説明

貯遊技媒体処理システム

【課題】貯遊技媒体の不正使用を抑制できる貯遊技媒体処理システムを提供すること。
【解決手段】貯遊技媒体処理システムは、貯遊技媒体管理装置と貯遊技媒体処理装置とを備える。貯遊技媒体管理装置は、貯遊技媒体数情報および遊技客の登録認証情報を管理する貯遊技媒体数管理手段を備える。貯遊技媒体処理装置は、遊技客の遊技客識別媒体を受け付ける識別媒体受付手段と、遊技客識別媒体から識別情報を読取る読取手段と、遊技客による貯遊技媒体の貸与要求のための操作を受け付ける貸与要求操作受付手段と、貸与要求に基づいて貯遊技媒体の貸与処理を行う貸与処理手段とを備える。貯遊技媒体処理システムは、遊技客による認証情報の入力を要求する認証情報要求手段を有する。貸与処理手段は、認証情報要求手段の要求に対応して入力された認証情報と、登録認証情報との対応関係が正当であることを条件として貯遊技媒体の貸与処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯遊技媒体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコホールやパチスロホールなどの遊技店(遊技場)内には、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機が多数配列されている。各遊技機には、遊技媒体貸出機が対応づけて設けられており、遊技機で遊技を行おうとする者は、たとえば、遊技媒体貸出機に現金を投入して遊技媒体の貸出しを受けるか、または、遊技媒体貸出機に有価価値が記録された遊技カードを挿入し、その挿入した遊技カードに記録されている有価価値を消費して遊技媒体の貸出しを受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−342256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技カードを用いて遊技媒体の貸出しを受ける方式では、遊技カードを予め購入しておけば、現金を持ち合わせていなくても遊技を行うことができるから便利である。ところが、遊技終了時に遊技カードの有価価値が残っている場合、その遊技カードを次に遊技を行うために遊技店に行く時に携帯しなければならず、キャッシュカードやクレジットカードを財布などに入れて携帯している者にとっては、携帯しなければならないカード類が多くなり過ぎて困るという問題があった。
【0005】
また、有価価値の残っている遊技カードを落とすと、その落とした遊技カードに記録されている有価価値を他人に不正使用されてしまうという問題もある。したがって、遊技カードを用いない新規な方式の遊技媒体貸出システムが望まれており、そのため、有価価値を遊技媒体貸出装置および/または管理装置に管理させることが考えられる。
また、不正使用は、遊技者によって預け入れられた貯遊技媒体についても懸念される。
【0006】
この発明の目的は、貯遊技媒体の不正使用を抑制できる貯遊技媒体処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、遊技機に対応付けて設けられ、遊技者によって預け入れられた貯遊技媒体の貸与処理を行う貯遊技媒体処理装置と、前記貯遊技媒体処理装置と通信可能に接続される貯遊技媒体管理装置と、を備える貯遊技媒体処理システムであって、前記貯遊技媒体管理装置は、予め登録された遊技客が所持する遊技客識別媒体を識別する識別情報に対応付けて前記貯遊技媒体の数を特定する貯遊技媒体数情報および前記遊技客を認証するために登録される登録認証情報を管理する貯遊技媒体数管理手段を備え、前記貯遊技媒体処理装置は、前記遊技客識別媒体を受け付ける識別媒体受付手段と、前記識別媒体受付手段にて受け付けた前記遊技客識別媒体から前記識別情報を読取る読取手段と、前記読取手段にて読取られた前記識別情報に対応付けられている前記貯遊技媒体数情報を前記貯遊技媒体管理装置から取得して、当該貯遊技媒体数情報に関する表示を行う表示制御手段と、遊技客による前記貯遊技媒体の貸与要求のための操作を受け付ける貸与要求操作受付手段と、前記貸与要求に基づいて前記貯遊技媒体の貸与処理を行う貸与処理手段と、を備え、前記貸与要求操作受付手段への操作を受け付けたことを条件として、遊技客による所定の認証情報の入力を要求する認証情報要求手段を有し、前記貸与処理手段は、前記認証情報要求手段の要求に対応して入力された認証情報と、前記登録認証情報との対応関係が正当であることを条件として前記貯遊技媒体の貸与処理を行うことを特徴とする貯遊技媒体処理システムである。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記貸与処理手段は、前記貸与要求操作に応答して所定数の遊技媒体の投出を前記遊技機に指示することにより、前記貯遊技媒体の貸与処理を行う機能を有することを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体処理システムである。
請求項3記載の発明は、前記貸与処理手段は、前記貸与要求操作に応答して前記遊技機の記憶手段に記憶される遊技媒体の数量を所定数増加させる更新処理を行う機能を有することを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体処理システムである。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記識別媒体受付手段は、遊技客が所持する携帯端末を受け付けるものであって、前記読取手段は、前記携帯端末に固有の携帯端末識別情報を前記識別情報として読取るものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の貯遊技媒体処理システムである。
請求項5記載の発明は、前記貯遊技媒体処理装置は、遊技客による前記貯遊技媒体の預入要求のための操作を受け付ける預入要求操作受付手段をさらに備え、前記識別媒体受付手段にて前記遊技客識別媒体を受け付け、なおかつ前記預入要求操作受付手段にて操作を受け付けたことを条件として、遊技媒体の数量を特定可能な情報を前記貯遊技媒体管理装置に送信し、前記貯遊技媒体管理装置は、前記遊技客識別媒体により特定される識別情報と、前記情報により特定される遊技媒体の数量を貯遊技媒体として対応付けて更新記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の貯遊技媒体処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】遊技機およびこれに対応づけられた台間機の外観構成の一例を示す図である。
【図3】遊技機およびこれに対応づけられた台間機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】遊技客が有価価値データを購入する際のデータの流れを示す図である。
【図5】遊技客が有価価値データを使用して遊技媒体の貸出しを受ける際のデータの流れを示す図である。
【図6】精算者が遊技媒体の貸し受けに使用せずに残った有価価値データを精算する際のデータの流れを示す図である。
【図7】この発明の第2の実施形態に係る遊技媒体貸出システムの構成を示すブロック図である。
【図8】遊技機およびこれに対応づけられた台間機の構成を図解的に示す正面図である。
【図9】玉計数機の構成を示す図である。
【図10】携帯電話機の携帯電話番号および暗証番号をデータ集計管理装置に登録する際のデータの流れを示す図である。
【図11】遊技客が獲得したパチンコ玉の玉数を表すデータ(獲得玉数データ)を貯玉データとしてデータ集計管理装置に記憶させる際のデータの流れを示す図である。
【図12】貯玉データをパチンコ玉に変換する際のデータの流れを示す図である。
【図13】貯玉データを精算する際のデータの流れを示す図である。
【図14】携帯電話機で貯玉数を確認する際のデータの流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る遊技媒体貸出システムの全体構成を示すブロック図である。この遊技媒体貸出システムは、パチンコホールやパチスロホールなどの遊技場(遊技店)において、遊技客が所有する携帯電話機1を用いて有価価値を購入し、この購入した有価価値を消費して、遊技機2における遊技に使用する遊技媒体(パチンコ球、パチスロメダルなど)の貸出しを受けるようにしたシステムである。
【0012】
遊技機2は、たとえば、複数台が背中合わせで2列に配列されることにより、遊技場内において遊技機島3を構成している。遊技場内にはまた、遊技機島3ごとに設けられた中継装置4と、この中継装置4に通信線L1を介して接続されたホール管理装置5とが設置されている。ホール管理装置5は、通信線L2を介して、このシステム全体を統括して管理するシステム管理会社に設置されたセンタ管理装置6に接続されている。また、ホール管理装置5は、公衆電話回線網などの通信網Nに接続されている。
【0013】
遊技場内にはさらに、遊技媒体の貸し受けに必要な有価価値(有価価値のデータ)を購入するためのデータ販売機7と、購入した有価価値のうち、遊技媒体の貸し受けに使用せずに残った有価価値を精算して、その有価価値に相当する金額の現金を払い戻すデータ精算機8とが設置されている。これらのデータ販売機7およびデータ精算機8は、通信線L1を介してホール管理装置5に接続されていて、たとえば、データ販売機7において携帯電話機1を用いて有価価値を購入すると、その購入した有価価値のデータが、データ販売機7からホール管理装置5に送信されて、ホール管理装置5内のメモリ(記憶手段)に携帯電話機1の所有者ごとに記憶されるようになっている。
【0014】
各遊技機島3には、遊技機2と同数の台間機9が、それぞれ遊技機2と一対一に対応づけられて、その対応づけられた遊技機2に隣接して配置されている。台間機9は、遊技客が遊技媒体の貸出しを受けるための遊技媒体貸出装置であって、遊技客によって遊技媒体の貸出しを要求するための操作が行われると、たとえば、対応する遊技機2に向けて、所定数の遊技媒体の貸出しを指示するための貸出指示信号を出力する。そして、台間機9からの貸出指示信号を受けた遊技機2が、機内に設けられた遊技媒体払出装置から所定数の遊技媒体を払い出すことにより、遊技客への遊技媒体の貸出しが達成される。
【0015】
また、各遊技機島3において、台間機9は通信線L3を介して中継装置4に接続されていて、これにより、遊技店内のすべての台間機9は、中継装置4および通信線L1,L3を介してホール管理装置5と相互に通信可能に接続されている。したがって、遊技媒体の貸出しに関する情報を台間機9からホール管理装置5に送信することができる。そして、ホール管理装置5は、台間機9などから送られてくるデータを集計してシステム利用状況データとして管理し、このシステム利用状況データを、通信線L2を介してセンタ管理装置6に送信することができる。また、ホール管理装置5は、センタ管理装置6で管理されているデータを通信線L2を介して取り込むこともできる。
【0016】
図2は、遊技機2およびこれに対応づけられた台間機9の外観構成の一例を示す図である。遊技機2の一例としてのパチンコ機の前面には、遊技盤21と、この遊技盤21内に向けて発射されるパチンコ球の勢いを調整するためのハンドル22と、遊技盤21内に向けて発射すべきパチンコ球を貯留しておくための上皿23と、上皿23に貯留しきれないパチンコ球を受けるための下皿24とが配置されている。そして、上皿23には、遊技媒体の貸出しに利用可能な有価価値の残高をたとえば100円を1度数とする度数で表示する度数表示器25と、遊技媒体の貸出しを要求する際に押操作される貸出ボタン26と、この遊技機2における遊技を終了する際に押操作されるキャンセルボタン27とが配置されている。また、貸出ボタン26には、遊技媒体の貸出しが可能であるか否かを表す貸出可表示ランプ97が内蔵されており、たとえば、遊技媒体の貸出しが可能なときには貸出可表示ランプ97が点灯される。
【0017】
なお、度数表示器25、貸出ボタン26およびキャンセルボタン27は、この実施形態では上皿23に配置されているが、遊技機2の前面の上皿23以外の部分に配置してもよいし、台間機9の前面に配置してもよい。また、貸出可表示ランプ97は、貸出ボタン26に内蔵させずに、たとえば、貸出ボタン26に隣接した位置に配置してもよい。台間機9の前面には、たとえば、最下部に携帯電話ホルダ91が設けられていて、遊技客が携帯電話ホルダ91に自分の携帯電話機1をセットすると、この台間機9が有する各機能を利用することができる。また、携帯電話ホルダ91の上方には、携帯電話ホルダ91に携帯電話機1をセットして台間機9を使用可能か否かを表す携帯電話機受付可否表示ランプ92が配置されており、たとえば、この携帯電話機受付可否表示ランプ92が点灯されていれば、携帯電話ホルダ91に携帯電話機1をセットして台間機9を使用することができる。一方、携帯電話機受付可否表示ランプ92が消灯しているときには、携帯電話ホルダ91に携帯電話機1をセットしても台間機9を使用できない。
【0018】
なお、携帯電話機受付可否表示ランプ92は、台間機9が使用可能か否かを発光色で表すものであってもよく、たとえば、携帯電話機受付可否表示ランプ92が緑色に発光することにより台間機9が使用可能であることを表し、赤色に発光することにより台間機9が使用不可能であることを表すようにしてもよい。この実施形態に係る台間機9は、遊技媒体を貸し出す機能の他に、上述のデータ販売機7(図1参照)と同様な機能を有している。すなわち、台間機9において、遊技客が遊技媒体の貸し受けに必要な有価価値を購入することができるようになっている。この有価価値販売機能を実現するため、台間機9の前面上部には、貨幣挿入口(貨幣投入部)93が形成されていて、携帯電話機1を携帯電話ホルダ91にセットして、貨幣挿入口93から貨幣(たとえば、1000円紙幣)を投入(挿入)すると、その投入金額に応じた有価価値のデータが台間機9からホール管理装置5(図1参照)に送られて記憶されるようになっている。この有価価値販売機能を有していることにより、遊技客は遊技機2から離れずに有価価値を購入することができるから、遊技客の利便性を向上できるとともに、パチンコ機の稼働率を上昇させることができる。
【0019】
なお、この実施形態では、貨幣挿入口93から投入された貨幣金額に応じた有価価値がホール管理装置5に記憶されるとしているが、たとえば、台間機9の前面に購入金額選択スイッチを配設して、貨幣挿入口93に貨幣を投入した後に購入金額選択スイッチが押操作されることにより、遊技客が所望する購入金額に応じた有価価値のデータがホール管理装置5に送信されて記憶されるようにしてもよい。
【0020】
貨幣挿入口93の上方には、貨幣挿入口93に貨幣を挿入可能であるか否かを表すための貨幣挿入可表示ランプ94が配設されており、貨幣挿入口93に貨幣が挿入可能なときには、貨幣挿入可表示ランプ94が点灯されるようになっている。また、貨幣挿入口93の下方には、貨幣挿入口93に貨幣を投入した後に、有価価値の購入をキャンセルする場合に押操作される貨幣排出ボタン95が配置されている。この貨幣排出ボタン95が押されると、先に投入した貨幣が貨幣挿入口93から返却される。
【0021】
なお、貨幣挿入可表示ランプ94は、貨幣を挿入可能か否かを発光色で表すものであってもよく、たとえば、貨幣挿入可表示ランプ94が緑色に発光することにより貨幣の挿入が可能であることを表し、赤色に発光することにより貨幣の挿入が使用不可能であることを表すようにしてもよい。また、携帯電話機受付可否表示ランプ92に隣接して、動作モード表示ランプ96が配置されている。動作モード表示ランプ96は、台間機9の動作モードを表すランプであり、たとえば、遊技媒体の貸出しのための動作中は緑色に発光し、ホール管理装置5に記憶されている有価価値が零になり、その後の遊技媒体の貸出しを行うことができない場合には黄色に発光し、有価価値の販売のための動作中は赤色に発光する。
【0022】
図3は、遊技機2およびこれに対応づけられた台間機9の制御回路の構成を示すブロック図である。遊技機2の一例としてのパチンコ機には、遊技機2における遊技に関する各部を制御するための主制御基板S1と、遊技媒体としてのパチンコ球を機内から払い出すパチンコ球払出装置を制御するためのパチンコ球払出装置基板S2と、遊技媒体の貸出しに関する各部(たとえば、貸出可表示ランプ97、度数表示器25、貸出ボタン26およびキャンセルボタン27)が接続された貸出基板S3と、台間機9との通信を制御するためのインタフェイス基板S4とが備えられている。インタフェイス基板S4には、主制御基板S1、パチンコ球払出装置基板S2および貸出基板S3が接続されている。
【0023】
一方、台間機9には、制御中枢としてのCPUやメモリなどを含む台間機制御基板(暗証コード取得手段)S5が備えられている。この台間機制御基板S5は、通信線L4を介して遊技機2のインタフェイス基板S4に接続されていて、これにより、台間機制御基板S5と主制御基板S1、パチンコ球払出装置基板S2および貸出基板S3との間で、インタフェイス基板S4を介して信号の送受をできるようになっている。また、台間機制御基板S5には、通信線L3が接続されており、通信線L1,L3および中継装置4を介して、ホール管理装置5との間でデータの送受をできるようになっている。
【0024】
台間機制御基板S5には、さらに貨幣処理部98および携帯電話機情報処理部99が接続されている。貨幣処理部98は、貨幣挿入口93に関連して設けられた機構(たとえば、貨幣取込機構や貨幣識別機構など)、挿入可否表示ランプ94および貨幣排出ボタン95を制御するための処理を実行するものである。また、携帯電話機情報処理部99は、携帯電話機受付可否表示ランプ92、動作モード表示ランプ96および携帯電話ホルダ91に内蔵された携帯電話番号読み取り部911を制御するための処理を実行するものである。携帯電話番号読み取り部911は、携帯電話ホルダ91にセットされた携帯電話機1の携帯電話番号を読み取ることができるものである。
【0025】
台間機制御基板S5は、遊技機2から送られてくる信号に基づいて貨幣処理部98または携帯電話機情報処理部99に必要な制御信号を与えたり、貨幣処理部98または携帯電話機情報処理部99から送られてくるデータをホール管理装置5に向けて送信したりする。また、ホール管理装置5から送られてくるデータに基づいて、遊技機2のパチンコ球払出装置基板S2および貸出基板S3に必要な制御信号を与える。なお、遊技機2の機種によっては、台間機制御基板S1から遊技機2の主制御基板S1にも制御信号が与えられるようにしてもよい。
【0026】
図4は、遊技客が有価価値を購入する際のデータの流れを示す図である。この図4においては、遊技客が台間機9において有価価値を購入する場合を取り上げて説明するが、データ販売機7において有価価値を購入する場合にもほぼ同様なデータの送受信が行われる。遊技機2における遊技に先立って、有価価値を購入しようとする遊技客は、まず、自分が所有する携帯電話機1を台間機9の携帯電話ホルダ91(図2参照)にセットする。携帯電話機1に内蔵されたメモリには、この携帯電話機1の呼出し番号である携帯電話番号が記憶されていて、携帯電話機1が携帯電話ホルダ91にセットされると、携帯電話機1のメモリに記憶されている携帯電話番号が携帯電話ホルダ91に内蔵された携帯電話番号読み出し部911(図3参照)によって読み出される。そして、この読み出された携帯電話番号は、携帯電話番号読み出し部911から携帯電話機情報処理部99を介して台間機制御基板S5に与えられる。
【0027】
また、有価価値を購入しようとする遊技客は、携帯電話機1を携帯電話ホルダ91にセットする前、または、携帯電話機1を携帯電話ホルダ91にセットしてから所定時間(たとえば、1〜30秒間)内に、有価価値の購入に必要な貨幣を貨幣挿入口93に挿入する。貨幣挿入口93に貨幣が挿入されると、その挿入された貨幣は、貨幣挿入口93に関連して設けられた貨幣取込機構により取り込まれて、貨幣の種類を識別するための貨幣識別機構に搬送される。貨幣識別機構で貨幣の種類を識別することにより取得された金額データは、貨幣識別機構から貨幣処理部98を介して台間機制御基板S5に与えられる。
【0028】
台間機制御基板S5に与えられた携帯電話番号および金額データは、台間機9から通信線L3、中継装置4および通信線L1をこの順に介してホール管理装置5に入力される。ホール管理装置5は、台間機9(台間機制御基板S5)から入力された携帯電話番号および金額データを互いに関連づけてメモリに記憶させる。また、ホール管理装置5は、携帯電話番号および金額データが送られてきた日時やデータ送信元である台間機9の識別コード、その台間機9が設置されている遊技場の識別コードなどを金額データに関連づけてメモリに記憶させる。
【0029】
次いで、ホール管理装置5は、台間機9から受信した携帯電話番号の携帯電話機1を呼び出すとともに、その携帯電話機1に向けて、台間機9から受信した金額データが表す金額(遊技客が貨幣挿入口93に投入した貨幣金額)を携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータを送信する。また、ホール管理装置5は、携帯電話機1に向けて、暗証コードの送信を要求する画面を携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータを送信する。これらのデータを携帯電話機1が受信すると、その受信データの表す内容(投入貨幣金額および暗証コード送信要求画面)が携帯電話機1のディスプレイに自動的に表示される。
【0030】
携帯電話機1に表示された貨幣金額を確認した遊技客は、その表示された貨幣金額が貨幣挿入口93から挿入した貨幣金額と等しければ、携帯電話機1の入力キーを操作して、遊技客が複数個の数字や文字を組み合わせて任意に決定した暗証コードをホール管理装置5に送信する。一方、携帯電話機1に表示された貨幣金額が貨幣挿入口93から挿入した貨幣金額と等しくない場合や有価価値の購入をキャンセルする場合などには、たとえば、暗証コードの送信を行わずに、携帯電話機1から有価価値の購入をキャンセルする旨の信号を送信するか、台間機9に設けられている貨幣排出ボタン95を押操作する。
【0031】
ホール管理装置5が携帯電話機1から暗証コードを受信すると、メモリに記憶している金額データを有価価値として確定させ、この有価価値に関連づけて、携帯電話機1から受信した暗証コードをメモリに記憶させる。これにより、ホール管理装置5のメモリには携帯電話番号、有価価値および暗証コードが互いに関連づけられて記憶されることになる、その後、ホール管理装置5は、有価価値の購入(登録)が完了した旨の登録完了信号を携帯電話機1に送信し、この登録完了信号を受けた携帯電話機1のディスプレイに有価価値の購入完了の旨が表示されると、遊技客による有価価値の購入が完了する。
【0032】
また、ホール管理装置5は、有価価値の登録が完了すると、その登録した有価価値のデータを台間機9に送信する。この有価価値のデータを受けた台間機9(台間機制御基板S5)は、そのデータが表す有価価値に応じた度数を度数表示器25に表示させるのに必要な制御信号を作成し、その作成した制御信号を遊技機2の貸出基板S3に送信する。貸出基板S3が受信した制御信号は度数表示器25に与えられ、これにより、遊技客が遊技媒体の貸出しを受けるために利用可能な有価価値の残高が度数表示器25に表示される。また、台間機9から貸出基板S3に向けて貸出可表示ランプ97を点灯させる旨の制御信号が出力され、この制御信号が貸出基板S3を介して貸出可表示ランプ97に与えられることにより、貸出可表示ランプ97が点灯する。これにより、有価価値を購入した遊技客は、度数表示器25の表示および貸出可表示ランプ97の点灯を確認して貸出ボタン26を押すことにより、有価価値の購入に引き続いて遊技媒体の貸出しを受けることができる。
【0033】
なお、ここでは、遊技客が有価価値を新規に購入する場合を例にとって説明したが、以前に購入した有価価値が携帯電話番号および暗証コードに関連づけられてホール管理装置5に記憶されていても、その遊技客が有価価値を購入することは可能である。この場合、新たな有価価値の購入の際に、以前に有価価値を購入したときと同一の暗証コードを入力したときには、新たに購入した有価価値が以前に購入した有価価値の残高に加算されて記憶され、以前に有価価値を購入したときとは異なる暗証コードを入力したときには、その新たな暗証コードに有価価値および携帯電話番号が関連づけられて、以前に購入した有価価値が記憶されているファイルとは別のファイルに記憶されることが好ましい。
【0034】
図5は、遊技客が有価価値を使用して遊技媒体の貸出しを受ける際のデータの流れを示す図である。有価価値の購入後、その有価価値を消費して遊技媒体の貸出しを受けようとする遊技客は、まず、自分が所有する携帯電話機1を台間機9の携帯電話ホルダ91にセットする。携帯電話機1が携帯電話ホルダ91にセットされると、携帯電話機1のメモリに記憶されている携帯電話番号が携帯電話ホルダ91に内蔵された携帯電話番号読み出し部911によって読み出され、この読み出された携帯電話番号が携帯電話機情報処理部99を介して台間機制御基板S5に与えられる。
【0035】
携帯電話機1が携帯電話ホルダ91にセットされてから所定時間(たとえば、1〜30秒間)が経過する間に、貨幣挿入口93に貨幣が挿入されない場合には、自動的に遊技媒体の貸出しのためのモードとなり、台間機制御基板S5に与えられた携帯電話番号が通信線L3、中継装置4および通信線L1をこの順に介してホール管理装置5に入力される。台間機9(台間機制御基板S5)から携帯電話番号を受信したホール管理装置5は、その携帯電話番号の送信元である台間機9を特定するとともに、携帯電話番号と関連づけられた有価価値の有無を調べる。
【0036】
有価価値がメモリに記憶されている場合には、ホール管理装置5は、台間機9から受信した携帯電話番号の携帯電話機1を呼び出すとともに、その携帯電話機1に向けて、その記憶されている有価価値に相当する金額(利用可能金額)を携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータを送信する。また、ホール管理装置5は、暗証コードの送信を要求する画面を携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータを携帯電話機1に向けて送信する。これらのデータを携帯電話機1が受信すると、その受信データの表す内容(利用可能金額および暗証コード送信要求画面)が携帯電話機1のディスプレイに自動的に表示される。
【0037】
携帯電話機1のディスプレイの表示を確認した遊技客は、携帯電話機1の入力キーを操作して、有価価値の購入の際に入力した暗証コードをホール管理装置5に送信する。ホール管理装置5は、携帯電話機1から暗証コードを受信すると、この受信した暗証コードと台間機9から受信した携帯電話番号との対応をメモリに記憶されている内容に基づいて照合する。その結果、暗証コードが正しければ、台間機9から送られてきた携帯電話番号に関連づけて記憶されている有価価値のデータを台間機9に送信する。
【0038】
この有価価値のデータを受けた台間機9(台間機制御基板S5)は、そのデータが表す有価価値に応じた度数を度数表示器25に表示させるのに必要な制御信号を作成し、その作成した制御信号を遊技機2の貸出基板S3に送信する。貸出基板S3が受信した制御信号は度数表示器25に与えられ、これにより、遊技客が遊技媒体の貸出しを受けるために利用可能な有価価値の残高が度数表示器25に表示される。また、台間機9から貸出基板S3に向けて貸出可表示ランプ97を点灯させる旨の制御信号が出力され、この制御信号が貸出基板S3を介して貸出可表示ランプ97に与えられることにより、貸出可表示ランプ97が点灯する。
【0039】
その後、度数表示器25の表示および貸出可表示ランプ97の点灯を確認した遊技客が貸出ボタン26を押すと、たとえば、台間機制御基板S5からパチンコ球払出装置基板S2に予め定める個数のパチンコ球(遊技媒体)を払い出す旨のコマンドが与えられ、このコマンドに基づいて、パチンコ球払出装置基板S2によってパチンコ球払出装置が制御される。これにより、パチンコ球払出装置から予め定める個数のパチンコ球が払い出され、その払い出されたパチンコ球が上皿23または下皿24に排出される。
【0040】
また、遊技客によって貸出ボタン26が押されると、遊技媒体の貸出しに使用された度数を表すデータが台間機9からホール管理装置5に送られ、これを受けたホール管理装置5は、メモリに記憶されている有価価値から台間機9における遊技媒体の貸出しに使用された有価価値を差し引き、これを新たな有価価値としてメモリに記憶させる。なお、携帯電話機1から送られてきた暗証コードが正しくない場合には、ホール管理装置5から携帯電話機1に向けて、暗証コードの送信を要求する画面を携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータが再度送信されるか、または、暗証コードが正しくない旨のエラーメッセージを携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータが送信されるようにすればよい。
【0041】
こうして遊技媒体の貸出しを受けた遊技客は、その貸し出された遊技媒体を用いて遊技機2で遊技を行う。そして、遊技機2における遊技を終了して、この遊技機2から離れるときには、遊技機2に設けられたキャンセルボタン27を押す。すると、キャンセルボタン27の出力信号が貸出基板S3を介して台間機制御基板S5に送られ、これを受けた台間機制御基板S5からホール管理装置5に向けて遊技終了を表す信号が送られる。この信号を受信したホール管理装置5は、その時点でメモリに記憶されている有価価値などのデータを確定し、この確定したデータを、これ以降に携帯電話機1が携帯電話ホルダ91にセットされて、台間機9から携帯電話番号が送信されてくるまで保持する。また、キャンセルボタン27の出力信号を受信した台間機制御基板S5は、貸出基板S3に向けて、貸出可表示ランプ97を消灯させるための制御信号を送信する。その結果、点灯していた貸出可表示ランプ97が消灯される。
【0042】
図6は、遊技客が遊技媒体の貸し受けに使用せずに残った有価価値(有価価値の残高)を精算する際のデータの流れを示す図である。有価価値の残高を精算しようとする遊技客(以下、「精算者」という。)は、まず、自分が所有する携帯電話機1をデータ精算機8に接続する。この携帯電話機1とデータ精算機8との接続は、たとえば、データ精算機8に備えられた携帯電話ホルダに携帯電話機1をセットすることにより達成される。携帯電話機1がデータ精算機8に接続されると、データ精算機8によって携帯電話機1のメモリに記憶されている携帯電話番号が読み出され、この読み出された携帯電話番号がデータ精算機8から通信線L1を介してホール管理装置5に送信される。
【0043】
データ精算機8から携帯電話番号を受信したホール管理装置5は、その携帯電話番号と関連づけられた有価価値の有無を調べる。携帯電話番号に関連づけて有価価値がメモリに記憶されている場合には、ホール管理装置5は、データ精算機8から受信した携帯電話番号の携帯電話機1を呼び出すとともに、その携帯電話機1に向けて、その記憶されている有価価値に相当する金額(精算可能金額)を携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータを送信する。また、ホール管理装置5は、暗証コードの送信を要求する画面を携帯電話機1のディスプレイに表示させるのに必要なデータを、携帯電話機1に向けて送信する。これらのデータを携帯電話機1が受信すると、その受信データの表す内容(精算可能金額および暗証コード送信要求画面)が携帯電話機1のディスプレイに自動的に表示される。
【0044】
携帯電話機1のディスプレイの表示を確認した精算者は、携帯電話機1の入力キーを操作して、有価価値の購入の際に入力した暗証コードをホール管理装置5に送信する。ホール管理装置5は、携帯電話機1から暗証コードを受信すると、この受信した暗証コードとデータ精算機8から受信した携帯電話番号との対応をメモリに記憶されている内容に基づいて照合する。その結果、暗証コードが正しければ、データ精算機8から送られてきた携帯電話番号に関連づけて記憶されている有価価値のデータをデータ精算機8に送信する。
【0045】
この有価価値のデータを受けたデータ精算機8は、その受信データが表す有価価値を予め定める換金レートで換金して、その換金分の貨幣を払い出す。そして、有価価値を換金した旨の信号をホール管理装置5に向けて送信し、この信号を受けたホール管理装置5がメモリに記憶されている精算者に関するデータ(精算者の携帯電話番号、有価価値および暗証コードなど)を消去し、これにより有価価値の精算が達成される。
【0046】
以上のようにこの実施形態では、遊技機2で遊技を行おうとする者が、携帯電話機1をデータ販売機7または台間機9に接続して有価価値を購入すると、この購入した有価価値がホール管理装置5に記憶される。そして、遊技機2で遊技を行う際には、携帯電話機1を台間機9に接続して、ホール管理装置5に記憶されている有価価値を消費して遊技媒体の貸出しを受けるようになっている。したがって、有価価値を予め購入してホール管理装置5に記憶させておけば、現金を持ち合わせていなくても、そのホール管理装置5を備えた遊技場において遊技を行うことができる。
【0047】
そのうえ、有価価値のデータが記録された遊技カードを遊技場に携帯していく必要がないから、この遊技媒体貸出システムを遊技場が導入したことによって、その遊技場で遊技を行う者が所持しなければならないカード類が増えるということはない。さらにまた、たとえ携帯電話機1を落としたとしても、有価価値を購入する際に入力した暗証コードが他人に知られない限りは、ホール管理装置5に記憶されている有価価値を他人に不正使用されることがない。ゆえに、携帯電話機1を落としたときに遊技客が被る損害を少なく抑えることができる。
【0048】
なお、有価価値の購入時または遊技媒体の貸出しを受ける際に、携帯電話機1がホール管理装置5から受信する投入貨幣金額や利用可能金額などの情報は、携帯電話機1のメモリに記憶されるようにしてもよく、こうすることにより、遊技客がいつでも投入貨幣金額や利用可能金額を確認できるようになる。また、遊技媒体の貸出しを受けるために暗証コードを送信したことに応答して、ホール管理装置5から携帯電話機1に、そのホール管理装置5が設置された遊技場の利用履歴(たとえば、以前に遊技場に訪れた日時、そのとき使用した遊技媒体の個数や消費した有価価値の量など)、その他の遊技場に関する情報を送信し、この情報を携帯電話機1のディスプレイに表示させるようにしてもよい。こうすれば、遊技客にとってさらに便利なシステムとなる。
【0049】
さらに、ホール管理装置5から携帯電話機1が受信した遊技場に関する情報は携帯電話機1のメモリに記憶されることが好ましく、その記憶内容は携帯電話機1とホール管理装置5との間で交信が行われる度に書換えまたは追加されることがより好ましい。こうすることにより、遊技客がいつでも最新の遊技場に関する情報を確認できるようになる。また、この第1の実施形態では、携帯電話機1をデータ販売機7、データ精算機8および台間機9に接続すると、携帯電話機1の携帯電話番号が自動的に読み出されるとしたが、たとえば、データ販売機7、データ精算機8および台間機9にテンキーが設けられて、このテンキーを遊技客が操作して携帯電話番号を入力するようにしてもよい。ただし、携帯電話機1から携帯電話番号が自動的に読み出される構成の方が、遊技客の手間を省くことができるから好ましい。
【0050】
さらにまた、上述の第1の実施形態では、携帯電話機1を携帯電話ホルダ91にセットすることにより、携帯電話機1と台間機9(データ販売機7)とが有線接続されるとしたが、携帯電話機1および台間機9(データ販売機7)にそれぞれBluetooth(登録商標)のような無線データ通信用インタフェースが備えられ、携帯電話機1および台間機9間のデータ送受が無線通信により達成されてもよい。また同様に、携帯電話機1とデータ精算機8との間の接続も、Bluetoothのような無線データ通信用インタフェースにより達成されてもよい。また、たとえば、第2の実施形態のように、携帯電話機1にその携帯電話機8の携帯電話番号を記憶した非接触ICメモリを内蔵するとともに、携帯電話ホルダ91に識別情報読取装置を内蔵して、携帯電話機1の携帯電話番号が無線通信により読み出されるようにしてもよい。
【0051】
さらに他の方法で携帯電話機1の携帯電話番号がデータ販売機7、データ精算機8または台間機9に取得されるようにしてもよく、たとえば、携帯電話番号を表すバーコードシールなどが携帯電話機1に貼付されるとともに、データ販売機7、データ精算機8または台間機9にバーコード読み取り装置が備えられて、携帯電話機1に貼付されたバーコードがデータ販売機7、データ精算機8または台間機9に備えられたバーコード読み取り装置により読み取られることにより、携帯電話機1の携帯電話番号がデータ販売機7、データ精算機8または台間機9に取得されてもよい。
【0052】
また、たとえば、データ販売機7または台間機9に貨幣を投入した後、以前に有価価値を購入した際に入力した暗証コードをホール管理装置5に送信することにより、その投入した貨幣金額に相当する有価価値を以前に購入した有価価値の残高に追加してホール管理装置5に記憶させておくことができるようにしてもよい。図7は、この発明の第2の実施形態に係る遊技媒体貸出システムの構成を示すブロック図である。この第2の実施形態に係る遊技媒体貸出システムでは、携帯電話機110を用いて、遊技機120における遊技などで遊技客が獲得した遊技媒体の個数(遊技媒体数)のデータを貯玉データとしてデータ集計管理装置150に記憶させておき、後に、そのデータ集計管理装置150に記憶させた貯玉データを使用して遊技媒体の貸出しを受けることができる。また、この遊技媒体貸出システムでは、有価価値の記録された遊技カードを購入し、その遊技カードに記録されている有価価値の残高内で遊技媒体の貸出しを受けることもできる。そして、遊技カードに記録されている有価価値の残高を精算して、その有価価値の残高に相当する金額の現金の払い戻しを受けることもできる。
【0053】
さらには、第1の実施形態の場合と同様に、携帯電話機110を用いて購入した有価価値を消費して遊技媒体の貸出しを受けることができ、また、携帯電話機110を用いて購入した有価価値のうち、遊技媒体の貸出しを受けた後に残った有価価値を精算できるようにされてもよい。なお、携帯電話機110を用いた有価価値の購入および精算、ならびにその購入した有価価値を消費して行う遊技媒体の貸出しに関する構成については、第1の実施形態で既述した通りであるから、図示および説明を省略する。
【0054】
遊技機120は、遊技機島と呼ばれる単位で遊技場(遊技店)内に配列されている。各遊技機島には、遊技機120と同数の台間機130が、それぞれ遊技機120と一対一に対応づけられて、その対応づけられた遊技機120に隣接して配置されている。台間機120は、遊技客が遊技媒体の貸出しを受けるための遊技媒体貸出装置であって、遊技客によって遊技媒体の貸出しを要求するための操作が行われると、対応する遊技機120に向けて、所定数の遊技媒体の貸出しを指示するための貸出指示信号を出力する。そして、台間機130からの貸出指示信号を受けた遊技機120が、機内に設けられた遊技媒体払出装置から所定数の遊技媒体を払い出すことにより遊技媒体の貸出しが達成される。
【0055】
各遊技機島には、1台の中継装置140が設置されている。各遊技機島の中継装置140は、通信線L1を介して、たとえば遊技場の従業員室に配置されたデータ集計管理装置150と通信可能に接続されている。また、各遊技機島において、すべての台間機130は、通信線L3を介して、その遊技機島に設置されている中継装置140と通信可能に接続されている。これにより、遊技場内のすべての台間機130は、データ集計管理装置150と相互に通信可能に接続されている。
【0056】
遊技場内にはさらに、遊技媒体の一例であるパチンコ玉を計数する玉計数機171と、データ集計管理装置150に記憶されている貯玉データに基づいてパチンコ玉の貸出しを行う貯玉貸出機172と、データ集計管理装置150に記憶されている貯玉データを精算するための貯玉精算機173と、投入金額に相当する有価価値が記録された遊技カードを発行(販売)するカード販売機174と、遊技カードに記録されている有価価値の残高を精算して、その残高に相当する金額の貨幣を払い戻すカード精算機175とが配置されている。玉計数機171、貯玉貸出機172、貯玉精算機173、カード販売機174およびカード精算機175は、通信線L1に接続されていて、データ集計管理装置150との間でデータ通信を行うことができるようになっている。
【0057】
データ集計管理装置150は、たとえば、キースイッチ151(データ集計管理装置150の電源投入スイッチ)、テンキー152(データ集計管理装置150のディスプレイの表示切替(表示情報切替)やデータ集計管理装置150へのデータ入力のためのキー)および図示しないマイクロコンピュータを備えている。このデータ集計管理装置150は、通信線L2を介して、システム全体を統括して管理するシステム管理会社に設置されたシステム管理装置160に接続されている。また、データ集計管理装置150およびシステム管理装置160は、公衆電話回線などを含む通信網Nに接続されている。
【0058】
データ集計管理装置150には、通信線L1を介して、この遊技媒体貸出システムの利用に関するデータ(たとえば、遊技媒体の貸出しに関するデータなど)が送られてくる。データ集計管理装置150は、通信線L1を介して送られてくるデータを集計し、その集計したデータ(利用集計データ)を、通信線L2を介してシステム管理装置160に送信する。システム管理装置160は、各遊技場のデータ集計管理装置150から送られてくる利用集計データを、たとえば、システム管理会社が各遊技場から徴収すべきシステム利用料の算出基準データとして管理する。
【0059】
図8は、遊技機120およびこれに対応づけられた台間機130の構成を図解的に示す正面図である。遊技機120は、たとえば、遊技媒体としてパチンコ球を用いるパチンコ機であり、このパチンコ機の前面には、遊技盤121と、この遊技盤121内に向けて発射されるパチンコ球の勢いを調整するためのハンドル122と、遊技盤121内に向けて発射すべきパチンコ球を貯留しておくための上皿123と、上皿123に貯留しきれないパチンコ球を受けるための下皿124とが配置されている。
【0060】
上皿123には、遊技媒体の貸出しに利用可能な有価価値の残高をたとえば100円を1度数とする度数で表示する度数表示器125と、遊技媒体の貸出しを要求する際に押操作される貸出ボタン126と、遊技機120における遊技を終了する際に押操作されるキャンセルボタン127とが配置されている。なお、これらの度数表示器125、貸出ボタン126およびキャンセルボタン127は、遊技客が操作しやすい場所であれば、上皿123に限らず、遊技機120の前面の上皿123以外の部分に配置してもよいし、台間機130の前面に配置してもよい。
【0061】
遊技機120が設置された遊技機島には、下皿124の下方において、遊技機120の手前側に張り出したテーブル180が設けられている。このテーブル180上には、下皿124の直下に玉箱載置部181が設定されており、遊技機120における遊技の際には、その玉箱載置部181に玉箱(いわゆるドル箱)190を載置しておくようになっている。玉箱190の底面には、玉箱190内のパチンコ玉を落下させるための玉落下口(図示せず)が形成されており、この玉落下口に関連して、レバー191の操作により玉落下口を開閉可能なシャッタ192が設けられている。また、テーブル180には、玉箱載置部181にセットされた玉箱190の玉落下口と対向する位置に玉取込口182が形成されている。玉取込口182は、玉通路183を介して、たとえば遊技機島内に設置されたパーソナル玉計数機184に接続されている。これにより、レバー191を操作して玉箱190の玉落下口を開成すると、玉箱190内のパチンコ玉が玉落下口から落下して玉取込口182に入り、玉通路183を通ってパーソナル玉計数機184に流れ込む。パーソナル玉計数機184では、玉通路183から流れ込むパチンコ玉の個数が計数される。この計数により得られるパチンコ玉の玉数データは、台間機130に送られるようになっている。
【0062】
台間機130の前面の最上部には、紙幣を投入(挿入)可能な紙幣投入口(貨幣投入部)131が配設されている。この紙幣投入口131から紙幣を投入すると、その投入した紙幣金額(合計金額)に相当する有価価値が記録された遊技カードが発行される。台間機130内で発行された遊技カードは、紙幣投入口131の下方に配設されたカード挿入/排出口132から排出され、その手前側の半分程度(遊技客が指で摘める程度)がカード挿入/排出口132から突出した状態で止まるようになっている。そして、その状態の遊技カードをカード挿入/排出口132内に押し込むと、遊技カードに記録されている有価価値が読み取られて、有価価値の範囲内で遊技媒体の貸出しを受けることができる。
【0063】
台間機130の前面最下部には、携帯電話機110をホールドしておくことができる携帯電話ホルダ133が形成されている。この携帯電話ホルダ133は、携帯電話機110からその携帯電話機110の識別情報を読み取る機能を有している。この実施形態では、各遊技客が所持する携帯電話機110に、その携帯電話機8の携帯電話番号(呼出番号)を記憶した非接触ICメモリ111(たとえば、RFID(Radio Frequency Identification)チップ)が内蔵されている。そして、携帯電話ホルダ133には、携帯電話機110が所定の距離範囲内(たとえば、0.5〜30cm)に近づけられた時に、その携帯電話機110に内蔵された非接触ICメモリ111に記憶されている携帯電話番号を非接触で読み取ることができる識別情報読取装置(第1識別情報取得手段)134が備えられている。
【0064】
また、台間機130の前面には、携帯電話ホルダ133とカード挿入/排出口132との間に、パーソナル玉計数機184から送られてくる玉数データが表す玉数を表示する獲得玉数表示器135と、貯玉データをデータ集計管理装置150に記憶させるための処理を開始する際に押操作される貯玉ボタン136とが配設されている。さらに、紙幣投入口131の下方であって、カード挿入/排出口132の上方には、情報表示器137およびテンキー138が配置されている。情報表示器137は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)で構成されている。
【0065】
なお、図8には、遊技客に貸し出すパチンコ玉を遊技機120に内蔵されたパチンコ玉払出装置から払い出させる構成の台間機130が示されているが、台間機130にパチンコ玉払出装置が備えられて、遊技客に貸し出すパチンコ玉を台間機130のパチンコ玉払出装置から払い出させるようにしてもよい。この場合、台間機130の正面には、台間機130のパチンコ玉払出装置から払い出されるパチンコ玉を遊技機120の上皿123に導くためのノズルが設けられることが好ましい。このようなノズルが設けられていると、台間機130のパチンコ玉払出装置から払い出されるパチンコ玉を遊技客が手で受けて上皿123に投入する必要がなく、遊技客にとって便利である。
【0066】
図9は、玉計数機171の構成を示す図である。玉計数機171は、たとえば、遊技場内の景品交換カウンタの近傍に設置されており、その上面には、玉箱190を嵌め込み可能な嵌込凹部201が形成されている。玉計数機171の上面にはまた、嵌込凹部201の奥側に、この玉計数機171により計数されたパチンコ玉の玉数などの情報を表示するための情報表示器202と、貯玉データをデータ集計管理装置150に記憶させるための処理を開始する際に押操作される貯玉ボタン203と、携帯電話機110をホールド可能な携帯電話ホルダ204とが配設されている。
【0067】
玉箱190を嵌込凹部201にセットすると、玉箱190のシャッタ192が自動的に開成されて、玉箱190内のパチンコ玉が玉計数機171内に流れ込む。パチンコ玉が玉計数機171内に流れ込むと、その流れ込んだパチンコ玉の玉数が計数され、その計数されたパチンコ玉数が情報表示器202に表示されるようになっている。携帯電話ホルダ204は、台間機130に備えられた携帯電話ホルダ133と同様な構成であり、携帯電話機110がセットされると、その携帯電話機110に内蔵された非接触ICメモリから携帯電話番号を非接触で読み取ることができる識別情報読取装置を備えている。
【0068】
なお、この実施形態では、携帯電話ホルダ204が玉計数機171の上面に一体的に配設された構成を例にとっているが、携帯電話ホルダ204は、玉計数機171とは別に設けられて、玉計数機171と通信線を介して通信可能に接続されていてもよい。図10は、携帯電話機110の携帯電話番号および暗証番号をデータ集計管理装置150に登録する際のデータの流れを示す図である。貯玉データをデータ集計管理装置150に記憶させるためには、遊技客は、自分が所有する携帯電話機110の電話番号および暗証番号をデータ集計管理装置150に予め登録しておかなければならない。なお、この遊技媒体貸出システムが携帯電話機110を用いて有価価値を購入できるように構成されており、遊技客が以前に携帯電話機110を用いて有価価値を購入している場合には、データ集計管理装置150に携帯電話機110の携帯電話番号および暗証コード(暗証番号)が既に登録されているので、以下に説明するような携帯電話機110の携帯電話番号および暗証番号を登録するための操作を行う必要はない。
【0069】
携帯電話機110の携帯電話番号および暗証番号の登録に際して、遊技者は、携帯電話機110の携帯電話番号を非接触で読み取ることができる識別情報読取装置(第2識別情報読取手段)を備えた機器(遊技場内機器)の所へ行く。識別情報読取装置(第2識別情報読取手段)は、台間機130(の携帯電話ホルダ133)および玉計数機171(の携帯電話ホルダ204)の他にも、貯玉貸出機172および貯玉精算機173に備えられている。識別情報読取装置(第2識別情報読取手段)を備えた機器は、情報表示器およびテンキーを有している。各機器の情報表示器には、その機器ごとに設定されたメニュー画面が初期画面として設定されている。メニュー画面では、複数の選択項目と各選択項目に付された数字とが表示されていて(1.初期画面表示)、テンキーから数字を入力することにより、その数字に対応した選択項目を選択することができるようになっている。ここでは、メニュー画面の「電話機登録」に付された数字をテンキーから入力する(2.「電話機登録」選択)。
【0070】
「電話機登録」に付された数字が入力されたことに応答して、識別情報読取装置を備えた機器では、携帯電話機110の携帯電話番号および暗証番号の登録のための処理が開始される。まず、識別情報読取装置が、携帯電話機110から携帯電話番号を読み取り可能な状態にされる。したがって、この後に、遊技客が携帯電話機110を識別情報読取装置に近づけると、その携帯電話機110の携帯電話番号が識別情報読取装置によって読み取られる(3.電話番号読み取り)。
【0071】
識別情報読取装置によって読み取られた携帯電話番号は、その識別情報読取装置を備えた機器からデータ集計管理装置150に送信されて(4.電話番号送信)、データ集計管理装置150に備えられたメモリ(マイクロコンピュータの内蔵メモリ)に格納される。また、携帯電話番号をデータ集計管理装置150が受信すると、データ集計管理装置150からその受信した携帯電話番号の携帯電話機110に向けて、暗証番号の送信を要求する画面を構成するデータが送信される(5.暗証番号送信要求)。このデータを携帯電話機110が受信すると、暗証番号の送信を要求する画面が携帯電話機110のディスプレイに自動的に表示される(6.暗証番号登録要求表示)。
【0072】
携帯電話機110のディスプレイに表示された暗証番号送信要求画面を見た遊技客は、携帯電話機110の入力キーを操作して、複数個の数字や文字を組み合わせて任意に決定した暗証番号を入力し、その入力した暗証番号を携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて送信するための操作を行う。この操作に応答して、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて、遊技者が入力した暗証番号が送信される(7.暗証番号送信)。データ集計管理装置150が携帯電話機110から暗証番号を受信すると、その暗証番号が、送信元の携帯電話機110の携帯電話番号に対応づけられて、データ集計管理装置150のメモリに格納される。これにより、データ集計管理装置150への携帯電話番号および暗証番号の登録が達成される(8.暗証番号の登録)。
【0073】
こうして携帯電話番号および暗証番号が登録されると、データ集計管理装置150から登録の対象である携帯電話機110に向けて、携帯電話番号および暗証番号の登録が完了した旨の信号が送信される(9.登録完了通知)。そして、この信号を携帯電話機110が受信すると、携帯電話機110のディスプレイに携帯電話番号および暗証番号の登録が完了した旨が表示されて(10.登録完了表示)、携帯電話番号および暗証番号の登録が完了する。
【0074】
図11は、遊技客が獲得したパチンコ玉の玉数を表すデータ(獲得玉数データ)を貯玉データとしてデータ集計管理装置150に記憶させる際のデータの流れを示す図である。獲得玉数データを貯玉データとしてデータ集計管理装置150に記憶させる際には、その獲得したパチンコ玉(獲得玉)が入った玉箱190を、テーブル180上の玉箱載置部181にセットするか、または、玉計数機171にセットする。
【0075】
玉箱190を玉箱載置部181にセットした場合、玉箱190のレバー191を操作して、玉箱190内の獲得玉をパーソナル玉計数機184に向けて流す。すると、パーソナル玉計数機184に流れ込んだ獲得玉の玉数が計数され、その計数結果を表す獲得玉数データが台間機130に送られる。そして、その獲得玉数データに基づいて、台間機130に配設されている獲得玉数表示器135に獲得玉の数が表示される(1.獲得玉数表示)。この後、遊技客は、台間機130の携帯電話ホルダ133に自分の携帯電話機110をセットして、台間機130に配設されている貯玉ボタン136を押操作する(2.貯玉ボタン押操作)。この貯玉ボタン136の押操作に応答して、携帯電話機110の携帯電話番号が携帯電話ホルダ133に内蔵されている識別情報読取装置134に読み取られ(3.電話番号読み取り)、その読み取られた携帯電話番号とともに獲得玉数データが台間機130からデータ集計管理装置150に送信される(4.電話番号および獲得玉数データ送信)。
【0076】
一方、玉箱190が玉計数機171にセットされた場合、玉箱190のシャッタ192が自動的に開成されて、玉箱190内の獲得玉が玉計数機171内に自動的に流れ込む。そして、その流れ込んだ獲得玉の玉数が計数され、その計数された獲得玉数が情報表示器202に表示される(1.獲得玉数表示)。この後、遊技客は、玉計数機171の携帯電話ホルダ204に自分の携帯電話機110をセットして、玉計数機171に配設されている貯玉ボタン203を押操作する(2.貯玉ボタン押操作)。この貯玉ボタン203の押操作に応答して、携帯電話機110の携帯電話番号が携帯電話ホルダ204に内蔵されている識別情報読取装置に読み取られ(3.電話番号読み取り)、その読み取られた携帯電話番号とともに獲得玉数を表す獲得玉数データが玉計数機171からデータ集計管理装置150に送信される(4.電話番号および獲得玉数データ送信)。
【0077】
携帯電話番号および獲得玉数データを受信したデータ集計管理装置150では、その受信した携帯電話番号が登録(データ集計管理装置150内のメモリに記憶)されているかどうかが確認される(5.電話番号登録有無チェック)。そして、携帯電話番号が登録されている場合には、その携帯電話番号の携帯電話機110に向けて、パーソナル玉計数機184または玉計数機171で計数された獲得玉数を携帯電話機110のディスプレイに表示させるためのデータ、および暗証番号の送信を要求する画面を携帯電話機110のディスプレイに表示させるためのデータが送信される。さらに、携帯電話番号に関連づけて貯玉データがメモリにすでに記憶されている場合には、その貯玉データが表す貯玉数(既登録玉数)を携帯電話機110のディスプレイに表示させるためのデータが送信される(6.暗証番号送信要求、獲得玉数、既登録玉数表示データ送信)。これらのデータを携帯電話機110が受信すると、その受信データに基づく画面が携帯電話機110のディスプレイに自動的に表示される(7.暗証番号入力要求、獲得玉数、既登録玉数表示画面表示)。
【0078】
携帯電話機110のディスプレイの表示を確認した遊技客は、携帯電話機110の入力キーを操作して、携帯電話機110の携帯電話番号とともに登録した暗証番号を入力し、その入力した暗証番号を携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて送信するための操作を行う。この操作に応答して、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて、遊技者が入力した暗証番号が送信される(8.暗証番号送信)。データ集計管理装置150が携帯電話機110から暗証番号を受信すると、その携帯電話機110の携帯電話番号と受信した暗証番号との対応が照合される。その結果、暗証番号が正しければ、パーソナル玉計数機184または玉計数機171から受信した獲得玉数データが、貯玉データとされて、獲得玉数データとともに受信した携帯電話番号に関連づけられてメモリに記憶される。また、携帯電話番号に関連づけて貯玉データがメモリにすでに記憶されている場合には、その貯玉データの表す貯玉数にパーソナル玉計数機184または玉計数機171から受信した獲得玉数データの表す獲得玉数を加算して得られる玉数のデータが新たな貯玉データとされて、獲得玉数データとともに受信した携帯電話番号に関連づけられてメモリに記憶される(9.貯玉データ記憶)。
【0079】
こうして貯玉データがデータ集計管理装置150のメモリに記憶されると、データ集計管理装置150から携帯電話機110に向けて、貯玉データの記憶が完了した旨および新たに記憶された貯玉データが表す貯玉数を携帯電話機110のディスプレイに表示させるためのデータが送信される(10.貯玉データ記憶完了、貯玉数表示データ送信)。そして、このデータを携帯電話機110が受信すると、携帯電話機110のディスプレイに、貯玉データの記憶が完了した旨および新たに記憶された貯玉データが表す貯玉数が表示される(11.貯玉数表示)。
【0080】
また、データ集計管理装置150から獲得玉数データの送信元である台間機130または玉計数機171に向けて、貯玉データの記憶が完了した旨の信号が送信される(10'.貯玉データ記憶完了通知)。そして、この信号を台間機130または玉計数機171が受信すると、獲得玉数表示器135または情報表示器202の表示が零にクリアされる(11'.獲得玉数表示更新)。なお、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に送信された暗証番号が正しくない場合には、上述の「9.貯玉データ記憶」以降の処理は行われずに、データ集計管理装置150から携帯電話機110に向けて、暗証番号の再送信を要求する画面を携帯電話機110のディスプレイに表示させるのに必要なデータが送信されるか、または、暗証番号が正しくない旨のエラーメッセージを携帯電話機110のディスプレイに表示させるのに必要なデータが送信されることが好ましい。
【0081】
また、台間機130または玉計数機171から受信した携帯電話番号がデータ集計管理装置150に登録されていない場合には、データ集計管理装置150から携帯電話機110に向けて、暗証番号の送信を要求する画面を携帯電話機110のディスプレイに表示させるためのデータを送信し、携帯電話機110のディスプレイに表示された暗証番号送信要求画面を見た遊技客が、携帯電話機110の入力キーを操作して、複数個の数字や文字を組み合わせて任意に決定した暗証番号を入力し、その入力した暗証番号を携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて送信した場合に、パーソナル玉計数機184または玉計数機171から受信した獲得玉数データを貯玉データとして、携帯電話番号に関連づけてメモリに記憶させるようにしてもよい。
【0082】
図12は、貯玉データをパチンコ玉に変換する際のデータの流れを示す図である。貯玉データのパチンコ玉への変換は、台間機130または貯玉貸出機172で行うことができる。なお、以下では、台間機130において貯玉データをパチンコ玉に変換する場合を例にとって説明するが、貯玉貸出機172において貯玉データをパチンコ玉に変換する際にも同様な操作および処理が行われる。台間機130において貯玉データをパチンコ玉に変換する際には、遊技客は、まず、台間機130の情報表示器137に初期画面が表示されていることを確認する(1.初期画面表示)。そして、台間機130の情報表示器137に初期画面が表示されていれば、遊技者は、自分の携帯電話機110を携帯電話ホルダ133にセットする。携帯電話ホルダ133に携帯電話機110がセットされると、携帯電話ホルダ133に内蔵されている識別情報読取装置134により、携帯電話機110の携帯電話番号が読み取られる(2.電話番号読み取り)。
【0083】
識別情報読取装置134によって読み取られた携帯電話番号は、台間機130からデータ集計管理装置150に送信される(3.電話番号送信)。携帯電話番号を受信したデータ集計管理装置150では、その受信した携帯電話番号が登録(データ集計管理装置150内のメモリに記憶)されているかどうかが確認される(4.登録データと電話番号照合)。携帯電話番号が登録されている場合は、データ集計管理装置150から台間機130に向けて、携帯電話番号が登録されている旨の信号、および、その携帯電話番号に関連づけて登録されている貯玉データが表す貯玉数を台間機130の情報表示器137に表示させるためのデータが送信される(5.照合結果、貯玉数表示データ送信)。これらのデータを台間機130が受信すると、携帯電話番号がデータ集計管理装置150に登録されている旨および貯玉数が情報表示器137に表示される(6.貯玉数表示)。
【0084】
また、情報表示器137の表示画面には、貯玉数とともに「再プレイ」および「キャンセル」などの複数の選択項目が表示される。これらの選択項目には、互いに異なる数字が付されており、貯玉データをパチンコ玉に変換するためには、遊技客は、「再プレ−」に付された数字を台間機130のテンキー138から入力する(7.「再プレ−」選択)。一方、携帯電話番号が登録されていない場合には、データ集計管理装置150から台間機130に向けて、その携帯電話番号が登録されていない旨を台間機130の情報表示器137に表示させるためのデータが送信される。このデータを台間機130が受信すると、携帯電話番号が登録されていない旨が台間機130の情報表示器137に表示される。この場合、遊技客は、図10を参照して説明した携帯電話機110の携帯電話番号および暗証番号を登録するための操作を行う。
【0085】
「再プレイ」に付された数字が入力されたことに応答して、台間に130からデータ集計管理装置150に向けて、貯玉データをパチンコ玉に変換するための処理を行う旨の信号が送信される(8.玉貸要求)。この信号をデータ集計管理装置150が受信すると、データ集計管理装置150から携帯電話番号が読み取られた携帯電話機110に向けて、暗証番号の送信を要求する画面を構成するデータが送信される(9.暗証番号送信要求)。そして、このデータを携帯電話機110が受信すると、暗証番号の送信を要求する画面が携帯電話機110のディスプレイに自動的に表示される(10.暗証番号送信要求表示)。
【0086】
携帯電話機110のディスプレイの表示を確認した遊技客は、携帯電話機110の入力キーを操作して、携帯電話機110の携帯電話番号とともに登録した暗証番号を入力し、その入力した暗証番号を携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて送信するための操作を行う。この操作に応答して、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて、遊技者が入力した暗証番号が送信される(11.暗証番号送信)。データ集計管理装置150が携帯電話機110から暗証番号を受信すると、その携帯電話機110の携帯電話番号と受信した暗証番号との対応が照合される(12.暗証番号照合)。
【0087】
暗証番号が正しければ、データ集計管理装置150から台間機130に向けて、正しい暗証番号が携帯電話機110から入力された旨の信号が送信される(13.照合結果送信)。この信号を台間機130が受信すると、台間機130からその台間機130に対応づけられた遊技機120に向けて玉貸要求信号が送信される(14.玉貸要求信号送信)。この玉貸要求信号を受けて、遊技機120では、遊技機120内のパチンコ玉払出装置から上皿123に所定数のパチンコ玉が排出される(15.遊技媒体貸出)。そして、パチンコ玉の排出が完了すると、遊技機120から台間機130に向けて玉貸しが完了した旨の信号(玉貸完了信号)が送信され(16.玉貸完了信号送信)、この信号を受けた台間機130では、情報表示器137に表示されている貯玉数が上記所定数だけ減算して得られる値に更新される(17.貯玉数表示更新)。
【0088】
この後、台間機130からデータ集計管理装置150に向けて、貯玉データのパチンコ玉への変換処理が完了した旨の信号が送信される(18.玉貸完了通知)。そして、データ集計管理装置150では、その信号を受信したことに応答して、メモリに記憶されている貯玉データが元の貯玉数から上記所定数だけ減じて得られる玉数を表すデータに更新される(19.貯玉データ更新)。なお、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に送信された暗証番号が正しくない場合には、データ集計管理装置150から台間機130または携帯電話機110に向けて、暗証番号の再送信を要求する画面を台間機130の情報表示器137もしくは携帯電話機110のディスプレイに表示させるのに必要なデータが送信されるか、または、暗証番号が正しくない旨のエラーメッセージを台間機130の情報表示器137もしくは携帯電話機110のディスプレイに表示させるのに必要なデータが送信されることが好ましい。
【0089】
図13は、貯玉データを精算する際のデータの流れを示す図である。この実施形態では、遊技場内に配設された貯玉精算機173において貯玉データを精算して、その精算した球数(精算玉数)に応じた景品と交換することができるようになっている。貯玉データの精算に際して、遊技客は、貯玉精算機173の所に行き、貯玉精算機173の情報表示器に初期画面が表示されていることを確認する(1.初期画面表示)。そして、貯玉精算機173の情報表示器に初期画面が表示されていれば、貯玉精算機173に備えられている識別情報読取装置に自分の携帯電話機110を近づける。
【0090】
識別情報読取装置に携帯電話機110が近づけられると、その携帯電話機110の携帯電話番号が識別情報読取装置によって読み取られ(2.電話番号読み取り)、その読み取られた携帯電話番号が貯玉精算機173からデータ集計管理装置150に送信される(3.電話番号送信)。貯玉精算機173から携帯電話番号を受信したデータ集計管理装置150では、その受信した携帯電話番号が登録されているかどうかが確認される(4.登録データと電話番号照合)。携帯電話番号が登録されている場合には、データ集計管理装置150から貯玉精算機173に向けて、携帯電話番号が登録されている旨の信号、および、その携帯電話番号に関連づけて登録されている貯玉データが表す貯玉数を貯玉精算機173の情報表示器に表示させるためのデータが送信される(5.照合結果、貯玉数表示データ送信)。これらのデータを貯玉精算機173が受信すると、貯玉精算機173の情報表示器に貯玉数が表示される(6.貯玉数表示)。
【0091】
貯玉精算機173の情報表示器に表示された貯玉数を確認した遊技客は、たとえば、貯玉精算機173に備えられているテンキー(図示せず)を操作して、情報表示器に表示された貯玉数の範囲内で精算すべき玉数(精算玉数)を入力する(7.精算玉数入力)。精算玉数が入力されると、貯玉精算機173からデータ集計管理装置150に向けて、その入力された精算玉数のデータが送信される(8.精算玉数データ送信)。精算玉数データをデータ集計管理装置150が受信すると、データ集計管理装置150から携帯電話番号が読み取られた携帯電話機110に向けて、暗証番号の送信を要求する画面を携帯電話機110のディスプレイに表示させるためのデータが送信される(9.暗証番号送信要求)。このデータを携帯電話機110が受信すると、携帯電話機110のディスプレイに、暗証番号の入力を要求する画面が表示される(10.暗証番号送信要求表示)。
【0092】
携帯電話機110のディスプレイの表示を確認した遊技客は、携帯電話機110の入力キーを操作して、携帯電話機110の携帯電話番号とともに登録した暗証番号を入力し、その入力した暗証番号を携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて送信するための操作を行う。この操作に応答して、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて、遊技者が入力した暗証番号が送信される(11.暗証番号送信)。データ集計管理装置150が携帯電話機110から暗証番号を受信すると、その携帯電話機110の携帯電話番号と受信した暗証番号との対応が照合される(12.暗証番号照合)。その結果、暗証番号が正しければ、データ集計管理装置150から貯玉精算機173に向けて、正しい暗証番号が携帯電話機110から入力された旨の信号が送信される(13.照合結果送信)。
【0093】
これを受けて、貯玉精算機173では、精算玉数を記録したレシートが発行されるとともに(14.精算玉数レシート発行)、情報表示器の表示が貯玉数から精算玉数を減算して得られる値に更新される(15.貯玉数表示更新)。遊技客は、貯玉精算機173で発行されたレシートを遊技場内に設けられた景品交換カウンタに持っていけば、そのレシートに記録されている精算玉数の範囲内で所望の景品を手に入れることができる。
【0094】
この後、貯玉精算機173からデータ集計管理装置150に向けて、貯玉データの精算処理が完了した旨の信号が送信される(16.精算完了通知)。そして、データ集計管理装置150では、その信号を受信したことに応答して、メモリに記憶されている貯玉データが元の貯玉数から精算された玉数だけ減じて得られる玉数を表すデータに更新される(17.貯玉データ更新)。なお、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に送信された暗証番号が正しくない場合には、データ集計管理装置150から貯玉精算機173または携帯電話機110に向けて、暗証番号の再送信を要求する画面を貯玉精算機173の情報表示器もしくは携帯電話機110のディスプレイに表示させるのに必要なデータが送信されるか、または、暗証番号が正しくない旨のエラーメッセージを貯玉精算機173の情報表示器もしくは携帯電話機110のディスプレイに表示させるのに必要なデータが送信されることが好ましい。
【0095】
図14は、携帯電話機110で貯玉数を確認する際のデータの流れを示す図である。貯玉数の確認に際して、遊技客は、自分の携帯電話機110からデータ集計管理装置150にアクセスし、その携帯電話機110の携帯電話番号をデータ集計管理装置150に送信する。携帯電話機110からデータ集計管理装置150へのアクセスおよび携帯電話番号の送信は、たとえば、携帯電話機110の発信者番号通知機能をオンにして、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に設定されたサービス電話番号に電話をかけることによって達成されてもよい。また、遊技店がホームページを開設し、そのホームページ上で遊技客に種々のサービスを提供している場合には、そのホームページに携帯電話機110からアクセスし、そのホームページに設けられた携帯電話番号入力欄に携帯電話番号を入力することにより達成されてもよい。
【0096】
データ集計管理装置150が携帯電話機110からアクセスを受けると、そのアクセスしてきた携帯電話機110に向けて、データ集計管理装置150から予め定めるメニュー画面を構成するデータが送信される(選択メニューデータ送信)。このメニュー画面を構成するデータを携帯電話機110が受信すると、その受信したデータに基づくメニュー画面が携帯電話機110のディスプレイに自動的に表示される。メニュー画面には、遊技客が受けることができる複数のサービス選択項目が含まれており、このメニュー画面を確認した遊技客は、携帯電話機110の入力キーを操作して、携帯電話機110のディスプレイに表示されたメニュー画面上で「貯玉数確認」の項目を選択する。
【0097】
メニュー画面上で「貯玉数確認」が選択されると、その旨の信号が携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて送信される(貯玉数確認要求信号送信)。この携帯電話機110からの信号をデータ集計管理装置150が受信すると、これに応答して、データ集計管理装置150から携帯電話機110に向けて、暗証番号の入力を要求する画面を構成するデータが送信される。そして、この暗証番号要求画面のデータを携帯電話機110が受信すると、携帯電話機110のディスプレイに暗証番号の入力を要求する画面が表示される。
【0098】
携帯電話機110のディスプレイの表示を確認した遊技客は、携帯電話機110の入力キーを操作して、携帯電話機110の携帯電話番号とともに登録した暗証番号を入力し、その入力した暗証番号を携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて送信するための操作を行う。この操作に応答して、携帯電話機110からデータ集計管理装置150に向けて、遊技者が入力した暗証番号が送信される。
【0099】
データ集計管理装置150が携帯電話機110から暗証番号を受信すると、その携帯電話機110の携帯電話番号と受信した暗証番号との対応が照合される。その結果、暗証番号が正しければ、アクセスしてきた携帯電話機110の携帯電話番号に関連づけて登録されている貯玉データが表す貯玉数を表示する画面を構成するデータが、データ集計管理装置150から携帯電話機110に向けて送信される(貯玉数送信)。この画面データを携帯電話機110が受信すると、携帯電話機110のディスプレイに貯玉数が表示される。
【0100】
なお、メニュー画面で表示されるサービス選択項目には、「貯玉数確認」の他に、たとえば、携帯電話機110の携帯電話番号が登録されてからの貯玉数の推移を確認するための項目「貯玉数推移確認」や、貯玉を景品に交換する際の換算価値(レート)などを確認するための項目「景品換算価値確認」などが含まれている。また、貯玉数の確認だけであれば、暗証番号の送信要求および入力が省略されてもよい。
【0101】
以上のように、この第2の実施形態によれば、遊技機120における遊技などで遊技客が獲得したパチンコ玉(獲得玉)の個数のデータを貯玉データとしてデータ集計管理装置150に登録しておき、後に、そのデータ集計管理装置150に登録した貯玉データを使用してパチンコ玉の貸出しを受けることができる。そして、データ集計管理装置150への貯玉データの登録やその貯玉データを使用したパチンコ玉の貸出しは、遊技客が所有する携帯電話機110を用いて行うことができる。したがって、従来の遊技媒体貸出システムとは異なり、有価価値のデータや貯玉データが記録された遊技カードを携帯する必要がないから、この遊技媒体貸出システムを遊技場に導入したことによって、その遊技場で遊技を行う者が所持しなければならないカード類が増えることはない。
【0102】
また、暗証番号が設定されているので、携帯電話機110の携帯電話番号とともに登録した暗証番号が他人に知られない限りは、データ集計管理装置150に登録した貯玉データがパチンコ玉の貸出しなどに無断で使用されるおそれがない。よって、暗証番号が設定されていることにより、携帯電話機110を落とした場合などに遊技客が被る損害を少なく抑えることができる。なお、この実施形態では、台間機130(の携帯電話ホルダ133)および玉計数機171(の携帯電話ホルダ204)、貯玉貸出機172および貯玉精算機173に識別情報読取装置が備えられて、この識別情報読取装置によって携帯電話機110の携帯電話番号が読み取られるとしたが、たとえば、台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173にデータ通信接続端子を配設され、このデータ通信接続端子と携帯電話機110のデータ通信端子とがコードで接続されて、携帯電話機110から台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173に携帯電話番号が読み出されるようにしてもよい。
【0103】
また、携帯電話機110、台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173にそれぞれBluetoothのような無線データ通信用インタフェースが備えられて、無線通信により、携帯電話機110から台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173に携帯電話番号が送信されるようにしてもよい。さらに他の方法で携帯電話機110の携帯電話番号が台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173に取得されるようにしてもよい。たとえば、携帯電話番号を表すバーコードシールなどが携帯電話機110に貼付されるとともに、台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173にバーコード読み取り装置が備えられて、携帯電話機110に貼付されたバーコードが台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173に備えられたバーコード読み取り装置により読み取られることにより、携帯電話機110の携帯電話番号が台間機130、玉計数機171、貯玉貸出機172および貯玉精算機173に取得されるようにしてもよい。
【0104】
また、携帯電話機110およびデータ集計管理装置150にそれぞれBluetoothのような無線データ通信用インタフェースが備えられて、携帯電話機110を所持した遊技客が遊技場内に居る時には、無線データ通信用インタフェースを介して、携帯電話機110およびデータ集計管理装置150間の通信が行われるようにしてもよい。以上、この発明の2つの実施形態について説明したが、この発明は、上述の実施形態以外の形態で実施することもできる。たとえば、上述の各実施形態では、遊技場に1台の管理装置(ホール管理装置5またはデータ集計管理装置150)が設置されている例を取り上げたが、遊技場に複数の管理装置が設置されてもよい。たとえば、パチンコ機およびこれに対応づけられた台間機などを管理するための管理装置と、パチスロ機およびこれに対応づけられた台間機などを管理するための管理装置とが別々に設けられることにより、複数台の管理装置が遊技場に設置されてもよい。
【0105】
また、上述の各実施形態では、携帯電話機1,110の識別情報として携帯電話番号を例にとったが、携帯電話機1,110に固有のIDコードが識別情報とされてもよい。この場合、管理装置(ホール管理装置5またはデータ集計管理装置150)のメモリには、携帯電話機1,110に固有のIDコードに対応づけて有価価値や貯玉データが登録されることになる。さらに、上述の各実施形態では、貸し出された遊技媒体が遊技機2,120において実際に払い出されるとしたが、遊技機2,120内に預けられている遊技媒体の数量を所定数だけ増加させて、実際には遊技媒体が払い出されないようにしてもよい。
【0106】
さらには、上述の各実施形態では、管理装置(ホール管理装置5またはデータ集計管理装置150)に携帯電話番号、暗証コードおよび有価価値または貯玉データが記憶されるとしたが、これらのデータはシステム管理会社に設置された管理装置(センタ管理装置6またはシステム管理装置160)に記憶されてもよい。この場合、遊技場ごとにデータ管理が行われて、有価価値を購入した遊技場でしか、その有価価値を消費して遊技媒体の貸出しを受けることができないようにしてもよいし、或る遊技場で購入した有価価値を別の遊技場で消費して遊技媒体の貸出しを受けることができるようにしてもよい。
【0107】
また、携帯通信機の一例として携帯電話機を取り上げたが、携帯通信機は、携帯電話機に限らず、たとえば、PDA(Personal Digital Assistant)であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 携帯電話機(携帯通信機)
5 ホール管理装置(管理装置)
6 センタ管理装置
7 データ販売機
8 データ精算機
9 台間機(遊技媒体貸出装置)
93 貨幣挿入口(貨幣投入部)
110 携帯電話機(携帯通信機)
111 非接触ICメモリ
120 遊技機
130 台間機(遊技媒体貸出装置)
131 紙幣投入口(貨幣投入部)
134 識別情報読取装置(第1識別情報取得手段)
150 データ集計管理装置(管理装置)
160 システム管理装置
171 玉計数機
172 貯玉貸出機
173 貯玉精算機
184 パーソナル玉計数機
S5 台間機制御基板(暗証コード取得手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応付けて設けられ、遊技者によって預け入れられた貯遊技媒体の貸与処理を行う貯遊技媒体処理装置と、
前記貯遊技媒体処理装置と通信可能に接続される貯遊技媒体管理装置と、
を備える貯遊技媒体処理システムであって、
前記貯遊技媒体管理装置は、
予め登録された遊技客が所持する遊技客識別媒体を識別する識別情報に対応付けて前記貯遊技媒体の数を特定する貯遊技媒体数情報および前記遊技客を認証するために登録される登録認証情報を管理する貯遊技媒体数管理手段を備え、
前記貯遊技媒体処理装置は、
前記遊技客識別媒体を受け付ける識別媒体受付手段と、
前記識別媒体受付手段にて受け付けた前記遊技客識別媒体から前記識別情報を読取る読取手段と、
前記読取手段にて読取られた前記識別情報に対応付けられている前記貯遊技媒体数情報を前記貯遊技媒体管理装置から取得して、当該貯遊技媒体数情報に関する表示を行う表示制御手段と、
遊技客による前記貯遊技媒体の貸与要求のための操作を受け付ける貸与要求操作受付手段と、
前記貸与要求に基づいて前記貯遊技媒体の貸与処理を行う貸与処理手段と、
を備え、
前記貸与要求操作受付手段への操作を受け付けたことを条件として、遊技客による所定の認証情報の入力を要求する認証情報要求手段を有し、
前記貸与処理手段は、前記認証情報要求手段の要求に対応して入力された認証情報と、前記登録認証情報との対応関係が正当であることを条件として前記貯遊技媒体の貸与処理を行うことを特徴とする貯遊技媒体処理システム。
【請求項2】
前記貸与処理手段は、
前記貸与要求操作に応答して所定数の遊技媒体の投出を前記遊技機に指示することにより、前記貯遊技媒体の貸与処理を行う機能を有することを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体処理システム。
【請求項3】
前記貸与処理手段は、
前記貸与要求操作に応答して前記遊技機の記憶手段に記憶される遊技媒体の数量を所定数増加させる更新処理を行う機能を有することを特徴とする請求項1記載の貯遊技媒体処理システム。
【請求項4】
前記識別媒体受付手段は、遊技客が所持する携帯端末を受け付けるものであって、
前記読取手段は、前記携帯端末に固有の携帯端末識別情報を前記識別情報として読取るものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の貯遊技媒体処理システム。
【請求項5】
前記貯遊技媒体処理装置は、
遊技客による前記貯遊技媒体の預入要求のための操作を受け付ける預入要求操作受付手段をさらに備え、
前記識別媒体受付手段にて前記遊技客識別媒体を受け付け、なおかつ前記預入要求操作受付手段にて操作を受け付けたことを条件として、遊技媒体の数量を特定可能な情報を前記貯遊技媒体管理装置に送信し、
前記貯遊技媒体管理装置は、前記遊技客識別媒体により特定される識別情報と、前記情報により特定される遊技媒体の数量を貯遊技媒体として対応付けて更新記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の貯遊技媒体処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−48954(P2013−48954A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−270613(P2012−270613)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2010−140669(P2010−140669)の分割
【原出願日】平成13年6月28日(2001.6.28)
【出願人】(501341646)クリエイションカード株式会社 (23)
【Fターム(参考)】