説明

質量分析計のためのイオン化セル、および対応する漏れ検出器

本発明は、第1および第2の電子入力溝(11、26)を備えるイオン化筐体(10)であって、イオン化筐体(10)の一側面(16)がイオン化粒子(14a、14b、14c)を通過させるための出力溝(15)を有する、イオン化筐体(10)と、前記第1の電子入力溝(11)に対向して設置され、電子ビーム(12)を生成するために供給されるように意図された、第1の作動フィラメント(13)と、前記第2の電子入力溝(26)に対向して設置され、第1の作動フィラメント(13)が故障した場合に、電子ビームを生成するために供給されるように意図された、第2の予備フィラメント(22)とを備え、前記入力溝(26)が、前記第1の入力溝(11)に対向して配置された前面領域(F)の外に設置される、質量分析計(2)のためのイオン化セルに関する。また、本発明は、そのような上で説明されたイオン化セルを備える、質量分析計を有する漏れ検出器に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析計のためのイオン化セル(ionization cell)に関する。詳細には、本発明は、加熱された電気フィラメントが電子を放射する質量分析計に適用可能である。また、本発明は、イオン化セルを備える漏れ検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析計では、試料に電子束を当て、次いで、こうして得られたイオン化粒子(ionized particle)を運動させ、それらを、次いで、例えばそれらの軌跡に応じて識別することによって、気体試料が分析される。漏れ検出器の質量分析計は、ヘリウムなどのトレーサガスをこのように測定し、定量化する。
【0003】
質量分析計は、例えば、イオン化ケージ(ionization cage)および電子を放射する加熱電気フィラメント(heating electric filament)を含むイオン化セルを備える。分析されるべき気体の分子が電子ビームを当てられ、分析されるべき気体の分子の大部分が、イオン化粒子に変換される。次いで、これらのイオン化粒子は、電場によって加速される。次いで、イオン化粒子は、イオン化粒子の軌跡をそれらの質量に応じて変える性質を有する磁場を含む区域に到達する。トレーサガスのイオン化粒子の流れは装置内の気体の分圧に比例し、その測定によって、検出される漏れの流量値を知ることができる。
【0004】
質量分析計の動作をより高信頼にするために、いくつかのイオン化セルは、2つのフィラメントを含む。作動用の第1のフィラメント(working first filament)は、電子ビームを生成するために給電され、予備用の第2のフィラメント(backup second filament)は、作動用の第1のフィラメントが故障した場合に給電されるように意図されている。
【0005】
しかし、予備用の第2のフィラメントが動作可能になり、トレーサガスの量を表す、安定した再現可能な測定が可能になるために必要な待ち時間が、過度に長くなる(最大2時間に至る待機が必要でありうる)ことを示し得ることが、観測されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、故障した作動用の第1のフィラメントから予備用の第2のフィラメントに移行するときに、イオン化セルが再び動作可能になるのに必要な待ち時間を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の1つの主題は、下記項目:
− 第1および第2の電子入射スリット(entrance slit)を備えるイオン化ケージであって、イオン化ケージの一側面がイオン化粒子の通路のための出射スリット(exit slit)を有する、イオン化ケージと、
− 前記第1の電子入射スリットに面して設置され、電子ビームを生成するために給電されるように意図された、作動用の第1のフィラメントと、
− 前記第2の電子入射スリットに面して設置され、作動用の第1のフィラメントが故障した場合に、電子ビームを生成するために給電されるように意図された、予備用の第2のフィラメントと、
を備え、
− 前記第2の入射スリットが、前記第1の入射スリットに面する前面領域(frontal region)の外に設置される、
質量分析計のためのイオン化セルにある。
【0008】
具体的には、発明者らは、意外にも、イオン化セルのこの配置によって、予備用の第2のフィラメントが、作動用の第1のフィラメントの動作によって変質されないことを観察した。
【0009】
故障した作動用の第1のフィラメントが予備用の第2のフィラメントに切り替えられると、予備用の第2のフィラメントが十分に加熱された直後に、すなわち、給電されて約15分後に、質量分析計を使用して、安定、正確でかつ再現性のある測定値が、速やかに得られる。したがって、フィラメントを切り替えるのに必要な時間は、予備用の第2のフィラメントは非常に速やかに動作可能となるため、著しく低減される。
【0010】
個別にまたは組み合わせて取られた、イオン化セルの1つまたは複数の特徴によれば:
− 前記第1および前記第2の入射スリットの長手方向軸は、互いにほぼ平行であり、前記イオン化ケージの縁部に平行である。
− 前記第1および前記第2の入射スリットは、前記イオン化ケージの対向面上に設置される。
− 前記第1および前記第2の入射スリットは、イオン化粒子の通路のための出射スリットを含む側面によって画定される平面にほぼ平行な平面を画定する。
− 前記第1の入射スリットの前記第1の端部および前記第2の入射スリットの前記第2の端部は、それぞれ、互いに平行でかつイオン化ケージの側面に平行な2つの平面に含まれる。
− 前記第2の入射スリットは、前記第1の入射スリットの長手方向軸に平行な軸に沿って、かつ前記第1の入射スリットの長手方向軸に垂直な軸に沿って、前面領域からオフセットされる。
− 前記第2の入射スリットは、前記第1の入射スリットに面する前面領域の周囲から少なくとも1ミリメートルの間隔をおいて設置される。
− 作動用の第1のフィラメントおよび予備用の第2のフィラメントは、酸化物堆積物で覆われたイリジウム線を備える。
− 酸化物堆積物は、酸化イットリウムまたは酸化トリウムの層である。
【0011】
本発明の別の主題は、上で説明されたようなイオン化セルを備える質量分析計の漏れ検出器である。
【0012】
他の利点および特徴は、本発明の説明および添付の図面を読めば明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】漏れ検出器の概略図である。
【図2】第1の実施形態による質量分析計の要素の概略図である。
【図3】イオン化ケージの概略的斜視図である。
【図4】イオン化セルの概略的側面図である。
【図5】第2の実施形態によるイオン化セルの概略的斜視図である。
【図6】第3の実施形態によるイオン化セルの概略的斜視図である。
【図7】第4の実施形態によるイオン化セルの概略的斜視図である。
【図8】第5の実施形態によるイオン化セルの概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
これらの図では、同じ要素は同じ参照番号を与えられている。
【0015】
図1は、ヘリウム(HeもしくはHe)または水素(H)など、トレーサガスを使用する質量分析計2を備える漏れ検出器1を示す。
【0016】
質量分析計2は、高真空ポンプ3の入口に接続され、高真空ポンプ3の出口は、第1の分離弁5を介して粗引きポンプ(roughing pump)4の入口に接続される。この例では、漏れを知らせるトレーサガスを含む可能性のある、分析されるべき気体6が、第2の分離弁7を介して高真空ポンプ3の入口に吸引される。次いで、分析されるべき気体6のいくらかが、質量分析計2でサンプリングされる。また、検出器1は、第2の分離弁7の上流で、高真空ポンプ3に接続された導管内の気体の圧力を求めるための圧力センサ8を備えてよい。
【0017】
図2により分かりやすく示されるように、磁気偏向質量分析計2は、イオン化セル9と、イオン化粒子14a、14b、14cを偏向させて選別する手段とを含む。
【0018】
イオン化セル9は、電子ビーム12の通路のための第1の入射スリット11を有する、平行6面体の箱の形状のイオン化ケージ10を備える。また、イオン化セル9は、給電されると電子ビーム12を形成する作動用の第1のフィラメント13を備える。作動用の第1のフィラメント13は、最大数の電子がイオン化ケージ10に入るように、イオン化ケージ10の第1の電子入射スリット11に面して設置される。
【0019】
したがって、イオン化セル9は、分析されるべき気体6に電子ビーム12を当てることによってイオン化し、イオン化粒子のビーム14を得ることを可能にさせる。
【0020】
また、イオン化ケージ10は、イオン化ケージ10の中で形成されるイオン化粒子14a、14b、14cの通路のために、側面16上に出射スリット15を有する。図2では、出射スリット15を含む側面16は、イオン化ケージ10の上面に一致する。
【0021】
偏向および選別の手段は、例えば、イオン化粒子14a、14b、14cを加速するための電場(図示せず)を発生させる手段と、イオン化粒子14a、14b、14cの軌跡を、イオン化粒子の質量に応じて曲率半径Ra、Rb、Rcで偏向させるために、ほぼ矢に沿う向きに磁場(図示せず)を発生させる、永久磁石などの手段とを含む。
【0022】
したがって、異なる質量のイオン化粒子を含むイオン化粒子のビーム14は、いくつかのビーム14a、14b、14cに分かれ、各ビームは、同じm/e比(粒子の原子質量の、イオン化で失われた電子の数に対する比)を有するイオン化粒子だけを含む。例えば、イオン化ヘリウム粒子14cは、曲率半径Rbがより小さい、より軽いイオン化水素粒子14bと分離されるか、または曲率半径Rcがより大きい、より重いイオン化された窒素もしくは酸素の粒子14cと分離される。
【0023】
質量分析計2のチャンバ内の全圧は、電子およびイオン化粒子の軌跡が残留分子によって乱されないように、10−1パスカル未満に保たれなくてはならない。
【0024】
また、偏向および選別の手段は、質量がトレーサガスの質量より大きいイオン化粒子14aを収集するための三極電極(triode electrode)17と、トレーサガスのイオン化粒子14cを選別するための開口18と、他のイオン化化学種によってもたらされたノイズを除去するための遅延電極(retarding electrode)19とを含んでよい。
【0025】
また、漏れ検出器2は、遅延電極19から入射するイオン化されたトレーサガスの粒子14cのフラックスを受け、このフラックスを電子電流(electron current)に変換するターゲット21の下流に位置するDC電流増幅器20を特に備える収集チェーン(acquisition chain)を所有する。
【0026】
さらに、イオン化セル9は、作動用の第1のフィラメント13が故障した場合に給電され、作動用の第1のフィラメント13に代わって電子ビームを生成するように意図された、予備用の第2のフィラメント22を備える。予備用フィラメント22は、イオン化ケージ10の面上に設置された第2の電子入射スリット(図2では見えない)に対向して設置される。
【0027】
イオン化セルは、作動用フィラメント13が故障した場合に、作動用の第1のフィラメント13から予備用の第2のフィラメント22に電力供給を切り替えることを可能にすることによって動作の継続を確実にするために、電力供給を切り替えて、2つのフィラメントのうちの一方が選択的に給電されることを可能にする手段を含む。
【0028】
図2では、作動用の第1のフィラメント13だけが給電されており、磁場によってイオン化ケージ10の対応する第1の入射スリット11に向けて案内される電子ビーム12を生成する。故障した場合には、作動用の第1のフィラメント13への電力供給が遮断され、予備用の第2のフィラメント22だけが給電され、イオン化ケージ10の対応する第2の入射スリットに向けてビームを放射する。
【0029】
一方で、フィラメント13、22は、フィラメントが加熱されて高温発光することを可能にする電流によって給電される。例えば、フィラメント13、22は、14Wで3A未満の電力を供給する電流源23aに接続される。他方では、フィラメント13、22は、イオン化ケージ10の電位が各フィラメント13、22(図2参照)の電位より少なくとも100Vだけ高くなるように、フィラメント13、22に接続された、100Vと300Vとの間の電圧源23bによって、電圧を供給される。
【0030】
フィラメント13、22は、酸化物堆積物で覆われたイリジウム線で作製されてよい。酸化物堆積物は、例えば、酸化イットリウム(Y)または酸化トリウム(ThO)の層である。
【0031】
あるいは、タングステンフィラメント13、22が使用される。しかし、タングステンフィラメントは、約10−1パスカルの低い圧力で使用されると、イットリウムで覆われたイリジウム(yttriated iridium)のフィラメントに比べて非常に短い寿命を有する。加えて、イットリウムで覆われたイリジウムのフィラメントは、より良好に、空気の侵入に耐える。
【0032】
図4に見られるように、フィラメント13、22は、例えば、それらの端部24を、それぞれのセラミックホルダ25の中に固定される。各セラミックホルダ25は、フィラメント13、22が、イオン化ケージ10内のフィラメントの各入射スリットに対向して設置されるように、分析計2のイオン化セル9の中に装着される。
【0033】
第2の入射スリット26は、第1の入射スリット11に面するイオン化ケージ10の前面領域の外の、イオン化ケージの面上に設置される。前面領域は、入射スリット11の面積の、スリットを含む平面に対する法線に沿った、対向面への投影と一致する。同様に、予備用の第2のフィラメント22は、第2の入射スリット26に面して、それゆえ第1の入射スリット11に面する前面領域と離れた周辺領域に、設置される。
【0034】
第2の入射スリット26は、例えば、第1の入射スリット11に面する前面領域Fの周囲を、少なくとも1ミリメートル離れて取り囲む周囲によって画定される周辺領域に設置される(例えば、図3参照)。
【0035】
したがって、作動用の第1のフィラメント13が給電されて動作中に、予備用の第2のフィラメント22が作動用の第1のフィラメント13によって変質されることはない。
【0036】
作動用の第1のフィラメント13が故障した場合には、第1のフィラメント13から電力を遮断し、代わりに予備用の第2のフィラメント22に給電するだけで十分である。その後、質量分析計2は、予備用の第2のフィラメントが十分に加熱されるとすぐに、すなわち約15分後に、動作可能となる。
【0037】
故障した作動用の第1のフィラメント13から予備用の第2のフィラメント22に切り替えると、その後、質量分析計2を使用して、安定した正確な測定値が、速やかに得られうる。
【0038】
したがって、作動用の第1のフィラメントと予備用の第2のフィラメントとの間の相互作用が低減されるため、フィラメントを切り替えるのに必要な時間が、著しく低減される。
【0039】
入射スリット11、26それぞれの位置および形状は、偏向および選別の手段の位置に応じて選択される。図2の質量分析計の実施形態では、第1および第2の入射スリット11、26の長手方向軸およびL’は、互いにほぼ平行で、かつイオン化ケージ10の縁部に平行である。
【0040】
図2から図8に示される例では、水平面(X、Y)は、出射スリット15を含む平面によって画定される。
【0041】
第1の入射スリット11および第2の入射スリット26は、例えば、イオン化ケージ10の対向面27、28上に設置される。したがって、フィラメント13、22およびそれらの各ホルダ25を整列するのに十分な空間が、イオン化ケージ10の両端に存在する。
【0042】
図2から図4は、第1および第2の入射スリット11、26の第1および第2の端部が、それぞれ、互いに平行でかつイオン化ケージ10の側面28に平行な2つの平面に含まれる、第1の実施形態を示す。
【0043】
したがって、図2では、予備用の第2のフィラメント22は、第1の入射スリット11に面する前面領域の下方に配置される周辺領域の中に設置される。この例は、第2の入射スリット26が、イオン化ケージ10の対向面28上に、第1の入射スリット11に面する前面領域の下方にオフセットされて点線で境界を定められる図3に、より分かりやすく示される。
【0044】
対照的に、図4では、点線で境界を定められるように、予備用の第2のフィラメント22が、イオン化ケージ10の対向面上の、第1の入射スリット11に面する前面領域の上方にオフセットされた第2の入射スリット26に面する。
【0045】
図5は、イオン化ケージ10の第2の実施形態を示す。前の例におけるように、第1および第2の入射スリット11、26の長手方向軸およびL’は、互いにほぼ平行であり、かつイオン化ケージ10の水平な縁部に平行である。第1の入射スリット11および第2の入射スリット26は、イオン化ケージ10の対向する側面27、28上に設置される。
【0046】
この第2の実施形態では、第1の入射スリット11および第2の入射スリット26は、イオン化ケージ10の、イオン化粒子の通路のための出射スリット15を含む側面16で画定される平面にほぼ平行な平面を画定する。
【0047】
図6は、前の2つの例に類似する第3の実施形態を示し、第2の入射スリット26を含む周辺領域が、第1の入射スリット11の長手方向軸に平行な軸に沿って、かつ第1の入射スリット11の長手方向軸に垂直な軸に沿って、前面領域からオフセットされる。したがって、図6では、第2の入射スリット26は、対向面28上に設置され、第1の入射スリット11に面する前面領域から、水平軸に沿って水平に、かつ垂直軸に沿って垂直にオフセットされる。
【0048】
図7に示される第4の実施形態によれば、第1の入射スリット11および第2の入射スリット26は、イオン化ケージ10の同じ面27上に設置される。
【0049】
さらに、偏向および選別の手段の位置に応じて、入射スリット11、26の他の実施形態を想定することが可能である。
【0050】
したがって、図8は、入射スリット11、26の長手方向軸およびL’が、それぞれ、垂直軸に平行である第5の実施形態を示す。入射スリット11、26は、イオン化ケージ10の対向面27、28上に設置されてよい。第1および第2の入射スリット11、26の第1および第2の端部は、例えば、それぞれ、互いに平行な2つの平面に含まれる。
【0051】
したがって、イオン化セル9は、予備用の第2のフィラメント22を、相互作用が発生する可能性のある前面領域Fからオフセットすることを可能にし、それにより、故障した作動用の第1のフィラメント13から予備用の第2のフィラメント22に切り替えるために必要な待ち時間が低減される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析計(2)のためのイオン化セルであって、
第1および第2の電子入射スリット(11、26)を備えるイオン化ケージ(10)であって、イオン化ケージ(10)の一側面(16)がイオン化粒子(14a、14b、14c)の通路のための出射スリット(15)を有する、イオン化ケージ(10)と、
前記第1の電子入射スリット(11)に面して設置され、電子ビーム(12)を生成するために給電されるように意図された、作動用の第1のフィラメント(13)と、
前記第2の電子入射スリット(26)に面して設置され、作動用の第1のフィラメント(13)が故障した場合に、電子ビームを生成するために給電されるように意図された、予備用の第2のフィラメント(22)とを備え、
前記第2の入射スリット(26)が、前記第1の入射スリット(11)に面する前面領域の外に設置される、イオン化セル。
【請求項2】
前記第1および前記第2の入射スリット(11、26)の長手方向軸およびL’が、互いにほぼ平行で、前記イオン化ケージ(10)の縁部に平行である、請求項1に記載のイオン化セル。
【請求項3】
前記第1および前記第2の入射スリット(11、26)が、前記イオン化ケージ(10)の対向面(27、28)上に設置される、請求項1および2のいずれか一項に記載のイオン化セル。
【請求項4】
前記第1および前記第2の入射スリット(11、26)が、イオン化粒子(14a、14b、14c)の通路のための出射スリット(15)を含む側面(16)で画定される平面にほぼ平行な平面を画定する、請求項2と組み合わされた、請求項3に記載のイオン化セル。
【請求項5】
前記第1および前記第2の入射スリット(11、16)の第1および第2の端部が、それぞれ、互いに平行でかつイオン化ケージの側面(28)に平行な2つの平面に含まれる、請求項2および3のいずれか一項に記載のイオン化セル。
【請求項6】
前記第2の入射スリット(26)が、前記第1の入射スリット(11)の長手方向軸Lに平行な軸に沿って、かつ前記第1の入射スリット(11)の長手方向軸Lに垂直な軸に沿って、前面領域Fからオフセットされる、請求項3に記載のイオン化セル。
【請求項7】
前記第2の入射スリット(26)が、前記第1の入射スリット(11)に面する前面領域Fの周囲から少なくとも1ミリメートルの間隔dをおいて設置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のイオン化セル。
【請求項8】
作動用の第1のフィラメント(13)および予備用の第2のフィラメント(22)が、酸化物堆積物で覆われたイリジウム線を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のイオン化セル。
【請求項9】
酸化物堆積物が、酸化イットリウムまたは酸化トリウムの層である、請求項8に記載のイオン化セル。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のイオン化セル(9)を備える、質量分析計の漏れ検出器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2012−520542(P2012−520542A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553494(P2011−553494)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050407
【国際公開番号】WO2010/103235
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(511148259)
【Fターム(参考)】