説明

走行音発生装置及び車両用警音装置

【課題】アンプ及びスピーカを必要とせず、ワイヤーハーネスの増大及び部品コストの上昇を抑制しながら、擬似的走行音を発生させる走行音発生装置の提供。
【解決手段】押ボタンスイッチ6が操作されている期間、車載発電機2又はバッテリ3の出力電圧を印加されて警音を発生させる警音器1を備える車両の走行時の音を模擬的に発生させる走行音発生装置。車両の速度値を取得する速度値取得手段4と、速度値取得手段4が取得した速度値が所定速度値以下であるか否かを判定する手段4と、判定する手段4が所定速度値以下であると判定したときに、車載発電機2又はバッテリ3の出力電圧をPWM制御した電圧を、警音器1に印加するPWM制御手段4,7とを備え、PWM制御手段4,7がPWM制御した電圧を警音器1に印加することにより、警音より小さな走行音を模擬的に発生させる構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押ボタンスイッチが操作されている期間、車載発電機又はバッテリの出力電圧により警音を発生させる警音器を備える車両の走行時の音を模擬的に発生させる車両用走行音発生装置、及び押ボタンスイッチが操作されている期間、車載発電機又はバッテリの出力電圧により警音を発生させる車両用警音装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車(HV)及び電気自動車(EV)のようにモータを駆動力源とする車両は、従来の内燃機関のみを駆動力源とする車両より、走行時の音が発生せず静かである。
【0003】
特許文献1には、電気自動車のモータ回転数を検出する回転数検出部を有し、回転数検出部により検出されたモータ回転数に応じた周波数を有する音を、アクセル開度に応じた音圧でスピーカにより発生させる電気自動車用擬似走行音発生装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、走行状態に応じて警報音を発生させる警報音制御装置及び拡声装置を具備し、バッテリを電源として、モータにより車輪を駆動し走行する電気自動車が開示されている。通常の走行中に、確実に歩行者等に、電気自動車の接近を知らせ、駆動音が静かな電気自動車であるが故に、騒音の大きい内燃機関を搭載したガソリン車等よりも交通事故の危険が大きくなるということを防ぐ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−32948号公報
【特許文献2】特開平10−201001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、ハイブリッド車(HV)及び電気自動車(EV)では、走行時の音が静かである為、前方の歩行者及び交差点等の歩行者には、その存在が認識されにくく、狭い路地などでは従来の内燃機関を搭載した車両よりも、事故発生の危険性が高いという問題がある。
このような問題に対して、上記の特許文献1,2では、走行状態に応じて擬似的な走行音を発生させることで、車両の存在を歩行者に認識させ易くしている。しかし、擬似的な走行音を発生させるには、アンプ及びスピーカのような走行音発生手段を搭載する必要がある為、ワイヤーハーネスの増大及び部品コストの上昇を招くという問題がある。
【0007】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、第1乃至第5発明では、アンプ及びスピーカのような走行音発生手段を必要とせず、ワイヤーハーネスの増大及び部品コストの上昇を抑制しながら、擬似的な走行音を発生させることができる走行音発生装置を提供することを目的とする。
第6発明では、第1乃至第5発明に係る走行音発生装置の構成の主部を共用して、省電力を図ることができる車両用警音装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る走行音発生装置は、押ボタンスイッチが操作されている期間、車載発電機又はバッテリの出力電圧を印加されて警音を発生させる警音器を備える車両の走行時の音を模擬的に発生させる走行音発生装置において、車両の速度値を取得する速度値取得手段と、該速度値取得手段が取得した速度値が所定速度値以下であるか否かを判定する手段と、該手段が所定速度値以下であると判定したときに、前記出力電圧をPWM制御した電圧を、前記警音器に印加するPWM制御手段とを備え、該PWM制御手段がPWM制御した電圧を前記警音器に印加することにより、前記警音より小さな走行音を模擬的に発生させるように構成してあることを特徴とする。
【0009】
この走行音発生装置では、押ボタンスイッチが操作されている期間、警音器が車載発電機又はバッテリの出力電圧を印加されて警音を発生させる車両の、走行時の音を模擬的に発生させる。速度値取得手段が、車両の速度値を取得し、判定する手段が、速度値取得手段が取得した速度値が所定速度値以下であるか否かを判定する。判定する手段が所定速度値以下であると判定したときに、PWM制御手段が、車載発電機又はバッテリの出力電圧をPWM制御した電圧を、警音器に印加する。PWM制御手段がPWM制御した電圧を警音器に印加することにより、警音より小さな走行音を模擬的に発生させる。
【0010】
第2発明に係る走行音発生装置は、前記PWM制御手段は、前記速度値取得手段が取得した速度値が低い程、低い周波数の警音を発生させるように、前記出力電圧をPWM制御するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
この走行音発生装置では、PWM制御手段は、速度値取得手段が取得した速度値が低い程、低い周波数の警音を発生させるように、車載発電機又はバッテリの出力電圧をPWM制御する。
【0012】
第3発明に係る走行音発生装置は、走行時が夜間又は昼間の何れであるかを判定する判定手段を更に備え、前記PWM制御手段は、前記判定手段が夜間であると判定したときは、昼間であると判定したときよりも、小さなデューティ比で前記出力電圧をPWM制御するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
この走行音発生装置では、判定手段が、走行時が夜間又は昼間の何れであるかを判定する。PWM制御手段は、判定手段が夜間であると判定したときは、昼間であると判定したときよりも、小さなデューティ比で車載発電機又はバッテリの出力電圧をPWM制御する。
【0014】
第4発明に係る走行音発生装置は、走行時の環境が都市部であるか否かを判定する環境判定手段を更に備え、前記PWM制御手段は、前記環境判定手段が都市部であると判定したときは、都市部でないと判定したときよりも小さなデューティ比で前記出力電圧をPWM制御するように構成してあることを特徴とする。
【0015】
この走行音発生装置では、環境判定手段が、走行時(中)の環境が都市部であるか否かを判定する。PWM制御手段は、環境判定手段が都市部であると判定したときは、都市部でないと判定したときよりも小さなデューティ比で車載発電機又はバッテリの出力電圧をPWM制御する。
【0016】
第5発明に係る走行音発生装置は、走行時の環境が都市部であるか否かを示す情報を取得する都市部情報取得手段を更に備え、前記PWM制御手段は、該都市部情報取得手段が取得した情報が、走行時の環境が都市部であることを示すときは、都市部でないことを示すときよりも、小さなデューティ比で前記出力電圧をPWM制御するように構成してあることを特徴とする。
【0017】
この走行音発生装置では、都市部情報取得手段が、走行時(中)の環境が都市部であるか否かを示す情報を取得する。PWM制御手段は、都市部情報取得手段が取得した情報が、走行時の環境が都市部であることを示すときは、都市部でないことを示すときよりも、小さなデューティ比で車載発電機又はバッテリの出力電圧をPWM制御する。
【0018】
第6発明に係る車両用警音装置は、押ボタンスイッチが操作されている期間、車載発電機又はバッテリの出力電圧を印加されて警音を発生させる警音器を備える車両用警音装置において、前記押ボタンスイッチが操作された場合に、前記出力電圧を検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段が検出した電圧値及び所定電圧値を比較する比較手段と、該比較手段が、検出した電圧値の方が高いと判定したときに、デューティ比=100×(所定電圧値/検出した電圧値)2 %を演算する演算手段と、該演算手段が演算したデューティ比により、前記出力電圧をPWM制御した電圧を、前記警音器に印加するPWM制御手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
この車両用警音装置では、押ボタンスイッチが操作されている期間、車載発電機又はバッテリの出力電圧を印加されて警音を発生させる警音器を備えている。押ボタンスイッチが操作された場合に、電圧検出手段が、車載発電機又はバッテリの出力電圧を検出し、比較手段が、電圧検出手段が検出した電圧値及び所定電圧値を比較する。比較手段が、検出した電圧値の方が高いと判定したときに、演算手段が、デューティ比=100×(所定電圧値/検出した電圧値)2 %を演算する。PWM制御手段は、演算手段が演算したデューティ比により、車載発電機又はバッテリの出力電圧をPWM制御した電圧を、警音器に印加する。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る走行音発生装置によれば、アンプ及びスピーカのような走行音発生手段を必要とせず、ワイヤーハーネスの増大及び部品コストの上昇を抑制しながら、擬似的な走行音を発生させることができる走行音発生装置を実現することができる。
【0021】
本発明に係る車両用警音装置によれば、本発明に係る走行音発生装置の構成の主部を共用して、省電力を図ることができる車両用警音装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る走行音発生装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る走行音発生装置の動作の例を説明する為の説明図である。
【図3】本発明に係る走行音発生装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る走行音発生装置及び車両用警音装置の実施の形態の要部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る走行音発生装置及び車両用警音装置の動作の例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る走行音発生装置及び車両用警音装置の動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る走行音発生装置の実施の形態1の要部構成を示すブロック図である。
この走行音発生装置は、車両のハンドル(図示せず)に設けられたホーンスイッチ(押ボタンスイッチ)6の一方の端子が、バッテリ3又はオルタネータ(車載発電機)2の+側端子に接続され、他方の端子が、ホーン(警音器)1の一方の端子に接続されている。ホーン1、バッテリ3及びオルタネータ2の各他方の端子は接地されている。
【0024】
バッテリ3又はオルタネータ2の+側端子にスイッチング回路7の一方の端子が接続され、スイッチング回路7の他方の端子はホーン1の一方の端子に接続されている。
スイッチング回路(PWM制御手段)7は、制御部(PWM制御手段)4に駆動制御され、バッテリ3又はオルタネータ2の出力電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御してホーン1に与え、模擬走行音を発生させる。
ホーン1は、ホーンスイッチ6がオンのときは、通電して警音を発生させる。
【0025】
制御部4は、マイクロコンピュータを備えており、図示しない車速センサから速度値(車速情報)を取得し、例えば図2(a)に示すように、速度値が40km/h迄は、速度値が高い程、高い周波数の模擬走行音を発生させるように、スイッチング回路7をPWM制御する。制御部4は、速度値が40km/hを超えている場合は、スイッチング回路7をオフにする。
【0026】
制御部(速度値取得手段)4は、また、図示しない前照灯スイッチのオン/オフ情報(ランプ情報)を取得する。制御部(判定手段)4は、取得した前照灯スイッチのオン/オフ情報がオンであれば、現在は夜間であると判定し、前照灯スイッチのオン/オフ情報がオフであれば、現在は昼間であると判定する。
制御部4は、現在は夜間であると判定したときは、例えば図2(b)に示すように、現在は昼間であると判定したとき(昼間モード)よりも小さなデューティ比(夜間モード)で、スイッチング回路7をPWM制御する。
制御部4は、また、例えば図2(b)に示すように、高い周波数のとき程、大きなデューティ比で、スイッチング回路7をPWM制御する。
【0027】
車速センサからの速度値は、また、走行環境判定部5にも取得される。走行環境判定部5は、取得した速度値に基づき、例えば、始動/停止の頻度を算出し、算出した頻度に基づき、走行時の環境が都市部であるか否かを判定し、その判定結果を制御部4に与える。
制御部4は、与えられた判定結果が、走行時(中)の環境が都市部であるときは、都市部でないときよりも小さなデューティ比で、スイッチング回路7をPWM制御する。
尚、制御部(都市部情報取得手段)4は、都市部であるか否かの位置情報を有する図示しないナビゲーション装置から、走行時の環境が都市部であるか否かの都市部情報を取得するように構成しても良い。
【0028】
以下に、このような構成の走行音発生装置の動作を、それを示す図3のフローチャートを参照しながら説明する。
制御部4は、先ず、車速センサから速度値v(車速情報)を読込み(S1)、読込んだ速度値vが、0<v≦40km/hであるか否かを判定する(S3)。
制御部4は、読込んだ速度値vが、0<v≦40km/hでなければ(S3)、スイッチング回路7をオフにして、ホーン1への通電を停止し(S17)、次いで、車速センサから速度値vを読込む(S1)。ホーン1への通電が停止中であれば、引続き通電を停止しておく(S17)。
【0029】
制御部4は、読込んだ速度値vが、0<v≦40km/hであれば(S3)、図示しない前照灯スイッチのオン/オフ情報(ランプ情報)を読込む(S5)。次いで、走行環境判定部5から、走行時の環境が都市部であるか否かの判定結果(走行環境情報)を読込む(S7)。
制御部4は、次に、読込んだ速度値v(S1)に基づき、模擬走行音の周波数を設定し(S9)、次いで、読込んだランプ情報(S5)及び走行環境情報(S7)に基づき、走行時の環境が都市部で夜間であるか否かを判定する(S11)。
【0030】
制御部4は、走行時の環境が都市部及び夜間であれば(S11)、スイッチング回路7をPWM制御するデューティ比を夜間モードで設定する(S13)。次いで、スイッチング回路7へのPWM制御を開始して、ホーン1への通電を開始する(S15)。ホーン1へ通電中であれば、引続きスイッチング回路7をPWM制御してホーン1へ通電する。次に、車速センサから速度値vを読込む(S1)。
【0031】
制御部4は、走行時の環境が都市部及び夜間でなければ(S11)、つまり、都市部及び夜間の何れでもなければ、又は都市部及び夜間の何れかでなければ、スイッチング回路7をPWM制御するデューティ比を昼間モードで設定する(S19)。次いで、スイッチング回路7へのPWM制御を開始して、ホーン1への通電を開始する(S15)。ホーン1へ通電中であれば、引続きスイッチング回路7をPWM制御してホーン1へ通電する。次に、車速センサから速度値vを読込む(S1)。
【0032】
(実施の形態2)
図4は、本発明に係る走行音発生装置及び車両用警音装置の実施の形態2の要部構成を示すブロック図である。
この走行音発生装置及び車両用警音装置は、車両のハンドル(図示せず)に設けられたホーンスイッチ(押ボタンスイッチ)6aが、バッテリ3、オルタネータ2及びホーン1の何れにも接続されていない。ホーンスイッチ6aは、制御部4aに接続され、ホーンスイッチ6aのオン/オフ情報が制御部4aに与えられる。制御部4aは、与えられたオン/オフ情報がオンであるときに、スイッチング回路7を駆動制御して、バッテリ3又はオルタネータ2の出力電圧をホーン1に印加し警音を発生させる。
【0033】
電圧検出器(電圧検出手段)8が、バッテリ3又はオルタネータ2の出力電圧を検出し、検出した電圧値は制御部4aに与えられる。
制御部(PWM制御手段)4aは、与えられたオン/オフ情報がオフであるときは、スイッチング回路(PWM制御手段)7を駆動制御し、バッテリ3又はオルタネータ2の出力電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御してホーン1に与え、模擬走行音を発生させる。
【0034】
制御部4aは、マイクロコンピュータを備えており、図示しない車速センサから速度値(車速情報)を取得し、例えば図2(a)に示すように、速度値が40km/h迄は、速度値が高い程、高い周波数の模擬走行音を発生させるように、スイッチング回路7をPWM制御する。制御部4aは、与えられたオン/オフ情報がオフであり、速度値が40km/hを超えている場合は、スイッチング回路7をオフにする。
【0035】
制御部4aは、与えられたホーンスイッチ6aのオン/オフ情報がオンであるときは、電圧検出器8が検出した電圧値を読込み、検出した電圧値と例えば12V(所定電圧値)とを比較する。その結果、検出した電圧値が12Vより高ければ、デューティ比=100×(12/検出した電圧値)2 %を演算し、演算したデューティ比により、スイッチング回路7をPWM制御する。これにより、ホーン1は、12Vの電圧が印加され警音を発生させる。
【0036】
制御部4aは、検出した電圧値が12V以下であれば、デューティ比=100%により、スイッチング回路7をPWM制御する。これにより、ホーン1は、12V以下の電圧が印加され警音を発生させる。その他の制御部4aの構成及び走行環境判定部5の構成は、実施の形態1で説明した制御部4の構成及び走行環境判定部5の構成と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
以下に、このような構成の走行音発生装置及び車両用警音装置の動作を、それを示す図5,6のフローチャートを参照しながら説明する。
制御部4aは、先ず、ホーンスイッチ6aからオン/オフ情報を読込み(S21)、ホーンスイッチ6aがオンであるか否かを判定する(S23)。
制御部4aは、ホーンスイッチ6aがオンであれば(S23)、電圧検出器8が検出したバッテリ3又はオルタネータ2の出力電圧値(電源電圧値)Vsを読込む(S25)。
【0038】
制御部4aは、次に、読込んだ電源電圧値Vsが、例えば12V(所定電圧値)より高いか否かを判定し(S27)、電源電圧値Vsが12Vより高ければ、デューティ比=100×(12/Vs)2 %を演算し、演算したデューティ比を設定する(S29)。次いで、設定したデューティ比によるスイッチング回路7へのPWM制御を開始して、ホーン1への通電を開始し(S31)、警音を発生させる。ホーン1へ通電中であれば、引続き通電する(S31)。
【0039】
制御部4aは、電源電圧値Vsが12Vより高くなければ(S27)、デューティ比=100%に設定する(S33)。次いで、設定したデューティ比によるスイッチング回路7へのPWM制御(連続してオン)を開始して、ホーン1への通電を開始し(S31)、警音を発生させる。ホーン1へ通電中であれば、引続き通電する(S31)。
【0040】
制御部4aは、ホーンスイッチ6aがオンでなければ(S23)、車速センサから速度値v(車速情報)を読込み(S35)、読込んだ速度値vが、0<v≦40km/hであるか否かを判定する(S37)。
制御部4aは、読込んだ速度値vが、0<v≦40km/hでなければ(S37)、スイッチング回路7をオフにして、ホーン1への通電を停止する(S49)。ホーン1への通電が停止中であれば、引続き通電を停止しておく(S49)。次いで、制御部4aは、ホーンスイッチ6aからオン/オフ情報を読込む(S21)。
【0041】
制御部4aは、読込んだ速度値vが、0<v≦40km/hであれば(S37)、図示しない前照灯スイッチのオン/オフ情報(ランプ情報)を読込む(S39)。次いで、走行環境判定部5から、走行時の環境が都市部であるか否かの判定結果(走行環境情報)を読込む(S41)。
制御部4aは、次に、読込んだ速度値v(S35)に基づき、模擬走行音の周波数を設定し(S43)、次いで、読込んだランプ情報(S39)及び走行環境情報(S41)に基づき、走行時の環境が都市部で夜間であるか否かを判定する(S45)。
【0042】
制御部4aは、走行時の環境が都市部及び夜間であれば(S45)、スイッチング回路7をPWM制御するデューティ比を夜間モードで設定する(S47)。次いで、スイッチング回路7へのPWM制御を開始して、ホーン1への通電を開始し(S31)、模擬走行音を発生させる。ホーン1へ通電中であれば、引続きスイッチング回路7をPWM制御してホーン1へ通電する。次いで、制御部4aは、ホーンスイッチ6aからオン/オフ情報を読込む(S21)。
【0043】
制御部4aは、走行時の環境が都市部及び夜間でなければ(S45)、つまり、都市部及び夜間の何れでもなければ、又は都市部及び夜間の何れかでなければ、スイッチング回路7をPWM制御するデューティ比を昼間モードで設定する(S51)。次いで、スイッチング回路7へのPWM制御を開始して、ホーン1への通電を開始し(S31)、模擬走行音を発生させる。ホーン1へ通電中であれば、引続きスイッチング回路7をPWM制御してホーン1へ通電する(S31)。次いで、制御部4aは、ホーンスイッチ6aからオン/オフ情報を読込む(S21)。
【符号の説明】
【0044】
1 ホーン(警音器)
2 オルタネータ(車載発電機)
3 バッテリ
4 制御部(PWM制御手段、判定手段、速度値取得手段)
4a 制御部(PWM制御手段、比較手段、演算手段)
5 走行環境判定部
6,6a ホーンスイッチ(押ボタンスイッチ)
7 スイッチング回路(PWM制御手段)
8 電圧検出器(電圧検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押ボタンスイッチが操作されている期間、車載発電機又はバッテリの出力電圧を印加されて警音を発生させる警音器を備える車両の走行時の音を模擬的に発生させる走行音発生装置において、
車両の速度値を取得する速度値取得手段と、該速度値取得手段が取得した速度値が所定速度値以下であるか否かを判定する手段と、該手段が所定速度値以下であると判定したときに、前記出力電圧をPWM制御した電圧を、前記警音器に印加するPWM制御手段とを備え、該PWM制御手段がPWM制御した電圧を前記警音器に印加することにより、前記警音より小さな走行音を模擬的に発生させるように構成してあることを特徴とする走行音発生装置。
【請求項2】
前記PWM制御手段は、前記速度値取得手段が取得した速度値が低い程、低い周波数の警音を発生させるように、前記出力電圧をPWM制御するように構成してある請求項1記載の走行音発生装置。
【請求項3】
走行時が夜間又は昼間の何れであるかを判定する判定手段を更に備え、前記PWM制御手段は、前記判定手段が夜間であると判定したときは、昼間であると判定したときよりも、小さなデューティ比で前記出力電圧をPWM制御するように構成してある請求項1又は2記載の走行音発生装置。
【請求項4】
走行時の環境が都市部であるか否かを判定する環境判定手段を更に備え、前記PWM制御手段は、前記環境判定手段が都市部であると判定したときは、都市部でないと判定したときよりも小さなデューティ比で前記出力電圧をPWM制御するように構成してある請求項1乃至3の何れか1項に記載の走行音発生装置。
【請求項5】
走行時の環境が都市部であるか否かを示す情報を取得する都市部情報取得手段を更に備え、前記PWM制御手段は、該都市部情報取得手段が取得した情報が、走行時の環境が都市部であることを示すときは、都市部でないことを示すときよりも、小さなデューティ比で前記出力電圧をPWM制御するように構成してある請求項1乃至3の何れか1項に記載の走行音発生装置。
【請求項6】
押ボタンスイッチが操作されている期間、車載発電機又はバッテリの出力電圧を印加されて警音を発生させる警音器を備える車両用警音装置において、
前記押ボタンスイッチが操作された場合に、前記出力電圧を検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段が検出した電圧値及び所定電圧値を比較する比較手段と、該比較手段が、検出した電圧値の方が高いと判定したときに、デューティ比=100×(所定電圧値/検出した電圧値)2 %を演算する演算手段と、該演算手段が演算したデューティ比により、前記出力電圧をPWM制御した電圧を、前記警音器に印加するPWM制御手段とを備えることを特徴とする車両用警音装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−121558(P2011−121558A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283062(P2009−283062)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】