認証装置、認証方法、認証プログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】ユーザが覚えやすいパスワードの性質は残しつつ、ユーザの指や腕の動きからパスワードが第三者に盗まれるのを防止するとともに、メモ書きやインターネットなどからパスワードが第三者に知られてしまった場合においても、第三者にパスワードを不正使用されることを防止する。
【解決手段】認証装置1は、複数の数字キーを表示し、当該複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得する表示入力装置3と、表示入力装置3に入力された複数の数値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算部9と、計算部9によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合するパスワード照合部10とを備える。
【解決手段】認証装置1は、複数の数字キーを表示し、当該複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得する表示入力装置3と、表示入力装置3に入力された複数の数値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算部9と、計算部9によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合するパスワード照合部10とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスワードが第三者に盗まれるのを防止するとともに、第三者にパスワードを不正使用されることを防止する認証装置、認証方法、認証プログラム及びこれを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、金融機関の現金自動預入れ支払い機(ATM)や、管理区域への入室ドアの開閉装置では、一般に、認証のためにパスワード等の情報の入力が必要である。そして、これらの装置へのパスワードは、ユーザの利便性を優先し、ユーザが簡単にパスワードを覚えられるように、「0」〜「9」までの数字を用い、4桁程度の数字で構成されている。
【0003】
しかしながら、4桁程度の数字で構成されたパスワードは、ユーザが覚えやすい反面、ユーザがパスワードを入力している操作を第三者に盗み見られた場合等には、第三者に簡単にパスワードを盗まれる虞がある。
【0004】
そこで、従来からユーザがパスワードを入力する際の指や腕の動きから、パスワードを第三者に盗まれにくくするための技術が特許文献1〜4に開示されている。特許文献1および特許文献2に記載の発明は、従来のように4桁程度の数字で構成されたパスワードを用いているが、入力画面を変化させることにより、第三者に盗まれることを防止する技術である。特許文献3および特許文献4に記載の発明は、パスワードとして数字以外の画像等を用いることにより、第三者に盗まれることを防止する技術である。以下に、特許文献1〜4の技術について具体的に説明する。
【0005】
特許文献1には、ユーザにかかる操作上の負担増を招くことなく簡単な操作で容易に秘密情報を入力でき、かつ、第三者の動作解析による秘密情報漏洩の危険性を回避するための情報入力装置が開示されている。上記情報入力装置は、暗証番号をキー入力する際に、その都度、暗証番号入力操作画面の表示位置および各キーの表示位置、またはそのいずれかの表示位置をランダムに決めて表示する構成である。
【0006】
また、特許文献2には、縦横配列されたテンキーのような入力操作画面を用いた暗証番号入力において、操作性の低下を極力抑えながら、ユーザの指や腕の動きから暗証番号が他人に察知されることをなくすための暗証番号入力装置が開示されている。上記暗証番号入力装置は、縦横配列された複数のキーを表示する表示装置と、複数のキーのうちいずれかのキーの選択操作を検出するキー操作検出部と、表示装置の画面上における複数のキーの表示位置を制御するキー表示制御部とを備え、キー表示制御部は、キー操作検出部が1つのキー選択操作を検出するたびに複数のキーのすべて又は一部の表示位置を列方向又は行方向に移動する構成である。
【0007】
また、特許文献3には、複数の画像に対して複数の特定部分を指定することで、画像パラメータの組み合わせを激増させ、第三者に盗用されにくくするための電子情報管理システムが開示されている。上記電子情報管理システムは、画像指示によるパスワードを使用する際に、覚え易く盗用されにくくするため、ユーザ名を入力すると、少なくとも1つの画像及びメッシュが表示され、画像の特定部分を指定すると、指定した特定部分及び指定順序に応じて画像パスワードが生成され、画像パスワードが正しく、次に表示される画像(遷移画像)があれば、登録されている遷移情報を取得した後、画像メッシュ表示に戻り、遷移画像がないとき、登録されている暗号化情報を被暗号化情報に復号して、被暗号化情報を出力する構成である。
【0008】
また、特許文献4には、ユーザが暗証番号を入力する際に、入力の指の動きが隠蔽されているため、第三者が入力の様子から暗証番号を推測することが困難であるとともに、ユーザの手の感覚として暗証番号を記憶するものであるために、第三者に暗証番号を推測されにくくするための暗証番号入力装置が開示されている。上記暗証番号入力装置は、暗証番号を入力するためのボタンに、暗証番号に対応する文字、記号、アルファベットが記載されておらず、ボタンの並びが自由な形で形成されているとともに、指の動きを覆い隠す隠蔽ケースを備える構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−20468号公報(公開日:平成12年1月21日)
【特許文献2】特開2003−196006号公報(公開日:平成15年7月11日)
【特許文献3】特開平11−345206号公報(公開日:平成11年12月14日)
【特許文献4】特開2001−344058号公報(公開日:平成13年12月14日)
【特許文献5】特開2004−318819号公報(公開日:平成16年11月11日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、特許文献1、2に開示された技術は、キー配列を変更することで、ユーザがパスワードを入力する際の指や腕の動きから、パスワードが第三者に推定されるのを防ぐ構成である。しかしながら、キー配列の変更により、ユーザはその都度目的のキーの位置を探す必要があり、ユーザにとっての利便性は損なわれる。また、キー配列の変更がある程度規則性を持った簡単なものであれば、パスワードを第三者に推定される可能性もある。
【0011】
また、特許文献3に開示された技術は、画像の位置を指定することで画像パラメータの組合せを激増させることにより、パスワードを第三者に盗用されにくくする構成であるが、画面が盗み見られた場合などは、画像に特徴があるため、第三者に画像のどの位置を押したのかが容易に解析されてしまう。
【0012】
また、特許文献4に開示された技術では、隠蔽ケースを設けることにより、パスワードが盗み見られるのを防止することはできるが、数値やアルファベットでパスワードを作成できないため、パスワードが覚えにくくユーザの利便性が犠牲にされている。
【0013】
また、特許文献1〜4に開示された技術では、第三者にパスワードを盗み見られることからパスワードが盗まれるのを防止できたとしても、メモ書きやインターネット等によりパスワードが流出した場合には、流出したパスワードを無効にしない限り第三者にパスワードを不正使用されてしまう可能性がある。さらに、パスワードが第三者に流出したことに即座に気づくのは困難であり、パスワードを無効するのが遅れてしまい、第三者に悪用される可能性が高い。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが覚えやすいパスワードの性質は残しつつ、ユーザの指や腕の動きからパスワードが第三者に盗まれるのを防止するとともに、メモ書きやインターネットなどからパスワードが第三者に知られてしまった場合においても、第三者にパスワードを不正使用されることを防止することができる認証装置、認証方法、認証プログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の認証装置は、上記課題を解決するために、複数のキーを表示し、当該複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する表示入力装置と、前記表示入力装置によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、前記計算手段によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
なお、計算方法とは、ユーザが同時入力した入力値をどのように計算し入力パスワードを算出するかを決定するものであり、例えば「加算」、「減算」、「積算」、「除算」等である。また、「入力パスワード」は、同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより得られた値である。この計算方法は、あらかじめ設定されていてもよいし、認証のたびにユーザあるいは認証装置が指定してもよい。
【0017】
上記構成によれば、ユーザが複数のキーを同時入力するとともに、その同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定し、該入力パスワードと予め設定された照合パスワードとを照合している。すなわち、ユーザがパスワードを入力する際、従来ではパスワード自体を1桁ずつ入力していたのに対し、本発明ではパスワードとは異なる数値を1度に複数同時入力している。
【0018】
したがって、ユーザが同時入力するキーは入力パスワードそのものではないために、ユーザが入力操作しているところを第三者に盗み見られたとしても、第三者にパスワードを盗まれることを防止することができる。また、ユーザが複数のキーを同時入力することにより、ユーザの指や腕の動きを第三者が盗み見る等の行為により入力値を推定しようとしたときに、どのキーが押されているかを特定しにくくなる。その結果、入力値を第三者に容易に盗まれることを防止することができる。
【0019】
また、メモ書きやインターネットなどからパスワード自体が第三者に知られた場合においても、パスワードを算出するための計算方法が第三者に知られていなければ、第三者はパスワードを導き出すための適当な数値を入力することができたいために、第三者に簡単にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0020】
また、ユーザが入力するキーの数は多いが、ユーザが記憶しておくべきパスワードは、従来と同様に数値を覚えやすい簡易なパスワードであればよいので、ユーザにとって負担とならず便利である。
【0021】
さらに、前記計算手段は、同時入力された複数の値から、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定してもよい。
【0022】
上記の構成によれば、同時入力された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定することができる。
【0023】
さらに、本発明の認証装置では、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備え、前記照合手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記照合パスワードを記憶部から読み出し、該照合パスワードと前記入力パスワードとを照合してもよい。
【0024】
上記構成では、さらに、ユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備えるために、ユーザ識別情報と種々の情報とを関連付けて記憶部に記憶しておくことにより、本発明の認証装置の各手段は各ユーザに対応した情報を用いることができる。すなわち、記憶部にユーザ識別情報と予め設定された照合パスワードとを関連付けて予め記憶させておくことにより、照合手段は、入力パスワードと照合パスワードとを照合する際に、ユーザ識別情報に対応した照合パスワードを上記記憶部から取得することができる。照合パスワードは、ユーザ識別情報と関連付けて記憶されているために、ユーザ毎に設定することが可能となる。
【0025】
さらに、前記表示入力装置は、複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得してもよい。
【0026】
上記の構成によれば、数字キーを押下することにより、数字キーと対応付けられている数値が表示入力装置によって取得される。それゆえ、どの数字キーを押せば、どの数値が入力されるのかをユーザに提示することができる。
【0027】
さらに、本発明の認証装置では、前記計算手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記計算方法を記憶部から読み出し、該計算方法にしたがって、前記表示入力装置によって取得された数値を用いて計算することにより入力パスワードを決定してもよい。
【0028】
上記構成により、さらに、記憶部にユーザ識別情報と所定の計算方法とを関連付けて予め記憶させておくことにより、計算手段は、表示入力装置によって取得された数値を計算する際に、ユーザ識別情報に対応した計算方法を取得することができる。計算方法は、ユーザ識別情報と関連付けて記憶されているために、ユーザ毎に設定することが可能となる。これにより、入力パスワードを算出するための計算方法が、より第三者に知られにくくなるために、第三者にパスワード自体が知られてしまったとしても、第三者に容易にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0029】
さらに、本発明の認証装置では、前記表示入力装置に同時入力されたキーの数と、所定の同時入力数とを比較して、両者の数が一致しているか判断する入力数判定手段を備え、前記両者の数が一致している場合には、前記計算手段が入力パスワードを決定してもよい。
【0030】
上記構成では、さらに、入力判定手段は、所定の同時入力数と同時入力されたキーの数(個数)が一致していると判断した場合に、計算手段に入力パスワードの決定を行わせるために、上記両者の数が一致しない場合には入力パスワードは決定されない。
【0031】
そのため、メモ書きやインターネットなどからパスワードが第三者に知られた場合においても、第三者は、パスワードを算出するための計算方法だけでなく、キーの同時入力数も知っていなければ、入力パスワードを決定することができない。そのため、パスワード自体が第三者に知られてしまったとしても、第三者に容易にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0032】
さらに、本発明の認証装置では、前記入力数判定手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記同時入力数を記憶部から読み出し、該同時入力数と前記表示入力装置に同時入力されたキーの数とを比較してもよい。
【0033】
上記構成により、さらに、記憶部にユーザ識別情報と所定の同時入力数とを関連付けて予め記憶させておくことにより、入力数判定手段は、同時入力数と前記表示入力装置に同時入力されたキーの数とを比較する際に、ユーザ識別情報に対応した同時入力数を取得することができる。同時入力数は、ユーザ識別情報と関連付けて記憶されているために、ユーザ毎に設定することが可能となる。これにより、キーの同時入力数が、より第三者に知られにくくなるために、第三者にパスワード自体が知られてしまったとしても、第三者に容易にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0034】
さらに、本発明の認証装置では、ユーザに対して同時入力する複数のキーのうち少なくとも1つを指示する入力指示手段を備えていてもよい。
【0035】
ユーザが複数のキーを同時入力するとともに、その入力値から所定の計算方法にしたがって入力パスワードを決定するためには、ユーザは認証装置に入力パスワードの数値を計算させるために同時入力する数値を予め覚えておく、またはその場で決定する必要がある。
【0036】
そこで、本発明の上記構成により、さらに、入力指示手段が同時入力すべき複数のキーのうち少なくとも1つをユーザに対して指示することにより、ユーザは指示された数値および計算方法を考慮して、残りの数値を考えるだけで入力することができる。したがって、ユーザがどのキーとどのキーとを押せばよいか考える手間を省くことができ、ユーザが容易に複数のキーを同時入力することが可能となる。
【0037】
本発明の認証方法は、表示入力装置と計算手段と照合手段とを備える認証装置における認証方法であって、前記表示入力装置が、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、前記計算手段が、前記入力工程にて取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、前記照合手段が、前記計算工程にて決定された入力パスワードと、予め設定され、記憶部に記憶されている照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいることを特徴としている。
【0038】
上記方法によれば、ユーザが複数のキーを同時入力するとともに、その同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定し、該入力パスワードと予め設定された照合パスワードとを照合している。すなわち、ユーザがパスワードを入力する際には、従来ではパスワード自体を1桁ずつ入力していたのに対し、本発明ではパスワードとは異なる数値を1度に複数同時入力している。
【0039】
したがって、ユーザが同時入力するキーは入力パスワードそのものではないために、ユーザが入力操作しているところを第三者に盗み見られたとしても、第三者にパスワードを盗まれることを防止することができる。また、メモ書きやインターネットなどからパスワード自体が第三者に知られた場合においても、パスワードを算出するための計算方法が第三者に知られていなければ、第三者はパスワードを導き出すための適当な数値を入力することができたいために、第三者に簡単にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0040】
また、ユーザが複数のキーを同時入力することにより、ユーザの指や腕の動きを第三者が盗み見る等の行為により入力値を推定しようとしたときに、どのキーが押されているかを特定しにくくなる。その結果、入力値を第三者に容易に盗まれることを防止することができる。
【0041】
また、ユーザが入力するキーの数は多いが、ユーザが記憶しておくべきパスワードは、従来と同様に数値を覚えやすい簡易なパスワードであればよいので、ユーザにとって負担とならず便利である。
【0042】
なお、上記認証装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記認証装置をコンピュータにて実現させる認証装置の認証プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0043】
本発明の認証装置は、以上のように、複数のキーを表示し、当該複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する表示入力装置と、前記表示入力装置によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、前記表示入力装置によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備える構成である。
【0044】
また、本発明の認証方法は、表示入力装置と計算手段と照合手段とを備える認証装置における認証方法であって、前記表示入力装置が、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、前記計算手段が、前記入力工程にて取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、前記照合手段が、前記計算工程にて決定された入力パスワードと、予め設定され、記憶部に記憶されている照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいる方法である。
【0045】
それゆえ、ユーザが覚えやすいパスワードの性質は残しつつ、ユーザの指や腕の動きからパスワードが第三者に盗まれるのを防止するとともに、メモ書きやインターネットなどからパスワードが第三者に知られてしまった場合においても、第三者にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る認証装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記認証装置が適用されるATMの概略構成を示す図である。
【図3】上記認証装置の表示装置において表示される情報入力画面を示す図である。
【図4】上記認証装置のユーザ情報DBに記憶されているユーザ情報テーブルを示す図である。
【図5】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、同時入力方法を説明するための図である。
【図6】上記認証装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】上記処理手順における認証手順を示すフローチャートである。
【図8】上記認証装置における同時入力した入力値と出力値との関係を示す図である。
【図9】上記認証装置の表示装置において表示される情報入力画面を示す図である。
【図10】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、入力指示部が1つの数字キーを点滅させている構成を示す図である。
【図11】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、入力指示部が複数の数字キーを点滅させている構成を示す図である。
【図12】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、計算方法を選択可能な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の一実施形態について図1〜図12に基づいて説明すると以下の通りである。
【0048】
図1は、本発明の一実施形態に係る認証装置1の概略構成を示すブロック図である。まず、認証装置1の全体構成について説明する。
【0049】
認証装置1は、図1に示すように、ユーザID取得部(ユーザ識別情報取得手段)2と、表示装置(入力手段)3と、情報処理部4と、認証後処理部11とを備えている。また、認証装置1の外部には、ユーザ情報テーブルを記憶しているユーザ情報DB(データベース)(記憶部)5が設けられており、情報処理部4とネットワークを介して接続されている。
【0050】
認証装置1は、例えば、図2に示すATM、PC、携帯電話のような認証のためにパスワード等の入力が必要な装置に搭載されるものである。
【0051】
ユーザID取得部2は、ユーザを識別するためのユーザIDを取得するためのものであり、ユーザがユーザIDを直接入力する構成であってもよいし、ユーザIDが記憶されたICカード等を読取装置(図示せず)に装着することにより、ICカード等からユーザIDを読み取る構成であってもよい。
【0052】
表示入力装置3は、ユーザへの動作指示、情報処理状況、入力情報にエラーが生じた場合のエラーメッセージ等を表示する。また、表示入力装置3は、タッチパネル等を備えており、ユーザが同時入力した任意の複数の数字キーの数値をそれぞれ取得するためのものである。
【0053】
なお、ユーザが複数の値を同時入力するためのキーは、必ずしも数字キーである必要はなく、その他のキーでもよい。その場合には、特定のキーとある値とが予め対応付けられており、ユーザは、どのキーを押せばどの値が入力されるのかを予め知る必要がある。このようなユーザの手間を省くためにも、上記キーは、数字キーであることが好ましい。
【0054】
本実施形態では、表示入力装置3として、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等を用いたタッチパネルが好適に用いられる。液晶ディスプレイを用いたタッチパネルでは、特に、液晶ディスプレイ内に装備された光センサを利用することで複数の押された点を同時に検出できるものが好適に用いられる。このようなタッチパネルは、特開2004−318819号公報に具体的に開示されている。
【0055】
本実施形態では、表示入力装置3は、ユーザが入力パスワードを決定するための情報を入力する際に、図3に示すような情報入力画面を表示する。情報入力画面は、「0」〜「9」の数字キーと、「訂正」キーと、「決定」キーとが4行3列で配置された構成であり、ユーザが任意の数字を選択しやすいように、数字キーの数値が少ない順に上から配置されている。また、キーの上部には、ユーザが入力した数字キーの数が表示される表示ボックスが配置されている。なお、キーの組み合わせやキーの配列等はこれに限られず、また、必要に応じて「戻る」キーや「クリア」キー等の他の役割を果たすキーを追加してもよい。
【0056】
なお、表示入力装置3としては、上述したタッチパネルに限られず、PCや携帯電話等のように、ユーザが同時入力した任意の複数の数字キーの数値をそれぞれ取得するための情報入力部(例えば、キーボード等)と、種々の情報を表示する表示部(例えば、ディスプレイ等)とが別々に設けられていてもよいし、該表示部が設けられていない構成であってもかまわない。すなわち、表示入力装置3は、少なくとも同時入力した複数の数字キーの数値をそれぞれ取得できる構成であればよい。
【0057】
ユーザ情報DB5は、種々のユーザ情報を記憶するためのものであり、図4に示すような、「ユーザID」と、「照合パスワード」と、「計算方法」と、「同時入力数」とが関連付けられたユーザ情報テーブルが記憶されている。図4は、認証装置1のユーザ情報DB5に記憶されているユーザ情報テーブルを示す図である。なお、本実施形態では、ユーザ情報DB5は認証装置1の外部に設けられた構成であるが、本発明はこれに限られず、認証装置1の内部に設けられる構成であってもかまわない。
【0058】
ここで、「ユーザID」とはユーザを識別するための符号である。また、「照合パスワード」とは予め設定された数字の組み合わせである。また、「計算方法」とはユーザが同時入力した入力値をどのように計算し入力パスワードを算出するかを決定するものであり、例えば「加算」、「減算」、「積算」、「除算」等である。また、「同時入力数」とは、ユーザが同時に入力する数字キーの数であり、2以上であればよい。また、「入力パスワード」は、同時入力された数値を、ユーザIDに対応する計算方法にしたがって計算することにより得られた値である。
【0059】
より詳細には、入力パスワードとは、複数の数字が配列されることよって形成される、数字の配列である。
【0060】
情報処理部4は、ユーザ情報取得部6と、認証部7とを備えており、ユーザID取得部2が取得したユーザIDに基づき、表示入力装置3が取得した数値から入力パスワードを算出し、該入力パスワードと照合パスワードとを照合するためのものである。
【0061】
ユーザ情報取得部6は、ユーザ情報DB5とネットワークを介して接続されており、ユーザID取得部2からユーザIDを取得し、ユーザ情報DB5に記憶されているユーザ情報テーブルから、上記ユーザIDに対応する同時入力数および計算方法を取得するためのものである。さらに、ユーザ情報取得部6は、表示入力装置3が取得した、同時入力された数字キーの数および同時入力された数値を取得し、該数値の全数であるユーザ入力数と、同時入力数および照合パスワードに基づく設定入力数とを比較する。設定入力数とは、照合パスワードを構成する数字の数と同時入力数とから算出される、ユーザが入力すべき数値の数を示す。
【0062】
認証部7は、入力数判定部(入力判定手段)8と、計算部(計算手段)9と、パスワード照合部(照合手段)10とを備えている。認証部7は、同時入力された数字キーの数がユーザIDに対応する同時入力数に一致するかを判定し、一致する場合は入力パスワードを決定し、該入力パスワードと照合パスワードとを照合するためのものである。照合後、入力パスワードと照合パスワードとが一致していた場合は、認証部7は認証後処理部11に種々の処理を行わせる。
【0063】
詳細には、入力数判定部8は、ユーザ情報取得部6から同時入力された数字キーの数および同時入力数を取得し、該同時入力された数字キーの数と同時入力数とが一致しているか判定するためのものである。
【0064】
計算部9は、入力数判定部8が同時入力された数字キーの数と同時入力数とが一致していると判定した場合に、ユーザ情報取得部6から同時入力された数値および計算方法を取得し、該同時入力された数値を該計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定するためのものである。
【0065】
より詳細には、計算部9は、表示装置3を介して同時入力された複数の数値の組から、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定する。
【0066】
パスワード照合部10は、計算部9によって決定された入力パスワードとユーザ情報DB5に記憶されている照合パスワードとを照合するためのものである。パスワード照合部10は、ユーザ情報DB5とネットワークを介して接続されており、ユーザ情報取得部6からユーザIDを取得すると、該ユーザIDに対応する照合パスワードをユーザ情報DB5から取得する。そして、パスワード照合部10は、計算部9から入力パスワードを取得し、該入力パスワードとユーザ情報DB5から取得した照合パスワードとを照合する。
【0067】
認証後処理部11は、パスワード照合部10によって入力パスワードと照合パスワードとが一致していると判断された後に、種々の処理を行うためのものである。例えば、本実施形態の認証装置1がATMに搭載されている場合は、現金の引き落とし等の処理を行い、管理区域への入室ドアの開閉装置に搭載されている場合は、管理区域への入室ドアを開ける処理を行う。
【0068】
ここで、図5を参照して、同時入力された数値から、計算部9が同時入力数および計算方法に基づいて入力パスワードを決定する方法について説明する。図5は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面における同時入力方法を説明するための図である。なお、ここでは、認証装置1を操作するユーザのユーザIDに対応する計算方法が加算、同時入力数が2、照合パスワードの1桁目が「0」と設定されている場合について説明する。
【0069】
ユーザが入力パスワードの1桁目を決定するための数値を入力する場合、図5に示すように、ユーザが表示入力装置3に表示された情報入力画面の「4」と「6」の数字キーを同時に押すと、計算部9が予め設定された計算方法である加算により「4+6」を計算する。計算結果は10になるが、本実施形態では、桁数が2桁になった場合は、下一桁の値が出力値として採用されるために、結果として入力パスワードの1桁目は「0」となる。このようにして、所定の桁数の入力パスワードが決定される。
【0070】
また、計算方法が減算、同時入力数が「2」で、「4」と「6」が同時に入力された場合は、数値の大きい「6」から数値の小さい「4」を減算し、計算結果「2」が出力値として採用される。また、計算方法が積算、同時入力数が「2」で、「4」と「6」が同時に入力された場合は、計算結果「24」の下一桁である「4」が出力値として採用される。また、計算方法が除算、同時入力数が「2」で、「4」と「6」が同時に入力された場合は、数値の大きい「6」を数値の小さい「4」で除算し、計算結果が「1」、余りが「2」となり、余りの「2」が出力値として採用される。
【0071】
なお、本実施形態では、計算方法により得られる出力値は計算結果の下一桁を出力値として採用していたが、出力値はこれに限定されるものではない。例えば、計算結果が2桁の数値になった場合に、上位桁の数を出力値として採用してもよいし、2桁の数値をそのまま出力値として採用することにより、一回の入力でパスワードを2桁入力できるようにしてもよい。
【0072】
次に、本実施形態の認証装置1において、ユーザID取得部2がユーザIDを取得してから、パスワード照合部10が入力パスワードと照合パスワードとを照合するまでの処理手順について、図1および図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の認証装置1の処理手順を示したフローチャートである。なお、以下の説明においては、図4に示す、ユーザID「0001」のユーザが認証装置1を操作した場合の処理手順について述べる。
【0073】
図6に示すように、認証装置1は、ユーザがユーザID取得部2にICカードを装着することにより、ユーザID取得部2がICカードからユーザIDを読み出し、ユーザ情報取得部6にユーザIDを出力する(S1)。
【0074】
そして、ユーザ情報取得部6は、ユーザID取得部2から取得したユーザIDに対応する計算方法および同時入力数をユーザ情報DB5に記憶されたユーザ情報テーブルから取得する(S2)。ここで、ユーザIDが「0001」であるため、計算方法が加算、同時入力数が2となる。
【0075】
そして、ユーザ情報取得部6は、計算方法および同時入力数を取得した後、表示入力装置3に情報入力画面を表示させ(S3)、該情報入力画面をユーザが入力するまで待機させる(S4)。
【0076】
そして、ユーザが入力すると、ユーザ情報取得部6は、表示入力装置3が取得した同時入力された数字キーの数および同時入力された数値を取得し、ユーザ入力数と設定入力数とを比較する(S5)。設定入力数は、例えば、ユーザIDが「0001」の場合、同時入力数が「2」で、照合パスワードが「1234」と4桁であるために、「8」となる。ここで、ユーザ入力数と設定入力数とが一致しない場合は(S5でNO)、S4の操作に戻る。
【0077】
なお、ユーザ情報取得部6は、ユーザが入力パスワードの1桁を算出するための数値を入力した際、すなわち、1回同時入力される毎に、入力パスワードの何桁目を算出するための数値が入力されたか表示入力装置3に表示させる構成であってもよい。
【0078】
ユーザ入力数と設定入力数とが一致している場合は(S5でYES)、ユーザ情報取得部6は、同時入力された数字キーの数、同時入力された数値、同時入力数および計算方法を認証部7に出力する。そして、認証部7は、これらの情報に基づいて入力パスワードを決定し、該入力パスワードとユーザ情報DB5に記憶された照合パスワードとを照合する(S6)。認証部7は、入力パスワードと照合パスワードとが一致していないと判断した場合(S6でNO)、表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させ、再び情報入力画面を表示させる(S7)。
【0079】
ここで、上述した処理手順のS6およびS7における入力パスワードと照合パスワードとの認証手順について、図1および図7を参照して具体的に説明する。図7は、本実施形態の認証装置1の認証手順を示したフローチャートである。
【0080】
ユーザ入力数と設定入力数とが一致している場合(図6のS5でYES)、認証部7の入力数判定部8は、ユーザ情報取得部6から同時入力された数字キーの数および同時入力数を取得し、該同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較して、両者の数が一致しているか判定する(S8)。上記両者の数が一致しない場合は(S8でNO)、入力数判定部8は表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させる。なお、ここで表示入力装置3に表示されるエラーメッセージは、同時入力数が間違っていることを示す内容であってもよいし、認証失敗を示す内容であってもよい。
【0081】
上記両者の数が一致している場合は(S8でYES)、入力数判定部8は、その情報を計算部9に出力する。計算部9は、入力数判定部8から上記両者の数が一致している情報を受け取ると、ユーザ情報取得部6から同時入力された数値および計算方法を取得し、該同時入力された数値を該計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定する(S9)。
【0082】
そして、計算部9は、決定された入力パスワードをパスワード照合部10に出力する。パスワード照合部10は、ユーザ情報取得部6からユーザIDを取得し、ユーザ情報DB5からネットワークを介してユーザIDに対応する照合パスワードを取得する。パスワード照合部10は、計算部9から取得した入力パスワードと、照合パスワードとを照合する(S10)。
【0083】
その後、S10の照合の結果、パスワード照合部10が入力パスワードと照合パスワードとが一致していると判断した場合は(図6のS6でYES)、その情報を認証後処理部11に出力する。また、上述したように、パスワード照合部10が出力値と照合パスワードとが一致していないと判断した場合は(S6でNO)、パスワード照合部10は表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させる(図6のS7)。
【0084】
なお、本実施形態では、上述したように、S5においてユーザ入力数と設定入力数とを比較し、S8において同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較しているが、S5とS8の処理の順番は逆であってもかまわない。すなわち、S5において同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較し、S8においてユーザ入力数と設定入力数とを比較する構成であってもかまわない。
【0085】
具体的には、S5において、ユーザ情報取得部6が、同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較して、上記両者の数が一致しているか判定する。上記両者の数が一致している場合は(S5でYES)、S8において、認証部7の入力数判定部8が、ユーザ情報取得部6から同時入力された数字キーの数および同時入力数を取得し、ユーザ入力数と設定入力数とを比較する。入力数判定部8が、ユーザ入力数と設定入力数とが一致していると判断した場合(S8でYES)はS9に進み、ユーザ入力数と設定入力数とが一致していないと判断した場合(S8でNO)はS4の操作に戻る。
【0086】
ユーザ情報取得部6が、同時入力された数字キーの数と同時入力数とが一致していないと判断した場合は(S5でNO)、ユーザが全ての数値を入力した後、ユーザ情報取得部6は表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させる。このように、ユーザが全ての数値を入力した後に、表示入力装置3にエラーメッセージを表示させることにより、同時入力数を第三者に推定されることを防止することができる。なお、ここで表示入力装置3に表示されるエラーメッセージは、同時入力数が間違っていることを示す内容であってもよいし、認証失敗を示す内容であってもよい。
【0087】
なお、ユーザID「0001」に対応する照合パスワードは「1234」であり、入力パスワードと照合パスワードとを一致させるためには、同時入力する数値を、例えば、図8に示すようにすることによって実現することができる。ここで、ユーザID「0001」である場合、図4のユーザ情報テーブルに示すように、計算方法が「加算」、同時入力数が「2」と設定されているものとする。
【0088】
そのため、図8に示すように、1桁目の入力において、入力値1「4」および入力値2「7」を同時入力し、2桁目の入力において、入力値1「4」および入力値2「8」を同時入力し、3桁目の入力において、入力値1「6」および入力値2「7」を同時入力し、4桁目の入力において、入力値1「0」および入力値2「4」を同時入力する。これにより、各桁の入力値1と入力値2とを加算し、計算した値の下1桁目の値を入力パスワードとすることにより、入力パスワードは「1234」と決定する。なお、入力パスワードを「1234」と決定する方法が、これに限られないことは言うまでもない。
【0089】
なお、本実施形態では、ユーザが予め計算方法および同時入力数を設定し、ユーザIDと関連付けてユーザ情報DB5に記憶しておく構成であるが、本発明はこれに限られない。つまり、予め照合パスワードのみを設定しておき、ユーザIDと照合パスワードのみを関連付けてユーザ情報DB5に記憶しておき、ユーザ情報取得部6がユーザID取得部2からユーザIDを取得した後、図9に示すように、ユーザ情報取得部6が表示入力装置3の情報入力画面において計算方法および同時入力数をユーザに指示する構成であってもかまわない。
【0090】
この場合、ユーザはユーザ情報取得部6から計算方法および同時入力数を指示されてから、パスワードを導き出すための計算を行う必要があるために、表示入力装置3の近傍に、計算式および計算結果の一覧を表示しておく等、ユーザの利便性を図ることが望ましい。
【0091】
また、本実施形態では、ユーザ毎に照合パスワードが設定されているが、本発明はこれに限られず、全てのユーザが同一の照合パスワードを用いる構成であってもかまわない。この場合は、ユーザID取得部2は設けられていなくてもよく、ユーザ情報DB5には計算方法および同時入力数が関連付けられたテーブルが記憶されていればよい。なお、照合パスワードは、パスワード照合部10に予め設定しておけばよい。
【0092】
以上のように、本実施形態の認証装置1は、複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得する表示入力装置3と、表示入力装置3によって取得された複数の数値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算部9と、計算部9によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合するパスワード照合部10とを備えることを特徴としている。
【0093】
本実施形態の認証装置1では、ユーザが複数の数字キーを同時入力するとともに、その同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定し、該入力パスワードと予め設定された照合パスワードとを照合している。すなわち、ユーザがパスワードを入力する際には、従来ではパスワード自体を1桁ずつ入力していたのに対し、本発明ではパスワードとは異なる数値を1度に複数同時入力している。
【0094】
したがって、ユーザが同時入力する数字キーは入力パスワードそのものではないために、ユーザの指や腕の動きを第三者に盗み見られたとしても、第三者にパスワードを盗まれることを防止することができる。また、ユーザが複数の数字キーを同時入力することにより、ユーザの指や腕の動きを第三者が盗み見る等の行為により入力値を推定しようとしたときに、どの数字キーが押されているかを特定しにくくなる。その結果、入力値を第三者に容易に盗まれることを防止することができる。
【0095】
また、メモ書きやインターネットなどからパスワード自体が第三者に知られた場合においても、パスワードを算出するための計算方法が第三者に知られていなければ、第三者はパスワードを導き出すための適当な数値を入力することができたいために、第三者に簡単にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0096】
また、ユーザが入力する数字キーの数は多いが、ユーザが記憶しておくべきパスワードは、従来と同様に数値を覚えやすい簡易なパスワードであればよいので、ユーザにとって負担とならず便利である。
【0097】
上述したように、本実施形態の認証装置1は、ユーザが複数の数字キーを同時入力するとともに、その入力値から所定の計算方法にしたがって入力パスワードを決定することを特徴としているが、ユーザは認証装置1に入力パスワードの数値を計算させるために同時入力する数値を予め覚えておく、またはその場で決定する必要がある。
【0098】
そこで、認証装置1は、表示入力装置3に表示された情報入力画面において、ユーザに対して同時入力する複数の数字キーのうち少なくとも1つを指示するために、情報処理部4に入力指示部(図示せず)を備えていてもよい。ユーザに同時入力する数字キーを指示する方法としては、数字キーを点滅させる構成であってもよいし、色を変更するまたは数字キーを点灯させる構成であってもよい。さらに、ユーザに同時入力する数字キーを指示するために、数字キー以外の部分で、テキストによる指示を行う構成であってもよい。つまり、上記入力指示部がユーザに同時入力する数字キーを指示する方法としては、入力すべき数字キーの指示がユーザに伝わるものであればどのような方法を用いてもかまわない。
【0099】
図10は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面において、入力指示部が1つの数字キーを点滅させている構成を示す図である。図10では、表示入力装置3に表示された情報入力画面において、上記入力指示部は数字キー「4」を点滅させている。例えば、同時入力数が2、計算方法が加算であって、ユーザが入力パスワードとして0を入力したい場合には、ユーザは上記入力指示部が点滅させている数字キー「4」、および加算により計算結果が0になる数字キー「6」のキーを同時に押せばよい。
【0100】
また、上記入力指示部は、上述したような1つの数字キーだけでなく、複数の数字キーを点滅させる構成であってもかまわない。図11は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面において、入力指示部が複数の数字キーを点滅させている構成を示す図である。
【0101】
図11では、表示入力装置3に表示された情報入力画面において、上記入力指示部は数字キー「2」および「4」を点滅させている。例えば、同時入力数が「2」、計算方法が「加算」であって、ユーザが入力パスワードとして「0」を入力したい場合には、ユーザは上記入力指示部が点滅させている数字キー「4」または「2」のうちどちらかを選択し、加算により0になる数字を同時に押せばよい。
【0102】
以上のように、認証装置1は、上記入力指示部を備え、同時入力すべき複数の数字キーのうち少なくとも1つを入力指示部がユーザに対して指示することにより、ユーザは指示された数値および計算方法を考慮して、残りの数値を考えるだけで入力することができる。したがって、ユーザがどの数字キーとどの数字キーとを押せばよいか考える手間を省くことができ、ユーザが容易に複数の数字キーを同時入力することが可能となる。
【0103】
また、計算方法または同時入力数は、表示入力装置3に表示された情報入力画面上において、ユーザが選択できる構成であってもよい。図12は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面において、計算方法を選択可能な構成を示す図である。図12に示すように、計算方法を選択できるようにした場合、入力パスワードの一桁を算出するために同時入力する毎に、計算方法を変更することも可能となる。また、同時入力数だけを選択できるようにする構成であってもよいし、計算方法および同時入力数の両方を選択できる構成であってもよい。
【0104】
また、ユーザが本実施形態の認証方法ほどに、安全性の高い方法を望まない場合は、従来の認証方法を用いてパスワードを入力できるように、本実施形態の認証装置1における認証方法と従来の認証方法とを、表示入力装置3の情報入力画面上において切り替え可能な構成であってもよい。
【0105】
ユーザが従来の認証方法を選択した場合、ユーザ情報取得部6がユーザID取得部2からユーザIDを取得し、パスワード照合部10に出力する。そして、パスワード照合部10が、ユーザ情報DB5から照合パスワードを取得し、表示入力装置3を用いてユーザが入力した入力パスワードを取得し、該入力パスワードと照合パスワードとを照合する構成とすればよい。
【0106】
最後に、認証装置1の各ブロック、特に、ユーザ情報取得部6、入力数判定部8および計算部9は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0107】
すなわち、認証装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである認証装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、認証装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0108】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0109】
また、認証装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0110】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0111】
以上のように、本発明の認証装置は、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力手段と、前記入力手段によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、前記計算手段によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備えている。
【0112】
また、本発明の認証方法は、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、前記入力工程にて取得した複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、前記計算工程にて決定した入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の認証装置は、ATM、PC、携帯電話等の認証のためにパスワードの入力が必要な装置に好適に搭載される。
【符号の説明】
【0114】
1 認証装置
2 ユーザID取得部(ユーザ識別情報取得手段)
3 表示入力装置(入力手段)
4 情報処理部
5 ユーザ情報DB(記憶部)
6 ユーザ情報取得部(ユーザ情報取得手段)
7 認証部
8 入力数判定部(入力数判定手段)
9 計算部(計算手段)
10 パスワード照合部(照合手段)
11 認証後処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスワードが第三者に盗まれるのを防止するとともに、第三者にパスワードを不正使用されることを防止する認証装置、認証方法、認証プログラム及びこれを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、金融機関の現金自動預入れ支払い機(ATM)や、管理区域への入室ドアの開閉装置では、一般に、認証のためにパスワード等の情報の入力が必要である。そして、これらの装置へのパスワードは、ユーザの利便性を優先し、ユーザが簡単にパスワードを覚えられるように、「0」〜「9」までの数字を用い、4桁程度の数字で構成されている。
【0003】
しかしながら、4桁程度の数字で構成されたパスワードは、ユーザが覚えやすい反面、ユーザがパスワードを入力している操作を第三者に盗み見られた場合等には、第三者に簡単にパスワードを盗まれる虞がある。
【0004】
そこで、従来からユーザがパスワードを入力する際の指や腕の動きから、パスワードを第三者に盗まれにくくするための技術が特許文献1〜4に開示されている。特許文献1および特許文献2に記載の発明は、従来のように4桁程度の数字で構成されたパスワードを用いているが、入力画面を変化させることにより、第三者に盗まれることを防止する技術である。特許文献3および特許文献4に記載の発明は、パスワードとして数字以外の画像等を用いることにより、第三者に盗まれることを防止する技術である。以下に、特許文献1〜4の技術について具体的に説明する。
【0005】
特許文献1には、ユーザにかかる操作上の負担増を招くことなく簡単な操作で容易に秘密情報を入力でき、かつ、第三者の動作解析による秘密情報漏洩の危険性を回避するための情報入力装置が開示されている。上記情報入力装置は、暗証番号をキー入力する際に、その都度、暗証番号入力操作画面の表示位置および各キーの表示位置、またはそのいずれかの表示位置をランダムに決めて表示する構成である。
【0006】
また、特許文献2には、縦横配列されたテンキーのような入力操作画面を用いた暗証番号入力において、操作性の低下を極力抑えながら、ユーザの指や腕の動きから暗証番号が他人に察知されることをなくすための暗証番号入力装置が開示されている。上記暗証番号入力装置は、縦横配列された複数のキーを表示する表示装置と、複数のキーのうちいずれかのキーの選択操作を検出するキー操作検出部と、表示装置の画面上における複数のキーの表示位置を制御するキー表示制御部とを備え、キー表示制御部は、キー操作検出部が1つのキー選択操作を検出するたびに複数のキーのすべて又は一部の表示位置を列方向又は行方向に移動する構成である。
【0007】
また、特許文献3には、複数の画像に対して複数の特定部分を指定することで、画像パラメータの組み合わせを激増させ、第三者に盗用されにくくするための電子情報管理システムが開示されている。上記電子情報管理システムは、画像指示によるパスワードを使用する際に、覚え易く盗用されにくくするため、ユーザ名を入力すると、少なくとも1つの画像及びメッシュが表示され、画像の特定部分を指定すると、指定した特定部分及び指定順序に応じて画像パスワードが生成され、画像パスワードが正しく、次に表示される画像(遷移画像)があれば、登録されている遷移情報を取得した後、画像メッシュ表示に戻り、遷移画像がないとき、登録されている暗号化情報を被暗号化情報に復号して、被暗号化情報を出力する構成である。
【0008】
また、特許文献4には、ユーザが暗証番号を入力する際に、入力の指の動きが隠蔽されているため、第三者が入力の様子から暗証番号を推測することが困難であるとともに、ユーザの手の感覚として暗証番号を記憶するものであるために、第三者に暗証番号を推測されにくくするための暗証番号入力装置が開示されている。上記暗証番号入力装置は、暗証番号を入力するためのボタンに、暗証番号に対応する文字、記号、アルファベットが記載されておらず、ボタンの並びが自由な形で形成されているとともに、指の動きを覆い隠す隠蔽ケースを備える構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−20468号公報(公開日:平成12年1月21日)
【特許文献2】特開2003−196006号公報(公開日:平成15年7月11日)
【特許文献3】特開平11−345206号公報(公開日:平成11年12月14日)
【特許文献4】特開2001−344058号公報(公開日:平成13年12月14日)
【特許文献5】特開2004−318819号公報(公開日:平成16年11月11日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、特許文献1、2に開示された技術は、キー配列を変更することで、ユーザがパスワードを入力する際の指や腕の動きから、パスワードが第三者に推定されるのを防ぐ構成である。しかしながら、キー配列の変更により、ユーザはその都度目的のキーの位置を探す必要があり、ユーザにとっての利便性は損なわれる。また、キー配列の変更がある程度規則性を持った簡単なものであれば、パスワードを第三者に推定される可能性もある。
【0011】
また、特許文献3に開示された技術は、画像の位置を指定することで画像パラメータの組合せを激増させることにより、パスワードを第三者に盗用されにくくする構成であるが、画面が盗み見られた場合などは、画像に特徴があるため、第三者に画像のどの位置を押したのかが容易に解析されてしまう。
【0012】
また、特許文献4に開示された技術では、隠蔽ケースを設けることにより、パスワードが盗み見られるのを防止することはできるが、数値やアルファベットでパスワードを作成できないため、パスワードが覚えにくくユーザの利便性が犠牲にされている。
【0013】
また、特許文献1〜4に開示された技術では、第三者にパスワードを盗み見られることからパスワードが盗まれるのを防止できたとしても、メモ書きやインターネット等によりパスワードが流出した場合には、流出したパスワードを無効にしない限り第三者にパスワードを不正使用されてしまう可能性がある。さらに、パスワードが第三者に流出したことに即座に気づくのは困難であり、パスワードを無効するのが遅れてしまい、第三者に悪用される可能性が高い。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが覚えやすいパスワードの性質は残しつつ、ユーザの指や腕の動きからパスワードが第三者に盗まれるのを防止するとともに、メモ書きやインターネットなどからパスワードが第三者に知られてしまった場合においても、第三者にパスワードを不正使用されることを防止することができる認証装置、認証方法、認証プログラム及びこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の認証装置は、上記課題を解決するために、複数のキーを表示し、当該複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する表示入力装置と、前記表示入力装置によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、前記計算手段によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
なお、計算方法とは、ユーザが同時入力した入力値をどのように計算し入力パスワードを算出するかを決定するものであり、例えば「加算」、「減算」、「積算」、「除算」等である。また、「入力パスワード」は、同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより得られた値である。この計算方法は、あらかじめ設定されていてもよいし、認証のたびにユーザあるいは認証装置が指定してもよい。
【0017】
上記構成によれば、ユーザが複数のキーを同時入力するとともに、その同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定し、該入力パスワードと予め設定された照合パスワードとを照合している。すなわち、ユーザがパスワードを入力する際、従来ではパスワード自体を1桁ずつ入力していたのに対し、本発明ではパスワードとは異なる数値を1度に複数同時入力している。
【0018】
したがって、ユーザが同時入力するキーは入力パスワードそのものではないために、ユーザが入力操作しているところを第三者に盗み見られたとしても、第三者にパスワードを盗まれることを防止することができる。また、ユーザが複数のキーを同時入力することにより、ユーザの指や腕の動きを第三者が盗み見る等の行為により入力値を推定しようとしたときに、どのキーが押されているかを特定しにくくなる。その結果、入力値を第三者に容易に盗まれることを防止することができる。
【0019】
また、メモ書きやインターネットなどからパスワード自体が第三者に知られた場合においても、パスワードを算出するための計算方法が第三者に知られていなければ、第三者はパスワードを導き出すための適当な数値を入力することができたいために、第三者に簡単にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0020】
また、ユーザが入力するキーの数は多いが、ユーザが記憶しておくべきパスワードは、従来と同様に数値を覚えやすい簡易なパスワードであればよいので、ユーザにとって負担とならず便利である。
【0021】
さらに、前記計算手段は、同時入力された複数の値から、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定してもよい。
【0022】
上記の構成によれば、同時入力された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定することができる。
【0023】
さらに、本発明の認証装置では、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備え、前記照合手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記照合パスワードを記憶部から読み出し、該照合パスワードと前記入力パスワードとを照合してもよい。
【0024】
上記構成では、さらに、ユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備えるために、ユーザ識別情報と種々の情報とを関連付けて記憶部に記憶しておくことにより、本発明の認証装置の各手段は各ユーザに対応した情報を用いることができる。すなわち、記憶部にユーザ識別情報と予め設定された照合パスワードとを関連付けて予め記憶させておくことにより、照合手段は、入力パスワードと照合パスワードとを照合する際に、ユーザ識別情報に対応した照合パスワードを上記記憶部から取得することができる。照合パスワードは、ユーザ識別情報と関連付けて記憶されているために、ユーザ毎に設定することが可能となる。
【0025】
さらに、前記表示入力装置は、複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得してもよい。
【0026】
上記の構成によれば、数字キーを押下することにより、数字キーと対応付けられている数値が表示入力装置によって取得される。それゆえ、どの数字キーを押せば、どの数値が入力されるのかをユーザに提示することができる。
【0027】
さらに、本発明の認証装置では、前記計算手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記計算方法を記憶部から読み出し、該計算方法にしたがって、前記表示入力装置によって取得された数値を用いて計算することにより入力パスワードを決定してもよい。
【0028】
上記構成により、さらに、記憶部にユーザ識別情報と所定の計算方法とを関連付けて予め記憶させておくことにより、計算手段は、表示入力装置によって取得された数値を計算する際に、ユーザ識別情報に対応した計算方法を取得することができる。計算方法は、ユーザ識別情報と関連付けて記憶されているために、ユーザ毎に設定することが可能となる。これにより、入力パスワードを算出するための計算方法が、より第三者に知られにくくなるために、第三者にパスワード自体が知られてしまったとしても、第三者に容易にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0029】
さらに、本発明の認証装置では、前記表示入力装置に同時入力されたキーの数と、所定の同時入力数とを比較して、両者の数が一致しているか判断する入力数判定手段を備え、前記両者の数が一致している場合には、前記計算手段が入力パスワードを決定してもよい。
【0030】
上記構成では、さらに、入力判定手段は、所定の同時入力数と同時入力されたキーの数(個数)が一致していると判断した場合に、計算手段に入力パスワードの決定を行わせるために、上記両者の数が一致しない場合には入力パスワードは決定されない。
【0031】
そのため、メモ書きやインターネットなどからパスワードが第三者に知られた場合においても、第三者は、パスワードを算出するための計算方法だけでなく、キーの同時入力数も知っていなければ、入力パスワードを決定することができない。そのため、パスワード自体が第三者に知られてしまったとしても、第三者に容易にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0032】
さらに、本発明の認証装置では、前記入力数判定手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記同時入力数を記憶部から読み出し、該同時入力数と前記表示入力装置に同時入力されたキーの数とを比較してもよい。
【0033】
上記構成により、さらに、記憶部にユーザ識別情報と所定の同時入力数とを関連付けて予め記憶させておくことにより、入力数判定手段は、同時入力数と前記表示入力装置に同時入力されたキーの数とを比較する際に、ユーザ識別情報に対応した同時入力数を取得することができる。同時入力数は、ユーザ識別情報と関連付けて記憶されているために、ユーザ毎に設定することが可能となる。これにより、キーの同時入力数が、より第三者に知られにくくなるために、第三者にパスワード自体が知られてしまったとしても、第三者に容易にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0034】
さらに、本発明の認証装置では、ユーザに対して同時入力する複数のキーのうち少なくとも1つを指示する入力指示手段を備えていてもよい。
【0035】
ユーザが複数のキーを同時入力するとともに、その入力値から所定の計算方法にしたがって入力パスワードを決定するためには、ユーザは認証装置に入力パスワードの数値を計算させるために同時入力する数値を予め覚えておく、またはその場で決定する必要がある。
【0036】
そこで、本発明の上記構成により、さらに、入力指示手段が同時入力すべき複数のキーのうち少なくとも1つをユーザに対して指示することにより、ユーザは指示された数値および計算方法を考慮して、残りの数値を考えるだけで入力することができる。したがって、ユーザがどのキーとどのキーとを押せばよいか考える手間を省くことができ、ユーザが容易に複数のキーを同時入力することが可能となる。
【0037】
本発明の認証方法は、表示入力装置と計算手段と照合手段とを備える認証装置における認証方法であって、前記表示入力装置が、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、前記計算手段が、前記入力工程にて取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、前記照合手段が、前記計算工程にて決定された入力パスワードと、予め設定され、記憶部に記憶されている照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいることを特徴としている。
【0038】
上記方法によれば、ユーザが複数のキーを同時入力するとともに、その同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定し、該入力パスワードと予め設定された照合パスワードとを照合している。すなわち、ユーザがパスワードを入力する際には、従来ではパスワード自体を1桁ずつ入力していたのに対し、本発明ではパスワードとは異なる数値を1度に複数同時入力している。
【0039】
したがって、ユーザが同時入力するキーは入力パスワードそのものではないために、ユーザが入力操作しているところを第三者に盗み見られたとしても、第三者にパスワードを盗まれることを防止することができる。また、メモ書きやインターネットなどからパスワード自体が第三者に知られた場合においても、パスワードを算出するための計算方法が第三者に知られていなければ、第三者はパスワードを導き出すための適当な数値を入力することができたいために、第三者に簡単にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0040】
また、ユーザが複数のキーを同時入力することにより、ユーザの指や腕の動きを第三者が盗み見る等の行為により入力値を推定しようとしたときに、どのキーが押されているかを特定しにくくなる。その結果、入力値を第三者に容易に盗まれることを防止することができる。
【0041】
また、ユーザが入力するキーの数は多いが、ユーザが記憶しておくべきパスワードは、従来と同様に数値を覚えやすい簡易なパスワードであればよいので、ユーザにとって負担とならず便利である。
【0042】
なお、上記認証装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記認証装置をコンピュータにて実現させる認証装置の認証プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0043】
本発明の認証装置は、以上のように、複数のキーを表示し、当該複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する表示入力装置と、前記表示入力装置によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、前記表示入力装置によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備える構成である。
【0044】
また、本発明の認証方法は、表示入力装置と計算手段と照合手段とを備える認証装置における認証方法であって、前記表示入力装置が、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、前記計算手段が、前記入力工程にて取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、前記照合手段が、前記計算工程にて決定された入力パスワードと、予め設定され、記憶部に記憶されている照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいる方法である。
【0045】
それゆえ、ユーザが覚えやすいパスワードの性質は残しつつ、ユーザの指や腕の動きからパスワードが第三者に盗まれるのを防止するとともに、メモ書きやインターネットなどからパスワードが第三者に知られてしまった場合においても、第三者にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る認証装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記認証装置が適用されるATMの概略構成を示す図である。
【図3】上記認証装置の表示装置において表示される情報入力画面を示す図である。
【図4】上記認証装置のユーザ情報DBに記憶されているユーザ情報テーブルを示す図である。
【図5】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、同時入力方法を説明するための図である。
【図6】上記認証装置における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】上記処理手順における認証手順を示すフローチャートである。
【図8】上記認証装置における同時入力した入力値と出力値との関係を示す図である。
【図9】上記認証装置の表示装置において表示される情報入力画面を示す図である。
【図10】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、入力指示部が1つの数字キーを点滅させている構成を示す図である。
【図11】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、入力指示部が複数の数字キーを点滅させている構成を示す図である。
【図12】上記認証装置の表示装置に表示された情報入力画面において、計算方法を選択可能な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の一実施形態について図1〜図12に基づいて説明すると以下の通りである。
【0048】
図1は、本発明の一実施形態に係る認証装置1の概略構成を示すブロック図である。まず、認証装置1の全体構成について説明する。
【0049】
認証装置1は、図1に示すように、ユーザID取得部(ユーザ識別情報取得手段)2と、表示装置(入力手段)3と、情報処理部4と、認証後処理部11とを備えている。また、認証装置1の外部には、ユーザ情報テーブルを記憶しているユーザ情報DB(データベース)(記憶部)5が設けられており、情報処理部4とネットワークを介して接続されている。
【0050】
認証装置1は、例えば、図2に示すATM、PC、携帯電話のような認証のためにパスワード等の入力が必要な装置に搭載されるものである。
【0051】
ユーザID取得部2は、ユーザを識別するためのユーザIDを取得するためのものであり、ユーザがユーザIDを直接入力する構成であってもよいし、ユーザIDが記憶されたICカード等を読取装置(図示せず)に装着することにより、ICカード等からユーザIDを読み取る構成であってもよい。
【0052】
表示入力装置3は、ユーザへの動作指示、情報処理状況、入力情報にエラーが生じた場合のエラーメッセージ等を表示する。また、表示入力装置3は、タッチパネル等を備えており、ユーザが同時入力した任意の複数の数字キーの数値をそれぞれ取得するためのものである。
【0053】
なお、ユーザが複数の値を同時入力するためのキーは、必ずしも数字キーである必要はなく、その他のキーでもよい。その場合には、特定のキーとある値とが予め対応付けられており、ユーザは、どのキーを押せばどの値が入力されるのかを予め知る必要がある。このようなユーザの手間を省くためにも、上記キーは、数字キーであることが好ましい。
【0054】
本実施形態では、表示入力装置3として、ブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等を用いたタッチパネルが好適に用いられる。液晶ディスプレイを用いたタッチパネルでは、特に、液晶ディスプレイ内に装備された光センサを利用することで複数の押された点を同時に検出できるものが好適に用いられる。このようなタッチパネルは、特開2004−318819号公報に具体的に開示されている。
【0055】
本実施形態では、表示入力装置3は、ユーザが入力パスワードを決定するための情報を入力する際に、図3に示すような情報入力画面を表示する。情報入力画面は、「0」〜「9」の数字キーと、「訂正」キーと、「決定」キーとが4行3列で配置された構成であり、ユーザが任意の数字を選択しやすいように、数字キーの数値が少ない順に上から配置されている。また、キーの上部には、ユーザが入力した数字キーの数が表示される表示ボックスが配置されている。なお、キーの組み合わせやキーの配列等はこれに限られず、また、必要に応じて「戻る」キーや「クリア」キー等の他の役割を果たすキーを追加してもよい。
【0056】
なお、表示入力装置3としては、上述したタッチパネルに限られず、PCや携帯電話等のように、ユーザが同時入力した任意の複数の数字キーの数値をそれぞれ取得するための情報入力部(例えば、キーボード等)と、種々の情報を表示する表示部(例えば、ディスプレイ等)とが別々に設けられていてもよいし、該表示部が設けられていない構成であってもかまわない。すなわち、表示入力装置3は、少なくとも同時入力した複数の数字キーの数値をそれぞれ取得できる構成であればよい。
【0057】
ユーザ情報DB5は、種々のユーザ情報を記憶するためのものであり、図4に示すような、「ユーザID」と、「照合パスワード」と、「計算方法」と、「同時入力数」とが関連付けられたユーザ情報テーブルが記憶されている。図4は、認証装置1のユーザ情報DB5に記憶されているユーザ情報テーブルを示す図である。なお、本実施形態では、ユーザ情報DB5は認証装置1の外部に設けられた構成であるが、本発明はこれに限られず、認証装置1の内部に設けられる構成であってもかまわない。
【0058】
ここで、「ユーザID」とはユーザを識別するための符号である。また、「照合パスワード」とは予め設定された数字の組み合わせである。また、「計算方法」とはユーザが同時入力した入力値をどのように計算し入力パスワードを算出するかを決定するものであり、例えば「加算」、「減算」、「積算」、「除算」等である。また、「同時入力数」とは、ユーザが同時に入力する数字キーの数であり、2以上であればよい。また、「入力パスワード」は、同時入力された数値を、ユーザIDに対応する計算方法にしたがって計算することにより得られた値である。
【0059】
より詳細には、入力パスワードとは、複数の数字が配列されることよって形成される、数字の配列である。
【0060】
情報処理部4は、ユーザ情報取得部6と、認証部7とを備えており、ユーザID取得部2が取得したユーザIDに基づき、表示入力装置3が取得した数値から入力パスワードを算出し、該入力パスワードと照合パスワードとを照合するためのものである。
【0061】
ユーザ情報取得部6は、ユーザ情報DB5とネットワークを介して接続されており、ユーザID取得部2からユーザIDを取得し、ユーザ情報DB5に記憶されているユーザ情報テーブルから、上記ユーザIDに対応する同時入力数および計算方法を取得するためのものである。さらに、ユーザ情報取得部6は、表示入力装置3が取得した、同時入力された数字キーの数および同時入力された数値を取得し、該数値の全数であるユーザ入力数と、同時入力数および照合パスワードに基づく設定入力数とを比較する。設定入力数とは、照合パスワードを構成する数字の数と同時入力数とから算出される、ユーザが入力すべき数値の数を示す。
【0062】
認証部7は、入力数判定部(入力判定手段)8と、計算部(計算手段)9と、パスワード照合部(照合手段)10とを備えている。認証部7は、同時入力された数字キーの数がユーザIDに対応する同時入力数に一致するかを判定し、一致する場合は入力パスワードを決定し、該入力パスワードと照合パスワードとを照合するためのものである。照合後、入力パスワードと照合パスワードとが一致していた場合は、認証部7は認証後処理部11に種々の処理を行わせる。
【0063】
詳細には、入力数判定部8は、ユーザ情報取得部6から同時入力された数字キーの数および同時入力数を取得し、該同時入力された数字キーの数と同時入力数とが一致しているか判定するためのものである。
【0064】
計算部9は、入力数判定部8が同時入力された数字キーの数と同時入力数とが一致していると判定した場合に、ユーザ情報取得部6から同時入力された数値および計算方法を取得し、該同時入力された数値を該計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定するためのものである。
【0065】
より詳細には、計算部9は、表示装置3を介して同時入力された複数の数値の組から、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定する。
【0066】
パスワード照合部10は、計算部9によって決定された入力パスワードとユーザ情報DB5に記憶されている照合パスワードとを照合するためのものである。パスワード照合部10は、ユーザ情報DB5とネットワークを介して接続されており、ユーザ情報取得部6からユーザIDを取得すると、該ユーザIDに対応する照合パスワードをユーザ情報DB5から取得する。そして、パスワード照合部10は、計算部9から入力パスワードを取得し、該入力パスワードとユーザ情報DB5から取得した照合パスワードとを照合する。
【0067】
認証後処理部11は、パスワード照合部10によって入力パスワードと照合パスワードとが一致していると判断された後に、種々の処理を行うためのものである。例えば、本実施形態の認証装置1がATMに搭載されている場合は、現金の引き落とし等の処理を行い、管理区域への入室ドアの開閉装置に搭載されている場合は、管理区域への入室ドアを開ける処理を行う。
【0068】
ここで、図5を参照して、同時入力された数値から、計算部9が同時入力数および計算方法に基づいて入力パスワードを決定する方法について説明する。図5は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面における同時入力方法を説明するための図である。なお、ここでは、認証装置1を操作するユーザのユーザIDに対応する計算方法が加算、同時入力数が2、照合パスワードの1桁目が「0」と設定されている場合について説明する。
【0069】
ユーザが入力パスワードの1桁目を決定するための数値を入力する場合、図5に示すように、ユーザが表示入力装置3に表示された情報入力画面の「4」と「6」の数字キーを同時に押すと、計算部9が予め設定された計算方法である加算により「4+6」を計算する。計算結果は10になるが、本実施形態では、桁数が2桁になった場合は、下一桁の値が出力値として採用されるために、結果として入力パスワードの1桁目は「0」となる。このようにして、所定の桁数の入力パスワードが決定される。
【0070】
また、計算方法が減算、同時入力数が「2」で、「4」と「6」が同時に入力された場合は、数値の大きい「6」から数値の小さい「4」を減算し、計算結果「2」が出力値として採用される。また、計算方法が積算、同時入力数が「2」で、「4」と「6」が同時に入力された場合は、計算結果「24」の下一桁である「4」が出力値として採用される。また、計算方法が除算、同時入力数が「2」で、「4」と「6」が同時に入力された場合は、数値の大きい「6」を数値の小さい「4」で除算し、計算結果が「1」、余りが「2」となり、余りの「2」が出力値として採用される。
【0071】
なお、本実施形態では、計算方法により得られる出力値は計算結果の下一桁を出力値として採用していたが、出力値はこれに限定されるものではない。例えば、計算結果が2桁の数値になった場合に、上位桁の数を出力値として採用してもよいし、2桁の数値をそのまま出力値として採用することにより、一回の入力でパスワードを2桁入力できるようにしてもよい。
【0072】
次に、本実施形態の認証装置1において、ユーザID取得部2がユーザIDを取得してから、パスワード照合部10が入力パスワードと照合パスワードとを照合するまでの処理手順について、図1および図6を参照して説明する。図6は、本実施形態の認証装置1の処理手順を示したフローチャートである。なお、以下の説明においては、図4に示す、ユーザID「0001」のユーザが認証装置1を操作した場合の処理手順について述べる。
【0073】
図6に示すように、認証装置1は、ユーザがユーザID取得部2にICカードを装着することにより、ユーザID取得部2がICカードからユーザIDを読み出し、ユーザ情報取得部6にユーザIDを出力する(S1)。
【0074】
そして、ユーザ情報取得部6は、ユーザID取得部2から取得したユーザIDに対応する計算方法および同時入力数をユーザ情報DB5に記憶されたユーザ情報テーブルから取得する(S2)。ここで、ユーザIDが「0001」であるため、計算方法が加算、同時入力数が2となる。
【0075】
そして、ユーザ情報取得部6は、計算方法および同時入力数を取得した後、表示入力装置3に情報入力画面を表示させ(S3)、該情報入力画面をユーザが入力するまで待機させる(S4)。
【0076】
そして、ユーザが入力すると、ユーザ情報取得部6は、表示入力装置3が取得した同時入力された数字キーの数および同時入力された数値を取得し、ユーザ入力数と設定入力数とを比較する(S5)。設定入力数は、例えば、ユーザIDが「0001」の場合、同時入力数が「2」で、照合パスワードが「1234」と4桁であるために、「8」となる。ここで、ユーザ入力数と設定入力数とが一致しない場合は(S5でNO)、S4の操作に戻る。
【0077】
なお、ユーザ情報取得部6は、ユーザが入力パスワードの1桁を算出するための数値を入力した際、すなわち、1回同時入力される毎に、入力パスワードの何桁目を算出するための数値が入力されたか表示入力装置3に表示させる構成であってもよい。
【0078】
ユーザ入力数と設定入力数とが一致している場合は(S5でYES)、ユーザ情報取得部6は、同時入力された数字キーの数、同時入力された数値、同時入力数および計算方法を認証部7に出力する。そして、認証部7は、これらの情報に基づいて入力パスワードを決定し、該入力パスワードとユーザ情報DB5に記憶された照合パスワードとを照合する(S6)。認証部7は、入力パスワードと照合パスワードとが一致していないと判断した場合(S6でNO)、表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させ、再び情報入力画面を表示させる(S7)。
【0079】
ここで、上述した処理手順のS6およびS7における入力パスワードと照合パスワードとの認証手順について、図1および図7を参照して具体的に説明する。図7は、本実施形態の認証装置1の認証手順を示したフローチャートである。
【0080】
ユーザ入力数と設定入力数とが一致している場合(図6のS5でYES)、認証部7の入力数判定部8は、ユーザ情報取得部6から同時入力された数字キーの数および同時入力数を取得し、該同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較して、両者の数が一致しているか判定する(S8)。上記両者の数が一致しない場合は(S8でNO)、入力数判定部8は表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させる。なお、ここで表示入力装置3に表示されるエラーメッセージは、同時入力数が間違っていることを示す内容であってもよいし、認証失敗を示す内容であってもよい。
【0081】
上記両者の数が一致している場合は(S8でYES)、入力数判定部8は、その情報を計算部9に出力する。計算部9は、入力数判定部8から上記両者の数が一致している情報を受け取ると、ユーザ情報取得部6から同時入力された数値および計算方法を取得し、該同時入力された数値を該計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定する(S9)。
【0082】
そして、計算部9は、決定された入力パスワードをパスワード照合部10に出力する。パスワード照合部10は、ユーザ情報取得部6からユーザIDを取得し、ユーザ情報DB5からネットワークを介してユーザIDに対応する照合パスワードを取得する。パスワード照合部10は、計算部9から取得した入力パスワードと、照合パスワードとを照合する(S10)。
【0083】
その後、S10の照合の結果、パスワード照合部10が入力パスワードと照合パスワードとが一致していると判断した場合は(図6のS6でYES)、その情報を認証後処理部11に出力する。また、上述したように、パスワード照合部10が出力値と照合パスワードとが一致していないと判断した場合は(S6でNO)、パスワード照合部10は表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させる(図6のS7)。
【0084】
なお、本実施形態では、上述したように、S5においてユーザ入力数と設定入力数とを比較し、S8において同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較しているが、S5とS8の処理の順番は逆であってもかまわない。すなわち、S5において同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較し、S8においてユーザ入力数と設定入力数とを比較する構成であってもかまわない。
【0085】
具体的には、S5において、ユーザ情報取得部6が、同時入力された数字キーの数と同時入力数とを比較して、上記両者の数が一致しているか判定する。上記両者の数が一致している場合は(S5でYES)、S8において、認証部7の入力数判定部8が、ユーザ情報取得部6から同時入力された数字キーの数および同時入力数を取得し、ユーザ入力数と設定入力数とを比較する。入力数判定部8が、ユーザ入力数と設定入力数とが一致していると判断した場合(S8でYES)はS9に進み、ユーザ入力数と設定入力数とが一致していないと判断した場合(S8でNO)はS4の操作に戻る。
【0086】
ユーザ情報取得部6が、同時入力された数字キーの数と同時入力数とが一致していないと判断した場合は(S5でNO)、ユーザが全ての数値を入力した後、ユーザ情報取得部6は表示入力装置3に認証失敗の情報を送信し、エラーメッセージを表示させる。このように、ユーザが全ての数値を入力した後に、表示入力装置3にエラーメッセージを表示させることにより、同時入力数を第三者に推定されることを防止することができる。なお、ここで表示入力装置3に表示されるエラーメッセージは、同時入力数が間違っていることを示す内容であってもよいし、認証失敗を示す内容であってもよい。
【0087】
なお、ユーザID「0001」に対応する照合パスワードは「1234」であり、入力パスワードと照合パスワードとを一致させるためには、同時入力する数値を、例えば、図8に示すようにすることによって実現することができる。ここで、ユーザID「0001」である場合、図4のユーザ情報テーブルに示すように、計算方法が「加算」、同時入力数が「2」と設定されているものとする。
【0088】
そのため、図8に示すように、1桁目の入力において、入力値1「4」および入力値2「7」を同時入力し、2桁目の入力において、入力値1「4」および入力値2「8」を同時入力し、3桁目の入力において、入力値1「6」および入力値2「7」を同時入力し、4桁目の入力において、入力値1「0」および入力値2「4」を同時入力する。これにより、各桁の入力値1と入力値2とを加算し、計算した値の下1桁目の値を入力パスワードとすることにより、入力パスワードは「1234」と決定する。なお、入力パスワードを「1234」と決定する方法が、これに限られないことは言うまでもない。
【0089】
なお、本実施形態では、ユーザが予め計算方法および同時入力数を設定し、ユーザIDと関連付けてユーザ情報DB5に記憶しておく構成であるが、本発明はこれに限られない。つまり、予め照合パスワードのみを設定しておき、ユーザIDと照合パスワードのみを関連付けてユーザ情報DB5に記憶しておき、ユーザ情報取得部6がユーザID取得部2からユーザIDを取得した後、図9に示すように、ユーザ情報取得部6が表示入力装置3の情報入力画面において計算方法および同時入力数をユーザに指示する構成であってもかまわない。
【0090】
この場合、ユーザはユーザ情報取得部6から計算方法および同時入力数を指示されてから、パスワードを導き出すための計算を行う必要があるために、表示入力装置3の近傍に、計算式および計算結果の一覧を表示しておく等、ユーザの利便性を図ることが望ましい。
【0091】
また、本実施形態では、ユーザ毎に照合パスワードが設定されているが、本発明はこれに限られず、全てのユーザが同一の照合パスワードを用いる構成であってもかまわない。この場合は、ユーザID取得部2は設けられていなくてもよく、ユーザ情報DB5には計算方法および同時入力数が関連付けられたテーブルが記憶されていればよい。なお、照合パスワードは、パスワード照合部10に予め設定しておけばよい。
【0092】
以上のように、本実施形態の認証装置1は、複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得する表示入力装置3と、表示入力装置3によって取得された複数の数値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算部9と、計算部9によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合するパスワード照合部10とを備えることを特徴としている。
【0093】
本実施形態の認証装置1では、ユーザが複数の数字キーを同時入力するとともに、その同時入力された数値を、所定の計算方法にしたがって計算することにより、入力パスワードを決定し、該入力パスワードと予め設定された照合パスワードとを照合している。すなわち、ユーザがパスワードを入力する際には、従来ではパスワード自体を1桁ずつ入力していたのに対し、本発明ではパスワードとは異なる数値を1度に複数同時入力している。
【0094】
したがって、ユーザが同時入力する数字キーは入力パスワードそのものではないために、ユーザの指や腕の動きを第三者に盗み見られたとしても、第三者にパスワードを盗まれることを防止することができる。また、ユーザが複数の数字キーを同時入力することにより、ユーザの指や腕の動きを第三者が盗み見る等の行為により入力値を推定しようとしたときに、どの数字キーが押されているかを特定しにくくなる。その結果、入力値を第三者に容易に盗まれることを防止することができる。
【0095】
また、メモ書きやインターネットなどからパスワード自体が第三者に知られた場合においても、パスワードを算出するための計算方法が第三者に知られていなければ、第三者はパスワードを導き出すための適当な数値を入力することができたいために、第三者に簡単にパスワードを不正使用されることを防止することができる。
【0096】
また、ユーザが入力する数字キーの数は多いが、ユーザが記憶しておくべきパスワードは、従来と同様に数値を覚えやすい簡易なパスワードであればよいので、ユーザにとって負担とならず便利である。
【0097】
上述したように、本実施形態の認証装置1は、ユーザが複数の数字キーを同時入力するとともに、その入力値から所定の計算方法にしたがって入力パスワードを決定することを特徴としているが、ユーザは認証装置1に入力パスワードの数値を計算させるために同時入力する数値を予め覚えておく、またはその場で決定する必要がある。
【0098】
そこで、認証装置1は、表示入力装置3に表示された情報入力画面において、ユーザに対して同時入力する複数の数字キーのうち少なくとも1つを指示するために、情報処理部4に入力指示部(図示せず)を備えていてもよい。ユーザに同時入力する数字キーを指示する方法としては、数字キーを点滅させる構成であってもよいし、色を変更するまたは数字キーを点灯させる構成であってもよい。さらに、ユーザに同時入力する数字キーを指示するために、数字キー以外の部分で、テキストによる指示を行う構成であってもよい。つまり、上記入力指示部がユーザに同時入力する数字キーを指示する方法としては、入力すべき数字キーの指示がユーザに伝わるものであればどのような方法を用いてもかまわない。
【0099】
図10は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面において、入力指示部が1つの数字キーを点滅させている構成を示す図である。図10では、表示入力装置3に表示された情報入力画面において、上記入力指示部は数字キー「4」を点滅させている。例えば、同時入力数が2、計算方法が加算であって、ユーザが入力パスワードとして0を入力したい場合には、ユーザは上記入力指示部が点滅させている数字キー「4」、および加算により計算結果が0になる数字キー「6」のキーを同時に押せばよい。
【0100】
また、上記入力指示部は、上述したような1つの数字キーだけでなく、複数の数字キーを点滅させる構成であってもかまわない。図11は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面において、入力指示部が複数の数字キーを点滅させている構成を示す図である。
【0101】
図11では、表示入力装置3に表示された情報入力画面において、上記入力指示部は数字キー「2」および「4」を点滅させている。例えば、同時入力数が「2」、計算方法が「加算」であって、ユーザが入力パスワードとして「0」を入力したい場合には、ユーザは上記入力指示部が点滅させている数字キー「4」または「2」のうちどちらかを選択し、加算により0になる数字を同時に押せばよい。
【0102】
以上のように、認証装置1は、上記入力指示部を備え、同時入力すべき複数の数字キーのうち少なくとも1つを入力指示部がユーザに対して指示することにより、ユーザは指示された数値および計算方法を考慮して、残りの数値を考えるだけで入力することができる。したがって、ユーザがどの数字キーとどの数字キーとを押せばよいか考える手間を省くことができ、ユーザが容易に複数の数字キーを同時入力することが可能となる。
【0103】
また、計算方法または同時入力数は、表示入力装置3に表示された情報入力画面上において、ユーザが選択できる構成であってもよい。図12は、認証装置1の表示入力装置3に表示された情報入力画面において、計算方法を選択可能な構成を示す図である。図12に示すように、計算方法を選択できるようにした場合、入力パスワードの一桁を算出するために同時入力する毎に、計算方法を変更することも可能となる。また、同時入力数だけを選択できるようにする構成であってもよいし、計算方法および同時入力数の両方を選択できる構成であってもよい。
【0104】
また、ユーザが本実施形態の認証方法ほどに、安全性の高い方法を望まない場合は、従来の認証方法を用いてパスワードを入力できるように、本実施形態の認証装置1における認証方法と従来の認証方法とを、表示入力装置3の情報入力画面上において切り替え可能な構成であってもよい。
【0105】
ユーザが従来の認証方法を選択した場合、ユーザ情報取得部6がユーザID取得部2からユーザIDを取得し、パスワード照合部10に出力する。そして、パスワード照合部10が、ユーザ情報DB5から照合パスワードを取得し、表示入力装置3を用いてユーザが入力した入力パスワードを取得し、該入力パスワードと照合パスワードとを照合する構成とすればよい。
【0106】
最後に、認証装置1の各ブロック、特に、ユーザ情報取得部6、入力数判定部8および計算部9は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0107】
すなわち、認証装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである認証装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、認証装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0108】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0109】
また、認証装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0110】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0111】
以上のように、本発明の認証装置は、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力手段と、前記入力手段によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、前記計算手段によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備えている。
【0112】
また、本発明の認証方法は、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、前記入力工程にて取得した複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、前記計算工程にて決定した入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の認証装置は、ATM、PC、携帯電話等の認証のためにパスワードの入力が必要な装置に好適に搭載される。
【符号の説明】
【0114】
1 認証装置
2 ユーザID取得部(ユーザ識別情報取得手段)
3 表示入力装置(入力手段)
4 情報処理部
5 ユーザ情報DB(記憶部)
6 ユーザ情報取得部(ユーザ情報取得手段)
7 認証部
8 入力数判定部(入力数判定手段)
9 計算部(計算手段)
10 パスワード照合部(照合手段)
11 認証後処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを表示し、当該複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する表示入力装置と、
前記表示入力装置によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、
前記計算手段によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備えることを特徴とする認証装置。
【請求項2】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備え、
前記照合手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記照合パスワードを記憶部から読み出し、該照合パスワードと前記入力パスワードとを照合することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記計算手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記計算方法を記憶部から読み出し、該計算方法にしたがって、前記表示入力装置によって取得された数値を用いて計算することにより入力パスワードを決定することを特徴とする請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記表示入力装置に同時入力されたキーの数と、所定の同時入力数とを比較して、両者の数が一致しているか判断する入力数判定手段を備え、
前記両者の数が一致している場合には、前記計算手段が入力パスワードを決定することを特徴とする請求項2または3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記入力数判定手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記同時入力数を記憶部から読み出し、該同時入力数と前記表示入力装置に同時入力されたキーの数とを比較することを特徴とする請求項4に記載の認証装置。
【請求項6】
前記計算手段は、同時入力された複数の値から、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記表示入力装置は、複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項8】
ユーザに対して同時入力する複数のキーのうち少なくとも1つを指示する入力指示手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項9】
表示入力装置と計算手段と照合手段とを備える認証装置における認証方法であって、
前記表示入力装置が、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、
前記計算手段が、前記入力工程にて取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、
前記照合手段が、前記計算工程にて決定された入力パスワードと、予め設定され、記憶部に記憶されている照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいることを特徴とする認証方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の認証装置の前記各手段としてコンピュータを機能させるための認証プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の認証プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
複数のキーを表示し、当該複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する表示入力装置と、
前記表示入力装置によって取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算手段と、
前記計算手段によって決定された入力パスワードと、予め設定された照合パスワードとを照合する照合手段とを備えることを特徴とする認証装置。
【請求項2】
ユーザを識別するためのユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段を備え、
前記照合手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記照合パスワードを記憶部から読み出し、該照合パスワードと前記入力パスワードとを照合することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記計算手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記計算方法を記憶部から読み出し、該計算方法にしたがって、前記表示入力装置によって取得された数値を用いて計算することにより入力パスワードを決定することを特徴とする請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記表示入力装置に同時入力されたキーの数と、所定の同時入力数とを比較して、両者の数が一致しているか判断する入力数判定手段を備え、
前記両者の数が一致している場合には、前記計算手段が入力パスワードを決定することを特徴とする請求項2または3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記入力数判定手段は、前記ユーザ識別情報取得手段によって取得されたユーザ識別情報に関連付けて予め記憶されている前記同時入力数を記憶部から読み出し、該同時入力数と前記表示入力装置に同時入力されたキーの数とを比較することを特徴とする請求項4に記載の認証装置。
【請求項6】
前記計算手段は、同時入力された複数の値から、入力パスワードを構成する複数の数字のうちの少なくとも1つを決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記表示入力装置は、複数の数字キーを介して、同時入力された複数の数字キーの数値をそれぞれ取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項8】
ユーザに対して同時入力する複数のキーのうち少なくとも1つを指示する入力指示手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項9】
表示入力装置と計算手段と照合手段とを備える認証装置における認証方法であって、
前記表示入力装置が、複数のキーを介して、同時入力された複数のキーの値をそれぞれ取得する入力工程と、
前記計算手段が、前記入力工程にて取得された複数の値を用いて、所定の計算方法にしたがって計算し、入力パスワードを決定する計算工程と、
前記照合手段が、前記計算工程にて決定された入力パスワードと、予め設定され、記憶部に記憶されている照合パスワードとを照合する照合工程とを含んでいることを特徴とする認証方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の認証装置の前記各手段としてコンピュータを機能させるための認証プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の認証プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−169967(P2009−169967A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62968(P2009−62968)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【分割の表示】特願2007−294896(P2007−294896)の分割
【原出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【分割の表示】特願2007−294896(P2007−294896)の分割
【原出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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