説明

負荷制御機構

【課題】結線する必要のない、組み立て性の容易な小型の負荷制御機構を提供する。
【解決手段】負荷制御機構の圧電体は、第1の側面電極と第2の側面電極と互いに非導通状態となるように印刷され、表面には第1の側面電極と導通する第1の表面電極403aと第2の側面電極と導通する第2の表面電極403bとが互いに非導通状態となるように印刷された電極板403と、第3の側面電極401bと第4の側面電極401aとが印刷され、表面には第3の側面電極401bと導通する第3の表面電極401cが印刷された第1の板状圧電体401と、第5の側面電極402bと第6の側面電極402aとが印刷され、表面には第6の側面電極402aと導通する第4の表面電極402cが印刷された第2の板状圧電体402と、を有する。各部材の表面電極が互いに接触せず、かつ、側面電極の奇数番号同士及び偶数番号同士が電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材の回転力を振動により制御する負荷制御機構に係り、より詳しくは、棒形状に形成された振動子を有する負荷制御機構に関する。
【背景技術】
【0002】
スペーサ3とステータ5との間に電歪素子であるPZT2a〜2eを挟み、スペーサ3と電歪素子の中央部に設けられた孔にモータ軸1を挿入し、上記ステータ5に設けられたネジ部5aとモータ軸1のネジ部1bとを螺合させ、PZT2a〜2eに歪を与えるための電気接点4a4fが所定の圧力となるよう調整する超音波モータが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
上記超音波モータは、交換レンズの光軸と平行となるように配置され、前述した電気接点4a〜4fはリード線あるいはフレキシブルプリント板等によって、レンズ鏡筒内のモータ制御回路に電気接続されている。そして、合焦動作を行うために、制御回路からモータ駆動信号が出力されると、電気接点4a〜4fを介して電歪素子PZT2a〜2eに歪が発生し、振動子であるステータ5を振動させてロータ15を回転させる。
【0004】
また、手動で回転する操作環7とともに回転する距離環6の端面には摺動部6bが設けられ、この摺動部6bは、固定部材2に設けられた超音波アクチュエータである振動子35の駆動子39に圧接され、この振動子35を屈曲定在波振動させることによって距離環6と駆動子39との摩擦接触力を調節して、操作環7の回動操作力量を広い範囲で増減する技術が知られている(特許文献2参照)。
【0005】
上記超音波アクチュエータである振動子35は、複数の2種類の圧電シート37X,37Yとこの圧電シート37X,37Yを挟む2枚の絶縁板38A,38Bと、2つの駆動子と、を有して構成され、導電性銀ペーストからなる電極41a,41b,41c,41d,41a′,41b′によって電気的に結合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6-133567号公報
【特許文献2】特開2005−316394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のように、電歪素子であるPZT2a〜2eと電気接点4a〜4fとをリード線あるいはフレキシブルプリント板等によって接続し、レンズ鏡筒内のモータ制御回路に電気接続する構成では、リード線あるいはフレキシブルプリント板を配置する空間を設けなければならず、また、側面に出ている複数の電極の端子とリード線等を結線する必要がある。そのため、構成が複雑となるばかりか組み立ても複雑となり小型のものが作りづらい。
さらに、近年の装置の小型化の要請に答え、振動子を小さくするために、圧電体を極端に薄く(0.1mm以下)しようとすると、モータ軸1の圧着で圧電体が割れる恐れがある。
【0008】
また、特許文献2のように、複数の2種類の圧電シート37X,37Yを2枚の絶縁板38A,38Bで挟み、導電性銀ペーストからなる電極41a,41b,41c,41d,41a′,41b′によって電気的に結合させる構成では、圧電体間に電極を挟んでいるので、側面に出ている複数の電極の端子を結線する空間を設けなければならず、結線が複雑となり小型のものが作りづらい。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑み、結線する必要がない組み立て性の容易な振動子を用いた小型の負荷制御機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様に係る負荷制御機構は、中央部に穴を有する第1の振動体と、中央部に穴と係合部を有する第2の振動体と、中央部に穴を有し上記第2の振動体に振動を付与されるロータと、中央部に穴を有し、第1の振動体と第2の振動体とに挟まれる位置に固定される圧電体と、上記各部材の穴を貫通し、上記圧電体を挟み込んで上記第1の振動体と上記第2の振動体とを固定する軸部材と、上記軸部材の一端部に位置し、上記ロータを上記第2の振動体に押圧する押圧手段と、を具備し、上記圧電体は、
側面には第1の側面電極と第2の側面電極と互いに非導通状態となるように印刷され、表面には上記第1の側面電極と導通する第1の表面電極と上記第2の側面電極と導通する第2の表面電極とが互いに非導通状態となるように印刷された電極板と、側面には第3の側面電極と第4の側面電極とが印刷され、表面には上記第3の側面電極と導通する第3の表面電極が印刷された第1の板状圧電体と、側面には第5の側面電極と第6の側面電極とが印刷され、表面には上記第6の側面電極と導通する第4の表面電極が印刷された第2の板状圧電体と、を有し、当該圧電体が上記軸部材を介して組立てられた際、各部材の表面電極が互いに接続せず、かつ、側面電極の奇数番号同士及び側面電極の偶数番号同士が電気的に接続されるように組立てられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の態様に係る負荷制御機構は、上記第1の態様において、上記圧電体は、表面に、互いに非導通状態な2つの回路パターンA及びBを有するフレキシブル電気基板をさらに有し、当該パターンAは上記電極板の第1の表面電極(電極A)と電気的に接続され、当該パターンBは上記電極板の第2の表面電極(電極B)と電気的に接続されることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の態様に係る負荷制御機構は、上記第1の態様において、上記第1の板状圧電体の表面電極と上記第2の板状圧電体の表面電極とが互いに接触せず、かつ、上記側面電極の奇数番号同士及び上記側面電極の偶数番号同士が電気的に接続されるように組立てられたものを1組のユニットとし、この1組のユニットが複数積層されて構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の態様に係る負荷制御機構は、上記第1の態様において、上記圧電体は、上記電極板、上記第1の板状圧電体及び上記第2の板状圧電体が組立てられた際、当該各部材の表面電極が互いに接触せず、かつ、側面電極の奇数番号同士及び側面電極の偶数番号同士がそれぞれ1列になるように電気的な接続がされることを特徴とする。
【0014】
本発明の第5の態様に係る負荷制御機構は、上記1乃至4の態様において、上記圧電体は、円形状をしていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第6の態様に係る負荷制御機構は、上記1乃至4の態様において、上記圧電体は、多角形状をしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、圧電体に表面電極と側面電極を印刷し、積層した際、圧電体の表面電極が互いに接触せず、かつ、側面電極の奇数番号同士及び側面電極の偶数番号同士が電気的に接続されるようにした振動子を用いたので、結線する必要のない、組み立て性の容易な小型の負荷制御機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る操作装置を説明するための図で、デジタルカメラに適用した構成を説明するためのブロック図。
【図2】第一の実施形態のデジタルカメラを構成する交換式レンズの概要を示す断面図。
【図3】第一の実施形態の交換式レンズの1群枠を駆動する機構を説明するための図。
【図4】第一の実施形態に係る、固定枠に取り付けられた負荷制御機構を説明するための図。
【図5】第一の実施形態に係る、固定枠に取り付けられた負荷制御機構の詳細な構成を説明するための光軸方向断面図AA。
【図6】第一の実施形態に係る、振動子110を構成する圧電体の具体的な構成を説明するための分解斜視図。
【図7】第一の実施形態に係る、振動子110を組み立てた状態を説明するための図。
【図8】第一の実施形態に係る、圧電体への電圧印加の概念を示す図。
【図9】図7で説明した圧電体の変形例を説明するための図
【図10】図8で説明した圧電体の変形例を説明するための図
【図11】本願発明に適用した振動子の変形例を説明するための断面図
【図12】図11で説明した振動子の変形例の外観図
【図13】図11で説明した振動子の取り付け状態を説明するための図。
【図14】圧電体に所定の周波電圧を与えて振動させた場合の振動子とロータの様子を所定 の時間ごとに表した図。
【図15】振動子を構成する圧電体へ入力される周波電圧を説明するための図。
【図16】圧電体制御回路の構成を概略的に示す回路図。
【図17】図16の圧電体制御回路における各構成部材から出力される各信号形態を示すタイムチャート
【図18】基本振動の振動振幅を電圧制御回路によって変えたときの接触部位の変位の状態 を示すグラフ。
【図19】クリック感を発生させるための操作リングの対応回転角と操作リングの操作力量及 びそれに対応した振動子の振動振幅及び入力電圧との関係をグラフにしたもの
【図20】図19に示したものとは異なるクリック感が得られるように異なる入力電圧信号を 圧電体に与えた図。
【図21】本願発明に係るデジタルカメラのメインの処理フローを示すフローチャート(1)
【図22】本願発明に係るデジタルカメラのメインの処理フローを示すフローチャート(2)
【図23】S106のレンズ操作処理サブルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図24】回転感触変更処理(S203)サブルーチンの詳細を示すフローチャート。
【図25】サブルーチンS304で、操作リングにクリック感を付与する際の、操作リングの回転角度と回転抵抗力との関係の一例を示す図。
【図26】シャッター速度モード又は絞りモードの場合に、S305の処理によって振動子の制御が開始されたときの、操作リングの回転角度と回転抵抗力との関係の一例を示す図。
【図27】サブルーチンS304において、操作リングのクリック感を制御するレンズ用マイクロコンピュータ106の処理フローの一例を示すフローチャート。
【図28】第二の実施形態に係る、モード切替操作部が押下されてMFモードが選択された際の表示の例を示す図。
【図29】MFモード時に、操作リングを回転させて表示を切り替えた状態を示す図。
【図30】操作リングを回転させて表示を切り替えた状態の変形例。
【図31】図30の表示動作のシーケンスを説明するための図。
【図32】本願発明の第三の実施形態に係る、操作リングが光軸方向の前後にスライド可能に構成したレンズ鏡筒の概略断面図。
【図33】図32のAA断面図。
【図34】負荷制御機構に係る、伝達機構であるギヤ172a、ギヤ177及び固定板171bの周辺を説明するための図。
【図35】図34に記載されたBB断面の概略図で、負荷制御機構170を構成するギヤ172aとギヤ177との関係を説明するための図。
【図36】操作リングのスライド移動の際のギヤ177の切替動作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る操作装置を説明するための図で、デジタルカメラに適用した構成を説明するためのブロック図である。
【0019】
図1に示したデジタルカメラは、交換式レンズ100とカメラ本体200を含み、それらがI/F300を介して通信可能に接続されている。
交換式レンズ100は、フォーカスレンズ101、ズームレンズ102、絞り103、ドライバ104、105、114、レンズ用マイクロコンピュータ106、Flashメモリ107、モード切替操作部108、位置センサ109、振動子110、圧電体制御回路112、ロータ172、表示部115、及び操作リング111を含む。
なお、詳細は後述するが、上記位置センサ109は、位置センサの総称であって、具体的には、固定枠122に対する操作リング111の回転位置を検出する回転位置検出センサ109Aと、固定枠122に対して操作リング111がスライド開始したことを検出するスライド開始検出センサ109Bと、を含む。
【0020】
カメラ本体200は、メカシャッター201、撮像素子202、アナログ処理部203、アナログ/デジタル変換部(以下「A/D変換部」という)204、AE処理部205、画像処理部206、AF処理部207、画像圧縮展開部208、LCDドライバ209、LCD210、メモリインターフェース(以下「メモリI/F」という)211、記録媒体212、SDRAM213、本体用マイクロコンピュータ214、Flashメモリ215、操作部216、バス217、及び電源回路218を含む。
【0021】
まず、交換式レンズ100の構成について説明する。
フォーカスレンズ101は、被写体の光学像を撮像素子202に集光させ、ズームレンズ102は、被写体の光学像を変倍する。上記フォーカスレンズ101は光学像を変倍するときに動作されても、勿論良い。
【0022】
レンズ用マイクロコンピュータ106は、ドライバ104、105、114、I/F300、Flashメモリ107、モード切替操作部108、位置センサ109、圧電体制御回路112、及び表示部115と接続されている。レンズ用マイクロコンピュータ106は、Flashメモリ107に記憶されている情報の読み込み・書き込みを行うとともに、ドライバ104、105、114、圧電体制御回路112を制御する。レンズ用マイクロコンピュータ106は、また、I/F300を介して、本体用マイクロコンピュータ214と通信することができ、様々な情報を本体用マイクロコンピュータ214へ送信し、また、本体用マイクロコンピュータ214から様々な情報を受信する。例えば、レンズ用マイクロコンピュータ106は、モード切替操作部108の出力信号に応じた情報や位置センサ109(回転位置検出センサ109A、スライド開始検出センサ109B)の出力信号(検出信号)に応じた情報を本体用マイクロコンピュータ214へ送信する。
【0023】
また、例えば、レンズ用マイクロコンピュータ106は、圧電体制御回路112の制御情報を本体用マイクロコンピュータ214から受信する。レンズ用マイクロコンピュータ106は、さらに、本体用マイクロコンピュータ214から受信した制御情報に基づいて、圧電体制御回路112及び表示部115を制御する。或いは、モード切替操作部108の出力信号及び位置センサ109(回転位置検出センサ109A、スライド開始検出センサ109B)の出力信号に基づいて、圧電体制御回路112及び表示部115を制御することもできる。
【0024】
ドライバ104は、レンズ用マイクロコンピュータ106の指示を受けて、フォーカスレンズ101を駆動させてフォーカス位置の変更を行う。ドライバ105は、レンズ用マイクロコンピュータ106の指示を受けて、ズームレンズ102を駆動させて焦点距離の変更を行う。ドライバ114は、レンズ用マイクロコンピュータ106の指示を受けて、絞り103を駆動する。絞り103は、被写体の光量や被写体の像のボケ量を調節する。
【0025】
圧電体制御回路112は、レンズ用マイクロコンピュータ106の制御の下、振動子110(詳しくは振動子110に含まれる圧電体171a)を駆動する。同じく、表示部115は、操作リング111の回転位置を検出している位置センサ109Aの位置情報、及び位置情報からレンズ用マイクロコンピュータ106で算出した速度情報をもとに、レンズ用マイクロコンピュータ106により制御される。
【0026】
モード切替操作部108は、例えば、操作部材である操作リング111の役割の変更を指示するためのボタンである。モード切替操作部108が押される毎に、レンズ用マイクロコンピュータ106(又は本体用マイクロコンピュータ214であってもよい)は、操作リング111の役割をモード切替と設定値変更の2つの状態の間で切替える。操作リング111の役割がモード切替の場合には、レンズ用マイクロコンピュータ106(又は本体用マイクロコンピュータ214であってもよい)は、操作リング111を回転することにより、フォーカスモード、ズームモード、撮影モード、ISO感度モード、シャッター速度モード、絞りモード、ホワイトバランスモード、ATR(アート)モード(撮影した画像を白黒画像や、絵画調画像にしたりする複数の画像処理が選択できるモード),等の何れかへ順次切り替り、所望のモードでモード切替操作部108を押すと、モードが確定するとともに、操作リング111の役割は、その確定モードでの設定値を変更するための操作リングに役割が変更される。例えば、フォーカスモードの一つであるマニュアルフォーカスモード(以下MFモードと呼ぶ)にモードを確定すると、操作リング111は、焦点位置を調整するための距離操作環の役割を担うことになる。
【0027】
なお、操作リング111は、詳しくは後述するように、例えば、交換式レンズ100の外周部に光軸回りに回転自在に嵌合しており、ユーザによる手動操作により回転可能に構成されている。また、操作リング111は、カメラ本体200側に設けた回転ダイヤル部材でも良い。この場合は、操作部材の操作情報は必要に応じて、I/F300を通じて交換レンズ100側のレンズ用マイクロコンピュータ106に入出力される。なお、固定部材に対して回転するリング形状ではなく、固定部材に対してスライドするレバー部材を用いた構成でも良い。
【0028】
振動子110は、回転部材であるロータ172に対して押圧された状態で摩擦結合していて、圧電体制御回路112からの制御信号を受けて振動する。圧電体制御回路112は、レンズ用マイクロコンピュータ106によって制御され、振動子110の振動状態を制御してロータ172との摩擦結合力、すなわち、回転抵抗力を制御する。これにより、ロータ172に回転力を伝達する機構で連結した操作リング111の回転抵抗力を制御する。なお、詳しくは図5から図9で後述するが、振動子110の構成は、例えば、積層された圧電体と、圧電体と一体に構成された振動体を含む。
【0029】
位置センサ109である回転位置検出センサ109Aは、操作リング111の回転量と回転方向を検出し、その検出信号をレンズ用マイクロコンピュータ106へ出力する。なお、回転位置検出センサ109Aは、詳しくは後述するように、例えば、操作リング111の内周側に設けられた磁気スケールに対向して設けられたGMR素子(巨大磁気抵抗素子)である。勿論、位置検出機構は磁気式である必要は無く、光学的なものであっても良い。
【0030】
次に、カメラ本体の構成について説明する。
メカシャッター201は、本体用マイクロコンピュータ214の指示を受けて駆動し、撮像素子202に被写体を露光する時間を制御する。
撮像素子202は、フォーカスレンズ101及びズームレンズ102により集光された光を、画素を構成するフォトダイオードで受光して光電変換し電荷量として出力する。上記撮像素子202は、各画素を構成するフォトダイオードの前面に、ベイヤー配列のカラーフィルタが配置された撮像素子で、水平方向にR画素とG(Gr)画素が交互に配置されたラインと、G(Gb)画素とB画素が交互に配置されたラインとを有し、さらにその2つのラインを垂直方向にも交互に配置することで構成されている。なお、撮像素子202は、CMOS方式のものでもCCD方式のものでも良い。また、ベイヤー配列に限らずFoveon(Foveon Inc.の登録商標)のような積層型の撮像素子や、アナログ処理部203やA/D変換部204までを含むような撮像素子等でもよい。
【0031】
アナログ処理部203は、撮像素子202から読み出された電気信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに目的の明るさとなるように、ゲインアップを行う。A/D変換部204は、アナログ処理部203から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号(以後、画像データという)に変換する。
【0032】
バス217は、デジタルカメラ内部で発生した各種データをデジタルカメラ内の各部に転送するための転送路である。上記バス217は、AE処理部205、画像処理部206、AF処理部207、画像圧縮展開部208、LCDドライバ209、メモリI/F211、SDRAM213、本体用マイクロコンピュータ214に接続されている。
A/D変換部204から出力される画像データは、バス217を介して一旦SDRAM213に記憶される。SDRAM213は、A/D変換部204において得られた画像データや、画像処理部206、画像圧縮展開部208において処理された画像データ等の各種データが一時的に記憶される記憶部である。
【0033】
画像処理部206は、SDRAM213から読み出した画像データに対して様々な画像処理を施す。画像処理部206によって各処理が行われた後の画像データは、SDRAM213に記憶される。
AE処理部205は、画像データから被写体輝度を算出する。被写体輝度を算出するためのデータは、専用の測光センサの出力であってもよい。AF処理部207は、画像データから高周波成分の信号を取り出し、AF(Auto Focus)積算処理により、合焦評価値を取得する。
【0034】
画像圧縮展開部208は、所定の圧縮方式による画像データの圧縮、及び、所定の圧縮方式により圧縮された画像データの展開(伸長)を行う。例えば、取り扱う画像データが静止画である場合にはJPEG方式等による圧縮及び展開を行い、取り扱う画像データが動画である場合にはMotion−JPEG方式やH.264方式等による圧縮及び展開を行う。静止画に係る画像データの記録する場合、画像圧縮展開部208は、SDRAM213から画像データを読み出し、読み出した画像データを例えばJPEG圧縮方式に従って圧縮して、圧縮したJPEG画像データを、SDRAM213に一旦記憶する。
【0035】
SDRAM213に記憶されたJPEG画像データは、カメラ本体200の各種シーケンスを統括的に制御する本体用マイクロコンピュータ214によって、JPEGファイルを構成するために必要なJPEGヘッダが付加されてJPEGファイルとして作成される。本体用マイクロコンピュータ214は、上記作成したJPEGファイルを、メモリI/F211を介して記録媒体212に記録する。なお、記録媒体212は、例えばカメラ本体200に着脱可能なメモリカードからなる記録媒体であるが、これに限定されるものではない。
【0036】
LCDドライバ209は、LCD210に画像を表示させる。画像の表示には、撮影直後の画像データを短時間だけ表示するレックビュー表示、記録媒体212に記録されたJPEGファイルの再生表示、および、ライブビュー表示等の動画の表示が含まれる。記録媒体212に記録されたJPEGファイルを再生する場合、画像圧縮展開部208は、記録媒体212に記録されているJPEGファイルを読み出して伸張処理(展開処理)を施した上で、伸張した画像データを一旦SDRAM213に記憶させる。LCDドライバ209は、伸張された画像データをSDRAM213から読み出し、読み出した画像データを映像信号へ変換した後でLCD210へ出力して、画像の表示を行う。
【0037】
本体用マイクロコンピュータ214には、更に、操作部216およびFlashメモリ215が接続されている。
操作部216は、電源ボタン、レリーズボタン、再生ボタン、メニューボタン、動画ボタン、各種入力キー等の操作部材である。ユーザによって、操作部216の何れかの操作部材が操作されることにより、本体用マイクロコンピュータ214は、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。
【0038】
電源ボタンは、当該デジタルカメラの電源のオン/オフ指示を行うための操作部材である。電源ボタンが押されたときに、本体用マイクロコンピュータ214は、当該デジタルカメラの電源をオン又はオフする。
レリーズボタンは、ファーストレリーズスイッチとセカンドレリーズスイッチの2段スイッチを有して構成されている。レリーズボタンが半押しされて、ファーストレリーズスイッチがオンされた場合に、本体用マイクロコンピュータ214は、AE処理やAF処理等の撮影準備シーケンスを行う。また、レリーズボタンが全押しされて、セカンドレリーズスイッチがオンされた場合に、本体用マイクロコンピュータ214は、撮影シーケンスを実行して撮影を行う。
【0039】
再生ボタンは、記録媒体212に記録されているファイルの再生指示を行うための操作部材である。再生ボタンが押されたときに、本体用マイクロコンピュータ214は、再生シーケンスを実行して再生を行う。
メニューボタンは、カメラ設定を変更可能にするメニューの表示指示を行うための操作部材である。メニューボタンが押されたときに、本体用マイクロコンピュータ214は、カメラ設定シーケンスを実行してメニュー表示等を行う。動画ボタンは、動画撮影指示を行うための操作部材である。動画ボタンが押されたときに、本体用マイクロコンピュータ214は、動画撮影シーケンスを実行して動画撮影を行う。
【0040】
Flashメモリ215は、ホワイトバランスモードに応じたホワイトバランスゲインやローパスフィルタ係数等のデジタルカメラの動作に必要な各種パラメータ、および、デジタルスチルカメラを特定するための製造番号などを記憶している。また、Flashメモリ215は、マイクロコンピュータ214にて実行する各種プログラムも記憶している。マイクロコンピュータ214は、Flashメモリ215に記憶されているプログラムに従い、またFlashメモリ215から各種シーケンスに必要なパラメータを読み込み、各処理を実行する。
【0041】
図2は、第一の実施形態のデジタルカメラを構成する交換式レンズ100の概要を示す断面図である。また、図3は、図2の1群枠を駆動する機構を説明するための、主要部品を被写体の側から見た所定断面図である。ここでは交換式レンズ100の被写体側を前方、カメラ本体側を後方とする。
【0042】
交換式レンズ100は、前方から2枚のレンズを保持する1群枠124と、次の2枚のレンズを保持する2群枠125と、残りの4枚のレンズを保持し、絞り機構を保持した3群枠126を有し、その後端にはカメラ本体200(図1)に取り付けるための、いわゆるバヨネット式のマウント121が設けられている。マウント121はビス等で固定枠122に固定されている。また、マウント121には電気信号端子(不図示)が設けられており、カメラ本体200に交換式レンズ100が装着されることでキバン123と電気的に接続され、カメラ本体200と交換式レンズ100との電気通信や、電力供給が行なわれる。
【0043】
1群枠から3群枠の駆動機構は同様な機構に構成されているので、ここでは1群枠124の駆動機構について説明する。
1群枠及び2群枠の外周部側には、リードネジが形成された軸状の1群送りネジ127が光軸に平行で軸回りに回転自在に配置されている。この1群送りネジ127は、一端部が固定枠122の内周側突出部の穴(カメラ本体側)に嵌合し、他端が固定枠122に固定された前固定枠162の穴(被写体側)に嵌合している。また、1群送りネジ127の後端部には1群ネジギア128がカシメや圧入等で固着されている。
【0044】
図3に示すように、固定枠122の別の突出部(不図示)には、板状の1群モータ台129と一体の1群モータ130がビス等で固定されている。この1群モータ130の回転軸の一端には1群モータギア131が圧入等で固定され、1群モータギア131には1群ネジギア128が噛合している。1群モータ130の回転軸の他端には回転軸中心に対して放射状に複数のスリットを設けた1群位置検出ハネ132が圧入等で固定されている。1群枠124の外周側に設けられた突起(不図示)には1群送りネジ127にネジ嵌合する雌ネジが形成されている。1群送りネジ127の設置位置と光軸に対して反対側には固定枠122の内周側の突出部に両端を固定され、光軸に平行に設置された1群ガイド軸133が保持されている。1群ガイド軸133は1群枠124の外周に設けられた突起に形成された光軸に対して放射方向に延びる長穴に嵌合し、1群送りネジ127のネジ嵌合とで固定枠122に位置決めされて保持されている。
【0045】
次に1群枠124の動作について説明する。
1群モータ130を回転させると、1群モータギア131に噛合している1群ネジギア128が回転し、1群ネジギア128と一体の1群送りネジ127が回転する。すると、1群送りネジ127に噛合している1群枠124は1群送りネジ127の回転軸回りに回転する力が作用するが、1群枠124の回転は1群ガイド軸133により止められているので、1群送りネジ127の1回転で、そのネジピッチ分、光軸方向に移動する。この時、1群送りネジ127の部分で発生するガタや、1群ガイド軸133の部分で発生するガタは夫々、不図示のバネ等でガタが無くなるように押圧して、1群モータ130の回転が確実に1群枠124に伝わるようにしている。このような構成で、モータ軸他端に取り付けた1群位置検出ハネ132でモータ軸の回転を検出することにより、1群枠124の位置を正確に検出することが可能となる。
【0046】
絞り103は、絞りハネ134と、絞り台135と絞りフタ136で保持されていて光軸回りに回転自在に配置された絞り板137と、この絞り板137と複数の絞りハネ134との間にカムとピンの機構を設けて構成されている。また、絞り板137の外周側突出部に歯車が設けられており、モータ軸の一端に取り付けられた絞りモータギア138が噛合している。この絞りモータギア138は、絞りモータ台139に配置された絞りモータ140に噛合している。従って、絞りモータ140が回転すると、絞りモータギア138が回転し、この駆動力が絞り板137に伝達されて回転する。絞り板137の回転により、複数の絞りハネ134が同時にカムに沿って動作し、絞りフタ136の開口を絞る、いわゆる虹彩絞りを形成する。絞りハネ134が形成する虹彩絞りの大きさは、被写体の明るさによって変化させることができる。
【0047】
次に、操作リング111について説明する。
操作リング111は固定枠122の外周部に光軸回りに回転自在に嵌合している。操作リング111の内周側には円筒状のスケール141が設けられている。スケール141は等ピッチでN極、S極が交互に円周方向に帯状に並んだ磁気スケールである。また、スケール141と対向して固定枠122の外周部には位置センサ109が設けられている。この位置センサ109は、操作リング111の回転位置を検出するための回転位置検出センサ109Aであり、例えばGMR素子(巨大磁気抵抗素子)であって、スケール141の磁場変化によりその抵抗が変化し、電圧信号の変動としてスケール141との相対位置変化を検出する。この電気信号に応じて、各モータを制御することにより、手動で各枠を制御することも可能である。手動にするか自動(例えばオートフォーカス)にするかは、カメラ本体200の操作部216に含まれる操作部材の操作でもって設定可能としている。若しくは、交換式レンズ100に、ボタンあるいはレバー、ダイヤル等の操作部材を設け、その操作でもって設定可能に構成することも可能である。
【0048】
上に述べたモータ、回転位置検出センサ109Aは、フレキシブル基板145を通して、撮影レンズの主要回路が搭載されたキバン123に電気接続されており、そのキバン123に搭載されたレンズ用マイクロコンピュータ106で各々制御される。
なお、ここで示したモータは回転電磁モータであるが、圧電体を用いた圧電モータでも良いし、光軸方向に直接動作するリニアモータでも良い。モータをステッピングモータとすれば、モータの位置検出器は不要となる。
【0049】
また、枠の位置はモータにつけた位置検出ハネをフォトインターラプタで検出する方法をとったが、GMRとかホール素子のような磁気検出方式でも良いし、静電容量の変化を検出する静電方式等でも良い。さらに、モータの回転を検出するのでは無く、枠の動きを直接検出する方法でも良い。また、位置の原点位置を検出するための位置検出器を更に設置し、原点位置を所定の状態で確認する動作をすると、位置検出をより正確にすることが可能となる。
また、操作リング111の位置検出に関しても、磁気式でなく、光式の検出器でも良いし、静電式の検出器でも良い。
【0050】
次に、手動操作部材である操作リング111を操作して設定項目や設定値の変更等を行なった際、操作リング111の回転に同期してクリック感を発生させる負荷制御機構170の構成について説明する。
図4は、図2に開示されている負荷制御機構170が固定枠122に取り付けられた状態を説明するための図で、図5は負荷制御機構170の詳細な構成を説明するための光軸方向断面図AAである。
図4において、負荷制御機構170を構成する振動子110は固定板171bを介して、固定枠122にビス固定されている。詳細は図5で説明するが、負荷制御機構170を構成する振動子110には操作リング111と噛合するギヤ172aが設けられている。
【0051】
図5において、操作リング111の回転抵抗力を制御する振動子110は、夫々、中心部に穴を持つ積層された圧電体171aと、板状の固定板171bと、を板厚方向に重ね合わせ、それらを振動体A171c及び振動体B171dとで挟み込んだ筒状をしており、間に挟んだ圧電体171a、固定板171b、振動体B171dをボルト171eで振動体A171cにネジ嵌合して圧着固定している。
【0052】
負荷制御機構を構成するロータ172は、ボルト171eの中間ネジ嵌合部から延出された軸部に回転自在に嵌合し、一端面が振動体A171cの外側端面と接触し、他端部がバネ173で押圧されている。他端部にはボール176及び軸受175が配置される凹部が形成されていて、当該凹部に配置された軸受175がバネ173に押圧されている。ボルト171eの先端部にはネジが形成されていて、このネジにナット174が嵌合して、バネ173を圧縮することにより軸受175を押圧する。
ロータ172と振動体A171cの接触部には、接触部の摩擦係数をμ、バネ173の押圧力をFpとすると、摩擦力F=μ×Fpが発生し、摩擦力Fはロータ172とギヤで噛合している操作リング111に伝達され、操作リング111に操作負荷を与えている。また、図示しないが、振動子110は固定板171bを介して、固定枠122にビス固定されている。上記固定板171bは、振動子110の振動を阻害しないように当該振動子110における縦振動の節に配置されている。
【0053】
ここで、圧電体171aに電圧が加わらない状態では、ロータ172と振動体A171cの接触部には大きな摩擦力が発生し、操作リング111と固定枠122の相対位置を保つようになっている。従って、例えば、操作リング111が手動操作されていない場合には振動子110を非駆動状態にして操作リング111を摩擦接触力により固定保持しるようにすることも可能である。
【0054】
また、圧電体171aに周波電圧を発生させると、振動子110は交換式レンズ100の光軸に対して平行な方向に振動し、ロータ172と振動体A171cの接触部の摩擦力を低減させる。圧電体171aへの周波電圧の供給を停止すると、摩擦力がロータ172と振動体A171cの間に発生し、ロータ172とギヤで噛合した操作リング111の操作力量が著しく大きくなり、抵抗力が大きくなる。従って、周波電圧の供給と停止を繰り返すことによって、操作リング111にクリック感を作ることが可能となる。また、抵抗力であるクリック力量に当たる上記の摩擦力は振動子110の振動振幅を圧電体171aに印加する電圧を制御することによって変更することが可能であり、クリック力量も制御することが可能である。また、周波電圧の周波数を所定の値にすると振動子110は共振して非常に大きな振動振幅を発生させることが可能で、摩擦力を非常に小さくすることができる。この時、振動振幅は周波数を共振周波数から少し変えることによって変更可能で、周波数を変えることによっても摩擦力を変えることが出来る。
【0055】
なお、図2において、その他の符号は次のとおりである。
符号144は滑り止めとして操作リング111に設けられたゴムである。符号146は絞り位置検出ハネである。符号147は3群ガイド軸である。符号148は絞り位置検出器である。符号149は3群送りネジである。符号150は3群位置検出ハネである。符号151は3群モータである。符号152は3群モータ台である。符号153は3群ネジギアである。符号154は3群モータギアである。符号155は2群送りネジである。符号156は2群位置検出ハネである。符号157はボールである。符号158はバネである。符号159は2群モータ台である。符号160は2群モータギアである。符号161は2群ネジギアである。符号162は前固定枠である。符号163は2群モータである。
【0056】
図6は、本願発明の振動子110を構成する圧電体171aの具体的な構成を説明するための分解斜視図で、図7は、本願発明の振動子110を組み立てた状態を説明するための図である。
図6に示したように、圧電体171aはチタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミックスで作られた円形板状の圧電体単板を多数枚積み重ねて構成された積層圧電体からなっている。
【0057】
基本構成として、中央部に取付孔410が形成されていて円形板状の圧電体板A401(第1の板状圧電体)と、同様な孔が中央部に形成されていて所定の厚さを有する円形板状の圧電体板B402(第2の板状圧電体)とがペアとなって1組のユニットとして構成されており、これらのユニットが複数積層されている。上記取付孔410は、圧電体171aを振動体A171cと振動体B171dとで挟み、ボルト171aで固定するための孔である。
上記所定の厚さを有する円形板状の圧電体板A401には、片側の面に印刷された円形電極C401c(表面電極)と、当該円形電極C401cから上記圧電体板A401の側面に延出する位置に電気的に連結して印刷された矩形板状の側面電極1B(401b)と、上記円形電極C401c及び上記側面電極1B(401b)とは電気的に絶縁していて上記円形板状の圧電体板A401の側面であって当該側面電極1B(401b)とは異なる側面部に印刷されている矩形板状の側面電極1A(401a)と、が形成されている。
また、上記所定の厚さを有する円形板状の圧電体板B402には、片側の面に印刷された円形電極C402c(表面電極)と、当該円形電極C402cから上記圧電体板B402の側面に延出する位置であって、上記側面電極1Aと対応する側面部に延出する位置に電気的に連結して印刷された矩形板状の側面電極2A(402a)と、上記円形電極C402c及び上記側面電極2A(402a)とは電気的に絶縁していて上記側面電極1B(401b)と対応する上記円形板状の圧電体板B402の側面であって、かつ、当該側面電極1B(401b)とは異なる側面部に印刷されている矩形板状の側面電極2B(402b)と、が形成されている。
【0058】
そして、上記圧電体板A401の上記円形電極C401cが印刷されていない面と、上記圧電体板B402の上記円形電極C402cが印刷されている面と、が対向するように積層される。さらに、図7に示すように、側面電極1A(401a)と側面電極2A(402a)とが直線状に位置するように積層され、側面電極1B(401b)と側面電極2B(402b)と、が1列に直線状に位置するように積層される。
従って、圧電体板が積層された際、側面に形成された電極1A、2A及び電極1B、2Bにより、積層された圧電体板が1枚おきに円形電極(401c、402c)と接続される。
【0059】
また、図6に示したように、圧電体171aの最も外側の面には電極板403が配設されている。この電極板403の表面には、取付孔410に対して対称となるように半円形状の電極が2つの形成されている。符号403aは電極板403の電極Aで、側面部に側面電極1A(401a)と接触する側面電極が配置されている。また、符号403bは電極板403の電極Bで、側面部に側面電極1B(401b)と接触する側面電極が配置されている。
また、セラミックスからなるが圧電作用のない電極板403の電極A及び電極Bには、取付孔410が設けられたフレキシブル回路基板404が接続されている。電極Aには当該電極Aと同形状をしたフレキシブル回路基板404の回路パターンA404aが接続され、電極Bには当該電極Bと同形状をしたフレキシブル回路基板404の回路パターンB404b接続されている。
【0060】
なお、図6では圧電体単板を複数枚積み重ねているが、圧電体単板を折り畳んだ形態で製作しても同様な構成が可能である。
また、図7は、取付孔410を有し、円形電極C401cと円形電極C402cとが交互に印刷された複数の圧電体単板を積層して焼結形成し、側面の表面に2つの電極を焼付け印刷して分極した後、上記フレキシブル回路基板404を外部電極に導電接合した圧電体171aを示している。なお、穴の無い円板状の圧電体単板を積層し焼結形成した後に中央に穴を切削で開けても良い。
【0061】
このように形成された積層圧電体は電極A(1A、2A)、電極B(1B、2B)間に高電圧を印加することで各電極板A、Bが板厚方向で同じ方向に分極される。従って、圧電体への電圧印加の概念を示す図8に示すように分極された圧電体171aの電極A,電極Bの一方を圧電体制御回路112のグランド191につなぎ、他方に圧電体制御回路112の信号出力端子につなげて周波電圧を印加すると板厚方向に圧電体171aは伸び縮みする。
【0062】
次に図6から図8で説明した圧電体の変形例を図9、図10で説明する。
図9、図10は、それぞれ図6、図7に対応する図であり、大きく異なるところは、圧電体板の形状が円形から長方形状になったことである。そして、これに伴い、円形電極も取付孔を有した長方形状になっている。また、フレキシブル回路基板404及び最も外側に位置する電極板Cの電極の形状も半円形状から長方形になっている。
なお、上述したように、図6で説明した円形の電極を長方形としたが、図9では、図6で説明した構成と同じ機能を有する構成には同じ符号を付している。
また、図6、図7では、圧電体板A,Bの形状が長方形状になっているが、端部が角形になっていれば良く、正方形状でも、多角形状でも良い。積層圧電体の形状を円形から角形にすると、特に、長方形状や正方形状にすると、1枚の圧電セラミックスから複数の圧電体を切り出すことができるので、切り出し効率が高くなりコストの面で有利である。
【0063】
次に上述の変形例で説明した圧電体を本願発明に適用した負荷制御機構の例について、図11、図12、図13を用いて説明する。
図11は、本願発明の負荷制御機構に適用した振動子110の変形例を説明するための断面図で、図12はその外観図、図13はその取り付け状態を説明するための図である。
以下、図5で説明した負荷制御機構に用いられた振動子とは異なる部分のみ説明する。
図12の外観図から明らかなように振動体A171cの形状が大きく異なる。即ち、振動体A171cのロータ172と接する側は円筒となっており、圧電体171aと接する側は円筒に内接する角柱になっている。そし、中心部はボルト171eを通す穴が開いている。更に、圧電体171aと振動体B171dも形状が、振動体A171cの角柱に対応した各形状になっている。
この様に振動子110の後端側を角柱にすることで、小型に形成することができ、圧電体171aから延びるフレキ404の配置スペースを確保することができる。また、外形が角形の積層圧電体では、1枚の大きい圧電体の板に複数の電極を印刷し、この複数の電極が印刷された板を複数枚積層したものを焼成し、これを切断することにより製造することが可能である。そのため、多量生産が簡単にできるという効果がある。さらに、同形状の角形圧電体を積層しているので、ボルト171eを回転させて締め込む場合に、振動体A171cと振動体B171dとを回転しないように保持するのが容易となる。
【0064】
次に、図4、図5に示した振動体A171cとロータ172との接触部間に作用する摩擦の制御、特に、摩擦低減のメカニズムについて、圧電体に所定の周波電圧を与えて振動させた場合の振動子とロータの様子を所定の時間ごとに表した14図(a),(b),(c),(d),(e),(f),(g) と、振動子110を構成する圧電体171aへ入力される周波電圧を説明する図15を用いて説明する。
図14(a) に示すように、圧電体の初期状態では、ギヤ172aが形成されたロータ172がバネ173によって振動体A171cの方向に押圧され、ロータ172と振動体A171cとは摩擦接触している。振動体A171cへの押圧力は、ボルト171eに噛合するナット174の位置を調整することにより調整される。
なお、上記押圧力の調整は、圧縮コイルバネの例を示したが、皿バネ等でも良いし、磁石による磁力等、振動体A171cとロータ172の間に圧力が発生できるものであればどのような機構でも良い。
また、振動体A171cは剛性の高い金属とかセラミックスが好ましく、接触するロータ172も剛性が高く、耐摩耗性の金属やセラミックスにするのが好ましい。なお、可聴音の発生を抑制するには、ロータ172はPPS等の樹脂に炭素繊維やガラス繊維やセラミック粉を混練した材料で形成するのが良い。
【0065】
図15は、以下に説明する図14(a),(b),(c),(d),(e),(f),(g)におけるロータ172と振動子110とを構成する振動体A171cの様子を、所定の時間ごとの周波電圧(圧電体171aを変化させる際の入力電圧)との関係で表示したものある。具体的には、前述した図8の構成の圧電体171aに周波電圧を与えて振動させた場合状態変化で、図14(a) の時間T0から図14(g) の時間T6までに対応する圧電体117aに印加される電圧信号を示す。
【0066】
圧電体171aに電圧が印加されない初期状態の図14(a) ではロータ172は振動体A171cにバネ173の押圧力で押圧されて接触している。
ここに、圧電体171aを振動させて、振動子110の端部を構成する振動体A171cの端面には超音波振動による数万m/s2レベルの加速度が発生する。
圧電体171aに正弦波の20kHz以上の電圧が加えられると、ロータ172と振動体A171cの接触面に1μm程度の超音波振動が発生し、ロータ172が振動体A171cから浮き上がり、ロータ172は殆ど振動体A171cには接触しない状態となる。
【0067】
次に圧電体171aが延びるように圧電体171aに電圧が印加されると圧電体が変位する加速度と振動子110の質量の積の力があらたに加わった状態で振動体A171cはロータ172に押圧され、変位加速度は次第に減少して0となり、最大電圧が印加されて圧電体171aが最大に伸張した状態になる(図14(b) 参照)。なお、初期の発生加速度が非常に大きな場合は、条件によってはこの状態で振動体A171cがロータ172に接触しない場合も発生する。
【0068】
最大に変形した後に圧電体171aは縮みはじめ、初期状態に戻る。この時、圧電体が発生した加速度による変位をバネ173は充分引き戻すことは出来ない(圧電体は時定数が小さいがバネ173は時定数が相対的に非常に大きいため応答遅れが生ずる)ので振動体A171cはロータ172に接触しない状態が実現する(図14(c) 参照)。
圧電体171aには続いて圧電体171aを縮める方向の最大電圧印加状態でも振動体A171cはロータ172には接触しない状態が継続する(図14(d) 参照)。
次に圧電体171aに印加される電圧は小さくなって0になり、圧電体171aは初期状態の変位0の状態に戻るが、振動体A171cはロータ172に接触しない(図14(e) 参照)。
【0069】
さらに圧電体171aに伸張する方向に電圧が加わり、圧電体171aが延びると所定のところで振動体A171cはロータ172に接触し、固定枠122には、振動体A171cから離れる方向に加速度が加えられる(図14(f) 参照)。
再び圧電体171aに縮む方向に電圧が加わり、圧電体171aが初期状態に戻ると、振動体A171cとロータ172は再び接触しない状態になる(図14(g) 参照)。
以上に示したように図14(c) から図14(g) までを1周期として繰り返しの動作となる。図14(a) から図14(c) までは静止状態から定常振動発生までの過渡特性の状態となるので定常状態では図14(c) から図14(g) が繰り返される。
【0070】
図14(c) から図14(g) までの1周期で振動体A171cがロータ172に接触するのは図14(f) の付近の一瞬のみとなり、1周期の大部分の時間は非接触状態であり、その間は、摩擦力Fは0となる。
従って、1周期の平均の摩擦力Fは非常に小さくなる。実際にはロータ172と振動体A171cの非接触時に操作リング111を動作すれば、摩擦力Fは0で動作し、圧電体171aの振動周期の間隔で、瞬間的に摩擦力でブレーキがかかる状態になるが、振動周期が非常に小さいために摩擦力が定常的に小さくなったように滑らかに動作する。
【0071】
この動作からもわかるように、圧電体171aの振動振幅を変えることで、振動体A171cのロータ172との接触時間が変化する。振動振幅を非常に小さくする(振幅を0に近い値とする)と振動体A171cとロータ172は常時接触した状態と殆ど変わりなくなり、摩擦力F≒μFpとなる。ここで、μは振動体A171cとロータ172の接触面の摩擦係数であり、Fpはバネ173の押圧力である。
【0072】
図16は、圧電体171aの圧電体制御回路112の構成を概略的に示す回路図である。図17は、図16の圧電体制御回路112における各構成部材から出力される各信号形態を示すタイムチャートである。
ここに例示した圧電体制御回路112は、図16に示す如くの回路構成を有し、その各部において、図17のタイムチャートで表わす波形の信号(Sig1〜Sig4)が生成され、それらの信号に基づいて次のように制御される。
【0073】
圧電体制御回路112は、図16に例示の如く、N進カウンタ192、1/2分周回路193、インバータ194、複数のMOSトランジスタQ00,Q01,Q02、トランス195及び抵抗R00から構成されている。
上記トランス195の1次側に接続されたMOSトランジスタQ01及びMOSトランジスタQ02のON/OFF切替え動作によって、そのトランス195の2次側に所定周期の信号(Sig4)が発生するように構成されており、この所定周期の信号に基づき圧電体171aを駆動させ、図12に示すような振動を発生させるようになっている。
【0074】
レンズ用マイクロコンピュータ106は、制御ポートとして設けられた2つのIOポートP_PwCont及びIOポートD_NCntと、このレンズ用マイクロコンピュータ106内部に存在するクロックジェネレータ198を介して圧電体制御回路112を次のように制御する。クロックジェネレータ198は、圧電体171aへ印加する信号周波数より充分に早い周波数でパルス信号(基本クロック信号)をN進カウンタ192へ出力する。この出力信号が、図17中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig1である。そしてこの基本クロック信号はN進カウンタ192へ入力される。
【0075】
N進カウンタ192は、当該パルス信号をカウントし所定の値“N”に達する毎にカウント終了パルス信号を出力する。即ち、基本クロック信号を1/Nに分周することになる。この出力信号が、図15中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig2である。 この分周されたパルス信号はHighとLowのデューティ比が1:1ではない。そこで、1/2分周回路193を通してデューティ比を1:1へ変換する。尚、この変換されたパルス信号は、図17中のタイムチャートが表わす波形の信号Sig3に対応する。
【0076】
この変換されたパルス信号のHigh状態において、この信号が入力されたMOSトランジスタQ01がONする。一方、MOSトランジスタQ02へはインバータ194を経由してこのパルス信号が印加される。従って、パルス信号のLow状態において、この信号が入力されたMOSトランジスタQ02がONする。トランス195の1次側に接続されたMOSトランジスタQ01とMOSトランジスタQ02が交互にONすると、2次側には図15中の信号Sig4の如き周期の信号が発生する。
【0077】
トランス195の巻き線比は、電圧制御回路196の出力電圧と圧電体171aの駆動に必要な電圧とから決定される。尚、抵抗R00はトランス195に過大な電流が流れることを制限するために設けられている。また、電源回路218は、例えばカメラ本体200内に設けられており、その出力電圧は、I/F300(図1参照)を通してカメラ本体200(図1参照)から交換レンズ100(図1参照)に設けられた電圧制御回路196に供給される。
【0078】
レンズ用マイクロコンピュータ106のVcntからは、電圧制御回路196の出力電圧が設定され、圧電体171aへの印加電圧が決まる。
電圧制御回路196の出力電圧により、圧電体171aの振動振幅が決まる。
図18は、基本振動の振動振幅を電圧制御回路によって変えたときの接触部位の変位の状態を示すグラフである。図18から明らかなように、振動体A171cとロータ172とのZ方向(光軸方向)の接触位置は、基準振幅に対し、振幅拡大したとき、変化する。この振動振幅の拡大により、振動体A171cがロータ172に接触する時間が小さくなり、振動体A171cとロータ172の摩擦力が変わる。但し、振動振幅を拡大していっても、摩擦力は0になることはなく、0に近い一定の摩擦力F0に収束する。
【0079】
一方、振動子110が振動をしていないとき、即ち、振動振幅が0の場合は、振動体A171cとロータ172の間の摩擦係数をμとすると、押圧力をFpとして、発生する摩擦力F=μ×Fpであり、振動振幅を電圧制御回路196で制御すると摩擦力はFからF0まで変化させることが出来る。
クリック感を出すためには、振動体A171cとロータ172の間の摩擦力を操作リング111の回転位置に対応させて変化させれば良く、振動振幅を操作リング111の位置に対応して変化すれば実現できる。
【0080】
図19はクリック感を発生させるための操作リングの対応回転角と操作リングの操 作力量及びそれに対応した振動子の振動振幅及び入力電圧との関係をグラフにした ものである。なお、図19は一例であり、このグラフの形を変化することは可能で ある。例えば、図19は、操作リング111の1回転で10箇所のクリックを発生 させるように設定されているが、クリック数は自由に変更が可能である。
【0081】
また、図19はクリックを全周に等間隔に振付けているが、所定の角度(例えば180°)内につけ、残りの180°の間では摩擦力Fに設定も可能である。さらに、クリックを等間隔ではなく不等間隔にわりつけることも可能である。クリック感の必要のないフォーカシングに操作リング111を設定した場合は、振動振幅を操作リング111の位置によらず、一定にすれば、振動体A171cとロータ172の間の摩擦力は一定となり、操作リング111の操作力量は一定になる。また、操作リング111の操作力量は、振動子110の振動振幅を異なる値に設定すれば、異なる操作力量に操作リング111を設定できる。
【0082】
また、図20に示すように、図19に示したものとは異なる入力電圧信号を圧電体171aに与えることによって、図19に示したものとは異なるクリック感が得られるようにすることも可能である。具体的には、0からAに急激に振動振幅を拡大した後、所定時間維持し、その後、図19のように急激に0にするのではなく、所定時間かけて0にすることにより、操作環摩擦力F0を所定時間かけて最大値Fにすることも可能である。
【0083】
なお、図16において、圧電体171aを駆動するに際しては、MOSトランジスタQ00がON状態にあり、且つ、電圧制御回路196からトランス195のセンタータップに電圧が印加されていなければならない。そして、この場合において、MOSトランジスタQ00のON/OFF制御は、レンズ用マイクロコンピュータ106のIOポートP_PwContを介して行われるようになっている。N進カウンタ192の設定値“N”は、レンズ用マイクロコンピュータ106のIOポートD_NCntから設定でき、よって、レンズ用マイクロコンピュータ106は、設定値“N”を適宜に制御することで、圧電体171aの駆動周波数を任意に変更可能である。
【0084】
また、駆動周波数を振動子110の共振周波数として振動子110の振動振幅を拡大し、低い電圧で動作するようにしても良い。共振周波数とする場合は圧電体171aの振動状態を検出し、共振周波数を追尾する制御が必要となる。振動状態の検出は、例えば、共振周波数では圧電体のインピーダンスが小さくなり、圧電体171aに入力される電流が大きくなり、電流と電圧の位相が変化するため、圧電体171aに入力される電流と電圧を検知することで検出可能である。あるいは、圧電体171aの積層される単板の一部を振動検出の圧電体とし、振動検出の圧電体から出力電圧の電圧、または、位相を検出することにより、振動子110の共振を検出することが出来る。
【0085】
なお、次の(1)式により、圧電体制御回路112によって出力される周波数を算出可能である。即ち、
fdrv=fpls/2N …(1)
但し、NはN進カウンタ192への設定値、fplsはクロックジェネレータ198の出力パルスの周波数、fdrvは圧電体171aに印加される信号の周波数である。尚、この(1)式に基づいた演算は、例えばレンズ用マイクロコンピュータ106で行われる。
【0086】
また、fdrvは本実施形態では20kHz以上の周波数とするのが良い。圧電体171aは、fdrvの周波数で振動することになるが、この周波数帯は超音波領域であり、人間には聞こえない。図1に示したデジタルカメラは動画の撮影にも使われるが、その時は音声を同時に記録する場合があり、駆動音が小さいことが求められる。超音波帯の音は人間の可聴域を超えるため、通常のマイクが検出することがない。
【0087】
図21及び図22は、本願発明に係る操作装置が適用されたデジタルカメラで行われるメインの処理フローを示すフローチャートである。なお、この処理フローは、ユーザにより電源ボタンが押されて、デジタルカメラの電源がオンになると、開始する。
【0088】
図21に示したように、この処理フローが開始すると、まず、本体用マイクロコンピュータ214は、デジタルカメラの各部を初期化する処理を行う(S100)。この初期化の処理では、例えば、動画記録中であるか否かを示すフラグ(以下、「動画記録中フラグ」という)をリセットする(オフにセットする)処理、操作リング111の操作モードの設定をフォーカスモードへ切り替え、操作リング111の操作性としてフォーカスモードに応じた操作性が得られるように振動子110の制御を変更する処理等が行われる。
【0089】
続いて、再生ボタンが押されたか否かを判定する(S101)。ここで、その判定結果がYesの場合には、再生処理(再生シーケンス)を行う(S102)。この再生処理では、記録媒体212に記録されているファイルをLCD210に一覧表示し、その中でユーザにより選択決定されたファイルを再生する等の処理を行う。そして、S102の終了後は処理がS101へ戻る。
【0090】
一方、S101の判定結果がNoの場合には、メニューボタンが押されたか否かを判定する(S103)。ここで、その判定結果がYesの場合には、カメラ設定処理(カメラ設定シーケンス)を行う(S104)。このカメラ設定処理では、カメラ設定を変更可能にするメニューをLCD210に表示し、その中でユーザにより選択決定されたカメラ設定に応じて、カメラ設定を変更する等の処理を行う。この処理において、ユーザは、例えば、静止画の記録モードの設定を、JPEG記録、JPEG+RAW記録、RAW記録等の何れかへ変更することができる。また、動画ファイルの記録形式の設定を、AVI:Motion−JPEG、AVCHD:H.264、MP4:H.264等の何れかへ変更することができる。また、輝度変更モードの設定を、シェーディング付加、人物周辺シェーディング付加、設定しない等に変更することができる。S105の終了後は処理がS102へ戻る。
【0091】
一方、S103の判定結果がNoの場合には、モード切替操作が行なわれたか否かを判定する(S105)。モード切替操作部108が押された場合、すなわち、その判定結果がYesの場合には、レンズ操作処理(レンズ操作シーケンス)を行う(S106)。このレンズ操作処理の詳細については、図23を用いて後述するが、切替えられたモードに応じて操作リング111の回転操作に応じた設定を行ない、または設定済みのモードで回転操作された処理を行なう。ここで、S106の後は、処理がS101へ戻る。
【0092】
S105でモード切替操作が行なわれなかった場合には、操作リング111が回転操作されたか否かを判定する(S107)。操作リング111の回転操作があった場合にはS106へ行き、レンズ操作処理(レンズ操作シーケンス)を行う。また、操作リング111の回転操作がなかった場合、すなわち、S106の判定結果がNoの場合には、動画ボタンが押されたか否かを判定する(S108)。
【0093】
S108の判定結果がYesの場合には、動画記録中フラグを反転する(S109)。なお、動画記録中フラグを反転するとは、動画記録中フラグがオフであった場合にはオンに反転し、動画記録中フラグがオンであった場合にはオフに反転することをいう。
S109の後、動画記録中であるか否かを判定する。すなわち、動画記録中フラグがオンであるか否かを判定する(S110)。ここで、その判定結果がYesの場合には、動画記録を開始するため、記録用に新しい動画ファイルを生成する(S111)。
【0094】
一方、S108がNoの場合、S110がNoの場合、又は、S111の後は、図22に示したように、動画記録中であるか否かを判定する。すなわち、動画記録中フラグがオンであるか否かを判定する(S112)。
S112の判定結果がNoの場合には、レリーズボタンが押されていない状態からレリーズボタンが押されてファーストレリーズスイッチがオンした状態へ遷移したか否かを判定する(S113)。ここで、その判定結果がYesの場合には、撮影準備シーケンスとして、AE処理(S114)及びAF処理(S115)を行う。
【0095】
一方、S113の判定結果がNoの場合には、レリーズボタンが押されてセカンドレリーズスイッチがオンしたか否か判定する(S116)。ここで、その判定結果がYesの場合には、S117乃至S120の撮影シーケンスを行う。この撮影シーケンスは、メカシャッター201による撮影処理を行い(S117)、得られた画像データに対し静止画撮影用の画像処理を施す(S118)。そして、その画像データを、極短時間だけLCD210に表示するレックビュー表示を行い(S119)、その後、JPEGファイルとして記録媒体212に記録する(S120)。
【0096】
一方、S112がYesの場合、又は、S116がNoの場合には、動画撮影なので、動画撮影のためのAE処理を行って(S121)、電子シャッターによる撮影処理を行い(S122)、得られた画像データに対し動画撮影用の画像処理を施して(S123)、その画像データをLCD210に表示するライブビュー表示を行う(S124)。そして、再度、動画記録中であるか否かを判定する。すなわち、動画記録中フラグがオンであるか否かを判定する(S125)。ここで、その判定結果がYesの場合には、その画像データを設定されている形式で圧縮してS111で生成されている動画ファイルへ記録する(S126)。
【0097】
S115の後、S120の後、S126の後、又は、S125がNoの場合には、電源ボタンが押されてデジタルカメラの電源がオフになったか否かを判定する(S127)。ここで、その判定結果がNoの場合には、処理が図2のS101へ戻り、Yesの場合には、本処理フローが終了する。
【0098】
図23は、S106のレンズ操作処理サブルーチンの一例である。
図23に示したように、レンズ操作処理サブルーチンでは、まず、モード切替操作部108の押下であったか否かを判定する(S201)。本体用マイクロコンピュータ214は、S105でYesと判定されたとき、すなわち、モード切替操作の押下があった場合には、操作モードの押下の度に設定を所定の順序に従って切り替える(S202)。ここで、所定の順序とは、例えば、フォーカスモード、ズームモード、撮影モード、ISO感度モード、シャッター速度モード、絞りモード、そして絞りモードの後は再びフォーカスモードに戻るといった順序である。この場合、例えば、操作モードの設定がフォーカスモードであったときにモード切替操作部108が押されると、操作モードの設定がフォーカスモードからズームモードに切り替わることになる。
【0099】
S202で切り替えられた操作モード、すなわち、設定された操作モードに応じて、操作リング111を回転させた際の回転感触を変更する処理を行う(S203)。なお、この回転感触変更処理の詳細については、図24を用いて後述するが、振動子の振動内容を変更して操作リングの操作抵抗を変更する処理である。
【0100】
一方、S201の判定結果がNoの場合、すなわち、モード切替操作がなく、今までの設定済みの操作モード状態で操作リング111の操作であった場合には、操作リング111の回転方向及び回転量に応じて、の設定に応じた処理を行う(S204)。 このS204で行なわれる操作モードの設定に応じた処理とは、S203で設定された回転感触を変更する処理であり、例えば以下のように設定される。
【0101】
(1)操作モードの設定がフォーカスモードである場合は、回転抵抗が設定可能範囲において常時最小となるように設定されている。従って、クリック操作感が発生しないように設定されている。そして、操作リング111が右回転(カメラ本体側から見て、以下同じ)されるとフォーカスレンズ101は至近側へ、左回転(カメラ本体側から見て、以下同じ)されるとフォーカスレンズ101は無限遠側へ、当該操作リング111の回転量(又は回転位置)に応じた移動量だけ移動される。
なお、前述したように、回転抵抗は、操作リング111とロータ172とは回転結合し、ロータ172と振動子110とが摩擦接触しているため、振動子110の制御をすることで摩擦力を制御することが出来る。そのため、ユーザは、操作リング111を手動回転させたときに、フォーカス操作に好適な回転感触として、所定の大きさの回転抵抗力発生させることができる。
【0102】
(2)操作モードの設定がズームモードである場合には、フォーカスモードの時と同様に、回転抵抗が設定可能範囲において常時最小となるように設定されている。従って、クリック操作感も発生しないように設定されている。そして、操作リング111が右回転されるとズームレンズ102は焦点距離が短くなる方向へ、また、左回転されるとズームレンズ102は焦点距離が長くなる方向へ、当該操作リング111の回転量(又は回転位置)に応じた移動量だけ移動される。
【0103】
(3)操作モードの設定が撮影モードである場合には、所定のクリック操作感を伴って操作リング111が右回転されると、操作リング111の回転量(又は回転位置)に応じて、撮影モードの設定を所定の順序に従って順次切り替える処理を行う。ここで所定の順序とは、撮影モードが例えば、P(プログラム)、A(絞り優先)、S(シャッター速度優先)、M(マニュアル)、ART(アート)という順序である。一方、所定のクリック操作感を伴って操作リング111が左回転されると、操作リング111の回転量(又は回転位置)に応じて、撮影モードの設定を右回転の場合とは逆の順序に従って順次切り替える処理を行う。操作モードの設定が撮影モードである場合のクリック操作感は、操作リング111の回転角度を72度づつ等角度間隔に仕切り、一回転で5回のクリック感が得られるように、S203の処理によって設定され、そのようなクリック感が得られるように振動子110の制御が行われている。
【0104】
ここで、所定の5つの等角度間隔の回転角度は、操作リング111の基準位置(絶対位置)からの回転角度であり、上記の5つの撮影モード(P、A、S、M、ART)に対応する。そのため、ユーザは、操作リング111を手動回転させたときに、撮影モードの設定操作に好適なクリック感触を得ることができる。
【0105】
なお、上記の5つの撮影モード(P、A、S、M、ART)に設定する場合であってもクリック操作感を発生させないように設定することも可能である。この場合には、モード切替操作部108の押下によって選択される操作モードに「クリック感不要モード」を追加し、S202で「クリック感不要モード」が選択された場合には、S203で操作リング111の回転抵抗力が予め定めた所定の値となるように設定すれば良い。また、モード切替操作部108の押下によって選択される操作モードに「クリック感不要モード」の他に、「A回転抵抗力モード」「B回転抵抗力モード」等を設けて回転抵抗力を選択できるようにしても良い。この場合には、レンズ鏡筒に設けられた液晶表示部や指標等を目安に操作リング111を手動回転させれば良い。
【0106】
(4)操作モードの設定がISO感度モードである場合には、所定のクリック操作感を伴って操作リング111が右回転されると、操作リング111の回転量(又は回転位置)に応じて、ISO感度の設定を所定の順序に従って順次切り替える処理を行う。ここで所定の順序とは、ISO感度が例えば、100、200、400、800、1600、3200、6400、12800という順序である。一方、操作リング111が所定のクリック操作感を伴って左回転されると、操作リング111の回転量に応じて、ISO感度の設定を右回転の場合とは逆の順序に従って順次切り替える処理を行う。
操作モードの設定がISO感度モードである場合のクリック操作感は、操作リング111の回転角度を45度づつ等角度間隔に仕切り、一回転で8回のクリック感が得られるように、S203の処理によって設定され、そのようなクリック感が得られるように振動子110の制御が行われている。
【0107】
ここで、所定の8つの等角度間隔の回転角度は、操作リング111の基準位置からの回転角度であり、上記の8つのISO感度(100、200、400、800、1600、3200、6400、12800)に対応する。そのため、ユーザは、操作リング111を手動回転させたときに、ISO感度の設定操作に好適なクリック感触を得ることができる。なお、撮影モードの時と同様に、「クリック感不要モード」「A回転抵抗力モード」「B回転抵抗力モード」等を選択できるようにして、上記8つのISO感度(100、200、400、800、1600、3200、6400、12800)に設定する場合であってもクリック操作感を発生させないように設定することも可能である。この場合には、レンズ鏡筒に設けられた液晶表示部や指標等を目安に操作リング111を手動回転させれば良い。
【0108】
(5)操作モードの設定がシャッター速度モードである場合には、操作リング111の所定の回転角度範囲においては操作リング111の回転角度が大きくなるほど回転抵抗力が大きくなると共に、その所定の回転角度範囲外においては急激に回転抵抗力が大きくなるように設定されている。そして、操作リング111が右回転されると露光時間を短くする方向へ、左回転されると露光時間を長くする方向へ、操作リング111の回転量(又は回転位置)に応じて、シャッター速度の設定を切り替える処理が行われる。なお、露光時間を短くする方向とは、シャッター速度を高速にする方向でもあり、露光時間を長くする方向とは、シャッター速度を低速にする方向でもある。また、所定の回転角度範囲は、操作リング111の基準位置からの回転角度の範囲であり、予め、切り替え可能なシャッター速度の範囲と対応づけされて、その回転角度範囲の下限は、最も高速なシャッター速度に対応し、その回転角度範囲の上限は、最も低速なシャッター速度に対応する。
【0109】
このようにすると、ユーザは、所望のシャッター速度の設定へ切り替える際に、そのための操作リング111の回転方向を操作リング111の回転抵抗力感によって判断することができる。また、ユーザは、切り替え可能なシャッター速度の範囲を超えて切り替えを行おうとしていることを、操作リング111の急激に大きくなる回転抵抗力感によって、知覚することができる。
【0110】
(6)操作モードの設定が絞りモードである場合には、シャッター速度モードと同様に、操作リング111の所定の回転角度範囲においては操作リング111の回転角度が大きくなるほど回転抵抗力が大きくなると共に、その所定の回転角度範囲外においては急激に回転抵抗力が大きくなるように設定されている。そして、操作リング111が右回転されると絞り103を絞る方向へ、左回転されると絞り103を開放する方向へ、操作リング111の回転量(又は回転位置)に応じて、絞りの設定を切り替える処理を行う。ここで、絞り103を絞る方向とは、絞り値(F値)を大きくする方向でもあり、絞り103を開放する方向とは、絞り値を小さくする方向でもある。また、所定の回転角度範囲は、操作リング111の基準位置からの回転角度の範囲であり、予め、切り替え可能な絞りの範囲と対応づけされている。従って、その回転角度範囲の下限は、最も小さなF値に対応し、その回転角度範囲の上限は、最も大きなF値に対応する。
【0111】
このようにすることにより、ユーザは、所望の絞りの設定へ切り替える際に、そのための操作リング111の回転方向を操作リング111の回転抵抗力感によって判断することができる。また、ユーザは、切り替え可能な絞りの範囲を超えて切り替えを行おうとしていることを、操作リング111の急激に大きくなる回転抵抗力感によって、知覚することができる。
【0112】
なお、シャッター速度モードや絞りモードについてはクリック感が得られるように設定しても良い。クリック感が得られるように設定されると、ユーザは、操作リング111を手動回転させたときに、絞りの設定操作に好適な回転感触として、例えば、操作リング111のクリック位置間の絞りの段数変化量(露光量で絞り値の変化を示したもの)を感じることが出来る。この場合、設定された段数変化量に応じてクリック数の変更と、各クリック間に対応した操作リング111の回転角の変更を行っても良い。
【0113】
以上、各操作モードの設定とその処理動作について説明してきたが、操作リング111の回転方向に応じて行う処理を逆に行うことも可能である。すなわち、操作リング111が左回転されたときに行われていた処理を操作リング111が右回転されたときに行い、操作リング111が右回転されたときに行われていた処理を操作リング111が左回転されたときに行うようにすることも可能である。
【0114】
図24は回転感触変更処理(S203)サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。S203又は、S204の後、本処理フローがリターンする。
図24に示したように、本体用マイクロコンピュータ214は、この処理フローが開始すると、まず、S202で切り替えられた操作モードの設定が、フォーカスモード又はズームモードであるか否かを判定する(S301)。その判定結果がYesのフォーカスモード又はズームモードである場合には、操作リング111の回転抵抗力が常に最小になるような振動子110の制御を開始する(S302)。
【0115】
一方、S301の判定結果がNoの場合、すなわち、フォーカスモードでもズームモードでもない場合には、S202で切り替えられた操作モードの設定が、撮影モード又はISO感度モードであるか否かを判定する(S303)。その判定結果がYesの、撮影モード又はISO感度モードである場合には、操作リング111の回転感触として、操作リング111の所定の5つ又は8つの等角度間隔の回転角度においてクリック感が得られるような振動子110の制御を開始する(S304)。
【0116】
一方、S303の判定結果がNoの場合には、S202で切り替えられた操作モードの設定がシャッター速度モード又は絞りモードの場合である。この場合には、操作リング111の回転感触として、操作リング111の所定の回転角度範囲において基準位置に対する操作リング111の回転角度が大きくなるほど回転抵抗が大きくなるように振動子110の制御を開始する(S305)。なお、この場合、回転抵抗力が大きくなると共に、その所定の回転角度範囲外においては急激に回転抵抗力が大きくなるように振動子110が制御される。
S302の後、S304の後、又は、S305の処理が終了した後は、回転感触変更サブルーチンから図21のS101へリターンする。
【0117】
図25は、サブルーチンS304で、振動子110を制御して操作リング111にクリック感を付与する際の、操作リング111の回転角度と回転抵抗力との関係の一例を示す図である。
図25において、横軸は操作リング111の基準位置からの回転角度を示し、縦軸は操作リング111の回転抵抗力(回転時の抵抗)を示している。また、実線は、操作リング111を右回転させたときの回転角度と回転抵抗力との関係を示し、点線は、操作リング111を左回転させたときの回転角度と回転抵抗力との関係を示している。なお、操作リング111は、右回転させると回転角度が大きくなり、左回転させると回転角度が小さくなるように設定されている。
【0118】
図25の3つの矢印で指し示された回転角度位置(E,F,G)は、互いに等角度間隔に設定され、撮影モード又はISO感度の各モード状態におけるそれぞれの設定が切り替わる回転角度である。この3つの矢印で指し示された回転角度は、上述した操作リング111の所定の5つ又は8つの等角度間隔の回転角度に相当する。
【0119】
図25の実線で示したように、操作リング111を右回転させたときの回転角度と回転抵抗力との関係は以下のように変化する。
S304の処理によって振動子110の制御が開始され、操作リング111が右回転されると、撮影モード又はISO感度の各モード状態における設定が切り替わる回転角度の手前Aにおいて、Bで示す一定の傾きで回転抵抗力が増加する。そして、設定が切り替わる回転角度に更に近づいたCで示すところで、Dで示す一定の傾きで回転抵抗力が減少し、設定が切り替わる回転角度Eに達したところで,Aで示す元の回転抵抗力に戻る。このような操作リング111の回転抵抗力の変化によって、ユーザは、設定が切り替わる回転角度に操作リング111が達したところでクリック感を得ることができる。
【0120】
また、操作リング111を左回転させたときの回転角度と回転抵抗力との関係は、図25の点線で示したように、実線で示したのと反対に変化する。
すなわち、S304の処理によって振動子110の制御が開始され、操作リング111が左回転されると、撮影モード又はISO感度の各モード状態における設定が切り替わる回転角度の手前H(上記Aの位置と回転抵抗力は同じ)において、Iで示す一定の傾きで回転抵抗力が増加する。そして、設定が切り替わる回転角度に更に近づいたKで示すところで、Jで示す一定の傾きで回転抵抗力が減少し、設定が切り替わる回転角度Eに達したところで,A,Hで示す元の回転抵抗力に戻る。ここで、設定が切り替わる回転角度E、すなわち、右回転で切り替わる回転角度と左回転で切り替わる回転角度とは同じ回転角度位置となっており、左右どちらの回転であっても操作リング111に同じクリック感が発生し、さらに、同じ位置で各モード状態における設定が切り替わるように設定されている。このように、回転抵抗力と各モード切替の位置を設定すると、各モード状態で操作リング111は小さい抵抗力で回転操作することができる。また、モード切替の直前でクリック感がえられるので操作をスムーズに行なうことが可能となる。
【0121】
図26は、シャッター速度モード又は絞りモードの場合に、S305の処理によって振動子110の制御が開始されたときの、操作リング111の回転角度と回転抵抗力との関係の一例を示す図である。
図26において、横軸は操作リング111の基準位置からの回転角度を示し、縦軸は操作リング111の回転抵抗力(回転時の抵抗)を示している。 図26において2つの矢印で指し示された回転角度 (P,Q)は,上述した操作リング111の回転角度範囲の下限P,回転角度範囲の上限Qを示している。そして、その下限及び上限は、最も高速なシャッター速度及び最も低速なシャッター速度、又は、最も小さなF値及び最も大きなF値に対応する。
【0122】
S305の処理によって振動子110の制御が開始され、操作リング111が回転されると、図26に示したように、回転抵抗力が次のように変化する。すなわち、操作リング111の所定の回転角度範囲においては、操作リング111の回転角度が大きくなるほど回転抵抗力が大きくなり、操作リング111の回転角度が小さくなるほど回転抵抗力が小さくなる。このような操作リング111の回転抵抗力の変化によって、ユーザは、所望の設定へ切り替える際に、そのための操作リング111の回転方向を操作リング111の回転抵抗力感によって判断することができる。また、操作リング111の所定の回転角度範囲外(回転角度がPより小さい場合,または回転角度がQより大きい場合)においては、急激に回転抵抗力が大きくなるように設定されている。ユーザは、このように操作リング111の回転抵抗力を変化させることによって、切り替え可能な設定の範囲を超えてシャッター速度又は絞りの設定の切り替えを行おうとしていることを知覚することができる。
【0123】
図27は、サブルーチンS304において、操作リング111の操作感としてのクリック感を制御するレンズ用マイクロコンピュータ106の処理フローの一例を示すフローチャートである。
図27に示したように、この処理フローが開始すると、まず、レンズ用マイクロコンピュータ106は、操作リング111の操作モードをFlashメモリ107から読み出す(S401)。なお、本例では、モード切替操作部108の押下に応じて操作モードの設定が切り替えられると、S106において、その切り替えられた操作モードの情報がFlashメモリ107に格納されるものとする。なお、ここでは、撮影モード又はISO感度モードがFlashメモリ107に格納され、その情報が読み出された場合について説明する。
【0124】
続いて、位置センサ109の出力信号に基づいて操作リング111の位置xを検出する(S402)。なお、操作リング111の位置xは、操作リング111の基準位置に対する位置で、図19や図20に示した操作リング111の回転角に対応している。
続いて、周波数Noscf0と、S402で検出された基準位置xに対応する電圧Vconv(x)を、Flashメモリ107から読み出す(S403)。なお、本例では、Flashメモリ107に、予め、周波数Noscf0と基準位置xに対応する電圧Vconv(x)の情報が格納されているものとする。ここで、基準位置xに対応する電圧Vconv(x)は、例えば、実験的に、対応する従来の機械的なクリック機構から得られた力量データに基づいて決定されたものである。
【0125】
続いて、S403で読み出された周波数Noscf0を周波数Noscfに設定し(S404)、S403で読み出された電圧Vconv(x)を電圧Vconvに設定する(S405)。さらに、S404で設定された周波数Noscfを、レンズ用マイクロコンピュータ106のIOポートD_NCntを介して、N進カウンタ192に設定し(S406)、S405で設定された電圧Vconvを、レンズ用マイクロコンピュータ106のIOポートVcntを介して、電圧制御回路196に設定する(S407)。
【0126】
続いて、レンズ用マイクロコンピュータ106のIOポートP_PwContをHiに設定する(S408)。これにより、圧電体171aの振動が開始する。そして、待機状態となる(S409)。なお、待機状態においては、上記設定の下で圧電体171aの振動が継続する。次に、操作リング111が操作されたか否かを判定する(S410)。ここで、その判定結果がNoの場合には処理がS409へ戻る。
【0127】
一方、S409の判定結果がYesで操作リング111が操作された場合には、圧電体の駆動を停止するか否かを判定する(S411)。ここでは、S411がYesの場合、すなわち、例えば再生ボタンが押される等の操作が行われると、圧電体の駆動を停止すると判定し、レンズ用マイクロコンピュータ106のIOポートP_PwContをLoに設定する(S412)。これにより、圧電体171aの振動が停止し、本処理フローが終了する。一方、S411の判定結果がNoの場合、すなわち、圧電体171aの振動が停止していない場合にはS402へ戻り、S402以降の処理が再び繰り返される。
【0128】
このような処理フローにより、機械的なクリック感と同様の感触を有する操作リング111を実現することができる。また、基準位置xに対応する電圧Vconv(x)の情報として、撮影モードに応じた情報やISO感度モードの情報等をFlashメモリ107に格納しておくことにより、撮影モードやISO感度モード等に応じて、異なる位置間隔(角度間隔)でクリック感を有する操作リング111を実現することができる。なお、図6及び図9で説明した圧電体171aは、1ms未満の高速応答が可能で瞬時に摩擦を変更することができるので、本願発明における操作リング111のクリック感を得るのに好適である。
【0129】
次に、本願発明の第二の実施形態について、図28乃至図31を用いて説明する。
第2の実施形態は,モード切替操作部108で選択されるモードとして、手動フォーカスモード(以下MFモードと呼ぶ)がさらに追加されたもので、このMFモードに切り替えられた状態で操作リング111を回転させた際の表示部115の状態に関する実施形態である。
【0130】
図28は、図23のS202で、モード切替操作部108が押下されてMFモードが選択された際の表示の例で、図21のS100の初期化後、交換レンズ100をカメラ本体200に装着し、電源スイッチ216bをオンしたときの表示部115の状態を示している。
図29は、モード切替操作部108で選択されたMFモード時に、操作リング111を回転させて表示を切り替えた状態を示し、図30はその変形例で、図31は、図30の表示動作のシーケンスを説明するための図である。
【0131】
図28において、表示部115には、手動フォーカスモードであることを示す「MF」、絞り値を設定するモードであることを示す「Av」、シャッタスピードを設定するモードであることを示す「Tv」、露出補正値を設定するモードであることを示す「+/-」、ISO感度を設定するモードであることを示す「ISO」等のモード項目がモード表示115dに表示されている。モード切替操作部108を押下することによりこれらの中から所望のモードが選択されると、選択されたモードが長方形状のモード表示枠115cによって囲まれて表示される。また、選択されたモードのモード内容がメモリ115aとしてその下側に表示され、操作リング111を回転することによりメモリ115aが指標115bに対して回転する。
【0132】
図29(1−1)の初期状態表示に示すように、MFモードを示すモード名「MF」がモード表示枠115cによって囲まれて表示されているので、現在のモードとして、MFモードがモード切替操作部108によって選択されたことを示している。また、交換レンズ200の撮影距離については、指標115bが撮影距離を表すメモリ115aの「3」を指示しているので、操作リング111を回転により、3mの撮影距離が選択されたことを表示している。
この状態で操作リング111を回転すると、その回転方向、回転位置に対応してメモリ115aが回転方向に順次移動して表示される。図29(1−2)は、操作リング111の右回転(ユーザから見て)により0.5mの撮影距離が選択されたことを表示している。
【0133】
図29(2−1)は、図29(1−1)の初期状態表示の際に、モード切替操作部108であるモードボタンを押下して絞りモード(以下Avモードと呼ぶ)を選択した状態(モード切替操作部オン)を示している。Avモードが選択されると、メモリ115aは事前に設定された絞りのFナンバー表示に変わる。また、指標115bが指示するFナンバーも事前に設定されている。なお、このFナンバーは交換レンズ100のFlashメモリ107に記憶されている数値が呼び出されて表示される。
この図29(2−1)の状態で操作リング111が回転操作されると、その回転方向、回転位置に対応してメモリ115aが回転方向に順次移動して表示される。このとき、図24のS305で説明したように、負荷制御機構170が制御されて操作リング111にクリック感が発生する。具体的には、操作リング111の回転によりFナンバーが指標115bに対して1つずれる毎にクリック感が発生する。
【0134】
図30は、操作リング111の回転速度によって表示内容が変化するようにした変形例である。なお、以下の説明では「低速回転」とは操作リング111の回転方向のクリックが2回/S以下と定義し、「高速回転」とは操作リング111の回転クリックが2回/Sよりも大きい値と定義する。なお、人によって感覚が異なるためこれはあくまで1例である。また、回転速度の検出は公知のフォトセンサや磁気センサで行なわれ、マイクロコンピュータ106で上記基準に対して判断される。
図30(1−1)の初期状態に示すように、モード切替操作部108であるモードボタンによってMFモードが選択されると、モード表示部115にはモード名115e “MF”が表示され、メモリ115aには被写体距離と、撮影距離が「1m」であることを示す指標115bが表示される。この初期状態でクリックを伴いながら操作リング111を低速で回転させると、図30(1−2)の操作リング低速回転で示したように、メモリ115aの被写体距離がより細かい数値(4.5〜6.5の0.5きざみ)に変更され、さらに、クリックを伴いながら操作リング111を低速で回転させつづけると、メモリ115aが、指標115bに対して移動する。なお、この表示の変更に連動して操作リング111の操作角度に対する被写体距離の変化も細かくなる。
また、図30(1−2)の操作リング低速回転の状態からクリックを伴いながら操作リング111を高速で回転させると、図30(1−3)の操作リング高速回転で示すように、メモリ115aの被写体距離は粗い数値になるとともに、操作リング111の操作角度に対する被写体距離の変化も大きくなる。勿論、一般的なMFモードのように、クリック感のない状態で操作リング111に対する回転抵抗力を設定しても良い。
【0135】
このように操作リング111の回転速度によって表示を変更するとともに操作リング111の回転角度をそれに対応させることにより、精密に被写体距離を合わせたい場合には操作リング111をゆっくり回して被写体距離を精密に合わせることが可能となり、また、素早く被写体距離を変更したい場合には操作リング111を速く回して被写体距離を大きく変化させることが可能となる。従って、被写体がどの位置にあっても、操作と表示が対応したものになっているので、違和感なく、スムーズかつ素早く変更することができる。
【0136】
図30(2−1)から(2−3)及び図30(3−1)から(3−2)は、実施形態の変形例で、操作リング111の回転速度でモードの変更を行なう実施形態を説明するため図である。より詳細には、モード切替操作部108を複数回押下することによってモード変更をするのではなく、モード切替操作部108を1回押下することによってカメラをモード変更可能状態し、操作リング111の回転位置でモードの変更を行なう実施形態を説明するため図である。
【0137】
この変形例では、図30(1−1)の状態でモードボタンであるモード切替操作部108をオンすると、図30(2−1)のモードボタンオンの状態となり、操作リング111の回転によってモードを変更できるモード切替状態となる。この状態では、MF,Av、Tv、+/-の各モードが表示され、ここでは、モード表示枠115cによって“MF”が選択されている状態であることが表示されている。
【0138】
この図30(2−1)の状態でクリックを伴いながら操作リング111をゆっくり回転させると、モード表示枠115cが順次右方向へ移動し、モードが切替っていく。図30(2−2)の「操作リング低速回転」の表示は、Avにモードが切替わっていることを表示している。
図30(2−2)の「操作リング低速回転」状態でクリックを伴いながら操作リング111を素早く回すと、表示は図30(2−3)の「操作リング高速回転」に表示されているように、各モードを表すMF,Av、Tv、+/-、ISO,WB,ART,AFが楕円上に配置され、操作リング111の回転方向に対応して順次モードが切替る。図30(2−3)の「操作リング高速回転」では、モード表示枠115cによって「+/-」が囲まれているように「+/-」モードが切替わっていることを表示している。
【0139】
一方、図30(2−2)の表示状態でモード切替操作部108をオンすると、その時に選択されているモード(ここではAvモード)が確定され、図30(3−1)の状態のように、Avモードが選択され、このAvモードの選択項目が表示される。すなわち、図30(2−2)ではモードはAvモードが選択されていたので、モードボタンのオンでメモリ115aはFナンバーの表示になる。
この状態で、クリックを伴いながら操作リング111をゆっくり回転(低速回転)させると、図30(3−2)に示すように、被写体距離表示と同様にメモリ115aはより細かい表示となる。ここではFナンバー表示なので、露光量の1段ごとに数値表示があり、その間にある点は1目盛で1/3段の露光量の刻みになるようになっている。勿論、段数の刻みはもっと粗く設定しても良いし、段数の刻みの異なる複数のモードを設けても良い。
【0140】
図31は、図30に示す表示動作をさせる場合のシーケンスを示したフローである。カメラの電源スイッチ216aがオンされるとレンズ内のレンズ用マイクロコンピュータ106は初期化の動作をする(S501)。
次に、モード切替操作部108が押下されてモード変更可能状態であるかを判定し(S502)、Noであれば、操作リング111の回転位置でモードの変更を行なうことが可能と判断し、操作リング111で設定されたモードを表示部115のメモリ115aに表示する(S503)。
【0141】
そして、そのモード状態での操作リング111の位置と速度に対応する負荷パターンをレンズ用マイクロコンピュータ106に読み込み(S504)、操作部材である操作リング111が操作されたかを判定する(S505)。判定がNoであれば電源スイッチがオフされたかの判定をする(S518)。
【0142】
一方、S505で判定がYesの場合は操作リング111の位置と速度を検出し(S506)、位置と速度に応じた設定値の表示をする(S507)。位置と速度に応じた設定値や負荷パターンは例えば、Flashメモリ107にあらかじめテーブルとして記憶されている。次に同様に負荷パターンに応じて負荷制御機構170を制御して、操作リング111の所定の操作感を与える(S508)。次にモードボタンがオンされたかを判定する(S509)。モードボタンがオンされていなければ、電源スイッチがオフかの判定をする(S518)。
【0143】
一方、S509でYesの場合は、S510の判定でYesの場合と同様、操作リング111はモード設定状態になり、モード項目の表示をする(S511)。次に操作リング111の位置と速度に応じた負荷パターンをレンズ用マイクロコンピュータ106に読み込む(S504)。ここでは操作リング111はモード設定をする操作部材となるので各モードごとにクリック感が発生する負荷パターンが設定される。
【0144】
次に、操作リング111が操作されたかが、操作リング111の位置を検出している位置センサ109Aの出力信号から判定される(S513)。操作された場合は、ステップS506、S507、S508と同じ動作がステップS514、S515、S516で行なわれ、モードボタンがオンにされたかを判定する(S517)。一方、ステップS513で判定がNoの場合は、次にモードボタンがオンされたかを判定する(S517)。ステップS517で判定がYesの場合は、ステップ503以下の一連の動作がなされ、判定がNoの場合は電源がオフかが判定される(S518)。ステップS518で判定がYesの場合は、動作は終了し、判定がNoの場合は、ステップS502のモード切替状態の判定に戻る。
【0145】
次に、本願発明の第三の実施形態について、図32乃至図36を用いて説明する。
なお、第1の実施形態で説明した図2、図3と同じ構成には同じ符号を用い、異なる部材には新たな符号を付与している。
図32は本願発明の第2の実施形態に係るレンズ鏡筒の概略断面図で、図33は図32のAA断面図である。また、図34は負荷制御機構170を構成するギヤ172aの伝達機構を説明するための図で、図33に記載されたギヤ172a、ギヤ177及び固定板171bの周辺の拡大図である。さらに、図35は図34に記載されたBB断面の概略図で、負荷制御機構170を構成するギヤ172aとギヤ177との関係を説明するための図で、図36は操作リング111のスライド移動の際のギヤ177の動作を説明するための図である。
【0146】
図32及び図33に示すように、外周部に滑り止め用のゴム144が設けられているとともに内周面にギヤ111aが設けられている操作リング111は、交換式レンズ100の光軸方向に対して、手動により、固定枠122に対して、その前後にスライド可能、かつ回転自在に構成されている。この操作リング111のない周面側には、ボール157が嵌合するための溝111bが円周に沿って複数が形成されている。
【0147】
このボール157は、固定枠122に設けられたバネ158により溝111b側に押圧されていて、例えば、操作リング111がカメラ本体200側にスライド移動した際、溝111bから溝111bにボール157の嵌合が代わってユーザにクリック感を付与するとともにこのクリック感によってスライド移動したことを知らしめる。
【0148】
図34及び図35に示すように、固定枠122には図2で説明した負荷制御機構170とこの負荷制御機構170に並列に配置されたギヤ台178とが固定板171bを介して固定されている。
このギヤ台178には、負荷制御機構170を構成するボルト171eと平行な軸181と、この軸181に配置されたバネ180とギヤ177が配置されていて、操作リング111のギヤ111aは、このギヤ177を介して負荷制御機構170を構成するロータ172のギヤに噛合している。
【0149】
また、図36に示すように、操作リング111には、操作リング111をカメラ本体200側にスライド移動した場合に、ギヤ177をバネ180に抗して移動させるためのフランジ111cが設けられている。従って、操作リング111のスライド移動に連動してギヤ177がスライド方向に押されて移動することにより、ギヤ177とギヤ177aとの噛合がはずれる。すると、操作リング111は負荷制御機構170の負荷を受けることなく、すなわち、負荷制御機構170に通電しなくても、スムーズな回転が可能となる。なお、図36に示すように、操作リング111の回転位置はセンサ109とスケール141とによって検出されるが、スケール141の位置及び大きさは、操作リング111が前後にスライドされた状態であっても位置センサ109による操作リング111の回転方向の位置検出が可能になるように設けられている。
【0150】
なお、操作リング111がカメラ本体200に対して被写体側にスライド移動した状態、すなわち、ロータ172のギヤ172とギヤ177とが噛合した状態(図36の状態)は、図23のS203の操作モード切り替えの状態であり、操作リング111がカメラ本体200側にスライド移動した状態、すなわち、ロータ172のギヤ172とギヤ177との噛合がはずれた状態は、スムーズなフォーカスが可能となる手動フォーカスのモードの状態である。
【0151】
ここで、再度、操作リング111を被写体側にスライド操作すると、ギヤ177はバネ180に被写体側に押圧され、ロータ172のギヤに噛合しようするが、操作リング111の回転ずれ(あそび)が大きいと、ロータ172のギヤの歯とギヤ177のギヤの歯とが干渉して噛合しにくくなる。このようなことを防止するためには、操作リング111の回転ずれ(あそび)を歯車の1ピッチ分以下レベルの微小回転をすれば必ず噛合がなされる。
【0152】
なお、操作リング111のスライド位置は、図32に示すように、スイッチとスイッチ基板とから構成されたスライド開始検出センサ109Bによって検出される。このスライド開始検出センサ109Bは、被写体側にスライドされたときの操作リング111の位置と、カメラ本体200側にスライドされたときの操作リング111の位置とを検出できるように設けられていて、カメラ本体200側にスライドされたときのスイッチのオフで手動フォーカスに切り替り、被写体側にスライドされた時のスイッチのオンで操作モードを切り替えるモード(図23のS203の操作モード切り替え)に切り替えられる。
【0153】
また、このように操作リング111を前後にスライド可能に構成する場合において、操作リング111を前後方向に一往復スライドさせたときに、スイッチが一度だけオンするように構成することも可能である。例えば、操作リング111を被写体側へスライドさせた位置においてはスイッチをオンし、操作リング111をカメラ本体200側へスライドする際にスイッチをオンからオフに切り替るスイッチにすれば、被写体側へスライドさせた位置においては操作リング111の回転感触を変更でき、スイッチがオフのカメラ本体200側へスライドさせた位置においては操作リング111を手動フォーカスの操作部材にすることが可能である。さらに、操作リング111は機械的にスライドさせるのではなく、操作リングを被写体側またはカメラ本体200側へ押し付けられるように構成し、押し付けられた時の圧力を検知する圧力センサーを操作リング111または固定部枠122に設け、圧力センサーの検出圧力をスイッチの代わりとしてスライド操作がなされたことを検出するようにしても良い。
【0154】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
例えば、図21のメインフローや図27の操作リングの操作環の制御動作に示したデジタルカメラの処理フローを、ボディ用マイクロコンピュータ214のみが実行するように構成することも可能であるし、レンズ用マイクロコンピュータ106のみが実行するように構成することも可能である。或いは、ボディ用マイクロコンピュータ214とレンズ用マイクロコンピュータ106が協働して実行するように構成することも可能である。
【0155】
また、例えば、操作リング111を、カメラ本体200に設けるように構成することも可能である。この場合、例えば、操作リング111をダイヤル等のような回転式の操作部材としてカメラ本体200に設けることも可能である。
また、デジタルカメラは、レンズ交換可能なタイプのカメラに限らず、例えばコンパクトカメラ等のようにレンズ交換ができないタイプのカメラとすることも可能である。この場合は、例えば、そのカメラのレンズ鏡筒に操作リング111を設けるようにすることも可能であるし、上記のように、操作リング111をダイヤル等のような回転式の操作部材として設けることも可能である。
【0156】
また、上述のデジタルカメラでは、操作リング111の基準位置からの回転角度に応じて、設定の切り替えが行われるものであり、その基準位置は絶対位置であったが、その基準位置を相対位置とすることも可能である。例えば、操作モードの設定の切り替えが行われた時点の操作リング111の位置を基準位置として、その基準位置からの操作リング111の回転方向及び回転量に応じて設定の切り替えを行うように構成すれば良い。なお、この場合には、その回転方向及び回転量に応じて、例えば図25のクリック感や図26の回転抵抗に示したように、操作リング111の回転抵抗力を変更することは勿論である。
【0157】
また、操作リング111は、無限に回転可能に構成することも可能であるし、例えば180度等のように一定の回転角度範囲しか回転しない構成することも可能である。この場合、例えば、上記の基準位置を相対位置とする場合には、操作リング111を無限に回転可能な構成とすることも可能であるし、上記の基準位置を絶対位置とする場合には、操作リング111が一定の角度範囲しか回転しない構成とすることも可能である。
【0158】
以上、本願発明の本実施形態について説明してきたが、本願発明によれば、操作リング111の操作性を、フォーカスモード、ズームモード、撮影モード、ISO感度モード、シャッター速度モード、絞りモードといった各操作モードに応じて、操作リング111を適切なクリック感や重さに設定することができる。また、操作リング111によって変更される操作モードの表示を、操作リング111の位置と速度に対応して変化するようにしたので、操作と一体感のある表示が可能となる。
【符号の説明】
【0159】
100 交換式レンズ
101 フォーカスレンズ
102 ズームレンズ
103 絞り
104、105、114 ドライバ
106 レンズ用マイクロコンピュータ
107 Flashメモリ
108 モード切替操作部
109 位置センサ
109A 回転位置検出センサ
109B スライド開始検出センサ
110 振動子
111 操作リング
112 圧電体制御回路
113 ロータ
115 表示部
115a メモリ
115b 指標
115c モード表示枠
115d モード表示
115e モード名
121 マウント
122 固定枠
123 キバン
124 1群枠
125 2群枠
126 3群枠
127 1群送りネジ
128 1群ネジギア
129 1群モータ台
130 1群モータ
131 1群モータギア
132 1群位置検出ハネ
133 1群ガイド軸
134 絞りハネ
135 絞り台
136 絞りフタ
137 絞り板
138 絞りモータギア
139 絞りモータ台
140 絞りモータ
141 スケール
146 絞り位置検出ハネ
147 3群ガイド軸
148 絞り位置検出器
149 3群送りネジ
150 3群位置検出ハネ
151 3群モータ
152 3群モータ台
153 3群ネジギア
154 3群モータギア
155 2群送りネジ
156 2群位置検出ハネ
159 2群モータ台
160 2群モータギア
161 2群ネジギア
162 前固定枠
163 2群モータ
170 負荷制御機構
171 振動子
171a 圧電体
171b 固定板
171c 振動体A
171d 振動体B
171e ボルト
172 ロータ
172a ギヤ
173 バネ
174 ナット
175 軸受
176 ボール
177 ギヤ
178 ギヤ台
179 板
180 バネ
191 グランド
192 N進カウンタ
193 1/2分周回路
194 インバータ
195 トランス
196 電圧制御回路
198 クロックジェネレータ
200 カメラ本体
201 メカシャッター
202 撮像素子
203 アナログ処理部
204 A/D変換部
205 AE処理部
206 画像処理部
207 AF処理部
208 画像圧縮展開部
209 LCDドライバ
210 LCD
211 メモリI/F
212 記録媒体
213 SDRAM
214 本体用マイクロコンピュータ
215 Flashメモリ
216 操作部
217 バス
218 電源回路
300 I/F
401 圧電体板A
402 圧電体板B
401a、 側面電極1A
402a、 側面電極2A
401b 側面電極1B
402b 側面電極2B
401c、402c 円形電極C(長方形電極C)
403 電極板
404 フレキシブル回路基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に穴を有する第1の振動体と、中央部に穴と係合部を有する第2の振動体と、中央部に穴を有し上記第2の振動体に振動を付与されるロータと、中央部に穴を有し、第1の振動体と第2の振動体とに挟まれる位置に固定される圧電体と、上記各部材の穴を貫通し、上記圧電体を挟み込んで上記第1の振動体と上記第2の振動体とを固定する軸部材と、上記軸部材の一端部に位置し、上記ロータを上記第2の振動体に押圧する押圧手段と、
を具備し、
上記圧電体は、
側面には第1の側面電極と第2の側面電極と互いに非導通状態となるように印刷され、表面には上記第1の側面電極と導通する第1の表面電極と上記第2の側面電極と導通する第2の表面電極とが互いに非導通状態となるように印刷された電極板と、
側面には第3の側面電極と第4の側面電極とが印刷され、表面には上記第3の側面電極と導通する第3の表面電極が印刷された第1の板状圧電体と、
側面には第5の側面電極と第6の側面電極とが印刷され、表面には上記第6の側面電極と導通する第4の表面電極が印刷された第2の板状圧電体と、
を有し、当該圧電体が上記軸部材を介して組立てられた際、各部材の表面電極が互いにせず、かつ、側面電極の奇数番号同士及び側面電極の偶数番号同士が電気的に接続されるように組立てられていることを特徴とする負荷制御機構。
【請求項2】
上記圧電体は、
表面に、互いに非導通状態な2つの回路パターンA及びBを有するフレキシブル電気基板をさらに有し、当該パターンAは上記電極板の第1の表面電極と電気的に接続され、当該パターンBは上記電極板の第2の表面電極と電気的に接続されることを特徴とする請求項1記載の負荷制御機構。
【請求項3】
上記圧電体は、
上記第1の板状圧電体の表面電極と上記第2の板状圧電体の表面電極とが互いに接触せず、かつ、上記側面電極の奇数番号同士及び上記側面電極の偶数番号同士が電気的に接続されるように組立てられたものを1組のユニットとし、この1組のユニットが複数積層されて構成されていることを特徴とする請求項1記載の負荷制御機構。
【請求項4】
上記圧電体は、
上記電極板、上記第1の板状圧電体及び上記第2の板状圧電体が組立てられた際、当該各部在の表面電極が互いに接触せず、かつ、側面電極の奇数番号同士及び側面電極の偶数番号同士がそれぞれ1列になるように電気的な接続がされることを特徴とする請求項1記載の負荷制御機構。
【請求項5】
上記圧電体は、円形状をしていることを特徴とする請求項1乃至4記載の負荷制御機構。
【請求項6】
上記圧電体は、多角形状をしていることを特徴とする請求項1乃至4記載の負荷制御機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図18】
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【図21】
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【図22】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−85421(P2013−85421A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224836(P2011−224836)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】