説明

証明写真撮影装置

【課題】撮影装置を移動することも、撮影画像の加工に多大の時間を費やすことなく、短時間で、証明写真を作成する。
【解決手段】撮影システム38は、デジタルカメラ20と、プリンタ30と、写真サイズを設定する設定部27と、デジタルカメラ20による画像を表示する表示パネル15とを備える。デジタルカメラ20は、顔領域抽出手段とエッジ検出手段とを備え、人物被写体の顔の大きさと位置を検出し、スルー画データからプリント枠を設定する。自動レリーズによる撮影で取り込まれた撮影画像データからプリント枠の部分を切り取り、画像データを圧縮してからプリンタ30に送る。デジタルカメラ20は、動きベクトル検出手段を備え、被写体ブレを検出する。検出した値が閾値を超える時には、撮影のやり直しをする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物被写体の顔写真を自動撮影する証明写真撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の証明写真撮影装置は、カメラの高さ位置が固定されていて、高さ調整可能な椅子に座った使用者が、椅子の高さを調整して撮影を行うものであった。このような証明写真撮影装置にあっては、使用者自身が椅子の高さを調整する必要があるため、使用者によってはこの調整を怠る、あるいは調整を行ったとしてもうまく調整できずに撮影してしまい、結果として、仰向けあるいは俯きな写真になってしまうことがあった。また、プリント領域に対して、顔(あるいは頭)部分が、大き過ぎたり小さ過ぎたりする場合もあった。
【0003】
これに対して、下記特許文献1には、被写体人物の顔画像を検出して、検出した顔画像が予め設定された枠からはみ出している場合は、再撮影の指示をする証明写真撮影装置が記載されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、被写体人物の顔画像を検出して、検出した顔画像が予め設定された枠からはみ出さないように、自動的にカメラを移動させてその位置を調整する装置を備えた証明写真撮影装置が記載されている。
【特許文献1】特開2003−143535号公報
【特許文献2】特開2004−201331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の特許文献に記載された証明写真撮影装置は、顔画像が予め設定された枠からはみ出すことはなくなるが、そのために再撮影を行ったり、カメラを移動装置で動かしたりしなければならない。また、撮影後、適正なフォーマットに加工しなければならないため、処理時間が掛かってしまう。
【0006】
本発明は、係る問題に鑑み、撮影装置を移動することも、撮影画像の加工に多大の時間を費やすことなく、撮影される人物が椅子に座っているだけで、短時間で、指定されたフォーマットの証明写真を作成することができる証明写真撮影装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による証明写真撮影装置は、撮影レンズとイメージセンサとを有し、イメージセンサからの画像信号を基にスルー画データと撮影画像データとを出力する撮像部と、顔領域抽出手段とエッジ検出手段とによって人物被写体の顔の大きさと位置を検出する顔検出部と、プリント領域を設定するプリント領域設定手段と、プリント画データを作成するプリント画データ作成手段と、プリント画データから人物被写体の顔の写真プリントを作成する写真プリント作成手段とを備える。
【0008】
証明写真撮影装置は、所定時間ごとに更新されたスルー画データを表示するとともに自動レリーズによる撮影で取り込まれた撮影画像データによる画像を表示する表示装置と、証明写真の種類およびサイズ等を指定する指定手段と、人物被写体を照明する照明装置と、を備える。
【0009】
前記スルー画データによる画像(以下、スルー画という。)は、所定時間ごとに更新されて前記表示装置に表示される。スルー画が表示された後、所定時間後に自動的にレリーズされて撮影が行われ、撮影画像データが取り込まれる。顔領域抽出手段は、前記スルー画データより顔領域を抽出する。エッジ検出手段は、前記スルー画データより顔の上下端を検出し、顔の大きさと位置の検出精度をアップする。前記プリント領域は、前記顔検出部によって検出された前記顔の大きさと位置のデータを基にして、前記顔の大きさと位置がプリント領域に対して所定の比率となるように設定される。前記プリント画データは、前記撮影画像データから前記プリント領域内の画像データを切り取って作成される。
【0010】
証明写真撮影装置は、証明写真の種類およびサイズ等を指定する指定手段を備える。プリント画データ作成手段は、前記撮影画像データから切り取った前記プリント領域内の画像データを、前記指定手段によって指定されたサイズに圧縮して、プリント画データを作成する。
【0011】
証明写真撮影装置は、前記撮影画像における被写体ブレを検出するブレ検出手段を備え、前記ブレ検出手段が閾値を超えるブレを検出した時には、撮影のやり直しをする。前記ブレ検出手段は、撮影画像のブレ量を検出する動きベクトル検出手段である。
【0012】
証明写真撮影装置は、紙幣あるいはコインを投入する料金支払機が設けられた無人撮影ボックスである。
【発明の効果】
【0013】
本発明による証明写真撮影装置は、撮影される人が椅子にどのように座っても、顔が大きく写ったり小さく写ったりすることがない。そのために、カメラを動かすことも、人が座る位置を調整する必要もなく、指定されたフォーマットに顔画像が所定の大きさに写った証明写真を作成することができる。また、スルー画データよりトリミングデータと圧縮データを求めておき、これを基に撮影画像データを加工するので、全体の処理時間を短くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、証明写真撮影装置10は、証明写真を撮影しようとする人物が収容される撮影ボックス11の中に、人物が座るための椅子12が設置されている。撮影ボックス11に人物が入ると撮影ボックス11の一面の壁13に設けられた人検知センサ14が働き、撮影ボックス11に人物が入ったことが検知される。撮影ボックス11に入った人物は、前記壁13に設けられた表示パネル(表示装置)15と正対するように、椅子12に座る。表示パネル15の横には紙幣あるいはコインを投入する料金支払機16が設けられている。また、人検知センサ14の右側には、前記人物に各種案内などのアナウンスを行うスピーカ17が設けられている。
【0015】
表示パネル15は、後述するデジタルカメラ20による画像や撮影の為のガイド文を表示したり、プリントする証明写真の種類あるいはサイズを表示する。表示パネル15の上には前記デジタルカメラ20に設けられた撮影レンズ21(撮像部の一部)が露呈している。撮影レンズ21の上方には上部照明装置22が設けられ、表示パネル15の下方には下部照明装置23が設けられている。上部照明装置22と下部照明装置23は、壁13に突出して設けられ、下部照明装置23の上面には、表示パネル15に表示された証明写真の種類またはサイズを指定する指示ボタン25と決定ボタン26を備えた設定部(指定手段)27が設けられている。また、前記表示パネル15の横には、プリンタ(写真プリント作成手段)30によってプリントされた証明写真が排出される排出口31が設けられている。
【0016】
図2および図3に示すように、壁13の裏側には、前記デジタルカメラ20および写真プリントを作成する前記プリンタ30の他に、制御装置32が設けられている。制御装置32は、前記スピーカ17のアナウンス内容の指示をする音声制御回路33と、上部照明装置22および下部照明装置23の点灯を制御する照明制御回路34と、前記設定部27によるプリントサイズの設定を記憶し伝達するサイズ設定回路35とが設けられ、他の全ての機器と接続可能な端子を備えている。制御装置32に、他の全ての機器あるいは装置が接続され全体で撮影システム38を構成している。
【0017】
前記照明制御回路28は、例えば、前記デジタルカメラ20からの輝度レベル信号を基に、上部照明装置22と下部照明装置23の発光強度をコントロールする。これにより、良好な被写体画像を取得することができる。
【0018】
サイズ設定回路35は、指示ボタン25が押される毎に予め設定された順にプリントサイズを変更していくとともに、現在の指定サイズを前記表示パネル15に伝達する。決定ボタン26が押されると、その時の指定サイズを、プリントを実行するプリントサイズとして記憶し、音声制御回路33とデジタルカメラ20およびプリンタ30に伝達する。
【0019】
音声制御回路33はスピーカ17を制御している。音声制御回路33に内蔵されたROMに格納された音声データが音声制御回路33によって読み出され、スピーカ17がそれに基いたアナウンスをする。例えば、人検知センサ14が客である人物の入室を検知した場合には、撮影をスムーズに進めるための音声ガイドがスピーカ17から出力される。
【0020】
図4に示すように、表示パネル15には、複数の証明写真の種類やサイズが表示されており、その中の1つだけ、例えば、運転免許証(2.4cm×3cm)が、他より太い文字で且つ赤色で明るく表示され、その他の文字は、細く、グレーで表示されている。前記設定部27に設けられた指示ボタン25を押す毎に、表示パネル15に表示されたプリントサイズを表す文字が順番に選択され、選択されたサイズの文字は、太く赤色でかつ明るく表示される。更に、選択されたサイズの文字の前には横向きの三角マークが表示され、指示されたサイズであることを表し、認識し易くしている。
【0021】
図5に示すように、デジタルカメラ20は、固定焦点レンズの撮影レンズ21と、固定絞りである絞り39と、撮影レンズ21および絞り39の背後に配置され被写体像を撮像するCCD(イメージセンサ)41と、から構成された撮像部を備える。CCD41にはCPU40によって制御されるCCDドライバ42が接続されている。CCDドライバ42は、CCD41の電荷蓄積時間と電荷掃き出しタイミングを制御するためのタイミング信号(クロックパルス)をCCD41に出力する。
【0022】
CCD41から出力された撮像信号は、相関二重サンプリング回路(以下、CDSと略す)43に入力される。CDS43は、CCD41の各セルの蓄積電荷量に正確に対応したR、G、Bの画像データを出力する。増幅器(以下、AMPと略す)44は、CDS43から出力された画像データを、所定のゲインで増幅する。A/D変換器(以下、A/Dと略す)45は、AMP44で増幅されたアナログの画像データを、デジタルの画像データに変換する。
【0023】
画像入力コントローラ46は、バス47を介してCPU40に接続され、CPU40の制御命令に応じて、CCD41、CDS43、AMP44、およびA/D45を制御する。A/D45から出力された画像データは、SDRAM48に一旦格納される。
【0024】
画像信号処理回路49は、SDRAM48から画像データを読み出して、階調変換、ホワイトバランス補正、γ補正処理などの各種画像処理を施し、この画像データを再度SDRAM48に格納する。YC変換処理回路50は、画像信号処理回路49で各種処理を施された画像データをSDRAM48から読み出し、輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとに変換する。
【0025】
VRAM51は、表示パネル15にスルー画を出力するためのメモリであり、画像信号処理回路49、YC変換処理回路50を経た画像データを格納する。VRAM51には、画像データの書き込みと読み出しを並行して行えるように、2フレーム分のメモリが確保されている。VRAM51に格納された画像データは、LCDドライバ57でアナログのコンポジット信号に変換され、表示パネル15に送られスルー画として表示される。
【0026】
バス47には、露出量、すなわち電子シャッタのシャッタ速度が撮影に適切か否かを検出するとともに、ホワイトバランスが撮影に適切か否かを検出するAE/AWB検出回路54が接続されている。AE/AWB検出回路54は、YC変換処理回路50でYC変換された画像データの輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとの積算値を元に、露出量、およびホワイトバランスの適否を検出し、この検出結果をCPU40に送信する。
【0027】
また、AE/AWB検出回路54によって、検出された露出量が適正でない場合は、CCDドライバ42によりCCD41の電荷蓄積時間が制御される。CCD41の電荷蓄積時間を制御しても露出量が適正にならない場合は、その情報がCPU40から前記制御装置32へ送られ、照明制御回路34によって前記上部照明装置22と下部照明装置23の照度が調節される。これによって、被写体輝度が改善され、適正な露出量となり撮影準備処理が施される。
【0028】
顔画像抽出回路(顔領域抽出手段)56とエッジ検出回路(エッジ検出手段)57によって顔検出部58を構成する。前記CPU40に接続された顔画像抽出回路56は、前記SDRAM48に書き込まれたスルー画データを読み込んで、被写体の顔領域を抽出する。顔画像抽出回路56は、スルー画データから被写体の両眼を抽出することによって被写体の顔領域を抽出する。被写体の両眼を抽出する際には、スルー画データの画像を格子状に分割し(例えば16×16)、各分割領域に含まれるR,G,Bの各色信号の信号レベルから、皮膚と推定される肌色の画素を多く含む分割領域を選び出す。
【0029】
さらに、肌色の画素を多く含む領域から眼部の白色の画素と瞳と推定される黒色の画素を有する領域を選び出し、その領域から画像上の被写体の両眼の位置座標を求め、両眼の位置座標の中点を代表点として顔の位置が求められる。顔画像抽出回路56は、抽出された被写体の両眼の位置座標から、その周囲の肌色の画素を多く含む領域を顔領域と見なす。顔領域における両眼の位置座標から正面を向いた顔か横を向いた顔かを判断する。顔が横を向いている場合は、被写体となる人物が撮影される姿勢になっていないと判断される。
【0030】
人物の顔が正面を向いていると判断された場合、エッジ検出回路57によって顔画像の輝度分布を縦方向にスキャンして顔の上端と思われる頭髪と額の境界線と、顔の下端である顎の位置を検出する。
【0031】
動きベクトル検出回路(ブレ検出手段、動きベクトル検出手段)60は、撮影される人物被写体の移動を測定し、連続する2つのスルー画の間で人物画像の移動量を測定する。人物被写体の移動の測定は、グレーの背景と人物の境界をエッジ検出回路57によって検出して行われ、測定値が0になれば人物が静止状態となったと判断する。
【0032】
EEPROM62は、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されており、CPU40は、これらの情報をEEPROM62から作業用メモリであるSDRAM48に読み出して、各種処理を実行する。
【0033】
トリミング回路(プリント領域設定手段)52は、スルー画データから求められた顔画像の大きさと位置の情報と、サイズ設定回路35から伝達されるプリントサイズの設定情報とから、撮影画像に対するプリント領域を算出し、撮影画像全体に対するプリント領域の大きさと位置を設定しプリント領域設定データ(以下、プリント枠という。)を作成する。その後、自動レリーズによって取り込まれた撮影画像データを前記プリント枠に基いて、プリントする画像を切り取る。
【0034】
前述のように、プリントする写真の大きさは複数種が設定されている。図6に示すように、証明写真は外径寸法Bの他に、顔Aの大きさや位置が決められている場合があり、証明写真の寸法が縦T(mm)、横W(mm)、顔の大きさは縦S(mm)、顔の縦位置は顔(あるいは頭)の頂点から写真の上端までの寸法がP(mm)、顔の横位置は顔の中心が証明写真の中心になるように決められていることが多い。
【0035】
例えば、図7に示すように、パスポート申請用写真は、写真サイズが縦45(mm)、横35(mm)、顔の大きさは縦34±2(mm)、顔Aの縦位置は顔の頂点から写真の上端までの寸法が4±2(mm)、顔の横位置は顔の中心が写真の左端から17±2(mm)と決められている。
【0036】
図8に示すように、実際にプリントされる写真の外径寸法は、決められた寸法より縦横とも5(mm)程度大きく写される。これは、1枚のプリントペーパに2駒あるいは4駒の写真が印刷されているので、各駒を切り離す際に印刷部分の内側でカットして証明写真の外周に余白を生じさせないようにするためである。パスポート申請用写真の場合は、プリント範囲Cが縦50(mm)、横40(mm)、顔Aの大きさは縦34(mm)、顔の縦位置は顔の頂点から写真の上端までの寸法が6.5(mm)、顔の横位置は顔の中心が写真の左端から20(mm)となる。
【0037】
圧縮伸長回路(プリント画データ作成手段)53は、トリミング回路52によって切り取られた撮影画像データを、前記設定部27によって設定されたプリントサイズBに圧縮して、プリンタ30に送信する。
【0038】
次に、上記構成による証明写真撮影装置10の客の入室から写真プリント作成までの手順を説明する。図9に示すように、撮影ボックス11に客である人物が入ったことが、人検知センサ14によって検知され、料金の投入が確認されると、表示パネル15に初期メニューが表示されるとともに上部撮影装置22および下部撮影装置23が点灯する。そして、スピーカ17より音声により、プリントサイズの設定を促すメッセージが報知される。写真プリントの種類またはサイズの設定が確認されると、音声と表示パネル15によって、動かないように、注意を促す。
【0039】
続いて、表示パネル15には、デジタルカメラ20によるスルー画が表示される。デジタルカメラ20は、動きベクトル検出回路60によってスルー画の画像がブレていることを検知した場合は、人物が動いていると見なして、再度、警告をする。スルー画の画像がブレていないことを確認すると、音声と表示パネル15によって、「撮影します」と報知し、自動的に撮影を行う。動きベクトル検出回路60によって撮影画像がブレていることを検知した場合は、音声と表示パネル15によって、再度撮影することを報知してから、再び撮影を行う。撮影画像がブレていないことを確認すると、プリンタ30によって設定されたサイズの写真プリントが排出口31から排出される。
【0040】
このように、被写体となる人物は入室後、料金を投入し希望する写真のサイズを選択すれば、後は椅子に座っているだけで撮影が完了し、希望した証明写真が入手できる。
【0041】
次に、前記パスポート申請用写真プリントの作成を例にデジタルカメラ20の作用について説明する。デジタルカメラ20の撮影画像は、顔画像に対して十分なスペースを周囲に確保して設定されている。スルー画データより顔画像抽出回路56とエッジ検出回路57によって顔領域が検出され、トリミング回路52によって、顔の大きさと位置からプリント枠の寸法を次のように算出する。
【0042】
図10に示すように、パスポート申請用写真の顔Aの縦寸法は34(mm)であり、顔の上端からプリント枠の上端までの寸法は6.5(mm)であるから、その比率は1:0.19となる。同様に、顔Aの縦寸法を1とするとプリント枠Dは、縦1.47、横1.18となる。この比率データを基に、スルー画の画像から周囲の余裕分を除いてプリント枠Dの範囲を設定する。次に、撮影画像が取り込まれると、撮影画像の顔Aを基準にしてプリント枠Dの範囲が撮影画像から切り取られる。
【0043】
切り取られた画像のデータ上の寸法は、例えば、図11に示すように、縦80(mm)、横64(mm)、顔の上端からプリント枠の上端までの寸法は10(mm)となる。この画像データが、圧縮伸長回路53によって0.625倍に圧縮され、画像の寸法が縦50(mm)、横40(mm)となる。そして、圧縮された画像データはプリンタ30に送信される。
【0044】
プリンタ30は、送られてきた画像データを基にラスタイメージが構築され、このラスタイメージに基づいて印刷用紙に画像を印刷する。印刷用紙には、例えば、パスポート用の証明写真を印刷する場合では、画像が田の字に4つ並べて印刷され、排出口31に排出される。
【0045】
前記証明写真撮影装置10は、前記制御装置32に設けられた前記3つの回路を、それぞれ関連する機器に持たせ、制御装置32を設けなくても良く、音声制御回路33はスピーカ17に、照明制御回路34は上部照明装置22および下部照明装置23に、サイズ設定回路35は設定部27に、それぞれ設ければ良い。
【0046】
前記デジタルカメラ20は、撮影画像をトリミングした後に圧縮したが、圧縮した後にトリミングする方法でも良い。スルー画データよりトリミングデータと圧縮データを求め、これを基に撮影画像データを加工する方法であれば、全体の処理時間が短くなるので問題ない。
【0047】
前記デジタルカメラ20は、AF機能付きであっても良いし、ズーム機能付きであっても良い。この場合は、更に良い画質の写真が得られる。
【0048】
前記表示パネル15は、表示する証明写真のサイズをcmではなく、mmで表示しても良い。
【0049】
前記証明写真撮影装置10は、客が選択・指定することで、実際の背景色と異なる背景色とすることが可能であるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による証明写真撮影装置の斜視図である。
【図2】証明写真撮影装置の撮影システムの構成図である。
【図3】撮影システムのブロック図である。
【図4】証明写真の各種サイズ一覧表が表示された表示パネルを示す図である。
【図5】デジタルカメラの電気回路を示すブロック図である。
【図6】証明写真の各寸法を記号で表した説明図である。
【図7】パスポート申請用写真の各寸法を表した説明図である。
【図8】パスポート申請用写真のプリントされる画像の各寸法を表した説明図である。
【図9】証明写真撮影装置によって証明写真を作成するフローを示す図である。
【図10】デジタルカメラのスルー画の各寸法を記号で表した説明図である。
【図11】スルー画の画像をパスポート申請用写真の比率にトリミングしたときの各寸法を表した説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10 証明写真撮影装置
11 撮影ボックス
12 椅子
14 人検知センサ
15 表示パネル(表示装置)
16 料金支払機
17 スピーカ
20 デジタルカメラ(撮像部)
21 撮影レンズ
22 上部照明装置
23 下部照明装置
25 指示ボタン
26 決定ボタン
27 設定部(指定手段)
28 照明制御回路
30 プリンタ(写真プリント作成手段)
31 払出口
32 制御装置
33 音声制御回路
34 照明制御回路
35 サイズ設定回路
38 撮影システム
40 CPU
41 CCD(イメージセンサ)
52 トリミング回路(プリント領域設定手段)
53 圧縮伸長回路(プリント画データ作成手段)
56 顔画像抽出回路(顔領域抽出手段)
57 エッジ検出回路(エッジ検出手段)
58 顔検出部
60 動きベクトル検出回路(ブレ検出手段、動きベクトル検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人物被写体の顔写真を自動的に撮影する証明写真撮影装置において、
撮影レンズとイメージセンサとを有し、前記イメージセンサからの画像信号を基に所定時間ごとに更新されるスルー画データと、自動レリーズによる撮影で取り込まれた撮影画像データと、を出力する撮像部と、
前記スルー画データより、顔領域を抽出する顔領域抽出手段と、顔の上端および下端を検出するエッジ検出手段と、によって前記人物被写体の顔の大きさと位置を検出する顔検出部と、
前記顔検出部によって検出された前記顔の大きさと位置のデータを基にして、前記顔の大きさと位置がプリント領域に対して所定の比率となるように前記プリント領域を設定するプリント領域設定手段と、
前記撮影画像データから前記プリント領域内の画像データを切り取って、プリント画データを作成するプリント画データ作成手段と、
前記プリント画データによって前記人物被写体の顔の写真プリントを作成する写真プリント作成手段と、
を備えたことを特徴とする証明写真撮影装置。
【請求項2】
前記証明写真撮影装置は、証明写真の種類およびサイズ等を指定する指定手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の証明写真撮影装置。
【請求項3】
前記プリント画データ作成手段は、前記撮影画像データから切り取った前記プリント領域内の画像データを、前記指定手段によって指定されたサイズに圧縮して、プリント画データを作成することを特徴とする請求項1または2記載の証明写真撮影装置。
【請求項4】
前記証明写真撮影装置は、前記スルー画データおよび撮影画像データによる画像を表示する表示装置を備えたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の証明写真撮影装置。
【請求項5】
前記自動レリーズによる撮影は、前記スルー画データによる画像が、前記表示装置に表示された後、所定時間後に行われることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の証明写真撮影装置。
【請求項6】
前記証明写真撮影装置は、前記撮影画像における被写体ブレを検出するブレ検出手段を備え、前記ブレ検出手段が閾値を超えるブレを検出した時には、撮影のやり直しをすることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の証明写真撮影装置。
【請求項7】
前記ブレ検出手段は、撮影画像のブレ量を検出する動きベクトル検出手段であることを特徴とする請求項6記載の証明写真撮影装置。
【請求項8】
前記証明写真撮影装置は、前記人物被写体を照明する照明装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の証明写真撮影装置。
【請求項9】
前記証明写真撮影装置は、紙幣あるいはコインを投入する料金支払機が設けられた無人撮影ボックスであることを特徴とする請求項1ないし8いずれか記載の証明写真撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−81630(P2009−81630A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248960(P2007−248960)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】