説明

警報システム

【課題】監視領域に位置情報を送信する場合であってもコスト性に有利な警報システムを提供すること。
【解決手段】警報システム1は、監視領域における異常を検出した際に発報信号を送信するための複数の感知器30と、感知器30から送信された発報信号を受信するための受信機40とを備えて構成された警報システム1であって、受信機40は、各感知器30の緯度・経度を特定するための位置情報を含む信号を当該各感知器30に送信し、感知器30は、位置情報を格納するための位置情報テーブルを備え、受信機40から送信された位置情報を含む信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を位置情報テーブルに記憶し、位置情報テーブルにて記憶された位置情報を無線信号で監視領域に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視領域における異常を監視する警報システムが提案されている。例えば、特許文献1には、警報監視統合盤より伝送ラインを導出させ、各住戸に設置された住宅情報盤と当該警報監視統合盤とを接続しており、各住宅情報盤と火災感知器とを感知器回線を通じて接続しているシステムが開示されている。このシステムにおいては、感知器回線に接続された火災感知器が発報し、作動したときには、その住宅情報盤が内蔵された警報回路を駆動して警報音を出力し、これと共に住宅情報盤は、火災信号を警報監視統合盤に出力する。また、警報監視統合盤が、この火災信号を受信すると、内蔵した警報回路を作動して警報音を出力する他、近隣住居に火災発生を通知する。
【0003】
ところで、従来のシステムは、住宅に限らずにオフィスビル等の大型施設に設置することができる。ここで、このシステムをオフィスビル等に設置した場合には、異常が検出された際に、異常が検出された位置から監視領域内いるユーザが安全に避難できるように、監視領域において位置検出を行いたいとのニーズがあり、監視領域に位置情報を送信するための装置を備えたシステムを構築することが要望されている。
【0004】
このような監視領域に位置情報を送信可能なシステムの一形態としては、例えば、従来の警報システムの構成に加えて、監視領域に設けられた位置情報用端末であって、位置情報を監視領域に送信する位置情報用端末と、この位置情報用端末と位置情報回線により接続された位置情報用送信機であって、位置情報用端末に位置情報を送信する位置情報用送信機とを備えて構成することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−302190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したシステムにおいては、位置情報用端末及び位置情報用送信機を別途設置したり、位置情報回線を新たに敷設しなければならないので、システムの構成が複雑となり、設置コストが高くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、監視領域に位置情報を送信する場合であってもコスト性に有利な警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の警報システムは、監視領域における異常を検出した際に発報信号を送信するための複数の端末装置と、前記端末装置から送信された前記発報信号を受信するための受信機とを備えて構成された警報システムであって、前記受信機は、前記各端末装置の緯度・経度を特定するための位置情報を含む信号を当該各端末装置に送信し、前記端末装置は、前記位置情報を格納するための位置情報格納手段を備え、前記受信機から送信された位置情報を含む信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を前記位置情報格納手段に記憶し、前記位置情報格納手段にて記憶された位置情報を無線信号で監視領域に送信する。
【0009】
請求項2に記載の警報システムは、請求項1に記載の警報システムにおいて、前記端末装置は、異常を検出した際に、前記発報信号を前記受信機に送信すると共に、前記位置情報格納手段に格納された位置情報を含む信号を前記受信機に送信する。
【0010】
請求項3に記載の警報システムは、請求項2に記載の警報システムにおいて、前記受信機は、前記端末装置を配置した監視領域の地図情報を格納する地図情報格納手段と、前記地図情報格納手段にて格納された地図情報及び前記端末装置から受信した信号に含まれる前記位置情報に基づいて、異常が検出された位置を特定する位置特定手段と、前記地図情報格納手段にて格納された地図情報に基づいて、前記位置特定手段にて特定された位置から監視領域内にいるユーザを避難させるための避難情報を取得する避難情報取得手段とを備え、前記避難情報取得手段が避難情報を取得した場合に、当該取得した避難情報を含む信号を前記端末装置に送信し、前記端末装置は、前記受信機から前記避難情報を受信した場合に、当該受信した避難情報を含む信号を無線信号で監視領域に送信する。
【0011】
請求項4に記載の警報システムは、請求項3に記載の警報システムにおいて、前記端末装置は、前記受信機から前記避難情報を受信した場合に、前記受信機から受信した避難情報を含む信号をプッシュメールにて監視領域に送信する。
【0012】
請求項5に記載の警報システムは、請求項2から4のいずれか一項に記載の警報システムにおいて、前記受信機は、前記端末装置から発報信号を受信した場合に、当該端末装置から受信した発報信号及び位置情報を含む信号を当該警報システムの外部へ送信すると共に、前記地図情報格納手段にて格納された地図情報であって、前記位置特定手段にて特定された位置に対応する地図情報を含む信号を当該警報システムの外部へ送信する。
【0013】
請求項6に記載の警報システムは、請求項1から5のいずれか一項に記載の警報システムにおいて、前記各端末装置と緯度・経度が一致するように設置されたものであって、衛星から送信されたGPS信号を受信する複数のGPS受信装置を備え、前記GPS受信装置は、前記衛星から送信されたGPS信号を受信し、当該受信したGPS信号を前記受信機に送信し、前記受信機は、前記各GPS受信装置から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した各GPS信号を前記各端末装置に送信し、前記端末装置は、前記受信機から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を前記位置情報格納手段に記憶する。
【0014】
請求項7に記載の警報システムは、受信機に対して監視領域における異常を検出した際に発報信号を送信するための端末装置であって、異常を検出する検出手段と、前記検出手段が異常を検出した場合に、前記発報信号を前記受信機に送信する送信手段と、前記受信機から送信された当該端末装置の緯度・経度を特定するための位置情報を含む信号を受信する受信手段と、前記受信手段にて受信された信号に含まれる位置情報を格納するための位置情報格納手段と、前記位置情報格納手段にて記憶された位置情報を無線信号で監視領域に送信する位置情報送信手段とを備える。
【0015】
請求項8に記載の警報システムは、請求項7に記載の警報システムにおいて、前記検出手段が異常を検出した場合に、前記送信手段は、前記発報信号を前記受信機に送信すると共に、前記位置情報格納手段に格納された位置情報を含む信号を前記受信機に送信する。
【0016】
請求項9に記載の警報システムは、請求項8に記載の警報システムにおいて、前記受信手段が監視領域内にいるユーザを避難させるための避難情報を含む信号を前記受信機から受信した場合に、前記位置情報送信手段は、当該受信した避難情報を含む信号をプッシュメールにて監視領域に送信する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の警報システム、又は請求項7に記載の端末装置によれば、端末装置は、受信機から送信された位置情報を含む信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を位置情報格納手段に記憶し、位置情報格納手段にて記憶された位置情報を含む信号を無線信号で監視領域に送信するので、位置情報を監視領域に送信するための専用の装置を新たに設けることを省略することができ、システムの構成を簡略化することができると共に、設置コストを低減することができる。
【0018】
請求項2に記載の警報システム、又は請求項8に記載の端末装置によれば、端末装置は、異常を検出した際に、発報信号を受信機に送信すると共に、位置情報格納手段に格納された位置情報を含む信号を受信機に送信するので、受信機は異常が検出された情報と発報した端末装置の位置情報とを取得することができ、各端末装置の監視領域内にいるユーザに対して警報を行ったり、あるいはシステムの外部に当該異常に関する通報を行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の警報システムによれば、端末装置は、受信機から避難情報を受信した場合に、当該受信した避難情報を含む信号を無線信号で監視領域に送信するので、各端末装置の監視領域内にいるユーザは避難情報を取得することができ、当該取得した避難情報に基づいて避難することができる。
【0020】
請求項4に記載の警報システム、又は請求項9に記載の端末装置によれば、端末装置は、受信機から避難情報を受信した場合に、受信機から受信した避難情報を含む信号をプッシュメールにて監視領域に送信するので、各端末装置の監視領域内にいるユーザは避難情報をリアルタイムで受信できると共に、避難情報を受信するために当該ユーザ自ら携帯端末を操作する手間を省くことができる。
【0021】
請求項5に記載の警報システムによれば、受信機は、端末装置から発報信号を受信した場合に、当該端末装置から受信した発報信号及び位置情報を含む信号を当該警報システムの外部へ送信すると共に、地図情報格納手段にて格納された地図情報であって、位置特定手段にて特定された位置に対応する地図情報を含む信号を当該警報システムの外部へ送信するので、消防署や警察署等の外部機関に対して監視領域で異常を検出したことを通報すると同時に、異常が検出された位置に関する詳細な情報を送信することができ、外部機関は当該異常に対する措置をとりやすくなる。
【0022】
請求項6に記載の警報システムによれば、GPS受信装置は、衛星から送信されたGPS信号を受信し、当該受信したGPS信号を受信機に送信し、受信機は、各GPS受信装置から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した各GPS信号を各端末装置に送信し、端末装置は、受信機から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を位置情報格納手段に記憶するので、端末装置はGPS信号に含まれる位置情報を当該端末装置の監視領域に送信することができ、ユーザに対して高精度な位置情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態に係る警報システムの構成を示す概念図である。
【図2】感知器の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】受信機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】位置情報設定処理のフローチャートである。
【図5】発報処理のフローチャートである。
【図6】避難マップの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る警報システムの実施の形態を詳細に説明する。ただし、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(構成)
本実施の形態に係る警報システムの設置対象の具体的な目的や構成は特記するものを除いて任意であり、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されたGPS信号を遮断する建物であり、例えば、オフィスビル、ショッピングセンター等の地上施設に限定されず、トンネル、地下街等の地下施設にも設置することができる。以下では、設置対象が、オフィスビルである場合を例として説明を行う。また、以下の説明では、本実施の形態の建物は、鉄筋コンクリート等で形成された床、天井、屋根、壁で構成されている。また、以下の説明では、「位置情報」とは、衛星から送られるGPS信号の受信点の位置を示す情報であって、例えば、緯度、経度、高度等に関する情報が含まれるものとする。
【0026】
(構成−警報システム)
次に、警報システムの機械的及び電気的構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る警報システム1の構成を示す概念図である。図1に示すように、警報システム1は、GPS受信アンテナ10、GPS受信機20、感知器30、及び受信機40を備えて構成されている。
【0027】
GPS受信アンテナ10は、衛星から送信されたGPS信号を受信するGPS受信装置である。このGPS受信アンテナ10は、建物の屋外に設置されており、当該建物の屋根等に所定間隔毎に固定されている。また、GPS受信アンテナ10の各々の間隔の設定方法は任意であり、例えば、後述する感知器30のGPS信号の送信範囲が一定の場合には、当該GPS信号の送信範囲の相互間に隙間が生じないように、GPS受信アンテナ10の各々の間隔が設定される。
【0028】
ここで、「GPS信号」とは、GPS衛星から送信されるGPS信号が含まれるが、これに限られず、例えば、高い測位精度を有する準天頂衛星から送信されるQZSS(Quasi−Zenith Satellite System)信号が含まれる。このQZSS信号は、GPS信号と同様に、無線通信で使用される周波数帯域1.5754GHzにおいてPRN番号(Pseudo Random Noise code number:擬似雑音符号番号)で管理されており、GPS信号と同様に取り扱うことができる。なお、GPS信号の通信方法は任意であり、例えば、GPS受信アンテナ10にてGPS信号が受信された時の通信フォーマット(例えば、周波数帯域等)と同一であってもよく、あるいは後述するGPS受信機20、感知器30、又は受信機40にて各装置間において互換性を有する通信フォーマットに変更してもよい。
【0029】
また、GPS受信アンテナ10によるGPS信号の受信方法は任意であり、複数のGPS信号に基づいてGPS受信アンテナ10の位置を特定するために、当該GPS受信アンテナ10が複数の衛星から所定数のGPS信号(例えば4つ以上のGPS信号)を受信する。また、GPS受信アンテナ10が複数のGPS信号を受信する場合には、例えば、当該GPS受信アンテナ10がGPS衛星のみからGPS信号を受信したり、あるいは、GPS衛星及び準天頂衛星からGPS信号及びQZSS信号を組み合わせて受信してもよい。また、例えば、GPS受信アンテナ10からGPS信号を受信できる衛星が所定数以上ある場合には、当該GPS受信アンテナ10が受信状態の良好な衛星を公知の検出方法で検出する図示しない検出部を備えることにより、当該GPS受信アンテナ10が当該図示しない検出部にて検出された衛星のGPS信号を受信するようにしてもよい。
【0030】
GPS受信機20は、GPS受信アンテナ10にて受信されたGPS信号を受信するものである。このGPS受信機20は、各GPS受信アンテナ10に対応して設けられており、建物の屋外に設置され、電線を介してGPS受信アンテナ10と接続されている。また、このGPS受信機20は、図示しないチューナ41を備えて構成されている。図示しないチューナ41は、GPS受信アンテナ10にて受信された複数のGPS信号から所定のGPS信号を取得する取得手段である。具体的には、図示しないチューナ41は、GPS受信アンテナ10にて受信されたGPS信号から所定の周波数帯域のGPS信号(例えば、周波数帯域1.5754GHzのGPS信号)を公知の方法にて取得する。
【0031】
感知器30は、監視領域における異常を検出した際に発報信号を送信するための端末装置である。この感知器30は、各GPS受信アンテナ10に対応して設けられており、建物の屋内に設置され、当該建物の天井等に固定されている。また、この感知器30は、当該感知器30の緯度・経度とGPS受信アンテナ10の緯度・経度とが一致するように配置されている。これにより、感知器30にて送信されたGPS信号に基づいて特定されるGPS受信アンテナ10の位置と実際にGPS受信アンテナ10が設置されている位置とを一致させることができる。図2は、感知器30の電気的構成を示したブロック図である。図2に示すように、この感知器30は、検出部31、表示部32、通信部33、送信アンテナ部34、電源部35、制御部36、及び記憶部37を備えて構成されている。
【0032】
検出部31は、監視領域における異常を検出する検出手段であり、例えば、温度、煙濃度、ガス濃度等を公知の方法にて測定するセンサ等で構成される。
【0033】
表示部32は、感知器30に関する情報を表示するための表示手段である。この表示部32としては、例えば公知の7セグメントディスプレイや液晶ディスプレイ等を用いることができる。
【0034】
通信部33は、当該感知器30と受信機40との相互間で各種信号の受信と送信を行う有線通信手段である。この通信部33は、例えば受信回路と送信回路(いずれも図示せず)とを備えて構成され、受信回路を介して後述する受信機40から送信されたGPS信号、避難情報を含む信号、又は地図情報を含む信号を受信したり、送信回路を介して受信機40に向けて発報信号又はGPS信号を送信する(後述する通信装置の通信部33についても同様とする)。
【0035】
送信アンテナ部34は、通信部33にて受信された信号を監視領域に送信する送信手段であり、例えば、通信部33にて受信されたGPS信号、避難情報を含む信号、又は地図情報を含む信号を無線信号で監視領域に送信する。この送信アンテナ部34の具体的構成は任意であるが、例えば、送信アンテナ部34は、建物の屋内の広さに応じて、監視領域に送信されるGPS信号等の送信範囲を任意に変えられるようにGPS信号等の送信範囲を調整する図示しない送信範囲調整部を備えて構成してもよい。この図示しない送信範囲調整部を用いる場合には、例えば、感知器30に取り付けられた図示しない操作部が管理人等によって操作されることにより、GPS信号等の送信範囲が調整されるようにしてもよい。
【0036】
電源部35は、電源線3を介して受信機40から供給された電力を感知器30の各部に供給する電力供給手段である。
【0037】
制御部36は、感知器30の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む。後述する受信機40の制御部45も同じ)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き揮発性記録媒体を備えて構成される。この制御部36によって実行される処理の詳細については後述する。
【0038】
この記憶部37は、位置情報を位置情報テーブル37aを備えている。この位置情報テーブル37aは、位置情報を格納する位置情報格納手段である。ここで、位置情報を位置情報テーブル37aに記憶するタイミングは任意であり、例えば、通信部33がGPS信号を受信した際に、制御部36が当該受信したGPS信号に含まれる位置情報を公知の方法にて取得し、当該取得した位置情報を位置情報テーブル37aに記憶する。
【0039】
受信機40は、感知器30から送信された発報信号を受信するためのものである。この受信機40は、建物の屋内に設置されており、伝送線2を介してGPS受信機20と接続されていると共に、伝送線2及び電源線3を介して感知器30と接続されている。図3は、受信機40の電気的構成を示したブロック図である。図3に示すように、受信機40は、表示部41、操作部42、通信部43、電源部44、制御部45、及び記憶部46を備えて構成されている。
【0040】
表示部41は、制御部45の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。なお、この表示部41の具体的な構成は任意であり、例えば、公知の7セグメントディスプレイや液晶ディスプレイ及び表示灯を含んで構成されている。
【0041】
操作部42は、受信機40に対する操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部42は、例えばスイッチやタッチパネル等の公知の操作手段を用いて構成される。
【0042】
通信部43は、当該受信機40とGPS受信機20との相互間、当該受信機40と感知器30との相互間、又は当該受信機40と消防署等との相互間で各種信号の受信と送信を行う有線通信手段である。
【0043】
電源部44は、電源線3を介して図示しない交流電源等から供給された電力を受信機40の各部に供給する電力供給手段である。
【0044】
制御部45は、当該受信機40の各部を制御する制御手段である。この制御部45は、機能概念的に、位置特定部45a及び避難情報取得部45bを備えている。位置特定部45aは、後述する地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)46aにて格納された地図情報及び感知器30から受信したGPS信号に含まれる位置情報に基づいて、異常が検出された位置を特定する位置特定手段である。避難情報取得部45bは、後述する地図情報DB46aにて格納された地図情報に基づいて、位置特定部45aにて特定された位置から監視ユーザを避難させるための避難情報を取得する避難情報取得手段である。これら位置特定部45a及び避難情報取得部45bの具体的機能については後述する。
【0045】
記憶部46は、当該受信機40の各種制御に必要な情報を記録する記録手段である。この記憶部46の具体的構成は任意であるが、情報を書換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。また、この記憶部46は、地図情報DB46aを備えている。地図情報DB46aは、地図情報を格納する格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えば、建物データ(緯度・経度、種別、間取り等)、避難経路データ(避難経路パターン、避難経路の距離等)、地図を表示部41に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0046】
特に、この「地図情報」は、避難経路データのうちの「避難経路パターンに関する情報」及び「避難経路の距離に関する情報」を含んでいる。「避難経路パターンに関する情報」としては、各部屋から建物の出口までの避難経路であって、想定される異常検出位置から各部屋にいるユーザを避難させるための避難経路を含む避難経路パターンが格納されている。例えば、「避難経路パターンに関する情報」としては、各部屋を一意に識別するための情報と、異常が検出された位置を特定するための情報と、異常が検出された部屋を特定するための情報と、各部屋から建物の出口までの避難経路を特定するための情報とを、相互に関連付けて格納されている。また、「避難経路の距離に関する情報」としては、「避難経路パターンに関する情報」の各避難経路パターンに対応する距離データが格納されている。例えば、「避難経路の距離に関する情報」としては、各部屋から建物の出口までの避難経路を特定するための情報と、各避難経路の距離を特定するための情報とを、相互に関連付けて格納されている。なお、これら「避難経路パターンに関する情報」及び「避難経路の距離に関する情報」は、地図情報DB46aとは異なる格納手段に格納されてもよいが、ここでは地図情報DB46aにおいて地図情報の一部として格納されているものとして説明する。
【0047】
(処理ー位置情報設定処理)
次に、このように構成された警報システム1によって実行される処理について説明する。まず、GPS受信アンテナ10にて受信されたGPS信号に含まれる位置情報を感知器30に設定する位置情報設定処理について説明する。図4は位置情報設定処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この処理は、例えば受信機40の電源が投入された場合に、所定周期で繰り返し起動される。
【0048】
図4に示すように、位置情報設定処理が起動されると、受信機40の制御部45は、通信部43が各GPS受信アンテナ10によって衛星から受信したGPS信号をGPS受信機20を介して受信するまで待機する(SA1)。ここで、通信部43がGPS信号を受信した場合に(SA1、Yes)、受信機40の制御部45は、当該受信した各GPS信号を通信部43によって各感知器30に送信させる(SA2)。具体的には、各GPS受信機20には、当該各GPS受信機20と接続されたGPS受信アンテナ10を識別するための識別情報を予め記憶しておき、受信機40の記憶部46には、各GPS受信アンテナ10の識別情報と、各GPS受信アンテナ10と緯度・経度とが一致する感知器30を識別するための識別情報と、各感知器30が実行する指令情報とを相互に対応付けて図示しない指令情報テーブルに記憶しておく。そして、受信機40がGPS受信機20からGPS信号を受信した場合に、受信機40の制御部45は、各GPS受信機20から送信されたGPS信号と併せて取得した識別情報に基づいて図示しない指令情報テーブルを参照することで、当該識別情報に対応する感知器30の識別情報及び指令情報を取得し、当該取得した感知器30の識別情報及び指令情報をGPS信号に公知の方法で付加し、当該付加したGPS信号を通信部43によって各感知器30に送信させる。なお、感知器30に送信されるGPS信号に含まれる電文の構成は任意であるが、例えば、この電文は、感知器30の識別情報が格納された感知器IDコード、感知器30の指令情報が格納されたコマンドコード(例えば、データコードに含まれる位置情報を感知器30の記憶部37に記憶する等)、位置情報が格納されたデータコードを含んで構成されている。
【0049】
SA2の処理後、感知器30の制御部36は、通信部33が受信機40から送信されたGPS信号を受信するまで待機する(SA3)。ここで、通信部33がGPS信号を受信した場合に(SA3、Yes)、感知器30の制御部36は、当該受信したGPS信号を公知の方法にて位置情報に変換し、当該変換された位置情報を位置情報テーブル37aに記憶させる(SA4)。具体的には、各感知器30の記憶部37には、各感知器30を識別するための識別情報を予め記憶しておく。そして、感知器30の制御部36は、受信機40から送信されたGPS信号を通信部33によって受信し、当該受信したGPS信号を公知の方法にて情報に変換する。次に、感知器30の制御部36は、当該変換した情報に含まれる感知器30の識別情報と、記憶部37に記憶された識別情報とが一致するか否かを判定し、これらの識別情報が一致すると判定した場合には、当該変換した情報に含まれる指令情報に基づいて、当該変換した情報に含まれる位置情報を位置情報テーブル37aに記憶させる。
【0050】
その後、感知器30の制御部36は、位置情報テーブル37aにて記憶された位置情報を公知の方法にてGPS信号に変換し、当該変換したGPS信号を送信アンテナ部34によって無線信号で監視領域に送信させる(SA5)。これにより、各感知器30の監視領域内にいるユーザは、当該ユーザが携帯する携帯端末(例えば、GPS機能が搭載された携帯電話等)によってGPS信号を受信することができ、当該受信されたGPS信号に基づいて、当該感知器30に対応するGPS受信アンテナ10の位置に関する位置情報を公知の方法にて取得することができる。なお、監視領域へのGPS信号の送信方法は任意であり、例えば、次の周期の位置情報設定処理が行われるまで、感知器30の制御部36は、GPS信号を送信アンテナ部34によって監視領域に常時送信させる。
【0051】
(処理−発報処理)
次に、感知器30が異常を検出した場合に実行される発報処理について説明する。図5は受信機40及び感知器30が実行する発報処理のフローチャートである。この発報処理の実行タイミングは任意で、例えば位置情報設定処理のSA4にて感知器30が位置情報を位置情報テーブル37aに記憶させた後に自動的に開始される。
【0052】
図5に示すように、まず、感知器30の制御部36は、検出部31によって監視領域の監視動作を実行させる(SB1)。ここで、検出部31が異常を検出した場合に(SB1、Yes)、感知器30の制御部36は、通信部33によって発報信号を受信機40に送信させる(SB2)。これと同時に、感知器30の制御部36は、SA4にて位置情報テーブル37aに記憶された位置情報を公知の方法にてGPS信号に変換し、当該変換されたGPS信号を通信部33によって受信機40に送信させる(SB2)。
【0053】
次に、受信機40の制御部45は、通信部43が感知器30から送信された発報信号及びGPS信号を受信するまで待機する(SB3)。ここで、通信部43が発報信号及びGPS信号を受信した場合に(SB3、Yes)、受信機40の位置特定部45aは、GPS信号を公知の方法にて位置情報に変換し、当該変換した位置情報及び地図情報DB46aにて格納された地図情報に基づいて、建物の屋内において異常が検出された位置を特定する(SB4)。具体的には、受信機40の位置特定部45aは、位置情報に含まれる緯度・経度と、地図情報の建物データに含まれる緯度・経度とが一致する位置を、異常が検出された位置として特定する。
【0054】
続いて、受信機40の避難情報取得部45bは、地図情報DB46aにて格納された地図情報に基づいて、位置特定部45aにて特定された位置から監視領域内にいるユーザを避難させるための避難情報を取得する(SB5)。具体的には、避難情報取得部45bは、地図情報の建物データに含まれる緯度・経度及び間取りに基づいて、位置特定部45aにて特定された位置の部屋を特定する。そして、避難情報取得部45bは、当該特定された異常が検出された部屋に基づいて、避難経路データに含まれる避難経路パターンを参照して、異常が検出された部屋に対応する各部屋の避難経路を取得する。また、避難情報取得部45bは、当該取得した各避難経路に基づいて、避難経路データに含まれる避難経路の距離データを参照して、各部屋の避難経路の距離を取得する。
【0055】
次いで、受信機40の制御部45は、記憶部46に記憶された所定のソフトを用いて、地図情報DB46aにて格納された地図情報及び避難情報取得部45bにて取得した避難情報を公知の方法にて合成し、図6に示すような避難マップを生成する(SB6)。図6は、避難マップの構成例を示す図である。図6に示すように、この避難マップは、各部屋毎に生成されるものであって、各部屋の避難情報と当該各避難情報に関連する地図情報に基づいて構成されており、建物の地図、避難情報(図6では、3階中央の部屋から建物の出口までの避難経路、及びその避難経路の距離32.1mが表示されている)、及び画像等が所定の形式に自動的に編集される。また、この避難マップは任意に編集できるものであり、例えば、管理人等が受信機40の操作部42によって新規データを追加したり、地図等の位置を自由に入れ替えたりすることができる。
【0056】
続いて、受信機40の制御部45は、SB5にて取得された避難情報及びSB6にて生成された避難マップを公知の方法にて信号に変換し、当該変換された避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を通信部43によって各感知器30に送信させる(SB7)。具体的には、受信機40の制御部45は、SB5にて取得された避難情報及びSB6にて生成された避難マップにそれぞれSB3にて受信したGPS信号に含まれる感知器30の識別情報を公知の方法で付加し、当該付加した避難情報及び避難マップを公知の方法にて信号に変換し、当該変換した避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を通信部43によって各感知器30に送信させる。
【0057】
次に、感知器30の制御部36は、通信部33が感知器30から送信された避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を受信するまで待機する(SB8)。ここで、通信部33が避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を受信した場合に(SB8、Yes)、受信機40の制御部45は、当該避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を無線信号で送信アンテナ部34によって監視領域に送信させる(SB9)。具体的には、感知器30の制御部36は、受信機40から送信された避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を通信部33によって受信させ、当該受信させた避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を公知の方法にて情報に変換する。次いで、感知器30の制御部36は、当該変換した情報に含まれる感知器30の識別情報と、記憶部37に記憶された識別情報とが一致するか否かを判定する。その結果、これらの識別情報が一致すると判定した場合には、感知器30の制御部36は、当該変換した情報を公知の方法にて再び信号に変換し、当該変換された避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号を送信アンテナ部34によって監視領域に送信させる。これにより、各感知器30の監視領域内にいるユーザは避難情報を取得することができ、当該取得した避難情報に基づいて避難することができる。ここで、送信アンテナ部34の無線信号による送信方法は任意であり、例えば、感知器30の制御部36は、送信アンテナ部34によって避難情報を含む信号及び避難マップを含む信号をプッシュメールにて監視領域に送信させてもよい。これにより、各感知器30の監視領域内にいるユーザは避難情報をリアルタイムで受信できると共に、避難情報を受信するために当該ユーザ自ら携帯端末を操作する手間を省くことができる。
【0058】
また、SB7の処理後、受信機40の制御部45は、SB3にて受信した発報信号及びGPS信号を、通信部43によって消防署や警察署等に送信させる(SB10)。これと同時に、受信機40の制御部45は、地図情報DB46aにて格納された地図情報であって、位置特定部45aにて特定された位置に対応する地図情報を公知の方法にて変換し、当該変換した地図情報を含む信号を、通信部43によって消防署や警察署等に送信させる(SB10)。これにより、消防署や警察署等の外部機関に対して監視領域で異常が検出されたことを通報すると同時に、異常が検出された位置に関する詳細な情報を送信することができるので、外部機関は監視領域の異常に対する措置をとりやすくなる。
【0059】
(効果)
このように本実施の形態によれば、感知器30は、受信機40から送信された位置情報を含む信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を位置情報テーブル37aに記憶し、位置情報テーブル37aにて記憶された位置情報を含む信号を無線信号で監視領域に送信するので、位置情報を監視領域に送信するための専用の装置を新たに設けることを省略することができ、システムの構成を簡略化することができると共に、設置コストを低減することができる。
【0060】
また、感知器30は、異常を検出した際に、発報信号を受信機40に送信すると共に、位置情報テーブル37aに格納された位置情報を含む信号を受信機40に送信するので、受信機40は異常が検出された情報と発報した感知器30の位置情報とを取得することができ、各感知器30の監視領域内にいるユーザに対して警報を行ったり、あるいはシステムの外部に当該異常に関する通報を行うことができる。
【0061】
また、感知器30は、受信機40から避難情報を受信した場合に、当該受信した避難情報を含む信号を無線信号で監視領域に送信するので、各感知器30の監視領域内にいるユーザは避難情報を取得することができ、当該取得した避難情報に基づいて避難することができる。
【0062】
また、感知器30は、受信機40から避難情報を受信した場合に、受信機40から受信した避難情報を含む信号をプッシュメールにて監視領域に送信するので、各感知器30の監視領域内にいるユーザは避難情報をリアルタイムで受信できると共に、避難情報を受信するために当該ユーザ自ら携帯端末を操作する手間を省くことができる。
【0063】
また、受信機40は、感知器30から発報信号を受信した場合に、当該感知器30から受信した発報信号及び位置情報を含む信号を当該警報システム1の外部へ送信すると共に、地図情報DB46aにて格納された地図情報であって、位置特定部45aにて特定された位置に対応する地図情報を含む信号を当該警報システム1の外部へ送信するので、消防署や警察署等の外部機関に対して監視領域で異常を検出したことを通報すると同時に、異常が検出された位置に関する詳細な情報を送信することができ、外部機関は当該異常に対する措置をとりやすくなる。
【0064】
また、GPS受信機20は、衛星から送信されたGPS信号を受信し、当該受信したGPS信号を受信機40に送信し、受信機40は、各GPS受信機20から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した各GPS信号を各感知器30に送信し、感知器30は、受信機40から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を位置情報テーブル37aに記憶するので、感知器30はGPS信号に含まれる位置情報を当該感知器30の監視領域に送信することができ、ユーザに対して高精度な位置情報を提供することができる。
【0065】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0066】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0067】
(警報システムの適用対象)
上述の本実施の形態では、警報システム1は、衛星から送信されるGPS信号が遮断される建物の屋内に適用した場合について説明したが、これに限られず、例えばビル陰によりGPS信号の受信状態が好ましくない場所等、すなわち建物の屋外に適用してもよい。
【0068】
(GPS受信アンテナ及びGPS受信機について)
上述の本実施の形態では、GPS受信アンテナ10とGPS受信機20を建物の屋外に常設していると説明したが、これに限られない。例えば、位置情報設定処理のSA4にて、感知器30の位置情報テーブル37aにGPS受信アンテナ10で受信されたGPS信号に含まれる位置情報が記憶されるので、この位置情報設定処理の終了後、GPS受信アンテナ10及びGPS受信機20を撤去しても良い。なお、GPS受信アンテナ10及びGPS受信機20を撤去した後には、位置情報設定処理ではSA5の処理のみが実行される。
【0069】
(感知器について)
上述の本実施の形態では、温度、煙濃度、ガス濃度等を測定するセンサを備えた感知器30と説明したが、これに限られず、例えば、赤外線等により人間の所在を検知するための人感センサであってもよく、あるいは感知器30と受信機40を中継する中継装置等であってもよい。
【0070】
また、上述の本実施の形態では、感知器30が各GPS受信アンテナ10に対応して設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、すべての感知器30がGPS信号を送信する必要はないので、これら感知器30の一部が、GPS受信アンテナ10及びGPS受信機20と数台毎に緯度・経度が一致するように設けられてもよい。
【0071】
(感知器の電源部について)
上述の本実施の形態では、感知器30の電源部35が、電源線3を介して受信機40から供給された電力を感知器30の各部に供給すると説明したが、これに限られない。例えば、この電源部35に代えて電池を備えて構成されてもよい。この場合には、感知器30と受信機40とを接続する電源線3を省略することができる。なお、この電池の種類は任意であり、公知の乾電池や充電池を用いることができる。
【0072】
(位置情報設定処理について)
上述の本実施の形態では、位置情報設定処理は、各GPS受信アンテナ10にて受信されたGPS信号を、GPS受信機20及び受信機40を介して各感知器30が受信し、当該受信したGPS信号に含まれる位置情報を感知器30の位置情報テーブル37aに記憶すると説明したが(SA1〜SA4の処理)、これに限られない。例えば、GPS受信アンテナ10及びGPS受信機20を設置せずに、管理人等が受信機40の操作部42を介して各感知器30に対応する位置情報を入力し、当該入力した位置情報を受信機40の制御部45は記憶部46に記憶させる。次に、感知器30が取り付けられた直後に、受信機40の制御部45は、記憶部46に入力された位置情報を公知の方法にてGPS信号に変換し、当該変換したGPS信号を通信部43によって感知器30に送信させる。そして、感知器30の制御部36は、受信機40から送信されたGPS信号を公知の方法にて位置情報に変換し、当該変換した位置情報を各感知器30の位置情報テーブル37aに記憶させる。この場合には、位置情報設定処理ではSA2〜SA5の処理が実行される。あるいは、管理人等が図示しない感知器30の入出力部を介して当該感知器30に対応する位置情報を入力し、当該入力された位置情報を感知器30の位置テーブルに記憶させる。この場合には、位置情報設定処理ではSA5の処理のみが実行される。
【0073】
(発報処理について)
上述の本実施の形態では、SB2の処理において、感知器30の制御部36は、位置情報テーブル37aに記憶された位置情報を公知の方法にてGPS信号に変換し、当該変換されたGPS信号を通信部33によって受信機40に送信させると説明したが、これに限られない。例えば、感知器30の制御部36は、位置情報テーブル37aに記憶された位置情報をそのまま通信部33によって受信機40に送信させてもよい。
【0074】
(位置情報について)
上述の本実施の形態では、GPS受信機20にて受信されたGPS信号に基づいて位置情報を取得すると説明したが、例えば、当該取得した位置情報に基づいて、外部のサーバから建物の詳細情報(例えば、災害経過や避難場所等の防災情報)をユーザの携帯端末を介して取得できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 警報システム
2 伝送線
3 電源線
10 GPS受信アンテナ
20 GPS受信機
30 感知器
31 検出部
32 表示部
33 通信部
34 送信アンテナ部
35 電源部
36 制御部
37 記憶部
37a 位置情報テーブル
40 受信機
41 表示部
42 操作部
43 通信部
44 電源部
45 制御部
45a 位置特定部
45b 避難情報取得部
46 記憶部
46a 地図情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域における異常を検出した際に発報信号を送信するための複数の端末装置と、前記端末装置から送信された前記発報信号を受信するための受信機とを備えて構成された警報システムであって、
前記受信機は、
前記各端末装置の緯度・経度を特定するための位置情報を含む信号を当該各端末装置に送信し、
前記端末装置は、
前記位置情報を格納するための位置情報格納手段を備え、
前記受信機から送信された位置情報を含む信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を前記位置情報格納手段に記憶し、
前記位置情報格納手段にて記憶された位置情報を無線信号で監視領域に送信する、
警報システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
異常を検出した際に、前記発報信号を前記受信機に送信すると共に、前記位置情報格納手段に格納された位置情報を含む信号を前記受信機に送信する、
請求項1に記載の警報システム。
【請求項3】
前記受信機は、
前記端末装置を配置した監視領域の地図情報を格納する地図情報格納手段と、
前記地図情報格納手段にて格納された地図情報及び前記端末装置から受信した信号に含まれる前記位置情報に基づいて、異常が検出された位置を特定する位置特定手段と、
前記地図情報格納手段にて格納された地図情報に基づいて、前記位置特定手段にて特定された位置から監視領域内にいるユーザを避難させるための避難情報を取得する避難情報取得手段とを備え、
前記避難情報取得手段が避難情報を取得した場合に、当該取得した避難情報を含む信号を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、
前記受信機から前記避難情報を受信した場合に、当該受信した避難情報を含む信号を無線信号で監視領域に送信する、
請求項2に記載の警報システム。
【請求項4】
前記端末装置は、前記受信機から前記避難情報を受信した場合に、前記受信機から受信した避難情報を含む信号をプッシュメールにて監視領域に送信する、
請求項3に記載の警報システム。
【請求項5】
前記受信機は、前記端末装置から発報信号を受信した場合に、当該端末装置から受信した発報信号及び位置情報を含む信号を当該警報システムの外部へ送信すると共に、前記地図情報格納手段にて格納された地図情報であって、前記位置特定手段にて特定された位置に対応する地図情報を含む信号を当該警報システムの外部へ送信する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の警報システム。
【請求項6】
前記各端末装置と緯度・経度が一致するように設置されたものであって、衛星から送信されたGPS信号を受信する複数のGPS受信装置を備え、
前記GPS受信装置は、
前記衛星から送信されたGPS信号を受信し、当該受信したGPS信号を前記受信機に送信し、
前記受信機は、
前記各GPS受信装置から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した各GPS信号を前記各端末装置に送信し、
前記端末装置は、
前記受信機から送信されたGPS信号を受信し、当該受信した信号に含まれる位置情報を前記位置情報格納手段に記憶する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の警報システム。
【請求項7】
受信機に対して監視領域における異常を検出した際に発報信号を送信するための端末装置であって、
異常を検出する検出手段と、
前記検出手段が異常を検出した場合に、前記発報信号を前記受信機に送信する送信手段と、
前記受信機から送信された当該端末装置の緯度・経度を特定するための位置情報を含む信号を受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信された信号に含まれる位置情報を格納するための位置情報格納手段と、
前記位置情報格納手段にて記憶された位置情報を無線信号で監視領域に送信する位置情報送信手段と、
を備える端末装置。
【請求項8】
前記検出手段が異常を検出した場合に、前記送信手段は、前記発報信号を前記受信機に送信すると共に、前記位置情報格納手段に格納された位置情報を含む信号を前記受信機に送信する、
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記受信手段が監視領域内にいるユーザを避難させるための避難情報を含む信号を前記受信機から受信した場合に、前記位置情報送信手段は、当該受信した避難情報を含む信号をプッシュメールにて監視領域に送信する、
請求項8に記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−8633(P2012−8633A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141518(P2010−141518)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】