説明

調弦装置

【課題】調弦を行う者が第1弦、および第2弦の調弦すべき基準音高を認識していない場合であっても、第1弦、および第2弦をそれぞれ基準音高に容易に設定することができる調弦装置を提供すること。
【解決手段】マイク31により収音された楽音の音高が境界音メモリ36eに記憶された音名の音高以下の場合には、外弦チューニングランプ19を消灯した上で、里弦チューニングランプ18を使用して偏差を表示する。よって、里弦を基準音高に調弦する場合には、まず、里弦♭チューニングランプ18a、または里弦♯チューニングランプ18bのいずれかが点滅するように調弦し、その後、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bが点灯するように調弦すれば良い。従って、二胡用チューナ10の使用者が、設定すべき里弦に対する基準音高を認識していない場合であっても、その使用者は、里弦を基準音高に容易に設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は調弦装置に関し、特に、調弦を行う者が第1弦、および第2弦の調弦すべき基準音高を認識していない場合であっても、第1弦、および第2弦をそれぞれ基準音高に容易に設定することができる調弦装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ギター等の弦楽器の弦振動の音高(周波数)を検出し、その検出した音高と基準音高との偏差を表示することにより、弦楽器の調弦を行う楽器用調弦装置(チューナ)に関しては、例えば、特開2004−53779号公報や特開平5−66767号公報に記載の調律装置が知られている。この特開2004−53779号公報に記載の調律装置は、ギター用の調律(調弦)装置であり、基準音高選択スイッチ103_1の選択操作によりギターの各弦毎に基準音高を設定することで、各弦毎に設定された基準音高と弦振動による音高との偏差を表示するものである。また、特開平5−66767号公報に記載の調律装置は、基準音高を設定することなく、検出した音高(弦振動による音高)に近い音名、およびその音名の音高に対する偏差の両方を表示器に表示するものである。
【特許文献1】特開2004−53779号公報
【特許文献2】特開平5−66767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記の調律(調弦)装置を用いて、二胡を代表とする2つの弦から構成される弦楽器を調律(調弦)する場合には、次の問題点がある。即ち、特開2004−53779号公報の調律装置を用いる場合には、調律を行う者は、各弦に対応する基準音高を調律装置に間違いなく設定しなければならないので、特に各基準音高の記憶が曖昧である初心者は、調律装置を使用する度に、設定すべき各基準音高を確認する作業が必要になるという問題点があった。更に、調律を行う者は、調律装置に設定した2つの弦の各基準音高が、基準音高選択スイッチ103_1のどの位置に対応して設定されたかを正確に記憶しておかなければならない。よって、もしこれを忘れた場合には、再度、調弦(チューニング)しようとする2つの弦の各弦に対応する基準音高を調律装置に設定し直さなければならないという問題点があった。
【0004】
加えて、特開平5−66767号公報の調律装置を用いる場合には、検出した音高(弦振動による音高)に近い音名、およびその音名の音高に対する偏差の両方が表示器に表示されるので、調律を行う者は、この表示された音名と偏差との両方を確認しながら調律を行わなければならない。よって、調律作業は煩雑となり、直感的に行うことが出来ないという問題点があった。また、調律装置に調弦しようとする2つの弦の基準音高を予め設定することができないので、調律を行う者は、調律すべき音高を、調弦しようとする2つの弦の各弦に対応して正確に記憶しておかなければならない。よって、調律すべき各音高の記憶が曖昧である初心者は、調律装置を使用する度に、調律すべき各音高を確認する作業を行わなければならないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、調弦を行う者が第1弦、および第2弦の調弦すべき基準音高を認識していない場合であっても、第1弦、および第2弦をそれぞれ基準音高に容易に設定することができる調弦装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載の調弦装置は、第1弦と第2弦とから構成される弦楽器から出力される楽音の音高を検出し、その検出した音高と予め設定された基準音高との偏差を表示するものであり、前記弦楽器から出力された楽音を収音する収音手段と、その収音手段により収音された楽音の音高を検出する音高検出手段と、前記第1弦に対する基準音高を設定する第1基準音高設定手段と、前記第2弦に対する基準音高を設定する第2基準音高設定手段と、前記音高検出手段により検出された音高と前記第1基準音高設定手段により設定された基準音高との偏差を表示する第1表示手段と、前記音高検出手段により検出された音高と前記第2基準音高設定手段により設定された基準音高との偏差を表示する第2表示手段とを備えている。
【0007】
請求項2記載の調弦装置は、請求項1記載の調弦装置において、前記第1基準音高設定手段により設定される第1弦に対する基準音高は、前記第2基準音高設定手段により設定される第2弦に対する基準音高よりも低い音高に設定されるものであり、前記第1弦に対する基準音高と前記第2弦に対する基準音高との間にある音高のうち、1の音高を境界音高として設定する境界音高設定手段と、その境界音高設定手段により設定された境界音高と前記音高検出手段により検出された音高とを比較して、いずれの音高が高いかを判定する音高判定手段と、前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと前記音高判定手段により判定された場合には、前記第1表示手段に前記偏差を表示させる第1表示制御手段と、前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高より高い、またはその境界音高以上と前記音高判定手段により判定された場合には、前記第2表示手段に前記偏差を表示させる第2表示制御手段とを備えている。
【0008】
なお、音高検出手段により検出された音高が境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと音高判定手段により判定され、第1表示手段に偏差が表示される場合には、第2表示手段を、停止状態としても良いし、表示可能な状態としても良い。音高検出手段により検出された音高が境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと音高判定手段により判定されたときに、第2表示手段を表示可能な状態とした場合には、第2表示手段には、偏差の表示に代えて、例えば、第1表示手段に表示される偏差に注目することを促すメッセージ等を表示しても良い。なお、音高検出手段により検出された音高が境界音高設定手段により設定された境界音高より高い、またはその境界音高以上と音高判定手段により判定された場合には、第1表示手段と第2表示手段とを上記した構成とは逆の構成にすれば良い。
【0009】
請求項3記載の調弦装置は、請求項1、または2に記載の調弦装置において、前記第1表示制御手段は、前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと前記音高判定手段により判定された場合には、前記第2表示手段の表示を停止する第1用停止手段を備え、前記第2表示制御手段は、前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高より高い、またはその境界音高以上と前記音高判定手段により判定された場合には、前記第1表示手段の表示を停止する第2用停止手段を備えている。
【0010】
請求項4記載の調弦装置は、請求項1から3のいずれかに記載の調弦装置において、前記第1弦に対する基準音高と前記第2弦に対する基準音高とを一組の音高情報とし、その音高情報を複数組記憶する基準音高記憶手段と、その基準音高記憶手段に記憶された複数組の音高情報から一組の音高情報を選択する選択手段とを備え、前記第1基準音高設定手段は、前記第1弦に対する基準音高の設定を、前記選択手段により選択された一組の音高情報の第1弦に対する基準音高に応じて変更するものであり、前記第2基準音高設定手段は、前記第2弦に対する基準音高の設定を、前記選択手段により選択された一組の音高情報の第2弦に対する基準音高に応じて変更するものである
【0011】
請求項5記載の調弦装置は、請求項1から4のいずれかに記載の調弦装置において、前記弦楽器は、前記第1弦を里弦とし、前記第2弦を外弦として、その里弦、および外弦を棹から所定の間隔を隔てた位置に配設する二胡であり、その二胡の棹に装着されると共に前記所定の間隔を隔てて里弦、および外弦を配設することにより生じる空間に配置される筐体を備え、前記第1表示手段、および第2表示手段は、その筐体に設けられている。
【0012】
請求項6記載の調弦装置は、請求項5記載の調弦装置において、前記筐体に配設される第1表示手段、および第2表示手段は、前記筐体が前記棹に装着された場合にその棹の長手方向に沿って並べて設けられており、前記第2表示手段は、前記第1表示手段と前記二胡の琴托との間となる位置に配置されている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の調弦装置によれば、第1基準音高設定手段は第1弦に対する基準音高を設定し、第2基準音高設定手段は第2弦に対する基準音高を設定する。すると、第1表示手段によって、第1基準音高設定手段により設定された基準音高と音高検出手段により検出された音高との偏差が表示される。また、第2表示手段によって、第2基準音高設定手段により設定された基準音高と音高検出手段により検出された音高との偏差が表示される。このように、第1表示手段は、第1基準音高設定手段により設定された第1弦に対する基準音高を基準とした偏差を表示し、第2表示手段は、第2基準音高設定手段により設定された第2弦に対する基準音高を基準とした偏差を表示する。よって、第1表示手段により表示された偏差をなくすように第1弦を調弦し、第2表示手段により表示された偏差をなくすように第2弦を調弦すれば、調弦を行う者が第1弦、および第2弦の調弦すべき基準音高を認識していない場合であっても、第1弦、および第2弦の音高を、それぞれに対応する基準音高に容易に設定することができるという効果がある。
【0014】
請求項2記載の調弦装置によれば、請求項1記載の調弦装置の奏する効果に加え、音高判定手段は、境界音高設定手段により設定された境界音高と音高検出手段により検出された音高とを比較して、いずれの音高が高いかを判定する。そして、音高判定手段によって、音高検出手段により検出された音高が境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと判定された場合には、第1表示制御手段は、音高検出手段により検出された音高と第1基準音高設定手段により設定された基準音高との偏差を第1表示手段に表示させる。一方、音高判定手段によって、音高検出手段により検出された音高が境界音高設定手段により設定された境界音高より高い、またはその境界音高以上と判定された場合には、第2表示制御手段は、音高検出手段により検出された音高と第2基準音高設定手段により設定された基準音高との偏差を第2表示手段に表示させる。このように、音高検出手段により検出された音高に応じて第1表示手段、または第2表示手段のいずれか一方に偏差を表示させるので、調弦を行う者は、第1表示手段、および第2調弦手段の表示の両方を見ることなく、調弦を行う弦に対応する表示手段、すなわち第1弦の調弦の際には第1表示手段、第2弦の調律の際には第2表示手段に表示された偏差を見て調弦を行うことができる。よって、第1弦、および第2弦の音高を、それぞれに対応する基準音高に容易に設定することができるという効果がある。
【0015】
また、第1基準音高設定手段により設定される第1弦に対する基準音高は、第2基準音高設定手段により設定される第2弦に対する基準音高よりも低い音高に設定されている。よって、第2弦の調弦を行っているときに、第1表示手段によって偏差が表示された場合には、第2弦の振動により出力された楽音の音高が、第2弦に対する基準音高より大幅に低いことを、調弦を行っている者に認識させることができるという効果がある。同様に、第1弦の調弦を行っているときに、第2表示手段によって偏差が表示された場合には、第1弦の振動により出力された楽音の音高が、第1弦に対する基準音高より大幅に高いことを、調弦を行っている者に認識させることができるという効果がある。
【0016】
請求項3記載の調弦装置によれば、請求項1、または2に記載の調弦装置の奏する効果に加え、音高検出手段により検出された音高が境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと音高判定手段により判定された場合には、第1用停止手段は、第2表示手段の表示を停止する。このように、音高検出手段により検出された音高が境界音高以下、またはその境界音高より低いと音高判定手段により判定された場合には、不要である第2表示手段の偏差の表示を停止することで、第1表示手段による偏差のみを確実に表示することができる。また、音高検出手段により検出された音高が境界音高設定手段により設定された境界音高より高い、またはその境界音高以上と前記音高判定手段により判定された場合には、第2用停止手段は、第1表示手段の表示を停止する。このように、音高検出手段により検出された音高が境界音高より高い、またはその境界音高以上と音高判定手段により判定された場合には、不要である第1表示手段の偏差の表示を停止することで、第2表示手段による偏差のみを確実に表示することができる。よって、第1弦、または第2弦の調弦が行われている場合には、第1表示手段による偏差、または第2表示手段による偏差のいずれか一方を確実に表示することができるという効果がある。
【0017】
請求項4記載の調弦装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の調弦装置の奏する効果に加え、第1基準音高設定手段は、選択手段により選択された一組の音高情報の第1弦に対する基準音高の音名に応じて、第1弦に対する基準音高の設定を変更し、第2基準音高設定手段は、選択手段により選択された一組の音高情報の第2弦に対する基準音高の音名に応じて、第2弦に対する基準音高の設定を変更する。よって、基準音高記憶手段に記憶された複数組の音高情報から一組の音高情報を選択手段により選択すれば、第1弦に対する基準音高の設定に加えて、第2弦に対する基準音高の設定も一度に行うことができる。従って、第1弦に対する基準音高と第2弦に対する基準音高とを別々に設定する必要がないので、各基準音高の設定ミスを低減することができるという効果がある。更に、調弦を行う者が、例えば、第1弦に設定される基準音高の音名は認識しているものの、第2弦に設定される基準音高の音名を認識していない場合、或いはその逆の場合であっても、認識している弦に対する基準音高の音名を頼りに選択手段によって一組の音高情報を選択することで、認識していない弦に対する基準音高の設定も正確に行うことができるという効果がある。
【0018】
請求項5記載の調弦装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載の調弦装置の奏する効果に加え、二胡の棹に装着されると共に所定の間隔を隔てて里弦、および外弦を配設することにより生じる空間に配置される筐体には、第1表示手段、および第2表示手段が設けられている。よって、第1表示手段、および第2表示手段を配設するための空間を特別に設ける必要がない上に、通常の演奏姿勢で調弦を行いながら第1表示手段、または第2表示手段に表示される偏差を確認することができるという効果がある。
【0019】
請求項6記載の調弦装置によれば、請求項5記載の調弦装置の奏する効果に加え、筐体に配設される第1表示手段、および第2表示手段は、筐体が棹に装着された場合にその棹の長手方向に沿って並べて設けられており、更に、第2表示手段は、第1表示手段と二胡の琴托との間となる位置に配置されている。これにより、琴托から遠い位置に第1表示手段が配置され、琴托から近い位置に第2表示手段が配置されていることになる。よって、通常の演奏姿勢で調弦を行う場合には、調弦を行う者の目線から近い位置に第1表示手段があり、その目線から遠い位置に第2表示手段があることとなる。ここで、調弦を行う者の目線から近い位置に里弦に関する表示を行い、調弦を行う者の目線から遠い位置に外弦に関する表示を行う形態は、弦楽器で一般的に行われている表示形態と一致するので、調弦を行う者は、その表示が里弦に関するものか、外弦に関するものかを容易に把握することができる。よって、里弦に対する基準音高との偏差を表示する第1表示手段を演奏者の目線から近い位置に配設し、外弦に対する基準音高との偏差を表示する第2表示手段を演奏者の目線から遠い位置に配設することで、里弦に対する基準音高の偏差か、外弦に対する基準音高の偏差かを、調弦を行うものに容易に把握させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1を参照して、二胡用チューナ10の外観について説明する。図1(a)は、二胡用チューナ10の外観を示した図であり、図1(b)は、二胡用チューナ10の一部であるコントローラ12の矢印Ib視における外観の拡大図である。
【0021】
この二胡用チューナ10は、里弦G1、および外弦G2の調弦を行う者(二胡用チューナの使用者)が、里弦G1、および外弦G2の調弦すべき各基準音高を認識していない場合であっても(知らない場合であっても)、里弦チューニングランプ18や外弦チューニングランプ19に表示される偏差を少なくするように里弦G1、および外弦G2の張力を調整することで、里弦G1、および外弦G2をそれぞれ基準音高に容易に調整することができる装置である。
【0022】
まず、図1(a)を参照して、二胡用チューナ10の外観について説明する。二胡用チューナ10は、二胡用チューナ10の操作を指示するコントローラ12と、そのコントローラ12に接続される本体11とを有している。
【0023】
本体11は、コントローラ12の操作によって、里弦G1、または外弦G2の振動により出力された楽音の音高を検出するチューナ機能、および入力された楽音に残響などの効果を付与する効果付与機能を実現する装置である。本体11は、二胡Nの琴托100の底面に取り付けられており、二胡Nと一体化されている。本体11には、琴筒に設けられた花窓に対向する筐体30が設けられ、その筐体30には、里弦G1、および外弦G2の振動により出力された楽音を収音するマイク31(図2参照)が花窓(図示せず)に対向して設けられている。また、本体11には、アナログ信号が出力される出力端子35が設けられている。
【0024】
コントローラ12は、里弦G1、および外弦G2と棹101との間の空間に配設されると共に、棹101に取り付けられ、本体11とケーブルを介して接続されている。コントローラ12の前面(コントローラ12が里弦G1、および外弦G2と対向する面)には、各種ボタン13a〜13d,14の5つのボタンが設けられている。詳細は図2で後述するが、この各種ボタン13a〜13d,14の押下により、二胡用チューナ10の機能を設定する。
【0025】
次に、図1(b)を参照して、コントローラ12の外観について説明する。コントローラ12の側面(図1(a)に記載の矢印Ib視におけるコントローラ12の正面)には、表示器17が設けられている。このコントローラ12の側面は、二胡Nの演奏を行う者が演奏姿勢となった場合には、その演奏を行う者と対向する。よって、二胡Nの調弦を行う場合には、調弦を行う者と表示器17とが対向した状態となる。
【0026】
表示器17には、里弦G1、または外弦G2の振動により出力された楽音の音高(マイク31に入力された楽音の音高)と里弦G1に対する基準音高との偏差を表示する里弦チューニングランプ18、里弦G1、または外弦G2の振動により出力された楽音の音高と外弦G2に対する基準音高との偏差を表示する外弦チューニングランプ19、および本体11の動作状態を示す表示ランプL1〜L5が設けられている。
【0027】
里弦チューニングランプ18は、里弦♭チューニングランプ18aと里弦♯チューニングランプ18bとを有している。なお、詳細は図2で後述するが、里弦♭チューニングランプ18aは、マイク31に入力された楽音の音高が境界音の音高以下であり、かつ里弦G1に対する基準音高よりも低い場合に点滅し、里弦♯チューニングランプ18bは、マイク31に入力された楽音の音高が境界音の音高以下であり、かつ里弦G1に対する基準音高よりも高い場合に点滅するランプである。なお、境界音とは、マイク31に入力された楽音の音高が、里弦G1に対する基準音高に近いか、或いは外弦G2に対する基準音高に近いかを決定するための境界となる音である。
【0028】
外弦チューニングランプ19は、外弦♭チューニングランプ19aと外弦♯チューニングランプ19bとを有している。なお、詳細は図2で後述するが、外弦♭チューニングランプ19aは、マイク31に入力された楽音の音高が境界音の音高よりも高く、かつ外弦G2に対する基準音高よりも低い場合に点滅し、外弦♯チューニングランプ19bは、マイク31に入力された楽音の音高が境界音の音高よりも高く、かつ外弦G2に対する基準音高よりも高い場合に点滅するランプである。
【0029】
図1(a)、および図1(b)から分かるように、コントローラ12が、里弦G1、および外弦G2と棹101との間の空間に配設されると共に、棹101に取り付けられているので、コントローラ12を配設するためのスペース(空間)を特別に設ける必要がない。また、二胡Nの意匠性を著しく損なうこともない。
【0030】
また、本体11、およびコントローラ12を二胡Nに取り付けることで、二胡用チューナ10を二胡Nと一体化している。よって、チューナが二胡Nと別体である場合と比較して、二胡用チューナ10では、チューナ本体の設置場所やそのチューナ本体との接続を意識する必要がない。
【0031】
また、マイク31に入力された楽音の音高と弦に対する基準音高との偏差を示す里弦チューニングランプ18、および外弦チューニングランプ19は、二胡Nの演奏を行う者が演奏姿勢(調弦姿勢)となった場合にその調弦を行う者と対向するように配設されている。よって、調弦を行う者は、特別な姿勢になることなく、通常の演奏姿勢(調弦姿勢)で、里弦チューニングランプ18、および外弦チューニングランプ19の表示に従って調弦を行うことができる。
【0032】
また、外弦チューニングランプ19は、里弦チューニングランプ18と琴托100との間に配設されている。即ち、琴托100から遠い位置に里弦チューニングランプ18が配設され、琴托100から近い位置に外弦チューニングランプ19が配設されている。従って、調弦を行う者が調弦姿勢となった場合には(通常の演奏姿勢となった場合には)、調弦を行う者の目線から近い位置に里弦チューニングランプ18があり、その目線から遠い位置に外弦チューニングランプ19があることとなる。ここで、調弦を行う者の目線から近い位置に里弦G1に関する表示を行い、調弦を行う者の目線から遠い位置に外弦G2に関する表示を行う形態は、弦楽器で一般的に行われている表示形態と一致するので、調弦を行う者は、その表示が里弦G1に関するものか、外弦G2に関するものかを通常の感覚に基づいて把握できる。このように、里弦G1に対する基準音高との偏差を表示する里弦チューニングランプ18を演奏者の目線から近い位置に配設し、外弦G2に対する基準音高との偏差を表示する外弦チューニングランプ19を演奏者の目線から遠い位置に配設することで、調弦を行っている弦の音高と基準音高との偏差が、里弦G1に対するものか、或いは外弦G2に対するものかを、調弦を行う者に容易、かつ直感的に把握させることができる。
【0033】
表示ランプL1〜L5は、各種ボタン13a〜13d,14の各々に対応する位置に配設されている。表示ランプL1〜L5は、前述の通り、本体11の動作状態を示すランプであるので、例えば、効果付与機能が選択された場合であって、エフェクトモードにリバーブモードが選択されているときには、リバーブボタン13aに最も近い位置に配設された表示ランプL1が点灯し、また、効果付与機能が選択された場合であって、エフェクトモードにコーラスモードが選択されているときには、コーラスボタン13dに最も近い位置に配設された表示ランプL4が点灯する。なお、エフェクトモードの詳細については、後述する。
【0034】
次に、図2を参照して、二胡用チューナ10の電気的構成について説明する。図2は、二胡用チューナ10の電気的構成を示すブロック図である。二胡用チューナ10は、マイク31、A/D変換器32、DSP33、D/A変換器34、出力端子35、コントローラ12、RAM36、CPU37、ROM38、および表示器17を有している。このうち、DSP33、コントローラ12、RAM36、CPU37、ROM38、および表示器17は、バスライン40を介して互いに接続されている。
【0035】
なお、二胡用チューナ10は、里弦G1、または外弦G2の振動により出力された楽音の音高を検出するチューナ機能、および入力された楽音に残響などの効果を付与する効果付与機能の2つの機能を有している。そして、効果付与機能には、リバーブモード、ディレイモード、オクターブモード、コーラスモード、およびノーマルモードの5つのエフェクトモードが設けられている。各エフェクトモードの詳細については後述する。
【0036】
また、二胡用チューナ10の電源がオンされた場合には、初期設定として効果付与機能が設定されると共に、エフェクトモードとしてノーマルモードが設定される。効果付与機能からチューナ機能へ、またはチューナ機能から効果付与機能への切り替えは、チューナボタン14を2秒以上継続して長押することにより行われる。また、効果付与機能がノーマルモード以外の例えばリバーブモードに変更された場合や、効果付与機能からチューナ機能への切り替えが行われた場合等のように、二胡用チューナ10の使用者によって二胡用チューナ10の設定が変更されたときであっても、電源を再投入すれば、初期設定が改めて行われ、二胡用チューナ10には効果付与機能が設定されると共に、エフェクトモードとしてノーマルモードが改めて設定される。なお、初期設定では、この効果付与機能の設定に加え、その他の設定も行われるが、これらの設定については図4にて詳述する。
【0037】
マイク31は、二胡用チューナ10の使用者(調弦を行う者)によりチューナ機能が選択された場合に、里弦G1、または外弦G2の振動により出力された楽音を収音するマイクロフォンである。マイク31により収音された楽音は、アナログ信号に変換された後、A/D変換器32へ入力される。
【0038】
A/D変換器32は、入力されたアナログ信号を、所定のサンプリング周波数(例えば、44.1kHz)でサンプリングし、所定のビット数(例えば、16ビット)に量子化する変換器である。A/D変換器32により変換されたデジタル信号は、逐次DSP33へ入力される。
【0039】
DSP33は、デジタル信号処理回路(Digital Signal Processor)であり、A/D変換器32により変換されたデジタル信号を処理する。DSP33は、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合、入力されたデジタル信号の波形のゼロクロスを検出し、その検出したゼロクロスをCPU37に通知する。CPU37は、ゼロクロスの通知を入力すると、ゼロクロスが発生した時間間隔に基づいて、マイク31により収音された楽音の周期(音高)を検出する。なお、この検出した楽音の音高は、CPU37によって、後述する検出音高メモリ36fに記憶される。
【0040】
また、DSP33は、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合は、入力されたデジタル信号にリバーブなどの効果を付与してD/A変換器34へ出力する。
【0041】
D/A変換器34は、効果付与機能においてDSP33によって処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換して出力端子35へ出力する。なお、出力端子35に、増幅器を介してスピーカ(図示せず)が接続された場合には、スピーカは、入力されたアナログ信号を音に変換し外部へ出力する。
【0042】
コントローラ12は、二胡用チューナ10の操作を指示する装置であり、コントローラ12には、エフェクトボタン13とチューナボタン14とが設けられている。エフェクトボタン13には、リバーブボタン13a、ディレイボタン13b、オクターブボタン13c、およびコーラスボタン13dの4つのボタンが設けられている。
【0043】
リバーブボタン13aは、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合には、音名「A4」に割り当てられる周波数となる基準周波数を、リバーブボタン13aの押下により、「440Hz」、または「442Hz」のいずれかに切り換えるボタンとなる。一方、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合には、二胡の演奏により出力される楽音に残響音を付与することで、コンサートホールで演奏を聴いているような効果を付与するリバーブモードを設定するボタンとなる。
【0044】
ディレイボタン13bは、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合には、里弦G1に対応する基準音高の音名を「G3」に決定し、外弦G2に対応する基準音高の音名を「D4」に決定するボタンとなる。一方、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合には、二胡の演奏により出力される楽音にエコーを付与することで、二胡の演奏による楽音が繰り返し出力されるような効果を付与するディレイモードを設定するボタンとなる。
【0045】
オクターブボタン13cは、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合には、里弦G1に対応する基準音高の音名を「C4」に決定し、外弦G2に対応する基準音高の音名を「G4」に決定するボタンとなる。一方、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合には、二胡の演奏により出力される楽音に、その楽音よりも1オクターブ低い音を加えることで、太い弦を持ち、かつ筐体が大きな二胡と合奏しているかのような効果を付与するオクターブモードを設定するボタンとなる。
【0046】
コーラスボタン13dは、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合には、里弦G1に対応する基準音高の音名を「A3」に決定し、外弦G2に対応する基準音高の音名を「E4」に決定するボタンとなる。一方、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合には、二胡の演奏により出力される楽音に、その楽音とは多少音高の異なる音を加えることで、斉奏しているかのような効果を付与するコーラスモードを設定するボタンとなる。
【0047】
チューナボタン14は、前述の通り、2秒以上継続して長押することで、二胡用チューナ10の機能をチューナ機能、または効果付与機能のいずれかに切り換えるボタンである。そして、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合には、里弦G1に対応する基準音高の音名を「D4」に決定し、外弦G2に対応する基準音高の音名を「A4」に決定するボタンとなる。なお、この場合を、二胡用チューナ10のチューナ機能における標準モードとしている。一方、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合にチューナボタン14が押下されたときには、既に設定されているエフェクトモードが維持される(既に設定されているエフェクトモードが変化することはない)。
【0048】
CPU37は、二胡用チューナ10を制御する演算装置である。ROM38は、CPU37により実行される制御プログラム(例えば、図4から図8に示す処理のフローチャート)や各種テーブル38a〜38cを格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。また、RAM36は、制御プログラムの実行時に各種の情報を一時的に記憶するメモリである。
【0049】
ROM38には、チューニングバリエーションテーブル38a、境界音テーブル38b、およびエフェクトテーブル38cが設けられている。ここで、図3(a)を参照して、チューニングバリエーションテーブル38aについて説明する。図3(a)は、チューニングバリエーションテーブル38aの内容を模式的に示した図である。
【0050】
チューニングバリエーションテーブル38aは、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合に、押下されたボタン(ディレイボタン13b、オクターブボタン13c、コーラスボタン13d、またはチューナボタン14のいずれかのボタン)に応じて、里弦G1に対応する基準音高の音名、および外弦G2に対応する基準音高の音名を決定するためのテーブルである。このチューニングバリエーションテーブル38aは、後述するチューニングバリエーション切換処理(図6のS22の処理参照)が実行された場合に、CPU37によって参照される。なお、チューニングバリエーションテーブル38aに基づいてCPU37により決定された里弦G1に対応する基準音高の音名、および外弦G2に対応する基準音高の音名は、CPU37により、後述する里弦基準音メモリ36c、および外弦基準音メモリ36dにそれぞれ記憶される。
【0051】
例えば、新たにディレイボタン13bが押下された場合には、ディレイボタン13bの押下に応じたチューニングバリエーションが設定されるので、図3(a)に示すように、里弦G1に対応する基準音高の音名が「G3」に決定され、この音名が里弦基準音メモリ36cに記憶される。また、外弦G2に対応する基準音高の音名が「D4」に決定され、この音名が外弦基準音メモリ36dに記憶される。なお、基準周波数が「440Hz」に設定されている場合には(後述する基準周波数フラグ36bがオフである場合には)、図3(a)に示すように、チューナボタン14が押下されることにより決定される外弦G2に対応する基準音高「A4」が、440Hzに設定され、コーラスボタン13dが押下されることにより決定される里弦G1に対応する基準音高「A3」が、基準周波数の1/2倍の周波数である220Hzに設定される。
【0052】
ここで、図3(a)に示すチューニングバリエーションテーブル38aから分かるように、里弦G1に対応する基準音高は、外弦G2に対応する基準音高よりも低い音高となるように設定されている。これは、二胡Nでは、里弦G1の径が外弦G2の径よりも大きいので、里弦G1に対する基準音高が外弦G2に対する基準音高よりも低い音高に設定されることを仕様としているからである。
【0053】
次に、図3(b)を参照して、境界音テーブル38bについて説明する。図3(b)は、境界音テーブル38bの内容を模式的に示した図である。境界音テーブル38bは、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合に、マイク31により収音された楽音について、里弦G1に対応する基準音高に対する偏差を算出するか、或いは外弦G2に対応する基準音高に対する偏差を算出するかの判定に使用する境界音の音名を、里弦基準音メモリ36cに記憶された音名に応じて決定するためのテーブルである。この境界音テーブル38bは、後述するチューニング表示処理(図8参照)が実行された場合に、CPU37によって参照される。
【0054】
例えば、里弦基準音メモリ36cに記憶された音名が「G3」である場合には、CPU37は、境界音の音名を「A♯3」に決定し、この音名を後述する境界音メモリ36eに記憶する。そして、基準音高メモリ36dに記憶された音名「A♯3」に割り当てられた周波数(音高)を境界音の音高として、CPU37は、マイク31により収音された楽音の音高が境界音の音高以下か否かを判定する。マイク31により収音された楽音の音高が境界音の音高以下であれば、CPU37は、収音された楽音の音高と里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高との偏差を算出する。一方、マイク31により収音された楽音の音高が境界音の音高より高ければ、CPU37は、収音された楽音の音高と外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高との偏差を算出する。
【0055】
この理由について説明する。里弦基準音メモリ36cに記憶された音名が「G3」である場合には、外弦基準音メモリ36dには音名「D4」が記憶されており(図3(a)参照)、境界音メモリ36eに記憶される音名「A♯3」は、音名「G3」と音名「D4」のほぼ中間に位置する音となる。よって、マイク31により収音された楽音の音高が境界音の音高以下であれば、CPU37は、マイク31により収音された楽音の音高が里弦基準音メモリ36cに記憶された音名「G3」の基準音高に近いと判定して、収音された楽音の音高と里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高との偏差を算出するのである。同様に、マイク31により収音された楽音の音高が境界音の音高より高ければ、CPU37は、マイク31により収音された楽音の音高が外弦基準音メモリ36dに記憶された音名「D4」の基準音高に近いと判定して、収音された楽音の音高と外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高との偏差を算出するのである。
【0056】
次に、図3(c)を参照して、エフェクトテーブル38cについて説明する。図3(c)は、エフェクトテーブル38cの内容を模式的に示した図である。エフェクトテーブル38cは、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合に、押下されるボタン(リバーブボタン13a、ディレイボタン13b、オクターブボタン13c、またはコーラスボタン13dのいずれかのボタン)に応じて、DSP33に入力されたデジタル信号に付与する効果(エフェクト)を決定するためのテーブルである。このエフェクトテーブル38cは、後述するエフェクト切換処理(図6のS23の処理参照)が実行された場合に、CPU37によって参照される。なお、エフェクトテーブル38cに基づいてCPU37により決定されたエフェクトモードは、CPU37により、RAM36の所定の領域に記憶される。
【0057】
例えば、新たにディレイボタン13bが押下された場合には、エフェクトモードがディレイモードに設定される。なお、既にエフェクトモードがディレイモードに設定されている場合に、新たにディレイボタン13bが押下された場合には、設定されているディレイモードが解除され、DSP33に入力されたデジタル信号に効果(エフェクト)を付与しないノーマルモードに設定される。
【0058】
なお、前述の通り、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された状態でチューナボタン14が押下された場合には、既に設定されているエフェクトモードが維持される(既に設定されているエフェクトモードが変化することはない)。
【0059】
図2の説明に戻る。RAM36には、チューナフラグ36a、基準音周波数フラグ36b、里弦基準音メモリ36c、外弦基準音メモリ36d、境界音メモリ36e、および検出音高メモリ36eが設けられている。チューナフラグ36aは、二胡用チューナ10の使用者によりチューナ機能が選択された場合にオンとなる一方、二胡用チューナ10の使用者により効果付与機能が選択された場合にオフとなるフラグである。基準周波数フラグ36bは、音名「A4」に割り当てられる周波数となる基準周波数が「440Hz」に設定された場合にオフとなる一方、基準周波数が「442Hz」に設定された場合にオンとなるフラグである。
【0060】
里弦基準音メモリ36cは、チューニングバリエーションテーブル38aに基づいて決定された里弦G1に対応する基準音高の音名が記憶されるメモリである。外弦基準音メモリ36dは、チューニングバリエーションテーブル38aに基づいて決定された外弦G2に対応する基準音高の音名が記憶されるメモリである。境界音メモリ36eは、境界音テーブル38bに基づいて決定された境界音の音名が記憶されるメモリである。また、検出音高メモリ36fは、DSP33からのゼロクロスの通知によりCPU37が検出した楽音の音高、即ち、マイク31により収音された楽音の音高を記憶するメモリである。
【0061】
表示器17は、発光素子であるLEDから構成されるランプであり、里弦チューニングランプ18、外弦チューニングランプ19、および表示ランプL1〜L5を有している。里弦チューニングランプ18は、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bを有している。里弦♭チューニングランプ18aは、マイク31により収音された楽音の音高が境界音メモリ36eに記憶された音名の音高以下であり、かつ里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高よりも低い偏差となった場合に点滅するランプである。この里弦♭チューニングランプ18aの点滅により、二胡用チューナ10の使用者は、里弦G1の張力を調整して、里弦G1の振動により出力される楽音の音高を高くする必要があることを認識することができる。
【0062】
里弦♯チューニングランプ18bは、マイク31により収音された楽音の音高が境界音メモリ36eに記憶された音名の音高以下であり、かつ里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高よりも高い偏差となった場合に点滅するランプである。この里弦♯チューニングランプ18bの点滅により、二胡用チューナ10の使用者は、里弦G1の張力を調整して、里弦G1の振動により出力される楽音の音高を低くする必要があることを認識することができる。
【0063】
なお、マイク31により収音された楽音の音高と里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高との偏差が±5セントの範囲となった場合には、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bが共に点灯する。これにより、二胡用チューナ10の使用者は、里弦G1の調弦が完了したことを認識することができる。なお、二胡用チューナ10の使用者が、外弦G2の調弦を行っている場合には、里弦♭チューニングランプ18aや里弦♯チューニングランプ18bの点滅、或いは点灯により、二胡用チューナ10の使用者は、外弦G2の振動により出力される楽音の音高を大幅に高くする必要があることを認識することができる。
【0064】
外弦チューニングランプ19は、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bを有している。外弦♭チューニングランプ19aは、マイク31により収音された楽音の音高が境界音メモリ36eに記憶された音名の音高よりも高く、かつ外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高よりも低い偏差となった場合に点滅するランプである。この外弦♭チューニングランプ19aの点滅により、二胡用チューナ10の使用者は、外弦G2の張力を調整して、外弦G2の振動により出力される楽音の音高を高くする必要があることを認識することができる。
【0065】
外弦♯チューニングランプ19bは、マイク31により収音された楽音の音高が境界音メモリ36eに記憶された音名の音高よりも高く、かつ外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高よりも高い偏差となった場合に点滅するランプである。この外弦♯チューニングランプ19bの点滅により、二胡用チューナ10の使用者は、外弦G2の張力を調整して、外弦G2の振動により出力される楽音の音高を低くする必要があることを認識することができる。
【0066】
なお、マイク31により収音された楽音の音高と外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高との偏差が±5セントの範囲となった場合には、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bが共に点灯する。これにより、二胡用チューナ10の使用者は、外弦G2の調弦が完了したことを認識することができる。ここで、二胡用チューナ10の使用者が、里弦G1の調弦を行っている場合には、外弦♭チューニングランプ19aや外弦♯チューニングランプ19bの点滅、或いは点灯により、二胡用チューナ10の使用者は、里弦G1の振動により出力される楽音の音高を大幅に低くする必要があることを認識することができる。
【0067】
次に、図4を参照して、CPU37により実行されるメイン処理について説明する。図4は、メイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は、二胡用チューナ10の電源がオンされた場合に実行される処理であり、二胡用チューナ10の電源がオンされている間、約1ms毎に定期的に実行される処理である。
【0068】
メイン処理では、まず、初期設定が行われる(S1)。具体的には、チューナフラグ36aをオフに設定し(効果付与機能に設定すると共に、エフェクトモードとしてノーマルモードに設定し)、基準周波数フラグ36bをオフに設定する(基準周波数を「440Hz」に設定する)。更に、里弦基準音メモリ36cに音名「D4」を記憶させ、外弦基準音メモリ36dに音名「A4」を記憶させる(チューナ機能における標準モードに設定する)。なお、このS1の処理は、二胡用チューナ10の電源がオンされて一度実行されると、電源がオンである期間中はスキップされる(実行されない)。
【0069】
次に、チューナ機能設定処理(S2)が実行される。ここで、図5を参照して、チューナ機能設定処理について説明する。図5は、チューナ機能設定処理を示したフローチャートである。チューナ機能設定処理では、まず、チューナボタン14が新たに長押しされたか否かを判定する(S11)。新たな長押しであるか否かは、チューナボタン14が2秒以上継続して押下されたか否かで判定される。チューナボタン14が新たに長押しされたと判定された場合には(S11:Yes)、既にチューナフラグ36aがオンであるか否か、即ち、既にチューナ機能が選択されているか否かが判定される(S12)。チューナフラグ36aがオフであると判定された場合には(S12:No)、現在選択されているのは効果付与機能であるので、これをチューナ機能に変更すべく、チューナフラグ36aをオンにする(S14)。一方、チューナフラグ36aがオンであると判定された場合には(S12:Yes)、既にチューナ機能が選択されているので、これを効果付与機能に変更すべく、チューナフラグ36aをオフにする(S13)。
【0070】
なお、S11の処理で、チューナボタン14が新たに長押しされていないと判定された場合には(S11:No)、このチューナ機能設定処理を終了する。また、S11の処理で、一旦、チューナボタン14が新たに長押しされたと判定された(S11:Yes)後も、継続してチューナボタン14が押下されている場合には、その後に実行されるS11の処理では、チューナボタン14が新たに長押しされていないと判定される(S11:No)。
【0071】
図4の説明に戻る。チューナ機能設定処理(S2)の実行後、チューニングバリエーション処理(S3)が実行される。ここで、図6を参照して、チューニングバリエーション処理について説明する。チューニングバリエーション処理により、里弦G1に対応する基準音高、および外弦G2に対応する基準音高を、チューニングバリエーションテーブル38aに基づいて切り換えることができる。図6は、チューニングバリエーション処理を示したフローチャートである。チューニングバリエーション処理では、まず、チューナフラグ36aがオンであるか、即ち、現在、チューナ機能が選択されているか否かが判定される(S21)。チューナフラグ36aがオンであれば(S21:Yes)、里弦G1に対応する基準音高、および外弦G2に対応する基準音高を切り換えるチューニングバリエーション切換処理が実行される(S22)。チューニングバリエーション処理(S22)では、チューニングバリエーションテーブル38aを参照し、押下されたボタン(ディレイボタン13b、オクターブボタン13c、コーラスボタン13d、またはチューナボタン14のいずれかのボタン)に応じて、里弦G1に対応する基準音高、および外弦G2に対応する基準音高を決定する。そして、チューニングバリエーションテーブル38aに基づいて決定された里弦G1に対応する基準音高、および外弦G2に対応する基準音高を、里弦基準音メモリ36c、および外弦基準音メモリ36dにそれぞれ記憶する。なお、二胡用チューナ10では、いずれかのボタンが押下されると、押下されたボタンを特定する情報がRAM36の所定の領域に記憶される。そして、S22の処理では、このRAM36に記憶された情報を参照することで、押下されたボタンがいずれであるかを特定している。これは、後述するS23の処理でも同様である。
【0072】
S21の処理で、チューナフラグ36aがオフであれば(S21:No)、現在、効果付与機能が選択されているので、DSP33に入力されたデジタル信号に付与する効果(エフェクトモード)を切り換えるエフェクト切換処理が実行される(S23)。エフェクト切換処理(S23)では、エフェクトテーブル38cを参照し、押下されたボタン(ディレイボタン13b、オクターブボタン13c、またはコーラスボタン13dのいずれかのボタン)に応じて、DSP33に入力されたデジタル信号に付与する効果(エフェクトモード)を決定する。そして、エフェクトテーブル38cに基づいて決定されたエフェクトモードを、RAM36の所定の領域に記憶する。このエフェクト切換処理により、DSP33に入力されたデジタル信号に付与する効果(エフェクトモード)を、エフェクトテーブル38cに基づいて切り換えることができる。
【0073】
上述した通り、チューニングバリエーション処理では、チューニングバリエーションテーブル38aを参照し、押下されたボタン(ディレイボタン13b、オクターブボタン13c、コーラスボタン13d、またはチューナボタン14のいずれかのボタン)に応じて、里弦G1に対応する基準音高、および外弦G2に対応する基準音高の両方を決定する。よって、調弦を行う者が、例えば、里弦G1に対応する基準音高の音名は認識しているものの、外弦G2に対応する基準音高の音名を認識していない場合であっても、里弦G1に対する基準音高の音名を頼りに押下するボタンを決定できるので、里弦G1に対する基準音高の設定に加えて、認識していない外弦G2に対する基準音高の設定も正確に行うことができる。
【0074】
図4の説明に戻る。チューニングバリエーション処理(S3)の実行後、基準周波数設定処理(S4)が実行される。ここで、図7を参照して、CPU37により実行される基準周波数設定処理について説明する。図7は、基準周波数設定処理を示したフローチャートである。基準周波数設定処理は、チューナ機能が選択されている場合には、基準周波数を「440Hz」、または「442Hz」のいずれかに設定する一方、効果付与機能が選択されている場合には、リバーブモード、またはノーマルモードのいずれかのエフェクトモードに設定する処理である。
【0075】
基準周波数設定処理では、まず、リバーブボタン13aが新たに押下されたか否かが判定される(S31)。リバーブボタン13aが新たに押下されていないと判定された場合には(S31:No)、この基準周波数設定処理を終了する。
【0076】
一方、リバーブボタン13aが新たに押下されたと判定された場合には(S31:Yes)、チューナフラグ36aがオンであるか、即ち、現在、チューナ機能が選択されているか否かが判定される(S32)。チューナフラグ36aがオンであると判定された場合には(S32:Yes)、現在、チューナ機能が選択されているので、基準周波数を変更するS33〜S35の処理に移行する。S33の処理では、基準周波数フラグ36bがオフであるか、即ち、現在、基準周波数が「440Hz」に設定されているか否かが判定される(S33)。
【0077】
基準周波数フラグ36bがオフであれば(S33:Yes)、現在、基準周波数が「440Hz」に設定されているので、基準周波数フラグ36bをオンに設定して(S34)、基準周波数を「442Hz」に変更する。一方、基準周波数フラグ36bがオンであれば(S33:No)、現在、基準周波数が「442Hz」に設定されているので、基準周波数フラグ36bをオフに設定して(S35)、基準周波数を「440Hz」に変更する。
【0078】
一方、S32の処理で、チューナフラグ36aがオフであると判定された場合には(S32:No)、現在、効果付与機能が選択されているので、リバーブモードの設定を行うS36〜S38の処理に移行する。S36の処理では、既にリバーブモードが設定されているか否かが判定される(S36)。リバーブモードが設定されていないと判定された場合には(S36:No)、既に設定されているエフェクトモード(ディレイモード、オクターブモード、コーラスモード、またはノーマルモードのいずれかのモード)に換えて、リバーブモードを設定する(S38)。一方で、既にリバーブモードが設定されていると判定された場合には(S36:Yes)、リバーブモードを解除して、ノーマルモードに設定する(S37)。
【0079】
図4の説明に戻る。基準周波数設定処理(S4)の実行後、チューニング表示処理(S5)が実行される。チューニング表示処理が実行された後は、このメイン処理が終了する。ここで、図8を参照して、CPU37により実行されるチューニング表示処理について説明する。図8は、チューニング表示処理を示したフローチャートである。なお、チューニング表示処理では、マイク31により収音された楽音の音高(検出音高メモリ36fに記憶された音高)に応じて、その収音された楽音の音高と里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高との偏差を里弦チューニングランプ18に表示する、またはその収音された楽音の音高と外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高との偏差を外弦チューニングランプ19に表示するかのいずれかの処理が実行される。
【0080】
チューニング表示処理では、まず、チューナフラグ36aがオンであるか否か、即ち、現在、チューナ機能が選択されているか否かが判定される(S51)。チューナフラグ36aがオフであると判定されると(S51:No)、現在、効果付与機能が選択されているので、このチューニング表示処理を終了する。
【0081】
一方、チューナフラグ36aがオンであると判定されると(S51:Yes)、現在、チューナ機能が選択されているので、処理をS52以降の処理へ移行する。S52の処理では、チューニングバリエーション切換処理(図6のS23の処理)が実行されて、チューニングバリエーションが新たに切り換えられたか否かが判定される(S52)。チューニングバリエーションが新たに切り換えられたと判定された場合には(S52:Yes)、境界音の音高を切り換えるべく、里弦基準音メモリ36cに記憶された音名に対応する境界音の音名を、境界音テーブル38bから読み出す(S53)。そして、読み出した境界音の音名を、境界音メモリ36eに記憶する(S54)。なお、S54の処理では、境界音メモリ36eに記憶された音名に対して、基準周波数に応じた周波数が割り当てられる(設定される)処理も実行されている。
【0082】
なお、チューニングバリエーションが切り換えられていないと判定された場合には(S52:No)、基準音の音高を切り換える必要がないので、S53、およびS54の処理をスキップする。
【0083】
次に、検出音高メモリ36fに記憶された音高(周波数)を読み出して(S55)、読み出した音高は、境界音メモリ36eに記憶された音名に割り当てられた音高(周波数)以下であるか否かが判定される(S56)。S55の処理で読み出した音高が、境界音メモリ36eに記憶された音名に割り当てられた音高(周波数)以下であると判定された場合には(S56:Yes)、読み出した音高が里弦G1に対する基準音高に近いことを示している。よって、S55の処理で読み出した音高と里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高との偏差を里弦チューニングランプ18に表示する処理であるS57〜S59の処理へ移行する。
【0084】
S57の処理では、里弦基準音メモリ36cに記憶された音名に割り当てられた音高(周波数)とS55の処理で検出音高メモリ36fから読み出した音高との偏差を算出する(S57)。
【0085】
そして、算出された偏差に応じて、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bの表示態様を決定し、その態様により、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bの表示を行う(S58)。なお、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bの表示態様については、図9を用いて後述する。S58の処理後、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bの表示をオフする(S59)。これにより、不要である外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bの表示が残ることがないので、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bのみを確実に表示することができる。
【0086】
一方、S55の処理で読み出した音高が、境界音メモリ36eに記憶された音名に割り当てられた音高(周波数)より高いと判定された場合には(S56:No)、読み出した音高が外弦G2に対する基準音高に近いことを示している。よって、S55の処理で読み出した音高と外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高との偏差を外弦チューニングランプ19に表示する処理であるS60〜S62の処理へ移行する。
【0087】
S60の処理では、外弦基準音メモリ36dに記憶された音名に割り当てられた音高(周波数)とS55の処理で検出音高メモリ36fから読み出した音高との偏差を算出する(S60)。
【0088】
そして、算出された偏差に応じて、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bの表示態様を決定し、その態様により、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bの表示を行う(S61)。なお、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bの表示態様については、図9を用いて後述する。S61の処理後、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bの表示をオフする(S62)。これにより、不要である里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bの表示が残ることがないので、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bのみを確実に表示することができる。
【0089】
上述した通り、チューニング表示処理では、検出音高メモリ36fから読み出された音高が境界音メモリ36eに記憶された音名に割り当てられた音高(周波数)以下である場合には、その読み出された音高と里弦基準音メモリ36cに記憶された音名の基準音高との偏差を、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bを用いて表示させる。一方、検出音高メモリ36fから読み出された音高が境界音メモリ36eに記憶された音名に割り当てられた音高(周波数)より高い場合には、その読み出された音高と外弦基準音メモリ36dに記憶された音名の基準音高との偏差を、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bを用いて表示させる。
【0090】
次に、図9を参照して、チューニングランプ18,19の表示態様について説明する。図9は、調弦中の楽音の音高(マイク31により収音され、検出音高メモリ36fに記憶される、二胡チューナ10の使用者が調弦のために演奏することにより発音した弦の音高)に応じて変化する、チューニングランプ18,19の表示態様を示した一覧図である。なお、図9では、代表として、里弦G1に対応する基準音高の音名が「D4」であり(里弦基準音メモリ36cに記憶された音名が「D4」であり)、外弦G2に対応する基準音高の音名が「A4」であり(外弦基準音メモリ36dに記憶された音名が「A4」であり)、境界音の音名が「F4」である場合(境界音メモリ36eに記憶された音名が「F4」である場合(標準モードである場合))における各表示態様を示している。
【0091】
まず、調弦中の楽音の音高が境界音の音名「F4」の音高以下の場合には、里弦♭チューニングランプ18aと里弦♯チューニングランプ18bとが使用される状態となる。
【0092】
この状態において、調弦中の楽音の音高と里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高との偏差が、3半音、即ち−300セント以下である場合には、里弦♭チューニングランプ18aがゆっくり点滅する。それ以外の里弦♯チューニングランプ18b、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bは消灯となる。
【0093】
次に、調弦中の楽音の音高と里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高との偏差が、−300セントより大きく、−5セント未満である場合には、調弦中の楽音の音高が里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高に近づくにつれて、里弦♭チューニングランプ18aが徐々に早く点滅する(里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高から遠ざかるにつれて、里弦♭チューニングランプ18aが徐々に遅く点滅する)。それ以外の里弦♯チューニングランプ18b、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bは消灯となる。
【0094】
そして、調弦中の楽音の音高と里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高との偏差が−5セント以上、+5セント以下である場合には、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bが共に点灯する。それ以外の外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bは消灯となる。このとき、里弦G1が調弦されている場合には、里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高と里弦G1の振動により出力される調弦中の楽音の音高がほぼ一致することとなり、里弦G1の調弦が完了する。
【0095】
更に、調弦中の楽音の音高と里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高との偏差が+5セントより大きく、境界音の音名「F4」の音高以下である場合には、調弦中の楽音の音高が里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高に近づくにつれて、里弦♯チューニングランプ18bが徐々に早く点滅する(里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高から遠ざかるにつれて、里弦♯チューニングランプ18bが徐々に遅く点滅する)。それ以外の里弦♭チューニングランプ18a、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bは消灯となる。
【0096】
次に、調弦中の楽音の音高が境界音の音名「F4」の音高よりも高い場合には、外弦♭チューニングランプ19aと外弦♯チューニングランプ19bとが使用される状態となる。
【0097】
この状態において、調弦中の楽音の音高と外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」の音高との偏差が−300セント以下である場合には、外弦♭チューニングランプ19aがゆっくり点滅する。それ以外の里弦♭チューニングランプ18a、里弦♯チューニングランプ18b、および外弦♯チューニングランプ19bは消灯となる。
【0098】
次に、調弦中の楽音の音高と外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」の音高との偏差が−300セントより大きく、−5セント未満である場合には、調弦中の楽音の音高が外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」の音高に近づくにつれて、外弦♭チューニングランプ19aが徐々に早く点滅する(音名「A4」の音高から遠ざかるにつれて、外弦♭チューニングランプ19aが徐々に遅く点滅する)。それ以外の里弦♭チューニングランプ18a、里弦♯チューニングランプ18b、および外弦♯チューニングランプ19bは消灯となる。
【0099】
そして、調弦中の楽音の音高と外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」の音高との偏差が−5セント以上、+5セント以下である場合には、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bが共に点灯する。それ以外の里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bは消灯となる。このとき、外弦が調弦されている場合には、外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」と外弦G2の振動により出力される調弦中の楽音の音高がほぼ一致することとなり、外弦G2の調弦が完了する。
【0100】
更に、調弦中の楽音の音高と外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」の音高との偏差が+5セントより大きく、+300セント未満である場合には、調弦中の楽音の音高が音名「A4」の音高に近づくにつれて、外弦♯チューニングランプ19bが徐々に早く点滅する(音名「A4」の音高から遠ざかるにつれて、外弦♯チューニングランプ19bが徐々に遅く点滅する)。それ以外の里弦♭チューニングランプ18a、里弦♯チューニングランプ18b、および外弦♭チューニングランプ19aは消灯となる。
【0101】
最後に、調弦中の楽音の音高と外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」の音高との偏差が+300セント以上である場合には、外弦♯チューニングランプ19bがゆっくり点滅する。それ以外の里弦♭チューニングランプ18a、里弦♯チューニングランプ18b、および外弦♭チューニングランプ19aは消灯となる。
【0102】
上述した通り、本実施形態の二胡用チューナ10によれば、調弦中の楽音の音高が境界音の音名「F4」の音高以下の場合には、言い換えれば、調弦中の楽音の音高が里弦G1に対応する基準音高の音名「D4」の音高に近い場合には、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bを消灯した上で、里弦♭チューニングランプ18aと里弦♯チューニングランプ18bとを使用して偏差を表示する。よって、里弦G1を基準音高に調弦する場合には、まず、里弦♭チューニングランプ18a、または里弦♯チューニングランプ18bのいずれかが点滅するように調弦を開始し、調弦完了時には、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bが同時に点灯するように調弦すれば良い。従って、二胡用チューナ10の使用者が、設定すべき里弦G1に対する基準音高を認識していない場合であっても、その使用者は、里弦G1を基準音高に容易に設定することができる。
【0103】
同様に、本実施形態の二胡用チューナ10によれば、調弦中の楽音の音高が境界音の音名「F4」の音高より高い場合には、言い換えれば、調弦中の楽音の音高が外弦G2に対応する基準音高の音名「A4」の音高に近い場合には、里弦♭チューニングランプ18a、および里弦♯チューニングランプ18bを消灯した上で、外弦♭チューニングランプ19aと外弦♯チューニングランプ19bとを使用して偏差を表示する。よって、外弦G2を基準音高に調弦する場合には、まず、外弦♭チューニングランプ19a、または外弦♯チューニングランプ19bのいずれかが点滅するように調弦を開始し、調弦完了時には、外弦♭チューニングランプ19a、および外弦♯チューニングランプ19bが同時に点灯するように調弦すれば良い。従って、二胡用チューナ10の使用者が、設定すべき外弦G2に対する基準音高を認識していない場合であっても、その使用者は、外弦G2を基準音高に容易に設定することができる。
【0104】
以上、本実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0105】
本実施形態の二胡用チューナ10においては、里弦G1、または外弦G2の振動により出力される楽音を収音する装置として、マイク31を使用したが、これに限られるものではなく、楽音を収音する装置として、圧電素子を利用した圧電ピックアップを使用しても良い。なお、圧電ピックアップを使用する場合には、その圧電ピックアップを琴筒、或いは駒下に配設すれば良い。
【0106】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、里弦チューニングランプ18、および外弦チューニングランプ19をコントローラ12の長手方向、即ち、棹101の長手方向に並べて配設したが、これに限られるものではない。即ち、里弦チューニングランプ18、および外弦チューニングランプ19を短手方向に並べて配設しても良い。特に、この場合には、里弦G1と外弦G2との並びに合わせて、里弦チューニングランプ18を棹101から近い位置に配設し、外弦チューニングランプ19を棹101から遠い位置に配設すれば良い。このように配設することで、二胡Nを演奏して間もない初心者であっても、違和感なく調弦を行うことができる。更に、里弦チューニングランプ18、外弦チューニングランプ19、エフェクトボタン13やチューナボタン14の一部、またはこれら全部を小型化して本体11に組み込むと共に、その本体11にコンパクトに配列することで、コントローラ12をなくしても良い。他にも、チューナ機能を実現する電子回路だけを本体11から取り出すと共に、その電子回路に電力を供給するバッテリーを、里弦チューニングランプ18、外弦チューニングランプ19、表示ランプL1〜L5、エフェクトボタン13、およびチューナボタン14に加えてコントローラ12に内蔵してもよい。この構成の場合、弦の振動により出力された楽音を収音する方法としては、前述のマイク31により収音する方法の他、コントローラ12にマイクロフォンを内蔵して、その内蔵したマイクロフォンから収音する方法、棹101に直接圧電ピックアップを取付けることにより収音する方法や、或いはコントローラ12に圧電ピックアップを内蔵して、コントローラ12を棹101に装着した状態で集音する方法が例示される。
【0107】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、里弦チューニングランプ18、および外弦チューニングランプ19を点滅あるいは点灯させることで、マイク31から収音された楽音の音高と各基準音高との偏差を表示したが、これに加えて、里弦チューニングランプ18と外弦チューニングランプ19との発光色をそれぞれ別々にしても良い。この場合には、各チューニングランプが配設された場所に加えて、発光する色によっても、表示されている偏差が、里弦G1に対する基準音高によるものか、外弦G2に対する基準音高によるものかを判別することができる。
【0108】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、里弦チューニングランプ18、および外弦チューニングランプ19にLEDを用いたが、これに限られるものではなく、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを用いても良い。
【0109】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、里弦チューニングランプ18に偏差を表示している場合には、外弦チューニングランプ19をオフにして、外弦チューニングランプ19に偏差を表示している場合には、里弦チューニングランプ18をオフしたが、これに限られるものではない。例えば、里弦チューニングランプ18、および外弦チューニングランプ19に液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを用いた場合には、里弦チューニングランプ18に偏差が表示されているときには、外弦チューニングランプ19をオフせずに、外弦チューニングランプ19に、例えば「里弦G1をチューニング中です」とコメントを表示するようにしても良い。これにより、二胡用チューナ10の使用者を、偏差が表示されているチューニングランプに注目させることができる。
【0110】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、調弦中の楽音の音高が、境界音を基準に、境界音の音高以下であれば、里弦チューニングランプ18を点灯させるとともに外弦チューニングランプ19を消灯させる一方、調弦中の楽音の音高が、境界音の音高よりも高ければ、里弦チューニングランプ18を消灯させると共に外弦チューニングランプ19を点灯させるように構成したが、これに限られるものではない。例えば里弦G1の調弦を行う際、里弦チューニングランプ18の点滅を見ながら境界音の音高以下の楽音を途切れることなく持続させる演奏を行い、その演奏中に弦巻を巻いて音高を徐々に上げていく場合、その音高が境界音を越えた場合であっても、調弦中の楽音が持続して演奏されている限りは里弦チューニングランプ18の点滅を続けると共に、外弦チューニングランプ19を消灯したままとしても良い。この構成により、例えば、里弦G1の調弦中は、常に里弦チューニングランプ18の表示だけに注目すれば良いので、二胡用チューナ10の使用者は、里弦G1を容易に基準音高に調弦することができる。
【0111】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、マイク31により収音された楽音の音高が各基準音高の±5セントの範囲内となった場合に、里弦チューニングランプ18、または外弦チューニングランプ19を点灯させるように構成したが、これに限られるものでない。即ち、マイク31により収音された楽音の音高が各基準音高の±3セントの範囲内となった場合に、里弦チューニングランプ18、または外弦チューニングランプ19を点灯させるように構成しても良いし、マイク31により収音された楽音の音高が各基準音高の±10セントの範囲内となった場合に、里弦チューニングランプ18、または外弦チューニングランプ19を点灯させるように構成しても良い。
【0112】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、マイク31により楽音が収音された場合に、DSP33は、A/D変換器32から出力されたデジタル信号の波形のゼロクロスを検知してCPU37に通知し、CPU37は、この通知に基づいてマイク31により収音された楽音の周期(音高)を検出したが、これに限られるものではない。即ち、DSP33は、A/D変換器32からデジタル信号が出力されてから数十ms経過した後に、A/D変換器32から出力されたデジタル信号の波形のゼロクロスを検知するように構成しても良い。或いは、CPU37は、DSP33からゼロクロスの通知が出力されてから数十ms経過した後に、マイク31により収音された楽音の周期(音高)を検出するように構成しても良い。これらの場合には、マイク31により楽音が収音されてから数十ms経過した後に、楽音の周期(音高)を検出するので、安定した楽音を用いてその楽音の周期(音高)を検出することができる。
【0113】
また、本実施形態の二胡用チューナ10においては、マイク31から収音された楽音の音高と各基準音高との偏差を算出後、その偏差を、里弦チューニングランプ18、または外弦チューニングランプ19に表示するように構成したが、これに限られるものではない。即ち、マイク31から収音された楽音の音高と各基準音高との偏差を算出後、その偏差が所定の単位時間内において予め定められた範囲内の変化に収束した場合に、その偏差を、里弦チューニングランプ18、または外弦チューニングランプ19に表示するように構成しても良い。この場合には、里弦チューニングランプ18、または外弦チューニングランプ19の表示態様が短時間で著しく変化することがなく、その表示を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】(a)は、本実施形態における二胡用チューナの外観を示した図であり、(b)は、二胡用チューナの一部であるコントローラの矢印Ib視における外観の拡大図である。
【図2】二胡用チューナの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、チューニングバリエーションテーブルの内容を模式的に示した図であり、(b)は、境界音テーブルの内容を模式的に示した図であり、(c)は、エフェクトテーブルの内容を模式的に示した図である。
【図4】メイン処理を示したフローチャートである。
【図5】チューナ機能設定処理を示したフローチャートである。
【図6】チューニングバリエーション処理を示したフローチャートである。
【図7】基準周波数設定処理を示したフローチャートである。
【図8】チューニング表示処理を示したフローチャートである。
【図9】マイクにより収音された楽音の音高に応じて変化する、里弦チューニングランプの表示態様、および外弦チューニングランプの表示態様を示した一覧図である。
【符号の説明】
【0115】
10 二胡用チューナ(調弦装置)
12 コントローラ(筐体)
13b〜13d,14 ボタン(選択手段の一部)
18 里弦チューニングランプ(第1表示手段)
19 外弦チューニングランプ(第2表示手段)
31 マイク(収音手段)
33 DSP(音高検出手段の一部)
36c 里弦基準音メモリ(第1基準音高設定手段の一部)
36d 外弦基準音メモリ(第2基準音高設定手段の一部)
36e 境界音メモリ(境界音高設定手段の一部)
37 CPU(音高検出手段の一部、第1基準音高設定手段の一部、第2基準音高設定手段の一部、境界音高設定手段の一部)
38 ROM(基準音高記憶手段の一部)
38a チューニングバリエーションテーブル(基準音高記憶手段の一部)
100 琴托
101 棹
G1 里弦
G2 外弦
N 二胡(弦楽器)
S23 チューニングバリエーション切換処理(選択手段の一部)
S56 チューニング表示処理(音高判定手段)
S58 チューニング表示処理(第1表示制御手段)
S59 チューニング表示処理(第1用停止手段)
S61 チューニング表示処理(第2表示制御手段)
S62 チューニング表示処理(第2用停止手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1弦と第2弦とから構成される弦楽器から出力される楽音の音高を検出し、その検出した音高と予め設定された基準音高との偏差を表示する調弦装置であって、
前記弦楽器から出力された楽音を収音する収音手段と、
その収音手段により収音された楽音の音高を検出する音高検出手段と、
前記第1弦に対する基準音高を設定する第1基準音高設定手段と、
前記第2弦に対する基準音高を設定する第2基準音高設定手段と、
前記音高検出手段により検出された音高と前記第1基準音高設定手段により設定された基準音高との偏差を表示する第1表示手段と、
前記音高検出手段により検出された音高と前記第2基準音高設定手段により設定された基準音高との偏差を表示する第2表示手段とを備えていることを特徴とする調弦装置。
【請求項2】
前記第1基準音高設定手段により設定される第1弦に対する基準音高は、前記第2基準音高設定手段により設定される第2弦に対する基準音高よりも低い音高に設定されるものであり、
前記第1弦に対する基準音高と前記第2弦に対する基準音高との間にある音高のうち、1の音高を境界音高として設定する境界音高設定手段と、
その境界音高設定手段により設定された境界音高と前記音高検出手段により検出された音高とを比較して、いずれの音高が高いかを判定する音高判定手段と、
前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと前記音高判定手段により判定された場合には、前記第1表示手段に前記偏差を表示させる第1表示制御手段と、
前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高より高い、またはその境界音高以上と前記音高判定手段により判定された場合には、前記第2表示手段に前記偏差を表示させる第2表示制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の調弦装置。
【請求項3】
前記第1表示制御手段は、前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高以下、またはその境界音高より低いと前記音高判定手段により判定された場合には、前記第2表示手段の表示を停止する第1用停止手段を備え、
前記第2表示制御手段は、前記音高検出手段により検出された音高が前記境界音高設定手段により設定された境界音高より高い、またはその境界音高以上と前記音高判定手段により判定された場合には、前記第1表示手段の表示を停止する第2用停止手段を備えていることを特徴とする請求項1、または2に記載の調弦装置。
【請求項4】
前記第1弦に対する基準音高と前記第2弦に対する基準音高とを一組の音高情報とし、その音高情報を複数組記憶する基準音高記憶手段と、
その基準音高記憶手段に記憶された複数組の音高情報から一組の音高情報を選択する選択手段とを備え、
前記第1基準音高設定手段は、前記第1弦に対する基準音高の設定を、前記選択手段により選択された一組の音高情報の第1弦に対する基準音高に応じて変更するものであり、
前記第2基準音高設定手段は、前記第2弦に対する基準音高の設定を、前記選択手段により選択された一組の音高情報の第2弦に対する基準音高に応じて変更するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の調弦装置。
【請求項5】
前記弦楽器は、前記第1弦を里弦とし、前記第2弦を外弦として、その里弦、および外弦を棹から所定の間隔を隔てた位置に配設する二胡であり、
その二胡の棹に装着されると共に前記所定の間隔を隔てて里弦、および外弦を配設することにより生じる空間に配置される筐体を備え、
前記第1表示手段、および第2表示手段は、その筐体に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の調弦装置。
【請求項6】
前記筐体に配設される第1表示手段、および第2表示手段は、前記筐体が前記棹に装着された場合にその棹の長手方向に沿って並べて設けられており、
前記第2表示手段は、前記第1表示手段と前記二胡の琴托との間となる位置に配置されていることを特徴とする請求項5記載の調弦装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−288342(P2009−288342A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138606(P2008−138606)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000116068)ローランド株式会社 (175)
【Fターム(参考)】