説明

設備からデータを獲得するためのシステムおよび方法

【課題】遠隔ロケーションにおいて特性を検出するため、および検出した特性を示すデータを中央ロケーションに配置されたデータベースへ伝送するためのシステム。
【解決手段】各遠隔ロケーションに配置された各現場計測器ユニットは、ディジタル出力読み値を生成するためのセンサ、ディジタル出力読み値をストアするためのメモリ、遠隔ロケーションと中央ロケーションの間において情報を送受するための第1の通信ユニット、各種コントロール等するためのプロセッサ、を包含する。また、中央ロケーションにおいて、第1の通信ユニットとの間において情報を送受するための第2の通信ユニット、遠隔ロケーションから受け取ったデータをストアするためのデータベース、を包含する。複数の現場計測器ユニットは、放射状トポロジで構成され、中央ロケーションのデータベースが放射状トポロジの中心に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1ないしは複数の設備から圧力、フロー、および温度のデータを獲得するためのシステムに関する。より詳細に述べれば、限定する意図ではないが、本発明は、圧力、フロー、および温度の測定量を収集し、処理し、ストアし、かつデータを遠隔配置されたネットワーク・データ・レセプタ系列へ中継する1ないしは複数の計測器に関し、それにおいては、たとえば複数のユーザがそれにアクセスすることができる。
【背景技術】
【0002】
地中埋蔵層からの油およびガスの生産において、オペレータは、多くの遠隔地で鉱井の完成が必要になることを認識している。炭化水素の生産、輸送、および精製を行うためには、それらの遠隔地に生産設備を建造する必要がある。炭化水素の有害な性質に起因して、プロセスのあらゆる段階において各種の安全機能を採用し、汚染、爆発、およびそのほかの安全侵害から安全を確保することが必要である。
【0003】
オペレータは、これらの油ガス設備からの圧力、温度、フロー・レート等の監視が、必須でないとしても有用であることを認識している。監視の理由は少なくない。たとえばオペレータが、坑底の圧力、浸透率、表層ダメージ等を計算するために、産出井のテストを望むことがある。それに加えてオペレータが、適切な動作状態を維持するべく、単にセパレータ、パイプライン、および/または容器内の圧力の監視を望むこともある。特定の応用にかかわらず、適時的態様において油ガス設備の状態を正確に監視する必要性が存在する。
【0004】
さらに、所定の地域にわたって地理的に離隔されている多数の個別の油ガス設備の状態を監視するためのシステムを提供し、生産設備または地域における全体的な状態の不偏的な評価を可能にすることも望ましい。
【0005】
従来技術デバイスは、油ガス設備とリモート通信するために設計されていた。たとえば、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition;スーパーバイザリ・コントロール・アンド・データ・アクィジション)システムは、遠隔地の監視ならびにそれとの通信のために開発された。しかしながら、これらのSCADAシステムは、様々な欠点を有している。
【0006】
重要な欠点は、SCADAシステムによって採用されているマスタ‐スレーブ通信プロトコルに内在する限界である。スレーブは、マスタからの呼び出しのために絶えずパワー‐アップ状態で待機していなければならない。また、マスタが呼び出したときには、マスタに対してスレーブが迅速に応答し、マスタがスレーブのために使用する時間を最小化しなければならない。
【0007】
さらに従来技術システムは、限られた数の油ガス設備から単一の監視ステーションへ通信を行い、続いてそれが中央コントロール・ステーションへの情報の中継を行う。このアーキテクチャは、マスタ監視ステーションが、各スレーブの現場ロケーションに対するポーリングを個別に行って通信の衝突を防止しなければならないことから必要となる。
【0008】
現在の実践における別の限界は圧力測定の精度であり、その精度は、周囲温度の変動によって損なわれる。この精度の限界は、プロセス・シミュレーションあるいはプロセス評価といった測定の安定性に依存する多くのプロセス監視応用における効果を減じる。
【0009】
現在の実践におけるさらに別の限界は、物理的なサイズ、コンポーネントの数、および複雑な相互接続から結果としてもたらされる入り組んだ取り付け要件であり、各現場ロケーションにリモート測定システムを実装するために必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、正確な圧力、フロー、および温度のデータを取り込み、ストアし、処理し、かつこのデータをより柔軟な態様でローカル・コンピュータおよび/またはリモート・サーバへ伝達することのできるシステムおよび方法についてのニーズが存在する。また、ユーザが複数の遠隔ロケーションから必要に応じてデータへアクセスすることを考慮に入れたシステムについてのニーズも存在する。さらに、リモート・ユーザに対して、効果的かつ適時的な態様であらかじめ決定されたアラーム状態を警告することのできるシステムについてのニーズも存在する。さらにまた、多くの実際的な応用においては、現在の実践を用いて達成される精度ならびに安定性と比較して改善された圧力測定精度ならびに安定性についてのニーズも存在する。さらにまた、爆発の恐怖を伴うことなく油ガス環境内において作業し得る計測器についてのニーズも存在する。さらにまた、測定システムのコンポーネントの多くを単一のコンパクトなパッケージへ統合し、取り付けを容易にする計測器についてのニーズも存在する。これらの、および多くのこのほかのニーズは、ここに述べる本発明によって達成されることになろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のシステムは、1ないしは複数の現場計測器を統合することができ、それを使用して遠隔ロケーションからデータ信号を収集し、中央サーバへ伝送することができる。これらの現場計測器は、同一もしくは異なる構成のものとすること、および多数の動作、状態に関するデータの収集ならびに伝送に適合させることが可能であり、それには、限定を意図するわけではないが、油および/またはガスのフロー・レート、圧力、温度、製造副産物のガス濃度等が含まれる。
【0012】
1つの可能性のある側面においては、プロセス・ラインから獲得された圧力読み値を伝送するためのシステムが開示されている。この圧力読み取りシステムは、現場センサ計測器として、第1の統合されたアナログ圧力センサを中に伴う第1の開口を有する1ないしは複数の小型の爆発耐性容器を包含し、当該センサは、ディジタル圧力出力読み値を受け取るため、処理するため、およびストアするためのコントロール手段と接続される。このコントロール手段は、エンクロージャ内に配置されている。第2のリモート・ディジタル・センサが、エンクロージャ内の第2の開口を介してコントロール手段と接続される。またこのシステムは、内側チャンバ内に配置された、ディジタル圧力出力読み値を離れた場所へ伝送するための手段も包含する。さらにこのシステムは、処理済みディジタル圧力出力読み値を、その設備のところに配置されている端末へ伝送するためのシリアル通信手段も含む。
【0013】
一実施態様においては、このシステムが、各現場計測器への伝送のための伝送手段と機能的に関連付けされたデータベース手段を含み、そのデータベース手段を用いてディジタル読み値をストアし、ディジタル読み値の受け取り、検索、および通信のためのデータ・マネージャ手段を含む個別の計測器および/または設備に対するストア済みディジタル読み値の割り付けを行う。このシステムは、さらに、設備から遠隔配置された中央サーバ包含し、それにおいて中央サーバは、データを受け取ることができる。
【0014】
さらにこのシステムは、データベース手段と機能的に関連付けされた、データへのアクセスを可能にするためのユーザ・インターフェース手段、およびそのユーザ・インターフェース手段へアクセスするための手段を有するユーザ・コンピュータを有する現場計測器を包含する。
【0015】
さらにシステムは、アナログ信号を生成する複数のアナログ・センサ;アナログ・センサと接続されたアダプタであって、エンクロージャの第2の開口内にシールを保って支持されているアダプタ;および、アナログ・センサと電気的に接続された、アナログ信号をディジタル読み値へ変換するための手段を包含する。
【0016】
好ましい実施態様の1つにおいては、伝送手段が、TCP/IPプロトコルを使用してインターネット経由で中央サーバへディジタル圧力出力読み値を伝送するための通信モジュール手段を包含する。さらにこのシステムはユーザ・コンピュータを含むことができ、それにおいてはユーザ・コンピュータに、データを読み出すことのできるウェブ・ブラウザ、およびユーザ・コンピュータからインターネットへの通信リンクがロードされている。
【0017】
このエンクロージャは、圧力を検出することに使用される圧力センサを収容するとして開示されているが、そのほかのタイプのセンサの使用が可能なことも理解される必要がある。たとえば、これらの圧力センサに代えて、あるいはそれに追加して、所定の設備における追加のセンサ・データを提供するために、温度センサおよび/または化学物質センサを同様の形で現場計測器エンクロージャ内に収容することができる。
【0018】
1ないしは複数の設備から圧力等のデータを収集するため、伝送するため、および監視するためのプロセスも開示されている。このプロセスは、所定の設備において、中空部材へ圧力を伝達すること、およびその中空部材から圧力センサへ圧力を伝達することを包含する。好ましい実施態様においては、エンクロージャが提供され、当該エンクロージャが、第1の開口、第2の開口、および内側チャンバを有し、それにおいて圧力センサが、第1の開口内に収容される。
【0019】
このプロセスは、内側チャンバからの圧力が閉じ込められるように第1の開口ならびに第2の開口をシールすることを含み、その結果、内側チャンバへの圧力の出入りが排除される。圧力センサからのディジタル圧力読み値が収集され、そのディジタル圧力読み値を受け取るため、処理するため、およびストアするためのコントロール手段へ伝送されるが、それにおいてコントロール手段は、内側チャンバ内に配置されている。続いてストレージ手段内のディジタル圧力読み値が、ディジタル・データの通信を行うためのモデム通信手段へ伝送されるが、このモデム通信手段もまた内側チャンバ内に配置されている。
【0020】
実施態様の1つにおいては、モデム通信手段内においてディジタル圧力読み値がディジタル・パケット・データへ変換され、続いてそれが当該モデム通信手段を介して伝送される。ディジタル・パケット・データは、リモート・データベース・エンジンにおいて受け取られ、それにおいては、その後の検索のためにそれがストアされる。さらにこのプロセスは、アナログ・センサを用いたアナログ読み値の収集を包含し、それにおいてはアナログ・センサが、エンクロージャの第2の開口内にシールを保って収容される。アナログ読み値は、ディジタル読み値へ変換され、コントロール手段へ伝送される。
【0021】
実施態様の1つにおいては、データベース・エンジンがデータ・マネージャを包含し、この方法が、各設備に関するディジタル圧力データならびにディジタル温度データをストアすることをさらに包含する。それに加えてデータベース・エンジンは、さらに中央サーバ・インターフェースを含むことができ、このプロセスは、その中央サーバ・インターフェースを介してデータベース・エンジンと通信する中央サーバを提供すること、およびユーザ・コンピュータから中央サーバへアクセスすることをさらに包含する。その後、所定の設備に関するディジタル圧力読み値がユーザ・コンピュータから要求され、そのディジタル圧力読み値が中央サーバへ伝送されるが、最終的にはそれが、ユーザ・コンピュータへ伝送される。
【0022】
本発明の教示によれば、ユーザ・コンピュータがコントロール手段への直接リンクを有することが可能である。ユーザ・コンピュータは、設備のところもしくは遠隔設備のところに配置することができる。プロセスは、直接リンクを用いてユーザ・コンピュータからコントロール手段へ接続すること、およびディジタル圧力読み値をユーザ・コンピュータへ伝送することを包含することになる。
【0023】
別の実施態様においては、プロセスが、現場計測器のデータのポーリングおよびあらかじめ決定済みのデータ限界のセッティングを含む。あらかじめ決定済みの限界の超過があると、この例外が記録され、例外信号が生成される。この例外信号はデータベースへ渡される。例外信号は、中央サーバへ伝送され、その後ユーザ・コンピュータへ伝送される。
【0024】
またプロセスは、ディジタル圧力データをウェブ・サーバへ渡すこと、およびその後このディジタル圧力データをインターネットへ渡すことを含み、それにおいてはユーザ・コンピュータからこのディジタル圧力データへ、ウェブ・ブラウザを用いてインターネット経由でアクセスすることができる。
【0025】
好ましい実施態様の1つにおいては、周囲温度効果の悪影響についてディジタル圧力データを補正するステップが、反復を通じてディジタル圧力データをマッピングすること、および高精度の圧力読み値への逆計算を行うことを含む。
【0026】
本発明の特徴は、ローカルならびにリモートの、日常的な無人の測定、データのログ作成ならびに圧縮、およびデータベース生成を考慮に入れることを含む。長期プロセス・パフォーマンス監視、オンボード構成可能なプロセス分析(すなわち、プロセス・パラメータが特定値に到達したときのレポート)、およびプロセス監視および表示が可能である。
【0027】
オペレーティング・システムは、オリフィス・ガス・フローのAGA3およびAGA8計算、プロセス暴走レポートならびにタイム・スタンプ(すなわち、ピーク需要ビリングのため)、および警告生成ならびにエラー・ログ作成(すなわち、プロセスの連動ならびに診断のため)を組み込んでいる。オペレーティング・システムは、固定されたレート、プログラムされた順序でサンプリングを実行し、あるいはそれがトリガされ、かつ/または自動調整となる。サンプリング・レートは、圧力セット・ポイント(上昇または降下)、圧力変化レート(上昇または降下)、圧力差(上昇または降下)、温度セット・ポイント(上昇または降下)、および温度変化レート(上昇または降下)を基礎とすることができる。
【0028】
またサンプリング・レートは、フロー・レート(すなわち、高いフローに対して高いサンプリング・レート)、フロー・レートの変化(すなわち、安定したフローに対して低いサンプリング・レート、不安定なフローに対して高いサンプリング・レート)等の計算済みパラメータを基礎としてもよい。サンプリング・レートと、状態、状態の変化、ディジタル入力信号の周期またはレートを関連付けさせることも可能である。これとは別の特徴は、動的および/または静的ソースの特性記述を実行する機能であり、それにはパイプライン、ポンピング・ステーション、タンク・ファーム等に関するイン‐ライン・テストが含まれ、これらは伝達関数の特性記述をはじめ、テストを必要とする。たとえば、この計測器を閉じ込められたツールとともに使用して、埋蔵層分析のための『圧力対時間』および『圧力対フロー・レート』特性曲線を開発することができる。またこのシステムを、予防メンテナンス通知、およびシステム・エラー検出ならびにフラグ設定のために使用することができる。
【0029】
このシステムのデータ転送およびアラーム通知機能は、TCP/IPプロトコルの使用に起因して、従来技術デバイスに比べて有意に柔軟性が高い。現場計測器が、好ましい一実施態様においては、このシステムのアプリケーション・プロトコル・レイヤの機能の内側で中央ロケーションに対する通信を開始することが可能であり、部分的にそれを理由として、このシステムのデータ転送およびアラーム通知機能は、従来技術デバイスに比べて柔軟性が有意に高い。たとえば、従来技術における場合のように、リモート・マスタから計測器のポーリングが行われるまで待機するのではなく、本発明の一実施態様のシステムならびにプロトコルは、現場計測器に通信を開始可能か否か、すなわち現場計測器がアラーム状態を検出したか否かといったことを決定させ、かつこのデータの転送ならびに通知をサポートする。従来技術デバイスに比較して高いこの柔軟性は、システム内における通信を改善し、より堅牢なアラーミングを結果としてもたらすことができる。システムは、長期のデータ・ログ作成およびこのデータのストアも可能にすることになる。おそらくはもっとも重要となろうが、これらの計測器は、油ガス生産および輸送設備の適正な管理ならびに最適化のためには必須となる圧力データの高い確度、高い精度、および高い分解能を有する。
【0030】
外部通信について述べれば、このシステムは、通信ポート管理を考慮に入れている。それに加えて、ワイヤレス・モデム・オプションは、専用もしくはローカル公衆電話システムへのアクセス、または非常に離れたロケーションのための衛星アクセスを考慮に入れており、それもまたインターネットもしくはローカル・イントラネットへのアクセスを可能にする。計測器は、組み込まれたアンテナもしくはリモート・アンテナのいずれも使用することができる。
【0031】
システムのデータ管理ならびにデータ・ルーティング機能は、様々な方法で構成することができる。もっとも単純なものは1対1の関係であり、それにおいては、1つの計測器からのデータが単一のユーザへ伝えられる。計測器ならびにデータ・アクセスは、単一ユーザによって管理される。第2に、多くの計測器からデータが収集され、順序正しくまとめられ、かつ単一のユーザへ伝えられるといったことが可能である。計測器ならびにデータ・アクセスは、単一ユーザによって管理される。第3には、多くの計測器からのデータが収集され、順序正しくまとめられ、1ないしは複数の好ましくは多様なユーザへ伝達される。計測器およびデータのアクセスならびにコントロールの特権は、ローカライズされたプロセスまたは分散プロセスによって管理され、異なるユーザについて異なるものとすることができる。
【0032】
現場ユーザは、ローカル・ディスプレイおよび指示器を有し、それには、測定結果、エラー・コードおよびメッセージを呈示するための液晶ディスプレイ(LCD);計測器の状態を示す発光ダイオード(LED)および電源LEDが含まれる。マニュアル入力スイッチが、マスタ・リセットおよびシステム構成のために含められる。また、ローカル端末オプションは、ローカル診断の実行、インストール・ファームウエアのアップグレード、および可能なプロセス・データのローカル検索を考慮に入れている。
【0033】
好ましい現場計測器エンクロージャ構成の計測器の追加の特徴は、それがコンパクトであり、比較的独立しており、高度に統合されていることである。このエンクロージャは、危険箇所において使用することができる(爆発耐性があり、ゾーン1用に定格設定されている)。エンクロージャは、物理的に堅牢であり環境的にシールされている。
【0034】
応用には、流体またはガスの計量、一般的には遠隔処理設備内もしくはパイプライン内におけるそれが含まれる。この現場計測器は、比較的低コストかつ取り付け容易である。現存する設備に対する変更は、ほとんど必要とされない。
【0035】
このシステムは、計測器がオリフィス・プレートと結合されているとき、圧力ならびにフロー・レートを監視することが可能である。オペレーティング・システムは、計測器に対して最大で秒当たり1回のレートでデータのサンプリングを行うことが可能であり、時間的分解能の高いフロー計算の実行を可能にする。計測器は、保護付き移送応用、使用時点計量、および輸送パイプライン漏れチェックに適している。計測器は、通常、リモート・データ・ダンプ・モードで動作し、周期的に、ログ済みのフロー・データおよびフロー統計を、ユーザのデータベースに対してワイヤレス・ディジタル・モデム経由で配信する。必要に応じてこの計測器は、プロセス値もしくはステータスが仕様から外れていることを順行抑制的に通知するべくアラーム・モードに切り替わること、あるいは周期的に問い合わせが行われてプロセス状態を読み取ることができる。この計測器の場所としては、鉱井ヘッドまたはパイプライン監視ステーションが挙げられる。概して通信は、地上セルラ・サービスもしくはディジタル衛星リンクのいずれかによって提供されるワイヤレス通信チャンネルを介して行われることになる。この新しい計測器は、リモートおよび/または無人セッティングで使用すること、あるいはフロー・レートおよび合計量の正確な収集ならびにタイム・スタンプが必要な場合に使用することができる。
【0036】
このシステムには多く用途がある。たとえばこのシステムを、油ガス・プラットフォーム、パイプライン、およびパイプライン設備において使用することができる。このシステムは、地下水製造ならびに地下水面レベルの監視に使用することも可能である。この新しいシステムは、保護付き移送のため、あるいは貯蔵ならびに配給設備、化学処理設備、大量移送設備(トラック、船舶、鉄道等)の監視のために使用することができる。それに加えて、現場計測器を、使用時点システムおよび水ならびに下水を含むユーティリティに使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】表面データ・システムの基本コンポーネントを概略で示したフローチャートである。
【図2】圧力データ・プローブの実施態様を示した断面図である。
【図3】好ましい実施態様のハードウエア構成を概略で示した概略図である。
【図4】本発明の第1のシステム・アーキテクチャを概略で示したフローチャートである。
【図5】本発明の第2のシステム・アーキテクチャを概略で示したフローチャートである。
【図6】サーバ構成の一実施態様を概略で示した概略図である。
【図7】本発明のディジタル信号処理を示したフローチャートである。
【図8】本発明のアナログ信号処理を示したフローチャートである。
【図9】読み値を獲得するためにセンサのパワー・アップを行うシーケンスを示したフローチャートである。
【図10】本発明のエンクロージャを示した概略図である。
【図11】好ましい実施態様のオペレーションおよびデータのフローチャートである。
【図12】好ましい実施態様のハードウエア・アーキテクチャを示した概略図である。
【図13】本発明の別の実施態様のシステム・アーキテクチャを示した概略図である。
【図14】本発明の好ましい実施態様に従ったサーバ/データ・ベース・システムのアーキテクチャの概要およびシステム内のデータの流れを示した概念的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1を参照し、本発明の現場計測器2(FI)の基本コンポーネントを図示した概略のフローチャートを説明する。もっとも好ましい実施態様におけるFI2は、油ガス産業に使用するために特別に設計された非常に高精度な圧力計測器である。図示の実施態様においては、2つのアナログ圧力センサ4、6がエンクロージャ内に包含されることになる。
【0039】
センサ・コアは高精度、シリコン結晶のひずみゲージであり、高圧オートクレーブ・フィッティング・アダプタ内にレーザ溶接されているが、それもまたエンクロージャ上に配置されたハウジング・ポートの1つに装着されている。このアッセンブリは、最大で12,000psiの圧力で定格され、1.3の過大圧力レートを有する。適切な圧力センサ4、6は、カナダにあるZ.I.プローブズ・インク(Z.I.Probes,Inc.)から#14095140プレッシャ・センサの標章の下に市販されている。
【0040】
このエンクロージャには、温度プローブ等の低精度外部抵抗ベース・センサ8を取り付ける補助アナログ・センサ・ポートが含まれている。温度プローブは、オメガ・インク(Omega,Inc.)からPR‐12タイプの名の下に市販されている。FI2には、補助ディジタル・センサ・ポート9を組み込むこともでき、その結果、デバイスを取り付け、RS‐485信号バスを介して多数の外部ディジタル・センサと通信を行うことが可能になる。このバス上において、FI2は、多様なプロトコルを使用して外部ディジタル・センサのポーリングを行うことになる(すなわち、Mod‐bus:モドバス)。FI2のエンクロージャは、爆発耐性があり、ゾーン1(クラスI,ディビジョン1,グループC,D,ほか)危険場所における運用のためのC.S.A/UL認可を受けることになる。実際のエンクロージャについては、説明を後述する。
【0041】
好ましい実施態様においては、FI2が内蔵バッテリ・パック10によって自己給電されるが、本発明の教示は、可能な外部電源の使用を含む。再充電可能なバッテリを使用してもよい。再充電可能なバッテリ・パックは、当業者に周知のとおり、太陽電池パネルもしくは外部電源と接続することによって再充電することができる。
【0042】
読み値は、あらかじめプログラム済みの時間間隔でカスタム・オペレーティング・システム12を介して獲得され、内部的に不揮発性メモリ14内にストアされる。読み取りと読み取りの間は、オペレーティング・システム14内のあらかじめプログラム済みのルーチンを介して電子回路ならびにセンサがパワー・オフとなり、エネルギが節約して使用される。カスタム・オペレーティング・システムは、リアル・タイム・クロック(RTC)を使用する。このRTCは、あらかじめプログラム済みの時刻にこのシステムをパワー・アップした後、続いて、それぞれの新しい読み値の獲得のための準備としてメイン・プロセッサ16に対する割り込みを行う。電子回路の初期化が済むと、プロセッサ16が、それに接続されている内蔵センサ4、6、および外部センサ8、9のそれぞれからの読み値を獲得し、それらの読み値を不揮発性メモリ14内にストアする。オペレーティング・システム12、メモリ14、およびマイクロプロセッサ16は、データを受け取るため、処理するため、およびストアするためのコントロール手段と呼ばれる。
【0043】
読み値の処理が済むと、それらがオプションとして小型LCD18上に表示され、詳細を後述するように、エンクロージャの窓を介してそれを観察することができる。LCD 18と並んで、回路基板(図示せず)上に、現存するプログラムの起動、プロセッサ16のリセット、およびFIのマニュアル構成のためのいくつかの小型スイッチが備わっている。
【0044】
詳細については後述するが、FI2を使用して多様なプロセス・ポイントの測定を行うことが可能である。たとえば、このシステムには次のような用途がある:単一圧力測定ならびに単一温度測定;2つの圧力測定および1つの温度測定;オリフィスのガス・フローの測定(差動圧力の測定を必要とすることになる)および温度測定。ただしこのリストは例示である。
【0045】
開示した実施態様の1つにおいては、FI2を鉱井テスト市場において使用することができる。したがって本発明は、圧力蓄積テストの監視を考慮に入れている。任意の特定の鉱井から圧力を伝達するラインを圧力センサ4へ連絡することが可能であり、それによってデータの記録ならびに伝送が考慮されることになる。FI2は、短期テストもしくは長期テストのために鉱井ヘッドまたはパイプライン上に取り付けることが可能である。このように読み値を収集して不揮発性メモリ14にストアするか、あるいはここで述べているほかの通信手段の1つによって伝達することができる。
【0046】
本発明の利点の1つは、多数の異なる動作モードである。1つのモードは、テスト後に、標準ラップトップ・コンピュータ等の現場コンピュータへの読み値のダウンロードを可能にし、それらを観察し、レポートを生成することができる。この動作モードは『メモリ』オンリーと呼ばれる。
【0047】
本発明の教示によれば、FI2が、内蔵ワイヤレス通信モジュール20を伴って設計されている。好ましい実施態様における通信モジュール20は、シエラ・ワイヤレス・インク(Sierra Wireless Inc.)からSB300の標章の下に市販されている。通信モジュール20を伴う現場ユニットは約3ワットの外部電源を必要とし、それによってバッテリ10の再充電が行われることになる。
【0048】
テスト・サイトに取り付けられた後は、FI2が自給式となり、その場所に長時間にわたって置いておくことができる。ワイヤレス通信モジュールを使用する動作モードにおいては、FI2が、ホスト・サーバからの情報をオン・デマンドで、あるいは規則的なスケジュールに従って、もしくは例外レポーティング(すなわち、詳細を後述するが、アラーム・スレッショルドの超過)によって中継を行うことができる。センサ4、6、8、9の生の読み値が獲得されると、それらの読み値がプロセス値へ変換される。これは、アルゴリズムおよび較正(CAL)ファイルを使用して行われる。
【0049】
FI2内にパッケージされているモジュール20は、低電力デバイスであり、少なくとも1つもしくは複数の手段:すなわち(1)陸線電話;(2)回線交換セルラ・チャンネル(すなわち、第1世代アナログ携帯電話チャンネルに有効);(3)セルラ・ディジタル・パケット・データ(CDPD);および(4)衛星(すなわち、低電力衛星通信の使用によってデータを伝送することができる)によってコンピュータ対コンピュータの通信を可能にする。これらの4つの標準的な通信手段によってFI2は、任意の場所に配置することが可能になる。実施態様の1つにおいては、オペレーティング・システム12が通信モジュール20とともに、限定する意図ではないが鉱井テストならびに監視応用を含むすべてのオペレーションのためのネットワーク・アーキテクチャを伴うすべての通信にTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol;トランスミッション・コントロール・プロトコル/インターネット・プロトコル)をFIシステムが使用することを可能にする。
【0050】
TCP/IPは、主要な通信プロトコル標準である。TCP/IPは、実際に、協働する2つの別々の通信プロトコルである。関連するプロトコルの全体のファミリは、TCPおよびIPを2つの主要プロトコルとして、TCP/IPヘッディング内にカバーされている。TCPは、データをパケットへ分解する役割をはじめ、それらを再び組み立てる役割を部分的に担う。IP部分は、ネットワークを介してデータ・パケットが伝送される方法を扱う。TCP/IPを使用することによって、異なるオペレーティング・システムを実行している異なるコンピュータは、それらがすべてこのプロトコルに従っている場合には互いに通信することが可能になる。
【0051】
当業者であれば認識されることになろうが、現場レベルのSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition;スーパーバイザリ・コントロール・アンド・データ・アクィジション)システムは、マスタ‐スレーブ・ベースの通信プロトコル(たとえば、Modbus;モドバス)を使用する。ほとんどの現場監視状況においては、リモート・オフィス・コンピュータが一般にマスタとなり、現場ユニットがスレーブとなる。これは、スレーブのポーリングが行われたときに限ってスレーブが情報をホストへ転送できることから、データが現場ユニットからオフィスへどのように流れるかについて生得的に決定する。このことは、現場ユニットがアラーム状態を有しているときにおいても現場ユニットが中央オフィスへの通知を開始できないことを意味する。
【0052】
アプリケーション・レイヤ・プロトコルを使用すると、詳細を後述するとおり、従来技術のマスタ‐スレーブ関係を取り除き、現場ユニットと中央オフィスの間における非同期の情報の流れを考慮に入れることが可能になる。この新しいシステムは、従来技術に対して次のような利点を有する:第1に現場ユニットは、例外またはアラーム状態が存在するときに随時、ホストからのポーリングを待機することなく、中央オフィスへ通知することができる;第2にワイヤレス・ネットワークを介したパケット・ベースの伝送は、見通しエリアのライン内のすべてのほかのユニットについて現場ユニットの無線が誤動作し、伝送リンクの輻輳を招く可能性を除去する;第3にFIユニットは、サイトのアレイ上において同時発生する読み値を獲得するべくアクティブ化することができる。なおこれは、例示を意図したリストである。
【0053】
次に図2を参照して、基本的な圧力センサ4の概略図について説明する。ここで注意されたいが、多様な図面に使用されている類似の番号は、類似のコンポーネントを参照している。概して言えば、半導体ベースの圧力トランスデューサが、ナショナル・セミコンダクタ(National Semiconductor)、モトローラ(Motorola)、およびハネウェル(Honeywell)といった会社から市販されている。好ましい実施態様の、Z.I.プローブズ・インク(Z.I.Probes,Inc.)から市販されている圧力センサ4は、オペレーティング・システム内に温度補正ファクタ・アルゴリズムを組み込むことによって修正されている。実施態様の1つにおいては、センサ4が、概して柔軟なシリコン・ダイアフラム30、およびその表面にマウントされた抵抗ブリッジ・センサ32からなる。このダイアフラムの一方の側はシール付きチャンバ34であり、他方の側は入力圧力に開放されている。このダイアフラムのたわみは、この分野に周知のとおり、抵抗センサに信号を生成させる。ブリッジ回路、励振、計装増幅器、およびそのほかの補償および調和回路を含めて必要なすべての電子回路31が包含されている。
【0054】
図3は、好ましい実施態様のハードウエア構成を示した概略図であるが、それについて次に説明する。電源管理手段50は、内蔵再充電可能バッテリ52を包含しており、好ましい実施態様においてはそれを、リチウム(Li)および/または鉛‐酸ベースの再充電可能バッテリとする。このバッテリ52は、‐20℃から+50℃までの範囲の周囲温度に適している。電源管理手段50のいくつかの特徴として、低電圧シャット・ダウンを考慮に入れた、過放電劣化効果からバッテリを保護するバッテリ保護回路(図示せず)も含められことになる。また、バッテリを過充電から保護する高電圧クランプも含められる。さらに電源管理手段50内には、長時間にわたってバッテリがピーク充電電圧にとどまらないことを保証するバッテリのサイクリングおよび調和のための回路が含められる。新しいバッテリ・テクノロジのための充電を可能にするべく構成可能なスマート充電テクノロジも含められる。
【0055】
図3に示されているとおり、このハードウエア構成は、外部電源オプションも含んでいる。オプションの太陽電池パネル接続54を含めることができる。この設計は、オプションのバッテリ・バンク56が、電源管理モジュールへ電気的に接続されることも考慮に入れている。それに加えて幹線アダプタ58を、本質的に安全な12VDCを出力するユニバーサルAC幹線コンバータとともに含めることが可能である。このハードウエア構成は、電流制限付き、電圧制限付き、短絡保護付き、およびESD(静電放電)保護付きの補助電源出力60を含む。
【0056】
このハードウエアは、さらに包括的に番号62によって表されているマイクロコンピュータ・スーパーバイザリ機能回路を包含する。この回路62は、サンプリングを開始するための割り込みを生成するべく設計されたリアル・タイム・クロックを含んでいる。また回路62は、高速、低速、および停止機能を有するマイクロ中央処理ユニット・クロックを含む。さらに回路62は、電源モニタ、ウォッチドッグ・タイマ、システム・リセット機能を有する。このリセット機能には、電源のアクティブ化もしくは電源割り込み時のリセット、および特定の回復可能なシステム障害時のリセットが含まれる。
【0057】
マイクロコンピュータ64は、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ66、不揮発性読み出し専用メモリ68、電気的消去可能読み出し専用メモリ70、およびフラッシュ・キャッシュ・メモリ72を含むメモリ・ストレージ手段を備えている。これらのメモリ手段は、この分野において周知のとおり、マイクロプロセッサ73とのインタラクションのためにそれと電気的に接続されることになる(2つのプロセッサ:演算集約的作業のためのハイ・レベル・マイクロプロセッサおよび進行中のデータ収集ならびに低減電力消費のためのロー・レベル・マイクロプロセッサが存在する)。SRAM 66は、エヌ・イー・シー・カンパニ(NEC Co.)からUPD431000AGZという名前/部品番号の下に市販されており;ROM 68は、アトメル・カンパニ(ATMEL Co.)からAT29C020Aという名称の下に市販されており;EEPROM 70は、アトメル・カンパニ(ATMEL Co.)からAT28C256という名称の下に市販されており;フラッシュ・メモリ72は、エー・エム・ディー(AMD)からAM29F032Bという名称の下に市販されている。マイクロプロセッサ73は、エヌ・イー・シー・カンパニ(NEC Co.)からUpd70f3107agj‐uen(ハイ・レベル・プロセッサ)およびUpd78f9026agb‐8es(ロー・レベル・プロセッサ)というそれぞれの名称の下に市販されている。
【0058】
ローカルRS‐232Cシリアル・ポート72は、ラップトップ・コンピュータ72a等のローカル端末を介した端末接続の検出、ポート構成、および計測器構成を考慮にいれた設計に組み込まれる。ハードウエア・ハンドシェークのためのポート構成ならびに手段を有するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter;ユニバーサル・アシンクロナス・レシーバ・トランスミッタ)74がRS‐232Cと電気的に接続される。UARTは、エクサー・カンパニ(EXAR Co.)からXR15C850CMの名称の下に市販されている。
【0059】
RS‐485シリアル・ポート76は、適切なポート・セッティング、ハードウエア・ハンドシェーク手段、およびスマート・センサならびに処理デバイスへのアクセスの提供を伴って組み込まれている。RS‐485ポートは、前述したディジタル・センサ等のスマート・デバイスへの電気的接続を可能にする。またRS‐485ポートにもUART77が電気的に接続されており、それもまたマイクロプロセッサ73と電気的に接続されている。
【0060】
好ましい実施態様においてはLCDとするインジケータおよびディスプレイ手段78が含まれている。このLCDは、グラフィクス、数字等に適しており、基本プロセス・データの表示、セットアップ・ガイダンス、およびエラー・レポーティングを提供する。『OK』、『警告』、『異常』表示器としてグリーン、イエロ、およびレッドの光を放出する発光ダイオード(『LED』)を使用することができる。
【0061】
マニュアル入力モジュール80を介してマニュアル入力が可能であり、それをマスタ・リセット、シンプル・セットアップ、ディスプレイ構成等のための押しボタン(カバー付き)とすることができる。ディジタル入力取り込みポート82が含まれており、外部の接触センサを使用して、状態、状態の変化、タイミングおよびカウント応用に関する信号を監視することができる。
【0062】
アナログ・センサおよび読み出しモジュールは、番号84によって包括的に表されている。図示の構成は、3つのアナログ・センサ・ポート、すなわち86、88、90を有している。統合された精密圧力ポート86は、1つもしくは2つのチャンネルを有することになり、温度補償手段、信号を技術単位系へ変換するための変換手段、および4/6線抵抗エキサイテーションを包含し、絶対もしくは差動圧力を測定することができる。オプションのリモートもしくは内蔵センサ・ポート88が含められ、4/6線エキサイテーション・センサを有するが、このセンサは、通常、中程度の精度のプロセス温度センサもしくは圧力センサとなる。オプションのリモートもしくは外部センサ・ポート90を、1つの6線エキサイテーション・センサの接続を伴って含めることができる。このポート90は、2番目の内蔵ポートが使用されない場合に採用することができる。
【0063】
センサ・ポート86、88、90は、電気的にアナログ・エキサイテーション調和回路91aと接続されており、一方それはアナログ・マルチプレクサ91bと電気的に接続されている。信号は、直接マイクロプロセッサ73へ振り向けられるか、あるいは好ましい実施態様における場合のように、精密アナログ・ディジタル・コンバータ91cへ振り向けられる。アナログ・マルチプレクサ91bは、マキシム・カンパニ(MAXIM Co.)からMAX4052Aの名称の下に市販されている。精密ADC 91cは、バー・ブラウン・カンパニ(BURR BROWN Co.)からADS1211Eの名称の下に市販されている。ADC 91cは、図3に示されているとおり、マイクロプロセッサ73と電気的に接続される。
【0064】
データの収集のために、最小限1つの任意タイプのセンサが必要である。前述したとおり、アナログ・センサのチャンネルが最大で3つまでこのシステムに含められ、そのうちの2つを圧力(P)もしくは差動圧力(dP)とすることが可能である。したがって、ポート86および88を経由する統合されたアナログ・センサを高精度の6線測定用とし、次の組み合わせが可能である:P、dP、P+P、P+dP。ポート88もしくはポート90を経由する外部アナログ・センサは、中程度の精度であり、4線タイプ、または4‐20mAタイプとし、次の組み合わせが可能である:圧力(P)、差動圧力(dP)、抵抗温度検出器(RTD)、P+RTD、dP+RTD。
【0065】
ディジタル入力取り込み82と機能的に関連付けされる外部の接触タイプのセンサは、状態、状態の変化、あるいはタイミングを検出する。RS‐485ポート76を経由して接続されるリモート・ディジタル・センサ91を採用してもよく、このタイプのセンサは、多様なベンダから市販されている。
【0066】
コンパクト・ワイヤレス・モデム91dが含まれている。モデム91dは、UART互換入力を有し、CDPDデータ交換を使用することができる。モデム91dは、低電力RF出力を有する。好ましい実施態様におけるモデム91dは、前述したとおり、シエラ・ワイヤレス・インク(Sierra Wireless Inc.)から市販されている。アンテナ91eが、データの伝送のために示されている。
【0067】
本発明の教示によれば、可能計測器構成の1つがハードワイヤード陸線電話網への接続を含む。それに加えて、電話モデムを経由する回線交換セルラ;パケット・ベースのディジタル地上セルラ手段;あるいは同様にパケット・ベースのディジタル衛星リンク手段を含むワイヤレス形式の通信を使用することができる。データの転送のための別のオプションには、ハンド・ヘルド端末デバイスもしくはラップトップ・コンピュータに対するRS‐232Cポート72の使用が含まれる。
【0068】
次に図4を参照して、本発明の第1のシステム・アーキテクチャを概略で示したフローチャートを説明する。油ガス設備150全体にわたる任意のソースからの圧力を、FI2へ伝達することができる。好ましい実施態様においては、この圧力が炭化水素埋蔵層に対して完成された油ガス井151から伝達される。この圧力は、ダウン・ホール、鉱井ヘッド、フロー・ライン、セパレータ、パイプライン、プロセス装置等からFI2へ伝達することができる。
【0069】
図4においては、地中埋蔵層に対して完成された鉱井からの圧力が、FI2のセンサ4へ伝達された。アナログ温度センサ8も含められた。センサ4および8は、たとえば圧力ならびに温度データを収集することになり、続いて、それらのデータを前述のとおりに処理するためにオペレーティング・システム12へ伝送する。その後オペレーティング・システムは、このデータを現場通信モジュール20へ転送するが、このモジュールは、図3に番号152として示されているとおり、ディジタル情報を伝送することができる。
【0070】
現場通信モジュール20は、このディジタル・データを、オラクル・インク(Oracle Inc.)からオラクル8i(Oracle 8i)の名前の下に市販されているデータベース・エンジン154へ伝送する。データベース・エンジン154には、現場通信モジュール20と通信する現場通信ソフトウエア155がロードされることになる。データベース・エンジン154は、データベース158と機能的に関連付けされるデータ・マネージャ・ソフトウエア156から構成されることになる。ここでソフトウエアに関連して『機能的に関連付けされる』と述べているときは、2つのコンポーネントが互いの間においてデータを電気的に交換できることを単純に意味する。データベース158は、受け取り済みの多様なデータのストアを可能にするテーブル構成を有することになる。また、ユーザ・インターフェース・モジュール160も含められることになり、当該モジュールは、サーバ162とデータベース・エンジン154が通信可能となるようにサーバ162とインターフェースすることになるソフトウエアからなる。
【0071】
この情報システムのアーキテクチャは、サーバ162上にロードされるインターフェース164も含む。インターフェース164は、サードパーティの場所にも配置することができ、あるいは複数のユーザ・コンピュータ166a、166b、166c、166d上にもロードすることができる。サードパーティのコンピュータ166a〜166dには、ブラウザもロードされることになる。したがって、このサードパーティの場所においてユーザは、データベース158へアクセスすることができる。
【0072】
データベース・エンジン154は、オペレータ独自の現場に配置することができる。これは、データのセキュリティおよびそのオペレータによるコントロールを考慮に入れている。それに代えて、オペレータの現場から分けられた第3の現場にデータベース・エンジンを物理的に配置してもよい。
【0073】
本発明の教示によれば、個別のFIユニットにデータベース・エンジン154へのワイヤレス伝送を行う現場通信モジュールを持たせて、複数のFIユニットを複数の場所に配置することができる。その場合にデータベース・エンジン154は、複数の測定ポイントからの多数のセンサ情報をストアすることになる。それに加えて、複数のユーザが複数の場所からデータベース158へアクセスすることが可能である。
【0074】
詳細については後述するが、図13は、複数のFI2ユニットを接続する好ましい実施態様を開示している。この図13、すなわち詳細を後述する好ましい実施態様に示されているとおり、FIユニットは、中央ロケーション500に接続されているが、それがデータベース・エンジン154および/またはそのほかのデータベースを含むことができる。中央ロケーション500は、それぞれの現場ユニット2の現場通信モジュール20と通信する類似のデータベース現場通信ソフトウエアを包含している。
【0075】
次に図5を参照して、本発明の第2のシステム・アーキテクチャを概略で示したフローチャートを説明する。このシナリオの下においては、鉱井168からの圧力が圧力センサ4へ伝達され、続いてそこからFI2へと伝達され、さらにそこから現場通信モジュール20へと伝達されて、それにおいてデータベース・エンジン154へのワイヤレス伝送152が行われる。データベース・エンジン154には、現場通信ソフトウエア155およびデータ・マネージャ・ソフトウエア156がロードされることになる。データベース158は、受け取り済みの多様なディジタル・データのストアを可能にするテーブル構成を有することになる。また、ユーザ・インターフェース・モジュール160も含められることになり、当該モジュールは、ウェブ・サーバ170とインターフェースすることになるソフトウエアからなる。サーバ・インターフェース176も含められるが、このサーバ・インターフェース176は、データベース・エンジン154とウェブ・サーバ170の間において通信を行うべく機能する。
【0076】
図5の中に示されているとおり、この実施態様には少なくとも2つのシステム構成が存在する。第1に、サーバ・インターフェース176をインターネット178へ接続することができ、そこへクライアント166a、166b、166c、166d等を接続することができる。
【0077】
第2に、本発明の教示によれば、リンク184によって示されているように、現場センサ4、6をクライアント166d等の個別のクライアントへ直接接続することが可能である。このリンク184は、前述したようなワイヤレス・リンクとしてもよく、あるいは電話回線もしくはそのほかの従来的な手段としてもよい。オペレータが、セキュリティの理由からこの追加のリンクを持つこと、あるいはバックアップ・システムを持つことを希望することがある。理由の如何によらず図示のアーキテクチャは、このタイプの構成を考慮に入れている。
【0078】
図5は、例外レポーティングのための構成も示している。このようにデータ・マネージャ・ソフトウエア156は、アラーム状態の処理、すなわち圧力および/または温度データが何らかのあらかじめ決定済みのレベルを超える状態の処理を考慮に入れている。そのためソフトウエア内には、この例外を認識することになるルーチンが記述されており、ソフトウエアは、例外をクライアント166a、166b、166cおよび/または166dへ、あらかじめ決定されたとおりに自動的にレポートすることになる。
【0079】
図6は、サーバ構成の一実施態様を示した概略図である。このように第1のコンピュータ167aを、第2のコンピュータ167bと電気的に接続して使用することができる。コンピュータ167aには、ユーザ・インターフェース、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)、拡張HTML(XML)、および現場通信をロードすることができる。コンピュータ167bは、データベース・マネージャならびにデータベースがロードされることになる。
【0080】
図7は、本発明のディジタル信号処理を示したフローチャートである。このように、スマート・デバイスからの信号(300)がRS‐485デバイス76において受け取られると(302)、続いてそれがUARTへ渡される(304)。このUARTは、マイクロプロセッサによって受け入れられるように信号の調和を行う(306)。オペレーティング・システムの動作モードに応じてマイクロプロセッサは(306)、次のステップ308において読み値をUART74へ転送することができ、続いてそれが、RS‐232C 72へ渡される(310)。RS‐232C 72は、ローカル端末コンピュータ(312)に対するローカル・ダンプを考慮に入れており、それにおいてはユーザが、収集されたデータに、たとえば現場でアクセスすることができる。
【0081】
上記に代えて、動作モードによっては、データをUARTへ向けることができ(314)、続いてそれがシーケンス・ステップ316に示されているとおり、その信号をワイヤレス・モデム91へ渡すことになる。モデムは、ステップ318に示されているとおり、この信号をリモート・コンピュータへ伝送することになる。リモート・コンピュータからは、図4ならびに5を参照して前述したような様々な手段を介してデータを配布することができる。
【0082】
図8は、本発明のアナログ信号処理を示したフローチャートである。このように、アナログ・センサ・デバイス86、88、90からの信号が、アナログ・エキサイテーション調和モジュールおよびアナログ・マルチプレクサにおいて受け取られ(320)、それにおいてアナログ信号の調和が行われ、ステップ322のマイクロプロセッサへの転送が行われる。オペレーティング・システムの動作モードに応じてマイクロプロセッサは、その後ステップ324において読み値をUART74へ転送することができ、続いてそれがRS‐232C 72へ渡される(326)。RS‐232C 72は、ローカル端末コンピュータ(328)に対するローカル・ダンプを考慮に入れており、それにおいてはユーザが、収集されたデータに、たとえば現場でアクセスすることができる。
【0083】
上記に代えて、オペレーティング・システムのモードによっては、データをUARTへ向けることができ(330)、続いてそれがシーケンス・ステップ332に示されているとおり、ワイヤレス・モデム91へ信号を渡すことになる。モデムは、ステップ334に示されているとおり、この信号をリモート・コンピュータへ伝送することになる。リモート・コンピュータからは、図4ならびに5を参照して前述したような様々な手段を介してデータを配布することができる。
【0084】
図9は、読み値を獲得するためにセンサのパワー・アップを行うシーケンスをはじめ、読み値を獲得するステップのシーケンスを示したフローチャートである。このように、オペレーティング・システムは、ウェイクアップ信号をあらかじめプログラム済みの時間間隔で生成し(354)、それによってセンサのパワー・アップが行われる(356)。これらのセンサは、ブロック358に示されているとおり、読み値を獲得する。その後オペレーティング・システムは、これらのセンサのパワー・オフを行うことになる(360)。
【0085】
その後オペレーティング・システムは、前述したとおり、変換アルゴリズムを用いて、キャッシュ・メモリ内にストアされた生のセンサの値の実際の単位への変換を行う(362)。変換後の読み値は、続いてLCD上に表示されることになる(364)。変換済みのデータは、メモリ内にストアされる(366)。オペレーティング・システムは、あらかじめ決定済みの時間間隔に従って次のブロードキャスト時刻ポイントを決定し、そのブロードキャスト時刻において、現場計測器が(通信モジュールを介して)データをローカル・コンピュータへ渡し、モデムを介して送信することになる(368)。続いてオペレーティング・システムは、次のウェイクアップ時刻を計算し(370)、その後、これらのセンサをパワー・ダウン(スリープという)させる信号を生成する(372)。あらかじめ決定済みの時間間隔が経過した後、ウェイクアップ信号が生成され、それによってブロック354として示されるステップへのループ・バックが生じ、図9に示されているステップが繰り返される。
【0086】
次に図10を参照して、本発明のエンクロージャ400の概略図を説明する。好ましい実施態様においては、エンクロージャ400が概略で円筒状のベース402を包含し、それが外側円筒表面404を有し、そこから4つの突出開口(図7には、開口406、408、409だけが示されている)が延びている。これらの開口は、本質的に概して円筒形であり、内径412および内径412の外側の外径410を有する。内径412は、かみ合いねじ手段を有するアダプタにシール係合することになる内側ねじ手段414等の接続手段を有する。4つの開口は、すべて類似の内側ねじ手段を有する。Oリングを使用してシールを補助することもできる。そのほかの接続手段には、ピンをはじめ溶接アダプタの適切な位置での使用が含まれる。図10から理解されるように、ベースはLCD418を配置するための開口を伴うトップ416を含んでいる。
【0087】
液晶ディスプレイ(LCD)418も示されており、LCDは、プリント回路基板と電気的に接続されている。このLCDは、前述したとおり、ディジタル圧力読み出し部分へ電気的に取り付けられる。したがってオペレータは、エンクロージャ400を使用してディジタル圧力読み出し情報を観察することができる。LCD418は、カスタム・レイアウトであり、バリトロニクス・リミテッド(Varitronix Ltd.)から入手できる。
【0088】
したがって、エンクロージャ400は、アダプタが開口内に配置された後はシールされた容器となる。このエンクロージャ400は、爆発耐性シール容器を表す。当業者であれば理解されることになろうが、炭化水素は危険および/または腐食性物質となり得る。本発明の教示によれば、鉱井からの圧力が、最終的に開口内のセンサへ伝達される。本発明の重要な側面は、内側チャンバ229からの圧力を溜めておくことである。それに加えて、内側チャンバ420は、センサ、メモリ、オペレーティング・システム、モデム、バッテリ等のためのプリント回路基板を収容することになる。したがってこのエンクロージャは、内側のブラストに耐えられなければならない。忘れてならないことは、炭化水素流体ならびにガスは、低引火点を伴い、極めて可燃性が高いということである。
【0089】
図11は、オペレーションおよびデータのフローチャートであり、それについて次に説明する。特に図11は、オペレーションおよびデータのフローのシステム・ソフトウエアおよびファームウエアを図解している。オペレーティング・システムは、図3のハードウエア回路62を技術的に包含するスーパーバイザ手段90を含む。またスーパーバイザ手段90は、精密圧力マップ、RTD(抵抗温度検出器)の較正、および外部アナログ入力チャンネル上のカスタム・センサ用の専用較正(すなわち、4‐20mA変換)のための較正マップ・ローダ手段92aを含む追加のファームウエアを包含している。さらに、連続給電されることになるリアル・タイム・クロック手段94も含まれている。リアル・タイム・クロック手段94は、次回のデータ・サンプリングのためのマイクロプロセッサ割り込みまでのプログラマブル遅延を有する。
【0090】
スーパーバイザ90は、さらにデータ・サンプリングのための割り込みおよびスケジューラ96を含む。ファームウエア・インストーラ98は、ローカル端末を経由して、あるいはリモート通信チャンネルを経由してアクセス可能なブート・ローダを含んでいる。コマンド・インタプリタ手段102も包含されており、そこにはセンサ構成、電源管理構成、RTC構成、UART構成、メモリ構成、ディスプレイ構成を提供するための手段が含まれ、生のセンサ値、プロセス値、および様々な中間的な計算結果へのアクセスが可能になる。
【0091】
測定データ管理モジュール204は、スーパーバイザ手段90と電気的に接続されている。測定データ管理モジュール204は、プロセス統計を生成するため、およびプロセス変数計算結果についてなされるより高いレベルの計算のための手段206を含む。また測定データ管理モジュール204には、トレンディングのための手段208、および時間圧縮のための手段210も含まれる。所定レベルの統計ならびにプロセス・データを、デバイス寿命も含めた所定の時間期間にわたって維持することができる。好ましい実施態様においては、もっとも古いデータが最大に圧縮されることになり、もっとも最近のデータは、もっとも高い分解能(時間ならびに大きさの両方において)で保存される。以上に加えて、データのアーカイビングのための手段212が備えられている。
【0092】
スーパーバイザは、システム機能モジュール214と機能的に接続されることになる。システム機能モジュール214は、切り替え付きモデム電力、切り替え付きアナログ回路電力、および場合によっては切り替え付き外部電力を考慮に入れた電源管理手段216を含む。さらに、シリアル番号、製造ロット、ハードウエアおよびファームウエア改訂コード、モデル番号、建造日ならびに工場、オリジナルの構成、現在の構成、サービス開始日、およびそのほかの類似のデータ等の情報をディジタル的に含むことになるシステム識別218も含む。
【0093】
上記に加えて、デバイス・メンテナンス手段220は、メンテナンス・ログを含み、それらのログは、最後のサービス日、オペレータ、およびレコード・ロケータ番号;最後の較正日、較正ソース、較正ID、および現在の較正状態;エンクロージャが開かれたときの詳細を示し、サービスが実行されたことを検出し、不正行為が生じたか否かを検出するエンクロージャ・アクセス・ログを含む。デバイス管理220は、メンテナンス履歴ならびにランタイム動作統計の更新も行うことになる。
【0094】
デバイス管理220は、予防的メンテナンス指示器を有し、それにはカウント・ダウン・クロック等が含まれ、近づきつつある予防メンテナンス・セッションを通知する。それに加えて、バッテリのメンテナンス/交換のためのチェックがあり、それらは、バッテリの充電レベルが低下した場合、バッテリが古くなった場合、あるいは適正に再充電されなくなった場合を示すことができる。
【0095】
ウォッチドッグ・タイマ手段222も含まれている。このシステム機能モジュールは、キャッシュ・メモリならびにEEPROMメモリを有することになる不揮発性メモリ・コントロールを包含する。システム・エラーおよびアラーム手段224が含まれ、それが、現在のセッションの間にエラーのリカバリが可能か、もしくはマスタ・リセット時にリカバリが可能か、あるいは物理的な介入によってのみリカバリが可能かを示す。別の特徴は、システムがスタート‐アップ時にチェックおよび診断をアクティブ化すること、セルフ‐チェック/診断を実行するためのシステム、およびRTC(リアル・タイム・クロック)の状態の監視である。内部アナログ・ポイントを監視するための手段が含まれる。これらのチェックは、パワー・アップ時にトリガされ、もしくはマニュアルで、あるいはローカル端末接続を経由してトリガされ、またはワイヤレス接続を介してリモート・トリガされる。システムの警告およびエラー・アラームは、診断が失敗したとき、もしくは疑わしい値を受け取ったとき通信ポートの外に呈示される。システムは、これらのエラー/例外をログし、送出アラームの見逃しがあった場合に備えて、ローカル・エラー履歴が維持される。
【0096】
オペレーションおよびデータ・フローの別のモジュールは、プロセス監視モジュール226である。このモジュール226は、多様なサンプル・レート、トリガ・モード、計算、およびデータ分析の間のシフトをいつ、どのように行うかについて決定するサンプル・シーケンス・アルゴリズム228を含んでいる。このようにプロセス・データ・サンプリング・オプションは、スケジュール付きサンプリングを含み、固定もしくは順序付きのスケジュールに基づく適切なレートでプロセス値が決定される。通常、このサンプリングは、プロセス値がゆっくりと変動するか、まったく変動しないときに使用される。また適応サンプリングも利用可能であり、それにおいては、プロセスの最近の履歴によって決定される動的レートでプロセス値が決定される。適応サンプリングは、一般に、プロセス値が不規則に変動するときに使用される。
【0097】
プロセス監視は、プロセス変数計算手段230を含み、それによって材料組成の訂正を提供するAGA3もしくはAGA8ならびにAPI『標準』ガス‐流体計算を考慮に入れている。この計算手段230は、様々な流体特性、テーブル、および式を含み、オリフィス・メータ・デバイス記述(材料、寸法、固有ID等)を含むことができる。プロセス・データ計算オプションのうち、特にプロセスならびにシステムに関する現在の値ならびに状態を獲得する機能が挙げられる。それに加えて、プロセスならびにシステムに関する値ならびに状態の履歴を獲得することが可能である。この履歴は、このようにして測定されたパラメータの最大、最小、平均、合計といったプロセス統計の決定に使用することができる。
【0098】
またこのモジュールには、ローカルおよびリモート(取り付けられている場合)センサの両方から取り込まれ、変換され、かつ結合された信号を基礎とするプロセス・アラーム手段232が含まれている。プロセス・アラーム手段232は、デフォルトの、もしくはあらかじめ定義済みのプロセス監視アルゴリズムならびにアラーム条件を使用するか、あるいはユーザ定義アルゴリズムならびにロジックを使用することができる。このモジュールは、ディスプレイを介してアラーム状態を通知し、メッセージをRS‐232ならびにワイヤレス・ポートへ送出することになる。
【0099】
測定トリガ・レート手段234は、単一の、複数の、および/または自動反復シーケンスを有し、多様なプロセス依存アルゴリズムを使用してそれをより大きなシーケンスに結合することができる。手段234は、プロセス変数によってトリガされるシーケンスおよびサンプリング・レートの変更を含む適応および条件付きサンプリング方法を包含する。これらのトリガは、プロセス変数、比例、比率、導関数、積分、および状態の入力から導くことができる。サンプリング方法には、リモート・トリガされるシーケンスおよびサンプリング・レートが含まれ、リモート・コマンドによるシーケンス・ロジック内の強制分岐を可能にする。
【0100】
別のモジュールに、センサ応答変換238を含むデータ獲得236がある。高精度圧力センサのために、圧力‐温度マップにわたる反復補間が使用され、収斂するまで続けられる。そほのかの単純なセンサについては、適切な1次元変換を使用してセンサの伝達関数を補償することができる。ADC読み出しおよびコントロール240が備えられ、ADCセッティング242、複数のアナログ・センサへ接続されるMUXコントロール244、およびADCチャンネル選択246を考慮に入れている。
【0101】
さらに通信およびプロトコル管理モジュール248が含められ、それによってオペレータは、通信チャンネルに適したデータ表現ならびにプロトコルを選択することが可能になる。RS‐485ポート76が含まれ、そこへ外付けのスマート・センサを接続し、ほかのコントロール・システムを接続し、アラーム機能を接続し、あるいはプロセス監視を接続することができる。RS‐232Cポート72も備わり、コマンド・インタプリタ102に対するローカル端末アクセスを考慮に入れている。RS‐232Cは、ローカル・データ検索、オプションの周期的品質コントロールならびに較正アクセス、オプションのファームウエア更新アクセス、センサ構成、ハードワイヤード構成、ローカル診断ならびにデバッグ・アクセスに備えている。
【0102】
ワイヤレス・チャンネル管理手段254が含められ、そこにはデータ圧縮手段256、エラー補正手段258、データ暗号化手段260、および認証およびアクセス・コントロールのための手段262が包含されている。データ暗号化は、いくつかのベンダから市販されており、このデータ暗号化手段にはデータ暗号標準(DES)を使用することができる。データ暗号化手段260は、RSAデータ・セキュリティ・インク(RSA Data Security Inc.)からRC‐4ならびにRC‐2標準の下に市販されており、それらはいずれもワイヤレス・モデムが使用するCDPD1.1標準の下に保護されている。
【0103】
コンパイル済みデータは、サービス技術者によってローカル端末ポートから取り出すことができる。その後そのデータは、マニュアルでデータ管理設備へ運ぶことが可能である。このデータ・ダンプ・モードは、リモート・データ・ダンプ・モードが正常に動作しないか信頼性が得られない場合のバックアップとして主に使用される。
【0104】
図12は、システムの好ましい実施態様のハードウエア・アーキテクチャを例示した概略図である。図12に例示されているとおり、このシステムは、中央ロケーション500に配置されているネットワーク・データ受信サービスに接続された現場ユニットFI2を包含している。
【0105】
現場ユニットFI2は、前述し、かつ例示した、たとえば図1のエレメントを含む。特に現場ユニットFI2は、センサ4、8をはじめ、プロセッサ550ならびにメモリ552を包含している。この場合の現場ユニットFI2は、図9に示したステップも含めて前述したステップを完了することが可能である。特にプロセッサ550は、センサ4、8のパワー・アップ、読み値の獲得、およびそれらの読み値に対応するデータのログもしくはメモリ552内へのストアを行うことができる。それに加えてプロセッサ550は、アプリケーション・レイヤ・プロトコル560とインタラクションし、読み値を示すデータを中央ロケーション500へ伝達する。この通信は、参照番号600によって包括的に示されるワイヤレス・ネットワーク、参照番号610によって包括的に示される公衆回線網、あるいはデータの伝送に使用可能なそのほかの任意タイプのネットワークもしくはネットワークの組み合わせを介して行うことが可能である。言い換えると、本発明は、データを伝達するための特定タイプのネットワークおよび/または特定タイプのプロトコルのためのコマンドに関して記述されているが、本発明をいずれか1つのタイプのネットワーク・トポロジもしくはいずれか1つのタイプの伝送プロトコルに限定する必要のないことが理解される。
【0106】
データの伝送を容易にするために、アプリケーション・レイヤ・プロトコル560は、概して2つのコンポーネント、すなわち現場計測器ユニットFI2の場所に配置されるコンポーネント560aおよび中央ロケーション500の場所に配置される別のコンポーネント560bを有する。このようにして中央ロケーション500にあるデータ受信サーバと、中央ロケーション500に関して離れた場所に配置される1ないしは複数の現場ユニットFI2との間においてデータ伝送を達成することができる。
【0107】
図12に示されているとおり、アプリケーション・レイヤ・プロトコル560は、データを送信するために必要なステップを実行することが可能である。たとえばアプリケーション・レイヤ・プロトコル560は、データの認証、データの暗号化、および任意のデータの圧縮を援助することができる。言い換えると、アプリケーション・レイヤ・プロトコルは、すべての伝送コントロール機能において援助を行うことが可能である。アプリケーション・レイヤ・プロトコル560は、データ圧縮手段256、エラー補正手段258、データ暗号化260、および認証およびアクセス・コントロールのための手段262といった前述したほかの手段の一部として常駐し、もしくはそれを形成してもよく、あるいはこれらの機能を実行する独立した単独のユニットとしてもよい。またアプリケーション・レイヤ・プロトコル560a、bは、現場計測器FI2および中央ロケーション500それぞれの通信ユニットまたはモジュール20、91dと関連付けされ、もしくはその中に常駐することもできる。アプリケーション・レイヤ・プロトコル560aは、マイクロコンピュータ64のソフトウエア・コンポーネント内に常駐することもできる。
【0108】
中央ロケーション500に配置されるアプリケーション・レイヤ・プロトコル560bは、データを受け取り、必要であればそのデータの暗号を解除し、標準エラー検出および補正テクニックを使用してそのデータを認証する。その場合に中央ロケーション100は、伝送ゲートウエイ・サーバを包含する伝送ゲートウエイ510を有する。伝送ゲートウエイ・サーバは、現場ユニットFI2から受け取ったデータを、中央ロケーション500で使用可能な、かつ/またはストア可能な形式へ変換することができる。別の実施態様においては、ユニットFI2内に取り付けられる通信モジュール20の観点からシステム設計者によって選択された伝送プロトコルならびにキャリア・ネットワーク・トポロジに応じて、一部のデータを中央ロケーション500へ直接渡すことができる。伝送ゲートウエイ510は、データ・サーバ520へ接続されるが、このデータ・サーバは、到来データを、異常なく認証され、妥当性検査が済んでいるものとして受け入れ、かつデータベース558への挿入のために読み値を示すデータを提出する。このデータベースは、データベース・サーバもしくはエンジンを介して、現場計測器センサFI2のそれぞれにおけるすべてのセンサ4、8からの読み値のための中央レポジトリとして機能する。データベース558は、センサ4、8のそれぞれからの読み値を、センサ4、8ならびにこの読み値をもたらした対応する現場ユニットFI2を識別してストアすることになる。またデータベース558は、そのほかの、読み取りの行われた時刻を含めた環境情報等の情報もストアする。
【0109】
図12から明らかなように、アプリケーション・レイヤ・プロトコルは、中央ロケーション500にあるデータ受信サービスとそれぞれの現場計測器FI2の間における相互の通信を可能にする。特に、現場ユニットFI2にアプリケーション・レイヤ・プロトコル560aを持たせ、対応するアプリケーション・レイヤ・プロトコル560bを中央ロケーション500のデータ受信サーバに持たせることによって、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバと、それから離れたところに配置されている現場計測器ユニットFI2の間においてデータ、インストラクション、およびコマンドを伝送することが可能になる。
【0110】
現場ユニットFI2のところにあるアプリケーション・レイヤ・プロトコル560aと、中央ロケーション500のデータ受信サーバのところにあるアプリケーション・レイヤ・プロトコル560bの間における情報の伝送は、任意の周知の手段によって行うことができる。しかしながら、好ましい実施態様においては、アプリケーション・レイヤ・プロトコル560が、メッセージの使用を介して情報を伝達する。メッセージは、ヘッダおよび本体からなり、ヘッダは、次のようなフォーマットを有するものとすることができる。
【0111】
【表1】

【0112】
このヘッダに、Nバイトのメッセージ・データを続けることができる。このデータのフォーマットは、メッセージ・タイプ、サブタイプ、およびバージョンに依存する。未使用のフィールドは、概してゼロにセットされる。
【0113】
多くのクラスのメッセージが存在できる。たとえばメッセージに、中央ロケーション500に配置されたラップトップ・コンピュータ、サーバ、またはコンピュータ等のイニシエータから渡される、現場計測器ユニットFI2等のターゲットにデータもしくはオペレーションを要求するコマンド・メッセージを含めることができる。またメッセージには、現場計測器FI2などのターゲットからイニシエータへ返される応答メッセージを含めることもできる。
【0114】
コマンドと応答の間に1対1の関係が存在しないこともある。たとえば、いくつかのコマンドは応答を要求せずに、現場計測器ユニットFI2のプロセッサ550へインストラクションを渡すこともある。さらに、いくつかのコマンドが、複数の応答をトリガすることもある。応答を追跡するために、イニシエータによって開始されたそれぞれの新しいコマンド・トランザクションごとにインクリメントするカウンタとしてトランザクションIDフィールドを使用することができる。トランザクションは、いくつかのメッセージのうちの1つのメッセージから構成されることがある。トランザクションIDは、いくつかのメッセージのうちのあるメッセージのターゲットによって返される。トランザクションIDは、コマンドのターゲットによって、そのコマンドに対するすべての応答内においてイニシエータへ返される。これは、メッセージ・ヘッダの解析によって応答とコマンドの突き合わせを行う、おそらくは単純な手段である。
【0115】
トランザクションIDは、2つのサブフィールド、すなわち値およびインスタンスから構成することができる。値サブフィールドは、それぞれの新しいコマンド・トランザクションごとにインクリメントされる。符号なしの値が入れられ、ゼロは、ブロードキャスト・メッセージ等のトランザクションに拘束されないメッセージを示すために予約されている。したがって、トランザクションIDのためのインデクスの範囲は、16進表記で01からFFまでとなる。インスタンス・サブフィールドは、トランザクションの開始、トランザクションの終了等といったトランザクションの特定部分を示すために使用される。これには、トランザクションの最後のメッセージであることを示すゼロ、そのトランザクション内の残りのメッセージの数を示す正の数、そのトランザクションの最初のメッセージおよびそのトランザクション内のメッセージの残りの数の両方を示す負の数が割り当てられる。したがって、複数の応答を引き出すコマンドについては、各応答のためのトランザクションIDがまったく等しくなる。
【0116】
メッセージ・ヘッダ内に存在するそのほかのフィールドについて言えば、メッセージ・タイプ・フィールドが、コマンドまたは応答等のメッセージの主要なクラスを定義していることは明らかである。またメッセージ・ヘッダは、ターゲットおよび/またはイニシエータを識別して情報の転送を容易にすることができる。エラー・コード・フィールドは、概して応答用にのみ使用され、エラー検出および訂正を援助する。メッセージ長フィールドは、ヘッダも含めた全体のメッセージの長さを示す。最後の2つのフィールドは、将来の使用のために予約することができる。このメッセージ・フォーマットを使用する1つの利点は、現場計測器ユニットFI2と、ネットワーク内のそのほかのコンポーネント、たとえば中央ロケーション500にあるネットワーク・データ受信サーバ、またはそのほかの場所に配置されたラップトップ、サーバ、もしくはそのほかのコンピューティング・デバイスの間における情報の伝送を、互いの間において内部関数およびデータ表現に互換性がない場合であっても可能にすることである。言い換えると、アプリケーション・レイヤ・プロトコルの追加の機能が、万能トランスレータとして作用することになり、ネットワーク内のすべてのコンポーネントが互いに通信することを可能にする。
【0117】
前述したように、中央ロケーション500のデータ受信サーバがデータを希望するとき、現場ユニットFI2にデータを求めるポーリングを行うことが可能である。このポーリングは、現場計測器ユニットFI2が中央ロケーションと接続された後に行うことが許され、あるいは好ましい実施態様においては、中央ロケーションによる教唆が可能である。この場合、中央ロケーション500から特定の現場ユニットFI2へコマンド信号を送り、その現場ユニットFI2に測定を実行させ、かつデータを中央ロケーションへ返送させることができる。それに加えて、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバは、特定の現場計測器ユニットFI2へコマンド信号を送り、プロセッサ550に、読み取りを行うべき時刻ならびにそのタイプを示すコマンド信号をストアさせることも可能である。プロセッサ550は、指定の時刻に読み取りを行い、読み取りを行った時点においてそのデータを中央ロケーション500にあるデータ受信サーバへ返すか、あるいはそれに代えて現場計測器ユニットFI2にリモート配置されたメモリ552内へデータをストアすることができる。プロセッサ550は、センサ4、8から受け取った生のデータを処理し、詳細を後述するように、処理済みの情報をより低い伝送量で伝送することができる。
【0118】
別の好ましい実施態様においては、リモート配置された現場計測器FI2が、ワイヤレス・ネットワーク600および公衆回線網610等のネットワークの状態を決定することをはじめ、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバの状態を決定することができる。これらのコンポーネントのいずれか1つが最適動作でないか、輻輳している場合に、現場計測器FI2のプロセッサ550は、読み値をメモリ552内へストアし、その後の時点においてデータの再送を自動的に試みることができる。
【0119】
さらに別の好ましい実施態様においては、現場計測器FI2が自律的であり、すなわちそれらが中央ロケーション500にあるデータ受信サーバとの接続を自動的に開始することができる。たとえば、現場計測器ユニットFI2が最初にアクティブ化された後は、それらが自律的かつ自動的に中央ロケーションにあるデータ受信サーバへ、このことを通知することが可能になる。同様に、特定の現場計測器ユニットFI2が、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバから、現場計測器ユニットFI2のコンポーネントの一時的な障害、あるいはワイヤレス・ネットワーク600もしくは公衆回線網610等のネットワークの一時的な障害を含む何らかの理由で一時的に切断された場合に、現場計測器ユニットFI2は、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバへ、現在はそれが動作していることを知らせる信号を送ることができる。さらにまた現場計測器ユニットFI2は、その時点において、ダウンタイムの間に行われた読み取りを表すデータを伝送し、かつ読み取りが行われた時刻を示すことができる。
【0120】
たとえば、現場計測器ユニットFI2の最初のアクティブ化、あるいは一時的な中断後もしくは破局的な故障後のアクティブ化の後に、現場計測器ユニットFI2は、中央ロケーション500から信号を受け取るか、あるいは信号を中央ロケーション500へ送り、その存在を示すことができる。いずれの場合であっても、最初の信号は、ネットワーク内においてその現場計測器ユニットFI2をセットアップするか、初期化する情報を伝送することになる。この情報は、その現場計測器ユニットFI2を識別する情報、および現場計測器ユニットFI2の日付ならびに時刻を設定する情報、あるいはそれが、中央ロケーション500にあるネットワーク・データ受信サーバの日付ならびに時刻と同一であることを確認する情報を含むことができる。
【0121】
したがって、図12に開示されているシステムは、ワイヤレス・ネットワーク600および/または公衆回線網610等のネットワークを含むシステム内のコンポーネントの任意の1つの故障をはじめ、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバあるいは現場計測器ユニットFI2のコンポーネントの一時的な故障に耐え得ることから、それが高度の堅牢性を有することは明らかである。特に、現場計測器ユニットFI2にあるプロセッサ550が、特定の時刻に読み値を獲得するべくあらかじめプログラムされている場合には、システムのほかのコンポーネントに故障があっても、またその読み値を表すデータを中央ロケーション500にあるデータ受信サーバへ渡すことができない場合であってもそれを継続して行うことになる。しかもプロセッサ550は、ネットワークがデータを伝送できるようになり、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバがデータを受け取ることができるようになるまで、時刻、日付、および読み値をローカルにメモリ552内へストアすることになる。さらに現場計測器ユニットFI2は、それらの存在を、最初に中央ロケーション500にあるデータ受信サーバへ接続されるとき、あるいは一時的な中断もしくは破局的な故障が生じたときのいずれにおいても、自律的かつ自動的に再表明する。
【0122】
明らかにこれは、特に、低い発火点を伴う極めて可燃性の高い炭化水素流体およびガスの近傍でこのシステムが使用されている環境において利点を提供する。たとえば、破局的な爆発が生じ、かつ現場計測器ユニットFI2がその爆発によって直接的な影響を受けなかった場合に、そのユニットは、継続的に読み値を獲得し、それらを対応するメモリ552内へローカルにストアすることができる。このデータは、その後その現場ユニットFI2が以前の中央ロケーション500にあるデータ・サーバへ再接続されたとき、あるいはこの中央ロケーション500が取り替え不能に破壊された場合には新しい中央ロケーション500と新しいデータ受信サーバへ接続されたとき、現場計測器ユニットFI2が、システムのダウンタイムの間に獲得した読み値を表すデータを伝送することによって、データベース558へ再投入することができる。これらの読み値は、任意の破局的な事象の原因の決定における補助、および/またはその種の破局的な事象を回避するための将来における設計変更の支援とすることができる。
【0123】
図13は、参照番号700によって包括的に示されている放射状ネットワークを採用した、多数のリモート配置された現場計測器FI2を監視し、データを収集するための好ましい実施態様に関するシステム・アーキテクチャを略図的に示している。現場計測器FI2は、データを伝送するべく構成されており、図1を参照して圧力計測器FI2として説明したものと同一構成とすることができる。しかしながらより好ましくは、これらの計測器2は、所定の地理的領域もしくは油ガス設備にわたって多様な異なる動作状態に関係するデータを検出し、提供するべく適合されている。
【0124】
前述したように、中央ロケーション500および/または現場ユニットFI2が破局的な事象において損傷を受けた場合に、残りの現場計測器ユニットFI2は、測定を継続し、それらを以前に受け取ったインストラクションに従ってローカル・メモリ552内へストアする。したがって図13に例示されているシステムは、継続的に動作することになり、より詳細に言えば現場計測器ユニットFI2は、ネットワークが輻輳している場合、もしくはネットワークもしくは中央ロケーション500にあるデータ受信サーバの一時的な障害がある場合、あるいはより大きな破局的な事象がある場合に、中央ロケーション500へのその後の伝送のために、読み値を獲得してそれらをメモリ552内へローカルにストアすることになる。
【0125】
それに加えて、図12を参照して前述したが、この放射状ネットワーク700は、ワイヤレス・ネットワーク600および/または公衆回線網610、あるいはそのほかの、データおよび/またはコマンドを伝達するための任意タイプのネットワークを経由する伝送が可能である。したがってここで理解されるように、本発明は、データおよび/またはコマンドを伝達するための特定タイプのネットワークを用いて説明されているが、いずれかの特定のネットワークに限定される必要もなければ、いずれか1つのタイプのプロトコルに限定される必要もない。さらに、ここで説明したネットワーク、特に放射状ネットワーク700が、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、セルラ・ディジタル・ポケット・データ(Cellular Digital Pocket Data)(CDPD)、およびイリジウム(Iridium)ネットワークを含む衛星ネットワーク等の1ないしは複数の多様なサブネットワークにわたってマップアウト可能であることが理解される。
【0126】
したがって本発明は、それが運用されるネットワークに依存しない。言い換えると、インターネット、PSTN、CDPD、および衛星ネットワーク等の多様なサブネットワークの1ないしは複数を使用することができる。さらにまた本発明は、これらの多様なサブネットワーク、および新しいサブネットワークが継続的に向上し、変化することから不可避に生じる進行中のサブネットワークの変化にも適合することができる。
【0127】
異なるトポロジを伴う複数のネットワークもしくはサブネットワークにわたってインストラクションをマップするためには、一意的なアプリケーション・レイヤおよびセクション・レイヤをこの通信システムへ追加し、現場計測器ユニット2のそれぞれから中央ロケーション500への接続を確保する。またここで理解されるように、異なる現場計測器ユニット2が、異なるサブネットワーク、もしくはサブネットワークの組み合わせを使用して同一の中央ロケーション500との通信を行うことが許される。したがって、図13に例示されている放射状ネットワーク700等の本発明のネットワークは、次に示すネットワークにマップすることが可能である。
【0128】
【表2】

【0129】
上記に加えて、ネットワーク700内において情報を伝達するために異なるネットワーク構造を使用することができる。ネットワーク・トポロジが図13に例示されているような放射状ネットワーク700となる好ましい実施態様においては、ネットワーク構造がクライアント/サーバ構造になる。その種の構造では、概してクライアントが、そのネットワーク内のほかのエレメント内の、一般にサーバと呼ばれるクライアントとの間の接続を開始するものと理解されている。この構造においては、クライアントが、受け取った入力を解読し、クライアントもしくはサーバのいずれかによって実行されるプロセスを決定することになる。要求されているプロセスが、サーバとの通信である場合には、クライアントはそれを行う。要求されているプロセスがサーバによって実行されるものであれば、クライアントはその要求をサーバへ渡す。同様にサーバの定義は、概して、サーバからの応答ならびにサービスを要求するクライアントを認証するエンティティおよびネットワーク700となる。サーバは、しばしばプロセス用のデータをストアし、要求のあったときにデータをクライアントへ渡す。またサーバは、クライアント用のプログラム・モジュールをストアし、クライアントに対してオン・デマンドでそのプログラムを供給することもできる。ネットワーク700内に示されているネットワークの1つの利点は、中央ロケーション500のネットワーク・データ受信サーバもしくは現場計測器ユニットFI2の任意の1つが、いずれも、クライアントもしくはサーバとして機能することである。放射状ネットワーク700内にクライアント機能およびサーバ機能の相互交換性を有することによって、システムの多用途性が向上する。特に、達成されるべきタスクに応じて、所望のタスクを達成するべく機能が迅速に変化する。これはまた、一時的な機能停止もしくは破局的な障害の後において現場計測器ユニットFI2がクライアントとして機能することを可能にすることによって、ネットワーク700の堅牢性を向上させる。
【0130】
それに加えて、放射状ネットワーク700は、設計によって、中央ロケーション500の完全な故障に抗して残存することができる。現場計測器ユニットFI2は、そのメモリ内に代替中央ロケーションが備えられており、その結果FI2は、アドレス・ベクトルを自動的に切り替えることになる。現場計測器FI2が実際の代替中央ロケーション500を見つけたときには、FI2は、失われたデータを満たすことによって代替中央ロケーション500の再投入を自動的に行うことになる。
【0131】
さらにまた、現場計測器ユニットFI2と、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバの間におけるクライアント機能とサーバ機能の相互交換可能性は、ネットワーク700全体を通じてデータを並列処理できるという追加の利点をもたらす。言い換えると、前述したように、各現場計測器ユニットFI2にあるプロセッサ550に、中央ロケーション700にあるネットワーク・データ受信サーバも含めて、ネットワーク700内のほかのエレメントと独立したプログラムの実行を指示することが可能である。その結果、それぞれの遠隔ロケーションにある各プロセッサ550が同時にプログラムを実行することができる。このことは、データ配信の目的としたネットワーク・レベルにおける大規模並列処理を考慮に入れている。これは、現場計測器ユニットFI2と、中央ロケーション500にあるデータ受信サーバの間におけるクライアント機能とサーバ機能の相互交換可能性によって促進される。たとえば、遠隔ロケーションのプロセッサ550に、生データの処理および処理後の情報の伝送が指示されるとした場合には、それが中央ロケーション500にあるネットワークデータ受信サーバのプロセス要件を大きく軽減することが可能であり、またネットワーク700全体にわたって伝送されるデータ容量を下げることができる。このことは、現場計測器ユニットFI2の自律的な動作を提供しないSCADA(Supervisory Control And Data Acquisition;スーパーバイザリ・コントロール・アンド・データ・アクィジション)システム等のマスタ‐スレーブ・ベースの通信プロトコルと比較して有利である。
【0132】
さらに理解されることは、これも前述したが、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition;スーパーバイザリ・コントロール・アンド・データ・アクィジション)システムがマスタ‐スレーブ・ベースの通信プロトコルを使用していることに対して、本発明は、必ずしもその種の関係を必要とせず、インターネット等のネットワークがTCP/IPプロトコルとともに利用される場合には、その種の関係が明確に取り除かれる。同様に、放射状ネットワーク700のトポロジは、通常、クライアントがクライアントとサーバの間における接続を開始し、サーバからの応答もしくはサービスを要求しているクライアントの認証をサーバが行うクライアント/サーバ関係を使用するが、放射状ネットワーク700が、必ずしもその種の構成に拘束される必要はない。むしろ放射状ネットワーク700は、クライアント機能とサーバ機能の相互交換可能性を有する。言い換えると、前述したとおり、データおよびコマンドを、放射状ネットワーク700に抗して現場計測器ユニットFI2から中央ロケーション500へ相互交換可能に渡すことができる。すなわち、達成されるべきタスクに応じて、現場計測器ユニットFI2および中央ロケーション500にあるデータ受信サーバは、機能を交換して所望のタスクを達成することができる。
【0133】
図14は、サーバ/データ・ベース・システムのアーキテクチャの概要を例示しており、図14においてはそれが包括的に参照番号702によって示されているが、その一部についてはすでに説明を行っている。特に、図14は、サーバ/データ・ベース・システム702の異なるレイヤの間、すなわちデータ収集レイヤ710、データ優先順位付けレイヤ712、データ処理レイヤ714、およびデータベース558の間におけるデータのフローを例示している。さらにサーバ/データ・ベース・システム702は、3つの個別の階層を有すると考えることができる。第1の階層は、データ収集レイヤ710およびデータ優先順位付けレイヤ712を包含し、データの収集および優先順位付けに関係する。第2の階層は、データ処理レイヤ714を包含し、収集済みのデータを処理する。第3の階層は、データベース558自体と考えることができる。次に、これらのサーバ/データ・ベース・システム702のコンポーネントについて説明する。
【0134】
データ収集レイヤ710、データ優先順位付けレイヤ712、およびデータ処理レイヤ714に加えて、サーバ/データ・ベース・システム702は、様々な遠隔ロケーション、すなわち地理的に離隔されることが許される遠隔ロケーションからディジタル読み値出力データを収集する現場計測器FI2を包含する。システム702は、到来メッセージ・キュー720も含んでおり、現場計測器ユニットFI2からの有効なバイナリ・データのストアにそれが使用される。到来メッセージ・キュー720は、認証用の更新済みデータを要求するためのデータ要求メッセージ・キュー(図示せず)も含んでいる。
【0135】
さらにシステム702は、送出メッセージ・キュー722も包含しており、このキューは、現場計測器ユニットFI2へ、それに対する次の接続時に返す必要のあるバイナリ・データをストアするために使用される。このデータは、「前日の量」といった、現場計測器ユニットFI2によってさらに測定を行うために、および/または、単に生データを構成し得るディジタル出力読み値に対立するものとしての処理済みディジタル出力読み値を提供するために要求されることのあるアイテムを含むことができる。送出メッセージ・キュー722はまた、データ収集レイヤ710用のデータも含み、さらに登録確認番号も含む。
【0136】
システム702の含むそのほかのキューは次のとおりである。
【0137】
アラーム・メッセージ・キュー724は、すべてのレイヤ710、712、および714によって生成されたすべてのアラーム・データを含む。このアラーム・データには、無効接続通知、不良接続チャンネル通知、無効データ通知、ミッシング・データ・ポイント通知、およびトレンドなし通知を含めることができる。優先順位付きデータ・メッセージ・キュー726は、到来メッセージ・キュー720へのストアが許されるデータに類似のストア済みバイナリ・データを含んでいるが、それらの順序付けが再度行われて、より重要なデータがキューの前面にストアされる点が異なる。たとえば、優先順位付きデータ・メッセージ・キュー726は、現場計測器ユニットFI2からの緊急アラーム・データをデータとキューの正面に配置し、それによってそのデータが可能な限り迅速に処理されるようにすることができる。優先順位付きデータ・メッセージ・キュー726からの優先順位の付けられたデータは、続いて処理のためにデータ処理レイヤ714へ渡される。
【0138】
システム702内に参照番号730、731によって包括的に示されているファイルは、異なるレイヤ710、712、および714からの各種のログ・ファイルをはじめ、一時的なデータ・ファイル、およびそのほかの、システム702が使用することのできるファイルを含み、それについて次に説明する。ファイル730、731は、問題が生じたときにシステム702についてのより多くの情報を提供するため、およびデータがデータベース558内に保存される前のデータの一時的なストレージを提供するために使用することができる。
【0139】
好ましい実施態様においては、すべてのレイヤ710、712、および714によって生成されたすべての関連データをストアするためにデータベース558が使用される。このデータは、アラーム・データ、センサ・データ、鉱井ヘッドのデータ、フロー・データ、および量的トランザクション・レコード(QTR)を含む。データベース・マネージャ・プログラムは、好ましくはオラクル(Oracle)(商標)によって提供される。
【0140】
次に、各種のレイヤの動作について説明する。データ収集レイヤ710は、基本的に現場計測器ユニットFI2からの接続を受け入れる役割を担う。接続が受け入れられた後は、対応する現場計測器ユニットFI2に接続されたツールからのバイナリ・データが認証されて、データの完全性が確保されることになる。データが有効であれば、データ収集レイヤ710は、そのデータを到来メッセージ・キュー720へストアする。同時にデータ収集レイヤ710は、送出データ・メッセージ・キュー722をチェックし、この接続に関して現場計測器ユニットFI2へ返す必要のあるデータが存在するか否かを調べ、それが存在する場合には、送出データ・メッセージ・キュー722からそのデータを検索し、その特定の現場計測器ユニットFI2に関連付けされたツールへ渡す。データ収集レイヤ710はまた、送出データ・メッセージ・キュー722からのデータを使用して接続の認証も行う。
【0141】
データ収集レイヤ710が、対応する現場計測器ユニットFI2と接続されているツールからデータを受信する間にエラーを検出した場合には、データ収集レイヤ710は、そのエラーをログ・ファイル730へレポートする。検出できるエラーのタイプには、無効な接続および不良チャンネルの検出が含まれる。場合によっては、このデータ収集レイヤ710が、電子メール通知を含む任意の可能な手段を介してアラームを生成し、かつそのアラーム情報をデータベース558内に保存できるように、そのアラームデータをアラーム・メッセージ・キュー724へも渡す。
【0142】
データ優先順位付けレイヤ712に関して言えば、このレイヤ712の主要な目的は、重要なデータが可能な限り迅速にシステム702によって処理されることを確実にすることである。データ優先順位付けレイヤ712は、到来メッセージ・キュー720からバイナリ・データを受け取り、それがいずれのデータ・タイプであるかについて決定する。データのタイプが決定されると、優先順位が割り当てられ、バイナリ・メッセージが優先順位付きデータ・メッセージ・キュー726へ渡される。より高い優先順位を伴うバイナリ・データがあれば、それが優先順位付きデータ・メッセージ・キュー726の先頭に配置され、その結果、それがデータ処理レイヤ714によって最初に処理されることになる。データ優先順位付けレイヤ712内にエラーが生じた場合には、そのエラーがログ・ファイル731へレポートされる。
【0143】
データ処理レイヤ714は、システム702のデータのためのメインの処理センタである。データ処理レイヤ714は、データ処理モジュール740、データベース更新モジュール742、および様々なユーティリティ・モジュール744からなる。データ処理モジュール740およびデータベース更新モジュール742は、オプションとして単一の実行可能要素に結合することができる。
【0144】
データ処理モジュール740は、優先順位付きデータ・メッセージ・キューからバイナリ・データを受け取り、前述したアプリケーション・レイヤ・プロトコル560に従ってそのデータの解析を行い、解析済みのデータを基礎としてIMV値、QTRおよびフロー・データを生成する。これらのデータをはじめ、解析済みのデータは、メモリ内のバッファに保存されることになる。同じデータが、システム702のクラッシュに備えて一時的なデータ・ファイルへも保存されることになる。IMV値は、送出データ・メッセージ・キュー722へ渡され、その結果、データ収集レイヤ710は、現場計測器ユニットFI2に対する次の接続時に、対応する現場計測器ユニットFI2のツールへ、それらの値を返すことができる。必要となる場合には、データ処理モジュール740は、データを適正に処理するために、データベース558からのデータの検索を直接行うことができる。データ処理モジュール740がデータを処理する間にエラーに遭遇した場合には、そのエラーがログ・ファイル731へレポートされる。このモジュールが検出するエラーのタイプには、有効なタイプを伴う無効データ、ミッシング・データ・ポイント、データ・パッケージなし(すなわち、トレンド・レコードなし)およびそのほかのエラーのタイプが含まれる。場合によっては、アラームが生成され、そのアラーム・データが、プログラムおよび一時ならびにデータ・ファイル731内のアラーム・バッファへ保存される。データ処理モジュール740によって処理されるデータには、トレンド・データ、鉱井ヘッド・データ、IMV値、フロー・データ、およびQTRを含めることができる。データ処理モジュール740は、AGA‐3‐92(天然ガスならびにそのほかの関連炭化水素のオリフィス計量)、AGA‐8‐94(天然ガスならびにそのほかの関連炭化水素の圧縮率)等の周知のアルゴリズム、および『ガス・オリフィス・フロー・プログラムCランゲージ・コンピュータ・コード・ユージングA.G.A.レポートNo.3(1992年)およびNo.8(1994年)GOFLIBCソース‐Aバージョン1.3(Gas Orifice Flow Program C Language Computer code Using A.G.A. Report No.3(1992) and No.8(1994),GOFLIBC Source‐A Version 1.3)』等の基本ソフトウエア・モジュールをはじめ、任意のそのほかの現在周知の、あるいは将来開発されるアルゴリズムに従ってデータを処理することができる。
【0145】
データベース更新モジュール742は、基本的に、処理済みのデータをデータベース558へ保存する役割を担う。データベース更新モジュール742は、アラーム・メッセージ・キュー724からデータを受け取り、データベース558内へストアすることになる。アラーム・メッセージ・キュー724は、データベース558へ保存されるべきデータを常に有しているとは限らない。そのためデータベース更新モジュール742は、規則的にウェイクアップしてアラーム・メッセージ・キュー724からのデータをチェックし、データが存在する場合にはそのデータをメモリ内のバッファへ保存することになる。またデータベース更新モジュール742は、このバッファをチェックして保存されるべきデータの有無を調べるが、概して充分なデータがバッファ内に蓄積されるまで待ち、その後データベース558への保存を行うことになる。これによって、データベース更新モジュール742からの絶えず続くアクセスによってデータベース558が圧倒されることがなくなり、モジュール742は、適時の態様でデータベース558内へデータが保存されることを妥当に確保することができる。データベース更新モジュール742がデータを処理する間にエラーに遭遇した場合には、そのエラーがログ・ファイル731へレポートされることになる。
【0146】
ユーティリティ・モジュール744は、1日に1度、もしくはあらかじめ定義済みのスケジュールに従ってデータの計算が必要なときに使用される。一例を、前日の量YVOLの計算とすることができる。これらのタスクを効率的な方法で実行するために、いくつかのユーティリティ・モジュール744が、これらのタスクの1つもしくは複数を扱う。たとえば前日の量ユーティリティ・モジュールYVOL 744は、1日のあらかじめ定義済みの時刻にウェイクアップし、データベース558からデータを検索し、かつ各現場計測器ユニットFI2に関連付けされたそれぞれのツールについての量を計算する役割を担う。計算済みのデータは、その後、送出データ・メッセージ・キュー722へ保存される。モジュールYVOL 744がデータを処理する間にエラーに遭遇した場合には、そのエラーがログ・ファイル731へレポートされることになる。
【0147】
量トランザクション・レコードの再計算を行うユーティリティ・モジュールQTR再計算744は、フロー・パラメータの変化といったデータの再計算を時々行い、データの正しいことを確保する。ZIDユーティリティ・モジュールZID 744は、時々到来するデータの認証のためにデータ収集レイヤ710によって要求されることのあるデータ更新を計算し、それにおいてZIDデータはデータベース558内において更新されることができるが、データ収集レイヤ710内における更新はできない。データ収集レイヤ710は、古くなったZIDデータを検出するとZID要求メッセージ・キュー(図示せず)へ要求を送り、新しい更新済みのZIDデータを要求することになる。ZIDデータ更新モジュールは、このキューを規則的にチェックし、データ収集レイヤ710からの要求の有無を調べる。要求が見つかった場合にZIDユーティリティ・モジュールZID 744は、データベース558からデータを検索してそれを送出データ・メッセージ・キュー722へ渡し、その結果、データ収集レイヤ710がそれを適切な現場計測器ユニットFI2へ転送することが可能になる。ZIDユーティリティ・モジュールがデータを処理する間にエラーに遭遇した場合には、そのエラーがログ・ファイル731へレポートされることになる。
【0148】
ユーティリティ・モジュール744は、追加のタスクを実行するための追加のモジュールを有することができる。たとえばモジュール744が登録確認番号を有し、データ収集レイヤ710に対する登録番号を確認して適正な暗号化済み情報が現場計測器ユニットFI2によって提供されていることを確保できる。たとえば前述したように、現場計測器ユニットFI2が自動的かつ自律的に中央ロケーション500へ接続するときに、これを生じさせることができる。またこれは、現場計測器ユニットが、一時的な長い中断からシステムへの再接続を行った後においても生じさせることができる。より好ましくは、この確認が現場計測器ユニットFI2への各接続の開始時に生じるとよい。ユーティリティ・モジュール744は、データ収集レイヤ710へ、現場計測器ユニットFI2から受け取った暗号化済み識別番号を確認する確認番号を提供し、現場計測器ユニットFI2からデータベース558への通信のセキュリティを向上することができる。追加のセキュリティ機能としては、レイヤ710、712、714の受け取る情報の認証、およびデータベース558がファイアウォールの背後に配置されることが挙げられる。さらに、システム702への新しい現場計測器ユニットFI2の追加があるときには、その新しい現場計測器ユニットFI2に固有の暗号化済み識別番号を、前もってシステム702内にストアしておくことができる。この方法によれば、現場計測器ユニットFI2が自動的かつ自律的にシステム702へ接続する場合に、システム702が、その新しい現場計測器ユニットFI2の認証に必要な情報をすでに有していることになる。
【0149】
前述したとおり、好ましい実施態様の1つにおいては、収集されたデータがワイヤレス・モデムを経由して離れたポイントへ伝達される。この通信は、インストール済みオペレーティング・システムを介して計測器によって開始されることもあり、あるいはリモート・ユーザ‐データベース・サーバによって開始されることもある。公衆電話回線網を介して、あるいはインターネットもしくは専用通信ネットワークを介してTCP/IPを使用する1ないしは複数のユーザもしくはデータベースへ、データをルーティングすることができる。さらに別のモードにおいては、データがインタラクティブ・セッションの間に交換され、ローカル端末もしくはリモート・ユーザに対して『リアル・タイム』の読み出しが提供される。
【0150】
アラーム・モードにおいては、プロセスおよびシステム・ステータス情報が、計測器の通信チャンネルの1つもしくは複数を介して自動的に送られる。データ配信は、プロセス値の計算もしくはシステム・エラーがアラーム状態の存在を決定したときに開始される。典型的な例としては、低フロー、過大圧力、合計量、限界等が挙げられる。
【0151】
応用
ここで開示した新しい計測器およびシステムの応用は、フロー計量を含む。計測器は、秒当たり1回のレートを最大としてデータのサンプリングを行い、高い時間的分解能でフロー計算が実行されることを可能にする。このシステムは、保護付き移送の評価、使用時点計量、および輸送パイプライン漏れチェックに適している。計測器は、通常、リモート・データ・ダンプ・モードで動作し、ログ済みのフロー・データならびにフロー統計を、ワイヤレス・ディジタル・モデムを介してユーザのデータベースに対して配信する。必要に応じてこの計測器は、プロセス値もしくはステータスが仕様から外れていることを通知するべくアラーム・モードに切り替わること、あるいは周期的に問い合わせが行われてプロセス状態を読み取ることができる。この計測器の場所には、鉱井ヘッドまたはパイプライン監視ステーションが含まれる。通信手段としては、地上セルラ・サービス(ディジタル・パケットまたは回線交換)もしくはディジタル衛星リンクのいずれかによって提供されるワイヤレス通信が挙げられる。主要な要件は、フロー・レートならびに合計量データの、遠隔無人の正確な収集ならびにタイム・スタンプである。
【0152】
別の応用に、オリフィス・メータを使用したフロー計量がある。計測器は、内蔵アナログPセンサ、内蔵もしくは外部dPセンサ(その場所の精度要求による必要に応じて)、および外部RTD温度センサを必要とすることになる。オリフィス・メータを介したフロー・レートまたは合計量は、オリフィスの特性値ならびにAGA流動方程式を使用して決定される。
【0153】
また別の応用は、タービンまたは押しのけ量フロー・メータに関係する。その場合の計測器は、内蔵アナログPセンサ、外部RTD温度センサ、および1ないしは複数の、フロー・メータからのパルスをカウントするディジタル入力取り込みチャンネルを必要とする。正確なフロー・レート決定は、ディジタル入力カウント・レートとともに圧力ならびに温度補償を使用することによって達成される。
【0154】
さらに別の応用は、超音波フロー・メータおよび多段階フロー・メータを含む。その場合の計測器は、内蔵アナログPセンサ、外部RTD温度センサ、および超音波フロー・メータとのインターフェースのためのディジタル通信ポート(RS‐485)を必要とする。正確なフロー・レート決定は、圧力ならびに温度値を使用してフロー・メータを通過したフロー・プロファイルのレイノルド数を決定し、それがフロー・メータの読み値の正確な補正を可能にすることによって達成される。
【0155】
本発明の教示があれば、この計測器および方法を生産の監視および最適化のために使用することができる。計測器は、毎分約1回のデータのサンプリングを行い、生産圧力を監視する。計測器は、リモート・データ・ダンプ・モードで動作してログ済みの圧力データならびに統計をユーザのデータベースへ配信する。必要な場合には、プロセスが仕様から外れていることを計測器が通知するべくアラーム・モードに自動的に切り替わること、あるいは周期的に問い合わせが行われてプロセス状態を読み取ることが可能である。計測器は、鉱井上もしくはその近傍に配置されることになる。通信手段には、地上セルラ・サービス(ディジタル・パケットまたは回線交換)もしくはディジタル衛星リンクのいずれかによって提供されるワイヤレス通信が含まれる。主要な要件は、鉱井ヘッド圧力の遠隔無人決定を含む。鉱井には、PセンサならびにRTDセンサをともに用いる計測器が装備されることになる。圧力測定レートは、毎分台から数時間ごととなるが、通常はタイム・スタンプが付されてログされ、数日後にダンプされる。計測器は、設定済みのパフォーマンス帯の外に圧力が逸れると、直ちにアラームを生成する。
【0156】
好ましい実施態様は、圧力センサ4、6を含むものとしてこのシステムを記述しているが、本発明がそのように限定されることはない。ここで認識されるべきであるが、このシステムは、異なるタイプの設備、油および/またはガスもしくはそのほかの設備の特性および/または読み値の監視ならびに測定において使用されてもよく、またそのために、このほかのセンサをエンクロージャ付きもしくはエンクロージャなしで使用されることもある。これらの特性としては、圧力、差動圧力、量、エネルギ、質量、距離、粘性、比重、周波数、電流ならびに電圧、およびモル熱量を挙げることができる。
【0157】
以上、本発明の好ましい実施態様について説明してきたが、ここで説明した実施態様が例示に過ぎず、本発明の範囲が、付随する特許請求の範囲によって、その完全な範囲の均等、およびその検討から当業者に自明の多くの変形ならびに修正が認容されたときにのみ定義されるものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0158】
2 FI;圧力計測器FI;現場ユニット;現場ユニットFI;現場計測器;現場計測器FI;現場計測器ユニットFI
4 アナログ圧力センサ;圧力センサ;内蔵センサ
6 アナログ圧力センサ;内蔵センサ
8 アナログ温度センサ;外部センサ;低精度外部抵抗ベース・センサ
9 外部センサ;補助ディジタル・センサ・ポート
10 バッテリ;内蔵バッテリ・パック
12 オペレーティング・システム;カスタム・オペレーティング・システム
14 不揮発性メモリ
16 プロセッサ;マイクロプロセッサ;メイン・プロセッサ
18 LCD;小型LCD
20 現場通信モジュール;通信モジュール;内蔵ワイヤレス通信モジュール
30 シリコン・ダイアフラム
31 電子回路
32 抵抗ブリッジ・センサ
34 シール付きチャンバ
50 電源管理手段
50a コンポーネント
50b コンポーネント
52 バッテリ;内蔵再充電可能バッテリ
54 太陽電池パネル接続
56 バッテリ・バンク
58 幹線アダプタ
60 補助電源出力
62 マイクロコンピュータ・スーパーバイザリ機能回路
64 マイクロコンピュータ
66 SRAM;スタティック・ランダム・アクセス・メモリ
68 ROM;不揮発性読み出し専用メモリ
70 EEPROM;電気的消去可能読み出し専用メモリ
72 RS‐232Cポート;フラッシュ・キャッシュ・メモリ;フラッシュ・メモリ;ローカルRS‐232Cシリアル・ポート
72a ラップトップ・コンピュータ
73 マイクロプロセッサ
74 UART
76 RS‐485シリアル・ポート;RS‐485デバイス
77 UART
78 インジケータおよびディスプレイ手段
80 マニュアル入力モジュール
82 ディジタル入力取り込みポート
84 アナログ・センサおよび読み出しモジュール
86 アナログ・センサ・デバイス;アナログ・センサ・ポート;精密圧力ポート
88 アナログ・センサ・デバイス;アナログ・センサ・ポート
90 リモートもしくは外部センサ・ポート;アナログ・センサ・デバイス;アナログ・センサ・ポート;スーパーバイザ手段
91 リモート・ディジタル・センサ;ワイヤレス・モデム
91a アナログ・エキサイテーション調和回路
91b アナログ・マルチプレクサ
91c 精密ADC;精密アナログ・ディジタル・コンバータ
91d ワイヤレス・モデム
91e アンテナ
92a 較正マップ・ローダ手段
94 リアル・タイム・クロック手段
96 割り込みおよびスケジューラ
98 ファームウエア・インストーラ
102 コマンド・インタプリタ手段
150 油ガス設備
151 油ガス井
152 ワイヤレス伝送
154 データベース・エンジン
155 現場通信ソフトウエア
156 データ・マネージャ・ソフトウエア
158 データベース
160 ユーザ・インターフェース・モジュール
162 サーバ
164 インターフェース
166a クライアント;ユーザ・コンピュータ
166b クライアント;ユーザ・コンピュータ
166c クライアント;ユーザ・コンピュータ
166d クライアント;ユーザ・コンピュータ
167a コンピュータ;第1のコンピュータ
167b コンピュータ;第2のコンピュータ
168 鉱井
170 ウェブ・サーバ
176 サーバ・インターフェース
178 インターネット
184 リンク
204 測定データ管理モジュール
206 プロセス統計の生成および計算のための手段
208 トレンディングのための手段
210 時間圧縮のための手段
212 アーカイビングのための手段
214 システム機能モジュール
216 電源管理手段
218 システム識別
220 デバイス・メンテナンス手段;デバイス管理
222 ウォッチドッグ・タイマ手段
224 システム・エラーおよびアラーム手段
226 プロセス監視モジュール
228 サンプル・シーケンス・アルゴリズム
229 内側チャンバ
230 プロセス変数計算手段
232 プロセス・アラーム手段
234 測定トリガ・レート手段
236 データ獲得
238 センサ応答変換
240 ADC読み出しおよびコントロール
242 ADCセッティング
244 MUXコントロール
246 ADCチャンネル選択
248 通信およびプロトコル管理モジュール
254 ワイヤレス・チャンネル管理手段
256 データ圧縮手段
258 エラー補正手段
260 データ暗号化;データ暗号化手段
262 認証およびアクセス・コントロールのための手段
400 エンクロージャ
402 ベース
404 外側円筒表面
406 開口
408 開口
409 開口
410 外径
412 内径
414 内側ねじ手段
416 トップ
418 LCD;液晶ディスプレイ(LCD)
420 内側チャンバ
500 中央ロケーション
510 伝送ゲートウエイ
520 データ・サーバ
550 プロセッサ
552 メモリ
558 データベース
560 アプリケーション・レイヤ・プロトコル
560a アプリケーション・レイヤ・プロトコルのコンポーネント
560b アプリケーション・レイヤ・プロトコルのコンポーネント
600 ワイヤレス・ネットワーク
610 公衆回線網
700 ネットワーク;放射状ネットワーク
702 サーバ/データ・ベース・システム;システム
710 データ収集レイヤ
712 データ優先順位付けレイヤ
714 データ処理レイヤ
720 到来メッセージ・キュー
722 送出データ・メッセージ・キュー;送出メッセージ・キュー
724 アラーム・メッセージ・キュー
726 優先順位付きデータ・メッセージ・キュー
730 ファイル;ログ・ファイル
731 ファイル;ログ・ファイル
740 データ処理モジュール
742 データベース更新モジュール
744 QTR再計算;ZIDユーティリティ・モジュールZID;ユーティリティ・モジュール;ユーティリティ・モジュールQTR再計算;前日の量ユーティリティ・モジュールYVOL

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの遠隔ロケーションにおいて特性を検出するため、および前記検出した特性を示すデータを前記遠隔ロケーションから離れた中央ロケーションに配置されたデータベースへ伝送するためのシステムであって、
それぞれ対応する前記遠隔ロケーションに配置された複数の現場計測器ユニットは、
前記検出した特性を示すディジタル出力読み値を生成するためのセンサ、
前記ディジタル出力読み値をストアするためのメモリ、
前記遠隔ロケーションと前記中央ロケーションの間において情報を送受するための第1の通信ユニット、および、
前記第1の通信ユニットによる情報の送受をコントロールするため、前記センサによる前記ディジタル出力読み値の生成をコントロールするため、および前記ディジタル出力読み値を前記メモリ内にストアするためのプロセッサ、を包含し、
前記中央ロケーションにおいて、
前記遠隔ロケーションにある前記第1の通信ユニットとの間において情報を送受するための第2の通信ユニット、および、
前記遠隔ロケーションから受け取ったデータをストアするためのデータベース、を包含し、
それにおいて前記プロセッサは、前記ディジタル出力読み値の前記第2の通信ユニットに対する伝送およびそれによる受け取りが可能となるまで、前記ディジタル出力読み値を前記メモリ内にストアさせ、かつ、
前記プロセッサは、データが、前記中央ロケーションにある前記第2の通信ユニットに対する伝送およびそれによる受け取りが可能か否かを決定し、前記第2の通信ユニットがデータを受け取ることができるとき、前記ディジタル出力読み値に対応するデータを送るべく前記第1の通信ユニットをコントロールし、
前記複数の現場計測器ユニットは、放射状トポロジで構成され、前記中央ロケーションの前記データベースが前記放射状トポロジの中心に配置されるシステム。
【請求項2】
さらに、
前記第1の通信ユニットならびに前記第2の通信ユニットと関連付けされた、データおよびコマンドを包含するメッセージの、前記遠隔ロケーションと前記中央ロケーションの間における相互の伝送を容易にするためのアプリケーション・プロトコル、
を包含する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アプリケーション・プロトコルは、前記遠隔ロケーションと前記中央ロケーションの間において送受されるメッセージの暗号化、圧縮ならびに解凍、および認証の機能のうちの少なくとも1つを実行する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
さらに、複数の現場計測器ユニットを包含し、各現場計測器ユニットは、互いに地理的に離隔された別々の遠隔ロケーションに配置されて、前記遠隔ロケーションのそれぞれにおける特性を検出するため、および対応する前記遠隔ロケーションの前記検出した特性を示すデータを中央ロケーションに配置された前記データベースへ転送するためのものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の現場計測器ユニットのそれぞれは、対応する前記現場計測器ユニットの前記メモリ内にストアされたディジタル出力読み値を処理することが可能であり、かつ、
それにおいて前記複数の現場計測器ユニットのうちの少なくとも1つの前記プロセッサは、対応するメモリ内にストアされた前記ディジタル出力読み値を処理し、処理済みのディジタル出力読み値を前記中央ロケーションへ伝送する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の現場計測器ユニットのそれぞれは、地理的に離隔されることのある油ガス設備に配置される、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
各現場計測器ユニットの前記センサは、前記現場計測器ユニットが配置されている油ガス設備における圧力ならびに温度を検出し、かつ、
それにおいて前記複数の現場計測器ユニットのうちの少なくとも1つの前記プロセッサは、前記圧力を示す前記ディジタル出力信号を処理し、前記温度を示すディジタル出力信号に基づいて温度誤差についての補正を行い、かつ処理済みのディジタル出力読み値を前記中央ロケーションへ伝送する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の通信ユニットと前記第2の通信ユニットの間における最初の接続時に、前記プロセッサは、前記第2の通信ユニットとの間において情報を送受し、前記システムの動作を容易にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の通信ユニットへのデータの送受信の各中断の後に、前記プロセッサは、前記第2の通信ユニットへ、データの伝送が復帰したことを示す情報を送り、前記メモリ内にストアされていたディジタル出力読み値に対応するデータを伝送する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記現場計測器ユニットおよび前記中央ロケーションに配置されたプロセッサは、前記放射状トポロジ内におけるサーバおよびクライアントとして相互交換可能に機能する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の通信ユニットおよび前記第2の通信ユニットは、アプリケーション・プロトコルを使用し、インターネット、公衆交換電話網、セルラ・ディジタル・パケット・データ、および衛星ネットワークからなるグループから選択された1ないしは複数のネットワークを介してメッセージを送受する、請求項2に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−10320(P2011−10320A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163327(P2010−163327)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2004−543857(P2004−543857)の分割
【原出願日】平成15年10月7日(2003.10.7)
【出願人】(505140638)ゼットイーディー・アイ ソリューションズ(カナダ) インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】