説明

負荷制御システム

【課題】負荷制御システムにおいて、フェージングが発生しても容易且つ確実に負荷を開閉可能にする。
【解決手段】照明制御システムは、互いに放射する電波の偏波面が異なる3つのアンテナを有し点灯信号を電波により送信可能なリモートコントローラと、点灯信号を受信可能なスイッチとを有している。リモートコントローラは、人感センサにより人体が検知されると、制御部の制御に基づいて、無線送信回路部がいずれかのアンテナを用いた送信モードで点灯信号を送信する。制御部は、信号送信処理において所定時間内に照度センサにより照度の変化が検知されないときには、送信モードを、初回の信号の送信時に第1送信モードとし、第2回目及び第3回目の信号送信時にそれぞれ第2送信モード、第3送信モードと変更する。自動的に送信モード変更を行うので、偏波ダイバーシチの効果によりフェージングがある環境下でも確実に通信可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信器から電波により送信した信号を受信器により受信し、当該信号に応じて負荷を制御する負荷制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、送信器から送信された無線信号を壁面などの造営面に配設されたスイッチにより受信して、スイッチが受信した信号に基づいて照明装置などの開閉動作を行うように構成された負荷制御システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような負荷制御システムにおいては、無線通信を利用することにより、例えば高機能なスイッチを、当該負荷制御システムの他の部分との間の配線作業等を行うことなく、既設のスイッチに替えて又は新規に、容易に配設することができる。
【0003】
このような無線通信を利用する負荷制御システムにおいては、用途によって、電波による無線通信を利用して送信器とスイッチとの間で信号を送受信する方が、赤外光を利用して信号を送受信する場合よりも望ましい場合がある。これは、無線通信の電波の透過性や回折性等により、赤外光よりも無線通信の方が信号を送信可能になる送信器のエリアが広くなる等のメリットがあるからである。しかしながら、このように電波による無線通信を利用する場合であっても、送信器とスイッチとの間で適正に通信を行うことができなくなる場合があり、その場合、例えばユーザが送信器を操作したとしてもユーザの意図したとおりに負荷が開閉されなくなる。
【0004】
このような問題は、例えば、フェージングの影響で発生することがある。すなわち、送信器とスイッチとの位置関係や周囲にある障害物等の位置形状等に応じて無線伝搬路で反射波が発生すること等によりフェージングが発生すると、スイッチに届く電波の強度が低くなり、送信器から送信された信号を受信しにくくなる。このような問題に対して、フェージングの発生に備え、予め複数のアンテナそれぞれから同じ信号を1回以上ずつ送信するようにして対策する方法が知られている。しかしながら、その場合、信号を送信する回数が多くなるため、電力の消費量が大きくなるという問題がある。
【特許文献1】特開2006−253092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、フェージングが発生する環境下においても容易且つ確実に負荷を開閉させることが可能な、送信器の消費電力が小さい負荷制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、信号を電波により送信する送信器と、電波を受信する機能を有し、負荷に接続されて少なくとも当該負荷のオン・オフを制御する制御機能を備えた受信器とを有する負荷制御システムにおいて、前記送信器は、アンテナ部と、該アンテナ部から信号を送信する無線送信回路部と、定の状態を検知したときにトリガ信号を出力するトリガ検知手段と、前記負荷による環境の変化を検知する負荷状態検知手段と、前記トリガ信号に基づいて前記無線送信回路部を制御し、所定の信号を送信させる制御部とを備え、前記受信器は、アンテナ部と、前記アンテナ部を用いて電波を受信し信号を抽出する無線受信回路部と、電源から前記負荷への給電路を開閉する負荷制御回路部と、前記無線受信回路部で受信された信号に応じて前記負荷制御回路の動作制御を行う制御部とを備え、前記トリガ検知手段から出力されるトリガ信号に応じて前記負荷が動作するように構成され、前記送信器のアンテナ部は、互いにアンテナ特性が異なる複数の送信モードで電波を放射可能に構成されており、前記無線送信回路部は、前記複数の送信モードを切り替えて信号を送信可能に構成されており、前記トリガ検知手段からトリガ信号が出力されると、前記複数の送信モードのうち所定の送信モードで所定の信号を送信し、その後、所定時間内に前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されないときは、前記複数の送信モードのうち、少なくとも直前に信号を送信した送信モードとは異なる送信モードで前記所定の信号を送信し、そして、前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されるまでこれらの動作を繰り返すものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記無線送信回路部は、前記所定時間経過後に前記所定の信号を送信することを2回以上行った後、さらに所定時間内に前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されないときは、前記複数の送信モードのうち、直前に送信した送信モードとは異なる送信モードと、その送信モードとは異なる送信モードであって既に信号送信を行った送信モードのうち少なくとも1つの送信モードとで続けて前記所定の信号を送信するものである。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記無線送信回路部は、前記所定時間経過後に前記所定の信号を送信することを2回以上行った後、さらに所定時間内に前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されないときは、信号送信を行う複数の送信モードを順に切替えながら、各送信モードについて複数回ずつ、前記所定の信号を送信するものである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項の発明において、前記無線送信回路部は、前記トリガ検知手段からトリガ信号が出力されたとき、前回に前記所定の信号の送信を行った送信モードを用いて前記所定の信号の送信を行うものである。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項の発明において、前記送信器のアンテナ部は、互いに偏波面が異なる複数のアンテナを有し、前記無線受信回路部は、前記複数のアンテナのうち信号送信に用いるアンテナを切り替えることにより前記送信モードを切り替え可能に構成されているものである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項の発明において、前記送信器のアンテナ部は、互いに取り付け位置が異なる複数のアンテナを有し、前記無線受信回路部は、前記複数のアンテナのうち信号送信に用いるアンテナを切り替えることにより前記送信モードを切り替え可能に構成されているものである。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項の発明において、前記送信器のアンテナ部は、互いに指向性が異なる複数のアンテナを有し、前記無線受信回路部は、前記複数のアンテナのうち信号送信に用いるアンテナを切り替えることにより前記送信モードを切り替え可能に構成されているものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、トリガ信号が出力されて所定の信号を送信したときに、例えばフェージングの影響により通信が失敗することにより所定時間内に負荷による環境の変化が検知されない場合、前回送信時とはアンテナ特性が異なる送信モードで信号送信を行う。そのため、ユーザによる送信モードの変更操作を必要とせずに、通信が失敗する可能性を低くすることができ、容易且つ確実に負荷を開閉させることができる。また、常に複数の送信モードで信号送信を行うことがないので、常に複数の送信モードで信号送信を行うような送信器と比較して、送信器の電力消費を小さく抑えることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、第3回目以降の所定の信号の送信時に、既に信号送信を行った送信モードでも再度信号送信を行うので、特に一時的にフェージングが発生する場合等、当該信号送信の時点で、既に信号送信を行った送信モードで良好に通信可能な状態になった場合、より速やかにその送信モードで通信を行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、第3回目以降の所定の信号の送信時に、送信モードを順に切り替えながら、各送信モードについて複数回信号送信を行うことにより、それまでに周囲の環境においてフェージングの発生状況の変化があったとき等に、確実に且つ速やかに通信可能にすることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、トリガ信号が出力されたとき、最後に通信が成功したと考えられる送信モードで信号送信を行う。そのため、例えば初回の所定の信号の送信時において常に同じ送信モードで送信する場合と比較して、通信が失敗する可能性を低くすることができ、より確実に且つ速やかに通信可能にすることができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、所定の信号の送信を行う度に、信号を、偏波面が異なる電波により送信することができるので、前回送信時にフェージングの影響により通信が失敗しても、偏波ダイバーシチの効果により電波の干渉状況を変えることができ、確実に通信可能にすることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、所定の信号の送信を行う度に、信号を、取り付け位置が異なるアンテナから電波により送信することができるので、前回送信時にフェージングの影響により通信が失敗しても、空間ダイバーシチの効果により電波の干渉状況を変えてフェージングが発生しないようにし、より確実に通信可能にすることができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、所定の信号の送信を行う度に、信号を、指向性が異なる電波により送信することができるので、前回送信時にフェージングの影響により通信が失敗しても、指向性ダイバーシチの効果により電波の干渉状況を変えることができ、確実に通信可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る負荷制御システムの一例として、照明制御システムを示す。照明制御システム1は、負荷として照明装置150と、無線信号を電波により送信するリモートコントローラ(送信器;以下、リモコンという)151と、例えば商用交流電源である電源(図2参照)50と照明装置150に電線を介して直列接続されたスイッチ(受信器)152等で構成されている。
【0021】
リモコン151には、所定エリアの人体Hの存否を検知する人感センサ(トリガ検知手段)151aや、周囲の照度を計測する照度センサ(負荷状態検知手段)151b等が設けられている。スイッチ152は、後述するようにリモコン151から送信され受信した無線信号に応じて照明装置150を点灯又は消灯させる。すなわち、この照明制御システム1は、リモコン151からスイッチ152への単方向通信方式を採用している。ここで、本実施形態においては、負荷として、白熱灯からなる照明装置150を例示するが、これに限定する主旨ではなく、蛍光灯及び蛍光灯電子安定器などの他の照明装置の他、照明装置以外の負荷であってもよい。また、スイッチ152は、例えば外部からユーザが操作可能な操作ハンドルを有しており、ユーザが、この操作ハンドルを直接に操作することにより、照明装置150を点灯又は消灯させることができるように構成されていてもよい。
【0022】
図2は、リモコン151及びスイッチ152のブロック構成を示す。リモコン151は、人感センサ151a、及び照度センサ151bのほか、後述するように例えば3つのアンテナ11a,11b,11cを有するアンテナ部11と、アンテナ部11から信号を送信する無線送信回路部12と、リモコン151の動作を制御する制御部13と、それらの電気回路に電力を供給する電池14等を備えている。リモコン151は、例えば、各部が筐体内に収納された箱体状に構成されている。
【0023】
人感センサ151aは、例えば人体Hから放射される熱放射を検知することにより所定エリアの人体Hの存在の有無を検知するものであり、人体Hの存在を検知すると人体検知信号(トリガ信号)を制御部13に送出する。照度センサ151bは、例えばフォトダイオード等から構成され、照明装置150の点灯動作又は消灯動作による照度の変化を検知するものであり、検知した照度の変化を環境変化信号として制御部13に送出する。
【0024】
制御部13は、マイクロコンピュータ等で構成されており、無線送信回路部12等の制御を行い、人体検知信号が入力されたときや、その後、後述するように所定期間内に環境変化信号が入力されないときに照明装置150を点灯させるための点灯信号を生成する。無線送信回路部12は、点灯信号等が制御部13から入力されると、その点灯信号等を変調及び増幅し、アンテナ部11から所定の周波数の無線チャンネルの搬送波に重畳して送信する。
【0025】
スイッチ152は、例えばループアンテナ等のアンテナ21と、アンテナ21により電波を受信する無線受信回路部22と、スイッチ152の動作を制御する制御部23と、照明装置150に接続され照明装置150への給電路を開閉する負荷制御回路部24と、例えば100Vの電源50から照明装置150に電力を供給する電源回路25等を備えている。スイッチ152は、例えば、合成樹脂製の矩形箱状の器体を有するワイドハンドル形連用スイッチ(JIS C 8304参照)の2個モジュール寸法に形成されており、規格に準拠した取付枠等に取り付けられて、壁面内に埋め込まれているスイッチボックス内に収められ、配設される。なお、スイッチ152は、上記のようにして壁面内に埋め込まれるものに限られず、例えば壁面や天井等に取り付けられるものであってもよい。
【0026】
無線受信回路部22は、制御部23の制御に基づいて、所定の周波数のチャンネルの電波を受信する。負荷制御回路部24は、電源回路25から照明装置150への給電路を開閉するスイッチング素子(例えば、トライアックなど)を有する。制御部23は、マイクロコンピュータ等で構成されており、無線受信回路部22で受信された信号に応じて、負荷制御回路部24のスイッチング素子のスイッチング制御等を行う。制御部23は、例えば、無線受信回路部22で点灯信号が受信されたときには、照明装置150に給電する状態と給電しない状態とを切り替えるスイッチング制御を行う。電源回路25は、制御部23等に動作電源を供給する。なお、スイッチ152において、負荷制御回路部24が照明装置150への給電路を開成しているときには、電源回路25は、コンデンサに充電してスイッチ152の動作電源を生成する。他方、負荷制御回路部24が電源回路25から照明装置150への給電路を閉成しているときには、照明装置150の点灯状態に影響を及ぼさない範囲で定期的に給電路を所定の時間だけ開成してコンデンサに充電して、所定の時間外の閉成時にはコンデンサから放電して動作電源を生成する。これにより、スイッチ152は、電源回路25と照明装置150とを2線で直列接続することが可能となっている。なお、この種の電源回路25は従来から公知(例えば、特開2000−357443号公報等を参照)であるから、詳細な構成及び動作についての図示並びに説明は省略する。また、電源回路25の構成はこれに限られず、電源50からスイッチ152に常時給電するようにしてもよい。
【0027】
照明制御システム1では、リモコン151の人感センサ151aが人体Hを検知すると、スイッチ152の制御部23が、照明装置150への電力供給をオンした後、一定時間経過後(例えば、1分経過後)照明装置150への電力供給をオフするものである。すなわち、人感センサ151aによって人体Hが検知され、リモコン151から点灯信号が送出されると、スイッチ152の制御部23の制御により負荷制御回路部24のスイッチング素子のスイッチングが行われ、照明装置150を点灯させる。これにより、ユーザは所定エリアに位置することにより、照明装置150を点灯状態に切り替えることができる。
【0028】
ここで、リモコン151のアンテナ部11を構成する3つのアンテナ11a,11b,11cは、それぞれ、互いに異なる偏波面を有し、アンテナ特性が異なるものである。例えば、第1アンテナ11aは、垂直偏波で電波を放射するアンテナ特性を有し、第2アンテナ11bは、水平偏波で電波を放射するアンテナ特性を有している。また、第3アンテナ11cは、垂直偏波でも水平偏波でもない、斜め偏波で電波を放出するアンテナ特性を有している。すなわち、アンテナ部は、これらの第1アンテナ11a乃至第3アンテナ11cにより、アンテナ特性が互いに異なる複数の送信モードで電波を放射可能に構成されている。第1アンテナ11a乃至第3アンテナ11cは、それぞれ、例えば、小型のダイポールアンテナである。なお、第1アンテナ11a乃至第3アンテナ11cの形式や放出する電波の偏波の特性はこれに限られるものではなく、例えばループアンテナ等であってもよく、また、円偏波等で電波を放出するように構成されているものであってもよい。
【0029】
無線送信回路部12は、制御部13の制御に基づいて、人感センサ151aから人体検知信号が送出された後、このような3つの第1アンテナ11a乃至第3アンテナ11cを切り替えて信号を電波により送信する処理(以下、信号送信処理という)を行う。すなわち、無線送信回路部12は、アンテナ特性が互いに異なる第1アンテナ11a乃至第3アンテナ11cから1つを選択して、それぞれ、第1送信モード乃至第3送信モードの、偏波面が互いに異なる3つの送信モードを切り替えて信号を送信する。信号送信処理において、無線送信回路部12は、人感センサ151aが人体Hを検知した後、所定時間内(例えば、1秒以内)に照度センサ151bが照度の変化を検知しないとき、制御部13の制御に基づいて、送信モードを変更するように構成されている。
【0030】
制御部13は、照度センサ151bから環境変化信号が入力されるか否かによって照明装置150による動作の有無を検知することができる。すなわち、照度センサ151bから環境変化信号が入力されない場合、制御部13は、照明装置150が点灯していないと判断する。なお、信号送信処理は、無線送信回路部12が初回の信号を送信してから所定時間(例えば、30秒)が経過するまでに、例えば照明装置150が有する白熱灯がきれた場合などによって、照度センサ151bにより照度の変化が検出されなかった場合に終了する。また、信号送信処理は、無線送信回路部12が初回の信号を送信した後、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されたときにも終了する。
【0031】
以下に、本実施形態における送信モードの変更動作の動作態様について説明する。図3は、送信モードの変更動作の動作態様の一例を示す。図に示す動作例は、人感センサ151aによって人体Hが検知された後、所定時間内に照度センサ151bにより照度変化が検知されなかった場合のものであり、ここでは、所定時間が3回経過した場合を示す。なお、ここでは、人感センサ151aによる人体検知信号の送信により無線送信回路部12から送信される信号の送信タイミングを「#1」と示し、これ以後の各所定時間経過により無線送信回路部12から送信される信号の送信タイミングをそれぞれ「#2」乃至「#4」と示す。
【0032】
制御部13は、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないときに、その都度、3つのアンテナ11a,11b,11cを順に切り替えることにより、送信モードを切り替えて信号を送信する。すなわち、まず、人感センサ151aにより人体検知信号が送信されたとき(#1)、図に示すように、制御部13は、点灯信号を生成すると共に信号を送信するアンテナを例えば第1アンテナ(ANT1)11aとし、無線送信回路部12は、第1アンテナ11aを用いた第1送信モードで信号送信処理を行い、信号送信処理を開始する。その後、当該信号送信処理において、照明装置150が点灯しなかったことにより、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないとき(#2)、制御部13は、直前に信号を送信した第1アンテナ11aとは異なる第2アンテナ(ANT2)11bで信号を送信するように送信モードを切り替える。そして、無線送信回路部12は、第2アンテナ11bに切り替えて第2送信モードで信号送信を行う。
【0033】
その後、当該信号送信処理において、さらに所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないとき(#3)、同様に、直前に信号を送信した第2アンテナ11bとは異なる第3アンテナ(ANT3)11cを用いた第3送信モードで信号送信が行われる。なお、さらにその後、当該信号送信処理において、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないとき(#4)、制御部13は、#4から所定時間が経過する毎に、第1アンテナ11a、第2アンテナ11b、第3アンテナ11c、…等と順に信号送信するアンテナを変更させ、送信モードを変更させる。
【0034】
このように、本実施形態においては、信号送信処理において、人感センサ151aから人体検知信号が出力されると、リモコン151は所定の信号を送信し、その後、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化を検知する。このとき、所定時間内に照度の変化が検知されないときは、その都度、3つのアンテナ11a,11b,11cを切り替えて送信モードを変更し、前回信号を送信した送信モードとは異なる送信モードで順に信号送信を行う。そのため、前回送信時にフェージング等の影響により通信が失敗しても、その後、前回送信時とはアンテナ特性が異なる送信モードで信号送信を行うので、偏波ダイバーシチの効果により、通信が失敗する可能性を低くすることができる。また、ユーザによる送信モードの変更操作を必要とせずに、通信が失敗する可能性を低くすることができ、容易且つ確実に照明装置150を点灯させることができる。また、常に3つのアンテナ11a,11b,11cで信号送信を行うようなリモートコントローラと比較して、電力消費を小さく抑えることができる。
【0035】
なお、本実施形態において、アンテナ部11のアンテナの数は、3つに限らず、2つであっても、又は4つ以上であってもよい。図4は、n個以上のアンテナ(ANT1、ANT2…ANTn)11a,11b,…で信号を送受信可能な場合の送信モードの変更動作の動作態様の一例を示す。このとき、人感センサ151aにより人体検知信号が送信されたときから(#1)、その後、所定時間がn−1回経過するまで(#n)、照度センサ151bにより照度の変化が検知されないものとすると、無線送信回路部12は、まず、#1において第1アンテナ11aを用いた送信モードで信号送信を行う。
【0036】
その後、無線送信回路部12は、所定時間が経過する度に、制御部13の制御により第2アンテナ11b、第3アンテナ11c…第nアンテナと順にアンテナを変更して送信モードを変更し、信号送信を行う。その後、照度が変化する等により当該信号送信処理が終了し、さらにその後、#n+1のときに、新たに信号送信処理が開始されるとすると、無線送信回路部12は、制御部13の制御に基づいて、第1アンテナ11aでの信号送信を行う。このようにアンテナの数が多い場合すなわち送信モードの数が多い場合でも、同様に、自動的に送信モードを変更し、確実に通信可能にすることができる。
【0037】
また、アンテナ部は、複数のアンテナではなく、例えば1つのマイクロストリップアンテナで構成されていてもよい。このようなマイクロストリップアンテナは、比較的低い製造コストで製造可能であり、給電点を変更することにより、さまざまな偏波面の電波を放射可能である。すなわち、その場合、無線送信回路部12は、マイクロストリップアンテナへの給電点を変更することにより、偏波面が異なる複数の送信モードで信号を送信可能であり、上述と同様に、偏波ダイバーシチの効果により確実に通信可能にすることができる。
【0038】
また、上述の実施形態において、信号送信に用いるアンテナ11a,11b,…の変更態様すなわち送信モードの変更態様は、常に同様の順で変更されるものに限られない。すなわち、例えば前回の信号送信処理で変更した順番とは逆の順番に送信モードを変更するようにしてもよく、所定時間が経過する度に、複数の送信モードのうち、少なくとも直前に信号を送信した送信モードとは異なる送信モードで所定の信号を送信するように構成されていればよい。また、新たな信号送信処理において、初回に信号送信を行う送信モードは、上述のような常に同じ所定の送信モードでなくてもよい。
【0039】
また、本実施形態において、アンテナ部の3つのアンテナは、偏波面が異なるものに限られず、他のアンテナ特性が互いに異なるようなものであってもよい。例えば、互いに取り付け位置が異なる3つのアンテナを用いて、それらを上述のように切り替えることで、スイッチ152に到達する電波の位相が互いに異なる3つの送信モードで送信可能にしてもよい。図5(a)は、このように取り付け位置が異なるようにアンテナ111a,111b,111cが配置されたアンテナ部111の構成の一例を示す。その場合、送信モードを変更することにより、空間ダイバーシチの効果により電波の干渉状況を変えてフェージングが発生しないようにすることができ、確実に通信可能にすることができる。なお、このような空間ダイバーシチの効果を得るためには、例えば、フェージングの発生する空間的間隔が最小で電波の波長の半分となることから、図に示すように、アンテナ111a,111b,111cを半波長間隔で配置すればよく、アンテナの個数は2つ以上であればよい。また、例えば、アンテナ部が、放射する電波の指向性が互いに異なる3つのアンテナを用いて構成されており、電波の指向性が異なる3つの送信モードで電波を送信可能に構成されていてもよい。図5(b)は、このように指向性が異なる3つのアンテナ211a,211b,211cを有するアンテナ部211の構成を示す。その場合、指向性ダイバーシチの効果により、送信モードを変更することにより同一の受信点であるスイッチ152まで到達する電波の経路が変わるので、電波の干渉状況を変えてフェージングが発生しないようにすることができ、確実に通信可能にすることができる。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態に係る照明制御システムについて説明する。以下に示す実施形態において、照明装置150、リモコン151、及びスイッチ152の各構成要素は、上述の第1実施形態と同様であり、同一の符号を付して説明する。第2実施形態においては、アンテナ部11が例えば第1アンテナ11aと第2アンテナ11bとの2つである点と、制御部13及び無線送信回路部12により行われるリモコン151の送信モード変更動作とが、上述の第1実施形態と相違する。
【0041】
図6は、第2実施形態におけるリモコン151の送信モードの変更動作の動作態様の一例を示す。無線送信回路部12は、信号送信処理において、人感センサ151aにより人体検知信号が送信されたとき(#1)、制御部13の制御により第1実施形態と同様に、第1アンテナ(ANT1)11aでの信号送信を行い(第1送信モード)、信号送信処理を開始する。そして、当該信号送信処理において、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないとき(#2)、無線送信回路部12は、第2アンテナ(ANT2)11bでの信号送信を行う(第2送信モード)。
【0042】
その後、当該信号送信処理において、さらに所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないとき(#3)、制御部13は、点灯信号を生成すると共に、直前に信号を送信した第2アンテナ11bとは異なる第1アンテナ11aにアンテナを変更する(第1送信モード)。また、制御部13は、それに続けて、既に信号送信を行ったアンテナであって今回信号送信を行う第1アンテナ11aとは異なる第2アンテナ11bにアンテナを変更すると共に、点灯信号を生成する。これにより、無線送信回路部12は、第1アンテナ11aを用いた第1送信モードで信号送信を行った後、それに続けて第2アンテナ11bを用いた第2送信モードでも信号送信を行う。なお、図では第3回目の信号の送信までしか示していないが、その後さらに所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないために信号送信処理が継続する場合がある。この場合、無線送信回路部12は、その信号送信毎に、直前に信号を送信したアンテナとは異なるアンテナを用いた送信モードでの信号送信に続けて、そのアンテナとは異なるアンテナであって当該信号送信処理において既に信号送信を行ったアンテナを用いた送信モードで信号送信が行われる。
【0043】
このように、第2実施形態では、信号送信処理において、通信が失敗するなどして第3回目以降の信号の送信を行う時に、既に信号送信を行ったアンテナを用いた送信モードでも自動的に再度信号送信を行う。従って、特に一時的にフェージングが発生する場合等、そのアンテナで前回信号を送信したときから周囲の電波環境等が変化しており、当該信号送信の時点でそのアンテナで良好に通信可能な状態になっている場合に、偏波ダイバーシチの効果により、より速やかに確実な通信を行うことができる。
【0044】
なお、第2実施形態において、送信モードの数は、2つではなく、さらに多くてもよい。その場合、例えば、次のように送信モードの変更及び信号送信をするようにすればよい。すなわち、まず、同一の信号送信処理において、初回及び第2回目の信号送信時の送信モードをそれぞれ第1送信モード、第2送信モードと変更して信号送信を行う。そして、3回目の信号送信時の送信モードを、前回送信した第2送信モードとは異なる第3送信モードと、既に送信した2つの送信モードから選択した例えば第1送信モードとの2つの送信モードで信号を送信する。また、4回目の信号送信時の送信モードを、前回の信号送信の第3送信モードとは異なる第4送信モードと、既に送信した3つの送信モードから選択した例えば第2送信モードとで送信する。このように送信モードの変更及び信号送信をすることにより、上述と同様に速やかに確実な通信を行うことができる。なお、上述の送信モードの変更態様は例示であり、送信モードの変更順はこの通りでなくてもよい。また、同一の信号送信処理において3回目以降の信号送信を行う際、既に信号送信を行った1つの送信モードを含む合計2つの送信モードに限らず、既に信号送信を行った2つ以上の送信モードを含む合計3つ以上の送信モードで送信するようにしてもよい。すなわち、第2実施形態において、第3回目以降の信号送信モードや送信モードの数は、適宜選択し設定すればよい。
【0045】
図7は、本発明の第3実施形態に係る照明制御システムにおけるリモコン151の送信モードの変更動作の動作態様の一例を示す。第3実施形態において、照明制御システム1は例えば2つのアンテナ11a,11bで信号を送受信可能であり、信号送信処理において、人感センサ151aにより人体検知信号が送信された後(#1)、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないとき(#2)までの動作は第2実施形態と同様である。
【0046】
第3実施形態においては、その後、同一の信号送信処理において、さらに所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知されないことにより第3回目以降の信号送信が行われる(#3)。このとき、第3回目の信号送信においては、第2実施形態と同様に第1送信モード及び第2送信モードで信号を送信するが、各送信モードについて合計2回ずつ、送信モードを交互に切り替えながら、合計4回の信号送信を行う。すなわち、第3回目の信号送信を行うとき、無線送信回路部12は、制御部13の制御に基づいて、第1アンテナ11aで信号送信を行う(第1送信モード)。その後、それに続けて、アンテナを第2アンテナ11b、第1アンテナ11a、第2アンテナ11bと交互に切り替えながら、第2送信モード、第1送信モード、第2送信モードの順で信号送信を行う。
【0047】
このように、第3実施形態では、各送信モードについて2回ずつ、1回ごとに送信モードを交互順に変更しながら信号送信を行うことにより、それまでに周囲の電波環境においてフェージングの発生状況の変化があっても、確実に且つ速やかに通信可能にすることができる。なお、送信モードを切り替える順番は上述に限られず、例えば第3回目の信号送信時には、第1送信モードで2回続けて信号送信を行い、その後第2送信モードで2回続けて信号送信を行ってもよい。また、各送信モードについて3回以上信号送信するようにしてもよい。また、第3実施形態において、3つ以上のアンテナを用いる等により3つ以上の送信モードで信号を送受信可能に構成してもよく、このとき、例えば第3回目以降の信号送信時に送信モード及び各送信モードで送信を繰り返す回数や送信順は、適宜選択し設定すればよい。
【0048】
図8は、本発明の第4実施形態に係る照明制御システムにおけるリモコン151の送信モードの変更動作の動作態様の一例を示す。第4実施形態において、無線送信回路部12は、上記第1実施形態と同様の送信モードの変更動作に加えて、制御部13の制御に基づいて、信号送信処理において、人感センサ151aにより人体検知信号が送信されたとき、前回通信が成功した送信モードで信号送信を行う。
【0049】
すなわち、無線送信回路部12は、前回の信号送信処理において最後に信号送信を行った送信モードで、新たな信号送信処理の初回の信号送信を行う。例えば、前回の信号送信処理において第1アンテナ11aを用いた第1送信モードで信号送信を行い、所定時間内に照度センサ151bにより照度の変化が検知され、当該信号送信処理が終了していたとする。そして、その後、図に示すように、新たな信号送信処理において、人感センサ151aにより人体検知信号が送信されると(#1)、無線送信回路部12は、第1送信モードで信号送信を行う。
【0050】
さらにその後、当該信号送信処理において、所定時間内に照度センサ151bが照度の変化を検知しないとき、上述の第1実施形態と同様に送信モードが変更され、無線送信回路部12は、第2アンテナ11bを用いた第2送信モードで信号送信を行い(#2)、照度センサ151bにより照度の変化が検知され、当該信号送信処理が終了したものとする。そして、その後、さらに別の新たな信号送信処理の初回の信号送信(#3)が行われるとき、制御部13の制御により、無線送信回路部12は、前回の信号送信処理の最後に信号送信した第2送信モードで信号送信を行う。
【0051】
このように、第4実施形態においては、信号送信処理が行われるときに、最後に通信が成功したと考えられる送信モードで信号送信を行うので、例えば常に同じ送信モードで送信する場合と比較して通信が失敗する可能性を低くすることができ、より確実に通信可能にすることができる。
【0052】
なお、本発明は上記各実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、リモコン151の人感センサ151aが人体Hを検知すると、スイッチ152の制御部23が照明装置150への電力供給をオフさせるものであってもよい。また、例えば人感センサ151aに替えて、暗くなったことを検知する目的の照度センサを設けてもよい。この場合、例えば室内の照度が所定の照度以下になったときに、この照度センサが人体検知信号に相当するトリガ信号を制御部13に送出することにより、信号送信処理が開始されるものであってもよい。また、上記第2実施形態乃至第4実施形態においても、第1実施形態において説明したのと同様に、アンテナ部を、空間ダイバーシチや指向性ダイバーシチの効果を得られるように構成してもよい。さらにまた、アンテナ部を、偏波面及び取り付け位置及び/又は指向性が共に異なる等、アンテナ特性が互いに複合的に異なるような複数のアンテナで構成してもよい。その場合であっても、送信モードを変更してフェージングの発生状況を変更することができる。
【0053】
また、無線送信回路部12による信号送信の態様は上述に限られず、上記第1実施形態乃至第4実施形態の各特徴部分のうち複数を具備するような態様で信号送信を行うように構成されていてもよい。例えば、上記第2実施形態のように、同一の信号送信処理において、送信モードの変更による第1送信モードでの信号送信と既に送信した送信モードである第2送信モードでの信号送信を伴う第3回目の信号送信を行い、信号送信処理が終了したとする。このとき、その後、人感センサ151aにより人体検知信号が送出され、新たな信号送信処理を開始するときには、第4実施形態に示すように、例えば、最後に信号送信を行った第1送信モードで信号送信を行うようにしてもよいし、最後に信号送信を行った第2送信モードで信号送信を行うようにしてもよい。このように、上記実施形態を組み合わせたような構成である場合でも、同一の信号送信処理において送信モードを自動的に変更して信号送信を行うことにより、フェージングによる通信の失敗を防止することができる。
【0054】
なお、本発明は、上述のように照明装置のオン・オフを制御する照明制御システムのほか、送信器から送信された信号に応じて動作をオン・オフする空調システムや給湯システム、又は送信器から送信された所定の信号を受信して通報動作を行う防犯システムなど、他の用途に用いられる負荷制御システムにおいても用いることが可能である。すなわち、その負荷制御システムの動作を指示する信号を電波により送信することにより遠隔制御するために用いられるような送信器において、上述のような態様で送信モードの変更を自動的に行って信号を送信するように構成することにより、フェージングがある環境下においても、通信の失敗を防止し、容易且つ確実に負荷の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態に係る照明制御システムの一例を示す図。
【図2】上記照明制御システムのリモコン及びスイッチの構成を示すブロック図。
【図3】上記リモコンの信号送信態様の一例を示す図。
【図4】上記リモコンの信号送信態様の一変形例を示す図。
【図5】(a)は上記リモコンのアンテナ部の一変形例の構成を示す図、(b)は同アンテナ部のさらに別の変形例の構成を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る照明制御システムのリモコンの信号送信態様の一例を示す図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る照明制御システムのリモコンの信号送信態様の一例を示す図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る照明制御システムのリモコンの信号送信態様の一例を示す図。
【0056】
1 照明制御システム(負荷制御システム)
11,111,211 アンテナ部
11a,11b,11c,111a,111b,111c,211a,211b,211c (送信器の)アンテナ
12 無線送信回路部
13 (送信器の)制御部
21 (受信器の)アンテナ
22 無線受信回路部
23 (受信器の)制御部
24 負荷制御回路部
25 電源回路
150 照明装置(負荷)
151 リモートコントローラ(送信器)
151a 人感センサ(トリガ検知手段)
151b 照度センサ(負荷状態検知手段)
152 スイッチ(受信器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を電波により送信する送信器と、電波を受信する機能を有し、負荷に接続されて少なくとも当該負荷のオン・オフを制御する制御機能を備えた受信器とを有する負荷制御システムにおいて、
前記送信器は、アンテナ部と、該アンテナ部から信号を送信する無線送信回路部と、
所定の状態を検知したときにトリガ信号を出力するトリガ検知手段と、前記負荷による環境の変化を検知する負荷状態検知手段と、前記トリガ信号に基づいて前記無線送信回路部を制御し、所定の信号を送信させる制御部とを備え、
前記受信器は、アンテナ部と、前記アンテナ部を用いて電波を受信し信号を抽出する無線受信回路部と、電源から前記負荷への給電路を開閉する負荷制御回路部と、前記無線受信回路部で受信された信号に応じて前記負荷制御回路の動作制御を行う制御部とを備え、
前記トリガ検知手段から出力されるトリガ信号に応じて前記負荷が動作するように構成され、
前記送信器のアンテナ部は、互いにアンテナ特性が異なる複数の送信モードで電波を放射可能に構成されており、
前記無線送信回路部は、
前記複数の送信モードを切り替えて信号を送信可能に構成されており、
前記トリガ検知手段からトリガ信号が出力されると、前記複数の送信モードのうち所定の送信モードで所定の信号を送信し、その後、所定時間内に前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されないときは、前記複数の送信モードのうち、少なくとも直前に信号を送信した送信モードとは異なる送信モードで前記所定の信号を送信し、そして、前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されるまでこれらの動作を繰り返すことを特徴とする負荷制御システム。
【請求項2】
前記無線送信回路部は、前記所定時間経過後に前記所定の信号を送信することを2回以上行った後、さらに所定時間内に前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されないときは、前記複数の送信モードのうち、直前に送信した送信モードとは異なる送信モードと、その送信モードとは異なる送信モードであって既に信号送信を行った送信モードのうち少なくとも1つの送信モードとで続けて前記所定の信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の負荷制御システム。
【請求項3】
前記無線送信回路部は、前記所定時間経過後に前記所定の信号を送信することを2回以上行った後、さらに所定時間内に前記負荷状態検知手段により前記負荷による環境の変化が検知されないときは、信号送信を行う複数の送信モードを順に切替えながら、各送信モードについて複数回ずつ、前記所定の信号を送信することを特徴とする請求項2に記載の負荷制御システム。
【請求項4】
前記無線送信回路部は、前記トリガ検知手段からトリガ信号が出力されたとき、前回に前記所定の信号の送信を行った送信モードを用いて前記所定の信号の送信を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の負荷制御システム。
【請求項5】
前記送信器のアンテナ部は、互いに偏波面が異なる複数のアンテナを有し、
前記無線受信回路部は、前記複数のアンテナのうち信号送信に用いるアンテナを切り替えることにより前記送信モードを切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の負荷制御システム。
【請求項6】
前記送信器のアンテナ部は、互いに取り付け位置が異なる複数のアンテナを有し、
前記無線受信回路部は、前記複数のアンテナのうち信号送信に用いるアンテナを切り替えることにより前記送信モードを切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の負荷制御システム。
【請求項7】
前記送信器のアンテナ部は、互いに指向性が異なる複数のアンテナを有し、
前記無線受信回路部は、前記複数のアンテナのうち信号送信に用いるアンテナを切り替えることにより前記送信モードを切り替え可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の負荷制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−56615(P2010−56615A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216473(P2008−216473)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】