認証システム及び認証用可搬媒体
【課題】テラヘルツ波を利用して物質の判別を行い、その結果から他の装置を制御することができるようにする。
【解決手段】テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれたテラヘルツ認証カード1に対してテラヘルツ波201を照射し、スペクトルを測定する測定部2と、前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベース3と、前記測定されたスペクトルと前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別する判別部4と、テラヘルツ認証カード1に組み込まれている物質の組合せが記録された認証データベース5と、テラヘルツ認証カード1に組み込まれていると特定された物質の組合せが認証データベース5に記録されている場合に、認証信号を出力する認証部6とを備える。
【解決手段】テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれたテラヘルツ認証カード1に対してテラヘルツ波201を照射し、スペクトルを測定する測定部2と、前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベース3と、前記測定されたスペクトルと前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別する判別部4と、テラヘルツ認証カード1に組み込まれている物質の組合せが記録された認証データベース5と、テラヘルツ認証カード1に組み込まれていると特定された物質の組合せが認証データベース5に記録されている場合に、認証信号を出力する認証部6とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラヘルツ周波数帯の電磁波(テラヘルツ波)を利用する技術に係り、特に認証システム及び認証用可搬媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テラヘルツ波を利用して例えば封筒やプラスチック容器等の密閉された容器内に収納されている物質の判別を行う技術が、例えば特許文献1,2に記載されている。特許文献1記載の従来技術では、予め物質の基準スペクトルを計測しておき、被検査物にテラヘルツ波を照射した後の出力波から基準スペクトルを持つ物質が含まれているか判定する。特許文献2記載の従来技術では、テラヘルツ波を被検査物に二次元的に走査して被検査物の吸光度のスペクトルの二次元分布を計測し、予め計測したターゲットの吸光度のスペクトルと被検査物の吸光度のスペクトルの二次元分布とからターゲット濃度の二次元分布を算出し、ターゲット濃度の二次元分布を二次元的に画像表示することにより、ターゲットの形状を二次元的に画像表示する。
【特許文献1】特開2005−114413号公報
【特許文献2】特開2004−286716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した従来技術では、テラヘルツ波を利用して物質の判別を行うことや物質の形状を二次元的に画像表示することにとどまり、その結果から何らかの他の装置を制御することはできない。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、テラヘルツ波を利用して物質の判別を行い、その結果から他の装置を制御することができる認証システム及び認証用可搬媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明に係る認証システムは、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を照射し、スペクトルを測定する測定手段と、前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、前記測定されたスペクトルと前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別する判別手段と、認証用可搬媒体に組み込まれている物質の組合せが記録された認証データベースと、前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の組合せが前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明に係る認証用可搬媒体は、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る認証システムは、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定する測定手段と、前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、前記測定されたスペクトルの二次元分布と前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別すると共に該判別により特定した物質間の二次元位置関係の順列を判断する判別手段と、認証用可搬媒体に組み込まれている物質の順列が記録された認証データベースと、前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の順列が前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る認証用可搬媒体は、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が順列をもって組み込まれたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る認証システムにおいては、前記認証信号に応じて動作する被制御装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る認証システムにおいては、前記認証用可搬媒体の保持者に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定し、測定したスペクトルの二次元分布に基づいて物質の形状を示す二次元画像を作成するイメージング手段と、該イメージングによって作成された二次元画像と照合するための照合画像を格納する画像データベースと、前記イメージング手段によって作成された二次元画像を前記画像データベース内の照合画像と照合する画像照合手段と、を備え、該画像の照合結果に基づいて、前記保持者に対する認証を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る認証システムにおいては、前記認証結果に応じて被制御装置がどのような動作を行うのかを示すアクション情報を格納するアクションデータベースと、前記認証結果に基づいて前記アクションデータベースを検索し、検索結果のアクション情報に対応するコマンドを該当の被制御装置へ送信するコマンド発信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、テラヘルツ波を利用して認証用可搬媒体に組み込まれた物質を判別し、その判別により特定した物質の組合せ又は順列によって認証を行い、認証信号を出力する。これにより、その認証信号によって他の装置を制御することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。図1において、認証システムは、テラヘルツ認証カード1、測定部2、固有スペクトルデータベース3、判別部4、認証データベース5及び認証部6を備える。被制御装置100は、本認証システムの認証結果に応じて動作する装置である。
【0015】
図2は、図1に示すテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。図2において、テラヘルツ認証カード1は、カード本体1aとカード本体1a内に組み込まれた物質とから構成される。カード本体1aは、テラヘルツ周波数帯の電磁波(テラヘルツ波)を透過する材質である。テラヘルツ波を透過する材質としては、例えば、紙、プラスチック、ゴム、ビニール、木材、繊維、セラミックなどが挙げられる。カード本体1a内に組み込まれた物質は、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する。図2の例では、5種類の物質A,B,C,D,Eがカード本体1a内に組み込まれている。テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質は、テラヘルツ周波数帯に固有スペクトル(吸収スペクトル)を有する。物質に固有の吸収スペクトルは指紋スペクトルと称される。
【0016】
図3は、図1に示す測定部2の構成を示すブロック図である。図3において、測定部2は、カード装着部21、テラヘルツ波発生部22、テラヘルツ波検出部23及びスペクトル算出部24を有する。
カード装着部21は、テラヘルツ認証カード1の装着場所を有し、該装着場所にテラヘルツ認証カード1が装着されたことを検知する。カード装着部21は、テラヘルツ認証カード1が所定の装着場所に装着されたことを検知すると、検知信号を出力する。
【0017】
テラヘルツ波発生部22は、カード装着部21から検知信号を受け取ると、図1に示すようにテラヘルツ波201を装着場所に在るテラヘルツ認証カード1に向けて照射する。テラヘルツ波発生部22は、予め定められた複数の周波数のテラヘルツ波201を順番に発生し所定期間ずつ照射する。テラヘルツ波201の周波数としては、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の固有振動周波数を少なくとも含むようにする。物質の固有振動周波数は、事前に測定しておく。テラヘルツ波発生部22は、テラヘルツ波201を照射中であることをテラヘルツ波検出部23に通知する。
【0018】
テラヘルツ波検出部23は、テラヘルツ波発生部22から照射されたテラヘルツ波201がテラヘルツ認証カード1を透過した透過波を検出する。若しくは、テラヘルツ波検出部23は、テラヘルツ波発生部22から照射されたテラヘルツ波201がテラヘルツ認証カード1で反射した反射波を検出する。テラヘルツ波検出部23は、テラヘルツ波発生部22がテラヘルツ波201を照射中の期間においてテラヘルツ波を検出し、検出した信号をスペクトル算出部24へ出力する。
【0019】
スペクトル算出部24は、テラヘルツ波検出部23から受け取ったテラヘルツ波検出信号に基づいてスペクトルを算出する。スペクトル算出部24は、算出したスペクトル(以下、測定スペクトルと称する)を判別部4に渡す。
【0020】
説明を図1に戻す。
図1において、固有スペクトルデータベース3には、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質毎に、固有スペクトルが記録されている。物質の固有スペクトルは、事前に測定し、データベース化しておく。
【0021】
判別部4は、測定部2から測定スペクトルを受け取ると、固有スペクトルデータベース3中の固有スペクトルに基づいて、測定スペクトル中に含まれる物質を判別し特定する。判別部4は、その特定した物質の全て(特定物質の組合せ)を認証部6に通知する。
【0022】
認証データベース5には、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の組合せが記録されている。図4に認証データベース5の構成例が示されている。図4の例では、例えば、「物質A,B,C,D,E」、「物質A,C,D,F,G」、「物質B,C,F,G,H」などの組合せが記録されている。
【0023】
認証部6は、判別部4から特定物質の組合せが通知されると、認証データベース5を検索する。そして、認証部6は、判別部4から通知された特定物質の組合せが認証データベース5に記録されている場合に、認証信号202を被制御装置100に出力する。被制御装置100は、認証信号202を受け取ると、所定の動作を開始する。
【0024】
被制御装置100としては、例えば、ドア開閉装置、ドアロック装置などが挙げられる。ドア開閉装置は、認証信号202を受け取ると、ドアの開閉を行う。ドアロック装置は、認証信号202を受け取ると、ドアのロック又はロック解除を行う。
【0025】
なお、認証データベース5には、図5に示すように、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の組合せとともにその組合せ毎にユーザ識別情報(ユーザID)を記録するようにしてもよい。認証部6は、判別部4から通知された特定物質の組合せが認証データベース5に記録されている場合に、当該特定物質の組合せに対応付けられているユーザIDを認証データベース5から読み出して認証信号202と共に被制御装置100へ出力する。被制御装置100は、認証信号202及びユーザIDを受け取ると、当該ユーザIDを対象にした所定の動作を開始する。この被制御装置100としては、例えば、クレジット決済装置、セキュリティチェック装置などが挙げられる。クレジット決済装置は、認証信号202及びユーザIDを受け取ると、該ユーザIDを対象にしたクレジット決済処理を開始する。セキュリティチェック装置は、認証信号202及びユーザIDを受け取ると、該ユーザIDを対象にしたセキュリティチェック処理を開始する。
【0026】
上述したように第1実施形態によれば、テラヘルツ波を利用してテラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質を判別し、その特定した物質の組合せによって認証を行い、認証信号を出力する。これにより、その認証信号によって被制御装置100を制御することができる。
【0027】
[第2実施形態]
第2実施形態では、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の順列によって認証を行うようにする。第2実施形態に係る認証システムの構成は図1と同様である。以下、第1実施形態との差分を主に説明する。
【0028】
図6は、第2実施形態に係る測定部2の構成を示すブロック図である。図6において、図3に対応する部分には同じ符号を付している。第2実施形態では、走査部31を設ける。
カード装着部21は、第1実施形態と同様であるが、装着場所に装着されたテラヘルツ認証カード1の同一平面内移動ができるようにする。
テラヘルツ波発生部22は、第1実施形態と同様に、カード装着部21から検知信号を受け取ると、予め定められた複数の周波数のテラヘルツ波201を順番に発生し照射するが、走査部31からの指示があるまで同じ周波数のテラヘルツ波201を照射し続ける。テラヘルツ波発生部22は、周波数が変わる毎に、テラヘルツ波201を照射中であることを走査部31に通知する。テラヘルツ波検出部23には、第1実施形態と同様に、テラヘルツ波201を照射中であることを通知する。
【0029】
走査部31は、カード装着部21に在るテラヘルツ認証カード1を同一平面内移動させるように駆動する。走査部31は、テラヘルツ波発生部22から照射されたテラヘルツ波201がテラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の所定存在範囲を二次元的に走査するように、テラヘルツ認証カード1を同一平面内移動させる。これにより、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の所定存在範囲に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射することができる。
【0030】
走査部31は、テラヘルツ波発生部22からテラヘルツ波の照射中が通知されると、同一平面内移動を開始し同一平面内移動が終了すると、次の周波数のテラヘルツ波201を照射するようにテラヘルツ波発生部22へ指示する。走査部31は、テラヘルツ認証カード1の同一平面内移動に応じた走査信号をテラヘルツ波検出部23に出力する。走査信号は、同一平面内座標を示す信号である。
【0031】
テラヘルツ波検出部23は、第1実施形態と同様に、テラヘルツ波発生部22がテラヘルツ波201を照射中の期間においてテラヘルツ波を検出し、検出した信号をスペクトル算出部24へ出力する。このとき、テラヘルツ波検出部23は、走査部31から受け取った走査信号と共にテラヘルツ波検出信号をスペクトル算出部24へ出力する。
【0032】
スペクトル算出部24は、テラヘルツ波検出部23から受け取った走査信号及びテラヘルツ波検出信号に基づいて、スペクトルの二次元分布を算出する。スペクトル算出部24は、算出したスペクトルの二次元分布(以下、測定スペクトル二次元分布と称する)を判別部4に渡す。
【0033】
判別部4は、測定部2から測定スペクトル二次元分布を受け取ると、固有スペクトルデータベース3中の固有スペクトルに基づいて、測定スペクトル二次元分布中に含まれる物質を判別し特定する。さらに、判別部4は、その特定した物質の固有スペクトル及び測定スペクトル二次元分布に基づいて、該特定物質間の二次元位置関係の順列を判断し特定する。判別部4は、その特定した物質の全てについての順列(特定物質の順列)を認証部6に通知する。
【0034】
認証データベース5には、図7に示すように、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の順列が記録されている。図7の例では、例えば、「物質A,B,C,D,E」、「物質A,B,C,E,D」、「物質A,C,B,D,E」などの順列が記録されている。
【0035】
認証部6は、判別部4から特定物質の順列が通知されると、認証データベース5を検索する。そして、認証部6は、判別部4から通知された特定物質の順列が認証データベース5に記録されている場合に、認証信号202を被制御装置100に出力する。被制御装置100は、認証信号202を受け取ると、所定の動作を開始する。
【0036】
図8は、第2実施形態に係るテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。図8(1)では、「物質A,B,C,D,E」の順列の配置で、物質A,B,C,D,Eがテラヘルツ認証カード1に組み込まれている。図8(2)では、「物質A,B,C,E,D」の順列の配置で、物質A,B,C,D,Eがテラヘルツ認証カード1に組み込まれている。このように、第2実施形態では、同じ組合せの物質A,B,C,D,Eであっても、その順列の違いによって異なるテラヘルツ認証カード1を作成することができる。これにより、テラヘルツ認証カード1の発行枚数を拡大することができる。
【0037】
上述したように第2実施形態によれば、テラヘルツ波を利用してテラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質を判別し、その判別により特定した物質間の二次元位置関係の順列を判断し、その特定した物質の順列によって認証を行い、認証信号を出力する。これにより、その認証信号によって被制御装置100を制御することができる。さらに、同じ物質の組合せであっても、その順列の違いによって異なるテラヘルツ認証カード1を作成することができるので、テラヘルツ認証カード1の発行枚数を拡大することができる。
【0038】
なお、順列の先頭は、テラヘルツ認証カード1の装着方向を規定することで、判別することができる。或いは、順列の先頭は、予め特定の物質に定めておくことによって、判別するようにしてもよい。このようにすれば、テラヘルツ認証カード1の装着方向を規定する必要がなくなる。
【0039】
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態又は第2実施形態において、さらに、テラヘルツ波を利用した物質のイメージングを行って、テラヘルツ認証カード1を持っている人が、例えば、危険物を携帯していないか判別し、認証を行うようにする。
【0040】
図9は、本発明の第3実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。図9において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付している。第3実施形態では、イメージング部41と画像照合部42と画像データベース43を設ける。
【0041】
図10は、図9に示すイメージング部41の構成を示すブロック図である。図10において、テラヘルツ波発生部51は、テラヘルツ認証カード1を持っている人に向けてテラヘルツ波202を照射する。走査部52は、該カード保持者に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射するように、テラヘルツ波発生部51の照射動作を制御する。走査部52は、テラヘルツ波202の同一平面内における走査に応じた走査信号をテラヘルツ波検出部53に出力する。走査信号は、同一平面内座標を示す信号である。
【0042】
テラヘルツ波検出部53は、テラヘルツ波発生部51がテラヘルツ波202を照射中の期間においてテラヘルツ波を検出し、検出した信号をスペクトル算出部54へ出力する。このとき、テラヘルツ波検出部53は、走査部52から受け取った走査信号と共にテラヘルツ波検出信号をスペクトル算出部54へ出力する。
【0043】
スペクトル算出部54は、テラヘルツ波検出部53から受け取った走査信号及びテラヘルツ波検出信号に基づいて、スペクトルの二次元分布を算出する。画像作成部55は、そのスペクトルの二次元分布(測定スペクトル二次元分布)に基づいて、物質の形状を示す二次元画像を作成する。イメージング部41は、画像作成部55が作成した二次元画像の画像データを画像照合部42に出力する。
【0044】
説明を図9に戻す。
画像照合部42は、イメージング部41から画像データを受け取ると、画像データベース43内の画像データと照合する。画像データベース41は、イメージングによって作成された二次元画像と照合するための照合画像の画像データを格納している。照合画像としては、例えば、危険物に該当する物品の特徴を有する画像である。
【0045】
画像照合部42は、イメージング部41から受け取った画像データと画像データベース43内の画像データとの照合結果を認証部6aに出力する。この照合結果としては、例えば、照合画像との一致又は不一致を表す値であってもよく、或いは、照合画像との類似度を表す段階的な値であってもよい。
【0046】
認証部6aは、第1実施形態又は第2実施形態と同様に、テラヘルツ認証カード1に含まれる物質の組合せ又は順列を判別部4から受け取り、該組合せ又は順列が認証データベース5に記録されているかを調べる。この結果、判別部4から受け取った組合せ又は順列が認証データベース5に記録されている場合には、認証部6aは、画像照合部42から受け取った照合結果が異常ありか異常なしかを所定の判定条件に従って判定する。
【0047】
例えば、照合画像が危険物に対応した画像である場合にいおて、イメージング結果の画像と照合画像が一致もしくは類似しているときは、異常ありとする。この場合、照合結果が照合画像との一致又は不一致を表す値である場合には、照合結果が照合画像との一致を示すときに異常ありと判定し、照合結果が照合画像との不一致を示すときに異常なしと判定する。或いは、照合結果が照合画像との類似度を表す段階的な値である場合には、照合結果が一定以上の類似度を示すときに異常ありと判定し、照合結果が一定未満の類似度を示すときに異常なしと判定する。
【0048】
認証部6aは、画像照合部42から受け取った照合結果が異常なしである場合に、認証信号202を被制御装置100に出力する。被制御装置100は、認証信号202を受け取ると、所定の動作を開始する。
【0049】
例えば、被制御装置100は、空港の入場ゲートの開閉装置である。この場合、照合画像として危険物に対応した画像を準備し、テラヘルツ認証カード1による個人認証に加えて、イメージング結果の画像と照合画像との照合結果に基づいて危険物の携帯の有無を判別する。これにより、テラヘルツ認証カード1による個人認証の成功、且つ、危険物の携帯なし(イメージング結果の画像と照合画像との照合結果が異常なし)である場合にのみ、空港の入場ゲートを開くように制御することができる。この結果、空港のセキュリティチェック性能が格段に向上する。
【0050】
[第4実施形態]
図11は、本発明の第4実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。図11において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付している。第4実施形態では、アクションデータベース61とコマンド発信装置62を設ける。
【0051】
アクションデータベース61は、認証部6の認証結果に応じて被制御装置がどのような動作を行うのかを示すアクション情報、を格納している。ここでの認証結果は、認証成功者のユーザIDである。アクションデータベース6は、ユーザID毎に、アクション情報を格納する。
【0052】
コマンド発信装置62は、認証部6から認証結果(認証成功者のユーザID)を受け取ると、該ユーザIDに基づいてアクションデータベース61を検索し、検索結果のアクション情報をアクションデータベース61から取得する。コマンド発信装置62は、取得したアクション情報に対応するコマンドを該当の被制御装置(図11には図示せず)へ送信する。被制御装置は、受け取ったコマンドに従って動作を行う。
【0053】
アクションデータベース61に格納するアクション情報は、ユーザID毎に、その動作内容を指定する。例えば、店舗の入り口のドアやイベント会場の入場ゲートを制御する場合において、あるユーザIDに対しては、ドアやゲートのロックを解除する。別のあるユーザIDに対しては、ドアやゲートのロック解除に加えて、音声メッセージ(例えば、“いらっしゃいませ、○○(ユーザの名前)様”)を再生する。また、別のあるユーザIDに対しては、ドアやゲートのロック解除に加えて、当該ユーザの顧客情報を店舗内の端末に画面表示する。などが挙げられる。他の例としては、ユーザIDに応じた情報を配信すること(例えば、デジタルサイネージ(Digital Signage))などが挙げられる。これ以外にも、セキュリティ分野、マーケティング分野など、各種の幅広い分野への適用が可能である。
【0054】
なお、第4実施形態は、第1〜3の各実施形態と組み合わせることができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では認証用可搬媒体としてカード型(テラヘルツ認証カード1)を例に挙げたが、本発明に係る認証用可搬媒体は、可搬可能な形状であればよく、カード型に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は各種の分野に適用することができる。以下に適用分野の例を挙げる。
(1)空港のセキュリティゲートへの適用
従来の空港のセキュリティゲートでは、搭乗者のチケットを人が確認した上で、金属探知機によって搭乗者が携帯する金属を検知すると共に、X線撮影によって搭乗者の手荷物を検査することにより、安全の確保を行っている。本発明を適用することにより、搭乗者が手荷物を持ったまま、テラヘルツ波の照射範囲になっているゲートをくぐるだけで、搭乗券(テラヘルツ認証カード)の確認と同時に危険物の所有チェック及び手荷物のチェックを行うことが可能になる。
【0057】
(2)学校や会社等の事務所におけるセキュリティチェックへの適用
従来のICカードによる認証では、生徒や事務書員はICカードリーダにかざす必要がある。本発明を適用することにより、生徒や事務書員はテラヘルツ認証カードを単に携帯している状態で(例えば、ポケットやカバンの中に入れてある状態で)、テラヘルツ波の照射範囲になっているゲートをくぐれば、認証を行うことができる。これにより、友連れやカードのかざし忘れ等を防ぐことができる。
【0058】
(3)マーケティング分野への適用
店舗接客システムにおいて、本発明により来店者のカードを認証することにより、個別の接客を可能にすることができる。
デジタルサイネージシステムにおいて、デジタルサイネージ付近にテラヘルツ認証カード所有者が近づくことにより、本発明によりデータベースを参照し最適な広告を表示することができる(マッチング広告が可能になる)。
【0059】
(4)福祉分野への適用
身体の不自由な人がテラヘルツ認証カードを身につけることで、本発明によりテラヘルツ認証カードから情報を読み取り、ボタンを押す等の行為をしなくてもドアを開けたり、障害者に最適なサービスを提供するための情報を表示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。
【図3】図1に示す測定部2の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す認証データベース5の構成例である。
【図5】図1に示す認証データベース5の他の構成例である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る測定部2の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る認証データベース5の構成例である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示すイメージング部41の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
1…テラヘルツ認証カード(認証用可搬媒体)、2…測定部、3…固有スペクトルデータベース、4…判別部、5…認証データベース、6…認証部、21…カード装着部、22,51…テラヘルツ波発生部、23,53…テラヘルツ波検出部、24,54…スペクトル算出部、31,52…走査部、41…イメージング部、42…画像照合部、43…画像データベース、55…画像作成部、61…アクションデータベース、62…コマンド発信装置、100…被制御装置、201,202…テラヘルツ波、202…認証信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラヘルツ周波数帯の電磁波(テラヘルツ波)を利用する技術に係り、特に認証システム及び認証用可搬媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テラヘルツ波を利用して例えば封筒やプラスチック容器等の密閉された容器内に収納されている物質の判別を行う技術が、例えば特許文献1,2に記載されている。特許文献1記載の従来技術では、予め物質の基準スペクトルを計測しておき、被検査物にテラヘルツ波を照射した後の出力波から基準スペクトルを持つ物質が含まれているか判定する。特許文献2記載の従来技術では、テラヘルツ波を被検査物に二次元的に走査して被検査物の吸光度のスペクトルの二次元分布を計測し、予め計測したターゲットの吸光度のスペクトルと被検査物の吸光度のスペクトルの二次元分布とからターゲット濃度の二次元分布を算出し、ターゲット濃度の二次元分布を二次元的に画像表示することにより、ターゲットの形状を二次元的に画像表示する。
【特許文献1】特開2005−114413号公報
【特許文献2】特開2004−286716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述した従来技術では、テラヘルツ波を利用して物質の判別を行うことや物質の形状を二次元的に画像表示することにとどまり、その結果から何らかの他の装置を制御することはできない。
【0004】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、テラヘルツ波を利用して物質の判別を行い、その結果から他の装置を制御することができる認証システム及び認証用可搬媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明に係る認証システムは、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を照射し、スペクトルを測定する測定手段と、前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、前記測定されたスペクトルと前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別する判別手段と、認証用可搬媒体に組み込まれている物質の組合せが記録された認証データベースと、前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の組合せが前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明に係る認証用可搬媒体は、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る認証システムは、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定する測定手段と、前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、前記測定されたスペクトルの二次元分布と前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別すると共に該判別により特定した物質間の二次元位置関係の順列を判断する判別手段と、認証用可搬媒体に組み込まれている物質の順列が記録された認証データベースと、前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の順列が前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る認証用可搬媒体は、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が順列をもって組み込まれたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る認証システムにおいては、前記認証信号に応じて動作する被制御装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る認証システムにおいては、前記認証用可搬媒体の保持者に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定し、測定したスペクトルの二次元分布に基づいて物質の形状を示す二次元画像を作成するイメージング手段と、該イメージングによって作成された二次元画像と照合するための照合画像を格納する画像データベースと、前記イメージング手段によって作成された二次元画像を前記画像データベース内の照合画像と照合する画像照合手段と、を備え、該画像の照合結果に基づいて、前記保持者に対する認証を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る認証システムにおいては、前記認証結果に応じて被制御装置がどのような動作を行うのかを示すアクション情報を格納するアクションデータベースと、前記認証結果に基づいて前記アクションデータベースを検索し、検索結果のアクション情報に対応するコマンドを該当の被制御装置へ送信するコマンド発信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、テラヘルツ波を利用して認証用可搬媒体に組み込まれた物質を判別し、その判別により特定した物質の組合せ又は順列によって認証を行い、認証信号を出力する。これにより、その認証信号によって他の装置を制御することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。図1において、認証システムは、テラヘルツ認証カード1、測定部2、固有スペクトルデータベース3、判別部4、認証データベース5及び認証部6を備える。被制御装置100は、本認証システムの認証結果に応じて動作する装置である。
【0015】
図2は、図1に示すテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。図2において、テラヘルツ認証カード1は、カード本体1aとカード本体1a内に組み込まれた物質とから構成される。カード本体1aは、テラヘルツ周波数帯の電磁波(テラヘルツ波)を透過する材質である。テラヘルツ波を透過する材質としては、例えば、紙、プラスチック、ゴム、ビニール、木材、繊維、セラミックなどが挙げられる。カード本体1a内に組み込まれた物質は、テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する。図2の例では、5種類の物質A,B,C,D,Eがカード本体1a内に組み込まれている。テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質は、テラヘルツ周波数帯に固有スペクトル(吸収スペクトル)を有する。物質に固有の吸収スペクトルは指紋スペクトルと称される。
【0016】
図3は、図1に示す測定部2の構成を示すブロック図である。図3において、測定部2は、カード装着部21、テラヘルツ波発生部22、テラヘルツ波検出部23及びスペクトル算出部24を有する。
カード装着部21は、テラヘルツ認証カード1の装着場所を有し、該装着場所にテラヘルツ認証カード1が装着されたことを検知する。カード装着部21は、テラヘルツ認証カード1が所定の装着場所に装着されたことを検知すると、検知信号を出力する。
【0017】
テラヘルツ波発生部22は、カード装着部21から検知信号を受け取ると、図1に示すようにテラヘルツ波201を装着場所に在るテラヘルツ認証カード1に向けて照射する。テラヘルツ波発生部22は、予め定められた複数の周波数のテラヘルツ波201を順番に発生し所定期間ずつ照射する。テラヘルツ波201の周波数としては、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の固有振動周波数を少なくとも含むようにする。物質の固有振動周波数は、事前に測定しておく。テラヘルツ波発生部22は、テラヘルツ波201を照射中であることをテラヘルツ波検出部23に通知する。
【0018】
テラヘルツ波検出部23は、テラヘルツ波発生部22から照射されたテラヘルツ波201がテラヘルツ認証カード1を透過した透過波を検出する。若しくは、テラヘルツ波検出部23は、テラヘルツ波発生部22から照射されたテラヘルツ波201がテラヘルツ認証カード1で反射した反射波を検出する。テラヘルツ波検出部23は、テラヘルツ波発生部22がテラヘルツ波201を照射中の期間においてテラヘルツ波を検出し、検出した信号をスペクトル算出部24へ出力する。
【0019】
スペクトル算出部24は、テラヘルツ波検出部23から受け取ったテラヘルツ波検出信号に基づいてスペクトルを算出する。スペクトル算出部24は、算出したスペクトル(以下、測定スペクトルと称する)を判別部4に渡す。
【0020】
説明を図1に戻す。
図1において、固有スペクトルデータベース3には、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質毎に、固有スペクトルが記録されている。物質の固有スペクトルは、事前に測定し、データベース化しておく。
【0021】
判別部4は、測定部2から測定スペクトルを受け取ると、固有スペクトルデータベース3中の固有スペクトルに基づいて、測定スペクトル中に含まれる物質を判別し特定する。判別部4は、その特定した物質の全て(特定物質の組合せ)を認証部6に通知する。
【0022】
認証データベース5には、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の組合せが記録されている。図4に認証データベース5の構成例が示されている。図4の例では、例えば、「物質A,B,C,D,E」、「物質A,C,D,F,G」、「物質B,C,F,G,H」などの組合せが記録されている。
【0023】
認証部6は、判別部4から特定物質の組合せが通知されると、認証データベース5を検索する。そして、認証部6は、判別部4から通知された特定物質の組合せが認証データベース5に記録されている場合に、認証信号202を被制御装置100に出力する。被制御装置100は、認証信号202を受け取ると、所定の動作を開始する。
【0024】
被制御装置100としては、例えば、ドア開閉装置、ドアロック装置などが挙げられる。ドア開閉装置は、認証信号202を受け取ると、ドアの開閉を行う。ドアロック装置は、認証信号202を受け取ると、ドアのロック又はロック解除を行う。
【0025】
なお、認証データベース5には、図5に示すように、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の組合せとともにその組合せ毎にユーザ識別情報(ユーザID)を記録するようにしてもよい。認証部6は、判別部4から通知された特定物質の組合せが認証データベース5に記録されている場合に、当該特定物質の組合せに対応付けられているユーザIDを認証データベース5から読み出して認証信号202と共に被制御装置100へ出力する。被制御装置100は、認証信号202及びユーザIDを受け取ると、当該ユーザIDを対象にした所定の動作を開始する。この被制御装置100としては、例えば、クレジット決済装置、セキュリティチェック装置などが挙げられる。クレジット決済装置は、認証信号202及びユーザIDを受け取ると、該ユーザIDを対象にしたクレジット決済処理を開始する。セキュリティチェック装置は、認証信号202及びユーザIDを受け取ると、該ユーザIDを対象にしたセキュリティチェック処理を開始する。
【0026】
上述したように第1実施形態によれば、テラヘルツ波を利用してテラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質を判別し、その特定した物質の組合せによって認証を行い、認証信号を出力する。これにより、その認証信号によって被制御装置100を制御することができる。
【0027】
[第2実施形態]
第2実施形態では、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の順列によって認証を行うようにする。第2実施形態に係る認証システムの構成は図1と同様である。以下、第1実施形態との差分を主に説明する。
【0028】
図6は、第2実施形態に係る測定部2の構成を示すブロック図である。図6において、図3に対応する部分には同じ符号を付している。第2実施形態では、走査部31を設ける。
カード装着部21は、第1実施形態と同様であるが、装着場所に装着されたテラヘルツ認証カード1の同一平面内移動ができるようにする。
テラヘルツ波発生部22は、第1実施形態と同様に、カード装着部21から検知信号を受け取ると、予め定められた複数の周波数のテラヘルツ波201を順番に発生し照射するが、走査部31からの指示があるまで同じ周波数のテラヘルツ波201を照射し続ける。テラヘルツ波発生部22は、周波数が変わる毎に、テラヘルツ波201を照射中であることを走査部31に通知する。テラヘルツ波検出部23には、第1実施形態と同様に、テラヘルツ波201を照射中であることを通知する。
【0029】
走査部31は、カード装着部21に在るテラヘルツ認証カード1を同一平面内移動させるように駆動する。走査部31は、テラヘルツ波発生部22から照射されたテラヘルツ波201がテラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の所定存在範囲を二次元的に走査するように、テラヘルツ認証カード1を同一平面内移動させる。これにより、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の所定存在範囲に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射することができる。
【0030】
走査部31は、テラヘルツ波発生部22からテラヘルツ波の照射中が通知されると、同一平面内移動を開始し同一平面内移動が終了すると、次の周波数のテラヘルツ波201を照射するようにテラヘルツ波発生部22へ指示する。走査部31は、テラヘルツ認証カード1の同一平面内移動に応じた走査信号をテラヘルツ波検出部23に出力する。走査信号は、同一平面内座標を示す信号である。
【0031】
テラヘルツ波検出部23は、第1実施形態と同様に、テラヘルツ波発生部22がテラヘルツ波201を照射中の期間においてテラヘルツ波を検出し、検出した信号をスペクトル算出部24へ出力する。このとき、テラヘルツ波検出部23は、走査部31から受け取った走査信号と共にテラヘルツ波検出信号をスペクトル算出部24へ出力する。
【0032】
スペクトル算出部24は、テラヘルツ波検出部23から受け取った走査信号及びテラヘルツ波検出信号に基づいて、スペクトルの二次元分布を算出する。スペクトル算出部24は、算出したスペクトルの二次元分布(以下、測定スペクトル二次元分布と称する)を判別部4に渡す。
【0033】
判別部4は、測定部2から測定スペクトル二次元分布を受け取ると、固有スペクトルデータベース3中の固有スペクトルに基づいて、測定スペクトル二次元分布中に含まれる物質を判別し特定する。さらに、判別部4は、その特定した物質の固有スペクトル及び測定スペクトル二次元分布に基づいて、該特定物質間の二次元位置関係の順列を判断し特定する。判別部4は、その特定した物質の全てについての順列(特定物質の順列)を認証部6に通知する。
【0034】
認証データベース5には、図7に示すように、テラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質の順列が記録されている。図7の例では、例えば、「物質A,B,C,D,E」、「物質A,B,C,E,D」、「物質A,C,B,D,E」などの順列が記録されている。
【0035】
認証部6は、判別部4から特定物質の順列が通知されると、認証データベース5を検索する。そして、認証部6は、判別部4から通知された特定物質の順列が認証データベース5に記録されている場合に、認証信号202を被制御装置100に出力する。被制御装置100は、認証信号202を受け取ると、所定の動作を開始する。
【0036】
図8は、第2実施形態に係るテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。図8(1)では、「物質A,B,C,D,E」の順列の配置で、物質A,B,C,D,Eがテラヘルツ認証カード1に組み込まれている。図8(2)では、「物質A,B,C,E,D」の順列の配置で、物質A,B,C,D,Eがテラヘルツ認証カード1に組み込まれている。このように、第2実施形態では、同じ組合せの物質A,B,C,D,Eであっても、その順列の違いによって異なるテラヘルツ認証カード1を作成することができる。これにより、テラヘルツ認証カード1の発行枚数を拡大することができる。
【0037】
上述したように第2実施形態によれば、テラヘルツ波を利用してテラヘルツ認証カード1に組み込まれた物質を判別し、その判別により特定した物質間の二次元位置関係の順列を判断し、その特定した物質の順列によって認証を行い、認証信号を出力する。これにより、その認証信号によって被制御装置100を制御することができる。さらに、同じ物質の組合せであっても、その順列の違いによって異なるテラヘルツ認証カード1を作成することができるので、テラヘルツ認証カード1の発行枚数を拡大することができる。
【0038】
なお、順列の先頭は、テラヘルツ認証カード1の装着方向を規定することで、判別することができる。或いは、順列の先頭は、予め特定の物質に定めておくことによって、判別するようにしてもよい。このようにすれば、テラヘルツ認証カード1の装着方向を規定する必要がなくなる。
【0039】
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態又は第2実施形態において、さらに、テラヘルツ波を利用した物質のイメージングを行って、テラヘルツ認証カード1を持っている人が、例えば、危険物を携帯していないか判別し、認証を行うようにする。
【0040】
図9は、本発明の第3実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。図9において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付している。第3実施形態では、イメージング部41と画像照合部42と画像データベース43を設ける。
【0041】
図10は、図9に示すイメージング部41の構成を示すブロック図である。図10において、テラヘルツ波発生部51は、テラヘルツ認証カード1を持っている人に向けてテラヘルツ波202を照射する。走査部52は、該カード保持者に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射するように、テラヘルツ波発生部51の照射動作を制御する。走査部52は、テラヘルツ波202の同一平面内における走査に応じた走査信号をテラヘルツ波検出部53に出力する。走査信号は、同一平面内座標を示す信号である。
【0042】
テラヘルツ波検出部53は、テラヘルツ波発生部51がテラヘルツ波202を照射中の期間においてテラヘルツ波を検出し、検出した信号をスペクトル算出部54へ出力する。このとき、テラヘルツ波検出部53は、走査部52から受け取った走査信号と共にテラヘルツ波検出信号をスペクトル算出部54へ出力する。
【0043】
スペクトル算出部54は、テラヘルツ波検出部53から受け取った走査信号及びテラヘルツ波検出信号に基づいて、スペクトルの二次元分布を算出する。画像作成部55は、そのスペクトルの二次元分布(測定スペクトル二次元分布)に基づいて、物質の形状を示す二次元画像を作成する。イメージング部41は、画像作成部55が作成した二次元画像の画像データを画像照合部42に出力する。
【0044】
説明を図9に戻す。
画像照合部42は、イメージング部41から画像データを受け取ると、画像データベース43内の画像データと照合する。画像データベース41は、イメージングによって作成された二次元画像と照合するための照合画像の画像データを格納している。照合画像としては、例えば、危険物に該当する物品の特徴を有する画像である。
【0045】
画像照合部42は、イメージング部41から受け取った画像データと画像データベース43内の画像データとの照合結果を認証部6aに出力する。この照合結果としては、例えば、照合画像との一致又は不一致を表す値であってもよく、或いは、照合画像との類似度を表す段階的な値であってもよい。
【0046】
認証部6aは、第1実施形態又は第2実施形態と同様に、テラヘルツ認証カード1に含まれる物質の組合せ又は順列を判別部4から受け取り、該組合せ又は順列が認証データベース5に記録されているかを調べる。この結果、判別部4から受け取った組合せ又は順列が認証データベース5に記録されている場合には、認証部6aは、画像照合部42から受け取った照合結果が異常ありか異常なしかを所定の判定条件に従って判定する。
【0047】
例えば、照合画像が危険物に対応した画像である場合にいおて、イメージング結果の画像と照合画像が一致もしくは類似しているときは、異常ありとする。この場合、照合結果が照合画像との一致又は不一致を表す値である場合には、照合結果が照合画像との一致を示すときに異常ありと判定し、照合結果が照合画像との不一致を示すときに異常なしと判定する。或いは、照合結果が照合画像との類似度を表す段階的な値である場合には、照合結果が一定以上の類似度を示すときに異常ありと判定し、照合結果が一定未満の類似度を示すときに異常なしと判定する。
【0048】
認証部6aは、画像照合部42から受け取った照合結果が異常なしである場合に、認証信号202を被制御装置100に出力する。被制御装置100は、認証信号202を受け取ると、所定の動作を開始する。
【0049】
例えば、被制御装置100は、空港の入場ゲートの開閉装置である。この場合、照合画像として危険物に対応した画像を準備し、テラヘルツ認証カード1による個人認証に加えて、イメージング結果の画像と照合画像との照合結果に基づいて危険物の携帯の有無を判別する。これにより、テラヘルツ認証カード1による個人認証の成功、且つ、危険物の携帯なし(イメージング結果の画像と照合画像との照合結果が異常なし)である場合にのみ、空港の入場ゲートを開くように制御することができる。この結果、空港のセキュリティチェック性能が格段に向上する。
【0050】
[第4実施形態]
図11は、本発明の第4実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。図11において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付している。第4実施形態では、アクションデータベース61とコマンド発信装置62を設ける。
【0051】
アクションデータベース61は、認証部6の認証結果に応じて被制御装置がどのような動作を行うのかを示すアクション情報、を格納している。ここでの認証結果は、認証成功者のユーザIDである。アクションデータベース6は、ユーザID毎に、アクション情報を格納する。
【0052】
コマンド発信装置62は、認証部6から認証結果(認証成功者のユーザID)を受け取ると、該ユーザIDに基づいてアクションデータベース61を検索し、検索結果のアクション情報をアクションデータベース61から取得する。コマンド発信装置62は、取得したアクション情報に対応するコマンドを該当の被制御装置(図11には図示せず)へ送信する。被制御装置は、受け取ったコマンドに従って動作を行う。
【0053】
アクションデータベース61に格納するアクション情報は、ユーザID毎に、その動作内容を指定する。例えば、店舗の入り口のドアやイベント会場の入場ゲートを制御する場合において、あるユーザIDに対しては、ドアやゲートのロックを解除する。別のあるユーザIDに対しては、ドアやゲートのロック解除に加えて、音声メッセージ(例えば、“いらっしゃいませ、○○(ユーザの名前)様”)を再生する。また、別のあるユーザIDに対しては、ドアやゲートのロック解除に加えて、当該ユーザの顧客情報を店舗内の端末に画面表示する。などが挙げられる。他の例としては、ユーザIDに応じた情報を配信すること(例えば、デジタルサイネージ(Digital Signage))などが挙げられる。これ以外にも、セキュリティ分野、マーケティング分野など、各種の幅広い分野への適用が可能である。
【0054】
なお、第4実施形態は、第1〜3の各実施形態と組み合わせることができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では認証用可搬媒体としてカード型(テラヘルツ認証カード1)を例に挙げたが、本発明に係る認証用可搬媒体は、可搬可能な形状であればよく、カード型に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は各種の分野に適用することができる。以下に適用分野の例を挙げる。
(1)空港のセキュリティゲートへの適用
従来の空港のセキュリティゲートでは、搭乗者のチケットを人が確認した上で、金属探知機によって搭乗者が携帯する金属を検知すると共に、X線撮影によって搭乗者の手荷物を検査することにより、安全の確保を行っている。本発明を適用することにより、搭乗者が手荷物を持ったまま、テラヘルツ波の照射範囲になっているゲートをくぐるだけで、搭乗券(テラヘルツ認証カード)の確認と同時に危険物の所有チェック及び手荷物のチェックを行うことが可能になる。
【0057】
(2)学校や会社等の事務所におけるセキュリティチェックへの適用
従来のICカードによる認証では、生徒や事務書員はICカードリーダにかざす必要がある。本発明を適用することにより、生徒や事務書員はテラヘルツ認証カードを単に携帯している状態で(例えば、ポケットやカバンの中に入れてある状態で)、テラヘルツ波の照射範囲になっているゲートをくぐれば、認証を行うことができる。これにより、友連れやカードのかざし忘れ等を防ぐことができる。
【0058】
(3)マーケティング分野への適用
店舗接客システムにおいて、本発明により来店者のカードを認証することにより、個別の接客を可能にすることができる。
デジタルサイネージシステムにおいて、デジタルサイネージ付近にテラヘルツ認証カード所有者が近づくことにより、本発明によりデータベースを参照し最適な広告を表示することができる(マッチング広告が可能になる)。
【0059】
(4)福祉分野への適用
身体の不自由な人がテラヘルツ認証カードを身につけることで、本発明によりテラヘルツ認証カードから情報を読み取り、ボタンを押す等の行為をしなくてもドアを開けたり、障害者に最適なサービスを提供するための情報を表示することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。
【図3】図1に示す測定部2の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す認証データベース5の構成例である。
【図5】図1に示す認証データベース5の他の構成例である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る測定部2の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る認証データベース5の構成例である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るテラヘルツ認証カード1の構成を示す平面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示すイメージング部41の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る認証システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
1…テラヘルツ認証カード(認証用可搬媒体)、2…測定部、3…固有スペクトルデータベース、4…判別部、5…認証データベース、6…認証部、21…カード装着部、22,51…テラヘルツ波発生部、23,53…テラヘルツ波検出部、24,54…スペクトル算出部、31,52…走査部、41…イメージング部、42…画像照合部、43…画像データベース、55…画像作成部、61…アクションデータベース、62…コマンド発信装置、100…被制御装置、201,202…テラヘルツ波、202…認証信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を照射し、スペクトルを測定する測定手段と、
前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、
前記測定されたスペクトルと前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別する判別手段と、
認証用可搬媒体に組み込まれている物質の組合せが記録された認証データベースと、
前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の組合せが前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、
を備えたことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれたことを特徴とする認証用可搬媒体。
【請求項3】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定する測定手段と、
前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、
前記測定されたスペクトルの二次元分布と前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別すると共に該判別により特定した物質間の二次元位置関係の順列を判断する判別手段と、
認証用可搬媒体に組み込まれている物質の順列が記録された認証データベースと、
前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の順列が前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、
を備えたことを特徴とする認証システム。
【請求項4】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が順列をもって組み込まれたことを特徴とする認証用可搬媒体。
【請求項5】
前記認証信号に応じて動作する被制御装置を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の認証システム。
【請求項6】
前記認証用可搬媒体の保持者に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定し、測定したスペクトルの二次元分布に基づいて物質の形状を示す二次元画像を作成するイメージング手段と、
該イメージングによって作成された二次元画像と照合するための照合画像を格納する画像データベースと、
前記イメージング手段によって作成された二次元画像を前記画像データベース内の照合画像と照合する画像照合手段と、を備え、
該画像の照合結果に基づいて、前記保持者に対する認証を行うことを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求項5に記載の認証システム。
【請求項7】
前記認証結果に応じて被制御装置がどのような動作を行うのかを示すアクション情報を格納するアクションデータベースと、
前記認証結果に基づいて前記アクションデータベースを検索し、検索結果のアクション情報に対応するコマンドを該当の被制御装置へ送信するコマンド発信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求項5又は請求項6に記載の認証システム。
【請求項1】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を照射し、スペクトルを測定する測定手段と、
前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、
前記測定されたスペクトルと前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別する判別手段と、
認証用可搬媒体に組み込まれている物質の組合せが記録された認証データベースと、
前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の組合せが前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、
を備えたことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれたことを特徴とする認証用可搬媒体。
【請求項3】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が組み込まれた認証用可搬媒体に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定する測定手段と、
前記物質の固有スペクトルが記録された固有スペクトルデータベースと、
前記測定されたスペクトルの二次元分布と前記固有スペクトルに基づいて、認証用可搬媒体に組み込まれている物質を判別すると共に該判別により特定した物質間の二次元位置関係の順列を判断する判別手段と、
認証用可搬媒体に組み込まれている物質の順列が記録された認証データベースと、
前記判別手段によって認証用可搬媒体に組み込まれていると特定された物質の順列が前記認証データベースに記録されている場合に、認証信号を出力する認証手段と、
を備えたことを特徴とする認証システム。
【請求項4】
テラヘルツ周波数帯に固有振動周波数を有する物質が順列をもって組み込まれたことを特徴とする認証用可搬媒体。
【請求項5】
前記認証信号に応じて動作する被制御装置を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の認証システム。
【請求項6】
前記認証用可搬媒体の保持者に対してテラヘルツ波を二次元的に走査しながら照射し、スペクトルの二次元分布を測定し、測定したスペクトルの二次元分布に基づいて物質の形状を示す二次元画像を作成するイメージング手段と、
該イメージングによって作成された二次元画像と照合するための照合画像を格納する画像データベースと、
前記イメージング手段によって作成された二次元画像を前記画像データベース内の照合画像と照合する画像照合手段と、を備え、
該画像の照合結果に基づいて、前記保持者に対する認証を行うことを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求項5に記載の認証システム。
【請求項7】
前記認証結果に応じて被制御装置がどのような動作を行うのかを示すアクション情報を格納するアクションデータベースと、
前記認証結果に基づいて前記アクションデータベースを検索し、検索結果のアクション情報に対応するコマンドを該当の被制御装置へ送信するコマンド発信手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項3又は請求項5又は請求項6に記載の認証システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−98102(P2009−98102A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272613(P2007−272613)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(593022629)株式会社ジェーシービー (20)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(593022629)株式会社ジェーシービー (20)
【Fターム(参考)】
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