試料提示器具
本発明は、分析測定の実施に有用である試料提供器具に関する。これらの器具は、保持、保存、輸送、濃縮、位置決めおよび移動といった、液体取り扱いのさまざまな側面を可能にするように構成されている。加えて、これらの器具は分析物の検出および特徴づけを促進する。本発明の試料提供器具は、異なる湿潤性の複数のゾーンを有する一つ以上の基材から成る。本発明の試料提供器具を用いた試料を分析する方法、および本試料提供器具を作製する方法が開示される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有する基材を含む試料提示器具であって、前記表面が、分析物を捕捉するように構成された第一のゾーン、および前記分析物を分析するために構成された第二のゾーンを含み、前記第一のゾーンおよび前記第二のゾーンが、前記第一のゾーンから前記第二のゾーンへの液流を促進するために異なる湿潤性で構成されている、前記器具。
【請求項2】
前記表面が第三のゾーンをさらに含み、前記第三のゾーンは前記第一のゾーン内に液体を封じ込めるように構成されている、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項3】
複数の前記第一のゾーンおよび複数の前記第二のゾーンを含み、複数の前記第一のゾーンが前記表面上にアレイとして分布し、前記第一のゾーンのそれぞれが複数の前記第二のゾーンのうちの対応する一つと接続しており、前記表面が前記複数の第一のゾーンを分離するように適応されている第三のゾーンをさらに含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項4】
前記基材が自己組織化単分子膜を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項5】
前記第一のゾーンが抗体を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項6】
前記第一のゾーンがクロマトグラフィーを実施するために構成された、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項7】
前記第一のゾーンが固定化Fe(III)を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項8】
前記第一のゾーンが固定化Ni(II)を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項9】
前記第一のゾーンが固定化金属アフィニティクロマトグラフィー表面を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項10】
前記第一のゾーンがタンパク質、ペプチド、またはヌクレオチドを捕捉するように適応されている、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項11】
前記第二のゾーンが実質的に非結合性である、請求項4に記載の試料提示器具。
【請求項12】
前記第一のゾーンが分析物を捕捉するための抗体を含む、請求項11に記載の試料提示器具。
【請求項13】
前記第一のゾーンがクロマトグラフィーを実施するために構成されている、請求項11に記載の試料提示器具。
【請求項14】
請求項9に記載の試料提示器具上の分析物を提示すること;および
分析物を検出すること
を含む分析物を分析する方法。
【請求項15】
前記検出行為が前記分析物の上のレーザー脱着イオン化質量分析を実施することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項11に記載の試料提示器具上の分析物を提示すること;および
前記分析物の化学的特性を測定すること
を含む分析物を分析する方法。
【請求項17】
分析のために分析物を提示するための表面を有する基材;
前記分析物を捕捉するための手段;および
分析のために前記分析物を集中させるための手段
を含む試料提示器具。
【請求項18】
前記基材が自己組織化単分子膜を含む、請求項17に記載の試料提示器具。
【請求項19】
前記表面が異なる湿潤性を有する複数のゾーンを含む、請求項17に記載の試料提示器具。
【請求項20】
前記複数のゾーンのうち少なくとも一つが前記分析物を捕捉するための抗体を含む、請求項19に記載の試料提示器具。
【請求項21】
前記複数のゾーンのうち少なくとも一つが固定化金属親和性クロマトグラフィー表面を含む、請求項19に記載の試料提示器具。
【請求項22】
前記表面は、前記分析物が前記表面の実質的に非結合性の領域へ集中するように適合されている、請求項18に記載の試料提示器具。
【請求項23】
表面を有する基材を含む、試料中の分析物を検出するように構成された、カスタマイズ可能な試料提示器具であって、前記表面が、分析物を捕捉するための使用者による修飾のために適合した第一の領域、並びに前記捕捉された分析物を受容、および分析用に捕捉分析物を提示するために構成された第二の領域を含む、前記器具。
【請求項24】
前記第一の領域および前記第二の領域が第一の領域から第二の領域への液流を促進するために異なる湿潤性で構成されている、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項25】
前記第二の領域が実質的に非結合性である、請求項24に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項26】
前記基材が自己組織化単分子膜を含む、請求項25に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項27】
前記第一の領域が抗体を受容するために適合されている、請求項26に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項28】
前記第一の領域がNHSエステル基を含む、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示装置。
【請求項29】
前記第一の領域が金属イオンをキレート化するために適合されている、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項30】
前記第一の領域がNTAリガンドを含む、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項31】
試料液を表面上へ導入すること、但し、前記試料液は分析物および種を含む;
前記表面上の第一の領域上で前記分析物を捕捉すること;
前記種を前記表面から除去すること;
前記分析物を放出すること;および
前記分析物を前記表面上の第二の領域へ集中すること
を含む、分析物を提示する方法。
【請求項32】
前記分析物の検出をさらに含む、請求項31の方法。
【請求項33】
前記分析物の検出が、質量分析、表面プラスモン共鳴、蛍光、原子力顕微鏡、光学スペクトル、生物発光、化学発光、X線光電子スペクトル、エリプソメトリー、光化学検出、燐光、紫外スペクトル、可視スペクトル、および赤外スペクトルを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記捕捉行為が前記分析物を抗体で捕捉することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記捕捉行為が前記分析物をクロマトグラフィー表面で捕捉することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記集中行為が前記表面上の表面張力の変動性に起因して前記分析物を集中することをさらに含み、前記表面が自己組織化単分子膜を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
試料液を表面上へ導入すること、但し、前記試料液体は分析物を含む;
前記表面上の第一の領域中の前記試料液についてクロマトグラフィーを実施すること;
前記試料液を前記表面上の第二の領域へ移動すること;および
前記表面上の前記第二の領域内で前記分析物を検出すること
を含む、試料液を精製する方法。
【請求項38】
クロマトグラフィー行為の実施がイオン交換クロマトグラフィーの実施を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
クロマトグラフィー行為の実施が逆相クロマトグラフィーの実施を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記表面が自己組織化単分子膜を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項1】
表面を有する基材を含む試料提示器具であって、前記表面が、分析物を捕捉するように構成された第一のゾーン、および前記分析物を分析するために構成された第二のゾーンを含み、前記第一のゾーンおよび前記第二のゾーンが、前記第一のゾーンから前記第二のゾーンへの液流を促進するために異なる湿潤性で構成されている、前記器具。
【請求項2】
前記表面が第三のゾーンをさらに含み、前記第三のゾーンは前記第一のゾーン内に液体を封じ込めるように構成されている、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項3】
複数の前記第一のゾーンおよび複数の前記第二のゾーンを含み、複数の前記第一のゾーンが前記表面上にアレイとして分布し、前記第一のゾーンのそれぞれが複数の前記第二のゾーンのうちの対応する一つと接続しており、前記表面が前記複数の第一のゾーンを分離するように適応されている第三のゾーンをさらに含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項4】
前記基材が自己組織化単分子膜を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項5】
前記第一のゾーンが抗体を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項6】
前記第一のゾーンがクロマトグラフィーを実施するために構成された、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項7】
前記第一のゾーンが固定化Fe(III)を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項8】
前記第一のゾーンが固定化Ni(II)を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項9】
前記第一のゾーンが固定化金属アフィニティクロマトグラフィー表面を含む、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項10】
前記第一のゾーンがタンパク質、ペプチド、またはヌクレオチドを捕捉するように適応されている、請求項1に記載の試料提示器具。
【請求項11】
前記第二のゾーンが実質的に非結合性である、請求項4に記載の試料提示器具。
【請求項12】
前記第一のゾーンが分析物を捕捉するための抗体を含む、請求項11に記載の試料提示器具。
【請求項13】
前記第一のゾーンがクロマトグラフィーを実施するために構成されている、請求項11に記載の試料提示器具。
【請求項14】
請求項9に記載の試料提示器具上の分析物を提示すること;および
分析物を検出すること
を含む分析物を分析する方法。
【請求項15】
前記検出行為が前記分析物の上のレーザー脱着イオン化質量分析を実施することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項11に記載の試料提示器具上の分析物を提示すること;および
前記分析物の化学的特性を測定すること
を含む分析物を分析する方法。
【請求項17】
分析のために分析物を提示するための表面を有する基材;
前記分析物を捕捉するための手段;および
分析のために前記分析物を集中させるための手段
を含む試料提示器具。
【請求項18】
前記基材が自己組織化単分子膜を含む、請求項17に記載の試料提示器具。
【請求項19】
前記表面が異なる湿潤性を有する複数のゾーンを含む、請求項17に記載の試料提示器具。
【請求項20】
前記複数のゾーンのうち少なくとも一つが前記分析物を捕捉するための抗体を含む、請求項19に記載の試料提示器具。
【請求項21】
前記複数のゾーンのうち少なくとも一つが固定化金属親和性クロマトグラフィー表面を含む、請求項19に記載の試料提示器具。
【請求項22】
前記表面は、前記分析物が前記表面の実質的に非結合性の領域へ集中するように適合されている、請求項18に記載の試料提示器具。
【請求項23】
表面を有する基材を含む、試料中の分析物を検出するように構成された、カスタマイズ可能な試料提示器具であって、前記表面が、分析物を捕捉するための使用者による修飾のために適合した第一の領域、並びに前記捕捉された分析物を受容、および分析用に捕捉分析物を提示するために構成された第二の領域を含む、前記器具。
【請求項24】
前記第一の領域および前記第二の領域が第一の領域から第二の領域への液流を促進するために異なる湿潤性で構成されている、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項25】
前記第二の領域が実質的に非結合性である、請求項24に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項26】
前記基材が自己組織化単分子膜を含む、請求項25に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項27】
前記第一の領域が抗体を受容するために適合されている、請求項26に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項28】
前記第一の領域がNHSエステル基を含む、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示装置。
【請求項29】
前記第一の領域が金属イオンをキレート化するために適合されている、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項30】
前記第一の領域がNTAリガンドを含む、請求項23に記載のカスタマイズ可能な試料提示器具。
【請求項31】
試料液を表面上へ導入すること、但し、前記試料液は分析物および種を含む;
前記表面上の第一の領域上で前記分析物を捕捉すること;
前記種を前記表面から除去すること;
前記分析物を放出すること;および
前記分析物を前記表面上の第二の領域へ集中すること
を含む、分析物を提示する方法。
【請求項32】
前記分析物の検出をさらに含む、請求項31の方法。
【請求項33】
前記分析物の検出が、質量分析、表面プラスモン共鳴、蛍光、原子力顕微鏡、光学スペクトル、生物発光、化学発光、X線光電子スペクトル、エリプソメトリー、光化学検出、燐光、紫外スペクトル、可視スペクトル、および赤外スペクトルを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記捕捉行為が前記分析物を抗体で捕捉することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記捕捉行為が前記分析物をクロマトグラフィー表面で捕捉することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記集中行為が前記表面上の表面張力の変動性に起因して前記分析物を集中することをさらに含み、前記表面が自己組織化単分子膜を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
試料液を表面上へ導入すること、但し、前記試料液体は分析物を含む;
前記表面上の第一の領域中の前記試料液についてクロマトグラフィーを実施すること;
前記試料液を前記表面上の第二の領域へ移動すること;および
前記表面上の前記第二の領域内で前記分析物を検出すること
を含む、試料液を精製する方法。
【請求項38】
クロマトグラフィー行為の実施がイオン交換クロマトグラフィーの実施を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
クロマトグラフィー行為の実施が逆相クロマトグラフィーの実施を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記表面が自己組織化単分子膜を含む、請求項37に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6−1】
【図6−2】
【図7−1】
【図7−2】
【図8−1】
【図8−2】
【図9】
【図10】
【図11−1】
【図11−2】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6−1】
【図6−2】
【図7−1】
【図7−2】
【図8−1】
【図8−2】
【図9】
【図10】
【図11−1】
【図11−2】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公表番号】特表2008−500554(P2008−500554A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527491(P2007−527491)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017813
【国際公開番号】WO2005/114132
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506014055)キアゲン サイエンシス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017813
【国際公開番号】WO2005/114132
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506014055)キアゲン サイエンシス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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