説明

訪問者動向収集システム

【課題】施設に訪問した訪問者の動向を収集する訪問者動向収集システムを提供すること。
【解決手段】訪問者動向収集システム1は、訪問者動向収集サーバ10と、プリンタ20と、スキャナ25と、バーコードリーダ30とを備える。訪問者動向収集サーバ10は、訪問者の名刺への識別IDの印刷を制御する識別情報印刷制御部111と、訪問者の名刺に表示されている訪問者の個人情報を取得する個人情報取得部112と、訪問者の名刺に印刷された識別IDと、訪問者の名刺に表示された個人情報とを関連付けて入室管理DB121に記憶させる識別情報記憶制御部113と、バーコードリーダ30により読み取られた識別IDの読み取り履歴を入室管理DB121に記憶させる入室履歴生成部114と、統計情報を生成する統計部115とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に訪問した訪問者の動向を収集する訪問者動向収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、紙葉を用いた識別カードを使用して入場管理を行う入場管理システムが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1で提案された入場管理システムは、紙葉を用いて透明不可視マークを有する識別カードを発行する手段と、施設内のそれぞれの入場部に設けられ、識別カードの透明不可視マークを読み取り入場部へ入場したことを記憶する手段と、入場部へ入場した訪問者の累計を算出する手段とを有する。このため、特許文献1で提案された入場管理システムでは、紙葉を用いて識別カードを安価に発行できる。また、特許文献1で提案された入場管理システムでは、当該識別用カードに印刷された透明バーコードが肉眼で確認できないため、複製されにくいといった利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−54210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で提案された入場管理システムは、識別カードに印刷されている透明不可視マークを読み取って訪問者が入場部へ入場したことを識別し、入場部へ入場した訪問者の累計を算出するに過ぎない。
【0005】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、施設に訪問した訪問者の動向を収集する訪問者動向収集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の部屋を有する施設に入館した訪問者の動向を収集する訪問者動向収集システムであって、前記訪問者の個人情報が表示された紙葉に識別情報を付与する識別情報付与部と、前記紙葉に表示された前記訪問者の個人情報を読み取る個人情報読取部と、前記紙葉に付与された識別情報と、該紙葉に表示された個人情報とを関連付けて記憶する識別情報記憶部と、前記複数の部屋それぞれの入口に配置され、前記紙葉に付与された前記識別情報を読み取る識別情報読取部と、前記識別情報読取部により読み取られた前記識別情報の読み取り履歴を記憶する入室履歴記憶部と、を備える訪問者動向収集システムに関する。
【0007】
この発明によれば、識別情報付与部により、訪問者の個人情報が表示された紙葉に識別情報を付与し、個人情報読取部により、紙葉に表示された訪問者の個人情報を読み取り、識別情報記憶部により、紙葉に付与された識別情報と、該紙葉に表示された個人情報とを関連付けて記憶する。そして、複数の部屋それぞれの入口に配置された識別情報読取部により、紙葉に付与された識別情報を読み取り、入室履歴記憶部により、識別情報読取部により読み取られた識別情報の読み取り履歴を記憶する。
【0008】
このようにすることで、識別情報読取部により読み取られた識別情報の読み取り履歴を収集できる。よって、読み取り履歴に基づいて、施設に訪問した訪問者の動向を収集できる。
【0009】
また、前記履歴記憶部は、前記識別情報、前記識別情報読取部により前記識別情報が読み取られた時間、前記識別情報読取部が配置された位置の情報、及び前記識別情報に応じて前記識別情報記憶部に記憶された前記個人情報を関連付けて、前記訪問者の前記複数の部屋への入室の履歴として記憶することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、識別情報、識別情報読取部により識別情報が読み取られた時間、識別情報読取部が配置された位置の情報、及び識別情報に応じて識別情報記憶部に記憶された個人情報を関連付けて、訪問者の複数の部屋への入室の履歴として記憶した。このようにすることで、訪問者が訪問した場所及び時間を履歴として記憶することができるので、訪問者が訪問した場所及び時間に基づいた訪問者の動向を収集できる。
【0011】
また、この発明では、個人情報毎の複数の部屋への入室の履歴に基づいて、前記訪問者の動向について統計をとる統計部を更に備えることが好ましい。
【0012】
この発明によれば、訪問者の動向について統計をとった。このようにすることで、施設に入館した訪問者それぞれの動向について統計結果から特徴を見出すことができ、訪問者の嗜好や傾向を推測できる。
【0013】
また、前記識別情報付与部は、前記紙葉に対してバーコード化された識別情報を付与し、前記識別情報読取部は、前記バーコード化された識別情報を読み取ることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、バーコード化された識別情報を付与した。このようにすることで、通常の文字情報に比べて読み取りやすいバーコードを用いて履歴の収集を行うので、通常の文字情報を用いて履歴の収集を行う場合と比べて、読み取り誤差が少なく安定した履歴の収集を行える。
【0015】
また、前記識別情報付与部は、前記紙葉に対して肉眼で視認できない不可視インクにより識別情報を付与し、前記識別情報読取部は、前記不可視インクにより付与された前記識別情報を読み取ることが好ましい。
【0016】
この発明によれば、不可視インクにより識別情報を付与した。このようにすることで、紙葉に予め表示された訪問者の個人情報と識別情報が重なっている場合でも、識別情報を読み取ることができる。また、入室管理者は、紙葉に識別情報が付与されていても、紙葉に表示された訪問者の個人情報を視認できるので、訪問者の身元を容易に確認できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、施設に訪問した訪問者の動向を収集する訪問者動向収集システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る訪問者動向収集システム1の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る入室管理DB121に備えられている識別テーブル121aを示す図である。
【図3】本実施形態に係る入室管理DB121に備えられている履歴テーブル121bを示す図である。
【図4】本実施形態に係るバーコードリーダ30の機能構成を示す図である。
【図5】本実施形態に係る訪問者動向収集サーバ10のハードウェア構成を示す図である。
【図6】本実施形態に係る訪問者動向収集システム1において、訪問者の名刺に表示された個人情報を識別IDと関連付けて記憶させるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る訪問者動向収集システム1において、訪問者の名刺に印刷されたバーコードを読み取り、読み取った履歴を記憶させるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の訪問者動向収集システムの好ましい一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
[システム全体構成]
図1は、本実施形態に係る訪問者動向収集システム1の全体構成を示す図である。訪問者動向収集システム1は、複数の部屋を有する施設に入館した訪問者の動向を収集するものであり、入室管理者により管理される。本実施形態に係る訪問者動向収集システム1は、訪問者動向収集サーバ10と、識別情報付与部としてのプリンタ20と、個人情報読取部としてのスキャナ25と、識別情報読取部としてのバーコードリーダ30とを備える。
【0021】
訪問者動向収集システム1を構成する訪問者動向収集サーバ10と、プリンタ20と、スキャナ25と、バーコードリーダ30とは、通信ネットワーク50を介して接続される。通信ネットワーク50は、任意の通信ネットワークであってよく、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)であってよい。
【0022】
[機能構成]
訪問者動向収集サーバ10は、表示部101と、操作部102と、制御部110と、記憶部120とを備える。
【0023】
表示部101は、訪問者動向収集サーバ10の機能に関する表示を行い、訪問者動向収集サーバ10を操作する者に対して、それぞれの機能により出力された情報を視覚的に表示する。操作部102は、訪問者動向収集サーバ10を操作する者からの直接的な入力を受け付ける。
【0024】
記憶部120は、訪問者動向収集サーバ10として機能させるための各種プログラム(図示省略)、本発明の機能を実行するプログラム(図示省略)、及び入室管理データベース(以下、データベースをDBという)121を記憶する。入室管理DB121は、入室管理に係るデータを記憶するDBであり、識別情報記憶部としての識別テーブル121a、入室履歴記憶部としての履歴テーブル121b、及び部屋テーブル121c(図示省略)を備える。
【0025】
図2は、本実施形態に係る入室管理DB121に備えられている識別テーブル121aを示す図である。識別テーブル121aは、訪問者の名刺等の紙葉に印刷された識別情報としての識別IDと、訪問者の名刺に表示された個人情報とを関連付けて記憶するためのテーブルであり、訪問者を一意に特定するための「識別ID」フィールドと、訪問者の氏名を示す「訪問者名」フィールドと、訪問者の所属する会社名を示す「会社名」フィールドと、訪問者の連絡先を示す「電話番号」フィールドと、訪問者が訪問した日を示す「訪問日」フィールドとが含まれている。識別テーブル121aには、後述の識別情報記憶制御部113により関連付けられた、訪問者の名刺に印刷された識別IDと、訪問者の名刺に表示された個人情報とが記憶される。また、識別テーブル121aは、後述の入室履歴生成部114により、訪問者の入室履歴を生成するときに参照される。
【0026】
図3は、本実施形態に係る入室管理DB121に備えられている履歴テーブル121bを示す図である。履歴テーブル121bは、バーコードリーダ30により読み取られた識別IDの読み取り履歴、すなわち、訪問者の複数の部屋への入室履歴を記憶するためのテーブルである。履歴テーブル121bには、識別IDを読み取ったバーコードリーダ30が配置されている部屋のIDを示す「部屋ID」フィールドと、部屋IDに対応した部屋の名称を示す「部屋名」フィールドと、バーコードリーダ30により読み取られた識別IDを示す「識別ID」フィールドと、識別IDに関連付けられている個人情報の一部である訪問者名を示す「訪問者名」フィールドと、部屋IDに対応したバーコードリーダ30により読み取られた時刻を示す「入室時刻」フィールドとが含まれている。履歴テーブル121bには、入室履歴生成部114により生成された訪問者の複数の部屋への入室履歴が記憶される。また、履歴テーブル121bは、後述の統計部115により、統計データを生成するときに参照される。
【0027】
図1に戻り、制御部110は、訪問者動向収集サーバ10に係る各機能を統括的に制御する部分であり、本発明に係る各機能として、識別情報印刷制御部111と、個人情報取得部112と、識別情報記憶制御部113と、入室履歴生成部114と、統計部115とを備える。
【0028】
識別情報印刷制御部111は、訪問者の名刺に対する識別IDの印刷を制御する。より具体的には、識別情報印刷制御部111は、入室管理者が操作部102で所定の操作を行ったことに応じて識別IDを生成する。そして、入室管理者が訪問者の名刺をプリンタ20の印刷可能位置に配置し、操作部102で所定の操作を行ったことに応じて、識別情報印刷制御部111は、生成された識別IDをバーコード化して印刷させるための印刷命令信号をプリンタ20に送信する。
【0029】
個人情報取得部112は、後述のスキャナ25を制御して、訪問者の名刺に表示されている訪問者の個人情報を取得する。個人情報取得部112は、表示情報読取制御部1121と、画像データ生成部1122と、文字情報認識部1123とから構成される。
【0030】
表示情報読取制御部1121は、訪問者の名刺に表示された情報の読み取りを制御する。より具体的には、入室管理者がスキャナ25の読み取り可能部分に訪問者の名刺を配置し、操作部102で所定の操作を行ったことに応じて、表示情報読取制御部1121は、訪問者の名刺に表示された情報を読み取るための読取命令信号をスキャナ25に送信する。画像データ生成部1122は、スキャナ25より読み取られた情報をスキャナ25より受信して、受信した情報に基づいて画像データを生成する。
【0031】
文字情報認識部1123は、画像データ生成部1122により生成された画像データについて光学的に読み取り、予め記憶されている文字パターンとの照合を行う。そして、文字情報認識部1123は、照合において画像データの一部が文字パターンと一致した場合に、当該文字パターンに対応する画像データの一部を個人情報として特定する。このようにすることで、文字情報認識部1123は、訪問者の名刺に表示された個人情報である訪問者名、会社名、及び電話番号等を特定する。
【0032】
識別情報記憶制御部113は、訪問者の名刺に印刷された識別IDと、訪問者の名刺に表示された個人情報とを関連付けて入室管理DB121に記憶させる。より具体的には、識別情報記憶制御部113は、識別情報印刷制御部111により生成され、プリンタ20により訪問者の名刺にバーコード化されて印刷された識別IDと、個人情報取得部112により当該訪問者の名刺より取得した個人情報とを関連付けて入室管理DB121の識別テーブル121aに記憶させる。また、識別情報記憶制御部113は、識別テーブル121aに識別ID及び個人情報を記憶させるときの日付を訪問者の訪問日として、識別ID及び個人情報と併せて識別テーブル121aに記憶させる。
【0033】
入室履歴生成部114は、バーコードリーダ30により読み取られた識別IDの読み取り履歴を入室管理DB121に記憶させる。より具体的には、入室履歴生成部114は、バーコードリーダ30より送信された識別ID及び部屋IDを受信すると、入室管理DB121の識別テーブル121aを参照して、識別IDに対応する訪問者名を取得する。また、入室履歴生成部114は、入室管理DB121の部屋テーブル121c(図示省略)を参照して、部屋IDに関連付けられている部屋名を取得する。そして、部屋ID、部屋名、識別ID、訪問者名、及び入室履歴生成部114が識別IDを受信した時刻を、当該識別IDを送信したバーコードリーダ30が配置されている部屋への訪問者の入室履歴として、入室管理DB121の履歴テーブル121bに記憶させる。ここで、識別IDを受信した時刻は、入室時刻として扱われるものであり、バーコードリーダ30により識別IDが読み取られた時刻と同一であるものとする。
【0034】
統計部115は、入室管理者が操作部102で所定の操作を行うことにより、履歴テーブル121bに記憶されている訪問者の個人情報毎の複数の部屋への入室の履歴に基づいて、部屋毎の入室者数、部屋毎及び訪問者毎の入室回数といった統計情報を生成する。なお、統計部115は、部屋毎の全訪問者の入室回数、部屋毎及び訪問者毎の入室回数の統計情報の生成に限らず、例えば、訪問者の所属する会社や、会社の業種といった単位で統計情報を生成することとしてもよい。なお、この場合には、統計を取りたい情報を収集するために、識別テーブル121aに対して当該情報を記憶させたり、会社や会社の業種といった情報を記憶するテーブルを新たに設けたりする必要がある。このようにすることで、訪問者の入室履歴に基づいて、訪問者の嗜好や傾向といった観点で分析が可能となり、結果として、分析結果に基づいた営業活動を行うといったことも可能となる。
【0035】
プリンタ20は、識別情報印刷制御部111により送信された印刷命令信号を受信したことに応じて、プリンタ20の印刷可能位置に配置されている訪問者の名刺にバーコード化された識別IDを印刷する。プリンタ20は、不可視インク、すなわち、人間の眼では見えない紫外線インクによりバーコードを印刷する。このようにすることで、本実施形態に係る訪問者動向収集システム1では、訪問者の名刺に印刷されたバーコードが人間の眼では確認できないので、入室管理者等の他人は、訪問者の名刺に表示された訪問者の個人情報を視認できる。このため、入室管理者等の他人は、訪問者の名刺を確認することで、訪問者の身元を容易に確認できる。
【0036】
スキャナ25は、表示情報読取制御部1121により送信された読取命令信号を受信すると、スキャナ25の読み取り可能部分に配置されている訪問者の名刺に表示されている情報を読み取る。そして、スキャナ25は、読み取った情報を訪問者動向収集サーバ10に送信する。
【0037】
バーコードリーダ30は、それぞれの部屋の入口に配置される。バーコードリーダ30は、訪問者の名刺に印刷されたバーコードを読み取り、読み取ったバーコードを識別IDに変換する。そして、識別IDと、バーコードリーダ30が配置されている部屋の部屋IDとを訪問者動向収集サーバ10に送信する。図4を用いて、バーコードリーダ30の動作について、より詳細に説明する。
【0038】
図4は、本実施形態に係るバーコードリーダ30の機能構成を示す図である。バーコードリーダ30は、訪問者の名刺に印刷されたバーコードを読み取り識別IDに変換する読取部310と、識別ID及び部屋IDを送信する送信部320とを備える。読取部310は、光学系として、訪問者の名刺に印刷されたバーコードに紫外線光を照射する光源311と、光源311から照射されて訪問者の名刺に印刷されたバーコードにより反射された紫外線光を偏向させる反射鏡312と、多数のCCD(Charge Coupled Device)を配列して形成された受光部であって、受光した被写体像を光電変換によりアナログ信号として出力するイメージセンサ313と、反射鏡312にて偏向された紫外線光を被写体像としてイメージセンサ313上に結像させるレンズ314と、イメージセンサ313より出力されたアナログ信号より識別IDに変換する信号処理部315を備える。信号処理部315は、イメージセンサ313により変換されたアナログ信号を増幅する増幅回路3151と、増幅されたアナログ信号を二値のデジタル信号に変換するA/Dコンバータ3152と、二値のデジタル信号を識別IDに変換するコード変換部3153とを備える。送信部320は、読取部310が訪問者の名刺に印刷されたバーコードを読み取り、バーコードから識別IDに変換したことに応じて、識別IDと、バーコードリーダ30が設置されている部屋の部屋IDとを訪問者動向収集サーバ10に送信する。ここで、部屋IDは、バーコードリーダ30に予め設定されており、バーコードリーダ30が配置されている位置の情報として用いられる。
【0039】
このように、バーコードリーダ30は、訪問者の名刺に対して紫外線を照射してバーコードを読み取るので、紫外線インクで印刷された識別IDを読み取ることができる。よって、バーコードリーダ30は、訪問者の名刺に予め表示された訪問者の個人情報とバーコードが重なっている場合でも、バーコードを読み取ることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、入室履歴生成部114は、入室履歴として、部屋ID、部屋名、識別ID、訪問者名、及び識別IDを受信した時刻を、履歴テーブル121bに記憶することとしたが、これに限らない。例えば、部屋ID、識別ID、及び入室時刻のみを履歴テーブル121bに記憶させて、その他の情報については、履歴テーブル121bを識別テーブル121a又は部屋テーブル121cと連結してビューを生成し、当該ビューにより取得することとしてもよい。このようにすることで、履歴テーブル121bに記憶させるフィールドを削減できるので、記憶部120の記憶容量を削減できる。
【0041】
[訪問者動向収集サーバのハードウェア構成]
図5は、本実施形態に係る訪問者動向収集サーバ10のハードウェア構成を示す図である。本発明が実施される訪問者動向収集サーバ10は標準的なものでよく、以下に構成の一例を示す。
【0042】
訪問者動向収集サーバ10は、バスライン1000、制御部110を構成するCPU(Central Processing Unit)1010(マルチプロセッサ構成ではCPU1011等複数のCPUが追加されてもよい)、通信I/F(I/F:インターフェイス)1020、メインメモリ1030、BIOS(Basic Input Output System)1040、I/O(Input/Output)コントローラ1050、表示装置1060、入力装置1070、及び記憶装置1080を備える。
【0043】
CPU1010は、訪問者動向収集サーバ10に係る各種機能を統括的に制御する部分であり、記憶装置1080に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。通信I/F1020は、訪問者動向収集サーバ10が、通信ネットワーク50を介してプリンタ20やスキャナ25やバーコードリーダ30等と情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F1020は、モデム、ケーブル・モデム及びイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0044】
メインメモリ1030は、CPU1010により各種プログラムを実行する際に生成されるデータを一時的に記憶する。BIOS1040は、訪問者動向収集サーバ10の起動時にCPU1010が実行するブートプログラムや、訪問者動向収集サーバ10のハードウェアに依存するプログラム等を記録する。I/Oコントローラ1050は、表示装置1060、入力装置1070、及び記憶装置1080といった機器が接続され、データの入出力制御を行う。表示装置1060は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含み、表示部101として機能する。入力装置1070は、キーボードやマウス等を含み、訪問者動向収集サーバ10の管理者による入力の受け付けを行う。入力装置1070は、操作部102として機能する。
【0045】
記憶装置1080は、ハードディスク、光ディスクドライブ、及び半導体メモリ等の記憶装置を接続することができ、記憶部120として機能する。記憶装置1080は、本ハードウェアを訪問者動向収集サーバ10として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラム及び上述のDBを記憶する。なお、訪問者動向収集サーバ10は、外部に別途設けられたハードディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0046】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、訪問者動向収集サーバ10は、上述のように、制御部110、記憶部120等を備えた情報処理装置により構成され、この情報処理装置は、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0047】
また、訪問者動向収集サーバ10は、ハードウェアの数に制限はなく、必要に応じて1又は複数のハードウェアで構成してよい。また、複数のハードウェアで構成する場合には、通信ネットワーク50を介して各ハードウェアを接続してもよい。例えば、機能ごとに別サーバ(装置)とし、各サーバ間での信号の送受信により、各サーバを連携させることで、本実施形態の機能を実現してもよい。
【0048】
[処理フロー]
図6は、本実施形態に係る訪問者動向収集システム1において、訪問者の名刺に表示された個人情報を識別IDと関連付けて入室管理DB121に記憶させるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0049】
ステップS11では、制御部110(識別情報印刷制御部111)は、入室管理者が操作部102で所定の操作を行ったことに応じて識別IDを生成する。ステップS12では、制御部110(識別情報印刷制御部111)は、ステップS11にて識別IDが生成された後に、入室管理者が訪問者の名刺をプリンタ20の印刷可能位置に配置し、かつ、操作部102で所定の操作を行ったことに応じて、生成された識別IDをバーコード化して印刷させるための印刷命令信号をプリンタ20に送信する。
【0050】
ステップS13では、プリンタ20は、ステップS12にて送信された印刷命令信号を受信する。ステップS14では、プリンタ20は、ステップS13にて印刷命令信号を受信すると、プリンタ20の印刷可能位置に配置されている訪問者の名刺に、バーコード化された識別IDを不可視インクである紫外線インクにより印刷する。
【0051】
ステップS15では、制御部110(表示情報読取制御部1121)は、入室管理者がスキャナ25の読み取り可能部分に訪問者の名刺を配置し、操作部102で所定の操作を行ったことに応じて、訪問者の名刺に表示された情報を読み取るための読取命令信号をスキャナ25に送信する。ステップS16では、スキャナ25は、ステップS15にて送信された読取命令信号を受信する。ステップS17では、スキャナ25は、ステップS15にて読取命令信号を受信すると、スキャナ25の読み取り可能部分に配置されている訪問者の名刺に表示されている情報を読み取る。ステップS18では、スキャナ25は、ステップS17にて読み取った情報を訪問者動向収集サーバ10に送信する。
【0052】
ステップS19では、制御部110(画像データ生成部1122)は、ステップS18にて送信された情報を受信する。ステップS20では、制御部110(画像データ生成部1122)は、ステップS19にて受信した情報に基づいて画像データを生成する。ステップS21では、制御部110(文字情報認識部1123)は、ステップS20にて生成された画像データを光学的に読み取り、予め記憶されている文字パターンとの照合を行うことで、訪問者の名刺に表示された個人情報を特定する。ステップS22では、制御部110(識別情報記憶制御部113)は、ステップS21にて特定された個人情報、ステップS11で生成された識別ID、及び記憶させるときの日付を関連付けて識別テーブル121aに記憶させる。
【0053】
図7は、本実施形態に係る訪問者動向収集システム1において、訪問者の名刺に印刷されたバーコードを読み取り、読み取った履歴を履歴テーブル121bに記憶させるまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
ステップS31では、バーコードリーダ30(読取部310)は、訪問者の名刺に印刷されたバーコードを読み取る。訪問者の名刺に印刷されたバーコードは、眼で確認できない紫外線インクにより印刷されるが、バーコードリーダ30では、紫外線を当該バーコードに照射して、反射した紫外線を読み取ることで読み取り可能である。
【0055】
ステップS32では、バーコードリーダ30(読取部310)は、ステップS31にて読み取ったバーコードを識別IDに変換する。ステップS33では、バーコードリーダ30(送信部320)は、識別ID及びバーコードリーダ30が配置されている部屋の部屋IDを訪問者動向収集サーバ10に送信する。ステップS34では、制御部110(入室履歴生成部114)は、ステップS33にて送信された識別ID及び部屋IDを受信する。
【0056】
ステップS35では、制御部110(入室履歴生成部114)は、ステップS34にて識別ID及び部屋IDを受信すると、識別IDに応じた個人情報を取得する。より具体的には、入室履歴生成部114は、識別テーブル121aを参照して、受信した識別IDに対応する訪問者名を取得する。ステップS36では、制御部110(入室履歴生成部114)は、ステップS35にて識別IDに応じた個人情報を取得すると、識別ID、部屋ID、個人情報、及び受信時刻を入室履歴として記憶させる。より具体的には、入室履歴生成部114は、部屋テーブル121cを参照して、部屋IDに関連付けられている部屋名を取得する。そして、入室履歴生成部114は、部屋ID、部屋名、識別ID、訪問者名、及び入室履歴生成部114が識別IDを受信した時刻を、当該識別IDを送信したバーコードリーダ30が配置されている部屋への訪問者の入室履歴として、履歴テーブル121bに記憶させる。
【0057】
このように、本実施形態に係る訪問者動向収集システム1では、訪問者の個人情報が表示された名刺に対して識別IDを印刷して入室履歴を管理できるので、入室履歴に基づいて施設に訪問した訪問者の動向を収集することができる。更に、統計部115により入室履歴について統計をとることで、入室履歴に基づいて様々な分析を行うことができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0059】
例えば、本実施形態に係る訪問者動向収集システム1では、プリンタ20を用いて不可視バーコードを印刷することとしたが、これに限らない。例えば、訪問者の名刺に識別IDの情報を記憶させたRFID(Radio Frequency Identification)タグを付加するRFIDタグ付加装置と、複数の部屋のそれぞれの入口にRFIDタグを読み取るRFIDタグリーダを設けることとしてもよい。そして、複数の部屋のそれぞれにおいて、訪問者の名刺に付加されたRFIDタグを読み取り、入室管理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 訪問者動向収集システム
10 訪問者動向収集サーバ
20 プリンタ
25 スキャナ
30 バーコードリーダ
50 通信ネットワーク
101 表示部
102 操作部
110 制御部
111 識別情報印刷制御部
112 個人情報取得部
113 識別情報記憶制御部
114 入室履歴生成部
115 統計部
120 記憶部
121 入室管理DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部屋を有する施設に入館した訪問者の動向を収集する訪問者動向収集システムであって、
前記訪問者の個人情報が表示された紙葉に識別情報を付与する識別情報付与部と、
前記紙葉に表示された前記訪問者の個人情報を読み取る個人情報読取部と、
前記紙葉に付与された識別情報と、該紙葉に表示された個人情報とを関連付けて記憶する識別情報記憶部と、
前記複数の部屋それぞれの入口に配置され、前記紙葉に付与された前記識別情報を読み取る識別情報読取部と、
前記識別情報読取部により読み取られた前記識別情報の読み取り履歴を記憶する入室履歴記憶部と、を備える訪問者動向収集システム。
【請求項2】
前記履歴記憶部は、前記識別情報、前記識別情報読取部により前記識別情報が読み取られた時間、前記識別情報読取部が配置された位置の情報、及び前記識別情報に応じて前記識別情報記憶部に記憶された前記個人情報を関連付けて、前記訪問者の前記複数の部屋への入室の履歴として記憶することを特徴とする請求項1に記載の訪問者動向収集システム。
【請求項3】
前記個人情報毎の前記複数の部屋への入室の履歴に基づいて、前記訪問者の動向について統計をとる統計部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の訪問者動向収集システム。
【請求項4】
前記識別情報付与部は、前記紙葉に対してバーコード化された識別情報を付与し、
前記識別情報読取部は、前記バーコード化された識別情報を読み取ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の訪問者動向収集システム。
【請求項5】
前記識別情報付与部は、前記紙葉に対して肉眼で視認できない不可視インクにより識別情報を付与し、
前記識別情報読取部は、前記不可視インクにより付与された前記識別情報を読み取ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の訪問者動向収集システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−186292(P2010−186292A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29505(P2009−29505)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】