説明

負圧創傷治療システム及び創傷ドレッシングの連結を改良するシステム及び方法

【課題】
【解決手段】負圧創傷治療(RPWT)システムの分配マニホルドと負圧源装置を連結するために使用される負圧アダプタの構造と機能性に関する改良を記述している。負圧アダプタは、負圧供給チューブの補助管腔内へ意図していない液体が侵入することを低減し、液体を負圧供給チューブの主管腔へ送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に組織、特に開放創傷に負圧治療を提供するシステム及び方法に関する。具体的には、本発明は、負圧創傷治療(RPWT)に関連して使用する組織ドレッシングと負圧源の装置の間の連結を改良するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長年にわたり、創傷の閉鎖と回復過程を促進するために様々な治療方法が研究されてきた。創傷閉鎖は、一般的に、創傷に近接する上皮及び皮下組織の内部移動を伴う。この移動は通常、炎症過程によって助長され、これによって血流が増えて様々な機能的な細胞型が活性化される。炎症過程の結果、損傷又は破壊された血管を通じた血流は毛細管レベルの閉塞によって止められて、その後に浄化及び再生作用が開始する。残念なことに、この過程は創傷が大きいか感染している場合は阻害されてしまう。このような創傷において、血行停止領域(すなわち、組織の局部的な腫大が組織の血流を抑制する領域)は、創傷の表面近くに形成される。
【0003】
十分な血流がないことによって、傷を囲む上皮及び皮下組織が受容する酸素及び栄養物が少なくなるだけではなく、細菌感染症に対する十分な抵抗力が低くなり、自然に傷を治癒できなくなる。さらに、一部の傷は、ステープルや縫合によって閉鎖できない程に硬化して炎症を生じているものもある。ステープルや縫合によって治療することが難しい創傷には、例えば、大きくて深い開放性の創傷;褥瘡性潰瘍;慢性骨髄炎による潰瘍;十分な厚みの火傷である部分的に厚みのある火傷などがある。
【0004】
機械的な創傷閉鎖の器具は欠点を有しており、このことから、連続的および/または断続的な負圧をかけて創傷を排出する方法及び装置が開発されてきた。創傷の十分な範囲にこのような負圧をかけると上皮及び皮下組織の創傷への移動を促進することが分かっている。実際に創傷に負圧をかけると、一般的に、過剰な流体を除去すると同時に傷の機械的な収縮を伴う。この方法では、RPWTは、身体本来の炎症過程を増進させつつ、例えば適正な静脈還流に必要な血管構造が無い場合に血流が増えて生じる浮腫の形成など既知の本質的な副作用の多くを緩和する。
【0005】
開放創傷の回復を誘引する真空又は負圧は、近年、テキサス州のサンアントニオにあるKinetic Concepts, Inc.によって、商業上販売されているRPWTシステム製品ラインを通じて普及してきた。回復過程を誘引する負圧は、共に譲渡された1990年11月13日に発行されたZamierowskiによる米国特許第4,969,880号及び1992年3月31日に発行された米国特許第5,100,396号;1993年11月16日に発行された米国特許第5,261,893号;1996年6月18日にに発行された米国特許第5,527,293号を含む関連特許に開示されており、それぞれの開示をここに参照によって組み込んでいる。また、RPWT過程のさらなる改良及び変更は、2000年6月6日に発行されたZamierowskiによる米国特許第6,071,267号及び1997年6月10日、1997年7月8日にそれぞれ発行されたArgenta他による米国特許第5,636,643号、及び第5,645,081号に開示されており、それぞれの開示を十分な説明とともにここに参照によって組み込む。また、1998年5月13日に発行されたHunt他による米国特許第6,142,982号にさらなる改良が開示されている。
【0006】
RPWTシステムの重要な構成部品の一つは、負圧源(一般的に、真空ポンプ)をパッド又は創傷ドレッシング内に封入された構成部品(一般的に、粒状発泡体層)に連結する器具又は構造である。この負圧ポート構造は、創傷ドレッシングに接着してドレッシングの発泡体層と連通していなければならない。患者に快適さと安全性の双方を提供するために、このポートは取付パッドの性質上、高さが低いことが好ましい。これまで、負圧源を組織部位へ効果的に連結する好適なアダプタ構成(一般的に、チューブを介する)を提供するために様々な努力が成されてきた。
【0007】
連続的および/または断続的に負圧を創傷にかけることに応じて、RPWTシステムを使用して組織部位の圧力を調整して観察する。従って、組織部位に加える負圧レベルを観察し変化に応答するシステムを提供することが重要である。創傷にかける負圧サイクルを含むRPWTを様々に管理することが一定の環境下において有益であることが分かっている。他の状況では、負圧の付加を精密にではなく一定に調整することが有益である。どんな場合においても組織部位にかける負圧レベルを正確に観察することが有益である。
【0008】
一般的に、負圧源が提供する負圧のレベルを負圧源であるいは負圧源を創傷ドレッシングに連結する管路中のいずれかにおいて単に測定するだけでは、組織部位の圧力レベルを特徴付けることはできない。RPWTシステムに接続されたチューブの主管腔内の流動は、装置に使用する圧力レベル測定器が組織部位自体の圧力のレベル又は安定性の正確な指示計となることを妨げる。従って、創傷の圧力レベルを直接監視するための他の方法が必要である。
【0009】
これまで、監視装置に連結された創傷部位に対し分離した圧力検知又は測定用の導管を提供するために、いくつかの取り組みが行われてきた。これらの取り組みは、一般に、RPWTチューブ内に個別の管腔を提供するか、チューブの個々の部分を全体的に使用してきた。しかしながら、このようなシステムを形成する条件は、補助的な測定用の管腔又は測定用のチューブが開いており、創傷ドレッシングのポートまで詰まりがないことである。RPWTシステムの主要な流体管腔で行うように測定用の管腔では強制的に中の流体を流さないということにもかかわらず、この機能を制限するか完全に止めてしまう流体及び他の物質をまだ収集するため、これは必ずしも効果的な条件ではない。この測定用管腔の断面を小さくすることはポートの大きさを小さくしてしまうので、流体や他の物質がポートに入る機会を減らすことはできるが、その小さな断面によって微細な詰まりは著しくなる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の例示的な実施例では、負圧創傷治療(RPWT)システムの創傷ドレッシングと負圧源の間の連結部品の構造及び使用を改良している。さらに具体的には、ある例示的な実施例は:
(A)操作の信頼性を改良し、測定用の管腔内へ意図していない流体が入ることを防止するあるいは減らす高さの低い負圧アダプタと;
(B)後述する動的な圧力機能を支持するための大きい内側の管腔と、小さい外側の管腔とを具える長円形のチューブ構造を具える改良された負圧供給チューブと;
(C)RPWTシステムに圧力の調整器が設けられている状態で特定の課題を克服することができる創傷圧力を測定する改良された動的方法と;
(D)患者への取付具の快適さを実現するように回転機能を具える改良された負圧アダプタ構造と;
(E)前記負圧アダプタ及びここを通って移送される流体内の細菌の存在の指標を提供する構造と;
を提供する。
【0011】
改良された負圧アダプタは、創傷ドレッシングに連通する主導管及び少なくとも1の第2の導管を具える導管ハウジングを具える。負圧アダプタは、また、ほぼ環状形の基部を具える。導管ハウジングは、入口面を規定する凹部領域を具える。主導管は、入口面を複数管腔型の負圧供給チューブの主管腔に連結しており、補助導管は、入口面を複数管腔型の負圧供給チューブの補助管腔に連結している。入口面に配設されたチャネルは、前記創傷ドレッシング内の圧力を測定するために一般的に使用される補助導管の詰まりを防ぐように液体及び他の流体を主導管内へ優先して送る。
【0012】
改良された負圧供給チューブは、負圧を組織へ伝えて組織から流体を離すように機能する内側の大きい主管腔を具える。外側の小さい補助管腔は、補助管腔のそれぞれが開いているか閉じている(詰まっている)状態かのモニタリングを介して連続的に正確な圧力測定を確実にした後述の動的圧力の機能を補助するように提供される。負圧供給チューブは、上述の改良された負圧アダプタに連結させるか、負圧源と圧力センサを多孔性パッド又は他の分配マニホルドに連通させるために他のアダプタと共に使用されてもよい。
【0013】
改良された圧力測定方法は、過剰な流体がシステムの測定用の管腔内へ侵入してしまうRPWTシステムにおいて圧力制御手段を設けることによって特定の課題に対処する。負圧源(及び創傷ドレッシング自体)中の変化に対するこれらの応答を各補助管腔において観察する。1の補助管腔の遅延した応答は管腔の詰まりを示す指標となり、結果的に、RPWTシステムは、詰まりのない補助管腔からの圧力測定を正確な測定とみなす。システムは、さらに、第2のこの2本の補助管腔が組織部位の圧力を測定する監視用チャネルとして機能し続けている間、流体の閉塞物を管腔から取り除くために有用な方法で詰まった管腔内へ高圧を導入することができる。
【0014】
その他の実施例では、改良された負圧アダプタ構造は、患者の便利さと快適さを改良するように回転機能を組み込んでいる。負圧アダプタ及び付属のチューブが創傷ドレッシングに対して回転してこれによって、ドレッシングと負圧アダプタへの負担を減らすことができる方法で、導管ハウジングは基部周囲上に配設され回転可能に取り付けられている。
【0015】
最後に、さらなる実施例では、改良された負圧アダプタは、アダプタ封入物すなわちアダプタを通って移送される流体内の細菌の存在の指標を提供する内部面を組み込んでおり、これはアダプタの導管ハウジングの内部周辺の壁に形成されることが好ましい。この指標面は、様々な対象微生物に関連する揮発性有機化合物(VOC)の検出物質の層を保持している。VOCの検出面は、VOCの種類、すなわち存在する微生物の種類によって特定のカラーパターンを発現する。カラーパターンは、負圧アダプタ構造の透明な材料を介して視覚的に特定されるか、様々なこのような光度センサ器のうちの一つを使用した色の光分析によって自動的に検出されてもよい。
【0016】
最後に、本発明の多くの他の特性、目的、及び利点は、特に、前記記述や以下の図面、例示としての詳細な説明を考慮することによって自明であることは、関連技術の当業者が理解できる。
【0017】
本発明の範囲はいずれの特定の実施例よりも広いものであり、好適な実施例の詳細な記述は説明図とともになされ、同じ構成部品には同じ符号が付されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
好適な実施例についての以下の詳細な記述では、この一部を形成する添付図面が参照されており、本発明を実施しうる特定の好適な実施例を説明するために示されている。これらの実施例は、当業者が本発明を実施できるように十分詳細に説明されており、他の実施例を利用することもでき、本発明の意図及び範囲から外れることなく、原理上の構造的、機械的、電気的、及び化学的な改良を成しうると理解される。当業者が本発明を実施するのに必ずしも必要ではない詳細を記述することを避けるために、当業者に既知の一定の情報は省略している。従って、以下の詳細な説明は限定する意図ではなく、本発明は添付した請求の範囲によってのみ規定される。
【0019】
負圧アダプタ
動作の信頼性を改良し、特に、高さの低いドレッシングと連結した負圧供給チューブの測定用の管腔内へ意図していない液体が進入することを防止するか減らすための負圧アダプタを提供するというRPWTシステムの改良が開示されている。従来のアダプタは、一般に、エルボー形のハウジングと一緒に検知用管腔と負圧供給管腔の両方を具える。これらの負圧アダプタの故障の一般的な原因は、液体を検知用管腔内へ入れてしまうことであり、これは治療の制御を不安定にし、極端な場合には結果として器具を停止させてしまう。問題は流体誘導の位置及び一般に創傷流体の性質にもよる。創傷の排泄物及び流体は、常にほぼ擬塑性であり、負圧の影響下において負圧装置のエルボーではねて泡立つ。従って、本発明の例示的な実施例の目的の一つは、創傷流体及び他の非気体状流体が検知用管腔へ入ることを防止することである。
【0020】
改良された負圧アダプタの一つの構成は複数の管腔を創傷ドレッシングの分配マニホールドまで分離することであり、分配マニホールドが検知用管腔と負圧経路の間の隔壁になる。負圧アダプタの下面には、流量が多い間又は液体の大きなスラッグがチューブ内へ引き入れられた後、はねた小さな小滴を負圧アダプタ内部に引き入れるチャネル特性が設けられている。液体及び固体物質が大きい主管腔へ入って測定用の小さい補助管腔から離れるというこの優先方法は、管腔が詰まることを防止するために有用である。この構成は、さらに、パッドにオフセットした外側の測定用管腔ポートを設けることを含んでおり、これは、ほとんどの位置で、2つのうちの1つがドレッシングの分配マニホールドの流量レベル以上であるように設計されている。負圧アダプタは、さらに、以下に詳細に記述した動的圧力調整方法と併用して機能することを意図されている。また、負圧アダプタは、創傷内の負圧アダプタを固定する接着ドレープ又はカバーを具える。負圧アダプタの外形は、患者の快適さを増すように高さが低く、負圧アダプタは、連結チューブが詰まらずに組織部位から離れるようにエルボー形であることが好ましい。
【0021】
まず、図1を参照すると、本発明の例示的な実施例において、改良された部品を組み込んだ負圧創傷治療(RPWT)システムが具える構成部品が全体的に示されている。RPWTシステム10の3つの主要な構成部品は、創傷ドレッシング12と、負圧供給チューブ14と、遠隔の流体容器及び装置16とを具える。
【0022】
創傷ドレッシング12は、一般に、多孔性パッドや粒状発泡体など分配マニホールド24と、組織部位で分配マニホルドを固定するカバー又はドレープ26とを具える。また、ドレッシング12は改良された負圧アダプタ22を具えており、これは図示するように、分配マニホールド24上に配置されて、負圧アダプタ22、創傷ドレープ26、又は負圧アダプタ22に設けられた分離した接着ドレープに配置された接着剤によってここに接着される。
【0023】
負圧供給チューブ14は、複数管腔型のチューブであり、組立構造として1又はそれ以上のチューブ部分品28から構成され、負圧アダプタ22と流体容器18に配設された容器連結具34との間に連続的な導管を提供する。以下に詳細を記述しているが、技術的に理解されるように、RPWTシステム10によって引き込まれる液体及びその他の浸出液は、この場所でチューブから除去されて容器18に保持される。さらなるチューブ部分品が、計装チューブ36a及び36bの形で同様に容器連結具34から計装構成部品20へ延在している。本発明のある実施例では、計装構成部品20は、負圧源38と、圧力監視計装構成部品40a及び40bとを具える。詳細は後述するが、これらの3つの計装構成部品20はそれぞれ、負圧アダプタ22から離れて流体容器及び装置16へ延在している別々に分離した3つの導管(チューブ又は管腔)のうちの一つに連結している。
【0024】
ここで図2乃至9を参照すると、負圧アダプタ22のさらなる詳細が示されている。図2は、負圧アダプタ22の下側部の斜視図であり、創傷ドレッシングの分配マニホールド24(図示せず)に接触するよう構成された負圧アダプタ22の開口内の様々な構成部品を示す。
【0025】
負圧アダプタ22は、分配マニホールドに接着された基部50と、基部50に連結された導管ハウジング62とを具える。導管ハウジング62は、主導管と、一対の補助導管とを具える。基部50は開口53を具えており、これは分配マニホールド上に配設され、液体及び気体(まとめて「流体」と呼ぶ)はここを介して組織部位から引き出される。改良された負圧アダプタ22の重要な特性は、開口53近くにこれと連通しているチャネル部品があることと、チャネル部品が排出用の主導管内へ液体を向けるという効果的な方法である。液体を主導管へ送ることによって、システムの圧力測定用の補助導管が開いている状態を維持する。
【0026】
図2を参照すると、負圧アダプタ22の導管ハウジング62は、入口面55を規定する凹部領域54を具える。主導管は、入口面55の主ポート60で終端しており、凹部領域54の頂部で中央に配設されている。補助導管は、入口面55の補助ポート56及び58で終端している。補助ポートは、開口53の直径方向に対向する縁部の近に配置されている。
【0027】
主導管の第2の端部は主管腔接合部64で終端している。主管腔接合部64は開口66内のほぼ中央に位置する。また、補助導管との補助管腔接合部48、49(図5を参照)は開口66内に位置しており、詳細は後述する。
【0028】
図3は、負圧アダプタ22の平面図(上から)である。導管ハウジング62は、「エルボー」形であることが好ましい;しかしながら、導管ハウジングは、様々な所望の角度で構成されてもよく、基部50から垂直に延在してもよい。図3にエルボー構成を示し、負圧アダプタ22は、基部50と、中央に配設された導管ハウジング62とを具える。導管ハウジング62はエルボー領域68を具え、導管ハウジング62は、ポート56、58、60と補助及び主管腔接合部48、49、64との間の導管を内部に具える。
【0029】
図4、5、及び6は、負圧アダプタ22の側面及び端面図である。図4の側面図に示すように、負圧アダプタ22は、横方向の限界を規定する基部50に対して高さの低い構成である。上述のように、基部50は、分配マニホールドに直接接着されるか、配置されるとともに創傷ドレッシングのドレープを用いて接着されてもよい。基部50の開口53(この図には示さず)が分配マニホールドと直接接触するように、負圧アダプタ22は分配マニホールド上に配設される。図4では、主管腔接合部64は、導管ハウジング62から中央で外方に延在しており、開口66によって囲まれている。上述のように、導管は、負圧アダプタ22の材料を通じてチューブの接合部と凹部領域54の間に延在している。システムを創傷ドレッシング上に配置して創傷ドレッシング面に近接して維持できる方法で、エルボー領域68は、負圧アダプタ22の下に位置する創傷ドレッシングから接合部64に付随する角度へ流体の流れの向きを変える。
【0030】
図5はエルボー領域68の構成及び導管ハウジング62の内部構成を具えた図4と同じ構造の端面図であり、さらに明瞭に示している。この図では、創傷ドレッシングに接着した負圧アダプタ22に付随する同一の構成部品が開示されている。基部50及び開口54は図4に示すように配置されている。導管ハウジング62は本発明のシステムの残りの部分(balance)に連結するためのチューブ部分品を受けて配置されるよう図示されている。
【0031】
導管ハウジング62は主管腔接合部64と、補助管腔接合部48及び49とを内部に具える。チューブの主管腔を主管腔接合部64の上に配置することによって、補助管腔接合部48及び49は供給チューブの対応する管腔に一致する。本発明の改良された負圧アダプタ構造に併用されている複数管腔型のチューブの一実施例の構造を詳細に後述する。
【0032】
図6は、図4と基本的に同一の負圧アダプタ22を反対側からみた図である。図示された部品は構造的に図4と同一であり、連結具が横方向(及び広がり、半径方向)に対称であることを示している。そうではないことが指示されない限り、本発明の改良された連結具を構成する材料は、必要なフレキシビリティと患者に対する快適さを提供しつつ負圧アダプタ機能と一体型で開いた管腔を維持するために十分な剛性又は弾性を有する技術的に公知の様々な材料から選択されてもよい。
【0033】
図7は、負圧アダプタ22の平面図(下から)であり、液体及び他の非気体状流体を補助ポート56、58から離して優先するように機能する凹部領域54内の様々な特性及び要素の構造及び機能を明確にしている。この図では、基部50は凹部領域54の縁部を囲むように図示されている。補助ポート56及び58は、図のように配置されており、ポート56及び58から補助管腔接合部へ延在する導管(この図では隠れており図示せず)に付随している。主ポート60は開口54内の中央に配置されている。主導管(この図面では隠れており図示せず)は、主ポート60から主管腔接合部64を通って延在している。凹部領域54内部の特定の構造は、液体を主導管内へ案内するように機能して補助導管が詰まりのない状態にしておくことを可能にしており、図9を参照して詳細を後述する。
【0034】
図8は、本発明の負圧アダプタに付随する基部の代替の例示的な実施例を示す。この図(図7と同様の斜視図)は、代替の基部52の下面に特性を付加して示している。基部52の構造内に成形されたこれらの特性は、基部の鋸歯状のガイド用のチャネル70と、周辺の収集チャネル72と、中間の収集チャネル74とを具える。これらのチャネルの目的は、液体を2つの測定用の補助ポート56、58から離して主ポート60内へ向けることである。基部の鋸歯状のガイド用のチャネル70は、基部50上に配設され、負圧アダプタ内へ引き入れられた液体の少なくとも半分を直接的に捕捉して流し、この中に引き入れられた液体の残りの主な部分を間接的に流すように方向付いている。間隔を空けて半径方向に並んだこの基部の鋸歯状のガイド用のチャネル70は、液体を補助ポートから離して主ポート内へ集める。さらに、周辺の収集チャネル72及び中間の収集チャネル74は、半径方向に配置されたガイド用のチャネル70の間に引き入れられた液体の流れをガイド用のチャネル70へ向けて補助ポートから離す。この流れ方向の例を太矢印で図8に示し、流れを示す。
【0035】
ここで図9を参照すると、導管ハウジング62の凹部領域内に収容された特性と部品がさらに詳細に示されている。これらの特性は、凹部領域54の入口面55に配置されており、液体及び他の非気体状浸出液を補助ポート56、58から離して主ポート60内へ優先するように構成されている。図示するように、主ポート60は凹部領域54内に中央に配置され、中央から凹部領域54の一側部へ延在している。補助ポート56及び58はこの図で同様に示されており、中央の主ポート60のいずれかの側に配置されている。この図では、補助ポート56及び58は、付随する補助管腔接合部(図示せず)へ延在する内部導管に開口している排出地点へ向けて延在する環状の開口(それぞれ隆起した周辺縁部を具える)である。導管の開口は補助ポート56及び58の範囲内に見られる。
【0036】
図9に示されている構造内の4つの基本的な特性は、負圧アダプタ22の主ポート60内へ液体を優先するように配置されている。第1の構造は、負圧アダプタ22が分配マニホールド上に配置される場合に、補助ポート56及び58を分配マニホールド面に近接したレベルで開口53の周辺部近くに配置することである。言い換えると、負圧アダプタ22が創傷ドレッシング上に配設される場合に、補助ポート56及び58は分配マニホールドの面に接触するか、又はほぼ接触した状態である。この方法によって、はねたり波立ったりした液体がこれらのポート内へ向けられる可能性を最小限にする。
【0037】
主ポート内へ液体を向ける残りの3つの特性は、凹部領域54の入口面55の様々な部分に形成された構造的な鋸歯状のチャネルである。第1の線形の鋸歯状のチャネル部分42は、補助ポート58が付随するおよそ半円部分の凹部領域54に付随して配設されている。凹部領域54のこの部分の天井部を構成する材料は、補助ポート58とその接合部(図示せず)の間に延在する導管を覆って収容する。この天井部又は壁は、この面に落ちた液体を凹部領域54の中央の主ポートへ向けるように方向付ける鋸歯状のチャネル又は溝の列によって構成される。開口内へ引き入れられて入口面55のこの部分の上に落ちるどんな液体も、補助ポート58に向けられずに、むしろ主ポート60内へ直接向かう。
【0038】
同様の構成が、およそ3分の1の円で半径方向の鋸歯状のチャネル部分44に形成されている。内部の導管が凹部領域54のこの部分内に収容されていない限り、部分44の鋸歯状のチャネルはより深く、より直接的に主ポート60へ延在する。これらの半径方向の鋸歯状のチャネルは、開口54の周辺部から主ポート60に排出する凹部領域54の頂部へ方向付いている。これらの半径方向の筋又はチャネルは、半径方向の近接する補助ポート58から、半径方向で約3分の1の円周辺に、半径方向の近接する補助ポート56へ延在する。凹部領域54のこの部分の上に落ちるどんな液体も、いずれかの補助ポートのに向けられずに、中央の主ポート60へ向けられる。
【0039】
最後に、補助ポート56が主ポート60を越えて突き出している部分の補助ポート56を支持する壁分部は、補助ポート56の開口から主ポート60の開口へ向けて下方(連結した通常の配置では上方)に延在する鋸歯状か筋を付けたチャネル46で構成される。
【0040】
上述したように、凹部領域54の様々な内部の特性及び要素は、凹部領域54内のほとんどの地点から中央に配設された主ポート60へ向けて液体を引き入れるように構成されている。補助ポート56又は58内へ直接入る液体のみ、補助管腔内へ引き入れられることが起こりうる。この構成によって、これらのポートにおいて吸い込みがほとんどないか、あるいは全くない場合、液体又は物質が閉塞物として補助管腔を詰まらせる可能性をかなり減らす。
【0041】
負圧供給チューブ
ここで図10及び11を参照して、本発明の例示的な実施例のシステムに連結して動作可能な改良された負圧供給チューブ80の構造をさらに詳細に説明する。負圧供給チューブ80は、中央の主管腔82と、補助管腔84及び86とを具えることが好ましい。補助管腔84及び86は、一般的に圧力測定をするために使用する。図11では、流体の流れは、ブロック矢印で示されており、主管腔82を通って方向付いている一方で、補助管腔84及び86には液体又はどんな非気体状の物質もほぼ存在しない状態である。図10及び11の断面斜視図は、補助管腔84及び86と比較して主管腔82の相対的に断面径を示している。供給器具80は長円形の断面を具えており、どんな上記の管腔も潰れることがないようにフレキシビリティを最適化する。また、この断面形状は補助管腔84及び86を位置付けて、上記の改良された負圧アダプタの接合部に管腔を適切に一致させる。
【0042】
創傷の圧力を測定する動的方法
本発明のシステムは、また、現在の負圧創傷治療を調整するシステムに固有の問題を克服する創傷の圧力を測定する改良された動的な方法を具える。負圧創傷治療の製品及びシステムの動作を制御し、創傷の圧力を維持するとともに、規定の治療計画を効果的に実施する治療の安全性を確実にするように、技術的に様々な方法が開発されている。近年では、創傷の圧力は、一の圧力センサに連結されている互いに連結された複数管腔型のチューブの外側の一の管腔又は複数の管腔で測定される。この構造は、液体が管腔に入るかこれらが詰まる場合に一定の問題を生じる。このように液体が侵入するか詰まりが起こると、システムが不安定になり、圧力に関するアラームや指標の信頼性が失われる。これらの問題に対する様々な機械的な改善策が試みられており、いくつかは部分的に成功している。しかしながら、最終的には従来技術に記述したシステムは、測定用管腔内への液体の進入に対する物理的な隔壁を配設しない限り、制御管腔に液体を入れてしまいうる。本発明の目的の一つは、現在の単一の検知測定用管腔システムと比較して最高の治療を行う場合により信頼性があり、さらに丈夫なシステムを提供することである。
【0043】
図12を参照すると、本発明の例示的な実施例のシステム及びこの構成部品間の機能的な関係が開示されている。このシステムは、システム計装器中に2個の創傷圧力センサ40a及び40bを組み込んでおり、これらは、計装器から負圧アダプタへ(別個の管腔又は導管を介して)分離して延在し、別個の管腔が負圧アダプタ及び分配マニホールドの接合部で結合するまで連結しない。上述したように、負圧アダプタは、2個の分離した圧力検知ポートと、流体チャンバ18を介してシステム計装器の負圧ポンプ38への流体路とを具える。システム計装器の内部で、測定用補助管腔の導管はそれぞれ、治療の終わりに、断続的な治療中に、あるいは、詰まりを取り除く必要がある場合に創傷の圧力を下げるソレノイドバルブ92及び94に合致する。これらのバルブと、負圧源38に付随する同様のバルブは、マイクロプロセッサ/コントローラ90によって調整される。マイクロプロセッサ/コントローラ90は、同じく負圧ポンプ38の動作を調整し、第1の及び第2の圧力測定器40a及び40bからデータを受信する。マイクロプロセッサ/コントローラ90は、2本の補助管腔路に関係する2つの記録を通じて創傷の圧力を観察するようにプログラムされている。管腔のうちの一つに液体が入ると、この液体によって管腔の圧力変化に対する応答時間が詰まりのない管腔に対し遅くなる。詰まりがさらにひどくなると、さらに遅くなる。遅延が検出されると、システムは創傷の圧力を開いた管腔のそれと一致するように調整し、適切なバルブを開くことによって詰まった管腔から液体を大気中へ除去する。詰まりを取り除くようにこの手段を何度も行うプログラミングが好ましい。システムが詰まりを取り除くことに成功しない場合、プログラミングは、影響を及ぼす管腔をその時点から無視して、残りの詰まりのない管腔によってシステムを調整する。上述したように、本発明の負圧アダプタ設計は、常時少なくとも1の詰まりのない測定用補助管腔を具えている可能性を最大にする。
【0044】
回転機能を具える負圧アダプタ
近年では、RPWTシステムの負圧アダプタは負圧創傷治療と創傷を効果的に繋ぐことができるが、一般的に、チューブの連結地点(例えば、患者が皮膚の損傷に敏感である場合)又は、ユーザが負圧アダプタを誤って配置した場所(例えば、負圧アダプタが間違った方向に向けられている場合)を再配置することはできない。このような場合、ユーザは負圧アダプタを取り外して廃棄しなければならず、場合によってはドレープが患者及びユーザに軽い痛みを生じさせ不快にさせ、さらに費用がかかる。負圧アダプタが回転又は旋回機能を設けることで、負圧アダプタを取り外し再設置することなくチューブを再配置することができる。この性能は、チューブを再配置する必要のあるどんな状況においても組織の損傷を避けることに役立つ。本発明の目的の一つは、負圧アダプタ又は創傷ドレッシングを取り外して再設置せずにチューブの再設置を簡単にすることができる負圧アダプタ構造を提供することである。
【0045】
図13及び14を参照すると、負圧アダプタ構造の代替の好ましい実施例の構成が示されている。図13に示した負圧アダプタ110は、硬質プラスチックのインナーコアを設けており、これは、ラバーOリングによって密閉され、比較的低摩擦で摺動できる当接面を形成する。軟質の熱可塑性又は弾性ポリマーが、硬質プラスチックのインナーコアに接合されており、保護及び緩衝用のカバーとして機能する。図13及び14は、本発明の旋回連結を共同して形成する様々な環状リング部品を示している。上部回転PVC構成部品112は、ラバーOリング116で囲まれる上部ABS挿入リング114を覆う。下部ABS挿入リング118は、これと上部ABS挿入リング114の間のOリング116の係留を保持するよう図示されている。これらのリングはそれぞれ、負圧アダプタの基部および/または創傷ドレッシング自体と接触するように下部PVCリング120内に具えられる。
【0046】
非回転の実施例と併用して上述した負圧アダプタに付随する内部特性及び部品は、均等にここに使用することができ、構成部品の直接成形によって、又は回転構成部品112の外殻内へ成形された挿入物を配置することによって、上部回転PVC構成部品112の内部構造内へ一体化してもよい。いずれにしても、記述した代替の実施例の回転機能と共に、上述した管腔ポートを囲む液体優先構造に関する同じ利点を得ることができる。
【0047】
図14は、上述した構成部品と同じ部品を組み立てた場合を示しており、これによって、構成部品が連結して、互いに一緒に又は反対に回転する方法をさらに詳細に明らかにしている。この図では、また、負圧アダプタ110によって作り出される内部の負圧チャンバに対する適切な密閉を係留Oリング116が提供するように図示されている。この図では、また、ポート開口中の内部特性及び部品が、上述したように液体を主導管へ優先する機能を提供するためにPVC構成部品112下に適切にどのように配設されるかを明確に示している。
【0048】
微生物指標を具える負圧アダプタ
現在の負圧治療システムは、一般的に創傷ドレッシングの微生物の存在を医療提供者に示すものではない。これらの微生物のほとんどを創傷部位の感染を調整するときの重要な要因にできる。本発明の目的の一つは、好気性、嫌気性、グラム陽性、及びグラム陰性の分類で、主要な微生物がかなりのレベルであることを医療提供者に警告するシステムを提供することである。この応答又は指標は、上記の4つの分類を個別に反映するカラーパターンの形である。
【0049】
負圧アダプタ又はこれに付随するドレープに取り付けられた揮発性有機化合物(VOC)検出ストリップがある実施例で使用される。カラーパターンは、ある微生物の存在中で生産されることが知られている対象のVOCに曝されると、発現し、これによって、創傷流体中に存在する微生物の種類を同定する。図15及び16を参照すると、図2乃至9を参照して前述したように同様に、負圧アダプタ122は、基部124と、導管ハウジング130とを具えている。VOC検出パネル128は導管ハウジング130の凹部領域126中に配置されている。図16では、負圧アダプタ122は、半透明又は透明な特性の材料で構成されており、VOC検出パネル128を外部から視覚的に調べることができるとともに、負圧アダプタ122は創傷ドレッシングの分配マニホールドに対向する位置で基部124の所定の位置にある。従って、VOC検出パネル128は、図示するように凹部領域126の周縁部近くの凹部領域126内に配設されることが好ましい。図15は、創傷から引き入れられる流体物質に常時曝される凹部領域126内のVOC検出パネルの位置をさらに明瞭に示している。パネルは、創傷流体に十分に曝される限り、代替の位置にすることができる。
【0050】
本発明がかなりの利点を有して提供されることは、前記の事から明らかである。本発明は、数個の形でのみ示されているがこれに限定される物ではなく、本発明の範囲から外れることなく、様々な変更や改良をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の例示的な実施例の改良された部品を組み込んだ負圧創傷処理(RPWT)システムの構成部品の全体的構成の部分的概略斜視図である;
【図2】図2は、本発明の実施例による改良された負圧アダプタの下側部(開いた側)の斜視図である;
【図3】図3は、図2の改良された負圧アダプタの上側部(閉じた側)の平面図である;
【図4】図4は、図2の改良された負圧アダプタの第1の側面図である;
【図5】図5は、図2の改良された負圧アダプタの端面図である;
【図6】図6は、図2の改良された負圧アダプタの第2の側面図である;
【図7】図7は、図2の改良された負圧アダプタの下側部(開いた側)の平面図であり、下側部は、本発明の第1の例示的な実施例によって構成されている;
【図8】図8は、図2の改良された負圧アダプタの下側部(開いた側)の平面図であり、下側部は、本発明の別の例示的な実施例によって構成されている;
【図9】図9は、図7及び8の負圧アダプタの凹部領域の詳細図である;
【図10】図10は、本発明の例示的な実施例による改良した負圧供給チューブの開いた端部の斜視図である;
【図11】図11は、図10の改良した負圧供給チューブの縦方向の断面図である;
【図12】図12は、本発明の例示的な実施例による負圧システムの構成及び機能を説明する概略ブロック図である;
【図13】図13は、本発明の例示的な実施例による改良された負圧アダプタの分解斜視図であり、負圧アダプタは、回転機能を提供する要素を組み込んでいる;
【図14】図14は、図13の負圧アダプタの断面図である;
【図15】図15は、本発明の例示的な実施例による微生物の存在を検知するパネルを具える負圧アダプタの底面斜視図である;
【図16】図16は、図15の負圧アダプタの側面図であり、パネルは、負圧アダプタの透明又は半透明の側壁を介して見ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性パッドに負圧源を連結する負圧アダプタにおいて、前記アダプタが:
入口面を規定する凹部領域を具える導管ハウジングと;
前記入口面の主ポートと連通し前記導管ハウジングを通る主導管と;
前記入口面の補助ポートと連通し前記導管ハウジングを通る少なくとも1の補助導管と;
液体を前記補助ポートから離して前記主ポート内へ向けるように前記入口面に配設されたチャネルと;
を具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載のアダプタがさらに:
基部の開口が前記凹部領域を囲むように前記導管ハウジングに取り付けられた基部を具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項3】
請求項2に記載のアダプタにおいて、前記導管ハウジングが前記基部の周りを回転可能であることを特徴とするアダプタ。
【請求項4】
請求項1に記載のアダプタがさらに:
基部の開口が前記凹部領域を囲むように前記導管ハウジングに取り付けられた基部と;
前記基部の周辺部からの液体を前記補助導管から離して向ける前記基部上に配置された半径方向のチャネルと;
を具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項5】
請求項1に記載のアダプタがさらに:
基部の開口が前記凹部領域を囲むように前記導管ハウジングに取り付けられた基部と;
前記基部の周辺部からの液体を前記補助導管から離して向ける前記基部上に配置された半径方向のチャネルと;
前記半径方向のガイド用のチャネル内へ液体を向けるように前記基部上に配置された中間の収集チャネルと;
を具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項6】
請求項1に記載のアダプタにおいて、前記チャネルが:
前記入口面のおよそ半分に沿う線形のチャネル部分と;
前記入口面のおよそ3分の1に沿う半径方向のチャネル部分と;
を具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項7】
請求項1に記載のアダプタがさらに、前記主導管に連通する主管腔と、前記補助導管に連通する補助管腔とを具える長円形の負圧供給チューブを具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項8】
請求項1に記載のアダプタがさらに、前記凹部領域内に設けられた揮発性有機化合物検出ストリップを具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項9】
請求項1に記載のアダプタにおいて、少なくとも2本の補助導管が、前記入口面上の直径方向に対向する補助ポートを具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項10】
請求項1に記載のアダプタがさらに前記補助導管を支持して囲む壁部分を具え、前記壁部分が内側面と、外側面と、前記主ポートに向かって延在する前記外側面に沿うガイド用のチャネルとを具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項11】
組織に負圧をかけるシステムにおいて、前記システムが:
複数管腔型の負圧供給チューブであって、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部へ導管を通って延在する主管腔と、前記近位端部から前記遠位端部へ前記導管を通って延在する補助管腔とを具える複数管腔型の負圧供給チューブと;
前記主管腔の前記近位端部に連結された真空ポンプと;
前記負圧供給チューブの前記遠位端部に連結された負圧アダプタであって、液体を補助管腔から前記主管腔内へ向けるチャネルを具える負圧アダプタと;
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記負圧アダプタが:
入口面を規定する凹部領域を具える導管ハウジングと;
前記主管腔及び前記入口面の主ポートと連通し前記導管ハウジングを通る主導管と;
前記補助管腔及び前記入口面の補助ポートと連通し前記導管ハウジングを通る補助導管と;
を具え、前記チャネルが液体を前記補助ポートから離して前記主ポート内へ向けるように前記入口面に配設されていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムがさらに、前記導管ハウジングに取り付けられた基部を具えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、前記導管ハウジングが前記基部の周りを回転可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムにおいて:
前記導管ハウジングが前記基部の周りを回転可能であり;
前記補助ポートが前記基部とほぼ同一平面に配設されていることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項12に記載のシステムがさらに、
前記導管ハウジングに取り付けられた基部と;
前記基部の周辺部からの液体を前記補助ポートから離して向けるように前記基部上に配置された半径方向のガイド用のチャネルと;
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムがさらに:
前記補助管腔の前記近位端部に連結された圧力センサと;
前記補助管腔に連結されたバルブと;
前記圧力センサ、前記バルブ、及び前記真空ポンプに連結されたコントローラとを具え、前記コントローラが:
前記主管腔中の圧力を減らすように前記真空ポンプを作動させ;
前記圧力センサから圧力データを受信し、
前記真空ポンプの動作に関連する変化に応じた前記圧力データの変化を監視し;
前記補助管腔の圧力応答が遅れているかどうかを特定して;
前記特定された補助管腔に連結された前記バルブを動作させることを特徴とするシステム。
【請求項18】
組織部位に適用する圧力を監視する方法において、前記方法が:
前記組織部位近くに開口を具える少なくとも2本の圧力測定用導管を介して圧力を測定するステップであって、前記測定用導管が互いに及び主導管と分離しているステップと;
圧力の変化が前記主導管を通して適用された場合に、前記圧力測定用導管を介して測定される圧力の変化に関係する応答時間を監視するステップと;
前記圧力測定用導管に関係する前記応答時間が遅延した応答を示す場合に前記適用した圧力より大きい圧力で1又はそれ以上の前記圧力測定用導管を開くステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
多孔性パッドに負圧源を連結する回転可能な負圧アダプタにおいて、前記アダプタが:
基部と;
前記基部に取り付ける周辺リングと;
前記周辺リング内の第1の挿入リングと;
前記第1の挿入リング内のOリングと;
前記Oリング内の第2の挿入リングと;
前記第2の挿入リングを覆うハウジングと;
を具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項20】
請求項19に記載の連結具において、前記ハウジングが、入口面を規定する凹部領域を具えることを特徴とする連結具。
【請求項21】
請求項20に記載の連結具がさらに、
前記入口面の主ポートと連通し前記ハウジングを通る主導管と;
前記入口面の補助ポートと連通し前記導管ハウジングを通る少なくとも1の補助導管と;
液体を前記補助ポートから離して前記主ポートへ向ける前記入口面に配設されたチャネルと;
を具えることを特徴とする連結具。
【請求項22】
組織部位に負圧を適用するシステムにおいて、前記システムが:
複数管腔型の負圧供給チューブであって、長円形の断面と、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部へ導管を通って延在する主管腔と、前記近位端部から前記遠位端部へ前記導管を通って延在する複数の補助管腔とを具える複数管腔型の負圧供給チューブと;
前記主管腔の前記近位端部に連結された真空ポンプと;
前記遠位端部に連結された負圧アダプタであって、当該アダプタが:
入口面を規定する凹部領域を具える導管ハウジングと;
前記導管ハウジング内に位置し、前記入口面の中央に位置する主ポートで終端する主導管と;
前記主導管に隣接して位置し、前記入口面に配設された補助ポートで終端する補助導管と;
前記入口面のおよそ半分に沿う線形の鋸歯状のチャネル部分と;
前記入口面のおよそ3分の1に沿う半径方向の鋸歯状のチャネル部分と;
前記導管ハウジングに取り付けられた基部と;
前記基部の周辺部からの液体を前記補助ポートから離して向けるように前記基部上に配置された半径方向のガイド用のチャネルと;
前記半径方向のガイド用のチャネル内へ液体を向けるように前記基部上に配置された中間の収集チャネルと;
前記凹部領域内に設けられた揮発性有機化合物検出ストリップと;
を具えるアダプタと;
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項23】
負圧アダプタにおいて:
組織部位から液体を受けるための凹部領域を具える導管ハウジングと;
前記凹部領域を主管腔及び補助管腔に連通させる手段と;
前記液体を前記補助管腔から離して前記主管腔へ向ける手段と;
を具えることを特徴とする負圧アダプタ。
【請求項24】
請求項23に記載のアダプタがさらに:
前記導管ハウジングに連結された基部と;
前記基部の周りを前記導管ハウジングが回転するための手段と;
を具えることを特徴とするアダプタ。
【請求項25】
組織部位に負圧を適用するシステムにおいて、前記システムが:
複数管腔型の導管であって、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部へ前記導管を通って延在する主管腔と、前記近位端部から前記遠位端部へ前記導管を通って延在する補助管腔とを具える複数管腔型の導管と;
前記主管腔の前記近位端部に連結された真空ポンプと;
前記遠位端部に連結された負圧アダプタであって、前記主管腔内へ液体を向けるチャネルを具えるアダプタと;
前記補助管腔に連結された少なくとも2の圧力センサからのフィードバックを使用して前記真空ポンプを動作させるための手段と;
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項26】
複数管腔型の負圧供給装置において;
第1の端部と、第2の端部と、長円形の断面を具えるフレキシブルチューブと;
前記第1の端部から前記第2の端部へ延在する主導管と;
前記主導管に隣接して前記第1の端部から前記第2の端部へ延在する補助導管と;
を具え、前記主導管が第1の直径を有し、前記補助導管が前記第1の直径よりも実質的に小さい第2の直径を有することを特徴とする複数管腔型の負圧供給装置。
【請求項27】
組織部位に負圧を適用するドレッシングにおいて、前記ドレッシングが:
複数管腔型の負圧供給チューブであって、近位端部と、遠位端部と、前記近位端部から前記遠位端部へ導管を通って延在する主管腔と、前記近位端部から前記遠位端部へ前記導管を通って延在する複数の補助管腔とを具える複数管腔型の負圧供給チューブと;
前記遠位端部に連結された負圧アダプタであって、液体を前記補助管腔から離して前記主管腔へ向けるチャネルを具えるアダプタと;
前記負圧アダプタに取り付けられた多孔性パッドと;
前記負圧アダプタ及び前記多孔性パッドの上に配設されたドレープであって、前記組織部位で前記負圧アダプタ及び前記多孔性パッドを固定するための接着面を具えるドレープと;
を具えることを特徴とするドレッシング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2009−525776(P2009−525776A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553402(P2008−553402)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/003065
【国際公開番号】WO2007/092397
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(501394620)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (25)
【Fターム(参考)】