由で、盗難が発生した遊技台番号を入力する(同図の(1)参照)。なお、管理装置20では、遊技台番号でカード盗難が発生した台間装置10aを特定できるように管理されているものとする。
【0074】
管理装置20は、特定した台間装置10aに対して最終返却識別子17aの問い合わせを行い(同図の(2)参照)、台間装置10aは、最終返却識別子17aを管理装置20へ送信する(同図の(3)参照)。そして、管理装置20は、すべての台間装置10b、すべての精算機100およびすべての景品交換機200に対して該当カード(最終返却識別子と一致する識別子のカード)の取扱停止指示を送信する(同図の(4)参照)。
【0075】
そして、台間装置10b、精算機100および景品交換機200は、管理装置20から指示された識別子を有するカードの取扱いを停止する。
【0076】
次に、管理装置20経由で最終返却識別子17aの問い合わせを行う場合の処理手順について図7を用いて説明する。図7は、管理装置20経由で最終返却識別子17aの問い合わせを行う場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、図4に示したステップS105〜ステップS111の手順については、同様の手順であるので記載を省略している。ここで、図4に示したステップS105〜ステップS111の手順は、図7に示したS306につづいて実行されることになる。
【0077】
図7に示すように、管理装置20で盗難が発生した遊技台番号が入力されると(ステップS301)、該当する台間装置(図6に示した台間装置10a)に対して最終返却識別子17aの問い合わせが行われる(ステップS302)。
【0078】
盗難が発生した台間装置10aでは、問合わせ受付部16aが、管理装置20の問い合わせを受信したならば(ステップS303)、識別子通知部16bが、記憶部17に記憶されている最終返却識別子17aを管理装置20へ送信し(ステップS304)、処理を終了する。
【0079】
つづいて、管理装置20では、識別子受信部22aが、盗難が発生した台間装置10aから最終返却識別子17aを受信する(ステップS305)。そして、取扱停止指示送信部22bが、ステップS305で受信した最終返却識別子17aを含んだ取扱停止指示を各記録媒体取扱装置へ送信し(ステップS306)、処理を終了する。
【0080】
上述してきたように、本実施例においては、台間装置では、記憶部が、直前に返却した記録媒体の識別子を記憶し、問合せ受付部が、直前に返却した記録媒体の問い合わせを受け付け、問い合わせを受け付けた場合に、識別子通知部が、識別子を管理装置へ通知するように構成した。また、管理装置では、取扱停止指示送信部が、台間装置から通知された識別子に対応する記録媒体の取扱いを停止するように、自装置が管理するすべての台間装置およびすべての記録媒体取扱装置に対して指示するように構成した。したがって、盗難された記録媒体を迅速に特定することができるとともに、盗難された記録媒体の使用を防止することができる。
【0081】
なお、上述した実施例では、管理装置から取扱停止指示を受けた各記録媒体取扱装置(たとえば、台間装置、精算機および景品交換機)は、該当するカード(記録媒体)を受け付けた場合に、このカードについての処理を禁止する旨を説明したが、その際に、カードを保持したままエラーダウンし、報知処理および管理装置への通知処理を実行することとしてもよい。また、処理を遅滞させることで時間稼ぎをすることとしてもよい。ここで、処理を遅滞させるためには、処理と処理とのインターバルを長くしたり、各処理の処理速度自体を遅滞させたりすることとすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明に係る記録媒体管理システムおよび記録媒体管理方法は、有価価値が価値付けられた記憶媒体の盗難防止に有用であり、特に、各台計数方式を採用した場合における記憶媒体の盗難防止に適している。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る記録媒体管理手法の概要を示す図である。
【図2】本実施例に係る記録媒体管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】台間装置の外観図である。
【図4】記録媒体管理システムを構成する各装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図5】表示/操作部経由で最終返却識別子の問い合わせを行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】管理装置経由で最終返却識別子の問い合わせを行う場合の概要を示す図である。
【図7】管理装置経由で最終返却識別子の問い合わせを行う場合の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 記録媒体管理システム
10、10a、10b 台間装置
11 リモコン受光部
12 状態表示部
13 カード保持部
14 カードR/W
15 通信I/F
16 制御部
16a 問合せ受付部
16b 識別子通知部
16c 取扱停止指示受付部
16d 処理禁止部
17 記憶部
17a 最終返却識別子
17b 制限識別子
20 管理装置
21 通信I/F
22 制御部
22a 識別子受信部
22b 取扱停止指示送信部
41 状態表示部
42 紙幣挿入部
43 リモコン受光部
44 表示/操作部
45 持ち玉払出部
46 カード発行部
47 計数部
48 玉貯留部
49 計数表示部
50 持ち玉払出ボタン
51 遊技機
100 精算機
200 景品交換機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体を貸し出す台間装置と、前記台間装置以外の記録媒体取扱装置と、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置を管理する管理装置とで前記記録媒体を管理する記録媒体管理システムであって、
前記台間装置は、
直前に返却した記録媒体の識別子を記憶する識別子記憶手段と、
前記直前に返却した記録媒体の問い合わせを受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記問い合わせを受け付けた場合に、前記識別子を前記管理装置へ通知する識別子通知手段と
を備え、
前記管理装置は、
前記台間装置から通知された前記識別子に対応する記録媒体についての処理を停止するように、自装置が管理するすべての前記台間装置およびすべての前記記録媒体取扱装置に対して指示する取扱停止指示手段
を備えたことを特徴とする記録媒体管理システム。
【請求項2】
前記台間装置および前記記録媒体取扱装置は、
前記管理装置の前記取扱停止指示手段から指示された前記識別子を有する記録媒体を受け付けた場合に、当該記録媒体の返却を行わないように制限する返却制限手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体管理システム。
【請求項3】
前記台間装置および前記記録媒体取扱装置は、
前記管理装置の前記取扱停止指示手段から指示された前記識別子を有する記録媒体を取り扱っている場合に、当該記録媒体についての処理を禁止する処理禁止手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体管理システム。
【請求項4】
前記台間装置および前記記録媒体取扱装置は、
前記返却制限手段が前記記録媒体の返却制限を行った旨を報知する報知手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の記録媒体管理システム。
【請求項5】
前記台間装置および前記記録媒体取扱装置の前記報知手段は、
自装置を識別する自装置識別子を前記管理装置へ通知することを特徴とする請求項4に記載の記録媒体管理システム。
【請求項6】
前記台間装置の前記受付手段は、
係員が携帯する携帯端末装置からの所定の指示を前記問い合わせとして受け付けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の記録媒体管理システム。
【請求項7】
前記台間装置の前記受付手段は、
前記記録媒体取扱装置または前記管理装置からの所定の指示を前記問い合わせとして受け付けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の記録媒体管理システム。
【請求項8】
前記台間装置の前記受付手段は、
操作部を介して入力された所定のコードを前記問い合わせとして受け付けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の記録媒体管理システム。
【請求項9】
記録媒体に関連付けられた有価価値に基づいて遊技媒体を貸し出す台間装置と、前記台間装置以外の記録媒体取扱装置と、前記台間装置および前記記録媒体取扱装置を管理する管理装置とで前記記録媒体を管理する記録媒体管理方法であって、
直前に返却した記録媒体の識別子を前記台間装置が記憶する識別子記憶工程と、
前記直前に返却した記録媒体の問い合わせを前記台間装置が受け付ける受付工程と、
前記受付工程が前記問い合わせを受け付けた場合に、前記識別子を前記台間装置が前記管理装置へ通知する識別子通知工程と、
前記台間装置から通知された前記識別子に対応する記録媒体についての処理を停止するように、自装置が管理するすべての前記台間装置およびすべての前記記録媒体取扱装置に対して前記管理装置が指示する取扱停止指示工程と
を含んだことを特徴とする記録媒体管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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