説明

警備装置および異常報知方法

【課題】監視領域の開閉口の施錠状態の異常を詳しく把握できかつその異常を迅速に報知することができる警備装置及び異常報知方法を提供する。
【解決手段】監視領域における異常を検知する警備装置において、前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の施錠状態を検知する第1のセンサまたは前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の開閉状態を検知する第2のセンサから検知信号を受信する検知受信手段と、前記検知受信手段が受信した前記第1のセンサからの前記検知信号または前記第2のセンサからの前記検知信号に基づいて、前記開閉口の施錠状態および前記開閉口の開閉状態を判定するセンサ判定手段と、前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合に、前記監視領域に警告を報知する警告報知手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域の開閉口の異常を検知して監視センタに通報する警備装置及び異常報知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の警備装置においては、警備領域内の窓や扉といった開閉口に対して施錠がなされているか、またはその開閉口の状態(開状態、または閉状態)を、その開閉口付近に設置されたセンサが検知し、その検知信号を警備装置が受信すると、スピーカ等を通じて家人に対して窓や扉が開いている状態であることを報知することが行われている。このような報知によって、家人は外出の際、あるいは在宅の場合でも窓や扉の閉め忘れ等を防止できる。
【0003】
例えば、特許文献1には、クレセント錠に対する施錠・解錠操作がなされたことに応じて検知信号を送出し、その検知信号の種類によってクレセント錠が施錠・解錠のいずれの状態であるかを検知することができ、家人は開閉口が未施錠であることを早期に発見できる技術が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、クレセント錠等のメインロックに補助ロックを設けた施錠構造において、メインロックと補助ロックの施錠状態を検知し、家人が室内から各ロックの施錠状態を視認でき、各ロックの締め忘れ等を防止できる技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2521751号公報
【特許文献2】特開2007−146637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された技術では、単にクレセント錠等のロックの施錠状態を検知して、家人に対して施錠されていない旨あるいは施錠されている旨を知らせるだけであり、ロックが解錠状態ではあるが窓や扉は閉まっている状態や、ロックが施錠状態ではあるが窓や扉は開いている状態(いわゆる、空打ち状態)については、事実上の施錠がなされていないにもかかわらず、そのような異常等を報知する手段がなく、不審者が家屋内に侵入し、家人に対して危険が及んでしまう恐れがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、監視領域の開閉口の施錠状態の異常を詳しく把握できかつその異常を迅速に報知することができる警備装置及び異常報知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、監視領域における異常を検知する警備装置において、前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の施錠状態を検知する第1のセンサまたは前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の開閉状態を検知する第2のセンサから検知信号を受信する検知受信手段と、前記検知受信手段が受信した前記第1のセンサからの前記検知信号または前記第2のセンサからの前記検知信号に基づいて、前記開閉口の施錠状態および前記開閉口の開閉状態を判定するセンサ判定手段と、前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合に、前記監視領域に警告を報知する警告報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の警備装置において、前記検知受信手段が前記第1のセンサまたは前記第2のセンサからの前記検知信号を受信した時点からの所定の第1時間を計時する第1の計時手段と、をさらに備え、前記警告報知手段は、前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合であって、前記第1時間を経過した場合に、前記監視領域に警告を報知すること、を特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の警備装置において、前記警告報知手段は、前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態かつ閉状態であると判定した場合には、前記開閉口に施錠がなされていない旨の警告を報知し、前記センサ判定手段が前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合には、前記開閉口の施錠が異常である旨の警告を報知すること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の警備装置において、前記警告報知手段が報知した警告を停止する操作を受け付ける操作入力受付手段と、前記操作入力受付手段が、前記警告を停止する操作を受け付けた時点からの第2時間を計時する第2の計時手段と、をさらに備え、前記警告報知手段は、前記操作入力受付手段が前記警告を停止する操作を受け付けた場合であっても、前記第2時間を経過した場合には、前記監視領域に前記警告を報知すること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の警備装置において、前記監視領域における警備を可能にして監視センタに通報する状態を示す警備状態と、前記監視区域の警備を解除して前記監視センタに通報しない状態を示す警備解除状態と、を含む前記監視領域の警備モードの切り替えを行う警備モード切替手段と、現在の警備モードが前記警備状態であり、かつ前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態または前記開閉口が開状態のいずれかであると判定した場合に、監視センタに警報を送信する異常通報手段と、をさらに備えること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、監視領域における異常を検知する警備装置において実行される異常通報方法において、検知受信手段が、前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の施錠状態を検知する第1のセンサまたは前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の開閉状態を検知する第2のセンサから検知信号を受信する検知受信ステップと、センサ判定手段が、前記検知受信手段が受信した前記第1のセンサからの前記検知信号または前記第2のセンサからの前記検知信号に基づいて、前記開閉口の施錠状態および前記開閉口の開閉状態を判定するセンサ判定ステップと、警告報知手段が、前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合に、前記監視領域に警告を報知する警告報知ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の異常報知方法において、監視領域における異常を検知し、前記監視領域における警備を可能にして監視センタに通報する状態を示す警備状態と、前記監視区域の警備を解除して前記監視センタに通報しない状態を示す警備解除状態と、を含む前記監視領域の警備モードの切り替えを行う警備モード切替手段と、を備える警備装置で実行される異常通報方法において、異常通報手段が、現在の警備モードが前記警備状態であり、かつ前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態または前記開閉口が開状態のいずれかであると判定した場合に、監視センタに警報を送信する異常通報ステップと、をさら含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1にかかる発明によれば、検知受信手段が、開閉口の施錠状態を検知する第1のセンサまたは前記開閉口の開閉状態を検知する第2のセンサから検知信号を受信し、センサ判定手段が、前記検知受信手段が受信した前記第1のセンサからの前記検知信号または前記第2のセンサからの前記検知信号に基づいて、前記開閉口の施錠状態および前記開閉口の開閉状態を判定し、警告報知手段が、前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合に、監視領域に警告を報知するので、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態のいずれかに異常が生じている場合にも、家人は開閉口の状態の異常を詳しくかつ迅速に把握でき、警備の質を向上させることができるという効果を奏する。
【0016】
請求項2にかかる発明によれば、請求項1に記載の警備装置において、第1の計時手段が、前記検知受信手段が前記第1のセンサまたは前記第2のセンサからの前記検知信号を受信した時点からの第1時間を計時し、前記警告報知手段は、前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合であって、前記第1時間を経過した場合に、前記監視領域に警告を報知するので、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態のいずれかに異常が生じている場合にも、家人は開閉口の状態の異常をより詳しくかつ迅速に把握でき、警備の質をさらに向上させることができるという効果を奏する。
【0017】
請求項3にかかる発明によれば、請求項1または2に記載の警備装置において、前記警告報知手段は、前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態かつ閉状態であると判定した場合には、前記開閉口に施錠がなされていない旨の警告を報知し、前記センサ判定手段が前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合には、前記開閉口の施錠が異常である旨の警告を報知するので、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態に応じて開閉口の異常を報知できるので、家人はその異常を容易に認識できるという効果を奏する。
【0018】
請求項4にかかる発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の警備装置において、操作入力受付手段が、前記警告報知手段が促した前記警告を停止する操作を受け付け、第2の計時手段が、前記操作入力受付手段が前記警告を停止する操作を受け付けた時点からの第2時間を計時し、前記警告報知手段は、前記操作入力受付手段が前記警告を停止する操作を受け付けた場合であっても、前記第2時間を経過した場合には、前記監視領域に前記警告を報知するので、家人が施錠忘れや施錠異常への対応を行わなかった場合であっても、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態に応じて開閉口の異常を報知でき、家人はその異常への対応を忘れずに行うことができるという効果を奏する。
【0019】
請求項5にかかる発明によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の警備装置において、警備モード切替手段が、前記監視領域における警備を可能にして監視センタに通報する状態を示す警備状態と、前記監視区域の警備を解除して前記監視センタに通報しない状態を示す警備解除状態と、を含む前記監視領域の警備モードの切り替えを行い、異常通報手段が、現在の警備モードが前記警備状態であり、かつ前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態または前記開閉口が開状態のいずれかであると判定した場合に、監視センタに警報を送信するので、警備モードが警備状態の場合に開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態のいずれかに異常が生じている場合にも、その異常が侵入者によるものであるとして監視センタに対して迅速に通報でき、警備の質を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる警備装置および異常報知方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の警備装置100の機能的構成を示すブロック図である。警備装置100は、図1に示すように、本体部210とコントローラ230とを備えており、ネットワーク280を介して監視センタ290に接続されている。また、本体部210は、監視領域に設置されたセンサ203a、203bと有線または無線で接続されている。
【0022】
センサ203aは、家屋全体の各部屋や玄関、廊下等の監視領域の開閉口(例えば、玄関の扉や部屋の窓等)に設置され、これと同じく開閉口に設置されている扉や窓等のロック装置(例えば、クレセント錠やシリンダー錠等)が施錠状態であるか解錠状態であるかを検知する施錠センサである。センサ203aは、ロック装置が施錠状態または解錠状態となった場合に、その検知信号を警備装置100に送信する。より具体的には、センサ203aは、扉や窓に設置されたロック装置が施錠状態となった場合には、警備装置100に、施錠状態(Locked)であることを示す検知信号「L」(以下、施錠検知信号と呼ぶ。)を送信し、一方、ロック装置が解錠状態となった場合には、解錠状態(Released)であることを示す検知信号「R」(以下、解錠検知信号と呼ぶ。)を送信する。
【0023】
また、センサ203bは、家屋全体の各部屋や玄関、廊下等の監視領域の開閉口付近(例えば、玄関の扉や部屋の扉枠や窓枠等)に設置され、扉や窓が開状態であるか、または閉状態であるかをマグネット等によって検知する開閉センサである。センサ203bは、扉や窓等が開状態または閉状態になった場合に、その検知信号を警備装置100に送信する。より具体的には、センサ203bは、扉や窓が閉状態となった場合には、警備装置100に、閉状態であることを示す検知信号「1」(以下、閉検知信号と呼ぶ。)を送信し、一方、扉や窓が開状態となった場合には、開状態であることを示す検知信号「0」(以下、開検知信号と呼ぶ。)を送信する。
【0024】
警備装置100のコントローラ230は、警備装置100の一部をなすものであるが、リビングや廊下の壁など警備装置100の本体部210とは別個に設置されており、警備装置100の本体の入出力制御部211に有線または無線で接続されている。
【0025】
コントローラ230は、操作表示部231と、マイク232と、スピーカ233とを備えている。操作表示部231は、住人に対して各種画面の表示を行う。また、操作表示部231は、住人からの警備モードを切替える操作(切替操作)等を受け付けて、受け付けた切替操作後の警備モード(警備状態、警備解除状態、在宅警備状態、および在宅警備帰宅待ち状態)を示す切替信号を警備装置100の本体部の入出力制御部211に送出する。操作表示部231は、例えばタッチ入力式の液晶画面等が該当する。上述した各種の警備モードの具体的な内容については後述する。また、操作表示部231は、後述する警告音声報知部219がスピーカ233から報知される家人に対する施錠異常の音声を停止する操作の入力を受け付ける。
【0026】
本体部210は、通信制御部206と、入出力制御部211と、警備モード記憶部212と、状態記憶部213と、警備モード切替部214と、施錠忘れ監視タイマー215と、施錠異常監視タイマー216と、異常通報部217と、メッセージタイマー218と、警告音声報知部219と、センサ判定部220と、検知受信部221と、を主に備えている。
【0027】
通信制御部206は、警備装置100とネットワーク280との間における通信を制御するものであり、具体的にはネットワークボードなどが該当する。
【0028】
入出力制御部211は、コントローラ230(操作表示部231、マイク232、スピーカ233)の入出力制御、センサ203a、203bの入力制御により種々のデータの入出力を制御する処理部である。
【0029】
警備モード記憶部212は、各種警備モード、および監視領域における現在の警備モードを記憶するメモリなどの記憶媒体である。すなわち、警備モード記憶部212には、現在の警備モードが記憶されていることになる。
【0030】
ここで、警備モードとは、監視領域において異常検知した際の通報先への通報の可否、または監視領域内に対する報知の可否などを定めたモードであり、異常を検知したときの警備装置100の動作を決定するモードである。警備モードは、通報の可否および通報先、監視領域への報知の有無などによって複数のモードが存在する。代表的な警備モードとしては、警備状態、在宅警備状態、警備解除状態等の警備モードが存在し、コントローラ230又はサブコントローラ230(コントローラは複数設定することも可能)における操作により、監視領域の警備モードを設定するようにしている。
【0031】
まず、警備状態とは、主に住人が外出中、警備を必要とする場合に設定する警備モードであり、センサ203aまたは203bによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置100が受信した場合に、異常を知らせる警報を監視センタ290に通報する状態である。なお、監視領域において異常を検知したことをスピーカ233に報知する場合もある。これは、侵入者を威嚇する目的や誤報である場合に警報解除操作を促す目的で報知するものである。
【0032】
在宅警備状態とは、主に住人が在宅中、警備を必要とする場合に設定する警備モードであり、家庭内の一部の部屋を監視領域とした場合において、センサ203aまたは203bによって当該監視領域内で異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置100が受信した場合に、監視領域において異常を検知したことをスピーカ233等で報知する状態である。なお、監視領域だけではなく監視センタに異常を知らせる警報を報知する場合もある。これは、在宅時においても監視センタへの通報を行う契約を結んだ場合であり、監視領域において異常を検知したことを報知した後に、監視センタに通報を行うなどの動作をする。
【0033】
警備解除状態とは、主に住人が在宅中、警備を必要としない場合に設定する警備モードであり、センサ203aまたは203bによって異常を検知したときに発せられる検知信号を警備装置100が受信した場合でも、監視センタへの警報の通報、監視領域における異常の検知、通報先端末への異常の通報のいずれも行わない状態である。これは、センサにより異常が検知(人の存在の検知、扉の開閉の検知)されても、在宅中の住人を検知したものと判断するためである。
【0034】
なお、検知された異常が火災やガス漏れの場合、または、非常ボタンが操作された場合は、前記いずれの警備モードであるかによらず、監視センタへの通報、各エリアへの異常が検知された旨の報知などを行う。
【0035】
状態記憶部213は、センサ203aまたはセンサ203bからの検知信号を記憶する。具体的には、センサ203aからの検知信号(すなわち、施錠検知信号「L」または解錠検知信号「R」)と、センサ203bからの検知信号(すなわち、閉検知信号「1」または開検知信号「0」)を記憶するメモリ等の記憶媒体である。状態記憶部213には、後述する検知受信部221が、上述した検知信号を受信する都度、後述するセンサ判定部220によって、その値が書き込まれる。すなわち、状態記憶部213には、現在のロック装置の施錠状態・解錠状態および扉や窓の開状態・閉状態が記憶されている。
【0036】
警備モード切替部214は、コントローラ230から入出力制御部211を介して切替信号を受け取り、受取った切替信号(すなわち、切り替え操作により指定された警備モード)に従って、警備モード記憶部212に、切り替え後の警備モードを記憶させることにより、現在の監視領域における警備モードの切替えを行うものである。
【0037】
施錠忘れ監視タイマー215は、後述する検知受信部221がセンサ203aからの解錠検知信号「R」を受信した時刻から、検知受信部221がセンサ203bからの開検知信号「0」を受信するまでの経過時間を計時する。
【0038】
すなわち、施錠忘れ監視タイマー215は、監視領域内の開閉口(扉や窓等)に設置されたロック装置が施錠され、かつその扉や窓が閉められた状態である場合であって、ロック装置が解錠された時刻から、扉や窓等が開けられた時刻までの経過時間を計時する。尚、施錠忘れ監視タイマー215は、あらかじめセンサ203aまたはセンサ203bから検知信号を受信した時刻から、センサ203bまたはセンサ203aからの検知信号を受信した時刻までの時間の許容範囲を示す時間(以下、忘れ経過設定時間と呼ぶ。)を記憶している。
【0039】
施錠異常監視タイマー216は、後述する検知受信部221がセンサ203bからの閉検知信号「1」を受信せずに、検知受信部221がセンサ203aからの施錠検知信号「L」を受信した時刻から、センサ203aからの解錠検知信号「R」を受信するまでの経過時間を計時する。
【0040】
すなわち、施錠異常監視タイマー216は、監視領域内の開閉口(扉や窓等)に設置されたロック装置が解錠され、かつその扉や窓が開けられた状態である場合であって、ロック装置が施錠された時刻から、扉や窓等が閉められる時刻までの経過時間を計時する。尚、施錠忘れ監視タイマー215は、あらかじめセンサ203aまたはセンサ203bから検知信号を受信した時刻から、センサ203bまたはセンサ203aからの検知信号を受信した時刻までの時間の許容範囲を示す時間(以下、異常経過設定時間と呼ぶ。)を記憶している。
【0041】
異常通報部217は、監視領域の警備モードが警備状態であるときに、センサ203a、203bによって監視領域の開閉口付近に設置されたロック装置が解錠状態または扉や窓等が開けられた状態になった場合に、監視センタへ異常を検知した旨の通報を行なうものである。
【0042】
メッセージタイマー218は、後述する警告音声報知部219が、スピーカ233から家人に対して施錠忘れであることを示す警告音声を報知した後、操作表示部231を介してその警告音声が停止された時刻から、後述する検知受信部221がセンサ203aまたはセンサ203bからの検知信号を受信するまでの経過時間を計時する。
【0043】
すなわち、メッセージタイマー218は、監視領域内の開閉口(扉や窓等)に設置されたロック装置が解錠され、かつその扉や窓が閉められた状態である場合、またはロック装置が施錠され、かつその扉や窓が開けられた状態である場合であって、これらの状態から、ロック装置が解錠され、かつその扉や窓が開けられた状態、あるいはロック装置が施錠され、かつその扉や窓が閉められた状態のいずれかの状態になるまでの経過時間を計時する。尚、メッセージタイマー218は、警告音声が報知された時刻から、センサ203aまたはセンサ203bからの検知信号を受信した時刻までの時間の許容範囲を示す時間(以下、警告経過設定時間と呼ぶ。)を記憶している。
【0044】
警告音声報知部219は、後述するセンサ判定部220が、状態記憶部213を参照して、検知受信部221がセンサ203aからの施錠検知信号「L」を受信しているが、センサ203bからの閉検知信号「1」を受信していないと判定した場合、または検知受信部221がセンサ203aからの解錠検知信号「R」を受信しているが、センサ203bからの開検知信号「0」を受信していないと判定した場合に、家人に対して「正しく施錠がなされていません。」「施錠忘れがあります。」等の警告メッセージをスピーカ233から報知させる。すなわち、監視領域の開閉口に設置されたロック装置が施錠されかつ扉や窓が開けられた状態、あるいはロック装置が解錠されかつ扉や窓が閉じられた状態には上述した警告メッセージが家人に対して報知される。
【0045】
また、警告音声報知部219は、上述したような正しく施錠がなされていない、あるいは施錠忘れがある場合であっても、後述するセンサ判定部220が、上述した各タイマーに記憶される経過設定時間(忘れ経過設定時間、異常経過設定時間、警告経過設定時間)内に、後述する検知受信部221がセンサ203aやセンサ203bからの検知信号を受信し、ロック装置が施錠されかつ扉や窓が閉じられた状態、あるいはロック装置が解錠されかつ扉や窓が開けられた状態と判定した場合には、スピーカ233からの上述した警告メッセージの報知を停止させる。
【0046】
また、警告音声報知部219は、警告メッセージが報知されている場合において、コントローラ230に備えられた操作表示部231からの警告メッセージの停止操作の入力が受け付けられたか否かを判定し、警告メッセージの停止操作が受け付けられたと判定した場合には、報知している警告メッセージを停止させる。
【0047】
センサ判定部220は、後述する検知受信部221がセンサ203aまたはセンサ203bからの検知信号を受信したか否かを判定し、後述する検知受信部221が受信して状態記憶部213に記憶した検知信号の値を読み取って、センサ203aからの検知信号の受信の有無、およびセンサ203bからの検知信号の受信の有無を判定する。
【0048】
具体的には、センサ判定部220は、状態記憶部213を参照して、上述した施錠忘れ監視タイマー215や施錠異常監視タイマー216やメッセージタイマー218が計時する経過時間が、各タイマーに記憶されている上述した各種の経過設定時間内にセンサ203aからの施錠検知信号「L」およびセンサ203bからの閉検知信号「1」、またはセンサ203aからの解錠検知信号「R」およびセンサ203bからの開検知信号「0」を受信しているか否かを判定する。
【0049】
検知受信部221は、センサ203aからの施錠検知信号または解錠検知信号、およびセンサ203bからの開検知信号または閉検知信号を受信したか否かを判定し、これらの各検知信号の値を状態記憶部213に書き込んで記憶させる。
【0050】
ネットワーク280は、電話回線、無線ネットワーク、WAN(Wide Area Network:広域通信網)、インターネットなどの通信回線である。
【0051】
監視センタ290は、監視領域の異常を検知した警備装置100からの通報を受け、待機中の警備員に対して異常が検知された監視領域へ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行うセンタである。
【0052】
図2は、実施の形態1の警備装置100およびセンサ203a、203bの監視領域内の配置図である。本実施の形態の警備装置100は、家屋である監視領域内の玄関、リビング等の開閉口である扉や窓の開閉状態を監視するものであり、各センサは扉枠や窓枠、または開閉口付近に設置される。
【0053】
続いて、以上のように構成された実施の形態1にかかる警備装置100で実行される各処理について説明する。
【0054】
図3は、実施の形態1において、監視領域の開閉口またはその付近に設置されたセンサ203a、203bからの検知信号を受信してから、家人に対して施錠状態、あるいは開閉状態が異常である旨の警告を放置するまでの処理手順を示すフローチャートである。以下の説明では、監視領域の開閉口である扉や窓またはその付近に設置されているロック装置の施錠状態は施錠されており、かつその扉や窓は閉まっている状態であるとして、各処理の手順について説明する。また、警備モード記憶部212に記憶されている警備モードは警備解除状態を示す警備モードが記憶されているものとする。すなわち、後述する各処理において、施錠忘れと判定された場合であっても、直ちに監視センタへの通報は行わないような警備モードとなっている。
【0055】
まず、検知受信部221は、センサ203aからの解錠検知信号(すなわち検知信号「R」)を受信したか否かを判定する(ステップS301)。そして、検知受信部221は、解錠検知信号を受信していないと判定した場合は(ステップS301;No)、そのまま待機し続け、一方、解錠検知信号を受信していると判定した場合は(ステップS301;Yes)、次のステップに進み、検知受信部221は、状態記憶部213にセンサ203aからの解錠検知信号を受信した旨(すなわち、検知信号「R」)を書き込む(ステップS302)。
【0056】
検知受信部221によって、解錠検知信号が状態記憶部213に書き込まれると、施錠忘れ監視タイマー215が起動し、その後センサ203aからの施錠検知信号、またはセンサ203bからの開検知信号を受信するまでの時間を計時する(ステップS303)。
【0057】
そして、検知受信部221は、センサ203bからの開検知信号を受信したか否かを判定し(ステップS304)、センサ203bからの開検知信号を受信したと判定した場合は(ステップS304;Yes)、状態記憶部213にセンサ203bからの開検知信号を受信した旨(すなわち、検知信号「0」)を書き込み、センサ判定手段220は、状態記憶部213に書き込まれた各センサの状態を読み取り、ロック装置が解錠され、かつ扉や窓等が開かれていると判断する(ステップS308)。
【0058】
その後、施錠監視忘れタイマー215が停止し(ステップS310)、本実施の形態における処理が終了する。すなわち、センサ判定部220は、センサ203aからの解錠検知信号「R」と、センサ203bからの開検知信号「0」を受信したことによって、扉や窓が開放されたため、ロック装置の施錠忘れではないと判定し、処理を終了させる。
【0059】
一方、検知受信部221は、センサ203bからの開検知信号を受信していないと判定すると(ステップS304;No)、続いて、センサ203aからの施錠検知信号を受信したか否かを判定する(ステップS305)。そして、センサ203aからの施錠検知信号を受信したと判定すると(ステップS305;Yes)、状態記憶部213にセンサ203aからの施錠検知信号を受信した旨(すなわち、施錠検知信号「L」)を書き込み、センサ判定手段220は、状態記憶部213に書き込まれた各センサの状態を読み取り、ロック装置が施錠され、かつ扉や窓等が閉じていると判断する(ステップS309)。
【0060】
その後、施錠監視忘れタイマー215が停止し(ステップS310)、本実施の形態における処理が終了する。すなわち、センサ判定部220は、センサ203aからの施錠検知信号「L」を受信したことによって、解錠状態となっているロック装置が施錠されたため、ロック装置の施錠忘れではないと判定し、処理を終了させる。
【0061】
一方、検知受信部221は、センサ203aからの施錠検知信号を受信していないと判定すると(ステップS305;No)、センサ判定部220は、施錠忘れ監視タイマー215が計時する時間が、忘れ経過設定時間を経過しているか否かを判定する(ステップS306)。そして、未だ忘れ経過設定時間を経過していないと判定した場合は(ステップS306;No)、ステップS304に戻り、ステップS304以降の各処理を繰り返す。
【0062】
一方、センサ判定部220は、既に忘れ経過設定時間を経過していると判定した場合は(ステップS306;Yes)、図4に示す施錠忘れ処理(ステップS307)を行う。
【0063】
図4は、図3に示す施錠忘れ処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS306において、センサ判定部220が、既に忘れ経過設定時間を経過していると判定すると(ステップS306;Yes)、警告音声報知部219は、コントローラ230に備えられたスピーカ233から、施錠忘れである旨の警告メッセージを報知し(ステップS401)、警告音声報知部219は、コントローラ230の操作表示部231からのメッセージ停止操作の入力が受け付けられたか否かを判定する(ステップS402)。
【0065】
そして、警告音声報知部219は、コントローラ230の操作表示部231からのメッセージ停止操作の入力が受け付けられていないと判定すると(ステップS402;No)、ステップS401に戻り、そのまま警告メッセージを報知し続ける。
【0066】
一方、警告音声報知部219は、コントローラ230の操作表示部231からのメッセージ停止操作の入力が受け付けられたと判定すると(ステップS402;Yes)、報知されている警告メッセージを停止する(ステップS403)。そして、警告メッセージが停止すると、メッセージタイマー218が起動し、その後センサ203aからの施錠検知信号、またはセンサ203bからの開検知信号を受信するまでの時間を計時する(ステップS404)。
【0067】
続いて、検知受信部221は、センサ203bからの開検知信号を受信したか否かを判定し(ステップS405)、センサ203bからの開検知信号を受信したと判定した場合は(ステップS405;Yes)、状態記憶部213にセンサ203bからの開検知信号を受信した旨(すなわち、開検知信号「0」)を書き込み、センサ判定部220は、状態記憶部213に書き込まれた各センサの状態を読み取り、ロック装置が解錠され、かつ扉や窓等が開放されていると判断する(ステップS408)。
【0068】
その後、メッセージタイマー218が停止し(ステップS410)、本実施の形態における処理が終了する。すなわち、センサ判定部220は、センサ203aからの解錠検知信号「R」と、センサ203bからの開検知信号「0」を受信したことによって、家人が警告メッセージを停止して扉や窓を開放したため、ロック装置の施錠忘れではないと判定し、処理を終了させる。
【0069】
一方、検知受信部221は、センサ203bからの開検知信号を受信していないと判定すると(ステップS405;No)、続いて、センサ203aからの施錠検知信号を受信したか否かを判定する(ステップS406)。そして、センサ203aからの施錠検知信号を受信したと判定すると(ステップS406;Yes)、状態記憶部213にセンサ203aからの施錠検知信号を受信した旨(すなわち、検知信号「L」)を書き込み、センサ判定部220は、状態記憶部213に書き込まれた各センサの状態を読み取り、ロック装置が施錠され、かつ扉や窓等が閉められていると判断する(ステップS409)。
【0070】
その後、メッセージタイマー218が停止し(ステップS410)、本実施の形態における処理が終了する。すなわち、センサ判定部220は、センサ203aからの施錠検知信号「L」を受信したことによって、家人が警告メッセージを停止して解錠状態となっているロック装置を施錠したため、ロック装置の施錠忘れではないと判定し、処理を終了させる。
【0071】
一方、検知受信部221は、センサ203aからの施錠検知信号を受信していないと判定すると(ステップS406;No)、センサ判定部220は、メッセージタイマー218が計時する時間が、警告経過設定時間を経過しているか否かを判定する(ステップS407)。そして、未だ警告経過設定時間を経過していないと判定した場合は(ステップS407;No)、ステップS405に戻り、ステップS405以降の各処理を繰り返す。
【0072】
一方、センサ判定部220は、既に警告経過設定時間を経過していると判定した場合は(ステップS407;Yes)、ステップS401に戻り、再びスピーカ233から警告メッセージを報知し、ステップS402以降の各処理を行う。このように、ステップS310またはステップS410のいずれかの処理が終了すると、本実施の形態における処理が終了する。
【0073】
上述したステップS301〜ステップS410までの各処理は、監視領域の開閉口である扉や窓またはその付近に設置されているロック装置の施錠状態は施錠されており、かつその扉や窓は閉まっている状態であった場合におけるものであったが、ロック装置の状態が解錠されており、かつその扉や窓が開いている状態である場合においても施錠忘れではないものの、正しく施錠されていない場合(すなわち、施錠異常の場合)等も存在する。そこで、図5において、そのような場合における各処理の手順について説明する。
【0074】
まず、検知受信部221は、検知受信部221がセンサ203bからの閉検知信号「1」を受信したか否かを判定する(ステップS501)。検知受信部221は、センサ203bからの閉検知信号を受信していると判定した場合は(ステップS501;Yes)、次のステップに進み、状態記憶部213にセンサ203bからの閉検知信号を受信した旨(すなわち、検知信号「1」)を書き込む(ステップS510)。
【0075】
検知受信部221によって、閉検知信号が状態記憶部213に書き込まれると、施錠忘れ監視タイマー215が起動し、その後センサ203aからの施錠検知信号、またはセンサ203bからの開検知信号を受信するまでの時間を計時する(ステップS511)。このときの状態記憶部213に記憶されたセンサ203a、センサ203bからの検知信号の状態は、図3におけるステップS303の場合と同じである。すなわち、扉や窓は閉じされた状態であるが、ロック装置だけが解錠されている状態である。したがって、このステップS511以降の各処理(ステップS511〜S518)はステップS303〜S310の各処理と同様の処理を行うため、ここではその説明を省略する。
【0076】
一方、検知受信部221は、センサ203bからの閉検知信号を受信していないと判定した場合は(ステップS501;No)、続いて、センサ203aからの施錠検知信号を受信したか否かを判定する(ステップS502)。そして、センサ203aからの施錠検知信号を受信していないと判定すると(ステップS502;No)、ステップS501に戻り、センサ203bからの閉検知信号を受信しているか否かを判定する。
【0077】
一方、センサ203aからの施錠検知信号を受信していると判定すると(ステップS502;Yes)、検知受信部221は、状態記憶部213にセンサ203aからの施錠検知信号を受信した旨(すなわち、検知信号「L」)を書き込む(ステップS503)。
【0078】
検知受信部221によって、施錠検知信号が状態記憶部213に書き込まれると、施錠異常監視タイマー216が起動し、その後センサ203aからの解錠検知信号を受信するまでの時間を計時する(ステップS504)。
【0079】
続いて、検知受信部221は、センサ203aからの解錠検知信号を受信したか否かを判定する(ステップS505)。そして、センサ203aからの解錠検知信号を受信したと判定すると(ステップS505;Yes)、状態記憶部213にセンサ203aからの解錠検知信号を受信した旨(すなわち、検知信号「R」)を書き込み、センサ判定部220は、状態記憶部213に書き込まれた各センサの状態を読み取り、ロック装置が解錠されたと判断する(ステップS508)。
【0080】
その後、施錠異常監視タイマー216が停止し(ステップS509)、本実施の形態における処理が終了する。すなわち、センサ判定部220は、センサ203aからの施錠検知信号「R」を受信したことによって、施錠状態となっているロック装置が解錠されたため、ロック装置の施錠異常ではないと判定し、処理を終了させる。
【0081】
一方、検知受信部221は、センサ203aからの解錠検知信号を受信していないと判定すると(ステップS505;No)、センサ判定部220は、施錠異常監視タイマー216が計時する時間が、異常経過設定時間を経過しているか否かを判定する(ステップS506)。そして、未だ異常経過設定時間を経過していないと判定した場合は(ステップS506;No)、ステップS505に戻り、センサ203aからの解錠検知信号を受信しているか否かを判定する。
【0082】
一方、センサ判定部220は、既に異常経過設定時間を経過していると判定した場合は(ステップS506;Yes)、図6に示す施錠異常処理(ステップS507)を行う。
【0083】
図6は、図5に示す施錠異常処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0084】
ステップS507において、センサ判定部220が、既に異常経過設定時間を経過していると判定すると(ステップS507;Yes)、警告音声報知部219は、コントローラ230に備えられたスピーカ233から、施錠異常である旨の警告メッセージを報知し(ステップS601)、警告音声報知部219は、コントローラ230の操作表示部231からのメッセージ停止操作の入力が受け付けられたか否かを判定する(ステップS602)。
【0085】
そして、警告音声報知部219は、コントローラ230の操作表示部231からのメッセージ停止操作の入力が受け付けられていないと判定すると(ステップS602;No)、ステップS601に戻り、施錠異常である旨の警告メッセージをそのまま報知し続ける。
【0086】
一方、警告音声報知部219は、コントローラ230の操作表示部231からのメッセージ停止操作の入力が受け付けられたと判定すると(ステップS602;Yes)、報知されている警告メッセージを停止する(ステップS603)。そして、警告メッセージが停止すると、メッセージタイマー218が起動し、その後センサ203aからの解錠検知信号を受信するまでの時間を計時する(ステップS604)。
【0087】
続いて、検知受信部221は、センサ203aからの解錠検知信号を受信したか否かを判定し(ステップS605)、センサ203aからの解錠検知信号を受信したと判定した場合は(ステップS605;Yes)、状態記憶部213にセンサ203aからの解錠検知信号を受信した旨(すなわち、検知信号「R」)を書き込み、センサ判定部220は、状態記憶部213に書き込まれた各センサの状態を読み取り、ロック装置が解錠されたと判断する(ステップS607)。
【0088】
その後、メッセージタイマー218が停止し(ステップS608)、本実施の形態における処理が終了する。すなわち、センサ判定部220は、センサ203aからの解錠検知信号「R」を受信したことによって、家人が施錠が異常である旨の警告メッセージを停止して扉や窓を開放したため、ロック装置の施錠異常ではないと判定し、処理を終了させる。
【0089】
一方、検知受信部221は、センサ203aからの解錠検知信号を受信していないと判定すると(ステップS605;No)、続いて、センサ判定部220は、メッセージタイマー218が計時する時間が、警告経過設定時間を経過しているか否かを判定する(ステップS606)。そして、未だ警告経過設定時間を経過していないと判定した場合は(ステップS606;No)、ステップS605に戻り、検知受信部221は、センサ203aからの解錠検知信号を受信しているか否かを判定する。
【0090】
一方、センサ判定部220は、既に警告経過設定時間を経過していると判定した場合は(ステップS606;Yes)、ステップS601に戻り、再びスピーカ233から警告メッセージを報知し、ステップS602以降の各処理を行う。このように、ステップS518、ステップS509、ステップS608、または図3に示すステップS310、図4に示すステップS410のいずれかの処理が終了すると、本実施の形態における処理が終了する。
【0091】
このように、本実施の形態においては、検知受信部221が、開閉口の施錠状態を検知するセンサ203aまたは開閉口の開閉状態を検知するセンサ203bから検知信号を受信し、センサ判定部220が、検知受信部221が受信したセンサ203aからの検知信号またはセンサ203bからの検知信号に基づいて、開閉口の施錠状態および開閉口の開閉状態を判定し、警告報知部219が、センサ判定部220が開閉口が解錠状態かつ閉状態、または開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合に、監視領域に警告を報知するので、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態のいずれかに異常が生じている場合にも、家人は開閉口の状態の異常を詳しくかつ迅速に把握でき、警備の質を向上させることができる。
【0092】
また、本実施の形態においては、施錠忘れ監視タイマー215または施錠異常監視タイマー216が、検知受信部221がセンサ203aまたはセンサ203bからの検知信号を受信した時点からの時間を計時し、警告報知部219は、センサ判定部220が、開閉口が解錠状態かつ閉状態、または開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合であって、計時する時間が忘れ経過設定時間または異常経過設定時間を経過した場合に、監視領域に警告を報知するので、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態のいずれかに異常が生じている場合にも、家人は開閉口の状態の異常をより詳しくかつ迅速に把握でき、警備の質をさらに向上させることができる。
【0093】
また、本実施の形態においては、警告報知部219は、センサ判定部220が開閉口が解錠状態かつ閉状態であると判定した場合には、開閉口に施錠がなされていない旨の警告を報知し、センサ判定部220が開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合には、開閉口の施錠が異常である旨の警告を報知するので、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態に応じて開閉口の異常を報知できるので、家人はその異常を容易に認識できる。
【0094】
また、本実施の形態においては、操作表示部231が、警告報知手段が促した警告を停止する操作を受け付け、メッセージタイマー218が、操作表示部231が警告を停止する操作を受け付けた時点からの時間を計時し、警告報知部219は、操作表示部231が警告を停止する操作を受け付けた場合であっても、計時する時間が警告経過設定時間を経過した場合には、監視領域に警告を報知するので、家人が施錠忘れや施錠異常への対応を行わなかった場合であっても、開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態に応じて開閉口の異常を報知でき、家人はその異常への対応を忘れずに行うことができる。
【0095】
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、警備モードが警備解除状態である場合に、監視領域の開閉口の施錠状態や開閉状態を検知することによって、施錠忘れ等の開閉口の異常を家人が容易に確認できるようにした。しかし、そのような施錠忘れ等の開閉口の異常は、例えば、家人が外出している場合においても、監視領域の開閉口の異常を検知して、監視センタに通報する等の処置を施すことによって、不審者の侵入を防ぐ必要がある場合も存在する。そこで、警備モードが警備状態である場合の、監視領域の開閉口の施錠状態や開閉状態を検知する場合について説明する。
【0096】
図7は、実施の形態2にかかる警備装置500の構成を示すブロック図である。実施の形態2における警備装置500は、警備装置の本体部510が、実施の形態1における異常通報部217とは異なる異常通報部530を備えている点で、実施の形態1における本体部210と異なっている。以下の説明では、上述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0097】
異常通報部530は、警備モード記憶部212に記憶されている警備モードが、警備状態であるか、または警備解除状態であるかを判定する。さらに、異常通報部530は、警備モードが警備状態であると判定した場合であって、センサ判定部220がセンサ203aからの解錠検知信号「R」を検知したと判定した場合には、「監視領域において施錠忘れの異常があります。」等のような施錠忘れの通報を監視センタ290に通報する。
【0098】
また、異常通報部530は、異常通報部530は、警備モードが警備状態であると判定した場合であって、センサ判定部220がセンサ203bからの開検知信号「0」を検知したと判定した場合には、「監視領域において施錠状態が異常です。」等のような施錠異常を示す通報を監視センタ290に通報する。
【0099】
図8は、警備装置500が行う処理手順を示すフローチャートである。図8に示す各処理では、あらかじめ警備モード記憶部212には警備状態を示す警備モードが記憶されているものとする。
【0100】
まず、異常通報部530は、警備モード記憶部212に記憶されている警備モードが警備状態であるか否かを判定する(ステップS801)。そして、警備モードが警備状態でないと判定した場合(すなわち、警備解除状態と判定した場合)には(ステップS801;No)、図3に示すステップS301以降の各処理または図5に示すステップS501以降の各処理を行う。ここでは、警備モード記憶部212には、警備モードとして警備状態が記憶されているので、以下の処理に進む。
【0101】
一方、異常通報部530は、警備モードが警備状態であると判定した場合(ステップS801;Yes)、検知受信部221は、センサ203aからの解錠検知信号を検知したか否かを判定する(ステップS802)。
【0102】
そして、センサ203aからの解錠検知信号を検知したと判定した場合(ステップS802;Yes)、異常通報部530は、監視センタ290に監視領域において施錠忘れがある旨の通報を行う(ステップS803)。
【0103】
一方、センサ203aからの解錠検知信号を検知していないと判定した場合(ステップS802;No)、検知受信部221は、さらにセンサ203bからの開検知信号を検知したか否かを判定する(ステップS804)。そして、センサ203bからの開検知信号を検知したと判定した場合(ステップS804;Yes)、異常通報部530は、監視センタ290に監視領域において施錠異常がある旨の通報を行う(ステップS805)。一方、検知受信部221が、センサ203bからの開検知信号を検知していないと判定した場合(ステップS804;No)、何もせずに処理を終了する。このステップS803、またはステップS805のいずれかの処理が終了すると本実施の形態における処理が終了する。
【0104】
このように、本実施の形態においては、警備モード切替部214が、監視領域における警備を可能にして監視センタに通報する状態を示す警備状態と、監視区域の警備を解除して監視センタに通報しない状態を示す警備解除状態と、を含む監視領域の警備モードの切り替えを行い、異常通報部530が、現在の警備モードが警備状態であり、かつセンサ判定部220が開閉口が解錠状態または開閉口が開状態のいずれかであると判定した場合に、監視センタに警報を送信するので、警備モードが警備状態の場合に開閉口の開閉状態および開閉口の施錠状態のいずれかに異常が生じている場合にも、その異常が侵入者によるものであるとして監視センタに対して迅速に通報でき、警備の質を向上させることができる。
【0105】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】実施の形態1の警備装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1の警備装置およびセンサの監視領域内の配置図である。
【図3】実施の形態1においてセンサからの検知信号を受信してから施錠忘れ処理を行うまでの手順を示すフローチャートである。
【図4】図3に示す施錠忘れ処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1においてセンサからの検知信号を受信してから施錠異常処理を行うまでの手順を示すフローチャートである。
【図6】図5に示す施錠異常処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2の警備装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2の場合においてセンサからの検知信号を受信してから監視センタに異常を通報するまでの手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0107】
100 500 警備装置
206 通信制御部
210 510 本体部
211 入出力制御部
212 警備モード記憶部
213 状態記憶部
214 警備モード切替部
215 施錠忘れ監視タイマー
216 施錠異常監視タイマー
217 530 異常通報部
218 メッセージタイマー
219 警告音声報知部
220 センサ判定部
221 検知受信部
230 コントローラ、サブコントローラ
231 操作表示部
232 マイク
233 スピーカ
280 ネットワーク
290 監視センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域における異常を検知する警備装置において、
前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の施錠状態を検知する第1のセンサまたは前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の開閉状態を検知する第2のセンサから検知信号を受信する検知受信手段と、
前記検知受信手段が受信した前記第1のセンサからの前記検知信号または前記第2のセンサからの前記検知信号に基づいて、前記開閉口の施錠状態および前記開閉口の開閉状態を判定するセンサ判定手段と、
前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合に、前記監視領域に警告を報知する警告報知手段と、
を備えることを特徴とする警備装置。
【請求項2】
前記検知受信手段が前記第1のセンサまたは前記第2のセンサからの前記検知信号を受信した時点からの所定の第1時間を計時する第1の計時手段と、をさらに備え、
前記警告報知手段は、前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合であって、前記第1時間を経過した場合に、前記監視領域に警告を報知すること、
を特徴とする請求項1に記載の警備装置。
【請求項3】
前記警告報知手段は、前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態かつ閉状態であると判定した場合には、前記開閉口に施錠がなされていない旨の警告を報知し、前記センサ判定手段が前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合には、前記開閉口の施錠が異常である旨の警告を報知すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の警備装置。
【請求項4】
前記警告報知手段が報知した警告を停止する操作を受け付ける操作入力受付手段と、
前記操作入力受付手段が、前記警告を停止する操作を受け付けた時点からの第2時間を計時する第2の計時手段と、をさらに備え、
前記警告報知手段は、前記操作入力受付手段が前記警告を停止する操作を受け付けた場合であっても、前記第2時間を経過した場合には、前記監視領域に前記警告を報知すること、
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の警備装置。
【請求項5】
前記監視領域における警備を可能にして監視センタに通報する状態を示す警備状態と、前記監視区域の警備を解除して前記監視センタに通報しない状態を示す警備解除状態と、を含む前記監視領域の警備モードの切り替えを行う警備モード切替手段と、
現在の警備モードが前記警備状態であり、かつ前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態または前記開閉口が開状態のいずれかであると判定した場合に、監視センタに警報を送信する異常通報手段と、をさらに備えること、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の警備装置。
【請求項6】
監視領域における異常を検知する警備装置において実行される異常通報方法において、
検知受信手段が、前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の施錠状態を検知する第1のセンサまたは前記監視領域の開閉口付近に設けられ、前記開閉口の開閉状態を検知する第2のセンサから検知信号を受信する検知受信ステップと、
センサ判定手段が、前記検知受信手段が受信した前記第1のセンサからの前記検知信号または前記第2のセンサからの前記検知信号に基づいて、前記開閉口の施錠状態および前記開閉口の開閉状態を判定するセンサ判定ステップと、
警告報知手段が、前記センサ判定手段が、前記開閉口が解錠状態かつ閉状態、または前記開閉口が施錠状態かつ開状態であると判定した場合に、前記監視領域に警告を報知する警告報知ステップと、
を含むことを特徴とする異常報知方法。
【請求項7】
監視領域における異常を検知し、前記監視領域における警備を可能にして監視センタに通報する状態を示す警備状態と、前記監視区域の警備を解除して前記監視センタに通報しない状態を示す警備解除状態と、を含む前記監視領域の警備モードの切り替えを行う警備モード切替手段と、を備える警備装置で実行される異常通報方法において、
異常通報手段が、現在の警備モードが前記警備状態であり、かつ前記センサ判定手段が前記開閉口が解錠状態または前記開閉口が開状態のいずれかであると判定した場合に、監視センタに警報を送信する異常通報ステップと、をさら含むこと、
を特徴とする請求項6に記載の異常報知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−163396(P2009−163396A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340857(P2007−340857)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】