説明

記録装置のキャリッジ位置初期化方法、記録装置、及びその制御プログラム

【課題】シリアル型記録装置でキャリッジを位置決め部材に突き当てて行うキャリッジ位置初期化動作を大きな衝突音を出さずに行えるようにする。
【解決手段】電源投入後最初の初期化動作では先ずキャリッジを待機位置303からA方向にシャーシ側板114aに突き当たって位置302に位置決めされるまで移動させる。次にB方向に側板114bに突き当たって基準位置301に位置決めされるまで移動させ位置決めと同時にキャリッジ位置情報を初期化する。この間、位置304よりB方向側でキャップスライダの連動で負荷が増大しキャリッジが停止したら、モータのパワーを移動が再開されるまで増大させ、側板114bに突き当たった時のパワーの大きさを記憶する。2回目以降の初期化動作では、キャリッジを記憶した大きさのパワーで待機位置303からB方向に移動させ側板114bに突き当てて初期化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させて記録媒体に画像を記録するシリアル型の記録装置において、キャリッジ位置の初期化を行うキャリッジ位置初期化方法、その初期化動作を行う記録装置、及びその初期化動作を行うための記録装置の制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シリアル型の記録装置において、リニアエンコーダなどにより記録ヘッドのキャリッジの位置を検出し、その検出情報に基づいてキャリッジ位置を制御し、管理する構成が採用されている。このような記録装置では、一般的に、装置の電源が投入されたとき、及び待機状態から記録動作を開始するときにキャリッジ位置の初期化動作を行う。これは、電源オフによりカウンタやメモリなどに保持したキャリッジ位置情報が失われるからである。また、待機状態でも省電力モードとされてキャリッジ位置情報が失われるからである。さらに、たとえ待機状態に入ったときのキャリッジ位置情報を不揮発性メモリなどに保存するようにしても、待機中の振動などによりキャリッジ位置がずれてしまうことがあるためである。
【0003】
キャリッジ位置の初期化動作では、キャリッジを移動させて所定の基準位置に位置させると同時に、エンコーダなどにより検出されるキャリッジ位置情報を基準位置に対応した情報に初期化する。キャリッジ位置情報は、例えばキャリッジの移動に伴なってリニアエンコーダのスケールのスリット数をカウントしたカウント数として得られ、例えば0に初期化される。
【0004】
この初期化のために、キャリッジの移動範囲内の所定位置にセンサを設け、移動するキャリッジをセンサが検出した瞬間のキャリッジ位置を基準位置として初期化を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では初期化のためにセンサを設ける必要があり、その分だけコストアップとなる。
【0005】
また、このコストアップを避けるために上記のセンサを用いない方法もある。例えば、記録装置本体のシャーシにおいてキャリッジ移動方向の一方の側板を基準位置用の位置決め部材とし、キャリッジをその側板に突き当てることにより基準位置に位置決めして初期化を行う方法が一般的である。
【特許文献1】特開平9−1887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリアル型の記録装置では、キャリッジの移動範囲内でキャリッジの移動の負荷を急激に増大させる要因となるものが設けられる場合がある。例えばインクジェット記録装置において、記録ヘッドのキャッピングなどを行うヘッドメンテナンス機構がキャリッジの移動範囲の一方の端部の近傍に設けられ、この機構がキャリッジに係合し連動して動作するように構成された装置がある。この場合、ヘッドメンテナンス機構の係合、連動によりキャリッジの移動に対する負荷が急激に増大する。
【0007】
このような記録装置でキャリッジをシャーシの側板に突き当ててキャリッジ位置の初期化を行う方法を採用すると問題がある。すなわち、キャリッジの移動に対する上記負荷要因による負荷増大をシャーシ側板に突き当たったものと取り違え、基準位置を誤検知してしまう場合がある。
【0008】
また、この誤検知を避けるため、上記負荷要因による負荷に打ち勝つために強いパワーでキャリッジモータを駆動する方法がある。しかし、この方法では、キャリッジが強いパワーでシャーシに突き当たった瞬間に大きな衝突音が発生するという問題があった。
【0009】
さらに、これを回避するために、ヘッドメンテナンス機構などの負荷要因がある側のシャーシ側板と反対側のシャーシ側板に突き当てて初期化を行う方法がある。しかし、通常、電源オフ時や待機時にはキャリッジはヘッドメンテナンス機構上にある。このため、この方法では、電源投入時、及び待機状態から記録開始のたびに行う初期化動作のそれぞれでキャリッジをシャーシの側板に突き当てるまでの移動時間がかかってしまう。すなわち、キャリッジ位置の初期化を行うごとに時間がかかってしまい、記録装置のスループットが低下してしまうという問題があった。
【0010】
そこで本発明の課題は、シリアル型の記録装置においてキャリッジを位置決め部材に突き当てて行うキャリッジ位置初期化動作を大きな衝突音を出さずに行えるようにすることにある。また、記録装置のスループットを向上できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明(請求項1)は、
記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させて記録媒体に画像を記録する(シリアル型の)記録装置において、キャリッジを移動範囲の一端の基準位置に位置決めすると同時にキャリッジ位置情報を初期化するキャリッジ位置初期化方法であって、
記録装置の電源投入後で最初のキャリッジ位置初期化動作では、
キャリッジを移動範囲内の所定の待機位置から移動範囲の前記基準位置と反対側の端に設けられた第1の位置決め部材に突き当たって所定位置に位置決めされるまで一方向に移動させる第1の工程と、
該第1の工程後にキャリッジを移動範囲の前記基準位置側の端に設けられた第2の位置決め部材に突き当たって基準位置に位置決めされるまで前記一方向の逆方向に移動させ、位置決めと同時にキャリッジ位置情報を初期化する第2の工程を実行し、
該第2の工程において、キャリッジが前記第2の位置決め部材に突き当たる前に負荷の増大によって停止したら、キャリッジを移動させる駆動手段のパワーをキャリッジの移動が再開されるまで増大させ、キャリッジが第2の位置決め部材に突き当たったときの前記パワーの大きさを記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明(請求項2)は、
記録装置の電源投入後で2回目以降のキャリッジ位置初期化動作では、
キャリッジを前記待機位置から前記第2の位置決め部材に突き当たって基準位置に位置決めされるまで、前記記憶手段に記憶した大きさのパワーで前記逆方向に移動させ、位置決めと同時にキャリッジ位置情報を初期化する第3の工程を実行することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明(請求項3)では、シリアル型の記録装置において、上記本発明(請求項1,2)によるキャリッジ位置初期化方法でキャリッジ位置初期化動作を行うように構成されたことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明(請求項4)では、
シリアル型の記録装置においてキャリッジ位置初期動作を行うための制御プログラムであって、上記本発明(請求項1,2)によるキャリッジ位置初期化方法でキャリッジ位置初期化動作を行うための制御手順を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明(請求項1)によれば、記録装置の電源投入後で最初のキャリッジ位置初期化動作において、キャリッジを第2の位置決め部材に突き当てて基準位置に位置決めし、キャリッジ位置情報を初期化するときに、キャリッジの駆動手段のパワーの大きさを必要最小限にして、大きな衝突音が出ないようにすることができる。また、そのときのパワーの大きさを記憶することにより、それを2回目以降の初期化動作に利用することができる。
【0016】
また、本発明(請求項2)によれば、2回目以降の初期化動作において、上記の記憶した必要最小限の大きさの駆動手段のパワーでキャリッジを第2の位置決め部材に突き当てて初期化することができ、突き当て時に大きな衝突音が出ないようにすることができる。また、待機位置から突き当て位置(基準位置)までのキャリッジの移動距離を短くして、初期化動作を短時間で行うことができ、記録装置のスループットを向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付した図を参照して、本発明を実施するための最良の形態の実施例を説明する。ここでは、シリアル型で、キャリッジに係合し連動するヘッドメンテナンス機構を備えたインクジェットプリンタにおける実施例を示す。なお、以下の説明において「印字」は、本来の意味である文字画像の記録のみならず文字画像以外の画像の記録も含むものとする。
【実施例】
【0018】
図1は本発明の実施例におけるインクジェットプリンタの全体の機械的構成を概略的に示す斜視図である。
【0019】
図1において、101はインクタンクを備え、インク液滴を噴射する複数のノズルが設けられた記録ヘッドである。例えば、600DPIに対応した密度で160ノズルが設けられたブラックヘッドと、前記密度でイエロー、マゼンタ、シアンの各色ごとに48ノズルずつ設けられたカラーヘッドの2ヘッドで構成される。
【0020】
102は、記録ヘッド101を搭載して往復移動するキャリッジである。キャリッジ102は、主走査方向に沿って架設されたガイドシャフト103上に摺動可能に設けられている。ガイドシャフト103の両端はプリンタ本体のシャーシ114の左右の側板114a,114bに固定されている。キャリッジ102に結合されたベルト104を介して、キャリッジ駆動手段であるキャリッジモータ(DCモータ)105の動力がキャリッジ102に伝達される。そしてモータ105を正転方向と逆転方向に回転させることにより、キャリッジ102が主走査方向に沿った矢印A,B方向に往復移動する。正転方向がA方向、逆転方向がB方向に対応するものとする。
【0021】
キャリッジ102上にはエンコーダセンサ121が装着されている。また、シャーシ114上には、スリットを微小な一定間隔で多数形成したエンコーダスケール122が設けられている。センサ121でスケール122のスリットを検知し、キャリッジ102の移動に伴って検知されるスリットの数をカウントすることでキャリッジ102の位置情報が得られる。すなわち、キャリッジ102の基準位置でのスリット数のカウントを例えば0とする。そして、キャリッジ102のA方向への移動時には検知されるスリットの数をカウントアップし、B方向への移動時にはカウントダウンすることでキャリッジ位置情報がスリットのカウント数として得られる。そのカウントを行うために、後述する図2中のモータコントローラ206にスリット数カウンタ206aが設けられている。
【0022】
また、106は給紙ベースであり、この上に印字用紙115が複数枚重ねてセットされる。印字開始時には、ピックアップモータ130の駆動によりピックアップローラ133が回転する。これにより給紙ベース106上の印字用紙115の1番上の1枚が分離されて給紙される。この給紙の際に、印字用紙の頭だし量を制御する為に不図示のペーパーエンドセンサがピンチローラ111の下側に設けられている。ピックアップローラ133の軸に取り付けられたコードホイール(ロータリーエンコーダフィルム)131の不図示のスリットをエンコーダーセンサ132で検知し、回転量に応じたスリット数をカウントする。このための不図示のスリット数カウンタもモータコントローラ206に設けられている。これにより、給紙される印字用紙115の搬送量の情報が得られ、それに基づいて搬送量が管理される。
【0023】
給紙された印字用紙115を更にプラテン112の上面に沿って搬送するため、DCモータからなる用紙搬送モータ107が駆動される。その動力により、モータギア108と搬送ローラギア109を介して搬送ローラ110が回転する。搬送ローラ110には不図示のピンチローラばねによりピンチローラ111が圧接し、搬送ローラ110に従動して回転する。この搬送ローラ110とピンチローラ111により印字用紙115が適切な搬送量だけ搬送される。搬送ローラ109にはコードホイール116が取り付けられている。このホイール116の不図示のスリットをエンコーダセンサ117で検知し、回転量に応じたスリット数をカウントする。このための不図示のカウンタもモータコントローラ206に設けられている。これにより、搬送ローラ110の回転による印字用紙115の搬送量の情報が得られる。この情報に基づいて搬送量を管理して高精度送りを可能としている。
【0024】
印字時には、まず印字用紙115が1枚給紙され、先端部がプラテン112上に位置するまで搬送される。続いて、キャリッジ102が駆動され主走査方向に沿ってA方向とB方向に往復移動すると共に、記録ヘッド101が印字データに従って駆動され、ノズルからインク液滴を吐出する。これにより、印字用紙115に1バンド分の印字がなされる。その印字が終了したら、印字用紙が1バンド分に対応した所定の搬送量だけ副走査方向に沿って搬送される。これを繰り返して順次1バンド分ずつ印字がなされる。そして1頁分の印字が終了したら、排紙ローラ113の駆動により、印字済みの印字用紙115が排出される。
【0025】
なお、図1には示していないが、図4.a及び図4.bに示すヘッドメンテナンス機構を構成するキャップスライダ400がキャリッジ102の移動範囲の図1中で右端部の下側に設けられる。
【0026】
キャップスライダ400は、キャリッジ102の移動範囲の右端部に対応した狭い移動範囲内でキャリッジ102の移動方向の矢印A方向とB方向の両方向に移動可能に設けられている。図4.aは、キャップスライダ400がその移動範囲のA方向の端に位置している状態を示している。また、キャップスライダ400はキャップ404,405とワイパーブレード410を備えている。そして、キャップ404,405により、記録ヘッド101のノズルが形成されたノズル面を覆って保護するキャッピングを行う。また、ワイパーブレード410によりノズル面を拭ってクリーニングするワイピングを行なう。また、キャップスライダ400には、嵌合ピン406,407と、ローラ408,409が設けられている。ローラ408,409は、不図示のバネの力により、装置本体のベース上に設けられたカム部411に押し付けられている。
【0027】
図2は実施例のプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。図2において、CPU201は、ROM202に格納された制御プログラムを実行し、各種の処理を行い、プリンタの各部を制御して印字動作やキャリッジ位置初期化動作などを行わせる。具体的には、不図示のホスト装置からプリンタに転送されるコマンドの解析、及び印刷データに基づく印字データの生成を行う。また、操作パネル208からの入力に応じた各種の設定を行う。また、図1中の各モータ105,107,130の駆動制御や、記録ヘッド101の駆動制御(インク吐出制御)を行う。
【0028】
ROM202は、プリンタの制御プログラム、各種データ、及び印字データ生成のために使用するフォントデータ等が格納されている。各種データは、そのまま初期値として使用されるものと、RAM203に展開されCPU201により加工されて使用されるものがある。フォントデータは、印刷データにより指定されたフォントデータがCPU201により読み出され、RAM203上で指定された修飾方法で修飾して展開されて印字データとして生成される。印刷データに含まれるイメージデータの場合も同様にCPU201によって読み込まれ、RAM203上で指定された印字位置に展開され印字データとして使用される。
【0029】
また、RAM203は、CPU201のプログラム実行に必要なワークメモリ、及びI/F(インターフェース)204からの入力データの一時格納場所(受信バッファ)としても使用される。
【0030】
I/F204は不図示のホスト装置と接続されて通信を行い、印刷データやプリント指示コマンド等のデータを受信するためのものである。I/F204は、例えばIEEE−1284に準拠した電気的仕様で双方向通信が可能なものとし、ホスト装置からのデータを受信するだけでなく、プリンタの状態をホストに送信できるものとする。
【0031】
EEPROM205は、プリンタの設定状態のデータを保管すると共に、印刷枚数やインク残量などの他のデータも保管する。プリンタの設定状態のデータは、フォント種別、対応用紙、及び自動電源オン/オフなどの機能項目等のデータである。
【0032】
モータコントローラ206は、CPU201の指示に従って図1中のキャリッジモータ105、用紙搬送モータ107及びピックアップモータ130の駆動を制御する。印字時には、まずピックアップモータ130を駆動し、給紙ベース106上から1枚の印字用紙115を給紙させる。そして用紙搬送モータ107の駆動により印字用紙の搬送がなされる所定位置まで搬送させる。続いて、キャリッジモータ105と用紙搬送モータ107を交互に駆動する。これによりキャリッジ102の主走査方向に沿った往復移動と印字用紙115の1バンド分の所定量の紙送り動作を交互に行わせる。
【0033】
また、モータコントローラ206は、特にDCモータからなるキャリッジモータ105について、CPU201からの駆動制御データに従ってPWM(パルス幅変調)制御で駆動する。すなわち、CPU201はモータ105の制御データとして、正転、逆転の回転方向と共に、モータ105の駆動信号のパルスのパルス幅、すなわちデューティー比のデータをモータコントローラ206に出力する。モータコントローラ206は、その制御データによる回転方向とデューティー比でモータ105を駆動する。そのデューティー比を大きくするほどモータ105のパワーを大きくすることができる。
【0034】
また、モータコントローラ206には、先述したスリット数カウンタ206aと2つの不図示のスリット数カウンタが設けられている。これらのカウンタのカウント値に基づいて、キャリッジモータ105、用紙搬送モータ107及びピックアップモータ130の駆動が制御される。
【0035】
記録ヘッドコントローラ207は、CPU201からの指示に従って記録ヘッド101の駆動を制御し、記録ヘッド101の各ノズルからインク液滴を吐出させる。記録ヘッド101がバブルジェット(登録商標)方式の場合、各ノズルに設けられる発熱体への駆動信号(ヒートパルス)の印加を制御する。また、記録ヘッド101のメンテナンスのための予備吐出の処理や、記録ヘッド101のインクタンク内のインク量検知などの処理を行う。
【0036】
操作パネル208は、プリンタ本体上部に設けられ、電源キーと、回復、テストプリント、エラーからの回復を指定するリジュームキーなどの各種のキーと、データ受信、電源状態などを表示するLEDなどの表示手段を備えている。
【0037】
以上の各部は、データを転送するためのデータバス及びアドレスバスからなるバスライン209を介して互いに接続される。
【0038】
次に、キャリッジ位置の初期化動作に関連したキャリッジ102とシャーシ114の側板114a、114b及びキャップスライダ400の位置関係を図3及び図4により説明する。なお、本実施例では、エンコーダスケール122のスリット間隔に対応したエンコーダセンサ121の解像度は一例として150DPIとする。キャリッジ位置情報は、前記解像度に対応するスリット間隔の距離を単位とするスリット数に応じた距離に基づいて、基準位置からのスリット数で示され管理されるものとする。以下では、そのスリット数を符号「slit」を付した数字で示す。
【0039】
本実施例では、図3に示すガイドシャフト103の両端を固定したシャーシの左右の側板114a,114bを位置決め部材として用い、キャリッジ102をこれらに突き当てて位置決めする。301〜304は初期化動作に関連したキャリッジ102の位置を示している。301は、キャリッジ102を右側の側板114bに突き当てて位置決めしたときの位置であり、これをキャリッジ102の基準位置とし、0slitの位置とする。302は反対側(左側)の側板114aに突き当てて位置決めしたときの所定位置である。位置301,302間の距離D1を一例として13インチ(約330mm)、すなわち1950slit分の距離として、位置302は1950slitの位置となる。
【0040】
位置303は、キャリッジ102がキャップスライダ400と図4.bに示す位置関係になる位置である。すなわち、キャップ404,405が記録ヘッド101のノズル面を覆うキャッピングを行って記録ヘッド101が保護されるキャッピング位置である。そして、この位置303は、記録装置の電源オフ時、及び非印字動作時の待機状態でキャリッジ102が位置させられる待機位置でもある。基準位置301からこの位置303までの距離D2は例えば55slitとする。
【0041】
位置304は、キャリッジ102がキャップスライダ400と図4.aに示す位置関係になる位置である。すなわちキャリッジ102がB方向に移動している場合にキャップスライダ400の突き当て部403に接触するスライダ接触位置である。基準位置301からこの位置304までの距離D3は例えば85slitとする。
【0042】
キャリッジ102がスライダ接触位置304よりB方向に移動すると、それに連動してキャップスライダ400はB方向に移動する。それと共に、カム部411上を転動するローラ408,409がカム部411の坂を上がってキャップスライダ400が持ち上げられる。そして位置303に達すると図4.bの状態になる。この状態では、嵌合ピン406,407がキャリッジ102の嵌合部に嵌合してキャリッジ102とキャップスライダ400がロックされる。また、キャップ404,405が記録ヘッド103のノズル面をキャッピングして保護した状態となる。
【0043】
なお、キャリッジ102が位置304よりB方向に移動すると、キャップスライダ400が係合し連動することでキャリッジ102の移動の負荷が増大する。このため、印字中のキャリッジ102の往復移動は、位置304よりA方向側の領域で行われる。
【0044】
また、キャリッジ102を図4.bの状態(図3中の位置303)からA方向に移動すると、キャップスライダ400が同方向に移動する。これに伴ってローラ408,409がカム部411の坂を下ってキャップスライダ400が下降する。そしてキャリッジ102とキャップスライダ400の係合が外れ、キャリッジ102は図4.aの位置(位置304)でキャップスライダ400を残して、フリーな状態でA方向に移動できる。なお、この間に記録ヘッド103のノズル面がワイパーブレード410により拭われてクリーニングされる。
【0045】
位置302,304間の移動領域では、キャリッジ102の移動に対して特別な負荷はかからず、負荷は小さい。キャリッジ102を位置304よりB方向へ移動するとキャップスライダ400により負荷が増大する。位置303,304間では、A方向に移動するときの負荷はB方向へ移動するときの負荷に比べてかなり小さいものとする。
【0046】
次に、本実施例のプリンタにおけるキャリッジ位置初期化動作の概略を図3により説明する。
【0047】
本実施例のプリンタでは、電源が投入された直後と、非印字動作時の待機状態(省電力モード)から印字動作を開始するときにキャリッジ位置初期化動作を行う。電源オフ状態と待機状態では、キャリッジ102は図3中の待機位置(キャッピング位置)303にある。
【0048】
電源投入直後に行われる初期化動作、すなわち電源投入後で最初(1回目)の初期化動作は以下のように行う。
【0049】
まずキャリッジ102を待機位置303からA方向に側板114aに突き当たって位置決めされる位置302まで移動させる。この間は、キャリッジ102の移動に対する負荷は小さい。このため、この間のキャリッジモータ105のパワーの大きさは、その小さな負荷に対してキャリッジ102を安定して移動できる比較的小さな一定の大きさとする。このためキャリッジモータ105を駆動するモータコントローラ206が出力する駆動信号のパルス幅、すなわちデューティー比を前記一定のパワーの大きさに対応した一定値(以下では、一例として35%)にする。この値は設計段階で適当に設定する。
【0050】
次に、キャリッジ102を位置302から基準位置301に向かってB方向へ前記一定の大きさのパワーで移動させる。ここでキャリッジ102が位置304よりB方向側の領域まで移動すると、キャップスライダ400の係合、連動により負荷が増大する。これにより、キャリッジ102が停止したら、キャリッジモータ105のパワーをキャリッジ102の移動が再開されるまで増大させる。このために、キャリッジモータ105の駆動パルスのデューティー比を例えば1mSec経過する毎に5%ずつアップする。これにより、キャリッジ102が移動を再開し、側板114bに突き当たって基準位置301に位置決めされる。このときのキャリッジモータ102のパワーの大きさに対応する駆動パルスのデューティー比をEEPROM205などに記憶する。そして、キャリッジ位置情報を示すスリット数カウンタ206aのカウント数を基準位置に対応した0に初期化して初期化動作を終了する。
【0051】
また、待機状態から印字動作を開始するとき行うキャリッジ位置初期化動作、すなわち電源投入後で2回目以降の初期化動作は以下のように行う。
【0052】
すなわち、キャリッジ102を待機位置303からB方向に側板114bに向かって移動させる。このとき、キャリッジモータ105の駆動パルスのデューティー比は、EEPROM205に記憶しておいたデューティー比とする。そして、キャリッジ102が側板114bに突き当たって基準位置301に位置決めされたら、スリット数カウンタ206aのカウント数を0に初期化して初期化動作を終了する。
【0053】
次に、キャリッジ位置初期化動作の詳細を図5により説明する。図5は、CPU201が行うキャリッジ位置初期化処理の制御手順を示すフローチャート図である。この制御手順に対応した制御プログラムがROM202に格納されており、CPU201がその制御プログラムを実行して初期化処理を行なう。
【0054】
初期化処理を開始したら、まずステップS1で、今回行う初期化処理がプリンタの電源投入後で1回目(最初)の初期化処理か、或いは2回目以降の初期化処理かを判断する。すなわち電源投入直後の初期化処理か、或いは、それより後の待機状態から印字動作を開始するときの初期化処理かを判断する。そして1回目であればステップS2〜S20の処理を行い、2回目以降であればステップS21〜S29の処理を行う。まず、1回目の場合のステップS2〜S20の処理を説明する。
【0055】
ステップS2では、キャリッジ位置情報を取得するタイミングをとるために1mSecウエイトする。これを計時するタイマがタイムアップしたら、ステップS3でモータコントローラ206に対してキャリッジモータ105の駆動制御データとして、回転方向は正転方向とし、駆動信号のデューティー比を初期値の35%とするデータを出力する。これにより、キャリッジモータ105がデューティー比35%に対応する一定の大きさのパワーで正転方向に回転駆動される。そしてキャリッジ102が待機位置303からA方向に側板114aに向かって移動する。その移動に伴って、スリット数カウンタ206aのカウント数が順次カウントアップされる。
【0056】
ステップS4では、現在のキャリッジ位置情報であるスリット数カウンタ206aのカウント数を取得する。そしてステップS5で現在と前回(1mSec前)のキャリッジ位置情報を比較し、両者の差が2slit以内か否か判断する。
【0057】
なお、初期化処理を開始してから最初にステップS4の処理を行うまでに、カウンタ206aのカウント数は実際のキャリッジ位置に対応したカウント数に初期化されていない。このため、ステップS4の時点でのカウンタ206aのカウント数は実際のキャリッジ位置に対応してはいない。しかし、ステップS5の判断で現在と前回のカウント数の差が分かりさえすればよいので、支障はない。
【0058】
ステップS5で差が2slit以内でなければ、キャリッジ102が移動していると判断し、ステップS18で突き当てカウントをリセットする。そして、ステップS2に戻り、ステップS2〜S5の処理を繰り返す。
【0059】
突き当てカウントは、現在と前回(1mSec前)のキャリッジ位置情報の差が2slit以内となっている状態の継続時間のカウントである。このための不図示のカウンタがソフトウェア又はハードウェアで設けられる。これは、キャリッジ102が側板114a又は114bに突き当たって、或いはB方向への移動時にキャップスライダ400の負荷により、停止したか否かを判断するためのものである。そのカウントが200mSec以上になったら停止したと判断する。なお、そのカウントは、初期化処理を開始するとき、ないしはそれ以前に、0mSecに初期化されているものとする。
【0060】
また、ステップS5で差が2slit以内であったらステップS6で突き当てカウントを1mSecカウントアップする。そしてステップS7で突き当てカウントが200mSec以上になったか否か判断する。200mSec以上になっていなければ、ステップS2に戻り、ステップS2〜S7の処理を繰り返す。
【0061】
また、ステップS7で200mSec以上になっていたら、キャリッジ102が側板114aに突き当たって停止したと判断し、ステップS8でキャリッジ位置情報としてのスリット数カウンタ206aのカウント数を仮に初期化する。ここでは、この時点でキャリッジ102が図3中の位置302にあるはずであるので、カウント数として位置302に対応する設計値の1950slitをカウンタ206aに書き込む。
【0062】
ステップS9以降では基準位置側の側板114bへの突き当てを行う。まずステップS9では、キャリッジ位置情報を取得するタイミングをとるために1mSecウエイトする。1mSec経過したら、ステップS10でキャリッジモータ105の駆動制御データをモータコントローラ206に出力する。ここでは、回転方向を逆転方向とし、駆動信号のデューティー比は当初は35%とする。これにより、キャリッジモータ105がデューティー比35%に対応する一定の大きさのパワーで逆転方向に回転駆動される。そしてキャリッジ102が位置302からB方向に側板114bに向かって移動する。その移動に伴って、スリット数カウンタ206aのカウント数が1950slitから順次カウントダウンされる。
【0063】
ステップS11では、現在のキャリッジ位置情報であるスリット数カウンタ206aのカウント数を取得する。
【0064】
ステップS12では、現在と前回のキャリッジ位置情報を比較し、両者の差が2slit以内か否か判断する。差が2slit以内でなければ、キャリッジ102が移動していると判断し、ステップS19で突き当てカウントをリセットする。そして、ステップS9に戻り、ステップS9〜S12の処理を繰り返す。
【0065】
また、ステップS12で差が2slit以内であったらステップS13で突き当てカウントを1mSecカウントアップする。そしてステップS14で突き当てカウントが200mSec以上になったか否か判断する。200mSec以上になっていなければ、ステップS9に戻り、ステップS9〜S14の処理を繰り返す。
【0066】
また、ステップS14で200mSec以上になった場合は、キャリッジ102がキャップスライダ400の係合、連動による負荷の増大によって位置304から301近傍までの間で停止した場合、或いは側板114bに突き当たって基準位置301に停止した場合である。このため、ステップS14で200mSec以上になった場合は、現在のキャリッジ102の位置が基準位置301であるか否か判断する。具体的には、スリット数カウンタ206aのカウント数が5slit以下であるか否かにより基準位置301か否かを判断する。
【0067】
ここで、先のステップS8の時点、すなわちキャリッジ102が反対側の側板114aに突き当たった位置302にある時点でカウント数が仮に1950slitに初期化されている。このため、ステップS15の時点でキャリッジ102が基準位置301にあれば、カウント数は設計上は0slitになるはずである。しかし突き当て誤差などの誤差を見込んで、5slit以下であれば基準位置301であると判断する。
【0068】
ステップS15で上記カウント数が6slit以上であって、基準位置301でないと判断した場合は、ステップS20でキャリッジモータ105の駆動信号のデューティー比を5%アップするように設定する。その後、ステップS9に戻ってステップS9〜S15の処理を繰り返す。この繰り返しの中のステップS10では、キャリッジモータ105の駆動制御データとして、逆転方向のデータとともに、ステップS20で5%アップされたデューティー比のデータが出力される。これにより、位置304から301近傍までの間で停止していたキャリッジ102がB方向への移動を再開するまで、1mSecの経過毎に上記デューティー比が5%ずつアップされ、キャリッジモータ105のパワーが順次増大させられる。そして、そのパワーがキャップスライダ400による負荷に打ち勝つと、キャリッジ102がB方向に移動を再開し、側板114bに突き当たって基準位置301に停止することになる。
【0069】
なお、このときのキャリッジモータ105のパワーは、キャップスライダ400による負荷に打ち勝つのに必要な最小限のパワーであるので、キャリッジ102が側板114bに突き当たる力は弱く、突き当たり時に大きな衝突音が出ることはない。
【0070】
また、ステップS15で現在のキャリッジ102の位置が基準位置301である、すなわちキャリッジ102が基準位置に位置決めされたと判断した場合はステップS16に進む。
【0071】
ステップS16では現時点のキャリッジモータ105の駆動信号のデューティー比をEEPROM205に記憶する。このデューティー比は、上記のステップS9以下の処理によってキャリッジ102が側板114bに突き当たったときのキャリッジモータ105のパワーの大きさに対応するものである。なお、EEPROM205に記憶することで、後の待機状態で省電力モードになってもデューティー比が保存されることは勿論である。
【0072】
ステップS16の後は、ステップS17でスリット数カウンタ206aのカウント数(現在のキャリッジ位置情報)を基準位置に対応した0に初期化し、キャリッジ位置初期化処理を終了する。
【0073】
次に、ステップS1でプリンタの電源投入後で2回目以降のキャリッジ位置初期化処理である、すなわち待機状態から印字を開始するときに行う初期化処理であると判断した場合に行うステップS21〜S29の処理を説明する。
【0074】
まず、ステップS21では、先述のステップS16でEEPROM205に記憶しておいたキャリッジモータ105の駆動信号のデューティー比の情報を取得する。
【0075】
ステップS22では、キャリッジ位置情報の取得タイミングをとるために1mSecウエイトする。
【0076】
ステップS23では、キャリッジモータ105の駆動制御データとして、逆転方向と、ステップS21で取得したデューティー比のデータをモータコントローラ206に出力する。これによりキャリッジモータ105が逆転方向に回転駆動され、キャリッジ102が待機位置303からB方向に移動する。このときのキャリッジモータ105のパワーは、先述のステップS9〜S15、S19及びS20の処理によってキャリッジ102がキャップスライダ400による負荷に打ち勝って側板114bに突き当たったときのパワーである。したがって、ここでキャップスライダ400による負荷がかかっていても、それに打ち勝ってキャリッジ102を待機位置303からB方向に移動させることができる。
【0077】
ステップS24では、現在のキャリッジ位置情報(スリット数カウンタ206aのカウント数)を取得する。
【0078】
ステップS25では現在と前回のキャリッジ位置情報を比較し、2slit以内か否か判断する。そして、2slit以内でなければ、キャリッジ102が移動していると判断し、ステップS29で突き当てカウントをリセットした後、ステップS22に戻り、ステップS22〜S25の処理を繰り返す。
【0079】
また、2slit以内であればステップS26で突き当てカウントを1mSecカウントアップした後、ステップS27で突き当てカウントが200mSec以上になったか否か判断する。そして、200mSec以上でなければ、ステップS22に戻ってステップS22〜S27の処理を繰り返す。
【0080】
また、200mSec以上になっていれば、キャリッジ102が側板114bに突き当たって基準位置301に停止した(位置決めされた)と判断し、ステップS28でキャリッジ位置情報を0に初期化した後、キャリッジ位置初期化処理を終了する。
【0081】
なお、ここでの突き当て時でも、キャリッジモータ105のパワーが記憶していたデューティー比による必要最小減のパワーであるので、大きな衝突音が出ることはない。また、1回目(電源投入直後)のキャリッジ位置初期化動作では、キャリッジ102の移動距離が長いものの、2回目以降の初期化動作では、移動距離がごく短いので、初期化動作を短時間で行え、プリンタのスループットを向上できる。
【0082】
以上の実施例ではキャリッジモータがDCモータであってPWM制御されるものとしたが、モータの種類と制御方法はこれに限らず、他のモータないしは他の制御方法の場合にも本発明の技術を適用できることは勿論である。また、キャリッジを移動させる駆動手段はモータに限らず他の駆動手段でもよく、その場合にも本発明の技術を適用できることは勿論である。
【0083】
また実施例では、シャーシの側板をキャリッジの位置決め部材(ストッパ)として用いたが、他の専用の位置決め部材を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施例におけるインクジェットプリンタの全体の機械的構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施例のプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例のプリンタでキャリッジ位置初期化動作に関連したキャリッジとシャーシ側板及びキャップスライダとの位置関係を示す説明図である。
【図4.a】図3中の位置304でキャリッジがキャップスライダの突き当て部に接触する様子を示す説明図である。
【図4.b】図3中の位置303で記録ヘッドがキャッピングされている状態を示す説明図である。
【図5】実施例のプリンタのCPUが行うキャリッジ位置初期化処理の制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0085】
101 記録ヘッド
102 キャリッジ
105 キャリッジモータ
114 シャーシ
114a,114b シャーシの側板
115 印字用紙
121 エンコーダセンサ
122 エンコーダスケール
201 CPU
202 ROM
203 RAM
205 EEPROM
206 モータコントローラ
206a スリット数カウンタ
301 キャリッジの基準位置
302 基準位置側と反対側のシャーシ側板への突き当て位置
303 待機位置(キャッピング位置)
304 キャップスライダへの接触位置
400 キャップスライダ
404,405 キャップ
410 ワイパーブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させて記録媒体に画像を記録する記録装置において、キャリッジを移動範囲の一端の基準位置に位置決めすると同時にキャリッジ位置情報を初期化するキャリッジ位置初期化方法であって、
記録装置の電源投入後で最初のキャリッジ位置初期化動作では、
キャリッジを移動範囲内の所定の待機位置から移動範囲の前記基準位置と反対側の端に設けられた第1の位置決め部材に突き当たって所定位置に位置決めされるまで一方向に移動させる第1の工程と、
該第1の工程後にキャリッジを移動範囲の前記基準位置側の端に設けられた第2の位置決め部材に突き当たって基準位置に位置決めされるまで前記一方向の逆方向に移動させ、位置決めと同時にキャリッジ位置情報を初期化する第2の工程を実行し、
該第2の工程において、キャリッジが前記第2の位置決め部材に突き当たる前に負荷の増大によって停止したら、キャリッジを移動させる駆動手段のパワーをキャリッジの移動が再開されるまで増大させ、キャリッジが第2の位置決め部材に突き当たったときの前記パワーの大きさを記憶手段に記憶することを特徴とする記録装置のキャリッジ位置初期化方法。
【請求項2】
記録装置の電源投入後で2回目以降のキャリッジ位置初期化動作では、
キャリッジを前記待機位置から前記第2の位置決め部材に突き当たって基準位置に位置決めされるまで、前記記憶手段に記憶した大きさのパワーで前記逆方向に移動させ、位置決めと同時にキャリッジ位置情報を初期化する第3の工程を実行することを特徴とする請求項1に記載の記録装置のキャリッジ位置初期化方法。
【請求項3】
記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させて記録媒体に画像を記録する記録装置であって、キャリッジを移動範囲の一端の基準位置に位置決めすると同時にキャリッジ位置情報を初期化するキャリッジ位置初期化動作を行う記録装置において、
請求項1または2に記載のキャリッジ位置初期化方法でキャリッジ位置初期化動作を行うように構成されたことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させて記録媒体に画像を記録する記録装置において、キャリッジを移動範囲の一端の基準位置に位置決めすると同時にキャリッジ位置情報を初期化するキャリッジ位置初期化動作を行うための制御プログラムであって、
請求項1または2に記載のキャリッジ位置初期化方法でキャリッジ位置初期化動作を行うための制御手順を含むことを特徴とする記録装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4.a】
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【図4.b】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−160756(P2007−160756A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361146(P2005−361146)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】