走行軌道作成装置
【課題】自動走行時、走行環境に合わせて進路を柔軟に変化させつつ、進路変化前後で連続性・一貫性を保持することで交通秩序の乱れを抑制することができる走行軌道作成装置を提供する。
【解決手段】走行軌道作成装置11は、環境情報、他車両情報、自車情報も取得するとともに自車両の位置を同定するセンサ部12と、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、この運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する定型進路生成部13と、自車両が行動可能な進路案を1又は複数生成する進路生成部14と、定型進路生成部13から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とに基づいて、自車両の進路を選択する進路選択部15と、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両を駆動制御する駆動部16と、を備える。
【解決手段】走行軌道作成装置11は、環境情報、他車両情報、自車情報も取得するとともに自車両の位置を同定するセンサ部12と、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、この運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する定型進路生成部13と、自車両が行動可能な進路案を1又は複数生成する進路生成部14と、定型進路生成部13から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とに基づいて、自車両の進路を選択する進路選択部15と、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両を駆動制御する駆動部16と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行軌道を作成する走行軌道作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行軌道を作成する技術として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1に記載された技術は、通常走行軌道と危険回避走行軌道とを作成し、これらの軌道を安全性及び効率性の観点から組み合わせることで、走行軌道を作成するものである。換言すると、特許文献1に記載された技術は、通常走行軌道を、危険回避走行軌道で修正するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−051356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、安全性及び効率性の観点から通常走行軌道を修正しているものの、走行軌道の修正前後で関連性、連続性、一貫性などが保持されない。このため、例えば、周囲を走行する車両の予想に反する運転が行われ、交通秩序を乱す可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる走行軌道作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る走行軌道作成装置は、自車両が将来走行する予定走行軌道を生成する予定走行軌道生成手段と、将来自車両が走行可能な将来可動軌道を複数生成する将来可動軌道生成手段と、予定走行軌道と、複数の将来可動軌道との類似度を演算する類似度演算手段と、複数の将来可動軌道のうち、予定走行軌道との類似度が高い将来可動軌道であるほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択する軌道選択手段と、を備える。
【0007】
本発明に係る走行軌道作成装置では、将来可動軌道生成手段により生成された複数の将来可動軌跡のうち、走行軌道生成手段により生成された予定走行軌道との類似度が高いほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択する。このため、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる。
【0008】
そして、自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、予定走行軌道生成手段は、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて予定走行軌道を生成することが好ましい。このように、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて予定走行軌道を生成することで、走行環境に合った予定走行軌道を生成することができる。
【0009】
また、自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、将来可動軌道生成手段は、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて将来可動軌道を複数生成することが好ましい。このように、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて将来可動軌道を生成することで、走行環境に合った将来可動軌道を生成することができる。
【0010】
そして、複数の将来可動軌道のうち、全ての将来可動軌道と予定走行軌道との類似度が所定値以下である場合、予定走行軌道作成手段は、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて予定走行軌道を再生成することとしてもよい。このように予定走行軌道を再生成することで、実際の道路状況などに適した予定走行軌道を生成することができる。
【0011】
また、予定走行軌道生成手段は、外部入力に基づいて予定走行軌道を再生成することとしてもよい。このように、外部入力に基づいて予定走行軌道を再生成することで、例えば、車両の乗員の好みに合わせて予定走行軌道を動的に変化させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図2】進路に関するパラメータの幅を説明するための図であり、(a)はパラメータの値に幅が無い場合、(b)はパラメータの値に幅がある場合、をそれぞれ示している。
【図3】定型進路変形機能を説明するための図であり、(a)は、自車両の速度に応じて定型進路を変形させる場合、(b)は、道路の曲率半径に応じて定型進路を変形させる場合、をそれぞれ示している。
【図4】車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。
【図5】比較例における、車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。
【図6】交差点で左折を行う場合の進路の選択方法を示した図である。
【図7】第2の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図8】第3の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図9】第4の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図10】進行方向前方に障害物が存在する場合の処理動作を示した図である。
【図11】第5の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る走行軌道作成装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図1に示すように、第1の実施形態の走行軌道作成装置11は、センサ部12と、定型進路生成部13と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、を備えている。
【0016】
センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報などの情報を取得するとともに、自車両の位置を同定するものである。環境情報は、自車両周辺の交通規制情報であって、例えば、渋滞情報、速度制限、路面状況、天候などの情報が挙げられる。他車両情報は、自車両周辺に存在する障害物に関する情報であって、例えば、他車両の位置、速度、向きなどの情報が挙げられる。自車両情報としては、例えば、自車両の位置、速度、向きなどの情報が挙げられる。このセンサ部12は、例えば、カメラ、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、ソナーなどの周囲をセンシングするセンサや、カメラなどの周囲を撮像する撮像装置や、路車間通信、車々間通信などの通信を行う通信装置や、地図情報を保持するとともに位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)装置などで構成される。自車両の位置は、例えば、絶対位置が定められたランドマークを検出することで同定することができ、また、GPSから自車両の位置を取得することで同定することができる。
【0017】
そして、センサ部12は、取得した情報を定型進路生成部13に出力する。
【0018】
定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画(走行計画)を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路(予定走行軌道)を生成するものである。運行計画は、出発地、経由地、目的地を繋ぐルートである。定型進路としては、例えば、直進、左折、右折、車線変更、転回、後進、Uターン、停止などが挙げられる。生成される各定型進路は、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどの情報(パラメータ)の一部又は全部の値を持っており、このパラメータの値は幅を持っていてもよい。
【0019】
図2は、進路に関するパラメータの幅を説明するための図であり、(a)はパラメータの値に幅が無い場合、(b)はパラメータの値に幅がある場合、をそれぞれ示している。例えば、直線状の車道を走行する定型進路において、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどのパラメータに幅が無く一つのみである場合は、例えば、図2(a)に示すように、単純に直進する定型進路のみしか生成されない。これに対し、直線状の車道を走行する定型進路において、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどのパラメータに幅がある場合は、例えば、図2(b)に示すように位置誤差、時間誤差、加速度誤差、向き誤差を許容しながら前方に走行する1又は複数の定型進路も生成される。
【0020】
ところで、定型進路生成部13が立案した運行計画において、自車両の状態と道路形状との組合せは無数に存在するため、この運行計画に基づいて全ての定型進路を事前に生成することは困難である。このため、定型進路生成部13は、自車の状態と道路状況から、適宜、生成した定型進路を変形させる定型進路変形機能を有してもよい。なお、自車両の状態としては、例えば、自車両の位置、速度、向きなどが挙げられる。道路状況としては、例えば、道路の幅員、勾配、カーブなどが挙げられる。
【0021】
図3は、定型進路変形機能を説明するための図であり、(a)は、自車両の速度に応じて定型進路を変形させる場合、(b)は、道路の曲率半径に応じて定型進路を変形させる場合、をそれぞれ示している。
【0022】
まず、図3(a)に示すように、定型進路生成部13は、当初、自車両が30km/hで走行するする運行計画に基づいて車線変更を行う定型進路を生成したが、実際には、自車両が60km/hで走行した場合を考える。この場合、定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両が60km/hで走行していると判断し、例えば、進路変更に要する距離を2倍程度長くするように、定型進路を変形させる。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、定型進路生成部は、当初、道路が直線であるものとする運行計画に基づいて車線変更を行う定型進路を生成したが、実際には、道路がカーブしている場合を考える。この場合、定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて道路が所定の曲率半径でカーブしていると判断し、例えば、車線変更のルートを道路の曲率半径に沿わせるように、定型進路を変形させる。
【0024】
そして、定型進路生成部13は、生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0025】
進路生成部14は、ナビゲーションシステムに記憶されている地図情報や搭乗者の操作などに基づいて、自車両が行動可能な進路案(将来可動軌道)を1又は複数生成するものである。自車両が行動可能な進路案としては、例えば、直進、左折、右折、車線変更、転回、後進、Uターン、停止などが挙げられる。生成される各進路案は、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどの情報(パラメータ)の一部又は全部の値を持っており、このパラメータの値は幅を持っていてもよい。なお、進路案のパラメータに幅がない場合は、例えば、図2(a)に示すように、操舵、加速度、減速度を変えずに直進する進路が生成される。パラメータに幅がある場合は、例えば、図2(b)に示すように、操舵、加速度、減速度を変化させる進路が生成される。
【0026】
そして、進路生成部14は、生成した進路案を進路選択部15に出力する。
【0027】
なお、定型進路生成部13が生成する定型進路と進路生成部14が生成する進路案とを比較すると、以下の点で相違する。すなわち、定型進路は、出発地、経由地、目的地を繋ぐルートであるため、基本的に一度だけ生成され、一旦生成されると、上述した定型進路変形機能による変形や後述する他の実施形態での再生成などが行われない限り変更されないのに対し、進路案は、常時又は定期的に生成される点で相違する。
【0028】
進路選択部15は、定型進路生成部13から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とに基づいて、自車両の進路を選択するものである。
【0029】
進路選択部15による進路選択の基準としては、定型進路と進路案との類似度、安全性、効率性、快適性などが挙げられる。定型進路と進路案との類似度の判断方法としては、例えば、各進路の最終地点を比較して行う方法や、各進路の距離(例えば、時空間上の点同士のユークリッド距離)を比較して行う方法などが挙げられる。安全性は、例えば、障害物への衝突可能性などを算出して、自車両がその進路に進んだときに事故に遭遇しないかという観点で判断する。効率性は、例えば、各進路を走行するために要する時間を算出し、より短時間に遠くへ進む時間効率性という観点で判断する。快適性は、例えば、加速度、減速度、操舵速度などの程度を算出して、急操作がなく乗員に不快感を与えない乗車快適性という観点で判断する。そして、進路選択部15は、少なくとも、定型進路と進路案との類似度を進路選択の基準とし、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、複数の進路案のうち、定型進路と進路案との類似度が高い進路案であるほど、優先的に自車両の進路として選択する。なお、安全性、効率性、快適性は、センサ部12から出力された情報を進路選択部15に入力することで、進路選択部15において判断することができる。
【0030】
そして、進路選択部15は、選択した進路を駆動部16に出力する。
【0031】
駆動部16は、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両を駆動制御するものである。駆動部16による駆動制御としては、例えば、アクセル、ブレーキ、操舵、ウインカー、変速(シフトチェンジ)などが挙げられる。
【0032】
次に、走行軌道作成装置11の処理動作について説明する。
【0033】
まず、センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報を取得するとともに、自車両の位置を同定する。そして、センサ部12は、これらの取得した情報を定型進路生成部13に出力する。
【0034】
次に、定型進路生成部13は、車両を運行計画に従って走行させる前に、センサ部12から出力された情報に基づいて運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。なお、生成する定型進路は、一つが好ましいが、複数でもよい。そして、定型進路生成部13は、この生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0035】
一方、進路生成部14は、常時又は定期的に、1又は複数の進路案を生成する。なお、生成する進路案は、複数が好ましいが、一つのみでもよい。そして、進路生成部14は、これらの生成した進路案を進路選択部15に出力する。
【0036】
次に、進路選択部15は、定型進路生成部13から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とを比較する。そして、進路選択部15は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路生成部13で生成された定型進路との類似度が高い進路を選択する。このとき、進路選択部15は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を選択する。そして、進路選択部15は、選択した進路を駆動部16に出力する。
【0037】
次に、駆動部16は、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0038】
このように構成される走行軌道作成装置11の処理動作について、以下に、車線変更を行う場合と、交差点で左折を行う場合を例として説明する。
【0039】
まず、図4を参照して、車線変更を行う場合について説明する。図4は、車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。図4において、実線の進路は、定型進路生成部13が生成した定型進路を示し、破線の進路は、進路生成部14が生成した進路案を示す。また、図4において、(a)→(b)→(c)は、異常が発生しない場合を示し、(a)→(d)→(e)→(f)は、異常が発生した場合を示す。なお、図4の場合の異常とは、定型進路生成部13が生成した定型進路を走行すると、自車両が障害物に衝突する場合をいう。
【0040】
まず、図4(a),(b),(c)を参照して、車線変更を行う際に異常が発生しない場合について説明する。
【0041】
図4(a)に示すように、定型進路生成部13により定型進路が生成された後、時刻Tになると、図4(b)に示すように、進路生成部14により複数の進路案が生成される。ここでは、特に異常が発生していないため、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、定型進路に最も類似する進路が選択される。このとき、複数の進路案に定型進路と同じ進路があれば、通常は、定型進路と同じ進路案の進路が選択される。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0042】
その後、時刻T+1になると、図4(c)に示すように、進路生成部14により複数の進路案が新たに生成される。ここでも、特に異常が発生していないため、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、定型進路に最も類似する進路を選択する。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0043】
次に、図4(a),(d),(e),(f)を参照して、車線変更を行う際に異常が発生した場合について説明する。
【0044】
図4(a)に示すように、定型進路生成部13により定型進路が生成された後、時刻Tになると、図4(d)に示すように、進路生成部14により複数の進路案が生成される。ここでは、特に異常が発生していないため、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、定型進路に最も類似する進路が選択される。このとき、複数の進路案に定型進路と同じ進路があれば、通常は、定型進路と同じ進路案の進路が選択される。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0045】
その後、時刻T+1になり、図4(e)に示すように、衝突可能性のある障害物を発見する異常が発生すると、図4(e)に示すように、上記同様、まず、進路生成部14により複数の進路案が新たに生成される。このとき、衝突可能性のある障害物を発見しているため、進路選択部15により、定型進路と進路案との類似度及び安全性の観点から、進路が選択される。すなわち、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、障害物に衝突しない進路であって、定型進路に最も類似する進路が選択される。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0046】
ここで、定型進路との類似度を加味せずに複数の進路案から進路を選択する比較例を用いて、進路の選択方法について説明する。図5は、比較例における、車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。図5において、実線の進路は、定型進路との類似度を比較せずに選択された進路を示し、破線の進路は、本実施形態の進路案に対応する進路を示す。
【0047】
時刻Tになると、図5(a)に示すように、複数の進路案が生成されるとともに、この生成された複数の進路案から最適な進路が選択される。そして、この選択された進路を走行するように、自車両の駆動制御が行われる。
【0048】
その後、時刻T+1になると、図5(b)に示すように、複数の進路案が新たに生成されるが、時刻Tのときに選択した進路とは関係なく、今回生成された複数の進路案から最適な進路が選択される。そして、この選択された進路を走行するように、自車両の駆動制御が行われる。
【0049】
このように、比較例では、常に最適な進路を選択することができるが、時刻Tで選択した進路と時刻T+1で選択進路との間に関連性及び一貫性がない。このため、周囲を走行する車両の運転者が予測し難い行動となり、交通秩序が乱れる可能性がある。
【0050】
これに対し、本実施形態では、進路生成部14が生成した進路案のうち、定型進路生成部13で生成した定型進路と類似度の高い進路を選択するため、周囲を走行する車両の運転者が予測しやすい行動をとることができ、また、実際の状況に応じた行動をとることができる。
【0051】
次に、図6を参照して、交差点で左折を行う場合について説明する。ここでも、上記と同様に、定型進路との類似度を加味せずに複数の進路案から進路を選択する比較例を用いて、進路の選択方法について説明する。図6は、交差点で左折を行う場合の進路の選択方法を示した図である。図6において、実線の進路は、進路選択部15で選択された進路を示し、実線矢印の進路は定型進路生成部13が生成した定型進路を示し、破線の進路は、進路生成部14が生成した進路案を示す。また、図6において、(a)→(b)は、比較例における進路の選択方法を示し、(a)→(c)は、本実施形態における進路の選択方法を示している。
【0052】
まず、図6(a)に示すように、定型進路生成部13により、交差点で左折した後、歩道を横切って目的地に向かう定型進路が生成される。
【0053】
このとき、歩道を渡ろうとする歩行者の存在が確認されると、比較例では、図6(b)に示すように、複数の進路案のうち、安全でより遠くへ行ける進路を選択する。すなわち、比較例では、歩行者を避けて走行する進路を選択するため、左折とは異なる方向に進む進路が選択され、交差点を左折できなくなる可能性がある。
【0054】
これに対して、本実施形態では、図6(c)に示すように、歩道を渡ろうとする歩行者の存在が確認されると、生成された複数の進路案のうち、障害物に衝突しない進路であって、定型進路に最も類似する進路を選択する。このため、本実施形態では、例えば、必要に応じて歩道の手前で一時停止した後、定型進路に沿った進路案が選択されるため、交差点を左折して、目的地に向かって進むことができる。
【0055】
このように、進路生成部14により生成された複数の進路案のうち、定型進路生成部13により生成された定型進路との類似度が高いほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択するため、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる。
【0056】
しかも、定型進路生成部13がセンサ部12から出力された情報に基づいて定型進路を生成するため、走行環境に合った定型進路を生成することができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る走行軌道作成装置21は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0058】
図7は、第2の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図7に示すように、第2の実施形態に係る走行軌道作成装置21は、センサ部12と、定型進路生成部13と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、を備えている。
【0059】
走行軌道作成装置21は、センサ部12が、取得した情報を、定型進路生成部13だけでなく進路生成部14にも出力する点で、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と相違する。このため、進路生成部14は、センサ部12から出力された情報に基づいて、自車両が行動可能な進路案を1又は複数生成することが可能となる。
【0060】
進路生成部14は、様々なパラメータの進路案を生成することができる。このため、何の制限もないと、進路生成部14は、不要な進路案を大量に生成し、計算負荷やメモリなどのリソースが大量に無駄となる。そこで、センサ部12で取得した情報を進路生成部14にも出力することで、進路生成部14が生成する進路案を、より現実的で必要性の高いものに絞ることができる。例えば、速度制限30km/hの一般道路を走行している場合を考えると、速度制限100km/hの高速道路における進路を選択することは考えられない。このため、係る場合は、速度制限100km/hの道路を走行する場合の進路案の生成を抑制することで、リソースの消費を抑え、計算速度の短縮化や消費電力の低減などの効果を得ることができる。
【0061】
このように、進路生成部14がセンサ部12から出力された情報に基づいて進路案を生成することで、走行環境に合った進路案を生成することができる。
【0062】
[第3実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る走行軌道作成装置31は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0063】
図8は、第3の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図8に示すように、第3の実施形態に係る走行軌道作成装置31は、センサ部12と、定型進路選択部33と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、定型進路データバンク部37と、を備えている。すなわち、走行軌道作成装置31は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と比較すると、定型進路生成部13が定型進路選択部33に置き換えられ、定型進路データバンク部37が追加された点で相違する。
【0064】
定型進路データバンク部37は、センサ部12から出力された情報に基づいて、定型進路の候補セットを生成するものである。定型進路の候補セットは、道路形態などの観点に基づいて複数の定型進路を纏めたものである。定型進路の候補セットとしては、例えば、一般道の候補セットや、高速道路の候補セットなどが挙げられる。一般道の候補セットとしては、例えば、直進、左折、右折、車線変更、後進、Uターン、停止などが挙げられる。高速道路の候補セットとしては、例えば、直進、車線変更などが挙げられる。なお、定型進路の候補セットは、如何なる定型進路を纏めたものであってもよく、例えば、一般道の候補セットに、上記の全ての定型進路を含めなくてもよく、また、高速道路における緊急時の候補セットに、上記以外の定型進路を含めてもよい。
【0065】
そして、定型進路データバンク部37は、生成した定型進路の候補セットを定型進路選択部33に出力する。
【0066】
定型進路選択部33は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、定型進路データバンク部37から出力された定型進路の候補セットの中から、この立案した運行計画に基づく1又は複数の定型進路を選択(生成)するものである。なお、定型進路選択部33が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路は、第1の実施形態の定型進路生成部13が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路と同様である。
【0067】
そして、定型進路選択部33は、生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0068】
このように、定型進路選択部33が定型進路の候補セットの中から定型進路を選択(生成)することで、道路形態に即した定型進路のみを生成することができ、リソースの無駄遣いを抑制することができる。
【0069】
[第4実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る走行軌道作成装置41は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0070】
図9は、第4の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図9に示すように、第4の実施形態に係る走行軌道作成装置41は、センサ部12と、定型進路計画生成部43と、進路生成部14と、選択進路通知部45と、駆動部16と、を備えている。すなわち、走行軌道作成装置41は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と比較すると、定型進路生成部13が定型進路計画生成部43に置き換えられ、進路選択部15が選択進路通知部45に置き換えられた点で相違する。
【0071】
定型進路計画生成部43は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、この運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。更に、定型進路計画生成部43は、選択進路通知部45から出力された情報に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を再生成する。なお、定型進路計画生成部43が立案及び見直しする運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成及び再生成する定型進路は、第1の実施形態の定型進路生成部13が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路と同様である。
【0072】
そして、定型進路計画生成部43は、生成又は再生成した定型進路を選択進路通知部45に出力する。
【0073】
選択進路通知部45は、定型進路計画生成部43から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とに基づいて、自車両の進路を選択する。更に、選択進路通知部45は、進路の選択に関する情報を、定型進路計画生成部43に出力する。進路の選択に関する情報としては、例えば、各進路案と定型進路との類似度、選択した進路の情報、定型進路と同じ進路を選択したか否かを示す情報、進路を選択した理由などが挙げられる。なお、選択進路通知部45による進路選択の基準は、第1の実施形態の進路選択部15の進路選択の基準と同様である。
【0074】
そして、選択進路通知部45は、選択した進路を駆動部16に出力し、進路の選択に関する情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0075】
次に、走行軌道作成装置41の処理動作について説明する。
【0076】
まず、センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報を取得するとともに、自車両の位置を同定する。そして、センサ部12は、これらの取得した情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0077】
次に、定型進路計画生成部43は、車両を運行計画に従って走行させる前に、センサ部12から出力された情報に基づいて運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。なお、生成する定型進路は、一つが好ましいが、複数でもよい。そして、定型進路計画生成部43は、この生成した定型進路を選択進路通知部45に出力する。
【0078】
一方、進路生成部14は、常時又は定期的に、1又は複数の進路案を生成する。なお、生成する進路案は、複数が好ましいが、一つのみでもよい。そして、進路生成部14は、これらの生成した進路案を選択進路通知部45に出力する。
【0079】
次に、選択進路通知部45は、定型進路計画生成部43から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とを比較する。そして、選択進路通知部45は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路計画生成部43で生成された定型進路との類似度が高い進路を選択する。このとき、選択進路通知部45は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を選択する。そして、選択進路通知部45は、選択した進路を駆動部16に出力するとともに、進路の選択に関する情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0080】
そして、駆動部16は、選択進路通知部45から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0081】
一方、定型進路計画生成部43は、選択進路通知部45から出力された進路の選択に関する情報に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて定型進路を再生成(リルート)する。すなわち、定型進路計画生成部43は、進路生成部14から選択進路通知部45に出力された全ての進路案と定型進路計画生成部43から選択進路通知部45に出力された定型進路との類似度が所定値以下である場合に、センサ部42から出力された情報に基づいて、立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて定型進路を再生成(リルート)する。なお、選択進路通知部45が選択した進路が、定型進路と同一の進路であれば、特に、運行計画の見直しや定型進路の再生成は行わなくてもよい。そして、定型進路計画生成部43は、選択進路通知部45から出力された選択に関する情報を分析し、選択した進路が定型進路であると判断すると、時間発展させた定型進路を生成する。時間発展とは、定型進路が時刻及び位置で記述されている場合に、過去の時刻及び位置を削除することをいう。なお、必要であれば、更に未来の時刻及び位置を付加してもよい。
【0082】
次に、選択進路通知部45は、定型進路計画生成部43で再生成された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とを比較する。そして、選択進路通知部45は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路計画生成部43で再生成された定型進路との類似度が高い進路を再選択する。このとき、選択進路通知部45は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を再選択する。そして、選択進路通知部45は、再選択した進路を駆動部16に出力するとともに、進路の選択に関する情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0083】
そして、駆動部16は、選択進路通知部45から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0084】
ここで、図10を参照して、進行方向前方に障害物が存在する場合の処理動作について説明する。図10は、進行方向前方に障害物が存在する場合の処理動作を示した図である。
【0085】
図10(a)に示すように、定型進路上に障害物αが存在する場合を考える。かかる場合、選択進路通知部45は、複数の進路案のうち、障害物αに衝突しない進路であって、定型進路に最も類似する進路を選択する。このとき、選択進路通知部45が、定型進路と進路案との類似度のみを基準に進路を選択すると、障害物αに接近しすぎる可能性がある。
【0086】
そこで、図10(b)に示すように、選択進路通知部45が選択した進路の情報を定型進路計画生成部43にフィードバックし、定型進路計画生成部43がこの情報に基づいて運行計画を見直し、定型進路を再生成することで、定型進路自体が、障害物αを避けて進む進路となる。これにより、選択進路通知部45でも、障害物αとの距離を十分に確保した位置において目的地に向かう進路が選択されるため、安全性が更に向上する。
【0087】
このように、第4の実施形態に係る走行軌道作成装置41によれば、定型進路計画生成部43が、選択進路通知部45から出力された進路の選択に関する情報に基づいて、立案した運行計画を見直し、定型進路を再生成することで、実際の道路状況などに適した定型進路を生成することができる。
【0088】
[第5実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態に係る走行軌道作成装置51は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0089】
図11は、第5の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図11に示すように、第5の実施形態に係る走行軌道作成装置51は、センサ部12と、定型進路設定生成部53と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、入力部58と、を備えている。すなわち、走行軌道作成装置51は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と比較すると、定型進路生成部13が定型進路設定生成部53に置き換えられ、入力部58が追加された点が相違する。
【0090】
入力部58は、人の操作を検出すると、定型進路設定生成部53に運行計画及び定型進路の変更を指示するものである。人の操作としては、例えば、ステアリング操作、ウインカー操作、パネル操作、ボタン押下、スイッチ切替、音声入力などが挙げられる。
【0091】
そして、入力部58は、車両の乗員などからこれらの操作が行われたことを検出すると、変更指示を定型進路設定生成部53に出力する。
【0092】
定型進路設定生成部53は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。また、定型進路設定生成部53は、入力部58からの指示に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を再生成する。なお、定型進路設定生成部53が立案及び見直しする運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成及び再生成する定型進路は、第1の実施形態の定型進路生成部13が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路と同様である。
【0093】
そして、定型進路設定生成部53は、生成又は再生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0094】
次に、走行軌道作成装置51の処理動作について説明する。
【0095】
まず、センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報を取得するとともに、自車両の位置を同定する。なお、生成する進路案は、複数が好ましいが、一つのみでもよい。そして、センサ部12は、これらの取得した情報を定型進路設定生成部53に出力する。
【0096】
次に、定型進路設定生成部53は、車両を運行計画に従って走行させる前に、センサ部12から出力された情報に基づいて運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。なお、生成する定型進路は、一つが好ましいが、複数でもよい。そして、定型進路設定生成部53は、この生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0097】
このとき、ステアリング操作などの人の操作が行われ、入力部58から定型進路設定生成部53に変更指示が出力されると、定型進路設定生成部53は、この変更指示に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて定型進路を再生成(リルート)する。例えば、車両の乗員が、運転者が車線を変更したくなった場合や、目的地への進路が複数存在するときに、進路を動的に変更させたくなった場合や、目的地までの途中で、コンビニやパーキングによるなどわき道に逸れたくなった場合など、これらの要望に合わせて運行計画を見直し、定型進路を再生成する。
【0098】
一方、進路生成部14は、常時又は定期的に、1又は複数の進路案を生成する。そして、進路生成部14は、これらの生成した進路案を進路選択部15に出力する。
【0099】
次に、進路選択部15は、定型進路設定生成部53で生成又は再生成された定型進路と、進路生成部14で生成された進路案とを比較する。そして、進路選択部15は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路設定生成部53で生成又は再生成された定型進路との類似度が高い進路を選択する。このとき、進路選択部15は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を選択する。そして、進路選択部15は、選択した進路を駆動部16に出力する。
【0100】
次に、駆動部16は、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0101】
このように、第5の実施形態に係る走行軌道作成装置51によれば、入力部58からの変更指示に基づいて立案した運行計画を見直し、定型進路を再生成することで、車両の行動、経由地、途中目的地などを、車両の乗員の好みに合わせて動的に変化させることができる。
【0102】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、複数の進路案の中から進路を選択するものとして説明したが、選択する進路は、定型進路と進路案の何れであってもよい。
【0103】
また、上記実施形態において、定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて定型進路を生成するものとして説明したが、例えば、ナビゲーションシステムに記憶されている地図情報や搭乗者の操作などに基づいて定型進路を生成するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
11…走行軌道作成装置、12…センサ部、13…定型進路生成部(予定走行軌道生成手段)、14…進路生成部(将来可動軌道生成手段)、15…進路選択部(類似度演算手段、軌道選択手段)、16…駆動部、21…走行軌道作成装置、31…走行軌道作成装置、33…定型進路選択部(予定走行軌道生成手段)、37…定型進路データバンク部、41…走行軌道作成装置、43…定型進路計画生成部(予定走行軌道生成手段)、45…選択進路通知部(類似度演算手段、軌道選択手段)、51…走行軌道作成装置、53…定型進路設定生成部(予定走行軌道生成手段)、58…入力部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行軌道を作成する走行軌道作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行軌道を作成する技術として、例えば、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1に記載された技術は、通常走行軌道と危険回避走行軌道とを作成し、これらの軌道を安全性及び効率性の観点から組み合わせることで、走行軌道を作成するものである。換言すると、特許文献1に記載された技術は、通常走行軌道を、危険回避走行軌道で修正するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−051356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、安全性及び効率性の観点から通常走行軌道を修正しているものの、走行軌道の修正前後で関連性、連続性、一貫性などが保持されない。このため、例えば、周囲を走行する車両の予想に反する運転が行われ、交通秩序を乱す可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる走行軌道作成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る走行軌道作成装置は、自車両が将来走行する予定走行軌道を生成する予定走行軌道生成手段と、将来自車両が走行可能な将来可動軌道を複数生成する将来可動軌道生成手段と、予定走行軌道と、複数の将来可動軌道との類似度を演算する類似度演算手段と、複数の将来可動軌道のうち、予定走行軌道との類似度が高い将来可動軌道であるほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択する軌道選択手段と、を備える。
【0007】
本発明に係る走行軌道作成装置では、将来可動軌道生成手段により生成された複数の将来可動軌跡のうち、走行軌道生成手段により生成された予定走行軌道との類似度が高いほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択する。このため、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる。
【0008】
そして、自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、予定走行軌道生成手段は、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて予定走行軌道を生成することが好ましい。このように、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて予定走行軌道を生成することで、走行環境に合った予定走行軌道を生成することができる。
【0009】
また、自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、将来可動軌道生成手段は、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて将来可動軌道を複数生成することが好ましい。このように、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて将来可動軌道を生成することで、走行環境に合った将来可動軌道を生成することができる。
【0010】
そして、複数の将来可動軌道のうち、全ての将来可動軌道と予定走行軌道との類似度が所定値以下である場合、予定走行軌道作成手段は、自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて予定走行軌道を再生成することとしてもよい。このように予定走行軌道を再生成することで、実際の道路状況などに適した予定走行軌道を生成することができる。
【0011】
また、予定走行軌道生成手段は、外部入力に基づいて予定走行軌道を再生成することとしてもよい。このように、外部入力に基づいて予定走行軌道を再生成することで、例えば、車両の乗員の好みに合わせて予定走行軌道を動的に変化させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図2】進路に関するパラメータの幅を説明するための図であり、(a)はパラメータの値に幅が無い場合、(b)はパラメータの値に幅がある場合、をそれぞれ示している。
【図3】定型進路変形機能を説明するための図であり、(a)は、自車両の速度に応じて定型進路を変形させる場合、(b)は、道路の曲率半径に応じて定型進路を変形させる場合、をそれぞれ示している。
【図4】車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。
【図5】比較例における、車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。
【図6】交差点で左折を行う場合の進路の選択方法を示した図である。
【図7】第2の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図8】第3の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図9】第4の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【図10】進行方向前方に障害物が存在する場合の処理動作を示した図である。
【図11】第5の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る走行軌道作成装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図1に示すように、第1の実施形態の走行軌道作成装置11は、センサ部12と、定型進路生成部13と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、を備えている。
【0016】
センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報などの情報を取得するとともに、自車両の位置を同定するものである。環境情報は、自車両周辺の交通規制情報であって、例えば、渋滞情報、速度制限、路面状況、天候などの情報が挙げられる。他車両情報は、自車両周辺に存在する障害物に関する情報であって、例えば、他車両の位置、速度、向きなどの情報が挙げられる。自車両情報としては、例えば、自車両の位置、速度、向きなどの情報が挙げられる。このセンサ部12は、例えば、カメラ、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、ソナーなどの周囲をセンシングするセンサや、カメラなどの周囲を撮像する撮像装置や、路車間通信、車々間通信などの通信を行う通信装置や、地図情報を保持するとともに位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)装置などで構成される。自車両の位置は、例えば、絶対位置が定められたランドマークを検出することで同定することができ、また、GPSから自車両の位置を取得することで同定することができる。
【0017】
そして、センサ部12は、取得した情報を定型進路生成部13に出力する。
【0018】
定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画(走行計画)を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路(予定走行軌道)を生成するものである。運行計画は、出発地、経由地、目的地を繋ぐルートである。定型進路としては、例えば、直進、左折、右折、車線変更、転回、後進、Uターン、停止などが挙げられる。生成される各定型進路は、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどの情報(パラメータ)の一部又は全部の値を持っており、このパラメータの値は幅を持っていてもよい。
【0019】
図2は、進路に関するパラメータの幅を説明するための図であり、(a)はパラメータの値に幅が無い場合、(b)はパラメータの値に幅がある場合、をそれぞれ示している。例えば、直線状の車道を走行する定型進路において、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどのパラメータに幅が無く一つのみである場合は、例えば、図2(a)に示すように、単純に直進する定型進路のみしか生成されない。これに対し、直線状の車道を走行する定型進路において、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどのパラメータに幅がある場合は、例えば、図2(b)に示すように位置誤差、時間誤差、加速度誤差、向き誤差を許容しながら前方に走行する1又は複数の定型進路も生成される。
【0020】
ところで、定型進路生成部13が立案した運行計画において、自車両の状態と道路形状との組合せは無数に存在するため、この運行計画に基づいて全ての定型進路を事前に生成することは困難である。このため、定型進路生成部13は、自車の状態と道路状況から、適宜、生成した定型進路を変形させる定型進路変形機能を有してもよい。なお、自車両の状態としては、例えば、自車両の位置、速度、向きなどが挙げられる。道路状況としては、例えば、道路の幅員、勾配、カーブなどが挙げられる。
【0021】
図3は、定型進路変形機能を説明するための図であり、(a)は、自車両の速度に応じて定型進路を変形させる場合、(b)は、道路の曲率半径に応じて定型進路を変形させる場合、をそれぞれ示している。
【0022】
まず、図3(a)に示すように、定型進路生成部13は、当初、自車両が30km/hで走行するする運行計画に基づいて車線変更を行う定型進路を生成したが、実際には、自車両が60km/hで走行した場合を考える。この場合、定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両が60km/hで走行していると判断し、例えば、進路変更に要する距離を2倍程度長くするように、定型進路を変形させる。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、定型進路生成部は、当初、道路が直線であるものとする運行計画に基づいて車線変更を行う定型進路を生成したが、実際には、道路がカーブしている場合を考える。この場合、定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて道路が所定の曲率半径でカーブしていると判断し、例えば、車線変更のルートを道路の曲率半径に沿わせるように、定型進路を変形させる。
【0024】
そして、定型進路生成部13は、生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0025】
進路生成部14は、ナビゲーションシステムに記憶されている地図情報や搭乗者の操作などに基づいて、自車両が行動可能な進路案(将来可動軌道)を1又は複数生成するものである。自車両が行動可能な進路案としては、例えば、直進、左折、右折、車線変更、転回、後進、Uターン、停止などが挙げられる。生成される各進路案は、位置、時刻、速度、加速度、減速度、向きなどの情報(パラメータ)の一部又は全部の値を持っており、このパラメータの値は幅を持っていてもよい。なお、進路案のパラメータに幅がない場合は、例えば、図2(a)に示すように、操舵、加速度、減速度を変えずに直進する進路が生成される。パラメータに幅がある場合は、例えば、図2(b)に示すように、操舵、加速度、減速度を変化させる進路が生成される。
【0026】
そして、進路生成部14は、生成した進路案を進路選択部15に出力する。
【0027】
なお、定型進路生成部13が生成する定型進路と進路生成部14が生成する進路案とを比較すると、以下の点で相違する。すなわち、定型進路は、出発地、経由地、目的地を繋ぐルートであるため、基本的に一度だけ生成され、一旦生成されると、上述した定型進路変形機能による変形や後述する他の実施形態での再生成などが行われない限り変更されないのに対し、進路案は、常時又は定期的に生成される点で相違する。
【0028】
進路選択部15は、定型進路生成部13から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とに基づいて、自車両の進路を選択するものである。
【0029】
進路選択部15による進路選択の基準としては、定型進路と進路案との類似度、安全性、効率性、快適性などが挙げられる。定型進路と進路案との類似度の判断方法としては、例えば、各進路の最終地点を比較して行う方法や、各進路の距離(例えば、時空間上の点同士のユークリッド距離)を比較して行う方法などが挙げられる。安全性は、例えば、障害物への衝突可能性などを算出して、自車両がその進路に進んだときに事故に遭遇しないかという観点で判断する。効率性は、例えば、各進路を走行するために要する時間を算出し、より短時間に遠くへ進む時間効率性という観点で判断する。快適性は、例えば、加速度、減速度、操舵速度などの程度を算出して、急操作がなく乗員に不快感を与えない乗車快適性という観点で判断する。そして、進路選択部15は、少なくとも、定型進路と進路案との類似度を進路選択の基準とし、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、複数の進路案のうち、定型進路と進路案との類似度が高い進路案であるほど、優先的に自車両の進路として選択する。なお、安全性、効率性、快適性は、センサ部12から出力された情報を進路選択部15に入力することで、進路選択部15において判断することができる。
【0030】
そして、進路選択部15は、選択した進路を駆動部16に出力する。
【0031】
駆動部16は、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両を駆動制御するものである。駆動部16による駆動制御としては、例えば、アクセル、ブレーキ、操舵、ウインカー、変速(シフトチェンジ)などが挙げられる。
【0032】
次に、走行軌道作成装置11の処理動作について説明する。
【0033】
まず、センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報を取得するとともに、自車両の位置を同定する。そして、センサ部12は、これらの取得した情報を定型進路生成部13に出力する。
【0034】
次に、定型進路生成部13は、車両を運行計画に従って走行させる前に、センサ部12から出力された情報に基づいて運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。なお、生成する定型進路は、一つが好ましいが、複数でもよい。そして、定型進路生成部13は、この生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0035】
一方、進路生成部14は、常時又は定期的に、1又は複数の進路案を生成する。なお、生成する進路案は、複数が好ましいが、一つのみでもよい。そして、進路生成部14は、これらの生成した進路案を進路選択部15に出力する。
【0036】
次に、進路選択部15は、定型進路生成部13から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とを比較する。そして、進路選択部15は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路生成部13で生成された定型進路との類似度が高い進路を選択する。このとき、進路選択部15は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を選択する。そして、進路選択部15は、選択した進路を駆動部16に出力する。
【0037】
次に、駆動部16は、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0038】
このように構成される走行軌道作成装置11の処理動作について、以下に、車線変更を行う場合と、交差点で左折を行う場合を例として説明する。
【0039】
まず、図4を参照して、車線変更を行う場合について説明する。図4は、車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。図4において、実線の進路は、定型進路生成部13が生成した定型進路を示し、破線の進路は、進路生成部14が生成した進路案を示す。また、図4において、(a)→(b)→(c)は、異常が発生しない場合を示し、(a)→(d)→(e)→(f)は、異常が発生した場合を示す。なお、図4の場合の異常とは、定型進路生成部13が生成した定型進路を走行すると、自車両が障害物に衝突する場合をいう。
【0040】
まず、図4(a),(b),(c)を参照して、車線変更を行う際に異常が発生しない場合について説明する。
【0041】
図4(a)に示すように、定型進路生成部13により定型進路が生成された後、時刻Tになると、図4(b)に示すように、進路生成部14により複数の進路案が生成される。ここでは、特に異常が発生していないため、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、定型進路に最も類似する進路が選択される。このとき、複数の進路案に定型進路と同じ進路があれば、通常は、定型進路と同じ進路案の進路が選択される。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0042】
その後、時刻T+1になると、図4(c)に示すように、進路生成部14により複数の進路案が新たに生成される。ここでも、特に異常が発生していないため、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、定型進路に最も類似する進路を選択する。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0043】
次に、図4(a),(d),(e),(f)を参照して、車線変更を行う際に異常が発生した場合について説明する。
【0044】
図4(a)に示すように、定型進路生成部13により定型進路が生成された後、時刻Tになると、図4(d)に示すように、進路生成部14により複数の進路案が生成される。ここでは、特に異常が発生していないため、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、定型進路に最も類似する進路が選択される。このとき、複数の進路案に定型進路と同じ進路があれば、通常は、定型進路と同じ進路案の進路が選択される。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0045】
その後、時刻T+1になり、図4(e)に示すように、衝突可能性のある障害物を発見する異常が発生すると、図4(e)に示すように、上記同様、まず、進路生成部14により複数の進路案が新たに生成される。このとき、衝突可能性のある障害物を発見しているため、進路選択部15により、定型進路と進路案との類似度及び安全性の観点から、進路が選択される。すなわち、進路選択部15により、定型進路と複数の進路案とが比較され、複数の進路案のうち、障害物に衝突しない進路であって、定型進路に最も類似する進路が選択される。そして、進路選択部15により選択された進路を走行するように、駆動部16により自車両の駆動制御が行われる。
【0046】
ここで、定型進路との類似度を加味せずに複数の進路案から進路を選択する比較例を用いて、進路の選択方法について説明する。図5は、比較例における、車線変更を行う場合の進路の選択方法を示した図である。図5において、実線の進路は、定型進路との類似度を比較せずに選択された進路を示し、破線の進路は、本実施形態の進路案に対応する進路を示す。
【0047】
時刻Tになると、図5(a)に示すように、複数の進路案が生成されるとともに、この生成された複数の進路案から最適な進路が選択される。そして、この選択された進路を走行するように、自車両の駆動制御が行われる。
【0048】
その後、時刻T+1になると、図5(b)に示すように、複数の進路案が新たに生成されるが、時刻Tのときに選択した進路とは関係なく、今回生成された複数の進路案から最適な進路が選択される。そして、この選択された進路を走行するように、自車両の駆動制御が行われる。
【0049】
このように、比較例では、常に最適な進路を選択することができるが、時刻Tで選択した進路と時刻T+1で選択進路との間に関連性及び一貫性がない。このため、周囲を走行する車両の運転者が予測し難い行動となり、交通秩序が乱れる可能性がある。
【0050】
これに対し、本実施形態では、進路生成部14が生成した進路案のうち、定型進路生成部13で生成した定型進路と類似度の高い進路を選択するため、周囲を走行する車両の運転者が予測しやすい行動をとることができ、また、実際の状況に応じた行動をとることができる。
【0051】
次に、図6を参照して、交差点で左折を行う場合について説明する。ここでも、上記と同様に、定型進路との類似度を加味せずに複数の進路案から進路を選択する比較例を用いて、進路の選択方法について説明する。図6は、交差点で左折を行う場合の進路の選択方法を示した図である。図6において、実線の進路は、進路選択部15で選択された進路を示し、実線矢印の進路は定型進路生成部13が生成した定型進路を示し、破線の進路は、進路生成部14が生成した進路案を示す。また、図6において、(a)→(b)は、比較例における進路の選択方法を示し、(a)→(c)は、本実施形態における進路の選択方法を示している。
【0052】
まず、図6(a)に示すように、定型進路生成部13により、交差点で左折した後、歩道を横切って目的地に向かう定型進路が生成される。
【0053】
このとき、歩道を渡ろうとする歩行者の存在が確認されると、比較例では、図6(b)に示すように、複数の進路案のうち、安全でより遠くへ行ける進路を選択する。すなわち、比較例では、歩行者を避けて走行する進路を選択するため、左折とは異なる方向に進む進路が選択され、交差点を左折できなくなる可能性がある。
【0054】
これに対して、本実施形態では、図6(c)に示すように、歩道を渡ろうとする歩行者の存在が確認されると、生成された複数の進路案のうち、障害物に衝突しない進路であって、定型進路に最も類似する進路を選択する。このため、本実施形態では、例えば、必要に応じて歩道の手前で一時停止した後、定型進路に沿った進路案が選択されるため、交差点を左折して、目的地に向かって進むことができる。
【0055】
このように、進路生成部14により生成された複数の進路案のうち、定型進路生成部13により生成された定型進路との類似度が高いほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択するため、走行環境に合わせて柔軟に走行軌道を変化させつつ、走行軌道の変化前後で軌道の関連性を高く保持し、交通秩序の乱れを抑制することができる。
【0056】
しかも、定型進路生成部13がセンサ部12から出力された情報に基づいて定型進路を生成するため、走行環境に合った定型進路を生成することができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る走行軌道作成装置21は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0058】
図7は、第2の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図7に示すように、第2の実施形態に係る走行軌道作成装置21は、センサ部12と、定型進路生成部13と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、を備えている。
【0059】
走行軌道作成装置21は、センサ部12が、取得した情報を、定型進路生成部13だけでなく進路生成部14にも出力する点で、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と相違する。このため、進路生成部14は、センサ部12から出力された情報に基づいて、自車両が行動可能な進路案を1又は複数生成することが可能となる。
【0060】
進路生成部14は、様々なパラメータの進路案を生成することができる。このため、何の制限もないと、進路生成部14は、不要な進路案を大量に生成し、計算負荷やメモリなどのリソースが大量に無駄となる。そこで、センサ部12で取得した情報を進路生成部14にも出力することで、進路生成部14が生成する進路案を、より現実的で必要性の高いものに絞ることができる。例えば、速度制限30km/hの一般道路を走行している場合を考えると、速度制限100km/hの高速道路における進路を選択することは考えられない。このため、係る場合は、速度制限100km/hの道路を走行する場合の進路案の生成を抑制することで、リソースの消費を抑え、計算速度の短縮化や消費電力の低減などの効果を得ることができる。
【0061】
このように、進路生成部14がセンサ部12から出力された情報に基づいて進路案を生成することで、走行環境に合った進路案を生成することができる。
【0062】
[第3実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る走行軌道作成装置31は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0063】
図8は、第3の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図8に示すように、第3の実施形態に係る走行軌道作成装置31は、センサ部12と、定型進路選択部33と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、定型進路データバンク部37と、を備えている。すなわち、走行軌道作成装置31は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と比較すると、定型進路生成部13が定型進路選択部33に置き換えられ、定型進路データバンク部37が追加された点で相違する。
【0064】
定型進路データバンク部37は、センサ部12から出力された情報に基づいて、定型進路の候補セットを生成するものである。定型進路の候補セットは、道路形態などの観点に基づいて複数の定型進路を纏めたものである。定型進路の候補セットとしては、例えば、一般道の候補セットや、高速道路の候補セットなどが挙げられる。一般道の候補セットとしては、例えば、直進、左折、右折、車線変更、後進、Uターン、停止などが挙げられる。高速道路の候補セットとしては、例えば、直進、車線変更などが挙げられる。なお、定型進路の候補セットは、如何なる定型進路を纏めたものであってもよく、例えば、一般道の候補セットに、上記の全ての定型進路を含めなくてもよく、また、高速道路における緊急時の候補セットに、上記以外の定型進路を含めてもよい。
【0065】
そして、定型進路データバンク部37は、生成した定型進路の候補セットを定型進路選択部33に出力する。
【0066】
定型進路選択部33は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、定型進路データバンク部37から出力された定型進路の候補セットの中から、この立案した運行計画に基づく1又は複数の定型進路を選択(生成)するものである。なお、定型進路選択部33が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路は、第1の実施形態の定型進路生成部13が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路と同様である。
【0067】
そして、定型進路選択部33は、生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0068】
このように、定型進路選択部33が定型進路の候補セットの中から定型進路を選択(生成)することで、道路形態に即した定型進路のみを生成することができ、リソースの無駄遣いを抑制することができる。
【0069】
[第4実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る走行軌道作成装置41は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0070】
図9は、第4の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図9に示すように、第4の実施形態に係る走行軌道作成装置41は、センサ部12と、定型進路計画生成部43と、進路生成部14と、選択進路通知部45と、駆動部16と、を備えている。すなわち、走行軌道作成装置41は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と比較すると、定型進路生成部13が定型進路計画生成部43に置き換えられ、進路選択部15が選択進路通知部45に置き換えられた点で相違する。
【0071】
定型進路計画生成部43は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、この運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。更に、定型進路計画生成部43は、選択進路通知部45から出力された情報に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を再生成する。なお、定型進路計画生成部43が立案及び見直しする運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成及び再生成する定型進路は、第1の実施形態の定型進路生成部13が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路と同様である。
【0072】
そして、定型進路計画生成部43は、生成又は再生成した定型進路を選択進路通知部45に出力する。
【0073】
選択進路通知部45は、定型進路計画生成部43から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とに基づいて、自車両の進路を選択する。更に、選択進路通知部45は、進路の選択に関する情報を、定型進路計画生成部43に出力する。進路の選択に関する情報としては、例えば、各進路案と定型進路との類似度、選択した進路の情報、定型進路と同じ進路を選択したか否かを示す情報、進路を選択した理由などが挙げられる。なお、選択進路通知部45による進路選択の基準は、第1の実施形態の進路選択部15の進路選択の基準と同様である。
【0074】
そして、選択進路通知部45は、選択した進路を駆動部16に出力し、進路の選択に関する情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0075】
次に、走行軌道作成装置41の処理動作について説明する。
【0076】
まず、センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報を取得するとともに、自車両の位置を同定する。そして、センサ部12は、これらの取得した情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0077】
次に、定型進路計画生成部43は、車両を運行計画に従って走行させる前に、センサ部12から出力された情報に基づいて運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。なお、生成する定型進路は、一つが好ましいが、複数でもよい。そして、定型進路計画生成部43は、この生成した定型進路を選択進路通知部45に出力する。
【0078】
一方、進路生成部14は、常時又は定期的に、1又は複数の進路案を生成する。なお、生成する進路案は、複数が好ましいが、一つのみでもよい。そして、進路生成部14は、これらの生成した進路案を選択進路通知部45に出力する。
【0079】
次に、選択進路通知部45は、定型進路計画生成部43から出力された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とを比較する。そして、選択進路通知部45は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路計画生成部43で生成された定型進路との類似度が高い進路を選択する。このとき、選択進路通知部45は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を選択する。そして、選択進路通知部45は、選択した進路を駆動部16に出力するとともに、進路の選択に関する情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0080】
そして、駆動部16は、選択進路通知部45から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0081】
一方、定型進路計画生成部43は、選択進路通知部45から出力された進路の選択に関する情報に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて定型進路を再生成(リルート)する。すなわち、定型進路計画生成部43は、進路生成部14から選択進路通知部45に出力された全ての進路案と定型進路計画生成部43から選択進路通知部45に出力された定型進路との類似度が所定値以下である場合に、センサ部42から出力された情報に基づいて、立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて定型進路を再生成(リルート)する。なお、選択進路通知部45が選択した進路が、定型進路と同一の進路であれば、特に、運行計画の見直しや定型進路の再生成は行わなくてもよい。そして、定型進路計画生成部43は、選択進路通知部45から出力された選択に関する情報を分析し、選択した進路が定型進路であると判断すると、時間発展させた定型進路を生成する。時間発展とは、定型進路が時刻及び位置で記述されている場合に、過去の時刻及び位置を削除することをいう。なお、必要であれば、更に未来の時刻及び位置を付加してもよい。
【0082】
次に、選択進路通知部45は、定型進路計画生成部43で再生成された定型進路と、進路生成部14から出力された進路案とを比較する。そして、選択進路通知部45は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路計画生成部43で再生成された定型進路との類似度が高い進路を再選択する。このとき、選択進路通知部45は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を再選択する。そして、選択進路通知部45は、再選択した進路を駆動部16に出力するとともに、進路の選択に関する情報を定型進路計画生成部43に出力する。
【0083】
そして、駆動部16は、選択進路通知部45から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0084】
ここで、図10を参照して、進行方向前方に障害物が存在する場合の処理動作について説明する。図10は、進行方向前方に障害物が存在する場合の処理動作を示した図である。
【0085】
図10(a)に示すように、定型進路上に障害物αが存在する場合を考える。かかる場合、選択進路通知部45は、複数の進路案のうち、障害物αに衝突しない進路であって、定型進路に最も類似する進路を選択する。このとき、選択進路通知部45が、定型進路と進路案との類似度のみを基準に進路を選択すると、障害物αに接近しすぎる可能性がある。
【0086】
そこで、図10(b)に示すように、選択進路通知部45が選択した進路の情報を定型進路計画生成部43にフィードバックし、定型進路計画生成部43がこの情報に基づいて運行計画を見直し、定型進路を再生成することで、定型進路自体が、障害物αを避けて進む進路となる。これにより、選択進路通知部45でも、障害物αとの距離を十分に確保した位置において目的地に向かう進路が選択されるため、安全性が更に向上する。
【0087】
このように、第4の実施形態に係る走行軌道作成装置41によれば、定型進路計画生成部43が、選択進路通知部45から出力された進路の選択に関する情報に基づいて、立案した運行計画を見直し、定型進路を再生成することで、実際の道路状況などに適した定型進路を生成することができる。
【0088】
[第5実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態に係る走行軌道作成装置51は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と基本的に同様である。このため、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0089】
図11は、第5の実施形態に係る走行軌道作成装置のブロック構成を示した図である。図11に示すように、第5の実施形態に係る走行軌道作成装置51は、センサ部12と、定型進路設定生成部53と、進路生成部14と、進路選択部15と、駆動部16と、入力部58と、を備えている。すなわち、走行軌道作成装置51は、第1の実施形態に係る走行軌道作成装置11と比較すると、定型進路生成部13が定型進路設定生成部53に置き換えられ、入力部58が追加された点が相違する。
【0090】
入力部58は、人の操作を検出すると、定型進路設定生成部53に運行計画及び定型進路の変更を指示するものである。人の操作としては、例えば、ステアリング操作、ウインカー操作、パネル操作、ボタン押下、スイッチ切替、音声入力などが挙げられる。
【0091】
そして、入力部58は、車両の乗員などからこれらの操作が行われたことを検出すると、変更指示を定型進路設定生成部53に出力する。
【0092】
定型進路設定生成部53は、センサ部12から出力された情報に基づいて自車両の運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。また、定型進路設定生成部53は、入力部58からの指示に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を再生成する。なお、定型進路設定生成部53が立案及び見直しする運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成及び再生成する定型進路は、第1の実施形態の定型進路生成部13が立案する運行計画、及びこの運行計画に基づいて生成する定型進路と同様である。
【0093】
そして、定型進路設定生成部53は、生成又は再生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0094】
次に、走行軌道作成装置51の処理動作について説明する。
【0095】
まず、センサ部12は、環境情報、他車両情報、自車情報を取得するとともに、自車両の位置を同定する。なお、生成する進路案は、複数が好ましいが、一つのみでもよい。そして、センサ部12は、これらの取得した情報を定型進路設定生成部53に出力する。
【0096】
次に、定型進路設定生成部53は、車両を運行計画に従って走行させる前に、センサ部12から出力された情報に基づいて運行計画を立案し、この立案した運行計画に基づいて1又は複数の定型進路を生成する。なお、生成する定型進路は、一つが好ましいが、複数でもよい。そして、定型進路設定生成部53は、この生成した定型進路を進路選択部15に出力する。
【0097】
このとき、ステアリング操作などの人の操作が行われ、入力部58から定型進路設定生成部53に変更指示が出力されると、定型進路設定生成部53は、この変更指示に基づいて立案した運行計画を見直し、この見直した運行計画に基づいて定型進路を再生成(リルート)する。例えば、車両の乗員が、運転者が車線を変更したくなった場合や、目的地への進路が複数存在するときに、進路を動的に変更させたくなった場合や、目的地までの途中で、コンビニやパーキングによるなどわき道に逸れたくなった場合など、これらの要望に合わせて運行計画を見直し、定型進路を再生成する。
【0098】
一方、進路生成部14は、常時又は定期的に、1又は複数の進路案を生成する。そして、進路生成部14は、これらの生成した進路案を進路選択部15に出力する。
【0099】
次に、進路選択部15は、定型進路設定生成部53で生成又は再生成された定型進路と、進路生成部14で生成された進路案とを比較する。そして、進路選択部15は、進路生成部14で生成された進路案のうち、定型進路設定生成部53で生成又は再生成された定型進路との類似度が高い進路を選択する。このとき、進路選択部15は、適宜、安全性、効率性、快適性の基準を加味して、進路を選択する。そして、進路選択部15は、選択した進路を駆動部16に出力する。
【0100】
次に、駆動部16は、進路選択部15から出力された進路に基づいて、自車両の駆動制御を行う。
【0101】
このように、第5の実施形態に係る走行軌道作成装置51によれば、入力部58からの変更指示に基づいて立案した運行計画を見直し、定型進路を再生成することで、車両の行動、経由地、途中目的地などを、車両の乗員の好みに合わせて動的に変化させることができる。
【0102】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、複数の進路案の中から進路を選択するものとして説明したが、選択する進路は、定型進路と進路案の何れであってもよい。
【0103】
また、上記実施形態において、定型進路生成部13は、センサ部12から出力された情報に基づいて定型進路を生成するものとして説明したが、例えば、ナビゲーションシステムに記憶されている地図情報や搭乗者の操作などに基づいて定型進路を生成するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
11…走行軌道作成装置、12…センサ部、13…定型進路生成部(予定走行軌道生成手段)、14…進路生成部(将来可動軌道生成手段)、15…進路選択部(類似度演算手段、軌道選択手段)、16…駆動部、21…走行軌道作成装置、31…走行軌道作成装置、33…定型進路選択部(予定走行軌道生成手段)、37…定型進路データバンク部、41…走行軌道作成装置、43…定型進路計画生成部(予定走行軌道生成手段)、45…選択進路通知部(類似度演算手段、軌道選択手段)、51…走行軌道作成装置、53…定型進路設定生成部(予定走行軌道生成手段)、58…入力部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が将来走行する予定走行軌道を生成する予定走行軌道生成手段と、
将来自車両が走行可能な将来可動軌道を複数生成する将来可動軌道生成手段と、
前記予定走行軌道と、前記複数の将来可動軌道との類似度を演算する類似度演算手段と、
前記複数の将来可動軌道のうち、前記予定走行軌道との類似度が高い将来可動軌道であるほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択する軌道選択手段と、
を備える走行軌道作成装置。
【請求項2】
自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、
前記予定走行軌道生成手段は、前記自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて前記予定走行軌道を生成する、請求項1に記載の走行軌道作成装置。
【請求項3】
自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、
前記将来可動軌道生成手段は、前記自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて前記将来可動軌道を複数生成する、請求項1又は2に記載の走行軌道作成装置。
【請求項4】
前記複数の将来可動軌道のうち、全ての将来可動軌道と前記予定走行軌道との類似度が所定値以下である場合、
前記予定走行軌道作成手段は、前記自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて前記予定走行軌道を再生成する請求項1〜3の何れか1項に記載の走行軌道作成装置。
【請求項5】
前記予定走行軌道生成手段は、外部入力に基づいて前記予定走行軌道を再生成する請求項1〜4の何れか1項に記載の走行軌道作成装置。
【請求項1】
自車両が将来走行する予定走行軌道を生成する予定走行軌道生成手段と、
将来自車両が走行可能な将来可動軌道を複数生成する将来可動軌道生成手段と、
前記予定走行軌道と、前記複数の将来可動軌道との類似度を演算する類似度演算手段と、
前記複数の将来可動軌道のうち、前記予定走行軌道との類似度が高い将来可動軌道であるほど、実際に自車両を走行させる軌道として優先的に選択する軌道選択手段と、
を備える走行軌道作成装置。
【請求項2】
自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、
前記予定走行軌道生成手段は、前記自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて前記予定走行軌道を生成する、請求項1に記載の走行軌道作成装置。
【請求項3】
自車両周辺に存在する障害物に関する情報、又は自車両周辺の交通規制情報を取得する自車環境情報取得手段を更に有し、
前記将来可動軌道生成手段は、前記自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて前記将来可動軌道を複数生成する、請求項1又は2に記載の走行軌道作成装置。
【請求項4】
前記複数の将来可動軌道のうち、全ての将来可動軌道と前記予定走行軌道との類似度が所定値以下である場合、
前記予定走行軌道作成手段は、前記自車環境情報取得手段が取得した情報に基づいて前記予定走行軌道を再生成する請求項1〜3の何れか1項に記載の走行軌道作成装置。
【請求項5】
前記予定走行軌道生成手段は、外部入力に基づいて前記予定走行軌道を再生成する請求項1〜4の何れか1項に記載の走行軌道作成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−238054(P2011−238054A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109421(P2010−109421)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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