説明

誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ

【課題】本発明は、LCDバックライトインバータにおいて、メイントランスの2次側で電磁気誘導方式及び全波整流方式を利用するバックライトインバータを提供することにある。
【解決手段】PWM方式で制御される1次電圧を発生する駆動部と、1次コイル及び2次コイルとを含み、上記駆動部からの1次電圧を上記1次コイル及び2次コイルの巻線比率に応じて2次電圧に変換し、上記2次コイルの両端に各々連結された両端を有するランプに上記2次電圧を出力するメイントランスと、上記メイントランスの2次コイルと上記ランプ間の電流ライン上に形成された1次補助コイルと、2次補助コイルを含み、上記ランプに流れる電流を上記1次及び2次補助コイルの巻線比率に応じて電磁気誘導方式で検出する補助トランスと、上記補助トランスによって検出された電流を全波整流する全波整流部と、上記全波整流部からの電圧に基づいて上記1次電圧のPWMデューティを制御する駆動制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型エルシディ(以下、‘LCD'とする)−TV及び大型LCDモニターなどのLCDバックライトインバータに関するもので、特にワンランプ−ワントランス方式のバックライトインバータにおいて、メイントランスの2次側で電磁気誘導方式及び全波整流方式を利用してランプの電流を正確に検出するよう実現することによって、ランプ電流を一定、かつ安定になるよう制御することができ、これによりルミナンスを一定に維持させることができる誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、LCD−TV及びLCD−モニター市場が益々大型化されるにつれてバックライトユニット(Back Light Unit)に装着されるランプ(Lamp)数が徐々に増加するようになり、さらにランプの管形状及びランプの管長さが次第に大きくなるようになり、その後ランプを駆動させる方式も多様に変化しつつある。
【0003】
このような傾向により、従来のLCD用バックライトインバータも、略17インチ程度の小型LCDに適用されるインバータと17インチ以上の大型LCDに適用されるインバータに分けられて製作されるが、上記小型LCDに適用されるインバータは、略500〜800Vrmsランプ1次電圧を発生させ、ランプ電流を検出して安定化させるためのフィードバックノードはランプのコールド端に形成されている。
【0004】
また、上記大型LCDに適用されるバックライトインバータには、長さの長い直管型ランプまたはU字形ランプ等のように、従来の小型LCDバックライトインバータに適用されるランプよりは相対的に長さの長いランプが適用され、このような長いランプは略1KVrms程度の2次電圧が求められるため、このような長いランプ駆動にも様々な解決すべき技術的な課題があり、その中の一つがランプに流れる電流をいかにして検出して定電流モード(Mode)に制御するかにある。
【0005】
特に、大型LCD用バックライトインバータは、2つのトランスを利用して一つのランプを駆動する方式であって、ホット端とコールド端の区分が曖昧で、小型LCD用インバータとは異なって、ランプのコールド(cold)端で電流をセンシング(Sensing)することが望ましくないので、他のルート(root)を通してランプ電流を制御する方式が採択されている。このような従来のバックライトインバータ中の一つは図1に示す通りである。
【0006】
図1は、従来のLCD用バックライトインバータの構成図である。図1を参照すると、従来の大型LCD用バックライトインバータは略1KVrms程度の高い1次電圧を要するUランプ(U字形ランプ)30を駆動させるために2つの第1と第2次トランス21、22とを含み、上記第1と第2トランス21、22のそれぞれは各該当する第1及び第2駆動部11、12とによる球形派信号(直流信号)を昇圧して交流信号に変換し、上記ランプ30の動作に必要な相互逆位上関係である第1と第2交流駆動電流AS1、AS2とを上記ランプ30の一側及び他側に供給する。
【0007】
上記ランプ30に流れる電流を一定に制御するために、上記バックライトインバータは上記第1と第2トランス21、22との各2次コイルの接地側にフィードバックノードを連結した電流検出部40とを含む。上記電流検出部40は当該トランスの2次に流れる電流による電圧を検出してフィードバックする。
【0008】
このような電流検出部40によって検出された電流に基づいて、駆動制御部50は上記該第1及び第2駆動部11、12とを制御してランプ30に流れる駆動電流が定電流となるよう制御する。
【0009】
図2は、図1のバックライトインバータの駆動電流波形図である。図2を参照すると、上記第1と第2トランス21、22の各々から上記ランプ30に供給される第1と第2交流駆動電流AS1、AS2は相互逆位上関係にあり、このような逆位上関係である第1と第2交流駆動電流AS1、AS2によって上記ランプ30に駆動電流が流れる。
【0010】
このような駆動電流を検出するための電流検出部40は、上記第1トランス21の2次コイルの接地側に連結された第1抵抗R1と、上記第2トランス22の2次コイルの接地側に連結された第2抵抗R2とを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、このような従来の大型LCD用バックライトインバータにおいて、一つのUランプ30を動作させるために2つのトランスが必要であるため、価格が上昇される短所がある。このような短所は製品に対する小型化及び低廉化に限界とされるので、大きさ及び価格の側面を考慮すると好ましくない駆動方式である。
【0012】
このような短所のため、一つのトランスで二つのUランプ、4つの直管型ランプを駆動させる方式が研究及び開発されているが、このような1−トランス2−Uランプまたは1−トランス4−ランプ方式では、ランプに供給される電圧が略750〜1000V内の任意の電圧と非常に高い電圧であるため、このような高い2次電圧状態でランプに流れる電流を上記1次及び2次補助コイルL21、L22の巻線比率に応じて検出する方式が必要である。
【0013】
本発明は、上記した問題点を解決するために提案されたものであり、その目的はワンランプ−ワントランス方式のバックライトインバータにおいて、メイントランスの2次側から電磁気誘導方式及び全波整流方式を利用してランプの電流を正確に検出するよう実現することによって、ランプ電流を一定、かつ安定になるように制御することができ、これによりルミナンスを一定に維持させることができる誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した本発明の目的を達成するために、本発明の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータは、PWM方式で制御される1次電圧を発生する駆動部と、1次及び2次コイルとを含み、前記駆動部からの1次電圧を前記1次及び2次コイルの巻線比率に応じて2次電圧に変換し、前記2次コイルの両端に各々連結された両端を有するランプに前記交流駆動電流を出力するメイントランスと、前記メイントランスの2次コイルと前記ランプ間の電流ライン上に形成された1次補助コイルと、前記1次補助コイルに誘導結合された2次補助コイルを含み、前記ランプに流れる電流を前記1次及び2次補助コイルの巻線比率に応じて検出する補助トランスと、前記補助トランスによって検出された電流を全波整流する全波整流部と、前記全波整流部からの電圧に基づいて前記1次電圧のPWMデューティを制御する駆動制御部と、を含んでなることを特徴とする。
【0015】
前記全波整流部は、前記補助トランスの2次補助コイルの一端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換する第1受動素子と、前記補助トランスの2次補助コイルの他端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換する第2受動素子と、前記第1受動素子によって変換された電圧を整流する第1整流ダイオードと、前記第2受動素子によって変換された電圧を整流する第2整流ダイオードと、を含むことを特徴とする。
【0016】
前記第1受動素子及び第2受動素子は、それぞれ第1抵抗及び第2抵抗から成ることを特徴とする。前記全波整流部は、前記第1抵抗に並列に連結され、前記第1抵抗の+端に連結されたカソードと前記第1抵抗の−端に連結されたアノードを有する第1保護ダイオードと、前記第2抵抗に並列に連結され、前記第2抵抗の+端に連結されたカソードと前記第2抵抗の−端に連結されたアノードを有する第2保護ダイオードと、をさらに含むことを特徴とする。前記第1及び第2受動素子は、それぞれ第1キャパシタ及び第2キャパシタから成ることを特徴とする。
【0017】
前記全波整流部は、前記補助トランスの2次補助コイルの一端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換するための基準電位を設定する第1基準電位ダイオードと、前記補助トランスの2次補助コイルの他端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換するための基準電位を設定する第2基準電位ダイオードと、前記第1基準電位ダイオードによって設定された基準電位を基準に、前記2次補助コイルの一端からの電流を整流する第1整流ダイオードと、前記第2基準電位ダイオードによって設定された基準電位を基準に、前記2次補助コイルの他端からの電流を整流する第2整流ダイオードと、前記第1及び第2整流ダイオードの出力が合わせられて全波整流された電流を電圧に変換する出力受動素子と、を含むことを特徴とする。前記出力受動素子は抵抗またはキャパシタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、大型LCD−TV及び大型LCDモニターなどのLCDバックライトインバータ中、ワンランプ−ワントランス方式のバックライトインバータにおいて、メイントランスの2次側で電磁気誘導方式及び全波整流方式を利用してランプの電流の検出感度を向上させることができるため、電流をより正確に検出することができ、これによりランプ電流を一定かつ安定になるように制御することができ、かつルミナンスを一定に維持させることができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましき実施例を添付した図面を参照して詳しく説明する。本発明に参照された図面において実質的に同一な構成及び機能を有する構成要素は同一な符号を付す。
【0020】
図3は本発明による大型LCD用バックライトインバータの構成図である。図3を参照すると、本発明によるバックライトインバータは、一つのトランスで二つのUランプ、または4つの直管型ランプを駆動する方式から、ランプに流れる電流を誘導方式で検出して全波整流する方式を採用しており、このような本発明の大型LCD用バックライトインバータは、駆動部100、メイントランス200、補助トランス300、全波整流部400及び駆動制御部500とを含む。
【0021】
図3を参照すると、上記駆動部100は上記駆動制御部500の制御によりPWM方式で制御される階段波形の1次電圧V1を発生するように構成される。
【0022】
上記メイントランス200は、1次コイルL1及び2次コイルL2とを含み、上記駆動部100からの1次電圧V1を1次コイルL1及び2次コイルL2の巻線比率に応じて2次電圧V2に変換し、上記2次コイルL2の両端に各々連結された両端を有するランプULに上記2次電圧V2を出力するようになされる。上記1次コイルL1及び2次コイルL2の巻線比率は適用されるランプによって互いに異なり、適用されたランプで要求される電流または電圧正格によって定められる。
【0023】
本発明の補助トランス300は、上記メイントランス200の2次コイルL2と上記ランプUL間の電流ラインCL上に形成された1次補助コイルL21と、上記1次補助コイルL21に誘導結合された2次補助コイルL22を含み、上記ランプULに流れる電流を上記1次補助コイル及び2次補助コイルL21、L22との巻線比率に応じて検出するようになされる。このような誘導方式のトランスを使用する場合、ランプの高い電圧に影響を受けず所望の電流を検出することが可能となる長所がある。
【0024】
本発明の全波整流部400は、上記補助トランス300によって検出された電流を全波整流し、これは上記補助トランス300の2次補助コイルL22の一端と接地の間に連結され、上記2次補助コイルL22からの電流を電圧に変換する第1受動素子PD410と、上記補助トランス300の2次補助コイルL22の他端と接地の間に連結され、上記2次補助コイル300からの電流を電圧に変換する第2受動素子PD420と、上記第1受動素子PD410によって変換された電圧を整流する第1整流ダイオードD410と、上記第2受動素子PD420によって変換された電圧を整流する第2整流ダイオードD420とを含む。
【0025】
上記駆動制御部500は、上記全波整流部400からの電圧と内部の設定電圧を比較して、その比較結果に応じて上記駆動部100の1次電圧V1のPWMデューティを制御するようになされる。
【0026】
図4は、図3のメイントランスの1次電圧及び出力電流波形図であって、図4において、V1は上記駆動部100から出力されて上記メイントランス200に入力される1次電圧であり、AD1及びAD2は上記メイントランス200から出力される出力電流である。
【0027】
図5は、本発明によるUランプULの両端電圧(2次電圧)波形図であって、図5での電圧波形は上記メイントランス200から出力される2次電圧の波形であり、上記2次電圧V2の正電圧は800Vrmsで、上記2次電圧V2の負電圧は800Vrmsであり、上記2次電圧V2は略1600Vrmsである。
【0028】
上記全波整流部400に対する具体的な実現例を図6(a)、(b)及び(c)を参照して説明する。
【0029】
図6(a)、(b)及び(c)は、本発明の全波整流部に対する実現回路図であって、図6(a)は上記第1及び第2受動素子PD410、PD420とがそれぞれ第1抵抗R410及び第2抵抗R420からなる(図3参照)。
【0030】
また、図6(b)を参照すると、上記全波整流部400は、上記第1抵抗R410に並列に連結され、上記第1抵抗R410の+端に連結されたカソードと上記第1抵抗R410の−端に連結されたアノードを有する第1保護ダイオードD430と、上記第2抵抗R420に並列に連結され、上記第2抵抗R420の+端に連結されたカソードと上記第2次抵抗R420の−端に連結されたアノードを有する第2保護ダイオードD440とを含む。
【0031】
しかも、上記第1受動素子及び第2受動素子PD410、PD420とは、それぞれ第1キャパシタ及び第2キャパシタから成る。
【0032】
一方、図6(c)を参照すると、上記全波整流部400は、上記補助トランス300(図3参照)の2次補助コイルL22の一端と接地の間に連結され、上記2次補助コイルL22からの電流を電圧に変換するための基準電位を設定する第1基準電位ダイオードD409(D450)と、上記補助トランス300の2次補助コイルL22の他端と接地の間に連結され、上記2次補助コイルL22からの電流を電圧に変換するための基準電位を設定する第2基準電位ダイオードD419(D460)と、上記第1基準電位ダイオードD409によって設定された基準電位を基準に、上記2次補助コイルL22の一端からの電流を整流する第1整流ダイオードD410と、上記第2基準電位ダイオードD419によって設定された基準電位を基準に、上記2次補助コイルL22の他端からの電流を整流する第2整流ダイオードD420と、上記第1及び第2整流ダイオードD410、D420との出力が合わせられて全波整流された電流を電圧に変換する出力受動素子PD430(図6(b)参照)とを含む。この際、上記出力受動素子PD430は、抵抗またはキャパシタから成る。
【0033】
以下、本発明の作用及び効果を添付した図面に基づいて詳しく説明する。
【0034】
本発明のバックライトインバータは、発光効率の高いCCFLが適用される大型LCDTVまたはLCDモニターに適切であり、これについて図3乃至図7を参照して説明する。
【0035】
図3を参照すると、本発明のバックライトインバータにおいて、駆動部100は駆動制御部500によってPWM方式で制御される1次電圧V1を発生してメイントランス200に供給する。上記1次電圧V1は階段波形で、図4に示す通りである。
【0036】
図3及び図4を参照すると、上記メイントランス200は、上記駆動部100からの1次電圧V1を1次コイルL1及び2次コイルL2の巻線比率に応じて2次電圧V2に変換し、上記2次コイルL2の両端にそれぞれ連結された両端を有するランプULに上記2次電圧V2を出力する。
【0037】
ここで、上記UランプULの両端に印加される上記2次電圧V2は、図5に示すように略1600Vrms程度と高い電圧である。
【0038】
これによって直接検出方式によると、上記ランプUKに流れる電流を抵抗などの素子で直接検出する場合には、抵抗などの検出素子の高い電圧によって損傷を受ける恐れがあるので、本発明のバックライトインバータでは図3に示すように、電磁気誘導方式の補助トランス300を利用して上記ランプに流れる電流を上記1次及び2次補助コイルL21、L22との巻線比率に応じて検出する。
【0039】
図4を参照すると、上記駆動部100からの1次電圧V1はPWM方式で制御される階段波形の電圧であり、このような1次電圧V1は上記メイントランス200によって上記2次電圧V2に変換される。そして、上記メイントランス200の各端では出力される出力電流AD1、AD2は上記ランプULの各端に供給される。
【0040】
また、図5を参照すると、上記メイントランス200から出力される2次電圧V2は、その正電圧が800Vrmsで、その負電圧が800Vrmsであるので、このような正電圧及び負電圧を合わせて略1600Vrmsであり、このような高い2次電圧V2がランプに供給される。
【0041】
以下、上記誘導方式でランプULに流れる電流を検出する過程について説明する。
【0042】
図3を参照すると、上記補助トランス300において、上記メイントランス200の2次コイルL2から上記ランプULに流れる電流は、電流ラインCL上に形成された上記補助トランス300の1次補助コイルL21から2次補助コイルL22に誘起される。
【0043】
この際、上記1次補助コイルL21には上記メイントランス200と上記ランプの間に電流が流れるようになり、上記1次補助コイルL21に流れる電流は上記2次補助コイルL22に誘起され、上記2次補助コイルL22から両端に電流が流れるようになる。
【0044】
即ち、上記ランプULに流れる電流は上記1次補助コイルL21から上記2次補助コイルL22に誘起され、この際、上記補助トランス300の2次補助コイルL22に誘起される電流は、上記2次補助コイルL22の中間に位置する仮想接地を中心に両端に流れるようになり、このような上記2次補助コイルL22の両端に流れる電流は下記に説明する全波整流部400によって全波整流される。
【0045】
図3乃至図5を参照すると、上記全波整流部400に対する動作を説明すると、先ず、第1受動素子PD410によって上記2次補助コイルL22からの電流が電圧に変換され、第2受動素子PD420によって上記2次補助コイル300からの電流が電圧に変換される。
【0046】
この際、上記第1受動素子PD410によって検出された電圧は第1整流ダイオードD410によって整流され、上記第2受動素子PD420によって検出された電圧は第2整流ダイオードD420によって整流される。
【0047】
その後、上記第1及び第2整流ダイオードD410、D420との出力が合わせられて全波整流される。その後、上記全波整流部400は、上記補助トランス300によって検出された電流を全波整流して上記駆動制御部500に供給する。
【0048】
一方、上記第1受動素子PD410及び第2受動素子PD420は抵抗またはキャパシタから成ることができ、抵抗を成す場合については図6を参照して説明する。
【0049】
以下、上記全波整流部400については、図6(a)、(b)及び(c)を参照して説明する。
【0050】
先ず、図6(a)を参照して、本発明の全波整流部400について説明すると、上記補助トランス300の1次及び2次補助コイルL21、L22との巻線比率に応じて、上記メイントランス200とランプULの間に流れる電流が上記補助トランス300の2次補助コイルL22に誘起され、上記2次補助コイルL22の両端にそれぞれ電流が流れる。
【0051】
この際、上記全波整流部400の第1抵抗R410は上記補助トランス300の2次補助コイルL22の一端と接地の間に流れる電流SC1を電圧に変換し、さらに、上記全波整流部400の第2抵抗R420は上記補助トランス300の2次補助コイルL22の他端と接地の間に流れる電流SC2を電圧に変換する。
【0052】
上記第1抵抗R410によって変換された電圧VD1は、第1整流ダイオードD410によって半波電流され、図7に示すような電圧波形S1となる。上記第2抵抗R420によって変換された電圧VD2は、第2整流ダイオードD420によって半波整流され、図7に示す電圧波形S2となる。上記第1及び第2整流ダイオードD410、D420によって半波整流された各電圧波形S1、S2が合わせられると図7の電圧波形S3のように全波整流された電圧が生成される。この際、上記電圧波形S3が平滑されると、図7に示した波形S4のように直流(DC)電圧となって上記駆動制御部500に供給される。
【0053】
次に、図6(b)を参照して、本発明の全波整流部400について説明する。図6(b)を参照すると、上記全波整流部400において、上記第1抵抗R410に第1保護ダイオードD430が並列に連結され、上記第2抵抗R420に第2保護ダイオードD440が並列に連結される場合には、サージなどの過渡電圧流入時に動作してサージなどの過渡電圧から第1及び第2抵抗R410、R420とを始めとする素子を保護することが可能となる。
【0054】
他の一方、本発明の全波整流部400は図6(c)のように実現でき、図6(c)を参照して本発明の全波整流部400に対する他の実現例を説明する。
【0055】
図6(c)を参照すると、上記全波整流部400の第1基準電位ダイオードD409(D450)は上記2次補助コイルL22からの電流を電圧に変換するための基準電位を設定し、上記全波整流部400の第2基準電位ダイオードD419(D460)は上記2次補助コイルL22からの電流を電圧に変換するための基準電位を設定する。
【0056】
この際、上記全波整流部400の第1整流ダイオードD410は、上記第1基準電位ダイオードD409によって設定された基準電位を基準に、上記2次補助コイルL22の一端からの電流を整流する。また、上記全波整流部400の第2整流ダイオードD420は、上記第2基準電位ダイオードD419(D460)によって設定された基準電位を基準に、上記2次補助コイルL22の他端からの電流を整流する。次に、上記全波整流部400の出力受動素子PD430は、上記第1及び第2整流ダイオードD410、D420の出力が合わせられて全波整流された電流を電圧に変換する。
【0057】
この際、上記出力受動素子PD430は、抵抗またはキャパシタから成ることができ、抵抗またはキャパシタから成る場合にも上記第1及び第2整流ダイオードD410、D420とから全波整流された電流を電圧に変換する。
【0058】
その後、上記駆動制御部500は上記全波整流部400からの電圧に基づいて上記駆動部100の1次電圧V1のPWMデューティを制御する。このような駆動制御部500の制御によって上記駆動部100は1次電圧に対してPWM方式でデューティを制御するが、このようなPWM制御方式は本技術分野において一般的な技術的事項であるのでさらに詳細な説明は省略する。これにより上記ランプULに流れる電流は一定に維持される。
【0059】
先述したように、本発明の全波整流部400を上記補助トランス300と共に使用するようになると、上記全波整流部400によって検出される電圧が半波整流に比べて大きくなるので、電流を検出する感度を改善することができ、さらに上記補助トランス300の2次コイルのターン数を減らすことが可能で、かつ小型の補助トランスを使用することができるようになる。
【0060】
このような本発明の補助トランス及び全波整流部によって、ランプに流れる電流を安定した直流電圧を検出することができるようになり、これにより上記駆動制御部及び駆動部によってランプの駆動電流を殆ど変動なく一定の電流に制御することが可能となり、ランプの輝度を安定したレベルに維持させることができるようになる。
【0061】
以上説明した本発明は、先述した実施例及び添付された図面によって限定されるものではなく特許請求の範囲によって限定され、本発明の装置は本発明の技術的思想を外れない範囲内において様々に置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】従来の大型LCD用バックライトインバータの構成図である。
【図2】図1のバックライトインバータの駆動電流波形図である。
【図3】本発明による大型LCD用バックライトインバータの構成図である。
【図4】図3のメイントランスの1次電圧及び出力電流波形図である。
【図5】本発明によるUランプULの両端電圧(2次電圧)波形図である。
【図6】(a)、(b)及び(c)は、本発明の全波整流部に対する実現回路図である。
【図7】本発明の全波整流部の電圧波形図である。
【符号の説明】
【0063】
100 駆動部
200 メイントランス
300 補助トランス
400 全波整流部
500 駆動制御部
V1 1次電圧
L1 1次コイル
L2 2次コイル
UL ランプ
CL 電流ライン
L21 1次補助コイル
L22 2次補助コイル
AD1 第1出力電流
AD2 第2出力電流
PD410 第1受動素子
PD420 第2受動素子
R410 第1抵抗
R420 第2抵抗
D409 第1基準電位ダイオード
D419 第2基準電位ダイオード
D410 第1整流ダイオード
D420 第2整流ダイオード
D430 第1保護ダイオード
D440 第2保護ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PWM方式で制御される1次電圧を発生する駆動部と、
1次及び2次コイルを含み、前記駆動部からの1次電圧を前記1次及び2次コイルの巻線比率に応じて2次電圧に変換し、前記2次コイルの両端に各々連結された両端を有するランプに前記交流駆動電流を出力するメイントランスと、
前記メイントランスの2次コイルと前記ランプ間の電流ライン上に形成された1次補助コイルと、前記1次補助コイルに誘導結合された2次補助コイルとを含み、前記ランプに流れる電流を前記1次及び2次補助コイルの巻線比率に応じて検出する補助トランスと、
前記補助トランスによって検出された電流を全波整流する全波整流部と、
前記全波整流部からの電圧に基づいて前記1次電圧のPWMデューティを制御する駆動制御部と、
を含んでなることを特徴とする誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。
【請求項2】
前記全波整流部は、前記補助トランスの2次補助コイルの一端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換する第1受動素子と、
前記補助トランスの2次補助コイルの他端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換する第2受動素子と、
前記第1受動素子によって変換された電圧を整流する第1整流ダイオードと、
前記第2受動素子によって変換された電圧を整流する第2整流ダイオードと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。
【請求項3】
前記第1及び第2受動素子は、それぞれ第1及び第2抵抗から成ることを特徴とする請求項2に記載の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。
【請求項4】
前記全波整流部は、前記第1抵抗に並列に連結され、前記第1抵抗の+端に連結されたカソードと前記第1抵抗の−端に連結されたアノードを有する第1保護ダイオードと、
前記第2抵抗に並列に連結され、前記第2抵抗の+端に連結されたカソードと前記第2抵抗の−端に連結されたアノードを有する第2保護ダイオードと、
をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。
【請求項5】
前記第1受動素子及び第2受動素子は、それぞれ第1及び第2キャパシタから成ることを特徴とする請求項2に記載の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。
【請求項6】
前記全波整流部は、前記補助トランスの2次補助コイルの一端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換するための基準電位を設定する第1基準電位ダイオードと、
前記補助トランスの2次補助コイルの他端と接地の間に連結され、前記2次補助コイルからの電流を電圧に変換するための基準電位を設定する第2基準電位ダイオードと、
前記第1基準電位ダイオードによって設定された基準電位を基準に、前記2次補助コイルの一端からの電流を整流する第1整流ダイオードと、
前記第2基準電位ダイオードによって設定された基準電位を基準に、前記2次補助コイルの他端からの電流を整流する第2整流ダイオードと、
前記第1整流ダイオード及び第2整流ダイオードの出力が合わせられて全波整流された電流を電圧に変換する出力受動素子と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。
【請求項7】
前記出力受動素子は、抵抗であることを特徴とする請求項6に記載の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。
【請求項8】
前記出力受動素子は、キャパシタであることを特徴とする請求項6に記載の誘導方式の電流検出機能を有するバックライトインバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−16420(P2008−16420A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198793(P2006−198793)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】