誘導加熱用加熱コイル装置及びその製造方法。
【課題】効率的冷却が行なえ、組立作業性よく、低コストで、レアショートを防ぎ、効率的に製造できる誘導熱コイル装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】コイル台5に、高周波コイルを形成する導電性の拠り線からなる導体を挿置する渦巻状凹部1を外周縁部面上と、フェライト装着部8と、補強用支部4に夫々設け、フェライト装着部と補強用支部間に扇状空隙3を設けた。また、コイル台を、凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台とで合体して渦巻状凹部を形成し、コイル台の一方の面に当接するガイドピンと加圧ローラー部により、ガイドピンが渦巻状凹部に這わせて移動するよう回転させ導体を支持し、前記加圧ローラー部により前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部内に挿置する工程を有する製造方法とした。
【解決手段】コイル台5に、高周波コイルを形成する導電性の拠り線からなる導体を挿置する渦巻状凹部1を外周縁部面上と、フェライト装着部8と、補強用支部4に夫々設け、フェライト装着部と補強用支部間に扇状空隙3を設けた。また、コイル台を、凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台とで合体して渦巻状凹部を形成し、コイル台の一方の面に当接するガイドピンと加圧ローラー部により、ガイドピンが渦巻状凹部に這わせて移動するよう回転させ導体を支持し、前記加圧ローラー部により前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部内に挿置する工程を有する製造方法とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭及びレストラン等で使用される誘導加熱装置に関し、特にその誘導加熱用加熱コイル装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱コイルについて、図11〜図14を用いて説明する。
【0003】
実開昭56−166694号公報と図11、図12に示されている様に、コイル台20は耐熱性樹脂と磁性粉末との複合磁性体より構成し、前記コイル台に渦巻状凹部22を設けて高周波コイル21を挿入し巻回した物であった。
【0004】
又、特開昭61−161687号公報と図13に示されている様に、コイル台23の一方の面に当接するローラー体24とを準備し、コイル体の始端を挿入した後、コイル台を回転させてローラー体24によりその導体を支持・押圧しながら順次、コイル台上全面に形成してある溝内に圧挿入で装着する方法を用いている。
【0005】
これらは、いずれにしても、導体の冷却効果が悪い為に、特開昭61−71581号公報と図14に示す様に、厚さ方向に複数の空間部Sを設けた樹脂製コイル台27の上面にコイルを形成する平面渦巻状のエナメル線28を直接搭置固定する手段を用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 実開昭56−166694号公報
【特許文献2】 特開昭61−161687号公報
【特許文献3】 特開昭61−71581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の加熱コイルは図11、図12のように渦巻状凹部22を持ったコイル台20が渦巻状導体21の底に一様に広がっており、強制空冷等による送風機の冷却風が渦巻状導体21に当たりにくい構造であり、効率的冷却が行なえなかった。また、コイル台20の材料は耐熱性樹脂と磁性粉末との複合磁性体の為、その製造にコストがかかった。
【0008】
また、この改善のため、図14のように樹脂でコイル台を形成し、その台上に、コイルを形成する平面渦巻状のエナメル線28を直接搭置し、放射状に形成した棒状又は板状のフェライトを覆う樹脂の厚さを同程度にし、その樹脂のコイル台27は、金型成形で製造する場合、金型内の樹脂の流れを金型の中心部から外周部又はその逆の方向に一方向に流れるようにしたコイル台の製造方法があるが、エナメル線と隣接のエナメル線とが直接接しているので、エナメル線が磨耗した場合は絶縁効果の衰えが生じると共に、平面渦巻状のエナメル線28をコイル台27に絶縁固定剤等で塗布して直接搭置するのでその組立作業が煩雑でコストがかかり、コイル台上におけるコイル体の位置決めや固定剤の均一な層を形成するのが難しい。
【0009】
その為に、図13に示すようなコイル台23の一方の面に当接するローラー体24とを準備し、コイル体の始端を挿入した後、コイル台23を回転させてローラー体24によりその導体25を支持・押圧しながら順次、コイル台上全面に形成してある溝内に圧挿入で装着する方法を用いるが、強制装着させるために溝に負荷が掛かり絶縁不良が生じ易いと共にローラー体24とコイル台23に搭載する搭載台26の相互の回転機構調整が難しく、特に、間欠的に通風可能にした形状のコイル台の場合には、その間欠部分に導体を螺旋状に合わせて形成することは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、コイル台の材料を耐熱及び高強度樹脂として構成し、高周波コイルを形成する導電性の拠り線からなる導体を挿置する渦巻状凹部を、コイル台の外周縁部面上と、フェライト焼結体を内収納する複数の装置面上と、及び、少なくとも装置面間に形成した補強用支持部面上に夫々設けられていると共ない、前記フェライト焼結体を収納する複数の装置間及び隣接する前記装置と一つの前記補強用支持部間に夫々扇状空隙が設けられてコイル台を形成する。
【0011】
第2に、高周波コイルを形成する導電性の撚り線からなる導体と、前記中央周縁部から前記外周縁部に向けて放射状に形成した複数の扇状貫通空隙部を有すると共に、そのトッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の第1巻状凹部及び貫通孔を有する中央周縁部の第2巻状凹部を有する絶縁性コイル台と、前記貫通空隙部に嵌出入する扇状突起面を有し、該扇状突起面に第3巻状凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台とで合体して渦巻状凹部を形成する工程と、該コイル台の一方の面に当接するガイドピンと加圧ローラー部を備え、前記第1及び第2巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔に該導体の始端を挿入する工程と、前記コイル台を搭載した前記載置台を、前記ガイドピンが渦巻状凹部に這わせて移動するよう回転させ前記導体を支持し、前記加圧ローラー部により前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部内に挿置する工程、前記始端を挿入した孔のもう一方に前記導体の終端を挿入する工程及び前記搭載移動台を前記絶縁性コイル台から合体分離する工程を少なくとも有することを特徴とする誘導加熱用加熱コイル装置の製造方法とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明により、渦巻状凹部内に挿置形成されたコイルの一部が露出する扇状貫通空隙部が設けられているため、冷却風が扇状貫通空隙部を通過することにより、導体を効率的に冷却することが可能である。
【0013】
請求項2の発明により、コイル台の材質を耐熱、高強度樹脂とすることにより、充分な耐熱性の確保とロールと押圧台に耐え、ガイドピンにより凹部が破壊し、引っかからない事を可能にした。
【0014】
請求項3の発明により、補強用支持部によって、露出した渦巻状導体の一部を固定かつコイル台の強度確保を可能としている。
【0015】
請求項4の発明により、各隣接する各導体間に設けられている渦巻状凹部の凸状突起により各隣接する各導体間を絶縁することによって、各隣接する各導体間のレアショートを防ぐことが可能である。
【0016】
請求項5、6の発明により、前記の端子導出する溝を設けることにより、始端部及び終端部の被覆付導体を安易に固定することが可能である。
【0017】
請求項7の発明により、前記渦巻状凹部内から導体が外れることなくコイル台上のコイルの位置決めは容易になり,コイル部分の形成の際にコイル台との固定が行えると共に、効率的に誘導加熱用加熱コイル装置を製造する事を可能とした。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例及び製造方法を図1〜9を用いて説明する。
本発明は、図1、2の渦巻状凹部1をもった電気絶縁材料で構成されたコイル台5を用いる。
【0019】
前記渦巻状凹部1は、トッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の面上と、貫通孔2を有する中央縁部から前記外周縁部に向けて放射状に設けた図3のフェライト燒結体7を内収納した図1、3の複数のフェライト装置部8の面上とに設けられている。
【0020】
また、前記フェライト装置部8の間には前記渦巻状凹部1内に挿置形成された渦巻状導体の一部が露出する図1、3の扇状貫通空隙部3が設けられており、前記扇状貫通空隙部3の間には前記フェライト装置部8に沿って図1、3の補強用支持部4が一体に設けられ、その面上には前記渦巻状凹部1の一部が形成されている。
【0021】
前記コイル台を構成する電気絶縁材料は、本実施例の場合、ガラス繊維+熱可塑性樹脂を用いている。
【0022】
また、前記補強用支部4の裏面には、前記渦巻状凹部1の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔2を有し、図3、4の該孔に接続する端子導出する溝6が設けられており、前記溝の形状は、本事例では断面略U字状としてある。
【0023】
次に、本発明コイルの製造方法を図5〜9を用いて表すと、前記貫通空隙部4に嵌出入する図5、6の扇状突起面9を有し、該扇状突起面9に第3巻状凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台10とで合体して図7のような連続した渦巻状凹部11を形成した後、第1及び第2巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に導体を挿入する孔2に該導体の始端を挿入する工程を行ない、図8、9のガイドピン12が平面渦巻状凹部に這わせて移動するから前記載置移動台10を回転させ導体13を支持し、前記加圧ローラー部14で前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部1内に正確に挿置し平面渦巻状に巻き線を行ってコイルを形成し得る。
【0024】
本実施例は、φ0.31、39本のリッツ線を用いて、21ターンのコイルを生成し、コイル台の裏側には、図3のようにフェライト焼結体7を嵌め込んでいる。
【0025】
図10に上記工程で作成した本発明品コイルの完成形を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例、コイル台上面図
【図2】本発明の実施例、図1のA部拡大断面図
【図3】本発明の実施例、コイル台底面図
【図4】本発明の実施例、図3のB部拡大断面図
【図5】本発明の実施例、コイル台載置台上面図
【図6】本発明の実施例、コイル台載置台正面図
【図7】本発明の実施例、コイル台載置移動台とコイル台嵌合時上面図
【図8】本発明の実施例、コイル作成時治具正面図
【図9】本発明の実施例、コイル作成時治具上面図
【図10】本発明の実施例、コイル完成形上面図
【図11】特許文献1の加熱コイル上面図
【図12】特許文献1の加熱コイル正面図
【図13】特許文献2の加熱コイル製造方法正面図
【図14】特許文献3の加熱コイル底面図
【符号の説明】
【0027】
1 渦巻状凹部
2 貫通孔
3 扇状貫通空隙部
4 補強用支部
5 コイル台
6 端子導出溝
7 フェライト焼結体
8 フェライト装置部
9 扇状突起面
10 載置移動台
11 連続した渦巻状凹部
12 ガイドピン
13 導体
14 加圧ローラー部
【技術分野】
【0001】
本発明は一般家庭及びレストラン等で使用される誘導加熱装置に関し、特にその誘導加熱用加熱コイル装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱コイルについて、図11〜図14を用いて説明する。
【0003】
実開昭56−166694号公報と図11、図12に示されている様に、コイル台20は耐熱性樹脂と磁性粉末との複合磁性体より構成し、前記コイル台に渦巻状凹部22を設けて高周波コイル21を挿入し巻回した物であった。
【0004】
又、特開昭61−161687号公報と図13に示されている様に、コイル台23の一方の面に当接するローラー体24とを準備し、コイル体の始端を挿入した後、コイル台を回転させてローラー体24によりその導体を支持・押圧しながら順次、コイル台上全面に形成してある溝内に圧挿入で装着する方法を用いている。
【0005】
これらは、いずれにしても、導体の冷却効果が悪い為に、特開昭61−71581号公報と図14に示す様に、厚さ方向に複数の空間部Sを設けた樹脂製コイル台27の上面にコイルを形成する平面渦巻状のエナメル線28を直接搭置固定する手段を用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 実開昭56−166694号公報
【特許文献2】 特開昭61−161687号公報
【特許文献3】 特開昭61−71581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の加熱コイルは図11、図12のように渦巻状凹部22を持ったコイル台20が渦巻状導体21の底に一様に広がっており、強制空冷等による送風機の冷却風が渦巻状導体21に当たりにくい構造であり、効率的冷却が行なえなかった。また、コイル台20の材料は耐熱性樹脂と磁性粉末との複合磁性体の為、その製造にコストがかかった。
【0008】
また、この改善のため、図14のように樹脂でコイル台を形成し、その台上に、コイルを形成する平面渦巻状のエナメル線28を直接搭置し、放射状に形成した棒状又は板状のフェライトを覆う樹脂の厚さを同程度にし、その樹脂のコイル台27は、金型成形で製造する場合、金型内の樹脂の流れを金型の中心部から外周部又はその逆の方向に一方向に流れるようにしたコイル台の製造方法があるが、エナメル線と隣接のエナメル線とが直接接しているので、エナメル線が磨耗した場合は絶縁効果の衰えが生じると共に、平面渦巻状のエナメル線28をコイル台27に絶縁固定剤等で塗布して直接搭置するのでその組立作業が煩雑でコストがかかり、コイル台上におけるコイル体の位置決めや固定剤の均一な層を形成するのが難しい。
【0009】
その為に、図13に示すようなコイル台23の一方の面に当接するローラー体24とを準備し、コイル体の始端を挿入した後、コイル台23を回転させてローラー体24によりその導体25を支持・押圧しながら順次、コイル台上全面に形成してある溝内に圧挿入で装着する方法を用いるが、強制装着させるために溝に負荷が掛かり絶縁不良が生じ易いと共にローラー体24とコイル台23に搭載する搭載台26の相互の回転機構調整が難しく、特に、間欠的に通風可能にした形状のコイル台の場合には、その間欠部分に導体を螺旋状に合わせて形成することは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、コイル台の材料を耐熱及び高強度樹脂として構成し、高周波コイルを形成する導電性の拠り線からなる導体を挿置する渦巻状凹部を、コイル台の外周縁部面上と、フェライト焼結体を内収納する複数の装置面上と、及び、少なくとも装置面間に形成した補強用支持部面上に夫々設けられていると共ない、前記フェライト焼結体を収納する複数の装置間及び隣接する前記装置と一つの前記補強用支持部間に夫々扇状空隙が設けられてコイル台を形成する。
【0011】
第2に、高周波コイルを形成する導電性の撚り線からなる導体と、前記中央周縁部から前記外周縁部に向けて放射状に形成した複数の扇状貫通空隙部を有すると共に、そのトッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の第1巻状凹部及び貫通孔を有する中央周縁部の第2巻状凹部を有する絶縁性コイル台と、前記貫通空隙部に嵌出入する扇状突起面を有し、該扇状突起面に第3巻状凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台とで合体して渦巻状凹部を形成する工程と、該コイル台の一方の面に当接するガイドピンと加圧ローラー部を備え、前記第1及び第2巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔に該導体の始端を挿入する工程と、前記コイル台を搭載した前記載置台を、前記ガイドピンが渦巻状凹部に這わせて移動するよう回転させ前記導体を支持し、前記加圧ローラー部により前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部内に挿置する工程、前記始端を挿入した孔のもう一方に前記導体の終端を挿入する工程及び前記搭載移動台を前記絶縁性コイル台から合体分離する工程を少なくとも有することを特徴とする誘導加熱用加熱コイル装置の製造方法とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明により、渦巻状凹部内に挿置形成されたコイルの一部が露出する扇状貫通空隙部が設けられているため、冷却風が扇状貫通空隙部を通過することにより、導体を効率的に冷却することが可能である。
【0013】
請求項2の発明により、コイル台の材質を耐熱、高強度樹脂とすることにより、充分な耐熱性の確保とロールと押圧台に耐え、ガイドピンにより凹部が破壊し、引っかからない事を可能にした。
【0014】
請求項3の発明により、補強用支持部によって、露出した渦巻状導体の一部を固定かつコイル台の強度確保を可能としている。
【0015】
請求項4の発明により、各隣接する各導体間に設けられている渦巻状凹部の凸状突起により各隣接する各導体間を絶縁することによって、各隣接する各導体間のレアショートを防ぐことが可能である。
【0016】
請求項5、6の発明により、前記の端子導出する溝を設けることにより、始端部及び終端部の被覆付導体を安易に固定することが可能である。
【0017】
請求項7の発明により、前記渦巻状凹部内から導体が外れることなくコイル台上のコイルの位置決めは容易になり,コイル部分の形成の際にコイル台との固定が行えると共に、効率的に誘導加熱用加熱コイル装置を製造する事を可能とした。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例及び製造方法を図1〜9を用いて説明する。
本発明は、図1、2の渦巻状凹部1をもった電気絶縁材料で構成されたコイル台5を用いる。
【0019】
前記渦巻状凹部1は、トッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の面上と、貫通孔2を有する中央縁部から前記外周縁部に向けて放射状に設けた図3のフェライト燒結体7を内収納した図1、3の複数のフェライト装置部8の面上とに設けられている。
【0020】
また、前記フェライト装置部8の間には前記渦巻状凹部1内に挿置形成された渦巻状導体の一部が露出する図1、3の扇状貫通空隙部3が設けられており、前記扇状貫通空隙部3の間には前記フェライト装置部8に沿って図1、3の補強用支持部4が一体に設けられ、その面上には前記渦巻状凹部1の一部が形成されている。
【0021】
前記コイル台を構成する電気絶縁材料は、本実施例の場合、ガラス繊維+熱可塑性樹脂を用いている。
【0022】
また、前記補強用支部4の裏面には、前記渦巻状凹部1の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔2を有し、図3、4の該孔に接続する端子導出する溝6が設けられており、前記溝の形状は、本事例では断面略U字状としてある。
【0023】
次に、本発明コイルの製造方法を図5〜9を用いて表すと、前記貫通空隙部4に嵌出入する図5、6の扇状突起面9を有し、該扇状突起面9に第3巻状凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台10とで合体して図7のような連続した渦巻状凹部11を形成した後、第1及び第2巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に導体を挿入する孔2に該導体の始端を挿入する工程を行ない、図8、9のガイドピン12が平面渦巻状凹部に這わせて移動するから前記載置移動台10を回転させ導体13を支持し、前記加圧ローラー部14で前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部1内に正確に挿置し平面渦巻状に巻き線を行ってコイルを形成し得る。
【0024】
本実施例は、φ0.31、39本のリッツ線を用いて、21ターンのコイルを生成し、コイル台の裏側には、図3のようにフェライト焼結体7を嵌め込んでいる。
【0025】
図10に上記工程で作成した本発明品コイルの完成形を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例、コイル台上面図
【図2】本発明の実施例、図1のA部拡大断面図
【図3】本発明の実施例、コイル台底面図
【図4】本発明の実施例、図3のB部拡大断面図
【図5】本発明の実施例、コイル台載置台上面図
【図6】本発明の実施例、コイル台載置台正面図
【図7】本発明の実施例、コイル台載置移動台とコイル台嵌合時上面図
【図8】本発明の実施例、コイル作成時治具正面図
【図9】本発明の実施例、コイル作成時治具上面図
【図10】本発明の実施例、コイル完成形上面図
【図11】特許文献1の加熱コイル上面図
【図12】特許文献1の加熱コイル正面図
【図13】特許文献2の加熱コイル製造方法正面図
【図14】特許文献3の加熱コイル底面図
【符号の説明】
【0027】
1 渦巻状凹部
2 貫通孔
3 扇状貫通空隙部
4 補強用支部
5 コイル台
6 端子導出溝
7 フェライト焼結体
8 フェライト装置部
9 扇状突起面
10 載置移動台
11 連続した渦巻状凹部
12 ガイドピン
13 導体
14 加圧ローラー部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波コイルを形成する導電性の撚り線からなる導体を挿置する連続した渦巻状凹部が、トッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の面上と、貫通孔を有する中央縁部から前記外周縁部に向けて放射状に設けたフェライト燒結体を内収納した複数のフェライト装置部の面上とに少なくとも設けられていると共に、前記フェライト装置部間には前記渦巻状凹部内に挿置形成された渦巻状導体の一部が露出する扇状貫通空隙部が設けられている円状コイル台を同一電気絶縁材料で一体に形成してなることを特徴とする誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項2】
前記電気絶縁材料は耐熱及び高強度樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項3】
前記扇状貫通空隙部間には前記フェライト装置部に沿って補強用支持部が一体に設けられ、その面上には前記渦巻状凹部の一部が形成されていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項4】
前記渦巻状導体の各隣接する各導体間は前記渦巻状凹部の凸状突起で接触絶縁されていることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項3に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項5】
前記補強用支持部の裏面には、前記渦巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔を有し、該孔に接続する端子導出する溝が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項6】
前記端子導出する溝は、U字状溝または引っ掛け部を有するL字状溝とすることを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項7】
高周波コイルを形成する導電性の撚り線からなる導体と、前記中央周縁部から前記外周縁部に向けて放射状に形成した複数の扇状貫通空隙部を有すると共に、そのトッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の第1巻状凹部及び貫通孔を有する中央周縁部の第2巻状凹部を有する絶縁性コイル台と、前記貫通空隙部に嵌出入する扇状突起面を有し、該扇状突起面に第3巻状凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台とで合体して渦巻状凹部を形成する工程と、該コイル台の一方の面に当接するガイドピンと加圧ローラー部を備え、前記第1及び第2巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔に該導体の始端を挿入する工程と、前記コイル台を搭載した前記載置台を、前記ガイドピンが渦巻状凹部に這わせて移動するよう回転させ前記導体を支持し、前記加圧ローラー部により前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部内に挿置する工程、前記始端を挿入した孔のもう一方に前記導体の終端を挿入する工程及び前記搭載移動台を前記絶縁性コイル台から合体分離する工程を少なくとも有することを特徴とする誘導加熱用加熱コイル装置の製造方法。
【請求項1】
高周波コイルを形成する導電性の撚り線からなる導体を挿置する連続した渦巻状凹部が、トッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の面上と、貫通孔を有する中央縁部から前記外周縁部に向けて放射状に設けたフェライト燒結体を内収納した複数のフェライト装置部の面上とに少なくとも設けられていると共に、前記フェライト装置部間には前記渦巻状凹部内に挿置形成された渦巻状導体の一部が露出する扇状貫通空隙部が設けられている円状コイル台を同一電気絶縁材料で一体に形成してなることを特徴とする誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項2】
前記電気絶縁材料は耐熱及び高強度樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項3】
前記扇状貫通空隙部間には前記フェライト装置部に沿って補強用支持部が一体に設けられ、その面上には前記渦巻状凹部の一部が形成されていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項4】
前記渦巻状導体の各隣接する各導体間は前記渦巻状凹部の凸状突起で接触絶縁されていることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項3に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項5】
前記補強用支持部の裏面には、前記渦巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔を有し、該孔に接続する端子導出する溝が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項6】
前記端子導出する溝は、U字状溝または引っ掛け部を有するL字状溝とすることを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱用加熱コイル装置。
【請求項7】
高周波コイルを形成する導電性の撚り線からなる導体と、前記中央周縁部から前記外周縁部に向けて放射状に形成した複数の扇状貫通空隙部を有すると共に、そのトッププレート側に対峙する面上側の外周縁部の第1巻状凹部及び貫通孔を有する中央周縁部の第2巻状凹部を有する絶縁性コイル台と、前記貫通空隙部に嵌出入する扇状突起面を有し、該扇状突起面に第3巻状凹部を上面に設けた回転自在に支持した載置移動台とで合体して渦巻状凹部を形成する工程と、該コイル台の一方の面に当接するガイドピンと加圧ローラー部を備え、前記第1及び第2巻状凹部の始端部及び終端部の少なくとも一方に前記導体を挿入する孔に該導体の始端を挿入する工程と、前記コイル台を搭載した前記載置台を、前記ガイドピンが渦巻状凹部に這わせて移動するよう回転させ前記導体を支持し、前記加圧ローラー部により前記導体を押圧しながら順次前記渦巻状凹部内に挿置する工程、前記始端を挿入した孔のもう一方に前記導体の終端を挿入する工程及び前記搭載移動台を前記絶縁性コイル台から合体分離する工程を少なくとも有することを特徴とする誘導加熱用加熱コイル装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−146355(P2011−146355A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22542(P2010−22542)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(594200884)三化工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(594200884)三化工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
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