説明

認証装置

【課題】ユーザが入力している情報を背後から第三者により盗み見られる可能性が低く且つ複数のユーザが正当なユーザとして認証されることが可能な認証装置を提供すること。
【解決手段】この装置10は、被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する(26)。装置10は、生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位(開閉動作可能部位)の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する(27)。装置10は、特徴量の基準値である基準特徴量を予め記憶する(23)。装置10は、抽出された入力特徴量と、記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、入力特徴量と基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、入力特徴量と基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する(25)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが正当なユーザであることを認証するための処理を行う認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の文字列を表すパスワード情報に基づいて認証処理を行う認証装置が知られている。この認証装置は、基準パスワード情報を予め記憶している。認証装置は、ユーザにより入力された入力パスワード情報を受け付ける。そして、認証装置は、受け付けた入力パスワード情報と記憶されている基準パスワード情報とが一致しているか否かを判定する。次いで、認証装置は、入力パスワード情報と基準パスワード情報とが一致していると判定した場合、認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力する。
【0003】
ところで、ユーザは、パスワード情報を入力している間、ディスプレイ又は入力キー(文字列に対応するボタン)を見ている。このため、ユーザが認識することなく、ユーザの背後から第三者(そのユーザと異なる者)によりディスプレイ又は入力キーが覗き見られる可能性が比較的高い。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の認証装置は、入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応していると判定するとともに、ユーザの顔を撮像し、撮像した顔を表す顔画像に基づいて認証処理を行う。具体的には、認証装置は、顔画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量(入力特徴量)と予め記憶された基準特徴量とが対応しているか否かを判定する。そして、認証装置は、入力特徴量と基準特徴量とが対応していると判定した場合、認証成功情報を出力する。
【0005】
ところで、上記ユーザが入力したパスワード情報を第三者が盗み見た場合であっても、その第三者は、ユーザの顔から抽出される特徴量と同一の特徴量を有する顔を認証装置に撮像させることができない。従って、上記認証装置によれば、第三者(偽のユーザ)が正当なユーザ(真のユーザ)として不当に認証されることを防止することができる。
【特許文献1】特開2004−80080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、顔画像に基づいて認証処理を行った場合、1人のユーザしか正当なユーザとして認証されない。従って、例えば、携帯電話機の使用の開始を許可するか否かを判定するために上記認証装置を用いる場合であって、複数のユーザが1つの携帯電話機を使用する場合には、認証装置が複数のユーザのそれぞれを正当なユーザとして認証することができないという問題があった。
【0007】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「ユーザが入力している情報をそのユーザの背後から第三者により盗み見られる可能性を低くしながら、複数のユーザのそれぞれを正当なユーザとして認証させることができないこと」を解決することが可能な認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である認証装置は、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を予め記憶する基準特徴量記憶手段と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を備える。
【0009】
また、本発明の他の形態である携帯電話装置は、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を予め記憶する基準特徴量記憶手段と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を備える。
【0010】
また、本発明の他の形態である認証プログラムは、
記憶装置を備える認証装置に、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を上記記憶装置に予め記憶させる基準特徴量記憶処理手段と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0011】
また、本発明の他の形態である認証方法は、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像工程と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出工程と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を記憶装置に予め記憶させる基準特徴量記憶処理工程と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成されることにより、ユーザが入力している情報をそのユーザの背後から第三者により盗み見られる可能性を低くすることができ、且つ、複数のユーザのそれぞれが正当なユーザとして認証されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一形態である認証装置は、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を予め記憶する基準特徴量記憶手段と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を備える。
【0014】
これによれば、認証装置は、ユーザが、ユーザの顔のうちの開閉動作可能部位の状態(例えば、口又は目の開閉状態等)を、予め記憶されている基準特徴量に対応する状態に維持している場合に撮像を行ったとき、認証成功情報を出力する。一方、認証装置は、ユーザが、ユーザの開閉動作可能部位の状態を、予め記憶されている基準特徴量に対応する状態に維持していない場合に撮像を行ったとき、認証失敗情報を出力する。
【0015】
ところで、ユーザの背後からユーザの開閉動作可能部位の状態を見ることはできない。即ち、上記認証装置によれば、ユーザが入力している情報、即ち、ユーザの開閉動作可能部位の状態を、そのユーザの背後から第三者により盗み見られる可能性を低くすることができる。
【0016】
また、上記認証装置によれば、複数のユーザのそれぞれが、開閉動作可能部位の状態を基準特徴量に対応する状態に維持することにより、認証装置は、複数のユーザのそれぞれを正当なユーザとして認証することができる。
【0017】
このように、上記認証装置によれば、ユーザが入力している情報をそのユーザの背後から第三者により盗み見られる可能性を低くすることができ、且つ、複数のユーザのそれぞれが正当なユーザとして認証されることができる。
【0018】
この場合、上記認証装置は、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付手段と、
パスワード情報を基準パスワード情報として予め記憶するパスワード記憶手段と、
を備え、
上記認証手段は、上記受け付けられた入力パスワード情報と、上記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、上記入力特徴量と上記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に上記認証成功情報を出力するように構成されることが好適である。
【0019】
これによれば、認証装置は、ユーザの開閉動作可能部位の状態が基準特徴量に対応する状態に維持され、且つ、基準パスワード情報に対応する入力パスワード情報が入力された場合に、認証成功情報を出力する。これにより、第三者が正当なユーザとして不当に認証される可能性を低減することができる。
【0020】
この場合、
上記パスワード受付手段は、上記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
上記撮像手段は、上記パスワード受付手段が上記入力完了情報を受け付けた時に上記撮像の実行を開始するように構成されることが好適である。
【0021】
これによれば、ユーザが入力完了情報を入力することにより、認証装置は、撮像の実行を開始する。従って、ユーザは、認証装置に撮像の実行を開始させるために、入力完了情報を入力する操作以外の操作を行うことなく、認証装置に撮像を実行させることができる。即ち、ユーザの手間を軽減することができる。
【0022】
この場合、
上記基準特徴量記憶手段は、複数の基準特徴量を記憶し、
上記撮像手段は、上記パスワード受付手段が1つの文字を表す情報を受け付ける毎に上記撮像を実行するように構成され、
上記認証手段は、上記撮像手段により上記撮像が実行される毎に、上記入力特徴量と上記記憶された複数の基準特徴量の1つとが対応しているか否かを判定し、すべての入力特徴量に対して、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に上記認証成功情報を出力するように構成されることが好適である。
【0023】
これによれば、認証装置は、パスワード情報が表す文字列を構成する1つの文字を表す情報をユーザが入力する毎に、ユーザの開閉動作可能部位の状態が、複数の基準特徴量の1つに対応する状態に維持された場合に、認証成功情報を出力する。これにより、第三者が正当なユーザとして不当に認証される可能性をより一層低減することができる。
【0024】
この場合、
上記基準特徴量記憶手段は、複数の基準特徴量を記憶し、
ユーザにより入力され且つ上記記憶されている複数の基準特徴量のうちの1つを表す選択情報を受け付ける選択情報受付手段を備え、
上記認証手段は、上記記憶された複数の基準特徴量のうちの上記受け付けられた選択情報が表す基準特徴量と、上記入力特徴量と、が対応しているか否かを判定するように構成されることが好適である。
【0025】
この場合、
上記特徴量は、上記開閉動作可能部位の状態のうちの、口が開いている状態と口が閉じている状態とのいずれかの状態を表す量であることが好適である。
【0026】
この場合、
上記特徴量は、上記開閉動作可能部位の状態のうちの、口が大きく開いている状態と口が小さく開いている状態とのいずれかの状態を表す量であることが好適である。
【0027】
この場合、
上記特徴量は、上記開閉動作可能部位の状態のうちの、歯が見える状態と歯が見えない状態とのいずれかの状態を表す量であることが好適である。
【0028】
また、本発明の他の形態である携帯電話装置は、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を予め記憶する基準特徴量記憶手段と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を備える。
【0029】
この場合、上記携帯電話装置は、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付手段と、
パスワード情報を基準パスワード情報として予め記憶するパスワード記憶手段と、
を備え、
上記認証手段は、上記受け付けられた入力パスワード情報と、上記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、上記入力特徴量と上記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に上記認証成功情報を出力するように構成されることが好適である。
【0030】
この場合、
上記パスワード受付手段は、上記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
上記撮像手段は、上記パスワード受付手段が上記入力完了情報を受け付けた時に上記撮像の実行を開始するように構成されることが好適である。
【0031】
また、本発明の他の形態である認証プログラムは、
記憶装置を備える認証装置に、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を上記記憶装置に予め記憶させる基準特徴量記憶処理手段と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0032】
この場合、上記認証プログラムは、
更に、上記認証装置に、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付手段と、
パスワード情報を基準パスワード情報として上記記憶装置に予め記憶させるパスワード記憶処理手段と、
を実現させるとともに、
上記認証手段は、上記受け付けられた入力パスワード情報と、上記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、上記入力特徴量と上記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に上記認証成功情報を出力するように構成されることが好適である。
【0033】
この場合、
上記パスワード受付手段は、上記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
上記撮像手段は、上記パスワード受付手段が上記入力完了情報を受け付けた時に上記撮像の実行を開始するように構成されることが好適である。
【0034】
また、本発明の他の形態である認証方法は、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像工程と、
上記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出工程と、
上記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を記憶装置に予め記憶させる基準特徴量記憶処理工程と、
上記抽出された入力特徴量と、上記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証工程と、
を含む。
【0035】
この場合、上記認証方法は、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付工程と、
パスワード情報を基準パスワード情報として上記記憶装置に予め記憶させるパスワード記憶処理工程と、
を含み、
上記認証工程は、上記受け付けられた入力パスワード情報と、上記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、上記入力特徴量と上記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に上記認証成功情報を出力するように構成されることが好適である。
【0036】
この場合、
上記パスワード受付工程は、上記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
上記撮像工程は、上記パスワード受付工程にて上記入力完了情報が受け付けられた時に上記撮像の実行を開始するように構成されることが好適である。
【0037】
上述した構成を有する、携帯電話装置、認証プログラム、又は、認証方法、の発明であっても、上記認証装置と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0038】
以下、本発明に係る、認証装置、携帯電話装置、認証プログラム、及び、認証方法、の各実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。
【0039】
<第1実施形態>
図1に示したように、第1実施形態に係る認証装置が適用された携帯電話装置10は、アンテナ部11と、表示部12と、入力部13と、カメラ部14と、図示しない制御部と、を備えている。
【0040】
携帯電話装置10は、アンテナ部11が有するアンテナを介して図示しない基地局と通信可能に構成されている。表示部12は、ディスプレイを有する。表示部12は、制御部から出力された画像情報に基づいて、文字及び図形等からなる画像をディスプレイに表示させる。
【0041】
入力部13は、複数の入力キー(ボタン式スイッチ)を有する。携帯電話装置10は、これらの入力キーを介して、ユーザの操作に基づく情報が入力されるように構成されている。
【0042】
カメラ部14は、カメラを有する。カメラは、被写体が発する光を検出し、検出した光に応じた画像情報を生成する。カメラは、光を検出可能な状態と、光を検出不能な状態と、に状態が切り替わるように構成されている。カメラ部14は、制御部からの撮像指示に応じて、カメラの状態を、光を検出可能な状態に設定する。そして、カメラ部14は、カメラにより生成された画像情報を出力する。即ち、カメラ部14は、被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を出力する。
【0043】
制御部は、図示しないCPU(Central Processing Unit)及び記憶装置(メモリ)を備えている。携帯電話装置10は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されている。
【0044】
図2は、上記のように構成された携帯電話装置10の機能を表すブロック図である。この機能は、携帯電話装置10のCPUが後述する図4及び図5に示したフローチャートにより表されるプログラム等を実行することにより、実現される。
【0045】
この携帯電話装置10の機能は、パスワード記憶部(パスワード記憶手段、パスワード記憶処理手段、パスワード記憶処理工程)21と、パスワード受付部(パスワード受付手段)22と、基準特徴量記憶部(基準特徴量記憶手段、基準特徴量記憶処理手段、基準特徴量記憶処理工程)23と、選択情報受付部(選択情報受付手段)24と、認証部(認証手段)25と、撮像部(撮像手段)26と、特徴量抽出部(特徴量抽出手段)27と、を含む。
【0046】
パスワード記憶部21は、文字列を表すパスワード情報を基準パスワード情報として記憶装置に予め記憶させている。
【0047】
パスワード受付部22は、ユーザが入力キーを用いて入力したパスワード情報を入力パスワード情報として受け付ける。更に、パスワード受付部22は、ユーザが入力キーを用いて入力した入力完了情報を受け付ける。入力完了情報は、入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す情報である。
【0048】
基準特徴量記憶部23は、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位(本例では、口)の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を記憶装置に予め記憶させている。なお、特徴量は、開閉動作可能部位を撮像(撮影)した画像における色相、明度及び彩度等に基づいて(即ち、その画像を表す画像情報から予め定められたアルゴリズムに従って)抽出された量である。
【0049】
図3は、口の状態を5つの状態に分類した場合における各状態の口の画像を概念的に示した説明図である。第1の状態は、口が閉じている状態である。第2の状態は、口が小さく開いているとともに、歯が見える状態である。第3の状態は、口が小さく開いているとともに、歯が見えない状態である。第4の状態は、口が大きく開いているとともに、歯が見える状態である。第5の状態は、口が大きく開いているとともに、歯が見えない状態である。
【0050】
本例では、特徴量は、上記5つの状態のそれぞれを他の状態と識別するための量である。即ち、特徴量は、口が開いている状態と口が閉じている状態とのいずれかの状態を表し、且つ、口が大きく開いている状態と口が小さく開いている状態とのいずれかの状態を表し、且つ、歯が見える状態と歯が見えない状態とのいずれかの状態を表す量である。従って、本例では、基準特徴量記憶部23は、上記5つの状態のそれぞれを表す基準特徴量を記憶装置に予め記憶させている。
【0051】
また、選択情報受付部24は、基準特徴量記憶部23により記憶されている複数(本例では、5つ)の基準特徴量の中から1つの基準特徴量を選択させるための画像を表す画像情報を生成し、生成した画像情報に基づく画像を表示部12のディスプレイに表示させる。そして、選択情報受付部24は、ユーザが入力キーを用いて入力した選択情報を受け付ける。選択情報は、基準特徴量記憶部23により記憶されている複数の基準特徴量のうちの1つを表す情報である。
【0052】
認証部25は、パスワード受付部22により受け付けられた入力パスワード情報と、パスワード記憶部21により記憶されている基準パスワード情報と、が対応(本例では、一致)しているか否かを判定する。
【0053】
一方、撮像部26は、パスワード受付部22が入力完了情報を受け付けた場合であって、認証部25により、入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応していると判定された場合、カメラ部14を用いて撮像を行うことにより画像情報を生成する。即ち、撮像部26は、パスワード受付部22が入力完了情報を受け付けた時に撮像の実行を開始する、と言うことができる。
【0054】
そして、特徴量抽出部27は、撮像部26により生成された画像情報に基づいて、開閉動作可能部位(本例では、口)の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する。
【0055】
更に、認証部25は、特徴量抽出部27により抽出された入力特徴量と、選択情報受付部24により受け付けられた選択情報が表す基準特徴量と、が対応(本例では、一致)しているか否かを判定する。
【0056】
なお、認証部25は、所定のアルゴリズムに従って算出される入力特徴量及び基準特徴量の一致率(両者が一致している程度を表す指標値)が所定の閾値よりも高い場合に、入力特徴量と基準特徴量とが対応していると判定するように構成されていてもよい。
【0057】
そして、認証部25は、入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応していると判定し、且つ、入力特徴量と基準特徴量とが対応していると判定した場合、認証成功情報を出力する。認証成功情報は、認証が成功した旨を表す情報である。
【0058】
一方、認証部25は、入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応していないと判定した場合、及び/又は、入力特徴量と基準特徴量とが対応していないと判定した場合、認証失敗情報を出力する。認証失敗情報は、認証が失敗した旨を表す情報である。
【0059】
また、携帯電話装置10は、携帯電話装置10の少なくとも一部の機能(本例では、通話するための機能)を利用不能な状態(ロックした状態)と、当該機能を利用可能な状態(ロックを解除した状態)と、のいずれかの状態に状態を設定可能に構成されている。携帯電話装置10は、認証部25により認証成功情報が出力された場合、携帯電話装置10の状態を、ロックを解除した状態に設定する。一方、携帯電話装置10は、認証部25により認証失敗情報が出力された場合、携帯電話装置10の状態を、ロックした状態に設定する。
【0060】
次に、上述した携帯電話装置10の作動について具体的に述べる。
先ず、ユーザが、複数の基準特徴量の中から1つを選択し、選択した基準特徴量を表す選択情報を入力することにより、携帯電話装置10がその選択情報を記憶する際の作動について説明する。
【0061】
携帯電話装置10のCPUは、図4にフローチャートにより示した基準特徴量選択プログラムを、ユーザにより入力された実行指示に応じて実行するようになっている。
【0062】
具体的に述べると、CPUは、基準特徴量選択プログラムの処理を開始すると、パスワード情報を入力させるための画像を表示部12のディスプレイに表示させる。これにより、ユーザは、入力キーを用いて、各入力キーに対応付けられた入力情報を複数入力することにより、パスワード情報を入力する。
【0063】
そして、CPUは、ステップ405にて、ユーザにより入力された入力情報を受け付ける。次いで、CPUは、ステップ410にて、上記受け付けた入力情報が入力完了情報である(即ち、入力完了情報を受け付けた)か否かを判定する。
【0064】
この時点では、入力情報はパスワード情報の一部である。従って、入力情報は入力完了情報でない。従って、CPUは、ステップ410にて「No」と判定してステップ405へ戻り、ステップ405の処理を繰り返し実行する。
【0065】
その後、パスワード情報の入力が完了すると、ユーザは、入力完了情報を入力する。これにより、CPUは、ステップ410にて「Yes」と判定してステップ415に進む。更に、CPUは、入力完了情報を受け付けるまでに受け付けた入力情報を入力パスワード情報として受け付ける。
【0066】
そして、CPUは、ステップ415にて、受け付けた入力パスワード情報と、記憶装置に記憶されている基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定する。入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応していない場合、CPUは、ステップ415にて「No」と判定してステップ405〜ステップ410の処理を繰り返し実行する。即ち、ユーザは再びパスワード情報を入力する。
【0067】
一方、入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応している場合、CPUは、ステップ415にて「Yes」と判定してステップ420に進む。そして、CPUは、記憶されている複数の基準特徴量の中から1つの基準特徴量を選択させるための画像を表示部12のディスプレイに表示させる。そして、CPUは、選択情報を受け付けるまで待機する。
【0068】
一方、ユーザは、複数の基準特徴量の中から1つを選択し、選択した基準特徴量を表す選択情報を入力する。本例では、ユーザが、口が小さく開いているとともに、歯が見えない状態(第3の状態)を表す基準特徴量を選択した場合を想定して説明を続ける。
【0069】
これにより、携帯電話装置10は、選択情報を受け付ける。従って、CPUは、ステップ420にて、「Yes」と判定してステップ425へ進む。
【0070】
そして、CPUは、カメラ部14へ撮像指示を送る。これにより、カメラ部14は、撮像を行うことにより画像情報を生成する。
次いで、CPUは、ステップ430にて、カメラ部14により生成された画像情報から特徴量を入力特徴量として抽出(画像情報に基づいて入力特徴量を算出)する。
【0071】
そして、CPUは、ステップ435にて、上記ステップ430にて抽出された入力特徴量と、上記ステップ420にて受け付けた選択情報が表す基準特徴量と、が対応しているか否かを判定する。
【0072】
いま、上記ステップ425にてカメラ部14が撮像を行った時に、ユーザが、口の状態を、口が小さく開いているとともに、歯が見えない状態(第3の状態)に維持していた場合を想定して説明を続ける。
【0073】
この場合、入力特徴量と基準特徴量とが対応している。従って、CPUは、ステップ435にて「Yes」と判定してステップ440に進み、上記受け付けた選択情報を記憶装置に記憶させる。そして、CPUは、この基準特徴量選択プログラムの実行を終了する。
【0074】
なお、上記ステップ425にてカメラ部14が撮像を行った時に、ユーザが、口の状態を、第3の状態以外の状態に維持していた場合には、入力特徴量と基準特徴量とが対応していないので、CPUは、ステップ435にて「No」と判定してステップ420に戻り、ステップ420〜ステップ435の処理を繰り返し実行する。
【0075】
次に、携帯電話装置10が認証処理を行う際の作動について説明する。
携帯電話装置10のCPUは、図5にフローチャートにより示した認証処理プログラム(認証プログラム)を、ユーザにより入力された実行指示に応じて実行するようになっている。
【0076】
具体的に述べると、CPUは、認証処理プログラムの処理を開始すると、パスワード情報を入力させるための画像を表示部12のディスプレイに表示させる。これにより、ユーザは、入力キーを用いて、各入力キーに対応付けられた入力情報を複数入力することにより、パスワード情報を入力する。
【0077】
そして、CPUは、ステップ505にて、ユーザにより入力された入力情報を受け付ける。次いで、CPUは、ステップ510にて、上記受け付けた入力情報が入力完了情報である(即ち、入力完了情報を受け付けた)か否かを判定する。
【0078】
この時点では、入力情報はパスワード情報の一部である。従って、入力情報は入力完了情報でない。従って、CPUは、ステップ510にて「No」と判定してステップ505へ戻り、ステップ505の処理を繰り返し実行する。
【0079】
その後、パスワード情報の入力が完了すると、ユーザは、入力完了情報を入力する。これにより、CPUは、ステップ510にて「Yes」と判定してステップ515に進む。更に、CPUは、入力完了情報を受け付けるまでに受け付けた入力情報を入力パスワード情報として受け付ける(パスワード受付工程)。
【0080】
そして、CPUは、ステップ515にて、受け付けた入力パスワード情報と、記憶装置に記憶されている基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定する(認証工程の一部)。入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応していない場合、CPUは、ステップ515にて「No」と判定してステップ520に進み、認証失敗情報を出力する(認証工程の一部)。これにより、携帯電話装置10は、携帯電話装置10の状態を、ロックした状態に設定する。そして、CPUは、この認証処理プログラムの実行を終了する。
【0081】
一方、入力パスワード情報と基準パスワード情報とが対応している場合、CPUは、ステップ515にて「Yes」と判定してステップ525に進み、カメラ部14へ撮像指示を送る。これにより、カメラ部14は、撮像を行うことにより画像情報を生成する(撮像工程)。即ち、カメラ部14は、CPUが入力完了情報を受け付けた時に撮像の実行を開始する、と言うことができる。
【0082】
次いで、CPUは、ステップ530にて、カメラ部14により生成された画像情報から特徴量を入力特徴量として抽出する(特徴量抽出工程)。
そして、CPUは、ステップ535にて、上記ステップ530にて抽出された入力特徴量と、記憶されている選択情報が表す基準特徴量と、が対応しているか否かを判定する(認証工程の一部)。
【0083】
いま、上記ステップ525にてカメラ部14が撮像を行った時に、ユーザが、口の状態を、口が小さく開いているとともに、歯が見えない状態(第3の状態)に維持していた場合を想定して説明を続ける。
【0084】
この場合、入力特徴量と基準特徴量とが対応している。従って、CPUは、ステップ535にて「Yes」と判定してステップ540に進み、認証成功情報を出力する(認証工程の一部)。これにより、携帯電話装置10は、携帯電話装置10の状態を、ロックを解除した状態に設定する。そして、CPUは、この認証処理プログラムの実行を終了する。
【0085】
なお、上記ステップ525にてカメラ部14が撮像を行った時に、ユーザが、口の状態を、第3の状態以外の状態に維持していた場合には、入力特徴量と基準特徴量とが対応していないので、CPUは、ステップ535にて「No」と判定してステップ520に進み、認証失敗情報を出力する(認証工程の一部)。これにより、携帯電話装置10は、携帯電話装置10の状態を、ロックした状態に設定する。そして、CPUは、この認証処理プログラムの実行を終了する。
【0086】
以上、説明したように、本発明に係る携帯電話装置(認証装置)の第1実施形態によれば、携帯電話装置10は、ユーザが、開閉動作可能部位としての口の状態を、予め記憶されている基準特徴量に対応する状態に維持している場合に撮像を行ったとき、認証成功情報を出力する。一方、携帯電話装置10は、ユーザが、口の状態を、予め記憶されている基準特徴量に対応する状態に維持していない場合に撮像を行ったとき、認証失敗情報を出力する。
【0087】
ところで、ユーザの背後からユーザの口の状態を見ることはできない。即ち、第1実施形態によれば、ユーザが入力している情報、即ち、ユーザの口の状態を、そのユーザの背後から第三者により盗み見られる可能性を低くすることができる。
【0088】
また、第1実施形態によれば、複数のユーザのそれぞれが、口の状態を基準特徴量に対応する状態に維持することにより、携帯電話装置10は、複数のユーザのそれぞれを正当なユーザとして認証することができる。
【0089】
このように、第1実施形態によれば、ユーザが入力している情報をそのユーザの背後から第三者により盗み見られる可能性を低くすることができ、且つ、複数のユーザのそれぞれが正当なユーザとして認証されることができる。
【0090】
更に、第1実施形態によれば、携帯電話装置10は、ユーザの口の状態が基準特徴量に対応する状態に維持され、且つ、基準パスワード情報に対応する入力パスワード情報が入力された場合に、認証成功情報を出力する。これにより、第三者が正当なユーザとして不当に認証される可能性を低減することができる。
【0091】
加えて、第1実施形態によれば、ユーザが入力完了情報を入力することにより、携帯電話装置10は、撮像の実行を開始する。従って、ユーザは、携帯電話装置10に撮像の実行を開始させるために、入力完了情報を入力する操作以外の操作を行うことなく、携帯電話装置10に撮像を実行させることができる。即ち、ユーザの手間を軽減することができる。
【0092】
なお、第1実施形態においては、携帯電話装置10は、複数の基準特徴量を記憶装置に記憶させるように構成されていたが、1つの基準特徴量のみを記憶装置に記憶させるように構成されていてもよい。この場合、携帯電話装置10の機能は、図6に示したように、選択情報受付部24を含まないことが好適である。
【0093】
また、第1実施形態においては、携帯電話装置10は、開閉動作可能部位の状態を表す特徴量と、パスワード情報と、の両方に基づいて認証処理を行うように構成されていたが、開閉動作可能部位の状態を表す特徴量のみに基づいて認証処理を行うように構成されていてもよい。この場合、携帯電話装置10の機能は、パスワード記憶部21及びパスワード受付部22を含まないことが好適である。
【0094】
更に、第1実施形態の変形例において、携帯電話装置10は、1つの基準特徴量のみを記憶装置に記憶させるとともに、開閉動作可能部位の状態を表す特徴量のみに基づいて認証処理を行うように構成されていてもよい。この場合、携帯電話装置10の機能は、図7に示したように、パスワード記憶部21、パスワード受付部22及び選択情報受付部24を含まないことが好適である。
【0095】
また、第1実施形態において、携帯電話装置10は、パスワード情報に基づく認証処理を行った後に、特徴量に基づく認証処理を行うように構成されていたが、特徴量に基づく認証処理を行った後に、パスワード情報に基づく認証処理を行うように構成されていてもよい。
【0096】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯電話装置について説明する。第2実施形態に係る携帯電話装置は、上記第1実施形態に係る携帯電話装置に対して、1つの文字を表す情報を受け付ける毎に撮像を実行する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0097】
第2実施形態に係る携帯電話装置10の機能である撮像部26は、パスワード受付部22が1つの文字を表す情報(入力情報)を受け付ける毎に撮像を実行する。
【0098】
更に、基準特徴量記憶部23は、複数の基準特徴量を、順序を表す情報である順序情報と対応付けて記憶装置に記憶させている。
【0099】
また、認証部25は、撮像部26により撮像が実行される毎に、基準特徴量記憶部23により記憶されている基準特徴量の中から、基準特徴量と対応付けられた順序情報が表す順序に従って1つずつ基準特徴量を取得する。
【0100】
そして、認証部25は、撮像部26により撮像が実行される毎に、取得した基準特徴量と、入力特徴量と、が対応しているか否かを判定する。認証部25は、すべての入力特徴量に対して、入力特徴量と基準特徴量とが対応していると判定した場合、認証成功情報を出力する。一方、認証部25は、いずれか1つの入力特徴量に対して、入力特徴量と基準特徴量とが対応していないと判定した場合、認証失敗情報を出力する。
【0101】
このように構成された携帯電話装置10によれば、携帯電話装置10は、パスワード情報が表す文字列を構成する1つの文字を表す情報をユーザが入力する毎に、ユーザの口の状態が、予め設定された基準特徴量に対応する状態に維持された場合に、認証成功情報を出力する。これにより、第三者が正当なユーザとして不当に認証される可能性をより一層低減することができる。
【0102】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記各実施形態においては、開閉動作可能部位は、口であったが、口以外の部位(例えば、目)であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、ユーザが正当なユーザであることを認証するための処理を行う認証システム等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の第1実施形態に係る携帯電話装置の概略構成を表す図である。
【図2】図1に示した携帯電話装置の機能の概略を表すブロック図である。
【図3】口の状態を5つの状態に分類した場合における各状態の口の画像を概念的に示した説明図である。
【図4】図1に示した携帯電話装置のCPUが実行する基準特徴量選択プログラムを示したフローチャートである。
【図5】図1に示した携帯電話装置のCPUが実行する認証処理プログラムを示したフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態の変形例に係る携帯電話装置の機能の概略を表すブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態の変形例に係る携帯電話装置の機能の概略を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0105】
10 携帯電話装置
11 アンテナ部
12 表示部
13 入力部
14 カメラ部
21 パスワード記憶部
22 パスワード受付部
23 基準特徴量記憶部
24 選択情報受付部
25 認証部
26 撮像部
27 特徴量抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
前記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
前記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を予め記憶する基準特徴量記憶手段と、
前記抽出された入力特徴量と、前記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を備える認証装置。
【請求項2】
請求項1に記載の認証装置であって、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付手段と、
パスワード情報を基準パスワード情報として予め記憶するパスワード記憶手段と、
を備え、
前記認証手段は、前記受け付けられた入力パスワード情報と、前記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、前記入力特徴量と前記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に前記認証成功情報を出力するように構成された認証装置。
【請求項3】
請求項2に記載の認証装置であって、
前記パスワード受付手段は、前記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
前記撮像手段は、前記パスワード受付手段が前記入力完了情報を受け付けた時に前記撮像の実行を開始するように構成された認証装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の認証装置であって、
前記基準特徴量記憶手段は、複数の基準特徴量を記憶し、
前記撮像手段は、前記パスワード受付手段が1つの文字を表す情報を受け付ける毎に前記撮像を実行するように構成され、
前記認証手段は、前記撮像手段により前記撮像が実行される毎に、前記入力特徴量と前記記憶された複数の基準特徴量の1つとが対応しているか否かを判定し、すべての入力特徴量に対して、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に前記認証成功情報を出力するように構成された認証装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の認証装置であって、
前記基準特徴量記憶手段は、複数の基準特徴量を記憶し、
ユーザにより入力され且つ前記記憶されている複数の基準特徴量のうちの1つを表す選択情報を受け付ける選択情報受付手段を備え、
前記認証手段は、前記記憶された複数の基準特徴量のうちの前記受け付けられた選択情報が表す基準特徴量と、前記入力特徴量と、が対応しているか否かを判定するように構成された認証装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の認証装置であって、
前記特徴量は、前記開閉動作可能部位の状態のうちの、口が開いている状態と口が閉じている状態とのいずれかの状態を表す量である認証装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の認証装置であって、
前記特徴量は、前記開閉動作可能部位の状態のうちの、口が大きく開いている状態と口が小さく開いている状態とのいずれかの状態を表す量である認証装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の認証装置であって、
前記特徴量は、前記開閉動作可能部位の状態のうちの、歯が見える状態と歯が見えない状態とのいずれかの状態を表す量である認証装置。
【請求項9】
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
前記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
前記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を予め記憶する基準特徴量記憶手段と、
前記抽出された入力特徴量と、前記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を備える携帯電話装置。
【請求項10】
請求項9に記載の携帯電話装置であって、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付手段と、
パスワード情報を基準パスワード情報として予め記憶するパスワード記憶手段と、
を備え、
前記認証手段は、前記受け付けられた入力パスワード情報と、前記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、前記入力特徴量と前記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に前記認証成功情報を出力するように構成された携帯電話装置。
【請求項11】
請求項10に記載の携帯電話装置であって、
前記パスワード受付手段は、前記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
前記撮像手段は、前記パスワード受付手段が前記入力完了情報を受け付けた時に前記撮像の実行を開始するように構成された携帯電話装置。
【請求項12】
記憶装置を備える認証装置に、
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像手段と、
前記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
前記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を前記記憶装置に予め記憶させる基準特徴量記憶処理手段と、
前記抽出された入力特徴量と、前記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証手段と、
を実現させるための認証プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の認証プログラムであって、
更に、前記認証装置に、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付手段と、
パスワード情報を基準パスワード情報として前記記憶装置に予め記憶させるパスワード記憶処理手段と、
を実現させるとともに、
前記認証手段は、前記受け付けられた入力パスワード情報と、前記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、前記入力特徴量と前記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に前記認証成功情報を出力するように構成された認証プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の認証プログラムであって、
前記パスワード受付手段は、前記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
前記撮像手段は、前記パスワード受付手段が前記入力完了情報を受け付けた時に前記撮像の実行を開始するように構成された認証プログラム。
【請求項15】
被写体を撮像することにより当該被写体が発する光に応じた画像情報を生成する撮像工程と、
前記生成された画像情報に基づいて、顔のうちの開閉動作が可能な部位である開閉動作可能部位の状態を表す特徴量を入力特徴量として抽出する特徴量抽出工程と、
前記開閉動作可能部位の状態を表す特徴量の基準値である基準特徴量を記憶装置に予め記憶させる基準特徴量記憶処理工程と、
前記抽出された入力特徴量と、前記記憶された基準特徴量と、が対応しているか否かを判定し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していると判定した場合に認証が成功した旨を表す認証成功情報を出力し、当該入力特徴量と当該基準特徴量とが対応していないと判定した場合に認証が失敗した旨を表す認証失敗情報を出力する認証工程と、
を含む認証方法。
【請求項16】
請求項15に記載の認証方法であって、
ユーザにより入力され且つ文字列を表すパスワード情報を入力パスワード情報として受け付けるパスワード受付工程と、
パスワード情報を基準パスワード情報として前記記憶装置に予め記憶させるパスワード記憶処理工程と、
を含み、
前記認証工程は、前記受け付けられた入力パスワード情報と、前記記憶された基準パスワード情報と、が対応しているか否かを判定し、前記入力特徴量と前記基準特徴量とが対応していると判定し且つ当該入力パスワード情報と当該基準パスワード情報とが対応していると判定した場合に前記認証成功情報を出力するように構成された認証方法。
【請求項17】
請求項16に記載の認証方法であって、
前記パスワード受付工程は、前記入力パスワード情報の入力が完了した旨を表す入力完了情報を受け付けるように構成され、
前記撮像工程は、前記パスワード受付工程にて前記入力完了情報が受け付けられた時に前記撮像の実行を開始するように構成された認証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−15352(P2010−15352A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174274(P2008−174274)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】