説明

赤外線に透明なガラスセラミック型のガラス質組成物

【課題】本発明は赤外線に透明なガラス質組成物特にガラスセラミック型のガラス質組成物、その製造及び使用に関する。
【解決手段】前記の組成物はモル%で、Ge 5〜40、Ga <1、S+Se 40〜85、Sb+As 4〜40、MX 2〜25、Ln 0〜6、添加剤 0〜35を包含する。但しMはRb、Cs、Na、K及びZnから選んだ少なくとも1種のアルカリ金属であり、Xは塩素、臭素又はヨウ素の少なくとも1種の原子であり、Lnは少なくとも1種の希土類であり、添加剤は少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属塩よりなる少なくとも1種の添加剤であり、該組成物に存在する諸成分の全てのモル%の合計は100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の要旨は赤外線に透明であるガラス質組成物特にガラスセラミック型(vitroceramic type)のガラス質組成物、その製造方法及びその使用に関する。
【0002】
更に詳しく言えば、本発明は赤外線の透過を確保し得る材料即ち0.7〜14μmで変動する波長で特に0.7〜11μm又は0.9〜14μmで変動する波長で透明性を有する材料を提供することを目標とする。かかる材料は熱映像の分野で用いられ、特に例えば熱映像体(thermal imager)の如き赤外系用の光学成分を製造するのに用いられる。
【背景技術】
【0003】
単結晶のゲルマニウムは現在赤外線カメラの受光器の大部分を構成する。不運にも、単結晶ゲルマニウムは希少で高価な材料であり、その形成は長冗で高価である。
【0004】
より最近では、赤外線に透明なガラスは単結晶ゲルマニウムの代替品として提案されている。これらの透明なガラスの代表例として、カルコゲナイド(chalcogenide)ガラス特にガリウム、ゲルマニウム及びアンチモンを基材としたガラス質組成物及び特に欧州特許(EP)第1034145号に開示されるガラスが挙げられる。然しながら、赤外線の透明性及び経費の点では、満足であるけれども、かかるガラスは一般に機械的衝撃及び熱衝撃に対して限定された耐性を有する。
【0005】
更には、或るガラスからは、セラミックの利点(高硬度、良好な機械的特性、低い熱膨張率)とガラスの利点(製造容易性、形成性)とを組合せるガラスセラミック型の材料を得ることが知られている。これらの材料は、ガラス質組成物の部分的な晶出を生起するように或るガラス質組成物の熱処理の結果として得られる。即ち、酸化物を基材とするガラスセラミックはその主成分として一般にSiO2及び/又はAl2Oであるが、文献の米国特許第4,835,121号及び米国特許公開第2002/0022564号に既に開示されている。然しながら、これらのガラスセラミックは精々4μmより大きい波長の赤外線には透明ではなく、これは多数の用途には不適当である。
【0006】
最後に、赤外線に透明なZnS又はZnSeナノ結晶を基材とするセラミックも存在する。不運にも、これらのセラミックの製造及び形成は複雑である。
【0007】
従って、前記の要件即ち赤外線特に0.7〜14μmの波長での赤外線の透過性と低経費と良好な熱/機械的特性とを全て同時に満足させ得る材料に対する要求が今日まで残存している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
驚くべきことには、赤外線で透過性を示すカルコゲナイド型のガラスセラミックが得られることを本発明者は見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
更に詳しく言えば、本発明は主として、モル%で次の成分:Ge 5〜40、Ga <1、S+Se 40〜85、Sb+As 4〜40、MX 2〜25、Ln 0〜6、添加剤0〜30を含有するガラスセラミック型の組成物であって、Mは特にRb、Cs、Na、K及びZnから選んだ少なくとも1種のアルカリ金属を表わし、Xは少なくとも1個の塩素、臭素又はヨウ素原子を表わし、Lnは少なくとも1種の希土類金属を表わし、添加剤は少なくとも1個の金属及び/又は少なくとも1個の金属塩からなる少なくとも1種の添加剤を表わし、該組成物に存在する諸成分のモル%を合わせた合計は100に等しいものとする、ガラスセラミック型の組成物に関する。
【0010】
特定の別形式によると、アンチモン及び/又はヒ素の含量は5〜40モル%で変動し得る。
【0011】
本発明の好都合な別形式によると、この組成物は赤外線に透明であるガラスセラミック、特に0.7〜14μmで変動する波長、特に0.7〜11μm又は0.9〜14μmで変動する波長の赤外線に透明であるガラスセラミックである。特定すると、これらのガラスセラミック組成物の透明性は、特にこれらの諸成分の種類に応じて、0.7〜11μm又は0.9〜14μmで変動する範囲の波長に特に調節し得る。
【0012】
有利には、本発明のガラスセラミックはかくして、熱画像体に普通選択される操作範囲で即ち3〜5μm及び8〜12μmで変動する波長範囲で透明であることが判明する。
【0013】
若干の場合には、該組成物に存在する結晶に因る光学損失が典型的には0.6〜2μmで変動する短かい波長で記録される。然しながら、該結晶は3〜5μm及び8〜12μmで変動する波長範囲では有意な作用を有しない。
【0014】
本発明の前記ガラスセラミック組成物は、同じ組成を有するが結晶が欠如したガラス質組成物(「非結晶性」とも記載される)の特定の熱処理によって得られる。
【0015】
本発明の定義内では、ガラス質組成物はそれがX線を回折しない時点から及び電子顕微鏡下での観察により結晶を表わさない時点から非結晶性であると考えられる。
【0016】
これらのガラス質組成物即ち非結晶性組成物は本発明の別の要旨を成す。これらの組成に因り、ガラス質組成物は有利には、適当な熱処理を介して、赤外線での応用に相溶性であるように且つ対応のガラスセラミック組成物に予期される機械的及び熱的特性を付与するように調節される成核及び結晶成長を得ることができる。
【0017】
即ち、これらのガラス質組成物に施用される適当な熱処理は、かくして得られるガラスセラミックで1μm以下の寸法を有する結晶であって電子顕微鏡下で観察し得る結晶を生成できるようなものである。
【0018】
これらの結晶は一般に1μm以下の寸法を有し、特に500mmに等しいか又はそれ以下の寸法、特に400nmに等しいか又はそれ以下の寸法、実際上300nmに等しいか又はそれ以下さえの寸法を有する。
【0019】
該結晶は1nmに等しいか又はそれ以上の寸法を表わし、特に2nmに等しいか又はそれ以上の寸法、特に5nmに等しいか又はそれ以上の寸法、実際上10nmに等しいか又はそれ以上さえの寸法を表わし得る。
【0020】
更に詳しく言えば、これらの結晶は10〜300nmで変動する寸法、特に50〜300nmで変動する寸法を示す。
【0021】
該結晶の寸法及び分布は電子顕微鏡での観察により観察できる。
【0022】
特に、本発明のカルコゲナイド ガラスセラミックは、1μmに等しいか又はそれ以下の寸法、特に400μmに等しいか又はそれ以下の寸法を有する結晶を有して少なくとも0.1%の結晶化容量を含有できる。然しながら、結晶の容量に因るこの量は、想定される用途に応じて調節でき且つ特に増大させ得る。例として、光学的な拡大のためには、0.1%の結晶化希土類金属イオンが大いに十分であり得る。他方、10%以上の結晶化容量の程度、40%、実際にはそれ以上がその役割故に、複合材料の膨張係数を低減するのに特により有利であるものである。
【0023】
これらの結晶化容量の%値は電子顕微鏡下での所見により観察できる。
【0024】
特定の別形式によると、本発明の組成物は0.75モル%に等しいか又はそれ以下の含量でガリウムを含有し、特に0.5モル%に等しいか又はそれ以下の含量で、特に0.25モル%に等しいか又はそれ以下さえの含量で、実際上0.1モル%に等しいか又はそれ以下さえの含量でガリウムを含有する。
【0025】
更に詳しく言えば、本発明の組成物はガリウムを欠如している。「ガリウムを欠如」なる用語は他の成分中に不純物として存在するガリウム含量に精々等しい含量を意味すると理解される。
【0026】
本発明の組成物は10〜35モル%で特に変動し得る含量でゲルマニウムを含有する。
【0027】
同様に、本発明の組成物は特に45〜75モル%で変動でき且つ特に50〜75モル%で変動できる含量で硫黄及び/又はセレンを含有する。
【0028】
本発明の組成物は、特に4〜25モル%で変動でき且つ特に8〜20モル%で変動できる含量でアンチモン及び/又はヒ素を含有する。
【0029】
化合物MXに関しては、CsCl、CsBr、CsI、NaCl、NaBr、NaI、KCl、KBr、KI、RbCl、RbBr、RbI、ZnCl2、ZnBr2及びZnI2から詳しくは選ばれ、特にZnCl2、CsCl、CsBr、CsI及びこれらの混合物から選ばれる。この混合物MXは特に2〜15モル%で変動する含量で一般に存在する。
【0030】
本発明の組成物の希土類金属成分、Lnに関しては、Dy、Er、Nd、Pr、Yb、Tm、Ho及びこれらの混合物から詳しくは選択し得る。Lnは特に0〜3モル%で変動する含量で一般に存在する。
【0031】
勿論、本発明の組成物は1種又はそれ以上の添加剤即ち補助剤(adjuvants)を含有し得る。前記で特定した通り、添加剤は金属、金属塩又はこれらの混合物であり得る。
【0032】
本発明の特定の別形式によると、これらの添加剤はカルシウム、バリウム、インジウム、テルル、銀、銅、鉛、カドミウム、これらの塩例えばPbI2又はCuI及びこれらの誘導体例えばAg2Se及びCdTe及びこれらの混合物から選択し得る。
【0033】
これらの添加剤は特に0〜10モル%の割合で一般に存在する。
【0034】
特定の別形式によると、本発明の組成物は、15〜30モル%の含量でのゲルマニウムと、4〜20モル%の含量でのアンチモンと、50〜70モル%の含量でのセレンと、3〜15モル%の含量でのCsCl、CsBr又はCsIの如きセシウム ハライドとの四元混合物である。
【0035】
別の特定の別形式によると、本発明の組成物は15〜20モル%の含量でのゲルマニウムと、10〜15モル%の含量でのアンチモンと、45〜60モル%の含量でのセレンと、2〜15モル%の含量でのCsCl、CsBr又はCsIの如きセシウム ハライドとの四元混合物である。
【0036】
尚別の特定の別形式によると、本発明の組成物は10〜25モル%の含量でのゲルマニウムと、10〜25モル%の含量でのアンチモンと、55〜65モル%での含量でのセレンと、2〜5モル%の含量でのCsCl、CsBr又はCsIの如きセシウム ハライドと、1〜7モル%の含量でのPbI2、CuI、Ag2Se及びCdTeから選んだ添加剤との5成分混合物である。
【0037】
前述した通り、ガラスセラミック組成物は本発明によりガラス質組成物の熱処理の結果として得られる。この熱処理は1時間〜1ヶ月、実質上それ以上さえ持続でき、しかも個数及び寸法が赤外線での透過性特に0.7〜14μmで変動する波長且つ特に0.7〜11μm又は0.9〜14μmで変動する波長の赤外線での透過性と相溶性な結晶を生成するようにガラス質組成物のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度で実施しなければならない。
【0038】
本発明によるこれらの非結晶性ガラス質(即ち非ガラスセラミック)組成物に関しては、該組成物は特に次の段階よりなる製造方法によって得られる;
(イ)所望の割合でのガリウム、硫黄及び/又はセレン、アンチモン及び/又はヒ素、Ln及び添加剤を特にシリカ管中に導入し、
(ロ)真空下に例えば10-4ミリバールの下方へポンプ圧送し、前記のシリカ管を封止し、
(ハ)該管を700〜1000℃の温度に到達させ、
(ニ)この温度で該混合物を1〜10時間の期間均質化し、
(ホ)該混合物のガラス転移温度以下の20〜30℃の温度にまで急速に冷却し、及び
(ヘ)該混合物を室温にまで徐々に冷却する段階。
【0039】
本発明のガラス質組成物を製造するこの方法は、該ガラス質組成物の真空蒸留前に例えばアルミニウム、マグネシウム又はこれらの混合物の如き少なくとも1種の酸素掃気剤を精々500ppm添加することからなる精製段階を追加的に包含できる。
【0040】
本発明のガラスセラミックは赤外系で用いることができ、特に0.7〜14μmで作動する。特に0.7〜11μm又は0.9〜14μmで変動する、特に3〜5μm及び/又は8〜12μmで変動する赤外系用の光学品を製造するのに用い得る。ガラスセラミックが希土類金属を含有する場合には、該ガラスセラミックは光学拡大にも用い得る。
【0041】
添附図面の図1は実施例3に記載した組成を有するカルコゲナイド ガラスセラミックの20000倍の倍率での写真である。
【0042】
次の実施例は例示として与えてあり、本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0043】
以下に示した実施例1〜47は本発明によるガラスセラミック型の組成物47個を与える。
【0044】
前述した操作を行なうことにより、以下に特定した組成を有するガラス質組成物を第1工程で調製した。
【0045】
対応のガラスセラミックを製造するには、これらのガラス質組成物を、所望の結晶の大きさ及び量に応じて多少とも長い期間ガラス転移温度(Tg)よりも高い温度にまで加熱する。
【0046】
例として、260℃のTgを有するガラス質組成物No.3については、典型的には1時間〜1ヶ月で変動する期間290℃でアニーリングを行ない、これによって結晶の量を加減し得る。
【0047】
かくして得られたガラスセラミックを図1に例示する。
【0048】










但し書きがなければ、時間は包含される限度と理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施例3に記載した組成を有するカルコゲナイド ガラスセラミックの写真(20000倍の倍率)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モル%で次の成分:Ge 5〜40、Ga <1、S+Se 40〜85、Sb+As 4〜40、MX 2〜25、Ln 0〜6、添加剤 0〜30を含有するガラスセラミック型の組成物であって、MはRb、Cs、Na、K及びZnから選んだ少なくとも1種のアルカリ金属を表わし、Xは少なくとも1個の塩素、臭素又はヨウ素原子を表わし、Lnは少なくとも1種の希土類金属を表わし、添加剤は少なくとも1個の金属及び/又は少なくとも1個の金属塩よりなる少なくとも1種の添加剤を表わし、該組成物に存在する諸成分のモル%の合計は100に等しいものとする、ガラスセラミック型の組成物。
【請求項2】
0.75モル%に等しいか又はそれより低い含量で、特に0.5モル%に等しいか又はそれより低い含量で、特に0.25モル%に等しいか又はそれより低い含量で、実際上0.1モル%に等しいか又はそれさえより低い含量でガリウムを含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ガリウムが存在しないことを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
ゲルマニウムの含量は10〜35モル%で変動することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の組成物。
【請求項5】
硫黄及び/又はセレンの含量は45〜75モル%で特に50〜75モル%で変動することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の組成物。
【請求項6】
アンチモン及び/又はヒ素の含量は4〜25モル%で特に8〜20モル%で変動することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
【請求項7】
化合物MXの含量は2〜15モル%で変動することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の組成物。
【請求項8】
希土類金属の含量は0〜3モル%で変動する請求項1〜7の何れかに記載の組成物。
【請求項9】
添加剤の含量は0〜10モル%で変動する請求項1〜8の何れかに記載の組成物。
【請求項10】
LnはDy、Er、Nd、Pr、Yb、Tm、Ho及びこれらの混合物から選んだ少なくとも1種の希土類金属を表わすことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の組成物。
【請求項11】
添加剤はCa、Ba、In、Te、Pb、Cu、Ag、Cd、これらの塩例えばCuI及びPbI2及びこれらの誘導体例えばAg2Se及びCdTe及びこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の組成物。
【請求項12】
15〜30モル%で変動する含量のゲルマニウムと、4〜20モル%で変動する含量のアンチモンと、50〜70モル%で変動する含量のセレンと、3〜15モル%で変動する含量のCsCl、CsBr又はCsIの如きセシウム ハライドとの四元混合物であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の組成物。
【請求項13】
15〜20モル%で変動する含量のゲルマニウムと、10〜15モル%で変動する含量のアンチモンと、45〜65モル%で変動する含量の硫黄と、2〜15モル%で変動する含量のCsCl、CsBr又はCsIの如きセシウム ハライドとの四元混合物であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の組成物。
【請求項14】
10〜25モル%で変動する含量のゲルマニウムと、10〜25モル%で変動する含量のアンチモンと、55〜65モル%で変動する含量のセレンと、2〜5モル%で変動する含量のCsCl、CsBr又はCsIの如きセシウム ハライドと、1〜7モル%で変動する含量のPbI2、CuI、Ag2Se及びCdTeから選んだ添加剤との5成分混合物であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の組成物。
【請求項15】
赤外線で透明性を示し、特に0.7〜14μmで変動する波長、特に0.7〜11μm又は0.9〜14μmで変動する波長の赤外線で透明性を示すことを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の組成物。
【請求項16】
結晶が1μmより小さい又はこれに等しい大きさを有しながら少なくとも0.1%の結晶化容量を含有することを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の組成物。
【請求項17】
結晶は500nmに等しい又はそれ以下の平均寸法を有し、特に400nm以下、実際には300nmに等しい又はそれ以下さえの平均寸法を有することを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項18】
結晶は1nmに等しい又はそれ以上の平均寸法を有し、特に2nmに等しい又はそれ以上、特に5nmに等しい又はそれ以上の平均寸法を有することを特徴とする請求項16又は17記載の組成物。
【請求項19】
結晶は10〜300nmで変動する寸法、特に50〜300nmで変動する寸法を有することを特徴とする請求項16〜18の何れかに記載の組成物。
【請求項20】
モル%で次の成分:Ge 5〜40、Ga <1、S+Se 40〜85、Sb+As 4〜40、MX 2〜25、Ln 0〜6、添加剤 0〜30を含有してなる非結晶性のガラス質組成物であって、MはRb、Cs、Na、K及びZnから選んだ少なくとも1種のアルカリ金属を表わし、Xは少なくとも1個のフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を表わし、Lnは少なくとも1種の希土類金属を表わし、添加剤は少なくとも1種の金属及び/又は少なくとも1種の金属塩よりなる少なくとも1種の添加剤を表わし、該組成物に存在する諸成分のモル%の合計は100に等しいものとする、非結晶性ガラス質組成物。
【請求項21】
その諸成分は請求項2〜14に定義した通りであることを特徴とする請求項20記載の組成物。
【請求項22】
1μm以下の寸法を有する結晶特に500nmに等しい又はそれ以下、特に400nmに等しい又はそれ以下、実際上300nmに等しい又はそれ以下さえの寸法を有する結晶を製造するに十分な温度及び期間で、請求項20又は21記載のガラス質組成物を熱処理することからなることを特徴とする請求項1〜19の何れかに記載のガラスセラミック型組成物の製造方法。
【請求項23】
0.7〜14μmで変動する波長範囲で特に0.7〜11μm又は0.9〜14μmで変動する波長範囲で操作する赤外線系で、特に3〜5μm及び/又は8〜12μmで操作する熱イメージャー(thermal imager)で請求項1〜19の何れかに記載のガラスセラミック型組成物の使用。

【公表番号】特表2007−516146(P2007−516146A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518312(P2006−518312)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050311
【国際公開番号】WO2005/005334
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(501339241)サントル・ナシヨナル・ド・ラ・ルシエルシエ・シヤンテイフイツク・(セ・エーヌ・エール・エス) (4)
【出願人】(506008032)ユニヴェルシテ レーヌ 1 (1)
【Fターム(参考)】